説明

ゲームプログラム、ゲーム装置、及びゲーム制御方法

【課題】ゲーム世界のキャラクタが現実世界の人と同じような行動傾向を示すゲームを提供する。
【解決手段】本プログラムでは、現実世界のイベントにおける情報を示す情報データGSRが、記憶部2に格納される。そして、ゲームで動作するキャラクタのタイプを示すタイプデータTDが、制御部1に認識される。そして、キャラクタに関連する情報データGSRを分析する処理が、制御部1により実行される。そして、分析後の情報データGSRに基づいてタイプデータTDを補正する処理が、制御部1により実行される。そして、補正後のタイプデータTDに基づいて、キャラクタの行動を制御する命令が、制御部1から発行される。これにより、現実世界のイベントにおける情報が反映されたタイプを有するキャラクタの行動が、制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、特に、現実世界のイベントにおける情報がキャラクタに反映されるゲームを、コンピュータにおいて実現するためのゲームプログラムに関する。また、このゲームプログラムを実行可能なゲーム装置、およびこのゲームプログラムに基づいてコンピュータにより制御されるゲーム制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から様々なビデオゲームが提案されている。これらビデオゲームは、ゲーム装置において実行されるようになっている。たとえば、一般的なゲーム装置は、モニタと、モニタとは別体のゲーム機本体と、ゲーム機本体とは別体の入力装置たとえばコントローラとを有している。コントローラには、複数の入力釦が配置されている。
【0003】
このようなゲーム装置において実現されるビデオゲームの1つとして、たとえば、野球ゲームが知られている(非特許文献1を参照)。この野球ゲームでは、プレイヤが選手キャラクタに命令を指示することにより、対戦ゲームを実行することができるようになっている。また、この野球ゲームでは、選手キャラクタを自動的に制御するプログラム(自動制御プログラム)により、選手キャラクタに命令が指示されることによっても、対戦ゲームを実行することができるようになっている。
【非特許文献1】プロ野球スピリッツ5、コナミ株式会社、2008年4月1日、PlayStation版
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の野球ゲームでは、選手キャラクタが行動するときの傾向(行動傾向)が、選手キャラクタごとに異なるように、設定されている。この行動傾向は、一般的には、ゲームの制作時に、ゲーム制作者により任意に設定される。これにより、野球ゲームの実行時に、各選手キャラクタに対して各種の命令がプレイヤや自動制御プログラムから指示されると、指示された命令に対応する行動を各選手キャラクタに行わせるための制御が、制御部により実行される。
【0005】
たとえば、各選手キャラクタが自動制御プログラムにより制御される場合、各選手キャラクタは、各自の行動傾向に基づいて、指示された命令に対応する行動を実行する。これにより、同じ命令が、A選手キャラクタおよびB選手キャラクタに指示されたとしても、A選手キャラクタとB選手キャラクタとが、必ずしも同じ行動を行わないように制御することができる。このため、自動制御プログラムにより各選手キャラクタが制御されている場合でも、様々なバリエーションで、各選手キャラクタを行動させることができる。
【0006】
言い換えると、様々なバリエーションで各選手キャラクタを行動させるために、行動傾向が設定されている。この行動傾向は、上述したように、ゲームの制作時にゲーム制作者により任意に設定される。このため、従来の野球ゲームでは、プレイヤは、ゲーム世界という閉じられた世界だけで野球ゲームをプレイする場合は、選手キャラクタの行動に違和感を持つことなく、野球ゲームを十分に楽しむことができていた。
【0007】
しかしながら、野球ゲームを好むプレイヤは、現実世界の野球にも精通していることが多い。このようなプレイヤは、現実世界の選手とゲーム世界の選手キャラクタとが同じような行動傾向を示す野球ゲームが実現されることを、期待していた。このため、現実世界の選手とゲーム世界の選手キャラクタとが同じような行動傾向を示す野球ゲームを実現して欲しいという要望が、このようなプレイヤから寄せられるようになってきた。しかしながら、従来の野球ゲームでは、各選手キャラクタの行動に影響を与える行動傾向は、ゲームの制作時にゲーム制作者により任意に設定されていたので、このプレイヤの要望を従来の野球ゲームにおいて実現することは、現実的には困難であった。また、このようなプレイヤの要望を実現するための仕組みや手段も、用意されていなかった。
【0008】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、ゲーム世界のキャラクタが現実世界の人と同じような行動傾向を示すゲームを提供する、ことにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係るゲームプログラムは、現実世界のイベントにおける情報がキャラクタに反映されるゲームを、実行可能なコンピュータに、以下の機能を実現させるためのプログラムである。
(1)現実世界のイベントにおける情報を示す情報データを、記憶部に格納する現実データ格納機能。
(2)ゲームで動作するキャラクタのタイプを示すタイプデータを、制御部に認識させることにより、キャラクタのタイプを設定するタイプ設定機能。
(3)キャラクタに関連する情報データを分析する処理を、制御部に実行させることにより、現実世界のイベントにおける情報から、キャラクタのタイプに関連する情報を導出するタイプ情報導出機能。
(4)分析後の情報データに基づいてタイプデータを補正する処理を、制御部に実行させることにより、現実世界のイベントにおける情報を、キャラクタのタイプに反映する情報反映機能。
(5)補正後のタイプデータに基づいて、キャラクタの行動を制御する命令を、制御部に発行させることにより、現実世界のイベントにおける情報が反映されたタイプを有するキャラクタの行動を、制御する行動制御機能。
【0010】
このゲームプログラムでは、現実データ格納機能において、現実世界のイベントにおける情報を示す情報データが、記憶部に格納される。タイプ設定機能においては、ゲームで動作するキャラクタのタイプを示すタイプデータが、制御部に認識される。これにより、キャラクタのタイプが設定される。タイプ情報導出機能においては、キャラクタに関連する情報データを分析する処理が、制御部により実行される。これにより、現実世界のイベントにおける情報から、キャラクタのタイプに関連する情報が、導出される。情報反映機能においては、分析後の情報データに基づいてタイプデータを補正する処理が、制御部により実行される。これにより、現実世界のイベントにおける情報が、キャラクタのタイプに反映される。行動制御機能においては、補正後のタイプデータに基づいて、キャラクタの行動を制御する命令が、制御部から発行される。これにより、現実世界のイベントにおける情報が反映されたタイプを有するキャラクタの行動が、制御される。
【0011】
このゲームプログラムが野球ゲームに適用された場合を一例として説明すると、まず、現実世界の試合における情報を示す情報データが、記憶部に格納される。そして、野球ゲームで動作する選手キャラクタのタイプを示すタイプデータが、制御部に認識される。これにより、選手キャラクタのタイプ、たとえば選手キャラクタの特徴や癖が、設定される。そして、選手キャラクタに関連する情報データを分析する処理が、制御部により実行される。これにより、現実世界の試合における情報から、選手キャラクタの特徴や癖に関連する情報が、導出される。そして、分析後の情報データに基づいてタイプデータを補正する処理が、制御部により実行される。これにより、現実世界の試合における情報が、野球ゲームにおける選手キャラクタの特徴や癖に、反映される。そして、補正後のタイプデータに基づいて、選手キャラクタの行動を制御する命令が、制御部から発行される。すると、選手キャラクタの行動が、現実世界の試合における情報から導出された特徴や癖に依存した状態で、制御される。
【0012】
この場合、選手キャラクタに関連する現実世界の情報データを分析することにより、現実世界の試合における情報から、選手キャラクタの特徴や癖に関連する情報が、導出される。そして、分析後の情報データに基づいてタイプデータを補正することにより、現実世界の試合における情報が、選手キャラクタの特徴や癖に反映される。ここで、補正後のタイプデータに基づいて選手キャラクタの行動を制御する命令が発行されると、現実世界の試合における情報が反映された特徴や癖を持つ選手キャラクタを、行動させることができる。
【0013】
このように、請求項1に係る発明では、現実世界の試合における情報を分析することにより、現実世界の選手の特徴や癖を抽出することができる。そして、ここで抽出された現実世界の選手の特徴や癖を、野球ゲームにおける選手キャラクタの特徴や癖に、反映することにより、野球ゲームにおける選手キャラクタの特徴や癖を、現実世界の選手のものに近づけることができる。すなわち、現実世界の選手と同じような特徴や癖を、ゲーム世界の選手キャラクタに設定することができる。これにより、ゲーム世界の選手キャラクタが現実世界の選手と同じような行動傾向を示すゲームを、プレイヤに対して提供することができる。一般的に表現すると、ゲーム世界のキャラクタが現実世界の人と同じような行動傾向を示すゲームを、プレイヤに対して提供することができる。
【0014】
請求項2に係るゲームプログラムは、請求項1に記載のゲームプログラムにおいて、以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(6)キャラクタの能力を示す能力データを、制御部に認識させることにより、キャラクタの能力を設定する能力設定機能。
(7)補正後のタイプデータに基づいて、能力データを補正する処理を、制御部に実行させることにより、現実世界のイベントにおける情報が反映されたタイプを有するキャラクタの能力を、再設定する能力再設定機能。
【0015】
このゲームプログラムでは、能力設定機能において、キャラクタの能力を示す能力データが、制御部に認識される。これにより、キャラクタの能力が設定される。能力再設定機能においては、補正後のタイプデータに基づいて、能力データを補正する処理が、制御部により実行される。これにより、現実世界のイベントにおける情報が反映されたタイプを有するキャラクタの能力が、再設定される。
【0016】
このゲームプログラムが野球ゲームに適用された場合を一例として説明すると、選手キャラクタの能力を示す能力データが、制御部に認識される。これにより、選手キャラクタの能力が設定される。そして、補正後のタイプデータに基づいて、能力データを補正する処理が、制御部により実行される。これにより、選手キャラクタの能力が、現実世界の試合における情報が反映された特徴や癖に依存して、再設定される。
【0017】
この場合、現実世界の試合における情報に基づいて設定された選手キャラクタの特徴や癖に応じて、選手キャラクタの能力を設定することができる。たとえば、現実世界の試合における情報に基づいて、投手のコントロールの良し悪しや打者の得意コース等を、ゲーム世界の選手キャラクタの能力として、ゲーム世界の選手キャラクタに対して設定することができる。
【0018】
このように、請求項2に係る発明では、野球ゲームにおける選手キャラクタの能力を、特徴や癖を持った現実世界の選手のものに近づけることができる。すなわち、現実世界の選手の特徴や癖を、選手キャラクタの能力に反映することができる。このため、ゲーム世界の選手キャラクタが現実世界の選手と同じような行動傾向を示すゲームを、プレイヤに対して提供することができる。一般的に表現すると、ゲーム世界のキャラクタが現実世界の人と同じような行動傾向を示すゲームを、プレイヤに対して提供することができる。
【0019】
請求項3に係るゲームプログラムでは、請求項1又は2に記載のゲームプログラムにおいて、キャラクタに関連する情報データの統計処理を、制御部に実行させることにより、現実世界のイベントにおける情報から、キャラクタのタイプに関連する情報が、導出される。この機能は、タイプ情報導出機能において実現される。情報反映機能では、キャラクタに関連する情報データのデータ量および統計処理後の情報データに基づいてタイプデータを補正する処理が、制御部により実行される。これにより、信頼度が評価された情報が、キャラクタのタイプに反映される。
【0020】
このゲームプログラムが野球ゲームに適用された場合を一例として説明すると、選手キャラクタに関連する情報データの統計処理が、制御部により実行される。これにより、現実世界の試合における情報から、選手キャラクタの特徴や癖に関連する情報が、導出される。そして、選手キャラクタに関連する情報データのデータ量および統計処理後の情報データに基づいてタイプデータを補正する処理が、制御部により実行される。これにより、情報の信頼度が評価され、選手キャラクタのタイプに反映される。
【0021】
この場合、選手キャラクタに関連する情報データのデータ量および統計処理後の情報データに基づいて、タイプデータを補正することにより、情報の信頼度が評価され、現実世界の試合における情報が、選手キャラクタの特徴や癖に反映される。たとえば、現実世界の試合における情報が少ない場合、情報の信頼度が低くなるように、統計処理後の情報データが補正される。一方で、現実世界の試合における情報が多い場合、情報の信頼度が高くなるように、統計処理後の情報データが補正される。ここで補正された情報データに基づいてタイプデータを補正することにより、信頼度が評価された情報を、選手キャラクタのタイプに反映することができる。
【0022】
このように、請求項3に係る発明では、情報の信頼度を評価した上で、現実世界の選手の特徴や癖を、野球ゲームにおける選手キャラクタの特徴や癖に、反映することができる。ここでは、情報の信頼度の評価たとえば情報量に基づいて、現実世界の選手の特徴や癖を、野球ゲームにおける選手キャラクタの特徴や癖に、反映することができる。これにより、現実世界の選手の情報を、選手キャラクタに対して、自然に反映することができる。
【0023】
請求項4に係るゲームプログラムでは、請求項3に記載のゲームプログラムにおいて、キャラクタに関連する情報データのデータ量が所定量未満の場合、タイプデータを補正する処理の実行が、制御部により拒否される。また、キャラクタに関連する情報データのデータ量が所定量以上の場合、統計処理後の情報データに基づいて、タイプデータを補正する処理が、制御部により実行される。この機能は、情報反映機能において実現される。
【0024】
このゲームプログラムが野球ゲームに適用された場合を一例として説明すると、選手キャラクタに関連する情報データが所定量未満の場合に、タイプデータを補正する処理が、制御部により実行される。これにより、情報の信頼度が評価され、選手キャラクタのタイプに反映される。
【0025】
この場合、現実世界の選手の特徴や癖を十分に再現できない情報量しかない状態では、ゲーム上の選手キャラクタへの情報の反映を行わないことで、現実から大きく乖離した選手キャラクタに変化させてしまうことを回避することができる。そして、現実世界の選手の特徴や癖を再現できる程度の情報量がある状態の場合には、ゲーム上の選手キャラクタへの情報の反映を行うことができる。これにより、現実世界の選手の情報を、ゲーム上の選手キャラクタに対して、自然に反映することができる。
【0026】
請求項5に係るゲームプログラムでは、請求項4に記載のゲームプログラムにおいて、キャラクタに関連する情報データのデータ量が所定量以上の場合、キャラクタに関連する情報データのデータ量に応じて、タイプデータの補正レベルを変更する処理が、制御部により実行される。この機能は、情報反映機能において実現される。
【0027】
このゲームプログラムが野球ゲームに適用された場合を一例として説明すると、選手キャラクタに関連する情報データのデータ量が所定量以上の場合、選手キャラクタに関連する情報データのデータ量に応じて、タイプデータの補正レベルを変更する処理が、制御部により実行される。
【0028】
この場合、現実世界の選手の特徴や癖を再現できる程度の情報量がある状態の場合には、ゲーム上の選手キャラクタへの情報の反映を行うことができる。これにより、現実世界の選手の情報を、ゲーム上の選手キャラクタに対して、自然に反映することができる。特に、ここでは、たとえば、情報量が多いほど、ゲーム上の選手キャラクタへの情報の反映の度合いを大きくすることで、現実世界の選手の情報を、ゲーム上の選手キャラクタに対して、より自然に反映することができる。
【0029】
請求項6に係るゲームプログラムは、請求項1から5のいずれかに記載のゲームプログラムにおいて、以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(8)情報の信頼度を示す表示子を、画像表示部に表示する命令を、制御部に発行させることにより、情報の信頼度を報知する信頼度報知機能。
【0030】
このゲームプログラムでは、信頼度報知機能において、情報の信頼度を示す表示子を、画像表示部に表示する命令が、制御部から発行される。これにより、情報の信頼度が報知される。
【0031】
このゲームプログラムが野球ゲームに適用された場合を一例として説明すると、情報の信頼度を示す表示子、たとえば、現実世界の選手の特徴や癖がどの程度、ゲーム上のキャラクタに反映されているかのレベルを示す表示子が、画像表示部に表示される。たとえば、現実世界の試合における情報量に応じた表示子、たとえば信頼度ゲージが、画像表示部に表示される。これにより、プレイヤは、ゲーム世界の選手キャラクタが、どの程度、現実世界の選手と同じような行動傾向を持って行動するのかを、信頼度ゲージに基づいて判断することができる。
【0032】
請求項7に係るゲームプログラムでは、請求項1から6のいずれかに記載のゲームプログラムにおいて、情報データが、現実世界のイベントの状況を示す状況情報データ、現実世界のイベントにおける詳細情報を示す詳細情報データ、および現実世界のイベントにおける事象の結果を示す結果情報データから構成されている。ここで、タイプ情報導出機能では、状況情報データ、詳細情報データ、および結果情報データの少なくともいずれか1つのデータの統計処理が、制御部により実行される。これにより、現実世界のイベントにおける情報から、キャラクタのタイプに関連する情報が、導出される。
【0033】
このゲームプログラムが野球ゲームに適用された場合を一例として説明すると、情報データが、現実世界の試合における回や出塁状況等を示す試合状況情報データ、現実世界の試合における、投球位置、ミット位置、球速、および球速等を示す詳細情報データ、および現実世界の試合におけるプレイ結果を示す結果情報データ、から構成されている。これらの情報データを統計処理することにより、選手キャラクタの特徴や癖に関連する情報が、現実世界の試合における情報から導出される。
【0034】
たとえば、出塁状況とプレイ結果とを記録した情報(試合状況情報データ、結果情報データ)を、統計処理することにより、打者のメンタル面の強弱を評価するための情報が、抽出される。また、1球ごとの投球位置とミット位置とを記録した情報(詳細情報データ)を、統計処理することにより、投手のコントロールの良し悪しを評価するための情報が、抽出される。また、球種や球速等を記録した情報(詳細情報データ)を、統計処理することにより、投手が、ストレート重視の投手であるか変化球重視の投手であるかを評価するための情報が、抽出される。
【0035】
このように、請求項7に係る発明では、現実世界の試合における、試合状況情報、詳細情報、およびプレイ結果から、選手キャラクタの特徴や癖に関連する情報を、抽出することができる。すなわち、現実世界の選手と同じような特徴や癖を、ゲーム世界の選手キャラクタに設定することができる。これにより、ゲーム世界の選手キャラクタが現実世界の選手と同じような行動傾向を示すゲームを、プレイヤに対して提供することができる。一般的に表現すると、ゲーム世界のキャラクタが現実世界の人と同じような行動傾向を示すゲームを、プレイヤに対して提供することができる。
【0036】
請求項8に係るゲームプログラムでは、請求項1から7のいずれかに記載のゲームプログラムにおいて、ゲームを起動する命令が制御部から発行されたときに、サーバに格納された情報データを受信する命令が、制御部から発行される。これにより、情報データが記憶部に格納される。この機能は、データ格納機能において実現される。
【0037】
このゲームプログラムが野球ゲームに適用された場合を一例として説明すると、野球ゲームが起動されると、コンピュータが通信網を介してサーバに接続される。すると、サーバに格納された情報データが、コンピュータの記憶部にダウンロードされる。すなわち、野球ゲームがコンピュータにおいて実行される際には、現実世界の試合において収集された最新の情報データを、用いることができる。すなわち、現実世界の選手の最新の行動傾向を、ゲーム世界の選手キャラクタに反映することができる。
【0038】
請求項9に係るゲームプログラムは、請求項1から8のいずれかに記載のゲームプログラムにおいて、以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(9)現実世界のイベントにおける情報に対応する、ゲームのイベントにおける情報を示す情報データを、記憶部に格納するゲームデータ収集機能。
【0039】
このゲームプログラムでは、ゲームデータ収集機能において、現実世界のイベントにおける情報に対応する、ゲームのイベントにおける情報を示す情報データが、記憶部に格納される。タイプ情報導出機能では、ゲームを起動する命令が制御部から新規に発行されたときに、現実世界のイベントにおける情報を示す情報データ、およびゲームのイベントにおける情報を示す情報データを分析する処理が、制御部により実行される。これにより、現実世界のイベントにおける情報およびゲームのイベントにおける情報から、キャラクタのタイプに関連する情報が、導出される。情報反映機能では、分析後の情報データに基づいてタイプデータを補正する処理が、制御部により実行される。これにより、現実世界のイベントにおける情報、およびゲームのイベントにおける情報が、キャラクタのタイプに反映される。行動制御機能では、補正後のタイプデータに基づいて、キャラクタの行動を制御する命令が、制御部から発行される。これにより、現実世界のイベントにおける情報およびゲームのイベントにおける情報が反映されたタイプを有するキャラクタの行動が、制御される。
【0040】
このゲームプログラムが野球ゲームに適用された場合を一例として説明すると、野球ゲームの試合における情報を示す情報データが、記憶部に格納される。そして、野球ゲームを起動する命令が制御部から新規に発行されたときに、現実世界の試合における情報を示す情報データ、および野球ゲームの試合における情報を示す情報データを分析する処理が、制御部により実行される。これにより、現実世界の試合における情報および野球ゲームの試合における情報から、選手キャラクタの特徴や癖に関連する情報が、導出される。そして、分析後の情報データに基づいてタイプデータを補正する処理が、制御部により実行される。これにより、現実世界の試合における情報、および野球ゲームの試合における情報が、選手キャラクタの特徴や癖に反映される。そして、補正後のタイプデータに基づいて、選手キャラクタの行動を制御する命令が、制御部から発行される。すると、選手キャラクタの行動が、現実世界の試合における情報および野球ゲームの試合における情報から導出された特徴や癖に依存した状態で、制御される。
【0041】
この場合、現実世界の情報データおよびゲーム世界の情報データを分析することにより、現実世界の試合およびゲーム世界の試合における情報から、選手キャラクタの特徴や癖に関連する情報が、導出される。そして、分析後の情報データに基づいてタイプデータを補正することにより、現実世界の試合の情報およびゲーム世界の試合の情報が、選手キャラクタの特徴や癖に反映される。ここで、補正後のタイプデータに基づいて選手キャラクタの行動を制御する命令が発行されると、情報が反映された特徴や癖を持つ選手キャラクタを、行動させることができる。
【0042】
このように、請求項9に係る発明では、現実世界の試合における情報だけでなく、ゲーム世界の試合における情報も同時に、分析されるようになっている。これにより、現実世界の選手の特徴や癖だけでなく、ゲーム世界の選手キャラクタの特徴や癖も同時に、抽出することができる。そして、ここで抽出された特徴や癖を、野球ゲームにおける選手キャラクタの特徴や癖に反映することにより、野球ゲームにおける選手キャラクタを進化させることができる。
【0043】
すなわち、プレイヤが、現実世界の選手と同じような行動傾向を示す選手キャラクタに対して、命令を指示することにより、プレイヤは、この選手キャラクタを進化させることができる。一般的に表現すると、ゲーム世界のキャラクタが現実世界の人と同じような行動傾向を示すゲームだけでなく、このゲームを発展させたゲームも、プレイヤに対して提供することができる。
【0044】
請求項10に係るゲームプログラムでは、請求項1から9のいずれかに記載のゲームプログラムにおいて、第1キャラクタのタイプを示す第1タイプデータ、および第1キャラクタと対決する第2キャラクタのタイプを示す第2タイプデータが、制御部に認識される。これにより、キャラクタのタイプが設定される。この機能は、タイプ設定機能において実現される。
【0045】
このゲームプログラムが野球ゲームに適用された場合を一例として説明すると、投手キャラクタのタイプを示す投手タイプデータ、および投手キャラクタと対決する打者キャラクタのタイプを示す打者タイプデータが、制御部に認識される。これにより、投手キャラクタおよび打者キャラクタの特徴や癖が、設定される。
【0046】
この場合、投手キャラクタおよび打者キャラクタに対して、現実世界の情報に基づいた特徴や癖が設定されるので、投手キャラクタと打者キャラクタとが対戦するときに、プレイヤは、現実世界の試合と同じような感覚を、野球ゲームにおいて体験することができる。すなわち、ゲーム世界の選手キャラクタが現実世界の選手と同じような行動傾向を示すゲームを、プレイヤに対して提供することができる。一般的に表現すると、ゲーム世界のキャラクタが現実世界の人と同じような行動傾向を示すゲームを、プレイヤに対して提供することができる。
【0047】
請求項11に係るゲームプログラムでは、請求項10に記載のゲームプログラムにおいて、第1キャラクタの能力を示す第1能力データおよび第2キャラクタの能力を示す第2能力データが、制御部に認識される。これにより、キャラクタの能力が設定される。この機能は、能力設定機能において実現される。能力再設定機能では、補正後の第1タイプデータおよび補正後の第2タイプデータのいずれか一方のデータに基づいて、第1能力データおよび第2能力データの少なくともいずれか一方のデータを補正する処理が、制御部により実行される。これにより、情報が反映されたタイプを有するキャラクタの能力が、再設定される。
【0048】
このゲームプログラムが野球ゲームに適用された場合を一例として説明すると、投手キャラクタの能力を示す投手能力データ、および打者キャラクタの能力を示す打者能力データが、制御部に認識される。これにより、投手キャラクタの能力および打者キャラクタの能力が、設定される。そして、補正後の投手タイプデータ、および補正後の打者タイプデータのいずれか一方のデータに基づいて、投手能力データおよび打者能力データの少なくともいずれか一方のデータを補正する処理が、制御部により実行される。これにより、投手キャラクタの能力および打者キャラクタの能力が、現実世界の試合における情報が反映された特徴や癖に依存して、再設定される。
【0049】
この場合、補正後の投手タイプデータ、および補正後の打者タイプデータのいずれか一方のデータに基づいて、投手能力データおよび打者能力データの少なくともいずれか一方のデータが、補正される。たとえば、打者キャラクタの得意コースにボールがきた場合、得意コースに対する打者キャラクタのミート力が大きくなるように、打者能力データが補正される。ここで、打者キャラクタの得意コースは、補正後の打者タイプデータに基づいて規定される。また、守備側がピンチのときに、メンタル面が強い投手が投球する場合、球速、球威、変化球の変化量等が大きくなるように、投手能力データが補正される。さらに、守備側がピンチのときに、メンタルが強い投手が投球する場合、打者のミート力が小さくなるように、打者能力データが補正される。ここで、投手キャラクタのメンタル面は、補正後の投手タイプデータに基づいて規定される。
【0050】
このように、請求項11に係る発明では、投手タイプデータ又は打者タイプデータに基づいて、投手能力データおよび打者能力データの少なくともいずれか一方のデータを再設定することにより、投手キャラクタおよび打者キャラクタの少なくともいずれか一方の能力を、直接的又は間接的に評価することができる。これにより、投手キャラクタと打者キャラクタとが対戦するときに、プレイヤは、現実世界の試合と同じような感覚を、野球ゲームにおいて体験することができる。すなわち、ゲーム世界の選手キャラクタが現実世界の選手と同じような行動傾向を示すゲームを、プレイヤに対して提供することができる。一般的に表現すると、ゲーム世界のキャラクタが現実世界の人と同じような行動傾向を示すゲームを、プレイヤに対して提供することができる。
【0051】
請求項12に係るゲーム装置は、現実世界のイベントにおける情報がキャラクタに反映されるゲームを、実行可能なゲーム装置である。
【0052】
このゲーム装置は、
現実世界のイベントにおける情報を示す情報データを、記憶部に格納するデータ格納手段と、
ゲームで動作するキャラクタのタイプを示すタイプデータを、制御部に認識させることにより、キャラクタのタイプを設定するタイプ設定手段と、
キャラクタに関連する情報データを分析する処理を、制御部に実行させることにより、現実世界のイベントにおける情報から、キャラクタのタイプに関連する情報を導出するタイプ情報導出手段と、
分析後の情報データに基づいてタイプデータを補正する処理を、制御部に実行させることにより、現実世界のイベントにおける情報を、キャラクタのタイプに反映する情報反映手段と、
補正後のタイプデータに基づいて、キャラクタの行動を制御する命令を、制御部に発行させることにより、現実世界のイベントにおける情報が反映されたタイプを有するキャラクタの行動を、制御する行動制御手段と、
を備えている。
【0053】
請求項13に係るゲーム制御方法は、現実世界のイベントにおける情報がキャラクタに反映されるゲームを、コンピュータにより制御可能なゲーム制御方法である。
【0054】
このゲーム制御方法は、
現実世界のイベントにおける情報を示す情報データを、記憶部に格納するデータ格納ステップと、
ゲームで動作するキャラクタのタイプを示すタイプデータを、制御部に認識させることにより、キャラクタのタイプを設定するタイプ設定ステップと、
キャラクタに関連する情報データを分析する処理を、制御部に実行させることにより、現実世界のイベントにおける情報から、キャラクタのタイプに関連する情報を導出するタイプ情報導出ステップと、
分析後の情報データに基づいてタイプデータを補正する処理を、制御部に実行させることにより、現実世界のイベントにおける情報を、キャラクタのタイプに反映する情報反映ステップと、
補正後のタイプデータに基づいて、キャラクタの行動を制御する命令を、制御部に発行させることにより、現実世界のイベントにおける情報が反映されたタイプを有するキャラクタの行動を、制御する行動制御ステップと、
を備えている。
【発明の効果】
【0055】
本発明では、現実世界のイベントにおける情報を分析することにより、現実世界のイベントに参加する人の特徴や癖を抽出することができる。そして、ここで抽出された現実世界の人の特徴や癖を、ゲームにおけるキャラクタの特徴や癖に、反映することにより、ゲームにおけるキャラクタの特徴や癖を、現実世界の人のものに近づけることができる。すなわち、現実世界の人と同じような特徴や癖を、ゲーム世界のキャラクタに設定することができる。これにより、ゲーム世界のキャラクタが現実世界の人と同じような行動傾向を示すゲームを、プレイヤに対して提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
〔ゲーム装置の構成と動作〕
図1は、本発明の一実施形態によるゲーム装置の基本構成を示している。ここでは、ビデオゲーム装置の一例として、家庭用ビデオゲーム装置を対象として説明を行うこととする。家庭用ビデオゲーム装置は、家庭用ゲーム装置本体および家庭用テレビジョンを備える。家庭用ゲーム装置本体には、記録媒体10が装填可能となっており、記録媒体10からゲームデータが適宜読み出されてゲームが実行される。このようにして実行されるゲーム内容が家庭用テレビジョンに表示される。
【0057】
家庭用ビデオゲーム装置のゲームシステムは、制御部1と、記憶部2と、画像表示部3と、音声出力部4と、操作入力部5、通信部23とからなっており、それぞれがバス6を介して接続される。このバス6は、アドレスバス、データバス、およびコントロールバスなどを含んでいる。ここで、制御部1、記憶部2、音声出力部4および操作入力部5は、家庭用ビデオゲーム装置の家庭用ゲーム装置本体に含まれており、画像表示部3は家庭用テレビジョンに含まれている。
【0058】
制御部1は、主に、ゲームプログラムに基づいてゲーム全体の進行を制御するために設けられている。制御部1は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)7と、信号処理プロセッサ8と、画像処理プロセッサ9とから構成されている。CPU7と信号処理プロセッサ8と画像処理プロセッサ9とは、それぞれがバス6を介して互いに接続されている。CPU7は、ゲームプログラムからの命令を解釈し、各種のデータ処理や制御を行う。たとえば、CPU7は、信号処理プロセッサ8に対して、画像データを画像処理プロセッサに供給するように命令する。信号処理プロセッサ8は、主に、3次元空間上における計算と、3次元空間上から擬似3次元空間上への位置変換計算と、光源計算処理と、3次元空間上又は擬似3次元空間上で実行された計算結果に基づいた画像および音声データの生成加工処理とを行っている。画像処理プロセッサ9は、主に、信号処理プロセッサ8の計算結果および処理結果に基づいて、描画すべき画像データをRAM12に書き込む処理を行っている。また、CPU7は、信号処理プロセッサ8に対して、各種データを処理するように命令する。信号処理プロセッサ8は、主に、3次元空間上における各種データに対応する計算と、3次元空間上から擬似3次元空間上への位置変換計算とを行っている。
【0059】
記憶部2は、主に、プログラムデータや、プログラムデータで使用される各種データなどを格納しておくために設けられている。記憶部2は、たとえば、記録媒体10と、インターフェース回路11と、RAM(Random Access Memory)12とから構成されている。記録媒体10には、インターフェース回路11が接続されている。そして、インターフェース回路11とRAM12とはバス6を介して接続されている。記録媒体10は、オペレーションシステムのプログラムデータや、画像データ、音声データ並びに各種プログラムデータからなるゲームデータなどを記録するためのものである。この記録媒体10は、たとえば、ROM(Read Only Memory)カセット、光ディスク、およびフレキシブルディスクなどであり、オペレーティングシステムのプログラムデータやゲームデータなどが記憶される。なお、記録媒体10にはカード型メモリも含まれており、このカード型メモリは、主に、ゲームを中断するときに中断時点での各種ゲームパラメータを保存するために用いられる。RAM12は、記録媒体10から読み出された各種データを一時的に格納したり、制御部1からの処理結果を一時的に記録したりするために用いられる。このRAM12には、各種データとともに、各種データの記憶位置を示すアドレスデータが格納されており、任意のアドレスを指定して読み書きすることが可能になっている。
【0060】
画像表示部3は、主に、画像処理プロセッサ9によってRAM12に書き込まれた画像データや、記録媒体10から読み出される画像データなどを画像として出力するために設けられている。この画像表示部3は、たとえば、テレビジョンモニタ20と、インターフェース回路21と、D/Aコンバータ(Digital-To-Analogコンバータ)22とから構成されている。テレビジョンモニタ20にはD/Aコンバータ22が接続されており、D/Aコンバータ22にはインターフェース回路21が接続されている。そして、インターフェース回路21にバス6が接続されている。ここでは、画像データが、インターフェース回路21を介してD/Aコンバータ22に供給され、ここでアナログ画像信号に変換される。そして、アナログ画像信号がテレビジョンモニタ20に画像として出力される。
【0061】
ここで、画像データには、たとえば、ポリゴンデータやテクスチャデータなどがある。ポリゴンデータはポリゴンを構成する頂点の座標データのことである。テクスチャデータは、ポリゴンにテクスチャを設定するためのものであり、テクスチャ指示データとテクスチャカラーデータとからなっている。テクスチャ指示データはポリゴンとテクスチャとを対応づけるためのデータであり、テクスチャカラーデータはテクスチャの色を指定するためのデータである。ここで、ポリゴンデータとテクスチャデータとには、各データの記憶位置を示すポリゴンアドレスデータとテクスチャアドレスデータとが対応づけられている。このような画像データでは、信号処理プロセッサ8により、ポリゴンアドレスデータの示す3次元空間上のポリゴンデータ(3次元ポリゴンデータ)が、画面自体(視点)の移動量データおよび回転量データに基づいて座標変換および透視投影変換されて、2次元空間上のポリゴンデータ(2次元ポリゴンデータ)に置換される。そして、複数の2次元ポリゴンデータでポリゴン外形を構成して、ポリゴンの内部領域にテクスチャアドレスデータが示すテクスチャデータを書き込む。このようにして、各ポリゴンにテクスチャが貼り付けられた物体つまり各種キャラクタを表現することができる。
【0062】
音声出力部4は、主に、記録媒体10から読み出される音声データを音声として出力するために設けられている。音声出力部4は、たとえば、スピーカ13と、増幅回路14と、D/Aコンバータ15と、インターフェース回路16とから構成されている。スピーカ13には増幅回路14が接続されており、増幅回路14にはD/Aコンバータ15が接続されており、D/Aコンバータ15にはインターフェース回路16が接続されている。そして、インターフェース回路16にバス6が接続されている。ここでは、音声データが、インターフェース回路16を介してD/Aコンバータ15に供給され、ここでアナログ音声信号に変換される。このアナログ音声信号が増幅回路14によって増幅され、スピーカ13から音声として出力される。音声データには、たとえば、ADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)データやPCM(Pulse Code Modulation)データなどがある。ADPCMデータの場合、上述と同様の処理方法で音声をスピーカ13から出力することができる。PCMデータの場合、RAM12においてPCMデータをADPCMデータに変換しておくことで、上述と同様の処理方法で音声をスピーカ13から出力することができる。
【0063】
操作入力部5は、主に、コントローラ17と、操作情報インターフェース回路18と、インターフェース回路19とから構成されている。コントローラ17には、操作情報インターフェース回路18が接続されており、操作情報インターフェース回路18にはインターフェース回路19が接続されている。そして、インターフェース回路19にバス6が接続されている。
【0064】
コントローラ17は、プレイヤが種々の操作命令を入力するために使用する操作装置であり、プレイヤの操作に応じた操作信号をCPU7に送出する。コントローラ17には、第1ボタン17a、第2ボタン17b、第3ボタン17c、第4ボタン17d、上方向キー17U、下方向キー17D、左方向キー17L、右方向キー17R、L1ボタン17L1、L2ボタン17L2、R1ボタン17R1、R2ボタン17R2、スタートボタン17e、セレクトボタン17f、左スティック17SL及び右スティック17SRが設けられている。
【0065】
上方向キー17U、下方向キー17D、左方向キー17L及び右方向キー17Rは、例えば、キャラクタやカーソルをテレビジョンモニタ20の画面上で上下左右に移動させるコマンドをCPU7に与えるために使用される。
【0066】
スタートボタン17eは、記録媒体10からゲームプログラムをロードするようにCPU7に指示するときなどに使用される。
【0067】
セレクトボタン17fは、記録媒体10からロードされたゲームプログラムに対して、各種選択をCPU7に指示するときなどに使用される。
【0068】
左スティック17SL及び右スティック17SRは、いわゆるジョイスティックとほぼ同一構成のスティック型コントローラである。このスティック型コントローラは、直立したスティックを有している。このスティックは、支点を中心として直立位置から前後左右を含む360°方向に亘って、傾倒可能な構成になっている。左スティック17SL及び右スティック17SRは、スティックの傾倒方向及び傾倒角度に応じて、直立位置を原点とするx座標及びy座標の値を、操作信号として操作情報インターフェース回路18とインターフェース回路19とを介してCPU7に送出する。
【0069】
第1ボタン17a、第2ボタン17b、第3ボタン17c、第4ボタン17d、L1ボタン17L1、L2ボタン17L2、R1ボタン17R1及びR2ボタン17R2には、記録媒体10からロードされるゲームプログラムに応じて種々の機能が割り振られている。
【0070】
なお、左スティック17SL及び右スティック17SRを除くコントローラ17の各ボタン及び各キーは、外部からの押圧力によって中立位置から押圧されるとオンになり、押圧力が解除されると中立位置に復帰してオフになるオンオフスイッチになっている。
【0071】
通信部23は、通信制御回路24および通信インターフェース25を有している。通信制御回路24および通信インターフェース25は、ゲーム装置をサーバや他のゲーム装置等に接続するために用いられる。通信制御回路20および通信インターフェース21は、バス16を介してCPU11に接続されている。通信制御回路20および通信インターフェース21は、CPU11からの命令に応じて、ゲーム装置をインターネットに接続するための接続信号を制御し発信する。また、通信制御回路20および通信インターフェース21は、インターネットを介してゲーム装置をサーバや他のゲーム装置に接続するための接続信号を制御し発信する。
【0072】
以上のような構成からなる家庭用ビデオゲーム装置の概略動作を、以下に説明する。電源スイッチ(図示省略)がオンにされゲームシステム1に電源が投入されると、CPU7が、記録媒体10に記憶されているオペレーティングシステムに基づいて、記録媒体10から画像データ、音声データ、およびプログラムデータを読み出す。読み出された画像データ、音声データ、およびプログラムデータの一部若しくは全部は、RAM12に格納される。そして、CPU7が、RAM12に格納されたプログラムデータに基づいて、RAM12に格納された画像データや音声データを画像や音声としてテレビジョンモニタ20やスピーカ13に出力するためのコマンドを発行する。
【0073】
画像データの場合、CPU7からのコマンドに基づいて、まず、信号処理プロセッサ8が、3次元空間上におけるキャラクタの位置計算および光源計算などを行う。次に、画像処理プロセッサ9が、信号処理プロセッサ8の計算結果に基づいて、描画すべき画像データのRAM12への書き込み処理などを行う。そして、RAM12に書き込まれた画像データが、インターフェース回路21を介してD/Aコンバータ22に供給される。ここで、画像データがD/Aコンバータ22でアナログ映像信号に変換される。そして、画像データはテレビジョンモニタ20に供給され画像として表示される。
【0074】
音声データの場合、まず、信号処理プロセッサ8が、CPU7からのコマンドに基づいて音声データの生成および加工処理を行う。ここでは、音声データに対して、たとえば、ピッチの変換、ノイズの付加、エンベロープの設定、レベルの設定及びリバーブの付加などの処理が施される。次に、音声データは、信号処理プロセッサ8から出力されて、インターフェース回路16を介してD/Aコンバータ15に供給される。ここで、音声データがアナログ音声信号に変換される。そして、音声データは増幅回路14を介してスピーカ13から音声として出力される。

〔ゲーム装置における各種処理概要〕
本ゲーム装置において実行されるゲームは、たとえば、野球ゲームである。本ゲーム装置では、現実世界の試合における情報が選手キャラクタに反映されるゲームが、実行可能になっている。図2は、本発明で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。
【0075】
現実データ格納手段50は、現実世界の試合における情報を示す情報データを、RAM12に格納する機能を備えている。
【0076】
この手段では、現実世界の試合における情報を示す情報データが、RAM12に格納される。たとえば、野球ゲームを起動するための命令がCPU7から発行されると、ゲーム装置をサーバに接続するための命令がCPU7から発行される。すると、サーバに対するゲーム装置の接続を要求する信号が、通信部23から送信される。そして、サーバに対するゲーム装置の接続がサーバにおいて許可された場合、ゲーム装置が、サーバに接続される。すると、サーバに格納された情報データを受信する命令が、CPU7から発行され、この情報データが、RAM12に格納される。
【0077】
ここで、情報データは、現実世界の試合の状況を示す試合状況情報データ、現実世界の試合における詳細情報を示す詳細情報データ、および現実世界の試合における事象の結果を示す結果情報データ、から構成されている。試合状況情報データは、現実世界の試合における回や出塁状況等を示すデータである。詳細情報データは、現実世界の試合における、投球位置、ミット位置、球速、および球速等を示すデータである。結果情報データは、現実世界の試合におけるプレイ結果を示すデータである。
【0078】
能力設定手段51は、選手キャラクタの能力を示す能力データを、CPU7に認識させることにより、選手キャラクタの能力を設定する機能を備えている。
【0079】
この手段では、投手キャラクタの能力を示す投手用の能力データおよび打者キャラクタの能力を示す打者用の能力データが、CPU7に認識される。これにより、投手キャラクタの能力および打者キャラクタの能力が、設定される。たとえば、投手用の能力データには、球速の大小を示す球速データ、球威の大小を示す球威データ、および変化球の変化量の大小を示す変化量データが、含まれている。また、打者用の能力データには、打撃時のミート力の良し悪しを示すミート力データが、含まれている。これら能力データはRAM12に格納されており、RAM12に格納された各能力データがCPU7に認識される。
【0080】
なお、能力データは、ゲームプログラムのロード時に、記録媒体10からRAM12に供給され、RAM12に格納されている。また、ここでは、投手用の能力データが、球速データ、球威データ、および変化量データであり、打者用の能力データが、ミート力データである場合の例が示されてるが、これらの能力データ以外の他の能力データを、投手用の能力データおよび打者用の能力データとして用いても良い。
【0081】
特徴設定手段52は、ゲームで動作する選手キャラクタの特徴を示す特徴データを、CPU7に認識させることにより、選手キャラクタの特徴を設定する機能を備えている。
【0082】
この手段では、投手キャラクタの特徴を示す投手用の特徴データ、および投手キャラクタと対決する打者キャラクタの特徴を示す打者用の特徴データが、CPU7に認識される。これにより、投手キャラクタの特徴および打者キャラクタの特徴が設定される。
【0083】
たとえば、投手用の特徴データには、投球コースの偏りを示す偏りデータ、コントロールの良し悪しを示すコントロールデータ、メンタル面の強弱を示すメンタルデータ、スタミナの大小を示すスタミナデータ、および速球投手であるか変化球投手であるかを示すスタイルデータが、含まれている。また、打者用の特徴データには、得意コースを規定するための得意コースデータ、苦手コースを規定するための苦手コースデータ、メンタル面の強弱を示すメンタルデータが、含まれている。これら特徴データはRAM12に格納されており、RAM12に格納された各特徴データがCPU7に認識される。
【0084】
なお、特徴データは、ゲームプログラムのロード時に、記録媒体10からRAM12に供給され、RAM12に格納されている。また、ここでは、投手用の特徴データが、偏りデータ、コントロールデータ、メンタルデータ、スタミナデータ、およびスタイルデータであり、打撃用の特徴データが、得意コースデータ、苦手コースデータ、およびメンタルデータである場合の例が示されているが、これらの特徴データ以外の他の特徴データを、投手用の特徴データおよび打者用の特徴データとして用いても良い。
【0085】
特徴情報導出手段53は、選手キャラクタに関連する情報データを分析する処理を、CPU7に実行させることにより、現実世界の試合における情報から、選手キャラクタの特徴に関連する情報を導出する機能を備えている。
【0086】
この手段では、投手キャラクタおよび打者キャラクタに関連する情報データの統計処理が、CPU7により実行される。たとえば、試合状況情報データ、詳細情報データ、および結果情報データの少なくともいずれか1つのデータの統計処理が、CPU7により実行される。これにより、現実世界の試合における情報から、投手キャラクタの特徴および打者キャラクタの特徴に関連する情報が、導出される。
【0087】
より具体的には、投手に関しては、1球ごとの投球位置を記録した詳細情報データを、統計処理することにより、投球コースの偏りを評価するための偏り用の情報データが、抽出される。また、1球ごとの投球位置とミット位置とを記録した詳細情報データを、統計処理することにより、投手のコントロールの良し悪しを評価するためのコントロール用の情報データが、抽出される。また、出塁状況を記録した試合状況情報データとプレイ結果を記録した結果情報データを、統計処理することにより、投手のメンタル面の強弱を評価するためのメンタル用の情報データが、抽出される。また、投球位置とミット位置とを記録した詳細情報データを、1回ごとに、統計処理することにより、スタミナの大小を評価するためのスタミナ用の情報データが、抽出される。さらに、球種や球速等を記録した詳細情報データを、統計処理することにより、投手が、ストレート重視の投手であるか変化球重視の投手であるかを評価するためのスタイル用の情報データが、抽出される。
【0088】
また、打者に関しては、プレイ結果を記録した結果情報データと投球位置とを記録した詳細情報データとを、統計処理することにより、打者の得意コースを評価するための得意コース用の情報データが、抽出される。同様に、プレイ結果を記録した結果情報データと投球位置とを記録した詳細情報データとを、統計処理することにより、打者の苦手コースを評価するための苦手コース用の情報データが、抽出される。また、出塁状況を記録した試合状況情報データとプレイ結果を記録した結果情報データを、統計処理することにより、打者のメンタル面の強弱を評価するためのメンタル用の情報データが、抽出される。
【0089】
信頼度報知手段54は、情報の信頼度を示す表示子を、テレビジョンモニタ20に表示する命令を、CPU7に発行させることにより、情報の信頼度を報知する機能を備えている。
【0090】
この手段では、情報データのデータ量に基づいて、情報の信頼度に対応する信頼度データを設定する処理が、CPU7により実行される。そして、この信頼度データに基づいて、情報の信頼度を示す表示子、たとえば信頼度ゲージが、ゲージ用の画像データを用いて、テレビジョンモニタ20に表示される。
【0091】
情報反映手段55は、分析後の情報データに基づいて特徴データを補正する処理を、CPU7に実行させることにより、現実世界の試合における情報を、選手キャラクタの特徴に反映する機能を備えている。
【0092】
この手段では、分析後の情報データに基づいて特徴データを補正する処理が、CPU7により実行される。これにより、現実世界の試合における情報が、投手キャラクタの特徴および打者キャラクタの特徴に反映される。
【0093】
たとえば、投手キャラクタおよび打者キャラクタに関連する情報データのデータ量および統計処理後の情報データに基づいて特徴データを補正する処理が、CPU7により実行される。これにより、情報の信頼度が評価された情報が、投手キャラクタの特徴および打者キャラクタの特徴に反映される。
【0094】
より具体的には、情報データのデータ量が、情報の信頼度の有無を判断するための閾値より大きい場合、データ量が多くなるにつれて情報の信頼度が高くなるように、投手用の特徴データおよび打者用の特徴データが、CPU7により補正される。また、投手用の情報データ、たとえば、偏り用の情報データ、コントロール用の情報データ、メンタル用の情報データ、スタミナ用の情報データ、およびスタイル用の情報データに基づいて、投手用の特徴データ、たとえば、偏りデータ、コントロールデータ、メンタルデータ、スタミナデータ、およびスタイルデータが、CPU7により補正される。そして、打者用の情報データ、たとえば、得意コース用の情報データ、苦手コース用の情報データ、およびメンタル用の情報データに基づいて、打者用の特徴データ、たとえば、得意コースデータ、苦手コースデータ、およびメンタルデータが、CPU7により補正される。このようにして、情報の信頼度が評価された情報が、投手キャラクタの特徴および打者キャラクタの特徴に反映される。
【0095】
能力再設定手段56は、補正後の特徴データに基づいて、能力データを補正する処理を、CPU7に実行させることにより、現実世界の試合における情報が反映された特徴を有する選手キャラクタの能力を、再設定する機能を備えている。
【0096】
この手段では、補正後の投手用の特徴データおよび補正後の打者用の特徴データのいずれか一方のデータに基づいて、投手用の能力データおよび打者用の能力データの少なくともいずれか一方のデータを補正する処理が、CPU7により実行される。これにより、現実世界の試合における情報が反映された特徴を有する選手キャラクタの能力が、再設定される。
【0097】
たとえば、守備側がピンチのときに、メンタルデータにより規定されるメンタル面が強い投手が投球する場合、打者のミート力が小さくなるように、ミート力データが、CPU7により補正される。ここでは、投手用の特徴データに基づいて、打者用の能力データを再設定することにより、投手キャラクタの能力が、打者キャラクタの能力を用いて、間接的に評価される。また、守備側がピンチのときに、メンタルデータにより規定されるメンタル面が強い投手が投球する場合、球速、球威、および変化球の変化量が大きくなるように、球速データ、球威データ、および変化量データが、CPU7により補正される。ここでは、投手用の特徴データに基づいて、投手用の能力データを再設定することにより、投手キャラクタの能力が、直接的に評価される。さらに、得意コースデータにより規定される打者キャラクタの得意コースに、ボールがきた場合、得意コースに対する打者キャラクタのミート力が大きくなるように、ミート力データが、CPU7により補正される。ここでは、打者用の特徴データに基づいて、打者用の能力データを再設定することにより、打者キャラクタの能力が、直接的に評価される。
【0098】
行動制御手段57は、補正後の特徴データに基づいて、選手キャラクタの行動を制御する命令を、CPU7に発行させることにより、現実世界の試合における情報が反映された特徴を有する選手キャラクタの行動を、制御する機能を備えている。
【0099】
この手段では、補正後の特徴データに基づいて、投手キャラクタおよび打者キャラクタの少なくともいずれか一方の行動を制御する命令が、CPU7から発行される。これにより、選手キャラクタが、現実世界の試合における情報から抽出された特徴を持った状態で、行動させられる。
【0100】
ここで、たとえば、現実世界の試合における情報が反映された特徴を持つ投手キャラクタが、行動させられた場合、スタイルデータに基づいて、投手キャラクタの球種が、決定される。また、偏りデータに基づいて、ボールが投球されるコースが決定される。また、コントロールデータに基づいて、ボールのブレが、決定される。また、メンタルデータに基づいて、試合状況に応じた、球速、球威、および変化球の変化量が、決定される。また、スタミナデータに基づいて、回の経過に応じた、球速、球威、および変化球の変化量が、決定される。
【0101】
また、たとえば、現実世界の試合における情報が反映された特徴を持つ打者キャラクタが、行動させられた場合、得意コースデータに基づいて、得意コースに対するミート力が、決定される。また、苦手コースデータに基づいて、苦手コースに対するミート力が、決定される。さらに、メンタルデータに基づいて、試合状況に応じたミート力が、決定される。
【0102】
〔野球ゲームにおける特徴反映システムの概要〕
次に、野球ゲームにおける特徴反映システムの具体的な内容について説明する。また、図16および図17に示すフローについても同時に説明する。なお、図16は野球ゲームの全体概要を説明するためのフローであり、図17は上記システムを説明するためのフローである。
【0103】
まず、ゲーム機の電源が投入されゲーム機が起動されると、野球ゲームプログラムが、記録媒体10からRAM12にロードされ格納される。このときには、野球ゲームを実行する上で必要となる各種の基本ゲームデータも、同時に、記録媒体10からRAM12にロードされ格納される(S1)。
【0104】
たとえば、基本ゲームデータには、3次元ゲーム空間用の各種の画像に関するデータが含まれている。そして、この3次元ゲーム空間用の各種の画像に関するデータ、たとえば、スタジアム用の画像データ、選手キャラクタ用の画像データ、および各種のオブジェクトの画像データ等が、CPU7に認識される。また、基本ゲームデータには、3次元ゲーム空間用の各種の画像に関するデータを3次元ゲーム空間に配置するための位置座標データが含まれている。また、基本ゲームデータには、特徴反映システムで用いられるデータも、含まれている。
【0105】
続いて、RAM12に格納された野球ゲームプログラムが、基本ゲームデータに基づいて、CPU7により実行される(S2)。すると、野球ゲームの起動画面がテレビジョンモニタ20に表示される。すると、野球ゲームを実行するための各種の設定画面がテレビジョンモニタ20に表示される。ここでは、たとえば、野球ゲームのプレイモードを選択するためのモード選択画面が、テレビジョンモニタ20に表示される(図示しない)。このモード選択画面において、プレイヤがコントローラ17を操作することにより、プレイモードが決定される(S3)。プレイモードには、たとえば、12球団(又は、メジャーリーグを対象としたゲームの場合は30球団)の中からチームを選択して1試合の対戦を楽しむ対戦モード、12球団の中からチームを選択してペナントレースを戦うペナントモード、プレイヤが監督の立場でチームの選手キャラクタを育成する育成モード、プレイヤがある1人の選手キャラクタの立場になって野球ゲームを体感する成長体感モード等が、用意されている。
【0106】
続いて、モード選択画面で選択されたプレイモードにおいて、各種のイベントが、CPU7により実行される(S4)。ここで実行される各種のイベントには、たとえば、AIプログラム(Artificial Intelligence Program)に基づいてCPU7により自動制御されるイベントや、コントローラ17からの入力信号に基づいてプレイヤにより手動制御されるイベントがある。また、選手キャラクタの制御には、AIプログラムに基づいて選手キャラクタに命令を自動的に指示する自動制御や、コントローラ17からの入力信号に基づいて選手キャラクタに命令を直接的に指示する手動制御等がある。このように、本野球ゲームでは、コントローラ17からの指示やAIプログラムからの指示に応じて、イベントが制御されたり、選手キャラクタに命令が指示されたりするようになっている。
【0107】
なお、ここに示すAIプログラムとは、プレイヤに代わって、イベントに関する命令および選手キャラクタに対する命令を自動的に制御するためのプログラムである。このAIプログラムは、ゲームプログラムにおいて予め用意されている。
【0108】
続いて、選択されたプレイモードが終了したか否かが、CPU7により判断される(S5)。具体的には、プレイモードが終了したことを示す命令が発行されたか否かが、CPU7により判断される。そして、プレイモードが終了したことを示す命令が発行されたとCPU7により判断された場合(S5でYes)、ゲーム継続用のデータをRAM12に格納する処理が、CPU7により実行される。そして、ゲーム継続用のデータがRAM12に格納されると、この野球ゲームを終了するか否かを選択する選択画面が、テレビジョンモニタ20に表示される(S6)。そして、この選択画面において、プレイヤがコントローラ17を操作することにより、野球ゲームの終了を示す項目が選択されると(S6でYes)、野球ゲームを終了するための処理がCPU7により実行される(S7)。一方で、この選択画面において、プレイヤがコントローラ17を操作することにより、野球ゲームの継続を示す項目が選択されると(S6でNo)、ステップ3(S3)のモード選択画面が、テレビジョンモニタ20に再表示される。
【0109】
なお、プレイモードが終了するための命令が発行されたとCPU7に判断されない限り(S5でNo)、モード選択画面で選択されたプレイモードにおいて、各種のイベントがCPU7により実行される(S4)。
【0110】
次に、選手キャラクタの能力を設定するための特徴反映システムの詳細を説明する。
【0111】
以下には、特徴反映システムが自動対戦モードにおいて機能する場合の例が、示される。すなわち、ここでは、野手キャラクタおよび打者キャラクタがAIプログラムに基づいてCPU7により制御される場合の例が、示される。なお、対戦モードには、プレイヤがチームを指揮する手動対戦モードと、AIプログラム(Artificial Intelligence Program)に基づいて選手キャラクタが制御される自動制御対戦モードとが用意されている。
【0112】
ゲーム装置において野球ゲームが起動されると、ゲーム装置をサーバに接続するための命令がCPU7から発行される。すると、サーバに対するゲーム装置の接続を要求する信号が、通信部23から送信される。そして、サーバに対するゲーム装置の接続がサーバにおいて許可された場合、ゲーム装置が、サーバに接続される(S401)。すると、サーバに格納された情報データGSRが、CPU7からの要求に基づいて、サーバの記憶部からゲーム装置のRAM12へとダウンロードされる(S402)。
【0113】
ここで、サーバからRAM12に格納される情報データGSRは、現実世界の試合における過去のデータであり、図3に示すように、試合状況情報データGD、詳細情報データSD、および結果情報データRD、から構成されている。試合状況情報データGDは、現実世界の試合における回や出塁状況等を示すデータである。詳細情報データSDは、現実世界の試合における、投球位置、ミット位置、球種、および球速等を示すデータである。結果情報データRDは、現実世界の試合におけるプレイ結果を示すデータである。
【0114】
試合状況情報データGDには、現実世界の試合における回の情報および出塁状況が、記録されている。ここでは、回の情報を示す試合状況情報データは、記号「GD1」、出塁状況を示す試合状況情報データは、記号「GD2」で表現される。たとえば、現実世界において情報が記録されたときに、この情報が記録されたときの回の情報すなわち試合状況情報データGD1が、記録される。具体的には、1回の情報が記録されたときには、試合状況情報データGD1には、数値「1」が記録される。
【0115】
また、たとえば、走者が、1塁、2塁、および3塁のいずれかの塁に存在していた場合、試合状況情報データGD2には、数値「1」から数値「3」のいずれか値が、記録される。具体的には、走者が、1塁だけに存在していた場合、試合状況情報データGD2には、数値「1」が記録される。走者が、2塁だけに存在していた場合、試合状況情報データGD2には、数値「2」が記録される。走者が、3塁だけに存在していた場合、試合状況情報データGD2には、数値「3」が記録される。
【0116】
また、たとえば、出塁状況が、1塁2塁、1塁3塁、2塁3塁、および満塁のいずれかであった場合、試合状況情報データGD2には、数値「4」から数値「7」のいずれか値が、記録される。具体的には、出塁状況が、1塁2塁であった場合、試合状況情報データGD2には、数値「4」が記録される。出塁状況が、1塁3塁であった場合、試合状況情報データGD2には、数値「5」が記録される。出塁状況が、2塁3塁であった場合、試合状況情報データGD2には、数値「6」が記録される。出塁状況が、満塁であった場合、試合状況情報データGD2には、数値「7」が記録される。
【0117】
なお、走者が塁上に存在しないときは、試合状況情報データGD2には、数値「0」が記録される。
【0118】
詳細情報データSDには、現実世界の試合において、ストライクゾーンSZ又はボールゾーンBZをボールが通過した位置(投球位置)、および捕手キャラクタがボールを捕球した位置(ミット位置)が、記録されている。ここでは、投球位置の情報を示す詳細情報データは、記号「SD1」、ミット位置の情報を示す詳細情報データは、記号「SD2」で表現される。
【0119】
図4に示すように、ストライクゾーンSZには、3X3のブロックが、設定されている。また、ボールゾーンBZには、ストライクゾーンSZを取り囲むようにブロックが、設定されている。そして、詳細情報データSDには、投球位置およびミット位置に対応するブロック番号BNが、記録される。
【0120】
たとえば、投球位置が内角低めであった場合、図3に示すように、投球位置を示す詳細情報データSD1には、数値「9」が記録される。このとき、ミット位置が内角低めであった場合、図3に示すように、投球位置を示す詳細情報データSD1には、数値「9」が記録される。このデータは、投手キャラクタが、捕手キャラクタの指示通りに、ボールをコントロールすることができたことを示している。
【0121】
また、投球位置が外角高めである場合、投球位置を示す詳細情報データSD1には、数値「17」が記録される。このとき、ミット位置が外角であった場合、図3に示すように、投球位置を示す詳細情報データSD1には、数値「18」が記録される。このデータは、投手キャラクタの投球位置が、捕手キャラクタの指示とは僅かに異なった位置であったことを示している。
【0122】
また、詳細情報データSDには、現実世界の試合における、球種の情報および球速の情報が、記録されている。ここでは、球種情報を示す詳細情報データは、記号「SD3」、球速情報を示す詳細情報データは、記号「SD4」で表現される。
【0123】
たとえば、球種が、ストレート、カーブ、シュート、およびフォークのいずれかである場合、詳細情報データSD3には、数値「1」から数値「4」のいずれかの値が、記録される。具体的には、球種が、ストレートであった場合、詳細情報データSD3には、数値「1」値が記録される。カーブであった場合、詳細情報データSD3には、数値「2」値が記録される。シュートであった場合、詳細情報データSD3には、数値「3」値が記録される。フォークであった場合、詳細情報データSD3には、数値「4」値が記録される。
【0124】
さらに、球速については、スピードガンで測定された速度が、詳細情報データSD4に記録される。
【0125】
結果情報データRDには、現実世界の試合におけるプレイ結果が、記録されている。たとえば、プレイ結果がアウトであった場合、結果情報データRDには、数値「0」が記録される。また、プレイ結果が、ヒット、2塁打、3塁打、およびホームランのいずれかであった場合、結果情報データRDには、数値「1」から数値「4」のいずれか値が、記録される。なお、プレイ結果が決定されていない状態、すなわちプレイが継続中である状態では、結果情報データRDには、数値「9」が記録される。
【0126】
続いて、図示しないモード選択画面が、テレビジョンモニタ20に表示される。そして、モード選択画面において自動対戦モードがプレイヤにより選択されると(S403)、チーム(Aチーム、Bチーム)と、各チームのスターティングメンバー(Aチームの選手キャラクタ、Bチームの選手キャラクタ)とが、図示しないチーム選択画面および選手選択画面において、プレイヤにより選択される。ここでは、Aチームが後攻であり、Bチームが先行である場合の例が示される。
【0127】
ここで、各チームの選手キャラクタが選択されると(S404)、各選手キャラクタの能力を示す能力データNDが、CPU7に認識される。これにより、各選手キャラクタの能力が、設定される(S405)。各選手キャラクタの能力データNDには、投手用の能力データND1および打者用の能力データND2が含まれている。投手用の能力データND1には、たとえば、球速の大小を示す球速データND11、球威の大小を示す球威データND12、および変化球の変化量の大小を示す変化量データND13が、含まれている。
【0128】
また、打者用の能力データND2には、打撃時のミート力の良し悪しを示すミート力データND21(BN)が、含まれている。ここでは、ミート力は、数値「1」から数値「100」までのいずれかの値で評価されており、ミート力データND21(BN)には、数値「1」から数値「100」までのいずれかの値が、初期値又は継続値として、コースごとに、CPU7により割り当てられる。
【0129】
なお、能力データは、ゲームプログラムのロード時に、記録媒体10からRAM12に供給され、RAM12に格納されている。
【0130】
続いて、ゲームで動作する選手キャラクタの特徴を示す特徴データTDが、CPU7に認識される。たとえば、投手キャラクタの特徴を示す投手用の特徴データTD1、および投手キャラクタと対決する打者キャラクタの特徴を示す打者用の特徴データTD2が、CPU7に認識される。これにより、投手キャラクタの特徴および打者キャラクタの特徴が設定される(S406)。ここでは、投手キャラクタの特徴および打者キャラクタの特徴が設定される場合の例が示されるが、他の選手キャラクタに対して特徴を設定するようにしても良い。
【0131】
たとえば、投手用の特徴データTD1には、投球コースの偏りを示す偏りデータTD11、コントロールの良し悪しを示すコントロールデータTD12、メンタル面の強弱を示すメンタルデータTD13、スタミナの大小を示すスタミナデータTD14、およびストレート重視の投手であるか変化球重視の投手であるかを示すスタイルデータTD15が、含まれている。また、打者用の特徴データTD2には、得意コースを規定するための得意コースデータTD21、苦手コースを規定するための苦手コースデータTD22、メンタル面の強弱を示すメンタルデータTD23が、含まれている。
【0132】
投手キャラクタの投球時に投球コースの偏りがある場合、偏りデータTD11には、最も投球頻度の高いコースの頻度値が数値「1」となるような頻度分布が、CPU7に認識される。ここでは、全コースに対する頻度分布の値が、CPU7に認識される。たとえば、偏りデータは、記号「TD11(BN)」で表現することができる。ここで、「BN」は、数値「1」から数値「25」までのいずれかの自然数になる。より具体的には、初期条件又は継続条件として、内角高めのコースの投球頻度が高い投手キャラクタの頻度分布が、CPU7に認識される場合(図13の実線を参照)、TD11(1)からTD11(6)までは、数値「0」が、CPU7により割り当てられる。また、TD11(8)からTD11(25)までは、数値「0」が、CPU7により割り当てられる。さらに、TD11(7)は、数値「1」が、CPU7により割り当てられる。
【0133】
なお、以下では、偏りデータが、「TD11」と記載される場合もあれば、「TD11(BN)」と記載される場合もある。
【0134】
また、コントロールが良い投手キャラクタの場合、コントロールデータTD12には、数値「1」が、CPU7により割り当てられる。そして、コントロールが悪い投手キャラクタの場合、コントロールデータTD12には、数値「−1」が、CPU7により割り当てられる。ここでは、コントロールの良し悪しは、コントロールデータTD12の正負により区別されている。なお、初期条件又は継続条件としては、コントロールデータTD12には、コントロールが普通である状態に対応する数値「0」が、CPU7により割り当てられる。
【0135】
また、メンタル面が強い投手キャラクタの場合、メンタルデータTD13には、数値「1」が、CPU7により割り当てられる。そして、メンタル面が弱い投手キャラクタの場合、メンタルデータTD13には、数値「−1」が、CPU7により割り当てられる。ここでは、メンタル面の強弱は、メンタルデータTD13の正負で区別されている。なお、初期条件又は継続条件としては、メンタルデータTD13には、メンタル状態が普通である状態に対応する数値「0」が、CPU7により割り当てられる。
【0136】
また、スタミナが持続する投手キャラクタの場合、スタミナデータTD14には、数値「1」が、CPU7により割り当てられる。そして、スタミナが持続しない投手キャラクタの場合、スタミナデータTD14には、数値「−1」が、CPU7により割り当てられる。ここでは、スタミナの有無は、スタミナデータTD14の正負により区別されている。なお、初期条件又は継続条件としては、スタミナデータTD14には、スタミナが普通である状態に対応する数値「0」が、CPU7により割り当てられる。
【0137】
また、ストレート重視の投手キャラクタの場合、スタイルデータTD15には、数値「1」が、CPU7により割り当てられる。そして、変化球重視の投手キャラクタの場合、スタイルデータTD15には、数値「−1」が、CPU7により割り当てられる。ここでは、投手がストレート重視であるか変化球重視であるかは、スタイルデータTD15の正負により区別されている。なお、ここでは、初期条件又は継続条件として、スタイルデータTD15には、数値「1」が、CPU7により割り当てられる。
【0138】
打者キャラクタに得意コースがある場合、得意コースデータTD21には、得意コースの頻度値が数値「1」となるような頻度分布が、CPU7に認識される。ここでは、全コースに対する頻度分布の値が、CPU7に認識される。たとえば、得意コースデータは、記号「TD21(BN)」で表現することができる。ここで、「BN」は、数値「1」から数値「25」までのいずれかの自然数になる。より具体的には、初期条件又は継続条件として、ど真ん中が得意コースである打者キャラクタの頻度分布が、CPU7に認識される場合(図14の実線を参照)、TD21(1)からTD21(12)までは、数値「0」が、CPU7により割り当てられる。また、TD21(14)からTD21(25)までは、数値「0」が、CPU7により割り当てられる。さらに、TD21(13)は、数値「1」が、CPU7により割り当てられる。
【0139】
なお、以下では、得意コースデータが、「TD21」と記載される場合もあれば、「TD21(BN)」と記載される場合もある。
【0140】
また、打者キャラクタに苦手コースがある場合、苦手コースデータTD22には、苦手コースの頻度値が数値「1」となるような頻度分布が、CPU7に認識される。ここでは、全コースに対する頻度値が、CPU7に認識される。たとえば、苦手コースデータは、記号「TD22(BN)」で表現することができる。ここで、「BN」は、数値「1」から数値「25」までのいずれかの自然数になる。より具体的には、初期条件又は継続条件として、外角低めが苦手コースである打者キャラクタの頻度分布が、CPU7に認識される場合(図15の実線を参照)、TD22(1)からTD22(18)までは、数値「0」が、CPU7により割り当てられる。また、TD22(20)からTD22(25)までは、数値「0」が、CPU7により割り当てられる。さらに、TD22(19)は、数値「1」が、CPU7により割り当てられる。
【0141】
なお、以下では、得意コースデータが、「TD22」と記載される場合もあれば、「TD22(BN)」と記載される場合もある。
【0142】
また、メンタル面が強い打者キャラクタの場合、メンタルデータTD23には、数値「1」が、CPU7により割り当てられる。そして、メンタル面が弱い打者キャラクタの場合、メンタルデータTD23には、数値「−1」が、CPU7により割り当てられる。ここでは、メンタルの強弱は、メンタルデータTD23の正負で区別されている。なお、初期条件又は継続条件としては、メンタルデータTD23には、メンタル状態が普通である状態に対応する数値「0」が、CPU7により割り当てられる。
【0143】
なお、これら特徴データTD1,TD2は、RAM12に格納されている。また、ここで、RAM12に格納された各特徴データTD1,TD2がCPU7に認識されると、初期条件又は継続条件としての投手キャラクタの特徴および打者キャラクタの特徴が、設定される。
【0144】
続いて、投手キャラクタおよび打者キャラクタに関連する情報データを分析する処理が、CPU7により実行される(S407)。これにより、現実世界の試合における情報から、選手キャラクタの特徴に関連する情報が導出される。
【0145】
たとえば、投手に関しては、1球ごとの投球位置を記録した詳細情報データSDを、統計処理することにより、投球コースの偏りを評価するための偏り用の情報データIF11が、抽出される。具体的には、投球位置に対応するブロック番号BNの頻度分布を算出する処理が、CPU7により実行される。ここでは、この頻度分布において、頻度が最大であるブロック番号BNが、偏り用の情報データIF11として、CPU7に認識される。図5には、内角低めに投球する癖(特徴)を持つ投手の頻度分布が示されている。図5の場合、内角低めに対応するブロック番号BNたとえば数値「9」が、偏り用の情報データIF11として、CPU7に認識される。このようにして、投球コースの偏りを評価するための偏り用の情報データIF11が、抽出される。この処理は、各投手に対して実行される。
【0146】
また、1球ごとの投球位置とミット位置とを記録した詳細情報データSDを、統計処理することにより、投手のコントロールの良し悪しを評価するためのコントロール用の情報データIF12が、抽出される。具体的には、投球数T1に対する、投球位置に対応するブロック番号SD1とミット位置に対応するブロック番号SD2とが一致した回数N1(ブロック番号一致回数)の割合NT1(=N1/T1)が、CPU7により算出される。ここでは、投球数T1に対するブロック番号一致回数N1の割合NT1が、数値「0.8」以上である場合(NT1≧0.8)、投手のコントロールは良いと判断される。そして、コントロールが良いということを示す値、たとえば数値「1」が、コントロール用の情報データIF12として、CPU7に認識される。この処理は、各投手に対して実行される。
【0147】
また、コントロールが普通の場合(0.5≦NT1<0.8)は、たとえば数値「0」が、コントロール用の情報データIF12として、CPU7に認識される。また、コントロールが悪い場合(上記以外の場合、NT1<0.5)は、たとえば数値「−1」が、コントロール用の情報データIF12として、CPU7に認識される。このようにして、投手のコントロールの良し悪しを評価するためのコントロール用の情報データIF12が、抽出される。
【0148】
また、出塁状況を記録した試合状況情報データGD2とプレイ結果を記録した結果情報データRDとを、統計処理することにより、投手のメンタル面の強弱を評価するためのメンタル用の情報データIF13が、抽出される。具体的には、出塁状況を示す試合状況情報データGD2の値が、数値「2」以上である回数N2(ピンチ回数)に対して、出塁状況を示す試合状況情報データGD2の値が、数値「2」以上であり、プレイ結果を記録した結果情報データRDの値が、数値「0」である回数N3(ピンチ回避回数)の割合NN1(=N3/N2)が、CPU7により算出される。ここでは、ピンチ回数N2に対するピンチ回避回数N3の割合NN1が、数値「0.7」以上である場合(NN1≧0.7)、投手のメンタル面が強いと判断される。そして、メンタル面が強いということを示す値、たとえば数値「1」が、メンタル用の情報データIF13として、CPU7に認識される。この処理は、各投手に対して実行される。
【0149】
また、メンタル面が普通の場合(0.5≦NN1<0.7)は、たとえば数値「0」が、メンタル用の情報データIF13として、CPU7に認識される。また、メンタル面が弱い場合(上記以外の場合、NN1<0.5)は、たとえば数値「−1」が、メンタル用の情報データIF13として、CPU7に認識される。これにより、投手のメンタル面の強弱を評価するためのメンタル用の情報データIF13が、抽出される。
【0150】
また、投球位置とミット位置とを記録した詳細情報データSDを、1回ごとに、統計処理することにより、スタミナの大小を評価するためのスタミナ用の情報データIF14が、抽出される。具体的には、1回ごとに、その回の投球数T2に対する、投球位置に対応するブロック番号SD1とミット位置に対応するブロック番号SD2とが一致した回数N4(ブロック番号一致回数)の割合NT2(=N4/T2)が、CPU7により算出される。ここでは、投手が降板した回の割合NT2_Lを、投手が登板した回の割合NT2_Sで除算した結果LS(=NT2_L/NT2_S)が、数値「0.7」以上である場合(LS≧0.7)、スタミナが持続する投手であると判断される。そして、スタミナが持続するということを示す値、たとえば数値「1」が、スタミナ用の情報データIF14として、CPU7に認識される。この処理は、各投手に対して実行される。
【0151】
また、スタミナが普通である場合(0.5≦LS<0.7)は、たとえば数値「0」が、スタミナ用の情報データIF14として、CPU7に認識される。また、スタミナが持続しない場合(上記以外の場合、LS<0.5)は、たとえば数値「−1」が、スタミナ用の情報データIF14として、CPU7に認識される。これにより、スタミナの大小を評価するためのスタミナ用の情報データIF14が、抽出される。
【0152】
また、球種や球速等を記録した詳細情報データSDを、統計処理することにより、投手が、ストレート重視の投手であるか変化球重視の投手であるかを評価するためのスタイル用の情報データIF15が、抽出される。具体的には、球種を記録した詳細情報データSDの頻度分布を算出する処理が、CPU7により実行される。ここでは、頻度分布において、ストレートの頻度が他の球種の頻度より大きい場合、投手が、ストレート重視の投手であると判断される。そして、ストレート重視の投手であるということを示す値、たとえば数値「1」が、スタイル用の情報データIF15として、CPU7に認識される。図6には、ストレート重視の投手の頻度分布が示されている。図6の場合、ストレートの頻度が、変化球(カーブ、シュート、フォーク)の頻度より大きくなっている。このようにして、投手が、ストレート重視の投手であるか変化球重視の投手であるかを評価するためのスタイル用の情報データIF15が、抽出される。この処理は、各投手に対して実行される。なお、変化球重視の投手の場合(上記以外の場合)は、たとえば数値「−1」が、スタイル用の情報データIF15として、CPU7に認識される。
【0153】
一方で、たとえば、打者に関しては、プレイ結果を記録した結果情報データRDと投球位置とを記録した詳細情報データSD1とを、統計処理することにより、打者の得意コースを評価するための得意コース用の情報データIF21が、抽出される。具体的には、各打者キャラクタに対して、プレイ結果を記録した結果情報データRDの値が数値「1」以上である場合の、投球位置に対応するブロック番号SD1の頻度分布を算出する処理を、CPU7に実行させることにより、打者の得意コースを評価するための得意コース用の情報データIF21が、抽出される。ここでは、頻度分布において、頻度が最大であるブロック番号BNが、得意コース用の情報データIF21として、CPU7に認識される。図7には、外角高めが得意コースである打者の頻度分布が示されている。図7の場合、外角高めに対応するブロック番号BNたとえば数値「17」が、得意コース用の情報データIF21として、CPU7に認識される。この処理は、各打者に対して実行される。
【0154】
また、プレイ結果を記録した結果情報データRDと投球位置とを記録した詳細情報データSDとを、統計処理することにより、打者の苦手コースを評価するための苦手コース用の情報データIF22が、抽出される。具体的には、プレイ結果を記録した結果情報データRDの値が数値「0」である場合の、投球位置に対応するブロック番号BNの頻度分布を算出する処理を、CPU7に実行させることにより、打者の苦手コースを評価するための苦手コース用の情報データIF22が、抽出される。ここでは、頻度分布において、頻度が最大であるブロック番号BNが、苦手コース用の情報データIF22として、CPU7に認識される。図8には、内角高めが苦手コースである打者の頻度分布が示されている。図8の場合、内角高めに対応するブロック番号BNたとえば数値「7」が、苦手コース用の情報データIF22として、CPU7に認識される。この処理は、各打者に対して実行される。
【0155】
また、出塁状況を記録した試合状況情報データGD2とプレイ結果を記録した結果情報データRDを、統計処理することにより、打者のメンタル面の強弱を評価するためのメンタル用の情報データIF23が、抽出される。具体的には、出塁状況を示す試合状況情報データGD2の値が、数値「1」以上である回数N5(チャンス回数)に対して、出塁状況を示す試合状況情報データGD2の値が、数値「1」以上であり、プレイ結果を記録した結果情報データRDの値が、数値「1」である回数N6(目的達成回数)の割合NN2(=N6/N5)が、CPU7により算出される。これにより、打者のメンタル面の強弱を評価するためのメンタル用の情報データIF23が、抽出される。ここでは、チャンス回数N5に対する目的達成回数N6の割合NN2が、数値「0.7」以上である場合、打者のメンタル面が強いと判断される。そして、メンタル面が強いということを示す値、たとえば数値「1」が、メンタル用の情報データIF23として、CPU7に認識される。この処理は、各投手に対して実行される。
【0156】
また、メンタル面が普通の場合(0.5≦NN2<0.7)は、たとえば数値「−1」が、メンタル用の情報データIF23として、CPU7に認識される。また、メンタル面が弱い場合(上記以外の場合、NN2<0.5)は、たとえば数値「0」が、メンタル用の情報データIF23として、CPU7に認識される。これにより、打者のメンタル面の強弱を評価するためのメンタル用の情報データIF23が、抽出される。
【0157】
続いて、情報データのデータ量に基づいて、情報の信頼度に対応する信頼度データCDを設定する処理が、CPU7により実行される(S408)。ここでは、たとえば、図9に示すように、各選手キャラクタのデータ量が多くなるにつれて、信頼度データCDが大きくなるように、設定されている。より具体的には、全試合における各投手キャラクタの投球数および各打者キャラクタの全打席の球数が多くなるにつれて、信頼度データCDが大きくなるように、設定されている。ここでは、信頼度データCDが7段階に設定されている。そして、この信頼度データCDに基づいて、図10に示すような、情報の信頼度を示す信頼度ゲージCDGが、テレビジョンモニタ20に表示される(S409)。図10には、対戦中の投手キャラクタおよび打者キャラクタに対する情報の信頼度を示す信頼度ゲージCDGが、示されている。
【0158】
続いて、投手キャラクタおよび打者キャラクタに関連する情報データのデータ量および統計処理後の情報データに基づいて特徴データTD1,TD2を補正する処理が、CPU7により実行される(S410)。これにより、情報の信頼度が評価された情報が、投手キャラクタの特徴および打者キャラクタの特徴に反映される。
【0159】
ここでは、まず、情報が信頼することができるか否か、たとえば、投手キャラクタおよび打者キャラクタの情報データのデータ量が、閾値以上であるか否かが、CPU7により判断される。そして、情報を信頼することができる場合、たとえば、投手キャラクタおよび打者キャラクタの情報データのデータ量が、200個以上である場合、図11に示すように、データ量が多くなるにつれて情報の信頼度が高くなるような重み係数WKが、CPU7により選択される。一方で、情報が信頼できない場合、すなわち、投手キャラクタおよび打者キャラクタの情報データのデータ量が、200個未満である場合、図11に示すように、数値「0」が、重み係数WKとして、CPU7により選択される。このように、情報量自体が少なく、情報が信頼できない場合には、その情報を各キャラクタに反映しないようにすることで、現実から大きく乖離したキャラクタに変化させてしまうことを回避することができる。また、現実世界の選手の特徴や癖を再現できる程度の情報量がある場合、情報が多いほど、ゲーム上のキャラクタへの情報の反映の度合いを大きくすることで、現実世界の選手の情報を、ゲーム上のキャラクタに対して、自然に反映することができる。
【0160】
なお、ここで用いられる情報データのデータ量は、投手の場合、投手用の各情報データ数であり、打者の場合、打者用の各情報データの数である。このように、母集団を設定することにより、各情報の信頼度が評価される。
【0161】
そして、統計処理後の情報データIF11〜IF15,IF21〜IF23に基づいて、各情報データに対応する、投手用の補正データHD11〜HD15および打者用の補正データHD21〜HD23が、CPU7により選択される。たとえば、投手に関しては、図12に示すように、偏り用の情報データIF11、コントロール用の情報データIF12、メンタル用の情報データIF13、スタミナ用の情報データIF14、およびスタイル用の情報データIF15それぞれに対応する、投手用の補正データHD11〜HD15が、CPU7により選択される。また、打者に関しては、図12に示すように、得意コース用の情報データIF21、偏り用の情報データIF22、およびメンタル用の情報データIF23それぞれに対応する、打者用の補正データHD21〜HD23が、CPU7により選択される。なお、図12では、各表の上段が情報データを示し、各表の下段が補正データを示している。
【0162】
そして、各情報データに対応する重み係数WKを、各情報データに対応する補正データHD11〜HD15,HD21〜HD23に乗算する処理が、CPU7により実行される。そして、重み係数WKが乗算された補正データを、投手用の特徴データTD1又は打者用の特徴データTD2に加算する処理が、CPU7により実行される。これにより、投手用の特徴データTD1、たとえば、偏りデータTD11、コントロールデータTD12、メンタルデータTD13、スタミナデータTD14、およびスタイルデータTD15が、CPU7により補正される。また、打者用の特徴データTD2、たとえば、得意コースデータTD21(BN)、苦手コースデータTD22、およびメンタルデータTD23が、CPU7により補正される。
【0163】
具体的には、投手の偏り用の情報データIF11が数値「9」である場合(IF11=9)、重み係数WKが補正データHD11(=1.0)に乗算される。そして、この乗算結果が、偏り用の情報データIF11(=「9(ブロック番号)」)に対応する偏りデータTD11(9)に、加算される。たとえば、重み係数WKが数値「1」である場合、図13に示すように、ブロック番号BNが「9」である偏りデータTD11に、数値「1.0」(=WKXHD11)が加算される。図13では、加算結果の部分が、破線にて示されている。このようして、偏りデータTD11(BN)が、補正される。
【0164】
また、コントロール用の情報データIF12が数値「1」である場合、重み係数WKが補正データHD12(=1.0)に乗算される。そして、この乗算結果が、コントロールデータTD12(=「0」)に、加算される。たとえば、重み係数WKが数値「1」である場合、コントロールデータTD12(=「0」)に、数値「1.0」(=WKXHD12)が加算される。このようして、コントロールデータTD12が、補正される。
【0165】
また、メンタル用の情報データIF13が数値「1」である場合、重み係数WKが補正データHD13(=1.0)に乗算される。そして、この乗算結果が、メンタルデータTD13(=「0」)に、加算される。たとえば、重み係数WKが数値「1」である場合、メンタルデータTD13(=「0」)に、数値「1.0」(=WKXHD13)が加算される。このようして、メンタルデータTD13が、補正される。
【0166】
また、スタミナ用の情報データIF14が数値「1」である場合、重み係数WKが補正データHD14(=1.0)に乗算される。そして、この乗算結果が、スタミナデータTD14(=「0」)に、加算される。たとえば、重み係数WKが数値「1」である場合、スタミナデータTD14(=「0」)に、数値「1.0」(=WKXHD14)が加算される。このようして、スタミナデータTD14が、補正される。
【0167】
また、スタイル用の情報データIF15が数値「1」である場合、重み係数WKが補正データHD15(=1.0)に乗算される。そして、この乗算結果が、スタイルデータTD15(=「1」)に、加算される。たとえば、重み係数WKが数値「1」である場合、スタイルデータTD15(=「1」)に、数値「1.0」(=WKXHD15)が加算される。また、スタイル用の情報データIF15が数値「−1」である場合、重み係数WKが補正データHD15(=−1.0)に乗算される。そして、この乗算結果が、スタイルデータTD15(=「1」)に、加算される。たとえば、重み係数WKが数値「1」である場合、スタイルデータTD15(=「1」)に、数値「−1.0」(=WKXHD15)が加算される。このようして、スタイルデータTD15が、補正される。
【0168】
さらに、打者の得意コース用の情報データIF21が数値「17」である場合、重み係数WKが補正データHD21(=1.0)に乗算される。そして、この乗算結果が、得意コース用の情報データIF21(=「17(ブロック番号)」)に対応する得意コースデータTD21(BN)に、加算される。たとえば、重み係数WKが数値「1」である場合、図14に示すように、ブロック番号BNが「17」である得意コースデータTD21(17)に、数値「1.0」(=WKXHD21)が加算される。図14では、加算結果の部分が、破線にて示されている。このようして、得意コースデータTD21(BN)が、補正される。
【0169】
また、打者の偏り用の情報データIF22が数値「7」である場合、重み係数WKが補正データHD22(=1.0)に乗算される。そして、この乗算結果が、偏り用の情報データIF22(=「7(ブロック番号)」)に対応する苦手コースデータTD22(7)に、加算される。たとえば、重み係数WKが数値「1」である場合、図15に示すように、ブロック番号BNが「7」である苦手コースデータTD22(7)に、数値「1.0」(=WKXHD22)が加算される。図15では、加算結果の部分が、破線にて示されている。このようして、苦手コースデータTD22(BN)が、補正される。
【0170】
また、打者のメンタル用の情報データIF23が数値「1」である場合、重み係数WKが補正データHD23(=1.0)に乗算される。そして、この乗算結果が、メンタルデータTD23(=「0」)に、加算される。たとえば、重み係数WKが数値「1」である場合、メンタルデータTD23(=「0」)に、数値「1.0」(=WKXHD23)が加算される。このようして、メンタルデータTD23が、補正される。
【0171】
このように特徴データTD1,TD2を補正することにより、現実世界の情報の信頼度を評価し、現実世界の投手の特徴および打者の特徴を、ゲーム世界の投手キャラクタの特徴および打者キャラクタの特徴に反映することができる。
【0172】
続いて、補正後の投手用の特徴データTD1および補正後の打者用の特徴データTD2のいずれか一方のデータに基づいて、投手用の能力データND1および打者用の能力データND2のいずれか一方のデータが、CPU7により補正される(S411)。
【0173】
たとえば、得意コースデータTD21(BN)に基づいて、この得意コースデータTD21(BN)により規定されるコースに対する打者キャラクタのミート力が大きくなるように、ミート力データND21(BN)が、CPU7により補正される。すなわち、得意コースに対する打者キャラクタのミート力を規定するミート力データND21(BN)が、得意コースデータTD21(BN)に基づいて、CPU7により補正され再設定される。より具体的には、まず、得意コースデータTD21(BN)から数値「0.5」を減算する処理が、CPU7により実行される。次に、この減算結果(TD21(BN)−0.5)を、ミート力データND21(BN)に加算する処理が、CPU7により実行される。これにより、ミート力データND21(BN)が、CPU7により補正され再設定される。
【0174】
また、苦手コースデータTD22(BN)に基づいて、この苦手コースデータTD22(BN)により規定されるコースに対する打者キャラクタのミート力が小さくなるように、ミート力データND21(BN)が、CPU7により補正される。すなわち、苦手コースに対する打者キャラクタのミート力を規定するミート力データND22(BN)が、苦手コースデータTD22(BN)に基づいて、CPU7により補正され再設定される。より具体的には、まず、苦手コースデータTD22(BN)から数値「0.5」を減算する処理が、CPU7により実行される。次に、この減算結果(TD22(BN)−0.5)を、ミート力データND21(BN)から減算する処理が、CPU7により実行される。これにより、ミート力データND21(BN)が、CPU7により補正され再設定される。
【0175】
そして、攻撃側がチャンスであるか否かが、CPU7により判別される。たとえば、走者が出塁しているか否かが、CPU7により判別される。そして、走者が出塁している場合、打者キャラクタのメンタルデータTD23が、数値「0」より大きいか否かが、CPU7により判別される。そして、打者キャラクタのメンタルデータTD23が数値「0」より大きい場合(TD23>0)、ミート力が大きくなるように、打者キャラクタのミート力データND21(BN)が補正される。すなわち、攻撃側がチャンスであるときにメンタル面が強い打者キャラクタが打席に入っている場合、各コースに対する打者キャラクタのミート力データND21(BN)に、所定の値を加算する処理をCPU7に実行させることにより、打者キャラクタのミート力が向上させられる。
【0176】
また、守備側がピンチの場合(攻撃側がチャンスである場合、走者が出塁している場合)、投手キャラクタのメンタルデータTD13が、数値「0」より大きいか否かが、CPU7により判別される。そして、投手キャラクタのメンタルデータTD13が数値「0」より大きい場合(TD13>0)、球速、球威、および変化球の変化量が大きくなるように、球速データND11、球威データND12、および変化量データND13が、CPU7により補正される。すなわち、守備側がピンチのときにメンタル面が強い投手キャラクタが登板している場合、投手キャラクタの球速データND11、球威データND12、および変化量データND13それぞれに、所定の値を加算する処理をCPU7に実行させることにより、投手キャラクタの球速、球威、および変化球の変化量が向上させられる。
【0177】
また、守備側がピンチの場合(攻撃側がチャンスである場合、走者が出塁している場合)、投手キャラクタのメンタルデータTD13が、数値「0」より大きいか否かが、CPU7により判別される。そして、投手キャラクタのメンタルデータTD13が数値「0」より大きい場合(TD13>0)、打者キャラクタのミート力が小さくなるように、打者キャラクタのミート力データND21(BN)が補正される。すなわち、守備側がピンチのときにメンタル面が強い投手キャラクタが登板している場合、各コースに対する打者キャラクタのミート力データND21(BN)から、所定の値を減算する処理をCPU7に実行させることにより、打者キャラクタのミート力が低下させられる。これにより、投手キャラクタのメンタル面の強さを、打者キャラクタのミート力において間接的に評価することができる。
【0178】
このように、投手用の特徴データTD1および打者用の特徴データTD1に基づいて、投手用の能力データND1および打者用の能力データND2が再設定され、各選手キャラクタの能力が、直接的又は間接的に評価される。
【0179】
続いて、補正後の特徴データTD1,TD2に基づいて、投手キャラクタおよび打者キャラクタの少なくともいずれか一方の行動を制御する命令が、CPU7から発行される。これにより、選手キャラクタが、現実世界の試合における情報から抽出された特徴を持った状態で、行動させられる(S412)。
【0180】
たとえば、投手キャラクタが投球する場合、スタイルデータTD15に基づいて、球種が、CPU7により選択される。たとえば、ストレート重視の投手キャラクタの場合、ストレートの選択率が高くなるように球種が、CPU7により選択される。より具体的には、ストレート重視の投手キャラクタの場合、ストレートの選択率が70%、カーブの選択率が20%、シュートの選択率が10%、およびフォークの選択率が10%に設定され、この選択率に基づいて、球種がランダムに選択される。また、変化球重視の投手キャラクタの場合、ストレートの選択率が50%、カーブの選択率が25%、シュートの選択率が15%、およびフォークの選択率が10%に設定され、この選択率に基づいて、球種がランダムに選択される。
【0181】
そして、投手キャラクタの偏りデータTD11が有する頻度に基づいて、ボールが投球されるコースが、CPU7により決定される(図13の実線と破線を参照)。たとえば、図13に示した頻度分布に対応する確率に基づいて、ボールの投球コースが、CPU7によりランダムに決定される。
【0182】
そして、コントロールデータTD12に基づいて、ボールのブレが、CPU7により決定される。たとえば、コントロールデータTD12が数値「0」より大きい場合(TD12>0)、AIプログラムにより指示された投球コースにボールが投球される。また、コントロールデータTD12が数値「0」より小さい場合(TD12<0)、AIプログラムにより指示された投球コースを基準として、所定の範囲内にボールがランダムに投球される。さらに、コントロールデータTD12が数値「0」に等しい場合(TD12=0)、AIプログラムにより指示された投球コースを基準として、上記の所定の範囲より小さな範囲内にボールがランダムに投球される。
【0183】
なお、上記のように、球種や投球コース等をランダムに選択するときには、擬似乱数プログラムが用いられる。この擬似乱数プログラムは、ゲームプログラムにおいて予め用意されており、ゲームプログラムのロード時に、記録媒体10からRAM12に供給され、RAM12に格納されている。この擬似乱数プログラムをCPU7に実行させることにより、球種や投球コース等をランダムに選択することができる。
【0184】
そして、スタミナデータTD14に基づいて、球速、球威、および変化量が、決定される。たとえば、スタミナデータTD14が数値「0」より大きい場合(TD14>0)、投手キャラクタの球速データND11、球威データND12、および変化量データND13それぞれにより規定される、球速、球威、および変化量が、CPU7に認識される。そして、球速、球威、および変化量で、ボールが投球される。また、スタミナデータTD14が数値「0」より小さい場合(TD14<0)、投手キャラクタの球速データND11、球威データND12、および変化量データND13それぞれに、投球数に応じた所定の値(<1.0)を乗じることにより、球速、球威、および変化量が低下させられる。そして、これら球速、球威、および変化量が、CPU7に認識される。そして、球速、球威、および変化量で、ボールが投球される。さらに、スタミナデータTD14が数値「0」に等しい場合(TD14=0)、投手キャラクタの球速データND11、球威データND12、および変化量データND13それぞれに、上記の所定の値(<1.0)より大きな値を乗じることにより、球速、球威、および変化量が低下させられる。そして、これら球速、球威、および変化量が、CPU7に認識される。そして、球速、球威、および変化量で、ボールが投球される。
【0185】
このような制御下において、投手キャラクタと打者キャラクタとが対戦するときには、打者キャラクタの得意コースに、投手キャラクタがボールを投球した場合、補正されたミート力データND21(BN)に対応するように、標準より大きなミートカーソルが、テレビジョンモニタ20に表示される。また、打者キャラクタの苦手コースに、投手キャラクタがボールを投球した場合、補正されたミート力データND21(BN)に対応するように、標準より小さなミートカーソルが、テレビジョンモニタ20に表示される。
【0186】
また、守備側がピンチのときに、メンタルデータにより規定されるメンタル面が強い投手が登板している場合、補正された、球速データND11、球威データND12、および変化量データND13に対応するように、投手キャラクタから投球されるボールが、CPU7により制御される。また、守備側がピンチのときに、メンタルデータにより規定されるメンタル面が強い投手キャラクタが投球する場合、補正された打者キャラクタのミート力データND21(BN)に対応するように、標準より小さなミートカーソルが、テレビジョンモニタ20に表示される。

上記のように、本実施形態では、現実世界の試合における情報を分析することにより、現実世界の選手の特徴や癖を抽出することができる。そして、ここで抽出された現実世界の選手の特徴や癖を、野球ゲームにおける選手キャラクタの特徴や癖に、反映することにより、野球ゲームにおける選手キャラクタの特徴や癖を、現実世界の選手のものに近づけることができる。すなわち、現実世界の選手と同じような特徴や癖を、ゲーム世界の選手キャラクタに設定することができる。これにより、ゲーム世界の選手キャラクタが現実世界の選手と同じような行動傾向を示すゲームを、プレイヤに対して提供することができる。
【0187】
〔他の実施形態〕
(a)前記実施形態では、ゲームプログラムを適用しうるコンピュータの一例としての家庭用ビデオゲーム装置を用いた場合の例を示したが、ゲーム装置は、前記実施形態に限定されず、モニタが別体に構成されたゲーム装置、モニタが一体に構成されたゲーム装置、ゲームプログラムを実行することによってゲーム装置として機能するパーソナルコンピュータやワークステーションなどにも同様に適用することができる。
【0188】
(b)本発明には、前述したようなゲームを実行するプログラムおよびこのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も含まれる。この記録媒体としては、カートリッジ以外に、たとえば、コンピュータ読み取り可能なフレキシブルディスク、半導体メモリ、CD−ROM、DVD、MO、ROMカセット、その他のものが挙げられる。
【0189】
(c)前記実施形態では、現実世界の試合における情報に基づいて、選手キャラクタの行動が制御される場合の例を示した。しかしながら、現実世界の試合における情報および実行後の野球ゲームの情報に基づいて、選手キャラクタの行動が制御されるようにしても良い。
【0190】
この場合、上記手段に加えて、ゲームデータ収集手段が、ゲーム装置において実行される。このゲームデータ収集手段では、野球ゲームにおいて試合が開始されると、現実世界の試合における情報に対応する、野球ゲームの試合における情報を示す情報データが、RAM12に格納される。この情報データは、前回の野球ゲームの終了時に、記憶部2に保存されたデータである。そして、野球ゲームを起動する命令がCPU7から新規に発行されたときに、現実世界の試合における情報を示す情報データ、および前記の野球ゲームの情報データを分析する処理が、CPU7により実行される。そして、分析後の情報データに基づいて特徴データを補正する処理が、CPU7により実行される。そして、補正後の特徴データに基づいて、選手キャラクタの行動を制御する命令が、CPU7から発行されると、現実世界の試合における情報およびゲームの試合における情報が反映された特徴を有する選手キャラクタの行動が、CPU7により制御される。
【0191】
このようにして、この場合、現実世界の試合における情報およびゲームの試合における情報から、選手キャラクタの特徴に関連する情報が導出され、現実世界の試合における情報、およびゲームの試合における情報が、選手キャラクタの特徴に反映される。これにより、現実世界の試合の情報だけでなく、実行された野球ゲームの試合の情報に基づいて、野球ゲームにおける選手キャラクタの行動を、制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0192】
【図1】本発明の一実施形態によるビデオゲーム装置の基本構成図。
【図2】前記ビデオゲーム装置の一例としての機能ブロック図。
【図3】試合状況情報データ、詳細情報データ、および結果情報データから構成された、情報データを示す図。
【図4】投球コースを規定するためのブロック番号を示す図。
【図5】投球コースの頻度分布図。
【図6】球種の頻度分布を示す図。
【図7】打者がヒット以上を打ったときの投球コースを示す図。
【図8】打者がアウトになったときの投球コースを示す図。
【図9】データ量と信頼度データとの対応関係を示す図。
【図10】信頼度ゲージを示す図。
【図11】データ量と重み係数との対応関係を示す図。
【図12】情報データと補正データとの対応関係を示す図。
【図13】投手キャラクタが投球するときの投球コースの偏りを示す図。
【図14】打者キャラクタの得意コースを示す頻度分布図。
【図15】打者キャラクタの苦手コースを示す頻度分布図。
【図16】野球ゲームの全体概要を示すフロー。
【図17】野球ゲームにおける特徴反映システムを示すフロー。
【符号の説明】
【0193】
1 制御部
3 画像表示部
5 操作入力部
7 CPU
12 RAM
17 コントローラ
20 テレビジョンモニタ
50 現実データ格納手段
51 能力設定手段
52 特徴設定手段
53 特徴情報導出手段
54 信頼度報知手段
55 情報反映手段
56 能力再設定手段
57 行動制御手段
GSR 情報データ
GD 試合状況情報データ(状況情報データ)
SD 詳細情報データ
RD 結果情報データ
TD 特徴データ(タイプデータ)
TD1 投手用の特徴データ(第1タイプデータ)
TD2 打者用の特徴データ(第2タイプデータ)
ND 能力データ
ND1 投手用の能力データ
ND2 打者用の能力データ
CD 信頼度データ
CDG 信頼度ゲージ




【特許請求の範囲】
【請求項1】
現実世界のイベントにおける情報がキャラクタに反映されるゲームを、実行可能なコンピュータに、
前記現実世界のイベントにおける前記情報を示す情報データを、記憶部に格納する現実データ格納機能と、
ゲームで動作するキャラクタのタイプを示すタイプデータを、制御部に認識させることにより、前記キャラクタのタイプを設定するタイプ設定機能と、
前記キャラクタに関連する前記情報データを分析する処理を、制御部に実行させることにより、前記現実世界のイベントにおける前記情報から、前記キャラクタのタイプに関連する情報を導出するタイプ情報導出機能と、
分析後の前記情報データに基づいて前記タイプデータを補正する処理を、制御部に実行させることにより、前記現実世界のイベントにおける前記情報を、前記キャラクタのタイプに反映する情報反映機能と、
補正後の前記タイプデータに基づいて、前記キャラクタの行動を制御する命令を、制御部に発行させることにより、前記現実世界のイベントにおける前記情報が反映された前記タイプを有する前記キャラクタの行動を、制御する行動制御機能と、
を実現させるためのゲームプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータに、
前記キャラクタの能力を示す能力データを、制御部に認識させることにより、前記キャラクタの能力を設定する能力設定機能と、
補正後の前記タイプデータに基づいて、前記能力データを補正する処理を、制御部に実行させることにより、前記現実世界のイベントにおける前記情報が反映された前記タイプを有する前記キャラクタの能力を、再設定する能力再設定機能と、
さらに実現させるための請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記タイプ情報導出機能では、前記キャラクタに関連する前記情報データの統計処理を、制御部に実行させることにより、前記現実世界のイベントにおける前記情報から、前記キャラクタのタイプに関連する情報が、導出され、
前記情報反映機能では、前記キャラクタに関連する前記情報データのデータ量および統計処理後の前記情報データに基づいて前記タイプデータを補正する処理を、制御部に実行させることにより、前記情報の信頼度が評価された前記情報が、前記キャラクタのタイプに反映される、
請求項1又は2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記情報反映機能では、前記キャラクタに関連する前記情報データのデータ量が所定量未満の場合、前記タイプデータを補正する処理が、制御部により実行されず、前記キャラクタに関連する前記情報データのデータ量が所定量以上の場合に、統計処理後の前記情報データに基づいて、前記タイプデータを補正する処理が、制御部により実行される、
請求項3に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記情報反映機能では、前記キャラクタに関連する前記情報データのデータ量が所定量以上の場合に、前記キャラクタに関連する前記情報データのデータ量に応じて、前記タイプデータの補正レベルを変更する処理が、制御部により実行される、
請求項4に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータに、
前記情報の信頼度を示す表示子を、画像表示部に表示する命令を、制御部に発行させることにより、前記情報の信頼度を報知する信頼度報知機能、
をさらに実現するための請求項1から5のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記情報データは、前記現実世界のイベントの状況を示す状況情報データ、前記現実世界のイベントにおける詳細情報を示す詳細情報データ、および前記現実世界のイベントにおける事象の結果を示す結果情報データから構成されており、
前記タイプ情報導出機能では、前記状況情報データ、前記詳細情報データ、および前記結果情報データの少なくともいずれか1つのデータの統計処理を、制御部に実行させることにより、前記現実世界のイベントにおける前記情報から、前記キャラクタのタイプに関連する情報が、導出される、
請求項1から6のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記データ格納機能では、ゲームを起動する命令が制御部から発行されたときに、前記サーバに格納された前記情報データを受信する命令を、制御部に発行させることにより、前記情報データが記憶部に格納される、
請求項1から7のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項9】
前記コンピュータに、
前記現実世界のイベントにおける前記情報に対応する、ゲームのイベントにおける情報を示す情報データを、記憶部に格納するゲームデータ収集機能、
をさらに実現させ、
前記タイプ情報導出機能では、ゲームを起動する命令が制御部から新規に発行されたときに、前記現実世界のイベントにおける前記情報を示す前記情報データ、および前記ゲームのイベントにおける前記情報を示す前記情報データを分析する処理を、制御部に実行させることにより、前記現実世界のイベントにおける前記情報および前記ゲームのイベントにおける前記情報から、前記キャラクタのタイプに関連する情報が導出され、
前記情報反映機能では、分析後の前記情報データに基づいて前記タイプデータを補正する処理を、制御部に実行させることにより、前記現実世界のイベントにおける前記情報、および前記ゲームのイベントにおける前記情報が、前記キャラクタのタイプに反映され、
前記行動制御機能では、補正後の前記タイプデータに基づいて、前記キャラクタの行動を制御する命令を、制御部に発行させることにより、前記現実世界のイベントにおける前記情報および前記ゲームのイベントにおける前記情報が反映された前記タイプを有する前記キャラクタの行動が、制御される、
請求項1から8のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項10】
前記タイプ設定機能では、第1キャラクタのタイプを示す第1タイプデータ、および前記第1キャラクタと対決する第2キャラクタのタイプを示す第2タイプデータを、制御部に認識させることにより、前記キャラクタのタイプが設定される、
請求項1から9のいずれかに記載のゲームプログラム。
【請求項11】
前記能力設定機能では、前記第1キャラクタの能力を示す第1能力データおよび前記第2キャラクタの能力を示す第2能力データを、制御部に認識させることにより、前記キャラクタの能力が設定され、
前記能力再設定機能では、補正後の前記第1タイプデータおよび補正後の前記第2タイプデータのいずれか一方のデータに基づいて、前記第1能力データおよび前記第2能力データの少なくともいずれか一方のデータを補正する処理を、制御部に実行させることにより、前記情報が反映された前記タイプを有する前記キャラクタの能力が、再設定される、
請求項10に記載のゲームプログラム。
【請求項12】
現実世界のイベントにおける情報がキャラクタに反映されるゲームを、実行可能なゲーム装置であって、
前記現実世界のイベントにおける前記情報を示す情報データを、記憶部に格納するデータ格納手段と、
ゲームで動作するキャラクタのタイプを示すタイプデータを、制御部に認識させることにより、前記キャラクタのタイプを設定するタイプ設定手段と、
前記キャラクタに関連する前記情報データを分析する処理を、制御部に実行させることにより、前記現実世界のイベントにおける前記情報から、前記キャラクタのタイプに関連する情報を導出するタイプ情報導出手段と、
分析後の前記情報データに基づいて前記タイプデータを補正する処理を、制御部に実行させることにより、前記現実世界のイベントにおける前記情報を、前記キャラクタのタイプに反映する情報反映手段と、
補正後の前記タイプデータに基づいて、前記キャラクタの行動を制御する命令を、制御部に発行させることにより、前記現実世界のイベントにおける前記情報が反映された前記タイプを有する前記キャラクタの行動を、制御する行動制御手段と、
を備えるゲーム装置。
【請求項13】
現実世界のイベントにおける情報がキャラクタに反映されるゲームを、コンピュータにより制御可能なゲーム制御方法であって、
前記現実世界のイベントにおける前記情報を示す情報データを、記憶部に格納するデータ格納ステップと、
ゲームで動作するキャラクタのタイプを示すタイプデータを、制御部に認識させることにより、前記キャラクタのタイプを設定するタイプ設定ステップと、
前記キャラクタに関連する前記情報データを分析する処理を、制御部に実行させることにより、前記現実世界のイベントにおける前記情報から、前記キャラクタのタイプに関連する情報を導出するタイプ情報導出ステップと、
分析後の前記情報データに基づいて前記タイプデータを補正する処理を、制御部に実行させることにより、前記現実世界のイベントにおける前記情報を、前記キャラクタのタイプに反映する情報反映ステップと、
補正後の前記タイプデータに基づいて、前記キャラクタの行動を制御する命令を、制御部に発行させることにより、前記現実世界のイベントにおける前記情報が反映された前記タイプを有する前記キャラクタの行動を、制御する行動制御ステップと、
を備えるゲーム制御方法。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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