説明

ゲームコンソールにおける記録媒体

【課題】統合されたゲームメディアエクスペリエンスを可能にするシステムを提供する。
【解決手段】メディア選択方法は、テレビ分野などのカテゴリを選択するためのツールをユーザーに表示する。ユーザー選択を受信すると、多数のチャンネルを有する選択されたカテゴリは、円弧状チャンネル選択領域などのチャンネル選択領域に視覚的に示される。選択されたカテゴリがスポーツである場合、スポーツチャンネルに対応する多数のチャンネルがチャンネル選択領域に強調表示される。チャンネル選択領域は、タッチスクリーン装置と連動して動作する。したがって、ユーザーは、自分の指でナビゲートし迅速に利用可能なチャンネルを選択し閲覧することができる。また、強調表示されていないチャンネルは自動的に避け、ユーザーのナビゲートを支援する。チャンネルのユーザー選択を受信すると、一例では、選択されたチャンネルに対応するメディアコンテンツが再生される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピューティングの分野に関し、より詳細には、ゲームコンテンツおよびメディアコンテンツなどの分野に関するが、これらの分野は単に例示であって、これらに限定されない。
【背景技術】
【0002】
ゲームコンソールは、拡張コンピューティングリソースが支援する豊富な視聴覚エクスペリエンスを提供する。しかし、これらのコンピューティングリソースは、ゲーム以外に使用されないことが多い。したがって、ゲームの娯楽以外に、テレビ視聴、(テレビ、ゲーム、またはそれ以外の)コンテンツの記録などの他のメディアエクスペリエンスを提供することは有利である。つまり、統合されたゲームメディアエクスペリエンスを可能にするシステム、方法、コンピューター読み取り可能な媒体などを提供することは有利である。
【発明の概要】
【0003】
本明細書に、ゲームコンソール上にメディアを統合する種々の機構を開示する。例として、これに限定されないが、複数のメディア選択を有するダッシュボードを示すことができる。このようなダッシュボードはゲームコンソールにネイティブであり、メディア選択の少なくとも1つはテレビ選択である。このテレビ選択は、ゲームコンソール上でテレビアプリケーションを起動することができ、ゲームコンソールにコンテンツを提供するサービスプロバイダのロゴで表示される。さらに、ユーザーには、テレビ選択と、音楽、ビデオ、VOC、DVDプログラムなどの複数のメディア選択のうちの他のメディア選択との間で交互に切り替えられるオプションが提供される。
【0004】
本発明の一つの例示的、非限定的な態様では、ユーザーには、ゲームコンソールをセットトップボックスとして起動することを選択できるオプションが提供される。別の態様では、ユーザーには、(ユーザーがコントローラを使用してゲームコンソールを起動することができ、標準的なセットトップボックスがオンになる時にゲームコンソールがオンになるように)ゲームコントローラを使用してゲームコンソールをセットトップとしてリモート起動することを選択するオプションが提供される。さらに別の態様では、ユーザーには、ゲームコンソールをタイトルとして起動することを選択できるオプションが提供される(例えば、ゲームコンソールはロードされたタイトルの再生を起動する)。この開示から明らかになるように、例えば、テレビ選択をアンインストールして、ゲームコンソールをダッシュボード上のテレビの前の表示に戻すことができるオプションをユーザーに提供するなど、さまざまな他の態様がある。さらに、テレビ選択は、テレビ表示で示されているコンテンツを記録するためのデジタルビデオ記録(DVR)選択を有するメニューなどの他のメディアへユーザーを導くことができる。
【0005】
本概要は、以下の発明を実施するための形態でさらに説明されている選択した概念を簡略化した形式で紹介するために提供するものである。本概要は、特許請求の範囲に記載されている主題事項の重要な特徴または本質的な特徴を特定することを目的とするものでも、特許請求の範囲に記載されている主題事項の範囲の決定に際して、補助として使用することを目的とするものでもない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
上述の概要は、以下の発明を実施するための形態と同様に、添付の図面と合わせて読むことで、より理解される。本発明を説明するために、本発明の種々の態様を説明する。しかし、本開示は、示した特定の態様に限定されるわけではない。
【図1】入力信号がセットトップボックスで受信され、この信号がセットトップボックスにより処理される、従来技術のシステムを示す図である。
【図2】図1とは対照的に、セットトップボックスの形式でメディアコンテンツを処理および表示するのにゲームコンソールを使用できる形態を示す図である。
【図3】ゲームコンソールが入力信号を処理および/または表示した時点で、ユーザーがコンソールメニューを使用して利用したいサービスを選択することができる形態を示す図である。
【図4】ゲームコンソールがさらにTVの視聴に適したプログラムガイドを提供する形態を示す図である。
【図5】ブートストラップ処理がゲームコンソールダッシュボードとクライアントコンポーネント520との間で行われ、最終的にゲームコンソール上でのテレビの視聴を可能にする形態を示す図である。
【図6】図5のブートストラップ処理の詳細を示す図である。
【図7】図5および図6に関連して議論されるクライアントコンポーネントに焦点を合わせた図である。
【図8】テレビコンポーネントのセットアップに使用される例示的なGUID、シリアルナンバー、およびコンソール番号を示す図である。
【図9】クライアントコンポーネントが、テレビクライアントアプリケーションとデジタルビデオレコーダ(DVR)アプリケーションとの2つのアプリケーションを備えることが可能であることを示す図である。
【図10】汎用テレビボタンを示す図である。
【図11】IPTV(Internet Protocol TeleVision)ボタンを示す図である。
【図12】利用可能なテレビボタンが欠如した形態を示す図である。
【図13】テレビ設定を管理する「システム」メニュー(「システム」ブレードにある)を示す図である。
【図14】テレビオプションのDVRストレージ、設定、システム情報、アンインストールなどが含まれるがこれらに限定されない、種々の機能をゲームコンソール上で実行できる形態を示す図である。
【図15】テレビ設定メニューを示す図である。
【図16】クライアントコンポーネントを認証およびサインインできる方法を示す図である。
【図17】オーディオおよびビデオデータがゲームコンソールにより処理される方法を示す本発明のアーキテクチャの一態様を示す図である。
【図18】図17に関連して述べたオーディオデコーダをより詳細に説明する図である。
【図19】ゲームコンソールがビデオデータを処理する方法を示す図である。
【図20】ゲームコンソールを使用してテレビ信号を表示する時に生じる可能性のあるイベントの概要フローを示す図である。
【図21】ユーザーがDVRストレージ設定の設定を選択することができる、本発明の態様の可能な一実装を示す図である。
【図22】ユーザーがスライダを移動させて、コンソールがDVR用に使用する空き領域の量を調節できるようにするDVRストレージメニューを示す図である。
【図23】クライアントコンポーネントがゲームコンソール上で実行中である時に、ユーザーがDVRオプションを選択すると発生する様子を示す図である。
【図24】中央処理装置(CPU)とハードウェアおよびソフトウェアスレッドとの相互運用性を含む本発明のアーキテクチャの態様を示す図である。
【図25】図24で示されたハードウェアスレッドを使用して、処理時間を割り当てることができる方法を示す図である。
【図26】処理がゲーム時間中に発生する時に、ゲームコンソールによりメディア割り込みを処理することができる様子を示す図である。
【図27】アプリケーションマネージャがソフトウェアスレッドを処理する方法およびタイトルがスレッドに関連する方法を示す図である。
【図28】ゲームコンソールがゲーム装置としてのみではなく、セットトップボックスとして機能することができるため、所定のメニュー上に複数の起動オプションが存在する様子を示す図である。
【図29】TVまたは(音楽、DVDなどを有する)メディアセンターのいずれかを起動するために、ゲームコンソールがリモート制御装置上に専用の起動ボタンを有することができる様子を示す図である。
【図30】上述の態様に関連して使用できる例示的なマルチメディアコンソールを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(I.概要)
本発明の種々の態様では、ゲームコンソール上にテレビ(TV)、デジタルビデオ記録(DVR)の提供およびリソースの統合の問題に対処するシステム、方法、コンピューター読み取り可能な媒体などを検討する。例として、図1および図2は、本発明の残りの図の枠組みを示す。図1には、従来技術のシステムが示されており、このシステムでは、入力信号160がセットトップボックス165で受信され、当該信号160はセットトップボックス165により処理される。この処理は、さまざまな種類の信号の分離を伴う場合がある。例えば、セットトップボックス165からテレビ装置180へ伝達される1つのタイプの信号は、TV信号170である。この信号170は、テレビ装置180のチャンネルの形で表示されるコンテンツを含むことができる。このコンテンツは、TV番組、映画、音楽など、すなわち、ほぼ任意のメディアコンテンツとすることができる。さらに、このメディアコンテンツを、セットトップボックス165で記録し、DVR信号175の形でテレビ装置180上に表示することができる。
【0008】
当然、図1は、簡単な従来技術のシナリオである。しかし、図1とは対照的に、図2は、ゲームコンソールがメディアコンテンツを処理および表示するのに使用できるという概念を示している。したがって、図2によれば、いくつかの通信会社からの入力信号160をゲームコンソール185が受信することができる。ゲームコンソール185は、この信号(または同じソースもしくは他のソースからの複数の他の信号)を処理し、これをテレビ装置180に渡すことができる。ゲームコンソール185は、TV信号170および/またはDVR信号175をテレビ装置180に渡すことができる。DVR信号175は、(TV信号またはほぼ他の任意のデジタルもしくはアナログ信号を含む場合がある)入力信号160のちょうど記録されたコンテンツとすることができ、あるいは、DVR信号175は、記録されていた他のメディアコンテンツ(例えば、ゲームコンテンツ)を含むことができる。つまり、図2は、ゲームコンソール185が、従来のゲーム娯楽を目的として莫大なコンピューティングリソースを使用する能力だけではなく、ユーザーにセットボックスとしてコンソール185を使用してTVを視聴させ、および/またはTV装置180上に表示される(もしくはそれ以外にアーカイビングなどのために使用される)コンテンツを記録させる能力を有することを示している。
【0009】
ゲームコンソール185はセットトップボックスとして機能するために利用できるので、コントローラなどの従来の付属のコンソール装置は、セットトップボックスの役割をすることができることに留意されたい。例えば、本発明の図30(最後の図)に関連してさらに詳細に説明されるゲームコンソールコントローラ142(1)は、リモート制御装置として機能して、ゲームコンソール/セットトップボックス185を制御することができる。したがって、ゲームコンソール185のコントローラ142(1)を使用して、テレビ装置180のチャンネルを切り替えることができ、従来のリモート制御装置の任意の機能を実行することができる。あるいは、ゲームコンソール185を従来のセットトップボックスと共に使用することもでき、既存のリソースを使用し、または(既存のリソースを完全に交換しないで)既存のリソースへのアドオンとして機能する。
【0010】
次に図3では、ゲームコンソール185が入力信号160を処理および/または表示すると、ユーザーは、コンソールメニュー192を使用して利用したいサービスを選択することができる。例えば、ユーザーがTVを見たい場合には、「TVを見る」オプション190を選択してもよい。あるいは、図3のスクリーンショットに示されている「録画TV」オプション194を同じくらい簡単に選択することができる。このオプション194は、ユーザーがゲームコンソール185上でゲームをしている最中、またはゲームをする前後のいずれかで記録されたコンテンツへのアクセスを提供してもよい。記録コンテンツは、ゲーム自体であってもよいし、または(ゲームコンソール185上でビデオゲームをする前、最中、または後に記録された)テレビコンテンツであってもよい。
【0011】
ゲームコンソール185は、オンデマンドのビデオおよび他の追加アイテムなどの複数の他のサービスを提供することもできることは言うまでもない。つまり、ゲームコンソール185は、セットトップボックス165(図1参照)が提供できる任意のサービスおよびそれ以上のものを提供することができる。なぜなら、ゲームコンソール185は、(図30に示されるように、インターネット、光ディスクドライブ、フラッシュドライブを介して、または他の方法で)提供された任意のソフトウェアアプリケーションを実行できる一般的なコンピューティング装置とすることができるからである。
【0012】
次に、図4に、ゲームコンソール185が、TVの視聴に適したプログラムガイド400も提供する形態を示す。このプログラムガイド400は、いくつかのバックグラウンドコンテンツ410と、透過的メニューオーバーレイ420などのオーバーレイとを含むことができる。バックグラウンドコンテンツ410は、TV画像またはいくつかの他のデジタル写真とすることができ、透過的メニューオーバーレイは、バックグラウンドコンテンツ410の上に透過的に配置することができる。オーバーレイ420は、異なるチャンネル、時間、およびそれに対応する番組を示すことができる。さらに、オーバーレイ420は、ピクチャーインピクチャー表示430、またはいくつかの追加のティッカー/テキスト/ピクチャー表示440などの他の機能を表示することもできる。当業者であれば、TVコンテンツと共に(およびDVRコンテンツと共に)示されるさまざまな種類のメニューおよび表示を容易に理解するであろう。本明細書でこれら全ての態様を考慮するが、図3および図4に関連して説明される態様は単に例示であり限定されるものではなく、セットトップボックスとして機能するゲームコンソール185の機能のセットの一部を示したに過ぎない。
【0013】
(II.ゲームコンソール上のテレビ視聴)
本発明のこの態様では、ゲームコンソールの機能がさらに探求され、このようなゲームコンソールが本質的にセットトップボックスに代わる、テレビ信号を表示する手段として使用できる方法が示されている。
【0014】
例えば、ゲームコンソールが表示できる1つのタイプの信号は、IPTV信号である。これらのIPTV信号は、図1に関連して説明した入力信号160としてもよい。とにかく、IPTVは、デジタルテレビサービスがネットワークインフラストラクチャを介してインターネットプロトコルを使用して配信されるシステムのことであり、ブロードバンド接続またはデジタル加入者線(DSL)接続による配信を含んでもよい。ゲームコンソールは、種々のタイプの信号を管理することができるが、IPTVは、(デジタル受信器/チューナなどを使用する少なくとも一部はハードウェアベースである、ケーブルテレビまたは衛星テレビなどの他の信号とは異なり)厳密にソフトウェアベースであるため特に使用しやすい。しかし、コンソールは、これらの信号および他の種類の信号を処理することができる点に留意されたい。IPTV信号は、単に、具体的かつ例示的な信号として本明細書で説明されている。
【0015】
さらに上述の例では、IPTV信号クライアントは、ゲームコンソール上のゲームとして処理することができ、別の言い方をすれば、ゲームコンソール上で実行する特定のタイプのアプリケーションとして処理することができる。本発明の非限定的な一態様では、管理フレームワークはゲームコンソールハードウェア上で起動し、次にIPTVアプリケーションは管理フレームワーク上で起動することができる。種々のモジュールおよびインターフェースを、ハードウェア、管理フレームワーク、IPTVアプリケーションで、またはこれらの間で使用して、ゲームコンソール上でテレビ信号が実行できるようにする。例えば、固有のネットワーク入出力(I/O)、セキュリティ、ならびに他のプロトコルおよび機能を使用することができる。セキュリティの例では、セキュリティ機能を使用して、テレビコンテンツの盗用から保護することができる。I/Oの例では、アプリケーション、フレームワーク、およびハードウェア間の通信、ならびにゲームコンソール自身に対するI/Oを管理することができる。
【0016】
次に図5を参照すると、ブートストラップ処理510は、ゲームコンソールダッシュボード500(例えば、図10のダッシュボードを参照)とクライアントコンポーネント520との間に位置する。クライアント520へのブートストラップは、ユーザーがメディアブレード(図13の例を参照)のTVボタン(例えば、IPTVボタン)を押すたびに開始される。ブートストラップ処理510は、例えば、IPTVクライアント(しかし、IPTVブートストラップウェブサービスを使用してユーザーを認証する必要はない−この認証は、IPTVクライアントを介して行われ、ブートストラップ機構とは独立して行うことができる)を立ち上げることができる。
【0017】
次に、図6は、図5のブートストラップ処理510をさらに詳細に示す。具体的に、図6の左から右に進めると、ボックス500で、ユーザーはIPTVボタンなどのメディアボタンを押すことができる。その後、このイベントを受けて、ブートストラップアプリケーションが530を開始する。このアプリケーション530は、ブートストラップ処理510の初期段階を管理することに関与することができる。アプリケーション530が実行する最初のアクションは、認証540を実行し、その後、クライアントコンポーネント520の存在をチェックすることである。クライアントコンポーネント520が存在する場合には、クライアントコンポーネントは立ち上げられるが、クライアントコンポーネント520が存在しない場合には、クライアントコンポーネントをサーバーからダウンロードすることができる。いずれにせよ、認証540は、クライアントコンポーネント520が立ち上げられる都度に行われるか、あるいは、クライアントが520をすでに立ち上げており、他のメディアが再生中の時に単にバックグラウンドにある場合には、認証される必要はない。
【0018】
図7に、認証および/またはログインに関連するクライアントコンポーネントにより処理できる情報をさらに詳細に示す。具体的には、公開/秘密鍵560、および/または処理に使用される証明書562とすることができる。さらに、以下で図8に関して説明するように、ゲームコンソールGUIDに関係する情報を提供してもよい。最後に、クライアントサブコンポーネント570は、クライアントコンポーネント520が立ち上げられると、テレビを実際に実行するなどの特定のタスクを実行するクライアントコンポーネント520内に存在してもよい(より詳細には、例えば、図17を参照)。
【0019】
図8に、上述したように、例示的なGUIDおよびシリアルナンバーを示す。示されているスクリーンショットの第1の行800には、以下のコンソールシリアルナンバー:802592261306が表示される。第2の行810には、コンソールID:008309212487が示される。その後、第3の行820に示されるように、上述のアルゴリズムを使用して、以下のGUIDが生成される:4282−112F−BBDE−315A−7971−20CB−AA96−202D。ゲームコンソールに関連する他の情報が、ユーザーに対して表示されてもよい。
【0020】
本発明の他の態様では、図9に示されるように、クライアントコンポーネント520は、(1)テレビ(TV)クライアントアプリケーション900と、(2)デジタルビデオレコーダ(DVR)アプリケーション910との2つのアプリケーションを備えることができる。TVクライアントアプリケーション900は、ユーザーが生放送のTVおよびビデオオンデマンド(VOD)を見ることができるようにするアプリケーションである。DVRアプリケーション910は、例えば、ユーザーがゲームをしている最中にテレビを録画する(あるいは、また、ユーザーがゲーム中でない時に、テレビを録画できる)など、バックグラウンドDVRをユーザーが実行できるようにするアプリケーションである。さらに、本明細書で開示されている主題事項のいくつかの態様では、テレビクライアントアプリケーション900とDVRアプリケーション910とは分離される。なぜなら、バックグラウンドDVRを実行するために、DVRアプリケーション910がシステムスレッドで単独で実行されるからである。システムスレッドでTVアプリケーション900を実行することにより、莫大なオーバーヘッドおよび不必要なシステムコストがかかる場合がある。
【0021】
最初に、クライアントコンポーネント520を、(工場出荷時にゲームコンソール上にインストール済みでない場合)上述のブートストラップアプリケーション510(図5および図6参照)により通信サーバーからダウンロードすることができる。ゲームコンソール185は、正しいサーバーに進み、クライアントコンポーネント520をダウンロードすることに関与することができる。例えば、ゲームコンソールは、セットアッププログラム920によりゲームコンソールフラッシュメモリに焼かれたURLを使用して、クライアントコンポーネント520をどこにダウンロードすべきかを知ることができる。
【0022】
セットアッププログラム920は、次に、サービスプロバイダ(図示せず)とコンソール185を使用するエンドカスタマーとの間のインターフェース接続アプリケーションとすることができ、クライアントコンポーネント520の初期のエクスペリエンスを制御することができる。例えば、プログラム920は、ユーザー/カスタマーに、オンラインゲームアカウントサインアッププロセス、HDDコンテンツパーティショニング(以下でこの態様を述べるが、一般に、HDDドライブがゲームコンソール上に存在している場合、セットアッププログラム920はユーザーにHDDパーティショニングアプリケーションをウォークスルーさせてもよい)、GUIDプロビジョニング(利用可能であれば)をウォークスルーさせることができる。ユーザーエクスペリエンスの下で、プログラム920はさらに、以下の、同期サーバーのURLをコンソールフラッシュに書き込む、通信会社(あるいは、サービスプロバイダ)のサポート番号をコンソールフラッシュに書き込む、および/またはサービスプロバイダ固有ロゴをHDD(利用可能である場合)上にインストールするタスクを実行することができる。さらに、サービスプロバイダの名前をフラッシュに書き込むことができる。
【0023】
オンラインゲームアカウントに関しては、ユーザーがまだこのようなアカウントを持っていない場合、ユーザーは、即座にオンラインゲームにサインアップするように依頼される場合がある。セットアッププログラム920は、オンラインアカウントアプリケーションを含むか、またはフラッシュメモリからアプリケーションを立ち上げてもよい。サインアップアプリケーションは、セットアップの中断を防ぐために、セットアッププログラム920へのリブートのタイトルを付けることができる。
【0024】
さらに、GUIDプロビジョニングの態様に関して、ユーザー対話を使用して、ゲームコンソールをセットトップボックスとして提供することができる。つまり、ユーザーがGUID、シリアルナンバー、またはコンソールIDを提供するために通信会社に電話をしなければならない場合、セットアッププログラム920はユーザーに電話をするように命令することができる。セットアッププログラム920は、(本明細書で開示されるいくつかの図で示されるように)コンソールから値の全てを読み出すことが可能である。しかし、本発明の例示的な一態様では、プロビジョニングアプリケーションは、セットトップボックスのGUIDを取得し、このGUIDを通信会社のバックエンドのサーバーに送信する。当該サーバーは、GUIDの送信元のIPアドレスに従って、ゲームコンソールをセットボックスとして自動的に提供する。したがって、IPアドレスをそのセッションのアカウントに自動的に関連付けるDSLルータにユーザーがサインアップしてもよい。そのセッションのIPアドレスは、その後、サービスに送信されるGUIDにバインドされる。
【0025】
セットアッププログラム920は、グローバルに使用できるように設計することができることに留意されたい。カスタマイズは、XMLおよび画像(例えば、.jpg)ファイルの使用を介して行うことができる。このカスタマイズを使用して、個々のサービスプロバイダに対して変更される必要のあるコード量を最小化することができる。
【0026】
サーバーURLがコンソールフラッシュで検出されると、メディアブレード/メニュー1000は自動で、図10に示されたような汎用テレビボタン1010、または図11に示されたようなIPTVボタン1020などの、テレビボタンを表示することができる。さらに、チャンネル番号、名前、タイプなどの種々のチャンネルオプション1030を表示することができる。後の図11では、IPTVボタン1020はメディアセンターボタンの上に表示することができ、その隣に表示されるロゴは、HDDで見られる通信会社のブランドのロゴとすることができる。コンソールにHDDが取り付けられていない場合、メディアブレード1010のコードは、フラッシュ設定のURLにアクセスすることによりIPTVサーバー上のロゴを探すことができる。コンソールがインターネットに接続されておらず、HDDがない場合、通信ロゴはメディアブレード1000に利用可能でない場合があり、ロゴは表示されないことになる(あるいは、図12で示されるように、利用不可能ボタン1040をクエスチョンマーク「?」で具現化して表示してもよい)。
【0027】
本発明の別の態様では、上述したように、ボタン1010、1020のうちの1つを選択すると、上述したブートストラップアプリケーション510(セットアッププログラム920の一部であっても、そうでなくても)が自動で作動することができる。クライアントコンポーネント520が存在しない場合、またはHDDがコンソールに取り付けられていない場合は、ブートストラップアプリケーション510は、フラッシュ設定に含まれる通信会社のサーバーURLに進んで、クライアントに必要なものをダウンロードしてもよい。ブートストラップアプリケーションがダウンロードするものを判断するのに使用できるダウンロード行列は、以下のように設定してもよい。
【0028】
【表1】

【0029】
最後に、上述したように、コンソールにHDDが取り付けられていない場合は、ブートストラップアプリケーション510は、クライアントコンポーネント520をメモリ内にキャッシュし、そこからクライアントコンポーネントを実行する。(図9に関連して説明した)DVRアプリケーションは、破棄することができる。しかし、いくつかの態様では、HDDがコンソールに取り付けられている場合には、ブートストラップアプリケーション510は、常にTVアプリケーション900とDVRアプリケーション910との両方をHDDにダウンロードすることができる。
【0030】
図10、図11および図12に関連したロゴに関しては、サービスプロバイダのブランドロゴをセットアッププログラムディスクからHDD上にインストールすることができるが、本明細書で開示される主題事項を具現化するシステムの耐用年数内のある時点で通信会社はそのロゴの更新を望む可能性がある。サーバーはこのような機構を提供することができる。具体的には、クライアントコンポーネント520の最初のダウンロードの時に、ブートストラップアプリケーション510は、利用可能な任意の通信会社のブランドロゴをダウンロードすることもできる。セットアッププログラム920によりもともとインストールされていたブランドロゴ(単数または複数)は、サーバーにより提供されるそれより新しいロゴ(単数または複数)により上書きすることができる。新しいロゴは更新ウェブサービスからも入手可能であるが、ブートストラップアプリケーション510は、これらのダウンロードに関与する必要はない。必要であれば、ブートストラップウェブサービスはこのダウンロードを指示することができる。
【0031】
何らかの理由で、ブートストラップアプリケーション510がサーバーに接続できない場合には、コンソールフラッシュ内に格納された通信会社のサポート番号をユーザーに表示することができる。ブートストラップアプリケーション510は、ユーザーが関連コンソールブレード/アプリケーションを終了するまで、一定時間ごとにサービスに接続しようとし続けることができる。
【0032】
次に、図13は、テレビ設定を管理するための(「システム」ブレード1310にある)「システム」メニュー1300を示す。「システム」メニュー1300は、本明細書で、および前の図面のいくつかで示されている「メディア」ブレード1320、「ゲーム」ブレード1330などの複数のブレードから選択してもよい。図13では、「システム」ブレード1310は、(スクリーンショットの第8のボタンを介して)テレビ設定の管理を可能にする。テレビ設定は、コンソール設定(第1のボタン)、ファミリー設定(第2のボタン)、メモリ(第3のボタン)、ネットワーク設定(第4のボタン)、コンピューター(第5のボタン)、Xbox(登録商標)Liveビジョン(第6のボタン)、および初期セットアップ(第7のボタン)と区別されるべきである。これらの示されたボタンは、単なる例示であり、限定するものでないことに留意されたい。例えば、第6のボタン「XboxLiveビジョン」は、他のオンライン加入サービスボタン(およびそれに対応するサービス)と容易に置き換えることができる。
【0033】
図13でテレビボタン(第8のボタン)が選択されると、図14で示されるように、種々の機能をゲームコンソール上で実行することができる。これらの機能には、DVRストレージ(第1のボタン)、起動ボタン設定(第2のボタン)、システム情報(第3のボタン)、およびテレビオプションのアンインストール(第4のボタン)が含まれるが、これらに限定されない。したがって、図13に示すスクリーンを見ると、ユーザーが図13のスクリーンショットの右下側の角にある「選択A」ボタンを押した場合、次に現れるスクリーンは図14である。(第1のオプション「DVRストレージ」は、本発明のDVRの態様を説明する章で以下に詳細に説明し、第2のオプション「起動ボタン」は、図15に関して詳細に説明し、その下の第3のオプション「システム情報」は、図8に関して詳細に説明することに留意されたい。)
図14では、第4のボタン「アンインストール」1400により、(図5〜7に関して上述したプロビジョニングプロセスと対照的に)ゲームコンソールが解除されることを可能にする。これは、ユーザーがこのボタンを選択し、その後(任意で)自分のアカウントをキャンセルするために、またはアカウントからゲームコンソールを削除するために通信会社を呼び出す時に、発生する可能性がある。これが行われると、ユーザーアカウントポリシー情報を更新して、通信会社は加入状態を反映することができる。SMSサブシステム(図16に関して以下で説明する)は依然としてIPTVGUIDを認識することができるが、当該ユーザーが非加入であり、もはやIPTVサービスのアクセスできなくなることも認識することができる。
【0034】
クライアントコンポーネント(図5、図6および/または7を参照)は、「システムブレード」のシステム情報領域からクライアントコンポーネントを削除することによりアンインストールすることができる(図14参照)。クライアントコンポーネントが削除されると、同期サーバーURLをコンソールフラッシュから削除することができ、対応するTV(例えば、IPTV)ボタンが「メディアブレード」から消えることになる(図10、図11、および12参照)。その後、HDDの空き領域は、他のゲームコンソールアプリケーションのために再割り当てすることができる。TV機能(IPTVなど)を再開するために、ユーザーは再びセットアッププログラムを実行し、セットトップボックスの追加機能を有するコンピューティング装置としてゲームコンソールを再びプロビジョニングしなければならない。さらに、この再プロビジョニングにより、通信会社はブラックリストから装置GUIDを解除する必要が生じる。さらに、および任意で、本発明の別の態様では、いくつかの通信会社は、セットトップボックスとして機能する任意のレンタルのまたはリースされたコンピューティング装置から、任意のクライアントコンポーネントまたは他の関連アプリケーションのアンインストールを無効にするオプションを有することを望む場合がある。
【0035】
いずれにしても、図14の「システム」ブレードでは、「アンインストール」ボタンを有する他に、「起動ボタン」を有することもできる。図15は、図14のスクリーンショットの右下に「選択A」オプションを有するこの「起動ボタン」を選択することによりもたらされ得る結果である。「起動ボタン」の選択により、ユーザーを「起動ボタン」メニュー1500に進ませる。このメニュー1500により、ユーザーが現在のテレビ設定を検査し、ゲームコンソール上でテレビオプションを実際に開始することを可能にする。
【0036】
この「起動」オプションが選択された場合、本明細書で開示される主題事項の別の態様では、図16はクライアントコンポーネント1600が認証およびサインインされる方法を示している。クライアントコンポーネントは、認証/サインイン情報をブートストラップサービス1610に送信することができる。任意の関連情報をクライアントコンポーネント1600に返すことができる。次に、クライアントコンポーネント末端に戻り、クライアント1600はここで任意の関連サーバーを認証することができる。クライアントは、自分の要求および関連情報をブートストラップウェブサービス1610に送信することにより、あるサービス(例えば、IPTVサービス)へのログオンを試みることができる。その後、ブートストラップウェブサービス1610末端で、ブートストラップウェブサービス1610が所定のチェックを実行することができる。このチェック後、ブートストラップウェブサービス1610は、加入者管理サブシステム(SMS)1620に問い合わせをして、クライアント1600が別のIPアドレスを介して既にサインインされているか否かを知ることができる。また、ブートストラップウェブサービス1610は、加入者に関連する他の情報についても問い合わせをすることができる。その後、SMS1620は、情報をブートストラップウェブサービス1610に返すことができる。最後に、全てが点検されるので、ブートストラップウェブサービス1610は、クライアント1600が資格を与えられるサービスのリストをクライアントコンポーネント1600へ返すことができる。ブートストラップウェブサービス1610およびSMS1620は、何らかのテレビサービス(例えば、IPTVサービス)のサブシステムメンバーとすることができる。ブートストラップウェブサービス1610はさらに、更新されたソフトウェアバージョンに対してクライアント1600をチェックすることができる。ブートストラップウェブサービス1610は、ソフトウェアのアップグレードが必要であると検出した場合、クライアント1600を自動的に更新することになる。
【0037】
本発明の別の態様では、TVおよび/またはDVRアプリケーションが提供されると、ゲームコンソールを使用してTVコンテンツを表示および/または録画することができる。図17は、オーディオおよびビデオデータがゲームコンソールにより処理される方法を示す本発明のアーキテクチャの一態様を示す図である。上述のSMS1620(または、それに関する任意の加入者システム)は、DRMコンテンツ1625をゲームコンソールに提供することができる。このゲームコンソールは、オーディオデコーダ1700とビデオデコーダ1710とを有することができる(これらのデコーダは、図30のオーディオデコーダ132とビデオデコーダ114として具現化してもよいことに留意されたい)。デコーダ1700、1710により処理されたオーディオおよびビデオデータは、次にクライアントコンポーネント520に伝えることができる。
【0038】
オーディオデコーダ1700は、オーディオAPIモジュール1720を備えることができる。このモジュール1720は、AC31730またはMPEG 1740などの、ほぼ任意のコーデックを受信するように構成することができる。次に、モジュール1720は、任意のこのような入力コーデックをXaudio1760などのネイティブなゲームコーデックに変換することができる。つまり、テレビ信号(オーディオ)が1つのタイプのコーデックで到達する場合、ゲームコンソールはこれらの信号を使用してゲームコーデックに変換し、オーディオ信号を判読することができる。
【0039】
ビデオデコーダ1710はさらに、種々のリソースを使用して、DRMコンテンツ1625をデコードし、最終的にはコンテンツ1625をクライアントコンポーネント520に提供する。図19は、ビデオコンテキストでゲームコンソールが使用するリソースのタイプを詳細に示す図である。例として、これらのリソースには、D3D(以下で定義される)1920およびGPU1170リソースが含まれるが、これらに限定されない。このようにして、デコーダがテレビ信号(サウンドおよびビデオ)を表示するのに使用するのが、GPUあろうと、D3Dであろうと、ゲームコンソールはネイティブなゲームリソースを使用する。
【0040】
次に、図18は、図17に関連して示したオーディオデコーダ1700を詳細に説明する図である。このデコーダ1700は、例えば、ある種の.wavデータファイル1800を受信し、受信したデータがフルフレームであるか否かについてこのデータ(またはデータパケット(単数または複数))に問い合わせる(1810)ことができる。フルフレームでない場合、つまり、部分フレーム1830が受信された場合、フルフレームが構築されるまでこのフレームをバッファリングすることができる。フルフレーム1820が受信された場合、このフレームをキューに配置し(1840)、レンダリング状態をチェックして、Xaudio1860データがレンダリングできるか否かを調べることができる(1850)。レンダリングできる場合、このデータ1860をゲームコンソール上でテレビサウンドとして使用することができる。
【0041】
オーディデータ以外に、ゲームコンソールは図19に示したようにビデオデータを処理することもできる。ボックス1900で、圧縮ビデオデータがゲームコンソールにより受信され、その後、デコーダ1910によりデコードされる。ゲームコンソールは、データを処理し、レンダリングするための高性能のハードウェアリソースを有するので、Direct3Dコンポーネント(単数または複数)を含む一部のそのネイティブなリソースを、テレビ画像を表示するのに使用できる。
【0042】
Direct3D(D3D)は、DirectX APIの一部であり、DirectXがマルチメディアに関するタスク、特にゲームのプログラミングを処理するためのAPIの集合体であり、コンピューターゲームの開発に広く使用されていることを、当業者は容易に理解するであろう。D3Dは、ゲームコンソール上でグラフィックスAPIのベースになることができる。D3Dは、性能が重要であるアプリケーションの3次元グラフィックスをレンダリングするのに使用される。D3Dはさらに、アプリケーションがウィンドウに組み込まれないで、フルスクリーンモードで実行できるようにする(それでも、ウィンドウ内で実行する機能でプログラムされた場合、アプリケーションはウィンドウ内で実行することができる)。D3Dはさらに、グラフィックボードで利用可能であれば、ハードウェア加速を使用することもできる。例えば、頂点シェーダ1930およびピクセルシェーダ1940を使用して、さらにテレビ信号の画質を高めることができる。表示されるデータの量を考えると、高解像度(デジタル)信号は特に十分にレンダリングされて見えることは容易に理解されるであろう。
【0043】
概要として、限定されるわけではないが、図20は、ゲームコンソールを使用してテレビ信号を表示する時に生じる可能性があるイベントの概要フローを示す図である。ボックス2000では、オーディオデコーダ1700およびビデオデコーダ1710などのリソースを使用して、データはまず復号化され、次に、それぞれオーディオ部分(図18)とビデオ部分(図19)とに分割される。これが終わると、データは解凍され、最終的には適切なコーデックに変換されて、その後、表示すべく処理され、サウンドおよび画像になる。
【0044】
(II.ゲームコンソール上でのTV録画)
データを、表示する以外に記録することもできる。ゲームコンソールは、ユーザーがゲームコンソール上でゲームをしている最中に(またはユーザーが他のメディアのためにゲームコンソールを使用している最中に)TV信号を記録することができる。ある意味では、これはバックグラウンドタイプの記録である。あるいは、他の態様では、コンソールが任意のメディアを使用する前、または後のいずれかでTV信号を記録することができる(メディアの使用は、ゲームをすること、音楽をダウンロードすること、DVDを見ることなどを含んでもよい)。さらに別の態様では、特定のメディアの使用の時にデータを記録してもよい(フォアグラウンド記録)。例えば、ユーザーは、自身がプレイ中のゲームを記録してもよいし、自身が見ているTV番組を録画してもよい。本明細書で開示される主題事項の種々の異なる態様は、DVR機構を使用してデータを記録することを含むことができる。
【0045】
図21は、ユーザーがDVRストレージ設定の設定を選択することができる、本発明の一態様の可能な実装を示す図である。「システム」ブレード2100は、ユーザーに「DVRストレージ」ボタン2110を提示する(ユーザーが「アンインストール」ボタン1400を選択できる図14を参照)。このボタン2100は、現在の設定2115などの関連情報を有することができる。図21は、ゲームコンソールの全空き領域は60GBであり、その空き領域のうちの30GBはDVRストレージ専用であることを示している。スクリーンショットの右下の隅のボタンの「A」を押してこのボタン2110を選択することで、ゲームダッシュボードはユーザーを図22のスクリーンショットに進める。
【0046】
具体的には、図22は、ユーザーがスライダを移動させてDVR用にコンソールが使用する空き領域の量を調節できるようにする、DVRストレージメニュー2220を示す図である。メニュー2220が示すように、DVR用の空き領域を大きくすることは、ゲームコンソールのゲームおよびコンテンツ(保存したゲーム、音楽ストレージなど)用の空き領域が小さくなることを意味する。図22では、スライダバー2210はDVR用に割り当てられる記憶領域を調節する手段とすることができる。しかし、本発明の一態様では、この調節を、下限2220および上限2230で制御してもよいことに留意されたい。したがって、スライダバー2210は、この2つの境界2220と2230との間で移動させることができる。これは、DVR用に設定される記憶領域の最小量(下限2220バーの左側のどこでも)、ならびにシステムおよび他の利用のために設定される記憶領域の最小量(上限2230バーの右側のどこでも)とすることができることを意味する。これにより、全体としてコンソールが正常に機能できる、つまり、少なくともいくつかのDVRを可能にすること、およびシステムの利用(ゲーマータグ、保存したゲームなど)のためにいくらかの空き領域を予約することをそれぞれ確実に行うことができる。
【0047】
次に、図23は、クライアントコンポーネントがゲームコンソール上で実行中である時に、ユーザーがDVRオプションを選択すると発生する様子を示す図である。「ライブTV」オプション190の選択を示す図3とは対照的に、図23は録画TVオプション194を示す。このオプションは、種々のメニューの詳細を有してもよい。例えば、録画の視聴、録画のスケジューリング、録画の追加などがあるが、これらに限定されない。一般的なDVR装置で使用する任意の録画の機能は、本明細書ではゲームコンソール上で使用することができる。
【0048】
ゲームコンソール上にDVR機能を提供するために、クライアントコンポーネントおよび/または他のモジュールが、さまざまな方法でコンソールのハードウェアおよびソフトウェアを操作してもよい。ゲームコンソールの主目的が一般にゲームをすることであるため、他のメディアがゲームコンソール上で実行中である時に、(DVRなどの追加のメディアを実行させながら)ゲームエクスペリエンスの質の維持に関して一定の保証が考慮されるべきである。したがって、図24は、ハードウェアスレッドが確実に、ゲームタイトル、ならびにDVR(およびTV−上述したように、DVRに関する本説明はTV、および上述した、VOD、DVD再生などの他の関連する機能にも当てはまる点は理解されたい)を含むシステム機能などの適切なゲームコンソールメディアに対して予約されている図である。
【0049】
ここで図24を参照すると、第1の中央処理装置(CPU)2400は、常駐する2つのハードウェアスレッドA 2405とB 2410とを有することができる。同様に、第2のCPU2415は、スレッドC 2420とD2425とを有し、第3のCPU 2430は、スレッドE 2435とF2440とを有することができる。さらに、当業者であれば理解できるように、各々のハードウェアスレッドに属することができる複数のソフトウェアスレッドがあることも理解されたい。例えば、ハードウェアスレッドB2410は、関連するソフトウェアスレッドX 2445とスレッドY 2450とスレッドZ 2455とを有することができる(他のハードウェアスレッド2405、2420、2425、2435、2440は、同様に複数のソフトウェアスレッドを有することができる)。これらのソフトウェアスレッドX2445、Y 2450、Z2455のそれぞれは、以下で詳細に説明するように、あるタスク(例えば、音楽、VOD、DVRなどの再生)を実行することができる。
【0050】
本明細書で開示される主題事項のこの態様では、第1のCPU 2400、言い換えれば、第1の2つのハードウェアスレッドA2405および2410を、ゲームタイトル用に予約することができる。この予約により、少なくとも一部において、(ゲームコンソール185上で他のメディアが実行中であっても)ユーザーが慣れているゲームエクスペリエンスを確実に保存できる。残りのスレッドC2420、D 2425、E2435、およびF 2440を、ゲームタイトルおよびDVR、音楽などのシステム機構の両方用に予約することができる。この予約により、同様に、ゲームタイトルがコンピューティングリソースのかなりの部分を維持してゲームの特性を保存するが、確実に、システム機能を実行することができる。
【0051】
さらに、図24は、ユーザーが一時的に異なるアプリケーションに切り替える場合、任意の所与のアプリケーションのデータをバッファリングするのに使用できるポーズバッファ2480を示す。例えば、1つのシナリオでは、ユーザーはTVを見ながら、数秒または数分間、ゲームに切り替える(その後、再びTVの視聴に切り替える)ことができる。ユーザーが切り替えた元のTVデータを、ポーズバッファ2480でバッファリングすることができる。もちろん、このポーズバッファ2480をメディア(DVR、VOD、ゲームなど)にも使用することができる。ポーズバッファ2480により、ユーザーがゲームコンソール上で(一時的に)切り替えをしたい時にデータを効率的に処理することができる。
【0052】
本発明の別の態様では、図25は、図24で示したハードウェアスレッドを使用して処理時間を割り当てることができる方法を示す図である。例えば、処理時間2500の1秒の時間スライスは、ゲームコンソールによりレンダリングされる60個のフレーム2510を含むことができる。つまり、1秒につき60個のフレーム、または約16.67msごとに1個のフレームがレンダリングされる。図25が示すように、これはNTSCシナリオの場合であるが、あるいは、PALシナリオでは、1秒につき50個のフレーム、または20msごとに1個のフレームがレンダリングされる。
【0053】
いずれにしても、どのレベルの時間粒度(実装時固有にすぎず、したがって、本明細書のより広範な開示に限定されない)を使用しても、1つの時間スライスは、つまり16.25msは、ゲーム処理2520に割り当てられ、1.00msは、DVR、音楽、DVD、ユーザーダッシュボードなどの他のメディア2530アクティビティに割り当てられる。このおおよそ16対1の比率(この比率は単に例示であり、これに限定されない)により、ゲームコンソール上の他のメディアに比べてゲームコンソール上のゲームが圧倒的に多いコンピューティングリソースが与えられる。この実施形態では、比率は16対1であるが、他の実施形態では20対1の場合もあり、さらに他の実施形態では若干高いまたは若干低い場合もある。これらのヒューリスティックスを適用して、開発者/製造業者の予想および目的に一致させることができる。
【0054】
これらの比率のヒューリスティックスを、図24に関連して説明した種々のハードウェアスレッド2405、2410、2420、2425、2435、2440全体に均一に適用することができることに留意されたい。あるいは、非均一に適用してもよい。さらに他の態様では、ハードウェアスレッドは、最適化されたコンピューティング結果を生成する他のヒューリスティックスまたは種々のフィードバック機構に応じて動的に変化してもよい。
【0055】
本発明の別の態様では、図26は処理がゲーム時間中に発生する時に、ゲームコンソールによりメディア割り込みを処理することができる様子を示している。これが発生する可能性がある1つの実例は、ユーザーがゲーム中で、次に他のメディアに関連したあるボタンを押すときである。例えば、ユーザーはゲーム中で、次にDVR機能を使用して自分のゲームを記録することを決めてもよいし、あるいは、ユーザーはゲーム中で、次に自分のお気に入りの番組がテレビ放送中であることを思い出したので、ゲームを終了しないでこの番組を録画すること(ゲームの継続を選択し、録画した後にTV番組を見ること)を決めてもよい。別の態様では、視聴者は録画中の番組の一部の視聴を開始しながら、DVRは番組の残りの録画を継続し続けることができる。したがって、DVR機能は、ユーザーがゲームをしている最中だけでなく、ユーザーが他のメディアタイトルに従事している最中でもバックグラウンドで機能することができる。
【0056】
このようなシナリオでは、ユーザーがゲームをしている最中ではあるが、できたらあるメディアコンテンツ(TV、ゲーム、音楽など)を記録したい時、録画ボタンを押すと、ゲーム時間2520中のゲームエクスペリエンスを妨げないようにメディア割り込み2600を生成し、素早く処理することができる。したがって、図26に示された割り込みは、短時間λmsで行われ、おそらく待ち行列に入れられて、その後、最終的に、ゲーム時間2520の後、つまり他のメディア機能に割り当てられた1.00msの時間スライスの間に処理される。
【0057】
本発明の別の態様では、図27は、アプリケーションマネージャがソフトウェアスレッドを処理する方法およびタイトルがソフトウェアスレッドに関連する方法を示している。図27は、ダッシュボードタイトル2700、ゲームタイトル2710、DVD映画タイトル2720、DVRタイトル2730、IPTVクライアント2740を示している。例えば、DVRタイトル2730は、対応するソフトウェアスレッドZ2455(最初に図24で示した)を有することができる。このスレッド2455は、コンソールアプリケーションマネージャ2750により管理することができる。このマネージャ2750は、図25に関連して説明したヒューリスティックスに従って、このスレッド2455および他のスレッド2445、2450をスケジューリングすることができる。つまり、ゲームコンソールのカーネルモードに常駐しているマネージャ2750は、コンソールのユーザーモードで実行するアプリケーションまたはタイトル用のリソースを提供することができる。
【0058】
上述したように、DVR機能に関して本明細書で説明した態様は、容易に他のメディアタイトルにも適用できる。したがって、ハードウェアスレッド、ソフトウェアスレッド、上限または下限などの説明は、そのような適切なメディアに適用できるものとして本明細書では考えられる。
【0059】
(III.ゲームコンソール上でのメディアリソースの統合)
本発明の統合の態様は、大部分はI、IIの章で説明してきた。例えば、図10は、音楽、画像、ビデオ、TV(および場合によっては他のメディア)を「メディア」ブレード1000に統合する方法を示している。メディアブレード1000は、一般的には、ゲームコンテキストで見られるユーザーインターフェースとしてもよい。しかし、図10は、従来、ゲームに関連付けられていないメディア、例えば、TVまたはDVRなども含むことができることを示している。
【0060】
例えば、TVの場合、種々の特徴を追加して、ゲームコンソールのダッシュボード内にこの機能を統合することができる。例えば、サービス名(例えば、図29の「AT&TU−Verse」)をセットアッププログラムによりフラッシュに配置することができる。サービス名は、ネットワークに由来しなくてもよいし、更新可能である必要はない。ネットワークまたはHDDを有するシステムのキャッシュから取得したサービスロゴを使用することができる。ネットワークまたはHDDを有するシステムのキャッシュから取得したサービスを記載するテキストを含むサービステキストを使用することができる。これは、ボタンにフォーカスを合わせると、ボタンの右側に表示される。デフォルトテキストは、他の特徴を加えることもできる。デフォルトテキストは、一般にTVサービスを記載し、サービステキストがネットワーク上で利用可能でない時に表示される。サポートテキスト(すなわち、会社Yの800.XXX.XXXXにお電話ください)も表示することができ、セットアッププログラムによりフラッシュに配置することができる。サポートテキストは、ネットワーク由来でなくてもよいし、更新可能である必要はない。スピナーを採用することができ、ここで、コンソールスピナーロゴは、サービスロゴが利用可能でない場合に、サービスロゴの代わりに表示される。ネットワークが利用不可能である場合、サービスロゴの代わりに警告ロゴを表示することができる。このロゴは、真ん中にエクスクラメーションマークのある黄色の三角形などとすることができる。
【0061】
TVネットワークが利用不可能である場合、警告ロゴ、サービス名、およびサポートテキストを表示することができ、TVボタンはフォーカスを合わせることができないグレイアウト表示になる。ユーザーがTVボタンを選択して「A」ボタンを押すと、ゲームコンソールは、実行可能ファイルを立ち上げることを試みることができる。実行可能ファイルがあれば、このファイルが起動し、TVクライアントの立ち上げに関与できる。実行可能ファイルがなければ、ダッシュがTVクライアントを立ち上げることができる。ユーザーがダッシュボードのどこかにナビゲート中で、リモートコントロールのTVボタンを押した場合、何の確認もせずにTVエクスペリエンスを開始することができる。
【0062】
本明細書の用語「統合」は、広範で、メディア統合の種々の態様を含むという意味で使われる。例えば、本発明の別の態様では、図28は、ゲームコンソールがゲーム装置としてのみではなく、セットトップボックスとして機能することができるため、所定のメニュー2800上に複数の起動オプションが存在する様子を示している。ユーザーがまずゲームコンソールを起動すると、このコンソールは、強調表示されたボタン2830で示されるように、セットトップボックスとして起動/ブートアップするように構成されることができる。このオプションが選択される場合、ユーザーが電源ボタンを押してコンソールをオンにすると、コンソールは標準的なセットトップボックスとして機能し、TVが立ち上げられる。しかし、その後いつでも、ユーザーは、ゲーム装置、または音楽装置、DVD装置、DVR装置などになるコンソールの種々の他のメディア機能を呼び出してもよい。
【0063】
本発明のこの態様では、代替として、まずユーザーが電源ボタンを押すと、TVではなく、ゲームコンソールダッシュボード(またはウェルカムメニューまたはメインメニューまたはブレードメニュー)が立ち上げられる(2820)。あるいは、ゲームコンソールにディスクがある場合、コンソールはタイトルの再生を開始することができる(2810)。つまり、ユーザーは、ゲームコンソールがデフォルト状態で動作する方法をカスタマイズすることができる。
【0064】
別の態様では、ゲームコンソールと対話できるリモート装置が、(ゲームコンソールがデフォルト状態であっても)ゲームコンソールを起動することができる。本発明に従って、ゲームコントローラは、TVセットトップボックス(例えば、ゲームコンソール上で実行するクライアントコンポーネント)を起動することができる。あるいは、リモートコントロールが、ゲームコンソールを起動させることができる。本発明では、種々のメディアが非常にうまく統合されているので、ほぼ任意の装置(例えば、ゲームコントローラ、リモートコントロールなど)は任意のタイトル(例えば、ゲーム、DVRなど)と対話することができる。図29は、TVまたは(音楽、DVDなどを有する)メディアセンターのいずれかを起動するために、ゲームコンソールがリモート制御装置上に専用の起動ボタンを有する場合を示している。
【0065】
さらに、統合が特に有用である場合の追加のシナリオがある。例えば、ユーザーがリモートコントロールのTV起動ボタンを押すと、ユーザーがゲームまたは他のエクスペリエンスを終了したいことを確認した後、TVクライアントは自動的に起動することができる。あるいは、別のシナリオでは、ユーザーは以下の手段を介してTVから電源オフに移行させることができる:リモートコントロールもしくはコンソールの「電源」を押す手段、リモートコントロールの「ガイド」を押す手段、電源オフ選択を終了する手段、またはリモートコントロールもしくはXbox360ゲームパッドの「ガイド」ボタンを押して停止する手段。興味深いことに、コンソールが「オフ」である時(すなわち、ユーザーに「オフ」が表示される時)、バックグラウンドDVRはそれでも機能/記録し続けることができる。
【0066】
別のシナリオでは、ユーザーがゲームディスクにCD、DVD、またはHD−DVDを挿入すると、ゲームまたは映画が確認なしで自動的に起動する。さらに別のシナリオでは、ユーザーは、TVから他の任意のタイトルなどのダッシュボーに進むことができる。ユーザーは、リモートコントロールまたはゲームパッドのガイドボタンを押し、Yを押し、その後、「Yes」を選択してAを押す。TVリモートコントロールは、表面的な変更以外は、ユニバーサルメディアコンソールリモートコントロールと同じとすることができることに留意されたい。これらのリモートコントロールの「メディアセンター」ボタン(図10参照)は、サービスプロバイダにより提供されるTVロゴと置き替えることができる。
【0067】
クライアントコンポーネントがハードドライブを有するゲームコンソール上にインストールされ、ユーザーがハードドライブをフォーマットすることを選択する場合、TVストレージファイルは消去されてもよい。全ての録画TVコンテンツの消去以外は、クライアント自体は影響を受けない。したがって、クライアントがハードドライブを有するゲームコンソール上にインストールされると、FormatHard DriveScreenのテキストは、このフォーマットの結果を示すように変更される必要がある場合がある。
【0068】
本発明の別の態様では、統合という概念により、(ゲーマーがオンラインで他のゲーマーとプレイしながらチャットするのと同じように)TVを見ながら他のユーザーとのチャットを伴うことができる。例えば、ゲームコンソール上でTVを見ながら、ユーザーは他のユーザーからの通知を受信することができ、一方、これらの他のユーザーも自分のゲームコンソール上でTVを見ている、またはゲームをしている。このタイプの統合は、もちろん、単に例示であり、ゲームコンソール上で種々のメディアを再生しながらチャットセッションを維持するだけでなく、音声通信、ビデオ通信などの他のセッションも維持することができる。つまり、一般的なゲームコンソールが有するどんな通信能力であっても、この能力を、TVおよびDVRサービスと同時に使用できるように拡張することができる。
【0069】
(IV.例示的な実施形態:IPTV)
上述したように、本明細書で開示される主題事項の一態様では、テレビコンテンツをゲームコンソール上で視聴することができる。例えば、IPTVの形式のこのテレビコンテンツは(IPTVは単に例示であり、これに限定されない)、あるネットワーク経由のインターネットプロトコルを使用して配信されるデジタルテレビサービスを参照してもよい。IPTVは、ブロードバンドネットワーク経由で放送品質のビデオおよび新規の統合TVサービスを配信するように特別に開発された統合された包括的ソフトウェアプラットフォームとすることができる。この態様に関連付けられたプラットフォームは、インスタントチャンネル変更(ICC)および複数のピクチャーインピクチャー(PIP)などの特徴を、放送プログラミング、VOD、およびDVRなどの従来のTVサービスと組み合わせることができる。この態様に従って、ソフトウェアを、PC、電話、および他の民生機器用に、シームレスにかつ経済的に他のIPベースの通信およびメディアサービスと統合するように開発することができる。IPTVを、差別化されたTVサービスおよびエクスペリエンスを配信する通信事業者およびケーブルオペレータが使用することができる。
【0070】
上述したIPTVは、消費者が望む差別化されたTVエクスペリエンスを配信できるようにする。例えば、マルチメディアプログラムガイドは、統一されたユーザーエクスペリエンスに、放送およびオンデマンドコンテンツの統合リスト、一貫性のあるナビゲーションおよび検索機能、ならびにピクチャーインピクチャーを提供することができる。ミニガイドは、現在放送中の番組を中断することなく、ガイドリストを閲覧する便利な方法を提供することができる。スクリーンの下に個々に表示されるので、ミニガイドは、総合的なプログラム情報に加えて、現在放送中の各番組のリアルタイムのビデオストリームを表示することができる。消費者は、現在放送中の番組、次の番組、後で放送する番組別のリストを閲覧することができる。
【0071】
本明細書で開示されているIPTVのタイプは、さらに迅速なチャンネルサーフィンを可能にする。すなわち、本開示のこの態様は、一瞬でチャンネル変更できるようにし、デジタルシステムにおいてチャンネル合わせに伴う遅延を効果的に削減する。さらに、この態様は、統合VODなどの、HDTVを含むコンテンツ全てを、ユーザーエクスペリエンスに統合されるコンテンツプロモーションを使用して、加入ごとにまたはペイ・パー・プレイベースで配信することができるような特徴を可能にする。さらに、この態様は、帯域幅利用の増大をもたらすことができる。これは、高度な圧縮技術、すなわちIPTVプラットフォームの1つのコンポーネントは、1.5〜1.8Mbps(メガバイト/秒)のビットレートの標準画質ビデオおよび7〜9Mbpsの高画質プログラムを配信することができることを意味している。これは、類似のMPEG−2ソリューションにより要求される帯域幅の1/2〜1/3と小さい。
【0072】
すでに上述したように、デジタルビデオ録画は、本発明の別の態様である。内蔵または外付けハードディスクドライブを使用して、消費者は、ライブコンテンツおよび録画コンテンツを一時停止、早送り、および巻戻しをすることができる。IPTVを使用すれば、複数のチューナを必要とせずに、複数の録画を行うことができるので、コストのかかるハードウェアのアップグレードが必要ない。IPTVはさらに、種々の他の業界標準製品を組み込むことができる。例えば(これらに限定されないが)、業界標準製品には、SQLServer、BizTalk(商標) Server、Systems ManagementServer、およびOperations Managementソフトウェアなどがある。これらは、IPTVソリューションの日常の管理およびメンテナンスを簡素化するのに役立つ。
【0073】
別の態様では、消費者のTVからホームネットワークのどこかにある写真、音楽、およびビデオへの単純で暗号化されたアクセスを提供するために、IPTVを装置やメディアに接続することができる。IPTVは、消費者がインターネットを介して遠隔でTVプログラミングをレビューし、記録することができるようにする。そして、IPTVは、接続されたコンテンツ、アプリケーションおよびサービスを使用して、テレビセットトップボックスおよび、WindowsMedia技術をサポートする数百もの携帯型メディア製品などの他の装置を介して保護されているデジタルビデオ、音楽、およびゲームサービスを消費者に配信するのを助けるための内蔵の圧縮技術およびDRM(Digital Rights Management)技術を十分に利用することができる。
【0074】
IPTVは、オペレータがTV上に発信者番号情報、インスタントメッセージ、電子メール、またはSMSを表示できるようにする、さらにTVスケジュールの変更が生じた時にその変更について消費者に通知できるようにする接続通信を伴うことができる。最後に、IPTVは、統一した構成、操作、管理ツールならびに、レガシーバックオフィスシステムを管理するための管理ツールおよびインターフェースの使用を提供し、共通のネットワークアーキテクチャを介してTV配信サービスを音声およびデータサービスと統合するために、接続されたシステムおよび配信を使用することができる。もちろん、これらは単に例示であり、上述した、そして以下でより詳細に説明するゲームコンソールとともに使用できるIPTVの態様に限定されない。
【0075】
(V.例示的なゲームコンソール環境)
ゲームコンソールは、IPTVなどのテレビ、記録コンテンツを視聴し、種々の他の機能を提供するのに使用することができる。次に図30を参照すると、ブロック図は、上述した態様と関連して使用できる例示的なマルチメディアコンソールを示している。例えば、デジタルオーディオ処理を、図30のマルチメディアコンソール100に実装することができる。マルチメディアコンソール100は、レベル1(Ll)キャッシュ102、レベル2(L2)キャッシュ104、およびフラッシュROM(Read Only Memory)106を有する、中央処理装置(CPU)101を有する。レベル1キャッシュ102およびレベル2キャッシュ104は、一時的にデータを格納することによってメモリアクセスの周期の回数を減らし、それにより処理速度およびスループットを向上させる。フラッシュROM106は、マルチメディアコンソール100の電源投入時、ブート処理の初期段階でロードされる実行可能なコードを格納することができる。代替として、初期ブート段階でロードされる実行可能なコードを、フラッシュメモリデバイス(図示せず)に格納することができる。さらに、ROM106を、CPU 101とは別に設置することができる。
【0076】
グラフィックス処理装置(GPU)108およびビデオエンコーダ/ビデオコーデック(コーダ/デコーダ)114は、高速で高解像度のグラフィックス処理のためのビデオ処理のパイプラインを形成する。データは、バスを介してグラフィックス処理装置108からビデオエンコーダ/ビデオコーデック114に送られる。ビデオ処理パイプラインは、テレビまたは他のディスプレイへの伝送のためのA/V(オーディオ/ビデオ)ポート140へデータを出力する。メモリコントローラ110は、GPU108およびCPU 101に接続されて、RAM(Random Access Memory)等の、しかしこれに限定されない種々のタイプのメモリ112へのプロセッサのアクセスを容易にする。
【0077】
マルチメディアコンソール100は、I/Oコントローラ120、システム管理コントローラ122、オーディオ処理装置123、ネットワークインターフェースコントローラ124、第1のUSBホストコントローラ126、第2のUSBコントローラ128、およびフロントパネルI/Oサブアセンブリ130を含む。これらは、モジュール118上に実装されていることが好ましい。USBコントローラ126および128は、周辺コントローラ142(1)〜142(2)、無線アダプタ148、外付けメモリユニット146(例えば、フラッシュメモリ、外付けCD/DVDROMドライブ、取り外し可能媒体など)に対するホストとして機能する。ネットワークインターフェース124および/または無線アダプタ148は、ネットワーク(例えば、インターネット、ホームネットワークなど)へのアクセスを提供するもので、イーサネット(登録商標)カード、モデム、Bluetooth(登録商標)モジュール、ケーブルモデムなどを含むさまざまな有線または無線インターフェースコンポーネントのうち任意のものとしてもよい。
【0078】
システムメモリ143は、ブートプロセス中にロードされるアプリケーションデータを格納するために設けられる。メディアドライブ144が設けられるが、これには、DVD/CDドライブ、ハードドライブ、他の取り外し可能なメディアドライブなどが含まれる。メディアドライブ144は、マルチメディアコンソール100に内蔵または外付けであってもよい。アプリケーションデータは、マルチメディアコンソール100により実行、再生などを行うために、メディアドライブ144を介してアクセスされてもよい。メディアドライブ144は、シリアルATAバスまたは他の高速接続(例えば、IEEE1394)などのバスを介してI/Oコントローラ120に接続される。
【0079】
システム管理コントローラ122は、マルチメディアコンソール100の可用性の保証に関するさまざまなサービス機能を提供する。オーディオ処理装置123およびオーディオコーデック132は、上述した本発明の態様に従って、ハイファイ、3D、サラウンド、ステレオオーディオ処理を行う、対応するオーディオ処理パイプラインを形成する。オーディオデータは、通信リンクを介してオーディオ処理装置123とオーディオコーデック126との間で送られる。オーディオ処理パイプラインは、オーディオ能力を有する外部オーディオ再生機または装置による再生のために、A/Vポート140にデータを出力する。
【0080】
フロントパネルI/Oサブアセンブリ130は、電源ボタン150およびイジェクトボタン152の機能のほかに、マルチメディアコンソール100の外面に露出した任意のLED(Light Emitting Diode)または他のインジケータの機能をサポートする。システム電源供給モジュール136は、マルチメディアコンソール100のコンポーネントに電力を提供する。ファン138は、マルチメディアコンソール100内の回路を冷却する。
【0081】
CPU 101、GPU 108、メモリコントローラ110、およびマルチメディアコンソール100内の種々の他のコンポーネントは、1つまたは複数のバスを介して相互接続される。これらのバスには、シリアルバス、パラレルバス、メモリバス、周辺バス、およびさまざまなバス構成のうち任意のバス構成を使用するプロセッサバスまたはローカルバスが含まれる。
【0082】
マルチメディアコンソール100が電源投入されるとき、またはリブートされると、アプリケーションデータは、システムメモリ143からメモリ112および/またはキャッシュ102、104にロードされ、CPU101上で実行される。アプリケーションは、マルチメディアコンソール100上で利用可能なさまざまなメディアタイプにナビゲートする時に、一貫性のあるユーザーエクスペリエンスを提供するグラフィカルユーザーインターフェースを提示することができる。動作時に、メディアドライブ144内に含まれるアプリケーションおよび/または他のメディアがメディアドライブ144から立ち上げられ、または再生されて、マルチメディアコンソール100に追加の機能を提供することができる。
【0083】
マルチメディアコンソール100は、単にシステムをテレビまたは他のディスプレイに接続することにより、スタンドアロンシステムとして動作することができる。このスタンドアロンモードでは、マルチメディアコンソール100は、1人または複数のユーザーがシステムと対話し、映画を鑑賞し、音楽を聴くなどを可能にする。しかし、ネットワークインターフェース124または無線アダプタ148を介して利用可能になるブロードバンド接続の統合により、マルチメディアコンソール100はさらに、より大きなネットワークコミュニティに加わって動作することができる。
【0084】
最後に、本明細書で説明した種々の技術を、ハードウェアもしくはソフトウェア、または必要に応じてその両方の組み合わせと関連させて実施できることにも留意されたい。したがって、本明細書で開示される主題事項の方法および装置、または特定の態様もしくはその一部は、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM、ハードドライブ、または任意の他の機械読み取り可能な記憶媒体などの有形媒体で具現化したプログラムコード(すなわち、命令)の形態をとることができる。プログラムコードをコンピューターなどのマシンにロードして実行すると、そのマシンは本発明を実践する装置となる。
【0085】
プログラム可能なコンピューター上でプログラムコードを実行する場合、コンピューティング装置は、一般に、プロセッサと、プロセッサにより読み取り可能な記憶媒体(揮発性および不揮発性メモリおよび/または記憶素子を含む)と、少なくとも1つの入力装置と、少なくとも1つの出力装置とを含む。例えば、データ処理APIなどを使用することで、本発明の態様の領域特有のプログラミングモデルの作成および/または実装を利用することができる1つまたは複数のプログラムを、好ましくは、高レベルの手続き型またはオブジェクト指向のプログラミング言語で実装して、コンピューターシステムと通信する。ただし、必要に応じてプログラム(単数または複数)を、アセンブリ言語または機械語で実装することができる。場合によっては、言語はコンパイル言語またはインタープリタ言語としてもよいし、ハードウェア実装と組み合わせてもよい。
【0086】
最後に、本開示は、種々の図面で示したような好適な態様と合わせて説明してきたが、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示の同じ機能を実行するために、他の同様の態様を使用してもよいし、または説明した態様に変更および追加を行ってもよいことを理解されたい。例えば、本開示の種々の態様では、統合されたゲームコンソールとテレビとメディアの記録とが開示されている。しかし、本明細書での教示から、これらの記載した態様と等価な機構も考えられる。したがって、本開示は、任意の一態様に限定されるべきではなく、むしろ、添付の特許請求の範囲による広さおよび範囲で解釈されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームコンソールにおける媒体に記録するシステム(185)であって、
タイトルからデータを受け取り処理する第1のサブシステム(2400、2415、2430)と、
前記データをメモリに記録する第2のサブシステム(2750)であって、前記記録の間、少なくとも1つのゲームタイトルが動作しているときには、前記ゲームコンソールにおいて当該少なくとも1つのゲームタイトルを動作させるためだけに複数のハードウェアスレッドの中から少なくとも1つのハードウェアスレッドを留保し、前記データが記録されているときには前記データを記録するために前記複数のハードウェアスレッドの中から少なくとも1つのハードウェアスレッドを留保する第2のサブシステムと、
を備えていることを特徴とするシステム。
【請求項2】
請求項1記載のシステムにおいて、少なくとも1つのゲームタイトルを動作させるために留保される処理時間は、前記データの記録のために留保される時間よりも約1桁大きいことを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項1記載のシステムにおいて、前記記録はNTSCフォーマットとPALフォーマットとの少なくとも一方を用いて実行されることを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項1記載のシステムにおいて、前記タイトルは、ダッシュボードとゲームとDVD映画とテレビクライアントとビデオオンデマンド(VOD)との中の少なくとも1つであることを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項1記載のシステムにおいて、このシステムは前記データを記録するためにユーザーにメニューを提供し、前記メニューは他の媒体の機能と統合されていることを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項1記載のシステムにおいて、前景でゲームタイトルが実行されている間に背景で前記第2のサブシステムがテレビタイトルから前記データを記録することを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項1記載のシステムにおいて、前記タイトルのためのメモリリソースをユーザーが調整することを許容するように構成されている第3のサブシステムを備えていることを特徴とするシステム。
【請求項8】
ゲームコンソールにおける媒体に記録する方法であって、
タイトルからデータを受け取り処理するステップ(2400、2415、2430)と、
前記データをメモリに記録するステップ(2750)であって、前記記録の間、少なくとも1つのゲームタイトルが動作しているときには、ゲームコンソールにおいて当該少なくとも1つのゲームタイトルを動作させるためだけに複数のハードウェアスレッドの中から少なくとも1つのハードウェアスレッドが留保され、前記データが記録されているときには前記データを記録するために前記複数のハードウェアスレッドの中から少なくとも1つのハードウェアスレッドが留保される、ステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8記載の方法において、少なくとも1つのゲームタイトルを動作させるために留保される処理時間は、前記データの記録のために留保される時間よりも約1桁大きいことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項8記載の方法において、前記記録はNTSCフォーマットとPALフォーマットとの少なくとも一方を用いて実行されることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項8記載の方法において、前記タイトルは、ダッシュボードとゲームとDVD映画とテレビクライアントとビデオオンデマンド(VOD)との中の少なくとも1つであることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項8記載の方法において、前記データを記録するためにユーザーにメニューを提供するステップを更に含み、前記メニューは他の媒体の機能と統合されていることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項8記載の方法において、前景でゲームタイトルが実行されている間に背景でテレビタイトルから前記データを記録するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項8記載の方法において、前記タイトルのためのメモリリソースをユーザーが調整することを許容するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
ゲームコンソールにおける媒体に記録するコンピューター実行可能な命令が記録されたコンピューター可読な媒体であって、
タイトルからデータを受け取り処理する第1の命令(2400、2415、2430)と、
前記データをメモリに記録する第2の命令(2750)であって、前記記録の間、少なくとも1つのゲームタイトルが動作しているときには、ゲームコンソールにおいて当該少なくとも1つのゲームタイトルを動作させるためだけに複数のハードウェアスレッドの中から少なくとも1つのハードウェアスレッドが留保され、前記データが記録されているときには、前記データを記録するために前記複数のハードウェアスレッドの中から少なくとも1つのハードウェアスレッドが留保される、第2の命令と、
を含むことを特徴とするコンピューター可読な媒体。
【請求項16】
請求項15記載のコンピューター可読な媒体において、少なくとも1つのゲームタイトルを動作させるために留保される処理時間は、前記データの記録のために留保される時間よりも約1桁大きいことを特徴とするコンピューター可読な媒体。
【請求項17】
請求項15記載のコンピューター可読な媒体において、前記タイトルは、ダッシュボードとゲームとDVD映画とテレビクライアントとビデオオンデマンド(VOD)との中の少なくとも1つであることを特徴とするコンピューター可読な媒体。
【請求項18】
請求項15記載のコンピューター可読な媒体において、前記データを記録するためにユーザーにメニューが提供され、前記メニューは他の媒体の機能と統合されていることを特徴とするコンピューター可読な媒体。
【請求項19】
請求項15記載のコンピューター可読な媒体において、前景でゲームタイトルが実行されている間に背景でテレビタイトルから前記データを記録されることを特徴とするコンピューター可読な媒体。
【請求項20】
請求項15記載のコンピューター可読な媒体において、前記タイトルのためのメモリリソースをユーザーが調整することを許容されることを特徴とするコンピューター可読な媒体。

【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図30】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2012−5853(P2012−5853A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−179590(P2011−179590)
【出願日】平成23年8月19日(2011.8.19)
【分割の表示】特願2009−544893(P2009−544893)の分割
【原出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【出願人】(500046438)マイクロソフト コーポレーション (3,165)
【Fターム(参考)】