説明

ゲームシステム、プログラム、及び情報記憶媒体

【課題】ゲーム中に発生させるイベントのパターン化を防止し飽きられにくいゲームシステム、を提供する。
【解決手段】イベント処理に用いられる複数の第1のパラメータと第1のパラメータ毎の使用可能時期を定義したイベントテーブルを記憶するイベントテーブル記憶部と、プレーヤによって所定の操作が行われたか否かを判断し、所定の操作が行われたと判断した場合に、所定の操作の操作タイミングを検出し、検出した操作タイミングに基づきイベント処理に用いられる第2のパラメータを設定し、前記第2のパラメータに基づきイベント条件を設定するイベント条件設定部と、前記イベント条件が満たされたか否かを判断し、前記イベント条件が満たされたと判断した場合に、前記イベントテーブルを参照して前記タイマーの計時情報に基づき使用可能な第1のパラメータを選択し、選択した第1のパラメータに基づく演算を行うイベント処理部としてコンピュータを機能。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム、プログラム、及び情報記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ゲーム装置で時刻に応じたイベントを発生させるゲームシステムが知られている。
【0003】
このようなゲームシステムにおいて、予め用意された複数のイベントテーブルの中から複数のゲーム装置にそれぞれ設定されたプレーヤ名に基づき1のイベントテーブルを選択し、選択されたイベントテーブルに従ってゲーム中にイベントを発生させるものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−248816号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記ゲームシステムではイベントテーブルを複数用意しているものの、予め用意されたイベントテーブルのみを参照してイベントを発生させていることから、発生させるイベントの内容がパターン化してしまい、プレーヤに飽きられてしまうという問題点があった。
【0005】
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ゲーム中に発生させるイベントの内容のパターン化を防止し、プレーヤに飽きられにくいゲームシステム、プログラム、及び情報記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、タイマーを有するゲーム装置のためのプログラムであって、
プレーヤによって入力された登録情報に基づき作成されたイベントテーブルであって、イベント処理に用いられる複数の第1のパラメータと第1のパラメータ毎の使用可能時期を定義したイベントテーブルを記憶するイベントテーブル記憶部と、
プレーヤによって所定の操作が行われたか否かを判断し、所定の操作が行われたと判断した場合に、所定の操作の操作タイミングを検出し、検出した操作タイミングに基づきイベント処理に用いられる第2のパラメータを設定し、前記第2のパラメータに基づきイベント条件を設定するイベント条件設定部と、
前記イベント条件が満たされたか否かを判断し、前記イベント条件が満たされたと判断した場合に、前記イベントテーブルを参照して前記タイマーの計時情報に基づき使用可能な第1のパラメータを選択し、選択した第1のパラメータに基づく演算を行うイベント処理部と、
してコンピュータを機能させることを特徴とする。
【0007】
また本発明はコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体であって、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラムを記憶した情報記憶媒体に関係する。
【0008】
また本発明は、タイマーを有するゲーム装置を含むゲームシステムであって、
イベント処理に用いられる複数の第1のパラメータと第1のパラメータ毎の使用可能時期を定義したイベントテーブルをプレーヤによって入力された登録情報に基づき作成するイベントテーブル作成部と、
作成された前記イベントテーブルを記憶するイベントテーブル記憶部と、
プレーヤによって所定の操作が行われたか否かを判断し、所定の操作が行われたと判断した場合に、所定の操作の操作タイミングを検出し、検出した操作タイミングに基づきイベント処理に用いられる第2のパラメータを設定し、前記第2のパラメータに基づきイベント条件を設定するイベント条件設定部と、
前記イベント条件が満たされたか否かを判断し、前記イベント条件が満たされたと判断した場合に、前記イベントテーブルを参照して前記タイマーの計時情報に基づき使用可能な第1のパラメータを選択し、選択した第1のパラメータに基づく演算を行うイベント処理部と、
を含むことを特徴とする。
【0009】
また本発明において、プレーヤによって入力された登録情報に基づき作成されたイベントテーブルは、予め用意された複数の異なるイベントテーブルからプレーヤによって入力された登録情報に基づき選択されたイベントテーブルでもよい。
【0010】
また本発明において、第1のパラメータの使用可能時期とは、イベント処理における第1のパラメータの使用可能な時期を特定する情報をいい、使用可能日等を特定する情報でもよいし、使用可能になる時期と使用可能でなくなる時期の両方を特定する情報でもよい。
【0011】
また本発明において、所定の操作の操作タイミングの検出は、タイマーの計時情報に基づき当該操作が行われた時刻を取得することで行ってもよい。
【0012】
また本発明において、第2のパラメータを設定するとは、所定の操作が行われた場合のみに第2のパラメータを設定する場合と、予め第2のパラメータのデフォルト値を設定しておき、所定の操作が行われた場合に第2のパラメータのデフォルト値を変更する場合とを含む。
【0013】
また本発明において、イベント条件が満たされたか否かの判断は、プレーヤによる操作入力に基づきゲーム演算を行い、当該ゲーム演算の結果がイベント条件を満たすか否かを判断することで行ってもよい。
【0014】
本発明によれば、イベント条件が満たされたと判断した場合にプレーヤによって入力された登録情報に基づき作成されたイベントテーブルを参照して第1のパラメータに基づく演算を行うことで、プレーヤ毎に異なるイベント処理(第1のパラメータに基づく演算)を行うことができる。また、プレーヤによる所定の操作の操作タイミングに基づき第2のパラメータを設定し、第2のパラメータに基づきイベント条件を設定することで、第1のパラメータに基づく演算を行うためのイベント条件をプレーヤによる操作に基づき変化させることができ、イベント内容のパターン化を防止することができる。
【0015】
(2)また本発明に係るプログラム及び情報記憶媒体では、
前記イベント条件設定部は、
前記タイマーの計時情報に基づき前記イベントテーブルに定義された第1のパラメータの使用可能時期に連動させて第2のパラメータのデフォルト値を設定し、前記所定の操作が行われたと判断した場合に、所定の操作の操作タイミングを検出し、検出した操作タイミングに基づき第2のパラメータのデフォルト値を変更することを特徴とする。
【0016】
また本発明において、第1のパラメータの使用可能時期に連動させて第2のパラメータのデフォルト値を設定するとは、現在使用可能な第1のパラメータが使用可能でなくなるタイミングでデフォルト値を設定する場合と、現在使用可能でない第1のパラメータが使用可能になるタイミングでデフォルト値を設定する場合とを含む。
【0017】
また本発明では、プレーヤにより所定の操作が行われるまでは第2のパラメータのデフォルト値に基づきイベント条件を設定し、当該所定の操作が行われたと判断した場合に操作タイミングに基づき第2のパラメータのデフォルト値を変更し、変更した第2のパラメータに基づきイベント条件を設定する。
【0018】
(3)また本発明に係るプログラム及び情報記憶媒体では、
プレーヤによって前記所定の操作が行われたか否かを判断し、前記所定の操作が行われたと判断した場合に、前記イベント条件をプレーヤに告知する処理を行うイベント告知部と、
してコンピュータを機能させることを特徴とする。
【0019】
また本発明において、イベント条件をプレーヤに告知する処理を行うとは、イベント条件を文字又は画像として表示させる処理を行う場合と、イベント条件を音声として出力させる処理を行う場合とを含む。
【0020】
本発明によれば、イベント条件設定部によって設定されたイベント条件をプレーヤに告知することで、ゲームプレイへの動機付けをプレーヤに与えることができる。
【0021】
(4)また本発明に係るプログラム及び情報記憶媒体では、
前記イベント条件設定部は、
前記所定の操作が行われたと判断した場合に、前記イベント条件が既に満たされたか否かを判断し、未だ満たされていないと判断した場合のみに、前記所定の操作の操作タイミングを検出し、検出した操作タイミングに基づき第2のパラメータのデフォルト値を変更することを特徴とする。
【0022】
本発明によれば、設定されたイベント条件が既に満たされたと判断した場合に第2のパラメータのデフォルト値を変更しないことで、既に満たされたイベント条件と異なるイベント条件をプレーヤに告知することを防止することができる。
【0023】
(5)また本発明に係るプログラム及び情報記憶媒体では、
前記イベント処理部は、
プレーヤによる操作入力に基づきゲーム空間におけるプレーヤキャラクタの行動を演算し、演算したプレーヤキャラクタの行動が前記イベント条件を満たすか否かを判断し、前記イベント条件を満たすと判断した場合に、前記イベントテーブルを参照して前記タイマーの計時情報に基づき使用可能な第1のパラメータを選択し、選択した第1のパラメータに基づく演算を行うことを特徴とする。
【0024】
(6)また本発明は、請求項1乃至5のいずれかにおけるイベントテーブルを作成するためのプログラムであって、
プレーヤによって入力された登録情報に基づき前記イベントテーブルを作成するイベントテーブル作成部と、
してコンピュータを機能させることを特徴とする。
【0025】
また本発明において、プレーヤによって入力された登録情報に基づくイベントテーブルの作成は、予め用意された複数の異なるイベントテーブルからプレーヤによって入力された登録情報に基づき1のイベントテーブルを選択することにより行ってもよい。
【0026】
本発明によれば、プレーヤによって入力された登録情報に基づきイベントテーブルを作成することで、プレーヤ毎に異なるイベント処理(第1のパラメータに基づく演算)を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0028】
1.構成
図1に、本実施形態のゲームシステムの構成の一例を示す。
【0029】
本実施形態のゲームシステムはゲーム装置10とサーバ30を含み、ゲーム装置10とサーバ30はインターネット等のネットワーク20を介して接続されている。ゲーム装置10は携帯型ゲーム装置でもよいし、プログラム実行可能な携帯電話でもよい。ネットワーク20は、インターネットや専用回線、移動体通信網でもよいし、有線または無線のLAN回線でもよい。
【0030】
サーバ30は、ネットワーク20に接続されてデータの送受信を行う通信装置40、ワークステーション等のホストコンピュータ50、データベース60を含む。
【0031】
なお通信装置40は、モデム、ターミナルアダプタ、あるいはルーター等によって構成され、ネットワーク20を介して、ゲーム装置10や他のサーバ装置との間でデータの送受信を行う。
【0032】
図2に、本実施形態のゲームシステムのサーバ30の機能ブロック図の一例を示す。
【0033】
サーバ30は、ホストコンピュータ50、データベース60を含んでいる。
【0034】
ホストコンピュータ50は、処理部52と記憶部54と通信処理部56を含んでいる。
【0035】
通信処理部56は、ゲーム装置10やデータベース60とデータのやり取りをするもので送信機能と受信機能の両方を有するが、送信手段と受信手段とに分散して送受信機能を実現してもよい。
【0036】
処理部52は、受信した処理要求に基づき各種処理を行うもので、その機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、あるいはASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、所与のプログラムにより実現できる。
【0037】
処理部52は、イベントテーブル作成部58を含む。イベントテーブル作成部58は、
ゲーム装置10においてプレーヤによって入力された登録情報を受け付け、受け付けた登録情報に基づき、イベント処理に用いられる複数の第1のパラメータと第1のパラメータ毎の使用可能時期を定義したイベントテーブルを作成する処理を行う。
【0038】
ここでイベントテーブルの作成は、予め用意された複数のイベントテーブルから、登録情報又は登録情報をコード化して得られる情報に基づき1のイベントテーブルを選択することにより行ってもよい。
【0039】
また処理部52は、ゲーム装置10からの送信要求に応じて、又は所定のタイミングで作成したイベントテーブルの全部又は一部をゲーム装置10に送信する処理を行う。
【0040】
データベース60は、ホストコンピュータ50とデータの送受信を行う通信処理部62と、作成されたイベントテーブル66を利用可能な状態で記憶した情報記憶部64とを含んで構成され、イベントテーブルデータベースとして機能する。
【0041】
情報記憶部64は磁気的、光学的記録媒体や半導体メモリ等のCPUで読み取り可能な記憶媒体であり、例えばRAM、ハードディスク(磁気ディスク)やフレキシブルディスク、CD−ROM等により実現される。
【0042】
ここでイベントデータベースには、イベントテーブル作成部58によって作成されたイベントテーブルが登録情報を入力したプレーヤに関連づけて記憶されている。
【0043】
図3に、本実施形態のゲームシステムのゲーム装置10の機能ブロック図の一例を示す。なお同図において本実施形態は、少なくとも処理部100を含めばよく(或いは処理部100と記憶部170を含めばよく)、それ以外の各部(機能ブロック)については任意の構成要素とすることができる。
【0044】
操作部160は、プレーヤが操作データを入力するためのものであり、その機能は、レバー、ボタン、ステアリング、シフトレバー、アクセルペダル、ブレーキペダル、マイク、センサー、或いは筺体などのハードウェアにより実現できる。
【0045】
記憶部170は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能はRAMなどのハードウェアにより実現できる。
【0046】
記憶部170は、イベントテーブル記憶部172を含む。イベントテーブル記憶部172は、サーバ30から取得したイベントテーブルを記憶する。
【0047】
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD、ブルーレイディスク)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などのハードウェアにより実現できる。処理部100は、この情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。即ち情報記憶媒体180には、本実施形態の各部(各手段)としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部をコンピュータに実現させるためのプログラム)が記憶(記録、格納)される。
【0048】
表示部190は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、CRT、LCD、或いはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などのハードウェアにより実現できる。
【0049】
音出力部192は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどのハードウェアにより実現できる。
【0050】
携帯型情報記憶装置194は、プレーヤの個人データやゲームのセーブデータなどが記憶されるものであり、この携帯型情報記憶装置194としては、メモリカードなどを考えることができる。
【0051】
通信部196は、サーバ30との間で通信を行うための各種の制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0052】
なお本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(データ)は、サーバー30が有する情報記憶媒体からネットワーク20及び通信部196を介して情報記憶媒体180(記憶部170)に配信するようにしてもよい。このようなサーバー30の情報記憶媒体の使用も本発明の範囲内に含まれる。
【0053】
処理部100(プロセッサ)は、操作部160からの操作データやプログラムなどに基づいて、ゲーム処理、画像生成処理、或いは音生成処理などの各種の処理を行う。この場合、処理部100は、記憶部170をワーク領域として使用して、各種の処理を行う。この処理部100の機能は、各種プロセッサ(メインプロセッサ、描画プロセッサ、DSP等)又はASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラム(ゲームプログラム)により実現できる。
【0054】
処理部100は、イベントテーブル取得部110、イベント条件設定部112、イベント告知部114、イベント処理部116、画像生成部130、音生成部140を含む。
【0055】
イベントテーブル取得部110は、サーバ30からイベントテーブルを取得して、取得したイベントテーブルをイベントテーブル記憶部172に書き込む処理を行う。より具体的には、通信部196を介してサーバ30に対してイベントテーブルの送信要求を行うことでイベントテーブルを取得する。イベントテーブルの送信要求は起動時に毎回行ってもよいし、ゲーム装置10が有するタイマーの計時情報に基づき所定の間隔で行ってもよい。
【0056】
イベント条件設定部112は、操作部160からの操作データに基づきプレーヤによって所定の操作が行われたか否かを判断し、所定の操作が行われたと判断した場合に、所定の操作の操作タイミングを検出し、検出した操作タイミングに基づきイベント処理に用いられる第2のパラメータを設定し、前記第2のパラメータに基づきイベント条件を設定する。
【0057】
またイベント条件設定部112は、前記タイマーの計時情報に基づきイベントテーブル記憶部172に記憶されたイベントテーブルに定義された第1のパラメータの使用可能時期に連動させて第2のパラメータのデフォルト値を設定し、前記所定の操作が行われたと判断した場合に、所定の操作の操作タイミングを検出し、検出した操作タイミングに基づき第2のパラメータのデフォルト値を変更してもよい。
【0058】
またイベント条件設定部112は、前記所定の操作が行われたと判断した場合に、前記イベント条件が既に満たされたか否かを判断し、未だ満たされていないと判断した場合のみに、前記所定の操作の操作タイミングを検出し、検出した操作タイミングに基づき第2のパラメータのデフォルト値を変更してもよい。
【0059】
イベント告知部114は、プレーヤによって前記所定の操作が行われたか否かを判断し、前記所定の操作が行われたと判断した場合に、イベント条件設定部112によって設定されたイベント条件をプレーヤに告知する処理を行う。
【0060】
イベント処理部116は、イベント条件設定部112によって設定されたイベント条件が満たされたか否かを判断し、前記イベント条件が満たされたと判断した場合に、イベントテーブル記憶部172に記憶されたイベントテーブルを参照して前記タイマーの計時情報に基づき使用可能な第1のパラメータを選択し、選択した第1のパラメータに基づく演算を行う。
【0061】
またイベント処理部116は、操作部160からの操作データに基づきゲーム空間におけるプレーヤキャラクタの行動を演算し、演算したプレーヤキャラクタの行動がイベント条件設定部112によって設定されたイベント条件を満たすか否かを判断し、前記イベント条件を満たすと判断した場合に、イベントテーブル記憶部172に記憶されたイベントテーブルを参照して前記タイマーの計時情報に基づき使用可能な第1のパラメータを選択し、選択した第1のパラメータに基づく演算を行ってもよい。
【0062】
画像生成部130は、処理部100で行われる種々の処理(ゲーム処理)の結果に基づいて描画処理を行い、表示部190に出力する。この場合、画像生成部130が生成する画像は、いわゆる2次元画像であってもよいし、3次元画像であってもよい。
【0063】
音生成部140は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部192に出力する。
【0064】
2.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について図面を用いて説明する。
【0065】
図4に本実施形態により作成されるイベントテーブルの一例を示す。
【0066】
イベントテーブル200には、複数の第1のパラメータ210と第1のパラメータ毎の使用可能期限220が定義されている。ここでは1年間の各日付の運勢が第1のパラメータ220として定義されている。
【0067】
ここで、イベントテーブル作成部58は、予め用意された、第1のパラメータ210の配列が異なる複数種類のイベントテーブルから、プレーヤにより入力された生年月日、性別、血液型等の登録情報をコード化して得られる情報に基づき1のイベントテーブルを選択し、プレーヤに関連づけてデータベース60に記憶する。
【0068】
そしてイベントテーブル取得部110は、月に1度サーバ30から当該月分のイベントテーブルを取得し、イベントテーブル記憶されたイベントテーブルを更新する。例えば1月分のイベントテーブルを取得する場合には、データベース60に記憶された1年分のイベントテーブルの内、使用可能時期220として1月1日〜1月31日を含む範囲のイベントテーブルを取得する。またイベントテーブル取得部110は、1年分のイベントテーブルを一度に取得してもよい。
【0069】
図5、図6、図7に本実施形態により生成されるゲーム画像の一例を示す。
【0070】
プレーヤはゲーム空間内のプレーヤキャラクタを操作してプレーヤキャラクタに様々な行動をとらせることができる。ゲーム空間内では現実の時間が経過し、1日に1回占いが発行される。
【0071】
そして図5に示す占い発行時において、プレーヤが携帯電話(ゲーム装置)の「決定」キーを押すと、図6(A)に示すように、その日の占いの内容が表示される。占いにはプレーヤキャラクタの行動の指針が提示され、図6(B)に示すように、プレーヤキャラクタが占いに従って赤い帽子を被ってサッカーボールが置かれた場所に行くという行動を行うと、「珍しい石」というアイテムを取得することができる。ここでプレーヤは所有するアイテムの一覧を表示する操作を行い、アイテムの一覧から「赤い帽子」を選択する操作を行うことでプレーヤキャラクタに赤い帽子を被らせることができる。
【0072】
ここで、イベント条件設定部112は、第1のパラメータの使用可能期限に連動して第2のパラメータのデフォルト値をランダム又は所定の規則に従って設定する。本実施形態では、図4に示すように第1のパラメータの使用可能期限は日単位であるので、日付が変わるタイミングで第2のパラメータのデフォルト値「青色、帽子、お年寄り」を設定する。そして第2のパラメータのデフォルト値に基づき「青色の帽子を装着してお年寄りに出会う」旨のイベント条件を設定する。そして占い発行時に「決定キー」を押すという所定の操作があったと判断した場合に、タイマーの計時情報に基づき当該操作が行われた時刻「9時5分」(操作タイミング)を検出し、検出した時刻に基づき第2のパラメータのデフォルト値を「赤色、帽子、サッカーボール」を示す値に変更する。そして変更された第2のパラメータに基づき「赤色の帽子を装着してサッカーボールを見つける」旨の新たなイベント条件を設定する。
【0073】
そして、イベント告知部114は、「赤色の帽子を装着してサッカーボールを見つける」旨のイベント条件に基づき図6(A)に示す占いを表示するための処理を行う。
【0074】
そして、イベント処理部116は、プレーヤキャラクタの行動が「赤色の帽子を装着してサッカーボールを見つける」旨のイベント条件を満たすと判断した場合には、イベントテーブル記憶部172に記憶されたイベントテーブルを参照してタイマーの計時情報に基づき使用可能期限が「1月3日」である第1のパラメータ「大吉」を選択する。そして選択した第1のパラメータ「大吉」に基づく「珍しい石を取得する」というゲーム演算を行う。ここで、ゲーム演算において取得するアイテムは第1のパラメータに基づき決定される。すなわち「大吉」「中吉」「吉」「凶」「大凶」の第1のパラメータ毎に取得可能なアイテム群をテーブルとして定義しておき、当該テーブルを参照して、選択した第1のパラメータで取得可能なアイテム群からゲーム演算において取得するアイテムを決定する。例えば使用可能な第1のパラメータが「吉」であればプレーヤにとって「珍しい石」より価値の低いアイテムを取得する演算が行われる。また第1のパラメータに基づく演算は、アイテムの取得に限らず、他のキャラクタとの遭遇や天気が変わる等のゲーム演算を行うようにしてもよい。
【0075】
ここで、第2のパラメータのデフォルト値に基づき設定された「青色の帽子を装着してお年寄りに出会う」旨のイベント条件が既に満たされた後に、プレーヤによって占い発行時の所定の操作が行われた場合には、イベント条件設定部112は操作タイミングに基づく第2のパラメータのデフォルト値を変更する処理を行わず、イベント告知部114は当該デフォルト値に基づき設定されたイベント条件に基づき占いを表示する処理を行う。これにより既に満たされた「青色の帽子を装着してお年寄りに出会う」旨のイベント条件と異なる「赤色の帽子を装着してサッカーボールを見つける」旨のイベント条件を告知することを防止することができる。
【0076】
図7(A)では、図6(A)とは異なる時刻に「決定キー」を押すという所定の操作が行われた為、図6(A)とは異なる占いの内容が表示されている。そして図7(B)に示すように、プレーヤキャラクタが占いに従って赤い帽子を被って灯台に行くという行動を行うとアイテムを取得することができる。
【0077】
ここでは、イベント条件設定部112は、所定の操作が行われた時刻「9時10分」(操作タイミング)を検出し、検出した時刻「9時10分」に基づき第2のパラメータのデフォルト値を「赤色、帽子、灯台」を示す値に変更する。そして変更された第2のパラメータに基づき「赤色の帽子を装着して灯台に行く」旨の新たなイベント条件を設定する。
【0078】
そして、イベント告知部114は、「赤色の帽子を装着して灯台に行く」旨のイベント条件に基づき図7(A)に示す占いを表示するための処理を行う。
【0079】
そして、イベント処理部116は、プレーヤキャラクタの行動が「赤色の帽子を装着して灯台に行く」旨のイベント条件を満たすと判断した場合には、イベントテーブル記憶部172に記憶されたイベントテーブルを参照してタイマーの計時情報に基づき使用可能期限が「1月3日」である第1のパラメータ「大吉」を選択する。そして選択した第1のパラメータ「大吉」に基づくアイテム取得の演算を行う。
【0080】
このようにプレーヤによる所定の操作の操作タイミングによってイベント条件を変更してイベント内容を変更することができる。
【0081】
3.本実施形態の処理
次に、本実施形態のゲーム装置の処理の一例について図8のフローチャートを用いて説明する。
【0082】
まず、タイマーの計時情報に基づき、データベース60に記憶されたイベントテーブルの取得時期であるか否かを判断する(ステップS10)。取得時期であると判断した場合にはサーバ30からイベントテーブルを取得して、イベントテーブル記憶部172に記憶されたイベントテーブルを更新する(ステップS12)。
【0083】
次に、タイマーの計時情報に基づき、第2のパラメータのデフォルト値の設定時期であるか否かを判断する(ステップS14)。設定時期であると判断した場合には、第2のパラメータのデフォルト値を設定し、設定した第2のパラメータのデフォルト値に基づきイベント条件を設定する(ステップS16)。第2のパラメータのデフォルト値は第1のパラメータの使用可能期限に連動させて設定する。
【0084】
次に、プレーヤによって所定の操作が行われたか否かを判断し(ステップS18)、所定の操作が行われたと判断した場合には、設定されているイベント条件が既に満たされたか否かを判断する(ステップS20)。設定されているイベント条件が未だ満たされていないと判断した場合には、所定の操作の操作タイミングを検出し、検出した操作タイミングに基づき第2のパラメータのデフォルト値を変更し、変更した第2のパラメータに基づきイベント条件を設定する(ステップS22)。所定の操作が行われない場合にはステップS26に進み、設定されているイベント条件が既に満たされたと判断した場合にはステップS24に進む。
【0085】
次に、設定されたイベント条件を告知する処理を行う(ステップS24)。
【0086】
次に、プレーヤキャラクタの行動が設定されたイベント条件を満たすか否かを判断する(ステップS26)。イベント条件を満たすと判断した場合には、イベントテーブル記憶部172に記憶されたイベントテーブルを参照して、タイマーの計時情報に基づき使用可能な第1のパラメータを選択し、選択した第1のパラメータに基づく演算を行う(ステップS28)。このときイベント条件が満たされたことを示すフラグをイベント条件に関連づけて設定しておくことで、ステップS20の判断を行うことができる。またこのフラグは、ステップS16及びステップS22のイベント条件を設定する処理においてリセットすればよい。
【0087】
次に、ゲーム処理を続けるか否か判断し(ステップS30)、続けるのであればステップS10に戻り、ステップS10以下の処理を繰り返す。
【0088】
なお本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
【0089】
また上記実施形態では、1のイベント条件を設定する場合について説明したが、複数の第2のパラメータ及び複数のイベント条件を設定してもよい。その場合、それぞれのイベント条件について満たしたか否かの判断を行い、満たした場合にはそれぞれ使用可能な第1のパラメータに基づく演算を行う。
【0090】
また本発明は、業務用ゲームシステム、家庭用ゲームシステム、携帯型ゲームシステム、多数のプレーヤが参加する大型アトラクション、シミュレータ、マルチメディア端末、ゲーム画像を生成するシステムボード等の種々のゲームシステムに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本実施形態のゲームシステムの構成。
【図2】本実施形態のゲームシステムのサーバの機能ブロック図。
【図3】本実施形態のゲームシステムのゲーム装置の機能ブロック図。
【図4】本実施形態の手法の説明図。
【図5】本実施形態の手法の説明図。
【図6】本実施形態の手法の説明図。
【図7】本実施形態の手法の説明図。
【図8】本実施形態のゲーム装置の処理例を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0092】
10 ゲーム装置
30 サーバ
60 データベース
58 イベントテーブル作成部
100 処理部
110 イベントテーブル取得部
112 イベント条件設定部
114 イベント告知部
116 イベント処理部
130 画像生成部
140 音生成部
160 操作部
170 記憶部
172 イベントテーブル記憶部
180 情報記憶媒体
190 表示部
192 音出力部
194 携帯型情報記憶装置
196 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイマーを有するゲーム装置のためのプログラムであって、
プレーヤによって入力された登録情報に基づき作成されたイベントテーブルであって、イベント処理に用いられる複数の第1のパラメータと第1のパラメータ毎の使用可能時期を定義したイベントテーブルを記憶するイベントテーブル記憶部と、
プレーヤによって所定の操作が行われたか否かを判断し、所定の操作が行われたと判断した場合に、所定の操作の操作タイミングを検出し、検出した操作タイミングに基づきイベント処理に用いられる第2のパラメータを設定し、前記第2のパラメータに基づきイベント条件を設定するイベント条件設定部と、
前記イベント条件が満たされたか否かを判断し、前記イベント条件が満たされたと判断した場合に、前記イベントテーブルを参照して前記タイマーの計時情報に基づき使用可能な第1のパラメータを選択し、選択した第1のパラメータに基づく演算を行うイベント処理部と、
してコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項2】
請求項1において、
前記イベント条件設定部は、
前記タイマーの計時情報に基づき前記イベントテーブルに定義された第1のパラメータの使用可能時期に連動させて第2のパラメータのデフォルト値を設定し、前記所定の操作が行われたと判断した場合に、所定の操作の操作タイミングを検出し、検出した操作タイミングに基づき第2のパラメータのデフォルト値を変更することを特徴とするプログラム。
【請求項3】
請求項1又は2において、
プレーヤによって前記所定の操作が行われたか否かを判断し、前記所定の操作が行われたと判断した場合に、前記イベント条件をプレーヤに告知する処理を行うイベント告知部と、
してコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項4】
請求項2に従属する請求項3において、
前記イベント条件設定部は、
前記所定の操作が行われたと判断した場合に、前記イベント条件が既に満たされたか否かを判断し、未だ満たされていないと判断した場合のみに、前記所定の操作の操作タイミングを検出し、検出した操作タイミングに基づき第2のパラメータのデフォルト値を変更することを特徴とするプログラム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記イベント処理部は、
プレーヤによる操作入力に基づきゲーム空間におけるプレーヤキャラクタの行動を演算し、演算したプレーヤキャラクタの行動が前記イベント条件を満たすか否かを判断し、前記イベント条件を満たすと判断した場合に、前記イベントテーブルを参照して前記タイマーの計時情報に基づき使用可能な第1のパラメータを選択し、選択した第1のパラメータに基づく演算を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかにおけるイベントテーブルを作成するためのプログラムであって、
プレーヤによって入力された登録情報に基づき前記イベントテーブルを作成するイベントテーブル作成部と、
してコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項7】
コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体であって、請求項1乃至6のいずれかのプログラムを記録したことを特徴とする情報記憶媒体。
【請求項8】
タイマーを有するゲーム装置を含むゲームシステムであって、
イベント処理に用いられる複数の第1のパラメータと第1のパラメータ毎の使用可能時期を定義したイベントテーブルをプレーヤによって入力された登録情報に基づき作成するイベントテーブル作成部と、
作成された前記イベントテーブルを記憶するイベントテーブル記憶部と、
プレーヤによって所定の操作が行われたか否かを判断し、所定の操作が行われたと判断した場合に、所定の操作の操作タイミングを検出し、検出した操作タイミングに基づきイベント処理に用いられる第2のパラメータを設定し、前記第2のパラメータに基づきイベント条件を設定するイベント条件設定部と、
前記イベント条件が満たされたか否かを判断し、前記イベント条件が満たされたと判断した場合に、前記イベントテーブルを参照して前記タイマーの計時情報に基づき使用可能な第1のパラメータを選択し、選択した第1のパラメータに基づく演算を行うイベント処理部と、
を含むことを特徴とするゲームシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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