説明

ゲートバルブ装置

【課題】簡易な操作で確実に密閉状態とするゲートバルブ装置を提供する。
【解決手段】上部板(11)と下部板(14)の間を滑動可能に配置されたスライド板(10)の閉位置においてスライド板を上部板の方へ押圧してOリング(12)による密閉状態を形成する押圧手段(2A、2B)が、スライド板と上部板とを貫通して延びる円柱状の可動ピン(22)と、その下端の大径ストッパ部(22b)と、可動ピンを貫挿させた第1管体(24a)の下端を上部板に固定され第1管体の上端に上向きテーパ面(24b)を形成した固定管部(24)と、可動ピンを貫挿させた第2管体(23a)が上向きテーパ面上に載置され第2管体の下面に下向きテーパ面(23b)を形成した可動管部(23)と、可動管部と可動ピンとを互いに固定すると共に可動管部を可動ピンの軸周りに回動させるためのレバー(21a、21b)を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば錠剤やペレット剤等を投入するコンテナのホッパー吐出口に接続されるゲートバルブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1〜3に記載されたコンテナは、錠剤やペレット剤等の薬剤を投入し一時的に保管するサニタリ用途のものであり、衛生上または防水・防湿上の要請から高い密閉性が必要とされる。図10は、このようなコンテナ90の従来例を概略的に示した外観斜視図である。コンテナ90は、所定の容量の容器本体を有しその上端に投入口が設けられ、下部はホッパー部91を形成しその下端にホッパー吐出口92が設けられ、ホッパー吐出口92にはバタフライバルブ93が接続されている。バタフライバルブは直径を軸として回動可能であり、内容物の投入時及び保管時にはバタフライバルブ装置93が水平方向の閉位置とされ、取出し時にはバタフライバルブ装置94が鉛直方向の開位置とされる。
【0003】
ホッパー吐出口に接続する開閉バルブとして、特許文献1〜3のようにスライド式のバルブ板を設けたゲートバルブ装置も用いられている。ゲートバルブ装置は、一定の間隙を空けて配置された上下の2枚の板にそれぞれ開口部を形成し、間隙内にスライド式のバルブ板を挿入または引き出すことにより開閉を行うものである。内容物の投入時及び保管時にはスライド式のバルブ板を上下の開口部の間に挿入して閉鎖し、上板の開口部周囲に配置したOリングに対しバルブ板を押し付けることにより密閉状態を形成する。内容物の取出し時には、Oリングへの押圧力を解放しバルブ板を引出して上下の開口部を連通させる。
【0004】
特許文献1では、スライド式のバルブ板の下面側に環状の押さえ板を設け、この環状押え板の直径方向両端部に一対の操作ロッドを取り付け、各操作ロッドが周方向に傾斜を設けた孔に挿通されている。これにより、各操作ロッドを把持して押え板を回動させると、操作ロッドが挿通孔の傾斜に沿って上下に移動する結果、押え板もまた上下に移動する。バルブ板が閉位置にあるとき、環状押え板を上方に移動させるとバルブ板を押圧してOリングを圧縮し密閉状態とし、環状押え板を下方に移動させると押圧力を解放する。
【特許文献1】特開平8−276984号公報
【特許文献2】特開平8−268560号公報
【特許文献3】特開平6−191592号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のゲートバルブ装置では、スライド式のバルブ板をOリングに対して押圧するために環状押え板が必須となる。環状押え板に直接取り付けた操作ロッドが、傾斜を設けた挿通孔内を摺動する機構であるため、開閉操作を繰り返すと挿通孔及び/または操作ロッドが摩耗し易く、その結果、環状押え板による押圧力が次第に弱まってくるという問題がある。このことは、望ましい密閉状態を損なうおそれがある。また、環状押え板の直径方向両端に直接操作ロッドが取り付けられているため、開閉動作を行う毎に取付部分に無理な負荷が掛かることになり損傷しやすいという問題もある。
【0006】
以上の問題点に鑑み、本発明は、コンテナのホッパー吐出部に接続されるゲートバルブ装置において、環状押え板を設けなくともスライド式のバルブ板をOリングに対して押圧可能な押圧手段を提供し、開閉操作を繰り返しても常に一定の押圧力でOリングを圧縮して確実に密閉状態とすることができ、開閉操作時に押圧手段に対して無理な負荷が掛からず、簡易な操作で迅速に開閉を行うことができることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するべく本発明は、以下の構成のゲートバルブ装置を提供する。
(1)請求項1に係るゲートバルブ装置は、 ホッパー吐出口に接続されるゲートバルブ装置において、
ホッパー吐出口(51)と連通する第1開口部(11a)を設けた上部板(11)と、前記上部板に対して一定の間隙を空けて配置され第2開口部(14a)を設けた下部板(14)と、前記第1開口部と前記第2開口部を連通させる開位置とこれらを遮断させる閉位置との間で前記一定の間隙内を滑動可能に配置されたスライド板(10)と、前記上部板の下面にて前記第1開口部の周囲に配置されたOリング(12)と、前記スライド板(10)が前記閉位置にあるとき前記スライド板を前記上部板の方へ押圧することにより前記Oリングによる密閉状態を形成する押圧手段(2A、2B)とを有し、
前記押圧手段(2A、2B)が、少なくとも前記スライド板と前記上部板とを貫通して該上部板より上方に延びる円柱状の可動ピン(22)と、前記可動ピンの下端に設けられ該可動ピンより大径のストッパ部(22b)と、前記可動ピンを貫挿させた第1管体(24a)の下端を前記上部板の上面に固定され該第1管体の上端に上向きテーパ面(24b)を形成した固定管部(24)と、前記可動ピンを貫挿させた第2管体(23a)が前記固定管部の前記上向きテーパ面上に載置され該第2管体の下面に下向きテーパ面(23b)を形成した可動管部(23)と、前記可動管部と前記可動ピンとを互いに固定すると共に該可動管部を該可動ピンの軸周りに回動させるためのレバー(21a、21b)を設けた回動操作部(21)とを備え、
密閉状態を形成する場合は、前記レバー(21a、21b)を回動させることにより前記可動管部(23)の下向きテーパ面が前記固定管部(24)の上向きテーパ面に沿って移動することにより前記可動管部が上昇し、それに伴い前記可動ピン(22)が上昇することにより前記ストッパ部(22b)が前記スライド板(10)に対して押圧力を及ぼすことを特徴とする。
【0008】
(2)請求項2に係るゲートバルブ装置は、ホッパー吐出口に接続されるゲートバルブ装置において、
ホッパー吐出口(51)と連通する第1開口部(11a)を設けた上部板(11)と、前記上部板に対して一定の間隙を空けて配置され第2開口部(14a)を設けた下部板(14)と、前記第1開口部と前記第2開口部を連通させる開位置とこれらを遮断させる閉位置との間で前記一定の間隙内を滑動可能に配置されたスライド板(10)と、前記上部板の下面にて前記第1開口部の周囲に配置されたOリング(12)と、前記スライド板(10)が前記閉位置にあるとき前記スライド板を前記上部板の方へ押圧することにより前記Oリングによる密閉状態を形成する押圧手段(2A、2B)とを有し、
前記押圧手段(2A、2B)が、少なくとも前記スライド板と前記上部板とを貫通して該上部板より上方に延びる円柱状の可動ピン(22)と、前記可動ピンの下端に設けられ該可動ピンより大径のストッパ部(22b)と、前記可動ピンを貫挿させた管体(26a)の下端(26c)を前記上部板の上面に固定され該管体の上端に上向きテーパ面(26b)を形成した固定管部(26)と、前記固定管部の前記上向きテーパ面上に載置され前記可動ピンの軸に対して軸を垂直とした横向き円柱体(25a)に前記可動ピンを挿貫させた可動円柱部(25)と、前記可動円柱部と前記可動ピンとを互いに固定すると共に該可動円柱部を該可動ピンの軸周りに回動させるためのレバー(21a、21b)を設けた回動操作部(21)とを備え、
密閉状態を形成する場合は、前記レバー(21a、21b)を回動させることにより前記可動管部(23)の下向きテーパ面が前記固定管部(24)の上向きテーパ面に沿って移動することにより前記可動管部が上昇し、それに伴い前記可動ピン(22)が上昇することにより前記ストッパ部(22b)が前記スライド板(10)に対して押圧力を及ぼすことを特徴とする。
【0009】
(3)請求項3に係るゲートバルブ装置は、請求項2のゲートバルブ装置において、前記密閉状態と非密閉状態の各々に対応する前記可動円柱部(25)の前記横向き円柱体の位置において、前記固定管部(26)の前記上向きテーパ面に対し該横向き円柱体の軸に平行に延在するV字溝をそれぞれ穿設したことを特徴とする。
【0010】
(4)請求項4に係るゲートバルブ装置は、請求項1〜3のいずれかのゲートバルブ装置において、前記押圧手段を、前記第1開口部の周囲の2箇所または3箇所に該第1開口部の中心軸に対し対称的に配置したことを特徴とする。
【0011】
(5)請求項5に係るゲートバルブ装置は、請求項1〜4のいずれかのゲートバルブ装置において、前記Oリングの鉛直下方に位置するように前記スライド板の下面に対して当接可能に設けられた環状の樹脂製の押え板(15)をさらに有し、前記可動ピン(22)の下部が前記押え板をさらに貫通してその下端に前記ストッパ部(22b)が設けられており、前記レバーを回動させたとき前記ストッパ部が前記押え板を介して前記スライド板に対して押圧力を及ぼすことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
(A)本発明によるゲートバルブ装置は、例えば錠剤やカプセル剤等が投入されるコンテナの下部に設けたホッパーの吐出口に接続されるものである。本発明のゲートバルブ装置は、一定の間隙を空けて配置された上部板と下部板の間を、バルブであるスライド板が滑動することにより上下の板の開口部を開閉し、閉位置においてスライド板を上部板の方へ押圧し上部板の下面に配置されたOリングを圧縮することにより密閉状態を形成する一般的な構成において、密閉状態の形成及び密閉状態の解消を、簡易な操作で迅速かつ確実に行うことができる。このために、本発明のゲートバルブ装置は、閉位置においてスライド板を上方へ押圧する次のような押圧手段を設けている。
【0013】
押圧手段の第1の実施形態では、少なくともスライド板と上部板とを貫通して上部板より上方に延びる円柱状の可動ピンを有する。可動ピンの下端には、可動ピンより大径のストッパ部を設けることにより、可動ピンの下端がスライド板から上方に抜け出すことを防止する。このストッパ部を介して、スライド板の下面に対して上方へ押圧する押圧力が伝達されることとなる。
【0014】
上部板の上面へ貫通しさらに上方に延在する可動ピンには、固定管部の本体である第1管体と、可動管部の本体である第2管体とが、順次貫挿される。下側の固定管部では、第1管体の下端が上部板の上面に固定され、第1管体の上端に上向きテーパ面が形成される。一方、上側の可動管部では、可動ピンを貫挿させた第2管体が、第1管体の上向きテーパ面上に載置され第2管体の下面には下向きテーパ面が形成されている。ここでいう「テーパ面」は、第1管体または第2管体の軸に垂直な面に対して傾斜した面をいう(以下、同様)。さらに、回動操作部のレバーにより可動管部と可動ピンは互いに固定され、レバーを回動することにより可動管部と可動ピンとが一体的に回動することが可能である。
【0015】
第1の実施形態において、スライド板が閉位置にあって非密閉状態(以下、「解放状態」と称する)のときにこれを密閉状態(以下、「クランプ状態」と称する)にしようとする場合、レバーを適宜の角度だけ回動させる。このとき、レバーと可動管部と可動ピンとは一体的に回動する。可動管部が回動するとその下向きテーパ面が固定管部の上向きテーパ面に沿って移動する。この移動方向が上向きテーパ面を登る方向であれば、可動管部は軸方向に上昇する。その結果、可動管部と一体的な可動ピンもまた軸方向に上昇する。この結果、可動ピンの下端のストッパ部がスライド板の下面に(直接的または間接的に)当接してこれを上方に押すように押圧力を及ぼすことになる。こうして、スライド板によりOリングが圧縮されてクランプ状態となる。
【0016】
(B)本発明によるゲートバルブ装置における押圧手段の第2の実施形態は、次の通りである。少なくともスライド板と上部板とを貫通して上部板より上方に延びる円柱状の可動ピンを有する。可動ピンの下端には、可動ピンより大径のストッパ部を設けることにより、可動ピンの下端がスライド板から上方に抜け出すことを防止する。このストッパ部を介して、スライド板の下面に対して上方へ押圧する押圧力が伝達されることとなる。
【0017】
上部板の上面から貫通した可動ピンには、固定管部の主要素である1つの管体と、可動円柱部の主要素である1つの横向き円柱体とが、順次貫挿される。下側の固定管部では、管体の下端が上部板の上面に固定され、管体の上端に上向きテーパ面が形成される。上側の可動円柱部では、可動ピンを貫挿させた横向き円柱体(その軸方向が可動ピンの軸方向と垂直)が固定管部の上向きテーパ面上に載置されさらに、回動操作部のレバーにより可動円柱部と可動ピンは互いに固定され、レバーを回動することにより可動円柱部と可動ピンとが一体的に回動することが可能である。
【0018】
第2の実施形態において、スライド板が閉位置にあって解放状態のときにこれをクランプ状態にしようとする場合、レバーを適宜の角度だけ回動させる。このとき、レバーと可動円柱部と可動ピンとは一体的に回動する。可動円柱部が回動するとその下側の側面が固定管部の上向きテーパ面に沿って移動する。この移動方向が上向きテーパ面を登る方向であれば、可動円柱部は軸方向に上昇する。その結果、可動円柱部と一体的な可動ピンもまた軸方向に上昇する。この結果、可動ピンの下端のストッパ部がスライド板の下面に直接的または間接的に当接してこれを上方に押すように押圧力を及ぼすことになる。こうして、スライド板によりOリングが圧縮されてクランプ状態となる。
【0019】
(C)上記の押圧手段の第2の実施形態においては、レバーの回動に伴って、可動円柱部の横向き円柱体が、密閉状態(クランプ状態)における位置と、非密閉状態(解放状態)における位置との間で可動ピンの軸周りに回動することになる。好適な形態では、各々に対応する位置において、固定管部の上向きテーパ面に対し横向き円柱体の軸に平行に延在するV字溝をそれぞれ穿設する。これにより、横向き円柱体の軸がV字溝と平行となったとき、横向き円柱体の下側の面がV字溝の中に若干嵌り込むことになる。よって、横向き円柱体はその位置で安定し揺動することがない。この結果、レバーの回動角の範囲を常に一定とし、クランプ状態または解放状態で安定に保持するができる。また、レバーを操作する作業者もその位置を手の感覚で確認することができる。
【0020】
(D)以上のゲートバルブ装置における押圧手段の第1または第2の実施形態によれば、1つの押圧手段におけるクランプまたは解放の操作がワンタッチで完了するので、操作が簡易かつ迅速である。また、レバーの回動角により可動ピンの上下移動距離が一定に決まるので、クランプ状態と解放状態を繰り返しても毎回の押圧力を常に一定とすることができる。さらに、従来技術である特許文献1における操作ロッドと傾斜孔による機構のように摺動による摩耗がなく、レバーの取付部に無理な負荷がかかることもない。
【0021】
また、上部板の第1開口部の周囲に、この第1開口部の中心軸に対し対称的に少なくとも2箇所、好適には3箇所に押圧手段を配置することによって、クランプ状態のときにスライド板が上部板と平行となり、Oリング全体に均等に押圧力を及ぼし、均一に圧縮させることができる。
【0022】
(E)好適な実施形態では、Oリングの鉛直下方に位置するようにスライド板の下面に対して当接可能に設けられた環状の押え板をさらに有し、可動ピンの下部がこの押え板をさらに貫通してその下端にストッパ部が設けられる。この形態によれば、レバーを回動させたときストッパ部が押え板を介してスライド板に対して押圧力を及ぼすため、押圧力が局所的ではなく広範囲に均一に及ぼされることになる。また、樹脂製であるため金属製に比べて弾性がありさらに押圧力を均一化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。本発明によるゲートバルブ装置は、例えば錠剤やカプセル剤等が投入されるコンテナの下部に設けたホッパーの吐出口に接続されるものである。
図1及び図2は、本発明のゲートバルブ装置1の第1の実施形態の好適例を示す図である。図1は、コンテナ100のホッパー吐出口51に接続された本装置の外観を示す正面図であり、図2は側面図である。コンテナ100は、その下部に設けたホッパー50の部分のみを示している。なお、本発明の説明における「上下方向」は、ゲートバルブ装置1のバルブであるスライド板10に垂直な方向において、通過物の入口側を「上側」とし、出口側を「下側」として表現したものである。通常は、「上下方向」が鉛直方向となるように配置されるが、本発明の範囲には、「上下方向」が鉛直方向に対して傾斜して配置される場合も含まれる。
【0024】
図1及び図2を参照して本発明のゲートバルブ装置1の概要を説明する。先ず、主要部は、一定の間隙を空けて配置された上部板11及び下部板14と、この間隙を滑動するバルブとしてのスライド板10とを有する。一定の間隙は、上部板11と下部板14の間に挿入されたスペーサ13により保持されている。上部板11、スペーサ13及び下部板14は、四隅にそれぞれ設けた隅ボルト19を貫通させ締結することにより固定されている。
【0025】
スライド板10の厚さはスペーサ13のそれより若干小さくなっており、上部板11と下部板14の間の間隙を滑動可能である。スライド板10は、上部板と下部板にの各々のほぼ中央に設けた開口部同士を連通させる「開位置」と、これらの開口部同士を遮断する「閉位置」との間を移動するよう操作される。スライド板10の引出し側の端縁は、下方へ折り曲げられ、所定の長さの取手部10cを形成している。図1において、実線はスライド板10の閉位置を示し、2点破線はスライド板10を引き出した開位置を示している。
【0026】
上部板11の下面には、開口部の周囲にOリング12が設けられている。上部板11には、その開口部の周囲に上部接続管60が密閉状態で接続され、上部接続管60の上端はホッパー吐出口51に連結されている。上部接続管60の内部は、ホッパー吐出口51と上部板11の開口部とを連通させる上部通路61を形成する。
【0027】
下部板14には、その開口部の周囲に下部接続管70が密閉状態で接続され、下部接続管70の内部は、下部板14の開口部に連通する下部通路71を形成する。
【0028】
さらに、ゲートバルブ装置1は、下部接続管70の内側においてスライド板10の下方に環状の押え板15を配置することが好適である。そして、上部板11、下部板14及び押え板15を貫通する円柱状の可動ピン22を備えたクランプ部2A、2Bが設けられる。これら一対のクランプ部2A、2Bは同じ構造であり、上部接続管60(すなわち上部板11の開口部及びOリング12)を挟んで対称的に配置されている。これらのクランプ部2A、2Bが、スライド板10をOリング12に押圧してクランプ状態とするための押圧手段を構成する。クランプ部2Aの可動ピン22の下端にはストッパ部22bが設けられている。このストッパ部22bにより可動ピン22が上方に抜け出すことを防止すると共に、環状の押え板15及びその上のスライド板10を支持している。このストッパ部22bを介して、スライド板10の下面に対して上方へ押圧する押圧力が伝達されることとなる。クランプ部2Bについても同様である。
【0029】
図3は、図1に示したゲートバルブ装置の概略的な平面図である。図4は、(A)上部板11、(B)Oリング12、(C)スライド板10及びスペーサ13、(D)下部板14、並びに(E)押え板15のそれぞれの平面図である。
図3及び図4(A)に示すように、上部板11は平板であってそのほぼ中央部には第1開口部11aが貫通しており、その周囲の下面側にOリング溝11bが穿設されている。Oリング溝11bの幅及び深さは、Oリング12の圧縮による密閉状態を実現できるよう適切に設定される。また、Oリング溝11bの外側に中心軸について対称位置に一対の貫通孔11bが穿設されている。貫通孔11cは、図2に示したクランプ部2A、2Bの可動ピン22を通すための孔である。四隅の貫通孔11dは、図1に示した隅ボルト19を通すための孔である。
【0030】
図3及び図4(B)に示すように、Oリング12は、上部板11のOリング溝11bに嵌め込まれる大きさである。耐久性、耐薬品性、耐熱性等に優れたフッ素樹脂製またはシリコーン樹脂製が好適である。
【0031】
図3及び図4(C)に示すように、スライド板10は平板であってその中央部がバルブの役割を果たす。スライド板10には、前側の端縁から滑動方向に平行に一対の切欠部10bが切り欠かれている。これらの切欠部10bは、スライド板10を閉位置としたときに図1及び図2に示したクランプ部2A、2Bの可動ピン22と干渉しないように設けられている。スライド板10が閉位置にあるとき、一対の切欠部10bの最奥部10b1においてクランク部2A、2Bの可動ピン22が貫通することとなる。
【0032】
また、スライド板10の滑動方向に平行な側縁には突起部10aが設けられている。これらの突起部10aは、スペーサ13の内側に設けた凹状の案内壁13aに沿って滑動方向に移動可能であり、案内壁13aの両端にそれぞれ突出する停止壁13b1、13b2に当たり停止する。スペーサの両端部にそれぞれ設けた貫通孔13cは、図1に示した隅ボルト19を通すための孔である。
【0033】
図3及び図4(D)に示すように、下部板14は平板であってそのほぼ中央部には第2開口部14aが貫通している。四隅の貫通孔14bは、図1に示した隅ボルト19を通すための孔である。
【0034】
図3及び図4(E)に示すように、押え板15は、好適には樹脂製の環状部材であって環状部分の上面と下面は幅d1の平坦面である。押え板15は、Oリング12に対する押圧力の伝達手段であるので、この環状部分がOリング12の下方に位置するように配置することが好適である。押え板15の外径d2は、下部板14の第2開口部14aより若干小さくし、押え板15が第2開口部14aを通ってその上面がスライド板10の下面に当接可能であるようにする。また、押え板15の内径d3は、上部板11の第1開口部11aより若干大きくし、押え板15が通過物の障害とならないようにする。さらに、中心軸について対称位置に一対の貫通孔15bが穿設されている。貫通孔15bは、図2に示したクランプ部2A、2Bの可動ピン22を通すための孔である。
【0035】
サニタリ用途に用いる場合、ゲートバルブ装置1における押え板15及びOリング12を除く各部品は、ステンレス製とし、研磨加工することが好適である。
【0036】
ゲートバルブ装置1の押圧手段であるクランプ部2A、2Bについて詳細に説明するに先立って、クランプ部により実現されるゲートバルブ装置のクランプ状態(密閉状態)と解放状態(非密閉状態)について説明する。
図5は、図3のX断面の概略図であり、ゲートバルブ装置1のスライド板10が閉位置にあるときの(A)解放状態、(B)クランプ状態を示している。但し、上下方向の寸法を横方向の寸法に比べて誇張して描いている。
【0037】
図5(A)の解放状態では、押え板15には下方からの押圧力が負荷されていない。よって、スライド板10は下部板14上に載置され、スライド板10と上部板11との間には隙間があり、矢印の方向にスライド板10を引出し可能である。スライド板10は、Oリング12に対して接触しないか、あるいは若干接触しても密閉状態のようにOリング12を圧縮することはない。
【0038】
図5(B)のクランプ状態では、押え板15に対して矢印のように下方からの押圧力が負荷される(後述するクランプ部の機構による)。この結果、押え板15はスライド板10を押上げ、スライド板10は上部板11の方へ押圧されてOリング12を圧縮する。これにより、上部板11の開口部が密閉状態で閉鎖される。この状態では、スライド板10は固定され、引出しできない。
【0039】
図6は、図1及び図2に示したゲートバルブ装置のクランプ部2Aの近傍部分を示す縦断面図であり、(A)は解放状態、(B)はクランプ状態を示している。この縦断面図は、図2の側面図の方向からクランプ部2Aを見た図である。(C)は(A)のY断面図であり、レバー操作の様子も示している。
図7は、図6(A)の解放状態におけるクランプ部2Aの主要部を分解して示した拡大斜視図である。
【0040】
図6(A)に示すように、クランプ部2Aは、円柱状の可動ピン22を具備しており、可動ピン22は、ストッパ部22bを下端に設け、円柱部分は押え板15、スライド板10及び上部板12を貫通し、上部板11よりさらに上方に延在する。ストッパ部22bは、円柱部分の径d4より大きな径d5を有し、押え板15の下面に当接して押え板15をその下方から支持している。ストッパ部22bは可動ピン22が上方へ抜け出すことも防止している。ストッパ部22bの平面形状は必ずしも円形でなくともよく、差し渡し最大径d5が円柱部分の径d4より大きければ任意の形状でよい。
【0041】
上部板11の上面へ貫通しさらに上方に延在する可動ピン22には、固定管部24の本体である第1管体24aと、可動管部23の本体である第2管体23aとが、順次貫挿される。可動ピン22と、第1管体24a及び第2管体23aとは中心軸が一致している。
【0042】
下側の固定管部24の第1管体24aの下端24cは、上部板11の上面に固定されている。第1管体24aの上端には上向きテーパ面24bが形成されている。
【0043】
一方、上側の可動管部23では、可動ピン22を貫挿させた第2管体23aが、第1管体24aの上向きテーパ面24b上に載置され、第2管体23aの下面には下向きテーパ面23bが形成されている。ここでいう「テーパ面」は、第1管体24aまたは第2管体23aの中心軸に垂直な面に対して所定の角度で傾斜した面をいう。上向きテーパ面24bと下向きテーパ面23bは同じ傾斜角で形成される。
【0044】
さらに、回動操作用のレバー21が設けられる。レバー21は、横向きの把持部21aとその一端に取り付けられたボルト21bとを備える。ボルト21bは、可動管部23の第2管体23aを横方向(中心軸に垂直な方向)に貫通するねじ孔23cにねじ込まれ、ボルト21bの先端は、可動ピン22の側面に穿設されたボルト受け穴22aの最奥まで到達する。これにより、可動管部23と可動ピン22とは互いに固定される。そして、レバー21を回動することにより、可動管部23と可動ピン22とが中心軸周りに一体的に回動することとなる。
【0045】
図6(A)及び図7に示す解放状態では、可動管部23の下向きテーパ面23bと、固定管部24の上向きテーパ面24bとが当接しており、可動管部23は最下位置にある。このとき、可動ピン22もまたその最下位置にあり、よって押え板15も最下位置にある。スライド板10も最下位置にあり、図5(A)に示したように下部板14上に載置された位置である。このときのスライド板10と上部板11との間隙tによりOリング12は解放されている。なお、図示の例では最下位置における押え板15の上面がスライド板10の下面に接しているが、この状態での押え板15の上面は、スライダ板10の下面より離れてさらに下方に位置していてもかまわない。
【0046】
図6(B)のクランプ状態では、可動管部23の下向きテーパ面23bが、固定管部24の上向きテーパ面24bから離れて、可動管部23は最上位置にある。このとき、可動ピン22もまたその最上位置にあり、よって押え板15も最上位置にある。このとき、可動ピン22の下端のストッパ部22bが押え板15を押し上げ、スライド板10を上部板11の方へ押圧する。これによりOリング12が圧縮され、密閉状態となる。このクランプ状態では、図7に示す下向きテーパ面23b上に設けた水平面23b1と、上向きテーパ面上に設けた水平面24b1とが互いに対向する位置となり、合致する。これによりクランプ位置が固定されるため、振動等によって回動することが避けられる。
【0047】
最下位置から最上位置への移行は、図6(C)のようにレバー21を、解放位置(例えば0°位置)からクランプ位置(例えば90°位置)へ回動操作することにより行われる。このとき、レバー21と可動管部23と可動ピン22とは一体的に回動する。可動管部23が回動すると、その下向きテーパ面23bが固定管部24の上向きテーパ面24bに沿って移動する。この移動方向が上向きテーパ面24bを登る方向であれば(図示の例ではレバー21をいずれの方向に回動しても登る方向となる)、可動管部23は軸方向に上昇する(Δh)。その結果、可動管部23と一体的な可動ピン22もまた軸方向に上昇する。この結果、可動ピン22の下端のストッパ部22bが、押え板15を介してスライド板10の下面を上方に押すように押圧力を及ぼし、Oリング12は圧縮される。
【0048】
逆に、クランプ状態から解放状態へ移行するする際には、図6(C)においてレバー21を、クランプ位置から解放位置へと回動する。これにより図6(A)の解放状態へ戻る。
【0049】
なお、レバー21の回動角と可動ピン22の上下方向の移動距離Δhとは、Oリング12が適度に圧縮されて確実な密閉状態が得られるように、各構成要素の寸法条件等を考慮して適宜設定する。本発明の押圧手段によれば、毎回のクランプ及び解放の操作において常に一定の強度でOリング12を圧縮することができる。後述する第2の実施形態においても同様である。
【0050】
なお、押え板15は、ストッパ部22bによる押圧力がスライド板10に対して局所的に負荷されることを回避し、均一に負荷するために効果的である。しかしながら、本発明の変形形態として、押え板15を省いた形態も可能である。その場合、クランプ状態において、可動ピン22の下端のストッパ部22bが直接スライド板10の下面に当接してこれを押し上げるように配置する。ストッパ部22bを比較的広い平坦な上面をもつ板で形成することにより、押圧力が局所的に負荷されることを軽減できる。後述する第2の実施形態おいても同様である。
【0051】
次に、本発明のゲートバルブ装置の第2の実施形態を説明する。第2の実施形態の構成は、上記の第1の実施形態の構成とほぼ共通するが、クランプ部2A、2Bの構造の一部が相違する。
図8は、図6と同様に、ゲートバルブ装置のクランプ部2Aの近傍部分を示す縦断面図であり、(A)は解放状態、(B)は(A)のZ視図、(C)はクランプ状態、(D)は(C)のZ視図を示している。この縦断面図は、図2の側面図の方向からクランプ部2Aを見た図である。
図9(A)は、図8(A)(B)の解放状態におけるクランプ部2Aの主要部を、そして図9(B)は、図8(C)(D)のクランプ状態におけるクランプ部2Aの主要部を、それぞれ分解して示した拡大斜視図である。
【0052】
図8(A)(B)に示すように、クランプ部2Aは、円柱状の可動ピン22を具備しており、可動ピン22は、ストッパ部22bを下端に設け、円柱部分は押え板15、スライド板10及び上部板12を貫通し、上部板11よりさらに上方に延在する(図6の実施形態と共通)。ストッパ部22bは、円柱部分の径d4より大きな径d5を有し、押え板15の下面に当接して押え板15をその下方から支持している。ストッパ部22bは可動ピン22が上方へ抜け出すことも防止している。ストッパ部22bの平面形状は必ずしも円形でなくともよく、差し渡し径d5が円柱部分の径d4より大きければ任意の形状でよい。
【0053】
上部板11の上面へ貫通しさらに上方に延在する可動ピン22には、固定管部26の本体である管体26aと、可動円柱部25の本体である横向き円柱体25aとが、順次貫挿される。可動ピン22と管体26aとは中心軸が一致している。一方、横向き円柱体25aの中心軸と可動ピン22の中心軸は互いに直交しており、横向き円柱体25aの下側の側面から上側の側面へ可動ピン22が貫通している。
【0054】
下側の固定管部26の管体26aの下端26cは、上部板11の上面に固定されている。管体26aの上端には上向きテーパ面26bが形成されている。
【0055】
一方、上側の可動円柱部25では、可動ピン22を貫挿させた横向き円柱体25aが、管体26aの上向きテーパ面26b上に載置されている。ここでいう「テーパ面」は、管体26aの中心軸に垂直な面に対して所定の角度で傾斜した面をいう。
【0056】
さらに、回動操作用のレバー21が設けられる。レバー21は、横向きの把持部21aとその一端に取り付けられたボルト21bとを備える。ボルト21bは、可動円柱部25の横向き円柱体25aの一端面の中心から軸方向に穿設されたねじ孔25bにねじ込まれ、ボルト21bの先端は、可動ピン22の側面に穿設されたボルト受け穴22aの最奥まで到達する。これにより、可動円柱部25と可動ピン22とは互いに固定される。そして、レバー21を回動することにより、可動円柱部25と可動ピン22とが、可動ピン22の中心軸周りに一体的に回動することとなる。
【0057】
図8(A)(B)及び図9(A)に示す解放状態では、可動円柱部25の下側の側面25cは、固定管部26の上向きテーパ面26bの傾斜の中間位置に載置され、この位置において穿設した第1のV字溝26dに嵌っている。このとき、可動円柱部23は、最下位置にある。このとき、可動ピン22もまたその最下位置にあり、よって押え板15も最下位置にある。スライド板10も最下位置にあり、図5(A)に示したように下部板14上に載置された位置である。このときのスライド板10と上部板11との間隙tによりOリング12は解放されている。なお、図示の例では最下位置における押え板15の上面がスライダ板10の下面より離れてさらに下方に位置している。
【0058】
図8(C)(D)及び図9(B)に示すクランプ状態では、可動円柱部25の下側の側面25cが、固定管部26の上向きテーパ面26bから離れて、可動円柱部25は最上位置にある。最上位置においては、可動円柱部25の下側の側面25cの一部は、固定管部26の上向きテーパ面26bの傾斜の頂部に載置され、この位置において穿設した第2のV字溝26eに嵌っている。このとき、可動ピン22もまたその最上位置にあり、よって押え板15も最上位置にある。このとき、可動ピン22の下端のストッパ部22bが押え板15を押し上げ、スライド板10を上部板11の方へ押圧する。これによりOリング12が圧縮され、密閉状態となる。
【0059】
最下位置から最上位置への移行は、前述の図6(C)と同様、レバー21を、解放位置(例えば0°位置)からクランプ位置(例えば90°位置)へ回動操作することにより行われる。このとき、レバー21と可動円柱部26と可動ピン22とは一体的に回動する。可動円柱部25が回動すると、その下側の側面25cが固定管部26の上向きテーパ面26bに沿って移動する。この移動方向が上向きテーパ面26bを登る方向であれば(図示の例ではレバー21をいずれの方向に回動しても登る方向となる)、可動円柱部25は軸方向に上昇する(Δh)。その結果、可動円柱部25と一体的な可動ピン22もまた軸方向に上昇する。この結果、可動ピン22の下端のストッパ部22bが、押え板15を押し上げる。さらにストッパ部22bは、押え板15を介してスライド板10の下面を上方に押すように押圧力を及ぼし、Oリング12は圧縮される。
【0060】
逆に、クランプ状態から解放状態へ移行するする際には、レバー21を、クランプ位置から解放位置へと回動する。これにより図8(A)(B)の解放状態へ戻る。
【0061】
図9に明示される固定管部26の上向きテーパ面26bに穿設されたV字溝26b、26eは、可動円柱部25の横向き円柱体25aの解放位置と、クランプ位置にそれぞれ対応するように設けられる。V字溝26d、26eの向きは、各位置における横向き円柱体25aの軸に平行となる向きである。これにより、横向き円柱体25aの軸がV字溝26dまたは26eと平行となったとき、横向き円柱体25aの下側の面がV字溝の中に若干嵌り込むことになる。よって、横向き円柱体25aはその位置で安定し揺動することがない。この結果、レバー21の回動角の範囲を常に一定とし、クランプ状態または解放状態で安定に保持するができる。また、レバー21を操作する作業者もその位置を手の感覚で確認することができる。なお、V字溝26d、26eの幅及び深さは、横向き円柱体25aの径との比較により適宜設定される。すなわち、横向き円柱体25aが若干嵌り込む程度とし、また、横向き円柱体25が再び回動し始めるときには容易にV字溝から抜け出せる程度とする。
【0062】
以上に説明した本発明のゲートバルブ装置の各実施形態においては、クランプ部2A、2Bを、上部板11の第1開口部11aの中心軸に対し対称的に2箇所に配置したが、これがクランプ部の必要最小個数である。好適には、対称的に3箇所に配置することにより、クランプ状態のときにスライド板10が上部板11と平行となり、Oリング12全体に均等に押圧力を及ぼし、均一に圧縮させることができる。
【0063】
なお、以上の本発明のゲートバルブ装置の各実施形態の説明は、実施例として説明したものであり、その原理に従う範囲内で設計上の変更を行った形態もまた本発明の範囲に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明のゲートバルブ装置1の第1の実施形態の好適例を示す正面図である。
【図2】本発明のゲートバルブ装置1の第1の実施形態の好適例を示す側面図である。
【図3】図1に示したゲートバルブ装置の概略的な平面図である。
【図4】図1に示したゲートバルブ装置の(A)上部板11、(B)Oリング12、(C)スライド板10及びスペーサ13、(D)下部板14、並びに(E)押え板15のそれぞれの平面図である。
【図5】図3のX断面の概略図であり、ゲートバルブ装置1のスライド板10が閉位置にあるときの(A)解放状態、(B)クランプ状態を示している。
【図6】図1及び図2に示したゲートバルブ装置のクランプ部2Aの近傍部分を示す縦断面図であり、(A)は解放状態、(B)はクランプ状態を示している。(C)は(A)のY断面図である。
【図7】図6(A)の解放状態におけるクランプ部2Aの主要部を分解して示した拡大斜視図である。
【図8】図6と同様に、ゲートバルブ装置のクランプ部2Aの近傍部分を示す縦断面図であり、(A)は解放状態、(B)は(A)のZ視図、(C)はクランプ状態、(D)は(C)のZ視図を示している。この縦断面図は、図2の側面図の方向からクランプ部2Aを見た図である。
【図9】(A)は、図8(A)(B)の解放状態におけるクランプ部2Aの主要部を、(B)は、図8(C)(D)のクランプ状態におけるクランプ部2Aの主要部を、それぞれ分解して示した拡大斜視図である。
【図10】コンテナの従来例を概略的に示した外観斜視図である。
【符号の説明】
【0065】
1 ゲートバルブ装置
2A、2B クランプ部
21 レバー
21a ボルト部
22 可動ピン
22a ボルト受け穴
22b 可動ピンストッパ部
23 可動管部
23a 第2管体
23b 下向きテーパ面
23c ねじ孔
24 固定管部
24a 第1管体
24b 上向きテーパ面
24c 第1管体下端
25 可動円柱部
25a 横向き円柱体
25b ねじ孔
25c 横向き円柱体の下側の側面
26 固定管部
26a 管体
26b 上向きテーパ面
26c 管体下端
26d 低位置V字溝
26e 高位置V字溝
10 スライド板
10a 突起部
10b 切欠部
10c 取手部
11 上部板
11a 第1開口部
12 Oリング
13 スペーサ
13a 案内壁
13b1、13b2 停止壁
14 下部板
14a 第2開口部
15 押え板
19 隅ボルト
50 ホッパー
60 上部接続管
61 上部通路
70 下部接続管
71 下部通路
100 コンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホッパー吐出口に接続されるゲートバルブ装置において、
ホッパー吐出口(51)と連通する第1開口部(11a)を設けた上部板(11)と、前記上部板に対して一定の間隙を空けて配置され第2開口部(14a)を設けた下部板(14)と、前記第1開口部と前記第2開口部を連通させる開位置とこれらを遮断させる閉位置との間で前記一定の間隙内を滑動可能に配置されたスライド板(10)と、前記上部板の下面にて前記第1開口部の周囲に配置されたOリング(12)と、前記スライド板(10)が前記閉位置にあるとき前記スライド板を前記上部板の方へ押圧することにより前記Oリングによる密閉状態を形成する押圧手段(2A、2B)とを有し、
前記押圧手段(2A、2B)が、少なくとも前記スライド板と前記上部板とを貫通して該上部板より上方に延びる円柱状の可動ピン(22)と、前記可動ピンの下端に設けられ該可動ピンより大径のストッパ部(22b)と、前記可動ピンを貫挿させた第1管体(24a)の下端を前記上部板の上面に固定され該第1管体の上端に上向きテーパ面(24b)を形成した固定管部(24)と、前記可動ピンを貫挿させた第2管体(23a)が前記固定管部の前記上向きテーパ面上に載置され該第2管体の下面に下向きテーパ面(23b)を形成した可動管部(23)と、前記可動管部と前記可動ピンとを互いに固定すると共に該可動管部を該可動ピンの軸周りに回動させるためのレバー(21a、21b)を設けた回動操作部(21)とを備え、
密閉状態を形成する場合は、前記レバー(21a、21b)を回動させることにより前記可動管部(23)の下向きテーパ面が前記固定管部(24)の上向きテーパ面に沿って移動することにより前記可動管部が上昇し、それに伴い前記可動ピン(22)が上昇することにより前記ストッパ部(22b)が前記スライド板(10)に対して押圧力を及ぼすことを特徴とする、ゲートバルブ装置。
【請求項2】
ホッパー吐出口に接続されるゲートバルブ装置において、
ホッパー吐出口(51)と連通する第1開口部(11a)を設けた上部板(11)と、前記上部板に対して一定の間隙を空けて配置され第2開口部(14a)を設けた下部板(14)と、前記第1開口部と前記第2開口部を連通させる開位置とこれらを遮断させる閉位置との間で前記一定の間隙内を滑動可能に配置されたスライド板(10)と、前記上部板の下面にて前記第1開口部の周囲に配置されたOリング(12)と、前記スライド板(10)が前記閉位置にあるとき前記スライド板を前記上部板の方へ押圧することにより前記Oリングによる密閉状態を形成する押圧手段(2A、2B)とを有し、
前記押圧手段(2A、2B)が、少なくとも前記スライド板と前記上部板とを貫通して該上部板より上方に延びる円柱状の可動ピン(22)と、前記可動ピンの下端に設けられ該可動ピンより大径のストッパ部(22b)と、前記可動ピンを貫挿させた管体(26a)の下端(26c)を前記上部板の上面に固定され該管体の上端に上向きテーパ面(26b)を形成した固定管部(26)と、前記固定管部の前記上向きテーパ面上に載置され前記可動ピンの軸に対して軸を垂直とした横向き円柱体(25a)に前記可動ピンを挿貫させた可動円柱部(25)と、前記可動円柱部と前記可動ピンとを互いに固定すると共に該可動円柱部を該可動ピンの軸周りに回動させるためのレバー(21a、21b)を設けた回動操作部(21)とを備え、
密閉状態を形成する場合は、前記レバー(21a、21b)を回動させることにより前記可動管部(23)の下向きテーパ面が前記固定管部(24)の上向きテーパ面に沿って移動することにより前記可動管部が上昇し、それに伴い前記可動ピン(22)が上昇することにより前記ストッパ部(22b)が前記スライド板(10)に対して押圧力を及ぼすことを特徴とする、ゲートバルブ装置。
【請求項3】
前記密閉状態と非密閉状態の各々に対応する前記可動円柱部(25)の前記横向き円柱体の位置において、前記固定管部(26)の前記上向きテーパ面に対し該横向き円柱体の軸に平行に延在するV字溝をそれぞれ穿設したことを特徴とする、請求項2に記載のゲートバルブ装置。
【請求項4】
前記押圧手段を、前記第1開口部の周囲の2箇所または3箇所に該第1開口部の中心軸に対し対称的に配置したことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のゲートバルブ装置。
【請求項5】
前記Oリングの鉛直下方に位置するように前記スライド板の下面に対して当接可能に設けられた環状の樹脂製の押え板(15)をさらに有し、前記可動ピン(22)の下部が前記押え板をさらに貫通してその下端に前記ストッパ部(22b)が設けられており、前記レバーを回動させたとき前記ストッパ部が前記押え板を介して前記スライド板に対して押圧力を及ぼすことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のゲートバルブ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−114877(P2008−114877A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−298693(P2006−298693)
【出願日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(392013051)山崎金属産業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】