説明

ゲーム画面の表示制御方法、キャラクタの移動制御方法およびゲーム機並びにプログラムを記録した記録媒体

【課題】 本発明は、ディスプレイに表現された仮想3次元空間内のキャラクタを移動させるためのプレイヤーによる入力装置に対する入力操作を平易にするゲーム装置を提供する。
【解決手段】 本発明は、仮想3次元空間内の視認方向に対する入力装置の入力方向を仮想3次元空間内におけるキャラクタの移動方向に対応付けたキャラクタの移動制御方法であって、仮想3次元空間を移動するプレイヤキャラクタが仮想3次元空間に設定された所定のセクション内にいる場合に、所定のセクションに対応付けられた所定のパス情報に基づいてキャラクタの移動方向を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム画面の表示制御方法、キャラクタの移動制御方法およびゲーム機並びにプログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆるアクション型ゲーム等を実現するゲーム装置では、プレイヤーによって操作される入力装置(コントローラパッド)からの操作信号に応じて、表示装置の画面に表示されたゲーム映像中の主人公(プレイヤキャラクタ)が制御され、ゲームのストーリが進展する。
【0003】
特に、近年では、ハードウェア性能の向上に伴い、仮想3次元空間をプレイヤキャラクタが行動するようなゲーム映像を3次元グラフィックスにより提供することで、ゲームの演出効果を高めている。
【0004】
この3次元グラフィックスは、オブジェクトを表現する3次元データに基づいて、仮想3次元空間における視点位置(「投影中心位置」と呼ばれることもある。)から視線方向にあるオブジェクトの空間的な位置関係を算出し、さらにレンダリング処理等の画像処理を行って、オブジェクトを立体的に表現する。すなわち、3次元グラフィックスを利用したゲームでは、視点位置から見たプレイヤキャラクタや他のオブジェクトを立体的に表現し、プレーヤの操作やゲームシーンに応じて視点や視線を移動させて、仮想3次元空間を表現したゲーム映像を提供している。このような視点位置から見るゲーム映像をカメラの撮像に喩えて、カメラアングルと呼ぶこともある。
【0005】
ところで、アクション型ゲーム等では、その興味性は、ゲームのストーリ性に加え、ディスプレイに表現されるゲーム映像に左右される場合が多い。このため、ゲーム(ゲームプログラム)を製作する上で、どのようなゲーム映像をプレイヤに提供するかは、非常に重要な要素となっている。
【0006】
しかしながら、従来のゲームでは、特定のカメラアングルから仮想3次元空間を表現したゲーム映像を提供するのみであり、ゲームのシチュエーションに応じて最適なカメラアングルによるゲーム映像を提供することはなかった。
【0007】
例えば、ゲームのストーリを通して常にキャラクタの上部後方位置に配置された仮想カメラからあたかも追尾しながら撮影しているようなゲーム映像を提供することが行われている。
【0008】
しかしながら、このような特定のカメラアングルによるゲーム映像では、キャラクタの背後から迫る敵キャラクタや背後に配置されたアイテムを表現することが不十分であるため、背後からの攻撃がないように、ゲームプログラム上、敵キャラクタの挙動に制約を与えざるを得なかった。
【0009】
また、キャラクタが狭い洞窟に入り込んだ場合には、それまでの上部後方位置からのカメラアングルをキャラクタの目線位置からのローアングルに切り替えることも行われている。
【0010】
しかしながら、このようなゲームでは、特定のシーンやステージになった場合に、予め定められたカメラアングルに切り替わるのみであり、リアルタイムで変化するゲームのシチュエーションに応じて、どのカメラアングルが最適か否かを判断して切り替えるようなことは行われていなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記のように、ゲームの興味性を増大させる要素の1つは、よりゲームの演出効果を高めるゲーム映像を提供することである。
【0012】
しかしながら、従来のゲームでは、特定のカメラアングルから仮想3次元空間を表現したゲーム映像を提供するのみであり、ゲームのシチュエーションに応じて最適なカメラアングルを選択し、そのカメラアングルによるゲーム映像を提供することはなかった。
【0013】
そこで、本発明は、ゲームのシチュエーションに応じて仮想3次元空間を効果的に表現するためのゲーム映像を提供する。
【0014】
また、ゲームの内容によっては、仮想3次元空間内の特定の方向にキャラクタを進行させることによりゲームのストーリを進展させつつ、さらにその進行方向と異なる方向にキャラクタを移動させることができるものもある。
【0015】
しかしながら、キャラクタの目線位置や上部後方位置からのカメラアングルでは、ゲームのストーリ上キャラクタを進行させるべき方向と現時点で向いている方向とがずれた場合に、キャラクタが今どちらの方向に向いているかがわからなくなるいわゆる方向感覚の喪失が生じる。このため、キャラクタを進行させるべき方向を示唆するように、ゲーム映像を提供する配慮が求められる。
【0016】
そこで、本発明は、ディスプレイに表現された仮想3次元空間内のキャラクタを操作するプレイヤーがその仮想3次元空間内の方向感覚を喪失することのないゲーム映像を提供する。
【0017】
また、キャラクタは入力装置の方向指示キーによって指示された方向に移動するが、仮想3次元空間をキャラクタが移動できるようになると、ゲーム映像上のキャラクタの移動方向と入力装置による入力指示方向とがずれる場合がある。例えば、キャラクタが通るべき道がループ形状であると、方向指示キーを前進方向(ゲーム映像の奥側)に指示していても、ループした道の途中のゲーム映像ではキャラクタは進行すべき方向に対して反対に進むことになる。
【0018】
このような場合、プレイヤはゲーム映像上のキャラクタの移動方向にあわせて、方向指示キーの指示方向を切り替えることとすると、操作が非常に煩雑になるとともに、プレイヤの操作を混乱させることになる。
【0019】
そこで、本発明は、ディスプレイに表現された仮想3次元空間内のキャラクタを移動させるためのプレイヤーによる入力装置に対する入力操作を平易にするゲーム装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、仮想3次元空間に対する第1の投影により得られる第1のゲーム画面を表示し、前記仮想3次元空間内を移動したキャラクタ(プレイヤキャラクタ)と前記仮想3次元空間内に設定された所定のエリアとが所定の位置関係にある場合に、前記第1の投影の優先度と前記所定のエリアに対応付けられた第2の投影の優先度とを比較し、前記第1の投影の優先度よりも前記第2の投影の優先度が高い場合に、前記仮想3次元空間に対する第2の投影により得られる第2のゲーム画面を表示することを特徴とするゲーム画面の表示制御方法である。
【0021】
ここで、投影とは、仮想3次元空間を仮想カメラから見ることをいい、仮想カメラの視点位置および視線方向、視領域(視角)等の各種パラメータによって与えられる。
【0022】
所定のエリアは、平面的、立体的とを問わず、例えば、プレイヤキャラクタが移動するフィールド面に対して垂直に設けられた平面、フィールド面上の所定形状の領域、多角形体、球体であってもよい。
【0023】
所定の位置関係とは、プレイヤキャラクタが所定のエリアに接触した場合の位置関係、所定のエリア内にいる場合の位置関係等をいう。
【0024】
また、本発明は、仮想3次元空間に対する第1の投影により得られる第1のゲーム画面を表示する第1の表示手段と、前記仮想3次元空間内を移動するキャラクタと前記仮想3次元空間内に設定された所定のエリアとの位置関係を判定する第1の判定手段と、前記第1の判定手段により所定の位置関係にあると判定される場合に、前記第1の投影の優先度と前記所定のエリアに対応付けられた第2の投影の優先度とを比較する第2の判定手段と、前記第2の判定手段により前記第2の投影の優先度が前記第1の投影の優先度よりも高いと判定される場合に、前記仮想3次元空間に対する前記第2の投影により得られる第2のゲーム画面を表示する第2の表示手段とを備えたことを特徴とするゲーム機である。
【0025】
より具体的には、本発明は、仮想3次元空間に対する現在の投影により画像データを生成する画像データ生成手段と、前記画像データ生成手段により生成された画像データに従ってゲーム画面を表示する表示手段と、前記表示手段に表示されるゲーム画面に基づくプレイヤの入力操作に応じて、前記仮想3次元空間内におけるキャラクタの移動に関する処理を行う移動処理手段と、前記仮想3次元空間内における前記キャラクタと所定のエリアとの位置関係を判定する第1の判定手段と、前記第1の判定手段により所定の位置関係にあると判定される場合に、現在の投影と所定のエリアに対応付けられた投影の優先度を比較する第2の判定手段とを備え、前記画像データ生成手段は、前記第2の判定手段により優先度が高いと判定された投影を現在の投影として画像データを生成することを特徴とするゲーム機である。
【0026】
さらに、本発明は、ゲーム機に所定の機能を実現させるプログラムとしても成立する。具体的には、本発明は、ゲーム機にゲーム画面の表示制御を実現させるプログラムを記録した記録媒体であって、前記プログラムは、仮想3次元空間に対する第1の投影により得られる第1のゲーム画面を表示する第1の表示手段と、前記仮想3次元空間内を移動するキャラクタと前記仮想3次元空間内に設定された所定のエリアとの位置関係を判定する第1の判定手段と、前記第1の判定手段により所定の位置関係にあると判定される場合に、前記第1の投影の優先度と前記所定のエリアに対応付けられた第2の投影の優先度とを比較する第2の判定手段と、前記第2の判定手段により前記第2の投影の優先度が前記第1の投影の優先度よりも高いと判定される場合に、前記仮想3次元空間に対する前記第2の投影により得られる第2のゲーム画面を表示する第2の表示手段とを備えたことを特徴とするプログラムを記録した記録媒体である。
【0027】
また、本発明は、仮想3次元空間内の視認方向に対する入力装置の入力方向を前記仮想3次元空間内におけるキャラクタの移動方向に対応付けたキャラクタの移動制御方法であって、仮想3次元空間を移動するプレイヤキャラクタが前記仮想3次元空間に設定された所定のセクション内にいる場合に、前記所定のセクションに対応付けられた所定のパス情報に基づいて前記キャラクタの移動方向を決定することを特徴とするキャラクタの移動制御方法である。
【0028】
さらに、仮想3次元空間内の視認方向に対する入力手段の入力方向を前記仮想3次元空間内におけるキャラクタの移動方向に対応付けたキャラクタの移動制御を行うゲーム機において、仮想3次元空間に対する所定の投影により得られるゲーム画面を表示する表示手段と、前記表示手段により表示されたゲーム画面に基づくプレイヤの操作によって前記仮想3次元空間内を移動したキャラクタが前記仮想3次元空間内に設定された所定のセクション内にいるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により所定のセクション内にいると判定される場合に、前記所定のセクションに対応付けられた所定のパス情報に基づいて前記キャラクタの移動方向を決定する移動方向決定手段とを備えたことを特徴とするゲーム機である。
【0029】
ここで、前記ゲーム機は、前記移動方向決定手段により決定された移動方向に基づいて前記仮想3次元空間におけるキャラクタの移動に関する処理を行う移動処理手段と、前記移動処理手段による移動に関する処理に応じて画像データを生成する画像データ生成手段と、前記画像データ生成手段により生成された画像データに基づいてゲーム画面の表示を制御する表示制御手段とをさらに備えたことを特徴とする。
【0030】
また、前記パス情報は、仮想3次元空間内の位置座標および方向情報が与えられた複数の点データであって、前記ゲーム機は、前記キャラクタの位置座標に基づいて前記パス情報の中から点データを特定する点データ特定手段をさらに備え、前記移動方向決定手段は、前記点データ特定手段により特定された点データに与えられた方向情報に基づいて移動方向を決定することを特徴とする。
【0031】
さらに、前記点データ特定手段は、前記キャラクタの位置座標に最も近い位置座標が与えられた点データを特定することを特徴とする。
【0032】
また、前記移動方向決定手段は、前記キャラクタの位置座標から、前記点データ特性手段により特定された点データの所定距離前方に位置する目標点の位置座標に対する方向を移動方向とすることを特徴とする。
【0033】
また、本発明は、ゲーム機に所定の機能を実現させるプログラムとしても成立する。具体的には、本発明は、ゲーム機にゲームに関するキャラクタの移動制御を実現させるプログラムを記録した記録媒体であって、前記プログラムは、仮想3次元空間に対する所定の投影により得られるゲーム画面を表示する表示手段と、前記表示手段により表示されたゲーム画面に基づくプレイヤの操作によって前記仮想3次元空間内を移動したキャラクタが前記仮想3次元空間内に設定された所定のセクション内にいるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により所定のセクション内にいると判定される場合に、前記所定のセクションに対応付けられた所定のパス情報に基づいて前記キャラクタの移動方向を決定する移動方向決定手段とを備えたことを特徴とするプログラムを記録した記録媒体である。
【0034】
なお、前記記録媒体とは、例えば、ハードディスク(HD)、DVD−RAM、フレキシブルディスク(FD)やCD−ROM等のほかに、RAMやROM等のメモリを含む。また、前記コンピュータとは、例えば、CPUやMPUといったいわゆる中央処理装置がプログラムを解釈することで所定の処理を行う、いわゆるマイクロコンピュータ等をも含む。
【0035】
また、物の発明は方法の発明として把握することができ、方法の発明は物の発明として把握することができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、ゲームのシチュエーションに応じて最適な仮想カメラ位置から仮想3次元空間を投影(撮影)したようなゲーム映像を提供することができるようになる。
【0037】
また、本発明によれば、ゲームのシチュエーションに応じてカメラアングルを多彩に変化させることにより視線方向が変化しても、これに合わせて入力方向を変化させる必要がなく、入力操作を平易にすることができるようになる。
【0038】
さらに、本発明によれば、ゲーム機はネットワークを介してサーバからゲーム関連情報を入手し、これをゲームに利用することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0040】
本発明の実施形態は、プレイヤによって操作されるプレイヤキャラクタが、仮想3次元空間に設定されたコースを進みながら、数々の敵キャラクタと戦闘を繰り返すアクション型ゲーム(ゲーム名:ソニックアドベンチャー)について説明するものとする。
【0041】
[第1の実施形態]
図1は、本発明に係るゲーム機の構成を示す図である。図1において、本発明に係るゲーム装置は、CPU101等を中心に構成される制御部1、ユーザが当該制御部に操作信号を入力するための入力装置2、オペレーティングシステム(以下「OS」という。)やアプリケーションプログラム(ゲームプログラム)を記憶し、必要に応じて当該制御部にこれらのプログラムを入力するための外部記憶装置3、ユーザに画像や音を提供するための表示装置4aおよびスピーカ4b等からなる出力装置4を備える。また、電話回線等を介して他のコンピュータやゲーム装置とデータの送受信をするための通信装置5を備えている。なお、外部記憶装置3は、図示したCD−ROM等に限らず、制御部1からのデータを書き込み保持可能な記録媒体等であってもかまわない。
【0042】
ゲームを開始すべく電源が投入されると、図示しないブートプログラムローダは、ROM102に記憶されているブートプログラム(イニシャルプログラムと呼ばれることもある。)をCPU101にロードし、CPU101はブートプログラムを実行する。CPU101は、このブートプログラムに従って、CD−ROM等に記憶されているOSの全部または必要な部分をメインメモリ103にロードし、OSを実行する。
【0043】
CPU101は、このOSの制御の下、CD−ROM等に記憶されているアプリケーションプログラム(以下、単に「プログラム」ということもある。)の全部または必要な部分をメインメモリ103にロードするとともに、必要に応じてCD−ROM等に記憶されている描画データや画像データをグラフィックメモリ104にロードし、また、サウンドデータをサウンドメモリ105にロードする。
【0044】
CPU101は、OSの制御の下、メインメモリ103に記憶されたアプリケーションプログラムを実行する。アプリケーションプログラムの実行に伴うデータは、メインメモリ103やバックアップメモリ106に必要の都度書き込まれ参照される。バックアップメモリ106は、ゲームの中断等で電源が遮断されてもそれまでの状態を保持するために、データを記憶する。
【0045】
なお、本実施形態において、OSやアプリケーションプログラム等はCD−ROMから提供されるように構成しているが、例えば、ROMからまたはネットワークを介して他のコンピュータから供給されるように構成してもよい。
【0046】
ビデオディスプレイプロセッサ(VDP;Video Display Processor)107は、グラフィックメモリ104に記憶される画像表示に必要な描画データを読み出して、アプリケーションプログラムの実行によるCPU101からの命令やデータに基づき各種情報処理(画像処理)を行って、画像データを生成する。各種画像処理は、例えば、テクスチャマッピング、光源処理、表示優先処理等がある。生成された画像データを表示装置4aに表示するために、VDP107は、エンコーダ108に出力する。なお、生成された画像データは、例えば、フレームバッファメモリ等に書き込み、このフレームバッファメモリから所定のタイミングで読み出すようにしてもよい。
【0047】
サウンドプロセッサ(Sound Processor)109は、サウンドメモリ105に記憶されるサウンドデータを読み出して、アプリケーションプログラムの実行によるCPU101からの命令やデータに基づき各種情報処理(音声処理)を行う。各種音声処理は、例えば、エフェクト処理、ミキシング処理等がある。各種音声処理が施されたサウンドデータは、D/Aコンバータ110によってアナログデータに変換され、スピーカに出力される。
【0048】
バスアービタ(Bus Arbiter)111は、データ伝送路(バス等)を介して接続される各ユニット間同士の制御を行う。例えば、バスアービタ111は、バスを占有するユニットを決定するために、各ユニット間の優先順位を決定したり、占有するユニットのバス占有時間の割当てを行う。
【0049】
なお、本実施形態におけるゲーム機は、例えばCPUやMPUといったいわゆる中央処理装置がプログラムを解釈することで処理を行うコンピュータを含むものとする。また、記録媒体は、例えば、フレキシブルディスク(FD)やCD−ROM、DVD等のほかに、RAMやROM等のメモリを含むものとする。
【0050】
以上のように構成された本発明に係るゲーム機は、CPUがCD−ROM等の外部記録媒体から読み込んだプログラムを実行することにより、本発明に係る所定の機能を実現する。以下では、本実施形態に係るゲーム機を機能的に表現し、機能実現手段により構成される機能ブロック図を用いて説明する。
【0051】
図2は、本実施形態に係るゲーム機の機能ブロック図である。同図に示すように、入力部2は、プレイヤが表示部4に表示されるゲーム画面を見ながら、さまざまな操作を与えるためのものである。入力部2はプレイヤの操作に応じた操作信号を生成し、この操作信号を入力制御部21に送出する。本実施形態においては、仮想3次元空間内でプレイヤキャラクタを移動させたい方向を入力部2により与えることができるものとする。
【0052】
入力制御部21は、入力部2から送出される操作信号に応じた制御を行う。すなわち、入力部2からプレイヤキャラクタの移動を指示する操作信号が送出された場合に、その操作信号を移動処理部22に送出する。移動処理部22は、送出される操作信号に基づいて仮想3次元空間内におけるプレイヤキャラクタの位置座標を算出する。移動処理部22は、算出したプレイヤキャラクタの位置座標をコリジョン判定部23に送出する。
【0053】
コリジョン判定部23は、プレイヤキャラクタがその移動によって仮想3次元空間内に予め設定されたカメラ切替判定エリア(以下「エリア」という。)に接触したか否かを判定し、その判定結果をカメラ切替判定部25に送出する。エリアは、図3の破線で示されるように、仮想3次元空間内のプレイヤキャラクタが移動可能な位置に設定される。ただし、このエリアは、ゲームのストーリに関係がない限り、通常はゲーム映像に表示されないものとする。
【0054】
エリア情報記憶部24は、仮想3次元空間内に設定されるエリアの位置、形状等をエリア情報として保持する。
【0055】
図4は、エリア情報記憶部24に記憶されたエリア情報の一例を示す図である。同図(a)に示すように、エリア情報は、個々のエリアを識別するための識別番号、仮想3次元空間内におけるエリアの形状およびその位置(図示せず)、さらにそれぞれのエリアに対して優先度およびカメラアングルおよびその位置(図示せず)が関連付けられている。
【0056】
各優先度間の関係は、同図(b)に示すように与えられている。なお、優先度のうち「Area」とはプレイヤキャラクタがそのエリア内にいるときに優先され、また、「Event」はプログラムで強制的に指定されている間は優先される。
【0057】
また、カメラアングルとは、仮想3次元空間内の視点位置(カメラ位置)とその視線(カメラ目線)を意味するものとするが、特にことわりがないかぎり、視点位置(カメラ位置)および視線(カメラ目線)をどのように移動させるかというカメラワーク(カメラモード)や視野角をも含む広い意味で用いるものとする。以下は、カメラアングルの一例である。
【0058】
追尾:プレイヤキャラクタを常に追尾するようにプレイヤキャラクタから所定位置離れた位置から仮想3次元空間を投影する。
【0059】
方向指定:仮想カメラの注視線を指定することで、常に一定方向を投影する。
【0060】
一点指定:仮想カメラの注視点を指定することで、常に一点を投影する。これにより、見上げ仮想カメラや見下げ仮想カメラ等を指定することができる。
【0061】
距離調整:プレイヤキャラクタと仮想カメラとの距離を指定する。これにより、ズームアップやズームアウトを指定でき、プレイヤキャラクタを大きく見せたり周囲の地形を見渡せるようにすることができる。
【0062】
パス移動:仮想カメラの通過するルートを指定することで、指定通りの仮想カメラ移動を可能にする。これにより、複雑な地形の中を移動する場合のゲーム映像を提供することができるようになる。
【0063】
座標固定:仮想カメラの位置座標を固定しながら、常にプレイヤキャラクタの方向を投影する。
【0064】
イベント:さまざまなシチュエーションに応じてカスタマイズされる。
【0065】
このようなカメラアングルを複数種類用意することで、ゲームのストーリ上、プレイヤキャラクタが移動すべき方向を示唆するという目的に加え、ローアングルでアクションの迫力を演出したり、ズームアップで特定のキャラクタを効果的に表現する等の特殊効果を演出することが可能になる。
【0066】
図2に戻り、カメラ切替判定部25は、コリジョン判定部23によってプレイヤキャラクタがあるエリアに接触したと判定された場合に、当該エリアに設定されたカメラアングルとカメラアングル記憶部26に記憶された現在のカメラアングルの優先度を比較し、どちらの優先度が高いかを判定し、その結果を画像データ生成部27に送出する。
【0067】
画像データ生成部27は、現在のカメラアングルから仮想3次元空間を表現する画像データを生成し、この画像データを表示制御部28に送出する。表示制御部28は、送出された画像データを表示部4にゲーム映像として表示するための制御を行う。
【0068】
図5は、本実施形態に係るゲーム機の動作を説明するための図である。同図において、ゲーム機は、現在のカメラアングルに従って表示部4に3Dゲーム映像を表示する(STEP501)。プレイヤは表示部4に表示されたゲーム映像を見ながら、手元の入力部2に対して入力操作(移動操作)を行う。入力制御部21は、プレイヤによる入力操作がプレイヤキャラクタに対する移動指示であるか否かを判定し(STEP502)、移動指示であると判定した場合には、移動処理部22は、仮想3次元空間内におけるプレイヤキャラクタの位置座標を算出する。
【0069】
次に、コリジョン判定部23は、プレイヤキャラクタが、その移動によって仮想3次元空間に設定されたエリアに接触したか否かを判定する(STEP504)。プレイヤキャラクタがエリアに接触したと判定される場合には、カメラ切替判定部25は、現在のカメラアングルとエリアに対応付けられたカメラアングルの優先度を比較し、どちらの優先度が高いかを判定する(STEP505、406)。カメラ切替判定部25がエリアに対するカメラアングルの優先度の方が現在のカメラアングルの優先度よりも高いと判定した場合には、エリアのカメラアングルを現在のカメラアングルとして切り替える(STEP507)。これにより、表示部4には、カメラアングルが切り替えられたゲーム映像が表示されることになる。
【0070】
なお、STEP506において、現在のカメラアングルの方が、その優先度が高いと判定される場合には、カメラアングルは切り替えられず、現在のカメラアングルからのゲーム映像が表示されることとなる。
【0071】
以上のように、本実施形態のゲーム機によれば、プレイヤキャラクタが仮想3次元空間を移動している最中に、カメラ切替判定エリアに接触した場合には、カメラアングルの切替えの有無が判定され、所定の条件を満たす場合にカメラアングルが切り替えられることとなる。
【0072】
図3は、カメラ切替えの一例を説明するための図である。同図(a)に示すように、仮想3次元空間内に設定されたパスP1,P2,P3をプレイヤキャラクタPが矢印の方向に移動しているものとし、ゲーム映像は仮想カメラC1からのカメラアングルから投影された仮想3次元空間が表示されているものとする。プレイヤはプレイヤキャラクタPを操作してパスP1の端部でパスP2側に方向転換したとすると、プレイヤキャラクタPがエリアAに接触し、カメラアングルの切替の有無が判定される。今、仮想カメラC2の優先度の方が仮想カメラC1のものよりも高いとすると、カメラアングルは仮想カメラC2に切り替えられ、ゲーム映像は仮想カメラC2によって投影された仮想3次元空間が表示されることになる。
【0073】
図6は、カメラ切替えの他の例を示す図である。すなわち、同図は、仮想3次元空間を奥行き方向に延びるプレイヤキャラクタPのパスを、プレイヤキャラクタPの上部後方位置の仮想カメラ(C0;図示せず)からみたゲーム画面である。このゲームのシチュエーションでは、プレイヤキャラクタの前方に、平面状のエリアA1および球状のエリアA2が設定されている。また、エリアA1に対しては仮想カメラC1が、エリアA2に対しては仮想カメラC2がそれぞれ対応付けられている。今、プレイヤの操作によって、プレイヤキャラクタPがエリアA1に接触したとすると、現在の仮想カメラC0と仮想カメラC1の優先度が比較される。そして、エリアの仮想カメラC1の優先度が高い場合には、仮想カメラC1のカメラアングルに切り替わることになる。同様に、プレイヤキャラクタPが球状のエリアA2に接触すると、カメラアングルの切替の有無が判定され、優先度が高い仮想カメラからのゲーム映像が表示されることとなる。
【0074】
このように、ゲームのシチュエーションに応じて最適な位置から仮想3次元空間を投影(撮影)したようなゲーム映像を提供することができるようになる。特に、本実施形態では、カメラアングルの優先度を比較するようにしているので、より最適なゲーム映像を提供することができるようになる。また、プレイヤキャラクタの移動パターンによって現在のカメラアングルの優先度が与えられるのでカメラアングルの切り替わり方も動的に変化し、興味性のあるゲーム映像を提供することができるようになる。
【0075】
[第2の実施形態]
ゲーム機に用いられる入力装置2の方向指示キーは、そのキーを倒した方向により入力方向が決定され、その倒した度合い(ストローク)により移動速度や加速度が決定される。仮想3次元空間を表現したゲーム映像中のプレイヤキャラクタの移動方向は、仮想3次元空間における視線方向に対する入力方向を指示することにより決定される。
【0076】
従って、視線方向(カメラアングル)が変化すると、方向指示キーの入力方向に変化がなくとも、プレイヤキャラクタの移動方向が変化してしまうことになる。
【0077】
例えば、図7に示すように、プレイヤキャラクタがループ状に形成されたコースを通過するような場合、図8に示すように、A,B,C点のそれぞれの時点における視線方向(破線矢印)は変化するため、プレイヤキャラクタを移動させるべき方向を一定にするためには、視線方向に対する入力方向を変化させる必要がある。
【0078】
また、図9に示すように、仮想カメラ(視線)を動かしながら提供されるゲーム映像では、入力指示キーの入力方向を一定にすると、プレイヤキャラクタが移動すべき方向が変化することになる。
【0079】
そこで、本実施形態は、視線方向に対する入力方向をプレイヤキャラクタの移動方向とするゲーム操作方法において、プレイヤキャラクタが特定のセクション内にいる場合には、視線方向に対する入力方向の変化にかかわらず、特定の方向にプレイヤキャラクタを移動させるように制御することを特徴とする。
【0080】
図10は、本実施形態に係るゲーム機の機能ブロック図である。
【0081】
入力部2(図1の入力装置に相当する。)は、図示しない方向指示キーを有する。入力部2は、この方向指示キーがプレイヤの操作によって倒されることによって、その倒された方向(以下「入力方向」という。)および倒した度合い(以下「ストローク量」という。)に応じた操作信号を入力制御部91に送出する。
【0082】
入力制御部1001は、入力部2から送出される操作信号に応じた制御を行う。すなわち、入力制御部1001は、後述するセクション判定部1003の判定結果に従い、入力部2から送出される入力方向およびそのストローク量を移動処理部92に送出するための制御を行う。移動処理部1002は、指示された移動方向およびストローク量に基づいて仮想3次元空間内におけるプレイヤキャラクタの位置座標を算出する。セクション判定部93は、プレイヤキャラクタが特定のセクション内にいるか否かを判定する。本実施形態では、特定のセクションは、ループ状に形成された区間であるものとする。セクション判定部1003によってプレイヤキャラクタが特定のセクション内にいると判定された場合には、移動処理部1003は、方向指示キーによる入力方向に基づいてプレイヤキャラクタの位置座標を算出するのではなく、これに代わる移動指示方向を内部で生成してこれに基づいて位置座標を算出する。画像データ生成部1004は、移動処理部1002で得られたプレイヤキャラクタの位置座標に基づいて、現在のカメラアングルから仮想3次元空間を表現した画像データを生成し、この画像データを表示制御部1005に送出する。表示制御部1005は、送出された画像データを表示部4にゲーム映像として表示するための制御を行う。
【0083】
図11は、移動処理部の詳細を示す機能ブロック図である。エリア判定部93によりプレイヤキャラクタが特定のエリア内にいないと判断される場合には、位置座標算出部1101は、方向検出部1001aからの入力方向およびストローク量検出部1001bからのストローク量に基づいてプレイヤキャラクタの位置座標を算出する。一方、特定のセクション内にいると判断される場合には、基準点特定部1102は、パス情報記憶部1104に記憶された点列情報の中から、プレイヤキャラクタに最も近いところに位置する点(最近点)情報を特定し、これを移動指示方向取得部1105に送出する。移動指示方向取得部1105は、図12(a)に示すように、送出された点データに与えられた移動指示方向(図中、三角矢印で示される。)を取得(決定)し、これを位置座標算出部1001に送出する。位置座標算出部1001は、移動指示方向取得部1005から送出される移動指示方向およびストローク量検出部1001bから送出されるストローク量に基づいてプレイヤキャラクタの位置座標を算出する。つまり、内部的に生成された移動指示方向を入力部2からの入力方向とみなして、プレイヤキャラクタの位置座標を算出する。
【0084】
図13は、パス情報を説明するための図である。同図に示すように、パス情報とは、仮想3次元空間内に配置される点列のそれぞれの点に与えられる位置座標および方向ベクトル(移動指示方向)である。このパス情報は、仮想3次元空間内に設定されたコース中の特定のセクションに対して与えられる。
【0085】
図14は、本実施形態に係るゲーム機の動作を説明するための図である。同図において、ゲーム機は、現在のカメラアングルに従って表示部4に3Dゲーム映像を表示する(STEP1401)。プレイヤは表示部4に表示されたゲーム映像を見ながら、手元の入力部2に対して入力操作(移動指示操作)を行う(STEP1402)。このとき、セクション判定部93によって、現在、プレイヤキャラクタが特定のセクション内にいるか否かが判定される(STEP1402)。特定のセクション内にいないと判断される場合には、移動処理部92は、方向検出部911からの入力方向およびストローク量検出部912からのストローク量に基づいて、プレイヤキャラクタの位置座標を算出する(STEP1404)。一方、特定のセクション内にいると判断される場合には、移動処理部92はパスデータの中からプレイヤキャラクタに最も近い位置の点(最近点)を特定し(STEP1405)、この最近点に与えられた移動指示方向を取得する(STEP1406)。そして、移動処理部92は、移動指示方向およびストローク量に基づいてプレイヤキャラクタの位置座標を取得する(STEP1407)。これにより、表示部4には、現在のゲーム映像が表示されることになる(STEP1401)。
【0086】
本実施形態において、内部的に生成される移動指示方向は、プレイヤキャラクタに最も近いところに位置する点に与えられた方向を用いるようにしたが、特にこれに限るものではない。
【0087】
例えば、図12(b)に示すように、パス情報の中から最近点を特定し、この最近点から所定長L前方にある点を目標点に定め、現在の位置座標から目標点の位置座標へ向かう方向を移動指示方向としてもよい。
【0088】
また、図13(c)に示すように、パス情報の中から特定された最近点の位置座標をプレイヤキャラクタの現在の位置座標に置き換えるようにしてもよい。
【0089】
以上のように、本実施形態によれば、視線方向に対する入力方向によりプレイヤキャラクタの移動方向を決定している場合に、特定のセクション内では視線方向に対する入力方向が変化しても、プレイヤキャラクタが移動すべき方向を一定にすることができるようになる。
【0090】
従って、視線方向の変化に応じて入力方向を変化させる必要がなく、入力操作を平易にすることができるようになる。これにより、プレイヤは本来のゲーム操作に集中することができるようになり、ゲーム本来の興味性を損なわせることはない。
【0091】
[第3の実施形態]
本実施形態は、ネットワークを介してゲームに関連する情報をサーバから入手する点を特徴とする。
【0092】
図15は、本実施形態に係るゲームシステムの構成を示す機能ブロック図である。同図において、ゲーム実行部1501は、所定のゲームプログラムを実行して、プレイヤにゲームを提供する。ブラウザ1502は、図示しない通信装置5によりネットワークを介してサーバ1503に接続し、所定のアクセス要求(データ転送要求)に従ってゲーム関連情報DB1504に蓄積されたゲーム関連情報を入手する。ブラウザ1502は、入手したゲーム関連情報をゲーム関連情報記憶部1505に記憶する。
【0093】
ブラウザ1502は、ゲーム機の電源投入時やユーザが指定した時点で起動することができる。例えば、ゲーム開始のメニュー画面でプレイヤがネットワーク接続を選択操作した場合やゲームのストーリの展開(ステージ)に合わせてブラウザを起動するようにしてもよい。
【0094】
ゲーム関連情報とは、例えば、オブジェクトをゲーム画面に表示するために必要な当該オブジェクトに関する情報(画像データや座標データ、表示されるステージを示すステージ番号等)や、ゲームのストーリ進行に必要なパスワード、ゲームのストーリ中で使用されるアイテム等に関する情報である。また、ゲームのBGMや効果音に関する情報であっても良く、例えば、ゲーム音を入手した場合には、特別の操作をしたときなどに発音するように設定する。
【0095】
ゲーム関連情報記憶部1505は、例えば、図1に示したバックアップメモリ106に形成され、必要に応じてゲーム機本体1のメインメモリ103やグラフィックメモリ104に読み込まれる。なお、このバックアップメモリ106は、接続手段を介してゲーム機本体1に接続され、他のゲーム機本体1と各種データの交換が可能なように着脱可能に構成される。
【0096】
図16は、本実施形態に係るゲーム機によるゲーム関連情報の取得処理を説明するための図である。同図に示すように、プレイヤの起動操作によりゲームソフトが起動されると(STEP1601)、ゲーム機はメニュー画面を表示する(STEP1602)。プレイヤが手元のコントローラパッド等を用いて「インターネット」を選択すると、ゲーム機はブラウザ1502を起動して、所定のネットワーク接続用スクリプトに従ってサーバ1503に接続し(STEP1603)、当該ゲームに関連するホームページ(Webページ)内のメニューを表示する(STEP1604)。プレイヤは表示された関連ホームページのメニュー表示に従って追加画像データのダウンロードを選択すると、ブラウザ1502は追加画像データ(オブジェクトデータ)のダウンロードを開始し、ゲーム関連情報記憶部1505にこれを蓄積する(STEP1605)。これにより、ゲーム機は、サーバ1503からゲーム関連情報を取得することができるようになる。
【0097】
図17は、本実施形態に係るゲーム機によるゲーム関連情報を用いた動作例を説明するための図である。同図に示すように、ゲーム機は、ゲームの進行に応じてステージデータを読み込んで、ゲームのステージを変更し(STEP1701)、当該ゲームステージに関連する画像データを外部記憶装置(例えばCD−ROMドライブ3)から読み込む(STEP1701)。次に、ゲーム機は、ゲーム関連情報記憶部1505にダウンロードした追加画像データがあるか否かを判断し(STEP1703)、ダウンロードした追加画像データがあると判断した場合には、さらに、この追加画像データ(キャラクタの画像情報およびゲームの仮想3次元空間内における座標情報を含む。)をゲーム関連情報記憶部1505からも読み込む(STEP1704)。この後、ゲーム機は、ゲームの進行に従って読み込んだ画像データおよび/または追加画像データをそれらの座標情報に基づいてゲーム画面を構成し、これを表示する(STEP1705)。なお、ゲーム機は、追加画像データが通常の画像データよりも優先して、その座標データによって指定された位置に表示されるように、ゲーム画面を構成する。図18は、追加画像データを用いて校正されたゲーム画面の一例を示す図である。同図に示すように、例えば、あるゲームのステージを表現した仮想3次元空間内にプレイヤキャラクタPが表示され、さらに追加画像データ1801が仮想3次元空間内の3次元座標データで示される位置に表示されている。このように、サーバからダウンロードされた追加画像データは、適宜ゲームのステージの中で表示されることとなる。
【0098】
以上のように、本実施形態によれば、プレイヤのゲーム機はネットワークを介して必要の都度ゲーム関連情報を入手し、これをゲーム中で使用することができるようになる。
【0099】
特に、本実施形態によれば、外部記憶装置やネットワークを介して取得した画像データに従ってゲーム画面を構成し、これをプレイヤに提示することができるようになる。また、ネットワークを介してサーバから画像データを取得した場合には、これが優先して表示されるので、サーバから取得した最新のデータをプレイヤに動的に提示することができるようになる。
【0100】
なお、ゲーム関連情報をゲームに応用する例としては、そのほかに以下のようなものがあげられる。
【0101】
(1)広告宣伝用の看板表示
オブジェクトデータを広告宣伝用の看板として、ゲーム画面の背景に表示する。
【0102】
また、この変形として、ゲームのステージ内に看板を設定し、プレイヤによって操作されるプレイヤキャラクタがこれらの看板にすべてタッチしたときのタイムを競うゲームとして構成する。
【0103】
(2)プレイヤキャラクタ等がゲーム中で使用するアイテムの絵柄(テクスチャ)をダウンロードする。
【0104】
(3)ダウンロードしたゲーム関連情報の種類、数等により、ゲームのステージを変化させる。
【0105】
(4)ゲームで生成されたプレイヤ個人のデータをサーバにアップロードする。別のプレイヤは、このデータをダウンロードすることにより、プレイヤ間で個人データの交換を行う。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明に係るゲーム機の構成を示す図
【図2】第1の実施形態に係るゲーム機の機能ブロック図
【図3】カメラ切換えの一例を説明するための図
【図4】エリア情報記憶部に記憶されたエリア情報の一例を示す図
【図5】第1の実施形態に係るゲーム機の動作を説明するための図
【図6】カメラ切換えの他の例を説明するための図
【図7】視線方向に対する入力方向の変化の一例を説明するための図
【図8】図7の部分領域を示す図
【図9】視線方向に対する入力方向の変化の他の例を説明するための図
【図10】第2の実施形態に係るゲーム機の機能ブロック図
【図11】移動処理部の詳細を示す機能ブロック図
【図12】移動指示方向の取得の例を説明するための図
【図13】パス情報を説明するための図
【図14】第2の実施形態に係るゲーム機の動作を説明するための図
【図15】第3の実施形態に係るゲームシステムの構成を示す機能ブロック図
【図16】第3の実施形態に係るゲーム機によるゲーム関連情報の取得処理を説明するための図
【図17】第3の実施形態に係るゲーム機によるゲーム関連情報を用いた動作例を説明するための図
【図18】第3の実施形態に係るゲーム画面の一例を示す図
【符号の説明】
【0107】
1…制御部
2…入力装置
3…CD−ROMドライブ
4…出力装置
5…通信装置
21…入力制御部
22…移動処理部
23…コリジョン判定部
24…エリア情報記憶部
25…カメラ切替判定部
26…カメラアングル記憶部
27…画像データ生成部
28…表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想3次元空間内の視認方向に対する入力装置の入力方向を前記仮想3次元空間内におけるキャラクタの移動方向に対応付けたキャラクタの移動制御方法であって、
仮想3次元空間を移動するプレイヤキャラクタが前記仮想3次元空間に設定された所定のセクション内にいる場合に、前記所定のセクションに対応付けられた所定のパス情報に基づいて前記キャラクタの移動方向を決定することを特徴とするキャラクタの移動制御方法。
【請求項2】
仮想3次元空間内の視認方向に対する入力手段の入力方向を前記仮想3次元空間内におけるキャラクタの移動方向に対応付けたキャラクタの移動制御方法において、
仮想3次元空間に対する所定の投影により得られるゲーム画面を表示する表示手段と、
前記表示手段により表示されたゲーム画面に基づくプレイヤの操作によって前記仮想3次元空間内を移動したキャラクタが前記仮想3次元空間内に設定された所定のセクション内にいるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により所定のセクション内にいると判定される場合に、前記所定のセクションに対応付けられた所定のパス情報に基づいて前記キャラクタの移動方向を決定する移動方向決定手段とを備えたことを特徴とするゲーム機。
【請求項3】
前記ゲーム機は、
前記移動方向決定手段により決定された移動方向に基づいて前記仮想3次元空間におけるキャラクタの移動に関する処理を行う移動処理手段と、
前記移動処理手段による移動に関する処理に応じて画像データを生成する画像データ生成手段と、
前記画像データ生成手段により生成された画像データに基づいてゲーム画面の表示を制御する表示制御手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項2記載のゲーム機。
【請求項4】
前記パス情報は、仮想3次元空間内の位置座標および方向情報が与えられた複数の点データであって、
前記ゲーム機は、
前記キャラクタの位置座標に基づいて前記パス情報の中から点データを特定する点データ特定手段をさらに備え、
前記移動方向決定手段は、
前記点データ特定手段により特定された点データに与えられた方向情報に基づいて移動方向を決定することを特徴とする請求項2または3のいずれかに記載のゲーム機。
【請求項5】
前記点データ特定手段は、前記キャラクタの位置座標に最も近い位置座標が与えられた点データを特定することを特徴とする請求項4記載のゲーム機。
【請求項6】
前記移動方向決定手段は、
前記キャラクタの位置座標から、前記点データ特性手段により特定された点データの所定距離前方に位置する目標点の位置座標に対する方向を移動方向とすることを特徴とする請求項4記載のゲーム機。
【請求項7】
ゲーム機にゲームに関するキャラクタの移動制御を実現させるプログラムを記録した記録媒体であって、前記プログラムは、
仮想3次元空間に対する所定の投影により得られるゲーム画面を表示する表示手段と、
前記表示手段により表示されたゲーム画面に基づくプレイヤの操作によって前記仮想3次元空間内を移動したキャラクタが前記仮想3次元空間内に設定された所定のセクション内にいるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により所定のセクション内にいると判定される場合に、前記所定のセクションに対応付けられた所定のパス情報に基づいて前記キャラクタの移動方向を決定する移動方向決定手段とを備えたことを特徴とするプログラムを記録した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−116330(P2006−116330A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−335680(P2005−335680)
【出願日】平成17年11月21日(2005.11.21)
【分割の表示】特願平10−329819の分割
【原出願日】平成10年11月19日(1998.11.19)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】