説明

ゲート開閉装置、および該ゲート開閉装置におけるバーコード読み取り方法

【課題】バーコードが付された入場チケットを使用するゲート開閉装置において、バーコードの読み取り時間を短縮し、その処理人数を大幅に増加することができるようにする。
【解決手段】入場チケット5Aの表面に付されたバーコード6を、所定の間隔を有する2つのバーコードリーダ31、32で読み取るようにする。これにより、入場チケット5Aの挿入方向が正規方向であっても反対方向であっても、入場チケット5Aの定位置停止を1回行うだけでバーコード6を読み取ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、公園、球場、博物館、科学館、遊園地等の入場口において使用されるゲート開閉装置に関し、特に、入場チケットの表面に付されたバーコードの読み取り時間を短縮できる、ゲート開閉装置、および該ゲート開閉装置におけるバーコード読み取り方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の公園、球場、博物館、科学館、遊園地等の入場口に設置されているゲート開閉装置においては、例えば、当該入場チケットの表面に、利用可能期間等の情報を含むバーコードが印刷(または貼付)されており、この利用券をゲート開閉装置の利用券読取機にセットすると、ゲート開閉装置は、まず、利用券に印刷されたバーコードの内容を読み取る。そして、読み取ったバーコードの内容が適正であると判断された場合、例えば、現時点の年月日および時刻がバーコードから読み取った利用可能期間内である場合に、ゲート装置に対してゲート開信号を出力する。そして、ゲート開信号を受け取ったゲート装置は、ゲートを開け、利用者の入場を許可する。
【0003】
図4は、ゲート開閉装置の概略構成例を示す図であり、図4(A)は、上面図を示し、図4(B)は側面図を示し、図4(C)は、利用者の入場側見た正面図を示している。図4に示すゲート開閉装置1は、利用者が改札のために入場チケットを挿入する券挿入口2と、改札判定後の入場チケットを放出する券放出口3を有している。また、入場チケットの正常券受入れ時に、開放して通行を許可し、それ以外の時に通行を規制するためのフラッパ(ゲート)4を有している。このゲート開閉装置では、例えば、図5に示すように、主機となるゲート開閉装置1と、補機となるゲート開閉装置1Aとで入場通路を形成し、利用者の入場改札を自動化する。
【0004】
また、図6は、入場チケットの一例を示す図であり、博物館で使用される入場チケット5の例を示している。この入場チケット5の表面には、入場チケットの有効期限や、チケット番号、発行日等の情報が文字により印刷されている他に、この入場チケットの情報がバーコード6により付されている。ゲート開閉装置1では、券挿入口2から挿入された入場チケット5上のバーコード6の情報を読み取りフラッパ4の開閉を行う。
【0005】
図7は、ゲート開閉装置の券搬送部の構成例を示す図であり、本発明に直接関係する部分を示したものである。図7において、券挿入口2に挿入された入場チケット5は、上下に平行に設けられるベルト10、11に挟持され装置内を搬送され、入場チケット5Aに示す定位置で一旦停止される。そして、入場チケット5Aが定位置停止された状態において、入場チケット5Aに付されたバーコード6がバーコードリーダ30により読み取られる。バーコードリーダ30は、光源と光センサ(CCD等)を持ち、また、バーコード6をスキャン(走査)する機能を有したものである。バーコード6が読み取られた入場チケット5Aは、その後、ベルト10、12、13、14、15、16に挟持されて装置内を搬送され、券放出口3から外部に排出される。なお、図中の各ベルト10〜16は、図示しないモータ及びプーリ(または、ギヤ)により駆動される駆動ローラ20により回転駆動され、また、各ベルト10〜16は、ローラ21および押しローラ22によりベルト位置が規制されている。
【0006】
上記構成において、入場チケット5Aのバーコード6の読み取りを行う場合に、入場チケット5Aが正規の方向に挿入されている場合には、図7(B)に示すように、定位置停止された入場チケット5Aのバーコード6をバーコードリーダ30により読み取ることができる。しかしながら、入場チケット5Aが反対の方向に挿入されている場合には、図7(C)に示すように、入場チケット5Aをさらに先に進めた位置で再度停止させ、バーコード6をバーコードリーダ30の読み取り位置に合わせて、読み取る必要がある。すなわち、入場チケット5Aが反対の方向に挿入されている場合には、バーコード6が読み取れるまで、2回定位置停止を行う必要があった。また、この2回の定位置停止を回避しようとする場合には、入場チケット5Aの搬送速度を低下させた状態(スローモード状態)でバーコード6を流し読みする必要があった。
【0007】
このため、入場チケットに印刷されたバーコードの読み取りに時間がかかり、ゲート開閉装置において処理できる人数が少なくなるなどの問題が生じていた。
【0008】
なお、従来技術の読み取り装置がある(例えば、特許文献1を参照)。この従来技術の読み取り装置は、読み取り位置のずれや焦点位置のずれを解消させることができる読み取り装置および読み取り装置の調整方法を提供することを目的としている。このために、リライトカードを所定の方向へ搬送する搬送手段と、この搬送手段によって搬送されるリライトカードの表面に形成されたパターンの像を所定の位置に結像させるレンズと、このレンズによって結像された像を検出する検出手段とを有する読み取り装置に、前記レンズを、このレンズの光軸方向に移動させる焦点調整手段を設けている。しかしながら、この従来技術は、上述したゲート開閉装置において入場チケットのバーコードの読み取りに時間がかかり、処理できる人数が少なくなる問題を解決しようとするものではない。
【特許文献1】特開2001−319185号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、ゲート開閉装置において、入場チケットのバーコードの読み取りを行う場合に、入場チケットの挿入方向に合わせて、入場チケットを2回定位置停止するか、または、入場チケットの搬送速度を低下させた状態でバーコードを流し読みする必要があった。このため、バーコードの読み取りに時間がかかり、ゲート開閉装置において処理できる人数が少なくなるなどの問題が生じていた。
【0010】
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的は、バーコードが付された(印刷または貼付された)入場チケットを使用するゲート開閉装置において、入場チケットのバーコードの読み取り時間を短縮することができ、その処理人数を大幅に増加することができる、ゲート開閉装置、および該ゲート開閉装置におけるバーコード読み取り方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明のゲート開閉装置は、入場チケットに付されたバーコードを読み取り、該バーコードの内容に応じて入場通路のゲートの開閉を行うゲート開閉装置であって、前記入場チケットに付されたバーコードを読み取るために、入場チケットの搬送方向に対して所定の間隔を持って2つのバーコードリーダを配置したことを特徴とする。
このような構成により、入場チケットの表面に付されたバーコードを、所定の間隔を有する2つのバーコードリーダで読み取るようにしたので、これにより、入場チケットの挿入方向が正規の方向であっても反対の方向であっても、入場チケットの定位置停止を1回行うだけでバーコードを読み取ることができる。このため、バーコード読み取り時間を短縮することができ、ゲート開閉装置における処理人数を大幅に増加することができる。
【0012】
また、本発明のゲート開閉装置は、上下に平行に配置されたベルトにより前記入場チケットを挟持して搬送する入場チケット搬送手段と、前記入場チケットを所定の定位置に一時停止し、前記入場チケットに付されたバーコードを前記2つのバーコードリーダの内のいずれかのバーコードリーダにより読み取るための定位置停止手段とを備えることを特徴とする。
このような構成により、入場チケットをベルトに挟持して搬送する際に、入場チケットを所定の定位置で一時停止し、入場チケットに付されたバーコードが2つのバーコードリーダの内のいずれかのバーコードリーダで読み取れるようにする。これにより、入場チケットの挿入方向が正規の方向であっても反対の方向であっても、入場チケットの定位置停止を1回行うだけでバーコードを読み取ることができる。このため、バーコード読み取り時間を短縮することができ、ゲート開閉装置における処理人数を大幅に増加することができる。
【0013】
また、本発明のゲート開閉装置は、前記2つのバーコードリーダに対向して配置されると共に、前記2つのバーコードリーダが読み取る入場チケットの面とは反対側の面を読み取るためのバーコードリーダをさらに2つ配置し、合計4つのバーコードリーダにより、前記入場チケットに付されたバーコードを読み取るように構成されたことを特徴とする。
このような構成により、入場チケットの上面側の2箇所、および下面側の2箇所を4つのバーコードリーダにより同時に読み取るようにする。これにより、入場チケットの表面側を上にして挿入しても、裏面側上にして挿入してもバーコードを読み取ることができるようになる。
上記本発明のゲート開閉装置では、片側の表面のみにバーコードが付されている入場チケットを読み取り対象としてもよい。
また、上記本発明のゲート開閉装置は、両側の表面にバーコードが付されている入場チケットを読み取り対象としてもよい。
【0014】
また、本発明のバーコード読み取り方法は、入場チケットに付されたバーコードを読み取り、該バーコードの内容に応じて入場通路のゲートの開閉を行うゲート開閉装置におけるバーコード読み取り方法であって、前記入場チケットに付されたバーコードを読み取るために、入場チケットの搬送方向に対して所定の間隔を持って2つのバーコードリーダを配置する手順を含むことを特徴とする。
このような手順により、入場チケットの表面に付されたバーコードを、所定の間隔を有する2つのバーコードリーダで読み取るようにしたので、これにより、入場チケットの挿入方向が正規の方向であっても反対の方向であっても、入場チケットの定位置停止を1回行うだけでバーコードを読み取ることができる。このため、バーコード読み取り時間を短縮することができ、ゲート開閉装置における処理人数を大幅に増加することができる。
また、本発明のバーコード読み取り方法では、前記ゲート開閉装置は、片側の表面のみにバーコードが付されている入場チケットを読み取り対象としてもよい。
また、本発明のバーコード読み取り方法は、前記ゲート開閉装置は、両側の表面にバーコードが付されている入場チケットを読み取り対象としてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明においては、入場チケットの表面に付されたバーコードを、所定の間隔を有する2つのバーコードリーダで読み取るようにしたので、バーコード読み取り時間を短縮することができ、ゲート開閉装置における処理人数を大幅に増加することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本発明によるゲート開閉装置の券搬送部の構成例を示す図である。図1(A)に示すように、本発明のゲート開閉装置においては、券搬送部に2つのバーコードリーダ31、32が所定の間隔Lを置いて配置されている。また、入場チケット5には、図6に示したように、バーコード6が付されている。なお、バーコードリーダ31、32の間隔Lは、図1(B)に示すように、入場チケットが正規の方向に挿入されて定位置停止した場合のバーコード6Aの位置と、入場チケットが反対の方向に挿入されて定位置停止した場合のバーコード6Bの位置との間隔Lに等しくなる。
【0018】
図1(A)において、券挿入口2に挿入された入場チケット5は、上下に平行に設けられたベルト10、11A、12Aに挟持された状態で装置内に搬送され、入場チケット5Aに示す定位置で一旦停止される。
【0019】
そして、入場チケット5Aが定位置停止された状態において、入場チケット5Aが正規の方向に挿入されている場合には、図1(C)に示すように、バーコード6がバーコードリーダ32により読み取られる。また、入場チケット5Aが正規とは反対の方向に挿入されている場合には、図1(D)に示すように、バーコード6がバーコードリーダ31により読み取られる。
【0020】
バーコード6が読み取られた入場チケット5Aは、その後、ベルト10、12B、13、14、15、16に挟持されて装置内を搬送され、券放出口3から外部に排出される。なお、図中の各ベルト10〜16は、図示しないモータ及びプーリ(または、ギヤ)により駆動される駆動ローラ20により回転駆動され、また、各ベルト10〜16は、ローラ21および押しローラ22によりベルト位置が規制されている。
【0021】
このような構成により、入場チケット5の挿入方向に関係なく、入場チケット5の1回の定位置停止だけで、バーコード6の読み取りが可能になる。これにより、バーコード読み取り時間を短縮することができ、ゲート開閉装置における処理人数を大幅に増加することができる。
【0022】
また、図2は、本発明のゲート開閉装置における制御部の構成例を示す図であり、本発明に直接関係する部分のみを示したものである。
【0023】
図2において、制御部40内のバーコード読取処理部41は、2つのバーコードリーダ31、32に対し、定位置停止した入場チケット5Aに付されたバーコード読み取りを指示する。また、バーコードリーダ30、31から入場チケット5Aのバーコード情報を受信する。ベルト定位置停止処理部42は、例えば、入場チケット5Aの先端部を検出するチケットセンサ33からのチケット検出信号を受信し、入場チケット5Aを検出した場合に、ベルト10を定位置で一時停止するようにベルト駆動モータ制御部43に対して指示する。ベルト駆動モータ制御部43はベルト駆動モータ34の制御回路である。ベルト駆動モータ34は、サーボモータ等であり、ベルト10の駆動ローラ20を回転駆動することによりベルト10等を回転させる。
【0024】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、入場チケット5に付されるバーコードは、1次元のバーコードのみならず、2次元のバーコードであってもよい。また、バーコードの代わりに、QRコードなどの二次元コードでもよい。
また、バーコードは、本実施形態では、入場チケット5の片側の表面に付す場合について説明したが、入場チケット5の両側の表面に付すようにしてもよい。
この場合には、図1に示したゲート開閉装置において、入場チケット5を券挿入口2に挿入した際に、入場チケット5の挿入方向、表面側を上にして挿入するか、裏面側を上にして挿入するかに関係なく、入場チケット5を定位置で1回停止させるだけで、バーコードの読み取りが可能になる。これは、入場チケット5の両面に二次元バーコード、QRコードなどの二次元コートを付した場合についても同様である。
【0025】
また、図3に示すように、バーコードリーダ31、32に対向する位置に2つのバーコードリーダ35、36をさらに追加し、バーコードリーダ31、32で入場チケット5の表面側を読み取るようにし、バーコードリーダ35、36で裏面側を読み取るようにすることもできる。このようにすれば、入場チケット5の表面側を上にして挿入しても、裏面側を上にして挿入しても入場チケット5のバーコード6を読み取ることができるようになる。
【0026】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明のゲート開閉装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明においては、入場チケットのバーコード読み取り時間を短縮できる効果を奏するので、本発明は、公園、球場、博物館、科学館、遊園地等の入場口において使用されるゲート開閉装置等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明によるゲート開閉装置の券搬送部の構成例を示す図である。
【図2】券搬送部の制御部の構成例を示す図である。
【図3】ゲート開閉装置の券搬送部の他の構成例を示す図である。
【図4】ゲート開閉装置の概略構成例を示す図である。
【図5】ゲート開閉装置による入場通路の形成例を示す図である。
【図6】入場チケットの例を示す図である。
【図7】従来のゲート開閉装置の券搬送部の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0029】
1、1A ゲート開閉装置
2 券挿入口
3 券放出口
4 フラッパ
5、5A 入場チケット
6 バーコード
10、11、11A、12、12A、12B ベルト
13、14、15、16 ベルト
20 駆動ローラ
21 ローラ
22 押しローラ
30、31、32、35、36 バーコードリーダ
33 チケットセンサ
34 ベルト駆動モータ
40 制御部
41 バーコード読取処理部
42 ベルト定位置停止処理部
43 ベルト駆動モータ制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入場チケットに付されたバーコードを読み取り、該バーコードの内容に応じて入場通路のゲートの開閉を行うゲート開閉装置であって、
前記入場チケットに付されたバーコードを読み取るために、入場チケットの搬送方向に対して所定の間隔を持って2つのバーコードリーダを配置したこと
を特徴とするゲート開閉装置。
【請求項2】
上下に平行に配置されたベルトにより前記入場チケットを挟持して搬送する入場チケット搬送手段と、
前記入場チケットを所定の定位置に一時停止し、前記入場チケットに付されたバーコードを前記2つのバーコードリーダの内のいずれかのバーコードリーダにより読み取るための定位置停止手段と
を備えることを特徴とする請求項1に記載のゲート開閉装置。
【請求項3】
前記2つのバーコードリーダに対向して配置されると共に、前記2つのバーコードリーダが読み取る入場チケットの面とは反対側の面を読み取るためのバーコードリーダをさらに2つ配置し、合計4つのバーコードリーダにより、前記入場チケットに付されたバーコードを読み取るように構成されたこと
を特徴とする請求項1または請求項2に記載のゲート開閉装置。
【請求項4】
片側の表面のみにバーコードが付されている入場チケットを読み取り対象とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のゲート開閉装置。
【請求項5】
両側の表面にバーコードが付されている入場チケットを読み取り対象とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のゲート開閉装置。
【請求項6】
入場チケットに付されたバーコードを読み取り、該バーコードの内容に応じて入場通路のゲートの開閉を行うゲート開閉装置におけるバーコード読み取り方法であって、
前記入場チケットに付されたバーコードを読み取るために、入場チケットの搬送方向に対して所定の間隔を持って2つのバーコードリーダを配置する手順を
含むことを特徴とするバーコード読み取り方法。
【請求項7】
前記ゲート開閉装置は、片側の表面のみにバーコードが付されている入場チケットを読み取り対象とすることを特徴とする請求項6に記載のバーコード読み取り方法。
【請求項8】
前記ゲート開閉装置は、両側の表面にバーコードが付されている入場チケットを読み取り対象とすることを特徴とする請求項6に記載のバーコード読み取り方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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