説明

ゲーム制御プログラム

【課題】ベットゲームに新たな面白みを付加する。
【解決手段】プレイヤからの入力指示を受け付け、プレイヤからの入力指示に基づいて出走オブジェクトおよびベット遊技価値量を指定した複数段階の抽選に対するベットを受け付け、ベット遊技価値量に応じたレベルまで現在のレベルからレベルアップを行い、現在のレベルから目標レベルを決定し、現在のレベルから目標レベルまでレベルアップするのに必要な必要遊技価値量を計算し、ベット遊技価値量からレベルアップに必要な必要遊技価値量を差し引いた現ベット遊技価値量を必要遊技価値量で割った確率で抽選を行い、当選した場合に現在のレベルを目標レベルまでレベルアップし、各出走オブジェクトに定められたレース着順確率に基づいて各出走オブジェクトのレース着順を抽選し、プレイヤが指定した出走オブジェクトのレース着順に基づいて現在のレベルに設定されたレベル別賞金をプレイヤに払い出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レース結果に対してベット(賭け)を行う機能を有するゲーム装置の制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータシミュレーションによる競馬レースに対してベットを行うアーケード型のゲーム装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この種のゲーム装置では、オッズ(当たった場合の配当を賭け金に対する倍率で表したもの)に基づいたメダル等による賞金の払い出しを行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−93744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、従来のゲーム装置では、オッズに基づいたメダル等による賞金の払い出しを原則としているため、大当たりとなった場合でも取得できるメダル枚数に限界があり、物足りなさを感じるプレイヤが存在するという問題があった。
【0006】
本発明は上記の従来の問題点に鑑み提案されたものであり、その目的とするところは、ベットゲームに新たな面白みを付加することのできるゲーム制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明にあっては、請求項1に記載されるように、レース結果に対してベットを行う機能を有したゲーム制御プログラムであって、ゲーム装置を構成するコンピュータを、プレイヤからの入力指示を受け付ける手段、前記プレイヤからの入力指示に基づいて、出走オブジェクトおよびベット遊技価値量を指定した、賞金額のレベルアップを目的とした第1の抽選と、各出走オブジェクトにレース着順確率が定められ、当該確率に基づいて各出走オブジェクトのレース着順を抽選する第2の抽選とを含む複数段階の抽選に対するベットを受け付ける手段、前記ベット遊技価値量に応じたレベルまで現在のレベルからレベルアップを行う手段、現在のレベルから目標レベルを決定する手段、現在のレベルから前記目標レベルまでレベルアップするのに必要な必要遊技価値量を計算する手段、前記ベット遊技価値量からレベルアップに必要な必要遊技価値量を差し引いた現ベット遊技価値量を前記必要遊技価値量で割った確率で抽選を行い、当選した場合に現在のレベルを前記目標レベルまでレベルアップする手段、各出走オブジェクトに定められたレース着順確率に基づいて各出走オブジェクトのレース着順を抽選する手段、前記プレイヤが指定した出走オブジェクトのレース着順に基づいて、前記現在のレベルに設定されたレベル別賞金を前記プレイヤに払い出す手段として機能させるゲーム制御プログラムを要旨としている。
【0008】
また、請求項2に記載されるように、請求項1に記載のゲーム制御プログラムであって、前記現在のレベルから目標レベルを決定する手段は、現在のレベルと目標レベルとの組み合わせに対し抽選確率が設定された振り分けテーブルに基づいて抽選を行うことで目標レベルを決定するようにすることができる。
【0009】
また、請求項3に記載されるように、請求項1または2のいずれか一項に記載のゲーム制御プログラムであって、前記必要遊技価値量を計算する手段は、前記プレイヤが指定した出走オブジェクトに対応するレース着順確率およびレベル別賞金から前記必要遊技価値量を計算するようにすることができる。
【0010】
また、請求項4に記載されるように、レース結果に対してベットを行う機能を有したゲーム装置であって、プレイヤからの入力指示を受け付ける手段と、前記プレイヤからの入力指示に基づいて、出走オブジェクトおよびベット遊技価値量を指定した、賞金額のレベルアップを目的とした第1の抽選と、各出走オブジェクトにレース着順確率が定められ、当該確率に基づいて各出走オブジェクトのレース着順を抽選する第2の抽選とを含む複数段階の抽選に対するベットを受け付ける手段と、前記ベット遊技価値量に応じたレベルまで現在のレベルからレベルアップを行う手段と、現在のレベルから目標レベルを決定する手段と、現在のレベルから前記目標レベルまでレベルアップするのに必要な必要遊技価値量を計算する手段と、前記ベット遊技価値量からレベルアップに必要な必要遊技価値量を差し引いた現ベット遊技価値量を前記必要遊技価値量で割った確率で抽選を行い、当選した場合に現在のレベルを前記目標レベルまでレベルアップする手段と、各出走オブジェクトに定められたレース着順確率に基づいて各出走オブジェクトのレース着順を抽選する手段と、前記プレイヤが指定した出走オブジェクトのレース着順に基づいて、前記現在のレベルに設定されたレベル別賞金を前記プレイヤに払い出す手段とを備えるゲーム装置として構成することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明のゲーム制御プログラムにあっては、通常のベットに加え、レース結果に対する賞金額のレベルアップを図る事前の抽選を行うことで、ベットゲームに新たな面白みを付加することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態にかかるゲーム装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図2】ゲーム装置の機能ブロック構成例を示す図である。
【図3】ベットゲームの処理例を示すフローチャートである。
【図4】メイン装置から取得されるデータの例を示す図(その1)である。
【図5】メイン装置から取得されるデータの例を示す図(その2)である。
【図6】ベット操作を行う画面の例を示す図(その1)である。
【図7】ベット操作を行う画面の例を示す図(その2)である。
【図8】通常ベット受付処理の例を示すフローチャートである。
【図9】タイル受付処理の例を示すフローチャートである。
【図10】ベット操作を行う画面の例を示す図(その3)である。
【図11】ベット操作を行う画面の例を示す図(その4)である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施形態につき説明する。なお、競馬ゲームを対象とし、遊戯価値としてメダルを用いる場合について説明するが、他の形態のゲームに適用できることはいうまでもない。
【0014】
<構成>
図1は本発明の一実施形態にかかるゲーム装置のハードウェア構成例を示す図である。
【0015】
図1において、ゲーム装置(ゲームシステム)は、メイン装置1と、このメイン装置1に接続された複数のサテライト装置2とから構成されている。サテライト装置2には、プレイヤの所持するICカード(3)がセット可能となっている。
【0016】
メイン装置1は、メインゲームボード11と、このメインゲームボード11に接続された大型ディスプレイ12、スピーカ13およびネットワークハブ14とを備えている。
【0017】
サテライト装置2は、ゲームボード21と、このゲームボード21に接続されたモニタ22、タッチパネル23、カードリーダ/ライタ24、メダル機構25およびスピーカ26とを備えている。各サテライト装置2のゲームボード21は、メイン装置1のネットワークハブ14に接続される。
【0018】
図2はゲーム装置の機能ブロック構成例を示す図である。
【0019】
図2において、メイン装置1は、主にソフトウェア(コンピュータプログラム)により実現されるメイン・ゲーム制御部101と、ネットワークインタフェースとなってネットワークハブ14に接続される通信処理部117と、各種データベース等121〜124とを備えている。
【0020】
メイン・ゲーム制御部101は、サテライト装置2を管理するサテライト管理部102と、レース結果に対する投票によるベットゲームを管理するベットゲーム管理部103と、競走馬や騎手を所有するオーナーゲームを管理するオーナーゲーム管理部106とを備えている。また、メイン・ゲーム制御部101は、大型ディスプレイ12への映像出力を制御する映像出力部115と、スピーカ13への音声出力を制御する音声出力部116とを備えている。
【0021】
ベットゲーム管理部103は、単勝、複勝、枠連、馬連、ワイド、馬単、3連複、ライド、サイド等の通常のベットゲームを管理する通常ベット管理部104と、複数段階抽選によるタイルと呼ばれるベットゲームを管理するタイル管理部105とを備えている。
【0022】
オーナーゲーム管理部106は、競走馬の調教、飼葉、レースへの出走登録等を行う競走馬モード管理部107と、騎手の募集、調整等を行う騎手モード管理部111と、厩舎情報やランキング等の確認を行う厩舎モード管理部112と、競走馬の生産や入厩等を行う牧場モード管理部113と、トレセン(トレーニングセンタ)における自動育成の状況の確認や自動育成の中断等を行うトレセンモード管理部114とを備えている。
【0023】
サテライト対応表121は、「サテライトID」「カードID」「不在フラグ」「クレジット」等の項目を有している。「サテライトID」は、サテライト装置2を識別する情報である。「カードID」は、ICカード3を識別する情報である。「不在フラグ」は、該当するサテライト装置2がプレイヤ不在であるか否かを示す情報である。「クレジット」は、該当するサテライト装置2に投入されているメダル枚数を示す情報である。
【0024】
競走馬データベース122は、「馬種別」「カードID」「馬ID」「厩舎ID」「馬データ」「トレセンデータ」「出走フラグ」「レースID」等の項目を有している。「馬種別」は、プレイヤ(ユーザ)の所有する「ユーザ馬」やシステム(CPU)側の「CPU馬」等の該当する競走馬の種類を示す情報である。「カードID」は、「馬種別」が「ユーザ馬」である場合の、当該競走馬を所有するプレイヤのICカード3を識別する情報である。「馬ID」は、競走馬を識別する情報である。「厩舎ID」は、該当する競走馬の所属する厩舎を識別する情報である。「馬データ」は、該当する競走馬の寿命や能力等の特性を示す情報である。「トレセンデータ」は、自動育成の種類、期間、開始時期等のトレセンの詳細を示す情報である。「出走フラグ」は、該当する競走馬がレースへ出走登録がされているか否かを示す情報である。「レースID」は、「出走フラグ」がオンの場合に出走登録されているレースを識別する情報である。
【0025】
騎手データベース123は、「騎手種別」「カードID」「騎手ID」「厩舎ID」「騎手データ」「出走フラグ」「レースID」等の項目を有している。「騎手種別」は、プレイヤ(ユーザ)の所有する「ユーザ騎手」やシステム(CPU)側の「CPU騎手」等の該当する騎手の種類を示す情報である。「カードID」は、「騎手種別」が「ユーザ騎手」である場合の、当該騎手を所有するプレイヤのICカード3を識別する情報である。「騎手ID」は、騎手を識別する情報である。「厩舎ID」は、該当する騎手の所属する厩舎を識別する情報である。「騎手データ」は、該当する騎手の寿命や能力等の特性を示す情報である。「出走フラグ」は、該当する騎手がレースへ出走登録がされているか否かを示す情報である。「レースID」は、「出走フラグ」がオンの場合に出走登録されているレースを識別する情報である。
【0026】
レース出走表124は、「レースID」「馬ID」「馬所有サテライトID」「騎手ID」「騎手所有サテライトID」等の項目を有している。「レースID」は、レースを識別する情報である。「馬ID」は、該当するレースに出走登録されている競走馬を識別する情報である。「馬所有サテライトID」は、該当する競走馬を所有するプレイヤが使用しているサテライト装置2を識別する情報である。「騎手ID」は、該当するレースに出走登録されている騎手を識別する情報である。「騎手所有サテライトID」は、該当する騎手を所有するプレイヤが使用しているサテライト装置2を識別する情報である。
【0027】
一方、サテライト装置2は、主にソフトウェアにより実現され、モニタ22、タッチパネル23、カードリーダ/ライタ24、メダル機構25およびスピーカ26を制御するサテライト・ゲーム制御部201と、ネットワークインタフェースとなる通信処理部218とを備えている。
【0028】
サテライト・ゲーム制御部201は、カードリーダ/ライタ24へのICカード3の挿入検出およびデータの読み込み/書き込みの制御を行うカードデータ入出力制御部202と、タッチパネル23の押圧位置からプレイヤの入力指示を受け付ける入力指示受付部203とを備えている。また、サテライト・ゲーム制御部201は、モニタ22への映像出力を制御する映像出力部204と、スピーカ26への音声出力を制御する音声出力部205と、メダル機構25へのメダルの投入を検出する投入メダル検出部206と、メダル機構25からのメダルの払い出しを制御するメダル払い出し制御部207とを備えている。
【0029】
更に、サテライト・ゲーム制御部201は、ICカード3のカードリーダ/ライタ24への挿入によるログイン処理を行うログイン処理部208と、レース結果に対する投票によるベットゲームを管理するベットゲーム管理部209と、競走馬や騎手を所有するオーナーゲームを管理するオーナーゲーム管理部212とを備えている。ベットゲーム管理部209およびオーナーゲーム管理部212は、サテライト装置2側で行える処理は自律的に行い、必要に応じてメイン装置1のベットゲーム管理部103およびオーナーゲーム管理部106とそれぞれ通信を行って必要なデータの取得および状態の通知等を行う。
【0030】
ベットゲーム管理部209は、単勝、複勝、枠連、馬連、ワイド、馬単、3連複、ライド、サイド等の通常のベットゲームを管理する通常ベット管理部210と、複数段階抽選によるタイルのベットゲームを管理するタイル管理部211とを備えている。ここで、複数段階抽選とは、出走オブジェクトおよびベット遊技価値量を指定した、賞金額のレベルアップを目的とした第1の抽選(レベルアップのためのベットが有効か否かの抽選)と、各出走オブジェクトにレース着順確率が定められ、当該確率に基づいて各出走オブジェクトのレース着順を抽選する第2の抽選とを含む抽選である。後述する具体例では第1の抽選と第2の抽選のみからなる2段階抽選について説明するが、3段階以上の抽選としてもよいことは言うまでもない。
【0031】
オーナーゲーム管理部212は、競走馬の調教、飼葉、レースへの出走登録等を行う競走馬モード管理部213と、騎手の募集、調整等を行う騎手モード管理部214と、厩舎情報やランキング等の確認を行う厩舎モード管理部215と、競走馬の生産や入厩等を行う牧場モード管理部216と、トレセンにおける自動育成の状況の確認や自動育成の中断等を行うトレセンモード管理部217とを備えている。
【0032】
ICカード3には、「カードID」「暗証番号」「厩舎データ」「所有馬データ」「所属騎手データ」等の情報が含まれている。「カードID」は、ICカード3、ひいては当該ICカード3を所有するプレイヤを識別する情報である。「暗証番号」は、ログイン時に認証を行うための秘密の情報である。「厩舎データ」は、当該ICカード3を所有するプレイヤが所有する厩舎に関する詳細情報である。「所有馬データ」は、当該ICカード3を所有するプレイヤが所有する競走馬に関する詳細情報である。「所属騎手データ」は、当該ICカード3を所有するプレイヤが所有する騎手に関する詳細情報である。
【0033】
<動作>
図3はベットゲームの処理例を示すフローチャートである。
【0034】
図3において、サテライト装置2におけるサテライト・ゲーム制御部201のベットゲーム管理部209は、メイン装置1から必要データの取得を行う(ステップS101)。すなわち、レースに出走する競走馬の各々についてのオッズ等のほか、複数段階抽選によるタイルのためのレベル別賞金、1〜3着確率、振り分けテーブル等のデータを取得する。オッズおよび1〜3着確率は、メイン装置1におけるメイン・ゲーム制御部101のベットゲーム管理部103により、レース出走表124、競走馬データベース122および騎手データベース123のデータから所定のルールに基づいて計算される。
【0035】
図4(a)はタイルのレベル別賞金のデータ例を示しており、レベルLv.0〜Lv.8に対して1〜3着賞金が設定されている。賞金は払い出すメダル枚数を示している。タイルのレベル別賞金には、競走馬のオッズやレース着順確率やベット枚数に関わらず、同一の賞金(レベル別賞金)が設定されている。図4(b)は1〜3着確率のデータ例を示しており、競走馬の番号に対して1〜3着確率が設定されている。図5は振り分けテーブルのデータ例を示しており、現在のレベルと目標のレベルとの組み合わせに対する抽選確率が設定されている。これらのデータはサテライト装置2内においてメモリ等の記憶媒体上に保持される。
【0036】
図3に戻り、サテライト装置2のベットゲーム管理部209は、ベット可能な時間を管理するベット時間タイマーをオンとし(ステップS102)、ベットを受け付ける画面を有効化する(ステップS103)。すなわち、映像出力部204を介してモニタ22にベット画面を表示する。この情報画面から特定の競走馬がタッチパネル等で選択入力されたと判断すると、当該競走馬へのベット操作となる。
【0037】
図6はベット操作を行う画面の例を示す図であり、デフォルトとして表示される単勝・複勝のベット操作を行う画面例である。領域A1には、馬名欄、成績欄、単勝欄、複勝欄等が設けられている。画面下部の領域A2には、賭け方を選択するボタンが表示されており、対応するページに移行する。この画面では個々の競走馬に単勝または複勝のベットを行い、競走馬ごとに累積ベット枚数を表示するようになっている。ベット操作は、図6の左から3列目の単勝欄あるいは4列目の複勝欄のオッズが記載された部分をタッチすることによって行われ、その右隣の枠内にベット累積枚数が表示される。1回のベット操作でベットされるメダル枚数はベット単位により決まる。ベット単位は、複勝欄の上にある「ベット単位」ボタンのタッチ入力により、1→5→10→20→50→100→1というようなループ方式で変更される。
【0038】
図6の領域A2から「タイル」ボタンをタッチすることで、図7に示す画面が表示される。図7では、領域A3にタイルが表示されている。領域A3のタイルには、領域A1で選択された競走馬に対して、当該競走馬に対応したタイル、馬名、人気順、単勝オッズ、賞金額リスト(1〜3着に入った場合のレベル毎の賞金額が)および「BET」ボタンなどが表示されている。なお、このタイルベットは、1頭の競走馬に対してだけではなく、枠や馬連、ワイドなどにも対応することが可能である。
【0039】
選択された競走馬の賞金額リストにおける初期状態はレベル0であり、いずれのレベルも選択されていない。「BET」ボタンをタッチすることでベット操作が行われ、後述する抽選処理が行われ、当選することで賞金額がレベルアップしていく。タイル方式によるベット枚数は、上述したベット単位の数と同一である。従って、図7に示したベット操作画面(情報画面)の右上部分の「ベット単位」ボタンの表示数と、タイル下部分の「BET」ボタンの枚数は同一となる。つまり、画面右上部分のベット単位の数を50に変更すると、タイル下部分のベット枚数表示も50BETに変更される。なお、このベット操作はキャンセルできない。キャンセルを不可としている理由は、1回のベット操作ごとに第1段階の抽選を行っており、キャンセルができるとすると、第1段階の抽選を何度もやり直すことができてしまうからである。
【0040】
図3に戻り、サテライト装置2のベットゲーム管理部209は、タッチパネル23から入力指示受付部203を介して賭け方の選択を受け付ける(ステップS104)。賭け方としては、ここでは、単勝、複勝、枠連、馬連、ワイド、馬単、3連複、ライド、サイドもしくはタイルのいずれかとしている。
【0041】
次いで、サテライト装置2のベットゲーム管理部209は、受け付けた賭け方について判断し(ステップS105)、賭け方がタイル以外である場合は通常ベット受付処理(ステップS106)に移行し、賭け方がタイルである場合はタイル受付処理(ステップS107)に移行する。それぞれの処理の詳細については後述する。
【0042】
次いで、通常ベット受付処理(ステップS106)もしくはタイル受付処理(ステップS107)が終了した後、サテライト装置2のベットゲーム管理部209は、ベット時間タイマーがタイムアップしたか否かによりベット時間が終了したかどうか判断する(ステップS108)。
【0043】
そして、ベット時間が終了していない場合(ステップS108のNO)、賭け方の選択の受付(ステップS104)に戻り、同様の処理を繰り返す。
【0044】
ベット時間が終了した場合(ステップS108のYES)、サテライト装置2のベットゲーム管理部209は、メイン装置1へプレイヤによるベット内容を通知する(ステップS109)。これにより、レース時間がスタートする。レースが終了した時点で、ベット内容に基づいてメダルの払い出しが行われる。
【0045】
図8は通常ベット受付処理(図3のステップS106)の例を示すフローチャートであり、単勝・複勝の場合についての処理例である。
【0046】
図8において、処理を開始すると(ステップS111)、ベット操作の入力があったか否か判断し(ステップS112)、ベット操作の入力がなかった場合(ステップS112のNO)は処理を終了する(ステップS118)。
【0047】
一方、ベット操作の入力があった場合(ステップS112のYES)、クレジットがベット単位以上あるか否か判断し(ステップS113)、クレジットがベット単位以上でない場合(ステップS113のNO)、メダル投入指示の表示をモニタ22に行い(ステップS114)、処理を終了する(ステップS118)。
【0048】
また、クレジットがベット単位以上である場合(ステップS113のYES)、ベットを受け付け(ステップS115)、クレジットをベット単位分減算し(ステップS116)、ベット枚数の表示を変更し(ステップS117)、処理を終了する(ステップS118)。
【0049】
図9はタイル受付処理(図3のステップS107)の例を示すフローチャートである。
【0050】
図9において、処理を開始すると(ステップS121)、現在のレベルから1レベルアップに必要なメダル枚数(必要枚数)を、1〜3着確率とレベル別賞金から計算する(ステップS122)。例えば、現在のレベルがLv.0であるとし、1番の競走馬を対象とした場合、図4(a)のレベル別賞金と(b)の1〜3着確率から、
100枚×40%+30枚×30%+10枚×20%=51枚
となる。
【0051】
次いで、図9に戻り、ベット枚数>必要枚数であるか否か判断する(ステップS123)。
【0052】
図9に戻り、ベット枚数>必要枚数である場合(ステップS123のYES)、現在のレベルから1レベルアップし(ステップS124)、[ベット枚数−必要枚数]を新たなベット枚数としてセットし(ステップS125)、必要枚数の計算(ステップS122)に戻る。図10は、領域A3のタイルにおいてレベルLv.1の「100 30 10」にレベルアップした状態を示している。現在のレベルに対応するレベル別賞金の枠が目立つ色の表示となり、矢印等も付される。
【0053】
図9に戻り、ベット枚数>必要枚数でない場合(ステップS123のNO)、現在のレベルから、振り分けテーブルにより目標レベルを抽選し、目標レベルにセットする(ステップS126)。例えば、現在のレベルがLv.1であるとすると、図5の振り分けテーブルから、Lv.2〜Lv.8への抽選確率は14.29%となっており、これらの確率で抽選を行った結果のレベルが目標レベルにセットされる。
【0054】
次いで、図9に戻り、現在のレベルから目標レベルへのレベルアップに必要なメダル枚数(必要枚数)を、1〜3着確率とレベル別賞金から計算する(ステップS127)。例えば、現在のレベルがLv.1で目標レベルがLv.8であるとし、1番の競走馬を対象とした場合、図4(a)のレベル別賞金と(b)の1〜3着確率から、
(10000−100)枚×40%+(2000−30)枚×30%
+(500−10)枚×20%=4649枚
となる。
【0055】
次いで、ベット枚数÷必要枚数の確率で抽選を行い(ステップS128)、当選した場合(ステップS128の当選)には目標レベルまでレベルアップし(ステップS129)、処理を終了する(ステップS130)。図11は、領域A3のタイルにおいてレベルLv.8の「10,000 2,000 500」にレベルアップした状態を示している。
【0056】
図9に戻り、ハズレの場合(ステップS128のハズレ)はそのまま処理を終了する(ステップS130)。
【0057】
その後、レースが開始して終了すると、例えば図11の領域A3のタイルの場合、1番の競走馬が1着でゴールすれば10,000枚の配当が行われ、2着でゴールすれば2,000枚の配当が行われ、3着でゴールすれば500枚の配当が行われる。
【0058】
なお、上記の例では1着〜3着に対し比重をかけた配当を与えているが、配当は1着だけでもよいし、全着順に対し比重をかけた配当を与えてもよい。また、上記の例では1回のベット枚数は1枚、10枚、100枚等のゲーム内容に合った固定単位でベットさせているが、これをプレイヤに任意の枚数を指定させてもよい。更に、上記の例では1回のベット操作ごとに必ず抽選を行っているが、1回あたりのベット単位枚数が少ない場合などに、内部的にベット枚数を貯めておいて、内部で一定以上貯まったときに第1段階の抽選を行うような仕組みでもよい。
【0059】
<総括>
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
【符号の説明】
【0060】
1 メイン装置
11 メインゲームボード
12 大型ディスプレイ
13 スピーカ
14 ネットワークハブ
101 メイン・ゲーム制御部
102 サテライト管理部
103 ベットゲーム管理部
104 通常ベット管理部
105 タイル管理部
106 オーナーゲーム管理部
107 競走馬モード管理部
111 騎手モード管理部
112 厩舎モード管理部
113 牧場モード管理部
114 トレセンモード管理部
115 映像出力部
116 音声出力部
117 通信処理部
121 サテライト対応表
122 競走馬データベース
123 騎手データベース
124 レース出走表
2 サテライト装置
21 ゲームボード
22 モニタ
23 タッチパネル
24 カードリーダ/ライタ
25 メダル機構
26 スピーカ
201 サテライト・ゲーム制御部
202 カードデータ入出力制御部
203 入力指示受付部
204 映像出力部
205 音声出力部
206 投入メダル検出部
207 メダル払い出し制御部
208 ログイン処理部
209 ベットゲーム管理部
210 通常ベット管理部
211 タイル管理部
212 オーナーゲーム管理部
213 競走馬モード管理部
214 騎手モード管理部
215 厩舎モード管理部
216 牧場モード管理部
217 トレセンモード管理部
218 通信処理部
3 ICカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レース結果に対してベットを行う機能を有したゲーム制御プログラムであって、
ゲーム装置を構成するコンピュータを、
プレイヤからの入力指示を受け付ける手段、
前記プレイヤからの入力指示に基づいて、出走オブジェクトおよびベット遊技価値量を指定した、賞金額のレベルアップを目的とした第1の抽選と、各出走オブジェクトにレース着順確率が定められ、当該確率に基づいて各出走オブジェクトのレース着順を抽選する第2の抽選とを含む複数段階の抽選に対するベットを受け付ける手段、
前記ベット遊技価値量に応じたレベルまで現在のレベルからレベルアップを行う手段、
現在のレベルから目標レベルを決定する手段、
現在のレベルから前記目標レベルまでレベルアップするのに必要な必要遊技価値量を計算する手段、
前記ベット遊技価値量からレベルアップに必要な必要遊技価値量を差し引いた現ベット遊技価値量を前記必要遊技価値量で割った確率で抽選を行い、当選した場合に現在のレベルを前記目標レベルまでレベルアップする手段、
各出走オブジェクトに定められたレース着順確率に基づいて各出走オブジェクトのレース着順を抽選する手段、
前記プレイヤが指定した出走オブジェクトのレース着順に基づいて、前記現在のレベルに設定されたレベル別賞金を前記プレイヤに払い出す手段
として機能させることを特徴とするゲーム制御プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム制御プログラムであって、
前記現在のレベルから目標レベルを決定する手段は、現在のレベルと目標レベルとの組み合わせに対し抽選確率が設定された振り分けテーブルに基づいて抽選を行うことで目標レベルを決定する
ことを特徴とするゲーム制御プログラム。
【請求項3】
請求項1または2のいずれか一項に記載のゲーム制御プログラムであって、
前記必要遊技価値量を計算する手段は、前記プレイヤが指定した出走オブジェクトに対応するレース着順確率およびレベル別賞金から前記必要遊技価値量を計算する
ことを特徴とするゲーム制御プログラム。
【請求項4】
レース結果に対してベットを行う機能を有したゲーム装置であって、
プレイヤからの入力指示を受け付ける手段と、
前記プレイヤからの入力指示に基づいて、出走オブジェクトおよびベット遊技価値量を指定した、賞金額のレベルアップを目的とした第1の抽選と、各出走オブジェクトにレース着順確率が定められ、当該確率に基づいて各出走オブジェクトのレース着順を抽選する第2の抽選とを含む複数段階の抽選に対するベットを受け付ける手段と、
前記ベット遊技価値量に応じたレベルまで現在のレベルからレベルアップを行う手段と、
現在のレベルから目標レベルを決定する手段と、
現在のレベルから前記目標レベルまでレベルアップするのに必要な必要遊技価値量を計算する手段と、
前記ベット遊技価値量からレベルアップに必要な必要遊技価値量を差し引いた現ベット遊技価値量を前記必要遊技価値量で割った確率で抽選を行い、当選した場合に現在のレベルを前記目標レベルまでレベルアップする手段と、
各出走オブジェクトに定められたレース着順確率に基づいて各出走オブジェクトのレース着順を抽選する手段と、
前記プレイヤが指定した出走オブジェクトのレース着順に基づいて、前記現在のレベルに設定されたレベル別賞金を前記プレイヤに払い出す手段と
を備えたことを特徴とするゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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