説明

ゲームシステム、それに用いる制御方法及び、コンピュータプログラム

【課題】プレイヤの動作を操作基準標識の位置に反映することにより、ゲームの興趣性を向上させることができるゲームシステムを提供する。
【解決手段】ゲームシステムは、複数の選択ボタン8G〜Oを有するギターコントローラ4と、ゲーム画面51を表示出力するモニタ5と、プレイヤ50の重心移動を検知するステージ7と、ゲーム中における複数の選択ボタン8G〜Oのそれぞれの操作時期を記述したシーケンスデータ28を記憶する外部記憶装置20と、を備えている。また、ゲームシステムは、オブジェクト60にて案内されるべき操作時期に当該オブジェクト60が操作基準標識55と一致するようにレーン53上にてオブジェクト60を移動させ、プレイヤ50の重心移動に基づいて、操作基準標識55を傾斜させるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置に設けられた操作部の操作時期に対応する操作指示標識を適切な時期に操作基準標識と一致するように移動させて、操作部の操作時期を案内するゲームシステム、それに用いる制御方法及び、コンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
所定の経路に沿ってリズム音に対応するノーツバーを表示させるとともに、このノーツバーが操作時期に操作基準標識と一致するようにノーツバーを操作基準標識に向かって移動させることにより、操作時期を案内するゲーム装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−96061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のゲーム装置では、操作指示標識としてのノーツバーの出現する位置と、操作基準標識の位置とが固定されている。このようなゲーム装置では、ゲームの難易度を変化させるための手段が、ノーツバーの数の増減やノーツバーの移動速度の一律的増減、所定の経路の数の増減といった手段に限定されてしまう。このため、ゲームの難易度を多様な方法で変化させることにより、ゲームの興趣性を向上させる余地がある。
【0005】
そこで、本発明は、プレイヤの動作を操作基準標識の位置に反映することにより、ゲームの難易度を変化させることができるゲームシステム、それに用いる制御方法及び、コンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲームシステムは、少なくとも一つの操作部(8、9)を有する入力装置(4)と、ゲーム画面を表示出力する表示装置(5)と、プレイヤの動作を検知する検知手段(7)と、ゲーム中における前記操作部の操作時期を記述したシーケンスデータ(28)を記憶するシーケンスデータ記憶手段(20)と、前記操作部の操作時期をプレイヤに案内する操作案内手段(10)と、を備え、前記操作案内手段は、前記ゲーム上の現在時刻から将来に向かって所定の時間範囲に含まれる前記操作部の操作時期を前記シーケンスデータに基づいて判別する操作時期判別手段(10)と、前記操作時期判別手段にて判別された各操作時期に対応する操作指示標識(60)と、前記現在時刻に対応する操作基準標識(55)とを、前記ゲーム上にて所定の経路(53)に沿って時間順の配置で表示させるとともに、前記操作指示標識にて案内されるべき操作時期と前記現在時刻との時間差の減少に伴って前記操作指示標識と前記操作基準標識との間の距離が減少し、前記操作指示標識にて案内されるべき操作時期に当該操作指示標識が前記操作基準標識と一致するように前記経路上にて前記操作指示標識を移動させる標識位置制御手段(10)と、前記検知手段の検知結果に基づいて、少なくとも一つの前記経路に関して前記操作指示標識の移動方向における前記操作基準標識の位置を変化させる変更手段(10)と、を備えているものである。
【0007】
本発明によれば、プレイヤの動作が検知手段によって検知され、その検知結果に基づいて操作指示標識の移動方向における操作基準標識の位置が変化するので、プレイヤの動作を操作基準標識の位置に反映することができる。これにより、プレイヤにプレイ時の動作を意識させることができる。また、これらにより、ゲームの難易度を変化させることができるので、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0008】
変更手段は、操作基準標識の位置をどのように変化させてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記変更手段は、前記操作基準標識を移動させることにより前記操作指示標識の移動方向における前記操作基準標識の位置を変化させてもよい。また、操作基準標識をどのように移動させてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記変更手段は、前記操作基準標識の移動として、前記操作基準標識の初期位置(55a)との間に所定の角度が形成される位置に前記操作基準標識を傾けてもよい。また、この態様において、前記検知手段として、使用者の重心移動を検知可能なステージ(7)が用いられ、前記変更手段は、前記ステージが検知する前記ステージ上のプレイヤの重心移動に基づいて想定される前記プレイヤの姿勢の傾斜角度を算出し、前記算出された傾斜角度に応じた値を前記所定の角度として用いてもよい。この場合、プレイヤの重心移動をプレイヤの姿勢の傾斜と想定して操作基準標識の位置に反映することができる。これにより、プレイヤにプレイ時の姿勢を意識させることができる。
【0009】
本発明のゲームシステムの一態様において、前記検知手段は、前記入力装置に設けられていてもよい。この場合、入力装置に与えられる動作を検知して、その動作を操作基準標識の位置に反映することができる。また、この態様において、前記検知手段は、前記入力装置に設けられ、前記変更手段は、前記検知手段の検知結果に基づいて前記入力装置の傾斜角度を算出し、算出した前記入力装置の傾斜角度に応じた値を前記所定の角度として用いてもよい。この場合、入力装置の傾斜を操作基準標識の位置に反映することができる。
【0010】
入力装置には操作部がいくつ設けられていてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記入力装置には、複数の操作部が設けられ、前記標識位置制御手段は、前記所定の経路として、前記複数の操作部のそれぞれに対応して区分され、かつ所定方向に並べられた複数の経路を用いて、前記複数の経路のうち前記操作指示標識を当該操作指示標識にて操作時期が案内されるべき操作部に対応した経路上に表示させてもよい。
【0011】
また、入力装置に複数の操作部が設けられている態様において、複数の経路及び操作基準標識としてどのようなものが用いられてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記標識位置制御手段は、前記複数の経路としてそれぞれが互いに平行に並べられた直線の経路を、前記操作基準標識として前記複数の経路のそれぞれと直交する直線を、それぞれ用いてもよい。
【0012】
本発明のゲームシステムの一態様において、前記変更手段は、前記経路上の前記操作指示標識が出現する出現位置に前記操作基準標識が近づくように前記操作基準標識の位置を変化させてもよい。
【0013】
本発明のゲームシステムの一態様において、前記操作案内手段は、前記操作指示標識にて案内されるべき操作時期に当該操作指示標識が前記操作基準標識と一致するように、前記操作基準標識の位置の変化に応じて前記操作基準標識の位置が変化した前記経路に関して前記操作指示標識の表示を調整する調整手段を更に備えていてもよい。この場合、操作基準標識の位置の変化に応じて操作指示標識の表示を調整することにより、操作基準標識の位置が変化しても案内されるべき操作時期に操作指示標識と操作基準標識とを一致させることができる。
【0014】
操作指示標識の表示はどのように調整されてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記調整手段は、前記操作指示標識の表示の調整として、前記操作指示標識の移動速度を変化させてもよい。この場合、操作基準標識の変化に伴って操作指示標識の移動速度が変化するので、プレイヤの動作を操作指示標識の移動速度にも反映することができる。これにより、ゲームの難易度をより適切に変化させることができる。
【0015】
操作指示標識の移動速度を変化させる態様において、前記調整手段は、前記操作指示標識の表示の調整として、前記操作指示標識の移動速度の変化が一定範囲を超える場合には、前記操作指示標識の移動速度の変化が一定範囲内に収まるように前記操作指示標識の位置を移動させてもよい。この場合、操作基準標識の位置の変化に伴う操作指示標識の移動速度の変化を一定範囲内に制限できるとともに、プレイヤの動作を操作指示標識の位置にも反映することができる。
【0016】
また、操作基準標識の位置の変化に応じて操作基準標識の表示を調整する態様において、前記変更手段は、前記経路上の前記操作指示標識が出現する出現位置に前記操作基準標識が近づくように前記操作基準標識の位置を変化させ、前記調整手段は、前記操作指示標識の表示の調整として、前記操作指示標識の移動速度を減少させてもよい。これにより、プレイヤの動作を操作指示標識の移動速度の減少として反映することができる。また、この態様において、前記調整手段は、前記操作指示標識の表示の調整として、前記操作指示標識の移動速度の減少が一定範囲を超える場合には、前記操作指示標識の移動速度の減少が一定範囲内に収まるように前記操作指示標識を前記操作基準標識から離れる方向に移動させてもよい。この場合、操作基準標識の位置の変化に応じて前記操作指示標識が操作基準標識から離れる方向、つまり、出現位置方向に戻される。これにより、プレイヤの動作を反映して、例えば、出現した操作指示標識をゲーム画面から消失させるという演出ができる。
【0017】
本発明のゲームシステムの一態様において、ゲーム音を再生出力する音声出力装置(6)と、楽曲データを再生させるための楽曲データを記憶する楽曲データ記憶手段(20)と、前記楽曲データに基づいて前記音声出力装置から前記楽曲を再生させる楽曲再生手段(10)と、をさらに備え、前記シーケンスデータには、前記楽曲の再生中における前記操作部の操作時期が記述され、前記ゲーム上の現在時刻として、前記楽曲上の現在時刻を用いてもよい。この場合、楽曲の進行に合わせて操作部の操作時期を案内する音楽ゲームを実現することができる。このため、音楽ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0018】
入力装置としてどのようなものが用いられてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記入力装置として、ボディと、前記ボディから延びるネックと、前記ネックの先端に配置されるヘッドと、を有するギターを模したギターコントローラが用いられてもよい。
【0019】
また、本発明のゲームシステムの制御方法は、少なくとも一つの操作部(8、9)を有する入力装置(4)と、ゲーム画面を表示出力する表示装置(5)と、プレイヤの動作を検知する検知手段(7)と、ゲーム中における前記操作部の操作時期を記述したシーケンスデータ(28)を記憶するシーケンスデータ記憶手段(20)と、を備えたゲームシステムに組み込まれるコンピュータ(10)に、前記操作部の操作時期をプレイヤに案内する操作案内工程を実行させ、さらに、前記操作案内工程にて、前記ゲーム上の現在時刻から将来に向かって所定の時間範囲に含まれる前記操作部の操作時期を前記シーケンスデータに基づいて判別する操作時期判別工程と、前記操作時期判別手段にて判別された各操作時期に対応する操作指示標識と、前記現在時刻に対応する操作基準標識とを、前記ゲーム上にて所定の経路に沿って時間順の配置で表示させるとともに、前記操作指示標識にて案内されるべき操作時期と前記現在時刻との時間差の減少に伴って前記操作指示標識と前記操作基準標識との間の距離が減少し、前記操作指示標識にて案内されるべき操作時期に当該操作指示標識が前記操作基準標識と一致するように前記経路上にて前記操作指示標識を移動させる標識位置制御工程と、前記検知手段の検知結果に基づいて、少なくとも一つの前記経路に関して前記操作指示標識の移動方向における前記操作基準標識の位置を変化させる変更工程と、を実行させるものである。
【0020】
また、本発明のゲームシステム用のコンピュータプログラムは、少なくとも一つの操作部(8、9)を有する入力装置(4)と、ゲーム画面を表示出力する表示装置(5)と、プレイヤの動作を検知する検知手段(7)と、ゲーム中における前記操作部の操作時期を記述したシーケンスデータ(28)を記憶するシーケンスデータ記憶手段(20)と、を備えたゲームシステムに組み込まれるコンピュータ(10)を、前記操作部の操作時期をプレイヤに案内する操作案内手段として機能させるように構成され、さらに、前記操作案内手段を、前記ゲーム上の現在時刻から将来に向かって所定の時間範囲に含まれる前記操作部の操作時期を前記シーケンスデータに基づいて判別する操作時期判別手段、前記操作時期判別手段にて判別された各操作時期に対応する操作指示標識と、前記現在時刻に対応する操作基準標識とを、前記ゲーム上にて所定の経路に沿って時間順の配置で表示させるとともに、前記操作指示標識にて案内されるべき操作時期と前記現在時刻との時間差の減少に伴って前記操作指示標識と前記操作基準標識との間の距離が減少し、前記操作指示標識にて案内されるべき操作時期に当該操作指示標識が前記操作基準標識と一致するように前記経路上にて前記操作指示標識を移動させる標識位置制御手段及び、前記検知手段の検知結果に基づいて、少なくとも一つの前記経路に関して前記操作指示標識の移動方向における前記操作基準標識の位置を変化させる変更手段として機能させるように構成されたものである。本発明の制御方法及び、コンピュータプログラムを実行することにより、本発明のゲームシステムを実現することができる。
【0021】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0022】
以上、説明したように、本発明によれば、プレイヤの動作を操作基準標識の位置に反映することにより、ゲームの難易度を変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一形態に係るゲーム機の機能ブロック図。
【図2】ギターコントローラの拡大図。
【図3】通常時のゲーム画面及び、プレイヤを模式的に示す図。
【図4】傾斜時のゲーム画面及び、プレイヤを模式的に示す図。
【図5】急傾斜時のゲーム画面及び、プレイヤを模式的に示す図。
【図6】シーケンス処理部の詳細を示すブロック図。
【図7】シーケンス処理部が実行する描画処理ルーチンのフローチャート。
【図8】位置変更部が実行する位置変更処理ルーチンの一例を示すフローチャート。
【図9】補正部が実行する補正処理ルーチンの一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係るゲーム機の一形態について説明する。図1は、本発明の一形態に係るゲーム機の機能ブロック図である。図1に示すように、ゲーム機1は、ゲーム機本体3と、入力装置としてのギターコントローラ4と、表示装置としてのモニタ5と、音声出力装置としてのスピーカ6と、検知手段としてのステージ7と、を備えている。
【0025】
図2は、ギターコントローラ4の拡大図である。ギターコントローラ4は、形状、大きさ等、いわゆるギターを模したものである。ギターコントローラ4には、ギターのネックに相当する部分であって、ギターのヘッドに相当する部分の付近にローフレット操作部8が設けられている。ローフレット操作部8は、ヘッド側からボディ側に向かって順に、グリーン、レッド、イエロー、ブルー、オレンジにそれぞれ色分けされた5つの音選択ボタン8G、8R、8Y、8B、8Oを備えている。プレイヤがこれらの音選択ボタン8G〜Oを選択する選択操作をすると、音選択ボタン8G〜O毎に異なる選択信号が出力される。
【0026】
ギターコントローラ4のボディ部分の中央付近には、ピッキングレバー9が設けられている。ピッキングレバー9は、ギターの弦を弾く動作をシミュレートするためのもので、プレイヤによってギターの弦のように操作される。このため、ピッキングレバー9は、ボディ部分への取付部を支点として一定範囲だけ回転運動可能に設けられている。ピッキングレバー9の取付部には、ピッキングレバー9が回転運動可能な一定範囲のほぼ中央に保持されるように不図示の弾性部材が設けられている。また、ピッキンレバー9には、不図示の操作検出用のセンサが設けられている。これにより、ギターコントローラ4は、プレイヤがピッキングレバー9を回転運動させる操作をした場合に、この操作を検出して信号として出力可能である。プレイヤはギターを持つようにギターコントローラ4を持ち、ギターを演奏するようにギターコントローラ4の各ボタン8及び、ピッキングレバー9を操作する。つまり、プレイヤは、ギターコントローラ4に対して音選択ボタン8G〜Oのいくつか、若しくは全部を選択した状態でピッキンレバー9を操作する演奏操作を実行する。音選択ボタン8G〜Oは、ピッキンレバー9と連携することにより複数の操作部として機能する。
【0027】
図1に示すように、ゲーム機本体3の内部にはコンピュータとしての制御ユニット10が設けられている。制御ユニット10は、制御主体としてのゲーム制御部11と、そのゲーム制御部11からの出力に従って動作する表示制御部12及び音声出力制御部14と、を備えている。ゲーム制御部11は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサの動作に必要な内部記憶装置(一例としてROM及びRAM)等の各種の周辺装置とを組み合わせたユニットとして構成されている。表示制御部12は、ゲーム制御部11から与えられる描画データに応じた画像をフレームバッファに描画し、その描画した画像に対応する映像信号をモニタ5に出力することにより、モニタ5上に所定の画像を表示させる。音声出力制御部14は、ゲーム制御部11から与えられる音声再生データに応じた音声再生信号を生成してスピーカ6に出力することにより、スピーカ6から所定の楽曲(効果音等を含む)を再生させる。
【0028】
制御ユニット10には、ギターコントローラ4が接続される。なお、その他にも、押ボタンスイッチ、十字キー等が設けられたコントローラ等、各種の入力装置が制御ユニット10に接続されてよい。ゲーム機本体3には、外部記憶装置20が接続されている。外部記憶装置20には、DVDROM、CDROM等の光学式記憶媒体、あるいはEEPROM等の不揮発性半導体メモリ装置といった、電源の供給がなくても記憶を保持可能な記憶媒体が使用される。ゲーム機本体3に外部記憶装置20が接続されることにより、ゲーム制御ユニット11は外部記憶装置20に記憶されている各種プログラム、各種データ等の読み取りが可能になる。
【0029】
外部記憶装置20には、ゲームプログラム21と、ゲームデータ22とが記憶されている。ゲームプログラム21は、ゲーム機1にて所定の手順に従って音楽ゲームを実行するために必要なコンピュータプログラムであり、そこには、本発明に係る機能を実現するためのシーケンス制御モジュール23及び評価モジュール24が含まれている。ゲーム機本体3が起動されると、ゲーム制御部11はその内部記憶装置に記憶されたオペレーションプログラムを実行してゲーム機1として動作するために必要な各種の処理を実行し、続いて外部記憶装置20からゲームプログラム21を読み込んでこれを実行することにより、ゲームプログラム21に従って音楽ゲームを実行するための環境を設定する。ゲームプログラム21のシーケンス制御モジュール23がゲーム制御部11にて実行されることにより、ゲーム制御部11にはシーケンス処理部15が生成される。また、ゲームプログラム21の評価モジュール24がゲーム制御部11にて実行されることにより、ゲーム制御部11には操作評価部16が生成される。シーケンス処理部15及び操作評価部16は、コンピュータハードウェアとコンピュータプログラムとの組み合わせによって実現される論理的装置である。シーケンス処理部15は、プレイヤが選択した音楽(楽曲)の再生に合わせてプレイヤに操作を指示し、あるいはプレイヤの操作に応じて効果音等の演出を発生させるといった音楽ゲーム処理を実行する。シーケンス処理部15が実行する処理の詳細は後述する。操作評価部16は、プレイヤの操作を評価する処理を実行する。なお、操作評価部16の処理として周知な処理を適用可能なので詳細な説明は省略する。また、ゲームプログラム21には、上述したモジュール23、24の他にも音楽ゲームを実行するために必要な各種のプログラムモジュールが含まれ、ゲーム制御部11にはそれらのモジュールに対応した論理装置が生成されるが、それらの図示は省略した。
【0030】
ゲームデータ22には、ゲームプログラム21に従って音楽ゲームを実行する際に参照されるべき各種のデータが含まれている。例えば、ゲームデータ22には、楽曲データ25、効果音データ26及び画像データ27が含まれている。楽曲データ25は、ゲームの対象となる楽曲をスピーカ6から再生出力させるために必要なデータである。図1では、一種類の楽曲データ25が示されているが、実際には、プレイヤが複数の楽曲からプレイする楽曲を選択可能である。ゲームデータ22には、それらの複数の楽曲データ25がそれぞれの曲を識別するための情報を付して記録されている。効果音データ26は、プレイヤの操作に応答してスピーカ6から出力させるべき複数種類の効果音を、効果音毎にユニークなコードと対応付けて記録したデータである。効果音は、楽器その他の様々な種類の音声を含む。効果音データは、各種類に対して、音程を変えて所定のオクターブ数だけ用意されている。画像データ27は、ゲーム画面内の背景画像、各種のオブジェクト、アイコン等をモニタ5に表示させるためのデータである。
【0031】
ゲームデータ22には、さらにシーケンスデータ28が含まれている。シーケンスデータ28は、プレイヤに対して指示すべき操作等を定義したデータである。シーケンスデータ28には、音楽のテンポ、ビート、トラック、また、各音選択ボタン8G〜Oの選択に対応してそれぞれ発生させるべき効果音を指定する情報、演奏操作をすべき時期が音選択ボタン毎に楽曲中の時刻と対応付けて定義された情報といった、ゲームを実行するための各種の条件を指定する情報が含まれている。例えば、各音選択ボタン8G〜Oと、その操作時期とが定義された記述として、“01,2,1/4,G”のように楽曲中の小節部分、拍数、拍中の時刻及び、各音選択ボタン8G〜Oを示す値がカンマで区切って記述される。拍中の時刻は、一拍の先頭からの経過時間であり、一拍の時間長をn個の単位時間に等分して先頭からの単位数で表現される。上述の例では、音選択ボタンGについて楽曲の一小節目の二拍目で、かつその拍の先頭から1/4だけ経過した時刻が操作時期として指定されている。また、一曲の楽曲データ25に対して、最低一個のシーケンスデータ28が用意される。
【0032】
次に、図3〜5を参照して、ゲーム機1にて実行されるゲームの概要を説明する。ゲーム機1は、音楽に合わせてプレイヤが操作を実行し、その操作時期を評価するタイプの音楽ゲーム装置として構成されている。図3〜5は、いずれもゲーム画面と、そのゲーム画面を見るように位置する(背面を向けている)プレイヤとを模式的に示した図である。図3は、通常時のゲーム画面及びプレイ時のプレイヤを模式的に示した図である。図3に示すように、プレイヤ50は、ステージ7上でゲームをプレイする。通常時のゲーム画面51には、細区分線52にて区分された5つのレーン53G、53R、53Y、53B、53Oが表示される操作案内領域54が含まれている。各レーン53G〜Oは図3の左から右に向かって、グリーンレーン53G、レッドレーン53R、イエローレーン53Y、ブルーレーン53B、オレンジレーン53Oの順に配置され、それぞれが音選択ボタン8G〜Oのそれぞれに対応している。各レーン53G〜Oが本発明の複数の経路として機能する。また、これらの各レーン53G〜Oを区別しないときには、以下でレーン53と表記する。
【0033】
また、操作案内領域54のレーン53の下方には、操作基準標識55としてレーン53を横断する直線が表示される。また、各レーン53には、各音選択ボタン8G〜Oのそれぞれに対応する操作指示標識としてのオブジェクト60が適宜に表示される。オブジェクト60は、曲中の適当な時期に各レーン53の上方の出現位置に出現し、矢印Aで示すように楽曲の再生と同期した速度で下方の操作基準標識55に向かって移動する。そして、オブジェクト60の操作基準標識55への到達に合わせてプレイヤがそのオブジェクト60の移動している各レーン53に対応する各音声選択ボタン8G〜Oを選択した状態でピッキングレバー9を操作する演奏操作を実行すると、この演奏操作がされた時刻と、オブジェクト60が操作基準標識55に一致した時刻との間のずれが検出される。つまり、オブジェクト60がシーケンスデータ28にて定義された各音選択ボタン8G〜Oに対応する演奏操作をすべき時期に現在時刻を示す操作基準標識55と一致するように移動し、シーケンスデータ28にて定義された演奏操作の時期と実際にプレイヤ50が実行した演奏操作の時期との間のずれが検出される。このシーケンスデータ28にて定義された演奏操作の時期と実際の演奏操作の時期との間のずれが操作評価部16にて評価され、評価結果が得点として表示される。また、通常プレイヤは、図3に示すように、体の中心線CL1上に重心65Aが位置するような基準位置としての姿勢、つまり、ステージ3上にまっすぐ立った姿勢でゲームをプレイする。
【0034】
一方、ゲームのプレイ中にプレイヤ50の姿勢が基準位置から、つまり、まっすぐ立った姿勢から傾いた場合には、ステージ3によりプレイヤの重心の移動が検知され、そのプレイヤ50の姿勢の傾きが操作基準標識55の傾斜としてゲーム画面に反映される。図4は、傾斜時のゲーム画面61及び、プレイヤ50を模式的に示した図である。図4では、図3の場合と異なり、矢印Bで示すようにステージ7上でプレイヤ50が姿勢を傾けている。図4の破線はプレイヤが直立した状態の体の中心線CL1を、一点鎖線は姿勢を傾けた状態における体の中心線CL2を、それぞれ示している。図4に示すように、プレイヤ50は、直立状態の中心線CL1から中心線CL2まで角度α分姿勢を傾けている。また、図4の破線で示す重心65Aは、プレイヤが直立した状態、つまり、図3の場合における重心を示している。図4に示すように、プレイヤ50が姿勢を傾けることにより、プレイヤの重心65Bは直立状態の重心65Aの位置から左方向に移動している。図4のこのプレイヤ50の姿勢の傾きに伴う重心65Bの移動をステージ7が検知することにより、通常時のゲーム画面51が傾斜時のゲーム画面61へと変化する。図4では、プレイヤ50が画面に向かって左側(矢印B方向)に姿勢を傾けているのに対応して、ゲーム画面61の操作基準標識55も左側から右側に向かって上昇するように傾いている。つまり、図4では、プレイヤ50の右肩が左肩の位置に比べて上昇する(右側面が伸びるように傾く)姿勢の変化に対応して、ゲーム画面51の操作基準標識55も図3のゲーム画面51の操作基準標識55と比べて左端のグリーンレーン53Gの位置を維持しつつ右端のオレンジレーン53Oに向かって徐々に上昇幅が大きくなるように変化している。図3の破線は、図3の場合、つまり、通常時のゲーム画面51における操作基準標識55の初期位置55aを示している。図3に示すように、操作基準標識55の初期位置55aと傾斜時のゲーム画面61の操作基準標識55との間には、中心線CL2の傾斜と同様の傾斜角αが形成される。この傾斜角αが本発明に係る傾斜角度(所定の角度)に相当する。一方で、ゲーム画面61においてもシーケンスデータ28にて定義されている各音選択ボタン8G〜Oに対応する演奏操作をすべき時期及び、オブジェクト60が出現する出現位置に変化はない。つまり、左端のグリーンレーン53Gから右端のオレンジレーン53Oに向かうに従って、徐々にオブジェクト60の操作基準標識55までの移動距離が短くなる一方で、オブジェクト60が操作基準標識55に到達すべき時刻に変化はない。このため、傾斜時のゲーム画面61では通常時のゲーム画面51に比べて、左端のグリーンレーン53Gから右端のオレンジレーン53Oに向かうに従って各オブジェクト60の移動速度が遅くなる。
【0035】
操作基準標識55の傾斜角αはプレイヤ55の姿勢の傾き状況、つまり、プレイヤ50の重心の移動状況に応じて変化する。図5は、急傾斜時のゲーム画面71及び、プレイヤ50を模式的に示す図である。図5で示す場合には、図4で示す場合に比べて、プレイヤ50が大きく、かつ、短時間で、つまり、急激に矢印C方向に右肩を上げるように姿勢を変化させている。図5の破線はプレイヤ50の直立状態における体の中心線CL1を、一点鎖線はプレイヤ50が姿勢を急激に傾けた状態における体の中心線CL3を、それぞれ示している。図5に示すように、プレイヤ50は、直立状態の中心線CL1から中心線CL3まで角度β分姿勢を傾けている。この姿勢の傾斜に伴い破線で示す直立時の重心65Aの位置から急傾斜時の重心65Cの位置まで左方向に重心の位置が移動している。また、図5の一点鎖線は初期位置55a、つまり、図3の通常時のゲーム画面51の場合における操作基準標識55の位置を、破線は図4の傾斜時のゲーム画面61の場合のおける操作基準標識55の傾斜位置55bを、それぞれ示している。急激に傾斜させた場合のゲーム画面71の操作基準標識55と初期位置55aとの間には、中心線CL3の傾斜と同様の傾斜角βが形成される。また、図5に示すように、ゲーム画面71に表示されている操作基準標識55は、図4で示すゲーム画面61に表示されている傾斜位置55bと比べて、右端のオレンジレーン53Oにおける操作基準標識55の上昇位置が高く、操作基準標識55の傾斜が大きい。このため、オブジェクト60の移動速度の変化も左端のグリーンレーン53Gから右端のオレンジレーン53Oに向かうに従って大きくなっている。
【0036】
また、上述のようなプレイヤ50が右肩を上げるような姿勢の変化が短時間で行われているため、オブジェクト60の移動速度の変化も短時間で発生している。オブジェクト60の移動速度の変化は一定範囲内に収まるように設定されているので、このような操作基準標識55の急激な変化に伴いオブジェクト60の移動速度の変化が一定範囲を超える場合には、オブジェクト60がレーン53に沿って図5の矢印D方向、即ち、上方に押し戻されるような表示となるようにオブジェクト60の位置が制御される。つまり、操作基準標識55の急激な変化に伴いオブジェクト60の移動速度が一定以上に遅くなる場合には、オブジェクト60の移動速度が一定範囲内で遅くなるとともに、操作基準標識55への到達時刻をシーケンスデータ28にて定義された操作時期へと調整するために、オブジェクト60の位置が出現位置方向に移動するように制御される。図5の一点鎖線で示すオブジェクト73、74は、いずれも操作基準標識55の位置が移動する前、つまり、通常時のゲーム画面51におけるオブジェクト53の移動前位置を示している。図5の例では、イエローレーン53Y及びオレンジレーン53Oの各オブジェクト60の位置がそれぞれ矢印D方向、つまり、出現位置方向に移動している。
【0037】
さらに、操作基準標識55の位置の変化が最も大きいオレンジレーン53Oのオブジェクト60については、この操作基準標識55の位置の変化に伴って、オブジェクト60の出現位置よりも上方、つまり、ゲーム画面71外までオブジェクト60が押し戻されるような表示となるようにオブジェクト60の位置が制御される。図5の破線で示すオブジェクト75は、操作基準標識55の位置の変化に伴ってゲーム画面71外まで押し戻されたオブジェクト60の移動後位置を想像位置として示している。また、オレンジレーン53Oの二点鎖線で示すオブジェクト76は、オレンジレーン53Oの移動前位置にあるオブジェクト74から移動後位置のオブジェクト75までの移動途中位置を示している。つまり、図5に示すように、操作基準標識55の位置の変化が最も大きいオレンジレーン53Oでは、オブジェクト60が移動前のオブジェクト73の位置からゲーム画面71外まで、即ち、移動後のオブジェクトの位置75まで移動途中の変化を表示しつつ移動するようにオブジェクト60の位置が制御される。これにより、一度表示されたオブジェクト60がゲーム画面71から消される。オレンジレーン53Oの消されたオブジェクト60についても操作基準標識55に到達すべき時刻に変化はないので、操作基準標識55に到達すべき時刻に到達するように時間の経過に伴って再度ゲーム画面71に出現し、操作基準標識55に向かって移動する。これにより、プレイヤ50には、音選択ボタン8G〜O毎に異なる速度で案内されるそれぞれの演奏操作の時期に合わせた適切な演奏操作が求められる。一方で、各レーン53G〜O間でオブジェクト60の移動速度に差を生じさせたくない場合には、プレイヤ50はステージ7上にて重心を移動させずに(中心に保ちつつ)ギターコントローラ4の演奏操作を実行しなければならない。このようにしてプレイヤ50は、姿勢も考慮しつつゲームをプレイする。
【0038】
次に、操作基準標識55の位置の変化に伴うオブジェクト60の速度の変化及び位置の変化を実行する処理の流れについて説明する。図6は、シーケンス処理部15の詳細を示すブロック図である。シーケンス処理部15には、論理的装置として、オブジェクト座標演算部80と、補正部81と、描画制御部82と、位置変更部83とが設けられている。オブジェクト座標演算部80は、シーケンスデータ28に基づいて各レーン8G〜Oに表示すべき全てのオブジェクト53のゲーム画面内における座標を演算する。位置変更部83は、ステージ7がプレイヤ50の重心移動を検知した場合に、検知したプレイヤ50の重心移動に基づいて操作基準標識55の位置を変更する。補正部81は、位置変更部83から与えられる操作基準標識55の変更後の位置に基づいて各オブジェクト60に設定すべき移動速度を算出し、この算出された各オブジェクト60に設定されるべき移動速度に基づいてオブジェクト座標演算部80から与えられる各オブジェクト60の座標を補正する。描画制御部82は、画像データ27から与えられるゲーム画面(オブジェクト60及び操作基準標識55を除く)の情報に、位置変更部83から与えられる操作基準標識55の変更後の位置の情報(操作基準標識55の位置が変更されている場合は変更後の情報が、変更されていない場合は初期位置の情報がそれぞれ与えられる)と、補正部81から与えられるオブジェクト60の座標の情報(操作基準標識55の位置が変更されている場合は補正後の情報が、変更されていない場合はオブジェクト座標演算部80にて演算された情報が、それぞれ与えられる)と、を反映したゲーム画面を描画データとして生成する。表示制御部12は、描画制御部82から与えられる描画データに基づいてゲーム画面をモニタ5に表示させる。
【0039】
次に、シーケンス処理部15が実行する処理を具体的に説明する。図7は、シーケンス処理部15が実行する描画処理ルーチンのフローチャートを示している。図7のルーチンでは、シーケンス処理部15は、まずステップS1において楽曲上の現在時刻を取得する。現在時刻は、一例として楽曲の再生開始時点を基準としてゲーム制御部11の内部クロックにて計時すればよい。続くステップS2において、シーケンス処理部15は、シーケンスデータ28から所定時間範囲としてゲーム画面に表示すべき時間長(表示範囲)のデータを取得する。表示範囲は、一例として現在時刻から楽曲の二小節相当の時間長といった楽曲の進行に対応させて設定される。
【0040】
ステップS3では、オブジェクト座標演算部80にて各レーン53G〜Oに表示すべきすべてのオブジェクト60のゲーム画面内における座標が演算される。この演算は、一例として次のように行われる。まず、シーケンスデータ28に基づいて表示範囲に含まれている各音選択ボタン8G〜Oに対応づけられた各レーン53G〜Oのいずれにオブジェクト60を配置するかを判別する。次いで、各音選択ボタン8G〜Oに対応する演奏操作を実行すべき時期と現在時刻との時間差に応じて、初期位置の操作基準標識55からの時間軸方向(つまり、オブジェクト60の移動方向)における各レーン53G〜O上のそれぞれのオブジェクト60の位置を判別する。これにより、シーケンスデータ28にて指定された各レーン53G〜O上に、初期位置の操作基準標識55から時間軸に沿って各音選択ボタン8G〜Oのそれぞれに対応する各オブジェクト60を配置するための座標を取得することができる。
【0041】
次のステップS4では、ステージ7からの検知情報に基づいて想定されるプレイヤ50の姿勢の傾斜角度を算出し、その算出された傾斜角度に対応させて操作基準標識55の位置を変更する位置変更処理が位置変更部83にて実行される。図8は、位置変更部83が実行する位置変更処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。図8のルーチンでは、まずステップS11において、ステージ7から検知情報を取得する。この検知情報には、プレイヤ50の重心の移動方向、移動量が含まれている。続くステップS12では、ステップS11で取得した検知情報に基づいて、プレイヤ50の重心に移動が生じているか否かを判断する。プレイヤ50の重心に移動が生じていないと判断された場合には、以降のステップをスキップして今回のルーチンを終了する。一方、ステップS12にて、プレイヤ50の重心に移動が生じていると判断された場合には、ステップS13に進む。ステップS13では、プレイヤ50の重心の移動方向及び、移動量に基づいてプレイヤ50の姿勢に生じたと想定される傾きを算出する。この傾きの算出は、例えば、姿勢の傾斜に伴う重心の移動を予めマッピングしておき、このマップに従って検知した重心の移動を姿勢の傾斜角として算出することにより実現すればよい。続くステップS14では、ステップS13にて算出された傾きに相当する傾きが操作基準標識55の初期位置との間に生じるような操作基準標識55の位置を算出し、その算出した位置に操作基準標識55の位置を変更して今回のルーチンを終了する。図4の例では、重心の移動方向として左側、移動量として初期位置65Aと移動後の重心位置65Bとの差が検出され、これらに基づいてプレイヤ50の左側への傾斜量が傾斜角αとして算出される。そして、この傾斜量に応じて操作基準標識55の初期位置と移動後の位置との間に傾斜角αが形成されるような図4の操作基準標識55の位置、つまり、操作基準標識55の位置が初期位置55aから傾斜角α(プレイヤ50の傾斜角に相当する)傾いた傾斜位置55bが算出され、この算出された傾斜位置55bに操作基準標識55の位置が変更される。
【0042】
図7に戻り、ステップS5では、ステップS4において変更された操作基準標識55の位置に応じて、オブジェクト座標演算部80で演算された各オブジェクト60の座標を補正する補正処理を補正部81にて実行する。図9は、補正部81が実行する補正処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。図9のルーチンでは、まずステップS21において、補正部81は、オブジェクト座標演算部80にて演算されたオブジェクト60の座標を取得する。ステップS22では、位置変更部83から操作基準標識55の位置を取得する。続くステップS23では、取得した操作基準標識55の位置と操作基準標識の初期位置とを比較して、操作基準標識55の位置が変更されているか否かを判断する。操作基準標識55の位置が変更されていないと判断された場合には、以降のステップをスキップして今回のルーチンを終了する。一方、ステップS23で操作基準標識55の位置が変更されていると判断された場合には、ステップS24に進む。ステップS24において、補正部81は、ステップS21及びステップS22にて取得したオブジェクト60の座標と操作基準標識55の位置とからオブジェクト60の移動距離を算出し、この移動距離とシーケンスデータ28にて定義された到達時刻とからオブジェクト60に設定すべき移動速度を算出する。ステップS25では、ステップS24で算出されたオブジェクト60に設定すべき移動速度が、予め定められたゲームの難易度を適切に保てる一定の範囲内のものであるか否かを判断する。ステップS25にて、否定的判断がされた場合には、ステップS28に進む。ステップS28では、ステップS24にて算出されたオブジェクト60に設定すべき移動速度を一定範囲内の移動速度に補正してステップS26に進む。一方、ステップS25にて、肯定的判断がされた場合には、ステップS26に進む。ステップS26では、ステップS24又はステップS28にて設定された移動速度と、操作基準標識55の位置と、シーケンスデータ28にて定義された到達時刻とからオブジェクト60のレーン53上の座標を算出する。ステップS27では、オブジェクト座標演算部80が演算したオブジェクト60の座標を、ステップS26にて算出された座標に補正して今回のルーチンを終了する。
【0043】
図7に戻り、ステップS6において、シーケンス処理部15は描画制御部82にて、画像データ27から取得したゲーム画面(オブジェクト60及び操作基準標識55を除く)に、ステップS4及びステップS5の処理を経た操作基準標識55の位置とオブジェクト60の座標とを反映したゲーム画像の描画データを生成する。続くステップS7では、ステップS6にて生成された描画データに基づいてゲーム画面がモニタ5に表示されるように、描画データを表示制御部12へ出力して今回のルーチンを終了する。
【0044】
なお、図8のルーチンにおいて、ステップS12の重心に移動が生じているか否かの判断を実行する処理を省略してもよい。この場合においても、プレイヤ50の重心に変化がなければ、移動量がゼロとして与えられるので、操作基準標識55の位置は初期位置から変化しない。また、図9のルーチンにおいて、ステップS23の操作基準標識55の位置に変更がされているか否かの判断を実行する処理を省略してもよい。この場合、操作基準標識55の位置が初期位置から変化していなければ、移動距離等にも変化がないので、以降の処理を経てもオブジェクト60の座標はオブジェクト座標演算部80で演算された座標と同じ座標が算出される。但し、図8のルーチンのステップS12及び、図9のルーチンのステップS23をそれぞれ設けることにより、各ルーチンにかかる時間を短縮することができる。また、図7のルーチンにおいて、ステップS4の位置変更処理に続いてステップS5にて補正処理が実行されているが、ステップS5にて実行される補正処理の前に、位置変更処理にて操作基準標識55の位置が変更されているか否かを判断する処理を追加してもよい。この場合、この追加した処理において操作基準標識55の位置が変更されていないと判断されれば、シーケンス処理部15はステップS5で実行される補正処理をスキップしてステップS6の処理に進むことができる。これにより、図7のルーチンにかかる時間を短縮することができる。また、図7のルーチンにおいて、ステップS4の位置変更処理の前に、プレイヤ50の重心位置が変化したか否かを判断する処理を追加してもよい。これにより、シーケンス処理部15はプレイヤ50の重心位置に変化がない場合にはステップS4の位置変更処理及び、ステップS5の補正処理をスキップすることができる。
【0045】
この形態によれば、プレイヤ50の重心の移動を検知することにより、この重心の移動に基づいて想定されるプレイヤの姿勢の傾きが算出され、この想定されるプレイヤ50の姿勢の傾きに対応させて操作基準標識55を傾けることができる。つまり、プレイヤ50の姿勢の変化を操作基準標識55の変化としてゲーム画面に反映することができる。これにより、プレイヤ50にプレイ時の自己の姿勢を意識させることができる。また、操作基準標識55の変化に応じてオブジェクト60の移動速度を変化させることができるとともに、操作基準標識55の変化度によっては、オブジェクト60を進行方向と逆方向に押し戻すことができる。これらにより、ゲームの難易度を変化させることができるので、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0046】
以上の形態において、ゲーム機1の外部記憶装置20が楽曲データ記憶手段、シーケンスデータ記憶手段、として機能する。また、制御ユニット10が、シーケンス処理部15に図7のルーチンを実行させることにより操作案内手段、操作時期判別手段及び、標識位置制御手段として機能する。さらに、制御ユニット10が、シーケンス処理部15の位置変更部83に図8のルーチンを実行させることにより変更手段として、シーケンス処理部15の補正部81に図9のルーチンを実行させることにより調整手段として、それぞれ機能する。
【0047】
本発明は上述の形態に限定されず、適宜の形態にて実施することができる。上述の形態では、変更手段は、プレイヤ50の重心移動に伴って操作基準標識55を操作指示標識が出現する方向に近づけるように傾斜させているが、このような形態に限定されるものではない。例えば、上述の形態とは逆に、プレイヤ50の重心移動に伴って操作基準標識55を操作指示標識から離れる方向に移動させてもよい。つまり、図4の例では、プレイヤ50の重心の移動に伴ってグリーンレーン53Gにおいて操作基準標識55の位置が維持され、オレンジレーン53Oにおいて操作基準標識55の位置が上方に移動するように操作基準標識55を傾斜させているが、逆に、オレンジレーン53Oにおいて操作基準標識55の位置が維持され、グリーンレーン53Gの位置が下方に移動するように操作基準標識55を傾斜させてもよい。
【0048】
また、操作基準標識の位置が変化する形態として操作基準標識55が傾斜する形態に限定されるものでもない。例えば、操作基準標識を階段状に変化させることにより、各レーンにおける操作基準標識の位置を変化させてもよい。従って、操作基準標識として直線が用いられる形態に限定されず、操作基準標識として、例えば、階段状の形態、若しくはウェーブ状の曲線といった各種の形態が用いられてもよい。また、複数の経路についても直線が用いられる形態に限定されるものではなく、例えば、複数の経路としてウェーブ状等の曲線が用いられてもよい。また、上述の形態では、変更手段はプレイヤの重心移動に基づいてプレイヤの姿勢に生じたと想定される傾斜角度を算出し、この傾斜角度と同様の傾斜が生じるように操作基準標識を移動させているが、このような形態に限定されるものではない。例えば、プレイヤの姿勢に生じたと想定される姿勢の傾斜の半分の角度等、程度の変更等を加えた角度を所定の角度として操作基準標識に発生させてよい。また、所定の角度はプレイヤの動作に対応する限りプレイヤの姿勢の傾斜に対応するものに限定されるものではない。また、ゲーム機1はプレイヤの姿勢の傾斜の基準となる基準位置を事前にプレイヤに設定させるように構成されていてもよい。また、上述の形態では、変更手段は、複数の経路は固定して操作基準標識をプレイヤの動作に応じて移動させているが、例えば、操作基準標識は移動させずに(固定して)、プレイヤの動作に応じて複数の経路を傾斜させることにより、操作指示標識の移動方向における操作基準標識の位置を変化させてもよい。
【0049】
上述の形態では、検知手段としてプレイヤ50の重心移動を検知可能なステージが用いられているが、検知手段はこのような形態に限定されるものではない。例えば、手持ち可能な筐体に各種ボタンが設けられたコントローラ、或いは、ギターコントローラのような体に装着するタイプのコントローラといったゲームのプレイ中に傾斜させることができる各種入力装置に検知手段が設けられていてもよい。この場合も入力装置を傾ける等の動作、例えば、事前に設定された基準位置に対する入力装置の傾斜を検知してゲーム画面に反映することができる。また、上述の形態では、操作基準標識55の傾斜に伴ってシーケンスデータに定義された操作時期に操作指示標識が操作基準標識と一致するように操作指示標識の移動速度を補正しているが、このような形態に限定されるものではない。例えば、調整手段は、操作基準標識55の傾斜に伴って操作指示標識の移動速度を変化させずにシーケンスデータに定義された操作時期に操作指示標識が操作基準標識と一致する距離が確保されるように操作指示標識を移動させてもよい。また、上述の形態では、図9のステップS25及びステップS28の補正の結果、操作指示標識の移動速度が一定範囲内の速度になるように操作指示標識が出現位置方向に移動するような位置の制御が実行させているが、このような形態に限定されるものではない。例えば、操作指示標識が一時停止するような位置の制御を実行することにより操作指示標識の移動速度を一定範囲内に収めるようにしてもよい。一方で、上述の形態では、操作基準標識の移動に伴う操作指示標識の移動速度の変化が一定範囲内の速度になるように図9のステップS25及びステップS28にて補正しているが、このような補正をするステップを省略してもよい。
【0050】
上述の形態では、複数の経路として、細区分線52にて区分されたレーン53が用いられているが、このような形態に限定されるものではない。複数の経路は、操作指示標識又は操作基準標識が移動する経路として機能する限りにおいて、例えば、細区分線52にて区分されていないもの、つまり、モニタに表示されていないものであってもよい。上述の形態では、入力装置としてギターコントローラを利用しているが、入力装置はこのような形態に限定されるものではない。例えば、入力装置として、タッチパネル、押ボタン、レバー、トラックボールといった各種の構成の入力装置を利用することができる。また、上述の形態では、楽曲を再生し、楽曲の演奏時間に基づいて操作指示標識を操作基準標識に向かって移動させる音楽ゲームとして構成されているが、このような構成に限定されるものではない。操作指示標識の操作基準標識への到達に合わせて操作を案内するゲームである限りにおいて、例えば、旗揚げゲーム等として構成されてもよい。さらに、本発明のゲームシステムは、商業施設に設置される業務用ゲーム機、家庭用の据置型ゲーム機、携帯型のゲーム機、ネットワークを利用して実現されるゲームシステムといった適宜の形態で実現されてよい。
【符号の説明】
【0051】
1 ゲーム機
4 ギターコントローラ(入力装置)
5 モニタ(表示装置)
6 スピーカ(音声出力装置)
7 ステージ(検知手段)
8 ローフレット操作部(操作部)
9 ピッキングレバー(操作部)
10 制御ユニット(コンピュータ、操作案内手段、操作時期判別手段、標識位置制御手段、変更手段、調整手段、楽曲再生手段)
15 シーケンス処理部
20 外部記憶装置(楽曲データ記憶手段、シーケンスデータ記憶手段)
21 ゲームプログラム
22 ゲームデータ
25 楽曲データ
28 シーケンスデータ
50 プレイヤ
51 通常時のゲーム画面(ゲーム画面)
53 レーン(複数の経路)
54 操作案内領域
55 操作基準標識
55a 初期位置
60 オブジェクト(操作指示標識)
61 傾斜時のゲーム画面(ゲーム画面)
65A 重心
71 急傾斜時のゲーム画面(ゲーム画面)
CL1 中心線
α 傾斜角(傾斜角度)
β 傾斜角(傾斜角度)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの操作部を有する入力装置と、
ゲーム画面を表示出力する表示装置と、
プレイヤの動作を検知する検知手段と、
ゲーム中における前記操作部の操作時期を記述したシーケンスデータを記憶するシーケンスデータ記憶手段と、
前記操作部の操作時期をプレイヤに案内する操作案内手段と、を備え、
前記操作案内手段は、
前記ゲーム上の現在時刻から将来に向かって所定の時間範囲に含まれる前記操作部の操作時期を前記シーケンスデータに基づいて判別する操作時期判別手段と、
前記操作時期判別手段にて判別された各操作時期に対応する操作指示標識と、前記現在時刻に対応する操作基準標識とを、前記ゲーム上にて所定の経路に沿って時間順の配置で表示させるとともに、前記操作指示標識にて案内されるべき操作時期と前記現在時刻との時間差の減少に伴って前記操作指示標識と前記操作基準標識との間の距離が減少し、前記操作指示標識にて案内されるべき操作時期に当該操作指示標識が前記操作基準標識と一致するように前記経路上にて前記操作指示標識を移動させる標識位置制御手段と、
前記検知手段の検知結果に基づいて、少なくとも一つの前記経路に関して前記操作指示標識の移動方向における前記操作基準標識の位置を変化させる変更手段と、を備えていることを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
前記変更手段は、前記操作基準標識を移動させることにより前記操作指示標識の移動方向における前記操作基準標識の位置を変化させる請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記変更手段は、前記操作基準標識の移動として、前記操作基準標識の初期位置との間に所定の角度が形成される位置に前記操作基準標識が配置されるように前記操作基準標識を傾ける請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記検知手段として、使用者の重心移動を検知可能なステージが用いられ、
前記変更手段は、前記ステージが検知する前記ステージ上のプレイヤの重心移動に基づいて想定される前記プレイヤの姿勢の傾斜角度を算出し、前記算出された傾斜角度に応じた値を前記所定の角度として用いる請求項3に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記検知手段は、前記入力装置に設けられている請求項1〜2のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記検知手段は、前記入力装置に設けられ、
前記変更手段は、前記検知手段の検知結果に基づいて前記入力装置の傾斜角度を算出し、算出した前記入力装置の傾斜角度に応じた値を前記所定の角度として用いる請求項3に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記入力装置には、複数の操作部が設けられ、
前記標識位置制御手段は、前記所定の経路として、前記複数の操作部のそれぞれに対応して区分され、かつ所定方向に並べられた複数の経路を用いて、前記複数の経路のうち前記操作指示標識を当該操作指示標識にて操作時期が案内されるべき操作部に対応した経路上に表示させる請求項1〜6のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項8】
前記標識位置制御手段は、前記複数の経路としてそれぞれが互いに平行に並べられた直線の経路を、前記操作基準標識として前記複数の経路のそれぞれと直交する直線を、それぞれ用いることを特徴とする請求項7に記載のゲームシステム。
【請求項9】
前記変更手段は、前記経路上の前記操作指示標識が出現する出現位置に前記操作基準標識が近づくように前記操作基準標識の位置を変化させる請求項1〜8のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項10】
前記操作案内手段は、前記操作指示標識にて案内されるべき操作時期に当該操作指示標識が前記操作基準標識と一致するように、前記操作基準標識の位置の変化に応じて前記操作基準標識の位置が変化した前記経路に関して前記操作指示標識の表示を調整する調整手段を更に備えている請求項1〜8のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項11】
前記調整手段は、前記操作指示標識の表示の調整として、前記操作指示標識の移動速度を変化させる請求項10に記載のゲームシステム。
【請求項12】
前記調整手段は、前記操作指示標識の表示の調整として、前記操作指示標識の移動速度の変化が一定範囲を超える場合には、前記操作指示標識の移動速度の変化が一定範囲内に収まるように前記操作指示標識の位置を移動させる請求項11に記載のゲームシステム。
【請求項13】
前記変更手段は、前記経路上の前記操作指示標識が出現する出現位置に前記操作基準標識が近づくように前記操作基準標識の位置を変化させ、
前記調整手段は、前記操作指示標識の表示の調整として、前記操作指示標識の移動速度を減少させる請求項10に記載のゲームシステム。
【請求項14】
前記調整手段は、前記操作指示標識の表示の調整として、前記操作指示標識の移動速度の減少が一定範囲を超える場合には、前記操作指示標識の移動速度の減少が一定範囲内に収まるように前記操作指示標識を前記操作基準標識から離れる方向に移動させる請求項13に記載のゲームシステム。
【請求項15】
ゲーム音を再生出力する音声出力装置と、
楽曲データを再生させるための楽曲データを記憶する楽曲データ記憶手段と、
前記楽曲データに基づいて前記音声出力装置から前記楽曲を再生させる楽曲再生手段と、をさらに備え、
前記シーケンスデータには、前記楽曲の再生中における前記操作部の操作時期が記述され、
前記ゲーム上の現在時刻として、前記楽曲上の現在時刻を用いることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項16】
前記入力装置として、ボディと、前記ボディから延びるネックと、前記ネックの先端に配置されるヘッドと、を有するギターを模したギターコントローラが用いられる請求項1〜15に記載のゲームシステム。
【請求項17】
少なくとも一つの操作部を有する入力装置と、ゲーム画面を表示出力する表示装置と、プレイヤの動作を検知する検知手段と、ゲーム中における前記操作部の操作時期を記述したシーケンスデータを記憶するシーケンスデータ記憶手段と、を備えたゲームシステムに組み込まれるコンピュータに、
前記操作部の操作時期をプレイヤに案内する操作案内工程を実行させ、
さらに、前記操作案内工程にて、
前記ゲーム上の現在時刻から将来に向かって所定の時間範囲に含まれる前記操作部の操作時期を前記シーケンスデータに基づいて判別する操作時期判別工程と、
前記操作時期判別手段にて判別された各操作時期に対応する操作指示標識と、前記現在時刻に対応する操作基準標識とを、前記ゲーム上にて所定の経路に沿って時間順の配置で表示させるとともに、前記操作指示標識にて案内されるべき操作時期と前記現在時刻との時間差の減少に伴って前記操作指示標識と前記操作基準標識との間の距離が減少し、前記操作指示標識にて案内されるべき操作時期に当該操作指示標識が前記操作基準標識と一致するように前記経路上にて前記操作指示標識を移動させる標識位置制御工程と、
前記検知手段の検知結果に基づいて、少なくとも一つの前記経路に関して前記操作指示標識の移動方向における前記操作基準標識の位置を変化させる変更工程と、を実行させるゲームシステムの制御方法。
【請求項18】
少なくとも一つの操作部を有する入力装置と、ゲーム画面を表示出力する表示装置と、プレイヤの動作を検知する検知手段と、ゲーム中における前記操作部の操作時期を記述したシーケンスデータを記憶するシーケンスデータ記憶手段と、を備えたゲームシステムに組み込まれるコンピュータを、
前記操作部の操作時期をプレイヤに案内する操作案内手段として機能させるように構成され、
さらに、前記操作案内手段を、前記ゲーム上の現在時刻から将来に向かって所定の時間範囲に含まれる前記操作部の操作時期を前記シーケンスデータに基づいて判別する操作時期判別手段、前記操作時期判別手段にて判別された各操作時期に対応する操作指示標識と、前記現在時刻に対応する操作基準標識とを、前記ゲーム上にて所定の経路に沿って時間順の配置で表示させるとともに、前記操作指示標識にて案内されるべき操作時期と前記現在時刻との時間差の減少に伴って前記操作指示標識と前記操作基準標識との間の距離が減少し、前記操作指示標識にて案内されるべき操作時期に当該操作指示標識が前記操作基準標識と一致するように前記経路上にて前記操作指示標識を移動させる標識位置制御手段及び、前記検知手段の検知結果に基づいて、少なくとも一つの前記経路に関して前記操作指示標識の移動方向における前記操作基準標識の位置を変化させる変更手段として機能させるように構成されたゲームシステム用のコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−147594(P2011−147594A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−11001(P2010−11001)
【出願日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】