ゲームプログラム、ゲーム装置、およびゲームシステム
【課題】興趣性や戦略性に富んだ新規のゲームプログラム、ゲーム装置、およびゲームシステムを提供する。
【解決手段】ゲーム開始時に、各プレイヤに対して、用意されている駒の種類のうちランダムに抽出して得られる少なくとも2種類の駒が当該プレイヤの担当駒(担当オブジェクト)として予め設定される。所定条件が満たされてゲームが終了すると、各プレイヤについて、当該プレイヤに設定されている担当駒についての当該時点におけるそれぞれの累積値に基づいて、評価値が算出される。すなわち、担当駒は、各プレイヤに対して評価の対象となる駒の種類を定義するものである。このとき、一方の担当駒についての累積値と他方の担当駒についての累積値との間の差が大きいほどより高い評価値が算出される。典型的には、それぞれの担当駒についての累積値の差(絶対値)が評価値として算出される。
【解決手段】ゲーム開始時に、各プレイヤに対して、用意されている駒の種類のうちランダムに抽出して得られる少なくとも2種類の駒が当該プレイヤの担当駒(担当オブジェクト)として予め設定される。所定条件が満たされてゲームが終了すると、各プレイヤについて、当該プレイヤに設定されている担当駒についての当該時点におけるそれぞれの累積値に基づいて、評価値が算出される。すなわち、担当駒は、各プレイヤに対して評価の対象となる駒の種類を定義するものである。このとき、一方の担当駒についての累積値と他方の担当駒についての累積値との間の差が大きいほどより高い評価値が算出される。典型的には、それぞれの担当駒についての累積値の差(絶対値)が評価値として算出される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数のプレイヤが参加可能な対戦型ゲームを提供するためのゲームプログラム、ゲーム装置、およびゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンピュータを用いて対戦型ゲームを提供するプログラムが知られている。たとえば、非特許文献1には、コンピュータを用いて対戦型のボードゲームを提供する一例が開示されている。非特許文献1には、いわゆる「五目並べ」の一種であり、先手は黒石、後手は白石を交互に盤上に並べ、縦、横、斜めのいずれかに5個連続して石を並べた側が勝つというボードゲームが開示されている。
【0003】
また、特開平9−290041号公報(特許文献1)には、盤上に敷き詰められた正三角形の上に対戦者双方が駒を配置し、正三角形4個からなる大きな正三角形や、正三角形3個からなる台形を5個組合せて作る正六角形などを決まり手とするボードゲームが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−290041号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】“Virtual Console(バーチャルコンソール)五目ならべ連珠”、任天堂株式会社、[online]、[平成21年4月14日検索]、インターネット<URL:http://www.nintendo.co.jp/wii/vc/vc_go/vc_go_02.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、非特許文献1および特許文献1に開示されるボードゲームにおいては、各プレイヤに割当てられた1種類の駒を予め定義されたフィールド上に配置するものであり、フィールド上に配置できる駒の種類を多くすることはできない。そのため、駒を配置できる自由度はそれほど大きくなく、ゲーム上の戦略性に乏しく、ユーザに飽きられやすいという課題があった。
【0007】
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、興趣性や戦略性に富んだ新規のゲームプログラム、ゲーム装置、およびゲームシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の第1の局面に従えば、入力手段および表示手段を有するゲーム装置において複数のプレイヤが参加可能な対戦型ゲームを提供するためのゲームプログラムを提供する。本ゲームプログラムは、ゲーム装置を、3種類以上の配置オブジェクトについてのそれぞれの累積数を表示する累積数表示手段、各プレイヤに対して、3種類以上の配置オブジェクトの一部を抽出して得られる少なくとも2種類の配置オブジェクトを当該プレイヤの担当オブジェクトとして設定する担当オブジェクト設定手段、入力手段を介した指示および他のプレイヤからの指示の少なくとも一方に応じて、指定された種類の配置オブジェクトについての累積数を更新する累積数更新手段、ゲーム終了条件が満たされた否かを判断するゲーム終了判断手段、および、ゲーム終了条件が満たされたと判断された場合に、各プレイヤについて、当該プレイヤに対して担当オブジェクトとして設定されている、少なくとも2種類の配置オブジェクトについてのそれぞれの累積数に基づいて評価する評価手段、として機能させる。
【0009】
第1の局面によれば、3種類以上の配置オブジェクト(典型的な実施の形態においては「駒」)のうちから少なくとも2種類の配置オブジェクトが各プレイヤの担当オブジェクトとして設定される。この条件下において、各プレイヤは、ゲーム終了条件が満たされると判断されるまで、3種類以上の配置オブジェクトのうち必要と考える配置オブジェクトの累積数を交互に変更する。そして、ゲーム終了時点において、それぞれのプレイヤは、各自に設定されている配置オブジェクトについての累積値に基づいて評価がなされる。言い換えれば、各プレイヤに設定されている担当オブジェクトとは異なる配置オブジェクトについての累積値は、評価として考慮されない。そのため、3種類以上の配置オブジェクトのうちいずれの累積値を変更するのかといったパターンにバリエーションを持たせることができる。そのため、戦略性に富み、飽きられ難い対戦型ゲームを提供することができる。
【0010】
この発明の好ましい第2の局面に従えば、ゲーム終了条件は、少なくとも1種類の配置オブジェクトについての累積数が所定数に達したことを含む。
【0011】
第2の局面によれば、ゲーム終了条件を各プレイヤの操作に関連付けることができる。そのため、例えば、自身に有利な状況のときは、特定の配置オブジェクトの累積値を増加させてゲームを早く終了させるような戦略をとることができる一方で、自身に不利な状況のときは、配置オブジェクトの累積値を減少させて、早期のゲーム終了を阻止するといった戦略をとることができる。このように、状況に応じて、各プレイヤにさまざまな手法を考えさせることができ、戦略性が増す。
【0012】
この発明の好ましい第3の局面に従えば、ゲーム終了条件は、累積数更新手段による更新の回数が所定数に達したことを含む。
【0013】
第3の局面によれば、全体として限られた操作回数以内で、より高い評価を得られるような最適な配置オブジェクトの累積パターンを、各プレイヤに思考させることができ、戦略性が増す。
【0014】
この発明の好ましい第4の局面に従えば、評価手段は、各プレイヤについて評価値を算出する評価値算出手段と、各プレイヤの評価値に基づいて、複数のプレイヤ間での勝敗を決定する勝敗決定手段とを含み、評価値算出手段は、各プレイヤに対して担当オブジェクトとして設定されている、少なくとも2種類の配置オブジェクトに含まれる第1および第2配置オブジェクトについて、第1配置オブジェクトの累積数と第2配置オブジェクトの累積数との間の差が大きいほどより高い評価値を算出する。
【0015】
第4の局面によれば、ゲーム終了時の担当オブジェクトの累積値についての差が評価および勝敗に影響するので、累積値の間の差が大きくなるような最適な配置オブジェクトの累積パターンを各プレイヤに思考させることができ、思考性および戦略性が増す。
【0016】
この発明の好ましい第5の局面に従えば、評価値算出手段は、各プレイヤについて、第1配置オブジェクトの累積数および第2配置オブジェクトの累積数の少なくとも一方が所定のしきい値以下である場合に、対応の評価値を最低値とする。
【0017】
第5の局面によれば、各プレイヤに設定されている担当オブジェクトの一つについての累積値を所定のしきい値(典型的な実施の形態においてはゼロ)を超えるようにする必要がある一方、より高い評価を得るためには、設定されている別の担当オブジェクトの一つについての累積値をより大きくする必要があるので、思考性と戦略性をさらに増すことができる。また、対戦相手の担当オブジェクトが判明した場合などには、その対戦相手の担当オブジェクトについての累積値を当該しきい値以下にすることで、当該対戦相手の評価を下げるように仕向けるといった戦略をとることもできる。そのため、対戦相手との駆け引きを行わせることもでき、戦略性が増す。
【0018】
この発明の好ましい第6の局面に従えば、累積数更新手段による累積数の更新処理の対象として、3種類以上の配置オブジェクトのいずれについても指定可能に構成される。
【0019】
第6の局面によれば、各プレイヤは、3種類以上の配置オブジェクトのうち任意の配置オブジェクトに対して、その累積値を更新することができる。そのため、ゲームの状況に応じて、その累積値を更新すべき配置オブジェクトを考える必要があるため、戦略性が増す。
【0020】
この発明の好ましい第7の局面に従えば、ゲームプログラムは、ゲーム装置を、配置オブジェクトの累積値に対する増減量が定義された増減オブジェクトを各プレイヤに対して少なくとも1つ配分する配分手段としてさらに機能させる。累積数更新手段は、各プレイヤに配分されている増減オブジェクトのうち少なくとも1つに対する選択を受付ける手段と、3種類以上の配置オブジェクトのうち少なくとも1つに対する選択を受付ける手段と、選択された配置オブジェクトについての累積値を選択された増減オブジェクトに定義されている数だけ増加または減少させる手段とを含む。
【0021】
第7の局面によれば、各プレイヤは、いずれの増減オブジェクトを選択するのか(すなわち、いずれの増減量を指示するのか)、および、いずれの配置オブジェクトに対して累積値を変更するのか、といった2つの自由度をもつ選択肢の中から、状況に応じた操作を考える必要があるため、より戦略性に富む。
【0022】
この発明の好ましい第8の局面によれば、複数のプレイヤは、所定順序に従って、配置オブジェクトについての選択および増減オブジェクトについての選択を行う。
【0023】
第8の局面によれば、各プレイヤは、所定順序に従って交互に配置オブジェクトの累積値を更新する操作を行うので、先に他のプレイヤが行った操作など考慮して、さまざまな方策を考える必要があるため、より戦略性に富む。
【0024】
この発明の好ましい第9の局面によれば、配分手段は、各プレイヤに配分した増減オブジェクトの内容を他のプレイヤに識別可能な態様で表示する増減オブジェクト表示手段を含む。
【0025】
第9の局面によれば、各プレイヤは、ある対戦相手による配置オブジェクトに対する操作と、対戦相手に配分されていた増減オブジェクトおよび操作前の配置オブジェクトについての累積値の状態とを鑑みて、対戦相手に設定されている担当オブジェクトを推定するといった駆け引きが要求される。そのため、より戦略性に富んだ対戦型ゲームを提供できる。
【0026】
この発明の好ましい第10の局面によれば、配分手段は、増減オブジェクトに加えて、ゲーム進行上の特殊処理の内容が定義された特殊オブジェクトを各プレイヤに対して配分する特殊オブジェクト配分手段を含み、増減オブジェクトおよび特殊オブジェクトは、プレイヤに対して任意に選択可能に表示される。
【0027】
第10の局面によれば、各プレイヤは、状況に応じて、増減オブジェクトおよび特殊オブジェクトを選択的に使用することができる。特に、配分される特殊オブジェクトの数が限られている場合などには、いずれのタイミングで特殊オブジェクトを使用するのが最適であるかといったことを思考する必要があるので、より戦略性に富む。
【0028】
この発明の好ましい第11の局面によれば、担当オブジェクト設定手段は、それぞれのプレイヤに設定した担当オブジェクトのうち、自プレイヤに設定した担当オブジェクトのみを識別可能な態様で表示するとともに、他プレイヤに設定した担当オブジェクトについては識別不能な態様で表示する担当オブジェクト表示手段を含む。
【0029】
第11の局面によれば、各プレイヤから見れば、対戦相手に設定されている担当オブジェクトを知ることはできないので、対戦相手の操作内容などに基づいて、対戦相手に設定されている担当オブジェクトを推測しつつ、ゲームを進行させる必要がある。そのため、より戦略性に富んだ対戦型ゲームを提供できる。
【0030】
この発明の好ましい第12の局面によれば、ゲームプログラムは、ゲーム装置を、特定のプレイヤに設定されている担当オブジェクトの種類についての指定を受付ける担当オブジェクト種類指定手段、および、当該指定された担当オブジェクトの種類が当該特定のプレイヤに設定されている担当オブジェクトの種類と一致しているか否かを判断する一致判断手段、としてさらに機能させ、評価手段は、一致判断手段による判断結果に基づいても評価を行う。
【0031】
第12の局面によれば、各プレイヤは、対戦相手の操作内容などに基づいて、対戦相手に設定されている担当オブジェクトを正しく推測できれば、より高い評価を得ることが期待できるので、さまざまな要因を考慮して、対戦相手に設定されている担当オブジェクトを推測しようとする。そのため、より思考性を高めた対戦型ゲームを提供できる。
【0032】
この発明の好ましい第13の局面によれば、評価手段は、一致判断手段によってオブジェクトの種類が一致していると判断された場合に、当該指定を与えたプレイヤを当該特定のプレイヤに対して相対的に高く評価する。
【0033】
第13の局面によれば、各プレイヤは、対戦相手に設定されている担当オブジェクトの種類を正しく推測することで、対戦相手に対してより優位な評価を得ることができるため、対戦相手に設定されている担当オブジェクトを推測しようとする。また、各プレイヤは、対戦相手に自身に設定されている担当オブジェクトの種類を見破られると、不利な評価が与えられてしまうため、対戦相手に対して自身の担当オブジェクトを推定されないような操作を行おうとする。そのため、より思考性を高めた対戦型ゲームを提供できる。
【0034】
この発明の好ましい第14の局面によれば、評価手段は、一致判断手段によってオブジェクトの種類が一致していないと判断された場合に、当該特定のプレイヤを当該指定を与えたプレイヤに対して相対的に高く評価する。
【0035】
第14の局面によれば、各プレイヤに設定されている担当オブジェクトの種類を対戦相手が誤って推定した場合には、当該プレイヤは、対戦相手に対してより優位な評価を得ることができる。そのため、各プレイヤは、対戦相手が自身に設定されている担当オブジェクトを誤って推定するように仕向けるといった戦略をとることもできる。そのため、対戦相手との駆け引きを行わせることもでき、戦略性が増す。
【0036】
この発明の好ましい第15の局面によれば、担当オブジェクト表示手段は、一致判断手段によってオブジェクトの種類が一致していると判断された場合に、当該特定プレイヤに設定されている担当オブジェクトを他のプレイヤに対して識別不能な態様から識別可能な態様に表示を変更する。
【0037】
第15の局面によれば、各プレイヤは、いずれかの対戦相手によって自身に設定されている担当オブジェクトの種類を見破られてしまうと、他のすべてのプレイヤに対してその内容が知られてしまうので、より高い評価を得る観点からは不利な状況となる。そのため、対戦相手に自身の担当オブジェクトの種類を見破られないように、さまざまな駆け引きが必要となるため、戦略性が増す。
【0038】
この発明の好ましい第16の局面に従えば、ゲームプログラムは、ゲーム装置を、プレイヤ別に、特定のプレイヤに設定されている担当オブジェクトの種類についての指定を受付けた回数を検出する回数検出手段、および、回数検出手段によって検出された回数が所定数に達したユーザについては、担当オブジェクト種類指定手段による指定の受付けを不能動化する不能動化手段、としてさらに機能させる。
【0039】
第16の局面によれば、各プレイヤは、担当オブジェクト種類指定手段による対戦相手についての担当オブジェクトの推定操作を限られた回数しか行うことができないので、いずれのタイミングで担当オブジェクトの推定操作を行うのが最適であるかといったことを思考する必要があるとともに、慎重さも要求されるので、より戦略性に富む。
【0040】
この発明の第17の局面に従えば、上述のこの発明の第1の局面に従うゲームプログラムと同様の特徴を有するゲーム装置を提供する。
【0041】
この発明の第18の局面に従えば、複数のプレイヤが参加可能な対戦型ゲームを提供するゲームシステムを提供する。本ゲームシステムは、第1プレイヤに関連付けられた、第1入力手段および第1表示手段を含む第1端末手段と、第2プレイヤに関連付けられた、第2入力手段および第2表示手段を含む第2端末手段と、3種類以上の配置オブジェクトについてのそれぞれの累積数を、第1および第2表示手段に表示させる累積数表示手段と、少なくとも第1および第2プレイヤの各々に対して、3種類以上の配置オブジェクトの一部を抽出して得られる少なくとも2種類の配置オブジェクトを当該プレイヤの担当オブジェクトとして設定する担当オブジェクト設定手段と、第1および第2入力手段の少なくとも一方を介した指示に応じて、指定された種類の配置オブジェクトについての累積数を更新する累積数更新手段と、ゲーム終了条件が満たされた否かを判断するゲーム終了判断手段と、ゲーム終了条件が満たされたと判断された場合に、各プレイヤについて、当該プレイヤに対して担当オブジェクトとして設定されている、少なくとも2種類の配置オブジェクトについてのそれぞれの累積数に基づいて評価する評価手段とを含む。
【0042】
第18の局面によれば、上述の第1の局面に従うゲームプログラムと同様の作用効果を得ることができる。
【0043】
この発明の好ましい第19の局面に従えば、本ゲームシステムは、第1表示手段において、第1プレイヤに設定された担当オブジェクトを識別可能な態様で表示するとともに、第2プレイヤに設定された担当オブジェクトを識別不能な態様で表示する第1担当オブジェクト表示手段と、第2表示手段において、第2プレイヤに設定された担当オブジェクトを識別可能な態様で表示するとともに、第1プレイヤに設定されたオブジェクトを識別不能な態様で表示する第2担当オブジェクト表示手段と、第1プレイヤからの、第2プレイヤに設定されている担当オブジェクトの種類についての指定を、第1入力手段を介して受付ける担当オブジェクト種類指定手段と、当該指定された担当オブジェクトの種類が第2プレイヤに設定されている担当オブジェクトの種類と一致しているか否かを判断する一致判断手段とをさらに含む。評価手段は、一致判断手段による判断結果に基づいても評価を行う。
【0044】
第19の局面によれば、上述の第11および第12の局面に従うゲームプログラムと同様の作用効果を得ることができる。
【0045】
この発明の好ましい第20の局面に従えば、第1および第2プレイヤを含む参加している複数のプレイヤは、ゲーム終了条件が満たされたと判断されるまで、配置オブジェクトについての累積数の更新に対する指示を所定順序に従って順次与える。
【0046】
第20の局面によれば、上述の第8の局面に従うゲームプログラムと同様の作用効果を得ることができる。
【0047】
上述の記載においては、本発明の理解を助けるために補足説明等を付したが、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【発明の効果】
【0048】
この発明のある局面によれば、興趣性や戦略性に富んだ新規のゲームプログラム、ゲーム装置、およびゲームシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】この発明の実施の形態に従うゲーム装置の外観を示す概略図である。
【図2】この発明の実施の形態に従うゲーム装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態に従う対戦型ゲームのプレイ形態の一例を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態に従う対戦型ゲームのプレイ形態の別の一例を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態に従う対戦型ゲームのプレイ形態のさらに別の一例を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態に従う対戦型ゲームのプレイ形態のさらに別の一例を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態に従う対戦型ゲームの概要を説明するための模式図である。
【図8】この発明の実施の形態に従うゲーム装置のCPUで実現される制御構造を示す模式図である。
【図9】この発明の実施の形態に従う対戦型ゲームを進行するための全体処理手順を示すフローチャート(その1)である。
【図10】この発明の実施の形態に従う対戦型ゲームを進行するための全体処理手順を示すフローチャート(その2)である。
【図11】この発明の実施の形態に従うジャッジサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図12】この発明の実施の形態に従う評価サブルーチンを示すフローチャートである。
【図13】この発明の実施の形態に従う対戦型ゲームにおける表示部における出力例(その1)を示す図である。
【図14】この発明の実施の形態に従う対戦型ゲームにおける表示部における出力例(その2)を示す図である。
【図15】この発明の実施の形態に従う対戦型ゲームにおける表示部における出力例(その3)を示す図である。
【図16】この発明の実施の形態に従う対戦型ゲームにおける表示部における出力例(その4)を示す図である。
【図17】この発明の実施の形態に従う対戦型ゲームにおける表示部における出力例(その5)を示す図である。
【図18】この発明の実施の形態に従う対戦型ゲームにおける表示部における出力例(その6)を示す図である。
【図19】この発明の実施の形態に従う対戦型ゲームにおける表示部における出力例(その7)を示す図である。
【図20】この発明の実施の形態に従う対戦型ゲームにおける表示部における出力例(その8)を示す図である。
【図21】この発明の実施の形態に従う対戦型ゲームにおける表示部における出力例(その9)を示す図である。
【図22】この発明の実施の形態に従うゲーム進行に係るデータシーケンスを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0051】
本発明に係るゲーム装置の代表例として、携帯型のゲーム装置10について説明する。ゲーム装置10は、入力手段(もしくは、入力部)および表示手段(もしくは、表示部)を有する。また、本発明に係るゲームプログラムの一例として、ゲーム装置10で実行されるプログラムについて説明する。なお、本発明に係るゲーム装置は、携帯型のゲーム装置に限定されることはなく、据置型のゲーム装置であってもよいし、本発明に係るゲームプログラムをインストールした汎用的なパーソナルコンピュータ、ワークステーション、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話などの携帯端末などであってもよい。すなわち、プロセッサによる処理が可能な情報処理装置であればどのような種類のものであってもよい。この場合、本発明に係るゲームプログラムを、これらの情報処理装置上で実行される各種アプリケーションの一部の機能として組込んでもよい。
【0052】
また、1台のゲーム装置などに、各々が入力部および表示部を有するコントローラを複数接続しておくことで、共通のゲーム装置を用いて複数のユーザが本発明に係る対戦型ゲームをプレイすることもできる。
【0053】
本発明に係るゲームプログラムは、一般的には、メモリカード、カートリッジ、DVD−ROMなどの磁気的、光学的、電子的に情報を記録する記録媒体に格納されて流通する。あるいは、ネットワーク上のサーバからゲーム装置などへ直接的もしくは間接的にダウンロードするような形態を採用することもできる。
【0054】
さらに、いわゆるアプリケーション・サービス・プロバイダ(ASP:Application Service Provider)により本ゲームのプレイ環境を提供してもよい。この場合には、ネットワーク上のサーバで本ゲームの提供するための処理を実行するとともに、各ユーザは、通信機能を搭載した任意の端末装置を操作して当該サーバにアクセスする。さらに進んで、いわゆるクラウドコンピューティング(Cloud Computing)技術を用いて、ネットワーク上の1台もしくは複数台のサーバによって本ゲームのプレイ環境を提供してもよい。
【0055】
<用語>
本明細書において「プレイヤ」とは、本発明に係る対戦型ゲームに参加する、何らかの意思を持った実体を意味する。すなわち、「プレイヤ」は、本ゲームに参加する各ユーザ自身の場合もあるし、ゲーム装置で実行されるゲームプログラムに従ってゲーム進行上の指示を発する仮想的なユーザの場合もある。
【0056】
<ゲーム装置の外部構成>
図1は、この発明の実施の形態に従うゲーム装置10の外観を示す概略図である。
【0057】
図1を参照して、ゲーム装置10は、表示部としての第1液晶表示器(LCD:Liquid Crystal Display;以下、単に「LCD」とも称す。)12および第2液晶表示器(LCD)14を含む。LCD12およびLCD14は、所定の位置関係をもつようにハウジング16に収納される。図1に示す例では、ハウジング16は、上側ハウジング16aと下側ハウジング16bとによって構成される。LCD12は、上側ハウジング16aに収納され、LCD14は、下側ハウジング16bに収納される。したがって、LCD12とLCD14とは縦(上下)方向に並ぶように近接して配置される。
【0058】
なお、本実施の形態においては、表示部としてLCDを用いるようにしてあるが、LCDに代えて、EL(Electronic Luminescence)ディスプレイやプラズマディスプレイなどを用いてもよい。
【0059】
図1に示すように、上側ハウジング16aは、LCD12の平面形状よりも少し大きな平面形状を有し、LCD12の表示面が露出されるように、一方の主面には開口部が設けられる。一方、下側ハウジング16bの平面形状およびサイズについても、上側ハウジング16aと同様に設計され、LCD14の表示面が露出されるように横方向の中央部には開口部が設けられる。
【0060】
上側ハウジング16aの一方の主面には、LCD12を挟んで両側に、右スピーカ36aおよび左スピーカ36b(図2参照)にそれぞれ対応する音抜き孔20aおよび20bが配置される。また、上側ハウジング16aの他方の主面には、ユーザから見た人物や風景などを撮像するための外側カメラ25が設けられる。
【0061】
上側ハウジング16aと下側ハウジング16bとの間では、上側ハウジング16aの下辺(下端)と下側ハウジング16bの上辺(上端)の一部とが回動可能に連結されている。たとえば、ゲーム装置10が使用されない場合には、LCD12の表示面とLCD14の表示面とが対面するように、上側ハウジング16aを相対回転させて折り畳んでおけば、LCD12の表示面およびLCD14の表示面が傷付くといった破損を防止することができる。なお、上側ハウジング16aと下側ハウジング16bとを回動可能に連結させる構成に代えて、その中に両者を一体的(固定的)に配置したハウジング16を用いてもよい。
【0062】
上側ハウジング16aと下側ハウジング16bとの連結部の中央には、マイク(図示せず)と連通するマイク孔20cおよびユーザなどを撮像するための内側カメラ23が設けられる。このマイクにより収集された音声に応じた音声データに基づいて、ゲーム進行を行うことも可能である。また、内側カメラ23によって撮像された画像データに基づくゲーム進行、および当該画像データの保存なども可能である。
【0063】
下側ハウジング16bには、操作スイッチ22(22a,22b,22c,22d,22e,22f,22g,22h,22L,22R)が設けられる。より具体的には、操作スイッチ22は、方向指示スイッチ(十字スイッチ)22aと、スタートスイッチ22bと、セレクトスイッチ22cと、動作スイッチ(Aボタン)22dと、動作スイッチ(Bボタン)22eと、動作スイッチ(Xボタン)22fと、動作スイッチ(Yボタン)22gと、電源スイッチ22hと、動作スイッチ(Lボタン)22Lと、動作スイッチ(Rボタン)22Rとを含む。
【0064】
方向指示スイッチ22aおよび電源スイッチ22hは、下側ハウジング16bの一方の主面上であって、LCD14の左側に配置される。その他のスイッチ22b〜22gは、下側ハウジング16bの同じ主面上であって、LCD14の右側に配置される。動作スイッチ22Lおよび22Rは、下側ハウジング16bの上端面の左角部および右角部にそれぞれ配置される。なお、動作スイッチ22Lおよび22Rは、下側ハウジング16bの背面に位置しており、図1のような正面視では連結部の背後に隠れているので破線で示されている。
【0065】
方向指示スイッチ22aは、デジタルジョイスティックとして機能し、4つの押圧部の1つが操作されることによって、ゲーム進行上において操作可能なプレイヤオブジェクト(または、キャラクタオブジェクト)の進行方向(または、移動方向)の指示を受付ける。あるいは、方向指示スイッチ22aは、カーソルの進行方向等の指示を受付ける。また、4つの押圧部の各々に対して特定の役割を割当てることもでき、この場合には、いずれかの押圧部が操作されると、当該操作された押圧部に対応する役割が指示(指定)される。
【0066】
スタートスイッチ22bは、プッシュボタンで構成され、ゲームの開始(再開)や一時停止(Pause)の指示を受付ける。セレクトスイッチ22cは、プッシュボタンで構成され、ゲームモードの選択等の指示を受付ける。
【0067】
動作スイッチ22d(Aボタン)は、プッシュボタンで構成され、プレイヤオブジェクトに対する、打つ(パンチ)、投げる、つかむ(取得)、乗る、ジャンプするなどの任意のアクションについての指示を受付ける。たとえば、アクションゲームにおいては、動作スイッチ22dを操作することで、ジャンプ、パンチ、武器を動かす等を指示することができる。また、ロールプレイングゲーム(RPG)やシミュレーションRPGにおいては、動作スイッチ22dを操作することで、アイテムの取得、武器/コマンドの選択および決定等を指示することができる。また、動作スイッチ22e(Bボタン)は、プッシュボタンで構成され、セレクトスイッチ22cで選択したゲームモードの変更や、先に決定されたアクションの取消操作などについての指示を受付ける。
【0068】
動作スイッチ22f(Xボタン)および動作スイッチ22g(Yボタン)は、いずれもプッシュボタンで構成され、動作スイッチ22d(Aボタン)および動作スイッチ22e(Bボタン)だけでは、ゲーム進行に支障をきたすような場合に、補助的な操作に用いられる。なお、動作スイッチ22f(Xボタン)および動作スイッチ22g(Yボタン)を、動作スイッチ22d(Aボタン)および動作スイッチ22e(Bボタン)と同様の操作を行うために使用するようにしてもよいし、あるいは、全く使用しないようにしてもよい。
【0069】
電源スイッチ22hは、ゲーム装置10の電源のON/OFFについての指示を受付ける。また、電源スイッチ22hは、ゲーム装置10で実行中のプログラムを停止して、メインメニューに戻るような操作を行うために使用してもよい。
【0070】
動作スイッチ22L(左押しボタン)および動作スイッチ22R(右押しボタン)は、いずれもプッシュボタンで構成され、それぞれ動作スイッチ22d(Aボタン)および動作スイッチ22e(Bボタン)に割当てられた操作と同様の操作についての指示を受付ける。あるいは、動作スイッチ22L(左押しボタン)および動作スイッチ22R(右押しボタン)を、動作スイッチ22d(Aボタン)および動作スイッチ22e(Bボタン)とは独立した補助的な操作に用いるようにしてもよい。
【0071】
また、LCD14の上表面には、タッチパネル24が設けられる。タッチパネル24としては、たとえば、抵抗膜方式、光学式(赤外線方式)、および静電容量結合式などの形式のものを用いることができる。タッチパネル24は、ユーザによるLCD14画面上の任意の位置(座標)に対する指示を受付けるためのポインティングデバイスである。ユーザがスティック(スタイラスペン)26または指(以下、これらを「スティック26等」とも称す。)を用いて、タッチパネル24の上表面を押圧したり、撫でたり、触れたりすると(以下、これらの操作を「タッチ操作」とも称す。)、タッチパネル24は、スティック26等によるタッチ操作がなされた位置の座標を検出して、当該検出座標に対応する座標データを出力する。
【0072】
なお、本実施の形態においては、LCD14(LCD12も同様)の表示面の解像度は、256dot×192dotであるとする。そのため、タッチパネル24の検出精度も表示画面に対応して256dot×192dotとしてあるが、タッチパネル24の検出精度は表示画面の解像度と必ずしも一致させる必要はない。
【0073】
このように、ゲーム装置10は、2画面分の表示部であるLCD12およびLCD14を有し、いずれか一方(本実施の形態では、LCD14)の上面にタッチパネル24が設けられるので、2つの表示画面と2系統の操作部とを有する構成になっている。
【0074】
なお、本実施の形態においては、LCD12とLCD14とを縦方向に並べて配置するようにしているが、2つのLCDの配置は適宜に変更され得る。他の実施の形態においては、LCD12とLCD14とを横方向に並べて配置するようにしてもよい。また、本実施の形態においては、2つのLCDを設けるようにしているが、表示部としてのLCDの数は適宜変更され得る。他の実施の形態においては、縦長形状の1つのLCDに対して上下方向に2つの表示領域を規定し、2つのゲーム画面をそれぞれ独立の表示領域として扱うようにしてもよい。あるいは、横長形状の1つのLCDに対して左右方向に2つの表示領域を規定し、2つゲーム画面をそれぞれ独立の表示領域として扱うようにしてもよい。
【0075】
また、スティック26は、たとえば下側ハウジング16bに設けられる収納部(図1では破線で示す)に収納することができ、必要に応じて取り出される。
【0076】
下側ハウジング16bの上端面には、カートリッジ28を装着するための挿入口30(図1では、一点鎖線で示している)が設けられている。この挿入口の内側には、ゲーム装置10とカートリッジ28とを電気的に接続するためのコネクタ32(図2参照)が設けられる。ゲーム装置10のCPU(Central Processing Unit)34(図2参照)は、コネクタ32を介して、カートリッジ28へアクセス可能となる。
【0077】
また、下側ハウジング16bの右端面には、メモリカード29を装着するための挿入口31(図1では、二点鎖線で示している)が設けられている。この挿入口の内側には、ゲーム装置10とメモリカード29とを電気的に接続するためのコネクタ33(図2参照)が設けられる。ゲーム装置10のCPU34(図2参照)は、コネクタ33を介して、メモリカード29へアクセス可能となる。
【0078】
カートリッジ28およびメモリカード29は、いずれもデータを不揮発的に記憶するという点では共通するが、原則として、カートリッジ28はゲーム装置10に専用化されたデバイスである一方、メモリカード29は汎用的なデバイスとなっている。典型的には、メモリカード29は、SD(Secure Digital)カードなどからなる。
【0079】
なお、図1には図示されていないが、下側ハウジング16bの裏面には、ゲーム装置10を駆動するためのバッテリを収納するためのボックスが設けられる。さらに、下側ハウジング16bの下端面には、ヘッドフォンなどを装着するためのジャックが設けられ、左側面には、ボリュームスイッチが設けられる。
【0080】
<ゲーム装置の内部構成>
図2は、この発明の実施の形態に従うゲーム装置10の内部構成を示すブロック図である。
【0081】
図2を参照して、ゲーム装置10は、回路コンポーネントが実装された電子回路基板38を含む。より具体的には、電子回路基板38は、コネクタ32および33と、CPU34と、RAM(Random Access Memory)42と、第1グラフィック処理ユニット(GPU:Graphic Processing Unit;以下、単に「GPU」とも称す。)44と、第2グラフィック処理ユニット(GPU)46と、入出カインターフェース回路(以下、単に「I/F回路」とも称す)48と、LCDコントローラ50と、無線通信部58とを含む。これらの各部は、バス40を介して互いにデータ伝送可能に構成される。さらに、電子回路基板38は、第1ビデオRAM(以下、単に「VRAM」とも称す。)52と、第2ビデオRAM(VRAM)54とを含む。
【0082】
コネクタ32には、上述したように、カートリッジ28が着脱自在に装着される。なお、カートリッジ28の構成については後述する。また、コネクタ33には、図1に示すようにメモリカード29が着脱自在に装着される。
【0083】
CPU34は、コネクタ32に接続されるカートリッジ28、コネクタ33に接続されるメモリカード29、図示しないゲーム装置10に内蔵の不揮発性メモリなどから、プログラム、画像データおよび音声データ等を読出してRAM42にロードする。すなわち、RAM42は、バッファメモリおよび/またはワーキングメモリとして使用される。そして、CPU34は、RAM42にロードしたプログラムを実行することで、情報処理の典型例として、本実施の形態に従う捕獲/育成ゲームなどを提供する。また、CPU34は、ゲーム進行に応じて、生成するデータ(キャラクタオブジェクト、キャラクタオブジェクトに係る各種データ、フラグデータ等)をRAM42に一時的に記憶する。
【0084】
GPU44およびGPU46の各々は、描画部の一部として機能し、典型的には、シングルチップASIC(Application Specific Integrated Circuit)で構成される。より具体的には、GPU44およびGPU46の各々は、CPU34から与えられるグラフィックスコマンド(作画命令)に従ってLCD12およびLCD14に表示すべき内容を示す画像データを生成する。なお、CPU34は、グラフィックスコマンドに加えて、画像データの生成に必要な画像生成プログラム(ゲームプログラムに含まれる)をGPU44およびGPU46にそれぞれ与えてもよい。
【0085】
VRAM52は、GPU44とLCDコントローラ50との間に接続され、VRAM54は、GPU46とLCDコントローラ50との間に接続される。VRAM52およびVRAM54の各々には、CPU34から書込まれる画像データを記憶する領域と、LCD12または14に与えられる描画データを記憶する領域(描画バッファ)とが設けられる。なお、描画バッファとしては、1画面分の描画データを蓄えるフレームバッファを採用してもよいし、あるいは、1ライン分の描画データを蓄えるラインバッファを採用してもよい。
【0086】
CPU34は、描画に必要な画像データをそれぞれGPU44およびGPU46を通じてVRAM52およびVRAM54の所定領域にそれぞれ書込む。GPU44は、VRAM52にアクセスしてCPU34によって書込まれた画像データを読出して、対応のLCDに表示すべき内容に応じた描画データを生成し、さらに、その描画データをVRAM52の描画バッファに書込む。同様に、GPU46は、VRAM54にアクセスしてCPU34によって書込まれた画像データを読出して、対応のLCDに表示すべき内容に応じた描画データを生成し、さらに、その描画データをVRAM54の描画バッファに書込む。
【0087】
LCDコントローラ50は、VRAM52およびVRAM54のそれぞれの描画バッファに記憶されている描画データを、LCD12およびLCD14へ選択的に出力する。より具体的には、LCDコントローラ50は、VRAM52およびVRAM54とLCD12およびLCD14との接続関係を示すデータを記憶するためのレジスタ56を含む。レジスタ56は、たとえば1ビットのフラグを記憶するように構成されており、CPU34の指示に応答して「0」または「1」のいずれかにセットされる。レジスタ56のフラグ値が「0」である場合には、LCDコントローラ50は、VRAM52に記憶されている描画データをLCD12へ出力し、VRAM54に記憶されている描画データをLCD14へ出力する。一方、レジスタ56のフラグ値が「1」である場合には、LCDコントローラ50は、VRAM52に記憶されている描画データをLCD14へ出力し、VRAM54に記憶されている描画データをLCD12へ出力する。このようにレジスタ56のフラグ値を適宜変更することで、LCD12およびLCD14に表示される内容を相互に入れ替えることができる。
【0088】
なお、本実施の形態においては、RAM42とは独立してVRAM52およびVRAM54を設ける構成について例示したが、RAM42の一部の領域をVRAM52およびVRAM54に相当する領域として用いるようにしてもよい。
【0089】
I/F回路48には、操作スイッチ22と、タッチパネル24と、内側カメラ23と、外側カメラ25と、右スピーカ36aと、左スピーカ36bとが接続される。
【0090】
操作スイッチ22は、上述したように、スイッチ22a,22b,22c,22d,22e,22f,22g,22L,22Rを含み、いずれかのスイッチが操作されると、対応する操作信号(操作データ)をI/F回路48を介してCPU34に与える。同様に、タッチパネル24は、ユーザのタッチ操作に応じて検出した座標データを、I/F回路48を介してCPU34に与える。内側カメラ23および外側カメラ25は、撮像により取得した画像データをI/F回路48を介してCPU34に与える。すなわち、操作スイッチ22およびタッチパネル24は、ユーザ操作を受付ける入力部として機能する。
【0091】
また、CPU34は、ゲーム音楽(BGM)、効果音、キャラクタオブジェクトの発声音(擬制音)といったゲームに必要な音声データを、ゲーム進行に応じてI/F回路48を介して右スピーカ36aおよび左スピーカ36bへ与える。すると、右スピーカ36aおよび左スピーカ36bからは、与えられた音声データに応じた音が出力される。なお、以下、単に「スピーカ36」とも称す。
【0092】
無線通信部58は、他のゲーム装置10や通信機器との間で無線によってデータを送受信する。ゲーム装置10は、この無線通信部58を介して図示しないネットワークに接続することが可能であり、ネットワーク上のサーバからプログラムやデータのダウンロード、当該サーバへのデータのアップロード、およびネットワークを通じた他のゲーム装置10との間の通信などが可能である。
【0093】
<プレイ形態>
図3〜図6は、この発明の実施の形態に従う対戦型ゲームのプレイ形態の一例を示す図である。
【0094】
図3には、1人のユーザが本実施の形態に従う対戦型ゲームをプレイする形態を示す。この場合には、ゲーム装置10内で他のプレイヤが仮想的に構成され、当該ユーザがゲーム装置10を操作することでゲームが進行する。言い換えれば、当該ユーザは、コンピュータを相手に本ゲームをプレイすることになる。
【0095】
図4には、2人のユーザが本実施の形態に従う対戦型ゲームをプレイする形態を示す。この場合には、それぞれのユーザが操作するゲーム装置10の間でデータ通信が行なわれることで、ゲーム進行に必要なデータが遣り取りされる。なお、本実施の形態に従う対戦型ゲームは、後述するように2人で対戦することも可能であるとともに、より多くのプレイヤが参加することも可能である。そのため、プレイヤが3以上である場合には、上述したように、いずれかのゲーム装置10内で仮想的にプレイヤが構成される。あるいは、図5に示すように、より多くのゲーム装置10を用いて、多人数のユーザが本ゲームをプレイすることもできる。この場合には、特定のゲーム装置10を「親機」とし、他のゲーム装置10が「子機」として全体としてのゲームを進行することが好ましい。
【0096】
なお、図4または図5に示すプレイ形態においては、すべてのゲーム装置10が本実施の形態に従うプログラムを保持していなくとも、「親機」となったゲーム装置10から他のゲーム装置10へ本実施の形態に従うプログラム自体を配信(ダウンロード)するようにしてもよい。
【0097】
さらに、図6に示すように、ネットワークを介して、遠隔地にいるユーザ間で本ゲームをプレイすることもできる。この場合には、それぞれのユーザが操作するゲーム装置10は、ネットワークNWへの無線通信を仲介するアクセスポイントAPを介して、ネットワークNW上のサーバSRVへアクセスする。そして、このサーバSRVにおいて、各ゲーム装置10からのデータに応じてゲームが進行する。
【0098】
さらに、図6と類似したネットワーク構成によって、サーバSRVから各ゲーム装置10に対して、本実施の形態に従うゲームプログラムを配信することもできる。
【0099】
なお、図4〜図6には、ゲーム装置10とゲーム装置10との間、または、ゲーム装置10とアクセスポイントAPとの間で、無線方式によってデータが遣り取りされる構成を例示したが、当然のことながら、有線方式を用いることもできる。
【0100】
<対戦型ゲームの概要>
図7は、この発明の実施の形態に従う対戦型ゲームの概要を説明するための模式図である。なお、図7には、プレイヤ数が4の場合の例を示すが、プレイヤ数は複数であればいずれの数であってもよい。
【0101】
(1)配置フィールド
図7を参照して、本実施の形態に従う対戦ゲームでは、配置フィールド100が仮想的に用意される。この配置フィールド100には、3種類以上(図7には5種類の例を示すが、5種類に限られるものではない)の配置オブジェクト(以下「駒」とも称す。)についてのそれぞれの累積数が表示される。すなわち、配置フィールド100には、5種類の駒をそれぞれ紙面横方向に累積的に配置することが可能になっており、この配置フィールド100に配列されたそれぞれの駒の数が累積数に相当する。なお、以下の説明では、それぞれの駒の種類を区別するために、「第1駒101」、「第2駒102」、「第3駒103」、「第4駒104」、「第5駒105」とも記す。なお、駒の種類を区別する表示形態として、図7には、各駒の表示模様を異ならせて表示する例を示すが、表示色・形・明度・サイズなどを異ならせて表示することで、その種別の差異を表現してもよい。
【0102】
この配置フィールド100では、各プレイヤからの指示に応じて、指定された種類の配置オブジェクト(駒)についての累積数が順次更新される。すなわち、それぞれのプレイヤは、所定のプレイ順序に従って、配分されている数字カードを選択するとともに、配置フィールド100上の駒の種類を選択することで、選択された種類の駒の累積値を当該選択した数字カードに定義されている数だけ増加または減少する。各プレイヤに配分される数字カードには、累積値を増加させるための「+1」や「+2」といった指示、または、累積値を減少させるための「−1」や「−2」といった指示が記されている。数字カードに定義されている増減量としては、「+3」,「+2」,「+1」,「−1」,「−2」の5種類が好ましいが、「+4」や「+5」といった増減量を採用してもよい。
【0103】
なお、それぞれのプレイヤに配分される数字カードの種類は、本ゲームの開始時にランダムに決定される山札150に従って決定される。より具体的には、本ゲームの開始時に、所定の増減量が定義されている数字カードのセットに対してランダムに番号付けが行なわれ、それぞれの数字カードに付与された番号に従って、それぞれのプレイヤに対して所定数の数字カードが配分される。
【0104】
参加しているすべてのプレイヤは、上述したような配置フィールド100上に配置されたいずれかの種類の駒についての累積値の増加または減少という動作を所定のプレイ順序に従って繰返す。すなわち、それぞれのプレイヤは、所定順序に従って、数字カードについての選択および配置フィールド100上の駒についての選択を行う。
【0105】
また、いずれかのプレイヤが配置フィールド100上の駒についての累積値を変更するために数字カードを使用すると、当該プレイヤに対して山札150から順に数字カードが補充される。なお、各プレイヤが配置フィールド100上の駒についての累積値を変更する動作を行う1単位を「ターン」とも称す。
【0106】
また、よりゲームの興趣性を高める観点からは、1回のゲーム中で実行可能な最大ターン数より多くの数字カードを山札150として用意しておくことが好ましい。たとえば、1回のゲーム中において、各プレイヤにつき10ターンずつの動作が可能であるとすると、2人のプレイヤで対戦する場合には、最大20枚の数字カードが必要となる。これに対して、山札150としては、30枚の数字カードのセットが用意される。言い換えれば、山札150として用意される30枚の数字カードのセットのうち、少なくともより下位の10枚はいずれのプレイヤにも配分されない。また、4人のプレイヤで対戦する場合には、最大40枚の数字カードが必要となるが、山札150としては60枚の数字カードのセットが用意される。
【0107】
したがって、予め用意された数字カードのセットのうち一部のみがプレイヤに配分されるので、各プレイヤに配分される数字カードのバリエーションが広がり、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0108】
ゲーム装置10内では、上述のようなそれぞれのプレイヤに配分されている数字カードの内容は、参加しているそれぞれのプレイヤに対応付けられているプレイヤ情報110,120,130,140として保持される。すなわち、プレイヤ情報110,120,130,140は、それぞれ数字カード情報111,121,131,141を含む。なお、プレイヤ情報110,120,130,140の内容は、本ゲームに参加しているすべてのプレイヤに対して提供されるため、各プレイヤに配分した数字カードの内容は、他のプレイヤに識別可能な態様で表示される。
【0109】
その後、配置フィールド100上における少なくとも1種類の駒についての累積数が所定数に達した場合、および/または、配置フィールド100上における駒の累積値の更新回数が所定数に達した場合に、本ゲームは終了する。すなわち、配置フィールド100上に累積的に配置されるいずれかの種類の駒が終了ライン108に到達した場合、および/または、それぞれのプレイヤによる所定ターン数が経過した場合に、ゲーム終了と判断される。
【0110】
上述の配置フィールド100上における少なくとも1種類の駒についての累積数が所定数(たとえば、「10」)に達した場合とは、たとえば、2種類の駒についての累積数がいずれも所定数に達しているような場合を含む。なお、数字カードには、累積値を増加または減少させるための複数種類の指示が定義されているため、数字カードに応じて変更された後の累積値がゲーム終了条件として設定された所定数と全く一致しない場合もある。たとえば、ある駒の累積値が「8」である場合に、いずれかのプレイヤが当該駒を選択して「+3」と定義された数字カードを使用した場合には、所定数である「10」を超えて「11」に変更されるが、この場合にも、「累積数が所定数に達した」とみなされて、ゲーム終了と判断してもよい。
【0111】
あるいは、配置フィールド100上における少なくとも1種類の駒が所定値と全く一致する場合に限って、ゲーム終了と判断してもよい。この場合には、プレイヤの数字カードの選択によって、ある駒の変更後の累積値が所定値を超える場合には、その超過分だけ累積数を減少させてもよい。たとえば、ある駒の累積値が「8」である場合に、いずれかのプレイヤが当該駒を選択して「+3」と定義された数字カードを使用した場合に、本来「8」から「11」に変更されるべきところを、所定数である「10」からの超過分である「1」だけ戻して、「9」に変更されるといった具合である。
【0112】
あるいは、配置フィールド100上における少なくとも1種類の駒が所定値と一致する場合に限って、ゲーム終了と判断してもよい。この場合には、プレイヤの数字カードの選択によって、ある駒の変更後の累積値が所定値を超える場合には、その超過分だけ累積数を減少させてもよい。たとえば、ある駒の累積値が「8」である場合に、いずれかのプレイヤが当該駒を選択して「+3」と定義された数字カードを使用した場合に、本来「8」から「11」に変更されるべきところを、所定数である「10」からの超過分である「1」だけ戻して、「9」に変更されるといった具合である。
【0113】
(2)駒配置および評価処理
本実施の形態に従う対戦型ゲームでは、ゲーム開始時に、各プレイヤに対して、用意されている駒の種類のうちランダムに抽出して得られる少なくとも2種類の駒を当該プレイヤの担当駒(担当オブジェクト)として予め設定される。以下の説明では、典型例として、各プレイヤに対して2種類の駒が担当駒として設定される場合について示す。
【0114】
上述のような条件が満たされてゲームが終了すると、各プレイヤについて、当該プレイヤに設定されている担当駒についての当該時点におけるそれぞれの累積値に基づいて、評価値が算出される。すなわち、担当駒は、各プレイヤに対して評価の対象となる駒の種類を定義するものである。より具体的には、一方の担当駒についての累積値と他方の担当駒についての累積値との差に依存して評価点が算出される。つまり、一方の担当駒についての累積値と他方の担当駒についての累積値との間の差が大きいほどより高い評価値が算出される。典型的には、それぞれの担当駒についての累積値の差(絶対値)が評価値として算出される。
【0115】
さらに、各プレイヤについての評価点を算出する際に、当該プレイヤに設定されている担当駒についてのそれぞれの累積値の少なくとも一部が所定しきい値以下である場合には、対応の評価値を最低値とすることが好ましい。典型的には、ゲーム終了時において、しきい値を「0」に設定する。本実施の形態においては、負の数の概念を採用していないため、各プレイヤのいずれかの担当駒についての累積値が「0」であるか、あるいは「1」以上であるかが判断される。各プレイヤのいずれかの担当駒についての累積値が「0」である場合には、評価値が「0」とされる。このような算出規則を採用することで、各プレイヤは、ゲーム終了までに、自身に設定されたすべての担当駒についての累積値が「0」より多くなるように数字カードおよび駒の種類を選択する必要があるとともに、担当駒についての累積値の差がより大きくなるように数字カードおよび駒の種類を選択する必要がある。このように、各プレイヤは、ある面においては互いに相反する内容を満たすような戦略を考える必要があり、より戦略性に富む対戦型ゲームを提供することができる。
【0116】
ここで、ゲーム開始時には、各プレイヤに対しては、それぞれのプレイヤに設定された担当駒のうち自身に設定されたものだけが識別可能な態様で表示され、他のプレイヤに設定された担当駒については識別不能な態様で表示される。
【0117】
したがって、後述するジャッジ処理が行なわれた場合を除いて、各プレイヤは他のプレイヤに設定された担当駒を知ることができない。そのため、各プレイヤは、さらに、他のプレイヤの動きなどに基づいて、当該他のプレイヤに設定されている担当駒を推定し、さまざまな戦略を考えて楽しむことができる。
【0118】
上述のような評価点の算出方法に代えて、それぞれの担当駒についての累積値の和を評価値としてもよいし、当該累積値の積を評価値としてもよい。さらに、3種類以上の駒を各プレイヤの担当駒として設定した場合には、それぞれの担当駒についての累積値におけるすべての組み合わせでの差を合算したものを評価値として算出してもよいし、担当駒についての累積値の最大値と最小値との差を評価値として算出してもよいし、担当駒についての上位2つの累積値の差を評価値として算出してもよいし、担当駒についての下位2つの累積値の差を評価値として算出してもよい。
【0119】
(3)ジャッジ処理および評価処理(その2)
ゲーム開始時には、他のプレイヤに設定されている担当駒は識別不能な態様で表示されるが、上述したように、各プレイヤは、自身に設定されている担当駒についての累積値の差がより大きくなるように数字カードおよび駒の種類を選択する。そのため、他のプレイヤから見れば、当該プレイヤに対していずれの種類の駒が担当駒として設定されているのかを推定できる場合がある。
【0120】
そこで、本実施の形態に従う対戦型ゲームにおいては、各プレイヤは、他のプレイヤに設定されている担当駒の種類を推定することができる。あるプレイヤが特定のプレイヤに設定されている担当駒の種類を推定すると、当該推定された担当駒の種類が指定先の特定のプレイヤに設定されている担当駒の種類と一致しているか否かが判断される。そして、プレイヤの評価値は、この判断結果(一致しているか、あるいは、不一致であるか)に基づいても算出される。このような、あるプレイヤが他のプレイヤに設定されている担当駒の種類を推定する処理を「ジャッジ処理」とも称す。
【0121】
より具体的には、プレイヤ情報110,120,130,140は、それぞれジャッジ情報114,124,134,144を含む。ジャッジ情報114は、プレイヤ1に対する他のプレイヤからのジャッジ処理が成功した情報を示す成功情報115と、プレイヤ1に対する他のプレイヤからのジャッジ処理が失敗した情報を示す失敗情報116とを含む。すなわち、成功情報115には、他のプレイヤからのジャッジ処理によって、プレイヤ1に対して設定されていることが判明した担当駒の種類が格納される。また、失敗情報116には、他のプレイヤからのジャッジ処理によって、プレイヤ1に対して設定されていないことが判明した担当駒の種類が格納される。他のジャッジ情報124,134,144についても同様である。また、これらのジャッジ情報114,124,134,144の内容は、他のプレイヤに識別可能な態様で表示される。
【0122】
すなわち、たとえば、プレイヤ1自身を表すプレイヤ情報110に含まれる成功情報115には、プレイヤ1自身の担当駒の種類が格納され、プレイヤ1自身にのみ識別可能な態様で表示される。さらに、プレイヤ1自身を表すプレイヤ情報110に含まれる失敗情報116には、他のプレイヤ(プレイヤ2〜プレイヤ4)がジャッジ処理を行ないプレイヤ1自身に設定されていないと判明した担当駒の種類が格納される。
【0123】
なお、図7には、成功情報115および失敗情報116の格納領域の数は、1プレイヤあたりそれぞれ2個および3個となっているが、この数は、担当駒の数および1プレイヤに対してジャッジの失敗が許容される回数(以下、「被失敗許容数」とも称す。)に従って適宜設定され得る。また、図7には、3個の格納領域を有する失敗情報116を例示しているが、2人のプレイヤによる1対1の対戦形態における場合には、被失敗許容数が2回となるので、失敗情報116の3番目の格納領域は使用されない。
【0124】
このジャッジ処理によって、あるプレイヤが推定した他のプレイヤの担当駒の種類と、実際に設定されている当該他のプレイヤの担当駒の種類とが一致した場合には、当該推定を行ったプレイヤが当該推定された他のプレイヤに対して相対的に高く評価される。より具体的には、当該推定を行ったプレイヤについての評価値に対して、ジャッジ処理が成功したことに起因するジャッジボーナスが追加される。あるいは、当該推定された他のプレイヤについての評価値から、担当駒の種類を指摘されたことに起因するペナルティポイントが減じられる。
【0125】
一方、このジャッジ処理によって、あるプレイヤが推定した他のプレイヤの担当駒の種類と、実際に設定されている当該他のプレイヤの担当駒の種類とが一致しなかった場合には、当該推定された他のプレイヤが当該推定を行ったプレイヤに対して相対的に高く評価される。より具体的には、当該推定された他のプレイヤについての評価値に対して、ジャッジ処理を失敗させたことに起因するフェイクボーナスが追加される。あるいは、当該推定を行ったプレイヤについての評価値から、担当駒の種類の指摘に失敗したことに起因するペナルティポイントが減じられる。
【0126】
なお、このようなジャッジ処理の結果は、すべての他のユーザに対して識別可能な態様で表示される。すなわち、あるプレイヤが推定した他のプレイヤの担当駒の種類と、実際に設定されている当該他のプレイヤの担当駒の種類とが一致した場合には、当該推定された他のプレイヤに設定されている担当駒が他のプレイヤに対して識別不能な態様から識別可能な態様に表示変更される。また、あるプレイヤが推定した他のプレイヤの担当駒の種類と、実際に設定されている当該他のプレイヤの担当駒の種類とが一致しなかった場合には、当該推定された他のプレイヤに対しては当該指定された担当駒が設定されていないことが識別可能な態様で表示される。
【0127】
また、それぞれのプレイヤがこのジャッジ処理を実行できる回数は所定数(たとえば、2回)に制限されている。すなわち、プレイヤ別に、ジャッジ処理が実行された回数が積算して管理されるとともに、積算されたジャッジの実行回数が所定数に達したユーザについては、ジャッジ処理が不能動化される。
【0128】
(4)トリックカード
本実施の形態に従う対戦型ゲームにおいては、各プレイヤに対して1つ以上の数字カードに加えて、ゲーム進行上の特殊処理の内容が定義された特殊オブジェクトであるトリックカードが配分される。したがって、各プレイヤは、配分された数字カードおよびトリックカードのうちから、ゲーム進行状況に応じて、必要と思うものを任意に選択することができる。
【0129】
より具体的には、プレイヤ情報110,120,130,140は、それぞれトリックカード情報112,122,132,142を含む。
【0130】
このようなトリックカードは、以下に述べるように複数種類のものを用意しておくことが好ましい。この場合には、各プレイヤが必要と思う種類のトリックカードを選択できるようにしてもよいし、複数の種類のトリックカードのうちからランダムに選択されたものを各プレイヤに配分するようにしてもよい。なお、各プレイヤが任意にトリックカードを選択できる場合には、ゲームの進行状況に応じて、選択可能なトリックカードの種類を変更するようにしてもよい。たとえば、各プレイヤの過去の勝利数や勝ち抜き数などが増加すると、より多くの種類のトリックカードが選択できるようにしてもよい。
【0131】
上述のようなトリックカードに定義される特殊処理としては、たとえば以下のようなものがある。
【0132】
・配置フィールド100上のすべての駒についての積算値を1個ずつ増加させる
・配置フィールド100上のすべての駒についての積算値を1個ずつ減少させる
・自プレイヤに設定されている担当駒の種類を変更する
・1つの数字カードで配置フィールド100上の複数の駒についての積算値を更新する
・所定ターン数が経過するまでの間、他のプレイヤに対して配置フィールド100上の駒に対して行った操作内容を隠す
・すべてのプレイヤに配分されている数字カードに定義されている増減量の符号を反転する
(5)全体進行
本実施の形態に従う対戦型ゲームの開始が指示されると、(a)プレイ順序の決定、(b)各プレイヤへの担当駒の設定、(c)配置フィールド100の初期設定、(d)山札の配列決定、(e)各プレイヤへの数字カード配分、(f)各プレイヤへのトリックカード配分、といった初期処理が実行される。なお、(c)配置フィールド100の初期設定のより具体的な処理内容としては、配置フィールド100におけるそれぞれの駒についての累積値の初期値がランダムに決定される。典型的には、ランダムに選択された2種類の駒について初期値を「2」に設定し、さらに残りの種類からランダムに選択された2種類の駒について初期値を「1」に設定し、残りの種類の駒について初期値を「0」に設定する。
【0133】
このような初期設定が完了すると、ゲーム終了条件が満たされるまで、参加しているプレイヤの間で所定のプレイ順序に従って操作が繰返される。たとえば、プレイヤ1→プレイヤ2→プレイヤ3→プレイヤ4の順で行なわれるとすると、操作権がこの順序で各プレイヤに順次割当てられる。
【0134】
まず、プレイヤ1に操作権が割当てられると、プレイヤ1に対して、ジャッジ処理を行うか否かの問合せが行なわれる。このとき、プレイヤ1がジャッジ処理の実行を選択すると、ジャッジ処理が実行される(手順1)。ジャッジ処理の完了後、プレイヤ1に対して、配置フィールド100上の駒についての累積値の増加または減少の操作が促される。これに対して、プレイヤ1は、予め設定されている担当駒の種類や配置フィールド100の状況を見ながら、自身の配分されている数字カードを指定するとともに、累積値を変更したい駒の種類を指定する(手順2)。この操作により、配置フィールド100上の駒についての累積値が更新される。プレイヤ1が数字カードを使用すると、(配分可能な数字カードが山札150に残っている場合には)山札150からプレイヤ1に対して数字カードが補充される(手順3)。その後、操作権は、プレイヤ1からプレイヤ2に移る。すなわち、プレイヤ1のターンが終了する。
【0135】
プレイヤ2に操作権が移ると、プレイヤ1についての処理と同様の処理が行なわれる。すなわち、まず、プレイヤ2に対して、ジャッジ処理を行うか否かの問合せが行なわれる。このとき、プレイヤ2がジャッジ処理の実行を選択すると、ジャッジ処理が実行される(手順4)。ジャッジ処理の完了後、プレイヤ2に対して、配置フィールド100上の駒についての累積値の増加または減少の操作が促される。これに対して、プレイヤ2は、予め設定されている担当駒の種類や配置フィールド100の状況を見ながら、自身の配分されている数字カードを指定するとともに、累積値を変更したい駒の種類を指定する(手順5)。この操作により、配置フィールド100上の駒についての累積値が更新される。プレイヤ2が数字カードを使用すると、(配分可能な数字カードが山札150に残っている場合には)山札150からプレイヤ2に対して数字カードが補充される(手順6)。その後、操作権は、プレイヤ2からプレイヤ3に移る。すなわち、プレイヤ2のターンが終了する。
【0136】
以下、同様にして、操作権がプレイヤ3およびプレイヤ4へ順次移って、一連の処理が完了すると、同様の順序で再度処理が繰返される。そして、ゲーム終了条件が満たされるまで、このような処理が繰返し実行される。
【0137】
さらに、ゲーム終了条件が満たされたと判断されると、本ゲームは終了し、それぞれのプレイヤについての評価値が算出され、プレイヤ間での勝敗が決定される。
【0138】
なお、配置フィールド100上における少なくとも1種類の駒についての累積数が所定数に達したことで本ゲームが終了した場合には、当該駒を終了ライン108に到達させたプレイヤの評価値に対して、ゴールボーナスを加算してもよい。
【0139】
また、ゲーム終了条件が満たされた後、いずれかのプレイヤについてジャッジ処理の実行済回数が所定数に達していない場合には、未実行分のジャッジ処理だけを行う、エキストラターンに突入してもよい。
【0140】
<制御構造>
図8は、この発明の実施の形態に従うゲーム装置10のCPU34で実現される制御構造を示す模式図である。なお、図8においては、プレイヤ1がゲーム装置10を操作するユーザであり、プレイヤ2が他のゲーム装置10を操作するユーザであり、プレイヤ3およびプレイヤ4がゲームプログラムに実現される仮想的なユーザであるとする。
【0141】
図8を参照して、本実施の形態に従うゲーム装置10のCPU34は、基本的な制御構造として、本ゲームを進行する処理を担当するホストプロセス340と、本ゲームに参加するそれぞれのプレイヤについての処理を担当するクライエントプロセス341,342,343,344とを実行する。より具体的には、ホストプロセス340は、上述した初期処理を実行し、続いて、クライエントプロセス341,342,343,344に対して操作権を順次割当てるとともに、操作権を有するクライエントプロセスからの指示に従って、ゲームを進行する。
【0142】
クライエントプロセス341は、ホストプロセス340が実行されているゲーム装置10の入力部(操作スイッチ22およびタッチパネル24)を介したユーザからの指示を受けて、ホストプロセス340に対してコマンドを発生するとともに、ホストプロセス340による処理結果を表示部(第1LCD12および第2LCD14)へ出力する。
【0143】
さらに、CPU34は、通信プロセス345および仮想プレイヤプロセス346,347を実行する。クライエントプロセス342は、通信プロセス345を利用して、他のゲーム装置10を操作するユーザからの指示を受信して、ホストプロセス340に対してコマンドを発生するとともに、ホストプロセス340による処理結果を当該他のゲーム装置10へ送信する。また、クライエントプロセス343および344は、それぞれ仮想プレイヤプロセス346および347からの指示を受けて、ホストプロセス340に対してコマンドを発生する。典型的には、クライエントプロセス343および344は、AI(人工知能)を利用したプログラムとして実現される。
【0144】
なお、クライエントプロセスは、本ゲームに参加するプレイヤの数に応じて必要な数だけ起動される。また、本ゲームに参加する他のプレイヤがいずれも他のゲーム装置10を操作するユーザである場合には、図8に示すような仮想プレイヤプロセスは起動されず、それに代えて、通信先のゲーム装置10の数に相当する数の通信プロセスが起動される。
【0145】
以下に説明する処理手順は、主として、ホストプロセス340における処理に含まれる。
【0146】
<処理手順およびユーザインターフェイス例>
図9および図10は、この発明の実施の形態に従う対戦型ゲームを進行するための全体処理手順を示すフローチャートである。図11は、この発明の実施の形態に従うジャッジサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。図12は、この発明の実施の形態に従う評価サブルーチンを示すフローチャートである。図9〜図12に示す各ステップは、ゲーム装置10のCPU34が本実施の形態に従うゲームプログラムを実行することで提供される。
【0147】
図13〜図21は、この発明の実施の形態に従う対戦型ゲームにおける表示部における出力例を示す図である。
【0148】
図9および図10を参照して、まず、ユーザがゲーム装置10に対して所定の操作を行うことで、本実施の形態に従う対戦型ゲームのゲーム進行が開始される。なお、ユーザが、図4〜図6に示すような、複数のゲーム装置10の間でデータ交換を行ないながら本ゲームを進行するプレイ形態を選択した場合には、本ゲームへの参加者を募集するための処理が実行される。
【0149】
また、本ゲームにおいては、複数のキャラクタから任意のキャラクタをプレイヤとして選択できるようになっており、CPU34は、本ゲームへ参加するプレイヤ毎に指定もしくはランダムに決定したキャラクタを設定する。
【0150】
ゲーム進行が開始されると、CPU34は、まず、参加しているプレイヤの間のプレイ順序を決定する(ステップS2)。続いて、CPU34は、ゲーム終了条件の判断に利用する「残りターン」に初期値を設定する(ステップS4)とともに、参加しているプレイヤ別にジャッジ処理を行うことのできる回数を示す「ジャッジ可能回数」にそれぞれ初期値を設定する(ステップS6)。なお、ステップS4において、「残りターン」に設定される初期値としては、参加しているユーザあたり10ターン程度とすることが好ましい。すなわち、参加しているプレイヤが4であれば、「残りターン」の初期値として「40ターン」が設定される。また、「ジャッジ可能回数」としては、各プレイヤあたり「2回」程度とすることが好ましい。
【0151】
続いて、CPU34は、各プレイヤに対して、用意されている複数の種類のうちランダムに抽出して得られる2種類の駒を当該プレイヤの担当駒として設定する(ステップS8)。すなわち、CPU34は、各プレイヤに対して、3種類以上の駒(配置オブジェクト)の一部を抽出して得られる少なくとも2種類の駒を当該プレイヤの担当駒(担当オブジェクト)として設定する担当オブジェクト設定部として機能する。
【0152】
さらに、CPU34は、用意されている複数の駒についての累積値の初期値をランダムに設定し(ステップS10)、予め定められた増減量が定義されている数字カードのセットに対してランダムに番号付けを行うことで山札を決定し(ステップS12)、決定した山札に従って、それぞれのプレイヤへの数字カードを配分し(ステップS14)、そして、それぞれのプレイヤへトリックカードを配分する(ステップS16)。すなわち、CPU34は、配置フィールド100における駒(配置オブジェクト)の累積値に対する増減量が定義された数字カード(増減オブジェクト)を各プレイヤに対して少なくとも1つ配分する配分部として機能するとともに、数字カード(増減オブジェクト)に加えて、ゲーム進行上の特殊処理の内容が定義されたトリックカード(特殊オブジェクト)を各プレイヤに対して配分する特殊オブジェクト配分部として機能する。
【0153】
上述のような初期処理が完了すると、CPU34は、プレイ順序の第1番目に設定されているプレイヤに対してターンを設定する(ステップS18)。そして、CPU34は、自装置の表示部(第1LCD12および第2LCD14)および(必要に応じて)他のゲーム装置10の表示部に、本ゲームに係る初期画面を表示させる(ステップS20)。
【0154】
図13には、ステップS20において表示される初期画面の一例を示す。図13には、プレイヤ1として参加しているユーザが操作するゲーム装置10−1、およびプレイヤ2として参加しているユーザが操作するゲーム装置10−2にそれぞれ表示される初期画面の一例を示す。なお、図13には、説明の便宜上、ゲーム装置10−1および10−2の第1LCD12および第2LCD14にそれぞれ表示される画像全体(スクリーンショット)を一体的に縦に並べて描いており、後述する図14〜図21についても同様である。
【0155】
図13に示すように、ゲーム装置10−1で表示されるプレイヤ1用の初期画面においては、紙面下側に位置する第2LCD14に、配置フィールド100における駒の配置状態が視覚的に表示されるとともに、プレイヤ1についてのプレイヤ情報110が表示される。また、紙面上側に位置する第1LCD12に、本ゲームに参加している他のプレイヤ2,3,4のそれぞれについてのプレイヤ情報120,130,140が表示されるとともに、各種のゲーム進行に係るメッセージを通知するためのインジケータ210が表示される。さらに、第1LCD12には、本ゲームの終了条件の1つである残りターンの数を示すテキスト212も表示される。
【0156】
一方、ゲーム装置10−2で表示されるプレイヤ2用の初期画面においても、紙面下側に位置する第2LCD14に、配置フィールド100における駒の配置状態が視覚的に表示される。この第2LCD14には、プレイヤ2についてのプレイヤ情報120が表示される。また、紙面上側に位置する第1LCD12に、本ゲームに参加している他のプレイヤ1,3,4のそれぞれについてのプレイヤ情報110,130,140が表示されるとともに、各種のゲーム進行に係るメッセージを通知するためのインジケータ220が表示される。さらに、第1LCD12には、本ゲームの終了条件の1つである残りターンの数を示すテキスト222も表示される。
【0157】
図13に示すように、CPU34は、3種類以上の駒(配置オブジェクト)についてのそれぞれの累積数を表示する累積数表示部として機能する。また、プレイヤ情報110,120,130,140として図示されるように、CPU34は、各プレイヤに配分された数字カードの内容を他のプレイヤに識別可能な態様で表示する増減オブジェクト表示部として機能する。
【0158】
さらに、ゲーム装置10−1で表示されるプレイヤ1用の初期画面におけるプレイヤ情報110、および、ゲーム装置10−2で表示されるプレイヤ2用の初期画面におけるプレイヤ情報120からも明らかなように、それぞれのプレイヤに設定された担当駒のうち、自プレイヤに設定された担当駒の種類のみを識別可能な態様で表示するとともに、他プレイヤに設定された担当駒の種類については識別不能な態様で表示される。
【0159】
図9および図10に戻って、CPU34は、ジャッジサブルーチンを実行する(ステップS22)。このジャッジサブルーチンは、上述したジャッジ処理を行うためのサブルーチンである。このジャッジサブルーチンの詳細については、図11および図13〜図17を参照して後述する。
【0160】
ジャッジサブルーチンの実行後、CPU34は、現在のターンに設定されているプレイヤからいずれかのカードを選択するための指示を受けたか否かを判断する(ステップS24)。上述したように、CPU34は、ユーザのプレイ形態に応じて、自装置を操作するユーザからの入力部を介した指示、他のゲーム装置10を操作するユーザからの指示、自装置においてプログラムの実行により提供される仮想的なプレイヤからの指示のいずれかを受ける。この処理は、以下に示す他の指示についても同様である。
【0161】
現在のターンに設定されているプレイヤからカードを選択するための指示を受けていない場合(ステップS24においてNOの場合)には、ステップS24の処理が繰返される。これに対して、現在のターンに設定されているプレイヤからカードを選択するための指示を受けた場合(ステップS24においてYESの場合)には、CPU34は、選択されたカードがトリックカードであるか否かを判断する(ステップS26)。
【0162】
図18および図19には、ステップS26〜S38において表示される操作画面の一例を示す。この図18および図19に示す操作画面には、プレイヤ情報110内に複数のカード(この例では、「+1」,「−2」,「+1」という3枚の数字カードと、「§」が記された1枚のトリックカード)が一覧表示されており、ユーザは、スティック等26のタッチによってカードを選択する。すなわち、数字カード(増減オブジェクト)およびトリックカード(特殊オブジェクト)は、プレイヤに対して任意に選択可能に表示される。
【0163】
また、ゲーム装置10−1および10−2では、それぞれインジケータ210および220内に「紳士さんのターンです」という、現在のターンがプレイヤ1に設定されていることを示すメッセージが表示される。
【0164】
図9および図10に戻って、選択されたカードがトリックカードである場合(ステップS26においてYESの場合)には、CPU34は、現在のターンに設定されているプレイヤに対応付けられているトリックカードの情報を削除する(ステップS28)。そして、CPU34は、ステップS28において選択されたトリックカードに定義されている特殊処理を実行する(ステップS30)。上述したように、トリックカードには、数字カードで実行可能な機能とは異なる機能が定義されており、このトリックカードが実行されることで、たとえば、配置フィールド100上のすべての駒についての積算値が1個ずつ増加または減少する。そして、処理はステップS24に戻る。
【0165】
これに対して、選択されたカードがトリックカードではない場合(ステップS26においてNOの場合)、すなわち数字カードが選択された場合には、CPU34は、現在のターンに設定されているプレイヤから配置フィールド100上のいずれかの種類の駒を選択するための指示を受けているか否かを判断する(ステップS32)。すなわち、CPU34は、各プレイヤに配分されている数字カード(増減オブジェクト)のうちいずれか1つに対する選択を受付けるとともに、配置フィールド100上の駒(配置オブジェクト)のうちいずれか1つに対する選択を受付ける。
【0166】
現在のターンに設定されているプレイヤからいずれかの種類の駒を選択するための指示を受けていない場合(ステップS32においてNOの場合)には、ステップS32の処理が繰返される。これに対して、現在のターンに設定されているプレイヤからいずれかの種類の駒を選択するための指示を受けた場合(ステップS32においてYESの場合)には、CPU34は、配置フィールド100上の選択された種類の駒についての積算値を選択された数字カードに定義されている数だけ増加または減少させる(ステップS34)。すなわち、CPU34は、選択された配置フィールド100上の駒(配置オブジェクト)についての累積値を選択された数字カード(増減オブジェクト)に定義されている数だけ増加または減少させる。
【0167】
再度図19を参照して、たとえば、プレイヤ1として参加しているユーザが、ゲーム装置10−1においてスティック26等で「+1」が表示された数字カードをタッチし、続いて、第1駒101の列に対応する位置をタッチしたとする。すると、第1駒101の累積値が「2個」から「3個」に更新される。
【0168】
図9および図10に戻って、CPU34は、現在のターンに設定されているプレイヤに対応付けられている、ステップS32において選択された数字カードの情報を削除し(ステップS36)、ステップS12において決定されている山札に従って、現在のターンに設定されているプレイヤに対して新たな数字カードを補充する(ステップS38)。
【0169】
このように、CPU34は、入力部を介した指示および他のプレイヤからの指示の少なくとも一方に応じて、指定された種類の駒(配置オブジェクト)についての累積数を更新する累積数更新部として機能する。
【0170】
続いて、CPU34は、いずれかの駒についての累積数が所定数に達したか否かを判断する(ステップS40)。すなわち、ゲーム終了条件は、少なくとも1種類の駒(配置オブジェクト)についての累積数が所定数に達したことを含み、CPU34は、ゲーム終了条件が満たされた否かを判断するゲーム終了判断部として機能する。
【0171】
いずれかの駒についての累積数が所定数に達した場合(ステップS40においてYESの場合)には、CPU34は、現在のターンに設定されているプレイヤに対応付けて、ゴールボーナスを加算する(ステップS42)。続いて、CPU34は、評価サブルーチンを実行する(ステップS44)。この評価サブルーチンでは、本ゲームに参加しているプレイヤを評価するための処理が実行される。すなわち、CPU34は、ゲーム終了条件が満たされたと判断された場合に、各プレイヤについて、当該プレイヤに対して担当駒として設定されている、配置フィールド100上の駒(配置オブジェクト)についてのそれぞれの累積数に基づいて評価する評価部として機能する。なお、この評価サブルーチンの詳細については、図12および図20を参照して後述する。
【0172】
これに対して、いずれかの駒についての累積数が所定数に達していない場合(ステップS40においてNOの場合)には、CPU34は、現在の残りターンの数を1だけ減じる(ステップS46)。そして、CPU34は、更新後の残りターンの数がゼロであるか否かを判断する(ステップS48)。すなわち、ゲーム終了条件は、配置フィールド100における駒の累積値の更新の回数が所定数(ターン数)に達したことを含み、CPU34は、ゲーム終了条件が満たされた否かを判断するゲーム終了判断部として機能する。
【0173】
更新後の残りターンの数がゼロではない場合(ステップS48においてNOの場合)には、CPU34は、先のターンに設定されていたプレイヤの次のプレイ順序に対応するプレイヤに対して新たにターンを設定する(ステップS50)。そして、ステップS22以降の処理が繰返される。すなわち、複数のプレイヤは、所定のプレイ順序に従って、配置フィールド100上の駒(配置オブジェクト)についての選択および数字カード(増減オブジェクト)についての選択を交互に行う。
【0174】
なお、ステップS50において、次のプレイ順序に対応するプレイヤに対してターンが移ると、CPU34は、自装置の表示部および(必要に応じて)他のゲーム装置10の表示部に対して、表示されている画面を更新するための情報を出力する。
【0175】
更新後の残りターンの数がゼロである場合(ステップS48においてYESの場合)には、CPU34は、いずれかのプレイヤについてのジャッジ可能回数がゼロ以外の値となっているか否かを判断する(ステップS52)。すべてのプレイヤについてのジャッジ可能回数がゼロである場合(ステップS52においてNOの場合)には、CPU34は、評価サブルーチンを実行する(ステップS44)。
【0176】
これに対して、いずれかのプレイヤについてのジャッジ可能回数がゼロ以外の値となっている場合(ステップS52においてYESの場合)には、CPU34は、ジャッジ可能回数がゼロ以外の値となっているプレイヤを抽出し(ステップS54)、抽出したプレイヤのうち第1番目のプレイヤについて、エキストラターンとして、ジャッジサブルーチンを実行する(ステップS56)。このジャッジサブルーチンの実行後、CPU34は、ステップS54において抽出したプレイヤのうちジャッジサブルーチンが未実行であるプレイヤが残っているか否かを判断する(ステップS58)。
【0177】
ジャッジサブルーチンが未実行であるプレイヤが残っている場合(ステップS58においてYESの場合)には、CPU34は、残りのプレイヤについて、エキストラターンとして、ジャッジサブルーチンを実行する(ステップS56)。
【0178】
これに対して、ジャッジサブルーチンが未実行であるプレイヤが残っていない場合(ステップS58においてNOの場合)には、CPU34は、評価サブルーチンを実行する(ステップS44)。
【0179】
さらに、評価サブルーチンの実行後(ステップS44の後)、CPU34は、ゲーム終了が指示されたか否かを判断する(ステップS62)。ゲーム終了が指示されていない場合(ステップS62においてNOの場合)には、ステップS2以降の処理が繰返される。これに対して、ゲーム終了が指示された場合(ステップS62においてYESの場合)には、本ゲームに係る処理は終了する。
【0180】
(ジャッジサブルーチン)
図11を参照して、まず、ジャッジ処理の実行を要求したプレイヤについての現在のジャッジ可能回数を取得し(ステップS100)、取得した現在のジャッジ可能回数がゼロとなっているか否かを判断する(ステップS102)。
【0181】
取得した現在のジャッジ可能回数がゼロとなっている場合(ステップS102においてYESの場合)には、CPU34は、ジャッジ処理の実行を要求したプレイヤに対して、ジャッジ可能回数が残っていないことを示すメッセージを表示する(ステップS104)。すなわち、CPU34は、ジャッジ処理の実行済回数が所定数に達したユーザについては、ジャッジ処理における指定の受付けを不能動化する不能動化部として機能する。そして、処理はリターンする。
【0182】
これに対して、取得した現在のジャッジ可能回数がゼロにはなっていない場合(ステップS102においてNOの場合)には、CPU34は、現在のターンに設定されているプレイヤに対して、ジャッジ処理を行うか否かの判断を促すメッセージを表示する(ステップS106)。
【0183】
再度図13を参照して、現在のターンに設定されているプレイヤ1に対応するゲーム装置10−1では、インジケータ210内に「ジャッジを行いますか?」というメッセージが表示されるとともに、ユーザがジャッジ処理の実行の意思を入力するためのボタン252および254が選択可能に表示される。また、インジケータ210内には、プレイヤ1についての、現在のジャッジ可能回数が「(残り2回)」といった形で表示される。プレイヤ1として本ゲームに参加しているユーザがスティック26等で「はい」ボタン252をタッチすると、ジャッジ処理の実行が指示され、一方、「いいえ」ボタン254をタッチすると、ジャッジ処理のキャンセルが指示される。
【0184】
なお、現在のターンに設定されていないプレイヤ2に対応するゲーム装置10−2には、インジケータ220内に「紳士さんはジャッジを行うか考えています」という、プレイヤ1の状態を通知するメッセージが表示される。
【0185】
図11に戻って、CPU34は、ジャッジ処理の実行が指示されたか否かを判断する(ステップS108)。すなわち、CPU34は、「はい」ボタン252および「いいえ」ボタン254(図13)のいずれが選択されたか否かを判断する。ジャッジ処理の実行がキャンセルされた場合、すなわち「いいえ」ボタン254が選択された場合(ステップS108においてNOの場合)には、処理はリターンする。
【0186】
これに対して、ジャッジ処理の実行が指示された場合、すなわち「はい」ボタン252が選択された場合(ステップS108においてYESの場合)には、CPU34は、本ゲームに参加しているプレイヤの数が3以上であるか否かを判断する(ステップS110)。本ゲームに参加しているプレイヤの数が3以上である場合(ステップS110においてYESの場合)には、CPU34は、ジャッジ処理の対象とするプレイヤを選択するための指示を受けたか否かを判断する(ステップS112)。ジャッジ処理の対象とするプレイヤを選択するための指示を受けていない場合(ステップS112においてNOの場合)には、ステップS112の処理が繰返される。
【0187】
図14には、ステップS112において表示される操作画面の一例を示す。現在のターンに設定されているプレイヤ1に対応するゲーム装置10−1では、ジャッジ処理の対象とする他のプレイヤの一覧を示す選択画像272,273,274が選択可能に一覧表示される。なお、選択画像272,273,274の各々には、対応するプレイヤのキャラクタ画像とともに、プレイヤ名が表示される。また、ゲーム装置10−1では、ジャッジ処理の中止を指示するためのボタン256についても選択可能に表示される。プレイヤ1として本ゲームに参加しているユーザが、選択画像272,273,274のいずれかをスティック26等でタッチすると、タッチされた選択画像に対応するプレイヤをジャッジ処理の対象とするための選択が指示される。あるいは、当該ユーザが「キャンセル」ボタン256をタッチすると、ジャッジ処理のキャンセルが指示される。
【0188】
なお、ゲーム装置10−1では、インジケータ210内に「誰の色をジャッジしますか?」という、ジャッジ処理の対象の選択を促すメッセージが表示される。一方、ゲーム装置10−2では、インジケータ220内に「紳士さんはジャッジを行おうとしています」という、プレイヤ1の状態を通知するメッセージが表示される。さらに、ゲーム装置10−1および10−2では、ジャッジ処理を行おうとしているプレイヤを示すキャラクタ画像260も表示される。
【0189】
なお、本ゲームに参加しているプレイヤが2である場合、すなわち1対1の対戦形態のときは、ステップS112の処理および図14に示される画面表示を省略できる。1対1の対戦の場合は、ジャッジ処理の対象とするプレイヤは、自身でない他のプレイヤに、一意的に決定されるからである。
【0190】
図11に戻って、ジャッジ処理の対象とするプレイヤを選択するための指示を受けた場合(ステップS112においてYESの場合)には、CPU34は、選択されたプレイヤに設定されている担当駒がジャッジ処理の成功によって2つとも既に明らかになっているか否かを判断する(ステップS114)。この判断処理は、設定されている担当駒がいずれも明らかになっている場合には、当該プレイヤに対するジャッジ処理を行う必要がないので、このような場合に、ジャッジ処理を不能動化するためのものである。
【0191】
選択されたプレイヤに設定されている担当駒がジャッジ処理の成功によって2つとも既に明らかにはなっていない場合(ステップS114においてNOの場合)には、CPU34は、選択されたプレイヤに設定されている担当駒とは異なる駒がジャッジ処理の失敗によって3つとも既に明らかになっているか否かを判断する(ステップS116)。本実施の形態においては、配置フィールド100上の駒が5種類しか存在しないので、設定されている担当駒とは異なる3つの担当駒が明らかになることで、実質的に、設定されている担当駒が明らかになる。そのため、この判断処理は、このような状況下において、ジャッジ処理が成功することによるジャッジボーナスが加算されることを排除するためのものである。
【0192】
選択されたプレイヤに設定されている担当駒とは異なる駒がジャッジ処理の失敗によって3つとも既に明らかにはなっていない場合(ステップS116においてNOの場合)には、CPU34は、今回のジャッジが選択されたプレイヤに対して通算で3回目のジャッジとなるか否かを判断する(ステップS117)。
【0193】
選択されたプレイヤに設定されている担当駒がジャッジ処理の成功によって2つとも既に明らかになっている場合(ステップS114においてYESの場合)、選択されたプレイヤに設定されている担当駒とは異なる駒がジャッジ処理の失敗によって3つとも既に明らかになっている場合(ステップS116においてYESの場合)、または、今回のジャッジが選択されたプレイヤに対して通算で3回目のジャッジとなる場合(ステップS117においてYESの場合)には、CPU34は、ジャッジ処理の実行を要求したプレイヤに対して、選択されたプレイヤに対してはジャッジを行うことができないことを示すメッセージを表示する(ステップS118)。そして、処理はリターンする。なお、ステップS118の実行後、ステップS112に示すジャッジ処理の対象とするプレイヤを選択するための判断処理を再度実行するようにしてもよい。
【0194】
なお、本実施の形態において、参加しているプレイヤの数が3以上である場合には、配置フィールド100上には、6種類以上の駒を配置することが好ましい。これは、以下の理由によるものである。
【0195】
すなわち、本実施の形態においては、各プレイヤには2種類の担当駒が割当てられることになっており、かつ、各プレイヤに対して3回のジャッジ失敗が許容される(被失敗許容数が3回に設定されている)ことになっている(図11のステップS116において判断される)。そのため、配置フィールド100上に配置される駒を5種類とした場合には、あるプレイヤに対するジャッジが3回失敗した時点で、残りの2種類の駒が当該プレイヤの担当駒であるということが、ジャッジが成功していなくとも、事実上判明してしまう。そこで、配置フィールド100上に配置される駒を6種類以上にすることで、あるプレイヤに対するジャッジを3回失敗しても、残りの3種類の駒から当該プレイヤの2つの担当駒を推測しなければならないので、ジャッジが全く成功していないにもかかわらず、ある各プレイヤの担当駒が事実上判明してしまうという事態を防ぐことができる。なお、この場合には、あるプレイヤに対してジャッジを行うことができる回数(以下、「被ジャッジ可能回数」とも称す。)は、ジャッジの失敗数が3回に達する、または、ジャッジの成功数が2回に達するまでは、4回までに設定される。
【0196】
上述のような内容を一般化すると、あるプレイヤに対して割当てられる担当駒をa種類とし、被失敗許容数をb回とすると、配置フィールド100上に配置されるべき駒の種類の数は、「a+b+1」以上の値に設定されることが好ましい。また、1人のプレイヤに対してジャッジを行うことができる回数(被ジャッジ可能回数)は、「a+b−1」以下の値を設定することができる。すなわち、本実施の形態において参加しているプレイヤの数が3以上である場合には、aの値が「2」、bの値が「3」に設定されるため、配置フィールド100上に配置される駒の種類の数は「6」以上が好ましい。このとき、被ジャッジ可能回数は、「4」以下に設定できる。また、2人のプレイヤが1対1で対戦する形態の場合には、aの値が「2」、bの値が「2」に設定されるため、配置フィールド100上に配置される駒の種類の数は「5」以上が好ましい。このとき、被ジャッジ可能回数は、「3」以下に設定できる。したがって、上述した本実施の形態においては、配置フィールド100上に配置される駒の種類は「5」種類に設定されており、かつ、被ジャッジ可能回数は「2」回に設定されている。
【0197】
言い換えれば、配置フィールド100上に「a+b+1」種類(本実施の形態では「5」種類)の駒が配置されている場合には、あるプレイヤに着目した場合、他のプレイヤから合計で、「a+b−1」回以下(たとえば、「3」回以下。本実施の形態では「2」回に設定されている。)のジャッジを受けてもよいことなる。但し、あるプレイヤに設定されているa種類(本実施の形態では「2」種類)の担当色がいずれも明らかになっている場合には、当該プレイヤに対するジャッジは許可されない。また、あるプレイヤに対するジャッジ失敗がb回(本実施の形態では「2」回)になっている場合にも、当該プレイヤに対するジャッジは許可されない。
【0198】
本ゲームに参加しているプレイヤの数が3以上ではない場合(ステップS110においてNOの場合)、または、選択されたプレイヤに対する今回のジャッジが通算で3回目のジャッジではない場合(ステップS117においてNOの場合)には、CPU34は、現在のターンに設定されているプレイヤから駒の種類を選択するための指示を受けたか否かを判断する(ステップS120)。
【0199】
これは、本実施の形態においては、一例としてジャッジ可能回数が初期値(最大値)として「2」に設定されるので、本ゲームに参加しているプレイヤが2である場合、すなわち、1対1の対戦形態である場合には、3回目のジャッジ処理というものが存在しない。そのため、ステップS114における判断処理は常に成立しない(NOとなる)。したがって、1対1の対戦形態である場合には、ステップS114の判断処理をスキップできる。また、同様の理由で、ステップS116における判断処理は常に成立しない(NOとなる)。したがって、ジャッジ可能回数が「2」であり、かつ、1対1の対戦形態である場合のように、1人のプレイヤに対してのジャッジ回数が、担当駒の数も被失敗許容数も超えることがない場合には、ステップS116の判断処理についてもスキップできる。
【0200】
現在のターンに設定されているプレイヤから駒の種類を選択するための指示を受けていない場合(ステップS120においてNOの場合)には、ステップS120の処理が繰返される。すなわち、CPU34は、特定のプレイヤに設定されている担当駒(担当オブジェクト)の種類についての指定を受付ける担当オブジェクト種類指定部として機能する。
【0201】
図15には、ステップS120において表示される操作画面の一例を示す。現在のターンに設定されているプレイヤ1に対応するゲーム装置10−1では、配置フィールド100のそれぞれの列に対応付けて、5種類の駒が任意に選択可能になっている。ここで、プレイヤ1として参加しているユーザは、ジャッジ処理の対象として指定したプレイヤの担当駒であると推定した駒に対応する列を、スティック26等でタッチすることで、対応する駒の種類の選択が指示される。なお、当該ユーザが「キャンセル」ボタン256をタッチすると、ジャッジ処理のキャンセルが指示される。
【0202】
なお、ゲーム装置10−1では、インジケータ210内に「何色だとジャッジしますか?」という、駒の種類の選択を促すメッセージが表示される。一方、ゲーム装置10−2では、インジケータ220内に「紳士さんは色を考えています」という、プレイヤ1の状態を通知するメッセージが表示される。さらに、ゲーム装置10−1および10−2では、ジャッジ処理を行おうとしているプレイヤを示すキャラクタ画像260に加えて、ジャッジ処理の対象として指定されたプレイヤを示すキャラクタ画像262が表示される。
【0203】
図11に戻って、現在のターンに設定されているプレイヤから駒の種類を選択するための指示を受けた場合(ステップS120においてYESの場合)には、CPU34は、ジャッジ処理の実行を要求したプレイヤについての現在のジャッジ可能回数を1だけ減じる(ステップS122)。すなわち、CPU34は、プレイヤ別に、ジャッジ処理の実行を行った回数を検出する回数検出部として機能する。そして、CPU34は、選択されたプレイヤに対してジャッジした回数を積算する(ステップS123)。すなわち、CPU34は、上述のステップS117における被ジャッジ可能回数に達したか否かを判断するためのジャッジの実行回数を積算する。さらに、CPU34は、ジャッジ対象のプレイヤに設定されている担当駒を取得し(ステップS124)、ステップS120において選択された担当駒の種類が、ステップS124において取得されたジャッジ対象のプレイヤに設定されている担当駒の種類と一致しているか否かを判断する(ステップS126)。すなわち、CPU34は、指定された担当駒(担当オブジェクト)の種類が当該特定のプレイヤに設定されている担当オブジェクトの種類と一致しているか否かを判断する一致判断部として機能する。そして、CPU34は、ジャッジ処理における判断結果に基づいてもプレイヤ間の評価を行う。
【0204】
選択された担当駒の種類がジャッジ対象のプレイヤに設定されている担当駒の種類と一致した場合(ステップS126においてYESの場合)には、CPU34は、ジャッジ処理が成功したことを示すメッセージを表示する(ステップS128)。続いて、CPU34は、ジャッジ処理の成功により、ジャッジ対象のプレイヤに設定されている担当駒のうちその種類が判明したものを、他のプレイヤに識別可能な態様に表示変更する(ステップS130)。すなわち、CPU34は、ジャッジ処理において指定された駒の種類が設定されている担当駒の種類と一致していると判断された場合に、当該ジャッジ処理の対象となったプレイヤに設定されている担当駒を他のプレイヤに対して識別不能な態様から識別可能な態様に表示を変更する。
【0205】
さらに、CPU34は、ジャッジ処理を実行したプレイヤに対応付けて、ジャッジボーナスを加算する(ステップS132)。すなわち、CPU34は、ジャッジ処理において指定された駒の種類が担当駒の種類が一致していると判断された場合に、ジャッジ処理についての指定を与えたプレイヤをジャッジ処理の対象となったプレイヤに対して相対的に高い評価を与える。そして、処理はリターンする。
【0206】
これに対して、選択された担当駒の種類がジャッジ対象のプレイヤに設定されている担当駒の種類と一致しなかった場合(ステップS126においてNOの場合)には、CPU34は、ジャッジ処理が失敗したことを示すメッセージを表示する(ステップS134)。続いて、CPU34は、ジャッジ処理の失敗により、ジャッジ対象のプレイヤに設定されている担当駒とは異なる駒の種類であることが判明したものを、他のプレイヤに識別可能な態様に表示変更する(ステップS136)。
【0207】
さらに、CPU34は、ジャッジ処理の対象となったプレイヤに対応付けて、フェイクボーナスを加算する(ステップS138)。すなわち、CPU34は、ジャッジ処理において指定された駒の種類が担当駒の種類が一致していないと判断された場合に、ジャッジ処理の対象となったプレイヤをジャッジ処理についての指定を与えたプレイヤに対して相対的に高い評価を与える。そして、処理はリターンする。
【0208】
再度図15を参照して、たとえば、プレイヤ1として参加しているユーザが、スティック26等で第5駒105の列に対応する位置をタッチしたとすると、ゲーム装置10−1およびゲーム装置10−2には、図16(A)に示すような操作画面が表示される。すなわち、図16(A)に示す操作画面では、ジャッジ処理を行おうとしているプレイヤを示すキャラクタ画像260およびジャッジ処理の対象として指定されたプレイヤを示すキャラクタ画像262が表示されるとともに、ジャッジ処理される選択された駒の種類を示す吹出しオブジェクト264が表示される。すなわち、ジャッジ処理中であることを示す演出が行われる。
【0209】
そして、選択された担当駒の種類がジャッジ対象のプレイヤに設定されている担当駒の種類と一致すると、ゲーム装置10−1およびゲーム装置10−2には、図16(B)に示すような「正解だよ」という吹出しオブジェクト266が表示される。すなわち、ジャッジ処理が成功したことを示す演出が行われる。さらに、ジャッジ処理が成功した場合には、ゲーム装置10−1には、図17(A)に示すような操作画面が表示される。この操作画面では、ジャッジ処理の対象となったプレイヤ4に関連付けられているプレイヤ情報140において、成功情報145にジャッジ処理により明らかになった担当駒の種類が表示される。
【0210】
これに対して、選択された担当駒の種類がジャッジ対象のプレイヤに設定されている担当駒の種類と一致しないと、ゲーム装置10−1およびゲーム装置10−2には、図16(C)に示すような「違うよ」という吹出しオブジェクト268が表示される。すなわち、ジャッジ処理が失敗したことを示す演出が行われる。さらに、ジャッジ処理が失敗した場合には、ゲーム装置10−1には、図17(B)に示すような操作画面が表示される。この操作画面では、ジャッジ処理の対象となったプレイヤ4に関連付けられているプレイヤ情報140において、失敗情報146にジャッジ処理により担当駒ではないと明らかになった駒の種類が表示される。
【0211】
(評価サブルーチン)
図12を参照して、まず、CPU34は、本ゲームに参加している第1番目のプレイヤを対象に設定する(ステップS200)。続いて、CPU34は、対象のプレイヤに設定されているそれぞれの担当駒についての累積値を取得し(ステップS202)、取得したそれぞれの累積値の少なくとも一方がゼロであるか否かを判断する(ステップS204)。
【0212】
取得したそれぞれの累積値の少なくとも一方がゼロである場合(ステップS204においてYESの場合)には、CPU34は、通常得点をゼロとする(ステップS206)。すなわち、CPU34は、各プレイヤについて、設定されている担当駒についての累積数の少なくとも一方が所定のしきい値以下である場合に、対応の評価値を最低点とする。
【0213】
これに対して、取得したそれぞれの累積値がいずれもゼロではない場合(ステップS204においてNOの場合)には、CPU34は、それぞれの担当駒についての累積値の間の差(絶対値)を通常得点とする(ステップS208)。このとき、CPU34は、各プレイヤに対して、担当駒として設定されているそれぞれの駒についての累積値の間の差が大きいほどより高い評価値を算出する。
【0214】
ステップS206またはステップS208の実行後、CPU34は、「通常得点」、「ゴールボーナス」、「ジャッジボーナス」および「フェイクボーナス」の合計を最終得点として算出する(ステップS210)。すなわち、CPU34は、各プレイヤについて評価値を算出する評価値算出部として機能する。
【0215】
その後、CPU34は、本ゲームに参加しているすべてのプレイヤについての最終得点の算出が完了したか否かを判断する(ステップS212)。本ゲームに参加しているすべてのプレイヤについての最終得点の算出が完了していない場合(ステップS212においてNOの場合)には、CPU34は、本ゲームに参加している次のプレイヤを対象に設定する(ステップS214)。そして、ステップS202以降の処理が繰返される。
【0216】
これに対して、本ゲームに参加しているすべてのプレイヤについての最終得点の算出が完了した場合(ステップS212においてYESの場合)には、CPU34は、算出した各プレイヤの最終得点およびその得点明細を示す結果画面を、自装置の表示部および(必要に応じて)他のゲーム装置10の表示部に表示させる(ステップS216)。
【0217】
図20には、ステップS216において表示される操作画面の一例を示す。この図20に示す操作画面には、プレイヤ1〜4についての評価値情報310,320,330,340が表示される。これらの評価値情報310,320,330,340の各々は、対応するプレイヤについて算出された最終得点を示す数値355を含む。さらに、評価値情報310,320,330,340の各々は、数値355の内訳である、「通常得点」を示す数値351と、「ゴールボーナス」を示す数値352と、「ジャッジボーナス」を示す数値353と、「フェイクボーナス」を示す数値354とを含む。
【0218】
さらに、図20に示す操作画面には、最終得点に基づいて判断された勝敗を示すオブジェクト356が対応するキャラクタに関連付けて表示される。一例として、図20には、本ゲームに参加したプレイヤのうち、最終得点の最も高いプレイヤを勝利者として、「Win」と示されたオブジェクト356が表示される。
【0219】
図12に戻って、CPU34は、各プレイヤの最終得点に基づいて、本ゲームに参加しているプレイヤ間での勝敗を決定し(ステップS218)、その勝敗の結果を自装置の表示部および(必要に応じて)他のゲーム装置10の表示部に表示させる(ステップS220)。すなわち、CPU34は、各プレイヤの評価値に基づいて、複数のプレイヤ間での勝敗を決定する勝敗決定部として機能する。そして、処理はリターンする。
【0220】
(途中経過表示)
なお、本実施の形態に従う対戦型ゲームの進行中において、ゲーム装置10の操作スイッチ22のうち特定のもの(典型的には、動作スイッチ22Lまたは22R)が選択されることで、ゲーム装置10には、図21に示すような、プレイヤ情報110,120,130,140に代えて、それぞれプレイヤ情報110A,120A,130A,140Aが表示される。
【0221】
図21に示すこれらのプレイヤ情報110A,120A,130A,140Aは、対応するプレイヤに対する他のプレイヤからのジャッジ処理の結果および現時点での最終得点を含む。すなわち、プレイヤ情報110A,120A,130A,140Aの各々においては、対応するプレイヤに対するジャッジ処理が成功したことによって、当該プレイヤに設定されていた設定駒であることが明らかになっている状態、および、対応するプレイヤに対するジャッジ処理が失敗したことによって、当該プレイヤに設定されてない設定駒であることが明らかになっている状態が識別可能な態様で表示される。
【0222】
また、プレイヤ情報110A,120A,130A,140Aの各々は、対応するプレイヤについてのジャッジボーナスを示すアイコン180を含む。すなわち、各プレイヤ情報に含まれるアイコン180は、ジャッジ可能回数の初期値である「2」に対応して2つのカード形状の画像が表示されるとともに、左側のカード形状の画像には1回目のジャッジにおいて得たジャッジボーナス、右側のカード形状の画像には2回目のジャッジにおいて得たジャッジボーナスを表すように表示形態が変更される。たとえば、1回目のジャッジに成功してジャッジボーナスを2点得た場合は、左側のカード形状の画像は「2」を表す形態で表示される。また、2回目のジャッジに失敗した場合は、ジャッジボーナスは0点なので、右側のカード形状の画像は「0」を表す形態で表示される。
【0223】
<他のゲーム装置との間のデータ遣り取り>
上述の図8に示すように、本実施の形態においては、1つのホストプロセス340に対して、本ゲームに参加している複数のプレイヤにそれぞれ対応付けたクライエントプロセス341〜344が実行され、これらのプロセス間でデータが遣り取りされる。以下、これらのデータの遣り取りについて、図22を参照して説明する。
【0224】
図22は、この発明の実施の形態に従うゲーム進行に係るデータシーケンスを示す模式図である。本実施の形態に従う対戦型ゲームにおいては、それぞれのプレイヤに対して「ターン」が所定のプレイ順に設定される。そのため、図22においては、ホストプロセス340に対する、ターンに設定されているクライエントプロセスとターンに設定されていないクライエントプロセスとに区別してデータの遣り取りを説明する。
【0225】
図22を参照して、本ゲームが開始されると、まず(1)初期処理が実行される。この初期処理は、図9に示すフローチャートのステップS2〜S16などの処理に対応する。この初期処理において、ホストプロセスは、すべてのクライエントプロセスに対して、各プレイヤの担当駒を通知する(シーケンスSQ402)。続いて、ホストプロセスは、すべてのクライエントプロセスに対して、各プレイヤへの数字カード、および、各プレイヤへのトリックカードを通知する(シーケンスSQ404)。さらに、ホストプロセスは、すべてのクライエントプロセスに対して、配置フィールドの駒の初期配置情報を通知する(シーケンスSQ406)。
【0226】
初期処理が終了すると、ゲーム進行を開始するための、(2)ターン開始処理が実行される。このターン開始処理は、図9に示すフローチャートのステップS18などの処理に対応する。このターン開始処理において、ホストプロセスは、第1番目にターンが設定されるべきクライエントプロセスに対して、ターン設定を通知する(シーケンスSQ408)。
【0227】
続いて、各プレイヤの1ターン分の処理に相当する、(3)ジャッジ処理、および、(4)駒配置処理が開始される。このジャッジ処理は、図9に示すフローチャートのステップS22ならびに図11に示すジャッジサブルーチンなどの処理に対応する。また、駒配置処理は、図9および図10に示すフローチャートのステップS24〜S46などの処理に対応する。
【0228】
対応のユーザがジャッジ処理の実行を指示した場合には、ターンに設定されているクライエントプロセスは、ホストプロセスに対してジャッジ処理の実行要求を通知する(シーケンスSQ410)。すると、ホストプロセスは、ターンに設定されていないクライエントプロセスに対して、ターンに設定されているプレイヤがジャッジ処理中であることを示すメッセージを通知する(シーケンスSQ412)。
【0229】
さらに、対応のユーザ操作に応じて、ターンに設定されているクライエントプロセスは、ホストプロセスに対して選択されたプレイヤを通知する(シーケンスSQ414)。すると、ホストプロセスは、ターンに設定されていないクライエントプロセスに対して、選択されたプレイヤを示すメッセージを通知する(シーケンスSQ416)。なお、1対1の対戦形態の場合は、ユーザ操作に応じることなく自動的にジャッジ対象のプレイヤを選択し、かつ自動的に選択されたプレイヤを通知するようにしてもよい。
【0230】
さらに、対応のユーザ操作に応じて、ターンに設定されているクライエントプロセスは、ホストプロセスに対して選択された駒の種類を通知する(シーケンスSQ418)。すると、ホストプロセスは、ターンに設定されていないクライエントプロセスに対して、選択された駒を示すメッセージを通知する(シーケンスSQ420)。続いて、ホストプロセスは、すべてのクライエントプロセスに対して、ジャッジ処理の結果を通知する(シーケンスSQ422)。
【0231】
一方、対応のユーザがジャッジ処理の実行を指示しなかった場合、または、途中でジャッジ処理をキャンセルした場合には、ターンに設定されているクライエントプロセスは、ホストプロセスに対してジャッジ処理の非選択を通知する(シーケンスSQ424)。すると、ホストプロセスは、ターンに設定されていないクライエントプロセスに対して、ジャッジ処理が選択されなかったことを示すメッセージを通知する(シーケンスSQ426)。
【0232】
続いて、(4)駒配置処理が実行される。この駒配置処理においては、対応のユーザ操作に応じて、ターンに設定されているクライエントプロセスは、ホストプロセスに対して選択された数字カードを通知する(シーケンスSQ428)。すると、ホストプロセスは、ターンに設定されていないクライエントプロセスに対して、選択された数字カードを示すメッセージを通知する(シーケンスSQ430)。
【0233】
さらに、対応のユーザ操作に応じて、ターンに設定されているクライエントプロセスは、ホストプロセスに対して選択された駒の種類を通知する(シーケンスSQ432)。すると、ホストプロセスは、ターンに設定されていないクライエントプロセスに対して、選択された駒の種類を示すメッセージを通知する(シーケンスSQ434)。続いて、ホストプロセスは、すべてのクライエントプロセスに対して、配置フィールドの駒の更新後の配置情報を通知する(シーケンスSQ436)。さらに、ホストプロセスは、すべてのクライエントプロセスに対して、補充された数字カードを通知する(シーケンスSQ438)。
【0234】
ゲーム終了条件が満たされるまで、上述の(2)ターン開始処理、(3)ジャッジ処理、および(4)駒配置処理が繰返し実行される。
【0235】
ゲーム終了条件が満たされた後、エキストラターンが存在していれば、(2)ターン開始処理および(3)ジャッジ処理と同様の処理が実行される。
【0236】
その後、(6)評価処理が実行される。この評価処理においては、ホストプロセスは、すべてのクライエントプロセスに対して、評価結果を通知する(シーケンスSQ440)。
【0237】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0238】
10 ゲーム装置、16 ハウジング、16a 上側ハウジング、16b 下側ハウジング、20a,20b 音抜き孔、20c マイク孔、22 操作スイッチ、22a 方向指示スイッチ、22b スタートスイッチ、22c セレクトスイッチ、22d〜22h,22L,22R 動作スイッチ、23 内側カメラ、24 タッチパネル、25 外側カメラ、26 スティック、28 カートリッジ、29 メモリカード、30 挿入部、32,33 コネクタ、34 CPU、36 スピーカ、36a 右スピーカ、36b 左スピーカ、38 電子回路基板、40 バス、48 I/F回路、50 LCDコントローラ、52,54 VRAM、56 レジスタ、58 無線通信部、SRV サーバ。
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数のプレイヤが参加可能な対戦型ゲームを提供するためのゲームプログラム、ゲーム装置、およびゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンピュータを用いて対戦型ゲームを提供するプログラムが知られている。たとえば、非特許文献1には、コンピュータを用いて対戦型のボードゲームを提供する一例が開示されている。非特許文献1には、いわゆる「五目並べ」の一種であり、先手は黒石、後手は白石を交互に盤上に並べ、縦、横、斜めのいずれかに5個連続して石を並べた側が勝つというボードゲームが開示されている。
【0003】
また、特開平9−290041号公報(特許文献1)には、盤上に敷き詰められた正三角形の上に対戦者双方が駒を配置し、正三角形4個からなる大きな正三角形や、正三角形3個からなる台形を5個組合せて作る正六角形などを決まり手とするボードゲームが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−290041号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】“Virtual Console(バーチャルコンソール)五目ならべ連珠”、任天堂株式会社、[online]、[平成21年4月14日検索]、インターネット<URL:http://www.nintendo.co.jp/wii/vc/vc_go/vc_go_02.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、非特許文献1および特許文献1に開示されるボードゲームにおいては、各プレイヤに割当てられた1種類の駒を予め定義されたフィールド上に配置するものであり、フィールド上に配置できる駒の種類を多くすることはできない。そのため、駒を配置できる自由度はそれほど大きくなく、ゲーム上の戦略性に乏しく、ユーザに飽きられやすいという課題があった。
【0007】
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、興趣性や戦略性に富んだ新規のゲームプログラム、ゲーム装置、およびゲームシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の第1の局面に従えば、入力手段および表示手段を有するゲーム装置において複数のプレイヤが参加可能な対戦型ゲームを提供するためのゲームプログラムを提供する。本ゲームプログラムは、ゲーム装置を、3種類以上の配置オブジェクトについてのそれぞれの累積数を表示する累積数表示手段、各プレイヤに対して、3種類以上の配置オブジェクトの一部を抽出して得られる少なくとも2種類の配置オブジェクトを当該プレイヤの担当オブジェクトとして設定する担当オブジェクト設定手段、入力手段を介した指示および他のプレイヤからの指示の少なくとも一方に応じて、指定された種類の配置オブジェクトについての累積数を更新する累積数更新手段、ゲーム終了条件が満たされた否かを判断するゲーム終了判断手段、および、ゲーム終了条件が満たされたと判断された場合に、各プレイヤについて、当該プレイヤに対して担当オブジェクトとして設定されている、少なくとも2種類の配置オブジェクトについてのそれぞれの累積数に基づいて評価する評価手段、として機能させる。
【0009】
第1の局面によれば、3種類以上の配置オブジェクト(典型的な実施の形態においては「駒」)のうちから少なくとも2種類の配置オブジェクトが各プレイヤの担当オブジェクトとして設定される。この条件下において、各プレイヤは、ゲーム終了条件が満たされると判断されるまで、3種類以上の配置オブジェクトのうち必要と考える配置オブジェクトの累積数を交互に変更する。そして、ゲーム終了時点において、それぞれのプレイヤは、各自に設定されている配置オブジェクトについての累積値に基づいて評価がなされる。言い換えれば、各プレイヤに設定されている担当オブジェクトとは異なる配置オブジェクトについての累積値は、評価として考慮されない。そのため、3種類以上の配置オブジェクトのうちいずれの累積値を変更するのかといったパターンにバリエーションを持たせることができる。そのため、戦略性に富み、飽きられ難い対戦型ゲームを提供することができる。
【0010】
この発明の好ましい第2の局面に従えば、ゲーム終了条件は、少なくとも1種類の配置オブジェクトについての累積数が所定数に達したことを含む。
【0011】
第2の局面によれば、ゲーム終了条件を各プレイヤの操作に関連付けることができる。そのため、例えば、自身に有利な状況のときは、特定の配置オブジェクトの累積値を増加させてゲームを早く終了させるような戦略をとることができる一方で、自身に不利な状況のときは、配置オブジェクトの累積値を減少させて、早期のゲーム終了を阻止するといった戦略をとることができる。このように、状況に応じて、各プレイヤにさまざまな手法を考えさせることができ、戦略性が増す。
【0012】
この発明の好ましい第3の局面に従えば、ゲーム終了条件は、累積数更新手段による更新の回数が所定数に達したことを含む。
【0013】
第3の局面によれば、全体として限られた操作回数以内で、より高い評価を得られるような最適な配置オブジェクトの累積パターンを、各プレイヤに思考させることができ、戦略性が増す。
【0014】
この発明の好ましい第4の局面に従えば、評価手段は、各プレイヤについて評価値を算出する評価値算出手段と、各プレイヤの評価値に基づいて、複数のプレイヤ間での勝敗を決定する勝敗決定手段とを含み、評価値算出手段は、各プレイヤに対して担当オブジェクトとして設定されている、少なくとも2種類の配置オブジェクトに含まれる第1および第2配置オブジェクトについて、第1配置オブジェクトの累積数と第2配置オブジェクトの累積数との間の差が大きいほどより高い評価値を算出する。
【0015】
第4の局面によれば、ゲーム終了時の担当オブジェクトの累積値についての差が評価および勝敗に影響するので、累積値の間の差が大きくなるような最適な配置オブジェクトの累積パターンを各プレイヤに思考させることができ、思考性および戦略性が増す。
【0016】
この発明の好ましい第5の局面に従えば、評価値算出手段は、各プレイヤについて、第1配置オブジェクトの累積数および第2配置オブジェクトの累積数の少なくとも一方が所定のしきい値以下である場合に、対応の評価値を最低値とする。
【0017】
第5の局面によれば、各プレイヤに設定されている担当オブジェクトの一つについての累積値を所定のしきい値(典型的な実施の形態においてはゼロ)を超えるようにする必要がある一方、より高い評価を得るためには、設定されている別の担当オブジェクトの一つについての累積値をより大きくする必要があるので、思考性と戦略性をさらに増すことができる。また、対戦相手の担当オブジェクトが判明した場合などには、その対戦相手の担当オブジェクトについての累積値を当該しきい値以下にすることで、当該対戦相手の評価を下げるように仕向けるといった戦略をとることもできる。そのため、対戦相手との駆け引きを行わせることもでき、戦略性が増す。
【0018】
この発明の好ましい第6の局面に従えば、累積数更新手段による累積数の更新処理の対象として、3種類以上の配置オブジェクトのいずれについても指定可能に構成される。
【0019】
第6の局面によれば、各プレイヤは、3種類以上の配置オブジェクトのうち任意の配置オブジェクトに対して、その累積値を更新することができる。そのため、ゲームの状況に応じて、その累積値を更新すべき配置オブジェクトを考える必要があるため、戦略性が増す。
【0020】
この発明の好ましい第7の局面に従えば、ゲームプログラムは、ゲーム装置を、配置オブジェクトの累積値に対する増減量が定義された増減オブジェクトを各プレイヤに対して少なくとも1つ配分する配分手段としてさらに機能させる。累積数更新手段は、各プレイヤに配分されている増減オブジェクトのうち少なくとも1つに対する選択を受付ける手段と、3種類以上の配置オブジェクトのうち少なくとも1つに対する選択を受付ける手段と、選択された配置オブジェクトについての累積値を選択された増減オブジェクトに定義されている数だけ増加または減少させる手段とを含む。
【0021】
第7の局面によれば、各プレイヤは、いずれの増減オブジェクトを選択するのか(すなわち、いずれの増減量を指示するのか)、および、いずれの配置オブジェクトに対して累積値を変更するのか、といった2つの自由度をもつ選択肢の中から、状況に応じた操作を考える必要があるため、より戦略性に富む。
【0022】
この発明の好ましい第8の局面によれば、複数のプレイヤは、所定順序に従って、配置オブジェクトについての選択および増減オブジェクトについての選択を行う。
【0023】
第8の局面によれば、各プレイヤは、所定順序に従って交互に配置オブジェクトの累積値を更新する操作を行うので、先に他のプレイヤが行った操作など考慮して、さまざまな方策を考える必要があるため、より戦略性に富む。
【0024】
この発明の好ましい第9の局面によれば、配分手段は、各プレイヤに配分した増減オブジェクトの内容を他のプレイヤに識別可能な態様で表示する増減オブジェクト表示手段を含む。
【0025】
第9の局面によれば、各プレイヤは、ある対戦相手による配置オブジェクトに対する操作と、対戦相手に配分されていた増減オブジェクトおよび操作前の配置オブジェクトについての累積値の状態とを鑑みて、対戦相手に設定されている担当オブジェクトを推定するといった駆け引きが要求される。そのため、より戦略性に富んだ対戦型ゲームを提供できる。
【0026】
この発明の好ましい第10の局面によれば、配分手段は、増減オブジェクトに加えて、ゲーム進行上の特殊処理の内容が定義された特殊オブジェクトを各プレイヤに対して配分する特殊オブジェクト配分手段を含み、増減オブジェクトおよび特殊オブジェクトは、プレイヤに対して任意に選択可能に表示される。
【0027】
第10の局面によれば、各プレイヤは、状況に応じて、増減オブジェクトおよび特殊オブジェクトを選択的に使用することができる。特に、配分される特殊オブジェクトの数が限られている場合などには、いずれのタイミングで特殊オブジェクトを使用するのが最適であるかといったことを思考する必要があるので、より戦略性に富む。
【0028】
この発明の好ましい第11の局面によれば、担当オブジェクト設定手段は、それぞれのプレイヤに設定した担当オブジェクトのうち、自プレイヤに設定した担当オブジェクトのみを識別可能な態様で表示するとともに、他プレイヤに設定した担当オブジェクトについては識別不能な態様で表示する担当オブジェクト表示手段を含む。
【0029】
第11の局面によれば、各プレイヤから見れば、対戦相手に設定されている担当オブジェクトを知ることはできないので、対戦相手の操作内容などに基づいて、対戦相手に設定されている担当オブジェクトを推測しつつ、ゲームを進行させる必要がある。そのため、より戦略性に富んだ対戦型ゲームを提供できる。
【0030】
この発明の好ましい第12の局面によれば、ゲームプログラムは、ゲーム装置を、特定のプレイヤに設定されている担当オブジェクトの種類についての指定を受付ける担当オブジェクト種類指定手段、および、当該指定された担当オブジェクトの種類が当該特定のプレイヤに設定されている担当オブジェクトの種類と一致しているか否かを判断する一致判断手段、としてさらに機能させ、評価手段は、一致判断手段による判断結果に基づいても評価を行う。
【0031】
第12の局面によれば、各プレイヤは、対戦相手の操作内容などに基づいて、対戦相手に設定されている担当オブジェクトを正しく推測できれば、より高い評価を得ることが期待できるので、さまざまな要因を考慮して、対戦相手に設定されている担当オブジェクトを推測しようとする。そのため、より思考性を高めた対戦型ゲームを提供できる。
【0032】
この発明の好ましい第13の局面によれば、評価手段は、一致判断手段によってオブジェクトの種類が一致していると判断された場合に、当該指定を与えたプレイヤを当該特定のプレイヤに対して相対的に高く評価する。
【0033】
第13の局面によれば、各プレイヤは、対戦相手に設定されている担当オブジェクトの種類を正しく推測することで、対戦相手に対してより優位な評価を得ることができるため、対戦相手に設定されている担当オブジェクトを推測しようとする。また、各プレイヤは、対戦相手に自身に設定されている担当オブジェクトの種類を見破られると、不利な評価が与えられてしまうため、対戦相手に対して自身の担当オブジェクトを推定されないような操作を行おうとする。そのため、より思考性を高めた対戦型ゲームを提供できる。
【0034】
この発明の好ましい第14の局面によれば、評価手段は、一致判断手段によってオブジェクトの種類が一致していないと判断された場合に、当該特定のプレイヤを当該指定を与えたプレイヤに対して相対的に高く評価する。
【0035】
第14の局面によれば、各プレイヤに設定されている担当オブジェクトの種類を対戦相手が誤って推定した場合には、当該プレイヤは、対戦相手に対してより優位な評価を得ることができる。そのため、各プレイヤは、対戦相手が自身に設定されている担当オブジェクトを誤って推定するように仕向けるといった戦略をとることもできる。そのため、対戦相手との駆け引きを行わせることもでき、戦略性が増す。
【0036】
この発明の好ましい第15の局面によれば、担当オブジェクト表示手段は、一致判断手段によってオブジェクトの種類が一致していると判断された場合に、当該特定プレイヤに設定されている担当オブジェクトを他のプレイヤに対して識別不能な態様から識別可能な態様に表示を変更する。
【0037】
第15の局面によれば、各プレイヤは、いずれかの対戦相手によって自身に設定されている担当オブジェクトの種類を見破られてしまうと、他のすべてのプレイヤに対してその内容が知られてしまうので、より高い評価を得る観点からは不利な状況となる。そのため、対戦相手に自身の担当オブジェクトの種類を見破られないように、さまざまな駆け引きが必要となるため、戦略性が増す。
【0038】
この発明の好ましい第16の局面に従えば、ゲームプログラムは、ゲーム装置を、プレイヤ別に、特定のプレイヤに設定されている担当オブジェクトの種類についての指定を受付けた回数を検出する回数検出手段、および、回数検出手段によって検出された回数が所定数に達したユーザについては、担当オブジェクト種類指定手段による指定の受付けを不能動化する不能動化手段、としてさらに機能させる。
【0039】
第16の局面によれば、各プレイヤは、担当オブジェクト種類指定手段による対戦相手についての担当オブジェクトの推定操作を限られた回数しか行うことができないので、いずれのタイミングで担当オブジェクトの推定操作を行うのが最適であるかといったことを思考する必要があるとともに、慎重さも要求されるので、より戦略性に富む。
【0040】
この発明の第17の局面に従えば、上述のこの発明の第1の局面に従うゲームプログラムと同様の特徴を有するゲーム装置を提供する。
【0041】
この発明の第18の局面に従えば、複数のプレイヤが参加可能な対戦型ゲームを提供するゲームシステムを提供する。本ゲームシステムは、第1プレイヤに関連付けられた、第1入力手段および第1表示手段を含む第1端末手段と、第2プレイヤに関連付けられた、第2入力手段および第2表示手段を含む第2端末手段と、3種類以上の配置オブジェクトについてのそれぞれの累積数を、第1および第2表示手段に表示させる累積数表示手段と、少なくとも第1および第2プレイヤの各々に対して、3種類以上の配置オブジェクトの一部を抽出して得られる少なくとも2種類の配置オブジェクトを当該プレイヤの担当オブジェクトとして設定する担当オブジェクト設定手段と、第1および第2入力手段の少なくとも一方を介した指示に応じて、指定された種類の配置オブジェクトについての累積数を更新する累積数更新手段と、ゲーム終了条件が満たされた否かを判断するゲーム終了判断手段と、ゲーム終了条件が満たされたと判断された場合に、各プレイヤについて、当該プレイヤに対して担当オブジェクトとして設定されている、少なくとも2種類の配置オブジェクトについてのそれぞれの累積数に基づいて評価する評価手段とを含む。
【0042】
第18の局面によれば、上述の第1の局面に従うゲームプログラムと同様の作用効果を得ることができる。
【0043】
この発明の好ましい第19の局面に従えば、本ゲームシステムは、第1表示手段において、第1プレイヤに設定された担当オブジェクトを識別可能な態様で表示するとともに、第2プレイヤに設定された担当オブジェクトを識別不能な態様で表示する第1担当オブジェクト表示手段と、第2表示手段において、第2プレイヤに設定された担当オブジェクトを識別可能な態様で表示するとともに、第1プレイヤに設定されたオブジェクトを識別不能な態様で表示する第2担当オブジェクト表示手段と、第1プレイヤからの、第2プレイヤに設定されている担当オブジェクトの種類についての指定を、第1入力手段を介して受付ける担当オブジェクト種類指定手段と、当該指定された担当オブジェクトの種類が第2プレイヤに設定されている担当オブジェクトの種類と一致しているか否かを判断する一致判断手段とをさらに含む。評価手段は、一致判断手段による判断結果に基づいても評価を行う。
【0044】
第19の局面によれば、上述の第11および第12の局面に従うゲームプログラムと同様の作用効果を得ることができる。
【0045】
この発明の好ましい第20の局面に従えば、第1および第2プレイヤを含む参加している複数のプレイヤは、ゲーム終了条件が満たされたと判断されるまで、配置オブジェクトについての累積数の更新に対する指示を所定順序に従って順次与える。
【0046】
第20の局面によれば、上述の第8の局面に従うゲームプログラムと同様の作用効果を得ることができる。
【0047】
上述の記載においては、本発明の理解を助けるために補足説明等を付したが、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【発明の効果】
【0048】
この発明のある局面によれば、興趣性や戦略性に富んだ新規のゲームプログラム、ゲーム装置、およびゲームシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】この発明の実施の形態に従うゲーム装置の外観を示す概略図である。
【図2】この発明の実施の形態に従うゲーム装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態に従う対戦型ゲームのプレイ形態の一例を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態に従う対戦型ゲームのプレイ形態の別の一例を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態に従う対戦型ゲームのプレイ形態のさらに別の一例を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態に従う対戦型ゲームのプレイ形態のさらに別の一例を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態に従う対戦型ゲームの概要を説明するための模式図である。
【図8】この発明の実施の形態に従うゲーム装置のCPUで実現される制御構造を示す模式図である。
【図9】この発明の実施の形態に従う対戦型ゲームを進行するための全体処理手順を示すフローチャート(その1)である。
【図10】この発明の実施の形態に従う対戦型ゲームを進行するための全体処理手順を示すフローチャート(その2)である。
【図11】この発明の実施の形態に従うジャッジサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図12】この発明の実施の形態に従う評価サブルーチンを示すフローチャートである。
【図13】この発明の実施の形態に従う対戦型ゲームにおける表示部における出力例(その1)を示す図である。
【図14】この発明の実施の形態に従う対戦型ゲームにおける表示部における出力例(その2)を示す図である。
【図15】この発明の実施の形態に従う対戦型ゲームにおける表示部における出力例(その3)を示す図である。
【図16】この発明の実施の形態に従う対戦型ゲームにおける表示部における出力例(その4)を示す図である。
【図17】この発明の実施の形態に従う対戦型ゲームにおける表示部における出力例(その5)を示す図である。
【図18】この発明の実施の形態に従う対戦型ゲームにおける表示部における出力例(その6)を示す図である。
【図19】この発明の実施の形態に従う対戦型ゲームにおける表示部における出力例(その7)を示す図である。
【図20】この発明の実施の形態に従う対戦型ゲームにおける表示部における出力例(その8)を示す図である。
【図21】この発明の実施の形態に従う対戦型ゲームにおける表示部における出力例(その9)を示す図である。
【図22】この発明の実施の形態に従うゲーム進行に係るデータシーケンスを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0051】
本発明に係るゲーム装置の代表例として、携帯型のゲーム装置10について説明する。ゲーム装置10は、入力手段(もしくは、入力部)および表示手段(もしくは、表示部)を有する。また、本発明に係るゲームプログラムの一例として、ゲーム装置10で実行されるプログラムについて説明する。なお、本発明に係るゲーム装置は、携帯型のゲーム装置に限定されることはなく、据置型のゲーム装置であってもよいし、本発明に係るゲームプログラムをインストールした汎用的なパーソナルコンピュータ、ワークステーション、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話などの携帯端末などであってもよい。すなわち、プロセッサによる処理が可能な情報処理装置であればどのような種類のものであってもよい。この場合、本発明に係るゲームプログラムを、これらの情報処理装置上で実行される各種アプリケーションの一部の機能として組込んでもよい。
【0052】
また、1台のゲーム装置などに、各々が入力部および表示部を有するコントローラを複数接続しておくことで、共通のゲーム装置を用いて複数のユーザが本発明に係る対戦型ゲームをプレイすることもできる。
【0053】
本発明に係るゲームプログラムは、一般的には、メモリカード、カートリッジ、DVD−ROMなどの磁気的、光学的、電子的に情報を記録する記録媒体に格納されて流通する。あるいは、ネットワーク上のサーバからゲーム装置などへ直接的もしくは間接的にダウンロードするような形態を採用することもできる。
【0054】
さらに、いわゆるアプリケーション・サービス・プロバイダ(ASP:Application Service Provider)により本ゲームのプレイ環境を提供してもよい。この場合には、ネットワーク上のサーバで本ゲームの提供するための処理を実行するとともに、各ユーザは、通信機能を搭載した任意の端末装置を操作して当該サーバにアクセスする。さらに進んで、いわゆるクラウドコンピューティング(Cloud Computing)技術を用いて、ネットワーク上の1台もしくは複数台のサーバによって本ゲームのプレイ環境を提供してもよい。
【0055】
<用語>
本明細書において「プレイヤ」とは、本発明に係る対戦型ゲームに参加する、何らかの意思を持った実体を意味する。すなわち、「プレイヤ」は、本ゲームに参加する各ユーザ自身の場合もあるし、ゲーム装置で実行されるゲームプログラムに従ってゲーム進行上の指示を発する仮想的なユーザの場合もある。
【0056】
<ゲーム装置の外部構成>
図1は、この発明の実施の形態に従うゲーム装置10の外観を示す概略図である。
【0057】
図1を参照して、ゲーム装置10は、表示部としての第1液晶表示器(LCD:Liquid Crystal Display;以下、単に「LCD」とも称す。)12および第2液晶表示器(LCD)14を含む。LCD12およびLCD14は、所定の位置関係をもつようにハウジング16に収納される。図1に示す例では、ハウジング16は、上側ハウジング16aと下側ハウジング16bとによって構成される。LCD12は、上側ハウジング16aに収納され、LCD14は、下側ハウジング16bに収納される。したがって、LCD12とLCD14とは縦(上下)方向に並ぶように近接して配置される。
【0058】
なお、本実施の形態においては、表示部としてLCDを用いるようにしてあるが、LCDに代えて、EL(Electronic Luminescence)ディスプレイやプラズマディスプレイなどを用いてもよい。
【0059】
図1に示すように、上側ハウジング16aは、LCD12の平面形状よりも少し大きな平面形状を有し、LCD12の表示面が露出されるように、一方の主面には開口部が設けられる。一方、下側ハウジング16bの平面形状およびサイズについても、上側ハウジング16aと同様に設計され、LCD14の表示面が露出されるように横方向の中央部には開口部が設けられる。
【0060】
上側ハウジング16aの一方の主面には、LCD12を挟んで両側に、右スピーカ36aおよび左スピーカ36b(図2参照)にそれぞれ対応する音抜き孔20aおよび20bが配置される。また、上側ハウジング16aの他方の主面には、ユーザから見た人物や風景などを撮像するための外側カメラ25が設けられる。
【0061】
上側ハウジング16aと下側ハウジング16bとの間では、上側ハウジング16aの下辺(下端)と下側ハウジング16bの上辺(上端)の一部とが回動可能に連結されている。たとえば、ゲーム装置10が使用されない場合には、LCD12の表示面とLCD14の表示面とが対面するように、上側ハウジング16aを相対回転させて折り畳んでおけば、LCD12の表示面およびLCD14の表示面が傷付くといった破損を防止することができる。なお、上側ハウジング16aと下側ハウジング16bとを回動可能に連結させる構成に代えて、その中に両者を一体的(固定的)に配置したハウジング16を用いてもよい。
【0062】
上側ハウジング16aと下側ハウジング16bとの連結部の中央には、マイク(図示せず)と連通するマイク孔20cおよびユーザなどを撮像するための内側カメラ23が設けられる。このマイクにより収集された音声に応じた音声データに基づいて、ゲーム進行を行うことも可能である。また、内側カメラ23によって撮像された画像データに基づくゲーム進行、および当該画像データの保存なども可能である。
【0063】
下側ハウジング16bには、操作スイッチ22(22a,22b,22c,22d,22e,22f,22g,22h,22L,22R)が設けられる。より具体的には、操作スイッチ22は、方向指示スイッチ(十字スイッチ)22aと、スタートスイッチ22bと、セレクトスイッチ22cと、動作スイッチ(Aボタン)22dと、動作スイッチ(Bボタン)22eと、動作スイッチ(Xボタン)22fと、動作スイッチ(Yボタン)22gと、電源スイッチ22hと、動作スイッチ(Lボタン)22Lと、動作スイッチ(Rボタン)22Rとを含む。
【0064】
方向指示スイッチ22aおよび電源スイッチ22hは、下側ハウジング16bの一方の主面上であって、LCD14の左側に配置される。その他のスイッチ22b〜22gは、下側ハウジング16bの同じ主面上であって、LCD14の右側に配置される。動作スイッチ22Lおよび22Rは、下側ハウジング16bの上端面の左角部および右角部にそれぞれ配置される。なお、動作スイッチ22Lおよび22Rは、下側ハウジング16bの背面に位置しており、図1のような正面視では連結部の背後に隠れているので破線で示されている。
【0065】
方向指示スイッチ22aは、デジタルジョイスティックとして機能し、4つの押圧部の1つが操作されることによって、ゲーム進行上において操作可能なプレイヤオブジェクト(または、キャラクタオブジェクト)の進行方向(または、移動方向)の指示を受付ける。あるいは、方向指示スイッチ22aは、カーソルの進行方向等の指示を受付ける。また、4つの押圧部の各々に対して特定の役割を割当てることもでき、この場合には、いずれかの押圧部が操作されると、当該操作された押圧部に対応する役割が指示(指定)される。
【0066】
スタートスイッチ22bは、プッシュボタンで構成され、ゲームの開始(再開)や一時停止(Pause)の指示を受付ける。セレクトスイッチ22cは、プッシュボタンで構成され、ゲームモードの選択等の指示を受付ける。
【0067】
動作スイッチ22d(Aボタン)は、プッシュボタンで構成され、プレイヤオブジェクトに対する、打つ(パンチ)、投げる、つかむ(取得)、乗る、ジャンプするなどの任意のアクションについての指示を受付ける。たとえば、アクションゲームにおいては、動作スイッチ22dを操作することで、ジャンプ、パンチ、武器を動かす等を指示することができる。また、ロールプレイングゲーム(RPG)やシミュレーションRPGにおいては、動作スイッチ22dを操作することで、アイテムの取得、武器/コマンドの選択および決定等を指示することができる。また、動作スイッチ22e(Bボタン)は、プッシュボタンで構成され、セレクトスイッチ22cで選択したゲームモードの変更や、先に決定されたアクションの取消操作などについての指示を受付ける。
【0068】
動作スイッチ22f(Xボタン)および動作スイッチ22g(Yボタン)は、いずれもプッシュボタンで構成され、動作スイッチ22d(Aボタン)および動作スイッチ22e(Bボタン)だけでは、ゲーム進行に支障をきたすような場合に、補助的な操作に用いられる。なお、動作スイッチ22f(Xボタン)および動作スイッチ22g(Yボタン)を、動作スイッチ22d(Aボタン)および動作スイッチ22e(Bボタン)と同様の操作を行うために使用するようにしてもよいし、あるいは、全く使用しないようにしてもよい。
【0069】
電源スイッチ22hは、ゲーム装置10の電源のON/OFFについての指示を受付ける。また、電源スイッチ22hは、ゲーム装置10で実行中のプログラムを停止して、メインメニューに戻るような操作を行うために使用してもよい。
【0070】
動作スイッチ22L(左押しボタン)および動作スイッチ22R(右押しボタン)は、いずれもプッシュボタンで構成され、それぞれ動作スイッチ22d(Aボタン)および動作スイッチ22e(Bボタン)に割当てられた操作と同様の操作についての指示を受付ける。あるいは、動作スイッチ22L(左押しボタン)および動作スイッチ22R(右押しボタン)を、動作スイッチ22d(Aボタン)および動作スイッチ22e(Bボタン)とは独立した補助的な操作に用いるようにしてもよい。
【0071】
また、LCD14の上表面には、タッチパネル24が設けられる。タッチパネル24としては、たとえば、抵抗膜方式、光学式(赤外線方式)、および静電容量結合式などの形式のものを用いることができる。タッチパネル24は、ユーザによるLCD14画面上の任意の位置(座標)に対する指示を受付けるためのポインティングデバイスである。ユーザがスティック(スタイラスペン)26または指(以下、これらを「スティック26等」とも称す。)を用いて、タッチパネル24の上表面を押圧したり、撫でたり、触れたりすると(以下、これらの操作を「タッチ操作」とも称す。)、タッチパネル24は、スティック26等によるタッチ操作がなされた位置の座標を検出して、当該検出座標に対応する座標データを出力する。
【0072】
なお、本実施の形態においては、LCD14(LCD12も同様)の表示面の解像度は、256dot×192dotであるとする。そのため、タッチパネル24の検出精度も表示画面に対応して256dot×192dotとしてあるが、タッチパネル24の検出精度は表示画面の解像度と必ずしも一致させる必要はない。
【0073】
このように、ゲーム装置10は、2画面分の表示部であるLCD12およびLCD14を有し、いずれか一方(本実施の形態では、LCD14)の上面にタッチパネル24が設けられるので、2つの表示画面と2系統の操作部とを有する構成になっている。
【0074】
なお、本実施の形態においては、LCD12とLCD14とを縦方向に並べて配置するようにしているが、2つのLCDの配置は適宜に変更され得る。他の実施の形態においては、LCD12とLCD14とを横方向に並べて配置するようにしてもよい。また、本実施の形態においては、2つのLCDを設けるようにしているが、表示部としてのLCDの数は適宜変更され得る。他の実施の形態においては、縦長形状の1つのLCDに対して上下方向に2つの表示領域を規定し、2つのゲーム画面をそれぞれ独立の表示領域として扱うようにしてもよい。あるいは、横長形状の1つのLCDに対して左右方向に2つの表示領域を規定し、2つゲーム画面をそれぞれ独立の表示領域として扱うようにしてもよい。
【0075】
また、スティック26は、たとえば下側ハウジング16bに設けられる収納部(図1では破線で示す)に収納することができ、必要に応じて取り出される。
【0076】
下側ハウジング16bの上端面には、カートリッジ28を装着するための挿入口30(図1では、一点鎖線で示している)が設けられている。この挿入口の内側には、ゲーム装置10とカートリッジ28とを電気的に接続するためのコネクタ32(図2参照)が設けられる。ゲーム装置10のCPU(Central Processing Unit)34(図2参照)は、コネクタ32を介して、カートリッジ28へアクセス可能となる。
【0077】
また、下側ハウジング16bの右端面には、メモリカード29を装着するための挿入口31(図1では、二点鎖線で示している)が設けられている。この挿入口の内側には、ゲーム装置10とメモリカード29とを電気的に接続するためのコネクタ33(図2参照)が設けられる。ゲーム装置10のCPU34(図2参照)は、コネクタ33を介して、メモリカード29へアクセス可能となる。
【0078】
カートリッジ28およびメモリカード29は、いずれもデータを不揮発的に記憶するという点では共通するが、原則として、カートリッジ28はゲーム装置10に専用化されたデバイスである一方、メモリカード29は汎用的なデバイスとなっている。典型的には、メモリカード29は、SD(Secure Digital)カードなどからなる。
【0079】
なお、図1には図示されていないが、下側ハウジング16bの裏面には、ゲーム装置10を駆動するためのバッテリを収納するためのボックスが設けられる。さらに、下側ハウジング16bの下端面には、ヘッドフォンなどを装着するためのジャックが設けられ、左側面には、ボリュームスイッチが設けられる。
【0080】
<ゲーム装置の内部構成>
図2は、この発明の実施の形態に従うゲーム装置10の内部構成を示すブロック図である。
【0081】
図2を参照して、ゲーム装置10は、回路コンポーネントが実装された電子回路基板38を含む。より具体的には、電子回路基板38は、コネクタ32および33と、CPU34と、RAM(Random Access Memory)42と、第1グラフィック処理ユニット(GPU:Graphic Processing Unit;以下、単に「GPU」とも称す。)44と、第2グラフィック処理ユニット(GPU)46と、入出カインターフェース回路(以下、単に「I/F回路」とも称す)48と、LCDコントローラ50と、無線通信部58とを含む。これらの各部は、バス40を介して互いにデータ伝送可能に構成される。さらに、電子回路基板38は、第1ビデオRAM(以下、単に「VRAM」とも称す。)52と、第2ビデオRAM(VRAM)54とを含む。
【0082】
コネクタ32には、上述したように、カートリッジ28が着脱自在に装着される。なお、カートリッジ28の構成については後述する。また、コネクタ33には、図1に示すようにメモリカード29が着脱自在に装着される。
【0083】
CPU34は、コネクタ32に接続されるカートリッジ28、コネクタ33に接続されるメモリカード29、図示しないゲーム装置10に内蔵の不揮発性メモリなどから、プログラム、画像データおよび音声データ等を読出してRAM42にロードする。すなわち、RAM42は、バッファメモリおよび/またはワーキングメモリとして使用される。そして、CPU34は、RAM42にロードしたプログラムを実行することで、情報処理の典型例として、本実施の形態に従う捕獲/育成ゲームなどを提供する。また、CPU34は、ゲーム進行に応じて、生成するデータ(キャラクタオブジェクト、キャラクタオブジェクトに係る各種データ、フラグデータ等)をRAM42に一時的に記憶する。
【0084】
GPU44およびGPU46の各々は、描画部の一部として機能し、典型的には、シングルチップASIC(Application Specific Integrated Circuit)で構成される。より具体的には、GPU44およびGPU46の各々は、CPU34から与えられるグラフィックスコマンド(作画命令)に従ってLCD12およびLCD14に表示すべき内容を示す画像データを生成する。なお、CPU34は、グラフィックスコマンドに加えて、画像データの生成に必要な画像生成プログラム(ゲームプログラムに含まれる)をGPU44およびGPU46にそれぞれ与えてもよい。
【0085】
VRAM52は、GPU44とLCDコントローラ50との間に接続され、VRAM54は、GPU46とLCDコントローラ50との間に接続される。VRAM52およびVRAM54の各々には、CPU34から書込まれる画像データを記憶する領域と、LCD12または14に与えられる描画データを記憶する領域(描画バッファ)とが設けられる。なお、描画バッファとしては、1画面分の描画データを蓄えるフレームバッファを採用してもよいし、あるいは、1ライン分の描画データを蓄えるラインバッファを採用してもよい。
【0086】
CPU34は、描画に必要な画像データをそれぞれGPU44およびGPU46を通じてVRAM52およびVRAM54の所定領域にそれぞれ書込む。GPU44は、VRAM52にアクセスしてCPU34によって書込まれた画像データを読出して、対応のLCDに表示すべき内容に応じた描画データを生成し、さらに、その描画データをVRAM52の描画バッファに書込む。同様に、GPU46は、VRAM54にアクセスしてCPU34によって書込まれた画像データを読出して、対応のLCDに表示すべき内容に応じた描画データを生成し、さらに、その描画データをVRAM54の描画バッファに書込む。
【0087】
LCDコントローラ50は、VRAM52およびVRAM54のそれぞれの描画バッファに記憶されている描画データを、LCD12およびLCD14へ選択的に出力する。より具体的には、LCDコントローラ50は、VRAM52およびVRAM54とLCD12およびLCD14との接続関係を示すデータを記憶するためのレジスタ56を含む。レジスタ56は、たとえば1ビットのフラグを記憶するように構成されており、CPU34の指示に応答して「0」または「1」のいずれかにセットされる。レジスタ56のフラグ値が「0」である場合には、LCDコントローラ50は、VRAM52に記憶されている描画データをLCD12へ出力し、VRAM54に記憶されている描画データをLCD14へ出力する。一方、レジスタ56のフラグ値が「1」である場合には、LCDコントローラ50は、VRAM52に記憶されている描画データをLCD14へ出力し、VRAM54に記憶されている描画データをLCD12へ出力する。このようにレジスタ56のフラグ値を適宜変更することで、LCD12およびLCD14に表示される内容を相互に入れ替えることができる。
【0088】
なお、本実施の形態においては、RAM42とは独立してVRAM52およびVRAM54を設ける構成について例示したが、RAM42の一部の領域をVRAM52およびVRAM54に相当する領域として用いるようにしてもよい。
【0089】
I/F回路48には、操作スイッチ22と、タッチパネル24と、内側カメラ23と、外側カメラ25と、右スピーカ36aと、左スピーカ36bとが接続される。
【0090】
操作スイッチ22は、上述したように、スイッチ22a,22b,22c,22d,22e,22f,22g,22L,22Rを含み、いずれかのスイッチが操作されると、対応する操作信号(操作データ)をI/F回路48を介してCPU34に与える。同様に、タッチパネル24は、ユーザのタッチ操作に応じて検出した座標データを、I/F回路48を介してCPU34に与える。内側カメラ23および外側カメラ25は、撮像により取得した画像データをI/F回路48を介してCPU34に与える。すなわち、操作スイッチ22およびタッチパネル24は、ユーザ操作を受付ける入力部として機能する。
【0091】
また、CPU34は、ゲーム音楽(BGM)、効果音、キャラクタオブジェクトの発声音(擬制音)といったゲームに必要な音声データを、ゲーム進行に応じてI/F回路48を介して右スピーカ36aおよび左スピーカ36bへ与える。すると、右スピーカ36aおよび左スピーカ36bからは、与えられた音声データに応じた音が出力される。なお、以下、単に「スピーカ36」とも称す。
【0092】
無線通信部58は、他のゲーム装置10や通信機器との間で無線によってデータを送受信する。ゲーム装置10は、この無線通信部58を介して図示しないネットワークに接続することが可能であり、ネットワーク上のサーバからプログラムやデータのダウンロード、当該サーバへのデータのアップロード、およびネットワークを通じた他のゲーム装置10との間の通信などが可能である。
【0093】
<プレイ形態>
図3〜図6は、この発明の実施の形態に従う対戦型ゲームのプレイ形態の一例を示す図である。
【0094】
図3には、1人のユーザが本実施の形態に従う対戦型ゲームをプレイする形態を示す。この場合には、ゲーム装置10内で他のプレイヤが仮想的に構成され、当該ユーザがゲーム装置10を操作することでゲームが進行する。言い換えれば、当該ユーザは、コンピュータを相手に本ゲームをプレイすることになる。
【0095】
図4には、2人のユーザが本実施の形態に従う対戦型ゲームをプレイする形態を示す。この場合には、それぞれのユーザが操作するゲーム装置10の間でデータ通信が行なわれることで、ゲーム進行に必要なデータが遣り取りされる。なお、本実施の形態に従う対戦型ゲームは、後述するように2人で対戦することも可能であるとともに、より多くのプレイヤが参加することも可能である。そのため、プレイヤが3以上である場合には、上述したように、いずれかのゲーム装置10内で仮想的にプレイヤが構成される。あるいは、図5に示すように、より多くのゲーム装置10を用いて、多人数のユーザが本ゲームをプレイすることもできる。この場合には、特定のゲーム装置10を「親機」とし、他のゲーム装置10が「子機」として全体としてのゲームを進行することが好ましい。
【0096】
なお、図4または図5に示すプレイ形態においては、すべてのゲーム装置10が本実施の形態に従うプログラムを保持していなくとも、「親機」となったゲーム装置10から他のゲーム装置10へ本実施の形態に従うプログラム自体を配信(ダウンロード)するようにしてもよい。
【0097】
さらに、図6に示すように、ネットワークを介して、遠隔地にいるユーザ間で本ゲームをプレイすることもできる。この場合には、それぞれのユーザが操作するゲーム装置10は、ネットワークNWへの無線通信を仲介するアクセスポイントAPを介して、ネットワークNW上のサーバSRVへアクセスする。そして、このサーバSRVにおいて、各ゲーム装置10からのデータに応じてゲームが進行する。
【0098】
さらに、図6と類似したネットワーク構成によって、サーバSRVから各ゲーム装置10に対して、本実施の形態に従うゲームプログラムを配信することもできる。
【0099】
なお、図4〜図6には、ゲーム装置10とゲーム装置10との間、または、ゲーム装置10とアクセスポイントAPとの間で、無線方式によってデータが遣り取りされる構成を例示したが、当然のことながら、有線方式を用いることもできる。
【0100】
<対戦型ゲームの概要>
図7は、この発明の実施の形態に従う対戦型ゲームの概要を説明するための模式図である。なお、図7には、プレイヤ数が4の場合の例を示すが、プレイヤ数は複数であればいずれの数であってもよい。
【0101】
(1)配置フィールド
図7を参照して、本実施の形態に従う対戦ゲームでは、配置フィールド100が仮想的に用意される。この配置フィールド100には、3種類以上(図7には5種類の例を示すが、5種類に限られるものではない)の配置オブジェクト(以下「駒」とも称す。)についてのそれぞれの累積数が表示される。すなわち、配置フィールド100には、5種類の駒をそれぞれ紙面横方向に累積的に配置することが可能になっており、この配置フィールド100に配列されたそれぞれの駒の数が累積数に相当する。なお、以下の説明では、それぞれの駒の種類を区別するために、「第1駒101」、「第2駒102」、「第3駒103」、「第4駒104」、「第5駒105」とも記す。なお、駒の種類を区別する表示形態として、図7には、各駒の表示模様を異ならせて表示する例を示すが、表示色・形・明度・サイズなどを異ならせて表示することで、その種別の差異を表現してもよい。
【0102】
この配置フィールド100では、各プレイヤからの指示に応じて、指定された種類の配置オブジェクト(駒)についての累積数が順次更新される。すなわち、それぞれのプレイヤは、所定のプレイ順序に従って、配分されている数字カードを選択するとともに、配置フィールド100上の駒の種類を選択することで、選択された種類の駒の累積値を当該選択した数字カードに定義されている数だけ増加または減少する。各プレイヤに配分される数字カードには、累積値を増加させるための「+1」や「+2」といった指示、または、累積値を減少させるための「−1」や「−2」といった指示が記されている。数字カードに定義されている増減量としては、「+3」,「+2」,「+1」,「−1」,「−2」の5種類が好ましいが、「+4」や「+5」といった増減量を採用してもよい。
【0103】
なお、それぞれのプレイヤに配分される数字カードの種類は、本ゲームの開始時にランダムに決定される山札150に従って決定される。より具体的には、本ゲームの開始時に、所定の増減量が定義されている数字カードのセットに対してランダムに番号付けが行なわれ、それぞれの数字カードに付与された番号に従って、それぞれのプレイヤに対して所定数の数字カードが配分される。
【0104】
参加しているすべてのプレイヤは、上述したような配置フィールド100上に配置されたいずれかの種類の駒についての累積値の増加または減少という動作を所定のプレイ順序に従って繰返す。すなわち、それぞれのプレイヤは、所定順序に従って、数字カードについての選択および配置フィールド100上の駒についての選択を行う。
【0105】
また、いずれかのプレイヤが配置フィールド100上の駒についての累積値を変更するために数字カードを使用すると、当該プレイヤに対して山札150から順に数字カードが補充される。なお、各プレイヤが配置フィールド100上の駒についての累積値を変更する動作を行う1単位を「ターン」とも称す。
【0106】
また、よりゲームの興趣性を高める観点からは、1回のゲーム中で実行可能な最大ターン数より多くの数字カードを山札150として用意しておくことが好ましい。たとえば、1回のゲーム中において、各プレイヤにつき10ターンずつの動作が可能であるとすると、2人のプレイヤで対戦する場合には、最大20枚の数字カードが必要となる。これに対して、山札150としては、30枚の数字カードのセットが用意される。言い換えれば、山札150として用意される30枚の数字カードのセットのうち、少なくともより下位の10枚はいずれのプレイヤにも配分されない。また、4人のプレイヤで対戦する場合には、最大40枚の数字カードが必要となるが、山札150としては60枚の数字カードのセットが用意される。
【0107】
したがって、予め用意された数字カードのセットのうち一部のみがプレイヤに配分されるので、各プレイヤに配分される数字カードのバリエーションが広がり、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0108】
ゲーム装置10内では、上述のようなそれぞれのプレイヤに配分されている数字カードの内容は、参加しているそれぞれのプレイヤに対応付けられているプレイヤ情報110,120,130,140として保持される。すなわち、プレイヤ情報110,120,130,140は、それぞれ数字カード情報111,121,131,141を含む。なお、プレイヤ情報110,120,130,140の内容は、本ゲームに参加しているすべてのプレイヤに対して提供されるため、各プレイヤに配分した数字カードの内容は、他のプレイヤに識別可能な態様で表示される。
【0109】
その後、配置フィールド100上における少なくとも1種類の駒についての累積数が所定数に達した場合、および/または、配置フィールド100上における駒の累積値の更新回数が所定数に達した場合に、本ゲームは終了する。すなわち、配置フィールド100上に累積的に配置されるいずれかの種類の駒が終了ライン108に到達した場合、および/または、それぞれのプレイヤによる所定ターン数が経過した場合に、ゲーム終了と判断される。
【0110】
上述の配置フィールド100上における少なくとも1種類の駒についての累積数が所定数(たとえば、「10」)に達した場合とは、たとえば、2種類の駒についての累積数がいずれも所定数に達しているような場合を含む。なお、数字カードには、累積値を増加または減少させるための複数種類の指示が定義されているため、数字カードに応じて変更された後の累積値がゲーム終了条件として設定された所定数と全く一致しない場合もある。たとえば、ある駒の累積値が「8」である場合に、いずれかのプレイヤが当該駒を選択して「+3」と定義された数字カードを使用した場合には、所定数である「10」を超えて「11」に変更されるが、この場合にも、「累積数が所定数に達した」とみなされて、ゲーム終了と判断してもよい。
【0111】
あるいは、配置フィールド100上における少なくとも1種類の駒が所定値と全く一致する場合に限って、ゲーム終了と判断してもよい。この場合には、プレイヤの数字カードの選択によって、ある駒の変更後の累積値が所定値を超える場合には、その超過分だけ累積数を減少させてもよい。たとえば、ある駒の累積値が「8」である場合に、いずれかのプレイヤが当該駒を選択して「+3」と定義された数字カードを使用した場合に、本来「8」から「11」に変更されるべきところを、所定数である「10」からの超過分である「1」だけ戻して、「9」に変更されるといった具合である。
【0112】
あるいは、配置フィールド100上における少なくとも1種類の駒が所定値と一致する場合に限って、ゲーム終了と判断してもよい。この場合には、プレイヤの数字カードの選択によって、ある駒の変更後の累積値が所定値を超える場合には、その超過分だけ累積数を減少させてもよい。たとえば、ある駒の累積値が「8」である場合に、いずれかのプレイヤが当該駒を選択して「+3」と定義された数字カードを使用した場合に、本来「8」から「11」に変更されるべきところを、所定数である「10」からの超過分である「1」だけ戻して、「9」に変更されるといった具合である。
【0113】
(2)駒配置および評価処理
本実施の形態に従う対戦型ゲームでは、ゲーム開始時に、各プレイヤに対して、用意されている駒の種類のうちランダムに抽出して得られる少なくとも2種類の駒を当該プレイヤの担当駒(担当オブジェクト)として予め設定される。以下の説明では、典型例として、各プレイヤに対して2種類の駒が担当駒として設定される場合について示す。
【0114】
上述のような条件が満たされてゲームが終了すると、各プレイヤについて、当該プレイヤに設定されている担当駒についての当該時点におけるそれぞれの累積値に基づいて、評価値が算出される。すなわち、担当駒は、各プレイヤに対して評価の対象となる駒の種類を定義するものである。より具体的には、一方の担当駒についての累積値と他方の担当駒についての累積値との差に依存して評価点が算出される。つまり、一方の担当駒についての累積値と他方の担当駒についての累積値との間の差が大きいほどより高い評価値が算出される。典型的には、それぞれの担当駒についての累積値の差(絶対値)が評価値として算出される。
【0115】
さらに、各プレイヤについての評価点を算出する際に、当該プレイヤに設定されている担当駒についてのそれぞれの累積値の少なくとも一部が所定しきい値以下である場合には、対応の評価値を最低値とすることが好ましい。典型的には、ゲーム終了時において、しきい値を「0」に設定する。本実施の形態においては、負の数の概念を採用していないため、各プレイヤのいずれかの担当駒についての累積値が「0」であるか、あるいは「1」以上であるかが判断される。各プレイヤのいずれかの担当駒についての累積値が「0」である場合には、評価値が「0」とされる。このような算出規則を採用することで、各プレイヤは、ゲーム終了までに、自身に設定されたすべての担当駒についての累積値が「0」より多くなるように数字カードおよび駒の種類を選択する必要があるとともに、担当駒についての累積値の差がより大きくなるように数字カードおよび駒の種類を選択する必要がある。このように、各プレイヤは、ある面においては互いに相反する内容を満たすような戦略を考える必要があり、より戦略性に富む対戦型ゲームを提供することができる。
【0116】
ここで、ゲーム開始時には、各プレイヤに対しては、それぞれのプレイヤに設定された担当駒のうち自身に設定されたものだけが識別可能な態様で表示され、他のプレイヤに設定された担当駒については識別不能な態様で表示される。
【0117】
したがって、後述するジャッジ処理が行なわれた場合を除いて、各プレイヤは他のプレイヤに設定された担当駒を知ることができない。そのため、各プレイヤは、さらに、他のプレイヤの動きなどに基づいて、当該他のプレイヤに設定されている担当駒を推定し、さまざまな戦略を考えて楽しむことができる。
【0118】
上述のような評価点の算出方法に代えて、それぞれの担当駒についての累積値の和を評価値としてもよいし、当該累積値の積を評価値としてもよい。さらに、3種類以上の駒を各プレイヤの担当駒として設定した場合には、それぞれの担当駒についての累積値におけるすべての組み合わせでの差を合算したものを評価値として算出してもよいし、担当駒についての累積値の最大値と最小値との差を評価値として算出してもよいし、担当駒についての上位2つの累積値の差を評価値として算出してもよいし、担当駒についての下位2つの累積値の差を評価値として算出してもよい。
【0119】
(3)ジャッジ処理および評価処理(その2)
ゲーム開始時には、他のプレイヤに設定されている担当駒は識別不能な態様で表示されるが、上述したように、各プレイヤは、自身に設定されている担当駒についての累積値の差がより大きくなるように数字カードおよび駒の種類を選択する。そのため、他のプレイヤから見れば、当該プレイヤに対していずれの種類の駒が担当駒として設定されているのかを推定できる場合がある。
【0120】
そこで、本実施の形態に従う対戦型ゲームにおいては、各プレイヤは、他のプレイヤに設定されている担当駒の種類を推定することができる。あるプレイヤが特定のプレイヤに設定されている担当駒の種類を推定すると、当該推定された担当駒の種類が指定先の特定のプレイヤに設定されている担当駒の種類と一致しているか否かが判断される。そして、プレイヤの評価値は、この判断結果(一致しているか、あるいは、不一致であるか)に基づいても算出される。このような、あるプレイヤが他のプレイヤに設定されている担当駒の種類を推定する処理を「ジャッジ処理」とも称す。
【0121】
より具体的には、プレイヤ情報110,120,130,140は、それぞれジャッジ情報114,124,134,144を含む。ジャッジ情報114は、プレイヤ1に対する他のプレイヤからのジャッジ処理が成功した情報を示す成功情報115と、プレイヤ1に対する他のプレイヤからのジャッジ処理が失敗した情報を示す失敗情報116とを含む。すなわち、成功情報115には、他のプレイヤからのジャッジ処理によって、プレイヤ1に対して設定されていることが判明した担当駒の種類が格納される。また、失敗情報116には、他のプレイヤからのジャッジ処理によって、プレイヤ1に対して設定されていないことが判明した担当駒の種類が格納される。他のジャッジ情報124,134,144についても同様である。また、これらのジャッジ情報114,124,134,144の内容は、他のプレイヤに識別可能な態様で表示される。
【0122】
すなわち、たとえば、プレイヤ1自身を表すプレイヤ情報110に含まれる成功情報115には、プレイヤ1自身の担当駒の種類が格納され、プレイヤ1自身にのみ識別可能な態様で表示される。さらに、プレイヤ1自身を表すプレイヤ情報110に含まれる失敗情報116には、他のプレイヤ(プレイヤ2〜プレイヤ4)がジャッジ処理を行ないプレイヤ1自身に設定されていないと判明した担当駒の種類が格納される。
【0123】
なお、図7には、成功情報115および失敗情報116の格納領域の数は、1プレイヤあたりそれぞれ2個および3個となっているが、この数は、担当駒の数および1プレイヤに対してジャッジの失敗が許容される回数(以下、「被失敗許容数」とも称す。)に従って適宜設定され得る。また、図7には、3個の格納領域を有する失敗情報116を例示しているが、2人のプレイヤによる1対1の対戦形態における場合には、被失敗許容数が2回となるので、失敗情報116の3番目の格納領域は使用されない。
【0124】
このジャッジ処理によって、あるプレイヤが推定した他のプレイヤの担当駒の種類と、実際に設定されている当該他のプレイヤの担当駒の種類とが一致した場合には、当該推定を行ったプレイヤが当該推定された他のプレイヤに対して相対的に高く評価される。より具体的には、当該推定を行ったプレイヤについての評価値に対して、ジャッジ処理が成功したことに起因するジャッジボーナスが追加される。あるいは、当該推定された他のプレイヤについての評価値から、担当駒の種類を指摘されたことに起因するペナルティポイントが減じられる。
【0125】
一方、このジャッジ処理によって、あるプレイヤが推定した他のプレイヤの担当駒の種類と、実際に設定されている当該他のプレイヤの担当駒の種類とが一致しなかった場合には、当該推定された他のプレイヤが当該推定を行ったプレイヤに対して相対的に高く評価される。より具体的には、当該推定された他のプレイヤについての評価値に対して、ジャッジ処理を失敗させたことに起因するフェイクボーナスが追加される。あるいは、当該推定を行ったプレイヤについての評価値から、担当駒の種類の指摘に失敗したことに起因するペナルティポイントが減じられる。
【0126】
なお、このようなジャッジ処理の結果は、すべての他のユーザに対して識別可能な態様で表示される。すなわち、あるプレイヤが推定した他のプレイヤの担当駒の種類と、実際に設定されている当該他のプレイヤの担当駒の種類とが一致した場合には、当該推定された他のプレイヤに設定されている担当駒が他のプレイヤに対して識別不能な態様から識別可能な態様に表示変更される。また、あるプレイヤが推定した他のプレイヤの担当駒の種類と、実際に設定されている当該他のプレイヤの担当駒の種類とが一致しなかった場合には、当該推定された他のプレイヤに対しては当該指定された担当駒が設定されていないことが識別可能な態様で表示される。
【0127】
また、それぞれのプレイヤがこのジャッジ処理を実行できる回数は所定数(たとえば、2回)に制限されている。すなわち、プレイヤ別に、ジャッジ処理が実行された回数が積算して管理されるとともに、積算されたジャッジの実行回数が所定数に達したユーザについては、ジャッジ処理が不能動化される。
【0128】
(4)トリックカード
本実施の形態に従う対戦型ゲームにおいては、各プレイヤに対して1つ以上の数字カードに加えて、ゲーム進行上の特殊処理の内容が定義された特殊オブジェクトであるトリックカードが配分される。したがって、各プレイヤは、配分された数字カードおよびトリックカードのうちから、ゲーム進行状況に応じて、必要と思うものを任意に選択することができる。
【0129】
より具体的には、プレイヤ情報110,120,130,140は、それぞれトリックカード情報112,122,132,142を含む。
【0130】
このようなトリックカードは、以下に述べるように複数種類のものを用意しておくことが好ましい。この場合には、各プレイヤが必要と思う種類のトリックカードを選択できるようにしてもよいし、複数の種類のトリックカードのうちからランダムに選択されたものを各プレイヤに配分するようにしてもよい。なお、各プレイヤが任意にトリックカードを選択できる場合には、ゲームの進行状況に応じて、選択可能なトリックカードの種類を変更するようにしてもよい。たとえば、各プレイヤの過去の勝利数や勝ち抜き数などが増加すると、より多くの種類のトリックカードが選択できるようにしてもよい。
【0131】
上述のようなトリックカードに定義される特殊処理としては、たとえば以下のようなものがある。
【0132】
・配置フィールド100上のすべての駒についての積算値を1個ずつ増加させる
・配置フィールド100上のすべての駒についての積算値を1個ずつ減少させる
・自プレイヤに設定されている担当駒の種類を変更する
・1つの数字カードで配置フィールド100上の複数の駒についての積算値を更新する
・所定ターン数が経過するまでの間、他のプレイヤに対して配置フィールド100上の駒に対して行った操作内容を隠す
・すべてのプレイヤに配分されている数字カードに定義されている増減量の符号を反転する
(5)全体進行
本実施の形態に従う対戦型ゲームの開始が指示されると、(a)プレイ順序の決定、(b)各プレイヤへの担当駒の設定、(c)配置フィールド100の初期設定、(d)山札の配列決定、(e)各プレイヤへの数字カード配分、(f)各プレイヤへのトリックカード配分、といった初期処理が実行される。なお、(c)配置フィールド100の初期設定のより具体的な処理内容としては、配置フィールド100におけるそれぞれの駒についての累積値の初期値がランダムに決定される。典型的には、ランダムに選択された2種類の駒について初期値を「2」に設定し、さらに残りの種類からランダムに選択された2種類の駒について初期値を「1」に設定し、残りの種類の駒について初期値を「0」に設定する。
【0133】
このような初期設定が完了すると、ゲーム終了条件が満たされるまで、参加しているプレイヤの間で所定のプレイ順序に従って操作が繰返される。たとえば、プレイヤ1→プレイヤ2→プレイヤ3→プレイヤ4の順で行なわれるとすると、操作権がこの順序で各プレイヤに順次割当てられる。
【0134】
まず、プレイヤ1に操作権が割当てられると、プレイヤ1に対して、ジャッジ処理を行うか否かの問合せが行なわれる。このとき、プレイヤ1がジャッジ処理の実行を選択すると、ジャッジ処理が実行される(手順1)。ジャッジ処理の完了後、プレイヤ1に対して、配置フィールド100上の駒についての累積値の増加または減少の操作が促される。これに対して、プレイヤ1は、予め設定されている担当駒の種類や配置フィールド100の状況を見ながら、自身の配分されている数字カードを指定するとともに、累積値を変更したい駒の種類を指定する(手順2)。この操作により、配置フィールド100上の駒についての累積値が更新される。プレイヤ1が数字カードを使用すると、(配分可能な数字カードが山札150に残っている場合には)山札150からプレイヤ1に対して数字カードが補充される(手順3)。その後、操作権は、プレイヤ1からプレイヤ2に移る。すなわち、プレイヤ1のターンが終了する。
【0135】
プレイヤ2に操作権が移ると、プレイヤ1についての処理と同様の処理が行なわれる。すなわち、まず、プレイヤ2に対して、ジャッジ処理を行うか否かの問合せが行なわれる。このとき、プレイヤ2がジャッジ処理の実行を選択すると、ジャッジ処理が実行される(手順4)。ジャッジ処理の完了後、プレイヤ2に対して、配置フィールド100上の駒についての累積値の増加または減少の操作が促される。これに対して、プレイヤ2は、予め設定されている担当駒の種類や配置フィールド100の状況を見ながら、自身の配分されている数字カードを指定するとともに、累積値を変更したい駒の種類を指定する(手順5)。この操作により、配置フィールド100上の駒についての累積値が更新される。プレイヤ2が数字カードを使用すると、(配分可能な数字カードが山札150に残っている場合には)山札150からプレイヤ2に対して数字カードが補充される(手順6)。その後、操作権は、プレイヤ2からプレイヤ3に移る。すなわち、プレイヤ2のターンが終了する。
【0136】
以下、同様にして、操作権がプレイヤ3およびプレイヤ4へ順次移って、一連の処理が完了すると、同様の順序で再度処理が繰返される。そして、ゲーム終了条件が満たされるまで、このような処理が繰返し実行される。
【0137】
さらに、ゲーム終了条件が満たされたと判断されると、本ゲームは終了し、それぞれのプレイヤについての評価値が算出され、プレイヤ間での勝敗が決定される。
【0138】
なお、配置フィールド100上における少なくとも1種類の駒についての累積数が所定数に達したことで本ゲームが終了した場合には、当該駒を終了ライン108に到達させたプレイヤの評価値に対して、ゴールボーナスを加算してもよい。
【0139】
また、ゲーム終了条件が満たされた後、いずれかのプレイヤについてジャッジ処理の実行済回数が所定数に達していない場合には、未実行分のジャッジ処理だけを行う、エキストラターンに突入してもよい。
【0140】
<制御構造>
図8は、この発明の実施の形態に従うゲーム装置10のCPU34で実現される制御構造を示す模式図である。なお、図8においては、プレイヤ1がゲーム装置10を操作するユーザであり、プレイヤ2が他のゲーム装置10を操作するユーザであり、プレイヤ3およびプレイヤ4がゲームプログラムに実現される仮想的なユーザであるとする。
【0141】
図8を参照して、本実施の形態に従うゲーム装置10のCPU34は、基本的な制御構造として、本ゲームを進行する処理を担当するホストプロセス340と、本ゲームに参加するそれぞれのプレイヤについての処理を担当するクライエントプロセス341,342,343,344とを実行する。より具体的には、ホストプロセス340は、上述した初期処理を実行し、続いて、クライエントプロセス341,342,343,344に対して操作権を順次割当てるとともに、操作権を有するクライエントプロセスからの指示に従って、ゲームを進行する。
【0142】
クライエントプロセス341は、ホストプロセス340が実行されているゲーム装置10の入力部(操作スイッチ22およびタッチパネル24)を介したユーザからの指示を受けて、ホストプロセス340に対してコマンドを発生するとともに、ホストプロセス340による処理結果を表示部(第1LCD12および第2LCD14)へ出力する。
【0143】
さらに、CPU34は、通信プロセス345および仮想プレイヤプロセス346,347を実行する。クライエントプロセス342は、通信プロセス345を利用して、他のゲーム装置10を操作するユーザからの指示を受信して、ホストプロセス340に対してコマンドを発生するとともに、ホストプロセス340による処理結果を当該他のゲーム装置10へ送信する。また、クライエントプロセス343および344は、それぞれ仮想プレイヤプロセス346および347からの指示を受けて、ホストプロセス340に対してコマンドを発生する。典型的には、クライエントプロセス343および344は、AI(人工知能)を利用したプログラムとして実現される。
【0144】
なお、クライエントプロセスは、本ゲームに参加するプレイヤの数に応じて必要な数だけ起動される。また、本ゲームに参加する他のプレイヤがいずれも他のゲーム装置10を操作するユーザである場合には、図8に示すような仮想プレイヤプロセスは起動されず、それに代えて、通信先のゲーム装置10の数に相当する数の通信プロセスが起動される。
【0145】
以下に説明する処理手順は、主として、ホストプロセス340における処理に含まれる。
【0146】
<処理手順およびユーザインターフェイス例>
図9および図10は、この発明の実施の形態に従う対戦型ゲームを進行するための全体処理手順を示すフローチャートである。図11は、この発明の実施の形態に従うジャッジサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。図12は、この発明の実施の形態に従う評価サブルーチンを示すフローチャートである。図9〜図12に示す各ステップは、ゲーム装置10のCPU34が本実施の形態に従うゲームプログラムを実行することで提供される。
【0147】
図13〜図21は、この発明の実施の形態に従う対戦型ゲームにおける表示部における出力例を示す図である。
【0148】
図9および図10を参照して、まず、ユーザがゲーム装置10に対して所定の操作を行うことで、本実施の形態に従う対戦型ゲームのゲーム進行が開始される。なお、ユーザが、図4〜図6に示すような、複数のゲーム装置10の間でデータ交換を行ないながら本ゲームを進行するプレイ形態を選択した場合には、本ゲームへの参加者を募集するための処理が実行される。
【0149】
また、本ゲームにおいては、複数のキャラクタから任意のキャラクタをプレイヤとして選択できるようになっており、CPU34は、本ゲームへ参加するプレイヤ毎に指定もしくはランダムに決定したキャラクタを設定する。
【0150】
ゲーム進行が開始されると、CPU34は、まず、参加しているプレイヤの間のプレイ順序を決定する(ステップS2)。続いて、CPU34は、ゲーム終了条件の判断に利用する「残りターン」に初期値を設定する(ステップS4)とともに、参加しているプレイヤ別にジャッジ処理を行うことのできる回数を示す「ジャッジ可能回数」にそれぞれ初期値を設定する(ステップS6)。なお、ステップS4において、「残りターン」に設定される初期値としては、参加しているユーザあたり10ターン程度とすることが好ましい。すなわち、参加しているプレイヤが4であれば、「残りターン」の初期値として「40ターン」が設定される。また、「ジャッジ可能回数」としては、各プレイヤあたり「2回」程度とすることが好ましい。
【0151】
続いて、CPU34は、各プレイヤに対して、用意されている複数の種類のうちランダムに抽出して得られる2種類の駒を当該プレイヤの担当駒として設定する(ステップS8)。すなわち、CPU34は、各プレイヤに対して、3種類以上の駒(配置オブジェクト)の一部を抽出して得られる少なくとも2種類の駒を当該プレイヤの担当駒(担当オブジェクト)として設定する担当オブジェクト設定部として機能する。
【0152】
さらに、CPU34は、用意されている複数の駒についての累積値の初期値をランダムに設定し(ステップS10)、予め定められた増減量が定義されている数字カードのセットに対してランダムに番号付けを行うことで山札を決定し(ステップS12)、決定した山札に従って、それぞれのプレイヤへの数字カードを配分し(ステップS14)、そして、それぞれのプレイヤへトリックカードを配分する(ステップS16)。すなわち、CPU34は、配置フィールド100における駒(配置オブジェクト)の累積値に対する増減量が定義された数字カード(増減オブジェクト)を各プレイヤに対して少なくとも1つ配分する配分部として機能するとともに、数字カード(増減オブジェクト)に加えて、ゲーム進行上の特殊処理の内容が定義されたトリックカード(特殊オブジェクト)を各プレイヤに対して配分する特殊オブジェクト配分部として機能する。
【0153】
上述のような初期処理が完了すると、CPU34は、プレイ順序の第1番目に設定されているプレイヤに対してターンを設定する(ステップS18)。そして、CPU34は、自装置の表示部(第1LCD12および第2LCD14)および(必要に応じて)他のゲーム装置10の表示部に、本ゲームに係る初期画面を表示させる(ステップS20)。
【0154】
図13には、ステップS20において表示される初期画面の一例を示す。図13には、プレイヤ1として参加しているユーザが操作するゲーム装置10−1、およびプレイヤ2として参加しているユーザが操作するゲーム装置10−2にそれぞれ表示される初期画面の一例を示す。なお、図13には、説明の便宜上、ゲーム装置10−1および10−2の第1LCD12および第2LCD14にそれぞれ表示される画像全体(スクリーンショット)を一体的に縦に並べて描いており、後述する図14〜図21についても同様である。
【0155】
図13に示すように、ゲーム装置10−1で表示されるプレイヤ1用の初期画面においては、紙面下側に位置する第2LCD14に、配置フィールド100における駒の配置状態が視覚的に表示されるとともに、プレイヤ1についてのプレイヤ情報110が表示される。また、紙面上側に位置する第1LCD12に、本ゲームに参加している他のプレイヤ2,3,4のそれぞれについてのプレイヤ情報120,130,140が表示されるとともに、各種のゲーム進行に係るメッセージを通知するためのインジケータ210が表示される。さらに、第1LCD12には、本ゲームの終了条件の1つである残りターンの数を示すテキスト212も表示される。
【0156】
一方、ゲーム装置10−2で表示されるプレイヤ2用の初期画面においても、紙面下側に位置する第2LCD14に、配置フィールド100における駒の配置状態が視覚的に表示される。この第2LCD14には、プレイヤ2についてのプレイヤ情報120が表示される。また、紙面上側に位置する第1LCD12に、本ゲームに参加している他のプレイヤ1,3,4のそれぞれについてのプレイヤ情報110,130,140が表示されるとともに、各種のゲーム進行に係るメッセージを通知するためのインジケータ220が表示される。さらに、第1LCD12には、本ゲームの終了条件の1つである残りターンの数を示すテキスト222も表示される。
【0157】
図13に示すように、CPU34は、3種類以上の駒(配置オブジェクト)についてのそれぞれの累積数を表示する累積数表示部として機能する。また、プレイヤ情報110,120,130,140として図示されるように、CPU34は、各プレイヤに配分された数字カードの内容を他のプレイヤに識別可能な態様で表示する増減オブジェクト表示部として機能する。
【0158】
さらに、ゲーム装置10−1で表示されるプレイヤ1用の初期画面におけるプレイヤ情報110、および、ゲーム装置10−2で表示されるプレイヤ2用の初期画面におけるプレイヤ情報120からも明らかなように、それぞれのプレイヤに設定された担当駒のうち、自プレイヤに設定された担当駒の種類のみを識別可能な態様で表示するとともに、他プレイヤに設定された担当駒の種類については識別不能な態様で表示される。
【0159】
図9および図10に戻って、CPU34は、ジャッジサブルーチンを実行する(ステップS22)。このジャッジサブルーチンは、上述したジャッジ処理を行うためのサブルーチンである。このジャッジサブルーチンの詳細については、図11および図13〜図17を参照して後述する。
【0160】
ジャッジサブルーチンの実行後、CPU34は、現在のターンに設定されているプレイヤからいずれかのカードを選択するための指示を受けたか否かを判断する(ステップS24)。上述したように、CPU34は、ユーザのプレイ形態に応じて、自装置を操作するユーザからの入力部を介した指示、他のゲーム装置10を操作するユーザからの指示、自装置においてプログラムの実行により提供される仮想的なプレイヤからの指示のいずれかを受ける。この処理は、以下に示す他の指示についても同様である。
【0161】
現在のターンに設定されているプレイヤからカードを選択するための指示を受けていない場合(ステップS24においてNOの場合)には、ステップS24の処理が繰返される。これに対して、現在のターンに設定されているプレイヤからカードを選択するための指示を受けた場合(ステップS24においてYESの場合)には、CPU34は、選択されたカードがトリックカードであるか否かを判断する(ステップS26)。
【0162】
図18および図19には、ステップS26〜S38において表示される操作画面の一例を示す。この図18および図19に示す操作画面には、プレイヤ情報110内に複数のカード(この例では、「+1」,「−2」,「+1」という3枚の数字カードと、「§」が記された1枚のトリックカード)が一覧表示されており、ユーザは、スティック等26のタッチによってカードを選択する。すなわち、数字カード(増減オブジェクト)およびトリックカード(特殊オブジェクト)は、プレイヤに対して任意に選択可能に表示される。
【0163】
また、ゲーム装置10−1および10−2では、それぞれインジケータ210および220内に「紳士さんのターンです」という、現在のターンがプレイヤ1に設定されていることを示すメッセージが表示される。
【0164】
図9および図10に戻って、選択されたカードがトリックカードである場合(ステップS26においてYESの場合)には、CPU34は、現在のターンに設定されているプレイヤに対応付けられているトリックカードの情報を削除する(ステップS28)。そして、CPU34は、ステップS28において選択されたトリックカードに定義されている特殊処理を実行する(ステップS30)。上述したように、トリックカードには、数字カードで実行可能な機能とは異なる機能が定義されており、このトリックカードが実行されることで、たとえば、配置フィールド100上のすべての駒についての積算値が1個ずつ増加または減少する。そして、処理はステップS24に戻る。
【0165】
これに対して、選択されたカードがトリックカードではない場合(ステップS26においてNOの場合)、すなわち数字カードが選択された場合には、CPU34は、現在のターンに設定されているプレイヤから配置フィールド100上のいずれかの種類の駒を選択するための指示を受けているか否かを判断する(ステップS32)。すなわち、CPU34は、各プレイヤに配分されている数字カード(増減オブジェクト)のうちいずれか1つに対する選択を受付けるとともに、配置フィールド100上の駒(配置オブジェクト)のうちいずれか1つに対する選択を受付ける。
【0166】
現在のターンに設定されているプレイヤからいずれかの種類の駒を選択するための指示を受けていない場合(ステップS32においてNOの場合)には、ステップS32の処理が繰返される。これに対して、現在のターンに設定されているプレイヤからいずれかの種類の駒を選択するための指示を受けた場合(ステップS32においてYESの場合)には、CPU34は、配置フィールド100上の選択された種類の駒についての積算値を選択された数字カードに定義されている数だけ増加または減少させる(ステップS34)。すなわち、CPU34は、選択された配置フィールド100上の駒(配置オブジェクト)についての累積値を選択された数字カード(増減オブジェクト)に定義されている数だけ増加または減少させる。
【0167】
再度図19を参照して、たとえば、プレイヤ1として参加しているユーザが、ゲーム装置10−1においてスティック26等で「+1」が表示された数字カードをタッチし、続いて、第1駒101の列に対応する位置をタッチしたとする。すると、第1駒101の累積値が「2個」から「3個」に更新される。
【0168】
図9および図10に戻って、CPU34は、現在のターンに設定されているプレイヤに対応付けられている、ステップS32において選択された数字カードの情報を削除し(ステップS36)、ステップS12において決定されている山札に従って、現在のターンに設定されているプレイヤに対して新たな数字カードを補充する(ステップS38)。
【0169】
このように、CPU34は、入力部を介した指示および他のプレイヤからの指示の少なくとも一方に応じて、指定された種類の駒(配置オブジェクト)についての累積数を更新する累積数更新部として機能する。
【0170】
続いて、CPU34は、いずれかの駒についての累積数が所定数に達したか否かを判断する(ステップS40)。すなわち、ゲーム終了条件は、少なくとも1種類の駒(配置オブジェクト)についての累積数が所定数に達したことを含み、CPU34は、ゲーム終了条件が満たされた否かを判断するゲーム終了判断部として機能する。
【0171】
いずれかの駒についての累積数が所定数に達した場合(ステップS40においてYESの場合)には、CPU34は、現在のターンに設定されているプレイヤに対応付けて、ゴールボーナスを加算する(ステップS42)。続いて、CPU34は、評価サブルーチンを実行する(ステップS44)。この評価サブルーチンでは、本ゲームに参加しているプレイヤを評価するための処理が実行される。すなわち、CPU34は、ゲーム終了条件が満たされたと判断された場合に、各プレイヤについて、当該プレイヤに対して担当駒として設定されている、配置フィールド100上の駒(配置オブジェクト)についてのそれぞれの累積数に基づいて評価する評価部として機能する。なお、この評価サブルーチンの詳細については、図12および図20を参照して後述する。
【0172】
これに対して、いずれかの駒についての累積数が所定数に達していない場合(ステップS40においてNOの場合)には、CPU34は、現在の残りターンの数を1だけ減じる(ステップS46)。そして、CPU34は、更新後の残りターンの数がゼロであるか否かを判断する(ステップS48)。すなわち、ゲーム終了条件は、配置フィールド100における駒の累積値の更新の回数が所定数(ターン数)に達したことを含み、CPU34は、ゲーム終了条件が満たされた否かを判断するゲーム終了判断部として機能する。
【0173】
更新後の残りターンの数がゼロではない場合(ステップS48においてNOの場合)には、CPU34は、先のターンに設定されていたプレイヤの次のプレイ順序に対応するプレイヤに対して新たにターンを設定する(ステップS50)。そして、ステップS22以降の処理が繰返される。すなわち、複数のプレイヤは、所定のプレイ順序に従って、配置フィールド100上の駒(配置オブジェクト)についての選択および数字カード(増減オブジェクト)についての選択を交互に行う。
【0174】
なお、ステップS50において、次のプレイ順序に対応するプレイヤに対してターンが移ると、CPU34は、自装置の表示部および(必要に応じて)他のゲーム装置10の表示部に対して、表示されている画面を更新するための情報を出力する。
【0175】
更新後の残りターンの数がゼロである場合(ステップS48においてYESの場合)には、CPU34は、いずれかのプレイヤについてのジャッジ可能回数がゼロ以外の値となっているか否かを判断する(ステップS52)。すべてのプレイヤについてのジャッジ可能回数がゼロである場合(ステップS52においてNOの場合)には、CPU34は、評価サブルーチンを実行する(ステップS44)。
【0176】
これに対して、いずれかのプレイヤについてのジャッジ可能回数がゼロ以外の値となっている場合(ステップS52においてYESの場合)には、CPU34は、ジャッジ可能回数がゼロ以外の値となっているプレイヤを抽出し(ステップS54)、抽出したプレイヤのうち第1番目のプレイヤについて、エキストラターンとして、ジャッジサブルーチンを実行する(ステップS56)。このジャッジサブルーチンの実行後、CPU34は、ステップS54において抽出したプレイヤのうちジャッジサブルーチンが未実行であるプレイヤが残っているか否かを判断する(ステップS58)。
【0177】
ジャッジサブルーチンが未実行であるプレイヤが残っている場合(ステップS58においてYESの場合)には、CPU34は、残りのプレイヤについて、エキストラターンとして、ジャッジサブルーチンを実行する(ステップS56)。
【0178】
これに対して、ジャッジサブルーチンが未実行であるプレイヤが残っていない場合(ステップS58においてNOの場合)には、CPU34は、評価サブルーチンを実行する(ステップS44)。
【0179】
さらに、評価サブルーチンの実行後(ステップS44の後)、CPU34は、ゲーム終了が指示されたか否かを判断する(ステップS62)。ゲーム終了が指示されていない場合(ステップS62においてNOの場合)には、ステップS2以降の処理が繰返される。これに対して、ゲーム終了が指示された場合(ステップS62においてYESの場合)には、本ゲームに係る処理は終了する。
【0180】
(ジャッジサブルーチン)
図11を参照して、まず、ジャッジ処理の実行を要求したプレイヤについての現在のジャッジ可能回数を取得し(ステップS100)、取得した現在のジャッジ可能回数がゼロとなっているか否かを判断する(ステップS102)。
【0181】
取得した現在のジャッジ可能回数がゼロとなっている場合(ステップS102においてYESの場合)には、CPU34は、ジャッジ処理の実行を要求したプレイヤに対して、ジャッジ可能回数が残っていないことを示すメッセージを表示する(ステップS104)。すなわち、CPU34は、ジャッジ処理の実行済回数が所定数に達したユーザについては、ジャッジ処理における指定の受付けを不能動化する不能動化部として機能する。そして、処理はリターンする。
【0182】
これに対して、取得した現在のジャッジ可能回数がゼロにはなっていない場合(ステップS102においてNOの場合)には、CPU34は、現在のターンに設定されているプレイヤに対して、ジャッジ処理を行うか否かの判断を促すメッセージを表示する(ステップS106)。
【0183】
再度図13を参照して、現在のターンに設定されているプレイヤ1に対応するゲーム装置10−1では、インジケータ210内に「ジャッジを行いますか?」というメッセージが表示されるとともに、ユーザがジャッジ処理の実行の意思を入力するためのボタン252および254が選択可能に表示される。また、インジケータ210内には、プレイヤ1についての、現在のジャッジ可能回数が「(残り2回)」といった形で表示される。プレイヤ1として本ゲームに参加しているユーザがスティック26等で「はい」ボタン252をタッチすると、ジャッジ処理の実行が指示され、一方、「いいえ」ボタン254をタッチすると、ジャッジ処理のキャンセルが指示される。
【0184】
なお、現在のターンに設定されていないプレイヤ2に対応するゲーム装置10−2には、インジケータ220内に「紳士さんはジャッジを行うか考えています」という、プレイヤ1の状態を通知するメッセージが表示される。
【0185】
図11に戻って、CPU34は、ジャッジ処理の実行が指示されたか否かを判断する(ステップS108)。すなわち、CPU34は、「はい」ボタン252および「いいえ」ボタン254(図13)のいずれが選択されたか否かを判断する。ジャッジ処理の実行がキャンセルされた場合、すなわち「いいえ」ボタン254が選択された場合(ステップS108においてNOの場合)には、処理はリターンする。
【0186】
これに対して、ジャッジ処理の実行が指示された場合、すなわち「はい」ボタン252が選択された場合(ステップS108においてYESの場合)には、CPU34は、本ゲームに参加しているプレイヤの数が3以上であるか否かを判断する(ステップS110)。本ゲームに参加しているプレイヤの数が3以上である場合(ステップS110においてYESの場合)には、CPU34は、ジャッジ処理の対象とするプレイヤを選択するための指示を受けたか否かを判断する(ステップS112)。ジャッジ処理の対象とするプレイヤを選択するための指示を受けていない場合(ステップS112においてNOの場合)には、ステップS112の処理が繰返される。
【0187】
図14には、ステップS112において表示される操作画面の一例を示す。現在のターンに設定されているプレイヤ1に対応するゲーム装置10−1では、ジャッジ処理の対象とする他のプレイヤの一覧を示す選択画像272,273,274が選択可能に一覧表示される。なお、選択画像272,273,274の各々には、対応するプレイヤのキャラクタ画像とともに、プレイヤ名が表示される。また、ゲーム装置10−1では、ジャッジ処理の中止を指示するためのボタン256についても選択可能に表示される。プレイヤ1として本ゲームに参加しているユーザが、選択画像272,273,274のいずれかをスティック26等でタッチすると、タッチされた選択画像に対応するプレイヤをジャッジ処理の対象とするための選択が指示される。あるいは、当該ユーザが「キャンセル」ボタン256をタッチすると、ジャッジ処理のキャンセルが指示される。
【0188】
なお、ゲーム装置10−1では、インジケータ210内に「誰の色をジャッジしますか?」という、ジャッジ処理の対象の選択を促すメッセージが表示される。一方、ゲーム装置10−2では、インジケータ220内に「紳士さんはジャッジを行おうとしています」という、プレイヤ1の状態を通知するメッセージが表示される。さらに、ゲーム装置10−1および10−2では、ジャッジ処理を行おうとしているプレイヤを示すキャラクタ画像260も表示される。
【0189】
なお、本ゲームに参加しているプレイヤが2である場合、すなわち1対1の対戦形態のときは、ステップS112の処理および図14に示される画面表示を省略できる。1対1の対戦の場合は、ジャッジ処理の対象とするプレイヤは、自身でない他のプレイヤに、一意的に決定されるからである。
【0190】
図11に戻って、ジャッジ処理の対象とするプレイヤを選択するための指示を受けた場合(ステップS112においてYESの場合)には、CPU34は、選択されたプレイヤに設定されている担当駒がジャッジ処理の成功によって2つとも既に明らかになっているか否かを判断する(ステップS114)。この判断処理は、設定されている担当駒がいずれも明らかになっている場合には、当該プレイヤに対するジャッジ処理を行う必要がないので、このような場合に、ジャッジ処理を不能動化するためのものである。
【0191】
選択されたプレイヤに設定されている担当駒がジャッジ処理の成功によって2つとも既に明らかにはなっていない場合(ステップS114においてNOの場合)には、CPU34は、選択されたプレイヤに設定されている担当駒とは異なる駒がジャッジ処理の失敗によって3つとも既に明らかになっているか否かを判断する(ステップS116)。本実施の形態においては、配置フィールド100上の駒が5種類しか存在しないので、設定されている担当駒とは異なる3つの担当駒が明らかになることで、実質的に、設定されている担当駒が明らかになる。そのため、この判断処理は、このような状況下において、ジャッジ処理が成功することによるジャッジボーナスが加算されることを排除するためのものである。
【0192】
選択されたプレイヤに設定されている担当駒とは異なる駒がジャッジ処理の失敗によって3つとも既に明らかにはなっていない場合(ステップS116においてNOの場合)には、CPU34は、今回のジャッジが選択されたプレイヤに対して通算で3回目のジャッジとなるか否かを判断する(ステップS117)。
【0193】
選択されたプレイヤに設定されている担当駒がジャッジ処理の成功によって2つとも既に明らかになっている場合(ステップS114においてYESの場合)、選択されたプレイヤに設定されている担当駒とは異なる駒がジャッジ処理の失敗によって3つとも既に明らかになっている場合(ステップS116においてYESの場合)、または、今回のジャッジが選択されたプレイヤに対して通算で3回目のジャッジとなる場合(ステップS117においてYESの場合)には、CPU34は、ジャッジ処理の実行を要求したプレイヤに対して、選択されたプレイヤに対してはジャッジを行うことができないことを示すメッセージを表示する(ステップS118)。そして、処理はリターンする。なお、ステップS118の実行後、ステップS112に示すジャッジ処理の対象とするプレイヤを選択するための判断処理を再度実行するようにしてもよい。
【0194】
なお、本実施の形態において、参加しているプレイヤの数が3以上である場合には、配置フィールド100上には、6種類以上の駒を配置することが好ましい。これは、以下の理由によるものである。
【0195】
すなわち、本実施の形態においては、各プレイヤには2種類の担当駒が割当てられることになっており、かつ、各プレイヤに対して3回のジャッジ失敗が許容される(被失敗許容数が3回に設定されている)ことになっている(図11のステップS116において判断される)。そのため、配置フィールド100上に配置される駒を5種類とした場合には、あるプレイヤに対するジャッジが3回失敗した時点で、残りの2種類の駒が当該プレイヤの担当駒であるということが、ジャッジが成功していなくとも、事実上判明してしまう。そこで、配置フィールド100上に配置される駒を6種類以上にすることで、あるプレイヤに対するジャッジを3回失敗しても、残りの3種類の駒から当該プレイヤの2つの担当駒を推測しなければならないので、ジャッジが全く成功していないにもかかわらず、ある各プレイヤの担当駒が事実上判明してしまうという事態を防ぐことができる。なお、この場合には、あるプレイヤに対してジャッジを行うことができる回数(以下、「被ジャッジ可能回数」とも称す。)は、ジャッジの失敗数が3回に達する、または、ジャッジの成功数が2回に達するまでは、4回までに設定される。
【0196】
上述のような内容を一般化すると、あるプレイヤに対して割当てられる担当駒をa種類とし、被失敗許容数をb回とすると、配置フィールド100上に配置されるべき駒の種類の数は、「a+b+1」以上の値に設定されることが好ましい。また、1人のプレイヤに対してジャッジを行うことができる回数(被ジャッジ可能回数)は、「a+b−1」以下の値を設定することができる。すなわち、本実施の形態において参加しているプレイヤの数が3以上である場合には、aの値が「2」、bの値が「3」に設定されるため、配置フィールド100上に配置される駒の種類の数は「6」以上が好ましい。このとき、被ジャッジ可能回数は、「4」以下に設定できる。また、2人のプレイヤが1対1で対戦する形態の場合には、aの値が「2」、bの値が「2」に設定されるため、配置フィールド100上に配置される駒の種類の数は「5」以上が好ましい。このとき、被ジャッジ可能回数は、「3」以下に設定できる。したがって、上述した本実施の形態においては、配置フィールド100上に配置される駒の種類は「5」種類に設定されており、かつ、被ジャッジ可能回数は「2」回に設定されている。
【0197】
言い換えれば、配置フィールド100上に「a+b+1」種類(本実施の形態では「5」種類)の駒が配置されている場合には、あるプレイヤに着目した場合、他のプレイヤから合計で、「a+b−1」回以下(たとえば、「3」回以下。本実施の形態では「2」回に設定されている。)のジャッジを受けてもよいことなる。但し、あるプレイヤに設定されているa種類(本実施の形態では「2」種類)の担当色がいずれも明らかになっている場合には、当該プレイヤに対するジャッジは許可されない。また、あるプレイヤに対するジャッジ失敗がb回(本実施の形態では「2」回)になっている場合にも、当該プレイヤに対するジャッジは許可されない。
【0198】
本ゲームに参加しているプレイヤの数が3以上ではない場合(ステップS110においてNOの場合)、または、選択されたプレイヤに対する今回のジャッジが通算で3回目のジャッジではない場合(ステップS117においてNOの場合)には、CPU34は、現在のターンに設定されているプレイヤから駒の種類を選択するための指示を受けたか否かを判断する(ステップS120)。
【0199】
これは、本実施の形態においては、一例としてジャッジ可能回数が初期値(最大値)として「2」に設定されるので、本ゲームに参加しているプレイヤが2である場合、すなわち、1対1の対戦形態である場合には、3回目のジャッジ処理というものが存在しない。そのため、ステップS114における判断処理は常に成立しない(NOとなる)。したがって、1対1の対戦形態である場合には、ステップS114の判断処理をスキップできる。また、同様の理由で、ステップS116における判断処理は常に成立しない(NOとなる)。したがって、ジャッジ可能回数が「2」であり、かつ、1対1の対戦形態である場合のように、1人のプレイヤに対してのジャッジ回数が、担当駒の数も被失敗許容数も超えることがない場合には、ステップS116の判断処理についてもスキップできる。
【0200】
現在のターンに設定されているプレイヤから駒の種類を選択するための指示を受けていない場合(ステップS120においてNOの場合)には、ステップS120の処理が繰返される。すなわち、CPU34は、特定のプレイヤに設定されている担当駒(担当オブジェクト)の種類についての指定を受付ける担当オブジェクト種類指定部として機能する。
【0201】
図15には、ステップS120において表示される操作画面の一例を示す。現在のターンに設定されているプレイヤ1に対応するゲーム装置10−1では、配置フィールド100のそれぞれの列に対応付けて、5種類の駒が任意に選択可能になっている。ここで、プレイヤ1として参加しているユーザは、ジャッジ処理の対象として指定したプレイヤの担当駒であると推定した駒に対応する列を、スティック26等でタッチすることで、対応する駒の種類の選択が指示される。なお、当該ユーザが「キャンセル」ボタン256をタッチすると、ジャッジ処理のキャンセルが指示される。
【0202】
なお、ゲーム装置10−1では、インジケータ210内に「何色だとジャッジしますか?」という、駒の種類の選択を促すメッセージが表示される。一方、ゲーム装置10−2では、インジケータ220内に「紳士さんは色を考えています」という、プレイヤ1の状態を通知するメッセージが表示される。さらに、ゲーム装置10−1および10−2では、ジャッジ処理を行おうとしているプレイヤを示すキャラクタ画像260に加えて、ジャッジ処理の対象として指定されたプレイヤを示すキャラクタ画像262が表示される。
【0203】
図11に戻って、現在のターンに設定されているプレイヤから駒の種類を選択するための指示を受けた場合(ステップS120においてYESの場合)には、CPU34は、ジャッジ処理の実行を要求したプレイヤについての現在のジャッジ可能回数を1だけ減じる(ステップS122)。すなわち、CPU34は、プレイヤ別に、ジャッジ処理の実行を行った回数を検出する回数検出部として機能する。そして、CPU34は、選択されたプレイヤに対してジャッジした回数を積算する(ステップS123)。すなわち、CPU34は、上述のステップS117における被ジャッジ可能回数に達したか否かを判断するためのジャッジの実行回数を積算する。さらに、CPU34は、ジャッジ対象のプレイヤに設定されている担当駒を取得し(ステップS124)、ステップS120において選択された担当駒の種類が、ステップS124において取得されたジャッジ対象のプレイヤに設定されている担当駒の種類と一致しているか否かを判断する(ステップS126)。すなわち、CPU34は、指定された担当駒(担当オブジェクト)の種類が当該特定のプレイヤに設定されている担当オブジェクトの種類と一致しているか否かを判断する一致判断部として機能する。そして、CPU34は、ジャッジ処理における判断結果に基づいてもプレイヤ間の評価を行う。
【0204】
選択された担当駒の種類がジャッジ対象のプレイヤに設定されている担当駒の種類と一致した場合(ステップS126においてYESの場合)には、CPU34は、ジャッジ処理が成功したことを示すメッセージを表示する(ステップS128)。続いて、CPU34は、ジャッジ処理の成功により、ジャッジ対象のプレイヤに設定されている担当駒のうちその種類が判明したものを、他のプレイヤに識別可能な態様に表示変更する(ステップS130)。すなわち、CPU34は、ジャッジ処理において指定された駒の種類が設定されている担当駒の種類と一致していると判断された場合に、当該ジャッジ処理の対象となったプレイヤに設定されている担当駒を他のプレイヤに対して識別不能な態様から識別可能な態様に表示を変更する。
【0205】
さらに、CPU34は、ジャッジ処理を実行したプレイヤに対応付けて、ジャッジボーナスを加算する(ステップS132)。すなわち、CPU34は、ジャッジ処理において指定された駒の種類が担当駒の種類が一致していると判断された場合に、ジャッジ処理についての指定を与えたプレイヤをジャッジ処理の対象となったプレイヤに対して相対的に高い評価を与える。そして、処理はリターンする。
【0206】
これに対して、選択された担当駒の種類がジャッジ対象のプレイヤに設定されている担当駒の種類と一致しなかった場合(ステップS126においてNOの場合)には、CPU34は、ジャッジ処理が失敗したことを示すメッセージを表示する(ステップS134)。続いて、CPU34は、ジャッジ処理の失敗により、ジャッジ対象のプレイヤに設定されている担当駒とは異なる駒の種類であることが判明したものを、他のプレイヤに識別可能な態様に表示変更する(ステップS136)。
【0207】
さらに、CPU34は、ジャッジ処理の対象となったプレイヤに対応付けて、フェイクボーナスを加算する(ステップS138)。すなわち、CPU34は、ジャッジ処理において指定された駒の種類が担当駒の種類が一致していないと判断された場合に、ジャッジ処理の対象となったプレイヤをジャッジ処理についての指定を与えたプレイヤに対して相対的に高い評価を与える。そして、処理はリターンする。
【0208】
再度図15を参照して、たとえば、プレイヤ1として参加しているユーザが、スティック26等で第5駒105の列に対応する位置をタッチしたとすると、ゲーム装置10−1およびゲーム装置10−2には、図16(A)に示すような操作画面が表示される。すなわち、図16(A)に示す操作画面では、ジャッジ処理を行おうとしているプレイヤを示すキャラクタ画像260およびジャッジ処理の対象として指定されたプレイヤを示すキャラクタ画像262が表示されるとともに、ジャッジ処理される選択された駒の種類を示す吹出しオブジェクト264が表示される。すなわち、ジャッジ処理中であることを示す演出が行われる。
【0209】
そして、選択された担当駒の種類がジャッジ対象のプレイヤに設定されている担当駒の種類と一致すると、ゲーム装置10−1およびゲーム装置10−2には、図16(B)に示すような「正解だよ」という吹出しオブジェクト266が表示される。すなわち、ジャッジ処理が成功したことを示す演出が行われる。さらに、ジャッジ処理が成功した場合には、ゲーム装置10−1には、図17(A)に示すような操作画面が表示される。この操作画面では、ジャッジ処理の対象となったプレイヤ4に関連付けられているプレイヤ情報140において、成功情報145にジャッジ処理により明らかになった担当駒の種類が表示される。
【0210】
これに対して、選択された担当駒の種類がジャッジ対象のプレイヤに設定されている担当駒の種類と一致しないと、ゲーム装置10−1およびゲーム装置10−2には、図16(C)に示すような「違うよ」という吹出しオブジェクト268が表示される。すなわち、ジャッジ処理が失敗したことを示す演出が行われる。さらに、ジャッジ処理が失敗した場合には、ゲーム装置10−1には、図17(B)に示すような操作画面が表示される。この操作画面では、ジャッジ処理の対象となったプレイヤ4に関連付けられているプレイヤ情報140において、失敗情報146にジャッジ処理により担当駒ではないと明らかになった駒の種類が表示される。
【0211】
(評価サブルーチン)
図12を参照して、まず、CPU34は、本ゲームに参加している第1番目のプレイヤを対象に設定する(ステップS200)。続いて、CPU34は、対象のプレイヤに設定されているそれぞれの担当駒についての累積値を取得し(ステップS202)、取得したそれぞれの累積値の少なくとも一方がゼロであるか否かを判断する(ステップS204)。
【0212】
取得したそれぞれの累積値の少なくとも一方がゼロである場合(ステップS204においてYESの場合)には、CPU34は、通常得点をゼロとする(ステップS206)。すなわち、CPU34は、各プレイヤについて、設定されている担当駒についての累積数の少なくとも一方が所定のしきい値以下である場合に、対応の評価値を最低点とする。
【0213】
これに対して、取得したそれぞれの累積値がいずれもゼロではない場合(ステップS204においてNOの場合)には、CPU34は、それぞれの担当駒についての累積値の間の差(絶対値)を通常得点とする(ステップS208)。このとき、CPU34は、各プレイヤに対して、担当駒として設定されているそれぞれの駒についての累積値の間の差が大きいほどより高い評価値を算出する。
【0214】
ステップS206またはステップS208の実行後、CPU34は、「通常得点」、「ゴールボーナス」、「ジャッジボーナス」および「フェイクボーナス」の合計を最終得点として算出する(ステップS210)。すなわち、CPU34は、各プレイヤについて評価値を算出する評価値算出部として機能する。
【0215】
その後、CPU34は、本ゲームに参加しているすべてのプレイヤについての最終得点の算出が完了したか否かを判断する(ステップS212)。本ゲームに参加しているすべてのプレイヤについての最終得点の算出が完了していない場合(ステップS212においてNOの場合)には、CPU34は、本ゲームに参加している次のプレイヤを対象に設定する(ステップS214)。そして、ステップS202以降の処理が繰返される。
【0216】
これに対して、本ゲームに参加しているすべてのプレイヤについての最終得点の算出が完了した場合(ステップS212においてYESの場合)には、CPU34は、算出した各プレイヤの最終得点およびその得点明細を示す結果画面を、自装置の表示部および(必要に応じて)他のゲーム装置10の表示部に表示させる(ステップS216)。
【0217】
図20には、ステップS216において表示される操作画面の一例を示す。この図20に示す操作画面には、プレイヤ1〜4についての評価値情報310,320,330,340が表示される。これらの評価値情報310,320,330,340の各々は、対応するプレイヤについて算出された最終得点を示す数値355を含む。さらに、評価値情報310,320,330,340の各々は、数値355の内訳である、「通常得点」を示す数値351と、「ゴールボーナス」を示す数値352と、「ジャッジボーナス」を示す数値353と、「フェイクボーナス」を示す数値354とを含む。
【0218】
さらに、図20に示す操作画面には、最終得点に基づいて判断された勝敗を示すオブジェクト356が対応するキャラクタに関連付けて表示される。一例として、図20には、本ゲームに参加したプレイヤのうち、最終得点の最も高いプレイヤを勝利者として、「Win」と示されたオブジェクト356が表示される。
【0219】
図12に戻って、CPU34は、各プレイヤの最終得点に基づいて、本ゲームに参加しているプレイヤ間での勝敗を決定し(ステップS218)、その勝敗の結果を自装置の表示部および(必要に応じて)他のゲーム装置10の表示部に表示させる(ステップS220)。すなわち、CPU34は、各プレイヤの評価値に基づいて、複数のプレイヤ間での勝敗を決定する勝敗決定部として機能する。そして、処理はリターンする。
【0220】
(途中経過表示)
なお、本実施の形態に従う対戦型ゲームの進行中において、ゲーム装置10の操作スイッチ22のうち特定のもの(典型的には、動作スイッチ22Lまたは22R)が選択されることで、ゲーム装置10には、図21に示すような、プレイヤ情報110,120,130,140に代えて、それぞれプレイヤ情報110A,120A,130A,140Aが表示される。
【0221】
図21に示すこれらのプレイヤ情報110A,120A,130A,140Aは、対応するプレイヤに対する他のプレイヤからのジャッジ処理の結果および現時点での最終得点を含む。すなわち、プレイヤ情報110A,120A,130A,140Aの各々においては、対応するプレイヤに対するジャッジ処理が成功したことによって、当該プレイヤに設定されていた設定駒であることが明らかになっている状態、および、対応するプレイヤに対するジャッジ処理が失敗したことによって、当該プレイヤに設定されてない設定駒であることが明らかになっている状態が識別可能な態様で表示される。
【0222】
また、プレイヤ情報110A,120A,130A,140Aの各々は、対応するプレイヤについてのジャッジボーナスを示すアイコン180を含む。すなわち、各プレイヤ情報に含まれるアイコン180は、ジャッジ可能回数の初期値である「2」に対応して2つのカード形状の画像が表示されるとともに、左側のカード形状の画像には1回目のジャッジにおいて得たジャッジボーナス、右側のカード形状の画像には2回目のジャッジにおいて得たジャッジボーナスを表すように表示形態が変更される。たとえば、1回目のジャッジに成功してジャッジボーナスを2点得た場合は、左側のカード形状の画像は「2」を表す形態で表示される。また、2回目のジャッジに失敗した場合は、ジャッジボーナスは0点なので、右側のカード形状の画像は「0」を表す形態で表示される。
【0223】
<他のゲーム装置との間のデータ遣り取り>
上述の図8に示すように、本実施の形態においては、1つのホストプロセス340に対して、本ゲームに参加している複数のプレイヤにそれぞれ対応付けたクライエントプロセス341〜344が実行され、これらのプロセス間でデータが遣り取りされる。以下、これらのデータの遣り取りについて、図22を参照して説明する。
【0224】
図22は、この発明の実施の形態に従うゲーム進行に係るデータシーケンスを示す模式図である。本実施の形態に従う対戦型ゲームにおいては、それぞれのプレイヤに対して「ターン」が所定のプレイ順に設定される。そのため、図22においては、ホストプロセス340に対する、ターンに設定されているクライエントプロセスとターンに設定されていないクライエントプロセスとに区別してデータの遣り取りを説明する。
【0225】
図22を参照して、本ゲームが開始されると、まず(1)初期処理が実行される。この初期処理は、図9に示すフローチャートのステップS2〜S16などの処理に対応する。この初期処理において、ホストプロセスは、すべてのクライエントプロセスに対して、各プレイヤの担当駒を通知する(シーケンスSQ402)。続いて、ホストプロセスは、すべてのクライエントプロセスに対して、各プレイヤへの数字カード、および、各プレイヤへのトリックカードを通知する(シーケンスSQ404)。さらに、ホストプロセスは、すべてのクライエントプロセスに対して、配置フィールドの駒の初期配置情報を通知する(シーケンスSQ406)。
【0226】
初期処理が終了すると、ゲーム進行を開始するための、(2)ターン開始処理が実行される。このターン開始処理は、図9に示すフローチャートのステップS18などの処理に対応する。このターン開始処理において、ホストプロセスは、第1番目にターンが設定されるべきクライエントプロセスに対して、ターン設定を通知する(シーケンスSQ408)。
【0227】
続いて、各プレイヤの1ターン分の処理に相当する、(3)ジャッジ処理、および、(4)駒配置処理が開始される。このジャッジ処理は、図9に示すフローチャートのステップS22ならびに図11に示すジャッジサブルーチンなどの処理に対応する。また、駒配置処理は、図9および図10に示すフローチャートのステップS24〜S46などの処理に対応する。
【0228】
対応のユーザがジャッジ処理の実行を指示した場合には、ターンに設定されているクライエントプロセスは、ホストプロセスに対してジャッジ処理の実行要求を通知する(シーケンスSQ410)。すると、ホストプロセスは、ターンに設定されていないクライエントプロセスに対して、ターンに設定されているプレイヤがジャッジ処理中であることを示すメッセージを通知する(シーケンスSQ412)。
【0229】
さらに、対応のユーザ操作に応じて、ターンに設定されているクライエントプロセスは、ホストプロセスに対して選択されたプレイヤを通知する(シーケンスSQ414)。すると、ホストプロセスは、ターンに設定されていないクライエントプロセスに対して、選択されたプレイヤを示すメッセージを通知する(シーケンスSQ416)。なお、1対1の対戦形態の場合は、ユーザ操作に応じることなく自動的にジャッジ対象のプレイヤを選択し、かつ自動的に選択されたプレイヤを通知するようにしてもよい。
【0230】
さらに、対応のユーザ操作に応じて、ターンに設定されているクライエントプロセスは、ホストプロセスに対して選択された駒の種類を通知する(シーケンスSQ418)。すると、ホストプロセスは、ターンに設定されていないクライエントプロセスに対して、選択された駒を示すメッセージを通知する(シーケンスSQ420)。続いて、ホストプロセスは、すべてのクライエントプロセスに対して、ジャッジ処理の結果を通知する(シーケンスSQ422)。
【0231】
一方、対応のユーザがジャッジ処理の実行を指示しなかった場合、または、途中でジャッジ処理をキャンセルした場合には、ターンに設定されているクライエントプロセスは、ホストプロセスに対してジャッジ処理の非選択を通知する(シーケンスSQ424)。すると、ホストプロセスは、ターンに設定されていないクライエントプロセスに対して、ジャッジ処理が選択されなかったことを示すメッセージを通知する(シーケンスSQ426)。
【0232】
続いて、(4)駒配置処理が実行される。この駒配置処理においては、対応のユーザ操作に応じて、ターンに設定されているクライエントプロセスは、ホストプロセスに対して選択された数字カードを通知する(シーケンスSQ428)。すると、ホストプロセスは、ターンに設定されていないクライエントプロセスに対して、選択された数字カードを示すメッセージを通知する(シーケンスSQ430)。
【0233】
さらに、対応のユーザ操作に応じて、ターンに設定されているクライエントプロセスは、ホストプロセスに対して選択された駒の種類を通知する(シーケンスSQ432)。すると、ホストプロセスは、ターンに設定されていないクライエントプロセスに対して、選択された駒の種類を示すメッセージを通知する(シーケンスSQ434)。続いて、ホストプロセスは、すべてのクライエントプロセスに対して、配置フィールドの駒の更新後の配置情報を通知する(シーケンスSQ436)。さらに、ホストプロセスは、すべてのクライエントプロセスに対して、補充された数字カードを通知する(シーケンスSQ438)。
【0234】
ゲーム終了条件が満たされるまで、上述の(2)ターン開始処理、(3)ジャッジ処理、および(4)駒配置処理が繰返し実行される。
【0235】
ゲーム終了条件が満たされた後、エキストラターンが存在していれば、(2)ターン開始処理および(3)ジャッジ処理と同様の処理が実行される。
【0236】
その後、(6)評価処理が実行される。この評価処理においては、ホストプロセスは、すべてのクライエントプロセスに対して、評価結果を通知する(シーケンスSQ440)。
【0237】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0238】
10 ゲーム装置、16 ハウジング、16a 上側ハウジング、16b 下側ハウジング、20a,20b 音抜き孔、20c マイク孔、22 操作スイッチ、22a 方向指示スイッチ、22b スタートスイッチ、22c セレクトスイッチ、22d〜22h,22L,22R 動作スイッチ、23 内側カメラ、24 タッチパネル、25 外側カメラ、26 スティック、28 カートリッジ、29 メモリカード、30 挿入部、32,33 コネクタ、34 CPU、36 スピーカ、36a 右スピーカ、36b 左スピーカ、38 電子回路基板、40 バス、48 I/F回路、50 LCDコントローラ、52,54 VRAM、56 レジスタ、58 無線通信部、SRV サーバ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力手段および表示手段を有するゲーム装置において複数のプレイヤが参加可能な対戦型ゲームを提供するためのゲームプログラムであって、前記ゲームプログラムは前記ゲーム装置を、
3種類以上の配置オブジェクトについてのそれぞれの累積数を表示する累積数表示手段、
各プレイヤに対して、前記3種類以上の配置オブジェクトの一部を抽出して得られる少なくとも2種類の配置オブジェクトを当該プレイヤの担当オブジェクトとして設定する担当オブジェクト設定手段、
前記入力手段を介した指示および他のプレイヤからの指示の少なくとも一方に応じて、指定された種類の配置オブジェクトについての累積数を更新する累積数更新手段、
ゲーム終了条件が満たされた否かを判断するゲーム終了判断手段、および
前記ゲーム終了条件が満たされたと判断された場合に、各プレイヤについて、当該プレイヤに対して前記担当オブジェクトとして設定されている、前記少なくとも2種類の配置オブジェクトについてのそれぞれの累積数に基づいて評価する評価手段、として機能させる、ゲームプログラム。
【請求項2】
前記ゲーム終了条件は、少なくとも1種類の配置オブジェクトについての累積数が所定数に達したことを含む、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記ゲーム終了条件は、前記累積数更新手段による更新の回数が所定数に達したことを含む、請求項1または2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記評価手段は、
各プレイヤについて評価値を算出する評価値算出手段と、
各プレイヤの評価値に基づいて、前記複数のプレイヤ間での勝敗を決定する勝敗決定手段とを含み、
前記評価値算出手段は、各プレイヤに対して前記担当オブジェクトとして設定されている、前記少なくとも2種類の配置オブジェクトに含まれる第1および第2配置オブジェクトについて、前記第1配置オブジェクトの累積数と前記第2配置オブジェクトの累積数との間の差が大きいほどより高い評価値を算出する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記評価値算出手段は、各プレイヤについて、前記第1配置オブジェクトの累積数および前記第2配置オブジェクトの累積数の少なくとも一方が所定のしきい値以下である場合に、対応の評価値を最低値とする、請求項4に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記累積数更新手段による累積数の更新処理の対象として、前記3種類以上の配置オブジェクトのいずれについても指定可能に構成される、請求項1〜5のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記ゲームプログラムは、前記ゲーム装置を、
前記配置オブジェクトの累積値に対する増減量が定義された増減オブジェクトを各プレイヤに対して少なくとも1つ配分する配分手段としてさらに機能させ、
前記累積数更新手段は、
各プレイヤに配分されている前記増減オブジェクトのうち少なくとも1つに対する選択を受付ける手段と、
前記3種類以上の配置オブジェクトのうちいずれか1つに対する選択を受付ける手段と、
選択された配置オブジェクトについての累積値を選択された増減オブジェクトに定義されている数だけ増加または減少させる手段とを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記複数のプレイヤは、所定順序に従って、前記配置オブジェクトについての選択および前記増減オブジェクトについての選択を行う、請求項7に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
前記配分手段は、各プレイヤに配分した前記増減オブジェクトの内容を他のプレイヤに識別可能な態様で表示する増減オブジェクト表示手段を含む、請求項7または8に記載のゲームプログラム。
【請求項10】
前記配分手段は、前記増減オブジェクトに加えて、ゲーム進行上の特殊処理の内容が定義された特殊オブジェクトを各プレイヤに対して配分する特殊オブジェクト配分手段を含み、
前記増減オブジェクトおよび前記特殊オブジェクトは、プレイヤに対して任意に選択可能に表示される、請求項7〜9のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項11】
前記担当オブジェクト設定手段は、それぞれのプレイヤに設定した前記担当オブジェクトのうち、自プレイヤに設定した前記担当オブジェクトのみを識別可能な態様で表示するとともに、他プレイヤに設定した前記担当オブジェクトについては識別不能な態様で表示する担当オブジェクト表示手段を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項12】
前記ゲームプログラムは、前記ゲーム装置を、
特定のプレイヤに設定されている前記担当オブジェクトの種類についての指定を受付ける担当オブジェクト種類指定手段、および
当該指定された担当オブジェクトの種類が当該特定のプレイヤに設定されている担当オブジェクトの種類と一致しているか否かを判断する一致判断手段、としてさらに機能させ、
前記評価手段は、前記一致判断手段による判断結果に基づいても評価を行う、請求項11に記載のゲームプログラム。
【請求項13】
前記評価手段は、前記一致判断手段によってオブジェクトの種類が一致していると判断された場合に、当該指定を与えたプレイヤを当該特定のプレイヤに対して相対的に高く評価する、請求項12に記載のゲームプログラム。
【請求項14】
前記評価手段は、前記一致判断手段によってオブジェクトの種類が一致していないと判断された場合に、当該特定のプレイヤを当該指定を与えたプレイヤに対して相対的に高く評価する、請求項12または13に記載のゲームプログラム。
【請求項15】
前記担当オブジェクト表示手段は、前記一致判断手段によってオブジェクトの種類が一致していると判断された場合に、当該特定プレイヤに設定されている担当オブジェクトを他のプレイヤに対して識別不能な態様から識別可能な態様に表示を変更する、請求項12〜14のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項16】
前記ゲームプログラムは、前記ゲーム装置を、
プレイヤ別に、前記特定のプレイヤに設定されている担当オブジェクトの種類についての指定を受付けた回数を検出する回数検出手段、および
前記回数検出手段によって検出された回数が所定数に達したユーザについては、前記担当オブジェクト種類指定手段による指定の受付けを不能動化する不能動化手段、としてさらに機能させる、請求項12〜15のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項17】
複数のプレイヤが参加可能な対戦型ゲームを提供するゲーム装置であって、
入力手段と、
表示手段と、
3種類以上の配置オブジェクトについてのそれぞれの累積数を表示する累積数表示手段と、
各プレイヤに対して、前記3種類以上の配置オブジェクトの一部を抽出して得られる少なくとも2種類の配置オブジェクトを当該プレイヤの担当オブジェクトとして設定する担当オブジェクト設定手段と、
前記入力手段を介した指示および他のプレイヤからの指示の少なくとも一方に応じて、指定された種類の配置オブジェクトについての累積数を更新する累積数更新手段と、
ゲーム終了条件が満たされた否かを判断するゲーム終了判断手段と、
前記ゲーム終了条件が満たされたと判断された場合に、各プレイヤについて、当該プレイヤに対して前記担当オブジェクトとして設定されている、前記少なくとも2種類の配置オブジェクトについてのそれぞれの累積数に基づいて評価する評価手段とを備える、ゲーム装置。
【請求項18】
複数のプレイヤが参加可能な対戦型ゲームを提供するゲームシステムであって、
第1プレイヤに関連付けられた、第1入力手段および第1表示手段を含む第1端末手段と、
第2プレイヤに関連付けられた、第2入力手段および第2表示手段を含む第2端末手段と、
3種類以上の配置オブジェクトについてのそれぞれの累積数を、前記第1および第2表示手段に表示させる累積数表示手段と、
少なくとも前記第1および第2プレイヤの各々に対して、前記3種類以上の配置オブジェクトの一部を抽出して得られる少なくとも2種類の配置オブジェクトを当該プレイヤの担当オブジェクトとして設定する担当オブジェクト設定手段と、
前記第1および第2入力手段の少なくとも一方を介した指示に応じて、指定された種類の配置オブジェクトについての累積数を更新する累積数更新手段と、
ゲーム終了条件が満たされた否かを判断するゲーム終了判断手段と、
前記ゲーム終了条件が満たされたと判断された場合に、各プレイヤについて、当該プレイヤに対して前記担当オブジェクトとして設定されている、前記少なくとも2種類の配置オブジェクトについてのそれぞれの累積数に基づいて評価する評価手段とを備える、ゲームシステム。
【請求項19】
前記第1表示手段において、前記第1プレイヤに設定された前記担当オブジェクトを識別可能な態様で表示するとともに、前記第2プレイヤに設定された前記担当オブジェクトを識別不能な態様で表示する第1担当オブジェクト表示手段と、
前記第2表示手段において、前記第2プレイヤに設定された前記担当オブジェクトを識別可能な態様で表示するとともに、前記第1プレイヤに設定された前記担当オブジェクトを識別不能な態様で表示する第2担当オブジェクト表示手段と、
前記第1プレイヤからの、前記第2プレイヤに設定されている前記担当オブジェクトの種類についての指定を、前記第1入力手段を介して受付ける担当オブジェクト種類指定手段と、
当該指定された担当オブジェクトの種類が前記第2プレイヤに設定されている担当オブジェクトの種類と一致しているか否かを判断する一致判断手段とをさらに備え、
前記評価手段は、前記一致判断手段による判断結果に基づいても評価を行う、請求項18に記載のゲームシステム。
【請求項20】
前記第1および第2プレイヤを含む参加している複数のプレイヤは、前記ゲーム終了条件が満たされたと判断されるまで、前記配置オブジェクトについての累積数の更新に対する指示を所定順序に従って順次与える、請求項18または19に記載のゲームシステム。
【請求項1】
入力手段および表示手段を有するゲーム装置において複数のプレイヤが参加可能な対戦型ゲームを提供するためのゲームプログラムであって、前記ゲームプログラムは前記ゲーム装置を、
3種類以上の配置オブジェクトについてのそれぞれの累積数を表示する累積数表示手段、
各プレイヤに対して、前記3種類以上の配置オブジェクトの一部を抽出して得られる少なくとも2種類の配置オブジェクトを当該プレイヤの担当オブジェクトとして設定する担当オブジェクト設定手段、
前記入力手段を介した指示および他のプレイヤからの指示の少なくとも一方に応じて、指定された種類の配置オブジェクトについての累積数を更新する累積数更新手段、
ゲーム終了条件が満たされた否かを判断するゲーム終了判断手段、および
前記ゲーム終了条件が満たされたと判断された場合に、各プレイヤについて、当該プレイヤに対して前記担当オブジェクトとして設定されている、前記少なくとも2種類の配置オブジェクトについてのそれぞれの累積数に基づいて評価する評価手段、として機能させる、ゲームプログラム。
【請求項2】
前記ゲーム終了条件は、少なくとも1種類の配置オブジェクトについての累積数が所定数に達したことを含む、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記ゲーム終了条件は、前記累積数更新手段による更新の回数が所定数に達したことを含む、請求項1または2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記評価手段は、
各プレイヤについて評価値を算出する評価値算出手段と、
各プレイヤの評価値に基づいて、前記複数のプレイヤ間での勝敗を決定する勝敗決定手段とを含み、
前記評価値算出手段は、各プレイヤに対して前記担当オブジェクトとして設定されている、前記少なくとも2種類の配置オブジェクトに含まれる第1および第2配置オブジェクトについて、前記第1配置オブジェクトの累積数と前記第2配置オブジェクトの累積数との間の差が大きいほどより高い評価値を算出する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記評価値算出手段は、各プレイヤについて、前記第1配置オブジェクトの累積数および前記第2配置オブジェクトの累積数の少なくとも一方が所定のしきい値以下である場合に、対応の評価値を最低値とする、請求項4に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記累積数更新手段による累積数の更新処理の対象として、前記3種類以上の配置オブジェクトのいずれについても指定可能に構成される、請求項1〜5のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記ゲームプログラムは、前記ゲーム装置を、
前記配置オブジェクトの累積値に対する増減量が定義された増減オブジェクトを各プレイヤに対して少なくとも1つ配分する配分手段としてさらに機能させ、
前記累積数更新手段は、
各プレイヤに配分されている前記増減オブジェクトのうち少なくとも1つに対する選択を受付ける手段と、
前記3種類以上の配置オブジェクトのうちいずれか1つに対する選択を受付ける手段と、
選択された配置オブジェクトについての累積値を選択された増減オブジェクトに定義されている数だけ増加または減少させる手段とを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記複数のプレイヤは、所定順序に従って、前記配置オブジェクトについての選択および前記増減オブジェクトについての選択を行う、請求項7に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
前記配分手段は、各プレイヤに配分した前記増減オブジェクトの内容を他のプレイヤに識別可能な態様で表示する増減オブジェクト表示手段を含む、請求項7または8に記載のゲームプログラム。
【請求項10】
前記配分手段は、前記増減オブジェクトに加えて、ゲーム進行上の特殊処理の内容が定義された特殊オブジェクトを各プレイヤに対して配分する特殊オブジェクト配分手段を含み、
前記増減オブジェクトおよび前記特殊オブジェクトは、プレイヤに対して任意に選択可能に表示される、請求項7〜9のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項11】
前記担当オブジェクト設定手段は、それぞれのプレイヤに設定した前記担当オブジェクトのうち、自プレイヤに設定した前記担当オブジェクトのみを識別可能な態様で表示するとともに、他プレイヤに設定した前記担当オブジェクトについては識別不能な態様で表示する担当オブジェクト表示手段を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項12】
前記ゲームプログラムは、前記ゲーム装置を、
特定のプレイヤに設定されている前記担当オブジェクトの種類についての指定を受付ける担当オブジェクト種類指定手段、および
当該指定された担当オブジェクトの種類が当該特定のプレイヤに設定されている担当オブジェクトの種類と一致しているか否かを判断する一致判断手段、としてさらに機能させ、
前記評価手段は、前記一致判断手段による判断結果に基づいても評価を行う、請求項11に記載のゲームプログラム。
【請求項13】
前記評価手段は、前記一致判断手段によってオブジェクトの種類が一致していると判断された場合に、当該指定を与えたプレイヤを当該特定のプレイヤに対して相対的に高く評価する、請求項12に記載のゲームプログラム。
【請求項14】
前記評価手段は、前記一致判断手段によってオブジェクトの種類が一致していないと判断された場合に、当該特定のプレイヤを当該指定を与えたプレイヤに対して相対的に高く評価する、請求項12または13に記載のゲームプログラム。
【請求項15】
前記担当オブジェクト表示手段は、前記一致判断手段によってオブジェクトの種類が一致していると判断された場合に、当該特定プレイヤに設定されている担当オブジェクトを他のプレイヤに対して識別不能な態様から識別可能な態様に表示を変更する、請求項12〜14のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項16】
前記ゲームプログラムは、前記ゲーム装置を、
プレイヤ別に、前記特定のプレイヤに設定されている担当オブジェクトの種類についての指定を受付けた回数を検出する回数検出手段、および
前記回数検出手段によって検出された回数が所定数に達したユーザについては、前記担当オブジェクト種類指定手段による指定の受付けを不能動化する不能動化手段、としてさらに機能させる、請求項12〜15のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項17】
複数のプレイヤが参加可能な対戦型ゲームを提供するゲーム装置であって、
入力手段と、
表示手段と、
3種類以上の配置オブジェクトについてのそれぞれの累積数を表示する累積数表示手段と、
各プレイヤに対して、前記3種類以上の配置オブジェクトの一部を抽出して得られる少なくとも2種類の配置オブジェクトを当該プレイヤの担当オブジェクトとして設定する担当オブジェクト設定手段と、
前記入力手段を介した指示および他のプレイヤからの指示の少なくとも一方に応じて、指定された種類の配置オブジェクトについての累積数を更新する累積数更新手段と、
ゲーム終了条件が満たされた否かを判断するゲーム終了判断手段と、
前記ゲーム終了条件が満たされたと判断された場合に、各プレイヤについて、当該プレイヤに対して前記担当オブジェクトとして設定されている、前記少なくとも2種類の配置オブジェクトについてのそれぞれの累積数に基づいて評価する評価手段とを備える、ゲーム装置。
【請求項18】
複数のプレイヤが参加可能な対戦型ゲームを提供するゲームシステムであって、
第1プレイヤに関連付けられた、第1入力手段および第1表示手段を含む第1端末手段と、
第2プレイヤに関連付けられた、第2入力手段および第2表示手段を含む第2端末手段と、
3種類以上の配置オブジェクトについてのそれぞれの累積数を、前記第1および第2表示手段に表示させる累積数表示手段と、
少なくとも前記第1および第2プレイヤの各々に対して、前記3種類以上の配置オブジェクトの一部を抽出して得られる少なくとも2種類の配置オブジェクトを当該プレイヤの担当オブジェクトとして設定する担当オブジェクト設定手段と、
前記第1および第2入力手段の少なくとも一方を介した指示に応じて、指定された種類の配置オブジェクトについての累積数を更新する累積数更新手段と、
ゲーム終了条件が満たされた否かを判断するゲーム終了判断手段と、
前記ゲーム終了条件が満たされたと判断された場合に、各プレイヤについて、当該プレイヤに対して前記担当オブジェクトとして設定されている、前記少なくとも2種類の配置オブジェクトについてのそれぞれの累積数に基づいて評価する評価手段とを備える、ゲームシステム。
【請求項19】
前記第1表示手段において、前記第1プレイヤに設定された前記担当オブジェクトを識別可能な態様で表示するとともに、前記第2プレイヤに設定された前記担当オブジェクトを識別不能な態様で表示する第1担当オブジェクト表示手段と、
前記第2表示手段において、前記第2プレイヤに設定された前記担当オブジェクトを識別可能な態様で表示するとともに、前記第1プレイヤに設定された前記担当オブジェクトを識別不能な態様で表示する第2担当オブジェクト表示手段と、
前記第1プレイヤからの、前記第2プレイヤに設定されている前記担当オブジェクトの種類についての指定を、前記第1入力手段を介して受付ける担当オブジェクト種類指定手段と、
当該指定された担当オブジェクトの種類が前記第2プレイヤに設定されている担当オブジェクトの種類と一致しているか否かを判断する一致判断手段とをさらに備え、
前記評価手段は、前記一致判断手段による判断結果に基づいても評価を行う、請求項18に記載のゲームシステム。
【請求項20】
前記第1および第2プレイヤを含む参加している複数のプレイヤは、前記ゲーム終了条件が満たされたと判断されるまで、前記配置オブジェクトについての累積数の更新に対する指示を所定順序に従って順次与える、請求項18または19に記載のゲームシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2010−284262(P2010−284262A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−139249(P2009−139249)
【出願日】平成21年6月10日(2009.6.10)
【出願人】(000233778)任天堂株式会社 (1,115)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月10日(2009.6.10)
【出願人】(000233778)任天堂株式会社 (1,115)
【Fターム(参考)】
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