ゲートウェイ装置及びそのメモリチェック方法
【課題】ゲートウェイ装置のイニシャル処理におけるメモリ領域であるROMチェック時間を短縮して、正常時にゲートウェイ装置を短時間で立ち上げる。
【解決手段】少なくとも1つのECUが接続する複数の通信ラインに接続し、各ライン間のデータの中継を行うゲートウェイ装置の、動作プログラムが格納されたROMを、データの中継機能部分とその他の部分に分割しておき、ゲートウェイ装置の初回のROMチェック時に、中継機能部分のチェックを行って正常時には直ちにゲートウェイ装置に中継動作を開始させ、中継動作中にその他の部分のチェックを行い、2回目以降は、前回のチェック結果が正常時に、ゲートウェイ装置の起動後にゲートウェイ装置に中継動作を開始させ、中継動作中に中継機能部分のチェックとその他の部分のチェックを行う。
【解決手段】少なくとも1つのECUが接続する複数の通信ラインに接続し、各ライン間のデータの中継を行うゲートウェイ装置の、動作プログラムが格納されたROMを、データの中継機能部分とその他の部分に分割しておき、ゲートウェイ装置の初回のROMチェック時に、中継機能部分のチェックを行って正常時には直ちにゲートウェイ装置に中継動作を開始させ、中継動作中にその他の部分のチェックを行い、2回目以降は、前回のチェック結果が正常時に、ゲートウェイ装置の起動後にゲートウェイ装置に中継動作を開始させ、中継動作中に中継機能部分のチェックとその他の部分のチェックを行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲートウェイ装置及びそのメモリチェック方法に関し、特に、電子制御ユニットが複数個接続されたラインが複数存在する環境において、各ラインに接続してライン間のデータの送受信を行うゲートウェイ装置に搭載されたメモリの記憶領域をチェックするゲートウェイ装置及びそのメモリチェック方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子制御装置、例えば車両のエンジンを制御する電子制御装置や、車両に搭載された電子機器を制御する電子制御装置は、制御される機器の数が増大し、各電子機器が個別の電子制御ユニット(以後ECUと記す)によって制御されるために、多数のECUを搭載している。そして、各電子機器の動作に関連性がある場合には、これらのECUは通信ラインによって接続され、データの遣り取りが行われている。一方、1つの通信ラインに接続できるECUの数には物理的な制限があるために、ECUの数が増大すると、通信ラインの数が増大する。
【0003】
ゲートウェイ装置は、これら複数の通信ラインの間でデータを中継するためのものであり、1つのゲートウェイ装置には、複数本の通信ラインが接続している。ゲートウェイ装置の中継動作は、ゲートウェイ装置に内蔵された読出し専用メモリ(ROM)に格納されたプログラムによって行われる。このように、ゲートウェイ装置は複数の通信ライン間のデータの橋渡しの役目をしており、各ラインの接続を誤らないように動作させなければならない。そして、プログラムに誤りがあると制御対象が誤った動作をするので、動作を司るプログラムに異常がないようにゲートウェイ装置を定期的にチェックする必要がある。
【0004】
このため、ゲートウェイ装置では、定常処理でROMチェックを実施しており、異常を検出した場合には、次回のゲートウェイ装置の起動時に、イニシャル処理においてゲートウェイ装置のROMの記憶領域に記憶されたプログラムが正常か、或いは異常かをチェックしている。電子制御装置におけるROM(不揮発性メモリ)のチェック方法としては、特許文献1に、通常時には不揮発性メモリの全領域をチェックし、異常が検出されると記憶領域のみをチェックする方法が記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開平11−15741号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ゲートウェイ装置は、ワイヤーハーネスで各通信ラインが接続されているのと同様に、できるだけ早く立ち上げる必要があり、ROMチェックはできるだけ早く完了させる必要がある。ところが、特許文献1に記載のROMチェック方法では、使用/未使用に係らずROMの全領域をチェックするため、ゲートウェイ装置のイニシャル処理におけるROMチェックを早くすることができず、ROMチェックに時間がかかっていた。このため、従来はゲートウェイ装置の立ち上げ時間が長くかかり、中継処理が遅れてしまうという問題点があった。
【0007】
本発明の目的は、ゲートウェイ装置のイニシャル処理におけるROMチェックを早くすることができ、ROMチェック時間を短縮して、正常時にゲートウェイ装置を短時間で立ち上げることができるゲートウェイ装置及びそのメモリチェック方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成する本発明のゲートウェイ装置は、少なくとも1つのECUが接続する複数の通信ラインに接続し、前記各ライン間のデータの中継を行うゲートウェイ装置であって、ゲートウェイ装置の動作プログラムが格納され、データの中継機能部分とその他の部分に分割されたメモリ領域と、データの中継機能部分とその他の部分を独立してチェックするチェック手段と、ゲートウェイ装置のメモリ領域のチェック回数を調べるチェック回数計数手段と、ゲートウェイ装置に中継動作を行わせる中継手段と、初回のチェック時にはチェック手段に中継機能部分のチェックを行わせ、正常時には中継手段を動作させ、中継動作中にチェック手段にその他の部分のチェックを行わせる第1の制御手段と、2回目以降のチェック時には、ゲートウェイ装置の起動後に中継手段を動作させ、中継動作中にチェック手段に中継機能部分のチェックとその他の部分のチェックの両方を行わせる第2の制御手段とを有することを特徴としている。
【0009】
前記目的を達成する本発明のゲートウェイ装置のメモリチェック方法は、少なくとも1つの制御装置が接続された複数の通信ラインに接続され、通信ライン間の通信データの中継処理を行う制御手段と、制御手段が制御に用いるデータを記憶するメモリとを備えたゲートウェイ装置のメモリチェック方法であって、起動要求またはウェイクアップ要求を受けた場合に、制御手段に、中継処理を行える状態に起動を行わせるとともに、メモリに記憶されたデータのチェックを行わせ、起動時のメモリのチェック結果が正常であった場合には、中継処理を開始した後にメモリに記憶されたデータのチェックを行わせ、起動時のメモリのチェック結果が異常であった場合には、中継処理を開始する前にメモリにおける中継処理に関するデータのチェックを行わせ、当該チェックが完了した後に、中継処理を開始するとともにメモリにおける中継処理に関するデータ以外のデータのチェックを行わせることを特徴としている。
【0010】
また、ゲートウェイ装置の動作プログラムが格納されたメモリ領域が、データの中継機能部分とその他の部分に分割されている場合には、以下の3つの形態のゲートウェイ装置のメモリチェック方法が可能である。第1の形態では、ゲートウェイ装置の初回のメモリ領域のチェック時に、中継機能部分のチェックを行って正常時にはゲートウェイ装置に中継動作を開始させ、中継動作中にその他の部分のチェックを行い、2回目以降は、ゲートウェイ装置の起動後にゲートウェイ装置に中継動作を開始させ、中継動作中に中継機能部分のチェックとその他の部分のチェックを行うことを特徴としている。
【0011】
第2の形態では、ゲートウェイ装置の前回のメモリ領域のチェック結果が正常時には、ゲートウェイ装置に中継動作を開始させ、中継動作中に中継機能部分のチェックとその他の部分のチェックを行い、ゲートウェイ装置の前回のメモリ領域のチェック結果が異常時には、ゲートウェイ装置のメモリ領域のチェック時に中継機能部分のチェックを行って、正常時にはゲートウェイ装置に中継動作を開始させ、中継動作中にその他の部分のチェックを行うことを特徴としている。
【0012】
この場合、その他の部分のチェックにおいて、その他の部分の少なくとも一部が異常であった場合には、ゲートウェイ装置の次回のメモリ領域のチェック時に、中継機能部分のチェックを行って正常時にはゲートウェイ装置に中継動作を開始させ、中継動作中にその他の部分のチェックを行うようにすることができる。また、中継機能部分のチェックの結果、異常時にはゲートウェイ装置に中継動作を実行させないようにしても良い。
【0013】
第3の形態では、ゲートウェイ装置の初回のメモリ領域のチェック時に、中継機能部分のチェックを行って正常時にはゲートウェイ装置に中継動作を開始させ、中継動作中に前記その他の部分のチェックを行い、ゲートウェイ装置の前回のメモリ領域のチェック結果が正常時には、ゲートウェイ装置に中継動作を開始させ、中継動作中に中継機能部分のチェックとその他の部分のチェックを行い、ゲートウェイ装置の前回のメモリ領域のチェック結果が異常時には、中継機能部分のチェックを行って、正常時にはゲートウェイ装置に中継動作を開始させ、中継動作中に前記その他の部分のチェックを行い、異常時にはゲートウェイ装置に中継動作を実行させないことを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ゲートウェイ装置の動作プログラムが格納されたメモリ領域であるROMをチェックする場合に、イニシャル処理においてROMチェックを早くすることができ、ROMチェック時間を短縮して、正常時にゲートウェイ装置を短時間で立ち上げることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面を用いて本発明の実施の形態を、具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。
【0016】
図1は本発明に係るゲートウェイ装置であるゲートウェイECU10が置かれる環境を示すものである。ゲートウェイECU10には、この例では、電子制御ユニット1A〜1Cが接続された通信ライン2A、電子制御ユニット1D〜1Fが接続された通信ライン2B、電子制御ユニット1G〜1Iが接続された通信ライン2C、及び電子制御ユニット1J〜1Lが接続された通信ライン2Dが接続されている。電子制御ユニット1A〜1Fは図ではECUA〜ECUFと記載されている。そして、ゲートウェイECU10は、通信ライン2A〜2Dの相互間のデータの中継を行う。
なお、通信ライン2A〜2Dは、CANバス、Flex Rayバスなどの各種通信バスで構成される。
【0017】
図2は図1に示されるゲートウェイECU10の内部構成を示すブロック図である。この例のゲートウェイECU10は、バッテリ3、例えば車両に搭載されたバッテリ3に接続されており、その内部にはCPU20を備えたマイクロコンピュータ(以後マイコンという)11がある。マイコン11にはこの例では6つのトランシーバ12が接続されている。各トランシーバ12は2つの接続端子CANHnとCANLn(nは0〜5)に接続されており、これらの接続端子CANHnとCANLn(nは0〜5)に図1に示した通信ライン2が接続される。この例では、通信ライン2は最大6系統接続可能である。
【0018】
また、マイコン11にはEEPROM13が接続されており、バッテリ3に接続する電源回路には、過電流検知機能を備えたDC−DC電源14と電源IC15がある。また、マイコン11に内蔵されたAD変換器16には、入力処理回路17を通じてバッテリ状態の情報、イグニッションスイッチIG1のオン/オフ情報やバッテリ状態を示す信号が入力されるようになっている。電源回路や入力信号系の構成は本願発明に関係がないので、これ以上の説明を省略する。
【0019】
図3は図2に示されるゲートウェイECU10のマイコン11に内蔵されるCPU20の内部構成を示すものである。CPU20には、演算を行って制御を実行するCPUコア21、RAM22やROM23を備えたメモリ24、演算器25、及び周辺機能26がある。ゲートウェイECUが処理を行うためのソフトウエアはこのROM23の中に格納されている。周辺機能26の内部構成については、本発明に関係のあるものだけに符号を付して説明する。
【0020】
周辺機能26の中には、タイマ、システムクロック発生回路、ウオッチドッグタイマ、A/Dコンバータ、I/O制御部、CANモジュール27、ゲートウェイモジュール28などがある。後述する各チャンネルのメッセージボックスはCANモジュール27の中にあり、ゲートウェイモジュール28はゲートウェイがハードウエアで構成されている場合に存在するものである。
【0021】
図4は、図3に示されるROM23の本発明における内部構成を示すものである。この実施例では、ROM23の記憶領域を、中継機能部のプログラムの記憶領域23A,中継機能部以外のプログラムの記憶領域23B,中継機能部の定数の記憶領域23C、中継機能部以外の定数の記憶領域23D、及び空き領域であるその他の記憶領域23Eに分割している。
【0022】
このように分割したROM23をチェックする場合は、イニシャル処理内でチェックする領域と、メイン処理内でチェックする領域を分け、チェックする順番も下記の(1)から(5)のようにする。イニシャル処理は、マイコンの初期設定やRAMチェックを行うものであり、メインの処理に入るための準備処理である。ROM23のチェックは、CPUコア21によって行われ、記憶データが変化していないかをチェックする。
【0023】
(イニシャル処理内)
(1)プログラム(中継機能部)23A
(2)定数(中継機能部)23C
(メイン処理内)
(3)プログラム(中継機能部以外)23B
(4)定数(中継機能部以外)23D
(5)その他(空き領域)23E
【0024】
図4に示したROM23のSUM(A)からSAM(E)には、ROMチェックの結果が同じになるような特定の値が格納されている。例えば、ROM23のSUM(A)からSAM(E)にはそれぞれのROMチェックの値がY(Yは整数)になれば正常とする値Yが格納されている。そして、前回のROMチェックで異常が検出された時には、イニシャル処理時にプログラム(中継機能部)と定数(中継機能部)のROMSUM値がそれぞれYであれば正常と判定し、メイン処理時にプログラム(中継機能部以外)、定数(中継機能部以外)、及びその他(空き領域)のROMSUM値がそれぞれYであれば正常と判定する。この判定方法は公知である。また、前回のROMチェックが正常であった場合には、イニシャル処理時に行ったROMSUM値の照合をメイン処理時に実施する。これらの処理のタイミングについては、後にフローチャートを用いて説明する。
【0025】
また、この際、ハードマクロゲートウェイ(CPUとハードマクロとで分担して処理を行うゲートウェイ)と、ソフトウエアゲートウェイ(ハードマクロで処理されている部分をCPUで処理を行うゲートウェイ)とではチェックするメモリの内容が異なり、チェックの仕方も異なる。ハードマクロゲートウェイとソフトウエアゲートウェイで行うチェックの内容は、例えば以下の通りである。なお、製品により中継機能以外に搭載される機能は異なるため、以下に示すチェックは例である。
【0026】
(ハードマクロゲートウェイ)
<中継処理開始前にチェックを実施するもの>
・CAN送信(ロジック、定数)
・ゲートウェイバッファリング処理(ロジック、定数)
・ルーティングマップ(定数)
<中継処理開始後にチェックを実施するもの>
・ダイアグ(ロジック、定数)
・フェールセーフロジック(ロジック、定数)
・CCP(ロジック、定数)
【0027】
(ソフトウェアゲートウェイ)
<中継処理開始前にチェックを実施するもの>
・CAN受信(ロジック、定数)
・CAN送信(ロジック、定数)
・検索処理(ロジック、定数)
・ゲートウェイバッファリング処理(ロジック、定数)
・ルーティングマップ(定数)
<中継処理開始後にチェックを実施するもの>
・ダイアグ
・フェールセーフ
・CCP
【0028】
次に、図5及び図6を用いて図1に示されるゲートウェイECU10の中継処理の概要を説明する。図5はゲートウェイECUがCAN(Controller Area Network)通信を行う場合の中継フローを示すものであり、図6はその機能ブロック図である。図6には、図3に示したCPUコア(ここではCPUコアによって実現されるソフトウエア制御部として記載している)21、RAM22、CANモジュール27、及びゲートウェイモジュール28が示されている。CANは当初、車載用のLAN(構内通信網)として開発されたが、近年、幅広い分野で実施段階にあるネットワークである。
【0029】
RAM22はソフトウエア制御部21と接続しており、内部にIDバッファを備える。CANモジュール27は、図2に示したトランシーバ12からフレームデータを入手してこれを内部のメッセージボックス29に格納した後にゲートウェイモジュール28に出力する。この処理が図5に示したCAN受信に相当する。ゲートウェイモジュール28にはフレームデータの振り分け部、振り分けられたフレームデータのセレクタ部、選択されたフレームデータの検索エンジン部、フレームデータの送信FIFO部、及びマップメモリがある。検索エンジン部はマップメモリに接続しており、マップメモリはソフトウエア制御部21に接続している。
【0030】
ゲートウェイモジュール28内のフレームデータの処理が、図5に示す検索処理とゲートウェイバッファリング処理である。検索処理とゲートウェイバッファリング処理については公知であるので、詳しくは説明しない。ゲートウェイモジュール28内でバッファリング処理されたフレームデータは再びCANモジュールに送られてそのメッセージボックス29に格納された後、図2に示したトランシーバ12に出力され、検索された通信ラインに出力される。この処理が図5に示したCAN送信に相当する。
【0031】
以上のようなゲートウェイECU10の動作により、複数の通信ラインの間でデータが中継されるが、ゲートウェイECU10の中継動作は、前述のように、ROM23に格納されたプログラムによって行われる。従って、プログラムに誤りがあるとゲートウェイECU10の中継動作に誤りが生じ、制御対象が誤った動作をする。図7は、ゲートウェイECU10の中継動作を司るプログラムに異常がないように、ROM23を定期的にチェックする従来の手順を示すものである。この手順は電源投入時、或いは後述するスリープ状態からの復帰要求(ウェイクアップ要求)による復帰時、再起動時に実施される。この例では、図1に示した環境が車両に搭載された環境である場合について説明する。
【0032】
ステップ701ではイニシャル処理を行い、次いでステップ702でメイン処理を開始する。そして、メイン処理の中で、ステップ703に示すように、図3に示したROM23の全域をチェックし、次のステップ704でROM23が正常か否かを判定する。そして、ROM23が正常である場合はステップ705に進んで、ゲートウェイECUの中継処理を開始してこのルーチンを終了する。一方、ROM23に異常があった場合はステップ706に進んで、マイコンの正常復帰を期待してマイコンを再起動(リセット)するか、或いはマイコンの動作を停止させるスリープ状態にしてこのルーチンを終了する。
【0033】
このような従来のゲートウェイECU10のROM23のチェック手順では、ゲートウェイECU10の電源投入毎にROM23の全領域をチェックしてプログラムに異常がないかどうかを検出していたので、ゲートウェイECU10の電源が投入されてから、ゲートウェイECUが中継動作を開始するまでの時間が長かった。そこで、本発明の実施例では、ゲートウェイECU10の電源が投入されてから図8及び図9に示すような手順を実行することにより、ゲートウェイECU10の電源が投入されてから、ゲートウェイECU10が中継動作を開始するまでの時間の短縮を図っている。
【0034】
図8はゲートウェイECU10の起動時の処理手順を示すものであり、電源投入(起動要求)時や、スリープ状態からの復帰(ウェイクアップ要求)時に1回のみ、及び再起動される毎に実行される。ステップ801では、前回の履歴が無いかどうかが判定される。ステップ801で前回の履歴があると判定された場合はステップ802に進み、前回異常であったかどうかが判定される。前回異常でなかった場合はステップ808に進み、イニシャル処理が実行されてこのルーチンを終了する。
【0035】
一方、ステップ801で前回履歴がないと判定された場合、或いはステップ802で前回異常であると判定された場合はステップ803に進み、イニシャル処理が実行された後にステップ804に進む。ステップ804では、ROMチェックが行われるが、このときのROMチェックは中継機能部のみのROMチェックである。そして、続くステップ805において、ステップ804でのROMチェックの結果、ROMが異常かどうかが判定される。ROMが異常でない場合はこのルーチンを終了し、ROMが異常である場合はステップ806に進んでROMの異常が記憶され、次のステップ807でマイコンの再起動指示の出力、或いはマイコンのスリープ指示の出力が行われてこのルーチンを終了する。
【0036】
なお、以上説明した起動時の処理手順では、イニシャル処理が終了した後にROMチェックを行うようにしているが、イニシャル処理の合間にROMチェックを行うようにしても良い。
【0037】
図9はゲートウェイECU10のメイン処理の手順を示すものであり、この手順は図8で説明した起動処理手順の実行が終了した後、所定時間毎に繰り返し実行されるものである。ステップ901では、定常処理(中継処理)が実行され、続くステップ902ではROMの全領域のチェックが終了したか否かが判定される。ステップ902で、ROMの全領域のチェックが終了したと判定された場合はこのルーチンを終了し、ROMの全領域のチェックが終了していないと判定された場合はステップ903に進む。
【0038】
ステップ903では中継処理部に関するROMチェックが未だ終了していないかどうかが判定され、中継処理部に関するROMチェックが未だ終了していない場合はステップ904に進み、終了した場合はステップ908に進む。中継処理部に関するROMチェックが未だ終了していない場合を先に説明すると、この場合はステップ904において中継機能部のみのROMチェックが行われ、ステップ905においてROMが異常かどうかが判定される。
【0039】
ステップ905の判定で、ROMが異常でないと判定された場合はこのルーチンを終了し、ROMが異常であると判定された場合はステップ906に進む。ステップ906では、ROMの異常が記憶され、次のステップ907でマイコンの再起動指示の出力、或いはマイコンのスリープ指示の出力が行われてこのルーチンを終了する。
【0040】
次に、ステップ903で中継処理部に関するROMチェックが終了したと判定された場合はステップ908に進み、ここで中継機能部以外の領域のROMチェックが行わる。そして、続くステップ909においてROMが異常かどうかが判定され、ROMが異常でないと判定された場合はこのルーチンを終了し、ROMが異常であると判定された場合はステップ910に進む。ステップ910では、ROMの異常が記憶されてこのルーチンを終了する。
【0041】
このメイン処理の手順では、一度ROMの全領域についてのチェックが完了すると、マイコンが再起動されるか、あるいはスリープ状態からの復帰があるまで、ROMのチェックが行われることがないようになっているが、ROMの全領域のチェックが一度完了した後も、何回もROMのチェックを繰り返し行うようにしても良い。
【0042】
図10は、ROMのチェック手順における初回(前回履歴なし)及び前回のチェック結果が異常時の処理を示すものであり、図8及び図9に示した起動時処理とメイン処理の内容を時間の経過と共に示すものである。即ち、図8のステップ801でYES及びステップ802でもYESとなった時の、ステップ803及び804の処理の内容、及び図9のス903でNOとなった時の処理を示すものである。ROM23の中継機能部のROMチェック(図にはROMSUMと記載されている)は起動時処理中に行われる。そして、ROM23のその他の領域のROMチェック(図にはROMSUMと記載されている)は、メイン処理(中継処理、SW処理、A/D変換処理、及びダイアグノーシス処理)の中の空いた時間に実施される。
【0043】
図11は、ROMのチェック手順における前回のチェック結果が正常時の処理を示すものであり、図8及び図9に示した起動時処理とメイン処理の内容を時間の経過と共に示すものである。即ち、図8のステップ801でNO及びステップ802でもNOとなった時の、ステップ808、及び図9のステップ904及び908の処理の内容を示すものである。ROMチェックはイニシャル処理中には行われず、ROMチェックはメイン処理(中継処理、SW処理、A/D変換処理、及びダイアグノーシス処理)の中の空いた時間に実施される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係るゲートェイ装置が置かれる環境を示す説明図である。
【図2】図1に示されるゲートウェイECUの内部構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示されるゲートウェイECUのマイクロコンピュータに内蔵されるCPUの内部構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示されるROMの本発明における内部構成を示すブロック図である。
【図5】図1に示されるゲートウェイECUの中継処理の概要を示す説明図である。
【図6】図5に示されるゲートウェイECUの中継処理の機能ブロック図である。
【図7】従来のゲートウェイECUのROMのチェック手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明に係るゲートウェイECUのROMの起動時のチェック手順の一実施例を示すフローチャートである。
【図9】本発明に係るゲートウェイECUのROMの起動後のメイン処理におけるチェック手順の一実施例を示すフローチャートである。
【図10】図8及び図9に示したROMのチェック手順における初回及び前回のチェック結果が異常時のイニシャル処理とメイン処理の内容を示すタイムチャートである。
【図11】図8及び図9に示したROMのチェック手順における前回のチェック結果が正常時のイニシャル処理とメイン処理の内容を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
【0045】
2 通信ライン
10 ゲートウェイECU
11 マイクロコンピュータ(マイコン)
12 トランシーバ
20 CPU
21 CPUコア(ソフトウエア制御部)
23 ROM
26 周辺機能
27 CANモジュール
28 ゲートウェイモジュール
【技術分野】
【0001】
本発明はゲートウェイ装置及びそのメモリチェック方法に関し、特に、電子制御ユニットが複数個接続されたラインが複数存在する環境において、各ラインに接続してライン間のデータの送受信を行うゲートウェイ装置に搭載されたメモリの記憶領域をチェックするゲートウェイ装置及びそのメモリチェック方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子制御装置、例えば車両のエンジンを制御する電子制御装置や、車両に搭載された電子機器を制御する電子制御装置は、制御される機器の数が増大し、各電子機器が個別の電子制御ユニット(以後ECUと記す)によって制御されるために、多数のECUを搭載している。そして、各電子機器の動作に関連性がある場合には、これらのECUは通信ラインによって接続され、データの遣り取りが行われている。一方、1つの通信ラインに接続できるECUの数には物理的な制限があるために、ECUの数が増大すると、通信ラインの数が増大する。
【0003】
ゲートウェイ装置は、これら複数の通信ラインの間でデータを中継するためのものであり、1つのゲートウェイ装置には、複数本の通信ラインが接続している。ゲートウェイ装置の中継動作は、ゲートウェイ装置に内蔵された読出し専用メモリ(ROM)に格納されたプログラムによって行われる。このように、ゲートウェイ装置は複数の通信ライン間のデータの橋渡しの役目をしており、各ラインの接続を誤らないように動作させなければならない。そして、プログラムに誤りがあると制御対象が誤った動作をするので、動作を司るプログラムに異常がないようにゲートウェイ装置を定期的にチェックする必要がある。
【0004】
このため、ゲートウェイ装置では、定常処理でROMチェックを実施しており、異常を検出した場合には、次回のゲートウェイ装置の起動時に、イニシャル処理においてゲートウェイ装置のROMの記憶領域に記憶されたプログラムが正常か、或いは異常かをチェックしている。電子制御装置におけるROM(不揮発性メモリ)のチェック方法としては、特許文献1に、通常時には不揮発性メモリの全領域をチェックし、異常が検出されると記憶領域のみをチェックする方法が記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開平11−15741号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ゲートウェイ装置は、ワイヤーハーネスで各通信ラインが接続されているのと同様に、できるだけ早く立ち上げる必要があり、ROMチェックはできるだけ早く完了させる必要がある。ところが、特許文献1に記載のROMチェック方法では、使用/未使用に係らずROMの全領域をチェックするため、ゲートウェイ装置のイニシャル処理におけるROMチェックを早くすることができず、ROMチェックに時間がかかっていた。このため、従来はゲートウェイ装置の立ち上げ時間が長くかかり、中継処理が遅れてしまうという問題点があった。
【0007】
本発明の目的は、ゲートウェイ装置のイニシャル処理におけるROMチェックを早くすることができ、ROMチェック時間を短縮して、正常時にゲートウェイ装置を短時間で立ち上げることができるゲートウェイ装置及びそのメモリチェック方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成する本発明のゲートウェイ装置は、少なくとも1つのECUが接続する複数の通信ラインに接続し、前記各ライン間のデータの中継を行うゲートウェイ装置であって、ゲートウェイ装置の動作プログラムが格納され、データの中継機能部分とその他の部分に分割されたメモリ領域と、データの中継機能部分とその他の部分を独立してチェックするチェック手段と、ゲートウェイ装置のメモリ領域のチェック回数を調べるチェック回数計数手段と、ゲートウェイ装置に中継動作を行わせる中継手段と、初回のチェック時にはチェック手段に中継機能部分のチェックを行わせ、正常時には中継手段を動作させ、中継動作中にチェック手段にその他の部分のチェックを行わせる第1の制御手段と、2回目以降のチェック時には、ゲートウェイ装置の起動後に中継手段を動作させ、中継動作中にチェック手段に中継機能部分のチェックとその他の部分のチェックの両方を行わせる第2の制御手段とを有することを特徴としている。
【0009】
前記目的を達成する本発明のゲートウェイ装置のメモリチェック方法は、少なくとも1つの制御装置が接続された複数の通信ラインに接続され、通信ライン間の通信データの中継処理を行う制御手段と、制御手段が制御に用いるデータを記憶するメモリとを備えたゲートウェイ装置のメモリチェック方法であって、起動要求またはウェイクアップ要求を受けた場合に、制御手段に、中継処理を行える状態に起動を行わせるとともに、メモリに記憶されたデータのチェックを行わせ、起動時のメモリのチェック結果が正常であった場合には、中継処理を開始した後にメモリに記憶されたデータのチェックを行わせ、起動時のメモリのチェック結果が異常であった場合には、中継処理を開始する前にメモリにおける中継処理に関するデータのチェックを行わせ、当該チェックが完了した後に、中継処理を開始するとともにメモリにおける中継処理に関するデータ以外のデータのチェックを行わせることを特徴としている。
【0010】
また、ゲートウェイ装置の動作プログラムが格納されたメモリ領域が、データの中継機能部分とその他の部分に分割されている場合には、以下の3つの形態のゲートウェイ装置のメモリチェック方法が可能である。第1の形態では、ゲートウェイ装置の初回のメモリ領域のチェック時に、中継機能部分のチェックを行って正常時にはゲートウェイ装置に中継動作を開始させ、中継動作中にその他の部分のチェックを行い、2回目以降は、ゲートウェイ装置の起動後にゲートウェイ装置に中継動作を開始させ、中継動作中に中継機能部分のチェックとその他の部分のチェックを行うことを特徴としている。
【0011】
第2の形態では、ゲートウェイ装置の前回のメモリ領域のチェック結果が正常時には、ゲートウェイ装置に中継動作を開始させ、中継動作中に中継機能部分のチェックとその他の部分のチェックを行い、ゲートウェイ装置の前回のメモリ領域のチェック結果が異常時には、ゲートウェイ装置のメモリ領域のチェック時に中継機能部分のチェックを行って、正常時にはゲートウェイ装置に中継動作を開始させ、中継動作中にその他の部分のチェックを行うことを特徴としている。
【0012】
この場合、その他の部分のチェックにおいて、その他の部分の少なくとも一部が異常であった場合には、ゲートウェイ装置の次回のメモリ領域のチェック時に、中継機能部分のチェックを行って正常時にはゲートウェイ装置に中継動作を開始させ、中継動作中にその他の部分のチェックを行うようにすることができる。また、中継機能部分のチェックの結果、異常時にはゲートウェイ装置に中継動作を実行させないようにしても良い。
【0013】
第3の形態では、ゲートウェイ装置の初回のメモリ領域のチェック時に、中継機能部分のチェックを行って正常時にはゲートウェイ装置に中継動作を開始させ、中継動作中に前記その他の部分のチェックを行い、ゲートウェイ装置の前回のメモリ領域のチェック結果が正常時には、ゲートウェイ装置に中継動作を開始させ、中継動作中に中継機能部分のチェックとその他の部分のチェックを行い、ゲートウェイ装置の前回のメモリ領域のチェック結果が異常時には、中継機能部分のチェックを行って、正常時にはゲートウェイ装置に中継動作を開始させ、中継動作中に前記その他の部分のチェックを行い、異常時にはゲートウェイ装置に中継動作を実行させないことを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ゲートウェイ装置の動作プログラムが格納されたメモリ領域であるROMをチェックする場合に、イニシャル処理においてROMチェックを早くすることができ、ROMチェック時間を短縮して、正常時にゲートウェイ装置を短時間で立ち上げることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面を用いて本発明の実施の形態を、具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。
【0016】
図1は本発明に係るゲートウェイ装置であるゲートウェイECU10が置かれる環境を示すものである。ゲートウェイECU10には、この例では、電子制御ユニット1A〜1Cが接続された通信ライン2A、電子制御ユニット1D〜1Fが接続された通信ライン2B、電子制御ユニット1G〜1Iが接続された通信ライン2C、及び電子制御ユニット1J〜1Lが接続された通信ライン2Dが接続されている。電子制御ユニット1A〜1Fは図ではECUA〜ECUFと記載されている。そして、ゲートウェイECU10は、通信ライン2A〜2Dの相互間のデータの中継を行う。
なお、通信ライン2A〜2Dは、CANバス、Flex Rayバスなどの各種通信バスで構成される。
【0017】
図2は図1に示されるゲートウェイECU10の内部構成を示すブロック図である。この例のゲートウェイECU10は、バッテリ3、例えば車両に搭載されたバッテリ3に接続されており、その内部にはCPU20を備えたマイクロコンピュータ(以後マイコンという)11がある。マイコン11にはこの例では6つのトランシーバ12が接続されている。各トランシーバ12は2つの接続端子CANHnとCANLn(nは0〜5)に接続されており、これらの接続端子CANHnとCANLn(nは0〜5)に図1に示した通信ライン2が接続される。この例では、通信ライン2は最大6系統接続可能である。
【0018】
また、マイコン11にはEEPROM13が接続されており、バッテリ3に接続する電源回路には、過電流検知機能を備えたDC−DC電源14と電源IC15がある。また、マイコン11に内蔵されたAD変換器16には、入力処理回路17を通じてバッテリ状態の情報、イグニッションスイッチIG1のオン/オフ情報やバッテリ状態を示す信号が入力されるようになっている。電源回路や入力信号系の構成は本願発明に関係がないので、これ以上の説明を省略する。
【0019】
図3は図2に示されるゲートウェイECU10のマイコン11に内蔵されるCPU20の内部構成を示すものである。CPU20には、演算を行って制御を実行するCPUコア21、RAM22やROM23を備えたメモリ24、演算器25、及び周辺機能26がある。ゲートウェイECUが処理を行うためのソフトウエアはこのROM23の中に格納されている。周辺機能26の内部構成については、本発明に関係のあるものだけに符号を付して説明する。
【0020】
周辺機能26の中には、タイマ、システムクロック発生回路、ウオッチドッグタイマ、A/Dコンバータ、I/O制御部、CANモジュール27、ゲートウェイモジュール28などがある。後述する各チャンネルのメッセージボックスはCANモジュール27の中にあり、ゲートウェイモジュール28はゲートウェイがハードウエアで構成されている場合に存在するものである。
【0021】
図4は、図3に示されるROM23の本発明における内部構成を示すものである。この実施例では、ROM23の記憶領域を、中継機能部のプログラムの記憶領域23A,中継機能部以外のプログラムの記憶領域23B,中継機能部の定数の記憶領域23C、中継機能部以外の定数の記憶領域23D、及び空き領域であるその他の記憶領域23Eに分割している。
【0022】
このように分割したROM23をチェックする場合は、イニシャル処理内でチェックする領域と、メイン処理内でチェックする領域を分け、チェックする順番も下記の(1)から(5)のようにする。イニシャル処理は、マイコンの初期設定やRAMチェックを行うものであり、メインの処理に入るための準備処理である。ROM23のチェックは、CPUコア21によって行われ、記憶データが変化していないかをチェックする。
【0023】
(イニシャル処理内)
(1)プログラム(中継機能部)23A
(2)定数(中継機能部)23C
(メイン処理内)
(3)プログラム(中継機能部以外)23B
(4)定数(中継機能部以外)23D
(5)その他(空き領域)23E
【0024】
図4に示したROM23のSUM(A)からSAM(E)には、ROMチェックの結果が同じになるような特定の値が格納されている。例えば、ROM23のSUM(A)からSAM(E)にはそれぞれのROMチェックの値がY(Yは整数)になれば正常とする値Yが格納されている。そして、前回のROMチェックで異常が検出された時には、イニシャル処理時にプログラム(中継機能部)と定数(中継機能部)のROMSUM値がそれぞれYであれば正常と判定し、メイン処理時にプログラム(中継機能部以外)、定数(中継機能部以外)、及びその他(空き領域)のROMSUM値がそれぞれYであれば正常と判定する。この判定方法は公知である。また、前回のROMチェックが正常であった場合には、イニシャル処理時に行ったROMSUM値の照合をメイン処理時に実施する。これらの処理のタイミングについては、後にフローチャートを用いて説明する。
【0025】
また、この際、ハードマクロゲートウェイ(CPUとハードマクロとで分担して処理を行うゲートウェイ)と、ソフトウエアゲートウェイ(ハードマクロで処理されている部分をCPUで処理を行うゲートウェイ)とではチェックするメモリの内容が異なり、チェックの仕方も異なる。ハードマクロゲートウェイとソフトウエアゲートウェイで行うチェックの内容は、例えば以下の通りである。なお、製品により中継機能以外に搭載される機能は異なるため、以下に示すチェックは例である。
【0026】
(ハードマクロゲートウェイ)
<中継処理開始前にチェックを実施するもの>
・CAN送信(ロジック、定数)
・ゲートウェイバッファリング処理(ロジック、定数)
・ルーティングマップ(定数)
<中継処理開始後にチェックを実施するもの>
・ダイアグ(ロジック、定数)
・フェールセーフロジック(ロジック、定数)
・CCP(ロジック、定数)
【0027】
(ソフトウェアゲートウェイ)
<中継処理開始前にチェックを実施するもの>
・CAN受信(ロジック、定数)
・CAN送信(ロジック、定数)
・検索処理(ロジック、定数)
・ゲートウェイバッファリング処理(ロジック、定数)
・ルーティングマップ(定数)
<中継処理開始後にチェックを実施するもの>
・ダイアグ
・フェールセーフ
・CCP
【0028】
次に、図5及び図6を用いて図1に示されるゲートウェイECU10の中継処理の概要を説明する。図5はゲートウェイECUがCAN(Controller Area Network)通信を行う場合の中継フローを示すものであり、図6はその機能ブロック図である。図6には、図3に示したCPUコア(ここではCPUコアによって実現されるソフトウエア制御部として記載している)21、RAM22、CANモジュール27、及びゲートウェイモジュール28が示されている。CANは当初、車載用のLAN(構内通信網)として開発されたが、近年、幅広い分野で実施段階にあるネットワークである。
【0029】
RAM22はソフトウエア制御部21と接続しており、内部にIDバッファを備える。CANモジュール27は、図2に示したトランシーバ12からフレームデータを入手してこれを内部のメッセージボックス29に格納した後にゲートウェイモジュール28に出力する。この処理が図5に示したCAN受信に相当する。ゲートウェイモジュール28にはフレームデータの振り分け部、振り分けられたフレームデータのセレクタ部、選択されたフレームデータの検索エンジン部、フレームデータの送信FIFO部、及びマップメモリがある。検索エンジン部はマップメモリに接続しており、マップメモリはソフトウエア制御部21に接続している。
【0030】
ゲートウェイモジュール28内のフレームデータの処理が、図5に示す検索処理とゲートウェイバッファリング処理である。検索処理とゲートウェイバッファリング処理については公知であるので、詳しくは説明しない。ゲートウェイモジュール28内でバッファリング処理されたフレームデータは再びCANモジュールに送られてそのメッセージボックス29に格納された後、図2に示したトランシーバ12に出力され、検索された通信ラインに出力される。この処理が図5に示したCAN送信に相当する。
【0031】
以上のようなゲートウェイECU10の動作により、複数の通信ラインの間でデータが中継されるが、ゲートウェイECU10の中継動作は、前述のように、ROM23に格納されたプログラムによって行われる。従って、プログラムに誤りがあるとゲートウェイECU10の中継動作に誤りが生じ、制御対象が誤った動作をする。図7は、ゲートウェイECU10の中継動作を司るプログラムに異常がないように、ROM23を定期的にチェックする従来の手順を示すものである。この手順は電源投入時、或いは後述するスリープ状態からの復帰要求(ウェイクアップ要求)による復帰時、再起動時に実施される。この例では、図1に示した環境が車両に搭載された環境である場合について説明する。
【0032】
ステップ701ではイニシャル処理を行い、次いでステップ702でメイン処理を開始する。そして、メイン処理の中で、ステップ703に示すように、図3に示したROM23の全域をチェックし、次のステップ704でROM23が正常か否かを判定する。そして、ROM23が正常である場合はステップ705に進んで、ゲートウェイECUの中継処理を開始してこのルーチンを終了する。一方、ROM23に異常があった場合はステップ706に進んで、マイコンの正常復帰を期待してマイコンを再起動(リセット)するか、或いはマイコンの動作を停止させるスリープ状態にしてこのルーチンを終了する。
【0033】
このような従来のゲートウェイECU10のROM23のチェック手順では、ゲートウェイECU10の電源投入毎にROM23の全領域をチェックしてプログラムに異常がないかどうかを検出していたので、ゲートウェイECU10の電源が投入されてから、ゲートウェイECUが中継動作を開始するまでの時間が長かった。そこで、本発明の実施例では、ゲートウェイECU10の電源が投入されてから図8及び図9に示すような手順を実行することにより、ゲートウェイECU10の電源が投入されてから、ゲートウェイECU10が中継動作を開始するまでの時間の短縮を図っている。
【0034】
図8はゲートウェイECU10の起動時の処理手順を示すものであり、電源投入(起動要求)時や、スリープ状態からの復帰(ウェイクアップ要求)時に1回のみ、及び再起動される毎に実行される。ステップ801では、前回の履歴が無いかどうかが判定される。ステップ801で前回の履歴があると判定された場合はステップ802に進み、前回異常であったかどうかが判定される。前回異常でなかった場合はステップ808に進み、イニシャル処理が実行されてこのルーチンを終了する。
【0035】
一方、ステップ801で前回履歴がないと判定された場合、或いはステップ802で前回異常であると判定された場合はステップ803に進み、イニシャル処理が実行された後にステップ804に進む。ステップ804では、ROMチェックが行われるが、このときのROMチェックは中継機能部のみのROMチェックである。そして、続くステップ805において、ステップ804でのROMチェックの結果、ROMが異常かどうかが判定される。ROMが異常でない場合はこのルーチンを終了し、ROMが異常である場合はステップ806に進んでROMの異常が記憶され、次のステップ807でマイコンの再起動指示の出力、或いはマイコンのスリープ指示の出力が行われてこのルーチンを終了する。
【0036】
なお、以上説明した起動時の処理手順では、イニシャル処理が終了した後にROMチェックを行うようにしているが、イニシャル処理の合間にROMチェックを行うようにしても良い。
【0037】
図9はゲートウェイECU10のメイン処理の手順を示すものであり、この手順は図8で説明した起動処理手順の実行が終了した後、所定時間毎に繰り返し実行されるものである。ステップ901では、定常処理(中継処理)が実行され、続くステップ902ではROMの全領域のチェックが終了したか否かが判定される。ステップ902で、ROMの全領域のチェックが終了したと判定された場合はこのルーチンを終了し、ROMの全領域のチェックが終了していないと判定された場合はステップ903に進む。
【0038】
ステップ903では中継処理部に関するROMチェックが未だ終了していないかどうかが判定され、中継処理部に関するROMチェックが未だ終了していない場合はステップ904に進み、終了した場合はステップ908に進む。中継処理部に関するROMチェックが未だ終了していない場合を先に説明すると、この場合はステップ904において中継機能部のみのROMチェックが行われ、ステップ905においてROMが異常かどうかが判定される。
【0039】
ステップ905の判定で、ROMが異常でないと判定された場合はこのルーチンを終了し、ROMが異常であると判定された場合はステップ906に進む。ステップ906では、ROMの異常が記憶され、次のステップ907でマイコンの再起動指示の出力、或いはマイコンのスリープ指示の出力が行われてこのルーチンを終了する。
【0040】
次に、ステップ903で中継処理部に関するROMチェックが終了したと判定された場合はステップ908に進み、ここで中継機能部以外の領域のROMチェックが行わる。そして、続くステップ909においてROMが異常かどうかが判定され、ROMが異常でないと判定された場合はこのルーチンを終了し、ROMが異常であると判定された場合はステップ910に進む。ステップ910では、ROMの異常が記憶されてこのルーチンを終了する。
【0041】
このメイン処理の手順では、一度ROMの全領域についてのチェックが完了すると、マイコンが再起動されるか、あるいはスリープ状態からの復帰があるまで、ROMのチェックが行われることがないようになっているが、ROMの全領域のチェックが一度完了した後も、何回もROMのチェックを繰り返し行うようにしても良い。
【0042】
図10は、ROMのチェック手順における初回(前回履歴なし)及び前回のチェック結果が異常時の処理を示すものであり、図8及び図9に示した起動時処理とメイン処理の内容を時間の経過と共に示すものである。即ち、図8のステップ801でYES及びステップ802でもYESとなった時の、ステップ803及び804の処理の内容、及び図9のス903でNOとなった時の処理を示すものである。ROM23の中継機能部のROMチェック(図にはROMSUMと記載されている)は起動時処理中に行われる。そして、ROM23のその他の領域のROMチェック(図にはROMSUMと記載されている)は、メイン処理(中継処理、SW処理、A/D変換処理、及びダイアグノーシス処理)の中の空いた時間に実施される。
【0043】
図11は、ROMのチェック手順における前回のチェック結果が正常時の処理を示すものであり、図8及び図9に示した起動時処理とメイン処理の内容を時間の経過と共に示すものである。即ち、図8のステップ801でNO及びステップ802でもNOとなった時の、ステップ808、及び図9のステップ904及び908の処理の内容を示すものである。ROMチェックはイニシャル処理中には行われず、ROMチェックはメイン処理(中継処理、SW処理、A/D変換処理、及びダイアグノーシス処理)の中の空いた時間に実施される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係るゲートェイ装置が置かれる環境を示す説明図である。
【図2】図1に示されるゲートウェイECUの内部構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示されるゲートウェイECUのマイクロコンピュータに内蔵されるCPUの内部構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示されるROMの本発明における内部構成を示すブロック図である。
【図5】図1に示されるゲートウェイECUの中継処理の概要を示す説明図である。
【図6】図5に示されるゲートウェイECUの中継処理の機能ブロック図である。
【図7】従来のゲートウェイECUのROMのチェック手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明に係るゲートウェイECUのROMの起動時のチェック手順の一実施例を示すフローチャートである。
【図9】本発明に係るゲートウェイECUのROMの起動後のメイン処理におけるチェック手順の一実施例を示すフローチャートである。
【図10】図8及び図9に示したROMのチェック手順における初回及び前回のチェック結果が異常時のイニシャル処理とメイン処理の内容を示すタイムチャートである。
【図11】図8及び図9に示したROMのチェック手順における前回のチェック結果が正常時のイニシャル処理とメイン処理の内容を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
【0045】
2 通信ライン
10 ゲートウェイECU
11 マイクロコンピュータ(マイコン)
12 トランシーバ
20 CPU
21 CPUコア(ソフトウエア制御部)
23 ROM
26 周辺機能
27 CANモジュール
28 ゲートウェイモジュール
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの制御装置が接続された複数の通信ラインに接続され、前記通信ライン間の通信データの中継を行うゲートウェイ装置であって、
データの中継処理を行う制御手段と、
前記制御手段が制御に用いるデータを記憶するメモリとを備え、
前記制御手段は、起動要求またはウェイクアップ要求を受けた場合に、中継処理を行える状態に起動を行うとともに、前記メモリに記憶されたデータのチェックを行うものであり、
前記起動時の前記メモリのチェック結果が正常であった場合には、中継処理を開始した後に前記メモリに記憶されたデータのチェックを行い、
前記起動時の前記メモリのチェック結果が異常であった場合には、中継処理を開始する前に前記メモリにおける中継処理に関するデータのチェックを行い、当該チェックが完了した後に、中継処理を開始するとともに前記メモリにおける中継処理に関するデータ以外のデータのチェックを行う、ことを特徴とするゲートウェイ装置。
【請求項2】
少なくとも1つの制御装置が接続された複数の通信ラインに接続され、前記通信ライン間の通信データの中継処理を行う制御手段と、前記制御手段が制御に用いるデータを記憶するメモリとを備えたゲートウェイ装置のメモリチェック方法であって、
起動要求またはウェイクアップ要求を受けた場合に、前記制御手段に、中継処理を行える状態に起動を行わせるとともに、前記メモリに記憶されたデータのチェックを行わせ、
前記起動時の前記メモリのチェック結果が正常であった場合には、中継処理を開始した後に前記メモリに記憶されたデータのチェックを行わせ、
前記起動時の前記メモリのチェック結果が異常であった場合には、中継処理を開始する前に前記メモリにおける中継処理に関するデータのチェックを行わせ、当該チェックが完了した後に、中継処理を開始するとともに前記メモリにおける中継処理に関するデータ以外のデータのチェックを行わせる、ことを特徴とするゲートウェイ装置のメモリチェック方法。
【請求項3】
少なくとも1つの制御装置が接続された複数の通信ラインに接続され、前記通信ライン間の通信データの中継を行うゲートウェイ装置のメモリチェック方法であって、
前記ゲートウェイ装置の動作プログラムが格納されたメモリ領域を、データの中継機能部分とその他の部分に分割しておき、
前記ゲートウェイ装置の初回のメモリ領域のチェック時に、前記中継機能部分のチェックを行って正常時には前記ゲートウェイ装置に中継動作を開始させ、中継動作中に前記その他の部分のチェックを行い、
2回目以降は、前記ゲートウェイ装置の起動後に前記ゲートウェイ装置に中継動作を開始させ、中継動作中に、前記中継機能部分のチェックと前記その他の部分のチェックを行うことを特徴とするゲートウェイ装置のメモリチェック方法。
【請求項4】
少なくとも1つの制御装置が接続された複数の通信ラインに接続され、前記通信ライン間の通信データの中継を行うゲートウェイ装置のメモリチェック方法であって、
前記ゲートウェイ装置の動作プログラムが格納されたメモリ領域を、データの中継機能部分とその他の部分に分割しておき、
前記ゲートウェイ装置の前回のメモリ領域のチェック結果が正常時には、前記ゲートウェイ装置に中継動作を開始させ、中継動作中に前記中継機能部分のチェックと前記その他の部分のチェックを行い、
前記ゲートウェイ装置の前回のメモリ領域のチェック結果が異常時には、前記ゲートウェイ装置のメモリ領域のチェック時に前記中継機能部分のチェックを行って、正常時には前記ゲートウェイ装置に中継動作を開始させ、中継動作中に前記その他の部分のチェックを行うことを特徴とするゲートウェイ装置のメモリチェック方法。
【請求項5】
少なくとも1つの制御装置が接続された複数の通信ラインに接続され、前記通信ライン間の通信データの中継を行うゲートウェイ装置のメモリチェック方法であって、
前記ゲートウェイ装置の動作プログラムが格納されたメモリ領域を、データの中継機能部分とその他の部分に分割しておき、
前記ゲートウェイ装置の初回のメモリ領域のチェック時に、前記中継機能部分のチェックを行って正常時には前記ゲートウェイ装置に中継動作を開始させ、中継動作中に前記その他の部分のチェックを行い、
前記ゲートウェイ装置の前回のメモリ領域のチェック結果が正常時には、前記ゲートウェイ装置に中継動作を開始させ、中継動作中に前記中継機能部分のチェックと前記その他の部分のチェックを行い、
前記ゲートウェイ装置の前回のメモリ領域のチェック結果が異常時には、前記中継機能部分のチェックを行って、正常時には前記ゲートウェイ装置に中継動作を開始させ、中継動作中に前記その他の部分のチェックを行い、異常時には前記ゲートウェイ装置に中継動作を実行させないことを特徴とするゲートウェイ装置のメモリチェック方法。
【請求項1】
少なくとも1つの制御装置が接続された複数の通信ラインに接続され、前記通信ライン間の通信データの中継を行うゲートウェイ装置であって、
データの中継処理を行う制御手段と、
前記制御手段が制御に用いるデータを記憶するメモリとを備え、
前記制御手段は、起動要求またはウェイクアップ要求を受けた場合に、中継処理を行える状態に起動を行うとともに、前記メモリに記憶されたデータのチェックを行うものであり、
前記起動時の前記メモリのチェック結果が正常であった場合には、中継処理を開始した後に前記メモリに記憶されたデータのチェックを行い、
前記起動時の前記メモリのチェック結果が異常であった場合には、中継処理を開始する前に前記メモリにおける中継処理に関するデータのチェックを行い、当該チェックが完了した後に、中継処理を開始するとともに前記メモリにおける中継処理に関するデータ以外のデータのチェックを行う、ことを特徴とするゲートウェイ装置。
【請求項2】
少なくとも1つの制御装置が接続された複数の通信ラインに接続され、前記通信ライン間の通信データの中継処理を行う制御手段と、前記制御手段が制御に用いるデータを記憶するメモリとを備えたゲートウェイ装置のメモリチェック方法であって、
起動要求またはウェイクアップ要求を受けた場合に、前記制御手段に、中継処理を行える状態に起動を行わせるとともに、前記メモリに記憶されたデータのチェックを行わせ、
前記起動時の前記メモリのチェック結果が正常であった場合には、中継処理を開始した後に前記メモリに記憶されたデータのチェックを行わせ、
前記起動時の前記メモリのチェック結果が異常であった場合には、中継処理を開始する前に前記メモリにおける中継処理に関するデータのチェックを行わせ、当該チェックが完了した後に、中継処理を開始するとともに前記メモリにおける中継処理に関するデータ以外のデータのチェックを行わせる、ことを特徴とするゲートウェイ装置のメモリチェック方法。
【請求項3】
少なくとも1つの制御装置が接続された複数の通信ラインに接続され、前記通信ライン間の通信データの中継を行うゲートウェイ装置のメモリチェック方法であって、
前記ゲートウェイ装置の動作プログラムが格納されたメモリ領域を、データの中継機能部分とその他の部分に分割しておき、
前記ゲートウェイ装置の初回のメモリ領域のチェック時に、前記中継機能部分のチェックを行って正常時には前記ゲートウェイ装置に中継動作を開始させ、中継動作中に前記その他の部分のチェックを行い、
2回目以降は、前記ゲートウェイ装置の起動後に前記ゲートウェイ装置に中継動作を開始させ、中継動作中に、前記中継機能部分のチェックと前記その他の部分のチェックを行うことを特徴とするゲートウェイ装置のメモリチェック方法。
【請求項4】
少なくとも1つの制御装置が接続された複数の通信ラインに接続され、前記通信ライン間の通信データの中継を行うゲートウェイ装置のメモリチェック方法であって、
前記ゲートウェイ装置の動作プログラムが格納されたメモリ領域を、データの中継機能部分とその他の部分に分割しておき、
前記ゲートウェイ装置の前回のメモリ領域のチェック結果が正常時には、前記ゲートウェイ装置に中継動作を開始させ、中継動作中に前記中継機能部分のチェックと前記その他の部分のチェックを行い、
前記ゲートウェイ装置の前回のメモリ領域のチェック結果が異常時には、前記ゲートウェイ装置のメモリ領域のチェック時に前記中継機能部分のチェックを行って、正常時には前記ゲートウェイ装置に中継動作を開始させ、中継動作中に前記その他の部分のチェックを行うことを特徴とするゲートウェイ装置のメモリチェック方法。
【請求項5】
少なくとも1つの制御装置が接続された複数の通信ラインに接続され、前記通信ライン間の通信データの中継を行うゲートウェイ装置のメモリチェック方法であって、
前記ゲートウェイ装置の動作プログラムが格納されたメモリ領域を、データの中継機能部分とその他の部分に分割しておき、
前記ゲートウェイ装置の初回のメモリ領域のチェック時に、前記中継機能部分のチェックを行って正常時には前記ゲートウェイ装置に中継動作を開始させ、中継動作中に前記その他の部分のチェックを行い、
前記ゲートウェイ装置の前回のメモリ領域のチェック結果が正常時には、前記ゲートウェイ装置に中継動作を開始させ、中継動作中に前記中継機能部分のチェックと前記その他の部分のチェックを行い、
前記ゲートウェイ装置の前回のメモリ領域のチェック結果が異常時には、前記中継機能部分のチェックを行って、正常時には前記ゲートウェイ装置に中継動作を開始させ、中継動作中に前記その他の部分のチェックを行い、異常時には前記ゲートウェイ装置に中継動作を実行させないことを特徴とするゲートウェイ装置のメモリチェック方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−294724(P2009−294724A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−145002(P2008−145002)
【出願日】平成20年6月2日(2008.6.2)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月2日(2008.6.2)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
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