説明

ゲーム制御方法、及びゲーム制御プログラムならびにゲーム装置

【課題】ユーザの視覚に訴えかける特色のあるゲームの開発が望まれている。
【解決手段】ディスプレイに初期画像Iiを表示する(S10)。最終画像Ifと初期画像Ii間の対応を記述するマッピングデータMDにもとづいて、初期画像Iiを最終画像Ifに漸近するように、時間とともに変形させる(S14)。変形ステップの最中に、ユーザからの指示入力を監視し(S16)、ユーザによる所定の指示入力を検出すると(S16のY)、最終画像Ifに対応する一つの選択肢Afを含む複数の選択肢をディスプレイに表示する(S20)。ユーザが選択した選択肢Auが、最終画像Ifに対応する選択肢Afと一致するかを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、主に若年層の娯楽であったコンピュータゲームは、近年、高齢者や女性などの幅広い層を含む新たなユーザの獲得を目指して開発される傾向にある。こうした中、老化防止効果などの効果をうたった右脳を刺激するタイプのゲームが、広く人気を集めている。
【特許文献1】特開2004−181234号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このようなゲームは、数多く市場に出回っているが、基本的なコンセプトはいずれも同じであり、英単語の入力をテーマとするもの、漢字の読み書きをテーマとするもの、簡単な四則演算を行うものなどが多く、電子機器を用いずとも、紙面上でも実行可能なゲームが多い。こうした状況において、ゲーム機器のハードウェアの特徴を生かして、よりユーザの視覚に訴えかける新鮮な面白さを味わうことのできる特色あるゲームの開発が望まれている。
【0004】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、より特色のあるゲーム制御技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ある態様のゲーム制御技術では、初期画像と最終画像の2つの画像が用意される。初期画像と最終画像間で、互いの対応を記述するマッピングデータが計算される。ディスプレイに初期画像を表示し、マッピングデータを利用して、初期画像と最終画像をつなぐ中間画像を、補間により生成し、初期画像を最終画像に漸近するように変形させる。ゲームのユーザは、変形の過程において最終画像を推定する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ユーザは画像が変形していく様子を楽しむことができ、視覚を刺激しつつ頭脳を利用する特色のあるゲーム制御技術が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0008】
(第1の実施の形態)
はじめに、第1の実施の形態に係るゲーム制御プログラム、方法の概要を説明する。
【0009】
本実施の形態のゲーム制御技術は、ゲーム専用端末、パーソナルコンピュータ、携帯電話端末など、演算処理装置およびディスプレイを備えるさまざまなコンピュータ上で実行される。このゲームは以下の処理a〜eを実行する。
a. ディスプレイに初期画像Iiを表示する。
b. 最終画像Ifと初期画像Ii間の対応を記述するマッピングデータMDにもとづいて、初期画像Iiを最終画像Ifに漸近するように、時間とともに変形させて表示する。マッピングデータMDは、予め計算しておいたデータを読み出してもよいし、変形処理に先立って2つの画像から計算してもよい。変形処理は、予め用意されたビデオデータを再生するのではなく、最終画像と初期画像を対応づけるマッチングファイルを利用して、画像を補間処理することにより実行される。
【0010】
c. 変形処理の最中に、ユーザからの指示入力を監視する。
d. 監視中に、ユーザによる所定の指示入力を検出すると、ユーザに、ディスプレイに表示された最終画像Ifに対応する一つの選択肢Afを含む複数の選択肢から、いずれかひとつの選択肢の選択を促す。選択肢の表示は、所定の指示入力を待って行ってもよいし、所定の指示入力前に行ってもよい。
e. ユーザが選択した選択肢Auが、最終画像に対応する選択肢Afと一致するかを判定する。
選択肢は、画像であってもよいし、画像が含むオブジェクトの名称であってもよく、画像と1対1で対応付け可能な情報であればよい。
【0011】
このゲーム制御技術において、ユーザは、初期画像Iiから徐々に最終画像Ifに変形していく画像を見て、最終画像Ifを推定する。ユーザは、最終画像Ifが推定できた段階で、ユーザインタフェースを介して所定の指示入力を行い、選択肢の中から推定した画像に対応する選択肢Auを選択する。その結果、その選択肢Auが最終画像Ifに対応した選択肢Afと一致するかを比較して、正解、不正解が判定される。
【0012】
実施の形態に係るゲームによれば、画像処理によって初期画像Iiが予期しない画像を経て変形していく様子を楽しめるとともに、最終画像Ifを推定するという、特色のあるゲーム制御技術を提供できる。
【0013】
また、変形処理として予め用意された動画を再生するのではなく、初期画像Iiと最終画像Ifを補間処理によって変形させるため、初期画像Iiと最終画像Ifの組み合わせが増加しても、ゲームに必要なデータの容量の肥大化を抑制できる。更に、ユーザが新たな画像を追加するなどのオプションにも簡易に対応できる。
【0014】
さらに、このゲーム制御技術は、処理fを実行してもよい。
f. 入力ステップにおいてユーザが選択した選択肢が、最終画像に対応する選択肢と一致した場合、変形ステップにおける画像の変形の開始時刻から、入力ステップにおける所定の指示入力の検出時刻までの経過時間に応じたスコアを計算する。
【0015】
変形処理の開始後、短時間で、すなわち、初期画像Iiに近い状態の方が、最終画像Ifの推定が難しくなる。したがって、経過時間の長さに応じて、得点を設定することにより、さらに遊技性を高めることができる。
【0016】
処理fの変形例として以下の処理f’を実行してもよい。
f’. 入力ステップにおいてユーザが選択した選択肢が、最終画像に対応する選択肢と一致した場合、変形ステップにおける画像の変形率に応じたスコアを計算する。変形率は、補間処理を行う際の係数に対応する数値であってもよい。
以上が第1の実施の形態の概要である。以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を、方法、装置、システム、プログラム、その記憶媒体などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
以下、具体的な図面を参照しながら、第1の実施の形態について詳細に説明する。
【0017】
図1は、第1の実施の形態に係るゲーム装置100の構成を示すブロック図である。図4は、ゲーム制御の流れを示すフローチャートである。なお、図4の各処理の順番は適宜入れ替えが可能である。
ゲーム装置100は、操作入力部1、ディスプレイ2、メモリ4、記憶部6、制御部10、とを備える。制御部10は、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)などの演算手段で構成される。制御部10は、ロードしたプログラムを実行することにより、所定の処理を実行可能である。図1は、プログラムと演算処理部の組み合わせにより実行される機能を、機能ブロックとして示す。
【0018】
ディスプレイ2は、液晶パネルであってゲーム装置100に内蔵される。ゲーム装置100が据え置き型のゲーム機やコンピュータである場合、ゲーム装置100に外付けされる液晶ディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)、プラズマディスプレイであってもよい。ディスプレイ2には、図示しないディスプレイコントローラによって、メモリ4のフレームバッファに格納された表示データが表示される。
【0019】
操作入力部1は、ゲーム装置100のユーザが指示入力を行うためのデバイスであって、コントローラ、キーボード、マウスなどである。メモリ4は、ゲーム装置100のさまざまな演算処理の作業用領域であり、あるいはプログラムをロードする領域として使用される。メモリ4はフレームバッファを含む。記憶部6は、ハードディスクや光ディスク装置であって、大容量のデータが保存される。記憶部6には、上述の初期画像Iiや最終画像Ifとして利用可能な複数の画像データ、および2つの画像間のマッピングデータMDが記録されている。マッピングデータMDは、ゲーム制御プログラムの作成段階において、すべての画像同士の組み合わせについて予め計算しておいてもよい。あるいは、制御部10の演算処理手段を利用して、初期画像Iiと最終画像Ifの組み合わせが選択されるたびに計算してもよい。
【0020】
制御部10は、画像選択部12、マッピングデータ取得部14、初期画像表示部16、画像変形部18、入力監視部20、選択肢表示部22、判定部24、スコア計算部26、テキスト表示部28を含む。各ブロックの説明を、このゲーム機器により実行されるゲーム制御プログラムの動作とともに説明する。
【0021】
画像選択部12は、記憶部6に記録された複数の画像から、初期画像Iiと最終画像Ifの組を選択する。初期画像Iiは、操作入力部1から入力されたユーザの指示にもとづいて選択してもよいが、最終画像Ifはユーザが分からないように選択する。選択は所定の規則にもとづいてもよいし、ランダムな手段によってもよい。
【0022】
マッピングデータ取得部14は、初期画像Iiと最終画像If間の対応を記述するマッピングデータMDを、記憶部6から読み出す(図4のS12)。マッピングデータMDは、画像IiとIfにもとづいて、マッピングデータ取得部14が計算してもよい。マッピングデータMDは、後述の画像IiとIfの中間画像Im(補間画像)を生成するために利用される。マッチング計算自体はオプティカルフロー、ブロックマッチング、本出願人が提案する特許第2927350号の手法など、その内容は問わない。マッチング結果をもとに補間画像を生成する手法も、特許第2927350号の手法など、その内容は問わない。
【0023】
初期画像表示部16は、画像選択部12により選択された初期画像Iiを、メモリ4のフレームバッファに書き込む。その結果、ディスプレイ2には初期画像Iiが表示される(図4のS10)。図2(a)〜(c)は、図1のゲーム装置100のディスプレイ2の遷移過程を示す図である。図2(a)は、初期画像表示部16によって初期画像Iiが表示された状態を示す。本実施の形態において、初期画像Iiはネコであり、最終画像Ifはイヌである。
【0024】
ユーザから、操作入力部1を介してゲーム開始の指示を受けると、ディスプレイ2に表示された画像の変形処理が開始される。変形開始からの経過時刻tは、スコア計算部26によって計測、管理される。
画像変形部18は、マッピングデータMDおよび初期画像Iiを受ける。画像変形部18は、マッピングデータMDにもとづいて、初期画像Iiを最終画像Ifに漸近するように時間とともに変形させる(図4のS14)。図2(c)は変形処理が完了し、最終画像Ifが表示された状態を示す。また、図2(b)は、変形処理途中のある時刻における中間画像Imを示している。つまり画像変形部18によって、図2(a)から(b)を経て(c)に至る変形処理が実行される。
【0025】
テキスト表示部28は、ディスプレイ2の任意の領域に、任意のテキストを表示する。変形処理途中において、テキスト表示部28は、ディスプレイ2に設定されたテキスト領域40に、たとえば「何になるかな?」というテキストを描画する。テキストに代えて、同内容の画像を表示してもよい。また、テキスト表示部28は、スコア計算部26によってカウントされる経過時間tを、テキスト領域42に表示し、時間とともに更新していく。図2(a)〜(c)では経過時間tはカウントアップしているが、カウントダウンであってもよい。
【0026】
入力監視部20は、変形の最中にユーザからの操作入力部1に入力された指示入力を監視する(図4のS16)。そして、ユーザによる所定の指示入力を検出する(S16のY)と、検出を選択肢表示部22に通知する。検出されなければ(S16のN)、そのまま待機する。
【0027】
選択肢表示部22は、所定の指示入力の検出を契機として、最終画像Ifに対応する一つの選択肢Afを含む複数(以下、4つとする)の選択肢A1〜A4をディスプレイ2に表示する(図4のS20)。所定の指示入力は、たとえば操作入力部1の所定ボタンの押下である。所定の指示入力の検出を契機として、スコア計算部26は経過時間tのカウントを停止し、画像変形部18は変形処理を停止する(図4のS18)。
【0028】
図3は、選択肢A1〜A4が表示されたディスプレイ2を示す図である。図3の4つの選択肢A1〜A4は、画像データとして示され、その中のひとつA3が、最終画像Ifに対応した選択肢となっている。その他の選択肢A1、A2、A4は、記憶部6に記録される最終画像If以外の画像に対応する。テキスト表示部28は、テキスト領域42に回答を促すテキストを表示してもよい。図3の画面によって、選択肢表示部22はユーザにいずれかひとつの選択肢の選択を促す。
【0029】
ユーザは、選択肢A1〜A4の中から、最終画像Ifに対応すると考える選択肢Auをひとつ選択する。選択は、操作入力部1の十字キーを操作して、カーソル44を移動させ、ひとつの選択肢に近接した位置で、決定ボタンを押下することによって受け付けてもよい。その結果、ユーザが選択した選択肢Auが取得される(図4のS22)。
【0030】
判定部24は、ユーザが選択した選択肢Auと、最終画像Ifに対応する選択肢Afとを受ける。判定部24は2つの選択肢が一致するかを判定する(図4のS24)。一致すれば(S24のY)、ユーザが推定した最終画像Ifが、実際の最終画像Ifと一致したことになるから、ディスプレイ2に正解を示すテキストまたは画像を表示し、ゲームが終了となる。
【0031】
スコア計算部26は正解であれば、経過時間tに応じたスコアを計算し、ディスプレイ2に表示する。スコア計算部26は、経過時間tが短いほど、高いスコアを計上する。
【0032】
判定部24による判定の結果、不一致であれば(図4のS24のN)、ディスプレイ2に不正解を示すテキストまたは画像を表示する。不正解の場合、途中で停止した変形処理を再開してもよい(図4のS26)。そして、再びユーザから、所定の指示入力を待機し(S16)、再度回答の機会を与えてもよい。
【0033】
(第2の実施の形態)
実施の形態に係るゲーム処理技術は、第1、第2のユーザによって使用される第1、第2端末において実行されてもよい。第2の実施の形態に係るゲーム制御では、第1端末、第2端末のそれぞれのディスプレイが、別の端末のユーザからは見えない状況下で、以下の処理が実行される。この観点から、第2の実施の形態に係るゲームシステムは、携帯型の2つのゲーム機器や携帯電話端末などで構成するのが好ましく、あるいはネットワークを介して接続された複数のコンピュータ、据え置き型のゲーム端末で構成してもよい。
【0034】
第2の実施の形態で実行される以下のA〜Eの処理は、上述した第1の実施の形態のa〜eの処理と対応する。
A. 第1端末のディスプレイに第1初期画像Ii1を表示し、第2端末のディスプレイに第2初期画像Ii2を表示する。第1端末にとって、第2初期画像Ii2は最終画像に相当し、第2端末にとって、第1初期画像Ii1は最終画像に相当する。
B. 第1初期画像Ii1と第2初期画像Ii2間の対応を記述するマッピングデータにもとづいて、第1端末のディスプレイに表示される第1初期画像Ii1を、第2初期画像Ii2に漸近するように時間とともに変形させる。それと同期して第2端末のディスプレイに表示される第2初期画像Ii2を、第1初期画像Ii1に漸近するように時間とともに変形させる。
【0035】
C. 変形ステップの最中に、第1端末における第1ユーザからの指示入力と、第2端末における第2ユーザからの指示入力と、を監視する。それぞれの監視は、各端末において行われる。
【0036】
D. 監視中に、いずれか一方の端末のユーザによる所定の指示入力を検出すると、その一方の端末のディスプレイに、他方の端末にはじめに表示された初期画像に対応する一つの選択肢を含む複数の選択肢を表示する。そして、その一方の端末のユーザにいずれかひとつの選択肢の選択を促す。つまり、先に所定の指示入力を行ったユーザに対して、回答権が付与される。
【0037】
E. ユーザが選択した選択肢が、他方の端末に表示された初期画像に対応する選択肢と一致するかを判定する。
【0038】
第2の実施の形態に係るゲーム制御方法は、第1、第2ユーザがそれぞれ、相手の端末に表示された初期画像を、相手よりも先に推定することを競って行われる。したがって、単一のユーザにより実行される第1の実施の形態よりも、さらに遊技性を高めることができる。
【0039】
処理Aにおいて、第1、第2端末に表示する第1初期画像Ii1、第2初期画像Ii2は、それぞれ第1ユーザ、第2ユーザが独自に選択可能としてもよい。この場合、初期画像Iiの選択という行為自体が、ゲームの勝敗を左右する要素となるため、さらに遊技性が高まる。
【0040】
図5は、第2の実施の形態に係るゲームシステム200の構成を示すブロック図である。ゲームシステム200は、第1端末100a、第2端末100bを備える。
【0041】
各端末100a、100bは、いずれも図1のゲーム装置100と同等の構成を有する。各端末100a、100bは、図1の構成に加えて、別の端末とデータの送受信を行うための通信部3を備える。通信部3を介した通信は、有線、無線を問わない。
【0042】
図5のゲームシステム200において、それぞれの端末100a、100bにゲーム制御プログラムがロードされる。まず、各端末100a、100bにおいて、画像選択部12によって初期画像Ii1、Ii2が選択される。第1端末100aで選択された第1初期画像Ii1に関する情報は、別の端末100bにおいて最終画像If2として利用するために、通信部3を介して送信される。逆に、第2端末100bで選択された第2初期画像Ii2に関する情報は、別の端末100aにおいて第1最終画像If1として利用するために、通信部3を介して送信される。
【0043】
この状態によって、各端末100a、100bの両方で、初期画像と最終画像が決定される。各端末のマッピングデータ取得部14は、その端末の初期画像と最終画像間のマッピングデータを取得する。マッチングの手法のうち、第1画像を基準として第2画像とのマッチングを行う場合と、第2画像を基準として第1画像とのマッチングを行う場合とで、異なるマッピングデータが生成される場合がある。この場合、それぞれの端末で異なるマッピングデータを使用すればよい。同一のマッピングデータが生成される場合、同一のマッピングデータを利用してもよい。
【0044】
以上の動作によって、各端末100a、100bにおいて、マッピングデータを利用してそれぞれの初期画像を最終画像に近づけるように変形させる準備が整う。次に、端末100a、100bが同期して変形処理を開始する。たとえば、端末100aの初期画像Ii1がネコであり、端末100bの初期画像Ii2がイヌであるとする。この場合、端末100aのディスプレイ2には、図2(a)から図2(b)を介して図2(c)に至る変形の様子が描画される。一方、端末100bのディスプレイ2には、図2(c)から図2(b)を介して図2(a)に至る変形の様子が描画される。
【0045】
各端末100a、100bのユーザは、それぞれの最終画像を推定し、それが分かった時点で所定の指示入力を行う。いずれかのユーザが先に指示入力を行うと、その旨が入力監視部20によって検出される。入力監視部20は、通信部3を介して、指示入力を検出したことを示す検出データを、他方の端末に送信する。指示データは画像変形部18にも送信され、画像変形部18は検出データを受けると変形処理を停止する。通信部3を介して他方の端末に送信された検出データは、他方の端末の画像変形部18に入力される。他方の端末側の画像変形部18は、検出データを受けると変形処理を停止する。先に指示入力を行ったユーザの使用する端末のディスプレイには、図3に示す選択画面が表示される。このとき、他方の端末にも、同様の選択画面を表示してもよい。
【0046】
ユーザが選択した選択肢が、最終画像に対応した選択肢と一致すれば、そのユーザの勝ちとなり、ポイントが加算される。ポイントは、変形処理の際にカウントした経過時間tにもとづいてもよい。
【0047】
このように、第2の実施の形態によれば、より遊技性の高いゲームが提供することができる。
【0048】
以上、実施の形態は例示に過ぎず、その構成や処理ステップにはいろいろな変形技術が考えられる。以下例示する。
【0049】
実施の形態では、初期画像Ii、最終画像Ifとして、いずれも動物というカテゴリに属する画像を用いる場合を説明したが、画像は任意である。たとえば、自動車、電車などの乗り物、人間の顔などのさまざまなカテゴリの画像を利用してもよい。また、初期画像と最終画像とで、カテゴリが同一である必要もない。
【0050】
第2の実施の形態において、2つの端末100a、100bとで、変形処理の速度を異ならしめてもよい。この処理により、一方のユーザにアドバンテージを与えることができる。
【0051】
実施の形態において、スコア計算部26は経過時間tに応じたスコアを計算し、ディスプレイ2に表示したが、変形例においてスコア計算部26は、画像の変形率αに応じたスコアを計算してもよい。いま、初期画像Ii内のある点の座標を(xi、yi)、その点の対応する最終画像If内の座標を(xf、yf)とし、時刻t=0〜Tの範囲で変形させる場合に、その点の任意の時刻における座標(xm、ym)を、
(xm、ym)=(1−α(t))×(xi、yi)+α(t)×(xf、yf)
によって内挿補間により計算すると仮定する。ここで変形率α(t)はα(0)=0、α(T)=1を満たす経過時間tの関数である。この場合に、変形率αが小さい状態、すなわち初期画像Iiに近い状態の方が、最終画像Ifの推定が難しくなる。したがって、変形率に応じて得点を設定することにより、さらに遊技性を高めることができる。なお、最も簡単な例で、α(t)を比例定数βを用いて、α(t)=t×βと定義した場合、変形率にもとづくスコアと経過時間tにもとづくスコアは等価である。
【0052】
実施の形態にもとづき、本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を離脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】第1の実施の形態に係るゲーム装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2(a)〜(c)は、図1のゲーム装置のディスプレイを示す図である。
【図3】複数の選択肢が表示されたディスプレイを示す図である。
【図4】ゲーム制御の流れを示すフローチャートである。
【図5】第2の実施の形態に係るゲームシステムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0054】
100 ゲーム装置、 1 操作入力部、 2 ディスプレイ、 4 メモリ、 6 記憶部、 10 制御部、 12 画像選択部、 14 マッピングデータ取得部、 16 初期画像表示部、 18 画像変形部、 20 入力監視部、 22 選択肢表示部、 24 判定部、 26 スコア計算部、 28 テキスト表示部、 200 ゲームシステム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイに初期画像を表示する表示ステップと、
最終画像と前記初期画像間の対応を記述するマッピングデータにもとづいて、前記初期画像を前記最終画像に漸近するように、時間とともに変形させて表示する変形ステップと、
前記変形ステップの最中に、ユーザからの指示入力を監視する監視ステップと、
前記監視ステップにおいて、ユーザによる所定の指示入力を検出すると、前記最終画像に対応する一つの選択肢を含む複数の選択肢からひとつの選択肢の選択をユーザに促す入力ステップと、
ユーザが選択した選択肢が、前記最終画像に対応する選択肢と一致するかを判定する判定ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とするゲーム制御プログラム。
【請求項2】
前記入力ステップにおいてユーザが選択した選択肢が、前記最終画像に対応する選択肢と一致した場合、前記変形ステップにおける画像の変形の開始時刻から、前記入力ステップにおける前記所定の指示入力の検出時刻までの経過時間に応じたスコアを計算するステップをさらに実行させることを特徴とする請求項1に記載のゲーム制御プログラム。
【請求項3】
前記入力ステップにおいてユーザが選択した選択肢が、前記最終画像に対応する選択肢と一致した場合、前記変形ステップにおける画像の変形率に応じたスコアを計算するステップをさらに実行させることを特徴とする請求項1に記載のゲーム制御プログラム。
【請求項4】
第1ユーザが使用する第1端末と、第2ユーザが使用する第2端末で、実行されるゲーム制御プログラムであって、
前記第1端末のディスプレイに第1初期画像を表示し、前記第2端末のディスプレイに第2初期画像を表示する表示ステップと、
前記第1初期画像と前記第2初期画像間の対応を記述するマッピングデータにもとづいて、前記第1端末のディスプレイに表示される前記第1初期画像を、前記第2初期画像に漸近するように時間とともに変形させ、それと同期して前記第2端末のディスプレイに表示される前記第2初期画像を、前記第1初期画像に漸近するように時間とともに変形させる変形ステップと、
前記変形ステップの最中に、前記第1端末における前記第1ユーザからの指示入力と、前記第2端末における第2ユーザからの指示入力と、を監視する監視ステップと、
前記監視ステップにおいて、いずれか一方の端末のユーザによる所定の指示入力を検出すると、その一方の端末のユーザに、他方の端末にはじめに表示された初期画像に対応する一つの選択肢を含む複数の選択肢からひとつの選択肢の選択を促す入力ステップと、
ユーザが選択した選択肢が、前記他方の端末に表示された初期画像に対応する選択肢と一致するかを判定する判定ステップと、
をコンピュータに実現させることを特徴とするゲーム制御プログラム。
【請求項5】
第2端末と接続される第1端末で実行されるゲーム制御プログラムであって、
前記第1端末のディスプレイに第1初期画像を表示する表示ステップと、
前記第1初期画像に関する情報を前記第2端末に送信するとともに、前記第2端末に表示された第2初期画像に関する情報を前記第2端末から受信するステップと、
前記第1初期画像と前記第2初期画像間の対応を記述するマッピングデータにもとづいて、前記第1初期画像を、前記第2初期画像に漸近するように時間とともに変形させる変形ステップと、
前記変形ステップの最中に、前記第1端末のユーザからの指示入力を監視する監視ステップと、
前記監視ステップにおいて、ユーザによる所定の指示入力を検出すると、前記第1端末のユーザに、前記第2初期画像に対応する一つの選択肢を含む複数の選択肢からひとつの選択肢の選択を促す入力ステップと、
ユーザが選択した選択肢が、前記第2初期画像に対応する選択肢と一致するかを判定する判定ステップと、
を、前記第2端末における同様のステップと同期して実行することを特徴とするゲーム制御プログラム。
【請求項6】
ディスプレイと、
前記ディスプレイに初期画像を表示する初期画像表示部と、
最終画像と前記初期画像間の対応を記述するマッピングデータにもとづいて、前記初期画像を前記最終画像に漸近するように時間とともに変形させて前記ディスプレイに表示する画像変形部と、
ユーザからの指示入力を受ける入力部と、
変形の最中に、ユーザからの前記入力部に入力された指示入力を監視する監視部と、
ユーザによる所定の指示入力を検出すると、ユーザに前記最終画像に対応する一つの選択肢を含む複数の選択肢からひとつの選択肢の選択を促す入力部と、
ユーザが選択した選択肢が、前記最終画像に対応する選択肢と一致するかを判定する判定部と、
を備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項7】
ディスプレイに初期画像を表示する表示ステップと、
最終画像と前記初期画像間の対応を記述するマッピングデータにもとづいて、前記初期画像を前記最終画像に漸近するように時間とともに変形させて表示する変形ステップと、
前記変形ステップの最中に、ユーザからの指示入力を監視する監視ステップと、
前記監視ステップにおいて、ユーザによる所定の指示入力を検出すると、ユーザに前記最終画像に対応する一つの選択肢を含む複数の選択肢からひとつの選択肢の選択を促す入力ステップと、
ユーザが選択した選択肢が、前記最終画像に対応する選択肢と一致するかを判定する判定ステップと、
を備えることを特徴とするゲーム制御方法。
【請求項8】
請求項1から5のいずれかに記載のゲーム制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−284085(P2008−284085A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−130616(P2007−130616)
【出願日】平成19年5月16日(2007.5.16)
【出願人】(396001980)株式会社モノリス (14)
【Fターム(参考)】