説明

ゲームシステム、ゲーム用プログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体

【課題】本発明はプレイヤーの動作を直接的にゲームに反映させることのできるゲームシステムに関し、プレイヤーの動作に応じた数多くの入力操作の認識を可能とすることを目的とする。
【解決手段】プレイヤーの入力操作により描かれる形状に基づいて、その入力操作に対応するサインを識別する。識別されたサインを、所定のゲーム用コマンドとして認識する。ゲーム用コマンドに対応するアイテムは、プレイヤーの操作に応じて、ゲーム画面中に即座に発生させることができると共に、保管ボックス64内に保管しておき、後に使用することもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム、ゲーム用プログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体に係り、特に、プレイヤーの動作を直接的にゲームに反映させることのできるゲームシステム、ゲーム用プログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオゲームなどに対する入力操作は、一般にコントローラに配置されたボタンなどを用いて行われる。これに対して、それらの入力操作は、タッチパネルなどを用いて、コントローラ等を介さずに、オペレータの指などで直接実行させることが考えられる。
【0003】
例えばビデオゲームにおいてこのような入力操作が可能であると、プレイヤーは、コントローラを用いる場合に比して、より直感的に所望の応答や指示を発することができる。また、情報端末機器などに対する入力操作がオペレータの指で直接行えれば、入力操作の煩雑さを緩和することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ゲームの内容を高度化してその遊戯性を高めるため、或いは情報端末機器に対する高度な情報入力を可能とするためには、多くの種類の入力操作を認めることが必要である。従って、プレイヤーやオペレータ自身の動きを入力操作として利用する場合には、その操作を読み取るシステムが、より多くの入力操作を区別して認識し得ることが望ましい。
【0005】
本発明は、上記のような要求に応えるためになされたものであり、プレイヤーの動作を直接的に入力操作として捕らえることができ、かつ、プレイヤーの動作に応じて、種類の異なる数多くの入力操作を認識することのできるゲームシステムを提供することを第1の目的とする。
また、本発明は、上記のゲームシステムをコンピュータ上で実現するために必要なプログラムを提供することを第2の目的とする。
更に、本発明は、そのプログラムを記録した記録媒体を提供することを第3の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、上記の目的を達成するため、プレイヤーの入力操作に基づいてゲームを進行させるゲームシステムであって、
プレイヤーの入力操作により描かれる形状を検出する入力操作検出手段と、
前記入力操作検出部によって検出された形状に基づいて、その入力操作に対応するサインを識別するサイン識別手段と、
前記サイン識別手段によって識別されたサインを、所定のゲーム用コマンドとして認識するコマンド認識手段と、
前記ゲーム用コマンドに応じてゲームを進行させるゲーム進行手段とを備え、
前記ゲーム用コマンドは、演出効果の内容を決定するコマンドであり、
前記ゲーム進行手段は、
前記ゲーム用コマンドに対応する演出効果を、プレイヤーの操作に応じてゲーム画面中に発生させる演出効果発生手段と、
前記演出効果を、プレイヤーの操作に応じて保管する演出効果保管手段と、
保管された前記演出効果を、プレイヤーの操作に応じてゲーム画面中に発生させるストック使用手段とを含むことを特徴とする。
【0007】
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記演出効果の内容は、プレイヤーが使用可能なアイテムであることを特徴とする。
【0008】
また、第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記演出効果保管手段は、
ゲーム画面中に、演出効果の種類毎に保管スペースを表示する保管スペース表示手段と、
個々の演出効果を、対応する保管スペース内に保管する保管管理手段と、
を含むことを特徴とする。
【0009】
また、第4の発明は、第1乃至第3の発明の何れかにおいて、前記入力操作検出手段は、タッチパネルを含むことを特徴とする。
【0010】
また、第5の発明は、第1乃至第4の発明の何れかにおいて、
ゲーム画面を表示するディスプレイと、
前記ディスプレイ上にカーソルを表示するカーソル表示手段とを備え、
前記入力操作検出手段は、前記カーソルの動きに基づいて、プレイヤーの入力操作により描かれる形状を検出することを特徴とする。
【0011】
また、第6の発明は、プレイヤーの入力操作に基づいてコンピュータ上でゲームを進行させるためのゲーム用プログラムであって、
プレイヤーの入力操作により描かれる形状を検出する入力操作検出処理と、
前記入力操作検出部によって検出された形状に基づいて、その入力操作に対応するサインを識別するサイン識別処理と、
前記サイン識別手段によって識別されたサインを、所定のゲーム用コマンドとして認識するコマンド認識処理と、
前記ゲーム用コマンドに応じてゲームを進行させるゲーム進行処理とをコンピュータに実行させるプログラムを含み、
前記ゲーム用コマンドは、演出効果の内容を決定するコマンドであり、
前記ゲーム進行処理は、
前記ゲーム用コマンドに対応する演出効果を、プレイヤーの操作に応じてゲーム画面中に発生させる演出効果発生処理と、
前記演出効果を、プレイヤーの操作に応じて保管する演出効果保管処理と、
保管された前記演出効果を、プレイヤーの操作に応じてゲーム画面中に発生させるストック使用処理とを含むことを特徴とする。
【0012】
また、第7の発明は、第6の発明において、前記演出効果の内容は、プレイヤーが使用可能なアイテムであることを特徴とする。
【0013】
また、第8の発明は、第6又は第7の発明において、前記演出効果保管処理は、
ゲーム画面中に、演出効果の種類毎に保管スペースを表示する保管スペース表示処理と、
個々の演出効果を、対応する保管スペース内に保管する保管管理処理と、
を含むことを特徴とする。
【0014】
また、第9の発明は、第6乃至第8の発明の何れかにおいて、前記入力操作検出処理は、タッチパネルに対する操作を検出する処理を含むことを特徴とする。
【0015】
また、第10の発明は、第6乃至第9の発明の何れかにおいて、
ゲーム画面を表示するディスプレイ上にカーソルを表示するカーソル表示処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを含み、
前記入力操作検出処理は、前記カーソルの動きに基づいて、プレイヤーの入力操作により描かれる形状を検出することを特徴とする。
【0016】
また、第11の発明は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、第6乃至第10の何れか1項記載のゲーム用プログラムを記録したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
第1又は第6の発明によれば、プレイヤーによって入力されるサインの種類をゲーム用コマンドと認識してゲームを進めることができる。サイン入力によれば、プレイヤーは、直感的に応答や指示を発することができる。従って、本発明によれば、ゲームの取り扱いをより容易とすることができる。また、本発明によれば、サイン入力により特定した演出効果を即座にゲーム中に発生させることに加えて、その演出効果を一時的に保管しておき、後に使用することができる。このような規則によれば、ゲーム進行の自由度が高まり、ゲームの魅力が向上する。
【0018】
第2又は第7の発明によれば、プレイヤーは、使用可能なアイテムを、ゲームの進行過程において予めストックしておくことができる。
【0019】
第3又は第8の発明によれば、サイン入力により特定された演出効果を、演出効果の種類毎に分類して保管しておくことができる。このため、プレイヤーは、保管してある演出効果の中から、容易に所望の演出効果を選択して使用に付することができる。
【0020】
第4又は第9の発明によれば、プレイヤーは、タッチパネルを用いて入力操作を行うことができる。
【0021】
第5又は第10の発明によれば、プレイヤーは、ディスプレイ上に表示されたカーソルを動かすことにより、カーソルの動きを確認しながらサイン等を入力することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
実施の形態1.
以下、図面を参照して本発明の実施の形態1のゲームシステムについて説明する。図1は、本実施形態のゲームシステムの構成を説明するための概念図を示す。本実施形態のゲームシステムは、ゲーム画像を表示するためのモニタ装置10を備えている。本実施形態において、モニタ装置10は29インチの表示画面を有するものとする。
【0023】
モニタ装置10の下方および上方には、それぞれ、X座標検出用発光モジュール群12およびX座標検出用受光モジュール群14が配置されている。また、モニタ装置10の左方および右方には、それぞれ、Y座標検出用発光モジュール群16およびY座標検出用受光モジュール群18が配置されている。
【0024】
X座標検出用発光モジュール群12は、水平方向に隣接して配置された4台の発光モジュール20で構成されている。一方、X座標検出用受光モジュール群14は、水平方向に隣接して配置された4台の受光モジュール22で構成されている。また、Y座標検出用発光モジュール群16、およびY座標検出用受光モジュール18は、それぞれ、垂直方向に隣接して配置された3台の発光モジュール20、または垂直方向に隣接して配置された3台の受光モジュール22で構成されている。
【0025】
発光モジュール22は、それぞれ10mm程度の等間隔で配置された16個の発光ダイオード24を備えている。これらの発光ダイオード24は、所定強度の赤外線を発することができる。一方、個々の受光モジュール22は、上述した発光ダイオード24の間隔と同じ10mm程度の間隔で配置された16個の受光素子26を備えている。これらの受光素子26は、発光ダイオード24が発する赤外線を検知することができる。
【0026】
X座標検出用発光モジュール群12に属する全ての発光ダイオード24は、その光軸が、モニタ装置10の表面から所定長だけ離れた位置で垂直上方に向かうように配置されている。一方、X座標検出用受光モジュール群14に属する全ての受光素子26は、X座標検出用発光モジュール群12に属する発光ダイオード24のうち、自らの垂直下方に配置されているものから発せられる光を効率良く受光できるように配置されている。従って、X座標検出用発光モジュール群12に属する発光ダイオード24と、X座標検出用受光モジュール群14に属する受光素子26とは、互いに対向するもの同士がフォトカプラを構成している。以下、それらのフォトカプラが光を授受する平面を「検出面」と称す。
【0027】
尚、本実施形態では、X座標検出用受光モジュール群14が室内照明などに反応するのを避けるため、光を受ける側のX座標検出用受光モジュール群14をモニタ装置10の上方に、また、光を発する側のX座標検出用発光モジュール群12をモニタ装置10の下方にそれぞれ配置することとしている。
【0028】
Y座標検出用発光モジュール群16に属する全ての発光ダイオード24は、その光軸が、上述した検出面内で水平方向に向かうように配置されている。一方、Y座標検出用受光モジュール群18に属する全ての受光素子26は、Y座標検出用発光モジュール群16に属する発光ダイオード24のうち、自らの垂直左方に配置されているものから発せられる光を効率良く受光できるように配置されている。従って、これらの発光ダイオード24および受光素子26も、互いに対向するもの同士がフォトカプラを構成している。
【0029】
以下、X座標検出用発光モジュール群12とX座標検出用受光モジュール群14とを総称する場合には「X座標検出装置」と称す。また、Y座標検出用発光モジュール群16とY座標検出用受光モジュール群18とを総称する場合には「Y座標検出装置」と称す。更に、X座標検出装置とY座標検出装置とを総称する場合には、それらを単に「座標検出装置」と称す。
【0030】
上述したモニタ装置10および発光または受光モジュール20,22には、ゲーム処理ユニット28が接続されている。ゲーム処理ユニット28は、その内部に、演算処理ユニットやメモリ、或いは所定のプログラムが記録された記録媒体など(いずれも図示せず)を備えており、モニタ装置10や発光または受光モジュール20,22との間でデータの授受を行いつつ、後述するゲームの進行に必要な種々の処理を実行する。
【0031】
次に、図2を参照して、発光モジュール20の構造、および受光モジュール22の構造について説明する。図2は、互いに対向して配置された一対の発光および受光モジュール20,22のブロック図を示す。上述したX座標検出装置は図2に示すブロック構成を4組直列に接続することで構成されている。また、上述したY座標検出装置は図2に示すブロック構成を3組直列に接続することで構成されている。
【0032】
発光モジュール20は、上述した16個の発光ダイオード24と共に、それらの発光タイミングを制御するタイミング制御回路30を備えている。タイミング制御回路30には、ゲーム処理ユニット28(図1参照)より、クロック信号(CLK)と、スタート信号(START)とが供給されている。タイミング制御回路30は、スタート信号を受信した後、クロック毎に、16個の発光ダイオード24を順次点灯させる。
【0033】
受光モジュール22は、16個の受光素子26のそれぞれに対応して電圧比較器32、およびDフリップフロップ(D−FF)34を備えている。電圧比較器32は、受光素子26から出力される信号を所定の比較電圧と比較することで、受光素子26が、発光ダイオード24から発せられる赤外線を受光しているか否かに応じた2値化信号を発生する。電圧比較器32で生成される2値化信号はD−FF34に供給されており、後述する所定のタイミングでD−FF34にラッチされる。
【0034】
受光モジュール22は、また、タイミング制御回路36およびシフトレジスタ38を備えている。タイミング制御回路36には、ゲーム処理ユニット28から、発光モジュール20のタイミング制御回路30に供給されているのと同じクロック信号(CLK)およびスタート信号(START)が供給されている。
【0035】
タイミング制御回路36は、スタート信号を受信した後、クロック毎に、16個のD−FF34に対して順次データのラッチを指令する。その結果、16個のD−FF34には、対応する受光素子32が赤外線を受光したか否かを表すデータがラッチされる。タイミング制御回路36は、また、全てのD−FF34に対してデータのラッチを指令した後に、すなわち、スタート信号の後16個のクロック信号をカウントした後に、シフトレジスタ38に対してS/H信号を供給する。
【0036】
シフトレジスタ38には、信号の出力端子SOUTと信号の入力端子SINとが設けられている。X座標検出用受光モジュール群14に属する4つのシフトレジスタ38のうち、最も前段に位置するもののSOUTはゲーム処理ユニット28に接続されており、他のシフトレジスタ38のSOUTは、それぞれの前段に位置するシフトレジスタ38のSINに接続されている。Y座標検出用受光モジュール群18に属する3つのシフトレジスタ38も、同様の規則に従って接続されている。
【0037】
これらのシフトレジスタ38は、タイミング制御回路36からS/H信号を受信した後、16個のD−FF34にラッチされている16ビットのデータを、ゲーム処理ユニット28へ、或いは前段のシフトレジスタ38へ転送し始める。その結果、ゲーム処理ユニット28には、X座標検出用受光モジュール群14に属する全てのD−FF34にラッチされているデータ、およびY座標検出用受光モジュール群18に属する全てのD−FF34にラッチされているデータが、それぞれシリアルデータとして送信される。
【0038】
次に、図3を参照して、図2に示す発光および受光モジュール20,22の動作をより詳細に説明する。
図3(a)は、ゲーム処理ユニット28から発光および受光モジュール20,22に対してスタート信号が発せられるタイミングを示す。本実施形態のゲームシステムは、例えば1/60秒を1インターとして、インター毎に種々の制御を同期させながらゲームを進行させる。スタート信号は、その1インターの開始時期と同期してゲーム処理ユニット28から発せられる。
【0039】
図3(b)〜図3(e)は、16個の発光ダイオード24のうち最前段に位置する2つの素子の発光タイミング、および最後段に位置する2つの素子の発光タイミングを示す。以下、第n段(n=1〜16)に位置する発光ダイオード24を「第n段発光素子」と称す。つまり、図3(b)〜図3(e)は、第1段発光素子および第2段発光素子、並びに第15段発光素子および第16段発光素子の発光タイミングを示す。これらは、発光モジュール20で用いられる発光タイミングの代表例であり、第1段発光素子〜第段発光16素子が、クロック毎に順次一つずつ発光することを表している。
【0040】
図3(f)〜図3(i)は、16個のD−FF34のうち最前段に位置する2つがデータをラッチするタイミング、および最後段に位置する2つがデータをラッチするタイミングを示す。以下、第n段(n=1〜16)に位置するD−FF34を「第n段FF」と称す。つまり、図3(f)〜図3(i)は、第1段FFおよび第2段FF、並びに第15段FFおよび第16段FFがデータをラッチするタイミングを示す。これらは、受光モジュール22で用いられるデータラッチタイミングの代表例であり、第1段FF〜第16段FFが、クロック毎に順次一つずつデータをラッチすることを表している。
【0041】
図3(b)および図3(f)に示すように、第1段FFがデータをラッチするタイミングは、第1段発光素子だけが赤外線を発するタイミングと同期している。第1段発光素子と、第1段の受光素子26との間に光を遮る遮蔽物が存在しなければ第1段発光素子から発せられた光は第1段の受光素子26に受光される。従って、この場合第1段FFには、「受光」を意味するデータがラッチされる。一方、両者間に遮蔽物が存在する場合は、第1段発光素子から発せられる光は第1段の受光素子26に到達しない。従って、この場合第1段FFには、「非受光」を意味するデータがラッチされる。
【0042】
同様に、第n段FFがデータをラッチするタイミングは、それぞれ、第n段発光素子だけが赤外線を発するタイミングと同期している。従って、第n段FFには、第n段発光素子から発せられた光が第n段の受光素子26に到達したか、より具体的には、第n段発光素子と第n段の受光素子26との間に光を遮る遮蔽物が存在するか否かを表すデータがラッチされる。以下、このデータを「第n段遮蔽物データ」と称す。
【0043】
ところで、第n段発光素子から発せられる光は、第n段の受光素子26の他、その近傍に位置する受光素子26にも受光される。このため、第n段の受光素子26の出力は、対向する第n段発光素子以外の発光ダイオード24の状態にも影響される。これに対して、本実施形態のように、16個の発光ダイオード24を順次発光させ、個々の発光タイミングに合わせてD−FF34にデータをラッチさせると、第n段FFに、常に正確に第n段遮蔽物データをラッチさせることができる。
【0044】
図3(j)は、受光モジュール22のタイミング制御回路36がシフトレジスタ38に対してS/H信号を供給するタイミングを示す。同図に示すように、S/H信号は、第16段FFによるデータのラッチ(図3(i)参照)が終了した後に出力される。
【0045】
図3(k)は、シフトレジスタ38から転送されるシリアルデータの波形を示す。シリアルデータの転送は、シフトレジスタ38がS/H信号を受信した後に開始され、座標検出装置に含まれる全てのD−FF34にラッチされていたデータがゲーム処理ユニット28に読み込まれるまで継続される。以下、上記の処理によりゲーム処理ユニット28に供給される一連のデータを「2次元座標データ」と称す。
【0046】
本実施形態では、スタート信号の発生からシリアルデータの転送終了までの時間が16,66ms未満となるように、すなわち、1インターの期間内となるように種々の設定が施されている。従って、本実施形態のゲームシステムでは、1インター毎に、新たな2次元座標データが座標検出装置からゲーム処理ユニット28に供給される。
【0047】
次に、図4を参照して、上述した座標検出装置の機能について説明する。図4は、モニタ装置10の一部に対応する座標平面のイメージ図である。図4中に実線で示す○印は、座標検出装置の検出面を貫くようにモニタ装置10の前面に掲げられたプレイヤーの指の位置を示す。また、図4中に波線で示す○印は、その検出面内に置かれたプレイヤーの掌の位置を示す。
【0048】
X座標検出装置は、上記の如く上下方向に光を授受する複数のフォトカプラを備えている。一方、Y座標検出装置は、左右方向に光を授受する複数のフォトカプラを備えている。これらのフォトカプラは、10mm程度の間隔で配置されており、検出面内に遮蔽物が存在するか否かに応じてオン状態とオフ状態とを切り替える。以下、便宜上、フォトカプラ間で光が遮られない状態を「オン状態」と、フォトカプラ間で光りが遮られる状態を「オフ状態」とする。
【0049】
検出面がプレイヤーの指で貫かれると、その指が遮蔽物となり、X座標検出装置に属する1つまたは2つのフォトカプラ、およびY座標検出装置に属する1つまたは2つのフォトカプラがオフ状態となる。この場合、ゲーム処理ユニット28は、2次元座標データ中のどのデータがオフであるかを解析することで、図4中に実線の○で示すように、モニタ装置10前方の指を点として検知することができる。
【0050】
モニタ装置10の前面にプレイヤーの掌や拳(以下、単に「掌」とする)などが掲げられると、それらが遮蔽物となって、X座標検出装置に属する多数のフォトカプラ、およびY座標検出装置に属する多数のフォトカプラがオフ状態となる。この場合、ゲーム処理ユニット28は、2次元座標データ中のどのデータがオフであるかを解析することで、図4中に波線の○で示すように、モニタ装置10前方の掌を面として検知することができる。
【0051】
つまり、本実施形態のゲームシステムは、プレイヤーがモニタ装置10の前方に指や掌を掲げた場合に、それらがモニタ装置10前方のいかなる部位に存在するかを点や面で検知することができる。そして、本実施形態のゲームシステムは、それら指や掌に関する情報を1インター毎に新たに取得することができる。
【0052】
次に、図5乃至図8を参照して、本実施形態のゲームシステムが実現するゲームの概要について説明する。本実施形態のゲームシステムは、例えば、ゲーム画面内に出現するモンスターを、プレイヤーが魔法を駆使して攻撃するというタイプのゲームを実現することができる。
【0053】
本実施形態におけるゲームにおいて、プレイヤーは、例えば、ゲーム画面中の任意の部位を指差し、次いでその指をゲーム画面から離すことにより、指差した部位から通常魔法を発することができる。以下、プレイヤーによる上記の動作を「通常魔法動作」と称す。ゲームシステムは、モニタ装置10上の1点がプレイヤーによって指差された場合に、上記の2次元座標データに基づいてその指の存在とその指の位置とを検知する。次いでプレイヤーの指がゲーム画面から離されると、上記の2次元座標データに基づいて指の不存在を検知する。そして、これら一連の動作が行われると、ゲームシステムは、プレイヤーによって上記の通常魔法動作が行われたものと判断して画面中に通常魔法を発生させる。
【0054】
プレイヤーは、また、モニタ装置10に映し出されているゲーム画面の前方で所定のサイン(図形)を指で描くことにより、或いはその動作に次いでゲーム画面の一部を指差す(以下、この指差し動作を「トリガ動作」と称す)ことにより、サインの種類に応じた詠唱魔法を発生することができる。図5乃至図8は、本実施形態のゲームシステムが提供する詠唱魔法と、それらの詠唱魔法を呼び出すためにプレイヤーが入力すべきサインとの組み合わせを示す。
【0055】
図5は、攻撃魔法FREEZEを発生させるためのサインである。FREEZEは、火系のモンスターに対して有効な氷系の魔法である。プレイヤーは、ゲーム画面の前方で図5に示す逆三角形の軌跡で指を動かした後、ゲーム画面上の所定部位を指差してトリガ動作を行うことにより、その所定部位を魔法FREEZEで攻撃することができる。
【0056】
図6は、攻撃魔法FIREを発生させるためのサインである。FIREは、氷系のモンスターに対して有効な火系の魔法である。プレイヤーは、ゲーム画面の前方で図6に示す楕円形の軌跡で指を動かした後、ゲーム画面上の所定部位を指差してトリガ動作を行うことにより、その所定部位を魔法FIREで攻撃することができる。
【0057】
図7は、攻撃魔法THUNDERを発生させるためのサインである。THUNDERは、全てのモンスターに対してある程度有効であり、比較的広い範囲を攻撃するのに適した魔法である。プレイヤーは、ゲーム画面の前方で図7に示す稲妻状の軌跡で指を動かした後、ゲーム画面上の所定部位を指差してトリガ動作を行うことにより、その所定部位を魔法THUNDERで攻撃することができる。
【0058】
図8は、防御魔法BARRIERを発生させるためのサインである。BARRIERは、モンスターによる攻撃から身を守るための魔法である。プレイヤーは、ゲーム画面の前方で図8に示す軌跡、すなわち、開口部が下方に向いたコの字型の軌跡で指を動かすことにより、敵の攻撃を遮断するバリアを発生させることができる。
【0059】
本実施形態のゲームシステムは、モニタ装置10の前方にプレイヤーによって何らかのサインが描かれた場合に、インター毎に更新される一連の2次元座標データに基づいて、そのサインが詠唱魔法を要求するサインの何れかと一致するか否かを判断する。その結果、プレイヤーの入力したサインが詠唱魔法のサインである場合は、そのサインに応じた詠唱魔法をゲーム画面中に発生させる。
【0060】
ところで、本実施形態のゲームを高度化してその遊技性を高めるためには、プレイヤーが使用できる詠唱魔法の種類を増やすことが有効である。詠唱魔法の種類を増やすためには、サインの種類を増やす必要がある。サインの種類は、サインの形状を複雑にすれば増やすことはできる。しかしながら、サインの形状が複雑化してその種類が増えるほど、ゲームシステムにサインを正しく認識させることが難しくなる。
【0061】
本実施形態のゲームシステムは、上述の如く、座標検出装置の検出面を貫く指を点として捕らえ、また、検出面内に置かれた掌を面として捕らえることができる。つまり、本実施形態のゲームシステムは、指による点入力操作と、掌による面入力操作とを区別して検出することができる。そこで、本実施形態では、これら2種類の入力操作を区別して識別可能なサインの種類を増やし、プレイヤーに提供する魔法の種類を増やすこととしている。
【0062】
以下、図9乃至図11を参照して、本実施形態のゲーム装置が上記の機能を実現するために実行する処理の内容について説明する。
図9は、上記の機能を実現すべくゲーム処理ユニット28が実行する処理の概要を説明するためのフローチャートである。尚、図9に示す一連の処理は、ゲーム処理ユニット28が、内蔵する記録媒体に記録されているプログラムを実行することにより実現される。
【0063】
ステップ100では、モニタ装置10の前方でプレイヤーによる新たな入力操作が開始されたか否かが判別される。ゲーム処理ユニット28は、座標検出装置の検出面内に点入力或いは面入力が新たに検出されると、プレイヤーによって新たな入力操作が開始されたと判断する。上記の判断がなされると、次にステップ102の処理が実行される。
【0064】
ステップ102では、プレイヤーによる新たな入力操作が点入力であるか、或いは面入力であるかが判別される。すなわち、新たな入力操作が指により行われているか掌で行われているかを判断する。本ステップでは、具体的には、2次元座標データに基づいて検知される検出面内の遮蔽物が所定サイズ以下である場合は新たな入力を点入力と判断し、一方、その遮蔽物が所定サイズを越えている場合は新たな入力を面入力と判断する。
【0065】
上記ステップ102で新たな入力が点入力であると判断された場合は、次にステップ104において、点入力処理、すなわち、プレイヤーが指を用いて入力操作を開始した場合に対応する処理が実行される。一方、上記ステップ102で新たな入力が面入力であると判断された場合は、次にステップ106において、点入力処理、すなわち、プレイヤーが掌を使って入力操作を開始した場合に対応する処理が実行される。
【0066】
図10は、上記ステップ104で実行される点入力処理の内容を説明するためのフローチャートである。尚、図10に示すルーチンは、ゲーム処理ユニット28が、内蔵する記録媒体に記録されているプログラムを実行することにより実現される。
【0067】
点入力処理では、先ず、ステップ110において、新たな点入力が通常魔法動作であるか否かが判別される。検出面内に検出された点入力が、検出面内で移動することなく速やかに消失した場合は、新たな入力が通常魔法動作であったと判別される。この場合、次にステップ112の処理が実行される。
【0068】
ステップ112では、第1種通常魔法を発生させるための処理が実行される。ここで、第1種通常魔法とは、プレイヤーが指を使って通常魔法動作を行った場合に発生させるべき最も基本的な魔法である。本ステップの処理が終了すると、今回のルーチンが終了される。
【0069】
上記ステップ110で、新たな入力が通常魔法動作ではないと判別された場合は、次にステップ114の処理が実行される。
ステップ114では、座標検出装置が1インター毎に検出する一連の2次元座標データに基づいて、検出面内を移動する指の軌跡が検出され、更に、予めゲームシステム内に記録されている鋳型とその軌跡とを照らし合わせることにより、プレイヤーによって入力されたサインが識別される。
【0070】
プレイヤーが指を使ってサイン入力を行う際には、プレイヤーの意図に反して掌の一部が検出面内に進入することがある。この場合、座標検出装置は、遮蔽物に起因する点として検出面内に複数の座標を検出する。本実施形態のゲームシステムは、この場合、モニタ装置10に向かって最も左上となる座標を有効な座標として認識する。上記の認識によれば、常にプレイヤーの右手人差し指の位置を辿ることができるため、入力されるサインを正確に検知することができる。尚、遮蔽物に起因する点が複数検出された場合に、それらの中の一つを特定する手法は、上記の手法に限定されるものではなく、例えば、複数の座標の中央部などを有効な座標と認識してもよい。
【0071】
ステップ118では、上述したサイン識別処理によって、詠唱魔法を要求するサインが識別されたか否かが判別される。その結果、有効なサインが識別されたと判別される場合は、次にステップ120の処理が実行される。一方、有効なサイン信号が識別されなかったと判別される場合は、以後、速やかに今回のルーチンが終了される。
【0072】
ステップ120では、サイン入力の後に、トリガ動作が点入力、すなわち、指で行われたか否かが判別される。その結果、トリガ動作が指で行われたと判別される場合は、次にステップ122の処理が実行される。一方、トリガ入力が面入力、すなわち、掌で行われたと判別された場合は、次にステップ124の処理が実行される。
【0073】
ステップ122では、入力されたサインに対応する第1種詠唱魔法を発生させる処理が実行される。ここで、第1種詠唱魔法とは、プレイヤーが指を使ってサイン入力を行い、かつ、指を使ってトリガ動作を行った場合に発生させるべき基本的な詠唱魔法である。本ステップの処理が終了すると、今回のルーチンが終了される。
【0074】
ステップ124では、入力されたサインに対応する第2種詠唱魔法を発生させる処理が実行される。第2種詠唱魔法とは、プレイヤーが指を使ってサイン入力を行い、かつ、掌を使ってトリガ動作を行った場合に発生させるべき高度な詠唱魔法である。本ステップの処理が終了すると、今回のルーチンが終了される。
【0075】
上述の如く、本実施形態によれば、サイン入力を指で行った後、トリガ動作を指で行うか掌で行うかに応じて、異なる種類の詠唱魔法を発生させることができる。トリガ動作が指で行われたか掌で行われたかは、本実施形態では容易に判断することができる。このため、本実施形態のゲームシステムでは、サイン入力の読み取り精度を低下させることなく、数多くの詠唱魔法をプレイヤーに提供することができる。
【0076】
次に、図11を参照して、プレイヤーによるサイン入力が面入力で行われた場合に実行される面入力処理について説明する。
図11は、図9に示すステップ106で実行される面入力処理の内容を説明するためのフローチャートである。尚、図11に示すルーチンは、ゲーム処理ユニット28が、内蔵する記録媒体に記録されているプログラムを実行することにより実現される。
【0077】
面入力処理では、先ず、ステップ130において、新たな面入力が通常魔法動作であるか否かが判別される。検出面内に検出された面入力が、検出面内で移動することなく速やかに消失した場合は、新たな入力が通常魔法動作であったと判別される。この場合、次にステップ132の処理が実行される。
【0078】
ステップ132では、第2種通常魔法を発生させるための処理が実行される。ここで、第2種通常魔法とは、プレイヤーが掌を使って通常魔法動作を行った場合に発生させるべき高度な通常魔法である。本ステップの処理が終了すると、今回のルーチンが終了される。
【0079】
上記ステップ130で、新たな入力が通常魔法動作ではないと判別された場合は、次にステップ134の処理が実行される。
ステップ134では、座標検出装置が1インター毎に検出する一連の2次元座標データに基づいて、検出面内を移動する指の軌跡が検出され、更に、予めゲームシステム内に記録されている鋳型とその軌跡とを照らし合わせることにより、プレイヤーによって入力されたサインが識別される。
【0080】
入力操作が面入力で行われる場合は、遮蔽物に起因する点として検出面内に複数の座標が検出される。本実施形態のゲームシステムは、これら複数の座標のうち、モニタ装置10に向かって最も左上となる座標を有効な座標として認識する。上記の認識によれば、プレイヤーの右手人差し指付近の座標を有効座標に固定することができ、掌で描かれるサインを正確に辿ることができる。
【0081】
ステップ138では、サイン識別処理によって詠唱魔法を要求するサイン信号が生成されたか否かが判別される。その結果、何らかの有効なサイン信号が生成されたと判別されると、次にステップ140の処理が実行される。一方、有効なサイン信号が生成されていないと判別される場合は、以後、速やかに今回のルーチンが終了される。
【0082】
ステップ140では、サイン入力の後に、トリガ動作が点入力、すなわち、指で行われたか否かが判別される。その結果、トリガ動作が指で行われたと判別される場合は、次にステップ142の処理が実行される。一方、トリガ入力が面入力、すなわち、掌で行われたと判別された場合は、次にステップ144の処理が実行される。
【0083】
ステップ142では、入力されたサインに対応する第3種詠唱魔法を発生させる処理が実行される。ここで、第3種詠唱魔法とは、プレイヤーが掌を使ってサイン入力を行い、かつ、指を使ってトリガ動作を行った場合に発生させるべき応用的な詠唱魔法である。本ステップの処理が終了すると、今回のルーチンが終了される。
【0084】
ステップ144では、入力されたサインに対応する第4種詠唱魔法を発生させる処理が実行される。第4種詠唱魔法とは、プレイヤーが掌を使ってサイン入力を行い、かつ、掌を使ってトリガ動作を行った場合に発生させるべき高度な詠唱魔法である。本ステップの処理が終了すると、今回のルーチンが終了される。
【0085】
上述の如く、本実施形態によれば、通常魔法動作を指で行うか掌で行うかに応じて種類の異なる通常魔法を発生させることができる。また、サイン入力を掌で行った後、トリガ動作を指で行うか掌で行うかに応じて、異なる種類の詠唱魔法を発生させることができる。入力操作が指で行われたか掌で行われたかは、本実施形態では容易に判断できる。このため、本実施形態のゲームシステムでは、サイン入力の読み取り精度を低下させることなく、数多くの詠唱魔法をプレイヤーに提供することができる。
【0086】
ところで、上述した実施の形態1では、プレイヤーが掌でサインを描いた場合に第3種または第4種詠唱魔法を発生させることとしている。しかしながら、サインの識別は掌の左上の座標のみに基づいて行われている。このため、それらの詠唱魔法は、サイン入力を掌で開始し、その後、指で所定の軌跡を描くことによっても発生させることができる。
【0087】
また、上述した実施の形態1では、サイン入力が開始された後、所定の軌跡が描かれる過程では点入力と面入力とが区別されていないが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、サイン入力が開始された後、サインが点入力で描かれる場合と、サインが面入力で描かれる場合とを区別してもよい。
【0088】
尚、上述した実施の形態1においては、ゲーム処理ユニット28が、ステップ114又は134の処理を実行することにより、前記第1の発明における「入力操作検出手段」及び「サイン識別手段」が、ステップ118又は138の処理を実行することにより前記第1の発明における「コマンド認識手段」が、実現されている。
【0089】
実施の形態2.
次に、図12を参照して、本発明の実施の形態2のゲームシステムについて説明する。本実施形態のゲームシステムは、実施の形態1のシステムと同様のハードウェアを用いて、ゲーム処理ユニット28に、上記図9に示すルーチンに代えて図12に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
【0090】
本実施形態のゲームシステムでは、実施の形態1の場合と同様に、ゲーム画面内に出現するモンスターを、プレイヤーが通常魔法や詠唱魔法を駆使して攻撃するというタイプのゲームを実現する。ところで、通常魔法を使ってモンスターを攻撃しようとする場合、プレイヤーは、一般にモンスターを指差した時点で魔法が発生することを期待する。従って、プレイヤーの感覚を重視すれば、通常魔法はプレイヤーがゲーム画面を指差した時点で発生させることが望ましい。
【0091】
しかしながら、上述した実施の形態1では、プレイヤーがゲーム画面を指差した後、その指がゲーム画面から離れるかサインを描くかに応じて、プレイヤーの要求が通常魔法であるか詠唱魔法であるかを判別している。従って、実施の形態1のシステムでは、プレイヤーがゲーム画面を指差した時点で通常魔法を発生させることはできない。
【0092】
本実施形態のゲームシステムは、上述した要求に応えるべく、指による点入力を通常魔法の要求合図に限定し、掌による面入力を詠唱魔法の要求合図に限定している。点入力と面入力とが上記の如く限定的に割り当てられると、点入力が生じた時点でプレイヤーが通常魔法を要求していることが検知でき、その時点で通常魔法を発生させることができる。従って、本実施形態のゲームシステムによれば、プレイヤーの感覚に整合したゲームを実現することができる。
【0093】
図12は、上述した機能を実現するためにゲームシステムのゲーム処理ユニット28が実行する一連の処理を説明するためのフローチャートを示す。尚、図12に示す一連の処理は、ゲーム処理ユニット28が、内蔵する記録媒体に記録されているプログラムを実行することにより実現される。
【0094】
ステップ150では、モニタ装置10の前方でプレイヤーによる新たな入力操作が開始されたか否かが判別される。ゲーム処理ユニット28は、座標検出装置の検出面内に点入力或いは面入力が新たに検出されると、プレイヤーによって新たな入力操作が開始されたと判断する。上記の判断がなされると、次にステップ102の処理が実行される。
【0095】
ステップ152では、プレイヤーによる新たな入力操作が点入力であるか、或いは面入力であるかが判別される。すなわち、新たな入力操作が指により行われているか掌で行われているかを判断する。本ステップでは、具体的には、2次元座標データに基づいて検知される検出面内の遮蔽物が所定サイズ以下である場合は新たな入力を点入力と判断し、一方、その遮蔽物が所定サイズを越えている場合は新たな入力を面入力と判断する。
【0096】
上記ステップ152で新たな入力が点入力であると判断された場合は、次にステップ154において、通常魔法を発生させるための処理が実行される。一方、新たな入力が面入力であると判断された場合は、次にステップ56において、実施の形態1の場合と同様の手順で、すなわち、図11に示すステップ134〜144の手順で面入力処理が実行される。
【0097】
上述の如く、本実施形態のゲームシステムは、プレイヤーによって入力操作が開始された時点で、より具体的には、プレイヤーの指は掌が検出面内に検出された時点で、その入力の意図を検知することができる。このため、本実施形態によれば、プレイヤーの感覚に整合するタイミングで通常魔法を発生させるゲームシステムを実現することができる。
【0098】
ところで、上述した実施の形態1および2では、プレイヤーによる入力操作が点入力であるか面入力であるかを判断し、その結果に応じて処理を分岐することとしているが、入力操作を認識するためのロジックはこれに限定されるものではない。すなわち、入力操作の面積を動的に検出し、その結果に基づいて生成された軌跡に基づいて入力操作を判断することとしてもよい。
【0099】
また、上述した実施の形態1および2では、点入力と面入力とを区別して検出することで識別可能なサインの種類を増やすこととしているが、識別可能なサインの種類を増やす手法はこれに限定されるものではない。すなわち、実施の形態1または2で用いた座標検出装置を、モニタ装置10の画面に対して垂直な方向に多段に重ねて配置すると、プレイヤーのサイン入力動作を体積で検知することが可能となる。従って、このような場合には、プレイヤーの入力操作を点と面に加えて体積で区別してもよい。
【0100】
また、上述した実施の形態1および2では、座標検出装置やゲーム処理ユニット28により、ゲーム用のサイン入力システムを実現することとしているが、サイン入力システムの用途はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明に係るサイン入力システムは、情報端末機器の入力インターフェースとして使用してもよい。
【0101】
また、上述した実施の形態1および2では、モニタ装置10の周囲に配置された複数の発光モジュール20および受光モジュール22で座標検出装置を構成することとしているが、座標検出装置の構造はこれに限定されるものではない。すなわち、座標検出装置は、モニタ装置10の前方に存在するプレイヤーの指や掌を点や面として捕らえ得るものであればよい。
【0102】
更に、上述した実施の形態1および2では、モニタ装置10が、平面的なスクリーンを有するものに限定されているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、プレイヤーが入力操作を行う面(基準面)が平面である限り、モニタ装置10は、ドーム型のスクリーンを有するものや、スクリーン形状を任意に変形させ得るものであってもよい。
【0103】
また、上述した実施の形態1および2では、プレイヤーの手による入力を点入力と面入力とで区別して検出することとしているが、点入力と面入力とを区別して検出する技術の適用はこれに限定されるものではない。例えば、プレイヤーに対して足を2次元的に動かすことを要求するダンスゲームなどにおいて、つま先立ちの状態と足の全面が接地した状態とを点入力と面入力とで区別して検出することとしてもよい。
【0104】
また、上述した実施の形態1および2では、点入力と面入力の違いを、発生させる魔法の種類に反映させることとしているが、両者の差を反映させる対象は魔法の種類に限定されるものではない。例えば、前述のダンスゲームにおいては、つま先立ち(点入力)の場合と、足の全面が接地(面入力)している場合とで、ステップに伴って発生させる音の音色を変化させることとしてもよい。
【0105】
実施の形態3.
次に、図13乃至図18を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。
図13は、本実施形態のゲームシステムの概要を表す斜視図である。図13に示すように、本実施形態のゲームシステムは、モニタ装置40およびゲーム機本体42を備えている。ゲーム機本体42には、プレイヤーがコントローラとして用いるマウス44が接続されている。
【0106】
図14は、図13に示すゲームシステムの構造を説明するためのブロック図を示す。ゲーム機本体42には、RAM46、ROM48、CPU50が含まれている。それらはシステムバス52を介して互いに電気的に接続されている。システムバス52には、また、画像生成部54、音声生成部56、およびI/Oポート58が接続されている。
【0107】
画像生成部54は、ゲームの進行に併せてゲーム画面を生成する回路である。音声生成部56は、ゲームの進行に併せて音楽や効果音を生成する回路である。また、I/Oポート58は、外部の入力機器とシステムバス52との間でデータを授受させるためにインターフェースである。図14に示すように、画像生成部54および音声生成部56には、それぞれ、モニタ装置40に内蔵されるディスプレイ40Aおよびスピーカ40Bが接続されている。また、I/Oポート58には、マウス44が接続されている。
【0108】
ゲーム機本体42には、また、ゲームの進行に必要なプログラムやデータを記録した情報記録媒体60(CDやDVDなど)が内蔵されている。本実施形態のゲームシステムは、情報記録媒体60から読み出したプログラムやデータに従って、CPU50や画像生成部54、或いは音声生成部56などが所定の処理を実行することにより、所定のゲームを進行させる。
【0109】
本実施形態のゲームシステムは、実施の形態1または2の場合と同様に、ゲーム画面内に出現するモンスターを、プレイヤーが魔法を駆使して攻撃するというタイプのゲームを実現することができる。上述した実施の形態1または2では、このようなゲームの進行過程において、プレイヤーが指などでサインを入力することにより詠唱魔法が発射される。
【0110】
これに対して、本実施形態のシステムでは、マウス44と連動するカーソルがディスプレイ40Aに表示されており、そのカーソルを適当に動かすことにより詠唱魔法を呼び出すためのサインを入力することができる。尚、本実施形態では、ディスプレイ40上にカーソルを表示することとしているが、ディスプレイ40A上には、カーソルの軌跡を表示してもよい。
【0111】
本実施形態のゲームシステムでは、ゲームの開始直後などに、サイン入力を練習するための画面、すなわち、練習画面が提供される。この練習画面には、マウス44と連動するカーソルと共に、詠唱魔法を呼び出すためのサインの見本が表示される。プレイヤーは、カーソルがその見本を辿るようにマウス44を操作することで、サイン入力を練習することができる。
【0112】
図15は、プレイヤーにサイン入力の練習を促すために実行される処理(練習モード処理)のフローチャートを示す。図15に示すルーチンでは、先ず、モニタ装置40のディスプレイ40Aに、詠唱魔法を呼び出すためのサインの見本、すなわち、上記図5乃至図8に示すようなサインの見本が表示される(ステップ160)。
【0113】
次に、マウス44によって有効なサイン入力が成されたか否かが判別される(ステップ162)。
その結果、サイン入力がなされたと判別される場合は、次に、プレイヤーによってサイン入力が正しく行われたか否かが判別される(ステップ164)。
本実施形態において、練習画面上に表示されるサインの見本は、サイン入力が正しく行われたか否かを判断するための基準である。すなわち、ゲーム機本体42は、プレイヤーによって入力されたサインの軌跡と見本との類似度を算出し、類似度が所定のしきい値を越えている場合はサイン入力が正しく行われたと判断する。尚、上記の類似度の演算方法やしきい値は、見本を中心とする所定幅の中に収まっているサインが適正であると判別されるように設定されている。
【0114】
上記の判別の結果、サイン入力が適正に行われたと判別された場合は、サイン入力が適正に行われたことを表示するOK演出効果が生成される(ステップ166)。具体的には、効果音、色彩の変化、特定のメッセージやオブジェクトの表示などを生成して、サイン入力が適正に行われたことを表示する処理が実行される。
更に、この場合は、入力されたサインの種類に対応するサインフラグ(i)がオン状態とされた後(ステップ168)、今回のルーチンが終了される。
一方、上記ステップ164でサインが適正に入力されていないと判別された場合は、その状態を表示するため、NG演出効果が生成された後(ステップ170)今回のルーチンが終了される。
【0115】
図16は、適正なサイン入力に伴って使用可能な状態となった詠唱魔法を処理するためにゲーム機本体42が実行する処理のフローチャートである。より具体的には、図16(A)は、使用可能となった詠唱魔法を画面中に発生させるためのルーチンのフローチャートである。また、図16(B)および図16(C)は、それぞれ、使用可能となった詠唱魔法を一時的にストックしておくためのルーチンのフローチャート、および、ストックされている詠唱魔法を再び使用可能な状態とするためのルーチンのフローチャートである。本実施形態において、これらのルーチンは、上述した練習画面中で実行される他、その練習画面に次いで提供されるゲーム画面中においても実行される。
【0116】
図16(A)に示すルーチンでは、先ず、プレイヤーによってトリガ操作が実行されたか否かが判別される(ステップ180)。本実施形態のシステムでは、例えばマウス44のボタンがクリックされた場合に、トリガ操作が実行されたと判別される。
【0117】
上記ステップ180において、トリガ操作が実行されたと判別される場合は、次に何れかの詠唱魔法に対応するサインフラグがオンとなっているか否かが判別される(ステップ182)。
その結果、何れかのサインフラグがオン状態であると判別されると、そのサインフラグに対応する詠唱魔法を画面中に発生させる処理、およびそのサインフラグをオフ状態とする処理が実行される(ステップ184)。
一方、何れのサインフラグもオンとされていないと判別された場合は、何ら処理を進めることなく今回のルーチンが終了される。
【0118】
図16(A)に示す処理によれば、トリガ操作が実行された時点でサインフラグがオンとなっていた詠唱魔法を画面中に発生させることができる。適正なサイン入力が行われた直後は、そのサインに対応するサインフラグがオンとなっている。従って、上記の処理によれば、そのサインに対応する詠唱魔法を適正に画面中に発生させることができる。
【0119】
図16(B)に示すルーチンでは、先ず、プレイヤーによってドラッグ操作が実行されたか否かが判別される(ステップ186)。
図17は、本実施形態においてディスプレイ40Aに表示される画面62の一例を示す。図17に示す画面には、ゲームの中で使うことのできる詠唱魔法をストックしておくための保管ボックス64が表示されている。本実施形態では、例えば、適正なサイン入力の後に、マウス44が適切な保管ボックス64までドラッグされた場合に、上記のドラッグ操作が実行されたと判別される。尚、本実施形態では、保管ボックス64を詠唱魔法の種類毎に準備することとしているが、保管ボックス64は全ての詠唱魔法について共通とし、画面62内に詠唱魔法の保管リストを表示することとしてもよい。
【0120】
上記ステップ186において、ドラッグ操作が実行されたと判別される場合は、次に、ドラッグ先の保管ボックス64に対応するサインフラグがオンとなっているか否かが判別される(ステップ188)。
その結果、そのサインフラグがオン状態であると判別されると、ドラッグ先の保管ボックス64に保管されている詠唱魔法のストック数がインクリメントされ、次いで、そのサインフラグがオフとされる(ステップ190)。
一方、上記の条件が成立しない場合は、何ら処理を進めることなく今回のルーチンが終了される。
上記の処理によれば、適正なサイン入力に続いて適正なドラッグ操作が実行された場合に、そのサインに対応する詠唱魔法を保管ボックス64にストックすることができる。
【0121】
図16(C)に示すルーチンでは、先ず、プレイヤーによって、保管ボックス64にストックされている詠唱魔法を使用する意図が表示されたか、例えば、特定の保管ボックス64の上でマウス44がクリックされたか否かが判別される(ステップ192)。
その結果、ストックを使用する意図が表示されたと判別される場合は、次に、保管ボックス64内にストックが残存するか否かが判別される(ステップ194)。
【0122】
上記ステップ194において、保管ボックス64内にストックが残存すると判別された場合は、その保管ボックス64に対応するサインフラグ(i)がオン状態とされると共に、その保管ボックス64内のストック数がデクリメントされる(ステップ196)。一方、ストックが残存していないと判別される場合は、何ら処理が進められることなく今回のルーチンが終了する。
【0123】
サインフラグ(i)がオン状態である場合、トリガ操作を実行することにより、上記図16(A)に示す処理に従って詠唱魔法を発生させることができる。従って、本実施形態のシステムによれば、特定のストックを使用するための操作に次いでトリガ操作が実行された場合に、プレイヤーの意図に応じた詠唱魔法を適正に発生させることができる。
【0124】
次に、図18を参照して、本実施形態のゲーム機本体42がゲーム画面を表示しつつ実行する処理(ゲームモード1処理)について説明する。図18に示すルーチンでは、先ず、マウス44によるサイン入力が行われたか否かが判別される(ステップ200)。
その結果、サイン入力が行われたと判別された場合は、そのサインが既定のサインであるか、すなわち、詠唱魔法を呼び出すためのサインとして予め定められているサインであるかが判別される(ステップ202)。
【0125】
ゲーム機本体42は、マウス44によりサインが入力された場合に、そのマウス44の軌跡、すなわち、マウス44に連動するカーソルの軌跡を記憶する。また、ゲーム機本体42には、既定のサインのそれぞれに対応するテンプレートが予め記録されている。上記ステップ202では、カーソルの軌跡の形状と、テンプレートの形状とが比較され、既定のサインの中に、入力されたサインと同じものが存在するか否かが判別される。尚、上記の判別処理は、両者の差が所定幅の中に収まっている場合は、両者が一致すると判別されるように実行される。
【0126】
以後、ステップ202の判断結果に従って、練習モード(図15参照)の場合と同様に、サインフラグをオンとする処理(ステップ166および168)、またはNG演出効果を発生させる処理(ステップ170)が実行される。
上述した一連の処理によってサインフラグ(i)がオン状態となると、プレイヤーは、上記の如く、トリガ操作やドラッグ操作を実行することで、詠唱魔法を発生させたりストックしたりすることができる(図16(A)〜図16(C)参照)。
【0127】
尚、上述した実施の形態3においては、ゲーム機本体42が、ステップ162及び164の処理を実行することにより前記第1の発明における「入力操作検出手段」及び「サイン識別手段」が、ステップ168の処理を実行することにより前記第1の発明における「コマンド認識手段」が、ステップ180〜184の処理を実行することにより前記第1の発明における「演出効果発生手段」が、ステップ186〜190の処理を実行することにより前記第1の発明における「演出効果保管手段」が、ステップ192〜196の処理を実行することにより前記第1の発明における「ストック使用手段」が、それぞれ実現されている。
【0128】
また、上述した実施の形態3においては、ゲーム機本体42が、図17に示すように、画面62中に保管ボックス64を表示することにより前記第3の発明における「保管スペース表示手段」が、ステップ188の処理を実行することにより前記第3の発明における「保管管理手段」が、それぞれ実現されている。
【0129】
また、上述した実施の形態3においては、ゲーム機本体42が、ディスプレイ40A上にカーソルを表示させることにより前記第5の発明における「カーソル表示手段」が、ステップ162及び164の処理を実行することにより前記第5の発明における「入力操作検出手段」が、それぞれ実現されている。
【0130】
実施の形態4.
次に、図19を参照して、本発明の実施の形態4について説明する。
本実施形態のゲームシステムは、ゲーム機本体42に、上記図18に示すルーチン(ゲームモード1処理)に代えて、図19に示すルーチン(ゲームモード2処理)を実行させることにより実現される。
【0131】
図19に示すルーチンでは、ステップ202で入力サインが既定サインと認識された場合に、ステップ166の処理に次いで、既にオン状態となっているサインフラグが存在するか否かが判別される(ステップ210)。
その結果、オン状態のサインフラグが存在しないと判別された場合は、実施の形態3の場合と同様にステップ168の処理が実行される。一方、既にオン状態となっているサインフラグが存在すると判別される場合は、そのサインフラグと、今回のルーチンで認識されたサインとの組み合わせに対応する複合サインフラグ(i)がオン状態とされる(ステップ212)。
【0132】
上述した図19に示すルーチンによれば、プレイヤーが、トリガ操作やドラッグ操作を挟まずに連続してサイン入力を行った場合に、適正に入力されたサインの組み合わせに応じた複合サインフラグ(i)をオン状態とすることができる。
【0133】
本実施形態において、個々の複合サインフラグには、通常のサインフラグに割り当てられている詠唱魔法に比して強力な詠唱魔法が割り当てられている。そして、ゲーム機本体42は、複合サインフラグをサインフラグの一つとみなして図16(A)〜図16(C)に示すルーチンを実行する。このため、本実施形態では、サイン入力を連続的に行うか単独で行うかに応じて、詠唱魔法の威力を変化させることができる。
【0134】
実施の形態5.
次に、図20を参照して、本発明の実施の形態5について説明する。
図20は、2人のプレイヤーが同時にゲームを楽しむための2Pモードが選択された場合に、本実施形態のゲームシステムにおいて実行されるルーチン(2Pモード1処理)のフローチャートを示す。本実施形態のゲームシステムは、実施の形態3または4におけるゲーム機本体42に、更に、図20に示すルーチンを実行させることにより実現される。
【0135】
図20に示すルーチンでは、先ず、複数のマウス44によって複数のサインがほぼ同時に入力されたか否かが判別される(ステップ220)。
その結果、複数のサインがほぼ同時に入力されたと判別される場合は、次に、それらのサインが既定の協力サインであるか否かが判別される(ステップ222)。
【0136】
本実施形態のシステムには、2人のプレイヤーが協力してサイン入力を行うことで発生させ得る詠唱魔法が準備されている。また、ゲーム機本体42には、その詠唱魔法を呼び出すために2人のプレイヤーが入力すべきサインのテンプレートが、協力サインのテンプレートとして記録されている。上記ステップ222では、2人のプレイヤーによって入力されたサインの形状と、協力サインのテンプレートの形状とが比較され、既定の協力サインの中に、入力されたサインと同じものが存在するか否かが判別される。尚、上記の判別処理は、両者の差が所定幅の中に収まっている場合は、両者が一致すると判別されるように実行される。
【0137】
上記の判別の結果、協力サインが適正に入力されたと判別された場合は、次に、協力サインの入力に対するOK演出効果が生成される(ステップ224)。
更に、この場合は、入力された協力サインの種類に対応する協力サインフラグ(i)がオン状態とされる(ステップ226)。
一方、上記ステップ222で協力サインが適正に入力されていないと判別された場合は、何ら処理が進められることなく今回のルーチンが終了される。
【0138】
本実施形態において、個々の協力サインフラグには、通常のサインフラグに割り当てられている詠唱魔法に比して強力な詠唱魔法が割り当てられている。そして、ゲーム機本体42は、協力サインフラグをサインフラグの一つとみなして図16(A)〜図16(C)に示すルーチンを実行する。このため、本実施形態では、2人のプレイヤーが適正に協力サインを入力した場合に、両者の協力なしでは生成することのできない強力な詠唱魔法を発生させることができる。
【0139】
実施の形態6.
次に、図21を参照して、本発明の実施の形態6について説明する。
図21は、2Pモードが選択された場合に、本実施形態のゲームシステムが、上記図20に示すルーチン(2Pモード1)に代えて実行するルーチン(2Pモード2処理)のフローチャートを示す。
【0140】
図21に示すルーチンでは、ステップ220で複数のサインがほぼ同時に入力されたと判別された場合、次に、それらのサインが一致しているか否かが判別される(ステップ230)。
本実施形態のシステムには、2人のプレイヤーが同じサインを同時に入力することで発生させることのできる詠唱魔法が準備されている。上記ステップ230では、2人のプレイヤーがそれぞれ入力するサインの形状が比較され、それらが一致しているか否かが判別される。尚、上記の判別処理は、両者の差が所定幅の中に収まっている場合は、両者が一致すると判別されるように実行される。
【0141】
上記の判別の結果、2人のプレイヤーによって入力されたサインが一致すると判別された場合は、その状態を表示するためのOK演出効果が生成される(ステップ232)。
更に、この場合は、一致したサインの種類に対応する一致サインフラグ(i)がオン状態とされる(ステップ234)。
一方、上記ステップ230で、入力されたサインが一致していないと判別された場合は、以後、何ら処理が進められることなく今回のルーチンが終了される。
【0142】
本実施形態において、個々の一致サインフラグには、通常のサインフラグに割り当てられている詠唱魔法に比して強力な詠唱魔法が割り当てられている。そして、ゲーム機本体42は、一致サインフラグをサインフラグの一つとみなして図16(A)〜図16(C)に示すルーチンを実行する。このため、本実施形態では、2人のプレイヤーが協力して同じサインを同時に入力した場合に、両者の協力なしでは生成することのできない強力な詠唱魔法を発生させることができる。
【0143】
ところで、上述した実施の形態5および6のゲームシステムは、2人のプレイヤーによるサイン入力の結果を、詠唱魔法を発生させるためのコマンドとして利用しているが、2人のプレイヤーによるサイン入力の結果を利用する態様はこれに限定されるものではない。すなわち、2人のプレイヤーによるサイン入力の結果は、例えば、その2人の相性診断などに利用してもよい。
【0144】
また、上述した実施の形態3乃至6では、プレイヤーがマウス44でサイン入力を行うこととしているが、サイン入力の手法はこれに限定されるものではない。例えば、家庭用ゲーム機のコントローラに組み込まれているアナログ入力対応のスティック状の入力装置などを用いてサインを入力することとしてもよい。
【0145】
実施の形態7.
次に、図22乃至図25を参照して、本発明の実施の形態7について説明する。
図22は、本実施形態のゲームシステムの概要を表す斜視図である。また、図23は、図22に示すゲームシステムの構造を説明するためのブロック図を示す。これらの図に示すように、本実施形態のゲーム機本体42には、I/Oポート58,74を介してコントローラ70および画像センサ72が接続されている。
【0146】
コントローラ70は、ゲームの開始や終了などを指示するためのものであり、一般的なゲーム機用のコントローラで実現されている。画像センサ72は、公知の人工網膜チップを用いたセンサであり、プレイヤーの動作を検出するために、例えばモニタ装置40の上部に配置される。
【0147】
画像センサ72は、その内部に、受光部、受光制御部、および画像解析部を備えている。受光部は、2次元状に配置された複数の受光素子を備えている。受光制御部は、受光部の受光感度を制御するためのユニットである。また、画像解析部は、受光部から出力される画像信号を解析して、撮像対象物の動きを解析するユニットである。
【0148】
画像センサ72の内部において、受光制御部は、受光部の出力信号が撮像対象物の輪郭線を表すように、その受光感度を制御する。従って、画像解析部には、撮像対象物の輪郭線に対応する画像信号が供給される。画像解析部は、受光部から供給される画像信号の変化に基づいて、撮像対象物の2次元の動きを抽出し、その動きの方向や大きさを検出する。このため、画像センサ72によれば、モニタ装置40の前面に位置するプレイヤーの動きに対応する動作ベクトルを検出することができる。
【0149】
図24(A)〜図24(C)は、画像センサ72によって時系列に得られた3つの動作ベクトルを示す。これらの動作ベクトルは、モニタ装置40の前に位置するプレイヤーが、上記図5に示すFREEZEのサインを入力した場合に得ることができる。本実施形態において、ゲーム機本体42は、画像センサ72によって検出された動作ベクトルに基づいて、プレイヤーが入力したサインの形を読み取ることができる。
【0150】
すなわち、本実施形態のシステムによれば、プレイヤーは、マウス44等を用いることなく、モニタ装置40の前面で、指や手で空を切ってサインを描くことにより、所望のサイン入力を行うことができる。そして、ゲーム機本体42は、このようにして入力されたサインの形を予め記録してあるテンプレートの形と比較することで、正しいサインが入力されたか否かを判別し、また、適正に入力されたサインの種類を判別する。従って、本実施形態のシステムによれば、マウス44を用いることなく、プレイヤーが指や手で直接空中に描いたサインを適正に読み取ることができる。
【0151】
上述の如く、実施の形態3乃至6のシステムでは、ディスプレイ40A上にマウス44と連動するカーソルが表示される。この場合、プレイヤーは、カーソルの位置や軌跡に基づいて、自らが描いたサインの起点や終点、或いはその形状を認識することができる。換言すると、実施の形態3乃至6のシステムでは、プレイヤーにサインの形状等を認識させるためには、ディスプレイ40A上にマウス44と連動するカーソルを表示することが必要である。
【0152】
これに対して、本実施形態のシステムでは、プレイヤーはディスプレイ40Aに向かって自らの指や手を動かしてサインを入力する。この場合、ディスプレイ40A上にカーソルが表示されていなくても、プレイヤーは、サインの起点や終点、或いは形等をある程度把握することができる。このため、本実施形態のシステムでは、サイン入力の動きと連動するカーソルを、ディスプレイ40A上から省略することとしてもよい。
【0153】
上述した実施の形態3および4では、詠唱魔法を発生させるトリガ操作としてマウス44をクリックすることが要求され、また、詠唱魔法をストアする操作としてマウス44によるドラッグ操作が要求される。本実施形態では、それらのクリック操作やドラッグ操作に対応する適当なサインが定められている。従って、本実施形態のシステムによれば、詠唱魔法の種類を決定するためのサイン入力に次いで、トリガ操作やドラッグ操作に対応するサインを入力することで、実施の形態3または4のシステムと同様の機能が実現できる。
【0154】
画像センサ72は、プレイヤーの動きに対応する動作ベクトルを、複数の領域毎に検出することができる。図25(A)〜図25(C)は、画像センサ72の左半分の検出面と右半分の検出面とが、それぞれ個別に動作ベクトルを検出した様子を示す。これらの動作ベクトルは、モニタ装置40の前に並んで位置する2人のプレイヤーが、共に上記図5に示すFREEZEのサインを入力した場合に得ることができる。
【0155】
本実施形態において、ゲーム機本体42は、2Pモードが選択されている場合、画像センサ72の検出面を図25(A)〜図25(B)に示すように2つの領域に区分し、個々の領域で検出される動作ベクトルを異なるプレイヤーの動作ベクトルとして認識する。そして、それらの動作ベクトルに基づいて個々のプレイヤーが入力したサインを検知し、それらが既定の協力サインであるか(上記ステップ222参照)、或いは一致しているか(上記ステップ230参照)を判別することができる。従って、本実施形態のシステムによれば、マウス44を用いることなく、実施の形態5または6の場合と同様に、2人のプレイヤーによって入力されたサインが互いに影響し合うタイプの2Pモードを提供することができる。
【0156】
ところで、上述した実施の形態7では、人工網膜チップを用いて画像センサ72を構成することとしているが、プレイヤーのサインを検出する画像センサ72は、このような構成に限定されるものではない。すなわち、画像センサ72は、モニタ装置40の前面に位置するプレイヤーの動きを撮像するCCDタイプのセンサであってもよい。この場合、CCDタイプのセンサが撮像する画像データからプレイヤーの動きを抽出し、その動きに基づいてサインを識別することで人工網膜チップを用いた場合と同様の機能を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0157】
【図1】本発明の実施の形態1のゲームシステムの概念図である。
【図2】図1に示すゲームシステムが備える発光および受光モジュールのブロック図である。
【図3】図2に示す発光および受光モジュールの動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図4】図1に示すモニタ装置の画面の一部に対応する座標平面のイメージ図である。
【図5】実施の形態1のゲームシステムで詠唱魔法FREEZEを呼び出すための用いられるサインである。
【図6】実施の形態1のゲームシステムで詠唱魔法FIREを呼び出すための用いられるサインである。
【図7】実施の形態1のゲームシステムで詠唱魔法THUNDERを呼び出すための用いられるサインである。
【図8】実施の形態1のゲームシステムで防御魔法BARRIERを呼び出すための用いられるサインである。
【図9】実施の形態1のゲームシステムで実行される一連の処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図10】実施の形態1のゲームシステムで実行される点入力処理の内容説明するためのフローチャートである。
【図11】実施の形態1のゲームシステムで実行される面入力処理の内容説明するためのフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態2のゲームシステムで実行される一連の処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態3のゲームシステムの概要を説明するための斜視図である。
【図14】実施の形態3のゲームシステムの構造を説明するためのブロック図である。
【図15】実施の形態3のゲームシステムが練習モードにおいて実行する一連の処理の流れを表すフローチャートである。
【図16】実施の形態3のゲームシステムがサイン入力により特定された魔法を処理するために実行する一連の処理の流れを表すフローチャートである。
【図17】実施の形態3のゲームシステムで、特定された魔法がストックされる様子を説明するための図である。
【図18】実施の形態3のゲームシステムがゲームモードにおいて実行する一連の処理の流れを表すフローチャートである。
【図19】本発明の実施の形態4のゲームシステムがゲームモードにおいて実行する一連の処理の流れを表すフローチャートである。
【図20】本発明の実施の形態5のゲームシステムが2Pモードにおいて実行する一連の処理の流れを表すフローチャートである。
【図21】本発明の実施の形態6のゲームシステムが2Pモードにおいて実行する一連の処理の流れを表すフローチャートである。
【図22】本発明の実施の形態7のゲームシステムの概要を説明するための斜視図である。
【図23】実施の形態7のゲームシステムの構造を説明するためのブロック図である。
【図24】実施の形態7のゲームシステムが備える画像センサが捕らえる動作ベクトルの変化を示す図である。
【図25】実施の形態7のゲームシステムが備える画像センサが、個々の領域毎に捕らえた動作ベクトルの変化を示す図である。
【符号の説明】
【0158】
12 X座標検出用発光モジュール群
14 X座標検出用受光モジュール群
16 Y座標検出用発光モジュール群
18 Y座標検出用受光モジュール群
20 発光モジュール
22 受光モジュール
24 発光ダイオード
26 受光素子
28 ゲーム処理ユニット
40 モニタ装置
40A ディスプレイ
42 ゲーム機本体
44 マウス
60 情報記録媒体
62 画面
64 保管ボックス
70 コントローラ
72 画像センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤーの入力操作に基づいてゲームを進行させるゲームシステムであって、
プレイヤーの入力操作により描かれる形状を検出する入力操作検出手段と、
前記入力操作検出部によって検出された形状に基づいて、その入力操作に対応するサインを識別するサイン識別手段と、
前記サイン識別手段によって識別されたサインを、所定のゲーム用コマンドとして認識するコマンド認識手段と、
前記ゲーム用コマンドに応じてゲームを進行させるゲーム進行手段とを備え、
前記ゲーム用コマンドは、演出効果の内容を決定するコマンドであり、
前記ゲーム進行手段は、
前記ゲーム用コマンドに対応する演出効果を、プレイヤーの操作に応じてゲーム画面中に発生させる演出効果発生手段と、
前記演出効果を、プレイヤーの操作に応じて保管する演出効果保管手段と、
保管された前記演出効果を、プレイヤーの操作に応じてゲーム画面中に発生させるストック使用手段とを含むことを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
前記演出効果の内容は、プレイヤーが使用可能なアイテムであることを特徴とする請求項1記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記演出効果保管手段は、
ゲーム画面中に、演出効果の種類毎に保管スペースを表示する保管スペース表示手段と、
個々の演出効果を、対応する保管スペース内に保管する保管管理手段と、
を含むことを特徴とする請求項1又は2記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記入力操作検出手段は、タッチパネルを含むことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載のゲームシステム。
【請求項5】
ゲーム画面を表示するディスプレイと、
前記ディスプレイ上にカーソルを表示するカーソル表示手段とを備え、
前記入力操作検出手段は、前記カーソルの動きに基づいて、プレイヤーの入力操作により描かれる形状を検出することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載のゲームシステム。
【請求項6】
プレイヤーの入力操作に基づいてコンピュータ上でゲームを進行させるためのゲーム用プログラムであって、
プレイヤーの入力操作により描かれる形状を検出する入力操作検出処理と、
前記入力操作検出部によって検出された形状に基づいて、その入力操作に対応するサインを識別するサイン識別処理と、
前記サイン識別手段によって識別されたサインを、所定のゲーム用コマンドとして認識するコマンド認識処理と、
前記ゲーム用コマンドに応じてゲームを進行させるゲーム進行処理とをコンピュータに実行させるプログラムを含み、
前記ゲーム用コマンドは、演出効果の内容を決定するコマンドであり、
前記ゲーム進行処理は、
前記ゲーム用コマンドに対応する演出効果を、プレイヤーの操作に応じてゲーム画面中に発生させる演出効果発生処理と、
前記演出効果を、プレイヤーの操作に応じて保管する演出効果保管処理と、
保管された前記演出効果を、プレイヤーの操作に応じてゲーム画面中に発生させるストック使用処理とを含むことを特徴とするゲーム用プログラム。
【請求項7】
前記演出効果の内容は、プレイヤーが使用可能なアイテムであることを特徴とする請求項6記載のゲーム用プログラム。
【請求項8】
前記演出効果保管処理は、
ゲーム画面中に、演出効果の種類毎に保管スペースを表示する保管スペース表示処理と、
個々の演出効果を、対応する保管スペース内に保管する保管管理処理と、
を含むことを特徴とする請求項6又は7記載のゲームシステム。
【請求項9】
前記入力操作検出処理は、タッチパネルに対する操作を検出する処理を含むことを特徴とする請求項6乃至8の何れか1項記載のゲーム用プログラム。
【請求項10】
ゲーム画面を表示するディスプレイ上にカーソルを表示するカーソル表示処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを含み、
前記入力操作検出処理は、前記カーソルの動きに基づいて、プレイヤーの入力操作により描かれる形状を検出することを特徴とする請求項6乃至9の何れか1項記載のゲーム用プログラム。
【請求項11】
請求項6乃至10の何れか1項記載のゲーム用プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2006−81943(P2006−81943A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−359487(P2005−359487)
【出願日】平成17年12月13日(2005.12.13)
【分割の表示】特願2000−292995(P2000−292995)の分割
【原出願日】平成12年9月26日(2000.9.26)
【出願人】(000134855)株式会社ナムコ (1,157)
【Fターム(参考)】