ゲーム機及びゲームシステム
【課題】店舗が不利益を被ることを回避することができるようにする。
【解決手段】ゲーム機1には、店舗に固有の店舗コードが記憶されている。クレジットを記憶したICカード101がカード給排出口21に挿入されると、ICカード101からクレジットが読み出される。そして、読み出されたクレジットに関連付けられた店舗コードが、そのゲーム機1が記憶する店舗コードと一致した場合に、読み出されたクレジットがそのゲーム機1で使用可能なクレジットとしてゲーム機1にクレジットされる。
【解決手段】ゲーム機1には、店舗に固有の店舗コードが記憶されている。クレジットを記憶したICカード101がカード給排出口21に挿入されると、ICカード101からクレジットが読み出される。そして、読み出されたクレジットに関連付けられた店舗コードが、そのゲーム機1が記憶する店舗コードと一致した場合に、読み出されたクレジットがそのゲーム機1で使用可能なクレジットとしてゲーム機1にクレジットされる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技価値を消費させてゲームを行うゲーム機及びゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームセンター等に設置されたアーケードゲーム機の中には、硬貨や紙幣を用いずに、店舗が貸し出すメダルを用いてゲームを行うものが存在する。このようなアーケードゲーム機では、遊技者が投入するメダルに応じてゲームが進行し、ゲームに勝利した遊技者にメダルが付与されるようにされている。
【0003】
また、特許文献1に開示されているように、メダルの代わりにメダル枚数の情報を記憶したプリペイドカード等の遊技価値媒体を用いてゲームを行うことがなされている。これによれば、例えば5000円分のプリペイドカードを購入し、これをゲーム機に設けられた挿入口に挿入すれば、5000円分のメダル枚数がクレジットされるため、メダル貸出機により現金をメダルに交換することなくゲームを行うことができるとともに、残った残高を利用して数日に亙ってゲームを行うことができる。
【0004】
【特許文献1】特開2004−249077号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、プリペイドカード等の遊技価値媒体が、購入先の店舗とは異なる店舗に設置されたゲーム機に使用されると、ただでゲームが行われてしまうため、その店舗の売上げに結びつかず、その店舗が不利益を被るという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、店舗が不利益を被ることを回避することが可能なゲーム機及びゲームシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0007】
本発明のゲーム機は、複数のIDコードの一を記憶するIDコード記憶手段と、ゲームで消費可能な遊技価値を各IDコードに関連付けて書き込み可能に記憶する記憶媒体が挿抜される挿入口と、前記挿入口に挿入された前記記憶媒体から前記遊技価値を読み出す読出手段と、前記読出手段が読み出した前記遊技価値の中から、前記IDコード記憶手段が記憶するIDコードに関連付けられた遊技価値を抽出する遊技価値抽出手段と、現時点での遊技価値を記憶する遊技価値記憶手段と、前記遊技価値抽出手段が抽出した遊技価値を前記現時点での遊技価値に加算する第1の遊技価値加算手段と、前記現時点での遊技価値を消費してゲームを実行するゲーム実行手段と、前記ゲームで遊技価値を獲得した場合に、獲得した遊技価値を前記現時点での遊技価値に加算する第2の遊技価値加算手段と、外部からの操作により前記挿入口から前記記憶媒体を抜脱させる抜脱手段と、前記抜脱手段により前記記憶媒体が抜脱される際に、前記現時点での遊技価値を前記IDコード記憶手段が記憶するIDコードに関連付けて前記記憶媒体に書き込む書込手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
上記の構成によれば、記憶媒体からの遊技価値の読み出し、及び、記憶媒体への遊技価値の書き込みが、IDコード記憶手段が記憶するIDコードに関連付けて行われるから、IDコードが一致するゲーム機ではそのIDコードに関連付けられた遊技価値を記憶媒体から読み出してゲームを行うことができる一方、IDコードが一致しないゲーム機では記憶媒体からの遊技価値の読み出しが行えずにゲームを行うことができない。よって、店舗毎にIDコードが異なる場合に、あるIDコードに関連付けられた遊技価値を記憶した記憶媒体は、IDコードが一致しないゲーム機のみが設置された店舗においては使用することができないから、その店舗の売上げには影響が生じない。よって、店舗が不利益を被ることを回避することができる。
【0009】
また、本発明のゲーム機においては、前記読出手段が読み出した前記遊技価値のうち、前記IDコード記憶手段が記憶するIDコードと異なるIDコードに関連付けられた遊技価値を認識する遊技価値認識手段と、前記遊技価値認識手段が認識した遊技価値を、所定の交換率で前記IDコード記憶手段が記憶するIDコードに関連付けられた遊技価値に交換する交換手段と、を更に有していてよい。上記の構成によれば、IDコード記憶手段が記憶するIDコードと異なるIDコードに関連付けられた遊技価値が、所定の交換率でIDコード記憶手段が記憶するIDコードに関連付けられた遊技価値に交換されるから、IDコードが一致しないゲーム機においても、遊技価値を所定の交換率で交換することによって、ゲームを行うことができる。
【0010】
本発明のゲームシステムは、上述したゲーム機が前記IDコードを統一されて設置され、設置された前記ゲーム機の前記IDコードが互いに異なる複数の店舗と、前記複数の店舗の各々に設置され、前記ゲーム機を管理するホールサーバと、
を有し、前記ゲーム機は、前記交換手段により交換された遊技価値を金額に換算する金額換算手段と、前記金額換算手段が換算した金額を交換元のIDコードに関連付けた金額データを作成する金額データ作成手段と、前記金額データ作成手段が作成した前記金額データを前記ホールサーバに送信する金額データ送信手段と、を有し、前記ホールサーバは、前記金額データを受信する金額データ受信手段と、前記金額データ受信手段が受信した前記金額データの金額を前記交換元のIDコード毎に累積させた累積金額を算出する累積金額算出手段と、を有することを特徴とする。
【0011】
上記の構成によれば、ゲーム機により交換された遊技価値が金額に換算され、この金額がホールサーバにより交換元のIDコード毎に累積されて累積金額として算出される。ここで、ある店舗で売り上げられた遊技価値が別の店舗の遊技価値に交換されると、交換先の店舗は、交換された遊技価値に対して売上げを得ていないにもかかわらず交換先の店舗に設置されたゲーム機で遊ばれてしまうことになり、不利益を被る。そこで、交換された遊技価値に相当する金額を、交換元の店舗の売上げから交換先の店舗の売上げに移す必要が生じるが、ホールサーバにより算出された累積金額を交換先の店舗が被った不利益として、交換先の店舗が交換元の店舗に請求することによって、交換先の店舗の不利益を解消することができる。
【0012】
また、本発明のゲームシステムにおいては、前記ホールサーバがデータ送受信可能に接続されたセンターサーバを更に有し、前記ホールサーバは、前記累積金額算出手段が算出した前記累積金額を交換元のIDコードと交換先のIDコードとに関連付けた累積金額データを作成する累積金額データ作成手段と、前記累積金額データ作成手段が作成した前記累積金額データを前記センターサーバに送信する累積金額データ送信手段と、を有し、前記センターサーバは、各ホールサーバから前記累積金額データを受信する累積金額データ受信手段と、前記累積金額データ受信手段が受信した複数の前記累積金額データの中から、前記交換元のIDコードと前記交換先のIDコードとが相対する2つの累積金額データを抽出する抽出手段と、前記抽出手段が抽出した2つの累積金額データの各々の前記累積金額のうち、金額が少ない方又は同額の累積金額を2つの前記累積金額の各々から差し引く累積金額減算手段と、を有していてよい。上記の構成によれば、センターサーバは、交換元のIDコードと交換先のIDコードとが相対する2つの累積金額のうち、金額が少ない方又は同額の累積金額を2つの累積金額の各々から差し引くから、これにより、ある店舗が他の店舗に支払う金額と、ある店舗が他の店舗から受け取る金額とが、差額を残して相殺されることになる。よって、残った差額について各店舗が清算を行えば、各店舗の不利益を解消させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0014】
本実施の形態にかかるゲームシステム100は、図1に示すように、3つの店舗3A,3B,3Cの各々に備えられ、ゲームを実行する複数のゲーム機1と、複数のゲーム機1を管理・制御するホールサーバとしてのホールコンピュータ2と、複数のホールコンピュータ2とデータ通信網5を介してデータ通信を行うセンターサーバ4とを有している。尚、ゲーム機1は、コインやメダル、遊技球等の他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したICカード等の遊技媒体を用いてゲームを行うものであるが、以下の説明においては、遊技媒体としてメダル及びICカードを用い、遊技価値としてクレジットを用いるものとして説明する。また、店舗の数は3つに限定されるものではない。
【0015】
ここで、本実施の形態では、各店舗3A,3B,3Cによって度数「1」当たりのクレジットの価値が異なるように設定されている。具体的には、店舗3Aにおける度数「1」当たりのクレジットの価値は100円であり、店舗3Bにおける度数「1」当たりのクレジットの価値は50円であり、店舗3Cにおける度数「1」当たりのクレジットの価値は20円である。また、ゲーム単価(1ゲームに要するクレジットの度数)が各店舗3A,3B,3Cで同じに設定されている。なお、度数「1」当たりのクレジットの価値が各店舗で同じであってもよい。
【0016】
各店舗3A,3B,3Cは、図1に示すように、4台のゲーム機1と、ホールコンピュータ2とを備えている。各店舗3A,3B,3Cが備える4台のゲーム機1の各々には、各店舗3A,3B,3Cに固有の店舗コードが記憶されている。即ち、ゲーム機1が記憶する店舗コードは各店舗3A,3B,3C間で異なるようにされている。具体的には、店舗3Aの店舗コードは「001」であり、店舗3Aに備えられた4台のゲーム機1の各々が記憶する店舗コードは「001」である。また、店舗3Bの店舗コードは「002」であり、店舗3Cの店舗コードは「003」である。
【0017】
各ゲーム機1は、無線や有線によるLAN(Local Area Network)によりホールコンピュータ2とデータ通信可能にされている。また、ホールコンピュータ2は、モニターやキーボード、通信装置、記憶装置等を備えており、各店舗3A,3B,3C内のゲーム機1等の各種機器を、LANを介して管理及び設定することが可能になっている。さらに、ホールコンピュータ2は、無線や有線によるインターネット等のデータ通信網5を介してセンターサーバ4に対してデータを送受信可能にされている。
【0018】
また、本実施の形態においては、4台のゲーム機1が同一店舗3A,3B,3C内に備えられた場合について説明しているが、4台に限らず、2台以上の複数台であっても1台であってもよい。また、ゲーム機1とホールコンピュータ2とは、LANを介して通信するようになっているが、複数のゲーム機1とホールコンピュータ2とが一体になるような構成であってもよい。
【0019】
(ゲーム機1の機械的構成)
本実施の形態にかかるゲーム機1は、コンピュータを相手にポーカーゲームをプレイする対戦型ゲーム機であり、遊技者はクレジットを消費させてゲームを行い、ゲームに勝利するとクレジットを獲得する一方、ゲームに負けるとクレジットを失うものである。なお、ゲーム内容はポーカーゲームに限定されるものではなく、麻雀や競馬であってもよい。
【0020】
各ゲーム機1は、図2に示すように、遊技者を着席させる椅子14が前方に設けられている。そして椅子14側である前側に配置された操作パネル装置11と、操作パネル装置11の後側に配置された表示装置12と、操作パネル装置11及び表示装置12を支持する支持台13とを有している。
【0021】
上記の操作パネル装置11は、操作面11aが水平に設定されている。操作面11aには、左右方向の右端側(紙面奥側)に配置されたメダル投入口16が設けられている。メダル投入口16は、メダルを投入可能とするように形成されている。メダル投入口16は、図5のメダル選別装置16aに連絡されており、メダル選別装置16aは、メダルを検知して投入枚数を計数可能にしている。メダル投入口16に投入されたメダルは、ゲーム機1に格納(クレジット)され、このクレジットが消費されることによりゲームが行われる。なお、ゲーム機1に格納(クレジット)されているクレジットは、次ゲームにおいて使用できるようになっている。
【0022】
また、操作面11aの左右方向の左端側、即ち、メダル投入口16と反対側には、遊技者がゲームで獲得したクレジットのクレジット/払い出しを押しボタン操作で切替えるC/Pボタン15が設けられている。このC/Pボタン15の切り替えにより、クレジットが選択された場合には、ゲーム結果に応じて遊技者に付与されるクレジットはゲーム機1にクレジットされる。一方、払い出しが選択された場合には、ゲーム結果に応じて遊技者に付与されるクレジットはメダルとして払い出される。具体的には、ホッパー29(図5参照)からメダル払出ロ(図示せず)を介してメダルが払い出され、払い出されたメダルは操作パネル装置11の正面略中央に設けられたメダル受け部23に溜められる。
【0023】
C/Pボタン15とメダル投入口16との間には、各種の操作ボタン類や演出ランプ17等が配置されており、演出ランプ17は、ゲームの結果や内容に応じて、点灯及び消灯するようになっている。
【0024】
メダル受け部23の右側上方には、ICカード101を挿入可能な挿入口としてのカード給排出口21が設けられている。カード給排出口21の開口サイズは、ICカード101を通過可能な高さ及び幅に設定されている。そして、カード給排出口21は、カード吸入排出機構28(図5参照)に連絡されている。カード吸入排出機構28は、ICカード101を操作パネル装置11内から排出して所定位置で停止及び保持する機能と、遊技者がICカード101をカード給排出口21に差し込んだときに、このICカード101を操作パネル装置11内に引き込む機能とを有している。また、カード給排出口21の下側には、抜脱手段としてのイジェクトボタン22が設けられている。イジェクトボタン22は、遊技者が押圧操作したときに、カード給排出口21に引き込まれたICカード101を操作パネル装置11内から遊技者の意思で強制的に排出させるようになっている。
【0025】
上記のように構成された操作パネル装置11の後側には、表示装置12が配置されている。表示装置12は、椅子14に着席した遊技者から目視され易いように、前端部が操作パネル装置11の高さ位置に設定されていると共に、前端部から後端部に向かって上方に傾斜されている。表示装置12は、ゲームに関係する画像等を表示する液晶表示装置19と、液晶表示装置19の表面に設けられたタッチパネル19aと、ゲーム機1にクレジットされているクレジットの度数を表示するクレジット表示部25と、液晶表示装置19、タッチパネル19a及びクレジット表示部25を支持する支持枠体18とを有している。タッチパネル19aは、透過性を有した材質で形成されており、液晶表示装置19の表示画面を遊技者に目視させながら、表示画面の所定位置を指で押さえたときの接触位置を操作信号として取り込むことを可能にしている。クレジット表示部25は7セグメント表示器からなるものである。また、支持枠体18の両側には、透音孔18aが形成されている。透音孔18aの背面側には、スピーカ39(図5参照)が設けられている。スピーカ39は、ゲーム時の効果音等の演出に使用される。
【0026】
カード給排出口21に挿抜されるICカード101には、店舗コードに関連付けられたクレジットを複数記憶させることが可能である。即ち、ICカード101は、図3に示すようなクレジット記憶テーブルを備えている。そして、クレジットを記憶したICカード101がカード給排出口21に挿入されると、読出手段としてのデータ入出力部44(図5参照)により、ICカード101が記憶する全てのクレジットが、そのクレジットに関連付けられた店舗コードとともに読み出される。また、イジェクトボタン22が押下されると、ICカード101がカード給排出口21から排出される際に、書込手段としてのデータ入出力部44によって、ゲーム機1が記憶していたクレジットが新たなクレジットとして、そのゲーム機1に対応する店舗コードに関連付けられてICカード101に書き込まれる。なお、ICカード101は、予めクレジットが記憶されていない状態(ブランク状態)で販売されるものであっても、クレジットが記憶された状態で販売されるものであってもよい。
【0027】
図3(a)は、ICカード101がカード給排出口21に挿入された際のクレジット記憶テーブルの一例を表わしている。図3(a)において、店舗コード「001」に関連付けられたクレジットの度数は「0」であり、店舗コード「002」に関連付けられたクレジットの度数は「100」であり、店舗コード「003」に関連付けられたクレジットの度数は「60」である。
【0028】
データ入出力部44により読み出されたクレジットのうち、ゲーム機1に対応する店舗コードに関連付けられたクレジットは、そのゲーム機1で使用可能なクレジットとしてクレジットされる。例えば、店舗コードが「002」の店舗3Bに設置されたゲーム機1においては、度数「100」のクレジットが使用可能なクレジットとなり、この度数「100」を含めたクレジットの度数がクレジット表示部25に表示されることとなる。
【0029】
また、データ入出力部44により読み出されたクレジットのうち、ゲーム機1に対応しない店舗コードに関連付けられたクレジットは、このゲーム機1で使用することができない。このように、ある店舗コードと異なる店舗コードに関連付けられたクレジットを、ある店舗コードの店舗に設置されたゲーム機1において使用することができないから、その店舗の売上げには影響が生じない。よって、その店舗が不利益を被ることを回避することができる。
【0030】
ただし、ゲーム機1に対応しない店舗コードに関連付けられたクレジットは、遊技者が所定の操作を行うことにより、このゲーム機1に対応する店舗コードに関連付けられたクレジットに交換することが可能にされている。なお、クレジット交換の際に100円分の度数のクレジットが手数料として差し引かれるように構成されている。また、クレジット交換が行われると、データ入出力部44によって、クレジット交換後のクレジットが新たなクレジットとして、店舗コードに関連付けられてICカード101に書き込まれる。
【0031】
具体的には、ICカード101がカード給排出口21に挿入されており、液晶表示装置19に表示された図示しない交換ボタンが押下されると、図4(a)に示すような交換操作画面60が液晶表示装置19に表示される。図4(a)は、店舗コード「001」のゲーム機1において、図3(a)に示した各クレジットを記憶したICカード101が用いられた場合の画面である。
【0032】
ここで、店舗コード「001」のゲーム機1においては、ICカード101から読み出した情報(クレジットの度数、店舗コード)を元に、図7に示すようなクレジット交換テーブルが作成される。図7において、交換元の店舗コードが「002」のクレジットの度数は「100」であり、店舗コード「002」の店舗3Bにおける度数「1」当たりのクレジットの価値は50円である(図6参照)。よって、手数料100円分の度数を差し引いたクレジットの度数は「98」である。この度数を、度数「1」当たりのクレジットの価値が100円である店舗コード「001」の店舗3Aのクレジットに換算すると、最大交換可能度数は「49」となる。同様にして、交換元の店舗コードが「003」のクレジットを店舗コード「001」の店舗3Aのクレジットに換算すると、最大交換可能度数は「11」となる。
【0033】
したがって、図4(a)の交換操作画面60では、「店舗「イロハ」のクレジットを49枚分のクレジットに交換できます。」の文字からなる文字画像51及び「店舗「ニホヘ」のクレジットを11枚分のクレジットに交換できます。」の文字からなる文字画像52が表示されて、交換可能なクレジットの度数が遊技者に報知される。また、「手数料として100円相当分のクレジットが必要です。」の文字からなる文字画像53により、クレジット交換に手数料が必要であることが遊技者に報知される。また、図4(a)の交換操作画面60では、「Aを実行」、「Bを実行」、「交換しない」の文字からなる文字画像54,55,56が夫々表示されている。
【0034】
クレジット交換が行われる場合には、「Aを実行」、「Bを実行」のどちらかが選択されて、図4(b)に示すような交換度数決定画面61に移行する。図4(b)においては、文字画像54の「Aを実行」が選択された場合の交換度数決定画面61を表わしている。図4(b)の交換度数決定画面61では、文字画像51に加えて、「何枚分交換しますか?」の文字画像57と、テンキー58と、交換度数を表示する分割画面59とが表示されるとともに、遊技者のテンキー58の操作により、交換度数として「30」が決定されている。交換度数が決定されると、クレジット交換が行われる。
【0035】
図3(b)は、クレジット交換後に新たなクレジットが書き込まれた際のクレジット記憶テーブルの一例である。店舗コード「001」の度数「30」のクレジットに交換された店舗コード「002」のクレジットの度数は「60」であり、手数料である100円分のクレジットの度数は「2」であるから、「100」から「62」を引いた度数「38」が店舗コード「002」のクレジットとして更新されている。このように、ある店舗コード(例えば、「002」)に関連付けられたクレジットが、他の店舗コード(例えば、「001」)を記憶したゲーム機1において、所定の交換率で、他の店舗コード(「001」)に関連付けられたクレジットに交換されるから、店舗コードが一致しないゲーム機1においても、クレジットを所定の交換率で交換することによって、ゲームを行うことができる。
【0036】
図3(c)はICカード排出後のクレジット記憶テーブルの一例である。図3(c)では、店舗コード「001」の店舗3Aに設置されたゲーム機1が実行するゲームによりクレジットの度数が「10」になった段階でICカード101が排出された際のクレジット記憶テーブルを示している。排出時に、新たなクレジットの度数「10」が、店舗コード「001」に関連付けられて書き込まれている。
【0037】
(ゲーム機1:電気的構成)
上記のゲーム機1は、図5に示すように、ゲーム機制御回路30により動作が制御されている。ゲーム機制御回路30は、図10の管理ルーチンや図11のクレジット交換処理ルーチン等の各種プログラムを実行し、ポーカーゲームやメダルのクレジット、メダルの払い出しを行う演算部31と、上記プログラムや各種データを記憶する記憶部32とを有している。
【0038】
演算部31は、後述の管理ルーチン等を実行し、ゲーム用のデモ画面を液晶表示装置19に画面表示させたり、ゲームを開始・実行させたり、ゲーム結果に応じて遊技者に付与されるクレジットのクレジット/払い出しを行ったり、クレジット交換を行ったり、ICカード101に対してクレジットの読み出し/書き込みを行ったりすることを可能にしている。演算部31は、クレジット交換を行う毎にクレジット交換されたクレジットの度数を金額に換算した金額データを作成して記憶部32に記憶させる。
【0039】
記憶部32は、ポーカーゲームのアプリケーションプログラム、及び、管理ルーチン等の制御プログラムを書換え不能に記憶している。また、記憶部32は、クレジットの度数をゲーム結果等に応じて増減できるように、書き換え可能に記憶している。また、記憶部32は、クレジット交換や金額データの作成の際に参照される図6のクレジット価値管理テーブルや、クレジット交換用に作成される図7のクレジット交換テーブル、金額データ、店舗コード等を記憶している。
【0040】
また、ゲーム機制御回路30は、演出ランプ17を駆動するLED駆動部33と、ゲーム時等における音を制御する音源IC34と、音源IC34の音声信号を増幅してスピーカ39から出音させるパワーアンプ35と、クレジット表示部25を制御する表示部駆動回路38と、液晶表示装置19を制御する画像制御回路36とを有している。画像制御回路36は、図示しない画像制御ICや画像制御ワークRAM、画像ROM、ビデオRAMを備えている。画像制御ICは、演算部31で設定されたパラメータに基づいて画像制御プログラムに従って液晶表示装置19での表示内容を決定する。画像制御ワークRAMは、画像制御プログラムを画像制御ICで実行するときの一時記憶手段(バッファ)として構成される。画像ROMは、画像を形成するためのドットデータを格納する。ビデオRAMは、画像制御ICで画像を形成するときの一時記憶手段として構成される。
【0041】
さらに、ゲーム機制御回路30は、入力部37と金額データ送信手段としての通信部43とを有している。入力部37は、メダル選別装置16aとタッチパネル19aとC/Pボタン15とイジェクトボタン22とに接続されており、これら各部からの信号を取り込んで情報処理に適した信号に変換するようになっている。また、通信部43は、上述のホールコンピュータ2に接続されており、ホールコンピュータ2との間で上記した金額データ等の各種データを送受信可能にしている。
【0042】
さらに、ゲーム機制御回路30は、ホッパー29を駆動制御するホッパー駆動回路41、カード吸入排出機構28に対して所定の動作を実行させるように電力を供給するカード吸入排出駆動部42、ICカード101に対してクレジットの読み出し/書き込みを行うデータ入出力部44を有している。
【0043】
(ポーカーゲーム)
上記のように構成されるゲーム機1においては、ポーカーゲームが実行される。本実施の形態におけるポーカーゲームは、コンピュータがプレイする3人の対戦相手と合計4人で行うものである。ポーカーゲームは、遊技者がタッチパネル19aを操作することにより行われるが、その詳細な説明は省略する。また、本実施の形態のゲーム機1は、デモ画面が液晶表示装置19に表示された状態で、メダル投入口16に3枚以上のメダルが投入されるか、カード給排出口21に「3」以上の度数のクレジットを記憶したICカード101が挿入されて、クレジットの度数が「3」以上になると、ゲームが開始され、クレジットの度数が「3」以下となったり、ICカード101が排出されたりした場合にゲームが終了するものとする。
【0044】
また、クレジット表示部25に表示されているクレジットの度数は、メダル投入口16からメダルが投入されたり、クレジットを記憶したICカード101がカード給排出口21に挿入されたり、クレジット交換が行われたり、ゲーム結果に応じてクレジットが付与されたりすることで増加し、遊技者がゲームに負けることで減少する。
【0045】
(クレジット価値管理テーブル)
図6は、クレジット交換及び金額データの作成の際に参照されるクレジット価値管理テーブルである。このクレジット価値管理テーブルは、ゲーム機1の記憶部32に記憶されている。各店舗コードに対応する度数「1」当たりのクレジットの価値は、図示したとおりである。
【0046】
(クレジット交換テーブル)
図7は、クレジット交換が行われる際に作成されるクレジット交換テーブルである。このクレジット交換テーブルは、ゲーム機1の演算部31で作成され、記憶部32に記憶される。なお、図7は店舗コード「001」のゲーム機1で作成されるクレジット交換テーブルの一例を図示しており、店舗コード「002」のゲーム機1や店舗コード「003」のゲーム機1においても同様のテーブルが作成される。
【0047】
店舗コード「001」のゲーム機1においては、交換元店舗コード欄に「002」と「003」とが格納されている。クレジット度数欄には、ICカード101から読み出したクレジットの度数が店舗コード毎に格納されている。手数料を差し引いたクレジット度数欄には、図6のクレジット価値管理テーブルを参照して100円分の手数料に相当するクレジットの度数を差し引いたクレジットの度数が格納される。具体的には、店舗コード「003」における度数「1」当たりのクレジットの価値は20円であるから、100円分のクレジット度数「5」を差し引いた度数「55」がこの欄に格納される。最大交換可能枚数欄には、手数料を差し引いた後の交換元のクレジットの度数を交換先のクレジットの度数に交換した値が格納される。具体的には、店舗コード「003」における度数「1」当たりのクレジットの価値(20円)は、交換先である店舗コード「001」における度数「1」当たりのクレジットの価値(100円)の5分の1であるから、店舗コード「003」のクレジットの度数「55」を店舗コード「001」のクレジットの度数に換算した値は「11」となる。同様にして、店舗コード「002」のクレジットの度数「98」を店舗コード「001」のクレジットの度数に換算した値は「49」となる。
【0048】
(ホールコンピュータ2)
ホールコンピュータ2は、図1に示すように、上記の4台のゲーム機1とデータ通信可能に接続し、少なくとも、図12の累積金額算出処理ルーチン等のプログラムを実行する演算部と、上記プログラムや各種データを記憶する記憶部と通信部とを備えた情報処理装置2a及び、ゲーム機1や店舗等に関する情報等を記憶する記憶装置2bとからなっている。
【0049】
情報処理装置2aは、同一店舗に設置された4台のゲーム機1から定期的(本実施の形態では、1時間毎)に金額データを受信して、この金額データに係る金額を交換元の店舗コード毎に累積させた累積金額を算出し、記憶装置2bに記憶させる。そして、店舗の閉店時刻に、その日一日で累積させた累積金額を交換元の店舗コードと交換先の店舗コードとに関連付けた累積金額データを作成し、これをセンターサーバ4に送信する。
【0050】
(累積金額管理テーブル)
ホールコンピュータ2の記憶装置2bは、上記した累積金額を図8に示すような累積金額管理テーブルとして管理している。なお、図8は店舗コード「001」の店舗3Aに設置されたホールコンピュータ2で作成される累積金額管理テーブルの一例を図示しており、他の店舗に設置されたホールコンピュータ2においても同様のテーブルが作成される。店舗コードが「001」の店舗3Aに設置されたホールコンピュータ2においては、交換元店舗コード欄に「002」と「003」とが格納されている。累積金額欄には、金額データの金額を交換元の店舗コード毎に累積させた累積金額が格納されている。
【0051】
ここで、交換元店舗コード「002」についての累積金額は、本来は店舗コード「002」の店舗3Bの売上げとして処理されたクレジットに相当する金額であるから、この金額に相当するクレジットが交換先の店舗3Aにおいて使用されると、交換先の店舗3Aとしては、なんら売上げを得ていないにも関わらず、店舗3Aに設置されたゲーム機1で遊ばれてしまうことになり、不利益を被ることになる。よって、交換元店舗コード「002」についての累積金額は、店舗コード「002」の店舗3Bの売上げとして処理するのではなく、交換先の店舗3Aの売上げとして処理する必要がある。交換元店舗コード「003」についての累積金額についても同様である。そこで、ホールコンピュータ2により算出された累積金額(図8参照)を交換先の店舗が被った不利益として、交換先の店舗が交換元の店舗に請求することによって、交換先の店舗の不利益を解消することができる。
【0052】
(センターサーバ4)
センターサーバ4は、図1に示すように、3つの店舗3A,3B,3Cの各々が備えるホールコンピュータ2とデータ通信網5を介してデータ通信可能に接続されている。センターサーバ4は、少なくとも、図13の相殺処理ルーチン等のプログラムを実行する演算部と、上記プログラムや各種データを記憶する記憶部と通信部とを備えた情報処理装置4aと、ハードディスク装置等の大容量記憶装置4bとを有している。
【0053】
情報処理装置4aの演算部は、後述する相殺処理ルーチン等を実行することにより、ホールコンピュータ2から送信されてくる累積金額データを元に、図9に示す全累積金額管理テーブルを作成し、交換元と交換先が相対する2つの累積金額から相殺可能な金額を算出し、その金額を相対する2つの累積金額の各々から減算する。また、大容量記憶装置4bには、情報処理装置4aの演算部により作成された全累積金額管理テーブルが格納される。
【0054】
(全累積金額管理テーブル)
全累積金額管理テーブルは、図9に示すように、ホールコンピュータ2から1日に1回送信されてきた累積金額データを、交換元の店舗コードと交換先の店舗コードとに関連付けて管理するテーブルであり、1日毎に更新される。全累積金額管理テーブルは、交換元店舗コード欄と、交換先店舗コード欄と、累積金額欄とを有している。交換元店舗コード欄および交換先店舗コード欄には、各店舗3A,3B,3Cに固有の店舗コード「001」、「002」、「003」が格納される。累積金額欄には、交換元の店舗コードと交換先の店舗コードとに対応する累積金額が格納される。
【0055】
図9(a)は、相殺前、即ち、各ホールコンピュータ2から送信されてきた累積金額データをそのまま格納した時の全累積金額管理テーブルの一例である。一方、図9(b)は、相殺後、即ち、情報処理装置4aの演算部が、交換元と交換先が相対する2つの累積金額から相殺可能な金額を算出し、その金額を相対する2つの累積金額の各々から減算した後の全累積金額管理テーブルの一例である。例えば、図9(a)において、交換元店舗コードが「001」で交換先店舗コードが「002」の累積金額の額である3450円と、交換元店舗コードが「002」で交換先店舗コードが「001」の累積金額の額である4800円とから、相殺可能な金額3450円が減算されることによって、図9(b)に示すように、交換元店舗コードが「001」で交換先店舗コードが「002」の累積金額の額が0円となり、交換元店舗コードが「002」で交換先店舗コードが「001」の累積金額の額が1350円となる。このように、交換元と交換先が相対する2つの累積金額から相殺可能な金額を算出し、その金額を相対する2つの累積金額の各々から減算するから、ある店舗が他の店舗に支払う金額と、ある店舗が他の店舗から受け取る金額とが、差額を残して相殺されることになる。よって、残った差額について各店舗が清算を行えば、各店舗の不利益を解消させることができる。
【0056】
(ゲームシステムの動作)
上記の構成において、ゲーム機1、ホールコンピュータ2、及びセンターサーバ4の動作を通じてゲームシステムの動作について説明する。
【0057】
(ゲーム機1の動作:管理ルーチン)
ゲーム機1においては、電源が投入されると、図10に示す管理ルーチンを他の制御プログラムと共に見掛け上、並列的に実行している。具体的には、まず、液晶表示装置19にデモ画面を表示する(A1)。そして、ゲームが開始されたか否かを判定する(A2)。即ち、3枚以上のメダルが投入されるか「3」以上の度数のクレジットを記憶したICカード101が挿入されたか否かを判定する。ゲームが開始されていない場合(A2:NO)、A1に戻り、デモ画面を表示し続ける。ゲームが開始された場合(A2:YES)、デモ画面からゲーム画面に切り替える(A3)。このとき、投入されたメダルの枚数分のクレジット及び/又はICカード101が記憶していたクレジットがゲーム機1にクレジットされ、クレジット表示部25にクレジットの度数が表示される。ここで、ICカード101に記憶されているクレジットのうち、店舗コードが異なるクレジットは、そのゲーム機1では使用することができない。よって、店舗コードが異なるクレジットにより、店舗の売上げに影響が生じることがないから、店舗が不利益を被ることを回避することができる。
【0058】
そして、ポーカーゲームを実行する(A4)。即ち、遊技者はタッチパネル19aを操作することによって、配布された5枚のカードを交換したり、ゲーム進行に応じてBET数を上げたり、ゲームを降りたりする。
【0059】
次に、ゲーム終了か否かを判定する(A5)。ここでのゲームの終了とは、ICカード101が排出されたり、クレジットの度数が「3」以下となった場合である。ゲーム終了の場合(A5:YES)、A1に戻り、ゲーム画面からデモ画面へと切り替わる。ゲーム終了でない場合(A5:NO)、A4に戻り、ポーカーゲームを再度実行する。
【0060】
なお、上記の管理ルーチンの実行中に、メダル投入口16からメダルが投入されるか、カード給排出口21にクレジットを記憶したICカード101が挿入されるか、クレジット交換が行われると、割り込み処理により、クレジット表示部25が表示するクレジットの度数が増加するようになっている。また、ゲーム実行中にイジェクトボタン22が操作されて、ICカード101の排出が指示された場合は、フラグが立てられ、プレイ中のゲームの終了後にICカード101が排出されるようになっている。
【0061】
(ゲーム機1の動作:クレジット交換処理ルーチン)
また、ゲーム機1は、図11に示すクレジット交換処理ルーチンを上記の管理ルーチンと並列的に実行している。即ち、クレジット交換処理ルーチンを実行すると、まず、ICカード101がカード給排出口21に挿入されているか否かを判定する(B1)。ICカード101が挿入されていない場合(B1:NO)、B1を再実行し、ICカード101の挿入待ちとなる。ICカード101が挿入されている場合(B1:YES)、液晶表示装置19に表示された交換ボタンが押下されたか否かを判定する(B2)。交換ボタンが押下されない場合(B2:NO)、B1に戻る。交換ボタンが押下された場合(B2:YES)、図6のクレジット価値管理テーブルを参照して、交換可能なクレジットの度数を店舗コード毎に算出し(B3)、図4(a)に示すような交換操作画面60を液晶表示装置19に表示させる(B4)。このとき、図7に示すようなクレジット交換テーブルが作成される。
【0062】
次に、交換操作画面60において、文字画像56の「交換しない」が選択されたか否かを判定する(B5)。「交換しない」が選択された場合(B5:YES)、B1に戻る。「交換しない」が選択されなかった場合(B5:NO)、クレジット交換が選択されたと判断して、選択された店舗コードについての交換度数決定画面61(図4(b)参照)を液晶表示装置19に表示させる(B6)。次に、交換度数決定画面61において、交換度数が入力されたか否かを判定する(B7)。交換度数が入力されない場合(B7:NO)、B7を再実行して、交換度数の入力待ちとなる。交換度数が入力された場合(B7:YES)、その度数のクレジットを交換し(B8)、交換されたクレジットの金額を交換元の店舗コードに関連付けた金額データを作成する(B9)。その後、B1に戻る。なお、クレジット交換後のクレジットがICカード101に書き込まれる。このように、ある店舗コード(例えば、「002」)に関連付けられたクレジットが、他の店舗コード(例えば、「001」)を記憶したゲーム機1において、所定の交換率で、他の店舗コード(「001」)に関連付けられたクレジットに交換されるから、店舗コードが一致しないゲーム機1においても、クレジットを所定の交換率で交換することによって、ゲームを行うことができる。
【0063】
(ホールコンピュータ2の動作:累積金額算出処理ルーチン)
ホールコンピュータ2においては、図12に示す累積金額算出処理ルーチンを実行している。具体的には、まず、所定時刻か否かを判定する(C1)。ここで、本実施の形態においては、1時間毎に所定時刻となる。所定時刻でない場合(C1:NO)、C1を再実行して、所定時刻待ちとなる。所定時刻である場合(C1:YES)、同一店舗内の4台のゲーム機1にアクセスする(C2)。次に、ゲーム機1が記憶する金額データがあるか否かを判定する(C3)。金額データがない場合(C3:NO)、C1に戻る。金額データがある場合(C3:YES)、金額データを受信し(C4)、金額データを用いて交換元店舗コード毎に累積金額を算出する(C5)。算出された累積金額は図8の累積金額管理テーブルとして管理される。次に、店舗の閉店時刻であるか否かを判定する(C6)。店舗の閉店時刻でない場合(C6:NO)、C1に戻る。店舗の閉店時刻である場合(C6:YES)、累積金額を交換元店舗コードと交換先店舗コードとに関連付けた累積金額データを作成し(C7)、この累積金額データをセンターサーバ4に送信する(C8)。その後、C1に戻る。
【0064】
ここで、ある交換元店舗コード(例えば、「002」)についての累積金額は、本来はその交換元店舗コード「002」の店舗の売上げとして処理されたクレジットに相当する金額であるから、この金額に相当するクレジットが交換先の店舗において使用されると、交換先の店舗としては、なんら売上げを得ていないにも関わらず、その店舗に設置されたゲーム機1で遊ばれてしまうことになり、不利益を被ることになる。よって、交換元店舗コード「002」についての累積金額は、店舗コード「002」の店舗の売上げとして処理するのではなく、交換先の店舗の売上げとして処理する必要がある。そこで、ホールコンピュータ2により算出された累積金額を交換先の店舗が被った不利益として、交換先の店舗が交換元の店舗に請求することによって、交換先の店舗の不利益を解消することができる。
【0065】
(センターサーバ4の動作:相殺処理ルーチン)
センターサーバ4においては、図13に示す相殺処理ルーチンを実行している。具体的には、まず、各ホールコンピュータ2から累積金額データを受信したか否かを判定する(D1)。累積金額データを受信しない場合(D1:NO)、D1を再実行して、累積金額データの受信待ちとなる。累積金額データを受信した場合(D1:YES)、図9(a)に示すような全累積金額管理テーブルが作成される。
【0066】
そして、交換元の店舗コードが「001」で交換先の店舗コードが「002」の累積金額データと、交換元の店舗コードが「002」で交換先の店舗コードが「001」の累積金額データとを抽出し(D2)、金額の少ない方又は同額の累積金額を2つの累積金額から減算する(D3)。次に、交換元の店舗コードが「001」で交換先の店舗コードが「003」の累積金額データと、交換元の店舗コードが「003」で交換先の店舗コードが「001」の累積金額データとを抽出し(D4)、金額の少ない方又は同額の累積金額を2つの累積金額から減算する(D5)。次に、交換元の店舗コードが「002」で交換先の店舗コードが「003」の累積金額データと、交換元の店舗コードが「003」で交換先の店舗コードが「002」の累積金額データとを抽出し(D6)、金額の少ない方又は同額の累積金額を2つの累積金額から減算する(D7)。以上の処理が終了すると、図9(b)に示すような相殺後の全累積金額管理テーブルとなる。その後、D1に戻る。
【0067】
このように、交換元と交換先が相対する2つの累積金額から相殺可能な金額を算出し、その金額を相対する2つの累積金額の各々から減算するから、ある店舗が他の店舗に支払う金額と、ある店舗が他の店舗から受け取る金額とが、差額を残して相殺されることになる。よって、残った差額について各店舗が清算を行えば、各店舗の不利益を解消させることができる。
【0068】
(本実施の形態の概要)
以上のように、本実施の形態のゲーム機1は、複数のIDコード(例えば、店舗コード)の一を記憶するIDコード記憶手段(例えば、記憶部32)と、ゲーム(例えば、ポーカーゲーム)で消費可能な遊技価値(例えば、クレジット)を各IDコードに関連付けて書き込み可能に記憶する記憶媒体(例えば、ICカード101)が挿抜される挿入口(例えば、カード給排出口21)と、挿入口に挿入された記憶媒体から遊技価値を読み出す読出手段(例えば、データ入出力部44)と、読出手段が読み出した遊技価値の中から、IDコード記憶手段が記憶するIDコードに関連付けられた遊技価値を抽出する遊技価値抽出手段(例えば、演算部31)と、現時点での遊技価値を記憶する遊技価値記憶手段(例えば、記憶部32)と、遊技価値抽出手段が抽出した遊技価値を現時点での遊技価値に加算する第1の遊技価値加算手段(例えば、演算部31)と、現時点での遊技価値を消費してゲームを実行するゲーム実行手段(例えば、演算部31)と、ゲームで遊技価値を獲得した場合に、獲得した遊技価値を現時点での遊技価値に加算する第2の遊技価値加算手段(例えば、演算部31)と、外部からの操作により挿入口から記憶媒体を抜脱させる抜脱手段(例えば、イジェクトボタン22)と、抜脱手段により記憶媒体が抜脱される際に、現時点での遊技価値をIDコード記憶手段が記憶するIDコードに関連付けて記憶媒体に書き込む書込手段(例えば、データ入出力部44)と、を有する構成にされている。
【0069】
上記の構成によれば、記憶媒体からの遊技価値の読み出し、及び、記憶媒体への遊技価値の書き込みが、IDコード記憶手段が記憶するIDコードに関連付けて行われるから、IDコードが一致するゲーム機ではそのIDコードに関連付けられた遊技価値を記憶媒体から読み出してゲームを行うことができる一方、IDコードが一致しないゲーム機では記憶媒体からの遊技価値の読み出しが行えずにゲームを行うことができない。よって、店舗毎にIDコードが異なる場合に、あるIDコードに関連付けられた遊技価値を記憶した記憶媒体は、IDコードが一致しないゲーム機のみが設置された店舗においては使用することができないから、その店舗の売上げには影響が生じない。よって、店舗が不利益を被ることを回避することができる。
【0070】
また、本実施の形態のゲーム機1においては、読出手段が読み出した遊技価値のうち、IDコード記憶手段が記憶するIDコードと異なるIDコードに関連付けられた遊技価値を認識する遊技価値認識手段(例えば、演算部31)と、遊技価値認識手段が認識した遊技価値を、所定の交換率でIDコード記憶手段が記憶するIDコードに関連付けられた遊技価値に交換する交換手段(例えば、演算部31、交換ボタン、図7のクレジット交換テーブル)と、を更に有する構成にされている。上記の構成によれば、IDコード記憶手段が記憶するIDコードと異なるIDコードに関連付けられた遊技価値が、所定の交換率でIDコード記憶手段が記憶するIDコードに関連付けられた遊技価値に交換されるから、IDコードが一致しないゲーム機においても、遊技価値を所定の交換率で交換することによって、ゲームを行うことができる。
【0071】
また、本実施の形態のゲームシステム100は、上記のゲーム機1がIDコードを統一されて設置され、設置されたゲーム機1のIDコードが互いに異なる複数の店舗(例えば、店舗3A,3B,3C)と、複数の店舗の各々に設置され、ゲーム機1を管理するホールサーバ(例えば、ホールコンピュータ2)と、を有し、ゲーム機1は、交換手段により交換された遊技価値を金額に換算する金額換算手段(例えば、演算部31)と、金額換算手段が換算した金額を交換元のIDコードに関連付けた金額データを作成する金額データ作成手段(例えば、演算部31)と、金額データ作成手段が作成した金額データをホールサーバに送信する金額データ送信手段(例えば、通信部43)と、を有し、ホールサーバは、金額データを受信する金額データ受信手段(例えば、情報処理装置2aの通信部)と、金額データ受信手段が受信した金額データの金額を交換元のIDコード毎に累積させた累積金額を算出する累積金額算出手段(例えば、情報処理装置2aの演算部)と、を有する構成にされている。
【0072】
上記の構成によれば、ゲーム機1により交換された遊技価値が金額に換算され、この金額がホールサーバにより交換元のIDコード毎に累積されて累積金額として算出される。ここで、ある店舗で売り上げられた遊技価値が別の店舗の遊技価値に交換されると、交換先の店舗は、交換された遊技価値に対して売上げを得ていないにもかかわらず交換先の店舗に設置されたゲーム機1で遊ばれてしまうことになり、不利益を被る。そこで、交換された遊技価値に相当する金額を、交換元の店舗の売上げから交換先の店舗の売上げに移す必要が生じるが、ホールサーバにより算出された累積金額を交換先の店舗が被った不利益として、交換先の店舗が交換元の店舗に請求することによって、交換先の店舗の不利益を解消することができる。
【0073】
また、本実施の形態のゲームシステム100においては、ホールサーバがデータ送受信可能に接続されたセンターサーバ4を更に有し、ホールサーバは、累積金額算出手段が算出した累積金額を交換元のIDコードと交換先のIDコードとに関連付けた累積金額データを作成する累積金額データ作成手段(例えば、情報処理装置2aの演算部)と、累積金額データ作成手段が作成した累積金額データをセンターサーバ4に送信する累積金額データ送信手段(例えば、情報処理装置2aの通信部)と、を有し、センターサーバ4は、各ホールサーバから累積金額データを受信する累積金額データ受信手段(例えば、情報処理装置4aの通信部)と、累積金額データ受信手段が受信した複数の累積金額データの中から、交換元のIDコードと交換先のIDコードとが相対する2つの累積金額データを抽出する抽出手段(例えば、情報処理装置4aの演算部)と、抽出手段が抽出した2つの累積金額データの各々の累積金額のうち、金額が少ない方又は同額の累積金額を2つの累積金額の各々から差し引く累積金額減算手段(例えば、情報処理装置4aの演算部)と、を有する構成にされている。
【0074】
上記の構成によれば、センターサーバ4は、交換元のIDコードと交換先のIDコードとが相対する2つの累積金額のうち、金額が少ない方又は同額の累積金額を2つの累積金額の各々から差し引くから、これにより、ある店舗が他の店舗に支払う金額と、ある店舗が他の店舗から受け取る金額とが、差額を残して相殺されることになる。よって、残った差額について各店舗が清算を行えば、各店舗の不利益を解消させることができる。
【0075】
(本実施の形態の変形例)
以上、本発明を好適な実施の形態に基づいて説明したが、本発明はその趣旨を超えない範囲において変更が可能である。即ち、本実施の形態では、ゲーム機1は、コンピュータを相手に対戦ゲームを行う構成にされているが、この構成に限定されるものではなく、同一店舗又は他の店舗に設置された他のゲーム機に対してデータ通信可能にされて、ゲーム機間でデータ通信を行いながらネットワークによる対戦ゲームを行う構成にされていてもよい。
【0076】
また、本実施の形態におけるゲーム機1は、ICカード101に新たなクレジットを書き込むことが可能な構成にされているが、この構成に限定されるものではなく、プリペイドカードのように、予め記憶された度数のクレジットを消費させることができても、クレジットの度数を増加させることができない構成であってもよい。
【0077】
また、本実施の形態におけるゲーム機1は、クレジット交換の際に手数料を差し引くものの、クレジット交換により、例えば、1000円分のクレジットを1000円分のクレジットとして、クレジットの度数を交換する構成にされているが、この構成に限定されるものではなく、例えば、1000円分のクレジットを900円分のクレジットとして交換する構成であってもよい。
【0078】
本発明は、上記の好ましい実施の形態に記載されているが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の趣旨と範囲から逸脱することのない様々な実施の形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施の形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】ゲームシステムの概略構成を示す説明図。
【図2】ゲーム機の斜視図。
【図3】クレジット記憶テーブルの一例を示す図。
【図4】液晶表示装置に表示される画面を示す図。
【図5】ゲーム機制御回路のブロック図。
【図6】クレジット価値管理テーブルを示す図。
【図7】クレジット交換テーブルの一例を示す図。
【図8】累積金額管理テーブルの一例を示す図。
【図9】全累積金額管理テーブルの一例を示す図。
【図10】管理ルーチンのフローチャートを示す図。
【図11】クレジット交換処理ルーチンのフローチャートを示す図。
【図12】累積金額算出処理ルーチンのフローチャートを示す図。
【図13】相殺処理ルーチンのフローチャートを示す図。
【符号の説明】
【0080】
1 ゲーム機
2 ホールコンピュータ
3A,3B,3C 店舗
4 センターサーバ
21 カード給排出口
22 イジェクトボタン
31 演算部
32 記憶部
44 データ入出力部
100 ゲームシステム
101 ICカード
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技価値を消費させてゲームを行うゲーム機及びゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームセンター等に設置されたアーケードゲーム機の中には、硬貨や紙幣を用いずに、店舗が貸し出すメダルを用いてゲームを行うものが存在する。このようなアーケードゲーム機では、遊技者が投入するメダルに応じてゲームが進行し、ゲームに勝利した遊技者にメダルが付与されるようにされている。
【0003】
また、特許文献1に開示されているように、メダルの代わりにメダル枚数の情報を記憶したプリペイドカード等の遊技価値媒体を用いてゲームを行うことがなされている。これによれば、例えば5000円分のプリペイドカードを購入し、これをゲーム機に設けられた挿入口に挿入すれば、5000円分のメダル枚数がクレジットされるため、メダル貸出機により現金をメダルに交換することなくゲームを行うことができるとともに、残った残高を利用して数日に亙ってゲームを行うことができる。
【0004】
【特許文献1】特開2004−249077号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、プリペイドカード等の遊技価値媒体が、購入先の店舗とは異なる店舗に設置されたゲーム機に使用されると、ただでゲームが行われてしまうため、その店舗の売上げに結びつかず、その店舗が不利益を被るという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、店舗が不利益を被ることを回避することが可能なゲーム機及びゲームシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0007】
本発明のゲーム機は、複数のIDコードの一を記憶するIDコード記憶手段と、ゲームで消費可能な遊技価値を各IDコードに関連付けて書き込み可能に記憶する記憶媒体が挿抜される挿入口と、前記挿入口に挿入された前記記憶媒体から前記遊技価値を読み出す読出手段と、前記読出手段が読み出した前記遊技価値の中から、前記IDコード記憶手段が記憶するIDコードに関連付けられた遊技価値を抽出する遊技価値抽出手段と、現時点での遊技価値を記憶する遊技価値記憶手段と、前記遊技価値抽出手段が抽出した遊技価値を前記現時点での遊技価値に加算する第1の遊技価値加算手段と、前記現時点での遊技価値を消費してゲームを実行するゲーム実行手段と、前記ゲームで遊技価値を獲得した場合に、獲得した遊技価値を前記現時点での遊技価値に加算する第2の遊技価値加算手段と、外部からの操作により前記挿入口から前記記憶媒体を抜脱させる抜脱手段と、前記抜脱手段により前記記憶媒体が抜脱される際に、前記現時点での遊技価値を前記IDコード記憶手段が記憶するIDコードに関連付けて前記記憶媒体に書き込む書込手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
上記の構成によれば、記憶媒体からの遊技価値の読み出し、及び、記憶媒体への遊技価値の書き込みが、IDコード記憶手段が記憶するIDコードに関連付けて行われるから、IDコードが一致するゲーム機ではそのIDコードに関連付けられた遊技価値を記憶媒体から読み出してゲームを行うことができる一方、IDコードが一致しないゲーム機では記憶媒体からの遊技価値の読み出しが行えずにゲームを行うことができない。よって、店舗毎にIDコードが異なる場合に、あるIDコードに関連付けられた遊技価値を記憶した記憶媒体は、IDコードが一致しないゲーム機のみが設置された店舗においては使用することができないから、その店舗の売上げには影響が生じない。よって、店舗が不利益を被ることを回避することができる。
【0009】
また、本発明のゲーム機においては、前記読出手段が読み出した前記遊技価値のうち、前記IDコード記憶手段が記憶するIDコードと異なるIDコードに関連付けられた遊技価値を認識する遊技価値認識手段と、前記遊技価値認識手段が認識した遊技価値を、所定の交換率で前記IDコード記憶手段が記憶するIDコードに関連付けられた遊技価値に交換する交換手段と、を更に有していてよい。上記の構成によれば、IDコード記憶手段が記憶するIDコードと異なるIDコードに関連付けられた遊技価値が、所定の交換率でIDコード記憶手段が記憶するIDコードに関連付けられた遊技価値に交換されるから、IDコードが一致しないゲーム機においても、遊技価値を所定の交換率で交換することによって、ゲームを行うことができる。
【0010】
本発明のゲームシステムは、上述したゲーム機が前記IDコードを統一されて設置され、設置された前記ゲーム機の前記IDコードが互いに異なる複数の店舗と、前記複数の店舗の各々に設置され、前記ゲーム機を管理するホールサーバと、
を有し、前記ゲーム機は、前記交換手段により交換された遊技価値を金額に換算する金額換算手段と、前記金額換算手段が換算した金額を交換元のIDコードに関連付けた金額データを作成する金額データ作成手段と、前記金額データ作成手段が作成した前記金額データを前記ホールサーバに送信する金額データ送信手段と、を有し、前記ホールサーバは、前記金額データを受信する金額データ受信手段と、前記金額データ受信手段が受信した前記金額データの金額を前記交換元のIDコード毎に累積させた累積金額を算出する累積金額算出手段と、を有することを特徴とする。
【0011】
上記の構成によれば、ゲーム機により交換された遊技価値が金額に換算され、この金額がホールサーバにより交換元のIDコード毎に累積されて累積金額として算出される。ここで、ある店舗で売り上げられた遊技価値が別の店舗の遊技価値に交換されると、交換先の店舗は、交換された遊技価値に対して売上げを得ていないにもかかわらず交換先の店舗に設置されたゲーム機で遊ばれてしまうことになり、不利益を被る。そこで、交換された遊技価値に相当する金額を、交換元の店舗の売上げから交換先の店舗の売上げに移す必要が生じるが、ホールサーバにより算出された累積金額を交換先の店舗が被った不利益として、交換先の店舗が交換元の店舗に請求することによって、交換先の店舗の不利益を解消することができる。
【0012】
また、本発明のゲームシステムにおいては、前記ホールサーバがデータ送受信可能に接続されたセンターサーバを更に有し、前記ホールサーバは、前記累積金額算出手段が算出した前記累積金額を交換元のIDコードと交換先のIDコードとに関連付けた累積金額データを作成する累積金額データ作成手段と、前記累積金額データ作成手段が作成した前記累積金額データを前記センターサーバに送信する累積金額データ送信手段と、を有し、前記センターサーバは、各ホールサーバから前記累積金額データを受信する累積金額データ受信手段と、前記累積金額データ受信手段が受信した複数の前記累積金額データの中から、前記交換元のIDコードと前記交換先のIDコードとが相対する2つの累積金額データを抽出する抽出手段と、前記抽出手段が抽出した2つの累積金額データの各々の前記累積金額のうち、金額が少ない方又は同額の累積金額を2つの前記累積金額の各々から差し引く累積金額減算手段と、を有していてよい。上記の構成によれば、センターサーバは、交換元のIDコードと交換先のIDコードとが相対する2つの累積金額のうち、金額が少ない方又は同額の累積金額を2つの累積金額の各々から差し引くから、これにより、ある店舗が他の店舗に支払う金額と、ある店舗が他の店舗から受け取る金額とが、差額を残して相殺されることになる。よって、残った差額について各店舗が清算を行えば、各店舗の不利益を解消させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0014】
本実施の形態にかかるゲームシステム100は、図1に示すように、3つの店舗3A,3B,3Cの各々に備えられ、ゲームを実行する複数のゲーム機1と、複数のゲーム機1を管理・制御するホールサーバとしてのホールコンピュータ2と、複数のホールコンピュータ2とデータ通信網5を介してデータ通信を行うセンターサーバ4とを有している。尚、ゲーム機1は、コインやメダル、遊技球等の他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したICカード等の遊技媒体を用いてゲームを行うものであるが、以下の説明においては、遊技媒体としてメダル及びICカードを用い、遊技価値としてクレジットを用いるものとして説明する。また、店舗の数は3つに限定されるものではない。
【0015】
ここで、本実施の形態では、各店舗3A,3B,3Cによって度数「1」当たりのクレジットの価値が異なるように設定されている。具体的には、店舗3Aにおける度数「1」当たりのクレジットの価値は100円であり、店舗3Bにおける度数「1」当たりのクレジットの価値は50円であり、店舗3Cにおける度数「1」当たりのクレジットの価値は20円である。また、ゲーム単価(1ゲームに要するクレジットの度数)が各店舗3A,3B,3Cで同じに設定されている。なお、度数「1」当たりのクレジットの価値が各店舗で同じであってもよい。
【0016】
各店舗3A,3B,3Cは、図1に示すように、4台のゲーム機1と、ホールコンピュータ2とを備えている。各店舗3A,3B,3Cが備える4台のゲーム機1の各々には、各店舗3A,3B,3Cに固有の店舗コードが記憶されている。即ち、ゲーム機1が記憶する店舗コードは各店舗3A,3B,3C間で異なるようにされている。具体的には、店舗3Aの店舗コードは「001」であり、店舗3Aに備えられた4台のゲーム機1の各々が記憶する店舗コードは「001」である。また、店舗3Bの店舗コードは「002」であり、店舗3Cの店舗コードは「003」である。
【0017】
各ゲーム機1は、無線や有線によるLAN(Local Area Network)によりホールコンピュータ2とデータ通信可能にされている。また、ホールコンピュータ2は、モニターやキーボード、通信装置、記憶装置等を備えており、各店舗3A,3B,3C内のゲーム機1等の各種機器を、LANを介して管理及び設定することが可能になっている。さらに、ホールコンピュータ2は、無線や有線によるインターネット等のデータ通信網5を介してセンターサーバ4に対してデータを送受信可能にされている。
【0018】
また、本実施の形態においては、4台のゲーム機1が同一店舗3A,3B,3C内に備えられた場合について説明しているが、4台に限らず、2台以上の複数台であっても1台であってもよい。また、ゲーム機1とホールコンピュータ2とは、LANを介して通信するようになっているが、複数のゲーム機1とホールコンピュータ2とが一体になるような構成であってもよい。
【0019】
(ゲーム機1の機械的構成)
本実施の形態にかかるゲーム機1は、コンピュータを相手にポーカーゲームをプレイする対戦型ゲーム機であり、遊技者はクレジットを消費させてゲームを行い、ゲームに勝利するとクレジットを獲得する一方、ゲームに負けるとクレジットを失うものである。なお、ゲーム内容はポーカーゲームに限定されるものではなく、麻雀や競馬であってもよい。
【0020】
各ゲーム機1は、図2に示すように、遊技者を着席させる椅子14が前方に設けられている。そして椅子14側である前側に配置された操作パネル装置11と、操作パネル装置11の後側に配置された表示装置12と、操作パネル装置11及び表示装置12を支持する支持台13とを有している。
【0021】
上記の操作パネル装置11は、操作面11aが水平に設定されている。操作面11aには、左右方向の右端側(紙面奥側)に配置されたメダル投入口16が設けられている。メダル投入口16は、メダルを投入可能とするように形成されている。メダル投入口16は、図5のメダル選別装置16aに連絡されており、メダル選別装置16aは、メダルを検知して投入枚数を計数可能にしている。メダル投入口16に投入されたメダルは、ゲーム機1に格納(クレジット)され、このクレジットが消費されることによりゲームが行われる。なお、ゲーム機1に格納(クレジット)されているクレジットは、次ゲームにおいて使用できるようになっている。
【0022】
また、操作面11aの左右方向の左端側、即ち、メダル投入口16と反対側には、遊技者がゲームで獲得したクレジットのクレジット/払い出しを押しボタン操作で切替えるC/Pボタン15が設けられている。このC/Pボタン15の切り替えにより、クレジットが選択された場合には、ゲーム結果に応じて遊技者に付与されるクレジットはゲーム機1にクレジットされる。一方、払い出しが選択された場合には、ゲーム結果に応じて遊技者に付与されるクレジットはメダルとして払い出される。具体的には、ホッパー29(図5参照)からメダル払出ロ(図示せず)を介してメダルが払い出され、払い出されたメダルは操作パネル装置11の正面略中央に設けられたメダル受け部23に溜められる。
【0023】
C/Pボタン15とメダル投入口16との間には、各種の操作ボタン類や演出ランプ17等が配置されており、演出ランプ17は、ゲームの結果や内容に応じて、点灯及び消灯するようになっている。
【0024】
メダル受け部23の右側上方には、ICカード101を挿入可能な挿入口としてのカード給排出口21が設けられている。カード給排出口21の開口サイズは、ICカード101を通過可能な高さ及び幅に設定されている。そして、カード給排出口21は、カード吸入排出機構28(図5参照)に連絡されている。カード吸入排出機構28は、ICカード101を操作パネル装置11内から排出して所定位置で停止及び保持する機能と、遊技者がICカード101をカード給排出口21に差し込んだときに、このICカード101を操作パネル装置11内に引き込む機能とを有している。また、カード給排出口21の下側には、抜脱手段としてのイジェクトボタン22が設けられている。イジェクトボタン22は、遊技者が押圧操作したときに、カード給排出口21に引き込まれたICカード101を操作パネル装置11内から遊技者の意思で強制的に排出させるようになっている。
【0025】
上記のように構成された操作パネル装置11の後側には、表示装置12が配置されている。表示装置12は、椅子14に着席した遊技者から目視され易いように、前端部が操作パネル装置11の高さ位置に設定されていると共に、前端部から後端部に向かって上方に傾斜されている。表示装置12は、ゲームに関係する画像等を表示する液晶表示装置19と、液晶表示装置19の表面に設けられたタッチパネル19aと、ゲーム機1にクレジットされているクレジットの度数を表示するクレジット表示部25と、液晶表示装置19、タッチパネル19a及びクレジット表示部25を支持する支持枠体18とを有している。タッチパネル19aは、透過性を有した材質で形成されており、液晶表示装置19の表示画面を遊技者に目視させながら、表示画面の所定位置を指で押さえたときの接触位置を操作信号として取り込むことを可能にしている。クレジット表示部25は7セグメント表示器からなるものである。また、支持枠体18の両側には、透音孔18aが形成されている。透音孔18aの背面側には、スピーカ39(図5参照)が設けられている。スピーカ39は、ゲーム時の効果音等の演出に使用される。
【0026】
カード給排出口21に挿抜されるICカード101には、店舗コードに関連付けられたクレジットを複数記憶させることが可能である。即ち、ICカード101は、図3に示すようなクレジット記憶テーブルを備えている。そして、クレジットを記憶したICカード101がカード給排出口21に挿入されると、読出手段としてのデータ入出力部44(図5参照)により、ICカード101が記憶する全てのクレジットが、そのクレジットに関連付けられた店舗コードとともに読み出される。また、イジェクトボタン22が押下されると、ICカード101がカード給排出口21から排出される際に、書込手段としてのデータ入出力部44によって、ゲーム機1が記憶していたクレジットが新たなクレジットとして、そのゲーム機1に対応する店舗コードに関連付けられてICカード101に書き込まれる。なお、ICカード101は、予めクレジットが記憶されていない状態(ブランク状態)で販売されるものであっても、クレジットが記憶された状態で販売されるものであってもよい。
【0027】
図3(a)は、ICカード101がカード給排出口21に挿入された際のクレジット記憶テーブルの一例を表わしている。図3(a)において、店舗コード「001」に関連付けられたクレジットの度数は「0」であり、店舗コード「002」に関連付けられたクレジットの度数は「100」であり、店舗コード「003」に関連付けられたクレジットの度数は「60」である。
【0028】
データ入出力部44により読み出されたクレジットのうち、ゲーム機1に対応する店舗コードに関連付けられたクレジットは、そのゲーム機1で使用可能なクレジットとしてクレジットされる。例えば、店舗コードが「002」の店舗3Bに設置されたゲーム機1においては、度数「100」のクレジットが使用可能なクレジットとなり、この度数「100」を含めたクレジットの度数がクレジット表示部25に表示されることとなる。
【0029】
また、データ入出力部44により読み出されたクレジットのうち、ゲーム機1に対応しない店舗コードに関連付けられたクレジットは、このゲーム機1で使用することができない。このように、ある店舗コードと異なる店舗コードに関連付けられたクレジットを、ある店舗コードの店舗に設置されたゲーム機1において使用することができないから、その店舗の売上げには影響が生じない。よって、その店舗が不利益を被ることを回避することができる。
【0030】
ただし、ゲーム機1に対応しない店舗コードに関連付けられたクレジットは、遊技者が所定の操作を行うことにより、このゲーム機1に対応する店舗コードに関連付けられたクレジットに交換することが可能にされている。なお、クレジット交換の際に100円分の度数のクレジットが手数料として差し引かれるように構成されている。また、クレジット交換が行われると、データ入出力部44によって、クレジット交換後のクレジットが新たなクレジットとして、店舗コードに関連付けられてICカード101に書き込まれる。
【0031】
具体的には、ICカード101がカード給排出口21に挿入されており、液晶表示装置19に表示された図示しない交換ボタンが押下されると、図4(a)に示すような交換操作画面60が液晶表示装置19に表示される。図4(a)は、店舗コード「001」のゲーム機1において、図3(a)に示した各クレジットを記憶したICカード101が用いられた場合の画面である。
【0032】
ここで、店舗コード「001」のゲーム機1においては、ICカード101から読み出した情報(クレジットの度数、店舗コード)を元に、図7に示すようなクレジット交換テーブルが作成される。図7において、交換元の店舗コードが「002」のクレジットの度数は「100」であり、店舗コード「002」の店舗3Bにおける度数「1」当たりのクレジットの価値は50円である(図6参照)。よって、手数料100円分の度数を差し引いたクレジットの度数は「98」である。この度数を、度数「1」当たりのクレジットの価値が100円である店舗コード「001」の店舗3Aのクレジットに換算すると、最大交換可能度数は「49」となる。同様にして、交換元の店舗コードが「003」のクレジットを店舗コード「001」の店舗3Aのクレジットに換算すると、最大交換可能度数は「11」となる。
【0033】
したがって、図4(a)の交換操作画面60では、「店舗「イロハ」のクレジットを49枚分のクレジットに交換できます。」の文字からなる文字画像51及び「店舗「ニホヘ」のクレジットを11枚分のクレジットに交換できます。」の文字からなる文字画像52が表示されて、交換可能なクレジットの度数が遊技者に報知される。また、「手数料として100円相当分のクレジットが必要です。」の文字からなる文字画像53により、クレジット交換に手数料が必要であることが遊技者に報知される。また、図4(a)の交換操作画面60では、「Aを実行」、「Bを実行」、「交換しない」の文字からなる文字画像54,55,56が夫々表示されている。
【0034】
クレジット交換が行われる場合には、「Aを実行」、「Bを実行」のどちらかが選択されて、図4(b)に示すような交換度数決定画面61に移行する。図4(b)においては、文字画像54の「Aを実行」が選択された場合の交換度数決定画面61を表わしている。図4(b)の交換度数決定画面61では、文字画像51に加えて、「何枚分交換しますか?」の文字画像57と、テンキー58と、交換度数を表示する分割画面59とが表示されるとともに、遊技者のテンキー58の操作により、交換度数として「30」が決定されている。交換度数が決定されると、クレジット交換が行われる。
【0035】
図3(b)は、クレジット交換後に新たなクレジットが書き込まれた際のクレジット記憶テーブルの一例である。店舗コード「001」の度数「30」のクレジットに交換された店舗コード「002」のクレジットの度数は「60」であり、手数料である100円分のクレジットの度数は「2」であるから、「100」から「62」を引いた度数「38」が店舗コード「002」のクレジットとして更新されている。このように、ある店舗コード(例えば、「002」)に関連付けられたクレジットが、他の店舗コード(例えば、「001」)を記憶したゲーム機1において、所定の交換率で、他の店舗コード(「001」)に関連付けられたクレジットに交換されるから、店舗コードが一致しないゲーム機1においても、クレジットを所定の交換率で交換することによって、ゲームを行うことができる。
【0036】
図3(c)はICカード排出後のクレジット記憶テーブルの一例である。図3(c)では、店舗コード「001」の店舗3Aに設置されたゲーム機1が実行するゲームによりクレジットの度数が「10」になった段階でICカード101が排出された際のクレジット記憶テーブルを示している。排出時に、新たなクレジットの度数「10」が、店舗コード「001」に関連付けられて書き込まれている。
【0037】
(ゲーム機1:電気的構成)
上記のゲーム機1は、図5に示すように、ゲーム機制御回路30により動作が制御されている。ゲーム機制御回路30は、図10の管理ルーチンや図11のクレジット交換処理ルーチン等の各種プログラムを実行し、ポーカーゲームやメダルのクレジット、メダルの払い出しを行う演算部31と、上記プログラムや各種データを記憶する記憶部32とを有している。
【0038】
演算部31は、後述の管理ルーチン等を実行し、ゲーム用のデモ画面を液晶表示装置19に画面表示させたり、ゲームを開始・実行させたり、ゲーム結果に応じて遊技者に付与されるクレジットのクレジット/払い出しを行ったり、クレジット交換を行ったり、ICカード101に対してクレジットの読み出し/書き込みを行ったりすることを可能にしている。演算部31は、クレジット交換を行う毎にクレジット交換されたクレジットの度数を金額に換算した金額データを作成して記憶部32に記憶させる。
【0039】
記憶部32は、ポーカーゲームのアプリケーションプログラム、及び、管理ルーチン等の制御プログラムを書換え不能に記憶している。また、記憶部32は、クレジットの度数をゲーム結果等に応じて増減できるように、書き換え可能に記憶している。また、記憶部32は、クレジット交換や金額データの作成の際に参照される図6のクレジット価値管理テーブルや、クレジット交換用に作成される図7のクレジット交換テーブル、金額データ、店舗コード等を記憶している。
【0040】
また、ゲーム機制御回路30は、演出ランプ17を駆動するLED駆動部33と、ゲーム時等における音を制御する音源IC34と、音源IC34の音声信号を増幅してスピーカ39から出音させるパワーアンプ35と、クレジット表示部25を制御する表示部駆動回路38と、液晶表示装置19を制御する画像制御回路36とを有している。画像制御回路36は、図示しない画像制御ICや画像制御ワークRAM、画像ROM、ビデオRAMを備えている。画像制御ICは、演算部31で設定されたパラメータに基づいて画像制御プログラムに従って液晶表示装置19での表示内容を決定する。画像制御ワークRAMは、画像制御プログラムを画像制御ICで実行するときの一時記憶手段(バッファ)として構成される。画像ROMは、画像を形成するためのドットデータを格納する。ビデオRAMは、画像制御ICで画像を形成するときの一時記憶手段として構成される。
【0041】
さらに、ゲーム機制御回路30は、入力部37と金額データ送信手段としての通信部43とを有している。入力部37は、メダル選別装置16aとタッチパネル19aとC/Pボタン15とイジェクトボタン22とに接続されており、これら各部からの信号を取り込んで情報処理に適した信号に変換するようになっている。また、通信部43は、上述のホールコンピュータ2に接続されており、ホールコンピュータ2との間で上記した金額データ等の各種データを送受信可能にしている。
【0042】
さらに、ゲーム機制御回路30は、ホッパー29を駆動制御するホッパー駆動回路41、カード吸入排出機構28に対して所定の動作を実行させるように電力を供給するカード吸入排出駆動部42、ICカード101に対してクレジットの読み出し/書き込みを行うデータ入出力部44を有している。
【0043】
(ポーカーゲーム)
上記のように構成されるゲーム機1においては、ポーカーゲームが実行される。本実施の形態におけるポーカーゲームは、コンピュータがプレイする3人の対戦相手と合計4人で行うものである。ポーカーゲームは、遊技者がタッチパネル19aを操作することにより行われるが、その詳細な説明は省略する。また、本実施の形態のゲーム機1は、デモ画面が液晶表示装置19に表示された状態で、メダル投入口16に3枚以上のメダルが投入されるか、カード給排出口21に「3」以上の度数のクレジットを記憶したICカード101が挿入されて、クレジットの度数が「3」以上になると、ゲームが開始され、クレジットの度数が「3」以下となったり、ICカード101が排出されたりした場合にゲームが終了するものとする。
【0044】
また、クレジット表示部25に表示されているクレジットの度数は、メダル投入口16からメダルが投入されたり、クレジットを記憶したICカード101がカード給排出口21に挿入されたり、クレジット交換が行われたり、ゲーム結果に応じてクレジットが付与されたりすることで増加し、遊技者がゲームに負けることで減少する。
【0045】
(クレジット価値管理テーブル)
図6は、クレジット交換及び金額データの作成の際に参照されるクレジット価値管理テーブルである。このクレジット価値管理テーブルは、ゲーム機1の記憶部32に記憶されている。各店舗コードに対応する度数「1」当たりのクレジットの価値は、図示したとおりである。
【0046】
(クレジット交換テーブル)
図7は、クレジット交換が行われる際に作成されるクレジット交換テーブルである。このクレジット交換テーブルは、ゲーム機1の演算部31で作成され、記憶部32に記憶される。なお、図7は店舗コード「001」のゲーム機1で作成されるクレジット交換テーブルの一例を図示しており、店舗コード「002」のゲーム機1や店舗コード「003」のゲーム機1においても同様のテーブルが作成される。
【0047】
店舗コード「001」のゲーム機1においては、交換元店舗コード欄に「002」と「003」とが格納されている。クレジット度数欄には、ICカード101から読み出したクレジットの度数が店舗コード毎に格納されている。手数料を差し引いたクレジット度数欄には、図6のクレジット価値管理テーブルを参照して100円分の手数料に相当するクレジットの度数を差し引いたクレジットの度数が格納される。具体的には、店舗コード「003」における度数「1」当たりのクレジットの価値は20円であるから、100円分のクレジット度数「5」を差し引いた度数「55」がこの欄に格納される。最大交換可能枚数欄には、手数料を差し引いた後の交換元のクレジットの度数を交換先のクレジットの度数に交換した値が格納される。具体的には、店舗コード「003」における度数「1」当たりのクレジットの価値(20円)は、交換先である店舗コード「001」における度数「1」当たりのクレジットの価値(100円)の5分の1であるから、店舗コード「003」のクレジットの度数「55」を店舗コード「001」のクレジットの度数に換算した値は「11」となる。同様にして、店舗コード「002」のクレジットの度数「98」を店舗コード「001」のクレジットの度数に換算した値は「49」となる。
【0048】
(ホールコンピュータ2)
ホールコンピュータ2は、図1に示すように、上記の4台のゲーム機1とデータ通信可能に接続し、少なくとも、図12の累積金額算出処理ルーチン等のプログラムを実行する演算部と、上記プログラムや各種データを記憶する記憶部と通信部とを備えた情報処理装置2a及び、ゲーム機1や店舗等に関する情報等を記憶する記憶装置2bとからなっている。
【0049】
情報処理装置2aは、同一店舗に設置された4台のゲーム機1から定期的(本実施の形態では、1時間毎)に金額データを受信して、この金額データに係る金額を交換元の店舗コード毎に累積させた累積金額を算出し、記憶装置2bに記憶させる。そして、店舗の閉店時刻に、その日一日で累積させた累積金額を交換元の店舗コードと交換先の店舗コードとに関連付けた累積金額データを作成し、これをセンターサーバ4に送信する。
【0050】
(累積金額管理テーブル)
ホールコンピュータ2の記憶装置2bは、上記した累積金額を図8に示すような累積金額管理テーブルとして管理している。なお、図8は店舗コード「001」の店舗3Aに設置されたホールコンピュータ2で作成される累積金額管理テーブルの一例を図示しており、他の店舗に設置されたホールコンピュータ2においても同様のテーブルが作成される。店舗コードが「001」の店舗3Aに設置されたホールコンピュータ2においては、交換元店舗コード欄に「002」と「003」とが格納されている。累積金額欄には、金額データの金額を交換元の店舗コード毎に累積させた累積金額が格納されている。
【0051】
ここで、交換元店舗コード「002」についての累積金額は、本来は店舗コード「002」の店舗3Bの売上げとして処理されたクレジットに相当する金額であるから、この金額に相当するクレジットが交換先の店舗3Aにおいて使用されると、交換先の店舗3Aとしては、なんら売上げを得ていないにも関わらず、店舗3Aに設置されたゲーム機1で遊ばれてしまうことになり、不利益を被ることになる。よって、交換元店舗コード「002」についての累積金額は、店舗コード「002」の店舗3Bの売上げとして処理するのではなく、交換先の店舗3Aの売上げとして処理する必要がある。交換元店舗コード「003」についての累積金額についても同様である。そこで、ホールコンピュータ2により算出された累積金額(図8参照)を交換先の店舗が被った不利益として、交換先の店舗が交換元の店舗に請求することによって、交換先の店舗の不利益を解消することができる。
【0052】
(センターサーバ4)
センターサーバ4は、図1に示すように、3つの店舗3A,3B,3Cの各々が備えるホールコンピュータ2とデータ通信網5を介してデータ通信可能に接続されている。センターサーバ4は、少なくとも、図13の相殺処理ルーチン等のプログラムを実行する演算部と、上記プログラムや各種データを記憶する記憶部と通信部とを備えた情報処理装置4aと、ハードディスク装置等の大容量記憶装置4bとを有している。
【0053】
情報処理装置4aの演算部は、後述する相殺処理ルーチン等を実行することにより、ホールコンピュータ2から送信されてくる累積金額データを元に、図9に示す全累積金額管理テーブルを作成し、交換元と交換先が相対する2つの累積金額から相殺可能な金額を算出し、その金額を相対する2つの累積金額の各々から減算する。また、大容量記憶装置4bには、情報処理装置4aの演算部により作成された全累積金額管理テーブルが格納される。
【0054】
(全累積金額管理テーブル)
全累積金額管理テーブルは、図9に示すように、ホールコンピュータ2から1日に1回送信されてきた累積金額データを、交換元の店舗コードと交換先の店舗コードとに関連付けて管理するテーブルであり、1日毎に更新される。全累積金額管理テーブルは、交換元店舗コード欄と、交換先店舗コード欄と、累積金額欄とを有している。交換元店舗コード欄および交換先店舗コード欄には、各店舗3A,3B,3Cに固有の店舗コード「001」、「002」、「003」が格納される。累積金額欄には、交換元の店舗コードと交換先の店舗コードとに対応する累積金額が格納される。
【0055】
図9(a)は、相殺前、即ち、各ホールコンピュータ2から送信されてきた累積金額データをそのまま格納した時の全累積金額管理テーブルの一例である。一方、図9(b)は、相殺後、即ち、情報処理装置4aの演算部が、交換元と交換先が相対する2つの累積金額から相殺可能な金額を算出し、その金額を相対する2つの累積金額の各々から減算した後の全累積金額管理テーブルの一例である。例えば、図9(a)において、交換元店舗コードが「001」で交換先店舗コードが「002」の累積金額の額である3450円と、交換元店舗コードが「002」で交換先店舗コードが「001」の累積金額の額である4800円とから、相殺可能な金額3450円が減算されることによって、図9(b)に示すように、交換元店舗コードが「001」で交換先店舗コードが「002」の累積金額の額が0円となり、交換元店舗コードが「002」で交換先店舗コードが「001」の累積金額の額が1350円となる。このように、交換元と交換先が相対する2つの累積金額から相殺可能な金額を算出し、その金額を相対する2つの累積金額の各々から減算するから、ある店舗が他の店舗に支払う金額と、ある店舗が他の店舗から受け取る金額とが、差額を残して相殺されることになる。よって、残った差額について各店舗が清算を行えば、各店舗の不利益を解消させることができる。
【0056】
(ゲームシステムの動作)
上記の構成において、ゲーム機1、ホールコンピュータ2、及びセンターサーバ4の動作を通じてゲームシステムの動作について説明する。
【0057】
(ゲーム機1の動作:管理ルーチン)
ゲーム機1においては、電源が投入されると、図10に示す管理ルーチンを他の制御プログラムと共に見掛け上、並列的に実行している。具体的には、まず、液晶表示装置19にデモ画面を表示する(A1)。そして、ゲームが開始されたか否かを判定する(A2)。即ち、3枚以上のメダルが投入されるか「3」以上の度数のクレジットを記憶したICカード101が挿入されたか否かを判定する。ゲームが開始されていない場合(A2:NO)、A1に戻り、デモ画面を表示し続ける。ゲームが開始された場合(A2:YES)、デモ画面からゲーム画面に切り替える(A3)。このとき、投入されたメダルの枚数分のクレジット及び/又はICカード101が記憶していたクレジットがゲーム機1にクレジットされ、クレジット表示部25にクレジットの度数が表示される。ここで、ICカード101に記憶されているクレジットのうち、店舗コードが異なるクレジットは、そのゲーム機1では使用することができない。よって、店舗コードが異なるクレジットにより、店舗の売上げに影響が生じることがないから、店舗が不利益を被ることを回避することができる。
【0058】
そして、ポーカーゲームを実行する(A4)。即ち、遊技者はタッチパネル19aを操作することによって、配布された5枚のカードを交換したり、ゲーム進行に応じてBET数を上げたり、ゲームを降りたりする。
【0059】
次に、ゲーム終了か否かを判定する(A5)。ここでのゲームの終了とは、ICカード101が排出されたり、クレジットの度数が「3」以下となった場合である。ゲーム終了の場合(A5:YES)、A1に戻り、ゲーム画面からデモ画面へと切り替わる。ゲーム終了でない場合(A5:NO)、A4に戻り、ポーカーゲームを再度実行する。
【0060】
なお、上記の管理ルーチンの実行中に、メダル投入口16からメダルが投入されるか、カード給排出口21にクレジットを記憶したICカード101が挿入されるか、クレジット交換が行われると、割り込み処理により、クレジット表示部25が表示するクレジットの度数が増加するようになっている。また、ゲーム実行中にイジェクトボタン22が操作されて、ICカード101の排出が指示された場合は、フラグが立てられ、プレイ中のゲームの終了後にICカード101が排出されるようになっている。
【0061】
(ゲーム機1の動作:クレジット交換処理ルーチン)
また、ゲーム機1は、図11に示すクレジット交換処理ルーチンを上記の管理ルーチンと並列的に実行している。即ち、クレジット交換処理ルーチンを実行すると、まず、ICカード101がカード給排出口21に挿入されているか否かを判定する(B1)。ICカード101が挿入されていない場合(B1:NO)、B1を再実行し、ICカード101の挿入待ちとなる。ICカード101が挿入されている場合(B1:YES)、液晶表示装置19に表示された交換ボタンが押下されたか否かを判定する(B2)。交換ボタンが押下されない場合(B2:NO)、B1に戻る。交換ボタンが押下された場合(B2:YES)、図6のクレジット価値管理テーブルを参照して、交換可能なクレジットの度数を店舗コード毎に算出し(B3)、図4(a)に示すような交換操作画面60を液晶表示装置19に表示させる(B4)。このとき、図7に示すようなクレジット交換テーブルが作成される。
【0062】
次に、交換操作画面60において、文字画像56の「交換しない」が選択されたか否かを判定する(B5)。「交換しない」が選択された場合(B5:YES)、B1に戻る。「交換しない」が選択されなかった場合(B5:NO)、クレジット交換が選択されたと判断して、選択された店舗コードについての交換度数決定画面61(図4(b)参照)を液晶表示装置19に表示させる(B6)。次に、交換度数決定画面61において、交換度数が入力されたか否かを判定する(B7)。交換度数が入力されない場合(B7:NO)、B7を再実行して、交換度数の入力待ちとなる。交換度数が入力された場合(B7:YES)、その度数のクレジットを交換し(B8)、交換されたクレジットの金額を交換元の店舗コードに関連付けた金額データを作成する(B9)。その後、B1に戻る。なお、クレジット交換後のクレジットがICカード101に書き込まれる。このように、ある店舗コード(例えば、「002」)に関連付けられたクレジットが、他の店舗コード(例えば、「001」)を記憶したゲーム機1において、所定の交換率で、他の店舗コード(「001」)に関連付けられたクレジットに交換されるから、店舗コードが一致しないゲーム機1においても、クレジットを所定の交換率で交換することによって、ゲームを行うことができる。
【0063】
(ホールコンピュータ2の動作:累積金額算出処理ルーチン)
ホールコンピュータ2においては、図12に示す累積金額算出処理ルーチンを実行している。具体的には、まず、所定時刻か否かを判定する(C1)。ここで、本実施の形態においては、1時間毎に所定時刻となる。所定時刻でない場合(C1:NO)、C1を再実行して、所定時刻待ちとなる。所定時刻である場合(C1:YES)、同一店舗内の4台のゲーム機1にアクセスする(C2)。次に、ゲーム機1が記憶する金額データがあるか否かを判定する(C3)。金額データがない場合(C3:NO)、C1に戻る。金額データがある場合(C3:YES)、金額データを受信し(C4)、金額データを用いて交換元店舗コード毎に累積金額を算出する(C5)。算出された累積金額は図8の累積金額管理テーブルとして管理される。次に、店舗の閉店時刻であるか否かを判定する(C6)。店舗の閉店時刻でない場合(C6:NO)、C1に戻る。店舗の閉店時刻である場合(C6:YES)、累積金額を交換元店舗コードと交換先店舗コードとに関連付けた累積金額データを作成し(C7)、この累積金額データをセンターサーバ4に送信する(C8)。その後、C1に戻る。
【0064】
ここで、ある交換元店舗コード(例えば、「002」)についての累積金額は、本来はその交換元店舗コード「002」の店舗の売上げとして処理されたクレジットに相当する金額であるから、この金額に相当するクレジットが交換先の店舗において使用されると、交換先の店舗としては、なんら売上げを得ていないにも関わらず、その店舗に設置されたゲーム機1で遊ばれてしまうことになり、不利益を被ることになる。よって、交換元店舗コード「002」についての累積金額は、店舗コード「002」の店舗の売上げとして処理するのではなく、交換先の店舗の売上げとして処理する必要がある。そこで、ホールコンピュータ2により算出された累積金額を交換先の店舗が被った不利益として、交換先の店舗が交換元の店舗に請求することによって、交換先の店舗の不利益を解消することができる。
【0065】
(センターサーバ4の動作:相殺処理ルーチン)
センターサーバ4においては、図13に示す相殺処理ルーチンを実行している。具体的には、まず、各ホールコンピュータ2から累積金額データを受信したか否かを判定する(D1)。累積金額データを受信しない場合(D1:NO)、D1を再実行して、累積金額データの受信待ちとなる。累積金額データを受信した場合(D1:YES)、図9(a)に示すような全累積金額管理テーブルが作成される。
【0066】
そして、交換元の店舗コードが「001」で交換先の店舗コードが「002」の累積金額データと、交換元の店舗コードが「002」で交換先の店舗コードが「001」の累積金額データとを抽出し(D2)、金額の少ない方又は同額の累積金額を2つの累積金額から減算する(D3)。次に、交換元の店舗コードが「001」で交換先の店舗コードが「003」の累積金額データと、交換元の店舗コードが「003」で交換先の店舗コードが「001」の累積金額データとを抽出し(D4)、金額の少ない方又は同額の累積金額を2つの累積金額から減算する(D5)。次に、交換元の店舗コードが「002」で交換先の店舗コードが「003」の累積金額データと、交換元の店舗コードが「003」で交換先の店舗コードが「002」の累積金額データとを抽出し(D6)、金額の少ない方又は同額の累積金額を2つの累積金額から減算する(D7)。以上の処理が終了すると、図9(b)に示すような相殺後の全累積金額管理テーブルとなる。その後、D1に戻る。
【0067】
このように、交換元と交換先が相対する2つの累積金額から相殺可能な金額を算出し、その金額を相対する2つの累積金額の各々から減算するから、ある店舗が他の店舗に支払う金額と、ある店舗が他の店舗から受け取る金額とが、差額を残して相殺されることになる。よって、残った差額について各店舗が清算を行えば、各店舗の不利益を解消させることができる。
【0068】
(本実施の形態の概要)
以上のように、本実施の形態のゲーム機1は、複数のIDコード(例えば、店舗コード)の一を記憶するIDコード記憶手段(例えば、記憶部32)と、ゲーム(例えば、ポーカーゲーム)で消費可能な遊技価値(例えば、クレジット)を各IDコードに関連付けて書き込み可能に記憶する記憶媒体(例えば、ICカード101)が挿抜される挿入口(例えば、カード給排出口21)と、挿入口に挿入された記憶媒体から遊技価値を読み出す読出手段(例えば、データ入出力部44)と、読出手段が読み出した遊技価値の中から、IDコード記憶手段が記憶するIDコードに関連付けられた遊技価値を抽出する遊技価値抽出手段(例えば、演算部31)と、現時点での遊技価値を記憶する遊技価値記憶手段(例えば、記憶部32)と、遊技価値抽出手段が抽出した遊技価値を現時点での遊技価値に加算する第1の遊技価値加算手段(例えば、演算部31)と、現時点での遊技価値を消費してゲームを実行するゲーム実行手段(例えば、演算部31)と、ゲームで遊技価値を獲得した場合に、獲得した遊技価値を現時点での遊技価値に加算する第2の遊技価値加算手段(例えば、演算部31)と、外部からの操作により挿入口から記憶媒体を抜脱させる抜脱手段(例えば、イジェクトボタン22)と、抜脱手段により記憶媒体が抜脱される際に、現時点での遊技価値をIDコード記憶手段が記憶するIDコードに関連付けて記憶媒体に書き込む書込手段(例えば、データ入出力部44)と、を有する構成にされている。
【0069】
上記の構成によれば、記憶媒体からの遊技価値の読み出し、及び、記憶媒体への遊技価値の書き込みが、IDコード記憶手段が記憶するIDコードに関連付けて行われるから、IDコードが一致するゲーム機ではそのIDコードに関連付けられた遊技価値を記憶媒体から読み出してゲームを行うことができる一方、IDコードが一致しないゲーム機では記憶媒体からの遊技価値の読み出しが行えずにゲームを行うことができない。よって、店舗毎にIDコードが異なる場合に、あるIDコードに関連付けられた遊技価値を記憶した記憶媒体は、IDコードが一致しないゲーム機のみが設置された店舗においては使用することができないから、その店舗の売上げには影響が生じない。よって、店舗が不利益を被ることを回避することができる。
【0070】
また、本実施の形態のゲーム機1においては、読出手段が読み出した遊技価値のうち、IDコード記憶手段が記憶するIDコードと異なるIDコードに関連付けられた遊技価値を認識する遊技価値認識手段(例えば、演算部31)と、遊技価値認識手段が認識した遊技価値を、所定の交換率でIDコード記憶手段が記憶するIDコードに関連付けられた遊技価値に交換する交換手段(例えば、演算部31、交換ボタン、図7のクレジット交換テーブル)と、を更に有する構成にされている。上記の構成によれば、IDコード記憶手段が記憶するIDコードと異なるIDコードに関連付けられた遊技価値が、所定の交換率でIDコード記憶手段が記憶するIDコードに関連付けられた遊技価値に交換されるから、IDコードが一致しないゲーム機においても、遊技価値を所定の交換率で交換することによって、ゲームを行うことができる。
【0071】
また、本実施の形態のゲームシステム100は、上記のゲーム機1がIDコードを統一されて設置され、設置されたゲーム機1のIDコードが互いに異なる複数の店舗(例えば、店舗3A,3B,3C)と、複数の店舗の各々に設置され、ゲーム機1を管理するホールサーバ(例えば、ホールコンピュータ2)と、を有し、ゲーム機1は、交換手段により交換された遊技価値を金額に換算する金額換算手段(例えば、演算部31)と、金額換算手段が換算した金額を交換元のIDコードに関連付けた金額データを作成する金額データ作成手段(例えば、演算部31)と、金額データ作成手段が作成した金額データをホールサーバに送信する金額データ送信手段(例えば、通信部43)と、を有し、ホールサーバは、金額データを受信する金額データ受信手段(例えば、情報処理装置2aの通信部)と、金額データ受信手段が受信した金額データの金額を交換元のIDコード毎に累積させた累積金額を算出する累積金額算出手段(例えば、情報処理装置2aの演算部)と、を有する構成にされている。
【0072】
上記の構成によれば、ゲーム機1により交換された遊技価値が金額に換算され、この金額がホールサーバにより交換元のIDコード毎に累積されて累積金額として算出される。ここで、ある店舗で売り上げられた遊技価値が別の店舗の遊技価値に交換されると、交換先の店舗は、交換された遊技価値に対して売上げを得ていないにもかかわらず交換先の店舗に設置されたゲーム機1で遊ばれてしまうことになり、不利益を被る。そこで、交換された遊技価値に相当する金額を、交換元の店舗の売上げから交換先の店舗の売上げに移す必要が生じるが、ホールサーバにより算出された累積金額を交換先の店舗が被った不利益として、交換先の店舗が交換元の店舗に請求することによって、交換先の店舗の不利益を解消することができる。
【0073】
また、本実施の形態のゲームシステム100においては、ホールサーバがデータ送受信可能に接続されたセンターサーバ4を更に有し、ホールサーバは、累積金額算出手段が算出した累積金額を交換元のIDコードと交換先のIDコードとに関連付けた累積金額データを作成する累積金額データ作成手段(例えば、情報処理装置2aの演算部)と、累積金額データ作成手段が作成した累積金額データをセンターサーバ4に送信する累積金額データ送信手段(例えば、情報処理装置2aの通信部)と、を有し、センターサーバ4は、各ホールサーバから累積金額データを受信する累積金額データ受信手段(例えば、情報処理装置4aの通信部)と、累積金額データ受信手段が受信した複数の累積金額データの中から、交換元のIDコードと交換先のIDコードとが相対する2つの累積金額データを抽出する抽出手段(例えば、情報処理装置4aの演算部)と、抽出手段が抽出した2つの累積金額データの各々の累積金額のうち、金額が少ない方又は同額の累積金額を2つの累積金額の各々から差し引く累積金額減算手段(例えば、情報処理装置4aの演算部)と、を有する構成にされている。
【0074】
上記の構成によれば、センターサーバ4は、交換元のIDコードと交換先のIDコードとが相対する2つの累積金額のうち、金額が少ない方又は同額の累積金額を2つの累積金額の各々から差し引くから、これにより、ある店舗が他の店舗に支払う金額と、ある店舗が他の店舗から受け取る金額とが、差額を残して相殺されることになる。よって、残った差額について各店舗が清算を行えば、各店舗の不利益を解消させることができる。
【0075】
(本実施の形態の変形例)
以上、本発明を好適な実施の形態に基づいて説明したが、本発明はその趣旨を超えない範囲において変更が可能である。即ち、本実施の形態では、ゲーム機1は、コンピュータを相手に対戦ゲームを行う構成にされているが、この構成に限定されるものではなく、同一店舗又は他の店舗に設置された他のゲーム機に対してデータ通信可能にされて、ゲーム機間でデータ通信を行いながらネットワークによる対戦ゲームを行う構成にされていてもよい。
【0076】
また、本実施の形態におけるゲーム機1は、ICカード101に新たなクレジットを書き込むことが可能な構成にされているが、この構成に限定されるものではなく、プリペイドカードのように、予め記憶された度数のクレジットを消費させることができても、クレジットの度数を増加させることができない構成であってもよい。
【0077】
また、本実施の形態におけるゲーム機1は、クレジット交換の際に手数料を差し引くものの、クレジット交換により、例えば、1000円分のクレジットを1000円分のクレジットとして、クレジットの度数を交換する構成にされているが、この構成に限定されるものではなく、例えば、1000円分のクレジットを900円分のクレジットとして交換する構成であってもよい。
【0078】
本発明は、上記の好ましい実施の形態に記載されているが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の趣旨と範囲から逸脱することのない様々な実施の形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施の形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】ゲームシステムの概略構成を示す説明図。
【図2】ゲーム機の斜視図。
【図3】クレジット記憶テーブルの一例を示す図。
【図4】液晶表示装置に表示される画面を示す図。
【図5】ゲーム機制御回路のブロック図。
【図6】クレジット価値管理テーブルを示す図。
【図7】クレジット交換テーブルの一例を示す図。
【図8】累積金額管理テーブルの一例を示す図。
【図9】全累積金額管理テーブルの一例を示す図。
【図10】管理ルーチンのフローチャートを示す図。
【図11】クレジット交換処理ルーチンのフローチャートを示す図。
【図12】累積金額算出処理ルーチンのフローチャートを示す図。
【図13】相殺処理ルーチンのフローチャートを示す図。
【符号の説明】
【0080】
1 ゲーム機
2 ホールコンピュータ
3A,3B,3C 店舗
4 センターサーバ
21 カード給排出口
22 イジェクトボタン
31 演算部
32 記憶部
44 データ入出力部
100 ゲームシステム
101 ICカード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のIDコードの一を記憶するIDコード記憶手段と、
ゲームで消費可能な遊技価値を各IDコードに関連付けて書き込み可能に記憶する記憶媒体が挿抜される挿入口と、
前記挿入口に挿入された前記記憶媒体から前記遊技価値を読み出す読出手段と、
前記読出手段が読み出した前記遊技価値の中から、前記IDコード記憶手段が記憶するIDコードに関連付けられた遊技価値を抽出する遊技価値抽出手段と、
現時点での遊技価値を記憶する遊技価値記憶手段と、
前記遊技価値抽出手段が抽出した遊技価値を前記現時点での遊技価値に加算する第1の遊技価値加算手段と、
前記現時点での遊技価値を消費してゲームを実行するゲーム実行手段と、
前記ゲームで遊技価値を獲得した場合に、獲得した遊技価値を前記現時点での遊技価値に加算する第2の遊技価値加算手段と、
外部からの操作により前記挿入口から前記記憶媒体を抜脱させる抜脱手段と、
前記抜脱手段により前記記憶媒体が抜脱される際に、前記現時点での遊技価値を前記IDコード記憶手段が記憶するIDコードに関連付けて前記記憶媒体に書き込む書込手段と、
を有することを特徴とするゲーム機。
【請求項2】
前記読出手段が読み出した前記遊技価値のうち、前記IDコード記憶手段が記憶するIDコードと異なるIDコードに関連付けられた遊技価値を認識する遊技価値認識手段と、
前記遊技価値認識手段が認識した遊技価値を、所定の交換率で前記IDコード記憶手段が記憶するIDコードに関連付けられた遊技価値に交換する交換手段と、
を更に有することを特徴とする請求項1に記載のゲーム機。
【請求項3】
請求項2に記載のゲーム機が前記IDコードを統一されて設置され、設置された前記ゲーム機の前記IDコードが互いに異なる複数の店舗と、
前記複数の店舗の各々に設置され、前記ゲーム機を管理するホールサーバと、
を有し、
前記ゲーム機は、
前記交換手段により交換された遊技価値を金額に換算する金額換算手段と、
前記金額換算手段が換算した金額を交換元のIDコードに関連付けた金額データを作成する金額データ作成手段と、
前記金額データ作成手段が作成した前記金額データを前記ホールサーバに送信する金額データ送信手段と、
を有し、
前記ホールサーバは、
前記金額データを受信する金額データ受信手段と、
前記金額データ受信手段が受信した前記金額データの金額を前記交換元のIDコード毎に累積させた累積金額を算出する累積金額算出手段と、
を有することを特徴とするゲームシステム。
【請求項4】
前記ホールサーバがデータ送受信可能に接続されたセンターサーバを更に有し、
前記ホールサーバは、
前記累積金額算出手段が算出した前記累積金額を交換元のIDコードと交換先のIDコードとに関連付けた累積金額データを作成する累積金額データ作成手段と、
前記累積金額データ作成手段が作成した前記累積金額データを前記センターサーバに送信する累積金額データ送信手段と、
を有し、
前記センターサーバは、
各ホールサーバから前記累積金額データを受信する累積金額データ受信手段と、
前記累積金額データ受信手段が受信した複数の前記累積金額データの中から、前記交換元のIDコードと前記交換先のIDコードとが相対する2つの累積金額データを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が抽出した2つの累積金額データの各々の前記累積金額のうち、金額が少ない方又は同額の累積金額を2つの前記累積金額の各々から差し引く累積金額減算手段と、
を有することを特徴とする請求項3に記載のゲームシステム。
【請求項1】
複数のIDコードの一を記憶するIDコード記憶手段と、
ゲームで消費可能な遊技価値を各IDコードに関連付けて書き込み可能に記憶する記憶媒体が挿抜される挿入口と、
前記挿入口に挿入された前記記憶媒体から前記遊技価値を読み出す読出手段と、
前記読出手段が読み出した前記遊技価値の中から、前記IDコード記憶手段が記憶するIDコードに関連付けられた遊技価値を抽出する遊技価値抽出手段と、
現時点での遊技価値を記憶する遊技価値記憶手段と、
前記遊技価値抽出手段が抽出した遊技価値を前記現時点での遊技価値に加算する第1の遊技価値加算手段と、
前記現時点での遊技価値を消費してゲームを実行するゲーム実行手段と、
前記ゲームで遊技価値を獲得した場合に、獲得した遊技価値を前記現時点での遊技価値に加算する第2の遊技価値加算手段と、
外部からの操作により前記挿入口から前記記憶媒体を抜脱させる抜脱手段と、
前記抜脱手段により前記記憶媒体が抜脱される際に、前記現時点での遊技価値を前記IDコード記憶手段が記憶するIDコードに関連付けて前記記憶媒体に書き込む書込手段と、
を有することを特徴とするゲーム機。
【請求項2】
前記読出手段が読み出した前記遊技価値のうち、前記IDコード記憶手段が記憶するIDコードと異なるIDコードに関連付けられた遊技価値を認識する遊技価値認識手段と、
前記遊技価値認識手段が認識した遊技価値を、所定の交換率で前記IDコード記憶手段が記憶するIDコードに関連付けられた遊技価値に交換する交換手段と、
を更に有することを特徴とする請求項1に記載のゲーム機。
【請求項3】
請求項2に記載のゲーム機が前記IDコードを統一されて設置され、設置された前記ゲーム機の前記IDコードが互いに異なる複数の店舗と、
前記複数の店舗の各々に設置され、前記ゲーム機を管理するホールサーバと、
を有し、
前記ゲーム機は、
前記交換手段により交換された遊技価値を金額に換算する金額換算手段と、
前記金額換算手段が換算した金額を交換元のIDコードに関連付けた金額データを作成する金額データ作成手段と、
前記金額データ作成手段が作成した前記金額データを前記ホールサーバに送信する金額データ送信手段と、
を有し、
前記ホールサーバは、
前記金額データを受信する金額データ受信手段と、
前記金額データ受信手段が受信した前記金額データの金額を前記交換元のIDコード毎に累積させた累積金額を算出する累積金額算出手段と、
を有することを特徴とするゲームシステム。
【請求項4】
前記ホールサーバがデータ送受信可能に接続されたセンターサーバを更に有し、
前記ホールサーバは、
前記累積金額算出手段が算出した前記累積金額を交換元のIDコードと交換先のIDコードとに関連付けた累積金額データを作成する累積金額データ作成手段と、
前記累積金額データ作成手段が作成した前記累積金額データを前記センターサーバに送信する累積金額データ送信手段と、
を有し、
前記センターサーバは、
各ホールサーバから前記累積金額データを受信する累積金額データ受信手段と、
前記累積金額データ受信手段が受信した複数の前記累積金額データの中から、前記交換元のIDコードと前記交換先のIDコードとが相対する2つの累積金額データを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が抽出した2つの累積金額データの各々の前記累積金額のうち、金額が少ない方又は同額の累積金額を2つの前記累積金額の各々から差し引く累積金額減算手段と、
を有することを特徴とする請求項3に記載のゲームシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−325761(P2007−325761A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−159474(P2006−159474)
【出願日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】
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