説明

ゲーム機

【課題】コントローラの傾斜角度を変えることによって、ゲーム状況において選択可能な選択肢の何れかを選択してゲーム処理を実行させる。
【解決手段】ガンコントローラ9a,9bには、傾斜角度を検知することができる角度センサが設けられている。メインCPU20は、インタフェース27を通じて、ガンコントローラ9a,9bのそれぞれに設けられた角度センサにより検知された傾斜角度を入力し、この入力された傾斜角度に応じた傾斜状態の組み合わせに応じて、ゲーム状況において選択可能な選択肢の何れかを選択する。メインCPU20は、この選択肢に応じてゲーム処理を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイヤによって操作される少なくとも2つのコントローラを有するゲーム機に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームセンター等に設置される業務用ガンゲーム機は、任意の方向に向けることができるガンコントローラが設けられており、このガンコントローラにより狙いを定めてトリガーを操作することにより、画面に映し出されるターゲットを撃ち倒すことができる。また、ガンゲーム機では、あるゲーム状況において武器の種類を変更することもできる。
【0003】
武器の種類を変更する場合には、例えば画面の外にコントローラを向けてトリガーを引いたり、他のボタンを押したりするなど、通常のゲームの進行とは関係ない操作が行われる。また、ゲーム中にターゲットを倒すなどして新たな武器が手に入った場合にも武器を変更することができる。
【0004】
また、武器の種類を変更する他にもゲーム中に各種の選択が必要な状況があり、前述した方法の他にも画面にメニューを表示して何れかを選択させるといった方法が用いられている。
【0005】
特許文献1には、ゲーム機用合体型ガンユニットについて記載されている。このゲーム機用合体型ガンユニットは、ガンコントローラを合体/分離することができる機構を持った2つの構造体で構成され、合体時と分離時で別々の形態のガンコントローラとして使用することができる。それぞれのガンコントローラ部は、振動機構や位置検出器をそれぞれ持っており、合体時と分離時で動作が切り替わる。例えば、合体して使用するときはロケットランチャーのような大きな武器、分離時には手持ちタイプのガンコントローラの形態となり、マシンガンやピストルタイプのガンとして動作する。
【0006】
また、特許文献2には、二丁拳銃ゲームを楽しむことができるシューティングゲーム機が記載されている。特許文献2に記載されたゲーム機では、第1コントローラの銃身を向けた表示部上の座標が、敵キャラクタの画像表示領域の含まれる場合、対応する第1加算点を合算し、第1コントローラとは異なる第2コントローラの銃身を向けた表示部上の座標が、敵キャラクタの画像表示領域の含まれる場合、対応する第2の加算点を第1の得点に合算することにより、二丁拳銃ゲームを実現する。
【特許文献1】特開平7−204356号公報
【特許文献2】特開2002−366496号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のガンゲーム機(シューティングゲーム機)では、ゲーム実行中のある状況において、武器の交換など各種の選択が行われており、ゲーム実行中のガンコントローラに対する操作とは全く関係ない選択操作、例えば画面の外にコントローラを向けてトリガーを引いたり、他のボタンを押したりするなどの操作が行われていた。
【0008】
このため、選択操作のためにゲームの進行が中断されてゲーム展開が低下されてしまうことがあった。また、他のボタン操作を必要とする場合には、コントローラから手を離して操作をしなければならず操作性が低いものとなっていた。
【0009】
本発明は前述した事情に考慮してなされたもので、その目的は、コントローラの傾斜角度を変えることによって、ゲーム状況において選択可能な選択肢の何れかを選択してゲーム処理を実行させることが可能なゲーム機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、傾斜角度を検知することができる角度センサが設けられた第1及び第2のコントローラと、前記第1及び第2のコントローラのそれぞれに設けられた角度センサにより検知された傾斜角度を入力する傾斜角度入力手段と、前記傾斜角度入力手段によって入力された傾斜角度に応じた、前記第1及び第2のコントローラの傾斜状態の組み合わせに応じて、ゲーム状況において選択可能な選択肢の何れかを選択する選択手段と、前記選択手段によって選択された選択肢に応じてゲーム処理を制御するゲーム制御手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、第1及び第2のコントローラの傾斜角度の組み合わせに応じて、ゲーム状況において選択可能な選択肢の何れかを選択し、この選択された選択肢に応じてゲーム処理が制御されるので、選択操作のためにコントローラから手を離したりゲームを中断させることを回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるガンゲーム機1の構成を示すブロック図である。図1に示すガンゲーム機1は、銃型のコントローラ(ガンコントローラ9a,9b)を操作することによって、ディスプレイ5において表示されたゲーム空間中に存在するターゲットを撃ち倒しながら進むゲームである。
【0013】
図1に示すガンゲーム機1は、本体筐体2とサブ筐体3が設けられている。本体筐体2には、表示画面がプレイヤと正対するようにディスプレイ5が設けられ、ディスプレイ5の下部にはスピーカ6が設けられている。
【0014】
サブ筐体3は、本体筐体2と離間して設置されており、上面部にはプレイヤによって操作可能なボタン類などが設けられたコントロールパネル7が設けられている。また、サブ筐体3には、銃型(例えばピストル型)に形成された2つのガンコントローラ9a,9bが、それぞれコード10a,10bを介して接続されている。ガンコントローラ9a,9bは、コード10a,10bによって接続されているため、プレイヤによって保持されて任意の方向に向けることができる。
【0015】
図2は、本実施形態におけるガンコントローラ9a,9bの外観を示す斜視図である。
ガンコントローラ9a,9bは、プレイヤによって片手または両手で握持されるグリップ12と、銃身13と、銃身13の下部にプレイヤによって操作されるトリガー14が設けられている。
【0016】
グリップ12の内部には、振動ユニット15が設けられている。振動ユニット15は、ゲームにおいて選択されている武器の種類に応じて、トリガー14が引かれた時に弾丸等が発射された感覚をプレイヤに与えるための振動を発生させる。
【0017】
また、銃身13の内部には、トリガー認証部16、CCDカメラ部17、角度センサ18、加速度センサ19が設けられている。
トリガー認証部16は、プレイヤによってトリガー14が操作されたことを検出する。
【0018】
CCDカメラ部17は、ガンコントローラ9a,9bの銃身が向けられているディスプレイ5の画面上の位置を検出するためのもので、銃身の先端から入力された光に応じた信号を出力する。
【0019】
角度センサ18は、ガンコントローラ9a,9bの傾斜角度を検知するためのもので、例えば、地磁気センサ、ジャイロセンサ等から構成することができる。角度センサ18は、少なくとも、銃身13(銃口)の向きが下方/上方に傾斜する方向、及び銃身13が左横/右横(グリップ12が左側/右側)に傾斜する方向の傾斜角度を検出することができるものとする。
【0020】
加速度センサ19は、ガンコントローラ9a,9bがプレイヤにより操作されることにより変化する加速度を検知する。
【0021】
図3は、本実施形態におけるガンゲーム機1の構成を示すブロック図である。ガンゲーム装置1は、各種記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、このプログラムによって動作が制御されるコンピュータの機能が実装されて構成される。
【0022】
図3に示すガンゲーム装置は、ゲームを実施するための機能が実装された本体装置(本体筐体2、サブ筐体3)とプレイヤによって操作される入力装置(ガンコントローラ9a,9b)により構成されている。
【0023】
本体装置には、メインCPU20、RAM21、画像処理部22、表示装置23、音響装置24、検出用CPU25、記憶装置26、インタフェース27、及び振動ユニット制御回路28がバスによって相互に接続されている。
【0024】
メインCPU20は、記憶装置26に記憶されたゲームプログラム26aに応じたゲーム処理を実行する。メインCPU20は、ゲーム処理において、プレイヤによるガンコントローラ9a,9bに対する操作に応じた制御を行い、表示装置23(ディスプレイ5)によって表示すべき記憶装置26に記憶されたゲーム画像データ26dを指示し、また音響装置24から状況に応じて音声を出力させる。また、メインCPU20は、記憶装置26に記憶されたガンコントローラ制御プログラム26b及びガンコントローラ制御テーブル26cに基づいて、ガンコントローラ9a,9bをプレイヤが操作することにより変化する傾斜角度(及び加速度)に応じて、あるゲーム状況において選択可能な選択肢の何れかを選択する処理を実行する。メインCPU20は、ガンコントローラ9a,9bの状態に応じて選択された選択肢に応じてゲーム処理を制御する。なお、ゲーム状況に応じて選択可能な選択肢としては、ゲームで使用される武器の種類、ゲーム空間中でプレイヤキャラクタが移動する方向などがある。
【0025】
例えば、戦闘を行うゲーム状況では、ガンコントローラ9a,9bを所定の方向に一定以上傾けることにより、2つのガンコントローラ9a,9bの傾斜角度の組み合わせに応じて武器の種類が選択され、それ以降のゲームでは変更後の武器に基づいたゲーム処理が実行される。また、プレイヤキャラクタがゲーム空間中を移動するゲーム状況では、ガンコントローラ9a,9bを所定の方向に一定以上傾けることにより、2つのガンコントローラ9a,9bの傾斜角度の組み合わせに応じて進行方向が選択され、この選択された進行方向にプレイヤキャラクタがゲーム空間中を移動するように制御される。
【0026】
RAM21(メインメモリ)は、メインCPU20の実行に伴って各種のデータ、例えば表示対象となるゲーム画像データや音声出力の対象とする音声データなどが一時記憶される。また、RAM21には、ガンコントローラ9a,9bの傾斜角度に応じた武器種類や進行方向の選択を制御するためのガンコントローラ制御テーブル、選択された武器の種類に応じてガンコントローラ9a,9bの振動ユニット15において発生させる振動を制御するための振動制御データの他、ゲームの制御に用いられる、例えばプレイヤ(キャラクタ)の体力データ、武器に関するデータ、銃口の移動ベクトル(移動軌跡)の座標データ、その他のゲームの進行に従って変更される各種データが一時記憶される。
【0027】
画像処理部22は、メインCPU20からの指示に従って必要なゲーム画像データを生成して、表示装置23(ディスプレイ5)においてゲーム画像を表示させる。
【0028】
表示装置23は、メインCPU20の制御のもとで、ゲーム空間を表す画像をディスプレイ5において表させる。
【0029】
音響装置24は、メインCPU20の制御のもとで、表示装置23とともにゲームの臨場感を高めるための効果音やBGM(back ground music)、あるいは各種メッセージ音声などをスピーカ6から出力させる。
【0030】
検出用CPU25は、記憶装置26に記憶されたガンコントローラ制御プログラム26bに応じて、ガンコントローラ9a,9bに実装されたCCDカメラ部17からの信号をもとに、プレイヤが操作するガンコントローラ9a,9bの銃口によって指示される表示装置23の表示画面上の位置または移動軌跡を検出する。
【0031】
記憶装置26は、例えばハードディスク装置などにより構成されるもので、ゲームを制御するためのゲームプログラム26a、ゲームプログラム26aの実行に伴い表示されるゲーム画像データ26dなどが記憶される。ゲームプログラム26aには、ガンコントローラ9a,9bを制御するガンコントローラ制御プログラム26b、ガンコントローラ9a,9bの傾斜角度(及び加速度)に応じて、あるゲーム状況において選択可能な選択肢の何れかを選択する処理に参照されるガンコントローラ制御テーブル26c(詳細については後述する)が含まれている。
【0032】
インタフェース27は、ガンコントローラ9a,9bに設けられた制御ユニット30(トリガー認証部16、CCDカメラ部17、角度センサ18、加速度センサ19)からの信号を入力して、メインCPU20に通知する。
【0033】
振動ユニット制御回路28は、メインCPU20の制御のもとで、所定の振動パターンに応じて、ガンコントローラ9a,9bに設けられた振動ユニット15を駆動する。振動ユニット制御回路28は、メインCPU20により出力される振動パターンデータを入力すると、これに合わせて電流制御して振動ユニット15を駆動させる。
【0034】
ガンコントローラ9a,9bは、プレイヤにより手持ちの状態で操作されるもので、表示装置23(ディスプレイ5)において表示される目標物(敵キャラクタなど)に銃口の方向を合わせて、銃弾を発射させる操作(例えばトリガー14を引く操作)により、表示装置23の画面上の銃口が指し示す位置が検出される。メインCPU20は、この検出された位置に応じてゲームを制御するが、ガンコントローラ9a,9bに設定された武器の種類に応じて異なる制御が実行される。例えば、武器の種類の違いによりターゲットを破壊する威力などが異なってくる。
【0035】
本実施形態のガンゲーム機1では、ガンコントローラ9a,9bを前述した通常のゲームにおけるコントローラとしてだけでなく、ゲーム中に傾斜角度を変更することで、ゲーム状況において選択可能な選択肢の何れかを選択するためのコントローラとして使用される。
【0036】
図3に示すように、ガンコントローラ9aには、振動ユニット15、制御ユニット30が含まれる。制御ユニット30は、CPUやメモリ等からなる制御機能が設けられ、前述したトリガー認証部16、CCDカメラ部17、角度センサ18、及び加速度センサ19を制御する。なお、ガンコントローラ9bもガンコントローラ9aと同様の構成を有しているものとする。
【0037】
図4には、ガンコントローラ制御テーブル26cに設定されるデータの一例を示している。
本実施形態のガンゲーム機1では、2つのガンコントローラ9a,9bを保持している時の傾斜角度の組み合わせによって、武器の種類と、ゲーム空間中で移動するプレイヤキャラクタの進行方向を選択する制御を行う。ガンコントローラ制御テーブル26cには、図4に示すように、武器種類の選択を制御するための武器変更制御データと、進行方向の選択を制御するための進行方向制御データとが設定されている。
【0038】
武器変更制御データは、ガンコントローラ9aとガンコントローラ9bの傾斜状態の組み合わせのそれぞれに対して、選択すべき武器種類を示すデータが設定されている。なお、武器変更制御データでは、銃身13が左横/右横(グリップ12が左側/右側)に傾斜する傾斜状態を対象としている。
【0039】
例えば、ガンコントローラ9aが「横方向傾斜あり」、ガンコントローラ9bが「傾斜なし」の状態にある場合には、「武器2」を選択することを示している。
【0040】
なお、図4に示す武器変更制御データは、ガンコントローラ9a,9bが横方向の傾斜の有無を示すもので、傾斜させる方向(左または右)、あるいは傾斜角度の範囲(例えば30°〜60°、60°〜90°)の組み合わせにより、より多くの武器種類のデータが設定されるようにしても良い。
【0041】
進行方向制御データは、ガンコントローラ9aとガンコントローラ9bの傾斜状態の組み合わせのそれぞれに対して、ゲーム空間中を移動するプレイヤキャラクタの進行方向と速度を示すデータが設定されている。なお、進行方向制御データでは、銃身13(銃口)の向きが下方/上方に傾斜する方向の傾斜状態を対象としている。
【0042】
例えば、ガンコントローラ9aが「下方向20°〜40°」、ガンコントローラ9bが傾斜無しの状態にある場合には、「前進速度1」を選択することを示している。この場合、ガンコントローラ9aの操作によって進行方向(前進)と進行速度(速度1)を指定してゲーム空間中でプレイヤキャラクタを移動させながら、同時にガンコントローラ9bによってターゲットに対して射撃を実行することができる。なお、速度1、速度2、…の順に速度が上がるものとする。
【0043】
また、例えば、ガンコントローラ9a,9bが共に「上方向傾斜あり」であった場合には、「前進高速移動」を選択することを示している。例えば、ゲーム空間中で敵キャラクタと近接して対戦する際に、ガンコントローラ9a,9bの傾斜状態を変えることにより敵キャラクタからの攻撃を避けることができる。例えば、こちらに向かって剣を振りかざしてくるディスクキャラクタであった場合。剣で斬りつけられる瞬間に、ガンコントローラ9a,9bの先端を持ち上げる操作をすることにより、プレイヤキャラクタを高速に一歩後退させて攻撃を回避することができる。
【0044】
進行方向制御データ(障害物あり)は、ゲームにおいて特定のゲーム状況にある場合に、ガンコントローラ9aとガンコントローラ9bの傾斜状態の組み合わせのそれぞれに対して、ゲーム空間中を移動するプレイヤキャラクタの進行方向と移動距離を示すデータが設定されている。ここで、特定のゲーム状況としては、ゲーム空間中のプレイヤキャラクタが障害物に隠れて敵キャラクタからの攻撃を回避している状況を例にしている。なお、進行方向制御データ(障害物あり)では、銃身13が左横あるいは右横(グリップ12が左側あるいは右側)に傾斜する傾斜状態を対象としている。
【0045】
例えば、ガンコントローラ9aが「右横方向0°〜10°」、ガンコントローラ9bが傾斜無しの状態にある場合には、「右移動距離1」を選択することを示している。この場合、ガンコントローラ9aの操作によって障害物に隠れているプレイヤキャラクタの移動方向(右側)と移動距離(移動距離1)を指定してゲーム空間中でプレイヤキャラクタを移動させながら、同時にガンコントローラ9bによってターゲットに対して射撃を実行することができる。なお、距離1、距離2、…の順で距離が長くなっていくものとする。従って、ガンコントローラ9aの傾斜状態を「右横方向10°〜20°」「右横方向20°〜30°」…のように傾斜角度を大きくする程、移動距離が大きくなるように設定されている。すなわち、一方のガンコントローラ9aを傾ける角度によって、プレイヤキャラクタが障害物にどれくらい隠れているかを調整し、例えばプレイヤキャラクタの体半分を障害物に隠した状態で他方のガンコントローラ9bによって射撃をすることができる。
【0046】
次に、本実施形態におけるガンゲーム機1のガンコントローラ9a,9bの操作による選択制御について、図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0047】
本実施形態におけるガンゲーム機1では、ガンコントローラ9a,9bを、それぞれ別のプレイヤが操作するモードと、1人のプレイヤが両方のガンコントローラ9a,9bを操作するモード(以下、二丁拳銃モード)が用意されている。ガンゲーム機1は、二丁拳銃モードの実行がプレイヤにより指定された場合に、以下に説明するガンコントローラ9a,9bの操作による選択制御を実行する。
【0048】
メインCPU20は、ゲームが開始されると、ゲームプログラム26aに従いゲーム処理を実行して、ゲーム空間を表す映像を表示装置23(ディスプレイ5)によって表示させると共に、音響装置24(スピーカ6)から音声を出力させる。ゲーム空間を表す映像には、プレイヤ操作に応じてゲーム空間を移動するプレイヤキャラクタを表示させても良いし、ゲーム空間において設定されるプレイヤキャラクタの位置からの視界の映像を表示させるようにしても良い。
【0049】
ガンゲーム機1は、インタフェース27を通じて、ガンコントローラ9a,9bから各部からの信号を入力する。検出用CPU25は、ガンコントローラ9a,9bに実装されたCCDカメラ部17からの信号をもとに、プレイヤが操作するガンコントローラ9a,9bの銃口によって指示される表示装置23の表示画面上の位置または移動軌跡を検出する。
【0050】
メインCPU20は、検出用CPU25によって検出されるガンコントローラ9a,9bが指示する位置(移動軌跡)、ガンコントローラ9a,9bのトリガー認証部16により検出されるトリガー14に対するプレイヤの操作に応じて、ガンコントローラ9a,9bによる射撃位置やタイミングを判別してゲーム処理を実行していく。
【0051】
ゲーム処理中、メインCPU20は、ガンコントローラ9a,9bのそれぞれに設けられた角度センサ18からのデータを入力し、現在のガンコントローラ9a,9bの傾斜角度を検知する(ステップA1)。
【0052】
ここで、ガンコントローラ9a,9bの少なくとも何れか一方が横方向に傾斜された場合(ステップA2、Yes)、メインCPU20は、その状態が一定時間経過したかを判別する(ステップA3)。一定時間経過していない場合には(ステップA3、No)、武器種類を変更するための操作でないものと判別する。すなわち、瞬間的にガンコントローラ9a,9bの傾斜角度が変えられても武器種類が変更されないようにする。例えば、一定時間としては1秒程度とする。
【0053】
一方、横方向に傾斜された状態が一定時間経過した場合(ステップA3、Yes)、メインCPU20は、ガンコントローラ制御テーブル26cの武器変更制御データを参照して武器種類を変更する。
【0054】
図6(a)(b)(c)には、ガンコントローラ9a,9bの状態の一例を示している。図6(a)(b)(c)は、ディスプレイ5に銃身13(銃口)を向けて構えたガンコントローラ9a,9bを上方から見た図である。
【0055】
図6(a)は、両方のガンコントローラ9a,9bが何れも横方向に傾斜されていない状態を示している。通常、プレイヤがガンコントローラ9a,9bを操作する場合には、図6(a)に示すように、ガンコントローラ9a,9bの両方のグリップ12を立てて保持し、銃身13をディスプレイ5に向けて操作する。
【0056】
ここで、例えば、図6(b)に示すように、ガンコントローラ9bを左横方向に約90°傾けて一定時間経過させた場合には、武器変更制御データに設定されたガンコントローラ9aが「傾斜無し」、ガンコントローラ9bが「横方向傾斜あり」の組み合わせに該当するので武器種類を「武器2」に変更する(ステップA5)。また、ガンコントローラ9aを横方向に約90°傾けて一定時間経過させた場合には、武器変更制御データに設定されたガンコントローラ9aが「横方向傾斜あり」、ガンコントローラ9bが「傾斜なし」の組み合わせに該当するので武器種類を「武器1」に変更する(ステップA4)。
【0057】
また、例えば、図6(c)に示すように、ガンコントローラ9aを右横方向に約90°、ガンコントローラ9bを左横方向に約90°傾けて一定時間経過させた場合には、武器変更制御データに設定されたガンコントローラ9a,9bの両方が「横方向傾斜あり」の組み合わせに該当するので武器種類を「武器3」に変更する(ステップA6)。
【0058】
なお、図4に示す武器変更制御データの例では、ガンコントローラ9a,9bを傾ける方向について設定されていないため、左方向あるいは右方向の何れに傾斜させても良いものとする。図6(b)(c)に示す傾斜方向は一例であって、それぞれ逆方向に傾斜させても同じである。また、武器変更制御データにおいて、傾ける方向(左右)についてもそれぞれ組み合わせを設定することにより、各組み合わせに応じた武器種類を選択することができる。さらに、図6(b)(c)に示す例では、ガンコントローラ9a,9bが90°程度傾斜されるものとしているが、例えば予め決められた傾斜角度、例えば45°以上傾斜された場合に「傾斜あり」と判定するものとする。また、図4に示す武器変更制御データでは、ガンコントローラ9a,9bの両方を同じ武器種類に設定するものとしているが、ガンコントローラ9a,9bの操作によって異なる武器種類に変更するようにしても良い。
【0059】
プレイヤは、武器種類が変更されると、ガンコントローラ9a,9bを図6(a)に示す通常の操作状態にして保持して操作する。なお、メインCPU20は、武器種類の変更が完了した時点で、ディスプレイ5に変更後の武器種類を示す情報を表示させるなどしてプレイヤに通知するものとする。
【0060】
その後、メインCPU20は、ガンコントローラ9a,9bのトリガー14がプレイヤによって操作された場合に、変更後の武器種類に応じたゲーム処理を実行する。
【0061】
一方、メインCPU20は、障害物があるゲーム状況になく(ステップA7、No)、ステップA1において検出されたガンコントローラ9a,9bの傾斜角度が、銃身13(銃口)の向きを下方または上方にする傾斜状態を示す場合には(ステップA8、Yes)、傾斜方向と傾斜角度に応じて、ゲーム空間中におけるプレイヤキャラクタの進行方向と移動速度を設定する(ステップA9)。
【0062】
図7(a)(b)には、ガンコントローラ9a,9bの状態の一例を示している。図7(a)(b)は、ディスプレイ5に銃身13(銃口)を向けて構えたガンコントローラ9a,9bを側面から見た図である。
【0063】
ここで、例えば、図7(a)中に矢印で示すように、ガンコントローラ9aのみを下方向に向けて20°〜40°の範囲で傾斜させた場合には、進行方向制御データに設定されたガンコントローラ9aが「下方向20°〜40°」、ガンコントローラ9bが傾斜なしの組み合わせに該当するので、ゲーム空間中で移動するプレイヤキャラクタに対する進行方向と速度を「前進速度1」に設定する。
【0064】
同様にして、メインCPU20は、ガンコントローラ9aが下方向に向けて傾斜された角度が何れの範囲に含まれるかに応じて、進行方向制御データをもとに進行方向と速度を設定する。
【0065】
また、ガンコントローラ9bのみが、図7(b)に示すように下方向に向けられた場合についても、同様にして、進行方向制御データに基づいて、ゲーム空間中で移動するプレイヤキャラクタに対する進行方向と速度を設定する。
【0066】
なお、図7(b)に示すように、ガンコントローラ9a(あるいはガンコントローラ9b)の銃口が上方向に向けて傾斜された場合には、傾斜角度が進行方向制御データに設定された何れの範囲に含まれるかに応じて、プレイヤキャラクタの進行方向と速度が設定される。ガンコントローラ9a,9bが上方向に向けられた場合には、プレイヤキャラクタの進行方向は後進するように設定される。
【0067】
進行方向制御データには、ガンコントローラ9a,9bの何れか一方が下方向あるいは上方向に向けて傾斜された場合には、他方のガンコントローラ9a,9bによる攻撃を可能とする。従って、プレイヤは、ガンコントローラ9a,9bの何れか一方を使用して、プレイヤキャラクタのゲーム空間中で移動する方向と速度を調整しながら、他方を使用して敵ターゲットに対して攻撃することができる。
【0068】
さらに、ガンコントローラ9a,9bの両方が下方向に向けて傾斜された場合には、進行方向制御データに設定されたガンコントローラ9aが「下方向に傾斜あり」、ガンコントローラ9bが「下方向に傾斜あり」の組み合わせに該当するので、プレイヤキャラクタの進行方向と速度を「前進高速移動」に設定する。同様にして、ガンコントローラ9a,9bの両方が上方向に向けて傾斜された場合には、「後進高速移動」に設定する。
【0069】
これにより、敵キャラクタからの攻撃を受けそうになった場合に、ガンコントローラ9a,9bの傾斜を変える操作だけで、プレイヤキャラクタを高速に移動させて攻撃を回避させることができる。
【0070】
なお、ガンコントローラ9a,9bの銃口を上下方向に向けて傾斜された状態を、ガンコントローラ9a,9bに設けられた角度センサ18によって検出するとしているが、例えば検出用CPU25によって検出される銃口が指すディスプレイ5上の位置の移動軌跡をもとに検出するようにしても良い。例えば、ガンコントローラ9a,9bの銃口が指す位置の移動軌跡がディスプレイ5の下辺から外れた場合には、ガンコントローラ9a,9bが下方向に銃口を向けて傾斜されたものと判別し、同様にして、ディスプレイ5の上辺から外れた場合には、ガンコントローラ9a,9bが上方向に銃口を向けて傾斜されたものと判別する。
【0071】
なお、メインCPU20は、現在、ゲーム空間中に障害物があり、この障害物にプレイヤキャラクタが隠れているゲーム状況では(ステップA7、Yes)、ステップA1において検知されたガンコントローラ9a,9bの傾斜角度が左/右横方向に傾斜した状態を示す場合には(ステップA10、Yes)、ガンコントローラ制御テーブル26cの進行方向制御データ(障害物あり)に基づいて、プレイヤキャラクタの進行方向と移動距離とを設定する。
【0072】
例えば、図8に示すように、ガンコントローラ9aが左方向に0°〜10°の範囲で傾斜された場合には、進行方向制御データ(障害物あり)に、ガンコントローラ9aが「左横方向0°〜10°」、ガンコントローラ9bが傾斜無しの組み合わせに該当するので、プレイヤキャラクタの進行(移動)方向と移動距離を「左移動距離1」を設定する。図4に示す進行方向制御データ(障害物あり)に示すように、ガンコントローラ9aの傾斜角度が何れの範囲に含まれるかに応じて移動距離が異なってくる。
【0073】
同様にして、図8に示すように、ガンコントローラ9aが右方向に傾斜された場合には、進行方向制御データ(障害物あり)に基づいて、プレイヤキャラクタの進行(移動)方向を右方向とすると共に傾斜角度に応じて移動距離を設定する。
【0074】
なお、ガンコントローラ9bのみが操作された場合についても、前述と同様にして、進行方向制御データ(障害物あり)に基づいて、ガンコントローラ9bの傾斜方向と傾斜角度に応じて、プレイヤキャラクタの進行方向と移動距離を設定する。
【0075】
図9は、進行方向制御データ(障害物あり)に基づいて設定されるプレイヤキャラクタの移動距離を説明するための図である。
例えば、プレイヤキャラクタの初期位置は、障害物の中央に設定されているものとする。ここで、ガンコントローラ9a,9bの何れか一方が左横方向に傾斜された場合には、図9に示すように、障害物の左側にガンコントローラ9a,9bの傾斜角度に応じた距離分、プレイヤキャラクタの位置を移動させる。同様にして、右横方向に傾斜された場合には、障害物の右側に、プレイヤキャラクタを移動させる。
【0076】
従って、例えば、左側に保持したガンコントローラ9aによりプレイヤキャラクタが隠れる範囲を調整しながら、右側のガンコントローラ9bから攻撃しやすい位置を調整して、敵キャラクタからの攻撃を回避しながら、適時、攻撃するといった操作が可能となる。
【0077】
このようにして、本実施形態におけるガンゲーム機1では、ゲーム実行中に2つのガンコントローラ9a,9bの傾斜角度を変えることにより、前述したように、武器種類を変更する、プレイヤキャラクタの進行方向や移動速度(距離)を選択するといった選択操作が可能となる。本実施形態におけるガンゲーム機1では、ガンコントローラ制御テーブル26cにガンコントローラ9a,9bの傾斜状態に対して選択すべき選択肢を設定しておくことによって、前述した以外にも、ゲーム状況における様々な選択肢の何れかを選択してゲーム処理を実行させることかできる。
【0078】
また、ガンコントローラ9a,9bの傾斜角度を変える操作は、通常のゲーム実行中に違和感無く行われる操作であり、ゲーム実行中のガンコントローラに対する操作とは全く関係ない選択操作、例えば画面の外にコントローラを向けてトリガーを引いたり、他のボタンを押したりするなどの操作を行う必要がないので、ゲーム展開を阻害されることもなく、また操作性が良好となる。
【0079】
さらに、ガンコントローラ9a,9bのみによって各種の選択操作が実行されるので、従来のガンゲーム機1において各種選択操作に用いられていたボタンやペダルなどの入力装置(インタフェース)が不要となり、ガンゲーム機1のコストダウンも図れる。
【0080】
なお、前述した説明では、ガンコントローラ9a,9bの傾斜角度に応じて、ガンコントローラ制御テーブル26c(武器変更制御データ、進行方向制御データ)に基づいて、武器種類あるいはプレイヤキャラクタの進行方向/速度(移動距離)を設定するとしているが、加速度センサ19によって検出される加速度との組み合わせによって、ゲーム状況に応じて選択可能な選択肢を選択するようにしても良い。
【0081】
例えば、ガンコントローラ9a,9bをゆっくり移動させた場合と素早く移動させた場合に応じて、選択内容を変更することができる。例えば、ガンコントローラ9a,9bの傾斜角度をゆっくり変化させた場合には、プレイヤキャラクタの移動速度を低速に設定し、傾斜角度を素早く変化させた場合には、移動速度を高速にするといったことが可能となる。
【0082】
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本実施形態におけるガンゲーム機1の構成を示すブロック図。
【図2】本実施形態におけるガンコントローラ9a,9bの外観を示す斜視図。
【図3】本実施形態におけるガンゲーム機1の構成を示すブロック図。
【図4】ガンコントローラ制御テーブル26cに設定されるデータの一例を示す図。
【図5】本実施形態におけるガンゲーム機1のガンコントローラ9a,9bの操作による選択制御について説明するためのフローチャート。
【図6】ガンコントローラ9a,9bの状態の一例を示す図。
【図7】ガンコントローラ9a,9bの状態の一例を示す図。
【図8】ガンコントローラ9a,9bの横方向への傾斜を説明するための図。
【図9】進行方向制御データ(障害物あり)に基づいて設定されるプレイヤキャラクタの移動距離を説明するための図。
【符号の説明】
【0084】
1…ガンゲーム機、2…本体筐体、3…サブ筐体、5…ディスプレイ、6…スピーカ、7…コントロールパネル、9a,9b…ガンコントローラ、10(10a,10b)…コード、12…グリップ、13…銃身、14…トリガー、15…振動ユニット、16…トリガー認証部、17…CCDカメラ部、18…角度センサ、19…加速度センサ、20…メインCPU、21…RAM、22…画像処理部、23…表示装置、24…音響装置、25…検出用CPU、26…記憶装置、26a…ゲームプログラム、26b…ガンコントローラ制御プログラム、26c…ガンコントローラ制御テーブル、26d…ゲーム画像データ、27…インタフェース、28…振動ユニット制御回路、30…制御ユニット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾斜角度を検知することができる角度センサが設けられた第1及び第2のコントローラと、
前記第1及び第2のコントローラのそれぞれに設けられた角度センサにより検知された傾斜角度を入力する傾斜角度入力手段と、
前記傾斜角度入力手段によって入力された傾斜角度に応じた、前記第1及び第2のコントローラの傾斜状態の組み合わせに応じて、ゲーム状況において選択可能な選択肢の何れかを選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された選択肢に応じてゲーム処理を制御するゲーム制御手段と
を具備したことを特徴とするゲーム機。
【請求項2】
前記選択手段は、ゲーム中で使用される武器の種類を選択し、
前記ゲーム制御手段は、前記選択手段によって選択された種類の武器に応じて、ゲームを制御することを特徴とする請求項1記載のゲーム機。
【請求項3】
前記選択手段は、前記ゲームが実行されるゲーム空間における進行方向を選択し、
前記ゲーム制御手段は、前記選択手段によって選択された種類の武器に応じて、ゲームを制御することを特徴とする請求項2記載のゲーム機。
【請求項4】
前記選択手段は、さらに前記第1のコントローラあるいは前記第2のコントローラの傾斜状態に応じて進行速度を選択することを特徴とする請求項3記載のゲーム機。
【請求項5】
前記選択手段は、前記ゲームにおいて特定のゲーム状況にある場合に、前記傾斜状態に応じて選択される選択肢を変更することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のゲーム機。
【請求項6】
前記選択手段は、前記第1のコントローラの傾斜状態に応じて、前記ゲーム空間における移動距離を選択することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のゲーム機。
【請求項7】
前記第1及び第2のコントローラにさらに加速度センサを設け、
前記加速度センサにより検知された加速度を入力する加速度入力手段をさらに具備し、
前記選択手段は、前記傾斜角度入力手段によって入力された前記第1及び第2のコントローラの傾斜角度に応じた傾斜状態の組み合わせ、及び前記加速度入力手段によって入力された前記第1及び第2のコントローラの傾斜角度に応じた傾斜状態の組み合わせに応じて、ゲーム状況において選択可能な選択肢の何れかを選択することを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のゲーム機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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