説明

ゲームプログラムおよびゲーム装置

【課題】 複数の参加者に課題を実行させる(問題を解答させる)ゲームにおいて、各課題(問題)について適切な制限時間を容易に設定する。
【解決手段】 ゲーム装置は、複数の解答者に問題を提示する。このとき、提示された問題に対する解答をすでに行った解答者または当該問題に正解した解答者の人数が計測される。計測された人数が所定人数に達した時点で、所定の制限時間が設定される。ゲーム装置は、制限時間が設定されてからの経過時間(正解経過時間)を計測し、経過時間が制限時間となった時点で解答の受付を終了する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラムおよびゲーム装置に関し、より特定的には、複数の回答者が参加するクイズゲームを実行するためのゲームプログラムおよびゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のプレイヤが回答者として参加するクイズゲームに関する技術がある(例えば、特許文献1および2参照。)。特許文献1には、複数のプレイヤが回答者として参加するクイズゲームにおいて、正解数が同じである複数のプレイヤに優劣を付けることができるゲーム装置が記載されている。このゲーム装置は、正答率と、出題からプレイヤが回答するまでの回答時間とを考慮して各プレイヤに対して順位付けを行う。これによって、正解数が同じである複数のプレイヤに対して公平に優劣を付けることができる。
【0003】
特許文献1に記載のゲーム装置では、プレイヤが回答を行う制限時間は設定されない。したがって、プレイヤは、いつまでも回答せずに考えることができてしまう。そのため、最初に回答したプレイヤは、全てのプレイヤが回答を行うまで待っていなければならない。このような待ち時間は、最初に回答したプレイヤにとっては非常に退屈なものである。また、例えば、1人のプレイヤを除く他の全てのプレイヤがすでに回答していても、1人のプレイヤが回答していなければ全てのプレイヤが次の問題に進めなくなる。このとき、他のプレイヤは、最後の1人のプレイヤが回答するのを待っていなければならず、ゲーム自体を退屈に感じてしまうおそれがある。このように、制限時間を設定しない場合には、ゲームの進行がスムーズに進まないことから、プレイヤが退屈に感じてしまうおそれがあった。
【0004】
そこで、複数のプレイヤが回答者として参加するクイズゲームにおいて、制限時間を設けることが考えられる。例えば、特許文献2には、各プレイヤに対して一定の制限時間を設けるゲーム装置が記載されている。このゲーム装置によれば、制限時間が常に設定されるので、出題をスムーズに進めることができる。つまり、問題に対してなかなか回答しないプレイヤがいたとしても制限時間が経過すると次の出題が行われるので、ゲームをスムーズに進行させることができる。このゲーム装置は、利用者(プレイヤ)の回転率を高める必要性がある業務用のアーケードゲーム機等で有効である。
【特許文献1】特開2004−242816号公報
【特許文献2】特開2001−162050号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献2では、上記制限時間として一定の時間が予め決められている。そのため、各問題に対する制限時間が必ずしも適切ではないおそれがあった。すなわち、プレイヤにとって制限時間が長すぎたり、逆に短すぎたりするおそれがあった。以下、理由を説明する。
【0006】
クイズゲームでは、種々の問題が出題され、それぞれの問題のレベルは様々であるのが通常である。したがって、制限時間は、それぞれの問題のレベルに応じて適切な長さに設定される必要がある。これに対して、問題のレベルは、その問題を解くプレイヤによって変化する。つまり、同じ問題であってもプレイヤによってその問題のレベルは異なる。例えば、ある問題に対して一定の(例えば、10秒)制限時間が設けられた場合を考える。この場合において、プレイヤが子供であれば、問題のレベルが相対的に高くなるので、プレイヤは制限時間が短すぎると感じることがある。したがって、この場合、プレイヤ全員が制限時間内に問題を解くことができず、プレイヤがゲームに対する興味を失ってしまうこともある。一方、プレイヤが大人であれば、問題のレベルが相対的に低くなるので、プレイヤは制限時間が長すぎると感じることがある。したがって、プレイヤ全員が時間を十分に余らせてしまい、待ち時間が長すぎて退屈であると感じてしまうこともある。
【0007】
以上のように、問題に対して一定の制限時間を設定する方法では、プレイヤのレベルを考慮することができないので、プレイヤにとって適切な制限時間を設定することができなかった。また、従来の方法では、ゲーム制作者は、各問題について問題のレベルを検討して適切な制限時間を設定する作業を行う必要があるが、この作業はゲーム制作者にとって非常に負担が大きい。
【0008】
それ故、本発明の目的は、複数の参加者に課題を実行させる(問題を解答させる)ゲームにおいて、各課題(問題)について適切な制限時間を容易に設定することができるゲームプログラムおよびゲーム装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、本欄における括弧内の参照符号および補足説明等は、本発明の理解を助けるために後述する実施形態との対応関係を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。
【0010】
第1の発明は、複数の解答者が参加するクイズゲームをゲーム装置(10)のコンピュータ(CPUコア21等)に実行させるゲームプログラムである。ゲームプログラムは、問題提示ステップ(S12)と、人数計測ステップ(S46)と、制限時間設定ステップ(S18およびS19)と、時間計測ステップ(S19)と、終了ステップ(S20)とをコンピュータに実行させる。問題提示ステップにおいては、コンピュータは、複数の解答者に問題を提示する。人数計測ステップにおいては、提示された問題に対する解答をすでに行った解答者または当該問題に正解した解答者の人数を計測する。制限時間設定ステップにおいては、計測された人数が所定人数に達した時点で所定の制限時間を設定する。時間計測ステップにおいては、制限時間が設定されてからの経過時間(正解経過時間)を計測する。終了ステップにおいては、経過時間が制限時間となった時点で解答の受付を終了する。
【0011】
第2の発明においては、ゲームプログラムは、残り時間取得ステップ(S17またはS19)と、加算ステップ(S43およびS44)とをコンピュータにさらに実行させるようにしてもよい。残り時間取得ステップにおいては、コンピュータは、問題に正解した解答者について、制限時間から問題に正解した時点における経過時間を引いた残り時間を取得する。加算ステップにおいては、問題に正解した解答者のうちで経過時間の計測が開始される前に正解した解答者に対して所定の得点(10点)を加算するとともに、当該解答者以外の他の解答者に対して、当該所定の得点よりも少ない範囲で残り時間に応じた得点を加算する。
【0012】
第3の発明は、複数の解答者が参加するクイズゲームをゲーム装置のコンピュータに実行させるゲームプログラムである。ゲームプログラムは、問題提示ステップ(S12)と、第1時間計測ステップ(S94)と、人数計測ステップ(S46)と、制限時間設定ステップ(S18,S19,およびS95)と、第2時間計測ステップ(S19)と、終了ステップ(S20)とをコンピュータに実行させる。問題提示ステップにおいては、コンピュータは、複数の解答者に問題を提示する。第1時間計測ステップにおいては、問題が提示されてからの経過時間である第1経過時間(問題経過時間)を計測する。人数計測ステップにおいては、提示された問題に対する解答をすでに行った解答者または当該問題に正解した解答者の人数を計測する。制限時間設定ステップにおいては、計測された人数が所定人数に達した時点、または、第1経過時間が所定時間に達した時点で所定の制限時間を設定する。第2時間計測ステップにおいては、制限時間が設定されてからの経過時間である第2経過時間(正解経過時間)を計測する。終了ステップにおいては、第2経過時間が制限時間となった時点で解答の受付を終了する。
【0013】
第4の発明においては、ゲームプログラムは、残り時間取得ステップ(S17またはS19)と、加算ステップ(S43およびS44)とをコンピュータにさらに実行させるようにしてもよい。残り時間取得ステップにおいては、コンピュータは、問題に正解した解答者について、制限時間から問題に正解した時点における第2経過時間を引いた残り時間を取得する。加算ステップにおいては、問題に正解した解答者のうちで第2経過時間の計測が開始される前に正解した解答者に対して所定の得点を加算するとともに、当該解答者以外の他の解答者に対して、当該所定の得点よりも少ない範囲で残り時間に応じた得点を加算する。
【0014】
第5の発明においては、ゲームプログラムは、算出ステップと、加算ステップとをコンピュータにさらに実行させるようにしてもよい。算出ステップにおいては、コンピュータは、問題に正解した解答者について正解した順番を算出する。加算ステップにおいては、問題に正解した解答者に対して、順番に応じた得点を加算する。
【0015】
第6の発明においては、ゲームプログラムは、解答結果記憶ステップ(S93)をコンピュータにさらに実行させてもよい。解答結果記憶ステップにおいては、コンピュータは、終了ステップにおいて解答の受付が終了された後で、複数の解答者の少なくとも1人について、解答結果に関する情報を示す解答結果データ(65)を記憶する。このとき、終了ステップにおいて解答の受付が終了された後で、問題提示ステップが再度実行されることによって次の問題が提示される。制限時間設定ステップにおいては、次の問題に対する制限時間の長さが解答結果データの内容に基づいて設定される。
【0016】
第7の発明においては、解答結果データには、問題に対して正解した解答者の数に関する情報、および、問題が提示されてから各解答者が所定の解答を行うまでの時間に関する情報の少なくとも一方を示すデータが含まれていてもよい。
【0017】
第8の発明においては、複数の解答者には、コンピュータによって解答が制御される仮想解答者が含まれていてもよい。このとき、ゲームプログラムは、解答者データ取得ステップと、制御ステップ(S72)とをコンピュータにさらに実行させる。解答者データ取得ステップにおいては、コンピュータは、問題が提示される前に、仮想解答者の解答に関する特徴を示す解答者データ(61)を取得する。制御ステップにおいては、解答者データにより示される特徴に従って、仮想解答者の解答動作を制御する。
【0018】
第9の発明においては、解答者データには、問題に対する仮想解答者の正解率を示す正解率データ(62)、および、問題が提示されてから仮想解答者が所定の解答を行うまでの時間を示す解答時間データ(63)が含まれていてもよい。このとき、制御ステップにおいては、仮想解答者が正解するか否かが正解率データに従って決定され、問題が提示されてから仮想解答者が解答するまでの時間が解答時間データに従って決定される。
【0019】
第10の発明においては、ゲームプログラムは、履歴保存ステップ(S71およびS72)をコンピュータにさらに実行させてもよい。履歴保存ステップにおいては、コンピュータは、解答者の少なくとも1人について、解答結果に関する履歴を示す履歴データを保存する。このとき、制御ステップにおいては、保存ステップによって以前に保存された履歴データが解答者データとして用いられる。
【0020】
第11の発明においては、履歴保存ステップにおいて、少なくとも、問題に対する正解率を示す正解率データ、および、問題が提示されてから所定の解答を行うまでの解答時間を示す解答時間データが履歴データとして保存されてもよい。
【0021】
第12の発明は、複数の参加者が課題を実行するゲームをゲーム装置(10)のコンピュータ(CPUコア21等)に実行させるゲームプログラムである。ゲームプログラムは、課題提示ステップ(S12)と、人数計測ステップ(S46)と、制限時間設定ステップ(S18およびS19)と、時間計測ステップ(S19)と、停止ステップ(S20)とをコンピュータに実行させる。課題提示ステップにおいては、コンピュータは、複数の参加者に対して課題を提示する。人数計測ステップにおいては、課題をすでに終えた参加者の人数を計測する。制限時間設定ステップにおいては、計測された人数が所定人数に達した時点で所定の制限時間を設定する。時間計測ステップにおいては、制限時間が設定されてからの経過時間を計測する。停止ステップにおいては、経過時間が制限時間となった時点で、各参加者による課題の実行を停止させる。
【0022】
第13の発明は、複数の参加者が課題を実行するゲームをゲーム装置のコンピュータに実行させるゲームプログラムである。ゲームプログラムは、課題提示ステップ(S12)と、第1時間計測ステップ(S94)と、人数計測ステップ(S46)と、制限時間設定ステップ(S18,S19,およびS95)と、第2時間計測ステップ(S19)と、停止ステップ(S20)とをコンピュータに実行させる。課題提示ステップにおいては、コンピュータは、複数の解答者に対して課題を提示する。第1時間計測ステップにおいては、課題が提示されてからの経過時間である第1経過時間を計測する。人数計測ステップにおいては、提示された課題をすでに終えた参加者の人数を計測する。制限時間設定ステップにおいては、計測された人数が所定人数に達した時点、または、第1経過時間が所定時間に達した時点で所定の制限時間を設定する。第2時間計測ステップにおいては、制限時間が設定されてからの経過時間である第2経過時間を計測する。停止ステップにおいては、第2経過時間が制限時間となった時点で、各参加者による課題の実行を停止させる。
【0023】
また、本発明は、上記ゲームプログラムを実行することによって実現される機能と同等の機能を有するゲーム装置の形態で提供されてもよい。
【発明の効果】
【0024】
第1の発明によれば、正解者または解答済みの解答者の人数が所定人数に達した時点で制限時間が設定される。正解者または解答済みの解答者の人数を計測することによって、各解答者の実際のレベルを検出することができ、各解答者の実際のレベルを基準として制限時間が設定されることとなる。各解答者の実際のレベルを基準として制限時間が設定されるので、プレイヤが解答を行うことができる時間が各解答者にとって長すぎたり短すぎたりすることがなく、プレイヤが解答を行うことができる時間を適切な長さに設定することができる。したがって、第1の発明によれば、プレイヤのレベルに合った制限時間を容易に設定することができる。さらに、問題毎に制限時間を設定する必要がないので、ゲーム制作者の負担を軽減することができる。
【0025】
また、第2の発明によれば、問題に正解した各解答者に対して適切な得点を与えることができる。
【0026】
第3の発明によれば、第1の発明と同様、各解答者の実際のレベルを基準として制限時間が設定されるので、プレイヤが解答を行うことができる時間が各解答者にとって長すぎたり短すぎたりすることがなく、プレイヤが解答を行うことができる時間を適切な長さに設定することができる。さらに、第3の発明によれば、例えば問題が難しい等の理由でいずれの解答者も解答しないような場合であっても、第1経過時間が所定時間に達すると制限時間が設定される。したがって、いずれの解答者も解答しない結果、1つの問題が出題されたまま終了しないことを防止することができる。これによって、いずれの解答者も解答しない場合であっても、プレイヤが同じ問題を考えることに飽きてしまうことを防止することができるとともに、ゲームの進行をスムーズに行うことができる。
【0027】
また、第4の発明によれば、第2の発明と同様、問題に正解した各解答者に対して適切な得点を与えることができる。
【0028】
また、第5の発明によれば、第2および第4の発明と同様、問題に正解した各解答者に対して適切な得点を与えることができる。
【0029】
また、第6の発明によれば、以前の問題に関する解答結果に基づいて制限時間を変化させることができる。これによれば、制限時間の長さを適切に設定することができるので、プレイヤが解答を行うことができる時間をより適切に設定することができる。
【0030】
また、第7の発明によれば、正解者の数や、解答を行うまでの時間に関する情報を解答結果として用いることにより、各解答者にとっての制限時間を長さが適切であるか否かを正確に判断することができる。例えば、正解者の数が少なければ、各プレイヤにとって制限時間が短すぎると判断することができる。また、解答時間が短ければ、各プレイヤにとって制限時間が長すぎると判断することができる。したがって、これらの情報を解答結果として用いることにより、適切な長さの制限時間を設定することができる。
【0031】
また、第8の発明によれば、プレイヤは、プレイヤの数が少なくても大人数が参加するクイズゲームを楽しむことができる。
【0032】
また、第9の発明によれば、種々の特徴を持った仮想解答者をクイズゲームに参加させることができる。例えば、正解率は高いが解答するまでの時間が長い仮想解答者や、正解率は低いがすぐに解答を行う仮想解答者等、いろいろな個性を持った仮想解答者をクイズゲームに参加させることができる。
【0033】
また、第10の発明によれば、プレイヤの特徴を反映した仮想解答者をクイズゲームに参加させることができる。したがって、実際にはクイズゲームに参加していないプレイヤであっても、当該プレイヤの特徴を反映した仮想解答者をクイズゲームに参加させることによって、他のプレイヤは、仮想的な当該プレイヤとの対戦を楽しむことができる。
【0034】
また、第11の発明によれば、正解率および解答時間を示す履歴データを解答者データとして用いることによって、プレイヤの特徴を正確に反映させることができる。
【0035】
また、第12の発明によれば、クイズゲームに限らず、複数の参加者に種々の課題を実行させるゲームにおいて、第1の発明と同様の効果を得ることができる。すなわち、プレイヤのレベルに合った制限時間を容易に設定することができる。さらに、問題毎に制限時間を設定する必要がないので、ゲーム制作者の負担を軽減することができる。
【0036】
また、第13の発明によれば、クイズゲームに限らず、複数の参加者に種々の課題を実行させるゲームにおいて、第3の発明と同様の効果を得ることができる。すなわち、プレイヤのレベルに合った制限時間を容易に設定することができる。さらに、いずれの参加者も課題を終了しない場合であっても、プレイヤが同じ課題をやり続けることに飽きてしまうことを防止することができるとともに、ゲームの進行をスムーズに行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係るゲーム装置の構成および動作を説明する。図1は、第1の実施形態に係るゲーム装置の外観図である。図1において、ゲーム装置10は、第1LCD(Liquid Crystal Display:液晶表示装置)11および第2LCD12を含む。ハウジング13は上側ハウジング13aと下側ハウジング13bとによって構成されており、第1LCD11は上側ハウジング13aに収納され、第2LCD12は下側ハウジング13bに収納される。第1LCD11および第2LCD12の解像度はいずれも256dot×192dotである。なお、本実施形態では表示装置としてLCDを用いているが、例えばEL(Electro Luminescence:電界発光)を利用した表示装置など、他の任意の表示装置を利用することができる。また任意の解像度のものを利用することができる。
【0038】
上側ハウジング13aには、後述する1対のスピーカ(図2の30a、30b)からの音を外部に放出するための音抜き孔18a、18bが形成されている。
【0039】
下側ハウジング13bには、入力装置として、十字スイッチ14a、スタートスイッチ14b、セレクトスイッチ14c、Aボタン14d、Bボタン14e、Xボタン14f、Yボタン14g、Lボタン14LおよびRボタン14Rが設けられている。また、さらなる入力装置として、第2LCD12の画面上にタッチパネル15が装着されている。また、下側ハウジング13bには、電源スイッチ19や、メモリカード17やスティック16を収納するための挿入口も設けられている。
【0040】
タッチパネル15としては、例えば抵抗膜方式や光学式(赤外線方式)や静電容量結合式など、任意の方式のものを利用することができる。タッチパネル15は、その表面をスティック16で触れると、その接触位置に対応する座標データを出力する機能を有している。なお、以下ではプレイヤがタッチパネル15をスティック16で操作するものとして説明を行うが、スティック16の代わりにペン(スタイラスペン)や指でタッチパネル15を操作することももちろん可能である。本実施形態では、タッチパネル15として、第2LCD12の解像度と同じく256dot×192dotの解像度(検出精度)のものを利用する。ただし、必ずしもタッチパネル15の解像度と第2LCD12の解像度が一致している必要はない。
【0041】
メモリカード17はゲームプログラムを記録した記録媒体であり、下部ハウジング13bに設けられた挿入口に着脱自在に装着される。
【0042】
次に、図2を参照してゲーム装置10の内部構成を説明する。図2において、ハウジング13に収納される電子回路基板20には、CPUコア21が実装される。CPUコア21には、バス22を介して、コネクタ23が接続されるとともに、入出力インターフェース回路(図面ではI/F回路と記す)25、第1GPU(Graphics Processing Unit)26、第2GPU27、RAM24、LCDコントローラ31、およびワイヤレス通信部33が接続される。コネクタ23には、メモリカード17が着脱自在に接続される。メモリカード17は、ゲームプログラムを記憶するROM17aと、バックアップデータを書き換え可能に記憶するRAM17bを搭載する。メモリカード17のROM17aに記憶されたゲームプログラムはRAM24にロードされ、RAM24にロードされたゲームプログラムがCPUコア21によって実行される。RAM24には、ゲームプログラムの他にも、CPUコア21がゲームプログラムを実行して得られる一時的なデータや、ゲーム画像を生成するためのデータが記憶される。I/F回路25には、タッチパネル15、右スピーカ30a、左スピーカ30bおよび図1の十字スイッチ14aやAボタン14d等からなる操作スイッチ部14が接続される。右スピーカ30aと左スピーカ30bは、音抜き孔18a、18bの内側にそれぞれ配置される。
【0043】
第1GPU26には、第1VRAM(Video RAM)28が接続され、第2GPU27には、第2VRAM29が接続される。第1GPU26は、CPUコア21からの指示に応じて、RAM24に記憶されているゲーム画像を生成するためのデータに基づいて第1のゲーム画像を生成し、第1VRAM28に描画する。第2GPU27は、同様にCPUコア21からの指示に応じて第2のゲーム画像を生成し、第2VRAM29に描画する。第1VRAM28および第2VRAM29はLCDコントローラ31に接続されている。
【0044】
LCDコントローラ31はレジスタ32を含む。レジスタ32はCPUコア21からの指示に応じて0または1の値を記憶する。LCDコントローラ31は、レジスタ32の値が0の場合は、第1VRAM28に描画された第1のゲーム画像を第1LCD11に出力し、第2VRAM29に描画された第2のゲーム画像を第2LCD12に出力する。また、レジスタ32の値が1の場合は、第1VRAM28に描画された第1のゲーム画像を第2LCD12に出力し、第2VRAM29に描画された第2のゲーム画像を第1LCD11に出力する。
【0045】
ワイヤレス通信部33は、他のゲーム装置のワイヤレス通信部33との間で、ゲーム処理に利用されるデータやその他のデータを送受信する機能を有しており、一例としてIEEE802.11の無線LAN規格に則った無線通信機能を提供する。ワイヤレス通信部33は、受信したデータをCPUコア21に出力する。また、ワイヤレス通信部33は、CPUコア21から指示されたデータを他のゲーム装置へ送信する。なお、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等のプロトコルや所定のブラウザをワイヤレス通信部33やゲーム装置10内の記憶部に実装することによって、ゲーム装置10は、ワイヤレス通信部33を介してインターネット等のネットワークとの接続が可能となる。そして、ゲーム装置10は、ネットワーク上で公開されている文書や画像等のデータを第1LCD11および第2LCD12で閲覧したり、ネットワーク上で公開されているゲームデータを用いてゲーム処理を実行したりすることができる。
【0046】
なお、上記のようなゲーム装置10の構成は単なる一例に過ぎず、本発明は、少なくとも1つの表示装置を有する任意のコンピュータシステムに適用することができる。また、本発明のゲームプログラムは、メモリカード17などの外部記憶媒体を通じてコンピュータシステムに供給されるだけでなく、有線または無線の通信回線を通じてコンピュータシステムに供給されてもよいし、さらにはコンピュータシステム内部の不揮発性記憶装置に予め記録されていてもよい。
【0047】
以下、第1の実施形態においてゲーム装置10を用いて行われるゲームについて説明する。本ゲームは、複数人のプレイヤがクイズに解答して遊ぶゲームである。本実施形態では、プレイヤは、各自1台ずつのゲーム装置10を用いてゲームをプレイする。つまり、本実施形態では、複数の(プレイヤの人数分の)ゲーム装置10によってゲームシステムが構成され、ゲーム中においては各ゲーム装置間で通信が行われる。また、本実施形態に係るゲームプログラムが格納されるメモリカード17は、ゲームシステムを構成する複数のゲーム装置のうちのいずれかに装着されていればよい。以下では、メモリカード17が装着されているゲーム装置を「親機」と呼び、他のゲーム装置を「子機」と呼ぶことがある。
【0048】
次に、本ゲームの概要を説明する。本実施形態では、複数の問題が用意されており、各問題は、「知覚」、「言語」、「分析」、「数字」、「記憶」といったジャンルに分類されている。さらに、1つのジャンルの中には、複数のミニゲームが用意されている。1つのミニゲームには、同種類の問題が複数用意されている。また、各問題について、難易度が異なる複数のレベルが用意されている。プレイヤは、まず、ジャンル、ミニゲームの種類(問題の種類)、および問題のレベルを選択する。プレイヤがこれらを選択し終えると、ゲーム装置10は出題を開始する。なお、出題は、各ゲーム装置間で同期をとって行われる。つまり、各ゲーム装置において同じタイミングで同じ問題が出される。なお、問題に関するデータは、ゲームプログラムに含まれており、親機から子機に適宜のタイミングで送信される。
【0049】
図3Aおよび図3Bは、問題が出されたときのゲーム画面を示す図である。すなわち、図3Aは、出題時に第1LCD11に表示されるゲーム画面を示す図であり、図3Bは、出題時に第2LCD12に表示されるゲーム画面を示す図である。ここでは、図3Aおよび図3Bに示す数合わせ問題を例として説明を行う。図3Aに示すゲーム画面では、6個のパイナップル(画像41)が表示されている。また、図3Bに示すゲーム画面では、4つの領域42〜45が表示されている。領域42の内側には5つのバナナが表示されており、領域43の内側には2つのメロンが表示されており、領域44の内側には1つのリンゴが表示されており、領域45の内側には3つのイチゴが表示されている。図3Aおよび図3Bに示す問題は、第1LCD11に表示されている果物(パイナップル)の数になるように、第2LCD12に表示されている果物の中から2種類(2つの領域)を選択する問題である。図3Aおよび図3Bの例では、第1LCD11に6個のパイナップルが表示されているので、5個のバナナが表示されている領域42と、1個のリンゴが表示されている領域44とを選択すれば正解となる。
【0050】
問題が出題されて図3Aおよび図3Bに示す画面が表示されると、ゲーム装置10は、プレイヤからの入力を受け付ける。本実施形態では、プレイヤは、タッチパネル15に対する入力を行う。すなわち、プレイヤは、選択すべき領域が表示されているタッチパネル15(LCD12の画面)上をスティック16で指定する(タッチする)ことで、問題に対する解答を行う。ゲーム装置10は、プレイヤから解答を受け付けると、プレイヤによる解答が正解か否かを判定する。具体的には、プレイヤによるタッチパネル15に対する入力(タッチ入力)を受け付けると、タッチ入力が行われた画面上の位置に基づいて正解か否かを判定する。そして、ゲーム装置10は、プレイヤによる解答の結果(正解または不正解)を他のゲーム装置に送信する。なお、正解したプレイヤのゲーム装置においては、正解した旨を示す文字や画像が第2LCD12に表示される。
【0051】
あるプレイヤが問題に正解した場合、問題に正解した旨を示すデータが当該プレイヤのゲーム装置から他のプレイヤのゲーム装置へ送信される。このデータを受信すると、ゲーム装置は、制限時間を設定する。つまり、複数のプレイヤのうちで1人が正解した時点で、制限時間が設定される。すなわち、ゲーム装置10は、複数のプレイヤのうちで1人が正解した時点からの経過時間(正解経過時間)の計測を開始し、所定の制限時間に達するまで当該正解経過時間のカウントを行う。図4は、制限時間が設定されたときのゲーム画面を示す図である。図4は、第2LCD12に表示されるゲーム画面である。図4においては、画面の左下に、制限時間までの残り時間を示す画像(画像46)が表示されている。なお、図4に示す画像46は、残り時間が5秒であることを示している。本実施形態では、制限時間は5秒である。
【0052】
制限時間が設定された後、プレイヤは、上記正解経過時間が制限時間に達するまで問題に解答することが可能である。すなわち、ゲーム装置10は、上記正解経過時間が制限時間に達するまでプレイヤからのタッチ入力を受け付ける。
【0053】
ゲーム装置10は、プレイヤが問題に正解した場合、得点を加算する。本実施形態では、具体的には、最初に正解したプレイヤに対して10点が加算される。制限時間が設定されてから正解したプレイヤ(2番目以降に正解したプレイヤ)に対して残り時間の秒数が得点として加算される。例えば、残り時間が3秒の時点で正解したプレイヤに対しては3点が加算される。
【0054】
正解経過時間が制限時間に達するか、または、全てのプレイヤが問題に正解すると、問題が終了する。すなわち、ゲーム装置10は、正解経過時間が制限時間に達するか、または、全てのプレイヤが問題に正解すると、次の問題を出題する。以降、いずれかのプレイヤの得点が所定の点数に達するまで、同種類の問題が出題される。本実施形態では、所定の点数は50点であるとする。なお、問題に正解したことによって得点が所定の点数に達したプレイヤが存在する場合、ゲーム装置10は、問題の出題を行わずにゲームを終了する。この場合、当該プレイヤがゲームの勝利者となる。
【0055】
以上のように、本実施形態においては、ゲーム装置10は、最初に正解者が出た時点で制限時間を設定する。つまり、実際に正解者が出た時点を基準として制限時間が設定されるので、制限時間が長すぎたり短すぎたりすることがなく、制限時間を適切な長さに設定することができる。制限時間を予め設定しておく従来の方法では、プレイヤのレベルを考慮して制限時間を設定することができず、また、問題の難易度に応じて問題毎に制限時間を設定しなければならなかった。これに対して、本実施形態によれば、プレイヤのレベルに合った制限時間を設定することができる。さらに、問題毎に制限時間を設定する必要がないので、ゲーム制作者の負担を軽減することができる。
【0056】
以下、本実施形態においてゲーム装置10で実行されるゲーム処理について説明する。まず、ゲーム処理において用いられる主なデータについて図5を用いて説明する。図5は、ゲーム装置10のRAM24に記憶される主なデータを示す図である。図5に示すように、RAM24には、問題データ51、正解者フラグデータ52、正解者数データ53、残り解答者数データ54、残り時間データ55、および得点データ56等が記憶される。なお、RAM24には、図5に示すデータの他、ゲーム画像に用いる画像データ等、ゲーム処理に必要なデータが記憶される。
【0057】
問題データ51は、出題される問題に関する情報(問題とその正解とを含む情報)を示すデータである。RAM24には、各ミニゲームの問題毎に、かつ、問題のレベル毎に問題データが記憶される。なお、同じ種類の問題(単一のミニゲームに含まれる問題)については、複数の問題データを記憶しておく代わりに、複数の問題を生成するために必要なデータを記憶しておくようにしてもよい。このとき、ゲーム装置10は、出題時に乱数等を用いて問題データからランダムに問題を生成する。これによって、同種の問題について異なる複数の問題を生成することができる。
【0058】
正解者フラグデータ52は、正解者フラグの値を示すデータである。正解者フラグは、問題が出されてから解答の受付が終了するまでの間において正解者がすでに存在するか否かを示す。すなわち、問題にすでに正解したプレイヤが存在する場合、正解者フラグの値は“1”に設定され、問題に正解したプレイヤが存在しない場合、正解者フラグの値は“0”に設定される。
【0059】
正解者数データ53は、正解者の人数を示すデータである。正解者数データ53は、問題の出題時に“0”に設定され、正解者が出る度に1だけ加算される。残り解答者数データ54の値は、問題に対して解答を行っていない、残りの解答者の人数を示すデータである。残り解答者数データ54の値は、問題の出題時に、全解答者(プレイヤ)の人数に設定され、(解答が正解であるか不正解であるかとは無関係に)プレイヤが解答を行う度に1ずつ減算される。残り時間データ55は、上記正解経過時間が制限時間に達するまでの残り時間を示すデータである。
【0060】
得点データ56は、各解答者(プレイヤ)の得点を示すデータである。ゲーム装置10のRAM24には、そのゲーム装置を使用するプレイヤの得点のみならず、ゲームに参加している全てのプレイヤについてプレイヤ毎に得点データ56が記憶される。すなわち、解答者の人数がn(nは2以上の整数)人である場合、第1〜第n解答者得点データ(図5に示す第1解答者得点データ56aおよび56b等)がRAM24に記憶される。
【0061】
次に、ゲームプログラムを実行することによってゲーム装置10において実行されるゲーム処理の詳細を、図6〜図11を用いて説明する。図6は、ゲーム装置10において実行されるゲーム処理の流れを示すフローチャートである。ゲーム装置10の電源が投入されると、ゲーム装置10のCPUコア21は、図示しないブートROMに記憶されている起動プログラムを実行し、RAM24等の各ユニットが初期化される。そして、メモリカード17に格納されたゲームプログラムがRAM24に読み込まれ、CPUコア21によって当該ゲームプログラムの実行が開始される。図6に示すフローチャートは、以上の処理が完了した後に実行されるゲーム処理を示すフローチャートである。
【0062】
図6のステップS1において、まず、初期処理が実行される。初期処理としては、ゲームを開始するために必要なデータを親機から子機へ送信する処理が実行される。親機であるゲーム装置10は、例えば、RAM24に記憶されている各問題データと、各問題のジャンルおよびミニゲームの種類を示すデータを子機へ送信する。子機は、受信したデータをRAM24に記憶する。ステップS1の次にステップS2の処理が実行される。
【0063】
ステップS1以降においては、ゲームを終了すると判定されるまで、ステップS2〜S6の処理ループ内の処理が繰り返し実行される。ステップS2〜S6の1回の処理ループにおいては、1回のミニゲーム(プレイヤの順位を決めるためのゲーム単位)が行われる。すなわち、1回のミニゲームにおいては、問題のジャンル、ミニゲームの種類、および問題のレベルが選択され(ステップS2)、いずれかのプレイヤが所定の点数を獲得するまで同じ種類の問題が複数出題される(ステップS4およびS5)。そして、点数に応じて各プレイヤの順位が決められる(ステップS6)。以下、ステップS2〜S6の処理の詳細を説明する。
【0064】
ステップS2において、出題される問題のジャンル、ミニゲームの種類、および問題のレベル(以下、「問題のジャンル等」と記載する)が選択される。本実施形態では、親機を使用するプレイヤが問題のジャンル等の選択を行うものとする。具体的には、親機は、各ジャンルを表す画像を第1LCD11または第2LCD12に表示し、ジャンルを指定する操作をプレイヤから受け付ける。プレイヤがジャンルを指定する操作を行うと、親機は、指定されたジャンルに含まれる各ミニゲームを表す画像を第1LCD11または第2LCD12に表示する。そして、ミニゲームを指定する操作をプレイヤから受け付ける。さらに、プレイヤがミニゲームを指定する操作を行うと、親機は、問題のレベルを指定する入力をプレイヤに促す画像を第1LCD11または第2LCD12に表示し、問題のレベルを指定する操作をプレイヤから受け付ける。以上によって、問題のジャンル等がプレイヤによって決定される。親機は、決定されたジャンルを示すデータ、ミニゲームを示すデータ、およびレベルを示すデータを各子機に送信する。ジャンルを示すデータとは、例えば、各ジャンルを識別するための番号を示すデータである。同様に、ミニゲームを示すデータとは、例えば、各ミニゲームを識別するための番号を示すデータである。これらのデータが各子機に送信されることによって、選択されたジャンル、ミニゲーム、およびレベルが各ゲーム装置10で認識されることになる。また、ステップS2においては、RAM24に記憶されている各プレイヤの得点データ56がリセットされる。すなわち、CPUコア21は、得点データ56により示される得点を“0”に設定する。ステップS2の次にステップS3の処理が実行される。
【0065】
なお、本実施形態においては、親機を使用するプレイヤが問題のジャンル等を選択するものとしたが、問題のジャンル等を選択する方法はどのような方法であってもよい。例えば、ゲームを開始してから(図6に示すフローチャートの実行が開始されてから)2回目以降に実行されるステップS2の処理においては、以前の得点が最も高い(または最も低い)プレイヤが問題のジャンル等を選択するようにしてもよい。また、問題のジャンル等はゲーム装置10によってランダムに選択されるようにしてもよい。なお、問題のジャンル等を示すデータは、ジャンルの選択が行われたゲーム装置から他のゲーム装置へ送信される。
【0066】
ステップS3において、出題処理が実行される。出題処理においては、1問の問題が出題されてから問題を終了するまでのゲーム処理が実行される。以下、出題処理の詳細を説明する。
【0067】
図7は、図6に示すステップS3の詳細な処理の流れを示すフローチャートである。出題処理においては、まずステップS11において、出題処理において必要なデータを初期化するための初期化処理が行われる。以下、初期化処理の詳細を説明する。
【0068】
図8は、図7に示すステップS11の詳細な処理の流れを示すフローチャートである。初期化処理においては、まず、ステップS31において、RAM24に記憶されている正解者数データ53および残り時間データ55がリセットされる。すなわち、CPUコア21は、“0”を示すデータを正解者数データ53としてRAM24に更新して記憶し、予め定められた制限時間と同じ時間を示すデータを残り時間データ55としてRAM24に更新して記憶する。続くステップS32において、RAM24に記憶されている正解者フラグデータ52がリセットされる。すなわち、CPUコア21は、“0”を示すデータを正解者フラグデータ52としてRAM24に更新して記憶する。続くステップS33において、RAM24に記憶されている残り解答者数データ54がリセットされる。すなわち、CPUコア21は、全プレイヤの人数を示すデータを残り解答者数データ54としてRAM24に更新して記憶する。以上のステップS31〜S33の処理が終了すると、CPUコア21は初期化処理を終了する。
【0069】
図7の説明に戻り、ステップS11の次のステップS12において、問題が出題される。具体的には、まず、親機は、出題すべき問題を特定するデータ(例えば、問題を識別するための番号のデータ)を各子機へ送信する。一方、子機は、当該データを親機から受信することによって、出題すべき問題を知る。次に、各ゲーム装置10は、第1および第2LCD11および12に問題を表示させる(図3Aおよび図3B参照)。なお、各ゲーム装置10は、同じタイミングで問題が表示されるように同期をとって出題を行う。ステップS12以降のステップS13〜S21の処理において、問題に対する解答が受け付けられ、解答が正解か否かを判定する処理等が行われる。なお、ステップS13〜S21の処理ループは、所定時間(例えば1フレーム時間)毎に1回実行される。
【0070】
ステップS13において、自機を使用するプレイヤから解答が入力されたか否かが判定される。具体的には、CPUコア21は、タッチ入力が行われた位置を示す座標データをタッチパネル12から読み込み、当該座標データに基づいて解答が入力されたか否かを判定する。ここで、CPUコア21は、解答が完了したか否かを判定する。例えば、図3Aおよび図3Bに示す問題の場合、プレイヤは、4つの領域42〜45のうちの2つの領域を指定する必要がある。したがって、CPUコア21は、4つの領域42〜45のうちの2つの領域が指定された時に解答が入力されたと判定する。つまり、図3Aおよび図3Bに示す問題の場合、1つの領域を指定しただけでは解答したことにならない。ステップS13の判定において、プレイヤから解答が入力されたと判定される場合、ステップS14の処理が実行される。一方、ステップS13の判定において、プレイヤから解答が入力されていないと判定される場合、ステップS14〜S16の処理がスキップされてステップS17の処理が実行される。
【0071】
ステップS14において、自機を使用するプレイヤの解答が正解か否かが判定される。具体的には、CPUコア21は、RAM24に記憶されている問題データ51(問題データ51には問題およびその問題の解答を示す情報が含まれている。)を参照して、プレイヤによって入力された解答が正解であるか否かを判定する。ステップS14の判定において、プレイヤの解答が正解であると判定される場合、ステップS15の処理が実行される。一方、プレイヤの解答が不正解であると判定される場合、ステップS16の処理が実行される。
【0072】
ステップS15においては、自機を使用するプレイヤが問題に正解した場合に行われるゲーム処理である正解処理が実行される。図9は、図7に示すステップS15の詳細な処理の流れを示すフローチャートである。正解処理においては、まず、ステップS41において、現在出題中の問題に関するプレイヤの順位が表示される。この順位とは、現在出題中の問題を何番目に正解したかを示す数である。具体的には、CPUコア21は、RAMに記憶されている正解者数データ53により示される値に1を足した数を、プレイヤの順位として第1LCD11または第2LCD12に表示させる。ステップS41の次にステップS42の処理が実行される。
【0073】
ステップS42においては、自機を使用するプレイヤが1番目に正解したか否かが判定される。ステップS42の判定は、RAM24に記憶されている正解者数データ53を参照することによって行われる。すなわち、CPUコア21は、正解者数データ53が“0”を示す場合、プレイヤが1番目に正解したと判定し、正解者数データ53が“0”以外を示す場合、プレイヤが1番目に正解していない(2番目以降に正解した)と判定する。
【0074】
ステップS42の判定において、自機を使用するプレイヤが1番目に正解したと判定される場合、ステップS43の処理が実行される。すなわち、ステップS43において、1番目に正解した場合に加算される得点として10点がプレイヤに加算される。CPUコア21は、RAM24に記憶されている当該プレイヤの得点データ56の内容を、更新前の得点に10点を加算した得点に更新する。
【0075】
一方、ステップS42の判定において、自機を使用するプレイヤが1番目に正解していないと判定される場合、ステップS44の処理が実行される。本実施形態では、1番目に正解した解答者以外の他の解答者に対して、1番目に正解した解答者に与えられる得点(10点)よりも少ない範囲で残り時間に応じた得点が加算される。すなわち、ステップS44において、2番目以降に正解した場合に加算される得点として、残り時間の秒数に等しい得点がプレイヤに加算される。例えば、残り時間が3秒の時点で正解したプレイヤに対しては3点が加算される。なお、ここでは、残り時間の秒数の小数点以下の値を切り上げた数が得点として加算される。すなわち、CPUコア21は、まず、RAM24に記憶されている残り時間データ55により示される時間の小数点以下の値を切り上げた値を算出する。そして、RAM24に記憶されている当該プレイヤの得点データ56の内容を、更新前の得点に算出した得点を加算した得点に更新する。
【0076】
なお、本実施形態においては、残り時間に応じた得点がプレイヤに加算されたが、他の実施形態においては、順位に応じた得点がプレイヤに加算されるようにしてもよい。例えば、1位のプレイヤ(1番最初に正解したプレイヤ)には10点を加算し、2位のプレイヤには8点を加算し、3位のプレイヤには6点を加算する、というように、プレイヤに与えるべき得点を順位に応じて予め決めておくようにしてもよい。
【0077】
ステップS43またはS44の次に、ステップS45の処理が実行される。すなわち、ステップS45において、RAM24に記憶されている残り解答者数データ54の値が1だけ減算される。続くステップS46において、RAM24に記憶されている正解者数データ53の値が1だけ加算される。さらに、続くステップS47において、正解者フラグがONに設定される。すなわち、RAM24に記憶されている正解者フラグデータ52の値が“1”に更新される。ステップS47の次にステップS48の処理が実行される。
【0078】
ステップS48においては、正解通知データが自機から他のゲーム装置へ送信される。正解通知データとは、自機を使用するプレイヤが問題に正解したことを通知するためのデータである。具体的には、正解通知データには、ゲームを実行している複数のゲーム装置の中から自機を識別するためのIDを示すデータと、問題に正解した時点での残り時間を示すデータとが含まれる。当該IDを示すデータは、ゲーム装置に固有に与えられる番号であってもよい。また、他のゲーム装置との通信を確立する際に各ゲーム装置に番号が割り振られる場合には、当該番号をIDとして用いてもよい。ステップS48において、CPUコア21は、当該IDを示すデータとRAM24に記憶されている残り時間データ55とを正解通知データとして他のゲーム装置へ送信する。なお、他の実施形態においては、正解通知データは、残り時間データ55に代えて、自機を使用するプレイヤに対応する得点データ56を含んでいてもよい。ステップS48の処理が完了するとCPUコア21は正解処理を終了する。
【0079】
図7の説明に戻り、ステップS16においては、自機を使用するプレイヤが問題に正解しなかった場合に行われるゲーム処理である不正解処理が実行される。図10は、図7に示すステップS16の詳細な処理の流れを示すフローチャートである。不正解処理においては、まず、ステップS51において、問題に不正解であった旨を示す文字および/または画像が第1LCD11または第2LCD12に表示される。ステップS51の次にステップS52の処理が実行される。
【0080】
ステップS52において、RAM24に記憶されている残り解答者数データ54の値が1だけ減算される。ステップS52の処理はステップS45の処理と同じである。続くステップS53において、不正解通知データが自機から他のゲーム装置へ送信される。不正解通知データとは、自機を使用するプレイヤが問題に不正解であったことを通知するためのデータである。具体的には、不正解通知データには、ゲームを実行している複数のゲーム装置から自機を識別するためのIDを示すデータが少なくとも含まれる。すなわち、CPUコア21は、当該IDを示すデータを不正解通知データとして他のゲーム装置へ送信する。したがって、本実施形態では、正解通知データには残り時間データが含まれており、不正解通知データには残り時間データが含まれていない点で、ゲーム装置は、正解通知データと不正解通知データとを区別することができる。ステップS53の処理が完了するとCPUコア21は不正解処理を終了する。なお、不正解処理においては、問題に不正解であったプレイヤから得点を減算するようにしてもよい。
【0081】
再び図7の説明に戻り、ステップS15またはS16の次に、ステップS17のデータ受信処理が実行される。データ受信処理は、他のゲーム装置から送信されてくる正解通知データまたは不正解通知データを受信する処理である。データ受信処理においては、CPUコア21は、自機を使用するプレイヤ以外の他のプレイヤが問題に正解したか否かを検出し、正解/不正解に応じたゲーム処理を実行する。以下、以下、データ受信処理の詳細を説明する。
【0082】
図11は、図7に示すステップS17の詳細な処理の流れを示すフローチャートである。データ受信処理においては、まず、ステップS61において、自機が他のゲーム装置から正解通知データを受信したか否かが判定される。正解通知データを受信した場合、ステップS62〜S65の処理が実行される。一方、正解通知データを受信していない場合、ステップS62〜S65の処理がスキップされてステップS66が実行される。ステップS62〜S65の処理は、自機を使用するプレイヤ以外の他のプレイヤのいずれかに正解者が出たときに実行される。
【0083】
ステップS62においては、RAM24に記憶されている残り解答者数データ54の値が1だけ減算される。ステップS62の処理はステップS45の処理と同じである。続くステップS63において、RAM24に記憶されている正解者数データ53の値が1だけ加算される。さらに、続くステップS64において、正解者フラグがONに設定される。ステップS63の処理はステップS46の処理と同じであり、ステップS64の処理はステップS47の処理と同じである。ステップS64の次にステップS65の処理が実行される。
【0084】
ステップS65においては、正解通知データの送信先のゲーム装置を使用するプレイヤの得点が加算される。ステップS65の処理は、図9に示すステップS42〜S44の処理と同様である。すなわち、CPUコア21は、まず、RAM24に記憶されている正解者数データ53が“0”を示すか否かを判定する。そして、正解者数データ53が“0”を示す場合、1番目に正解した場合に加算される得点として10点をプレイヤに加算する。なお、得点が加算される対象となるプレイヤは、正解通知データの送信先のゲーム装置を使用するプレイヤである。一方、正解者数データ53が“0”以外の数値を示す場合、残り時間の秒数に等しい得点が当該プレイヤに加算される。ここで、残り時間は、送信先のゲーム装置から送信されてくる正解通知データに含まれている残り時間データにより示される時間である。また、残り時間の秒数の小数点以下の値を切り上げた数が得点として加算される。具体的には、CPUコア21は、まず、受信した正解通知データに含まれている残り時間データにより示される時間の小数点以下の値を切り上げた値を算出する。そして、RAM24に記憶されている当該プレイヤの得点データ56の内容を、算出した得点を更新前の得点に加算した得点に更新する。ステップS65の次にステップS66の処理が実行される。
【0085】
ステップS66において、自機が他のゲーム装置から不正解通知データを受信したか否かが判定される。不正解通知データを受信した場合、ステップS67の処理が実行される。一方、不正解通知データを受信していない場合、ステップS67の処理がスキップされ、CPUコア21はデータ受信処理を終了する。ステップS67においては、RAM24に記憶されている残り解答者数データ54の値が1だけ減算される。ステップS67の処理はステップS62やステップS45の処理と同じである。ステップS67の処理が完了した後、CPUコア21はデータ受信処理を終了する。
【0086】
再び図7の説明に戻り、ステップS17の次のステップS18において、正解者がすでに存在するか否かが判定される。具体的には、CPUコア21は、RAM24に記憶されている正解者フラグデータ52の値が“1”であるか否かを判定する。正解者フラグデータ52の値が“1”である場合、正解者がすでに存在すると判断されてステップS19の処理が実行される。一方、正解者フラグデータ52の値が“0”である場合、正解者はまだ存在しないと判断されてステップS19の処理がスキップされる。
【0087】
ステップS19においては、残り時間が更新される。上述したように、ステップS13〜S21の処理ループは所定時間(例えば1フレーム時間)毎に1回実行される。したがって、CPUコア21は、RAM24に記憶されている残り時間データ55の内容を、現在の残り時間から当該所定時間だけ減算した時間に更新する。なお、残り時間の更新が開始されると、第2LCD12には、残り時間が表示される(図4の画像46参照)。なお、表示する残り時間は、秒の単位のみでもよく、残り時間を詳細に表示する必要はない。ステップS19の次にステップS20の処理が実行される。
【0088】
以上のステップS18およびS19において示したように、本実施形態においては、正解者がすでに出ていれば残り時間が減算されて更新されるが、正解者が出ていなければ残り時間は更新されない。つまり、正解者が出た時点で残り時間のカウントが開始されるので、正解者が出た時点で制限時間が設定されるといえる。
【0089】
ステップS20において、残り時間が0になったか否かが判定される。具体的には、CPUコア21は、残り時間データ55の値が0であるか否かを判定する。ここで、残り時間が0になる時とは、正解者が出た時点からの経過時間(正解経過時間)が、予め設定された制限時間(ここでは5秒)に達した時である。つまり、ステップS20の処理は、正解経過時間が制限時間に達したか否かを判定するための処理である。ステップS20の判定において、残り時間が0になっていないと判定される場合、ステップS21の処理が実行される。一方、残り時間が0になったと判定される場合、ステップS21の処理がスキップされて、CPUコア21は出題処理を終了する。以上のように、本実施形態においては、CPUコア21は、正解経過時間が制限時間となった時点で解答の受付を終了する。
【0090】
ステップS21においては、残り解答者数が0になったか否かが判定される。すなわち、CPUコア21は、残り解答者数データ54の値が“0”であるか否かを判定する。残り解答者数が0になっていない場合、ステップS13の処理が再度実行される。以降、残り解答者数が0になるか、または残り時間が0になるまでステップS13〜S21の処理が繰り返し実行される。一方、残り解答者数が0になった場合、CPUコア21は出題処理を終了する。
【0091】
以上のステップS20およびS21に示したように、本実施形態では、残り解答者数が0になるか、または残り時間が0になると問題が終了する。したがって、全てのプレイヤが解答を行えば次の問題に進むことになるので、プレイヤに無用な待ち時間を与えることがない。
【0092】
図6の説明に戻り、ステップS3の次のステップS4において、ミニゲームを続けるか、すなわち、続けて同じ種類の問題を出題するか否かが判定される。この判定は、所定の点数(ここでは、50点)を獲得したプレイヤが存在するか否かによって行われる。すなわち、CPUコア21は、RAM24に記憶されている、各プレイヤに対応する得点データ56のうちで、50点以上を示す得点データが存在するか否かを判定する。50点以上を示す得点データが存在しなければ、続けて同じ種類の問題を出題すると判断され、再びステップS3の処理が実行される。以降、50点以上の得点を獲得したプレイヤが出るまでステップS3およびS4の処理が繰り返し実行される。一方、50点以上を示す得点データが存在すれば、続けて同じ種類の問題を出題しないと判断され、ステップS5の処理が実行される。
【0093】
ステップS5においては、各プレイヤの順位が表示される。具体的には、CPUコア21は、RAM24に記憶されている、各プレイヤの得点データ56を参照して、自機を使用するプレイヤの得点に応じた順位を算出する。そして、算出した順位を第1LCD11または第2LCD12に表示させる。以上のステップS2〜S5のゲーム処理によって、1回のミニゲームが終了する。
【0094】
ステップS6においては、ゲームを終了するか否かが判定される。この判定は、具体的には、プレイヤからゲームを終了する指示が入力されたか否か等によって行われる。ステップS6の判定において、ゲームを終了しないと判定された場合、ステップS2の処理が再度実行される。以降、ゲームを終了すると判定されるまでステップS2〜S6の処理が繰り返し実行される。一方、ゲームを終了すると判定された場合、CPUコア21は、図6に示すゲーム処理を終了する。
【0095】
なお、上記実施形態においては、ステップS12で出題される問題を示す問題データが、1回の出題毎に親機から子機へ送信された。ここで、他の実施形態においては、上述したように、1つのミニゲームに含まれる複数の問題を生成するための問題データを用意し、当該問題データと乱数とを親機から子機へ送信するようにしてもよい。これによれば、問題を1回出題する毎に問題データを送信する必要がない。例えば、図3Aおよび図3Bに示した問題の場合であれば、それぞれの果物の数以外に関するデータを問題データとして用意しておき、それぞれの果物の数を乱数によって決定するようにしてもよい。これによれば、1回のミニゲームが続く間(同種の問題が出題される間、すなわち、ステップS3およびS4のループ処理が実行される間)については、最初に1回だけ問題データを送信すればよい。例えば、ステップS2で問題の種類が選択された際に、問題の種類を示すデータと乱数とを親機から子機に送信すればよい。
【0096】
なお、上記実施形態においては、各プレイヤが解答者となってクイズに参加するゲームを例として説明したが、クイズに参加する解答者は、プレイヤ(人間)だけでなく、ゲーム装置10によって解答動作が制御される仮想の解答者であってもよい。以下、解答者に仮想解答者が含まれる場合のゲーム装置およびゲーム処理等を第2の実施形態として説明する。
【0097】
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係るゲーム装置は、図1および図2に示すゲーム装置10と同じであるので、ゲーム装置10に関する詳細な説明は省略する。第2の実施形態においては、ゲーム装置10において実行されるゲーム処理が第1の実施形態とは異なる。以下、ゲーム処理を中心に第2の実施形態を説明する。
【0098】
図12は、第2の実施形態に係るゲーム装置10のRAM24に記憶される主なデータを示す図である。図12に示すように、RAM24には、図5に示したデータに加えて、解答者データ61および出題経過時間データ64が記憶される。なお、図12においては、図5に示すデータと同じデータについて図5と同じ参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0099】
解答者データ61は、上記仮想解答者の解答に関する特徴を示すデータである。具体的には、解答者データ61には、正解率データ62および解答時間データ63が含まれる。正解率データ62は、仮想解答者の正解率を示す。具体的には、正解率は、0(%)から100(%)までの数値である。解答時間データ63は、問題が出題されてから仮想正解者が解答を行うまでの時間(解答時間)を示す。本実施形態では、1人の仮想解答者に関する正解率データ62および解答時間データ63は、問題のジャンル毎、ミニゲーム毎、および問題のレベル毎に複数設定される。例えば、問題のジャンルが5種類用意され、各ジャンルついてミニゲームが3種類用意され、問題のレベルが6段階用意されている場合、正解率データ62および解答時間データ63は、1人の仮想解答者につき5×3×6=90種類設定される。また、解答者データ61は、ゲームプログラムにおいて予め用意されていてもよいし、後述するように、プレイヤが実際に行った解答の履歴に基づいて作成されてもよい。
【0100】
出題経過時間データ64は、問題が出題されてからの経過時間を示すデータである。なお、問題が出題された時点とは、問題が画面に表示された時点であってもよいし、解答のための入力の受付を開始した時点であってもよい。
【0101】
また、第2の実施形態においては、RAM24には、各プレイヤに対応する解答者の得点を示す得点データに加えて、仮想解答者の得点を示す得点データが記憶される。仮想解答者の数は、いくつであっても構わない。
【0102】
次に、第2の実施形態におけるゲーム処理の詳細を、図12〜図15を用いて説明する。第2の実施形態においても第1の実施形態と同様、図6に示すフローチャートに従ってゲーム処理が実行される。ここで、第2の実施形態においては、出題処理の一部の内容が第1の実施形態とは異なる。以下、出題処理の詳細について説明する。
【0103】
図13は、第2の実施形態における出題処理の詳細を示すフローチャートである。なお、図13において、図7に示すステップと同じ処理を示すステップについては図7と同じステップ番号を付し、詳細な説明は省略する。第2の実施形態における出題処理においては、まず、ステップS71に示す初期化処理が実行される。このステップS71に示す初期化処理の内容は第1の実施形態とは異なっている。また、第2の実施形態においては、ステップS17の次にステップS72に示す仮想解答者処理が実行される点で第1の実施形態とは異なっている。
【0104】
図14は、第2の実施形態における初期化処理の詳細を示すフローチャートである。なお、図14において、図8に示すステップと同じ処理を示すステップについては図8と同じステップ番号を付し、詳細な説明は省略する。初期化処理においては、まず、第1の実施形態と同様のステップS31〜S33の処理が実行される。そして、第2の実施形態においては、ステップS33の次にステップS73の処理が実行される。ステップS73においては、問題が出題されてから仮想解答者が解答を行うまでの時間(解答時間)が設定される。具体的には、CPUコア21は、RAM24に記憶されている解答者データ61の解答時間データ63に基づいて解答時間を設定する。例えば、CPUコア21は、解答時間データ63により示される解答時間を中心とした所定の時間帯の範囲でランダムに解答時間を決定する。これによって、仮想解答者は、次に実行されるステップS12で出題される問題に対して、決定された解答時間で解答を行うこととなる(後述するステップS72参照)。ステップS73の次にステップS74の処理が実行される。
【0105】
ステップS74においては、仮想解答者の解答が正解であるか否か、すなわち、仮想解答者が正解の答えを解答するか、それとも、不正解の答えを解答するかが決定される。具体的には、CPUコア21は、RAM24に記憶されている解答者データ61の正解率データ62に基づいて仮想解答者の解答内容(正解か不正解のいずれか)を決定する。例えば、CPUコア21は、正解率データ62により示される正解率の割合(%)に従った確率でランダムに、解答内容を決定する。例えば正解率が80(%)の場合、解答内容は80(%)の確率で正解と決定される。なお、正解率も上記解答時間と同様、正解率データ62により示される正解率を中心とした所定の範囲内でランダムに決定された正解率を算出し、算出された正解率に従った確率でランダムに解答内容が決定されてもよい。ステップS74の次にステップS75の処理が実行される。
【0106】
ステップS75においては、出題経過時間がリセットされる。すなわち、CPUコア21は、RAM24に記憶されている出題経過時間データ64の内容を、“0”を示すデータに更新する。ステップS75の処理が完了すると、CPUコア21は初期化処理を終了する。
【0107】
図13の説明に戻り、ステップS12〜S17の処理は、第1の実施形態と同様である。第2の実施形態においては、ステップS17の次にステップS72の仮想解答者処理が実行される。仮想解答者処理は、仮想解答者の解答動作を制御するための処理である。以下、仮想解答者処理の詳細を説明する。
【0108】
図15は、図13に示すステップS72の詳細な処理の流れを示すフローチャートである。仮想解答者処理においては、まずステップS80において、問題が出題されてからの経過時間が更新される。上述したように、ステップS13〜S21の処理ループは所定時間(例えば1フレーム時間)毎に1回実行される。したがって、CPUコア21は、RAM24に記憶されている出題経過時間データ64の内容を、現在の経過時間から当該所定時間だけ加算した時間に更新する。ステップS80の次にステップS81の処理が実行される。
【0109】
ステップS81において、仮想解答者が解答すべきタイミングが到来したか否かが判定される。仮想解答者が解答すべきタイミングとは、ステップS80で更新された経過時間が、ステップS73で設定された解答時間に達したタイミングである。したがって、CPUコア21は、ステップS73で設定された解答時間が、出題経過時間データ64により示される経過時間に一致するか否かを判定する。判定の結果、当該解答時間が当該経過時間に一致する場合、仮想解答者が解答すべきタイミングが到来したと判定され、ステップS82の処理が実行される。一方、当該解答時間が当該経過時間に一致しない場合、仮想解答者が解答すべきタイミングが到来していないと判定され、CPUコア21は、仮想解答者処理を終了する。
【0110】
ステップS82においては、仮想解答者の解答が正解であるか否かが判定される。すなわち、CPUコア21は、ステップS74で決定された仮想解答者の解答内容が正解であるか不正解であるかを判定する。ステップS82の判定の結果、仮想解答者の解答が正解であると判定される場合、ステップS83〜S87の処理が実行される。一方、仮想解答者の解答が正解でない(不正解である)と判定される場合、ステップS88およびS89の処理が実行される。
【0111】
ステップS83においては、RAM24に記憶されている残り解答者数データ54の値が1だけ減算される。ステップS83の処理は、図9に示すステップS45の処理と同じである。続くステップS84において、RAM24に記憶されている正解者数データ53の値が1だけ加算される。さらに、続くステップS85において、正解者フラグがONに設定される。ステップS84の処理はステップS46の処理と同じであり、ステップS85の処理はステップS47の処理と同じである。さらに、続くステップS83において、仮想解答者の得点が加算される。ステップS83の処理は、図11に示すステップS65の処理と同様である。ステップS86の次にステップS87の処理が実行される。
【0112】
ステップS87においては、正解通知データが自機から他のゲーム装置へ送信される。ステップS87で送信される正解通知データには、各解答者の中から現在実行中の仮想解答者処理に対応する仮想解答者を識別するためのIDを示すデータと、問題に正解した時点での残り時間を示すデータとが含まれる。なお、第2の実施形態においては、各解答者(各プレイヤに対応する解答者および仮想解答者の両方を含む)に対して固有のIDが予め付されているものとする。ステップS87において、CPUコア21は、当該IDを示すデータと残り時間データ55とを正解通知データとして他のゲーム装置へ送信する。なお、他の実施形態においては、正解通知データは、残り時間データ55に代えて、仮想解答者に対応する得点データ56を含んでいてもよい。ステップS87の処理が完了するとCPUコア21は仮想解答者処理を終了する。
【0113】
一方、ステップS88においては、RAM24に記憶されている残り解答者数データ54の値が1だけ減算される。ステップS88の処理はステップS83の処理と同じである。続くステップS89において、不正解通知データが自機から他のゲーム装置へ送信される。ステップS89で送信される正解通知データには、各解答者の中から現在実行中の仮想解答者処理に対応する仮想解答者を識別するためのIDを示すデータが含まれる。すなわち、CPUコア21は、当該IDを示すデータを不正解通知データとして他のゲーム装置へ送信する。したがって、ステップS87における正解通知データには残り時間データが含まれており、ステップS89における不正解通知データには残り時間データが含まれていない点で、ゲーム装置は、正解通知データと不正解通知データとを区別することができる。ステップS89の処理が完了するとCPUコア21は仮想解答者処理を終了する。仮想解答者処理が終了すると、CPUコア21は、ステップS18の処理を実行する。ステップS18以降の処理は、第1の実施形態と同様である。
【0114】
なお、仮想解答者が1人の場合、図13〜15に示したゲーム処理は、複数台のゲーム装置のうちのいずれか1台でのみ実行される。当該ゲーム処理を実行するゲーム装置以外の他のゲーム装置は、上記第1の実施形態と同様のゲーム処理を実行する。つまり、仮想解答者の解答を制御するゲーム装置のみが図13〜15に示したゲーム処理を実行すればよい。また、仮想解答者が複数の場合には、複数のゲーム装置がそれぞれ1人の仮想解答者の解答を制御する。このとき、仮想解答者の解答を制御するゲーム装置は、図13〜図15に示したゲーム処理を実行し、他のゲーム装置は上記第1の実施形態と同様のゲーム処理を実行する。なお、仮想解答者が複数の場合、1台のゲーム装置において複数の仮想解答者の解答を制御するようにしてもよい。このとき、当該ゲーム装置は図13の出願処理において上記仮想解答者処理を仮想解答者の人数分だけ実行する。
【0115】
なお、第2の実施形態の応用例としては、プレイヤの解答に関する特徴を履歴データとして保存しておき、当該履歴データを上記解答者データとして用いることが考えられる。すなわち、解答者データ61は、プレイヤが以前にゲームをプレイした履歴を示すデータに基づいて作成されてもよい。以下、第2の実施形態の応用例として、履歴データを保存する場合のゲーム処理を説明する。また、以下では、履歴データには正解率データおよび解答時間データが含まれるものとする。
【0116】
上記履歴データを保存する場合のゲーム処理は、第1の実施形態における処理と比べて正解処理および不正解処理が異なる。図16は、第2の実施形態の応用例における正解処理の流れを示すフローチャートである。また、図17は、第2の実施形態の応用例における不正解処理の流れを示すフローチャートである。図16および図17において、図9または図10に示すステップと同じ処理を示すステップについては図9または図10同じステップ番号を付し、詳細な説明は省略する。
【0117】
図16に示す正解処理においては、まず、ステップS41〜S48の処理が実行される。これらのステップS41〜S48の処理は、第1および第2の実施形態と同様である。本応用例においては、ステップS48の後にステップS91が実行される。
【0118】
ステップS91においては、RAM24に記憶されている正解率データおよび解答時間データが更新される。具体的には、正解率は、同じレベルで同種類の問題について、正解数を出題数で割った値である。なお、CPUコア21は、1回のミニゲーム毎の正解率をRAM24に記憶するようにしてもよいし、通算の正解率を記憶するようにしてもよい。また、本実施形態では、解答時間データにより示される解答時間は、問題が提示されてから正解の解答を行うまでの平均時間である。他の実施形態においては、解答時間データにより示される解答時間は、問題が提示されてから解答(正解の解答と不正解の解答との両方を含む)を行うまでの平均時間であってもよい。また、CPUコア21は、1回のミニゲーム毎の解答時間をRAM24に記憶するようにしてもよいし、通算の解答時間を記憶するようにしてもよい。ステップS91の処理が終了すると、CPUコア21は、図16に示す正解処理を終了する。
【0119】
図17に示す不正解処理においては、まず、ステップS51〜S53の処理が実行される。これらのステップS51〜S53の処理は、第1および第2の実施形態と同様である。本応用例においては、ステップS53の後にステップS92が実行される。すなわち、ステップS92において、RAM24に記憶されている上記正解率データが更新される。なお、本実施形態では、解答時間データは、問題が提示されてから正解の解答を行うまでの平均時間であるので、ステップS92においては解答時間データは更新されない。ステップS92の処理が終了すると、CPUコア21は、図17に示す不正解処理を終了する。
【0120】
上記ステップS91およびS92が実行されることによって、1回のミニゲーム終了時には、プレイヤに関する履歴データ(正解率データおよび解答時間データ)がRAM24に記憶されることとなる。この履歴データを例えばメモリカード17のRAM17bに保存し、他のゲーム装置に当該メモリカード17を装着することで、当該他のゲーム装置は、当該履歴データを解答者データとして用いることが可能となる。これによって、プレイヤは、例えばプレイヤの友人の履歴データを取得して解答者データとして用いれば、友人の特徴を持った仮想解答者と対戦することができる。さらに、履歴データをネットワークを介して配信するサーバを構築すれば、プレイヤは、種々の履歴データをゲーム装置に取得することが可能となる。これによって、例えば有名人の履歴データを取得することによって有名人と仮想的に対戦する等、仮想解答者を用いたクイズゲームの面白さをさらに増加させることができる。
【0121】
なお、第2の実施形態において、ゲーム装置10は、全てのジャンル、全てのミニゲーム、および全てのレベルについての解答者データを必ずしも記憶しておく必要はない。例えば、解答者データが記憶されているジャンルについてのみ仮想解答者を登場させるようにし、解答者データが記憶されていないジャンルについては、仮想解答者を登場させることができないようにしてもよい。また、1回のミニゲームにおいて、正解者が多ければ、出題する問題のレベルを次第に上げていくことも考えられる。この場合には、あるレベルについての解答者データがRAM24に記憶されていなければ、そのレベルの問題を出題しないようにしてもよい。
【0122】
また、ゲーム装置10は、仮想解答者の対戦する前に、仮想解答者の解答者データを表示するようにしてもよい。例えば、ゲーム装置10は、解答者データに基づいて仮想解答者の能力値をジャンル毎に算出し、ジャンル毎の能力値を第1LCD11または第2LCD12に表示させるようにしてもよい。
【0123】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係るゲーム装置およびゲームプログラムについて説明する。上記第1および第2の実施形態では制限時間の長さは一定であったが、第3の実施形態においては、制限時間の長さを解答結果データに基づいて変化させる。解答結果データとは、解答者の少なくとも1人の解答結果に関する情報を示すデータである。例えば、問題の正解者の数を示すデータや、問題が提示されてから各解答者が解答を行うまでの平均時間等を示すデータが解答結果データに該当する。以下、第3の実施形態の詳細を説明する。
【0124】
第3の実施形態に係るゲーム装置は、図1および図2に示すゲーム装置10と同じであるので、ゲーム装置10に関する詳細な説明は省略する。第3の実施形態においては、ゲーム装置10において実行されるゲーム処理が第1の実施形態とは異なる。以下、ゲーム処理を中心に第3の実施形態を説明する。
【0125】
図18は、第3の実施形態に係るゲーム装置10のRAM24に記憶される主なデータを示す図である。図18に示すように、RAM24には、図5に示したデータに加えて、解答結果データ65が記憶される。なお、図18においては、図5に示すデータと同じデータについて図5と同じ参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0126】
解答結果データ65は、解答者の少なくとも1人の解答結果に関する情報を示すデータである。解答結果に関する情報には、例えば、前の問題の正解者数や、制限時間内に問題に解答した解答者の数や、問題が提示されてから各解答者が解答を行うまでの平均時間等が含まれる。第3の実施形態においては、問題の正解者数を示すデータが解答結果データとしてRAM24に記憶されるものとする。
【0127】
次に、第3の実施形態におけるゲーム処理の詳細を、図19を用いて説明する。第3の実施形態においても第1の実施形態と同様、図6に示すフローチャートに従ってゲーム処理が実行される。ここで、第3の実施形態においては、出題処理の一部の内容が第1の実施形態とは異なる。以下、出題処理の詳細について説明する。
【0128】
図19は、第3の実施形態における出題処理の詳細を示すフローチャートである。なお、図19において、図7に示すステップと同じ処理を示すステップについては図7と同じステップ番号を付し、詳細な説明は省略する。図19に示す出願処理においては、まず、第1の実施形態と同様のステップS11〜S21の処理が実行される。そして、第3の実施形態においては、ステップS20の判定結果が肯定であった場合(ステップS20でYES)またはステップS21の判定結果が肯定であった場合(ステップS21でYES)、ステップS93の処理が実行される。
【0129】
ステップS93においては、解答結果データがRAM24に更新して記憶される。ここでは、解答結果データは、実行中の出題処理において出題された問題の正解者数を示すデータ、すなわち、正解者数データ53である。したがって、CPUコア21は、RAM24に記憶されている正解者数データ53の内容を解答結果データ65としてRAM24に記憶させる。ステップS93の処理が完了すると、CPUコア21は出願処理を終了する。
【0130】
また、第3の実施形態においては、初期化処理におけるステップS31の処理が第1の実施形態と異なる。ステップS31においては、CPUコア21は、制限時間の長さ、すなわち、残り時間データ55として設定する時間の長さを、解答結果データ65の内容に基づいて決定する。このとき、解答結果データ65は、前回の問題の正解者数を示す。つまり、制限時間の長さは、前回の問題の正解者数に基づいて決定される。制限時間の長さは、解答結果データ65により示される正解者数が少ないほど長くなるように決定される。正解者数が少ない場合とは、問題に解答することができなかった解答者が多い場合であるので、制限時間を長くすることによって問題の難易度を下げる必要があるからである。例えば、解答結果データ65により示される正解者数が、予め定められた所定数以下であれば、制限時間を10秒とし、当該正解者数が当該所定数よりも大きければ、制限時間を5秒とするようにしてもよい。なお、第3の実施形態におけるステップS31においても第1の実施形態と同様、RAM24に記憶されている正解者数データ53がリセットされる。すなわち、CPUコア21は、“0”を示すデータを正解者数データ53としてRAM24に更新して記憶する。
【0131】
以上のように、第3の実施形態によれば、以前の問題に関する解答結果に基づいて制限時間の長さが決定されるので、制限時間の長さをより適切に決定することができる。なお、第3の実施形態においては、前回の問題に関する解答結果としたが、以前に出題された複数の問題の解答結果を示すデータを解答結果データとして用いてもよい。例えば、現在の行われているミニゲーム中に出題された各問題の正解者数の平均を解答結果として用いてもよい。
【0132】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態に係るゲーム装置およびゲームプログラムについて説明する。上記第1〜第3の実施形態では、正解者が出るまでは制限時間が設定されなかったが、第4の実施形態においては、正解者が出るか、または、問題が提示されてから所定時間が経過したことを条件として制限時間が設定される。つまり、正解者が出なくても、問題が提示されてから所定時間が経過すれば制限時間が設定される。以下、第4の実施形態の詳細を説明する。
【0133】
第4の実施形態に係るゲーム装置は、図1および図2に示すゲーム装置10と同じであるので、ゲーム装置10に関する詳細な説明は省略する。第4の実施形態においては、ゲーム装置10において実行されるゲーム処理が第1の実施形態とは異なる。以下、ゲーム処理を中心に第4の実施形態を説明する。
【0134】
第4の実施形態では、RAM24には出題経過時間データ64(図12参照)が記憶される。また、ステップS11の初期化処理において、経過時間データがリセットされる。この処理は、図14に示すステップS75と同じ処理である。
【0135】
図20は、第4の実施形態における出題処理の一部を示すフローチャートである。なお、図20において、図7に示すステップと同じ処理を示すステップについては図7と同じステップ番号を付し、詳細な説明は省略する。図20では、出願処理の一部のみを示している。図20に示す出願処理においては、ステップS18の判定結果が否定であった場合、ステップS94の処理が実行される。すなわち、ステップS94において、経過時間データが更新される。ステップS94の処理は、図15に示すステップS80と同じ処理である。ステップS94の次に、第1の実施形態と同様のステップS18の処理が実行される。
【0136】
第4の実施形態においては、ステップS18の判定結果が否定であった場合、ステップS95の処理が実行される。すなわち、ステップS95において、経過時間が、予め定められた所定時間に達したか否かが判定される。つまり、問題が出題されてから所定時間が経過したか否かが判定される。ステップS95の判定の結果、経過時間が所定時間に達したと判定される場合、ステップS19の処理が実行される。すなわち、ステップS19において残り時間が更新される。一方、経過時間が所定時間に達していないと判定される場合、ステップS19の処理がスキップされてステップS20の処理が実行される。ステップS20以降の処理は、第1の実施形態と同様である。
【0137】
以上のように、第4の実施形態においては、問題が出題されてから所定時間が経過した場合、たとえ正解者が出ていなくても制限時間が設定されて残り時間のカウントダウンが開始される。これによって、問題のレベルが難しすぎて各解答者が解答することができない場合には、ある時間で問題を終了することができる。難しすぎる問題を無制限に考えさせられると、プレイヤは問題の解答を考えることに飽きてしまい、クイズがつまらないと感じてしまうおそれがあるが、第4の実施形態によれば、ある時間経過すれば問題が必ず終了するので、プレイヤが問題に飽きてしまうことを防止することができる。なお、制限時間を設定するための上記所定時間は、制限時間よりも長い時間にすることが好ましい。例えば、制限時間が5秒であるとすると、所定時間は1分程度にすることが好ましい。所定時間は、プレイヤが考えることに飽きてしまわないようにするために設定される時間であるので、プレイヤに十分に考える時間を与えるためである。
【0138】
以上のように、上記第1〜第4の実施形態によれば、最初に正解者が出た時点で制限時間が設定され、残り時間のカウントダウンが開始される。これによれば、実際に正解者が出た時点を基準として制限時間が設定されるので、制限時間が長すぎたり短すぎたりすることがなく、制限時間を適切な長さに設定することができる。
【0139】
なお、上記第1〜第4の実施形態においては、複数のプレイヤが複数台のゲーム装置を1台ずつ使用してゲームを行う場合と例として説明したが、ゲーム装置は1台であってもよい。ゲーム装置が1台の場合、前述したゲーム処理において、各ゲーム装置間でのデータの送受信に関する処理は実行する必要がない。例えば、複数のコントローラが接続される1台のゲーム装置によって本発明を実現することも可能である。この場合、各プレイヤは、コントローラを1つずつ使用して解答の入力を行う。さらに、キーボードのように多数のキーを有する入力装置を用いる場合には、1つの入力装置を複数人のプレイヤが使用することが可能であるので、入力装置は1つであっても構わない。
【0140】
また、上記第1〜第4の実施形態においては、正解者が1人出た時点で制限時間を設定するようにしたが、制限時間を設定するタイミングは、正解者が1人出た時点に限らず、所定の人数の正解者が出た時点としてもよい。例えば、解答者が10人である場合に、正解者が3人出た時点で制限時間を設定するようにしてもよい。また、正解者が出た時点とせずに、解答の内容が正解か不正解かによらず、解答を行った解答者が出た時点で制限時間を設定するようにしてもよい。
【0141】
また、上記第1〜第4の実施形態においては、クイズゲームを例として説明したが、本発明は、クイズゲームに限らず、所定の課題を複数の参加者に行わせるゲームに適用することが可能である。ここで、課題とは、例えば、上記問題の他、簡単なアクションゲームやシューティングゲームをプレイヤにプレイさせるものであってもよいし、タッチパネルを用いて所定の入力を行わせるものであってもよい。具体的には、ゲーム装置は、画面上に複数の点を表示し、当該複数の点を一筆書きで結ぶ入力をプレイヤに行わせる課題を各プレイヤに与えてもよい。
【0142】
なお、所定の課題を複数の参加者に行わせるゲームに本発明を適用する場合、ゲーム装置は、課題をすでに終えた参加者の人数を計測し、計測された人数が所定人数に達した時点で制限時間を設定する。さらに、ゲーム装置は、制限時間が設定されてからの経過時間を計測し、当該経過時間が制限時間となった時点で、各参加者による課題の実行を停止させる。
【0143】
また、この場合も上記実施形態におけるクイズゲームと同様、参加者の中には、ゲーム装置10によって課題の実行が制御される仮想参加者が含まれていてもよい。さらに、ゲーム装置は、参加者であるプレイヤが課題を実行した履歴を履歴データとして保存しておき、仮想解答者による課題の実行を当該履歴データに基づいて制御するようにしてもよい。また、ゲーム装置は、制限時間内に課題を終えた参加者の人数に関する情報、および/または各参加者が課題を終えるまでに要した時間に関する情報等、課題を実行した結果を示す情報を記憶しておき、当該情報に基づいて制限時間を変更するようにしてもよい。また、ゲーム装置は、課題が提示されてからの経過時間(提示経過時間)を計測し、課題をすでに終えた参加者の人数が所定人数に達したこと、または、提示経過時間が所定時間に達したことを条件として制限時間を設定するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0144】
本発明は、適切な制限時間を設定すること等を目的として、複数の参加者に課題を実行させるゲームや、複数の解答者に問題を提示するゲームに利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】本発明の一実施形態に係るゲーム装置の外観図
【図2】ゲーム装置の内部構成図
【図3A】問題が出されたときのゲーム画面を示す図
【図3B】問題が出されたときのゲーム画面を示す図
【図4】制限時間が設定されたときのゲーム画面を示す図
【図5】ゲーム装置10のRAM24に記憶される主なデータを示す図
【図6】ゲーム装置10において実行されるゲーム処理の流れを示すフローチャート
【図7】図6に示すステップS3の詳細な処理の流れを示すフローチャート
【図8】図7に示すステップS11の詳細な処理の流れを示すフローチャート
【図9】図7に示すステップS15の詳細な処理の流れを示すフローチャート
【図10】図7に示すステップS16の詳細な処理の流れを示すフローチャート
【図11】図7に示すステップS17の詳細な処理の流れを示すフローチャート
【図12】第2の実施形態に係るゲーム装置10のRAM24に記憶される主なデータを示す図
【図13】第2の実施形態における出題処理の詳細を示すフローチャート
【図14】第2の実施形態における初期化処理の詳細を示すフローチャート
【図15】図13に示すステップS72の詳細な処理の流れを示すフローチャート
【図16】第2の実施形態の応用例における正解処理の流れを示すフローチャート
【図17】第2の実施形態の応用例における不正解処理の流れを示すフローチャート
【図18】第3の実施形態に係るゲーム装置10のRAM24に記憶される主なデータを示す図
【図19】第3の実施形態における出題処理の詳細を示すフローチャート
【図20】第4の実施形態における出題処理の一部を示すフローチャート
【符号の説明】
【0146】
10 ゲーム装置
11 第1LCD
12 第2LCD
15 タッチパネル
17 メモリカード
21 CPUコア
24 RAM
33 ワイヤレス通信部
46 制限時間までの残り時間を示す画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の解答者が参加するクイズゲームをゲーム装置のコンピュータに実行させるゲームプログラムであって、
前記複数の解答者に問題を提示する問題提示ステップと、
前記提示された問題に対する解答をすでに行った解答者または当該問題に正解した解答者の人数を計測する人数計測ステップと、
前記計測された人数が所定人数に達した時点で所定の制限時間を設定する制限時間設定ステップと、
前記制限時間が設定されてからの経過時間を計測する時間計測ステップと、
前記経過時間が前記制限時間となった時点で解答の受付を終了する終了ステップとを前記コンピュータに実行させる、ゲームプログラム。
【請求項2】
前記問題に正解した解答者について、前記制限時間から前記問題に正解した時点における前記経過時間を引いた残り時間を取得する残り時間取得ステップと、
前記問題に正解した解答者のうちで前記経過時間の計測が開始される前に正解した解答者に対して所定の得点を加算するとともに、当該解答者以外の他の解答者に対して、当該所定の得点よりも少ない範囲で前記残り時間に応じた得点を加算する加算ステップとを前記コンピュータにさらに実行させる、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
複数の解答者が参加するクイズゲームをゲーム装置のコンピュータに実行させるゲームプログラムであって、
前記複数の解答者に問題を提示する問題提示ステップと、
前記問題が提示されてからの経過時間である第1経過時間を計測する第1時間計測ステップと、
前記提示された問題に対する解答をすでに行った解答者または当該問題に正解した解答者の人数を計測する人数計測ステップと、
前記計測された人数が所定人数に達した時点、または、前記第1経過時間が前記所定時間に達した時点で所定の制限時間を設定する制限時間設定ステップと、
前記制限時間が設定されてからの経過時間である第2経過時間を計測する第2時間計測ステップと、
前記第2経過時間が前記制限時間となった時点で解答の受付を終了する終了ステップとを前記コンピュータに実行させる、ゲームプログラム。
【請求項4】
前記問題に正解した解答者について、前記制限時間から前記問題に正解した時点における前記第2経過時間を引いた残り時間を取得する残り時間取得ステップと、
前記問題に正解した解答者のうちで前記第2経過時間の計測が開始される前に正解した解答者に対して所定の得点を加算するとともに、当該解答者以外の他の解答者に対して、当該所定の得点よりも少ない範囲で前記残り時間に応じた得点を加算する加算ステップとを前記コンピュータにさらに実行させる、請求項3に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記問題に正解した解答者について正解した順番を算出する算出ステップと、
前記問題に正解した解答者に対して、前記順番に応じた得点を加算する加算ステップとを前記コンピュータにさらに実行させる、請求項1または請求項3に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記終了ステップにおいて解答の受付が終了された後で、前記複数の解答者の少なくとも1人について、解答結果に関する情報を示す解答結果データを記憶する解答結果記憶ステップを前記コンピュータにさらに実行させ、
前記終了ステップにおいて解答の受付が終了された後で、前記問題提示ステップが再度実行されることによって次の問題が提示され、
前記制限時間設定ステップにおいては、前記次の問題に対する制限時間の長さが前記解答結果データの内容に基づいて設定される、請求項1または請求項3に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記解答結果データには、問題に対して正解した解答者の数に関する情報、および、問題が提示されてから各解答者が所定の解答を行うまでの時間に関する情報の少なくとも一方を示すデータが含まれる、請求項6に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記複数の解答者には、前記コンピュータによって解答が制御される仮想解答者が含まれており、
前記問題が提示される前に、前記仮想解答者の解答に関する特徴を示す解答者データを取得する解答者データ取得ステップと、
前記解答者データにより示される特徴に従って、前記仮想解答者の解答動作を制御する制御ステップとを前記コンピュータにさらに実行させる、請求項1または請求項3に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
前記解答者データには、問題に対する前記仮想解答者の正解率を示す正解率データ、および、問題が提示されてから前記仮想解答者が所定の解答を行うまでの時間を示す解答時間データが含まれ、
前記制御ステップにおいては、前記仮想解答者が正解するか否かが前記正解率データに従って決定され、問題が提示されてから前記仮想解答者が解答するまでの時間が前記解答時間データに従って決定される、請求項8に記載のゲームプログラム。
【請求項10】
前記解答者の少なくとも1人について、解答結果に関する履歴を示す履歴データを保存する履歴保存ステップを前記コンピュータにさらに実行させ、
前記制御ステップにおいては、前記保存ステップによって以前に保存された前記履歴データが前記解答者データとして用いられる、請求項8に記載のゲームプログラム。
【請求項11】
前記履歴保存ステップにおいては、少なくとも、問題に対する正解率を示す正解率データ、および、問題が提示されてから所定の解答を行うまでの解答時間を示す解答時間データが前記履歴データとして保存される、請求項10に記載のゲームプログラム。
【請求項12】
複数の参加者が課題を実行するゲームをゲーム装置のコンピュータに実行させるゲームプログラムであって、
前記複数の参加者に対して課題を提示する課題提示ステップと、
前記課題をすでに終えた参加者の人数を計測する人数計測ステップと、
前記計測された人数が所定人数に達した時点で所定の制限時間を設定する制限時間設定ステップと、
前記制限時間が設定されてからの経過時間を計測する時間計測ステップと、
前記経過時間が前記制限時間となった時点で、各参加者による前記課題の実行を停止させる停止ステップとを前記コンピュータに実行させる、ゲームプログラム。
【請求項13】
複数の参加者が課題を実行するゲームをゲーム装置のコンピュータに実行させるゲームプログラムであって、
前記複数の解答者に対して課題を提示する課題提示ステップと、
前記課題が提示されてからの経過時間である第1経過時間を計測する第1時間計測ステップと、
前記提示された課題をすでに終えた参加者の人数を計測する人数計測ステップと、
前記計測された人数が所定人数に達した時点、または、前記第1経過時間が所定時間に達した時点で所定の制限時間を設定する制限時間設定ステップと、
前記制限時間が設定されてからの経過時間である第2経過時間を計測する第2時間計測ステップと、
前記第2経過時間が前記制限時間となった時点で、各参加者による前記課題の実行を停止させる停止ステップとを前記コンピュータに実行させる、ゲームプログラム。
【請求項14】
複数の解答者が参加するクイズゲームを実行するゲーム装置であって、
前記複数の解答者に問題を提示する問題提示手段と、
前記提示された問題に対する解答をすでに行った解答者または当該問題に正解した解答者の人数を計測する人数計測手段と、
前記計測された人数が所定人数に達した時点で所定の制限時間を設定する設定手段と、
前記制限時間が設定されてからの経過時間を計測する時間計測手段と、
前記経過時間が前記制限時間となった時点で解答の受付を終了する終了手段とを備える、ゲーム装置。
【請求項15】
複数の解答者が参加するクイズゲームを実行するゲーム装置であって、
前記複数の解答者に問題を提示する問題提示手段と、
前記問題が提示されてからの経過時間である第1経過時間を計測する第1時間計測手段と、
前記提示された問題に対する解答をすでに行った解答者または当該問題に正解した解答者の人数を計測する人数計測手段と、
前記計測された人数が所定人数に達した時点、または、前記第1経過時間が前記所定時間に達した時点で所定の制限時間を設定する制限時間設定手段と、
前記制限時間が設定されてからの経過時間である第2経過時間を計測する第2時間計測手段と、
前記第2経過時間が前記制限時間となった時点で解答の受付を終了する終了手段とを備える、ゲーム装置。
【請求項16】
複数の参加者が課題を実行するゲームを実行するゲーム装置であって、
前記複数の参加者に対して課題を提示する課題提示手段と、
前記課題をすでに終えた参加者の人数を計測する人数計測手段と、
前記計測された人数が所定人数に達した時点で所定の制限時間を設定する制限時間設定手段と、
前記制限時間が設定されてからの経過時間を計測する計測手段と、
前記経過時間が前記制限時間となった時点で、各参加者による前記課題の実行を停止させる停止手段とを備える、ゲーム装置。
【請求項17】
複数の参加者が課題を実行するゲームを実行するゲーム装置であって、
前記複数の解答者に対して課題を提示する課題提示手段と、
前記課題が提示されてからの経過時間である第1経過時間を計測する第1時間計測手段と、
前記提示された課題をすでに終えた参加者の人数を計測する人数計測手段と、
前記計測された人数が所定人数に達した時点、または、前記第1経過時間が所定時間に達した時点で所定の制限時間を設定する制限時間設定手段と、
前記制限時間が設定されてからの経過時間である第2経過時間を計測する第2時間計測手段と、
前記第2経過時間が前記制限時間となった時点で、各参加者による前記課題の実行を停止させる停止手段とを備える、ゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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