説明

ゲーム機

【課題】被操作対象を複雑に移動でき、リアルな感触をプレイヤに与えることができ、乗り物のシミュレーション等に限られず、また、何度プレイしてもプレイヤに飽きられないゲームを提供可能なゲーム機を提供する。
【解決手段】複数の方向に独立して移動可能な操作部20L,20Rと、操作部20L,20Rの移動量を各方向に独立して検出可能な検出部と、操作部20L,20Rに各方向に独立して負荷を加えるモータと、操作部20L,20Rが各方向に操作された場合に、検出部の出力に応じて、操作部20L,20Rに対応した知恵の輪の動作を表示し、操作部20L,20Rの各方向に加える負荷を算出し、モータを制御して算出した負荷を操作部20L,20Rに加える制御部60とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作部の操作を表示部に表示するゲーム機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ゲーム機は、プレイヤに操作部が操作されることにより操作対象を動かしてプレイを進行していた。
例えば、特許文献1には、操作部であるハンドルを回転させて被操作対象である電極体を電極ロックに接触しないように移動させるゲーム装置が開示されている。
しかし、このゲーム装置は、電極体を左右に動かすだけで動きが単純であり、面白みに欠ける。また、電極ロッドのパターンがプレイ毎に同じであるので、プレイヤに飽きられてしまう。
【0003】
また、従来の操作部には、仮想空間で被操作対象を動かすためのジョイスティックがあった。
例えば、特許文献2には、仮想空間での被操作対象の動作に応じて、負荷を加えられるジョイスティックが開示されている。
しかし、このジョイスティックは、仮想空間で乗り物等を動かすシミュレーションのゲーム等に用途が制限されていた。
【特許文献1】特開平10−277260号公報
【特許文献2】特表2003−525490号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、被操作対象を複雑に移動でき、リアルな感触をプレイヤに与えることができ、乗り物のシミュレーション等に限られず、また、何度プレイしてもプレイヤに飽きられないゲームを提供可能なゲーム機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施例に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0006】
請求項1の発明は、複数の方向に独立して移動可能に設けられ、表示部(14)に表示された複数の被操作対象(2L,2R)をそれぞれ動作させる複数の操作部(20L,20R)と、前記各操作部の移動量を前記各方向に独立して検出する検出部(42L,42R,43L,43R,45L,45R,46L,46R)と、前記各操作部に前記各方向に独立して負荷を加える負荷部(32L,32R,33L,33R,35L,35R,36L,36R)と、前記各操作部が前記各方向に所定の移動量操作された場合に、前記検出部の出力に応じて、前記各操作部に対応した前記各被操作対象の動作を表示し、前記各操作部の各方向に加える負荷を算出し、前記負荷部を制御して算出した前記負荷を前記各操作部に加える制御部(60)と、を備えたゲーム機である。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載のゲーム機において、前記各被操作対象(2L,2R)の形態が異なる複数のパターンのゲーム情報を記憶した記憶部(52)を備え、前記制御部(60)は、前記記憶部の複数のパターンの前記ゲーム情報の中から1つの前記ゲーム情報を読み出してプレイを進行させること、を特徴とするゲーム機である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のゲーム機において、前記制御部(60)は、前記各被操作対象(2L又は2R)が他の前記被操作対象(2R又は2L)に接触するように前記表示部(14)に表示された場合に、前記操作対部(20L又は20R)と他の前記操作部(20R又は20L)とに加える負荷を算出すること、を特徴とするゲーム機である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のゲーム機において、このゲーム機でプレイ可能なゲームは、知恵の輪ゲームであり、前記各被操作対象(2L,2R)は、挿通し合う各リング部(2La,2Ra)を有する知恵の輪(2)の各部材であり、前記制御部(60)は、前記各操作部(20L,20R)が操作されることにより前記各被操作対象を動作させること、を特徴とするゲーム機である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、各操作部が各方向に移動可能であり、各被操作対象の動作に応じて負荷を各操作部に加える。これにより、乗り物のシミュレーション等に限られず、例えば両手を用いて各操作部を複数の方向に移動する複雑なゲーム等に利用することができ、また、リアルな感触を再現し面白さを向上することができる。
【0009】
(2)本発明は、記憶部の複数のパターンの中からプレイを進行させるので、プレイ毎にパターンを変更することができるため、プレイヤを飽きさせることがない。
【0010】
(3)本発明は、各被操作対象が他の被操作対象に接触するように表示された場合に、操作部と他の操作部とに加える負荷を算出するので、操作部と他の操作部との負荷を加えて、各被操作対象が他の被操作対象と相互に関連し合うリアルなゲームをすることができる。
【0011】
(4)本発明は、各被操作対象が知恵の輪の各部材であるので、操作部を用いて知恵の輪が解けた場合の感触を再現でき、爽快感があり面白みを向上したゲームを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、被操作対象を複雑に移動でき、リアルな感触をプレイヤに与えることができ、乗り物のシミュレーション等に限られず、また、何度プレイしてもプレイヤに飽きられないゲームを提供可能なゲーム機を提供するという目的を、複数の方向に独立して移動可能な操作部と、操作部が各方向に操作された場合に、操作部の各方向に加える負荷を算出し、負荷部を制御して算出した負荷を操作部に加える制御部とを備えることによって実現した。
【実施例】
【0013】
以下、図面等を参照して、本発明の実施例をあげて、さらに詳しく説明する。
図1は、本実施例のゲーム機10の斜視図である。
図1に示すように、ゲーム機10は、ゲームセンタ等に設置される、例えば幅(左右)1m×奥行1m×高さ1m程度の大型の装置である。ゲーム機10は、プレイヤが操作部20L,20Rを操作することにより、モニタ14に表示された知恵の輪2を解くゲームを行うものである。
なお、以下の説明において、ゲーム機10の幅方向を矢印X方向、奥行方向を矢印Y方向、鉛直(高さ)方向を矢印Z方向として説明する。
ゲーム機10は、ケース11と、選択ボタン12と、決定ボタン13と、モニタ14(表示部)と、操作部20L,20Rとを備えている。
【0014】
ケース11は、ゲーム機10の筐体である。
選択ボタン12は、ゲーム内容つまり知恵の輪2の種類をプレイヤが選択するための操作ボタンであり、ゲーム機10の正面パネル11aに設けられている。
決定ボタン13は、選択した知恵の輪のプレイをプレイヤが開始するための操作ボタンであり、正面パネル11aの選択ボタン12の隣に設けられている。
【0015】
モニタ14は、知恵の輪2を表示するための例えばLCD(液晶表示装置)等の表示装置であり、プレイヤが視認できるようにケース11に正面を向くように設置される。知恵の輪2は、挿通し合うリング部2La,2Raを有する部材2L,2Rから構成される。各部材2L,2Rは、各操作部20L,20Rの各被操作対象であり、操作部20L,20Rの操作に応じて移動(動作)するように、モニタ14に表示される。
【0016】
操作部20L,20Rは、ケース11の正面(図1に示す矢印Y1方向)の開口部11bに矢印X方向に並べて配置され、後述するように、複数の方向に独立して移動可能に設けられる。操作部20L,20Rは、それぞれ棒状部材21L,21Rと、枠22L,22Rとを備えている。
棒状部材21L,21Rは、ケース11の正面に位置したプレイヤにより左手、右手で掴んでそれぞれ操作される。棒状部材21L,21Rは、プレイ時以外の通常時において、その軸方向が矢印Z方向になるように配置されている。
枠22L,22Rは、棒状部材21L,21Rが内部に固定された中空の球体である。
【0017】
図2(a)は、本実施例の操作部20L,20R及びその駆動機構30L,30Rを模式的に示す斜視図である。
図2(b)は、図2(a)の左側面図である。
図2に示すように、駆動機構30L,30Rは、操作部20L,20Rをそれぞれ駆動するための機構である。駆動機構30L,30Rは、同様な構成であるので、以下主に駆動機構30Lについて説明し、駆動機構30Rの各構成部品には、説明及び図面に末尾にRを記す。
駆動機構30Lは、ブラケット31Lと、軸部材YLと、X回転負荷モータ32Lと、Y回転負荷モータ33Lと、ラックギア34と、X方向負荷モータ35Lと、Y方向負荷モータ36Lとを備えている。
【0018】
ブラケット31Lは、操作部20Lの枠22Lを、矢印X方向から挟み込むようにして支持する円弧状の部材である。ブラケット31Lは、枠22Lを、矢印X方向の軸X1回りに回転可能に支持する。
軸部材YLは、ブラケット31Lに固定された矢印Y方向に平行な棒状の部材である。軸部材YLは、軸受け(図示せず)により矢印Y方向の軸回りに回転可能に支持され、かつ、ラックギア34にガイドされ矢印X方向に移動可能にケース11の内部に支持されている。これにより、操作部20Lは、矢印Y方向の軸回りに回転可能かつ矢印X方向に移動可能となる。
【0019】
X回転負荷モータ32Lは、操作部20Lに対して矢印X方向の軸X1回りの負荷を与える回転式のモータである。X回転負荷モータ32Lは、操作部20Lの枠22Lの外面22aに接し矢印X方向の軸回りに回転可能なローラ32aが設けられている。X回転負荷モータ32Lの回転力は、ローラ32aを介して操作部20Lに伝達される。
Y回転負荷モータ33Lは、操作部20Lに対して矢印Y方向の軸回りの負荷を与える回転式のモータである。Y回転負荷モータ33Lは、軸部材YLと一体で矢印X方向に移動可能にケース11に支持されている。Y回転負荷モータ33Lは、その回転軸にプーリ33aが設けられており、このプーリ33aと軸部材YLのプーリ33bとに、ベルト33cが巻き掛けられている。Y回転負荷モータ33Lの回転力は、プーリ33a、ベルト33c、プーリ33b、軸部材YLを介して操作部20Lに伝達される。
【0020】
ラックギア34は、矢印X方向に平行に配置されたギアである。
X方向負荷モータ35Lは、操作部20Lに対して矢印X方向の負荷を与える回転式のモータである。X方向負荷モータ35Lは、軸部材YLと一体で矢印X方向に移動可能にケース11に支持されている。X方向負荷モータ35Lは、ラックギア34に噛み合うギア(図示せず)が設けられている。X方向負荷モータ35Lの回転力は、平ギアが矢印X方向に配置されたラックギア34に噛み合うことにより、軸部材YLを介して操作部20Lに伝達される。
Y方向負荷モータ36Lは、操作部20Lに対して矢印Y方向の負荷を与える回転式のモータである。Y方向負荷モータ36Lは、軸部材YLの後部に設けられたラックギア部36aに噛み合うギア36bが設けられている。Y方向負荷モータ36Lの回転力は、ギア36bがラックギア部36aに噛み合うことにより、軸部材YLを介して操作部20Lに伝達される。
【0021】
以上の構成により、操作部20L,20Rは、それぞれ、矢印X方向及び矢印Y方向に移動可能に、かつ、矢印X方向及び矢印Y方向の軸回りに回転可能にゲーム機10に設けられる。また、各モータ(負荷部)は、それぞれ、後述する制御部60により制御されることにより、操作部20L,20Rに対して、矢印X方向及び矢印Y方向に、かつ矢印X方向及び矢印Y方向の軸回りに、独立して負荷を加えることができる。
【0022】
図3は、本実施例のゲーム機10のブロック図である。
図3に示すように、ゲーム機10は、制御ブロックに、前述した選択ボタン12、決定ボタン13、モニタ14、操作部20L,20R及び駆動機構30L,30Rと、記憶部50と、制御部60とを備えている。
駆動機構30Lは、X回転検出部42Lと、Y回転検出部43Lと、X方向検出部45Lと、Y方向検出部46Lと、前述したX回転負荷モータ32L、Y回転負荷モータ33L、X方向負荷モータ35L及びY方向負荷モータ36Lとを備えている。
【0023】
X回転検出部42Lは、操作部20Lの矢印X方向の軸回りの回転量を検出するために、X回転負荷モータ32Lの回転軸に設けられたロータリエンコーダである。
Y回転検出部43Lは、操作部20Lの矢印Y方向の軸回りの回転量を検出するために、Y回転負荷モータ33Lの回転軸に設けられたロータリエンコーダである。
X方向検出部45Lは、操作部20Lの矢印X方向へ移動量を検出するために、X方向負荷モータ35Lの回転軸に設けられたロータリエンコーダである。
Y方向検出部46Lは、操作部20Lの矢印Y方向へ移動量を検出するために、Y方向負荷モータ36Lの回転軸に設けられたロータリエンコーダである。
各検出部は、操作部20Lの操作に応じて各モータの各回転軸が回転すると、各回転量を検出して信号を制御部60に出力する。
【0024】
記憶部50は、ゲーム機10の動作に必要なプログラム、情報等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶装置である。記憶部50は、ゲームプログラム記憶部51と、ゲームパターン記憶部52とを備えている。
ゲームプログラム記憶部51は、ゲームを進行させるメインプログラムであるゲームプログラムを記憶する記憶領域である。
ゲームパターン記憶部52は、異なるゲームパターンの情報、つまり形状の異なる知恵の輪の三次元形状の情報等を記憶する記憶領域である。
【0025】
制御部60は、ゲーム機10を統括的に制御するための制御部であり、例えばCPU(中央処理装置)等から構成される。制御部60は、記憶部50に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。制御部60は、ゲーム進行制御部61と、負荷算出部62と、負荷制御部63と、必要に応じてこれら各制御部の間で情報を伝達するためのバスラインとを備えている。
ゲーム進行制御部61は、ゲームの進行を統括的に制御するための制御部である。
負荷算出部62は、駆動機構30L,30Rの各検出部からの信号の出力に応じて、操作部20L,20Rの各方向に加える負荷を算出する制御部である。
負荷制御部63は、負荷算出部62によって算出された負荷に基づいて駆動機構30L,30Rの各モータを制御して、操作部20L,20Rに負荷を加える制御部である。
【0026】
次に、ゲーム機10の動作について説明する。
図3に示すように、プレイヤが選択ボタン12を操作すると、選択ボタン12が操作される度に信号が制御部60に出力される。ゲーム進行制御部61は、選択ボタン12から信号が出力される度に、異なる形状の知恵の輪2のゲーム内容の情報を、ゲームパターン記憶部52から読み出してモニタ14に出力する。そして、プレイヤが希望の知恵の輪2を決めて決定ボタン13を操作すると、ゲーム進行制御部61は、決定ボタン13からの信号の出力に応じてプレイを開始する。
このように、ゲーム機10は、プレイ毎にパターンを変更することできるため、何度もプレイしてもプレイヤを飽きさせることがない。
【0027】
プレイが開始すると、ゲーム進行制御部61は、モニタ14に表示された知恵の輪2の部材2L,2Rの柄2Lb,2Rbの軸方向と、棒状部材21L,21Rの軸方向とが一致するように駆動機構30L,30Rの各モータを駆動する。
プレイヤが操作部20L,20Rの棒状部材21L,21Rを左右の手でそれぞれ掴んで操作すると、各操作部20L,20Rの移動量に応じて各モータの回転軸が回転する。各検出部は、各回転軸の回転量を検出して、信号を制御部60に出力する。負荷算出部62は、各検出部から出力された信号に基づいて各操作部20L,20Rの移動量を算出して、算出した移動量と知恵の輪2の三次元形状を示す座標等とに基づいて、知恵の輪2の各部材2L,2Rが移動するようにモニタ14に表示する。
【0028】
また、負荷算出部62は、知恵の輪2の各部材2L,2Rが接触したり、捩れたりする状態の場合、各部材2L,2Rの三次元形状を示す座標等に基づいて、各操作部20L,20Rの各方向に加える負荷の量を算出する。そして、負荷制御部63は、算出された回転力に基づいて、各負荷モータを制御して、実際に各操作部20L,20Rに負荷を加える。
このように、ゲーム機10は、知恵の輪2の各部材2L,2Rが接触した場合等に各操作部20L,20Rに負荷を加えることにより、画面上の知恵の輪2の各部材2L,2Rを実際に操っているような感覚をプレイヤに与えることができる。
【0029】
例えば、図2に示すように、プレイヤが操作部20L,20Rの棒状部材21L,21Rを矢印X方向(左右方向)に離れる方向に操作すると、軸部材YLが矢印X2方向(矢印X方向左側)に移動し、軸部材YRが矢印X3方向(矢印X方向右側)に移動する。これに応じて、X回転負荷モータ32L,32Rの回転軸が回転する。
図3に示すように、X回転検出部42L,42Rは、各回転軸の回転量を検出して信号を制御部60に出力する。負荷算出部62は、出力された信号に基づいて操作部20L,20Rの移動量を算出して、知恵の輪2の各部材2L,2Rの三次元形状を示す座標等に基づいて、各部材2L,2Rが離れる方向に移動するようにモニタ14に表示する。
【0030】
負荷算出部62は、操作部20L,20Rの棒状部材21L,21Rがさらに離れる方向に操作されると、操作部20L,20Rの移動量と各部材2L,2Rの座標等とに基づいて、リング部2La,2Raが画面上で接触したと認識する。そして、負荷算出部62は、操作部20L,20Rが矢印X方向の離れる方向に移動しないためのX回転負荷モータ32L,32Rの回転力を算出する。負荷制御部63は、算出された回転力に基づいて、X回転負荷モータ32L,32Rを制御し、操作部20L,20Rに対してさらに離れる方向に動かないような負荷が加えられる。これにより、プレイヤは、この状態から棒状部材21L,21Rがさらに離れるように力を加えても、操作部20L,20Rを動かすことができない。
このような処理は、操作部20L,20Rの各方向について行われるので、操作部20L,20Rの各方向に独立して負荷が加えられる。
【0031】
そして、負荷算出部62は、プレイヤによる操作部20L,20Rの操作に応じて知恵の輪2の三次元座標の分析をした結果、リング部2La,2Raが分離し挿通し合う知恵の輪2の部材2L,2Rが外れたと判断した場合には、操作部20L,20Rに加える負荷を零とする。これにより、ゲーム機10は、プレイヤに棒状部材21L,21Rからの抵抗が突然なくなるような感触を与え、知恵の輪2が解けた場合の感触を再現できるので、プレイヤに爽快感を与えることができる。
【0032】
このように、ゲーム機10は、複数の方向に移動可能な操作部20L,20Rの操作に応じて、知恵の輪2の各部材2L,2Rに加える負荷を算出して、操作部20L,20Rにそれぞれ負荷を加える。これにより、ゲーム機10は、両手を用いた複雑な操作が必要な知恵の輪2においても、実際に両手に加わる感触を再現することができる。また、ゲーム機10は、各部材2L,2R同士が関連し合う感触、例えば各部材2L,2R同士が接触した場合や衝突した場合の感触を、操作部20L,20Rを用いて再現することができ、プレイヤに実際に知恵の輪2を解いているような感覚を与えることができる。
【0033】
以上説明したように、本実施例のゲーム機10は、乗り物のシミュレーション等に限らず両手を用いる複雑なゲーム等に利用することができ、リアルな感触をプレイヤに与え、面白さを向上することができる。また、爽快感があり面白みを向上したゲームを提供することができる。
【0034】
(変形例)
以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
本実施例において、ゲーム機は、知恵の輪を行うものである例を示したが、これに限定されない。例えば、ゲーム機は、両手を使うゲームであれば、例えば、糸を針の穴に通すゲーム、フライパンとフライ返し等を用いる料理ゲーム、皿回しゲーム、両手で違う図形描くゲーム等に用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本実施例のゲーム機の斜視図である。
【図2】本実施例の操作部及びその駆動機構を模式的に示す斜視図である。
【図3】本実施例のゲーム機のブロック図である。
【符号の説明】
【0036】
2 知恵の輪
2L,2R 部材
2La,2Ra リング部
10 ゲーム機
14 モニタ
20L,20R 操作部
21L,21R 棒状部材
22L,22R 枠
30L,30R 駆動機構
32L,32R X回転負荷モータ
33L,33R Y回転負荷モータ
34 ラックギア
35L,35R X方向負荷モータ
36L,36R Y方向負荷モータ
42L,42R X回転検出部
43L,43R Y回転検出部
45L,45R X方向検出部
46L,46R Y方向検出部
50 記憶部
51 ゲームプログラム記憶部
52 ゲームパターン記憶部
60 制御部
61 ゲーム進行制御部
62 負荷算出部
63 負荷制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の方向に独立して移動可能に設けられ、表示部に表示された複数の被操作対象をそれぞれ動作させる複数の操作部と、
前記各操作部の移動量を前記各方向に独立して検出する検出部と、
前記各操作部に前記各方向に独立して負荷を加える負荷部と、
前記各操作部が前記各方向に所定の移動量操作された場合に、前記検出部の出力に応じて、前記各操作部に対応した前記各被操作対象の動作を表示し、前記各操作部の各方向に加える負荷を算出し、前記負荷部を制御して算出した前記負荷を前記各操作部に加える制御部と、
を備えたゲーム機。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム機において、
前記各被操作対象の形態が異なる複数のパターンのゲーム情報を記憶した記憶部を備え、
前記制御部は、前記記憶部の複数のパターンの前記ゲーム情報の中から1つの前記ゲーム情報を読み出してプレイを進行させること、
を特徴とするゲーム機。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のゲーム機において、
前記制御部は、前記各被操作対象が他の前記被操作対象に接触するように前記表示部に表示された場合に、前記操作部と他の前記操作部とに加える負荷を算出すること、
を特徴とするゲーム機。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のゲーム機において、
このゲーム機でプレイ可能なゲームは、知恵の輪ゲームであり、
前記各被操作対象は、挿通し合う各リング部を有する知恵の輪の各部材であり、
前記制御部は、前記各操作部が操作されることにより前記各被操作対象を動作させること、
を特徴とするゲーム機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−237303(P2008−237303A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−78825(P2007−78825)
【出願日】平成19年3月26日(2007.3.26)
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)
【Fターム(参考)】