説明

ゲームプログラムおよびゲーム装置

【課題】タッチ操作によってより複雑な処理を行うことを可能とする。
【解決手段】ゲーム装置は、入力面に対して入力が行われた位置を検出する入力。また、ゲーム装置は、入力面に対する入力操作によって発生する操作音を検出する。検出された操作音はゲーム装置によって評価され、これによって評価結果(例えば操作音の音量)が得られる。ゲーム装置は、検出された入力位置と評価結果とを用いてゲーム処理を実行する。これによって、ゲーム装置は、タッチ操作を入力情報としてより複雑な処理を行うことができ、プレイヤは、タッチ操作によってより複雑な指示を行うことができるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラムおよびゲーム装置に関し、より特定的には、タッチパネルやタッチパッド等の入力装置を用いて行われるゲームのためのゲームプログラムおよびゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タッチパネルを用いたゲーム操作が可能なゲーム装置が考えられている。例えば、特許文献1には、タッチパネルおよび操作キーを用いたゲーム操作が可能なゲーム装置が開示されている。このゲーム装置では、タッチパネルおよび操作キーを用いて操作オブジェクトを操作することが可能である。タッチパネルに対する入力を行う場合、プレイヤは、タッチパネルの入力面をタッチする操作(タッチ操作)を行う。ゲーム装置は、このタッチ操作によって入力(タッチ)された位置(以下、入力位置と呼ぶ。)を検出し、入力位置をプレイヤの指示として用いてゲーム処理を実行する。
【特許文献1】特開2005−218778号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来では、タッチ操作によって得られる入力情報は入力位置のみ、すなわち、1種類の情報のみであった。そのため、タッチ操作によって行うことができるゲーム処理の内容は限られており、1回のタッチ操作を入力情報として複雑な処理を行うことができなかった。例えば、上記特許文献1には、ゲーム空間に登場するオブジェクトを指定するために、プレイヤがオブジェクトに対してタッチ操作を行うことが開示されている。このタッチ操作でプレイヤが行うことができる指示は、オブジェクトを指定する指示のみである。つまり、このタッチ操作を入力情報として行われる処理は、オブジェクトを指定する処理のみである。指定されたオブジェクトに対して何らかの動作を行わせる処理を行うためには、プレイヤは、タッチパネルや操作キーに対してさらなる操作を行わなければならなかった。
【0004】
それ故、本発明の目的は、タッチ操作によってより複雑な処理を行うことを可能とするゲームプログラムおよびゲーム装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、本欄における括弧内の参照符号および補足説明等は、請求項に記載の発明の理解を助けるために後述する実施形態との対応関係を示したものであって、請求項に記載の発明を何ら限定するものではない。
【0006】
第1の発明は、入力面に対して入力操作が行われる入力装置(タッチパネル15)とマイク(33)とを備えるゲーム装置(10)のコンピュータ(CPUコア21)において実行されるゲームプログラム(60)である。ゲームプログラムは、入力位置取得ステップ(S2)と、第1操作音取得ステップ(S3)と、ゲーム処理ステップ(S4,S6)とを、コンピュータに実行させる。入力位置取得ステップにおいて、コンピュータは、入力操作が行われた入力位置を入力装置から取得する。第1操作音取得ステップにおいて、コンピュータは、入力操作によって発生する操作音をマイクから取得する。ゲーム処理ステップにおいて、コンピュータは、入力位置取得ステップによって取得された入力位置と第1操作音取得ステップによって取得された操作音とを用いてゲーム処理を実行する。
【0007】
第2の発明において、ゲームプログラムは、第1操作音取得ステップによって取得された操作音に対して所定の算出処理を行うことによって操作音の特徴を示す特徴情報を算出する特徴情報算出ステップ(S5)を、コンピュータにさらに実行させてもよい。このとき、ゲーム処理ステップにおいて、コンピュータは、入力位置取得ステップによって取得された入力位置と特徴情報とを用いてゲーム処理を実行する。特徴情報算出ステップにおいて、コンピュータは、算出処理の内容を入力位置取得ステップによって取得された入力位置に基づいて変化させる。
【0008】
第3の発明において、特徴情報算出ステップは、フィルタ決定ステップ(S21)と、フィルタ処理ステップ(S23)と、特徴算出ステップ(S24)とを含んでいてもよい。フィルタ決定ステップにおいて、コンピュータは、算出処理において用いるべきフィルタの特性を入力位置に基づいて決定する。フィルタ処理ステップにおいて、コンピュータは、決定されたフィルタ特性を用いて操作音の信号に対してフィルタ処理を行う。特徴算出ステップにおいて、コンピュータは、フィルタ処理が行われた操作音から特徴情報を算出する。なお、本願発明においてフィルタとは、入力データに対して何らかの演算処理を行って、入力データとは異なるデータを出力するものを言い、ハイパスフィルタ、ローパスフィルタおよびバンドパスフィルタのような特定周波数成分を取り出すフィルタのみならず、たとえば、入力データの特定周波数成分を増幅させて出力するようなものも含む。
【0009】
第4の発明においては、フィルタ決定ステップにおいて、コンピュータは、用いるべきフィルタの通過周波数帯域を入力位置に基づいて決定してもよい。
【0010】
第5の発明において、特徴情報算出ステップは、割合決定ステップと、増幅処理ステップと、特徴算出ステップとを含んでいてもよい。割合決定ステップにおいて、コンピュータは、操作音の信号を増幅する割合を入力位置に基づいて決定する。増幅処理ステップにおいて、コンピュータは、決定された割合で操作音の信号を増幅する処理を行う。特徴算出ステップにおいて、コンピュータは、増幅する処理が行われた操作音から特徴情報として操作音の音量を算出する。
【0011】
第6の発明において、コンピュータは、指示ステップ(S31)と、第2操作音取得ステップ(S33)と、処理決定ステップ(S35)と、記憶ステップ(S36)とをコンピュータにさらに実行させてもよい。指示ステップにおいて、コンピュータは、入力面に対する入力操作をユーザに指示する第2操作音取得ステップにおいて、コンピュータは、入力面のうちの予め定められた所定領域内の位置に対して指示ステップによる指示に応じて行われた入力操作によって発生する操作音をマイクから取得する。処理決定ステップにおいて、コンピュータは、所定領域内の位置に対して入力操作が行われた場合に実行されるべき算出処理の処理内容を、第2操作音取得ステップにおいて取得された操作音に基づいて決定する。記憶ステップにおいて、コンピュータは、所定領域と決定された処理内容とを関連付けた関連付けデータを生成して記憶する。このとき、特徴情報算出ステップにおいて、コンピュータは、入力位置が所定領域内である場合、関連付けデータにおいて当該所定領域に関連付けられている処理内容で算出処理を実行する。
【0012】
第7の発明において、コンピュータは、指示ステップと、第2操作音取得ステップと、記憶ステップとをコンピュータにさらに実行させてもよい。指示ステップにおいて、コンピュータは、入力面に対する入力操作をユーザに指示する。第2操作音取得ステップにおいて、コンピュータは、入力面のうちの予め定められた所定領域内の位置に対して指示ステップによる指示に応じて行われた入力操作によって発生する操作音をマイクから取得する。記憶ステップにおいて、コンピュータは、所定領域と第2操作音取得ステップで取得された操作音とを関連付けた関連付けデータを生成して記憶する。このとき、特徴情報算出ステップにおいて、コンピュータは、入力位置が所定領域内である場合、関連付けデータにおいて当該所定領域に関連付けられている操作音を選択し、選択された操作音と、第1操作音取得ステップによって取得された操作音とを比較する処理を算出処理として実行する。
【0013】
第8の発明においては、ゲーム処理ステップにおいて、コンピュータは、第1操作音取得ステップによって取得された操作音が所定基準を満たすことを判定し、所定基準を満たすときに入力位置取得ステップによって取得された入力位置を用いたゲーム処理を実行してもよい。このとき、所定基準を満たすことの判定は、入力位置取得ステップによって取得された入力位置に応じて異なる基準値を用いて行われる。例えば、ゲーム処理ステップが、第1操作音取得ステップによって取得された操作音が基準以上の音量であるか否かを判定する場合、入力位置取得ステップによって取得された入力位置に応じて異なる基準値を用いる。より具体的には、入力位置取得ステップによって取得された入力位置が、装置におけるマイクの設置位置に近い位置であるときにはより大きな基準値を用い、遠い位置であるときにはより小さな基準値を用いる。また、他の例では、ゲーム処理ステップが、第1操作音取得ステップによって取得された操作音が基準波形と類似しているか否かを評価するときに、入力位置取得ステップによって取得された入力位置に応じて異なる基準波形を用いるなどとすることができる。
【0014】
第9の発明において、指示ステップと、第2操作音取得ステップと、基準値決定ステップと、記憶ステップとをコンピュータにさらに実行させてもよい。指示ステップにおいて、コンピュータは、入力面に対する入力操作をユーザに指示する。第2操作音取得ステップにおいて、コンピュータは、入力面のうちの予め定められた所定領域内の位置に対して指示ステップによる指示に応じて行われた入力操作によって発生する操作音をマイクから取得する。基準値決定ステップにおいて、コンピュータは、所定領域内の位置に対して入力操作が行われた場合に判定に用いられるべき基準値を、第2操作音取得ステップにおいて取得された操作音に基づいて決定する。記憶ステップにおいて、コンピュータは、所定領域と基準値決定ステップで決定された基準値とを関連付けた関連付けデータを生成して記憶する。このとき、ゲーム処理ステップにおいて、コンピュータは、入力位置が所定領域内である場合、関連付けデータにおいて当該所定領域に関連付けられている基準値を用いる。
【0015】
第10の発明において、ゲームプログラムは、第1操作音取得ステップによって取得された操作音に対して所定の算出処理を行うことによって操作音の特徴を示す特徴情報を算出する特徴情報算出ステップ(S5)を、コンピュータにさらに実行させる。特徴情報算出ステップは、基本ステップ(S24)と、補正ステップ(S25)とを含む。基本ステップにおいて、コンピュータは、所定の算出処理を行うことによって操作音の特徴を示す特徴情報を算出する。補正ステップにおいて、コンピュータは、特徴情報を入力位置に基づいて補正する。
【0016】
第11の発明においては、基本ステップにおいて、コンピュータは、特徴情報として操作音の音量を算出してもよい。
【0017】
第12の発明においては、ゲーム処理ステップにおいて、コンピュータは、入力位置取得ステップによって取得された入力位置および第1操作音取得ステップによって取得された操作音に基づいて、操作対象のオブジェクトに動作を行わせるゲーム処理を実行してもよい。
【0018】
第13の発明において、入力装置は、所定のゲーム画像を表示する表示画面上に入力面が設定されてもよい。このとき、ゲームプログラムは、第1オブジェクト(操作オブジェクト42)を表示画面上に表示するオブジェクト表示ステップ(S10)をコンピュータにさらに実行させる。ゲーム処理ステップは、判定ステップ(S4)と、動作制御ステップ(S6)とをさらに含む。判定ステップにおいて、コンピュータは、入力位置取得ステップによって取得された入力位置と第1オブジェクトの表示位置が所定の関係を満たすときに、第1オブジェクトと同じまたは異なる第2オブジェクト(操作オブジェクト)に所定の動作をさせるか否かを判定する。動作制御ステップにおいて、コンピュータは、判定ステップにより動作をさせると判定されたときに、第1操作音取得ステップによって取得された操作音に応じた動作(弾43を発射する動作)を第2オブジェクトに行わせる。
【0019】
第14の発明において、入力装置は、所定のゲーム画像を表示する表示画面上に入力面が設定されてもよい。このとき、ゲームプログラムは、第1オブジェクト(操作オブジェクト42)を表示画面上に表示するオブジェクト表示ステップ(S10)をコンピュータにさらに実行させる。ゲーム処理ステップは、オブジェクト特定ステップ(S4)と、動作制御ステップ(S6)とをさらに含む、オブジェクト特定ステップにおいて、コンピュータは、入力位置取得ステップによって取得された入力位置と第1オブジェクトの表示位置が所定の関係を満たすときに、第1オブジェクトと同じまたは異なる第2オブジェクト(弾43)を特定する。動作制御ステップにおいて、コンピュータは、オブジェクト特定ステップにより特定された第2オブジェクトに、第1操作音取得ステップによって取得された操作音に応じた動作(移動動作)を行わせる。
【0020】
第15の発明において、入力装置は、所定のゲーム画像を表示する表示画面上に入力面が設定されてもよい。このとき、ゲームプログラムは、操作対象となるオブジェクトを表示画面上に表示するオブジェクト表示ステップをコンピュータにさらに実行させる。ゲーム処理ステップは、第1パラメータ決定ステップと、第2パラメータ決定ステップとを含む。第1パラメータ決定ステップにおいて、コンピュータは、オブジェクトの所定の動作に関する第1のゲームパラメータ(玉82を突く位置)の値を入力位置に基づいて決定する第2パラメータ決定ステップにおいて、コンピュータは、第1のゲームパラメータとは異なるパラメータであって、オブジェクトの動作に関する第2のゲームパラメータ(玉82を突く強さ)の値を第1操作音取得ステップによって取得された操作音に基づいて決定する。
【0021】
第16の発明においては、ゲーム処理ステップにおいて、コンピュータは、オブジェクトの動作量を操作音の音量に基づいて決定してもよい。
【0022】
第17の発明においては、ゲーム処理ステップにおいて、コンピュータは、オブジェクトの動作の種類を第1操作音取得ステップによって取得された操作音に基づいて決定してもよい。
【0023】
第18の発明においては、ゲーム処理ステップにおいて、コンピュータは、ゲーム空間における位置(波紋の発生位置)を入力位置に基づいて特定し、特定された位置のゲーム空間に対して与えるべき効果の内容(波紋の強さ)を第1操作音取得ステップによって取得された操作音に基づいて決定してもよい。
【0024】
第19の発明においては、ゲーム処理ステップにおいて、コンピュータは、効果の度合を操作音の音量に基づいて決定してもよい。
【0025】
第20の発明においては、ゲーム処理ステップにおいて、コンピュータは、効果の種類を第1操作音取得ステップによって取得された操作音に基づいて決定してもよい。
【0026】
第21の発明において、第1操作音取得ステップは、検出ステップ(S2)と、取得実行ステップ(S3)とを含んでいてもよい。検出ステップにおいて、コンピュータは、入力面に対する入力が行われたことを検出する。取得実行ステップにおいて、コンピュータは、検出ステップによる検出があった時点に基づいたタイミングでマイクによって検出される音を操作音として取得する。
【0027】
第22の発明は、入力位置検出手段(タッチパネル15)と、操作音検出手段(マイク33)と、ゲーム処理実行手段(ステップS6を実行するCPUコア21)とを備える、ゲーム装置である。入力位置検出手段は、入力面に対して入力が行われた入力位置を検出する。操作音検出手段は、入力面に対する入力操作によって発生する操作音を検出する。ゲーム処理実行手段は、入力位置と操作音検出手段によって取得された操作音とを用いてゲーム処理を実行する。
【発明の効果】
【0028】
第1の発明によれば、入力装置の入力面に対して入力操作(タッチ操作)が行われた場合、入力が行われた位置(入力位置)と、入力操作によって発生する音(操作音)が取得される。そして、入力位置と操作音とがゲーム処理に用いられる。1回の入力操作によって、入力位置だけでなく、入力操作による操作音が入力情報として用いられるので、ゲーム装置は、1回の入力操作によって従来よりも多くの情報を得ることができる。したがって、本発明によれば、タッチ操作によってより複雑な処理を行うことが可能となる。換言すれば、プレイヤは1回のタッチ操作で従来より多くの情報を入力することができるので、操作回数を減らすことができ、ゲーム操作をより簡易な操作で行うことができる。
【0029】
第2の発明によれば、ゲーム装置は、操作音の特徴情報を算出する処理の内容を入力位置に応じて変化させる。ここで、操作音は、同じように入力操作が行われた場合であってもその周波数帯域や音量等が入力位置によって異なることがある。これに対して、本発明によれば、入力位置に応じた適切な算出処理によって特徴情報を算出することができるので、特徴情報を正確に算出することができる。すなわち、プレイヤの入力操作をより正確にゲーム処理に反映させることができる。
【0030】
第3の発明によれば、操作音に対してフィルタ処理が行われ、そのフィルタ処理において用いるべきフィルタの特性が入力位置に基づいて決定される。これによれば、入力位置に応じた適切なフィルタを用いてフィルタ処理を行うことができる。特に第4の発明によれば、フィルタの通過周波数帯域を入力位置に基づいて決定することによって、フィルタ処理によって操作音の周波数成分を正確に抽出することができる。また、マイクから取得される操作音は、同じように入力操作が行われた場合であっても、入力位置とマイクとの距離によって音量が異なる。
【0031】
第5の発明によれば、操作音に対して信号の増幅処理が行われ、その増幅処理における増幅の割合が入力位置に基づいて決定される。これによれば、入力位置に応じた適切な割合で増幅処理を行うことができ、特徴情報として正確な音量を算出することができる。
【0032】
第6の発明によれば、プレイヤが実際に行った入力操作による操作音に基づいて算出処理の処理内容が決定され、ゲーム処理に用いられる特徴情報を算出する際には、決定された処理内容で特徴情報が算出される。つまり、ある位置を含む領域に対して用いるべき処理内容が、当該ある位置に対して行われた実際の入力操作による操作音に基づいて決定される。実際の操作音に基づいて処理内容を決定することにより、適切な処理内容を決定することができる。また、ゲーム装置の種類や個体により適切な処理内容が異なる場合であっても、処理内容を適切に決定することができる。
【0033】
第7の発明によれば、プレイヤが実際に行った入力操作による操作音が記憶され、ゲーム処理に用いられる特徴情報を算出する際には、記憶された操作音と、入力された操作音とを比較することによって特徴情報の算出処理が行われる。第7の発明によれば、プレイヤが実際に行った入力操作による操作音同士を比較して特徴情報を算出することができる。
【0034】
第8の発明によれば、操作音が所定基準を満たす場合に、入力位置に基づくゲーム処理が行われる。これによって、入力位置に基づくゲーム処理を行うか否かを判定するために操作音を用いることができる。すなわち、ゲーム装置は、タッチ操作によってより複雑な処理を行うことが可能となる。さらに、第9の発明によれば、プレイヤが実際に行った入力操作による操作音に基づいて基準値が決定され、ゲーム処理において所定基準を満たすことの判定が行われる際には、決定された基準値が用いられる。つまり、ある位置を含む領域に対して用いるべき基準値が、当該ある位置に対して行われた実際の入力操作による操作音に基づいて決定される。実際の操作音に基づいて基準値を決定することにより、適切な基準値を決定することができる。また、ゲーム装置の種類や個体により適切な基準値が異なる場合であっても、基準値を適切に決定することができる。
【0035】
第10の発明によれば、ゲーム装置は、操作音の特徴情報を入力位置に応じて補正する。上述したように、操作音は、同じように入力操作が行われた場合であってもその周波数帯域や音量が入力位置によって異なることがあるが、本発明によれば、入力位置に応じて補正を行うことによって、特徴情報を正確に算出することができる。これによって、プレイヤの入力操作をより正確にゲーム処理に反映させることができる。特に、第11の発明によれば、マイクから取得される操作音の音量が入力位置とマイクとの距離によって異なる場合であっても、入力位置に基づいて音量を補正することによって、正確な音量の値を得ることができる。
【0036】
第12の発明によれば、操作対象のオブジェクトに動作を行わせるゲームにおいて、タッチ操作によってより複雑な指示を行うことが可能となる。これによれば、プレイヤは1回のタッチ操作で従来より多くの指示をオブジェクトに与えることができるので、オブジェクトに対する操作を簡易に行うことができる。特に、第13の発明によれば、オブジェクトに対して動作を行わせる指示と、その動作の内容とを1回の入力操作によって行うことができる。第14の発明によれば、動作を行わせるオブジェクトを選択する指示と、その動作の内容とを1回の入力操作によって行うことができる。第15の発明によれば、オブジェクトに行わせる動作に関する2種類のパラメータ(例えば、移動方向と移動量)を1回の入力操作によって決定することができ、1回の入力操作によってより複雑な動作をオブジェクトに行わせることができる。また、上記において、第16の発明によれば、プレイヤは、入力操作の強さ(操作音の音量)によってオブジェクトの動作量を制御することができる。第17の発明によれば、プレイヤは、オブジェクトの動作の種類を操作音によって制御することができる。
【0037】
第18の発明によれば、ゲーム空間に対して所定の効果を与えるゲームにおいて、タッチ操作によってより複雑な指示を行うことが可能となる。特に、第19の発明によれば、プレイヤは、入力操作の強さ(操作音の音量)によって効果の度合を制御することができる。また、第20の発明によれば、プレイヤは、与えるべき効果の種類を操作音によって制御することができる。
【0038】
第21の発明によれば、入力操作が行われたタイミングを基準として決められるタイミングでマイクから音を取得することによって、操作音を正確に取得することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
(ゲーム装置の構成)
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係るゲーム装置およびゲームプログラムについて説明する。図1は、ゲーム装置10の外観図である。図1において、ゲーム装置10は、表示装置である第1LCD(Liquid Crystal Display:液晶表示装置)11および第2LCD12、ハウジング13、ならびに、入力装置であるスイッチ部14およびタッチパネル15を含む。また、ゲーム装置10は、音声出力装置であるスピーカ30aおよび30b(図2)、および、音声入力装置であるマイク33(図2)を含む。
【0040】
ハウジング13は上側ハウジング13aと下側ハウジング13bとによって構成されており、第1LCD11は上側ハウジング13aに収納され、第2LCD12は下側ハウジング13bに収納される。第1LCD11および第2LCD12の解像度はいずれも256dot×192dotである。なお、本実施形態では表示装置としてLCDを用いているが、例えばEL(Electro Luminescence:電界発光)を利用した表示装置など、他の任意の表示装置を利用することができる。また任意の解像度のものを利用することができる。
【0041】
上側ハウジング13aには、1対のスピーカ30aおよび30bからの音を外部に放出するための音抜き孔18a、18bが形成されている。
【0042】
下側ハウジング13bには、入力装置として、操作スイッチ部14、すなわち、十字スイッチ14a、スタートスイッチ14b、セレクトスイッチ14c、Aボタン14d、Bボタン14e、Xボタン14f、Yボタン14g、Lボタン14L、およびRボタン14Rが設けられている。また、さらなる入力装置として、第2LCD12の画面上に透明のタッチパネル15が装着されている。下側ハウジング13bには、第2LCD12の周囲に音孔33aが設けられる。マイク33はこの音孔付近のハウジング13b内部側に設けられ、音孔33aから伝播してくるハウジング外部の音を入力して電気信号(音声信号)に変換する。下側ハウジング13bには、電源スイッチ19や、メモリカード17やスティック16を収納するための挿入口が設けられている。
【0043】
タッチパネル15としては、例えば抵抗膜方式や光学式(赤外線方式)や静電容量結合式など、任意の方式のものを利用することができる。タッチパネル15は、その表面をスティック16で触れると、その接触位置に対応する座標データを出力する機能を有している。なお、以下ではプレイヤがタッチパネル15をスティック16で操作するものとして説明を行うが、スティック16の代わりにペン(スタイラスペン)や指でタッチパネル15を操作することももちろん可能である。本実施形態では、タッチパネル15として、第2LCD12の解像度と同じく256dot×192dotの解像度(検出精度)のものを利用する。ただし、必ずしもタッチパネル15の解像度と第2LCD12の解像度が一致している必要はない。なお、タッチパネルにはタッチ圧力を検出可能なものもあるが、本願発明の一態様においては、タッチ圧力を検出できないタッチパネルにおいてもタッチの強さを検出することが可能である。ただし、このことは、本願発明に適用可能なタッチパネルを、圧力検知不可能なタッチパネルに限定するものではない。
【0044】
メモリカード17はゲームプログラムを記録した記録媒体であり、下部ハウジング13bに設けられた挿入口に着脱自在に装着される。
【0045】
次に、図2を参照してゲーム装置10の内部構成を説明する。図2において、ハウジング13に収納される電子回路基板20には、CPUコア21が実装される。CPUコア21には、バス22を介して、コネクタ23が接続されるとともに、入出力インターフェース回路(図面ではI/F回路と記す)25、第1GPU(Graphics Processing Unit)26、第2GPU27、RAM24、およびLCDコントローラ31が接続される。コネクタ23には、メモリカード17が着脱自在に接続される。メモリカード17は、ゲームプログラムを記憶するROM17aと、バックアップデータを書き換え可能に記憶するRAM17bを搭載する。メモリカード17のROM17aに記憶されたゲームプログラムは、ゲーム装置10の記憶手段であるRAM24にロードされ、RAM24にロードされたゲームプログラムがCPUコア21によって実行される。RAM24には、ゲームプログラムの他にも、CPUコア21がゲームプログラムを実行して得られる一時的なデータや、ゲーム画像を生成するためのデータが記憶される。
【0046】
I/F回路25には、操作スイッチ部14、タッチパネル15、右スピーカ30a、左スピーカ30b、および、マイク33が接続される。右スピーカ30aと左スピーカ30bは、音抜き孔18a、18bの内側にそれぞれ配置される。ゲームの効果音等を出力する際、CPUコア21は、RAM24等に記憶された音データ(音源)をI/F回路25から図示しないA/D変換回路やアンプ等を介して各スピーカ30aおよび30bへ出力する。これによって、各スピーカ30aおよび30bは音データにより表される音を出力する。また、マイク33に入力された音を示す音データは、I/F回路25を介してRAM24に記憶される。
【0047】
第1GPU26には、第1VRAM(Video RAM)28が接続され、第2GPU27には、第2VRAM29が接続される。第1GPU26は、CPUコア21からの指示に応じて、RAM24に記憶されているゲーム画像を生成するためのデータに基づいて第1のゲーム画像を生成し、第1VRAM28に描画する。第2GPU27は、同様にCPUコア21からの指示に応じて第2のゲーム画像を生成し、第2VRAM29に描画する。第1VRAM28および第2VRAM29はLCDコントローラ31に接続されている。
【0048】
LCDコントローラ31はレジスタ32を含む。レジスタ32はCPUコア21からの指示に応じて0または1の値を記憶する。LCDコントローラ31は、レジスタ32の値が0の場合は、第1VRAM28に描画された第1のゲーム画像を第1LCD11に出力し、第2VRAM29に描画された第2のゲーム画像を第2LCD12に出力する。また、レジスタ32の値が1の場合は、第1VRAM28に描画された第1のゲーム画像を第2LCD12に出力し、第2VRAM29に描画された第2のゲーム画像を第1LCD11に出力する。
【0049】
なお、上記のようなゲーム装置10の構成は単なる一例に過ぎず、本発明は、入力面に対して入力が行われた位置を検出する入力装置(例えばタッチパネルやタッチパッド)とマイクとを備える任意の情報処理装置に適用することができる。例えば、上記のゲーム装置10ではマイク33は下部ハウジング13bに位置しているが、マイクは上部ハウジング13aや上部ハウジング13aと下部ハウジング13bの連結部にあってもよい。ただし、本発明を実施する上で、入力装置とマイクが装置に固定的に配置され、すなわち、入力装置とマイクが固定の位置関係となるような装置が好ましい。また、本発明のゲームプログラムは、メモリカード17などの外部記憶媒体を通じて情報処理装置に供給されるだけでなく、有線または無線の通信回線を通じて情報処理装置に供給されてもよいし、さらには情報処理装置内部の不揮発性記憶装置に予め記録されていてもよい。
【0050】
(ゲーム処理の概要)
以下、図3〜図6を参照して、ゲーム装置10において実行されるゲーム処理の概要について説明する。図3は、各LCD11および12に表示されるゲーム画像の一例を示す図である。図3においては、第1LCD11には、(図3では3つの)的41が配置されたゲーム空間が表示され、第2LCD12には、プレイヤの操作対象である操作オブジェクト42等が配置されたゲーム空間が表示される。なお、各LCD11および12に表示されるゲーム空間は同じゲーム空間であり、第1LCD11に表示されているゲーム空間と第2LCD12に表示されているゲーム空間とは繋がっている。本ゲームは、操作オブジェクト42から弾43を発射して的41に命中させることを目的としている。
【0051】
本ゲームにおいては、プレイヤは、タッチパネル15の入力面に対するタッチ操作によって、ゲーム装置に対する指示(ゲーム操作)を行う。プレイヤは、タッチ操作によって、操作オブジェクト42を移動させたり、操作オブジェクト42から弾43を発射させたりすることができる。具体的には、プレイヤがレール48をタッチした場合、操作オブジェクト42はタッチされた位置まで移動する。また、プレイヤが操作オブジェクト42の発射指示部(図3に示す黒丸)45をタッチした場合、操作オブジェクト42は前方(図3に示す画面の上方)に向かって弾43を発射する(第2LCD12に表示されている弾43が次第に図3の紙面において上方に移動表示され、第2LCD12の上端に表示された後、左右位置をそのままに、第1LCD11の下端に表示されて、その後、さらに上方に移動表示される)。このように、ゲーム装置10は、タッチパネル15に対してタッチ操作が行われた位置(入力位置と呼ぶ)を検出し、検出された入力位置に応じて操作オブジェクト42を制御する。
【0052】
ここで、本ゲームにおいては、ゲーム装置10は、タッチパネル15に対してタッチ操作が行われた位置(入力位置)に加えて、当該タッチ操作によって発生する音(操作音と呼ぶ)を検出する。タッチパネル15に対してタッチ操作を行う場合、スタイラスや指がタッチパネル15に接触したことによる接触音が発生する。本実施形態において、操作音とは、この接触音のことである。ゲーム装置10は、操作音をマイク33によって検出する。
【0053】
検出された操作音は、弾43が発射された場合における弾43の飛距離を決めるために用いられる。具体的には、ゲーム装置10は、操作音の特徴を表す特徴情報として操作音の音量を算出する。さらに、音量の大きさに応じて弾43の飛距離を決定する。ゲーム装置10は、決定された飛距離だけ弾43を飛ばし(移動し)、当該飛距離だけ飛んだ後着地する。操作オブジェクト42の前方にある的41に命中したか否か(着地点に的41があったかどうか)を判断する。
【0054】
以上のように、本実施形態においては、プレイヤが発射指示部45に対してタッチ操作を行ったことに応じて弾43が発射され、そのタッチ操作による操作音の音量に応じた飛距離だけ弾43が飛ばされる。つまり、プレイヤは、1回のタッチ操作によって、弾43を発射する指示と、弾43の飛距離を決定する指示という、2つの指示を同時に行うことができる。このように、本実施形態によれば、タッチ操作による操作音を検出し、ゲーム装置10に対する指示として操作音を用いることによって、1回のタッチ操作によって従来よりも複雑な指示をプレイヤに行わせることができる。換言すれば、プレイヤは、2つの指示を1回のタッチ操作によって行うことができるので、2つの指示を別々の操作で行う場合に比べて、ゲーム操作をより簡易な操作で行うことができる。
【0055】
なお、図3において、操作オブジェクト42は、発射指示に応じて発射される弾43の他に、予備の弾44を有している。操作オブジェクト42は、自身が有する弾の数だけ弾を発射することができる。また、本ゲームでは、プレイヤは、操作オブジェクト42の弾を補充することができる。すなわち、弾供給部46からは所定のタイミングで弾が供給路47に供給され、供給された弾は供給路47のレール48側の端部へ移動する。なお、弾供給部46に対してタッチ操作を行うことにより、弾供給部46から弾が供給されるようにしてもよい。弾が供給路47の上記端部に達した時点で操作オブジェクト42が当該端部に位置していれば、操作オブジェクト42には弾が補充される。本ゲームは、上記のようにして弾を補充しつつ、第1LCD11に登場する的41や的オブジェクト(図示せず)に弾を命中させて遊ぶゲームである。
【0056】
次に、上記ゲーム処理において行われる、操作音の音量を算出する方法について説明する。まず、ゲーム装置10は、常にマイク33によって音が検出されており、タッチ操作が行われた場合、そのタッチ操作が行われた時点でマイク33によって検出された音を取得する。これによって、タッチ操作が行われていない期間にマイク33で検出される、操作音以外の音を除去し、操作音を正確に取得することができる。次に、ゲーム装置10は、上記取得された音から操作音の周波数成分以外の成分を除去する。具体的には、取得された音から、操作音の周波数帯域以外の周波数成分を除去するフィルタ処理を行う。これによって、タッチ操作と同時に検出された音から操作音以外の音を除去することができる。最後に、フィルタ処理が行われた音の音量を算出することによって、操作音の音量を得ることができる。
【0057】
ここで、タッチ操作を行ったことによる操作音は、タッチパネル15の全領域で全く同じであるわけではなく、タッチパネル15を叩いた位置によって異なる。タッチパネルの裏側や周囲に配置される部品の有無やその種類により、発生する操作音は異なり、また、タッチパネル自体も中央部と周囲部とで機械的構成が異なることもあるからである。また、入力位置とマイク33との位置関係により、マイク33によって検出される音は入力位置によって異なる。これは、マイクまでの距離や、ハウジング13内における操作音の反響の仕方や、入力位置からマイク33までの操作音の伝搬経路等が、入力位置によって異なるからである。
【0058】
図4は、タッチパネル15の各位置に対してタッチ操作を行った場合に検出された音(操作音)の周波数スペクトルを示す図である。図4に示す(a)、(b)、(c)、および(d)は、それぞれ、タッチパネル15の左上部分、右上部分、左下部分、右下部分に対してタッチ操作を行った場合の操作音の周波数スペクトルである。また、図4に示す(a)〜(d)の各グラフの横軸は周波数を表し、縦軸はレベル(音の強さ)を表す。また、図4に示すw1〜w4はそれぞれ(a)、(b)、(c)、および(d)の各場合における操作音を構成する周波数成分の範囲である。これらの周波数成分の範囲の外にある音をノイズとしてフィルタによって除去する必要がある。
【0059】
図4に示されるように(a)、(b)、(c)、および(d)の各場合で、操作音を構成する周波数成分には違いがある。そのため、例えばw2の周波数帯域に含まれる周波数成分を通すフィルタを用いた場合、右上部分に対してタッチ操作を行った場合((b)のスペクトルが得られる場合)にはうまく操作音のみを取り出すことができるが、右下部分に対してタッチ操作を行った場合((d)のスペクトルが得られる場合)は操作音に含まれる周波数成分まで除去してしまう。一方、w4の周波数帯域に含まれる周波数成分を通すフィルタを用いた場合、右下部分に対してタッチ操作を行った場合((d)のスペクトルが得られる場合)にはうまく操作音のみを取り出すことができるが、右上部分に対してタッチ操作を行った場合((b)のスペクトルが得られる場合)には操作音以外のノイズまでフィルタを通過してしまう。
【0060】
このように、図4に示すように入力位置によって操作音が異なる場合には、単一の処理で操作音から音量を算出しても、音量を正確に算出することができない。そこで、本実施形態では、ゲーム装置10は、上記フィルタ処理において用いるフィルタの特性を入力位置に応じて変更する。
【0061】
図5は、タッチパネル15の各領域とその領域で用いるべきフィルタとの対応関係の一例を示す図である。本実施形態では、ゲーム装置10は、図4に示す検出結果を考慮して、通過帯域の異なる4つのフィルタ(第1フィルタ〜第4フィルタ)を入力位置に応じて使い分ける。第1フィルタは、入力位置が左上部分である場合の周波数帯域w1を通過周波数帯域とするフィルタである。同様に、第2フィルタは入力位置が右上部分である場合の周波数帯域w2を、第3フィルタ入力位置が左下部分である場合の周波数帯域w3を、第4フィルタは入力位置が右下部分である場合の周波数帯域w4をそれぞれの通過周波数帯域とするフィルタである。
【0062】
また、図5に示すように、タッチパネル15の領域は、左上領域51、右上領域52、左下領域53、および右下領域54の4つの領域に分けられる。そして、左上領域51には上記第1フィルタ、右上領域52には上記第2フィルタ、左下領域53には上記第3フィルタ、そして右下領域54には上記第4フィルタがそれぞれ対応付けられる。これによって、入力位置が左上領域51である場合には第1フィルタ、右上領域52である場合には第2フィルタ、左下領域53である場合には第3フィルタ、右下領域54である場合には第4フィルタがそれぞれ用いられる。図5に示す対応関係に従って各フィルタを使い分けることによって、入力位置によって操作音の周波数成分が異なる構成となっている場合であっても、適切なフィルタを用いてフィルタ処理を行うことができる。したがって、操作音以外の音を正確に除去することができ、操作音の音量を正確に算出することができる。
【0063】
なお、入力位置がタッチパネル15の左上領域51である場合の周波数帯域w1と、左下領域53である場合の周波数帯域w3とがほぼ同じ帯域を示していることから、左下領域53にも上記第1フィルタを使用するようにしてもよい。図6は、タッチパネル15の各領域とその領域で用いるべきフィルタとの対応関係の他の例を示す図である。図6においては、左上領域51および左下領域53をあわせた領域が一体となり左領域55となっている。そして、右上領域52には上記第2フィルタが、右下領域54には上記第4フィルタがそれぞれ対応付けられ、左領域55には、上記第1フィルタが対応付けられる。他の実施形態においては、入力位置が左上部分であった場合と左下部分であった場合とで同じフィルタを用いるようにするために、図6に示す対応関係を用いてもよい。
【0064】
なお、本実施形態では、タッチパネル15の入力面を4つの領域に分ける場合を例として説明したが、入力面の分け方は、ゲーム装置の構造に応じて適宜決定されればよい。例えば、入力面は、左上領域、右上領域、左下領域、右下領域、および中央領域の5つに分けられてもよい。
【0065】
(ゲーム処理の詳細)
以下、図7〜図12を参照して、ゲーム装置10において実行されるゲーム処理の詳細について説明する。まず、図7および図8を参照して、ゲーム処理において用いられるデータについて説明する。図7は、ゲーム装置10のRAM24に記憶される主なデータを示す図である。図7に示すように、RAM24には、ゲームプログラム60、入力位置データ61、検出音データ62、およびゲーム処理用データ63等が記憶される。なお、RAM24には、図7に示すデータの他、操作スイッチ部14に対する操作状態を示す操作データや、ゲーム空間に登場する各種オブジェクトの画像データや、ゲーム中に出力されるゲーム音(効果音やBGM)の音声データ等が記憶される。
【0066】
ゲームプログラム60は、上記ゲーム処理を実行するためのプログラムである。ゲームプログラム60の全部または一部は、メモリカード17のROM17aから適宜のタイミングで読み出されてRAM24に記憶される。図9に示すフローチャートに示す処理は、CPUコア21がゲームプログラム60を実行することによって行われる。
【0067】
入力位置データ61は、タッチパネル15に対してタッチ操作が行われた入力位置を示すデータである。入力位置データ61は、具体的には、タッチパネル15の入力面上に設定される2次元座標系(xy座標系)の座標値を表す。ゲーム装置10は、タッチパネル15によって検出された入力位置を示すデータを所定時間(例えば、1フレーム時間)に1回の割合で取得し、入力位置データ61としてRAM24に記憶する。なお、タッチパネル15に対する入力がなかった場合には、入力がないことを示すデータがタッチパネル15から取得され、当該データが入力位置データ61としてRAM24に記憶される。本実施形態では、ゲーム装置10は、新しいものから順に少なくとも2つのデータ(最新の入力位置データと直前の入力位置データ)を入力位置データ61として記憶する。
【0068】
検出音データ62は、マイク33によって検出された音(検出音)を示すデータである。ゲーム装置10は、マイク33によって検出された音データ(音信号)を所定時間(上述の入力位置取得の時間間隔以下であることが好ましく、例えば、1フレーム時間)に1回の割合で取得し、検出音データ62としてRAM24に記憶する。なお、1回に取得される検出音データ62は、取得時点を基準に決められる所定期間内にマイク33によって検出された音のデータである。本実施形態では、ゲーム装置10は、最新の1フレーム時間で取得されるデータを検出音データ62としてRAM24に記憶する。
【0069】
ゲーム処理用データ63は、上記ゲーム処理において用いられるデータである。ゲーム処理用データ63は、フィルタテーブルデータ64、使用フィルタデータ65、処理済音データ66、音量データ67、飛距離データ68、オブジェクト位置データ69、発射指示領域データ70、移動指示領域データ71等を含む。なお、ゲーム処理用データ63は、図7に示すデータの他、フィルタ処理において用いられるフィルタ(上記第1フィルタ、第2フィルタ、第3フィルタおよび第4フィルタ)のデータ等、ゲーム処理において必要となる各種のデータが記憶される。なお、フィルタテーブルデータ64やフィルタのデータはメモリカード17に記憶されており、ゲーム開始時等、適宜のタイミングで読み出されて記憶される。
【0070】
フィルタテーブルデータ64は、タッチパネル15の入力面を区分した領域とフィルタとの関連付けを示すフィルタテーブルを示すデータである。図8は、フィルタテーブルの一例を示す図である。図8に示すように、フィルタテーブルは、タッチパネル15上に設定される2以上の領域のそれぞれについて、入力位置がその領域内となる場合に用いるべきフィルタを関連付けたものである。図8は、図5に示す対応関係を表すフィルタテーブルを示している。すなわち、図8に示すフィルタテーブルにおいては、タッチパネル15上に設定される左上領域51に対して第1フィルタが関連付けられ、同様に右上領域52に対して第2フィルタが、左下領域53に対して第3フィルタが、そして右下領域54に第4フィルタがそれぞれ関連付けられる。なお、本実施形態では、タッチパネル15における領域とフィルタとを関連付けるデータをテーブルとして記憶しているが、他の実施形態では、当該データの形式はどのような形式であってもよい。
【0071】
使用フィルタデータ65は、操作音の音量を算出するために行われるフィルタ処理において使用すべきフィルタ(使用フィルタと呼ぶ)を示すデータである。本実施形態では、使用フィルタは上述した第1フィルタ、第2フィルタ、第3フィルタおよび第4フィルタのいずれかであるので、使用フィルタデータ65には、第1フィルタ、第2フィルタ、第3フィルタおよび第4フィルタのいずれか示すデータが含まれる。なお、他の実施形態では、使用フィルタデータ65は、使用フィルタのフィルタ特性が特定できるデータであればよく、使用フィルタの通過周波数帯域等を示すデータであってもよい。
【0072】
処理済音データ66は、上記検出音(のスペクトル)に対してフィルタ処理を行った結果を示すデータである。処理済音データ66は、検出音に含まれるノイズ成分(操作音以外の音成分)が除去された音のデータである。また、音量データ67は、操作音の音量を示すデータである。本実施形態では、音量データ67は、処理済音データ66により示される音の音量を示す。
【0073】
飛距離データ68は、操作オブジェクト42から発射される弾43の飛距離を示すデータである。この飛距離は、上記操作音の音量(音量データ67)に基づいて算出される。また、オブジェクト位置データ69は、操作オブジェクト42のゲーム空間における位置を示すデータである。操作オブジェクト42の表示位置は、上記入力位置に基づいて算出される。
【0074】
発射指示領域データ70は、タッチパネル15の入力面の領域のうちで、操作オブジェクト42に対して弾43の発射を指示することができる領域(発射指示領域)を示すデータである。本実施形態では、発射指示領域は、操作オブジェクト42の発射指示部45が表示される画面領域に対応する領域である。したがって、操作オブジェクト42の移動に伴って発射指示領域は移動するので、発射指示領域データ70の内容は上記オブジェクト位置データ69が更新されることに伴って更新される。また、移動指示領域データ71は、タッチパネル15の入力面の領域のうちで、操作オブジェクト42を移動させる指示を行うことができる領域(移動指示領域)を示すデータである。本実施形態では、移動指示領域は、レール48が表示される画面領域に対応する領域である。ゲーム処理中において移動指示領域は固定的に設定され、移動指示領域データ71はゲーム開始時にRAM24に記憶される。なお、発射指示領域データ70および移動指示領域データ71は、上記入力位置と同様、上記xy座標系の座標値を用いて表される。
【0075】
次に、ゲーム装置10において行われるゲーム処理の詳細を、図9および図10を用いて説明する。図9は、ゲーム装置10において実行されるゲーム処理の流れを示すフローチャートである。ゲーム装置10の電源が投入されると、ゲーム装置10のCPUコア21は、図示しないブートROMに記憶されている起動プログラムを実行し、RAM24等の各ユニットが初期化される。そして、メモリカード17に格納されたゲームプログラムがRAM24に読み込まれ、CPUコア21によって当該ゲームプログラムの実行が開始される。図9に示すフローチャートは、以上の処理が完了した後に実行されるゲーム処理を示すフローチャートである。
【0076】
図9に示すステップS1において、CPUコア21は、ゲームの初期画像を表示する。すなわち、CPUコア21は、予め定められた初期配置で操作オブジェクト42および的41等をゲーム空間に配置し、操作オブジェクト42および的41等が配置されたゲーム空間の画像を生成して各LCD11および12に表示させる。なお、操作オブジェクト42の初期配置の位置を示すデータがオブジェクト位置データ69としてRAM24に記憶される。また、操作オブジェクト42の位置に応じて決められる発射指示部45の領域を示すデータが発射指示領域データ70としてRAM24に記憶される。ステップS1の次にステップS2の処理が実行される。ステップS1の後、図9に示すゲーム処理が終了するまで、ステップS2〜S10の処理ループが繰り返し実行される。この処理ループにおける1回のループは、1フレーム時間(1/60秒)に1回の割合で実行される。
【0077】
ステップS2において、CPUコア21は、タッチパネル15から入力位置を取得する。すなわち、CPUコア21は、タッチパネル15によって検出された入力位置を示すデータを取得し、最新の入力位置データ61としてRAM24に記憶する。ステップS2の次にステップS3の処理が実行される。
【0078】
ステップS3において、CPUコア21は、マイク33によって検出された音を取得する。すなわち、CPUコア21は、マイク33によって検出された音データを取得し、検出音データ62としてRAM24に記憶する。タッチ操作が行われた場合には、ステップS3の処理によってマイク33から操作音を取得することができる。ステップS3の次にステップS4の処理が実行される。
【0079】
ステップS4において、CPUコア21は、入力位置データ61(最新の入力位置データと直前の入力位置データ)に基づいて、タッチオフ状態からタッチオン状態になり、かつ、最新の入力位置データが発射指示領域内であるか否かを判定する。ステップS4の判定処理は、プレイヤが発射指示領域(発射指示部45)に対してタッチオン操作(タッチオフ状態からタッチオン状態になるような操作)を行ったか否かを判定するための処理である。具体的には、CPUコア21は、まず、タッチオフ状態からタッチオン状態になったか否かを判定する。すなわち、RAM24に記憶されている入力位置データ61に含まれる最新の入力位置データが入力位置を示し、かつ、当該入力位置データ61に含まれる直前の入力位置データが入力がないことを示すか否かを判定する(第1判定処理)。第1判定処理の結果が否定である場合、ステップS4の判定結果は否定と判断される。一方、この判定の結果が肯定である場合、CPUコア21は、最新の入力位置データが発射指示領域内であるか否かを判定する(第2判定処理)。第2判定処理は、最新の入力位置データにより示される入力位置と、発射指示部45の表示位置が所定の関係を満たすか否か、すなわち、当該入力位置と当該表示位置とが所定距離以内にあるか否かによって行われる。具体的には、CPUコア21は、上記最新の入力位置データが、発射指示領域データ70により示される領域内であるか否かを判定する。第2判定処理の結果が否定である場合、ステップS4の判定結果は否定と判断される。一方、第2判定処理の結果が肯定である場合、ステップS4の判定結果は肯定と判断される。ステップS4の判定結果が肯定である場合、ステップS5およびS6の処理が実行される。一方、ステップS4の判定結果が否定である場合、後述するステップS7およびS8の処理が実行される。
【0080】
上記ステップS5およびS6の処理は、タッチ操作の操作音を用いたゲーム処理である。具体的には、操作音の音量を算出し(ステップS5)、算出された音量に応じて弾43の飛距離を決定する(ステップS6)処理である。以下、ステップS5およびS6の詳細を説明する。
【0081】
ステップS5において、CPUコア21は、操作音の音量を算出するための音量算出処理を実行する。以下、図10を参照して、音量算出処理の詳細について説明する。
【0082】
図10は、図9に示す音量算出処理(ステップS5)の詳細を示すフローチャートである。音量算出処理においては、まずステップS21において、CPUコア21は、後述するフィルタ処理(S23)において使用すべきフィルタ(使用フィルタ)を入力位置に基づいて決定する。使用フィルタは、RAM24に記憶されているフィルタテーブルデータ64により示されるフィルタテーブルを参照することによって決定される。すなわち、CPUコア21は、入力位置データ61およびフィルタテーブルデータ64を読み出す。そして、フィルタテーブルにおいて設定される領域のうちで、入力位置データ61により示される入力位置を含む領域を特定する。さらに、特定された領域に関連付けられるフィルタを使用フィルタに決定する。決定された使用フィルタを示すデータは、使用フィルタデータ65としてRAM24に記憶される。ステップS21の次にステップS22の処理が実行される。
【0083】
ステップS22において、CPUコア21は、検出音に対してフーリエ変換(具体的にはFFT(Fast Fourier Transform))を行う。これによって、検出音の音信号が周波数スペクトルに変換される。ステップS22の次にステップS23の処理が実行される。なお、他の実施形態においては、フーリエ変換の処理は必ずしも必要でなく、フーリエ変換前の音データに対して後述するフィルタ処理を行うようにしてもよい。
【0084】
ステップS23において、CPUコア21は、ステップS21で得られた周波数スペクトルに対してフィルタ処理を行う。このフィルタ処理においては、CPUコア21は、ステップS22で決定された使用フィルタ、すなわち、RAM24に記憶されている使用フィルタデータ65により示されるフィルタを用いる。上記フィルタ処理によって、ステップS21で得られた周波数スペクトルからフィルタの通過帯域以外の成分が除去される。これによって、検出音のうちで、操作音に対応する周波数帯域以外の成分を除去することができ、より正確な操作音を得ることができる。上記フィルタ処理が行われた後の周波数スペクトルを示すデータは、処理済音データ66としてRAM24に記憶される。ステップS23の次にステップS24の処理が実行される。
【0085】
ステップS24において、CPUコア21は操作音の音量を算出する。音量の算出には、RAM24に記憶されている処理済音データ66が用いられる。例えば、CPUコア21は、処理済音データ66により示される周波数スペクトルに対して逆フーリエ変換(具体的には逆FFT)を行い、逆フーリエ変換によって得られた音信号の振幅から音量を算出する。また、他の実施形態では、処理済音データ66により示される周波数スペクトルを積分することによって音量を算出してもよい。算出された音量を示すデータは、音量データ67としてRAM24に記憶される。ステップS24の次にステップS25の処理が実行される。
【0086】
ステップS25において、CPUコア21は、ステップS25で算出された音量を入力位置に基づいて補正する。本実施形態では、上記音量は、マイク33の位置と入力位置との距離に応じて補正される。具体的には、当該距離が遠いほど加算量が大きくなるように補正される。具体的には、CPUコア21は、RAM24に記憶されている入力位置データ61により示される入力位置に基づいて、マイク33と当該入力位置との距離を算出する。なお、ハウジング13内におけるタッチパネル15およびマイク33の位置は既知であるので、上記入力位置に基づいて上記距離を算出することができる。次に、CPUコア21は、RAM24に記憶されている音量データ67により示される音量の値を、当該距離が遠いほど加算量が大きくなるように、算出された距離に応じて補正する。音量データ67の内容は、補正後の音量を示す内容に更新される。つまり、補正後の音量を示すデータが新たな音量データ67としてRAM24に記憶される。以上のステップS25の後、CPUコア21は音量算出処理を終了する。
【0087】
以上のように、本実施形態では、上記ステップS25において、音量が入力位置に基づいて補正される。マイク33から入力位置までの距離が長い場合、当該距離が短い場合に比べて、マイク33で検出される操作音が小さくなるので、当該距離が長い場合と短い場合とでは、仮に実際の音量が同じであっても算出される音量に差が生じるおそれがある。これに対して、上記ステップS25の処理によれば、上記距離が長い場合には音量を増加するように補正することによって、当該距離が長い場合と短い場合とで生じる差を修正することができ、音量をより正確に算出することができる。
【0088】
なお、他の実施形態においては、上記ステップS25において、上記距離を算出することなく、音量を補正するようにしてもよい。例えば、ゲーム装置10は、図5に示した領域に対して補正量を関連付けたデータをRAM24に記憶しておき、当該データを参照して補正量を決定するようにしてもよい。
【0089】
また、本実施形態においては、ゲーム装置10は、操作音の周波数成分が入力位置に応じて異なることを考慮して、入力位置に応じてフィルタを使い分ける(ステップS22)とともに、マイク33によって検出される音の音量が入力位置に応じて異なることを考慮して、操作音の音量として算出された音量を入力位置に応じて補正した(ステップS26)。ここで、他の実施形態においては、CPUコア21は、上記ステップS23およびステップS26のいずれかの処理のみを行うようにしてもよい。また、CPUコア21は、ステップS26の処理に代えて、ステップS23において、入力位置に応じた音量の補正を行うようにしてもよい。具体的には、ステップS22において、使用フィルタのゲインを入力位置に応じて決定するようにしてもよい。例えば、入力位置がマイク33から遠い領域内にある場合には、入力位置がマイク33から近い領域内にある場合に比べて、使用フィルタのゲインを大きく設定する。これによれば、ステップS26で音量を補正するのと同様の効果を得ることができる。また、使用フィルタのゲインを設定する際には、通過帯域のうちで一部の周波数帯域のみについてゲインを大きくする(ゲインに重み付けを行う)ようにしてもよい。
【0090】
図9の説明に戻り、ステップS5の次のステップS6において、CPUコア21は、ステップS5で算出された音量に応じたゲーム処理を実行する。本実施形態では、音量に応じたゲーム処理として、音量に応じた飛距離で操作オブジェクト42が弾43を発射する処理が行われる。具体的には、CPUコア21は、RAM24に記憶されている音量データにより示される音量に基づいて弾43の飛距離を算出する。弾43の飛距離は、音量が大きくなるほど大きくなるように算出される。算出された飛距離を示すデータは、飛距離データ68としてRAM24に記憶される。飛距離が算出されると、CPUコア21は、RAM24に記憶されている飛距離データ68により示される飛距離だけ弾43を飛ばすように操作オブジェクト42に発射動作を行わせる。以上のステップS6の後、後述するステップS9の処理が実行される。
【0091】
一方、ステップS7およびS8の処理は、タッチ操作の入力位置を用いたゲーム処理である。ステップS7およびS8においては、入力位置に応じて操作オブジェクト42の位置を決定する処理である。以下、ステップS7およびS8の詳細を説明する。
【0092】
ステップS7において、CPUコア21は、ステップS2で取得された入力位置が移動指示領域内であるか否かを判定する。ステップS7の判定処理は、プレイヤが移動指示領域(レール48)に対してタッチ操作を行ったか否かを判定するための処理である。具体的には、CPUコア21は、RAM24に記憶されている入力位置データ61により示される位置が、移動指示領域データ71により示される領域内であるか否かを判定する。ステップS7の判定結果が肯定である場合、ステップS8の処理が実行される。一方、ステップS7の判定結果が否定である場合、ステップS8の処理がスキップされて後述するステップS9の処理が実行される。
【0093】
ステップS8において、CPUコア21は、入力位置に応じたゲーム処理を実行する。本実施形態では、入力位置に応じたゲーム処理として、入力位置に基づいて操作オブジェクト42を移動する処理が行われる。具体的には、CPUコア21は、第2LCD12の画面横方向に関して、RAM24に記憶されている入力位置データ61により示される入力位置となるように、操作オブジェクト42の位置を決定する。決定された位置を示すデータは、オブジェクト位置データ69としてRAM24に記憶される。なお、入力位置に基づいて操作オブジェクト42を移動させる処理の詳細はどのような処理であってよい。例えば、上記において、1フレーム時間あたりの操作オブジェクト42の移動量に上限を設定してもよい。以上のステップS8の後、ステップS9の処理が実行される。
【0094】
ステップS9において、CPUコア21は、上記ステップS6およびS8で実行されたゲーム処理の他のゲーム処理を実行する。ステップS9で実行されるゲーム処理は、例えば、すでに発射された弾を移動させたり、弾が的41に命中したか否かを判定したり、弾が的41に命中した場合に的41を消滅させたりする処理である。また、弾供給部46が弾を供給したり、的41や的オブジェクトを移動させたりする処理であってもよい。ステップS9の次にステップS10の処理が実行される。
【0095】
ステップS10において、CPUコア21は、ゲーム画像を表示する。すなわち、今回の処理ループでステップS6の処理が実行された場合には、操作オブジェクト42が弾43を発射している様子を表すゲーム画像を生成して表示する。また、今回の処理ループでステップS8の処理が実行された場合には、RAM24に記憶されているオブジェクト位置データ69により示される位置に操作オブジェクト42が配置されたゲーム空間を表すゲーム画像を生成して表示する。ステップS10の次にステップS11の処理が実行される。
【0096】
ステップS11において、CPUコア21は、ゲームを終了するか否かを判定する。ステップS11の判定は、プレイヤによりゲームを終了する旨の指示があったか否かや、ゲームをクリアしたか(的41をすべて消滅させたか)否か等により行われる。ステップS11の判定結果が否定である場合、ステップS2の処理が再度実行される。一方、ステップS11の判定結果が肯定である場合、CPUコア21は、図9に示すゲーム処理を終了する。
【0097】
以上のように、本実施形態によれば、プレイヤが発射指示部45に対してタッチ操作を行った場合(ステップS4でYes)、タッチ操作によって生じる操作音の音量が算出される(ステップS5)。そして、音量に応じた飛距離で操作オブジェクト42が弾43を発射する動作が行われる(ステップS6)。したがって、プレイヤは、1回のタッチ操作によって、操作オブジェクト42に弾43を発射させる指示と、弾43の飛距離を決定する指示とを一緒に行うことができる。このように、本実施形態によれば、タッチ操作による操作音を検出し、当該操作音に基づいたゲーム処理を実行することによって、1回のタッチ操作によって従来よりも複雑な指示をプレイヤに行わせることができる。
【0098】
また、本実施形態によれば、ゲーム処理に用いる操作音の音量を算出する際、音量を算出するための処理の内容を、適切な処理内容となるように入力位置に応じて変化させるようにした。具体的には、操作音の音量を算出する際、入力位置に応じて通過帯域の異なるフィルタを用いてフィルタ処理を行ったり(ステップS22およびS23)、入力位置に応じて音量を補正したり(ステップS25)するようにした。上記ステップS22およびS23の処理によれば、操作音の周波数帯域が入力位置によって異なる場合でも、入力位置に応じて適切なフィルタ処理を行うことができるので、フィルタ処理によってノイズを正確に除去することができる。また、上記ステップS25の処理によれば、マイク33によって検出される操作音の音量が入力位置によって異なる場合でも、入力位置に応じて音量を補正することによって、音量をより正確に算出することができる。以上のように、本実施形態によれば、音量を算出するための処理の内容を入力位置に応じて変化させることによって、より正確に音量を算出することができる。
【0099】
また、本実施形態においては、検出された操作音に対して入力位置に応じた演算処理としてフィルタ処理を行なったが、他の実施形態においては、当該演算処理はこれに限られない。例えば、演算処理は、操作音の信号を増幅する(減衰する場合も含む)処理であってもよい。この場合、ステップS21において、CPUコア21は、操作音の信号を増幅する割合を入力位置に基づいて決定する。割合の決定は、上述したフィルタテーブルに代えて、入力面上における領域と上記割合とを関連付けたデータをRAM24に用意しておき、当該データを参照することによって行うことができる。なお、マイクから入力位置までの距離が遠いほど、上記割合が大きくなる(操作音の信号をより増幅させる)ように割合を決定することが好ましい。そして、ステップS23において、CPUコア21は、ステップS21で決定された割合で操作音の信号を増幅する。これによって、マイクと入力位置との距離を考慮して正確な音量を算出することができる。なお、このとき、ステップS22の処理は実行しなくてもよい。
【0100】
なお、本実施形態では、検出された操作音に対して入力位置に応じた演算処理(フィルタ処理)を行なったり、操作音に基づいて算出された特徴情報に対して入力位置に応じた補正を行うようにしているが、他の実施形態では、検出された操作音が所定基準を満たしているか否かを判定して、満たしている場合に所定のゲーム処理を行なう場合において、操作音や特徴情報自体は変更せずに、入力位置に応じて判定基準を変更するようにしてもよい。例えば、検出された操作音の波形の基準波形に対する類似度を判定して、類似しているときに所定のゲーム処理をするような場合に、入力位置に応じて当該基準波形を変更するようにしてもよい。具体的には、図5に示すような各領域毎に基準波形を予め記憶しておき、入力位置がどの領域に含まれるかを判定することにより基準波形を選択して、選択された基準波形を用いて類似度を判定するようにしてもよい。また、算出された音量データが基準値以上であることを判定して、基準値以上(または以下)のときに所定のゲーム処理をするような場合に、入力位置に応じて当該基準値を変更するようにしてもよい。具体的には、図5に示すような各領域ごとに基準値を予め記憶しておき、入力位置がどの領域に含まれるかを判定することにより基準値を選択して、選択された基準値を用いて判定するようにしてもよい。
【0101】
なお、本実施形態では、ステップS4において、タッチオン操作があったことを判定するようにしたが、タッチオン操作に限らず、他の所定の操作(例えばスライド操作や複数回のタップ操作など)があったことを判定するようにしても良い。この場合、入力位置データ61として数フレーム分の入力データを記憶しておいて、ステップS4において、入力位置の履歴から所定の操作があったことを判定するようにすればよい。
【0102】
なお、本実施形態では、ステップS3において、最新の1フレーム時間で取得されるデータを検出音データ62として記憶したが、数フレーム時間で取得されるデータを検出音データ62として記憶してもよい。この場合、ステップS4でYes判定がされた後、直ちにステップS5に移行するのでなく、その時点から所定フレーム時間で取得されるデータを検出音データ62とし、当該検出音データ62全体をステップS5で用いるようにすればよい。これによって、より正確な操作音をゲーム処理に用いることができる。
【0103】
(フィルタテーブルの設定に関する変形例)
上記実施形態においては、使用フィルタを決定するために用いられるフィルタテーブルは、予め用意されるものとした。ここで、他の実施形態においては、フィルタテーブルは、ゲーム前にプレイヤにタッチ操作を行わせることによって生成(または、予め用意されたテーブルを補正)するようにしてもよい。以下、ゲーム前にフィルタテーブルを生成する場合の変形例について説明する。
【0104】
まず、本変形例におけるフィルタテーブルの作成方法の概要を説明する。ここでは、上記実施形態と同様、タッチパネル15の入力面を左上領域51、右上領域52、左下領域53、および右下領域54に区分し(図5参照)、各領域51〜54についてフィルタを関連付ける場合を例として説明する。
【0105】
本変形例では、ゲームを開始する前に、ゲーム装置10は、プレイヤにタッチ操作を行わせ、タッチ操作による操作音を検出する。そして、タッチ操作が行われた領域に対して関連付けるフィルタのフィルタ特性を、検出された操作音に基づいて決定する。これによって、1つの領域と、その領域内に行われたタッチ操作による操作音に対して用いるべきフィルタとの関連付けが行われる。このような領域とフィルタとの関連付けを各領域51〜54のそれぞれについて行うことによって、各領域51〜54とフィルタとの関連付けを示すフィルタテーブルを作成することができる。本変形例では、このようにゲーム前にフィルタテーブルを作成し、作成されたフィルタテーブルを用いてゲーム中におけるゲーム処理を行う。以下、本変形例における処理の詳細を説明する。
【0106】
図11は、図9に示すゲーム処理の変形例における処理の流れを示すフローチャートである。本変形例では、図9に示すゲーム処理が開始されると、まず図11に示すステップS31〜S37の処理が実行され、その後、ステップS1以降の処理が実行される。なお、本変形例においてステップS1以降の処理は図9に示す処理と同様であるので、図11ではステップS1以降の処理を省略して記載している。
【0107】
図11においては、まずステップS30において、CPUコア21は、タッチパネル15の入力面上に設定される各領域51〜54のうち、ランダムに1つを選択する。このとき、以前に実行されたステップS30の処理においてすでに選択された領域が選択されないように、領域の選択が行われる。ステップS30の次にステップS31の処理が実行される。なお、上記ステップS30では各領域51〜54から1つの領域をランダムに選択しているが、他の実施形態においては所定の順番に沿って選択してもよい。
【0108】
ステップS31において、フィルタテーブルを設定するための設定用画像が各LCD11および12に表示される。図12は、設定用画像の一例を示す図である。図12に示すように、第2LCD12には、発射指示部45が所定の位置となるように操作オブジェクト42が配置された画像が設定用画像として表示される。ここで、所定の位置とは、直前のステップS30で選択された領域内の位置(例えば領域内の中心となる位置)である。なお、図12は、左下領域53が選択された場合に表示される設定用画像を示している。また、第1LCD11には、所定の位置に的41が配置された画像とともに、プレイヤに発射操作を促す画像(図では、「的をねらえ!」という文)81が設定用画像として表示される。設定用画像が表示されたことに応じて、プレイヤは、発射操作、すなわち、発射指示部45をタッチする操作を行う。ステップS31の次にステップS32の処理が実行される。
【0109】
ステップS32において、CPUコア21は、タッチパネル15から入力位置を取得する。ステップS32の処理は、上述したステップS2の処理と同じである。続くステップS33において、CPUコア21は、マイク33によって検出された音を取得する。ステップS33の処理は、上述したステップS3の処理と同じである。ステップS33の次にステップS34の処理が実行される。
【0110】
ステップS34において、CPUコア21は、ステップS2で取得された入力位置が発射指示領域内であるか否かを判定する。ステップS34の処理は、上述したステップS4の処理と同じである。ステップS34の判定結果が肯定である場合、ステップS35の処理が実行される。一方、ステップS34の判定結果が否定である場合、ステップS32の処理が再度実行される。つまり、CPUコア21は、ステップS31で設定用画像を表示した後、プレイヤが発射指示領域に対してタッチ操作を行った場合、ステップS35の処理を実行する。
【0111】
ステップS35において、CPUコア21は、ステップS33で検出された操作音に基づいて、ステップS30で選択された領域に対して関連付けるフィルタのフィルタ特性を決定する。例えば、フィルタ特性として通過帯域を決定する場合、フィルタの通過帯域は次のように決定することができる。すなわち、CPUコア21は、検出された操作音の周波数スペクトルを算出し、算出された周波数スペクトルにおいて、レベルが予め定められた所定値以上となる周波数帯域を特定する。そして、特定された周波数帯域を、フィルタの通過帯域として決定する。このように通過帯域が決定されたフィルタは、操作音の周波数成分を通過させ、他の周波数成分を除去するフィルタである。以上のステップS35によって、ステップS30で選択された領域に対してフィルタが関連付けられたこととなる。ステップS35の次にステップS36の処理が実行される。
【0112】
なお、上記ステップS35においては、各領域51〜54について一回ずつのみの入力から各領域に対して関連付けるフィルタの特性を決定しているが、他の実施形態においてはステップS30〜S34の処理を数回繰り返すことで各領域について複数の入力を得て、それら複数の入力から各領域に対して関連付けるフィルタの特性を決定するようにしてもよい。その場合、ステップS31において各領域の中心の位置だけを所定の位置(ユーザに対して指定する入力位置)として選ぶのではなく、領域内の複数の点について入力させるようにすることが好ましい。
【0113】
なお、上記ステップS35においては、領域51〜54毎に通過帯域の異なるフィルタを関連付けることを目的として、操作音に基づいてフィルタの通過帯域を決定することとした。ここで、他の実施形態においては、フィルタの通過帯域とともに、または、フィルタの通過帯域に代えて、フィルタのゲインを決定するようにしてもよい。具体的には、CPUコア21は、各領域において音量の算出結果が一定となるように、当該各領域に関連付けられるフィルタのゲインを決定する。また、ステップS35でフィルタのゲインを決定する場合には、CPUコア21は、各領域について同じ強さで(操作音が一定の音量となるように)タッチ操作を行うことをプレイヤに促す必要がある。例えば、CPUコア21は、ステップS31において、操作オブジェクト42と的41との距離が一定となるように設定用画像を表示すればよい。
【0114】
ステップS36において、CPUコア21は、ステップS35で関連付けられた領域とフィルタとの組をフィルタテーブルに設定する。すなわち、RAM24に記憶されているフィルタテーブルデータ64により示されるフィルタテーブルに、ステップS35で関連付けられた領域とフィルタとの組を追加する。RAM24には、当該組が追加されたフィルタテーブルを示すデータが新たなフィルタテーブルデータ64として記憶される。ステップS36の次にステップS37の処理が実行される。
【0115】
ステップS37において、CPUコア21は、タッチパネル15の入力面上に設定される全ての領域(各領域51〜54)についてフィルタが設定されたか否かを判定する。この判定は、上記フィルタテーブルデータ64を参照することによって行うことができる。ステップS37の判定結果が肯定である場合、CPUコア21は図11に示す処理を終了し、ステップS1の処理を実行する。一方、ステップS37の判定結果が否定である場合、CPUコア21は、ステップS30の処理を再度実行する。以降、各領域51〜54についてフィルタが設定されるまで、ステップS30〜S37の処理が繰り返し実行される。
【0116】
以上のステップS30〜S37の処理によって、各領域51〜54に対してフィルタが関連付けられたフィルタテーブルが作成される。なお、ステップS1以降における処理は、図9に示す処理と同様である。したがって、本変形例においては、音量算出処理のステップS22においては、上記ステップS30〜S37の処理によって作成されたフィルタテーブルを用いて使用フィルタが決定される。
【0117】
以上のように、本変形例によれば、ゲーム装置10は、プレイヤが実際に行ったタッチ操作による操作音に基づいてフィルタテーブルを決定する。これによれば、ハウジング13内の音響特性がゲーム装置の個体毎に異なり、検出される操作音が個体毎に異なる場合であっても、ゲーム装置の個体毎に適切なフィルタテーブルを作成することができる。なお、ゲームプログラムを記憶したメモリカード17に対応するゲーム装置が複数種類存在する場合、ハウジング13内の音響特性はゲーム装置の種類毎に異なると考えられる。このような場合であっても、本変形例によれば、ゲーム装置の種類に応じて適切なフィルタテーブルを作成することができる。
【0118】
また、叩く強さといった感覚的な操作についてはプレイヤごとに感じ方が異なる。例えば「強めに叩く」という指示に対して実際にプレイヤが行う操作はプレイヤごとに異なってくるため、プレイヤによっては、強めに叩いたつもりなのに弱めに叩いたときのゲーム処理が実行されてしまうといったことが起こる。本変形例によれば、各プレイヤが「強めに叩いた」と感じる操作のときに発生した音を、強めに叩いた時のゲーム処理が実行されるときの音に補正するフィルタと対応させて記憶させることによって、プレイヤの操作感に応じて適切なフィルタテーブルを作成することができる。
【0119】
また、他の実施形態においては、上記ステップS35においてフィルタのゲインを決定する場合、プレイヤのタッチ操作の強さに応じて、予め用意されたフィルタテーブルを補正するようにしてもよい。具体的にはステップS35において、CPUコア21は、上記実施形態の音量算出処理と同様の方法で、検出された操作音の音量をフィルタテーブルに基づいて算出し、弾43の飛距離を算出する。そして、算出された飛距離がステップS31で表示されている的41を超える場合、音量を算出するために用いたフィルタのゲインを小さくし、算出された飛距離がステップS31で表示されている的41に届かない場合、音量を算出するために用いたフィルタのゲインを大きくする。フィルタのゲインは、補正後のフィルタを用いて算出された飛距離が的41に命中する飛距離となるように補正される。
【0120】
以上のように、プレイヤのタッチ操作の強さ(操作音の音量)に応じて、予め用意されたフィルタテーブルを補正することによって、個々のプレイヤの操作に応じて適切なフィルタテーブルを作成することができる。すなわち、上記によれば、プレイヤが最初に行ったタッチ操作による操作音の音量が基準となり、その基準の音量が算出されるような強さでタッチ操作を行った場合に基準の飛距離(設定用画像における操作オブジェクト42から的41までの飛距離)となる。したがって、タッチ操作の強さと、その強さでタッチ操作を行ったときの弾43の飛距離との関係を、プレイヤに応じて適切に設定することができる。これによって、プレイヤは、タッチ操作による操作音を用いた指示をより正確に行うことができる。
【0121】
なお、上記変形例においては、CPUコア21は、プレイヤが実際に行ったタッチ操作による操作音に基づいてフィルタテーブルを決定した、すなわち、入力面上の領域とフィルタ特性とを関連付けたデータを記憶した。ここで、他の実施形態においては、CPUコア21は、ステップS35およびS36の処理に代えて、ステップS33で取得された音データをRAM24に記憶するようにしてもよい。つまり、入力面上の領域と操作音とを関連付けたデータを生成して記憶するようにしてもよい。この場合、ステップS3の後で実行される処理としては、例えば以下の処理が考えられる。すなわち、CPUコア21は、ステップS2で取得された入力位置を含む領域に関連付けられた音データにより示される操作音と、ステップS3で取得された操作音とを比較する。そして、比較結果を示す情報を特徴情報として算出する。この特徴情報を用いて、オブジェクトを動作させる処理等が行われる。
【0122】
(他のゲームに関する変形例)
上記実施形態においては、タッチ操作による入力位置と操作音とを用いたゲーム処理として、オブジェクトが弾を発射するゲーム処理をゲーム装置10が行う場合を例として説明した。つまり、上記実施形態におけるゲーム処理は、入力位置が所定の領域内であるか否かによって、オブジェクトに所定の動作(弾を発射する動作)を行わせるか否かを判定するとともに、オブジェクトに所定の動作を行わせる場合には当該所定の動作の内容(飛距離)を音量に基づいて決定するものであった。ここで、タッチ操作による入力位置と操作音とを用いたゲーム処理は、どのようなものであってもよい。以下、ゲーム処理の例を説明する。
【0123】
例えば、他のゲーム処理として、操作対象であるオブジェクトに対して設定される異なる2つのゲームパラメータを、それぞれ入力位置と音量とによって決定するゲーム処理が考えられる。このゲーム処理は、例えば以下に説明するビリヤードゲームにおけるゲーム処理である。図13は、このビリヤードにおいて表示されるゲーム画面の例を示す図である。このビリヤードゲームでは、ゲーム装置10のCPUコア21は、ビリヤードの玉82を横から見た画像を第2LCD12に表示させる。なお、第1LCD11には、ビリヤード台を上から見たゲーム画面が表示される。プレイヤは、玉82が表示されている領域に対してタッチ操作を行うことによって、玉82を突く指示を行う。このとき、玉82の回転方向(玉82を突く位置)は、入力位置に基づいて決定される。また、玉82の移動距離(玉82を突く強さ)は、音量に基づいて決定される。この場合、プレイヤは、1回のタッチ操作によって、操作対象(玉82)の動作に関する2つのゲームパラメータの一方(玉82を突く位置)を入力位置に基づいて決定し、他方(玉82を突く強さ)を音量に基づいて決定することができる。なお、図13においては、玉82の移動方向は、第1LCD11に表示される矢印の方向であり、例えば十字スイッチ14aに対する操作によって変更可能である。
【0124】
なお、上記実施形態におけるゲーム処理は、弾43と操作オブジェクト42とを別々のオブジェクトとみなせば、操作対象となるオブジェクト(弾43)を入力位置に基づいて特定するとともに、特定されたオブジェクトの動作内容(飛距離)を音量に基づいて決定する処理であるとも言える。つまり、本発明は、ゲーム空間に登場する複数のオブジェクトのうちから、操作対象とするオブジェクトを入力位置に基づいて決定し、決定されたオブジェクトの動作内容を音量に基づいて決定するゲーム処理を行う場合にも適用可能である。なお、上述したように、プレイヤがレール48をタッチした場合、操作オブジェクト42はタッチされた位置まで移動するが、このとき、当該タッチの操作音を検出して、その音の大きさにより、操作オブジェクト42が移動するスピードを変化させてもよい。この場合もは、図9のステップS5をステップS4の前の時点で処理し、ステップS8において、当該ステップS5にて算出された音量データを用いて、入力位置に向かって移動する速度を設定すればよい。また、操作オブジェクト42を複数表示し(オブジェクト位置データ69も操作オブジェクト毎にそれぞれ記憶する)、入力位置がどの操作オブジェクトの発射指示領域内であるかに応じて、該当する操作オブジェクト42から弾43が発射されるようにしてもよい。
【0125】
また、上記実施形態においては、ゲーム装置10は、第2LCDに表示された操作オブジェクト42に対して直接タッチ操作が行われたことに応じて、当該操作オブジェクト42に対して動作(弾43を発射させる動作)を行わせた。つまり、タッチ操作によって入力を行うオブジェクトと、そのタッチ操作による指示に従って動作を行うオブジェクトとは同じであった。ここで、他の実施形態では、タッチ操作によって入力を行うオブジェクトと、そのタッチ操作による指示に従って動作を行うオブジェクトとは、別であってもよい。例えば、操作対象となるオブジェクトに対応するボタンまたはアイコン等のオブジェクトが第2LCD12に表示される場合、ゲーム装置10は、ボタンまたはアイコン等のオブジェクトの表示位置に対してタッチ操作が行われたことに応じて、操作対象となるオブジェクトに動作を行わせるようにしてもよい。
【0126】
また、上記においては、ゲーム空間に登場するゲームオブジェクトを操作対象とし、当該オブジェクトに動作を行わせるためのゲーム処理を例として説明したが、本発明において操作対象となり得るものはゲームオブジェクトに限らない。他の実施形態においては、入力位置および音量に基づくゲーム処理は、ゲーム空間における位置に対して所定の効果を与えるゲーム処理(例えば、水面に対して波紋を生じさせるようなゲーム処理)であってもよい。具体的には、ゲーム装置10は、ゲーム空間における位置を入力位置に基づいて特定し、特定された位置のゲーム空間に対して与えるべき効果の内容を音量に基づいて決定する。すなわち、ゲーム装置10のCPUコア21は、第2LCD12に水面を表す画像を表示する。そして、水面が表示される領域に対してタッチ操作が行われた場合、CPUコア21は、入力位置を中心として、音量に応じた強さの波紋を発生させる。これによって、プレイヤは、タッチ操作により波紋の発生位置を指示するとともに、当該タッチ操作により波紋の強さ(波紋の拡がる面積)を指示することができる。また、上記波紋を生成するゲーム処理を応用して、ゲームオブジェクトを移動させるゲームを実行することも可能である。例えば、波紋が広がる方向に、波紋の強さに応じた移動量でゲームオブジェクトを移動させるようにすれば、波紋を生成するタッチ操作によってゲームオブジェクトを移動させるゲームを実行することができる。
【0127】
また、他の実施形態においては、タッチ操作の入力位置と、操作音とを用いたゲーム処理は、次のような処理であってもよい。すなわち、ゲーム処理は、操作音が予め定められた所定基準を満たすか否かを判定し、満たすと判定される場合に入力位置を用いた処理を実行するものであってもよい。具体的には、CPUコア21は、操作音の音量を算出し、音量が所定の基準音量よりも大きいか否かを判定する。そして、CPUコア21は、音量が所定の基準音量よりも大きい場合、入力位置に基づく処理(上記実施形態で言えば、例えば弾43を発射する処理)を実行する。なお、CPUコア21は、音量が所定の基準音量以下である場合、入力位置に基づく処理を実行しない。これによれば、ある程度の強さでタッチ操作を行わなければ入力位置に基づく処理が実行されないので、プレイヤの誤操作によって当該処理が実行されることを防止することができる。また、他の例では、操作音が所定基準を満たすか否かの判定処理は、操作音の波形(周波数スペクトルでもよい)と基準波形とを比較し、類似するか否かを判定する処理であってもよい。この場合、CPUコア21は、操作音の波形と基準波形とが類似している場合、入力位置に基づく処理を実行し、類似していない場合、入力位置に基づく処理を実行しない。このように、入力位置に基づく処理を行うか否かを判定するために操作音を用いるようにしてもよい。
【0128】
さらに、ゲーム処理において上記所定基準を用いる場合には、CPUコア21は、所定基準を満たすことの判定を、入力位置に応じて異なる基準値を用いて実行するようにしてもよい。例えば、操作音の音量が所定の基準音量よりも大きいか否かを判定する例で言えば、所定の基準音量の値として入力位置に応じて(例えば、上述した領域51〜54毎に)異なる値を用いるようにしてもよい。より具体的には、入力位置が、マイクの設置位置に相対的に近い位置である場合には相対的に大きな基準値を用い、マイクの設置位置から相対的に遠い位置である場合には相対的に小さな基準値を用いる。これによれば、マイクと入力位置との距離を考慮して、所定基準を満たすことの判定処理を正確に行うことができる。
【0129】
さらに、入力位置に応じて異なる基準値を用いる場合において、図11に示すステップS30〜S37の処理を行う場合には、例えば次のようにすればよい。すなわち、CPUコア21は、ステップS35において、ステップS33で検出された操作音に基づいて、ステップS30で選択された領域に対して関連付ける基準値を決定する。基準値は、例えば当該基準値が音量に関するものである場合、当該操作音の音量の所定割合(例えば80%)に設定されてもよい。続くステップS36において、CPUコア21は、ステップS35で関連付けられた領域と基準値との組をテーブルに設定する。これによって、ステップS2〜S11のゲーム処理では、設定されたテーブルを参照して入力位置から基準値を決めることができる。なお、他の例では、ステップS35およびS36の処理に代えて、ステップS33で取得された音データをRAM24に記憶するようにしてもよい。この場合、ステップS3の後で実行されるゲーム処理としては、例えば以下の処理が考えられる。すなわち、CPUコア21は、ステップS2で取得された入力位置を含む領域に関連付けられた音データから上記基準値を算出する。以上のようにして、ゲーム前にプレイヤに予め行わせるタッチ操作に基づいて基準値を算出することによって、入力位置に応じて異なる基準値を用いることができる。
【0130】
(操作音の特徴情報に関する変形例)
上記実施形態においては、ゲーム装置10は、タッチ操作による操作音をゲームの指示として用いるために、操作音の音量を算出し、算出された音量を用いてゲーム処理を実行した。ここで、入力装置とともにゲーム処理に用いられる入力情報は、操作音の音量に限らず、操作音に対して何らかの演算処理を行った結果であれば、どのようなものであってもよい。演算結果として得られる情報は、操作音の何らかの特徴を表す情報(特徴情報)である。操作音の特徴情報とは、例えば、上述した音量の他、操作音の音声信号の最大振幅、操作音のピーク周波数(操作音の周波数スペクトルにおいてレベルが最大となる周波数)、操作音の周波数帯域(操作音の周波数スペクトルにおいてレベルが所定値以上となる周波数帯域)、および操作音の波形と基準波形との類似度等を含む概念である。ゲーム装置10は、このような特徴情報に基づいて何らかのゲームパラメータを算出するゲーム処理を実行すればよい。
【0131】
ゲーム装置10は、操作音の特徴情報を算出することによって、タッチ操作による操作音の音の違いを識別することができる。したがって、タッチ操作により生じる操作音が異なる複数の入力器具(上記スタイラス)を用意しておけば、タッチ操作による操作音の音の違いを識別することによって、タッチ操作を行った入力器具の種類を識別することも可能である。例えば、操作音の周波数相対的に高い第1スタイラスと、操作音の周波数相対的に低い第2スタイラスとを用いる場合、ゲーム装置10は例えば以下の方法によってタッチ操作を行ったスタイラスの種類を識別することができる。すなわち、ゲーム装置10は、タッチ操作による操作音が検出された場合、操作音の特徴情報として、上記ピーク周波数を算出する。そして、上記ピーク周波数が所定の閾値よりも大きいか否かによって、タッチ操作を行ったスタイラスが第1スタイラスであるか第2スタイラスであるかを特定することができる。このとき、入力器具の識別方法としては、操作音の周波数帯域の異なるスタイラスを用意して、操作音の周波数帯域によって識別してもよいし、操作音の波形の異なるスタイラスを用意して、操作音の波形と基準波形との類似度よって識別してもよい。
【0132】
また、タッチ操作を行った入力器具の種類を特定する場合、ゲーム装置10は、操作対象のオブジェクトに行わせる動作の種類を入力器具の種類に応じて(換言すれば、上記特徴情報に応じて)決定するようにしてもよい。例えば、上記実施形態におけるゲームにおいて入力器具の種類を特定する場合、ゲーム装置10は、発射する弾の種類(弾による効果)を入力器具の種類に応じて変化させるようにしてもよい。また、上述した、ゲーム空間における位置に対して所定の効果を与えるゲーム処理においては、ゲーム装置10は、与えるべき効果の種類を入力器具の種類(特徴情報)に応じて決定するようにしてもよい。
すなわち、この変形例における発明は、以下の構成を有する。
・入力面に対して所定の操作具による入力操作が行われる入力装置とマイクとを備えるゲーム装置のコンピュータにおいて実行されるゲームプログラムであり、以下のステップをコンピュータに実行させる。
(1)前記入力操作についての前記入力面に対する入力位置を前記入力装置から取得する入力位置取得ステップ
(2)前記入力操作によって発生する操作音を前記マイクから取得する第1操作音取得ステップ
(3)前記第1操作音取得ステップによって取得された操作音が第1操作具による操作音か第2操作具による操作音かを判定する判定ステップ
(4)前記入力位置取得ステップによって取得された前記入力位置と前記判定ステップによる判定結果とを用いてゲーム処理を実行するゲーム処理ステップ
【0133】
(操作音に関する変形例)
なお、上記においては、操作音とは、タッチ操作の際にタッチパネル15と入力器具(スタイラス)とが接触する音であるとして説明を行ったが、操作音は、タッチ操作によって発生する音であればよい。例えば、入力器具がタッチ操作によって(入力装置自体が)音を発生する機構を有するものであれば、(接触音ではなく)入力器具自体が発生する音を操作音としてもよい。例えば、ハンマー型の入力器具であり、内部に空洞を有し蛇腹状に構成された頭部とその空洞から押し出される空気の流量に応じて特定の周波数の音を発生させる笛機構とを有する入力器具(いわゆるノックアウトハンマー、ピコピコハンマーとも言う)は、叩くとそれ自体が音を発生する。このような入力器具を用いる場合、ゲーム装置10は、(接触音ではなく)入力器具自体が発生する音を操作音として取得してもよい。このとき、ゲーム処理においては、接触音の周波数帯域ではなく、入力器具自体が発生する音の周波数帯域を通過帯域とするようなフィルタを用いてフィルタ処理が行われる。
【0134】
(操作音の取得に関する変形例)
上記実施形態においては、操作音を取得するために、タッチ操作が行われた時点でマイク33によって検出された音を取得するようにした。ここで、マイク33によって検出された音を操作音として取得するタイミングは、タッチ操作が行われた時点に基づいて決められるタイミングであればよく、タッチ操作と同時に検出された音である必要はない。例えば、タッチパネル15とマイク33との距離が離れている場合、または、ハウジング13内における反響音を操作音として検出する場合等には、タッチ操作が行われてから数フレーム時間後に検出された音を操作音として取得してもよい。さらに、他の実施形態においては、操作音を取得するタイミングを、入力位置に基づいて変化させてもよい。ゲーム装置10は、例えば、入力位置がマイクから所定距離内にある場合にはタッチ操作と同時に検出された音を操作音として取得し、入力位置がマイクから所定距離よりも離れた位置にある場合にはタッチ操作から所定フレーム時間後に検出された音を操作音として取得するようにしてもよい。
【0135】
(タッチパネルの数に関する変形例)
上記実施形態においては、ゲーム装置10はタッチパネル15を1つのみ備える構成であったが、他の実施形態においては、ゲーム装置10はタッチパネルを複数個備える構成であってもよい。具体的には、例えば、第1LCD11の画面上に透明のタッチパネルを装着するように構成してもよい。タッチパネルの仕様や配置などによっては、タッチパネルごとに異なる音が発生することがあるため、本願発明が有効である。タッチパネルを複数備える場合、ゲーム装置10は、入力位置に加えて、入力が行われたタッチパネルの種類(どのタッチパネルに対して入力が行われたか)に応じて、特徴情報を算出する処理の内容を変化させてもよい。例えば、入力が行われたタッチパネルの種類に基づいて使用フィルタを決定するようにしてもよいし、マイクに遠いタッチパネルほど操作音の音量を補正する量を大きくするようにしてもよい。また、ゲーム装置10がタッチパネルを複数個備える場合においては、操作音を取得するタイミングを、入力が行われたタッチパネルの種類に基づいて変化させてもよい。すなわち、ゲーム装置10は、マイクから所定距離内に配置されるタッチパネルに対して入力が行われた場合、タッチ操作と同時に検出された音を操作音として取得し、マイクから所定距離よりも離れた位置に配置されるタッチパネルに対して入力が行われた場合、タッチ操作から所定フレーム時間後に検出された音を操作音として取得するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0136】
以上のように、本発明は、タッチ操作によってより複雑な指示を行うこと等を目的として、例えばゲーム装置やゲームプログラムとして利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0137】
【図1】ゲーム装置10の外観図
【図2】ゲーム装置10の内部構成を示す図
【図3】各LCD11および12に表示されるゲーム画像の一例を示す図
【図4】タッチパネル15の各位置に対してタッチ操作を行った場合に検出された音(操作音)の周波数スペクトルを示す図
【図5】タッチパネル15の各領域とその領域で用いるべきフィルタとの対応関係の一例を示す図
【図6】タッチパネル15の各領域とその領域で用いるべきフィルタとの対応関係の他の例を示す図
【図7】ゲーム装置10のRAM24に記憶される主なデータを示す図
【図8】フィルタテーブルの一例を示す図
【図9】ゲーム装置10において実行されるゲーム処理の流れを示すフローチャート
【図10】図9に示す音量算出処理(ステップS5)の詳細を示すフローチャート
【図11】図9に示すゲーム処理の変形例における処理の流れを示すフローチャート
【図12】設定用画像の一例を示す図
【図13】他のゲーム例において表示されるゲーム画面の例を示す図
【符号の説明】
【0138】
10 ゲーム装置
11 第1LCD
12 第2LCD
15 タッチパネル
17 メモリカード
21 CPUコア
24 RAM
33 マイク
42 操作オブジェクト
43 弾
60 ゲームプログラム
61 入力位置データ
62 検出音データ
67 音量データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力面に対して入力操作が行われる入力装置とマイクとを備えるゲーム装置のコンピュータにおいて実行されるゲームプログラムであって、
前記入力操作が行われた入力位置を前記入力装置から取得する入力位置取得ステップと、
前記入力操作によって発生する操作音を前記マイクから取得する第1操作音取得ステップと、
前記入力位置取得ステップによって取得された前記入力位置と前記第1操作音取得ステップによって取得された操作音とを用いてゲーム処理を実行するゲーム処理ステップとを、前記コンピュータに実行させるゲームプログラム。
【請求項2】
前記第1操作音取得ステップによって取得された操作音に対して所定の算出処理を行うことによって前記操作音の特徴を示す特徴情報を算出する特徴情報算出ステップを、前記コンピュータにさらに実行させ、
前記ゲーム処理ステップにおいて、前記コンピュータは、前記入力位置取得ステップによって取得された前記入力位置と前記特徴情報とを用いてゲーム処理を実行し、
前記特徴情報算出ステップにおいて、前記コンピュータは、前記算出処理の内容を前記入力位置取得ステップによって取得された前記入力位置に基づいて変化させる、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記特徴情報算出ステップは、
前記算出処理において用いるべきフィルタの特性を前記入力位置に基づいて決定するフィルタ決定ステップと、
前記決定されたフィルタ特性を用いて前記操作音の信号に対してフィルタ処理を行うフィルタ処理ステップと、
前記フィルタ処理が行われた操作音から前記特徴情報を算出する特徴算出ステップとを含む、請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記フィルタ決定ステップにおいて、前記コンピュータは、用いるべきフィルタの通過周波数帯域を前記入力位置に基づいて決定する、請求項3に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記特徴情報算出ステップは、
前記操作音の信号を増幅する割合を前記入力位置に基づいて決定する割合決定ステップと、
前記決定された割合で前記操作音の信号を増幅する処理を行う増幅処理ステップと、
前記増幅する処理が行われた操作音から前記特徴情報として操作音の音量を算出する特徴算出ステップとを含む、請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記入力面に対する入力操作をユーザに指示する指示ステップと、
前記入力面のうちの予め定められた所定領域内の位置に対して前記指示ステップによる指示に応じて行われた入力操作によって発生する操作音を前記マイクから取得する第2操作音取得ステップと、
前記所定領域内の位置に対して入力操作が行われた場合に実行されるべき前記算出処理の処理内容を、前記第2操作音取得ステップにおいて取得された操作音に基づいて決定する処理決定ステップと、
前記所定領域と前記決定された処理内容とを関連付けた関連付けデータを生成して記憶する記憶ステップとを前記コンピュータにさらに実行させ、
前記特徴情報算出ステップにおいて、前記コンピュータは、前記入力位置が前記所定領域内である場合、前記関連付けデータにおいて当該所定領域に関連付けられている処理内容で前記算出処理を実行する、請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記入力面に対する入力操作をユーザに指示する指示ステップと、
前記入力面のうちの予め定められた所定領域内の位置に対して前記指示ステップによる指示に応じて行われた入力操作によって発生する操作音を前記マイクから取得する第2操作音取得ステップと、
前記所定領域と前記第2操作音取得ステップで取得された操作音とを関連付けた関連付けデータを生成して記憶する記憶ステップとを前記コンピュータにさらに実行させ、
前記特徴情報算出ステップにおいて、前記コンピュータは、前記入力位置が前記所定領域内である場合、前記関連付けデータにおいて当該所定領域に関連付けられている操作音を選択し、選択された操作音と、前記第1操作音取得ステップによって取得された操作音とを比較する処理を前記算出処理として実行する、請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記ゲーム処理ステップにおいて、前記コンピュータは、前記第1操作音取得ステップによって取得された操作音が所定基準を満たすことを判定し、所定基準を満たすときに前記入力位置取得ステップによって取得された入力位置を用いたゲーム処理を実行し、
前記所定基準を満たすことの判定は、前記入力位置取得ステップによって取得された入力位置に応じて異なる基準値を用いて行われる、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
前記入力面に対する入力操作をユーザに指示する指示ステップと、
前記入力面のうちの予め定められた所定領域内の位置に対して前記指示ステップによる指示に応じて行われた入力操作によって発生する操作音を前記マイクから取得する第2操作音取得ステップと、
前記所定領域内の位置に対して入力操作が行われた場合に判定に用いられるべき前記基準値を、前記第2操作音取得ステップにおいて取得された操作音に基づいて決定する基準値決定ステップと、
前記所定領域と前記基準値決定ステップで決定された基準値とを関連付けた関連付けデータを生成して記憶する記憶ステップとを前記コンピュータにさらに実行させ、
前記ゲーム処理ステップにおいて、前記コンピュータは、前記入力位置が前記所定領域内である場合、前記関連付けデータにおいて当該所定領域に関連付けられている基準値を用いる、請求項8に記載のゲームプログラム。
【請求項10】
前記第1操作音取得ステップによって取得された操作音に対して所定の算出処理を行うことによって前記操作音の特徴を示す特徴情報を算出する特徴情報算出ステップを、前記コンピュータにさらに実行させ、
前記特徴情報算出ステップは、
所定の算出処理を行うことによって前記操作音の特徴を示す特徴情報を算出する基本ステップと、
前記特徴情報を前記入力位置に基づいて補正する補正ステップとを含む、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項11】
前記基本ステップにおいて、前記コンピュータは、前記特徴情報として操作音の音量を算出する、請求項10に記載のゲームプログラム。
【請求項12】
前記ゲーム処理ステップにおいて、前記コンピュータは、前記入力位置取得ステップによって取得された前記入力位置および前記第1操作音取得ステップによって取得された操作音に基づいて、操作対象のオブジェクトに動作を行わせるゲーム処理を実行する、請求項1、請求項2、および請求項10のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項13】
前記入力装置は、所定のゲーム画像を表示する表示画面上に入力面が設定され、
前記ゲームプログラムは、第1オブジェクトを前記表示画面上に表示するオブジェクト表示ステップを前記コンピュータにさらに実行させ、
前記ゲーム処理ステップは、
前記入力位置取得ステップによって取得された入力位置と前記第1オブジェクトの表示位置が所定の関係を満たすときに、前記第1オブジェクトと同じまたは異なる第2オブジェクトに前記所定の動作をさせるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより動作をさせると判定されたときに、前記第1操作音取得ステップによって取得された操作音に応じた動作を前記第2オブジェクトに行わせる動作制御ステップとをさらに含む、請求項12に記載のゲームプログラム。
【請求項14】
前記入力装置は、所定のゲーム画像を表示する表示画面上に入力面が設定され、
前記ゲームプログラムは、第1オブジェクトを前記表示画面上に表示するオブジェクト表示ステップを前記コンピュータにさらに実行させ、
前記ゲーム処理ステップは、
前記入力位置取得ステップによって取得された入力位置と前記第1オブジェクトの表示位置が所定の関係を満たすときに、前記第1オブジェクトと同じまたは異なる第2オブジェクトを特定するオブジェクト特定ステップと、
前記オブジェクト特定ステップにより特定された前記第2オブジェクトに、前記第1操作音取得ステップによって取得された操作音に応じた動作を行わせる動作制御ステップとをさらに含む、請求項12に記載のゲームプログラム。
【請求項15】
前記入力装置は、所定のゲーム画像を表示する表示画面上に入力面が設定され、
前記ゲームプログラムは、操作対象となるオブジェクトを前記表示画面上に表示するオブジェクト表示ステップを前記コンピュータにさらに実行させ、
前記ゲーム処理ステップは、
前記オブジェクトの所定の動作に関する第1のゲームパラメータの値を前記入力位置に基づいて決定する第1パラメータ決定ステップと、
前記第1のゲームパラメータとは異なるパラメータであって、前記オブジェクトの動作に関する第2のゲームパラメータの値を前記第1操作音取得ステップによって取得された操作音に基づいて決定する第2パラメータ決定ステップとを含む、請求項12に記載のゲームプログラム。
【請求項16】
前記ゲーム処理ステップにおいて、前記コンピュータは、前記オブジェクトの動作量を前記操作音の音量に基づいて決定する、請求項13から請求項15のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項17】
前記ゲーム処理ステップにおいて、前記コンピュータは、前記オブジェクトの動作の種類を前記第1操作音取得ステップによって取得された操作音に基づいて決定する、請求項13から請求項15のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項18】
前記ゲーム処理ステップにおいて、前記コンピュータは、ゲーム空間における位置を前記入力位置に基づいて特定し、特定された位置のゲーム空間に対して与えるべき効果の内容を前記第1操作音取得ステップによって取得された操作音に基づいて決定する、請求項1、請求項2、および請求項10のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項19】
前記ゲーム処理ステップにおいて、前記コンピュータは、前記効果の度合を前記操作音の音量に基づいて決定する、請求項18に記載のゲームプログラム。
【請求項20】
前記ゲーム処理ステップにおいて、前記コンピュータは、前記効果の種類を前記第1操作音取得ステップによって取得された操作音に基づいて決定する、請求項18に記載のゲームプログラム。
【請求項21】
前記第1操作音取得ステップは、
前記入力面に対する入力が行われたことを検出する検出ステップと、
前記検出ステップによる検出があった時点に基づいたタイミングで前記マイクによって検出される音を前記操作音として取得する取得実行ステップとを含む、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項22】
入力面に対して入力が行われた入力位置を検出する入力位置検出手段と、
前記入力面に対する入力操作によって発生する操作音を検出する操作音検出手段と、
前記入力位置と前記操作音検出手段によって取得された操作音とを用いてゲーム処理を実行するゲーム処理実行手段とを備える、ゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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