ゲーム装置、ゲームシステム、店舗システム、及びプログラム
【課題】複数の競争対象が着順を競う仮想のレースにおいてプレイヤーが前記複数の競争対象の着順を予想する着順予想ゲームにおいて、同一のレースが同じ時刻に行われ、これらのレースの着順がゲーム装置間で一致するようにし、過去のレース結果からプレイヤーがレースの着順を予測できないようにする。
【解決手段】ゲーム端末機111を提供する。ゲーム端末機111は、シードを初期値とした擬似乱数値に基づいて複数のレースについてそれらの順序と各々の種別を決定し、種別に対応するレース時間を記憶部から読み出し、読み出したレース時間と決定した順序に基づいて、各レースの開始時刻を決定し、シードを初期値とした擬似乱数値に基づいて各レースの着順を決定し、決定された時刻に従って各レースを開始させ、決定された着順となるようにゲームを制御する。
【解決手段】ゲーム端末機111を提供する。ゲーム端末機111は、シードを初期値とした擬似乱数値に基づいて複数のレースについてそれらの順序と各々の種別を決定し、種別に対応するレース時間を記憶部から読み出し、読み出したレース時間と決定した順序に基づいて、各レースの開始時刻を決定し、シードを初期値とした擬似乱数値に基づいて各レースの着順を決定し、決定された時刻に従って各レースを開始させ、決定された着順となるようにゲームを制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の競争対象が着順を競う仮想のレースにおいて、これらの競争対象の着順をプレイヤーが予想する着順予想ゲームを実行する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームセンター等の店舗でプレイ可能なゲームの一種に上記の着順予想ゲームがある。着順予想ゲームとしては、競馬を模した競馬ゲームが広く知られている。一般的な競馬ゲーム装置は、特許文献1に記載のように、レースにおいて馬の模型が走行するフィールドと、このフィールドの周りに配置された複数のステーションとを備える。プレイヤーは、いずれか一つのステーションを操作して、自身の着順予想に対応した賭けを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3730248号公報(図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、現実の競馬では、あるレースについて、競馬場で賭けた人と、競馬場以外の場所(場外勝馬投票券販売所)で賭けた人とが、そのレースについて予想や感想などの意見を交換することができる。これに対して、従来の競馬ゲームでは、競馬ゲーム装置毎にレースが行われるから、互いに異なる競馬ゲーム装置を用いて賭けを行う複数のプレイヤー同士が上記のような意見交換を行うことは困難である。
【0005】
上記のような意見交換を可能とするためには、少なくとも、複数の競馬ゲーム装置において、同様な時期に同じ種別のレースが行われ、これらのレースの着順が競馬ゲーム装置間で一致するようにする必要がある。そのための方法としては、同様な時期に行われる同じ種別のレースの着順を固定する方法が挙げられる。しかし、この方法には、「AA賞では2番の馬が1着となる」というように、過去のレース結果からプレイヤーがレースの着順を予測できてしまうという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、着順予想ゲームを実行する複数の装置において、上記の問題を招くことなく、同一のレースが同じ時刻に行われ、これらのレースの着順がゲーム装置間で一致するようにする技術を提供することを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、他と通信可能なゲーム装置であって、複数の競争対象が着順を競う仮想のレースにおいて、プレイヤーが前記複数の競争対象の着順を予想するゲームを進行させるゲーム実行部と、時間を計時する計時部と、前記計時部の前記時間を外部の基準時間に同期させる同期部と、数値情報を取得する取得部と、前記数値情報を初期値とした擬似乱数値を順次生成する擬似乱数生成部と、実行可能なレースの種別と、各レースに割り当てられたレース時間とを対応付けて記憶した記憶部と、変数が与えられると、その変数に基づいて複数のレースについてそれらの種別と各々の順序を決定する第1の規則を実行し、前記擬似乱数生成部において生成した擬似乱数値を前記第1の規則に変数として与え、前記記憶部を参照して、決定された前記複数のレースの各々の種別に対応するレース時間を読み出し、読み出したレース時間と前記複数のレースの順序に基づいて、前記複数のレースの各々が開始する時刻を決定する進行管理部と、前記複数のレースの各々において、変数が与えられると、その変数に基づいて当該レースに参加する複数の競争対象の着順を決定する第2の規則を実行し、前記擬似乱数生成部において生成した擬似乱数値を前記第2の規則に変数として与えるレース態様決定部と、を備え、前記ゲーム実行部は、前記進行管理部で決定された時刻に従って前記複数のレースの各々を開始させ、前記複数のレースの各々が前記レース態様決定部で決定された着順となるようにゲームを制御し、前記複数のレースの種別と順番を決定するために用いる前記擬似乱数値、及び前記競争対象の着順を決定するために前記複数のレースの各々で用いる前記擬似乱数値は、前記擬似乱数生成部において、前記数値情報を初期値として与えてから何番目に生成されるものであるかが予め定められている、ことを特徴とするゲーム装置(第1のゲーム装置)を提供する。
【0008】
このゲーム装置によれば、数値情報に基づいてその日に行われる全てのレースが決定され、その数値情報に基づいて各々のレースの着順や配当の倍率が決定される。つまり、複数のレースの順序と各々の種別が、取得した数値情報から一意に定まる。したがって、数値情報を異ならせることで、複数のレースの順序を変化させたり、同一のレース(種別が同一のレース)であっても異なる着順にさせたりすることができるので、各々のレースの進行や結果を多様化させることができる。また、過去のレース結果からプレイヤーがレースの着順を予測できることを防止することが可能となる。
さらに、このゲーム装置を複数使用してゲームシステムを構築し、各ゲーム装置に同一の数値情報を取得させれば、これらのゲーム装置に同一のレースを同じ時刻に行わせ、これらのレースの着順をゲーム装置間で一致させることができる。これにより、全国のプレイヤーどうしが、全く同一のプレイ条件でゲームを行うことができるから、プレイヤーのゲーム成績の比較が全国規模でできるようになる。この効果は、同一のレースの開始タイミングがゲーム装置間で同時でなくとも得られる。例えば、複数のゲーム装置の各々が同一の時刻を示すデータを用いて当該時刻に同一のレースを開始させる場合、計時部による計時の誤差により、同一のレースの開始タイミングがゲーム装置間でずれる虞があるが、このズレが十分に小さければ、上記の効果を得ることができる。
【0009】
擬似乱数生成部は、例えば、第1及び第2の関数で操作される擬似乱数生成器(RNG)を有する。第1の関数は、呼び出されると擬似乱数生成器を初期化して引数に基づいた擬似乱数列を決定する関数である。第2の関数は、呼び出される度に、第1の関数によって決定された擬似乱数列の先頭から順次一つずつ擬似乱数(擬似乱数値)を取得する関数である。この場合、擬似乱数生成部は、数値情報を引数として第1の関数を呼び出し、以降、第2の関数を繰り返し呼び出すことによって、当該数値情報を初期値とした擬似乱数を順次生成する。
第1及び第2の規則としては、それぞれ、予め定められた関数や予め定められたアルゴリズムを例示可能である。
進行管理部は、複数のレースの各々について、例えば、当該レースが開始する時刻から一定の時間だけ前または後の時刻を直接的に決定することによって、当該レースが開始する時刻を間接的に決定してもよいし、当該レースが開始する時刻を直接的に決定してもよい。
「決定された時刻に従って前記複数のレースの各々を開始させ」は、複数のレースの各々について決定された時刻に当該レースを開始させること意味する。決定された時刻にレースを開始させることには、決定された時刻にレースそのものを開始させることの他、決定された時刻に所定の期間(例えば、プレイヤーの着順の予想に対応した賭けを受け付ける一定の長さのベット期間)を開始させ、当該期間の終了時にレースを開始させることも含まれる。
「前記数値情報を初期値として与えてから何番目に生成されるものであるかが予め定められている」とは、例えば、複数のレースが第1〜第3レースであるとしたとき、1番目の擬似乱数値を用いて、第1〜第3レースの順序と各々の種別を決定し、2番目の擬似乱数値を用いて第1レースの着順を決定し、3番目の擬似乱数値を用いて第2レースの着順を決定し、4番目の擬似乱数値を用いて第3レースの着順を決定する。この場合(第1の場合)は、使用する擬似乱数値に重複がない。
「何番目に生成されるものであるかが予め定められている」とは、例えば、N番目といったように一意に特定できれば十分であり、N番目の擬似乱数値が重複して用いられてもよい。したがって、例えば、1番目の擬似乱数値を用いて、第1〜第3レースの順序と各々の種別を決定し、2番目の擬似乱数値を用いて第1レースの着順を決定し、1番目の擬似乱数値を用いて第2レースの着順を決定し、2番目の擬似乱数値を用いて第3レースの着順を決定してもよい。この場合(第2の場合)は、1番目の擬似乱数値を第1〜第3レースの順序と各々の種別の決定と第2レースの着順の決定に重複して用い、2番目の擬似乱数値を第1レース及び第3レースの着順の決定に重複して用いることになる。
第1のゲーム装置では、擬似乱数生成部に生成された擬似乱数値に基づいて、複数のレースについて、それらの順序と各々の種別とが決定される。また、この決定に用いる擬似乱数値について、擬似乱数生成部において、取得した数値情報を初期値として与えてから何番目に生成されるものであるかが予め定められている。よって、複数のレースの順序と各々の種別が、取得した数値情報から一意に定まる。
また、このゲーム装置では、擬似乱数生成部に生成された擬似乱数値に基づいて、複数のレースの各々について、当該レースに参加する複数の競争対象の着順が決定される。また、このゲーム装置は、例えばプログラムを実行するコンピューターであり、この決定に用いる擬似乱数値について、擬似乱数生成部において、取得した数値情報を初期値として与えてから何番目に生成されるものであるかが当該プログラムによって予め定められている。よって、複数のレースの各々について決定される着順が、それぞれ、取得した数値情報から一意に定まる。
そして、このゲーム装置では、複数のレースの順序と、各レースの種別に対応するレース時間とに基づいて、各レースの開始時刻が決定され、これらの開始時刻に従って各レースが開始される一方、各レースの着順は、当該レースについて決定された着順となる。また、このゲーム装置では、計時部の時間を外部(例えば、基準時間を計時する時間サーバー装置)の基準時間に同期させることができる。よって、このゲーム装置が複数あれば、これらのゲーム装置に同一の数値情報を取得させることにより、これらのゲーム装置に同じ種別のレースを同様な時期に行わせ、これらのレースの着順をゲーム装置間で一致させることができる。
ところで、全国のプレイヤーどうしが全く同一のプレイ条件でゲームを行うことを可能としつつ、プレイヤーが過去のレース結果から着順を予測できてしまうことを防止することができるゲームシステムとして、ある装置が、行うべきレースの着順をランダムに決定し、当該レースの種別を特定する情報と当該レースの着順を示す情報とを各競馬ゲーム装置へ送信し、各競馬ゲーム装置が、これらの情報を受信し、即座に、受信した情報で特定される種別のレースを開始し、このレースを、受信した情報で示される着順となるように進行させるゲームシステムが考えられる。しかし、このゲームシステムでは、行うべきレースの数が増えると通信量も増えてしまう。これに対して、第1のゲーム装置を複数備えるゲームシステムでは、レースの着順を示す情報の送受信が不要であり、行うべきレースの数が増えても通信量は増えない。
【0010】
このゲーム装置において、前記進行管理部は、複数のレースの各々が開始する時刻を順次に決定してもよいし、一括して決定してもよい。後者の場合、例えば、前記進行管理部は、複数のレースの各々が開始する時刻を示すタイムスケジュールを生成し、前記ゲーム実行部は、前記タイムスケジュールに従って前記複数のレースの各々を開始させる。
【0011】
第1のゲーム装置において、前記記憶部は、複数のレース組を示すレース進行データを記憶し、前記複数のレース組の各々は、所定数のレースについてどの種別のレースをどの順番で実行するかを指定し、前記進行管理部は、前記擬似乱数値に応じて、前記記憶部に記憶された前記レース進行データを参照し、前記複数のレース組のうち、どの組をどの順番で用いるかを決定するようにしてもよい。
この形態のゲーム装置によれば、複数のレースのうち、いくつかのレースの順序を一定とすることができる。これにより例えば、競争対象が馬のゲームを行うゲーム装置において、現実の競馬の1年間で行われる実際のレースを真似て、月日の順に従ってレースの順序を決定することができる。具体的には、レース組として1年間分のレースに相当する50レースを定め、月日の順に従ってその50レースの順序を定めることができる。
【0012】
上記の各ゲーム装置において、前記記憶部は、レースに参加可能な競争対象を示す競争対象データを記憶し、前記レース態様決定部は、前記複数のレースの各々において、変数が与えられると、その変数に基づいて前記競争対象データを参照して、レースに参加可能な競争対象の中から、当該レースに参加する複数の競争対象を決定する第3の規則を実行し、前記擬似乱数生成部において生成した擬似乱数値を前記第3の規則に変数として与え、複数の競争対象を決定するために用いられる当該擬似乱数値は、前記擬似乱数生成部において、前記数値情報を初期値として与えてから何番目に生成されるものであるかが予め定められているようにしてもよい。
この形態のゲーム装置によれば、複数のレースの各々に参加する複数の競争対象が固定されておらず、擬似乱数値に基づいて決定される。つまり、複数のレースの各々に参加する複数の競争対象が、取得した数値情報から一意に定まる。したがって、同一のレースであっても、レースに参加する複数の競争対象が同一になってゲームが単調になることを防止できる。また、同一レースで競争対象を異ならせることで、過去のレース結果からプレイヤーがレースの着順を予測できることを防止することが可能となる。
さらに、この形態のゲーム装置を複数使用してゲームシステムを構築し、各ゲーム装置に同一の数値情報を取得させることにより、これらのゲーム装置に同一のレースを同じ時刻に行わせ、これらのレースの着順のみならず、これらのレースに参加する複数の競争対象をもゲーム装置間で一致させることができる。
【0013】
ここでいう「前記数値情報を初期値として与えてから何番目に生成されるものであるかが予め定められている」とは、例えば、前述の第1の場合において、5番目の擬似乱数値を用いて第1レースに参加する複数の競争対象を決定し、6番目の擬似乱数値を用いて第2レースに参加する複数の競争対象を決定し、7番目の擬似乱数値を用いて第3レースに参加する複数の競争対象を決定する。この場合(第3の場合)は、使用する擬似乱数値に重複がない。
ここでいう「何番目に生成されるものであるかが予め定められている」とは、例えば、N番目といったように一意に特定できれば十分であり、N番目の擬似乱数値が重複して用いられてもよい。したがって、例えば、前述の第2の場合において、3番目の擬似乱数値を用いて第1レースに参加する複数の競争対象を決定し、1番目の擬似乱数値を用いて第2レースに参加する複数の競争対象を決定し、3番目の擬似乱数値を用いて第3レースに参加する複数の競争対象を決定してもよい。この場合(第4の場合)は、1番目の擬似乱数値を第2レースに参加する複数の競争対象の決定にも重複して用い、3番目の擬似乱数値を第1レース及び第3レースに参加する複数の競争対象の決定に重複して用いることになる。
この形態のゲーム装置では、擬似乱数生成部に生成された擬似乱数値に基づいて、複数のレースの各々について、当該レースに参加可能な競争対象の中から、当該レースに参加する複数の競争対象が決定される。また、この決定に用いる擬似乱数値について、擬似乱数生成部において、取得した数値情報を初期値として与えてから何番目に生成されるものであるかが予め定められている。よって、複数のレースの各々に参加する複数の競争対象が、取得した数値情報から一意に定まる。
【0014】
上記の各ゲーム装置において、前記ゲーム実行部は、プレイヤーの着順の予想に対応した賭けを受け付けるベット部を備え、前記レース態様決定部は、変数が与えられると、その変数に基づいてレースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率を決定する第4の規則を実行し、前記擬似乱数生成部において生成した擬似乱数値を前記第4の規則に変数として与え、配当の倍率を決定するために用いられる当該擬似乱数値は、前記擬似乱数生成部において、前記数値情報を初期値として与えてから何番目に生成されるものであるかが予め定められているようにしてもよい。
この形態のゲーム装置によれば、複数のレースの各々の複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率が固定されておらず、擬似乱数値に基づいて決定される。つまり、参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率が、取得した数値情報から一意に定まる。したがって、同一のレースであっても、レースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率が同一になってゲームが単調になることを防止できる。
さらに、この形態のゲーム装置を複数使用してゲームシステムを構築し、各ゲーム装置に同一の数値情報を取得させることにより、これらのゲーム装置に同一のレースを同じ時刻に行わせ、これらのレースの着順のみならず、これらのレースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率をも、ゲーム装置間で一致させることができる。
【0015】
「配当の倍率」とは、賭けられた額(賭け額)に対する配当の額(配当額)の倍率である。また、ここでいう「前記数値情報を初期値として与えてから何番目に生成されるものであるかが予め定められている」とは、例えば、前述の第1の場合において、5番目の擬似乱数値を用いて第1レースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率を決定し、6番目の擬似乱数値を用いて第2レースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率を決定し、7番目の擬似乱数値を用いて第3レースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率を決定する。また例えば、前述の第3の場合において、8番目の擬似乱数値を用いて第1レースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率を決定し、9番目の擬似乱数値を用いて第2レースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率を決定し、10番目の擬似乱数値を用いて第3レースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率を決定する。これらの場合は、使用する擬似乱数値に重複がない。
ここでいう「何番目に生成されるものであるかが予め定められている」とは、例えば、N番目といったように一意に特定できれば十分であり、N番目の擬似乱数値が重複して用いられてもよい。したがって、例えば、前述の第2の場合において、3番目の擬似乱数値を用いて第1レースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率を決定し、1番目の擬似乱数値を用いて第2レースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率を決定し、3番目の擬似乱数値を用いて第3レースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率を決定してもよい。この場合は、1番目の擬似乱数値を第2レースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率の決定にも重複して用い、4番目の擬似乱数値を第1レース及び第3レースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率の決定に重複して用いることになる。また例えば、前述の第4の場合において、4番目の擬似乱数値を用いて第1レースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率を決定し、1番目の擬似乱数値を用いて第2レースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率を決定し、4番目の擬似乱数値を用いて第3レースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率を決定してもよい。この場合は、1番目の擬似乱数値を第2レースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率の決定にも重複して用い、4番目の擬似乱数値を第1レース及び第3レースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率の決定に重複して用いることになる。
この形態のゲーム装置では、擬似乱数生成部に生成された擬似乱数値に基づいて、複数のレースの各々について、当該レースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率が決定される。また、この決定に用いる擬似乱数値について、擬似乱数生成部において、取得した数値情報を初期値として与えてから何番目に生成されるものであるかが予め定められている。よって、複数のレースの各々について、参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率が、取得した数値情報から一意に定まる。
【0016】
上記の各ゲーム装置において、前記取得部は、外部から前記数値情報を取得するか、又は、前記計時部で計時された日付を前記数値情報として取得するようにしてもよい。この形態のゲーム装置を複数使用してゲームシステムを構築した場合に、各ゲーム装置に同一の数値情報を取得させること可能となり、これらのゲーム装置に同一のレースを同じ時刻に行わせ、これらのレースの着順をゲーム装置間で一致させることができる。外部からの数値情報の取得は、例えば、数値情報を生成する外部のサーバー等の装置との通信によって行われる。なお、計時部で計時された日付を数値情報として取得してよいのは、計時部の時間を外部の基準時間に同期させることができるからである。
【0017】
また、本発明は、複数のゲーム装置と、前記数値情報を生成するサーバー装置とを備え、前記複数のゲーム装置の各々は、上記の各ゲーム装置のうちのいずれかであって、前記取得部は、前記サーバー装置から前記数値情報を取得する、ことを特徴とするゲームシステムを提供する。このゲームシステムによれば、サーバーで生成した数値情報を、各ゲーム装置に取得させることにより、これらのゲーム装置に同一のレースを同じ時刻に行わせ、これらのレースの着順をゲーム装置間で一致させることができる。このゲームシステムは、上記の各ゲーム装置のいずれかを複数備えることによって得られる各種の効果を奏する。また、このゲームシステムには、複数のゲーム装置の各々の取得部に取得される数値情報を確実に同一とすることができる。
【0018】
また、本発明は、他と通信可能な店舗システムであって、複数のプレイヤーが各々ゲームを進行させる複数の操作部と、複数の競争対象が着順を競う仮想のレースにおいて、前記複数のプレイヤーが前記複数の競争対象の着順を予想するゲームを進行させるゲーム実行部と、時間を計時する計時部と、前記計時部の前記時間を外部の基準時間に同期させる同期部と、数値情報を取得する取得部と、前記数値情報を初期値とした擬似乱数値を順次生成する擬似乱数生成部と、実行可能なレースの種別と、各レースに割り当てられたレース時間とを対応付けて記憶した記憶部と、変数が与えられると、その変数に基づいて複数のレースの順序と各々の種別を決定する第1の規則を実行し、前記擬似乱数生成部において生成した擬似乱数値を前記第1の規則に変数として与え、前記記憶部を参照して、決定された前記複数のレースの各々の種別に対応するレース時間を読み出し、読み出したレース時間と前記複数のレースの順序に基づいて、前記複数のレースの各々が開始する時刻を決定する進行管理部と、前記複数のレースの各々において、変数が与えられると、その変数に基づいて当該レースに参加する複数の競争対象の着順を決定する第2の規則を実行し、前記擬似乱数生成部において生成した擬似乱数値を前記第2の規則に変数として与えるレース態様決定部と、を備え、前記ゲーム実行部は、前記進行管理部で決定された時刻に従って前記複数のレースの各々を開始させ、前記複数のレースの各々が前記レース態様決定部で決定された着順となるようにゲームを制御し、前記複数のレースの種別と順番を決定するために用いる前記擬似乱数値、及び前記競争対象の着順を決定するために前記複数のレースの各々で用いる前記擬似乱数値は、前記擬似乱数生成部において、前記数値情報を初期値として与えてから何番目に生成されるものであるかが予め定められている、ことを特徴とする店舗システムを提供する。
「店舗システム」には、ゲームセンター等の店舗に設置されるシステムや、店舗以外の場所に配置されるシステムが含まれる。
この店舗システムは、第1のゲーム装置と同様の効果を奏する。また、この店舗システムでは、一つの計時部と複数のプレイヤーとが対応しているから、これらのプレイヤー間で同一のレースの開始時刻がずれる虞がない。
【0019】
この店舗システムにおいて、前記複数の操作部は、プレイヤーの着順の予想に対応した賭けを受け付けることが可能であり、前記進行管理部は、前記複数のレースの各々について、前のレースが終了してから次のレースが開始されまでの期間の一部又は全部において、前記複数の操作部における賭けの受け付けを可能とするようにしてもよい。
【0020】
上記の各店舗システムにおいて、前記ゲーム実行部は、表示装置を備え、前記表示装置に前記進行管理部で決定された時刻に従って前記複数のレースの各々を開始させ、前記複数のレースの各々が前記レース態様決定部で決定された着順となる画像を表示させるようにしてもよい。この店舗システムによれは、表示装置に対しても同一の数値情報によりゲーム装置と同一のレースを同じ時刻に行わせ、これらのレースの着順を表示装置と各ゲーム装置とで一致させた画像を表示させることができる。
【0021】
また、本発明は、複数の店舗システムと、前記数値情報を生成するサーバー装置とを備え、前記複数の店舗システムの各々は、前述の各店舗システムのいずれかであって、前記取得部は、前記サーバー装置から前記数値情報を取得する、ことを特徴とするゲームシステムを提供する。このゲームシステムによれば、サーバー装置で生成した数値情報を、店舗システムに取得させることにより、これらの店舗システムに同一のレースを同じ時刻に行わせ、これらのレースの着順を店舗システム間で一致させることができる。
【0022】
また、本発明は、複数のゲーム装置又は店舗システムと通信可能なサーバー装置であって、日時を管理する日時管理部と、所定の規則に従って数値情報を生成する生成部と、前記生成部で生成した数値情報のうち日の数値情報として決定されたことのある数値情報の履歴の全部又は最新から所定範囲の一部を記憶する履歴記憶部と、前記生成部で生成した現在の数値情報が、前記履歴記憶部に記憶された数値情報のいずれとも一致しないかを判定する判定部と、前記判定部の判定結果が否定を示す場合、前記判定部の判定結果が肯定となるまで、前記生成部に数値情報を再度生成させ、前記判定部の判定結果が肯定を示す場合、前記現在の数値情報を日時に応じた日の数値情報として決定する決定部と、当日において、前記ゲーム装置又は前記店舗システムからの要求に対して、前記決定部で決定した数値情報を通知する通知部と、を備えるサーバー装置を提供する。
【0023】
このサーバー装置によれば、異なる日に同じ数値情報が通知される事態、又は一定の期間内の異なる日に同じ数値情報が通知される事態を回避することができる。数値情報を異ならせることで、別の日で同一のレースが行われたとしても異なる着順や配当の倍率とすることができるので、レースを多様化させることができる。さらに、このサーバー装置によれば、ゲーム装置又は店舗システムを使用するプレイヤーが過去のレース結果からレースの着順を予測できてしまう可能性を低下させることができる。
日時管理部が管理する日時は、現実の日時と同一であってもよいし、同一でなくてもよい。後者の場合、日時管理部は、例えば、現実の日時における午前7時に日(仮想日)が開始し、この日が現実の日時における翌日の午前5時に終了する、というように日時を管理する。
このサーバー装置では、毎日、日の数値情報が決定され、この数値情報が、当日においてゲーム装置又は店舗システムへ通知される数値情報として採用される。そして、当日の数値情報となるのは、日の数値情報として決定されたことのある数値情報の履歴の全部又は最新から所定範囲の一部に含まれていない数値情報に限られる。
【0024】
また、本発明は、時間を計時する計時部と、前記計時部の前記時間を外部の基準時間に同期させる同期部と、数値情報を取得する取得部と、実行可能なレースの種別と、各レースに割り当てられたレース時間とを対応付けて記憶した記憶部とを備え、複数の競争対象が着順を競う仮想のレースにおいて、プレイヤーが前記複数の競争対象の着順を予想するゲームを進行させ、他と通信可能なゲーム装置のプログラムであって、前記数値情報を初期値とした擬似乱数値を順次生成し、変数が与えられると、その変数に基づいて複数のレースの順序と各々の種別を決定する第1の規則を実行し、前記擬似乱数値を前記第1の規則に変数として与え、前記記憶部を参照して、決定された前記複数のレースの各々の種別に対応するレース時間を読み出し、読み出したレース時間と前記複数のレースの順序に基づいて、前記複数のレースの各々が開始する時刻を決定し、前記複数のレースの各々において、変数が与えられると、その変数に基づいて当該レースに参加する複数の競争対象の着順を決定する第2の規則を実行し、前記擬似乱数値を前記第2の規則に変数として与え、決定された時刻に従って前記複数のレースの各々を開始させ、前記複数のレースの各々について決定された着順となるようにゲームを制御し、前記複数のレースの種別と順番を決定するために用いる前記擬似乱数値、及び前記競争対象の着順を決定するために前記複数のレースの各々で用いる前記擬似乱数値は、前記数値情報を初期値として与えてから何番目に生成されるものであるかが予め定められている、ことを特徴とするゲーム装置のプログラム、又はこのプログラムを記録したことを特徴とするコンピューター読み取り可能な記録媒体を提供する。
このプログラムは、第1のゲーム装置と同様の効果を奏する。なお、本発明は、上記プログラムを伝送する伝送媒体(例えばネットワーク)としても把握される。つまり、本発明は、上記プログラムをコンピューター読み取り可能に記録または伝送する媒体(データキャリヤ)としても把握される。また、本発明は、上記プログラムの一部または全部であるプログラム要素としても把握される。また、本発明は、コンピューターにロードされて上記プログラムとなるデータを保持する媒体を有するプログラム製品としても把握される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に係るゲームシステム100の構成を示すブロック図である。
【図2】ゲームシステム100内のセンターサーバー装置130の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】ゲームシステム100における仮想日を説明するための図である。
【図4】センターサーバー装置130が行うシード生成処理のフローチャートである。
【図5】ゲームシステム100内の店舗サーバー装置113の電気的構成を示すブロック図である。
【図6】店舗サーバー装置113が行うシード処理のフローチャートである。
【図7】ゲームシステム100内のゲーム端末機111の電気的構成を示すブロック図である。
【図8】ゲーム端末機111のハードディスク14に記憶されているレースデータD2の内容例を模式的に示す図である。
【図9】ゲーム端末機111における着順予想ゲームの進行の様子を模式的に示す図である。
【図10】ゲーム端末機111におけるレース組の選択とレース組の順序との関係を模式的に示す図である。
【図11】ハードディスク14に記憶されているレース進行データD3の内容例を模式的に示す図である。
【図12】ハードディスク14に記憶されている馬データD4の内容例を模式的に示す図である。
【図13】ゲーム端末機111が行うゲーム処理のフローチャートの一部である。
【図14】ゲーム処理のフローチャートの別の一部である。
【図15】ゲーム処理のフローチャートの更に別の一部である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。各図において、共通する部分には同一の符号を付してある。ただし、本発明は、以下に述べる実施形態に限定されるものではなく、この実施形態を変形して得られる各種の変形例や応用例をも技術的範囲に含みうる。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態に係るゲームシステム100の構成を示すブロック図である。ゲームシステム100は、複数の馬が着順を競う仮想のレースにおいて、これらの馬の着順をプレイヤーが予想する着順予想ゲームに用いられるシステムであり、複数の店舗システム110と、時間サーバー装置120と、センターサーバー装置130とを備える。以降の説明では、仮想のレースを単に「レース」と呼ぶ。
【0028】
店舗システム110は、ゲームセンター等の店舗に設置され、その店舗内でプレイヤーに使用されるシステムであり、複数のゲーム端末機(ゲーム装置)111と、表示端末機(表示装置)112と、店舗サーバー装置113とを備える。なお、店舗システム110が設置される総ての店舗は、同一のタイムゾーン(具体的には、UTC(協定世界時)+9)に属するが、これに限るものではない。
【0029】
ゲーム端末機111は、プレイヤーに操作されるコンピューター(ゲーム装置)であり、メダルが挿入(投入)される挿入スリットM1とメダルを払い出す排出口M2とが設けられており、着順予想ゲームを進行させる機能を持つ。この機能には、総ての着順予想の各々に対応する配当倍率やレースの状況および結果などの情報を表示する表示機能や、プレイヤーの着順予想に対応した賭け(ベット)を受け付けるベット機能、プレイヤーの着順予想が的中した場合にはプレイヤーに配当を付与する配当機能が含まれる。賭け及び配当の付与は、メダルを用いて行われる。配当倍率は、賭け額(賭けに用いたメダルの枚数)に対する配当額(付与されるメダルの枚数)の倍率である。
【0030】
表示端末機112は、ベット機能と配当機能とを持たない点を除いて、ゲーム端末機111と同様の機能を有するコンピューターであり、配当倍率やレースの状況および結果などの情報を表示して周囲のプレイヤーや観客へ通知する。プレイヤーは、ゲーム端末機111又は表示端末機112に表示された情報を参考にしてレースの着順を予想し、ゲーム端末機111を操作して着順予想に対応する賭けを行い、ゲーム端末機111又は表示端末機112に表示された画像を眺めることでレースを観戦し、着順予想が的中した場合にはゲーム端末機111から配当の付与を受ける。
【0031】
店舗サーバー装置113は、店舗内のネットワーク(LAN)と店舗外のネットワーク(WAN)140とに接続されたコンピューターであり、同一の店舗システム110内の各ゲーム端末機111及び表示端末機112と、センターサーバー装置130及び時間サーバー装置120との間でプロキシーサーバーとして機能する。
【0032】
時間サーバー装置120は、ゲームシステム100において基準となる基準時間を計時するコンピューターであり、外部の装置に基準時間の現在時刻(基準時刻)を通知する基準時刻通知サービスを提供する。具体的には、時間サーバー装置120は、ネットワーク140を介して基準時刻通知要求を受信すると、この要求の送信元の装置へ、基準時刻を示すデータを返信する。なお、時間サーバー装置120は、着順予想ゲームが行われる総ての期間を含む期間にわたって連続運転される。
【0033】
時間サーバー装置120が準拠するプロトコルは、独自のものであってもよいし、TP(Time Protocol)やNTP(Network Time Protocol)のような一般的なプロトコルであってもよい。また、本実施形態では、基準時間として、店舗システム110が設置される総ての店舗が属するタイムゾーン(UTC+9)の標準時を採用しているが、これに限るものではない。例えば、任意の世界時やゲームシステム100独自の時間を基準時間として採用してもよい。
【0034】
センターサーバー装置130は、ゲームシステム100で行われるレースの順序や態様を決定するコンピューターであり、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)41、ROM(Read Only Memory)42、RAM(Random Access Memory)43、ハードディスク44及び通信インターフェース45を備える。通信インターフェース45はネットワーク140に接続されており、ハードディスク44には制御プログラムP1が記憶されている。
【0035】
CPU41は、センターサーバー装置130の電源(図示略)が投入されると、RAM43をワークメモリとして、ROM42の記憶内容に従って制御プログラムP1の実行を開始する。以降、センターサーバー装置130は、時間を計時する計時部と、基準時刻通知サービスを利用して計時部の時間を基準時間に同期させる同期部と、所定の規則に従ってシードを生成する生成部と、後述の判定部と、後述のシード通知サービスを提供する通知部とを備える装置として機能し、生成部として、当日のシードを生成するシード生成処理を周期的に実行する。シードは、ゲーム端末機111及び表示端末機112における複数のレースの順序やこれらのレースの各々の態様を定めるための数値情報である。
【0036】
同期部は、具体的には、センターサーバー装置130の起動時および定期的に、前述の基準時刻通知要求を時間サーバー装置120へ送信し、送信した基準時刻通知要求に対して時間サーバー装置120から返信されたデータを受信し、受信したデータが示す時刻(基準時刻)を計時部の時刻とする。また、計時部および同期部は、日時を管理する日時管理部として機能する。ここでいう「日時」は、現実の日時ではなく、後述の仮想日を「日」とし、計時部の時間を「時」とする日時である。なお、センターサーバー装置130の起動時のみならず、定期的にも、計時部の時間を基準時間に同期させるのは、センターサーバー装置130が、着順予想ゲームが行われる総ての期間を含む期間にわたって連続運転されるからである。
【0037】
シード生成処理は、仮想日毎に、その仮想日の開始前に実行される。仮想日とは、ゲームシステム100における仮想的な一日であり、具体的には、図3に例示するように、基準時間においては午前7時から次の日の午前5時までの期間である。そして、仮想日内の時刻においてはその仮想日、仮想日外の時刻においては次の仮想日が、ゲームシステム100における「当日」である。また、ゲームシステム100では、1日(1仮想日)に最多で200のレースが行われる。仮想日における200レースの順序や態様を決定するシードが、その仮想日のシードである。以降の説明では、仮想日を「日」と記す。
【0038】
図4に示すように、シード生成処理では、CPU41は、まずシードを生成する(S11)。具体的には、CPU41は、擬似乱数生成部として擬似乱数値を生成し、これをシードとして扱う。次にCPU41は、生成したシードと同じシードが履歴情報D1に含まれていないか否かを判定する(S12)。履歴情報D1はハードディスク44に記憶される情報であり、当日のシードとして決定されたことのある総てのシードを含む。つまり、CPU41は、当日の開始前に、生成部で生成された現在のシードが、履歴情報D1に含まれているシードのいずれとも一致しないかを判定する判定部として機能する。
【0039】
ステップS12の判定の結果が否定的(NO)であれば、処理はステップS11に戻る。一方、この判定の結果が肯定的(YES)であれば、CPU41は、最後に生成したシードを、当日のシードとして決定し(S13)、日のシードとして履歴情報D1に追加する(S14)。つまり、CPU41は、判定部の判定結果が否定を示す場合、判定部の判定結果が肯定となるまで、生成部にシードを再度生成させ、判定部の判定結果が肯定を示す場合、現在のシードを当日のシードとして決定する決定部として機能する。
【0040】
ステップS13での決定は、具体的には、最後に生成したシードを、当日シード領域R1に保持させることで行われる。当日シード領域R1は、ハードディスク44の記憶領域の一部であり、当日のシードを示すデータを記憶することによって当該シードを保持する。なお、当日シード領域R1に保持されるシードの最大数は1である。
【0041】
シード通知サービスは、当日のシードを通知するサービスであり、日毎に、その開始から終了までの期間にわたって提供される。具体的には、CPU41は、当日のシードの通知を要求するデータ(シード通知要求)を通信インターフェース45経由で受信すると、このシード通知要求の送信元の装置へ、当日シード領域R1に記憶されているシード(当日のシード)を示すデータを返信する。つまり、CPU41は、当日において、シード通知要求の送信元の装置へ、決定部で決定したシードを通知する通知部として機能する。
【0042】
店舗サーバー装置113は、図5に示すように、CPU31、ROM32、RAM33、ハードディスク34、店舗内のネットワークに接続された通信インターフェース35、及び店舗外のネットワーク140に接続された通信インターフェース36を備える。ハードディスク34には制御プログラムP2が記憶されている。
【0043】
CPU31は、店舗サーバー装置113の電源(図示略)が投入されると、RAM33をワークメモリとして使用し、ROM32の記憶内容に従って制御プログラムP2の実行を開始する。以降、店舗サーバー装置113は、センターサーバー装置130の計時部および同期部と同様の計時部および同期部とを備えるプロキシーサーバーとして機能する。
【0044】
店舗サーバー装置113は、着順予想ゲームが行われる総ての期間を含む期間にわたって連続運転される。したがって、店舗サーバー装置113の同期部は、センターサーバー装置130の同期部と同様に、店舗サーバー装置113の起動時および定期的に、前述の基準時刻通知要求を時間サーバー装置120へ送信する。
【0045】
また、店舗サーバー装置113は、基準時刻通知サービスを代行し、場合によってはシード通知サービスをも代行する。具体的には、CPU31は、同一の店舗システム110内の各ゲーム端末機111又は表示端末機112からシード通知要求を受信すると、図6に示すシード処理を実行する。シード処理では、CPU31は、まずシード領域R2に当日のシードが保持されているか否かを判定する(S21)。
【0046】
シード領域R2は、RAM33の記憶領域の一部であり、シードを示すデータを記憶することによって当該シードを保持する。ステップS21の判定の結果が肯定的となるのは、シード領域R2にシードが保持されており、かつ、タイムスタンプ領域R3に保持されている時刻が当日内の時刻である場合のみである。タイムスタンプ領域R3は、RAM33の記憶領域の一部であり、時刻を示すデータを記憶することによって当該時刻を保持する。タイムスタンプ領域R3に保持されている時刻が当日内の時刻であるか否かの判定は、店舗サーバー装置113の計時部の時間に基づいて行われる。なお、シード領域R2に保持されるシードの最大数、及びタイムスタンプ領域R3に保持される時刻の最大数は、共に1である。
【0047】
ステップS21の判定の結果が否定的であれば、CPU31は、センターサーバー装置130から当日のシードを取得する(S22)。具体的には、受信したシード通知要求をセンターサーバー装置130へ送信し、これに応じてセンターサーバー装置130から送信されてきたデータを受信する。次にCPU31は、取得したシードをシード領域R2に保持させるとともに当該シードを取得した時刻(具体的には、シードを示すデータを受信した時刻)をタイムスタンプ領域R3に保持させる(S23)。最後にCPU31は、シード領域R2に保持されているシードを示すデータをシード通知要求の送信元へ送信する(S24)。
【0048】
一方、ステップS21の判定の結果が肯定的であれば、当日のシードがシード領域R2に保持されていることになるから、CPU31は、シード領域R2に保持されているシードを示すデータをシード通知要求の送信元へ送信する(S24)。このように、店舗サーバー装置113は、当日のシードを取得済みの場合にはシード通知サービスを代行する。
【0049】
ゲーム端末機111は、図7に示すように、CPU11、ROM12、RAM13、ハードディスク14、通信インターフェース15、ディスプレイ(表示装置)16、操作部17、及びメダルセンサ18を備える。通信インターフェース15は店舗内のネットワークに接続されている。操作部17は、プレイヤーに操作されるボタン等の操作子を含み、操作子の操作内容に応じた操作信号を出力する。メダルセンサ18は、挿入スリットM1から挿入されたメダルを検出し、検出結果を示す検出信号を出力する。
【0050】
ハードディスク14には、レースデータD2と、レース進行データD3と、馬データD4と、制御プログラムP3とが記憶されている。ゲーム端末機111は120種のレースを実行可能であり、レースデータD2には、これら120種のレースの各々に関するデータが含まれている。なお、ゲーム端末機111において実行可能なレースの種別数は120であるが、1日において実行されるレースの数は最多で200である。これは、現実の競馬において、2008年の凱旋門賞と2009年の凱旋門賞とが同種のレースでありながら互いに異なるレースであることと同様である。
【0051】
図8は、レースデータD2の内容例を模式的に示す図である。レースデータD2は、ゲーム端末機111において実行可能なレースに関する情報をレースの種別毎に示すデータであり、この図に示すように、レースの種別毎に、その種別に固有の種別IDと、その種別の名称であるレース名、その種別のレースが行われる競馬場の名称である競馬場名、その種別のレースの距離、その種別のレースに割り当てるレース時間、その種別のレースに出走する馬の数である出走頭数、及び、その種別のレースに出走可能な馬の年齢条件を示す馬齢条件とを対応付けている。つまり、ハードディスク14は、実行可能なレースの種別と、各レースに割り当てられたレース時間とを対応付けて記憶した記憶部でもある。
【0052】
ところで、ゲーム端末機111では、着順予想ゲームが繰り返し実行される。図9に示すように、1回の着順予想ゲームの開始から終了までの期間をゲーム期間としたとき、各ゲーム期間は、先頭から、賭けを受け付けるベット期間と、レースの状況を表示するレース期間と、レースの結果を表示する結果表示期間とに分かれる。このレース期間の長さが前述のレース時間である。したがって、レース期間の長さはレースの種別毎に相違しうる。なお、ベット期間の長さ(T1)および結果表示期間の長さ(T3)はそれぞれ一定である。また、結果表示期間には、着順予想が的中したプレイヤーに対する配当の付与も行われる。
【0053】
一方、ゲーム端末機111は、A〜Dのレース組から一つのレース組を選択することにより、レース組の順序を決定し、これによって、実行するレースの順序を決定する。本実施形態に係る着順予想ゲームでは、1日において最多で4年分の200レースが行われ、各レース組は、各年分の50レースについてどの種類のレースをどの順番で実行するかを指定する。レース組の順序は、図10に示すように、選択されたレース組から始まる巡回的な順序となる。例えば、A組が選択された場合には、まずA組、次にB組、次にC組、次にD組、次にA組、…となる。
【0054】
図11は、レース進行データD3の内容例を模式的に示す図である。レース進行データは、A〜D組の計4個のレース組を示すデータである。この図の例では、A組が選択されてレース組の順序がA組、次にB組、次にC組、次にD組、次にA組、…となる場合のレースの順序は、種別IDが1の種別のレース、次に種別IDが2の種別のレース、…、次に種別IDが50の種別のレース、次に種別IDが1の種別のレース、…となる。
【0055】
前述のように、ゲーム端末機111では、実行可能なレースの種別数が120であるにも関わらず、日毎に最多で200のレースが実行されるから、いくつかの種別には、それぞれ、複数の組における順番が対応付けられている。例えば、図11の例では、種別IDが2の種別には、A組における順番として2、C組における順番として1、D組における順番として1が対応付けられている。なお、順番が全く対応付けられていない種別(例えば図3における種別IDが3の種別)が存在してもよい。
【0056】
図12は、馬データD4の内容例を模式的に示す図であり、馬データD4は、いずれかのレースに参加可能な馬に関する情報を馬毎に示すデータであり、この図に示すように、馬毎に、その馬に固有の馬IDと、その馬の名称である馬名、及びその馬の年齢である馬齢とを対応付けている。つまり、ハードディスク14は、レースに参加可能な競争対象(具体的には馬)を示すデータを記憶した記憶部でもある。図12の例では、馬の数を100としているが、原則として任意である。ただし、120の種別の各々について、当該種別に係る出走条件に該当する馬の数が当該種別に係る出走頭数以上となるようにすべきである。
【0057】
図7の制御プログラムP3は、ゲーム端末機111に後述のゲーム処理を行わせるプログラムである。CPU11は、ゲーム端末機111の電源(図示略)が投入されると、RAM13をワークメモリとし、ROM12の記憶内容に従って制御プログラムP3の実行を開始する。以降、ゲーム端末機111は、ゲーム処理を行うことにより、着順予想ゲームを進行させるゲーム実行部と、センターサーバー装置130の計時部および同期部と同様の計時部および同期部と、センターサーバー装置130からシードを取得する取得部、後述の擬似乱数生成部、後述の進行管理部および後述のレース態様決定部とを備えるゲーム装置として動作する。
【0058】
ただし、ネットワーク40や時間サーバー装置120の負荷を軽減するために、ゲーム端末機111の同期部は、時間サーバー装置120を代行して店舗サーバー装置113が提供する基準時刻通知サービスを利用する。また、ゲーム端末機111は、その電源が店舗の営業日毎に営業時間の開始前に投入されるように運用される。したがって、一日における計時の誤差が無視できる程度であるならば、ゲーム端末機111の同期部が基準時刻通知要求を送信するタイミングを、ゲーム端末機111の起動時のみに限定してもよい。
【0059】
擬似乱数生成部は、第1の関数(具体的には、srand(seed))及び第2の関数(具体的には、rand(最小値,最大値))で操作される擬似乱数生成器(RNG)を有する。第1の関数は、呼び出されると擬似乱数生成器を初期化して引数(seed)に基づいた擬似乱数列を決定する。第2の関数は、呼び出される度に、第1の関数によって決定された擬似乱数列の先頭から順次一つずつ擬似乱数を取得する。擬似乱数生成部は、後述の取得部に取得されたシードを引数として第1の関数を呼び出し、以降、第2の関数を繰り返し呼び出すことによって、当該シードを初期値とした擬似乱数を順次生成する。なお、第2の関数における最小値および最大値は、取得する乱数の大きさの範囲を指定する引数であり、本実施形態では、最小値が0であり、最大値が32767である。つまり、擬似乱数生成部が生成する擬似乱数は0以上32767以下の整数である。
【0060】
表示端末機112の電気的構成および運用は、ゲーム端末機111と同様である。ただし、表示端末機112は、ベット機能および配当機能を持つ必要がないため、操作部およびメダルセンサを持たず、投入スリット及び排出口も設けられていない。また、表示端末機112のハードディスクに記憶されている制御プログラムは、制御プログラムP3ではなく、制御プログラムP3からベット機能および配当機能に係る部分を除いたプログラムである。したがって、表示端末機112の動作は、ベット期間において賭けを受け付けない点と、結果表示期間において配当の付与を行わない点とを除いて、ゲーム端末機111の動作と同様となる。
【0061】
図13、図14及び図15は、それぞれ、フローチャートの一部であり、接続点α及びβで接続されてゲーム処理のフローチャートとなる。このフローチャートに示すように、ゲーム処理では、CPU11は、まずゲーム端末機111の計時部の時間を基準時間に同期させる同期処理を行う(S31)。具体的には、前述の基準時刻通知要求を店舗サーバー装置113へ送信し、送信した基準時刻通知要求に対して店舗サーバー装置113から返信されたデータを受信し、受信したデータが示す時刻を計時部の時刻とする。
【0062】
次にCPU11は、ゲーム端末機111の計時部の時刻に基づいて、現在が当日内か否かを判定する(S32)。具体的には、ゲーム端末機111の計時部の時刻が午前7時以降または午前5時以前であるか否かを判定する。この判定の結果が否定的であれば、処理はステップS32に戻る。一方、この判定の結果が肯定的であれば、CPU11は当日のシードを取得する(S33)。具体的には、シード通知要求を店舗サーバー装置113へ送信し、これに応じて店舗サーバー装置113から送信されてきたデータを受信する。
【0063】
次にCPU11は、当日のレースのタイムスケジュールを決定する(S34)。当日のレースは、当日の開始から終了までの間に実行される200レースである。ステップS24における決定は、取得したシードと、第1の規則と、レースデータD2と、レース進行データD3とに基づいて行われる。
【0064】
第1の規則は、変数が与えられると、その変数に基づいて当日のレースの順序と当日のレースの各々の種別とを決定する規則であり、具体的には、与えられた変数を4で割ったときの剰余を求める演算式である。もちろん、この演算式と同様なアルゴリズムを第1の規則として採用してもよいし、与えられた変数に基づいて当日のレースの順序と当日のレースの各々の種別とを決定することができる任意の演算式やアルゴリズムを第1の規則として採用してもよい。
【0065】
ステップS34では、CPU11は、まず、擬似乱数生成部に擬似乱数を生成させる擬似乱数生成処理(S341)を行う。具体的には、取得したシードを引数として第1の関数を呼び出し、次に第2の関数を呼び出す。次にCPU11は、生成された擬似乱数を変数として第1の規則に与えることによって第1の規則を実行する(S342)。
【0066】
具体的には、生成された擬似乱数を4で割ったときの剰余を算出する。この剰余は、選択されたレース組を示す。つまり、剰余が0であればA組が、1であればB組が、2であればC組が、3であればD組が選択されたことになる。図10及び図11から明らかなように、レース組が選択されれば、当日のレースの順序と、これらのレースの種別が定まる。
【0067】
次にCPU11は、当日のレースの各々について、その種別とレースデータD2とに基づいて、当該レースの各種時刻を決定する(S343)。例えば、当日のレースのうち、先頭のレースについては、当日の開始時刻を当該レースに係るベット期間の開始時刻として採用し、この時刻からT1が経過した時刻を当該レースの開始時刻として採用し、この時刻から当該レースの種別に対応付けられたレース時間(例えば図9のT2)が経過した時刻を当該レースに係る結果表示期間の開始時刻として採用し、次のレースについては、この時刻からT3が経過した時刻を当該次のレースのベット期間の開始時刻として採用し、この時刻からT1が経過した時刻を当該次のレースのレース期間の開始時刻として採用し、この時刻から当該レースの種別に対応付けられたレース時間(例えば図9のT4)が経過した時刻を当該レースに係る結果表示期間の開始時刻として採用する。
【0068】
このように、CPU11は、変数が与えられると、その変数に基づいて当日のレースの順序と当日のレースの各々の種別とを決定する第1の規則を、擬似乱数生成部において生成した擬似乱数を当該規則に変数として与えて実行し、レースデータD2を参照して、当日のレースの各々の種別に対応するレース時間を読み出し、読み出したレース時間と当日のレースの順序に基づいて、当日のレースの各々の開始時刻を決定する進行管理部として機能する。より具体的には、CPU11は、進行管理部として、擬似乱数生成部において生成した擬似乱数に応じて、レース進行データD3を参照し、複数のレース組のうち、どのレース組をどの順序で用いるかを決定することにより、当日のレースの順序と当日のレースの各々の種別とを決定する。
【0069】
次にCPU11は、当日のレースの各々について着順を決定する(S35)。この決定は、レース毎に、そのレースの種別と、レースデータD2と、取得したシードと、第2の規則とに基づいて行われる。第2の規則は、変数が与えられると、その変数に基づいて当該レースの着順を決定する規則であり、具体的には、与えられた変数を引数として、1から当該レースの出走頭数までの番号のうちの二つの並びを一意に特定する数値を算出する演算式、又は与えられた変数に基づいて、1から当該出走頭数までの番号のうちの二つの並びを一意に特定するアルゴリズムである。
【0070】
ステップS35では、CPU11は、当日の1番目のレースから200番目のレースまで、レース毎に、擬似乱数生成処理(S351)と、この処理で生成された擬似乱数を変数として第2の規則に与えることによって第2の規則を実行する処理(S352)とを順に行う。これにより、例えば、出走頭数が10のレースについて、1〜10の10個の番号のうちの二つ(例えば3及び5)の並び(例えば3−5)が着順として決定される。こうして、当日のレースの各々の着順(上位2着までの着順)が決定される。
【0071】
次にCPU11は、当日のレースの各々について出走馬を決定する(S36)。この決定は、当日のレースの各々について、そのレースの出走条件を満たす複数の馬(出走馬候補)から、そのレースの出走頭数の馬を選択し、選択した馬と1から当該レースの出走頭数までの番号とを1対1で対応付けることで行われる。各レースの出走馬候補は、そのレースの種別と、レースデータD2と、馬データD4とに基づいて一意に定まる。出走馬候補からの出走馬の選択は、レース毎に、取得したシードと第3の規則とに基づいて行われる。
【0072】
第3の規則は、変数が与えられると、与えられた変数に基づいて、当該レースの出走馬候補から当該レースの出走頭数の馬を選択する規則であり、具体的には、与えられた変数を引数として当該出走馬候補から当該出走頭数の馬を特定する数値を算出する演算式、又は与えられた変数に基づいて当該出走馬候補から当該出走頭数の馬を特定するアルゴリズムである。
【0073】
ステップS36では、CPU11は、当日の1番目のレースから200番目のレースまで、レース毎に、擬似乱数生成処理(S361)と、この処理で生成された擬似乱数を変数として第3の規則に与えることによって第3の規則を実行し、これによって選択された、当該レースの出走頭数の出走馬と、1から当該出走頭数までの番号とを1対1で対応付ける処理(S362)とを順に行う。こうして、当日のレースの各々の出走馬が決定される。
【0074】
次にCPU11は、当日のレースの各々について、複数の着順予想の各々に対応する配当倍率を決定する(S37)。複数の着順予想には、決定された着順と一致する着順予想と、決定された着順と一致しない着順予想とが含まれており、プレイヤーは、これらの着順予想のうちのいずれか一つを自身の着順予想とする。配当倍率の決定は、取得したシードと第4の規則とに基づいて行われる。
【0075】
第4の規則は、変数が与えられると、その変数に基づいて、当該レースの総ての着順予想の各々に対応する配当倍率を決定する規則であり、具体的には、与えられた変数を引数として当該レースの総ての着順予想の各々に対応する配当倍率を特定する数値を算出する演算式、又は与えられた変数に基づいて当該レースの総ての着順予想の各々に対応する配当倍率を特定するアルゴリズムである。
【0076】
ステップS37では、CPU11は、当日の1番目のレースから200番目のレースまで、レース毎に、擬似乱数生成処理(S371)と、この処理で生成された擬似乱数を変数として第4の規則に与えることによって第4の規則を実行する処理(S372)とを順に行う。こうして、当日のレースの各々について、複数の着順予想の各々に対応する配当倍率が決定される。
【0077】
このように、CPU11は、当日のレースの各々について、変数が与えられると、その変数に基づいて当該レースに参加する複数の出走馬の着順を決定する第2の規則と、変数が与えられると、その変数に基づいて馬データD4を参照して、当該レースに参加可能な馬の中から、当該レースに参加する複数の馬を出走馬として決定する第3の規則と、変数が与えられると、その変数に基づいてレースに参加する複数の出走馬の着順の予想に対応した配当の倍率を決定する第4の規則とを実行し、各規則を実行する際には、擬似乱数生成部に擬似乱数を生成させ、生成された擬似乱数を当該規則に変数として与えるレース態様決定部として機能する。
【0078】
次にCPU11は、決定済みのタイムスケジュールに基づいて、現在時刻が当日のレースのうちのいずれかの開始時刻であるか否かを判定する(S38)。この判定では、ゲーム端末機111の計時部の時刻が現在時刻として用いられる。この判定の結果が否定的であれば、処理はステップS38に戻る。一方、この判定の結果が肯定的であれば、CPU11は、該当するレース(現在時刻が開始時刻のレース)に係るベット処理を行う(S39)。
【0079】
ベット処理では、CPU11は、レースデータD2と馬データD4を参照し、当該レースのレース名と、当該レースに係る複数の着順予想と、これらの着順予想の各々に対応する決定済みの配当倍率と、これらの着順予想の各々に含まれる複数の番号と、これらの番号の各々に対応する馬名とをディスプレイ16に表示し、メダルセンサ18からの検出信号と操作部17からの操作信号とに基づいて、プレイヤーによる賭けを受け付ける。つまり、ゲーム実行部は、プレイヤーの着順予想に対応した賭けを受け付けるベット部を含む。
【0080】
プレイヤーは、ゲーム端末機111の挿入スリットM1に所望の枚数のメダルを挿入し、操作部17を操作して複数の着順予想から一つの着順予想を自身の選択予想として選択することにより、自身の着順予想に対応する賭けを行う。この賭けにおいて挿入されたメダルの枚数が当該賭けの額(賭け額)である。ベット処理は、その開始からT1が経過すると終了する。
【0081】
ベット処理が終了すると、CPU11は、当該レースに係るレース処理を行う(S40)。レース処理では、CPU11は、当該レースについて決定済みの着順となるように、当該レースを進行させる。この際、ゲーム端末機111のディスプレイ16と表示端末機112には、当該レースの開始前から終了後までの競馬場(トラック)の状況(レースの状況)を示す動画像が表示される。レース処理は、その開始から当該レースに係るレース時間が経過すると終了する。
【0082】
レース処理が終了すると、CPU11は、当該レースに係る結果表示処理を行う(S41)。結果表示処理では、CPU11は、当該レースの結果、すなわち的中した着順予想と当該着順予想に対応する配当倍率とをディスプレイ16に表示する。また、CPU11は、プレイヤーの着順予想が的中したか否かを判定し、この判定の結果をディスプレイ16に表示し、この判定の結果が肯定的であれば、プレイヤーの賭け額と的中した着順予想に対応する配当倍率とに応じた額の配当をプレイヤーに付与する。具体的には、当該配当額に相当する枚数のメダルを排出口M2から排出する。
【0083】
次にCPU11は、決定済みのタイムスケジュールに基づいて、当日のレースが完了したか否かを判定する(S42)。この判定の結果が否定的であれば、処理はステップS38に戻る。このように、CPU11は、ゲーム実行部として、タイムスケジュールに従って当日のレースの各々を開始および終了させ、当日のレースの各々が予め決定された着順となるように着順予想ゲームを制御する。一方、この判定の結果が肯定的であれば、ゲーム処理が終了する。
【0084】
上述したことから明らかなように、ゲーム端末機111及び表示端末機112では、擬似乱数生成部によって1番目に生成された擬似乱数がタイムスケジュールの決定に用いられ、2番目に生成された擬似乱数が当日の1番目のレースに係る着順の決定に用いられ、3番目に生成された擬似乱数が当日の2番目のレースに係る着順の決定に用いられ、…、201番目に生成された擬似乱数が当日の200番目のレースに係る着順の決定に用いられ、202番目に生成された擬似乱数が当日の1番目のレースに係る複数の出走馬の決定に用いられ、…、401番目に生成された擬似乱数が当日の200番目のレースに係る複数の出走馬の決定に用いられ、402番目に生成された擬似乱数が当日の1番目のレースに係る配当倍率の決定に用いられ、…、601番目に生成された擬似乱数が当日の200番目のレースに係る配当倍率の決定に用いられる。
【0085】
つまり、ゲーム端末機111及び表示端末機112では、当日のレースの順序と当日のレースの各々の種別とを決定するために用いる擬似乱数、複数の出走馬の着順を決定するために当日のレースの各々について用いる擬似乱数、複数の出走馬を決定するために当日のレースの各々について用いられる擬似乱数、及び複数の出走馬の着順予想に対応する配当倍率を決定するために当日のレースの各々について用いられる当該擬似乱数は、いずれも、擬似乱数生成部において、シードを初期値として与えてから何番目に生成されるものであるかが予め定められている。
また、前述したように、ゲーム端末機111及び表示端末機112では、取得したシードを初期値とした擬似乱数に基づいて、当日のレースについては順序が、当日のレースの各々については、種別、着順、出走馬、及び配当倍率が決定される。
よって、ゲーム端末機111及び表示端末機112では、当日のレースの順序、当日のレースの各々の種別、当日のレースの各々に係る着順、当日のレースの各々に参加する複数の出走馬、及び当日のレースの各々に参加する複数の出走馬の着順予想に対応する配当倍率が、取得したシードから一意に定まる。
そして、ゲーム端末機111及び表示端末機112では、当日のレースの順序と、各レースの種別に対応するレース時間とに基づいて、各レースの開始時刻が決定され、これらの開始時刻と外部の基準時間に同期される計時部の時間とに基づいて各レースが開始されるから、総てのゲーム端末機111及び表示端末機112において、同じ種別のレースが同様な時期に行われ、同様な時期に行われる同じ種別のレースでは、着順、出走馬および配当倍率が一致する。
以上より、本実施形態によれば、同様な時期に行われる同一の種別のレースについて、プレイヤー同士が予想や感想などの意見を交換することができる。
【0086】
また、本実施形態によれば、上述したように、当日のレースの各々の着順、出走馬および配当倍率は、固定されておらず、レース毎に生成される擬似乱数に基づいて決定されるから、プレイヤーに各レースの着順を憶えられてしまう可能性を極めて低く抑えることができる。なお、着順、出走馬および配当倍率のうち少なくとも一つの決定に用いる擬似乱数をレース間で同一としても、上記の可能性を十分に低く抑えることができる。
【0087】
また、本実施形態では、当日のレースの順序と当日のレースの各々の種別とが固定されておらず、擬似乱数に基づいて決定されるから、プレイヤーが、次のレースの種別を推定することは困難である。これは、プレイヤーが着順予想ゲームに飽きないようにする観点において有利な特徴である。
【0088】
また、本実施形態では、各々が一年分のレースについてどの種類のレースをどの順序で実行するかを指定するA〜Dのレース組の順序を決定することによって当日のレースの順序が決定されるから、一年分のレースの順序と当該一年分のレースの各々の種別とを固定とすることができる。したがって、各レース組の指定内容を月日の経過に沿うように定めておくだけで、月日の経過をプレイヤーに感じさせるレース進行が可能となる。
【0089】
なお、本実施形態を変形し、レース組の数を2、3又は5以上の自然数としてもよいし、各レース組が順序や種類を指定するレースの数を、50以外の自然数としてもよいし、レース組間で相違させてもよい。もちろん、当日のレースの順序と当日のレースの各々の種別とを、レース組を用いずに、擬似乱数に基づいて直接的に決定するようにしてもよい。この場合の第1の規則としては、与えられた変数を120で割ったときの剰余を求める演算式を例示可能である。
【0090】
また、本実施形態において、決定される着順および予想の対象となる着順は、共に、上位2着までの着順であるが、これに限るものではない。例えば、予想の対象となる着順が上位3着までの着順の場合に、上位3着までの着順を決定するようにしてもよいし、総ての出走馬の着順を決定するようにしてもよい。つまり、決定される着順が予想の対象となる着順を含んでいれば足りる。
【0091】
また、本実施形態を変形し、レース態様決定部が、当日のレースの各々について、着順のみを決定するようにしてもよいし、着順および出走馬のみを決定するようにしてもよいし、着順および配当倍率のみを決定するようにしてもよい。レース態様決定部が、着順のみを決定する場合には出走馬および配当倍率を、着順および出走馬のみを決定する場合には配当倍率を、着順および配当倍率のみを決定する場合には出走馬をレースの種別毎に固定とするのが好ましい。
【0092】
もちろん、同様な時期に行われる同一の種別のレースについて、予想の対象となる着順が同一であれば、予想の対象とならない着順、出走馬および配当倍率のうち一部または全部が相違していても、そのレースについてプレイヤー同士が予想や感想などの意見を交換することは可能である。
【0093】
また、本実施形態では、ゲーム端末機111及び表示端末機112において通信を必要としうるのは同期部と取得部のみであり、これらによる通信におけるデータ量(通信量)は、当日のレースの数に依存しない。したがって、本実施形態には、当日のレースの数を増やしても通信量は増えないという利点がある。なお、ゲーム端末機111及び表示端末機112の取得部がシードを取得する頻度は原則として1日に1回であるから、取得部による通信量は極めて少ない。
【0094】
また、本実施形態によれば、総てのゲーム端末機111及び表示端末機112が直接または間接に同一のセンターサーバー装置130からシードを取得するから、これらの装置内で用いられるシードを確実に同一とすることができる。このように、本実施形態では、総てのゲーム端末機111及び表示端末機112の各々の取得部が外部から通信によってシードを取得するが、これを変形し、外部から通信以外の手段でシードを取得するようにしてもよい。
また、総てのゲーム端末機111及び表示端末機112の各々の計時部の時間が外部の基準時間に同期されることを利用し、これらの端末機の各々の取得部が当該端末機の計時部に計時された日付を数値情報として取得するようにしてもよい。この場合、センターサーバー装置130は不要となる。
【0095】
また、本実施形態によれば、店舗システム110において、店舗サーバー装置113が、同一店舗システム110内のゲーム端末機111及び表示端末機112に対するシード通知サービス及び基準時刻通知サービスを代行可能であるから、店舗サーバー装置113、時間サーバー装置120及びネットワーク140の負荷を低減することができる。
【0096】
なお、本実施形態を変形し、店舗サーバー装置113が上記の代行を行わないようにしてもよいし、店舗サーバー装置113に代えてプロキシーサーバーとして機能しない中継装置(例えばルーター)を採用してもよい。また、センターサーバー装置130が時間サーバー装置120を兼ねるようにしてもよい。この場合、センターサーバー装置130の計時部に計時される時間が基準時間となるから、センターサーバー装置130の同期部は不要となる。
【0097】
また、本実施形態を変形し、店舗システム110を単独で運用可能としてもよい。この場合には、店舗サーバー装置113が、時間サーバー装置120及びセンターサーバー装置130を兼ねる。したがって、この場合の店舗サーバー装置113は、前述の代行を行わず、同期部を備えなくてもよく、プロキシーサーバーとして機能しなくてもよく、中継装置ですらなくてもよい。
【0098】
なお、本実施形態では、ゲーム端末機111及び表示端末機112において、計時部の時間に基づいてレースが進行するが、これを変形し、店舗サーバー装置113に、当日のレースのタイムスケジュールを決定する機能と、決定したタイムスケジュールに従って、当日のレースの各々のレース期間の開始時刻において特定の信号を同一店舗システム110内の総てのゲーム端末機111及び表示端末機112に同報送信する機能とを持たせ、これらのゲーム端末機111及び表示端末機112の各々において、特定の信号の受信を契機として該当するレースに係るレース処理を開始するようにしてもよい。
【0099】
この構成の店舗システム110によれば、店舗システム110内の総てのゲーム端末機111及び表示端末機112において、店舗システム110内の一つの計時部(具体的には店舗サーバー装置113の計時部)に基づいてレース処理が開始されるから、店舗システム110内の総てのゲーム端末機111及び表示端末機112において、同時期に行われる同一の種別のレースの開始時刻がずれる虞がない。換言すれば、一つの計時部と複数のプレイヤーとが対応しているから、これらのプレイヤー間で、同時期に行われる同一の種別のレースの開始時刻がずれる虞がない。
【0100】
さらに、店舗サーバー装置113が、ベット期間の開始時刻においても特定の信号を同報送信するようにしてもよい。また、店舗サーバー装置113に、表示端末機112と同様の機能を持たせ、レースの状況や結果などの動画像をネットワーク140経由で任意のクライアントにストリーミング配信するサーバーとして機能させてもよい。また、店舗システム110を一つのコンピューターで構成してもよいし、店舗システム110が、馬の模型が走行するフィールドを備えるようにしてもよい。
【0101】
以上の説明から明らかなように、店舗システム110のハードウェア構成は適宜に変更可能である。つまり、他と通信可能であり、複数のプレイヤーが各々ゲームを進行させる複数の操作部と、複数の出走馬が着順を競う仮想のレースにおいて、これらのプレイヤーがこれらの出走馬の着順を予想するゲームを進行させるゲーム実行部と、時間を計時する計時部と、計時部の時間を外部の基準時間に同期させる同期部と、シードを取得する取得部と、シードを初期値とした擬似乱数を順次生成する擬似乱数生成部と、実行可能なレースの種別と、各レースに割り当てられたレース時間とを対応付けて記憶した記憶部と、変数が与えられると、その変数に基づいて当日のレースの順序と各々の種別を決定する第1の規則を実行し、擬似乱数生成部に生成された擬似乱数を第1の規則に変数として与え、記憶部を参照して、決定された当日のレースの各々の種別に対応するレース時間を読み出し、読み出したレース時間と当日のレースの順序に基づいて、当日のレースの各々が開始する時刻を決定する進行管理部と、当日のレースの各々において、変数が与えられると、その変数に基づいて当該レースに参加する複数の出走馬の着順を決定する第2の規則を実行し、擬似乱数生成部において生成した擬似乱数値を第2の規則に変数として与えるレース態様決定部とを備える任意のシステムを店舗システム110として採用可能である。
ただし、ゲーム実行部は、進行管理部で決定された時刻に従って当日のレースの各々を開始させ、当日のレースの各々がレース態様決定部で決定された着順となるようにゲームを制御するものでなければならず、当日のレースの順序と各々の種別とを決定するために用いる擬似乱数、及び出走馬の着順を決定するために当日のレースの各々について用いる擬似乱数は、擬似乱数生成部において、シードを初期値として与えてから何番目に生成されるものであるかが予め定められていなければならない。
【0102】
ところで、本実施形態では、進行管理部が当日のレースの各々の開始時刻を示すタイムスケジュールを生成し、このタイムスケジュールに従ってゲーム実行部が当日のレースの各々を開始させている。つまり、本実施形態では、当日のレースの各々の開始時刻が一括して決定される。これを変形し、当日のレースの各々の開始時刻が順次決定されるようにしてもよい。例えば、まず当日の1番目のレースの開始時刻を決定し、1番目のレースの実行中に2番目のレースの開始時刻を決定し、2番目のレースの実行中に3番目のレースの開始時刻を決定する。
【0103】
また、本実施形態では、レースが終了してから次のレースが開始されるまでの期間(T1+T3)の一部(T1)がベット期間としているが、これを変形し、レースが終了してから次のレースが開始されるまでの期間の全部(T1+T3)をベット期間としてもよい。この場合、着順予想が的中したプレイヤーに対する配当の付与は、例えばレース期間において行われる。
【0104】
また、本実施形態では、メダルを用いて賭けや配当の付与が行われるが、これを変形し、メダル以外の物体を用いた賭けや配当の付与を可能としてもよいし、ポイントなどの非物体を用いた賭けや配当の付与を可能としてもよい。非物体を用いた賭けや配当の付与を可能とするゲームシステムとしては、プレイヤーの個人情報と、当該プレイヤーに所持される記録媒体のIDとを対応付けて記憶する個人情報サーバー装置を備えるゲームシステムを例示可能である。プレイヤーの個人情報とは、例えば、当該プレイヤーの名前と、当該プレイヤーが所有するポイントの数(当該プレイヤーのポイント数)を含む情報である。このゲームシステムでは、個人情報サーバー装置と通信可能なゲーム端末機が記録媒体からIDを読み取ることにより、当該ゲーム端末機の使用者に対して、当該記録媒体を所持するプレイヤーのポイント数を上限としてポイントを賭けることが許可され、この賭けにより、当該プレイヤーのポイント数が賭けたポイントの数だけ減り、配当の付与では、当該プレイヤーのポイント数が配当に相当する数だけ増えるように、当該プレイヤーの個人情報が更新される。
【0105】
このゲームシステムにおいて、プレイヤーのランキングを閲覧可能としてもよい。例えば、個人情報サーバー装置をHTTPサーバーとして機能させ、個人情報サーバー装置が、周期的または非周期的に、総てのプレイヤーの個人情報を参照し、プレイヤーの名前およびポイント数をポイント数の多い順に並べたランキング表を作成してインターネットに公開するようにする。
【0106】
また、本実施形態では、馬が着順を競う競馬を模した着順予想ゲームが実行されるが、これを変形し、他の着順予想ゲームを実行するようにしてもよい。他の着順予想ゲームとしては、競艇を模したものや、競輪を模したもの、オートレースを模したもの、各種の競技を模したものを例示可能である。
【0107】
ところで、本実施形態では、センターサーバー装置130とネットワーク140を介して接続される全てのゲーム端末機111は、センターサーバー装置130で生成される当日のシードを取得することで、全てのゲーム端末機111で同一のレースを同じ時刻に行うことができるようにしていた。つまり、センターサーバー装置130にて保持される当日のシードの最大数を1としていた。
これを変形し、センターサーバー装置130にて保持される当日のシードを、例えば、シードAとシードBというように、2種類保持するようにしてもよい。この場合、センターサーバー装置130が、シード通知要求の送信元のゲーム端末機111をユニークな識別番号(ゲーム端末機ID)などにより特定し、特定の識別番号に対応したゲーム端末機111に対してはシードBを返信し、その他のゲーム端末機111に対してはシードAを返信するようにすることで、前者のゲーム端末機111と後者のゲーム端末機111との間でレース進行を異ならせることができる。例えば、地域によってシードAとシードBを異ならせてもよい。あるいは、特定の系列の複数の店舗のゲーム端末機111にはシードBを返信し、その他の店舗のゲーム端末機111にはシードAを返信するようにしてもよい。この場合、特定の系列の複数の店舗のゲーム端末機111だけに、これらの店舗専用のレース進行を行わせることが可能となる。
【0108】
また、本実施形態を変形し、ネットワーク140の不具合などの事故により、店舗サーバー装置113がセンターサーバー装置130からシードを取得できなくなったり、時間サーバー装置120から基準時刻を取得できなかったりしてネットワークモードによる着順予想ゲームを実行できない場合でも、ネットワークを介せずに着順予想ゲームを実行できるようにしてもよい。例えば、店舗サーバー装置113に、ネットワーク140経由の通信の可能/不可能を検出する検出部を設け、ネットワーク140経由の通信が不可能な期間においてセルフモードで動作する機能を持たせる。セルフモードの店舗サーバー装置113は、同期部の動作を停止し、前述のシード通知サービスを提供し、自己の計時部の日時に基づいて前述のシード生成処理を実行する。この場合、少なくとも、店舗サーバー装置113とLANで接続されたゲーム端末機111どうし、すなわち同一店舗システム110内のゲーム端末機111どうしでは、同一のレースを同じ時刻に行うことができる。
【0109】
また、着順予想ゲームをネットワークモードとセルフモードとで選択的に実行できるようにしてもよい。例えば、店舗サーバー装置113が、毎日、15時から所定の期間にわたってネットワーク140を用いるネットワークモードで動作し、この所定の期間以外の期間においてはセルフモードで動作するようにしてもよい。所定の期間としては、50レース分の期間を例示可能である。この場合には、当日のレースの各々が開始する時刻を決定する進行管理部は、センターサーバー装置130で生成されたシードに基づいて15時からの50レースのタイムスケジュールを生成する一方、店舗サーバー装置113で生成されたシードに基づいて当日の残りのレースのタイムスケジュールを生成する。したがって、ゲーム端末機111では、毎日、15時からの所定の期間において、すべてのゲーム端末機111において同一のレースを同じ時刻に行う全ゲーム端末機一斉レースとして50レースが行われ、残りの期間において、同一の店舗システム110内のすべてのゲーム端末機111において同一のレースを同じ時刻に行う店舗内ゲーム端末機一斉レースとして残りのレースが行われる。
【符号の説明】
【0110】
100……ゲームシステム、110……店舗システム、111……ゲーム端末機、112……表示端末機、113……店舗サーバー装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の競争対象が着順を競う仮想のレースにおいて、これらの競争対象の着順をプレイヤーが予想する着順予想ゲームを実行する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームセンター等の店舗でプレイ可能なゲームの一種に上記の着順予想ゲームがある。着順予想ゲームとしては、競馬を模した競馬ゲームが広く知られている。一般的な競馬ゲーム装置は、特許文献1に記載のように、レースにおいて馬の模型が走行するフィールドと、このフィールドの周りに配置された複数のステーションとを備える。プレイヤーは、いずれか一つのステーションを操作して、自身の着順予想に対応した賭けを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3730248号公報(図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、現実の競馬では、あるレースについて、競馬場で賭けた人と、競馬場以外の場所(場外勝馬投票券販売所)で賭けた人とが、そのレースについて予想や感想などの意見を交換することができる。これに対して、従来の競馬ゲームでは、競馬ゲーム装置毎にレースが行われるから、互いに異なる競馬ゲーム装置を用いて賭けを行う複数のプレイヤー同士が上記のような意見交換を行うことは困難である。
【0005】
上記のような意見交換を可能とするためには、少なくとも、複数の競馬ゲーム装置において、同様な時期に同じ種別のレースが行われ、これらのレースの着順が競馬ゲーム装置間で一致するようにする必要がある。そのための方法としては、同様な時期に行われる同じ種別のレースの着順を固定する方法が挙げられる。しかし、この方法には、「AA賞では2番の馬が1着となる」というように、過去のレース結果からプレイヤーがレースの着順を予測できてしまうという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、着順予想ゲームを実行する複数の装置において、上記の問題を招くことなく、同一のレースが同じ時刻に行われ、これらのレースの着順がゲーム装置間で一致するようにする技術を提供することを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、他と通信可能なゲーム装置であって、複数の競争対象が着順を競う仮想のレースにおいて、プレイヤーが前記複数の競争対象の着順を予想するゲームを進行させるゲーム実行部と、時間を計時する計時部と、前記計時部の前記時間を外部の基準時間に同期させる同期部と、数値情報を取得する取得部と、前記数値情報を初期値とした擬似乱数値を順次生成する擬似乱数生成部と、実行可能なレースの種別と、各レースに割り当てられたレース時間とを対応付けて記憶した記憶部と、変数が与えられると、その変数に基づいて複数のレースについてそれらの種別と各々の順序を決定する第1の規則を実行し、前記擬似乱数生成部において生成した擬似乱数値を前記第1の規則に変数として与え、前記記憶部を参照して、決定された前記複数のレースの各々の種別に対応するレース時間を読み出し、読み出したレース時間と前記複数のレースの順序に基づいて、前記複数のレースの各々が開始する時刻を決定する進行管理部と、前記複数のレースの各々において、変数が与えられると、その変数に基づいて当該レースに参加する複数の競争対象の着順を決定する第2の規則を実行し、前記擬似乱数生成部において生成した擬似乱数値を前記第2の規則に変数として与えるレース態様決定部と、を備え、前記ゲーム実行部は、前記進行管理部で決定された時刻に従って前記複数のレースの各々を開始させ、前記複数のレースの各々が前記レース態様決定部で決定された着順となるようにゲームを制御し、前記複数のレースの種別と順番を決定するために用いる前記擬似乱数値、及び前記競争対象の着順を決定するために前記複数のレースの各々で用いる前記擬似乱数値は、前記擬似乱数生成部において、前記数値情報を初期値として与えてから何番目に生成されるものであるかが予め定められている、ことを特徴とするゲーム装置(第1のゲーム装置)を提供する。
【0008】
このゲーム装置によれば、数値情報に基づいてその日に行われる全てのレースが決定され、その数値情報に基づいて各々のレースの着順や配当の倍率が決定される。つまり、複数のレースの順序と各々の種別が、取得した数値情報から一意に定まる。したがって、数値情報を異ならせることで、複数のレースの順序を変化させたり、同一のレース(種別が同一のレース)であっても異なる着順にさせたりすることができるので、各々のレースの進行や結果を多様化させることができる。また、過去のレース結果からプレイヤーがレースの着順を予測できることを防止することが可能となる。
さらに、このゲーム装置を複数使用してゲームシステムを構築し、各ゲーム装置に同一の数値情報を取得させれば、これらのゲーム装置に同一のレースを同じ時刻に行わせ、これらのレースの着順をゲーム装置間で一致させることができる。これにより、全国のプレイヤーどうしが、全く同一のプレイ条件でゲームを行うことができるから、プレイヤーのゲーム成績の比較が全国規模でできるようになる。この効果は、同一のレースの開始タイミングがゲーム装置間で同時でなくとも得られる。例えば、複数のゲーム装置の各々が同一の時刻を示すデータを用いて当該時刻に同一のレースを開始させる場合、計時部による計時の誤差により、同一のレースの開始タイミングがゲーム装置間でずれる虞があるが、このズレが十分に小さければ、上記の効果を得ることができる。
【0009】
擬似乱数生成部は、例えば、第1及び第2の関数で操作される擬似乱数生成器(RNG)を有する。第1の関数は、呼び出されると擬似乱数生成器を初期化して引数に基づいた擬似乱数列を決定する関数である。第2の関数は、呼び出される度に、第1の関数によって決定された擬似乱数列の先頭から順次一つずつ擬似乱数(擬似乱数値)を取得する関数である。この場合、擬似乱数生成部は、数値情報を引数として第1の関数を呼び出し、以降、第2の関数を繰り返し呼び出すことによって、当該数値情報を初期値とした擬似乱数を順次生成する。
第1及び第2の規則としては、それぞれ、予め定められた関数や予め定められたアルゴリズムを例示可能である。
進行管理部は、複数のレースの各々について、例えば、当該レースが開始する時刻から一定の時間だけ前または後の時刻を直接的に決定することによって、当該レースが開始する時刻を間接的に決定してもよいし、当該レースが開始する時刻を直接的に決定してもよい。
「決定された時刻に従って前記複数のレースの各々を開始させ」は、複数のレースの各々について決定された時刻に当該レースを開始させること意味する。決定された時刻にレースを開始させることには、決定された時刻にレースそのものを開始させることの他、決定された時刻に所定の期間(例えば、プレイヤーの着順の予想に対応した賭けを受け付ける一定の長さのベット期間)を開始させ、当該期間の終了時にレースを開始させることも含まれる。
「前記数値情報を初期値として与えてから何番目に生成されるものであるかが予め定められている」とは、例えば、複数のレースが第1〜第3レースであるとしたとき、1番目の擬似乱数値を用いて、第1〜第3レースの順序と各々の種別を決定し、2番目の擬似乱数値を用いて第1レースの着順を決定し、3番目の擬似乱数値を用いて第2レースの着順を決定し、4番目の擬似乱数値を用いて第3レースの着順を決定する。この場合(第1の場合)は、使用する擬似乱数値に重複がない。
「何番目に生成されるものであるかが予め定められている」とは、例えば、N番目といったように一意に特定できれば十分であり、N番目の擬似乱数値が重複して用いられてもよい。したがって、例えば、1番目の擬似乱数値を用いて、第1〜第3レースの順序と各々の種別を決定し、2番目の擬似乱数値を用いて第1レースの着順を決定し、1番目の擬似乱数値を用いて第2レースの着順を決定し、2番目の擬似乱数値を用いて第3レースの着順を決定してもよい。この場合(第2の場合)は、1番目の擬似乱数値を第1〜第3レースの順序と各々の種別の決定と第2レースの着順の決定に重複して用い、2番目の擬似乱数値を第1レース及び第3レースの着順の決定に重複して用いることになる。
第1のゲーム装置では、擬似乱数生成部に生成された擬似乱数値に基づいて、複数のレースについて、それらの順序と各々の種別とが決定される。また、この決定に用いる擬似乱数値について、擬似乱数生成部において、取得した数値情報を初期値として与えてから何番目に生成されるものであるかが予め定められている。よって、複数のレースの順序と各々の種別が、取得した数値情報から一意に定まる。
また、このゲーム装置では、擬似乱数生成部に生成された擬似乱数値に基づいて、複数のレースの各々について、当該レースに参加する複数の競争対象の着順が決定される。また、このゲーム装置は、例えばプログラムを実行するコンピューターであり、この決定に用いる擬似乱数値について、擬似乱数生成部において、取得した数値情報を初期値として与えてから何番目に生成されるものであるかが当該プログラムによって予め定められている。よって、複数のレースの各々について決定される着順が、それぞれ、取得した数値情報から一意に定まる。
そして、このゲーム装置では、複数のレースの順序と、各レースの種別に対応するレース時間とに基づいて、各レースの開始時刻が決定され、これらの開始時刻に従って各レースが開始される一方、各レースの着順は、当該レースについて決定された着順となる。また、このゲーム装置では、計時部の時間を外部(例えば、基準時間を計時する時間サーバー装置)の基準時間に同期させることができる。よって、このゲーム装置が複数あれば、これらのゲーム装置に同一の数値情報を取得させることにより、これらのゲーム装置に同じ種別のレースを同様な時期に行わせ、これらのレースの着順をゲーム装置間で一致させることができる。
ところで、全国のプレイヤーどうしが全く同一のプレイ条件でゲームを行うことを可能としつつ、プレイヤーが過去のレース結果から着順を予測できてしまうことを防止することができるゲームシステムとして、ある装置が、行うべきレースの着順をランダムに決定し、当該レースの種別を特定する情報と当該レースの着順を示す情報とを各競馬ゲーム装置へ送信し、各競馬ゲーム装置が、これらの情報を受信し、即座に、受信した情報で特定される種別のレースを開始し、このレースを、受信した情報で示される着順となるように進行させるゲームシステムが考えられる。しかし、このゲームシステムでは、行うべきレースの数が増えると通信量も増えてしまう。これに対して、第1のゲーム装置を複数備えるゲームシステムでは、レースの着順を示す情報の送受信が不要であり、行うべきレースの数が増えても通信量は増えない。
【0010】
このゲーム装置において、前記進行管理部は、複数のレースの各々が開始する時刻を順次に決定してもよいし、一括して決定してもよい。後者の場合、例えば、前記進行管理部は、複数のレースの各々が開始する時刻を示すタイムスケジュールを生成し、前記ゲーム実行部は、前記タイムスケジュールに従って前記複数のレースの各々を開始させる。
【0011】
第1のゲーム装置において、前記記憶部は、複数のレース組を示すレース進行データを記憶し、前記複数のレース組の各々は、所定数のレースについてどの種別のレースをどの順番で実行するかを指定し、前記進行管理部は、前記擬似乱数値に応じて、前記記憶部に記憶された前記レース進行データを参照し、前記複数のレース組のうち、どの組をどの順番で用いるかを決定するようにしてもよい。
この形態のゲーム装置によれば、複数のレースのうち、いくつかのレースの順序を一定とすることができる。これにより例えば、競争対象が馬のゲームを行うゲーム装置において、現実の競馬の1年間で行われる実際のレースを真似て、月日の順に従ってレースの順序を決定することができる。具体的には、レース組として1年間分のレースに相当する50レースを定め、月日の順に従ってその50レースの順序を定めることができる。
【0012】
上記の各ゲーム装置において、前記記憶部は、レースに参加可能な競争対象を示す競争対象データを記憶し、前記レース態様決定部は、前記複数のレースの各々において、変数が与えられると、その変数に基づいて前記競争対象データを参照して、レースに参加可能な競争対象の中から、当該レースに参加する複数の競争対象を決定する第3の規則を実行し、前記擬似乱数生成部において生成した擬似乱数値を前記第3の規則に変数として与え、複数の競争対象を決定するために用いられる当該擬似乱数値は、前記擬似乱数生成部において、前記数値情報を初期値として与えてから何番目に生成されるものであるかが予め定められているようにしてもよい。
この形態のゲーム装置によれば、複数のレースの各々に参加する複数の競争対象が固定されておらず、擬似乱数値に基づいて決定される。つまり、複数のレースの各々に参加する複数の競争対象が、取得した数値情報から一意に定まる。したがって、同一のレースであっても、レースに参加する複数の競争対象が同一になってゲームが単調になることを防止できる。また、同一レースで競争対象を異ならせることで、過去のレース結果からプレイヤーがレースの着順を予測できることを防止することが可能となる。
さらに、この形態のゲーム装置を複数使用してゲームシステムを構築し、各ゲーム装置に同一の数値情報を取得させることにより、これらのゲーム装置に同一のレースを同じ時刻に行わせ、これらのレースの着順のみならず、これらのレースに参加する複数の競争対象をもゲーム装置間で一致させることができる。
【0013】
ここでいう「前記数値情報を初期値として与えてから何番目に生成されるものであるかが予め定められている」とは、例えば、前述の第1の場合において、5番目の擬似乱数値を用いて第1レースに参加する複数の競争対象を決定し、6番目の擬似乱数値を用いて第2レースに参加する複数の競争対象を決定し、7番目の擬似乱数値を用いて第3レースに参加する複数の競争対象を決定する。この場合(第3の場合)は、使用する擬似乱数値に重複がない。
ここでいう「何番目に生成されるものであるかが予め定められている」とは、例えば、N番目といったように一意に特定できれば十分であり、N番目の擬似乱数値が重複して用いられてもよい。したがって、例えば、前述の第2の場合において、3番目の擬似乱数値を用いて第1レースに参加する複数の競争対象を決定し、1番目の擬似乱数値を用いて第2レースに参加する複数の競争対象を決定し、3番目の擬似乱数値を用いて第3レースに参加する複数の競争対象を決定してもよい。この場合(第4の場合)は、1番目の擬似乱数値を第2レースに参加する複数の競争対象の決定にも重複して用い、3番目の擬似乱数値を第1レース及び第3レースに参加する複数の競争対象の決定に重複して用いることになる。
この形態のゲーム装置では、擬似乱数生成部に生成された擬似乱数値に基づいて、複数のレースの各々について、当該レースに参加可能な競争対象の中から、当該レースに参加する複数の競争対象が決定される。また、この決定に用いる擬似乱数値について、擬似乱数生成部において、取得した数値情報を初期値として与えてから何番目に生成されるものであるかが予め定められている。よって、複数のレースの各々に参加する複数の競争対象が、取得した数値情報から一意に定まる。
【0014】
上記の各ゲーム装置において、前記ゲーム実行部は、プレイヤーの着順の予想に対応した賭けを受け付けるベット部を備え、前記レース態様決定部は、変数が与えられると、その変数に基づいてレースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率を決定する第4の規則を実行し、前記擬似乱数生成部において生成した擬似乱数値を前記第4の規則に変数として与え、配当の倍率を決定するために用いられる当該擬似乱数値は、前記擬似乱数生成部において、前記数値情報を初期値として与えてから何番目に生成されるものであるかが予め定められているようにしてもよい。
この形態のゲーム装置によれば、複数のレースの各々の複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率が固定されておらず、擬似乱数値に基づいて決定される。つまり、参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率が、取得した数値情報から一意に定まる。したがって、同一のレースであっても、レースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率が同一になってゲームが単調になることを防止できる。
さらに、この形態のゲーム装置を複数使用してゲームシステムを構築し、各ゲーム装置に同一の数値情報を取得させることにより、これらのゲーム装置に同一のレースを同じ時刻に行わせ、これらのレースの着順のみならず、これらのレースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率をも、ゲーム装置間で一致させることができる。
【0015】
「配当の倍率」とは、賭けられた額(賭け額)に対する配当の額(配当額)の倍率である。また、ここでいう「前記数値情報を初期値として与えてから何番目に生成されるものであるかが予め定められている」とは、例えば、前述の第1の場合において、5番目の擬似乱数値を用いて第1レースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率を決定し、6番目の擬似乱数値を用いて第2レースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率を決定し、7番目の擬似乱数値を用いて第3レースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率を決定する。また例えば、前述の第3の場合において、8番目の擬似乱数値を用いて第1レースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率を決定し、9番目の擬似乱数値を用いて第2レースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率を決定し、10番目の擬似乱数値を用いて第3レースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率を決定する。これらの場合は、使用する擬似乱数値に重複がない。
ここでいう「何番目に生成されるものであるかが予め定められている」とは、例えば、N番目といったように一意に特定できれば十分であり、N番目の擬似乱数値が重複して用いられてもよい。したがって、例えば、前述の第2の場合において、3番目の擬似乱数値を用いて第1レースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率を決定し、1番目の擬似乱数値を用いて第2レースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率を決定し、3番目の擬似乱数値を用いて第3レースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率を決定してもよい。この場合は、1番目の擬似乱数値を第2レースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率の決定にも重複して用い、4番目の擬似乱数値を第1レース及び第3レースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率の決定に重複して用いることになる。また例えば、前述の第4の場合において、4番目の擬似乱数値を用いて第1レースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率を決定し、1番目の擬似乱数値を用いて第2レースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率を決定し、4番目の擬似乱数値を用いて第3レースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率を決定してもよい。この場合は、1番目の擬似乱数値を第2レースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率の決定にも重複して用い、4番目の擬似乱数値を第1レース及び第3レースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率の決定に重複して用いることになる。
この形態のゲーム装置では、擬似乱数生成部に生成された擬似乱数値に基づいて、複数のレースの各々について、当該レースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率が決定される。また、この決定に用いる擬似乱数値について、擬似乱数生成部において、取得した数値情報を初期値として与えてから何番目に生成されるものであるかが予め定められている。よって、複数のレースの各々について、参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率が、取得した数値情報から一意に定まる。
【0016】
上記の各ゲーム装置において、前記取得部は、外部から前記数値情報を取得するか、又は、前記計時部で計時された日付を前記数値情報として取得するようにしてもよい。この形態のゲーム装置を複数使用してゲームシステムを構築した場合に、各ゲーム装置に同一の数値情報を取得させること可能となり、これらのゲーム装置に同一のレースを同じ時刻に行わせ、これらのレースの着順をゲーム装置間で一致させることができる。外部からの数値情報の取得は、例えば、数値情報を生成する外部のサーバー等の装置との通信によって行われる。なお、計時部で計時された日付を数値情報として取得してよいのは、計時部の時間を外部の基準時間に同期させることができるからである。
【0017】
また、本発明は、複数のゲーム装置と、前記数値情報を生成するサーバー装置とを備え、前記複数のゲーム装置の各々は、上記の各ゲーム装置のうちのいずれかであって、前記取得部は、前記サーバー装置から前記数値情報を取得する、ことを特徴とするゲームシステムを提供する。このゲームシステムによれば、サーバーで生成した数値情報を、各ゲーム装置に取得させることにより、これらのゲーム装置に同一のレースを同じ時刻に行わせ、これらのレースの着順をゲーム装置間で一致させることができる。このゲームシステムは、上記の各ゲーム装置のいずれかを複数備えることによって得られる各種の効果を奏する。また、このゲームシステムには、複数のゲーム装置の各々の取得部に取得される数値情報を確実に同一とすることができる。
【0018】
また、本発明は、他と通信可能な店舗システムであって、複数のプレイヤーが各々ゲームを進行させる複数の操作部と、複数の競争対象が着順を競う仮想のレースにおいて、前記複数のプレイヤーが前記複数の競争対象の着順を予想するゲームを進行させるゲーム実行部と、時間を計時する計時部と、前記計時部の前記時間を外部の基準時間に同期させる同期部と、数値情報を取得する取得部と、前記数値情報を初期値とした擬似乱数値を順次生成する擬似乱数生成部と、実行可能なレースの種別と、各レースに割り当てられたレース時間とを対応付けて記憶した記憶部と、変数が与えられると、その変数に基づいて複数のレースの順序と各々の種別を決定する第1の規則を実行し、前記擬似乱数生成部において生成した擬似乱数値を前記第1の規則に変数として与え、前記記憶部を参照して、決定された前記複数のレースの各々の種別に対応するレース時間を読み出し、読み出したレース時間と前記複数のレースの順序に基づいて、前記複数のレースの各々が開始する時刻を決定する進行管理部と、前記複数のレースの各々において、変数が与えられると、その変数に基づいて当該レースに参加する複数の競争対象の着順を決定する第2の規則を実行し、前記擬似乱数生成部において生成した擬似乱数値を前記第2の規則に変数として与えるレース態様決定部と、を備え、前記ゲーム実行部は、前記進行管理部で決定された時刻に従って前記複数のレースの各々を開始させ、前記複数のレースの各々が前記レース態様決定部で決定された着順となるようにゲームを制御し、前記複数のレースの種別と順番を決定するために用いる前記擬似乱数値、及び前記競争対象の着順を決定するために前記複数のレースの各々で用いる前記擬似乱数値は、前記擬似乱数生成部において、前記数値情報を初期値として与えてから何番目に生成されるものであるかが予め定められている、ことを特徴とする店舗システムを提供する。
「店舗システム」には、ゲームセンター等の店舗に設置されるシステムや、店舗以外の場所に配置されるシステムが含まれる。
この店舗システムは、第1のゲーム装置と同様の効果を奏する。また、この店舗システムでは、一つの計時部と複数のプレイヤーとが対応しているから、これらのプレイヤー間で同一のレースの開始時刻がずれる虞がない。
【0019】
この店舗システムにおいて、前記複数の操作部は、プレイヤーの着順の予想に対応した賭けを受け付けることが可能であり、前記進行管理部は、前記複数のレースの各々について、前のレースが終了してから次のレースが開始されまでの期間の一部又は全部において、前記複数の操作部における賭けの受け付けを可能とするようにしてもよい。
【0020】
上記の各店舗システムにおいて、前記ゲーム実行部は、表示装置を備え、前記表示装置に前記進行管理部で決定された時刻に従って前記複数のレースの各々を開始させ、前記複数のレースの各々が前記レース態様決定部で決定された着順となる画像を表示させるようにしてもよい。この店舗システムによれは、表示装置に対しても同一の数値情報によりゲーム装置と同一のレースを同じ時刻に行わせ、これらのレースの着順を表示装置と各ゲーム装置とで一致させた画像を表示させることができる。
【0021】
また、本発明は、複数の店舗システムと、前記数値情報を生成するサーバー装置とを備え、前記複数の店舗システムの各々は、前述の各店舗システムのいずれかであって、前記取得部は、前記サーバー装置から前記数値情報を取得する、ことを特徴とするゲームシステムを提供する。このゲームシステムによれば、サーバー装置で生成した数値情報を、店舗システムに取得させることにより、これらの店舗システムに同一のレースを同じ時刻に行わせ、これらのレースの着順を店舗システム間で一致させることができる。
【0022】
また、本発明は、複数のゲーム装置又は店舗システムと通信可能なサーバー装置であって、日時を管理する日時管理部と、所定の規則に従って数値情報を生成する生成部と、前記生成部で生成した数値情報のうち日の数値情報として決定されたことのある数値情報の履歴の全部又は最新から所定範囲の一部を記憶する履歴記憶部と、前記生成部で生成した現在の数値情報が、前記履歴記憶部に記憶された数値情報のいずれとも一致しないかを判定する判定部と、前記判定部の判定結果が否定を示す場合、前記判定部の判定結果が肯定となるまで、前記生成部に数値情報を再度生成させ、前記判定部の判定結果が肯定を示す場合、前記現在の数値情報を日時に応じた日の数値情報として決定する決定部と、当日において、前記ゲーム装置又は前記店舗システムからの要求に対して、前記決定部で決定した数値情報を通知する通知部と、を備えるサーバー装置を提供する。
【0023】
このサーバー装置によれば、異なる日に同じ数値情報が通知される事態、又は一定の期間内の異なる日に同じ数値情報が通知される事態を回避することができる。数値情報を異ならせることで、別の日で同一のレースが行われたとしても異なる着順や配当の倍率とすることができるので、レースを多様化させることができる。さらに、このサーバー装置によれば、ゲーム装置又は店舗システムを使用するプレイヤーが過去のレース結果からレースの着順を予測できてしまう可能性を低下させることができる。
日時管理部が管理する日時は、現実の日時と同一であってもよいし、同一でなくてもよい。後者の場合、日時管理部は、例えば、現実の日時における午前7時に日(仮想日)が開始し、この日が現実の日時における翌日の午前5時に終了する、というように日時を管理する。
このサーバー装置では、毎日、日の数値情報が決定され、この数値情報が、当日においてゲーム装置又は店舗システムへ通知される数値情報として採用される。そして、当日の数値情報となるのは、日の数値情報として決定されたことのある数値情報の履歴の全部又は最新から所定範囲の一部に含まれていない数値情報に限られる。
【0024】
また、本発明は、時間を計時する計時部と、前記計時部の前記時間を外部の基準時間に同期させる同期部と、数値情報を取得する取得部と、実行可能なレースの種別と、各レースに割り当てられたレース時間とを対応付けて記憶した記憶部とを備え、複数の競争対象が着順を競う仮想のレースにおいて、プレイヤーが前記複数の競争対象の着順を予想するゲームを進行させ、他と通信可能なゲーム装置のプログラムであって、前記数値情報を初期値とした擬似乱数値を順次生成し、変数が与えられると、その変数に基づいて複数のレースの順序と各々の種別を決定する第1の規則を実行し、前記擬似乱数値を前記第1の規則に変数として与え、前記記憶部を参照して、決定された前記複数のレースの各々の種別に対応するレース時間を読み出し、読み出したレース時間と前記複数のレースの順序に基づいて、前記複数のレースの各々が開始する時刻を決定し、前記複数のレースの各々において、変数が与えられると、その変数に基づいて当該レースに参加する複数の競争対象の着順を決定する第2の規則を実行し、前記擬似乱数値を前記第2の規則に変数として与え、決定された時刻に従って前記複数のレースの各々を開始させ、前記複数のレースの各々について決定された着順となるようにゲームを制御し、前記複数のレースの種別と順番を決定するために用いる前記擬似乱数値、及び前記競争対象の着順を決定するために前記複数のレースの各々で用いる前記擬似乱数値は、前記数値情報を初期値として与えてから何番目に生成されるものであるかが予め定められている、ことを特徴とするゲーム装置のプログラム、又はこのプログラムを記録したことを特徴とするコンピューター読み取り可能な記録媒体を提供する。
このプログラムは、第1のゲーム装置と同様の効果を奏する。なお、本発明は、上記プログラムを伝送する伝送媒体(例えばネットワーク)としても把握される。つまり、本発明は、上記プログラムをコンピューター読み取り可能に記録または伝送する媒体(データキャリヤ)としても把握される。また、本発明は、上記プログラムの一部または全部であるプログラム要素としても把握される。また、本発明は、コンピューターにロードされて上記プログラムとなるデータを保持する媒体を有するプログラム製品としても把握される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に係るゲームシステム100の構成を示すブロック図である。
【図2】ゲームシステム100内のセンターサーバー装置130の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】ゲームシステム100における仮想日を説明するための図である。
【図4】センターサーバー装置130が行うシード生成処理のフローチャートである。
【図5】ゲームシステム100内の店舗サーバー装置113の電気的構成を示すブロック図である。
【図6】店舗サーバー装置113が行うシード処理のフローチャートである。
【図7】ゲームシステム100内のゲーム端末機111の電気的構成を示すブロック図である。
【図8】ゲーム端末機111のハードディスク14に記憶されているレースデータD2の内容例を模式的に示す図である。
【図9】ゲーム端末機111における着順予想ゲームの進行の様子を模式的に示す図である。
【図10】ゲーム端末機111におけるレース組の選択とレース組の順序との関係を模式的に示す図である。
【図11】ハードディスク14に記憶されているレース進行データD3の内容例を模式的に示す図である。
【図12】ハードディスク14に記憶されている馬データD4の内容例を模式的に示す図である。
【図13】ゲーム端末機111が行うゲーム処理のフローチャートの一部である。
【図14】ゲーム処理のフローチャートの別の一部である。
【図15】ゲーム処理のフローチャートの更に別の一部である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。各図において、共通する部分には同一の符号を付してある。ただし、本発明は、以下に述べる実施形態に限定されるものではなく、この実施形態を変形して得られる各種の変形例や応用例をも技術的範囲に含みうる。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態に係るゲームシステム100の構成を示すブロック図である。ゲームシステム100は、複数の馬が着順を競う仮想のレースにおいて、これらの馬の着順をプレイヤーが予想する着順予想ゲームに用いられるシステムであり、複数の店舗システム110と、時間サーバー装置120と、センターサーバー装置130とを備える。以降の説明では、仮想のレースを単に「レース」と呼ぶ。
【0028】
店舗システム110は、ゲームセンター等の店舗に設置され、その店舗内でプレイヤーに使用されるシステムであり、複数のゲーム端末機(ゲーム装置)111と、表示端末機(表示装置)112と、店舗サーバー装置113とを備える。なお、店舗システム110が設置される総ての店舗は、同一のタイムゾーン(具体的には、UTC(協定世界時)+9)に属するが、これに限るものではない。
【0029】
ゲーム端末機111は、プレイヤーに操作されるコンピューター(ゲーム装置)であり、メダルが挿入(投入)される挿入スリットM1とメダルを払い出す排出口M2とが設けられており、着順予想ゲームを進行させる機能を持つ。この機能には、総ての着順予想の各々に対応する配当倍率やレースの状況および結果などの情報を表示する表示機能や、プレイヤーの着順予想に対応した賭け(ベット)を受け付けるベット機能、プレイヤーの着順予想が的中した場合にはプレイヤーに配当を付与する配当機能が含まれる。賭け及び配当の付与は、メダルを用いて行われる。配当倍率は、賭け額(賭けに用いたメダルの枚数)に対する配当額(付与されるメダルの枚数)の倍率である。
【0030】
表示端末機112は、ベット機能と配当機能とを持たない点を除いて、ゲーム端末機111と同様の機能を有するコンピューターであり、配当倍率やレースの状況および結果などの情報を表示して周囲のプレイヤーや観客へ通知する。プレイヤーは、ゲーム端末機111又は表示端末機112に表示された情報を参考にしてレースの着順を予想し、ゲーム端末機111を操作して着順予想に対応する賭けを行い、ゲーム端末機111又は表示端末機112に表示された画像を眺めることでレースを観戦し、着順予想が的中した場合にはゲーム端末機111から配当の付与を受ける。
【0031】
店舗サーバー装置113は、店舗内のネットワーク(LAN)と店舗外のネットワーク(WAN)140とに接続されたコンピューターであり、同一の店舗システム110内の各ゲーム端末機111及び表示端末機112と、センターサーバー装置130及び時間サーバー装置120との間でプロキシーサーバーとして機能する。
【0032】
時間サーバー装置120は、ゲームシステム100において基準となる基準時間を計時するコンピューターであり、外部の装置に基準時間の現在時刻(基準時刻)を通知する基準時刻通知サービスを提供する。具体的には、時間サーバー装置120は、ネットワーク140を介して基準時刻通知要求を受信すると、この要求の送信元の装置へ、基準時刻を示すデータを返信する。なお、時間サーバー装置120は、着順予想ゲームが行われる総ての期間を含む期間にわたって連続運転される。
【0033】
時間サーバー装置120が準拠するプロトコルは、独自のものであってもよいし、TP(Time Protocol)やNTP(Network Time Protocol)のような一般的なプロトコルであってもよい。また、本実施形態では、基準時間として、店舗システム110が設置される総ての店舗が属するタイムゾーン(UTC+9)の標準時を採用しているが、これに限るものではない。例えば、任意の世界時やゲームシステム100独自の時間を基準時間として採用してもよい。
【0034】
センターサーバー装置130は、ゲームシステム100で行われるレースの順序や態様を決定するコンピューターであり、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)41、ROM(Read Only Memory)42、RAM(Random Access Memory)43、ハードディスク44及び通信インターフェース45を備える。通信インターフェース45はネットワーク140に接続されており、ハードディスク44には制御プログラムP1が記憶されている。
【0035】
CPU41は、センターサーバー装置130の電源(図示略)が投入されると、RAM43をワークメモリとして、ROM42の記憶内容に従って制御プログラムP1の実行を開始する。以降、センターサーバー装置130は、時間を計時する計時部と、基準時刻通知サービスを利用して計時部の時間を基準時間に同期させる同期部と、所定の規則に従ってシードを生成する生成部と、後述の判定部と、後述のシード通知サービスを提供する通知部とを備える装置として機能し、生成部として、当日のシードを生成するシード生成処理を周期的に実行する。シードは、ゲーム端末機111及び表示端末機112における複数のレースの順序やこれらのレースの各々の態様を定めるための数値情報である。
【0036】
同期部は、具体的には、センターサーバー装置130の起動時および定期的に、前述の基準時刻通知要求を時間サーバー装置120へ送信し、送信した基準時刻通知要求に対して時間サーバー装置120から返信されたデータを受信し、受信したデータが示す時刻(基準時刻)を計時部の時刻とする。また、計時部および同期部は、日時を管理する日時管理部として機能する。ここでいう「日時」は、現実の日時ではなく、後述の仮想日を「日」とし、計時部の時間を「時」とする日時である。なお、センターサーバー装置130の起動時のみならず、定期的にも、計時部の時間を基準時間に同期させるのは、センターサーバー装置130が、着順予想ゲームが行われる総ての期間を含む期間にわたって連続運転されるからである。
【0037】
シード生成処理は、仮想日毎に、その仮想日の開始前に実行される。仮想日とは、ゲームシステム100における仮想的な一日であり、具体的には、図3に例示するように、基準時間においては午前7時から次の日の午前5時までの期間である。そして、仮想日内の時刻においてはその仮想日、仮想日外の時刻においては次の仮想日が、ゲームシステム100における「当日」である。また、ゲームシステム100では、1日(1仮想日)に最多で200のレースが行われる。仮想日における200レースの順序や態様を決定するシードが、その仮想日のシードである。以降の説明では、仮想日を「日」と記す。
【0038】
図4に示すように、シード生成処理では、CPU41は、まずシードを生成する(S11)。具体的には、CPU41は、擬似乱数生成部として擬似乱数値を生成し、これをシードとして扱う。次にCPU41は、生成したシードと同じシードが履歴情報D1に含まれていないか否かを判定する(S12)。履歴情報D1はハードディスク44に記憶される情報であり、当日のシードとして決定されたことのある総てのシードを含む。つまり、CPU41は、当日の開始前に、生成部で生成された現在のシードが、履歴情報D1に含まれているシードのいずれとも一致しないかを判定する判定部として機能する。
【0039】
ステップS12の判定の結果が否定的(NO)であれば、処理はステップS11に戻る。一方、この判定の結果が肯定的(YES)であれば、CPU41は、最後に生成したシードを、当日のシードとして決定し(S13)、日のシードとして履歴情報D1に追加する(S14)。つまり、CPU41は、判定部の判定結果が否定を示す場合、判定部の判定結果が肯定となるまで、生成部にシードを再度生成させ、判定部の判定結果が肯定を示す場合、現在のシードを当日のシードとして決定する決定部として機能する。
【0040】
ステップS13での決定は、具体的には、最後に生成したシードを、当日シード領域R1に保持させることで行われる。当日シード領域R1は、ハードディスク44の記憶領域の一部であり、当日のシードを示すデータを記憶することによって当該シードを保持する。なお、当日シード領域R1に保持されるシードの最大数は1である。
【0041】
シード通知サービスは、当日のシードを通知するサービスであり、日毎に、その開始から終了までの期間にわたって提供される。具体的には、CPU41は、当日のシードの通知を要求するデータ(シード通知要求)を通信インターフェース45経由で受信すると、このシード通知要求の送信元の装置へ、当日シード領域R1に記憶されているシード(当日のシード)を示すデータを返信する。つまり、CPU41は、当日において、シード通知要求の送信元の装置へ、決定部で決定したシードを通知する通知部として機能する。
【0042】
店舗サーバー装置113は、図5に示すように、CPU31、ROM32、RAM33、ハードディスク34、店舗内のネットワークに接続された通信インターフェース35、及び店舗外のネットワーク140に接続された通信インターフェース36を備える。ハードディスク34には制御プログラムP2が記憶されている。
【0043】
CPU31は、店舗サーバー装置113の電源(図示略)が投入されると、RAM33をワークメモリとして使用し、ROM32の記憶内容に従って制御プログラムP2の実行を開始する。以降、店舗サーバー装置113は、センターサーバー装置130の計時部および同期部と同様の計時部および同期部とを備えるプロキシーサーバーとして機能する。
【0044】
店舗サーバー装置113は、着順予想ゲームが行われる総ての期間を含む期間にわたって連続運転される。したがって、店舗サーバー装置113の同期部は、センターサーバー装置130の同期部と同様に、店舗サーバー装置113の起動時および定期的に、前述の基準時刻通知要求を時間サーバー装置120へ送信する。
【0045】
また、店舗サーバー装置113は、基準時刻通知サービスを代行し、場合によってはシード通知サービスをも代行する。具体的には、CPU31は、同一の店舗システム110内の各ゲーム端末機111又は表示端末機112からシード通知要求を受信すると、図6に示すシード処理を実行する。シード処理では、CPU31は、まずシード領域R2に当日のシードが保持されているか否かを判定する(S21)。
【0046】
シード領域R2は、RAM33の記憶領域の一部であり、シードを示すデータを記憶することによって当該シードを保持する。ステップS21の判定の結果が肯定的となるのは、シード領域R2にシードが保持されており、かつ、タイムスタンプ領域R3に保持されている時刻が当日内の時刻である場合のみである。タイムスタンプ領域R3は、RAM33の記憶領域の一部であり、時刻を示すデータを記憶することによって当該時刻を保持する。タイムスタンプ領域R3に保持されている時刻が当日内の時刻であるか否かの判定は、店舗サーバー装置113の計時部の時間に基づいて行われる。なお、シード領域R2に保持されるシードの最大数、及びタイムスタンプ領域R3に保持される時刻の最大数は、共に1である。
【0047】
ステップS21の判定の結果が否定的であれば、CPU31は、センターサーバー装置130から当日のシードを取得する(S22)。具体的には、受信したシード通知要求をセンターサーバー装置130へ送信し、これに応じてセンターサーバー装置130から送信されてきたデータを受信する。次にCPU31は、取得したシードをシード領域R2に保持させるとともに当該シードを取得した時刻(具体的には、シードを示すデータを受信した時刻)をタイムスタンプ領域R3に保持させる(S23)。最後にCPU31は、シード領域R2に保持されているシードを示すデータをシード通知要求の送信元へ送信する(S24)。
【0048】
一方、ステップS21の判定の結果が肯定的であれば、当日のシードがシード領域R2に保持されていることになるから、CPU31は、シード領域R2に保持されているシードを示すデータをシード通知要求の送信元へ送信する(S24)。このように、店舗サーバー装置113は、当日のシードを取得済みの場合にはシード通知サービスを代行する。
【0049】
ゲーム端末機111は、図7に示すように、CPU11、ROM12、RAM13、ハードディスク14、通信インターフェース15、ディスプレイ(表示装置)16、操作部17、及びメダルセンサ18を備える。通信インターフェース15は店舗内のネットワークに接続されている。操作部17は、プレイヤーに操作されるボタン等の操作子を含み、操作子の操作内容に応じた操作信号を出力する。メダルセンサ18は、挿入スリットM1から挿入されたメダルを検出し、検出結果を示す検出信号を出力する。
【0050】
ハードディスク14には、レースデータD2と、レース進行データD3と、馬データD4と、制御プログラムP3とが記憶されている。ゲーム端末機111は120種のレースを実行可能であり、レースデータD2には、これら120種のレースの各々に関するデータが含まれている。なお、ゲーム端末機111において実行可能なレースの種別数は120であるが、1日において実行されるレースの数は最多で200である。これは、現実の競馬において、2008年の凱旋門賞と2009年の凱旋門賞とが同種のレースでありながら互いに異なるレースであることと同様である。
【0051】
図8は、レースデータD2の内容例を模式的に示す図である。レースデータD2は、ゲーム端末機111において実行可能なレースに関する情報をレースの種別毎に示すデータであり、この図に示すように、レースの種別毎に、その種別に固有の種別IDと、その種別の名称であるレース名、その種別のレースが行われる競馬場の名称である競馬場名、その種別のレースの距離、その種別のレースに割り当てるレース時間、その種別のレースに出走する馬の数である出走頭数、及び、その種別のレースに出走可能な馬の年齢条件を示す馬齢条件とを対応付けている。つまり、ハードディスク14は、実行可能なレースの種別と、各レースに割り当てられたレース時間とを対応付けて記憶した記憶部でもある。
【0052】
ところで、ゲーム端末機111では、着順予想ゲームが繰り返し実行される。図9に示すように、1回の着順予想ゲームの開始から終了までの期間をゲーム期間としたとき、各ゲーム期間は、先頭から、賭けを受け付けるベット期間と、レースの状況を表示するレース期間と、レースの結果を表示する結果表示期間とに分かれる。このレース期間の長さが前述のレース時間である。したがって、レース期間の長さはレースの種別毎に相違しうる。なお、ベット期間の長さ(T1)および結果表示期間の長さ(T3)はそれぞれ一定である。また、結果表示期間には、着順予想が的中したプレイヤーに対する配当の付与も行われる。
【0053】
一方、ゲーム端末機111は、A〜Dのレース組から一つのレース組を選択することにより、レース組の順序を決定し、これによって、実行するレースの順序を決定する。本実施形態に係る着順予想ゲームでは、1日において最多で4年分の200レースが行われ、各レース組は、各年分の50レースについてどの種類のレースをどの順番で実行するかを指定する。レース組の順序は、図10に示すように、選択されたレース組から始まる巡回的な順序となる。例えば、A組が選択された場合には、まずA組、次にB組、次にC組、次にD組、次にA組、…となる。
【0054】
図11は、レース進行データD3の内容例を模式的に示す図である。レース進行データは、A〜D組の計4個のレース組を示すデータである。この図の例では、A組が選択されてレース組の順序がA組、次にB組、次にC組、次にD組、次にA組、…となる場合のレースの順序は、種別IDが1の種別のレース、次に種別IDが2の種別のレース、…、次に種別IDが50の種別のレース、次に種別IDが1の種別のレース、…となる。
【0055】
前述のように、ゲーム端末機111では、実行可能なレースの種別数が120であるにも関わらず、日毎に最多で200のレースが実行されるから、いくつかの種別には、それぞれ、複数の組における順番が対応付けられている。例えば、図11の例では、種別IDが2の種別には、A組における順番として2、C組における順番として1、D組における順番として1が対応付けられている。なお、順番が全く対応付けられていない種別(例えば図3における種別IDが3の種別)が存在してもよい。
【0056】
図12は、馬データD4の内容例を模式的に示す図であり、馬データD4は、いずれかのレースに参加可能な馬に関する情報を馬毎に示すデータであり、この図に示すように、馬毎に、その馬に固有の馬IDと、その馬の名称である馬名、及びその馬の年齢である馬齢とを対応付けている。つまり、ハードディスク14は、レースに参加可能な競争対象(具体的には馬)を示すデータを記憶した記憶部でもある。図12の例では、馬の数を100としているが、原則として任意である。ただし、120の種別の各々について、当該種別に係る出走条件に該当する馬の数が当該種別に係る出走頭数以上となるようにすべきである。
【0057】
図7の制御プログラムP3は、ゲーム端末機111に後述のゲーム処理を行わせるプログラムである。CPU11は、ゲーム端末機111の電源(図示略)が投入されると、RAM13をワークメモリとし、ROM12の記憶内容に従って制御プログラムP3の実行を開始する。以降、ゲーム端末機111は、ゲーム処理を行うことにより、着順予想ゲームを進行させるゲーム実行部と、センターサーバー装置130の計時部および同期部と同様の計時部および同期部と、センターサーバー装置130からシードを取得する取得部、後述の擬似乱数生成部、後述の進行管理部および後述のレース態様決定部とを備えるゲーム装置として動作する。
【0058】
ただし、ネットワーク40や時間サーバー装置120の負荷を軽減するために、ゲーム端末機111の同期部は、時間サーバー装置120を代行して店舗サーバー装置113が提供する基準時刻通知サービスを利用する。また、ゲーム端末機111は、その電源が店舗の営業日毎に営業時間の開始前に投入されるように運用される。したがって、一日における計時の誤差が無視できる程度であるならば、ゲーム端末機111の同期部が基準時刻通知要求を送信するタイミングを、ゲーム端末機111の起動時のみに限定してもよい。
【0059】
擬似乱数生成部は、第1の関数(具体的には、srand(seed))及び第2の関数(具体的には、rand(最小値,最大値))で操作される擬似乱数生成器(RNG)を有する。第1の関数は、呼び出されると擬似乱数生成器を初期化して引数(seed)に基づいた擬似乱数列を決定する。第2の関数は、呼び出される度に、第1の関数によって決定された擬似乱数列の先頭から順次一つずつ擬似乱数を取得する。擬似乱数生成部は、後述の取得部に取得されたシードを引数として第1の関数を呼び出し、以降、第2の関数を繰り返し呼び出すことによって、当該シードを初期値とした擬似乱数を順次生成する。なお、第2の関数における最小値および最大値は、取得する乱数の大きさの範囲を指定する引数であり、本実施形態では、最小値が0であり、最大値が32767である。つまり、擬似乱数生成部が生成する擬似乱数は0以上32767以下の整数である。
【0060】
表示端末機112の電気的構成および運用は、ゲーム端末機111と同様である。ただし、表示端末機112は、ベット機能および配当機能を持つ必要がないため、操作部およびメダルセンサを持たず、投入スリット及び排出口も設けられていない。また、表示端末機112のハードディスクに記憶されている制御プログラムは、制御プログラムP3ではなく、制御プログラムP3からベット機能および配当機能に係る部分を除いたプログラムである。したがって、表示端末機112の動作は、ベット期間において賭けを受け付けない点と、結果表示期間において配当の付与を行わない点とを除いて、ゲーム端末機111の動作と同様となる。
【0061】
図13、図14及び図15は、それぞれ、フローチャートの一部であり、接続点α及びβで接続されてゲーム処理のフローチャートとなる。このフローチャートに示すように、ゲーム処理では、CPU11は、まずゲーム端末機111の計時部の時間を基準時間に同期させる同期処理を行う(S31)。具体的には、前述の基準時刻通知要求を店舗サーバー装置113へ送信し、送信した基準時刻通知要求に対して店舗サーバー装置113から返信されたデータを受信し、受信したデータが示す時刻を計時部の時刻とする。
【0062】
次にCPU11は、ゲーム端末機111の計時部の時刻に基づいて、現在が当日内か否かを判定する(S32)。具体的には、ゲーム端末機111の計時部の時刻が午前7時以降または午前5時以前であるか否かを判定する。この判定の結果が否定的であれば、処理はステップS32に戻る。一方、この判定の結果が肯定的であれば、CPU11は当日のシードを取得する(S33)。具体的には、シード通知要求を店舗サーバー装置113へ送信し、これに応じて店舗サーバー装置113から送信されてきたデータを受信する。
【0063】
次にCPU11は、当日のレースのタイムスケジュールを決定する(S34)。当日のレースは、当日の開始から終了までの間に実行される200レースである。ステップS24における決定は、取得したシードと、第1の規則と、レースデータD2と、レース進行データD3とに基づいて行われる。
【0064】
第1の規則は、変数が与えられると、その変数に基づいて当日のレースの順序と当日のレースの各々の種別とを決定する規則であり、具体的には、与えられた変数を4で割ったときの剰余を求める演算式である。もちろん、この演算式と同様なアルゴリズムを第1の規則として採用してもよいし、与えられた変数に基づいて当日のレースの順序と当日のレースの各々の種別とを決定することができる任意の演算式やアルゴリズムを第1の規則として採用してもよい。
【0065】
ステップS34では、CPU11は、まず、擬似乱数生成部に擬似乱数を生成させる擬似乱数生成処理(S341)を行う。具体的には、取得したシードを引数として第1の関数を呼び出し、次に第2の関数を呼び出す。次にCPU11は、生成された擬似乱数を変数として第1の規則に与えることによって第1の規則を実行する(S342)。
【0066】
具体的には、生成された擬似乱数を4で割ったときの剰余を算出する。この剰余は、選択されたレース組を示す。つまり、剰余が0であればA組が、1であればB組が、2であればC組が、3であればD組が選択されたことになる。図10及び図11から明らかなように、レース組が選択されれば、当日のレースの順序と、これらのレースの種別が定まる。
【0067】
次にCPU11は、当日のレースの各々について、その種別とレースデータD2とに基づいて、当該レースの各種時刻を決定する(S343)。例えば、当日のレースのうち、先頭のレースについては、当日の開始時刻を当該レースに係るベット期間の開始時刻として採用し、この時刻からT1が経過した時刻を当該レースの開始時刻として採用し、この時刻から当該レースの種別に対応付けられたレース時間(例えば図9のT2)が経過した時刻を当該レースに係る結果表示期間の開始時刻として採用し、次のレースについては、この時刻からT3が経過した時刻を当該次のレースのベット期間の開始時刻として採用し、この時刻からT1が経過した時刻を当該次のレースのレース期間の開始時刻として採用し、この時刻から当該レースの種別に対応付けられたレース時間(例えば図9のT4)が経過した時刻を当該レースに係る結果表示期間の開始時刻として採用する。
【0068】
このように、CPU11は、変数が与えられると、その変数に基づいて当日のレースの順序と当日のレースの各々の種別とを決定する第1の規則を、擬似乱数生成部において生成した擬似乱数を当該規則に変数として与えて実行し、レースデータD2を参照して、当日のレースの各々の種別に対応するレース時間を読み出し、読み出したレース時間と当日のレースの順序に基づいて、当日のレースの各々の開始時刻を決定する進行管理部として機能する。より具体的には、CPU11は、進行管理部として、擬似乱数生成部において生成した擬似乱数に応じて、レース進行データD3を参照し、複数のレース組のうち、どのレース組をどの順序で用いるかを決定することにより、当日のレースの順序と当日のレースの各々の種別とを決定する。
【0069】
次にCPU11は、当日のレースの各々について着順を決定する(S35)。この決定は、レース毎に、そのレースの種別と、レースデータD2と、取得したシードと、第2の規則とに基づいて行われる。第2の規則は、変数が与えられると、その変数に基づいて当該レースの着順を決定する規則であり、具体的には、与えられた変数を引数として、1から当該レースの出走頭数までの番号のうちの二つの並びを一意に特定する数値を算出する演算式、又は与えられた変数に基づいて、1から当該出走頭数までの番号のうちの二つの並びを一意に特定するアルゴリズムである。
【0070】
ステップS35では、CPU11は、当日の1番目のレースから200番目のレースまで、レース毎に、擬似乱数生成処理(S351)と、この処理で生成された擬似乱数を変数として第2の規則に与えることによって第2の規則を実行する処理(S352)とを順に行う。これにより、例えば、出走頭数が10のレースについて、1〜10の10個の番号のうちの二つ(例えば3及び5)の並び(例えば3−5)が着順として決定される。こうして、当日のレースの各々の着順(上位2着までの着順)が決定される。
【0071】
次にCPU11は、当日のレースの各々について出走馬を決定する(S36)。この決定は、当日のレースの各々について、そのレースの出走条件を満たす複数の馬(出走馬候補)から、そのレースの出走頭数の馬を選択し、選択した馬と1から当該レースの出走頭数までの番号とを1対1で対応付けることで行われる。各レースの出走馬候補は、そのレースの種別と、レースデータD2と、馬データD4とに基づいて一意に定まる。出走馬候補からの出走馬の選択は、レース毎に、取得したシードと第3の規則とに基づいて行われる。
【0072】
第3の規則は、変数が与えられると、与えられた変数に基づいて、当該レースの出走馬候補から当該レースの出走頭数の馬を選択する規則であり、具体的には、与えられた変数を引数として当該出走馬候補から当該出走頭数の馬を特定する数値を算出する演算式、又は与えられた変数に基づいて当該出走馬候補から当該出走頭数の馬を特定するアルゴリズムである。
【0073】
ステップS36では、CPU11は、当日の1番目のレースから200番目のレースまで、レース毎に、擬似乱数生成処理(S361)と、この処理で生成された擬似乱数を変数として第3の規則に与えることによって第3の規則を実行し、これによって選択された、当該レースの出走頭数の出走馬と、1から当該出走頭数までの番号とを1対1で対応付ける処理(S362)とを順に行う。こうして、当日のレースの各々の出走馬が決定される。
【0074】
次にCPU11は、当日のレースの各々について、複数の着順予想の各々に対応する配当倍率を決定する(S37)。複数の着順予想には、決定された着順と一致する着順予想と、決定された着順と一致しない着順予想とが含まれており、プレイヤーは、これらの着順予想のうちのいずれか一つを自身の着順予想とする。配当倍率の決定は、取得したシードと第4の規則とに基づいて行われる。
【0075】
第4の規則は、変数が与えられると、その変数に基づいて、当該レースの総ての着順予想の各々に対応する配当倍率を決定する規則であり、具体的には、与えられた変数を引数として当該レースの総ての着順予想の各々に対応する配当倍率を特定する数値を算出する演算式、又は与えられた変数に基づいて当該レースの総ての着順予想の各々に対応する配当倍率を特定するアルゴリズムである。
【0076】
ステップS37では、CPU11は、当日の1番目のレースから200番目のレースまで、レース毎に、擬似乱数生成処理(S371)と、この処理で生成された擬似乱数を変数として第4の規則に与えることによって第4の規則を実行する処理(S372)とを順に行う。こうして、当日のレースの各々について、複数の着順予想の各々に対応する配当倍率が決定される。
【0077】
このように、CPU11は、当日のレースの各々について、変数が与えられると、その変数に基づいて当該レースに参加する複数の出走馬の着順を決定する第2の規則と、変数が与えられると、その変数に基づいて馬データD4を参照して、当該レースに参加可能な馬の中から、当該レースに参加する複数の馬を出走馬として決定する第3の規則と、変数が与えられると、その変数に基づいてレースに参加する複数の出走馬の着順の予想に対応した配当の倍率を決定する第4の規則とを実行し、各規則を実行する際には、擬似乱数生成部に擬似乱数を生成させ、生成された擬似乱数を当該規則に変数として与えるレース態様決定部として機能する。
【0078】
次にCPU11は、決定済みのタイムスケジュールに基づいて、現在時刻が当日のレースのうちのいずれかの開始時刻であるか否かを判定する(S38)。この判定では、ゲーム端末機111の計時部の時刻が現在時刻として用いられる。この判定の結果が否定的であれば、処理はステップS38に戻る。一方、この判定の結果が肯定的であれば、CPU11は、該当するレース(現在時刻が開始時刻のレース)に係るベット処理を行う(S39)。
【0079】
ベット処理では、CPU11は、レースデータD2と馬データD4を参照し、当該レースのレース名と、当該レースに係る複数の着順予想と、これらの着順予想の各々に対応する決定済みの配当倍率と、これらの着順予想の各々に含まれる複数の番号と、これらの番号の各々に対応する馬名とをディスプレイ16に表示し、メダルセンサ18からの検出信号と操作部17からの操作信号とに基づいて、プレイヤーによる賭けを受け付ける。つまり、ゲーム実行部は、プレイヤーの着順予想に対応した賭けを受け付けるベット部を含む。
【0080】
プレイヤーは、ゲーム端末機111の挿入スリットM1に所望の枚数のメダルを挿入し、操作部17を操作して複数の着順予想から一つの着順予想を自身の選択予想として選択することにより、自身の着順予想に対応する賭けを行う。この賭けにおいて挿入されたメダルの枚数が当該賭けの額(賭け額)である。ベット処理は、その開始からT1が経過すると終了する。
【0081】
ベット処理が終了すると、CPU11は、当該レースに係るレース処理を行う(S40)。レース処理では、CPU11は、当該レースについて決定済みの着順となるように、当該レースを進行させる。この際、ゲーム端末機111のディスプレイ16と表示端末機112には、当該レースの開始前から終了後までの競馬場(トラック)の状況(レースの状況)を示す動画像が表示される。レース処理は、その開始から当該レースに係るレース時間が経過すると終了する。
【0082】
レース処理が終了すると、CPU11は、当該レースに係る結果表示処理を行う(S41)。結果表示処理では、CPU11は、当該レースの結果、すなわち的中した着順予想と当該着順予想に対応する配当倍率とをディスプレイ16に表示する。また、CPU11は、プレイヤーの着順予想が的中したか否かを判定し、この判定の結果をディスプレイ16に表示し、この判定の結果が肯定的であれば、プレイヤーの賭け額と的中した着順予想に対応する配当倍率とに応じた額の配当をプレイヤーに付与する。具体的には、当該配当額に相当する枚数のメダルを排出口M2から排出する。
【0083】
次にCPU11は、決定済みのタイムスケジュールに基づいて、当日のレースが完了したか否かを判定する(S42)。この判定の結果が否定的であれば、処理はステップS38に戻る。このように、CPU11は、ゲーム実行部として、タイムスケジュールに従って当日のレースの各々を開始および終了させ、当日のレースの各々が予め決定された着順となるように着順予想ゲームを制御する。一方、この判定の結果が肯定的であれば、ゲーム処理が終了する。
【0084】
上述したことから明らかなように、ゲーム端末機111及び表示端末機112では、擬似乱数生成部によって1番目に生成された擬似乱数がタイムスケジュールの決定に用いられ、2番目に生成された擬似乱数が当日の1番目のレースに係る着順の決定に用いられ、3番目に生成された擬似乱数が当日の2番目のレースに係る着順の決定に用いられ、…、201番目に生成された擬似乱数が当日の200番目のレースに係る着順の決定に用いられ、202番目に生成された擬似乱数が当日の1番目のレースに係る複数の出走馬の決定に用いられ、…、401番目に生成された擬似乱数が当日の200番目のレースに係る複数の出走馬の決定に用いられ、402番目に生成された擬似乱数が当日の1番目のレースに係る配当倍率の決定に用いられ、…、601番目に生成された擬似乱数が当日の200番目のレースに係る配当倍率の決定に用いられる。
【0085】
つまり、ゲーム端末機111及び表示端末機112では、当日のレースの順序と当日のレースの各々の種別とを決定するために用いる擬似乱数、複数の出走馬の着順を決定するために当日のレースの各々について用いる擬似乱数、複数の出走馬を決定するために当日のレースの各々について用いられる擬似乱数、及び複数の出走馬の着順予想に対応する配当倍率を決定するために当日のレースの各々について用いられる当該擬似乱数は、いずれも、擬似乱数生成部において、シードを初期値として与えてから何番目に生成されるものであるかが予め定められている。
また、前述したように、ゲーム端末機111及び表示端末機112では、取得したシードを初期値とした擬似乱数に基づいて、当日のレースについては順序が、当日のレースの各々については、種別、着順、出走馬、及び配当倍率が決定される。
よって、ゲーム端末機111及び表示端末機112では、当日のレースの順序、当日のレースの各々の種別、当日のレースの各々に係る着順、当日のレースの各々に参加する複数の出走馬、及び当日のレースの各々に参加する複数の出走馬の着順予想に対応する配当倍率が、取得したシードから一意に定まる。
そして、ゲーム端末機111及び表示端末機112では、当日のレースの順序と、各レースの種別に対応するレース時間とに基づいて、各レースの開始時刻が決定され、これらの開始時刻と外部の基準時間に同期される計時部の時間とに基づいて各レースが開始されるから、総てのゲーム端末機111及び表示端末機112において、同じ種別のレースが同様な時期に行われ、同様な時期に行われる同じ種別のレースでは、着順、出走馬および配当倍率が一致する。
以上より、本実施形態によれば、同様な時期に行われる同一の種別のレースについて、プレイヤー同士が予想や感想などの意見を交換することができる。
【0086】
また、本実施形態によれば、上述したように、当日のレースの各々の着順、出走馬および配当倍率は、固定されておらず、レース毎に生成される擬似乱数に基づいて決定されるから、プレイヤーに各レースの着順を憶えられてしまう可能性を極めて低く抑えることができる。なお、着順、出走馬および配当倍率のうち少なくとも一つの決定に用いる擬似乱数をレース間で同一としても、上記の可能性を十分に低く抑えることができる。
【0087】
また、本実施形態では、当日のレースの順序と当日のレースの各々の種別とが固定されておらず、擬似乱数に基づいて決定されるから、プレイヤーが、次のレースの種別を推定することは困難である。これは、プレイヤーが着順予想ゲームに飽きないようにする観点において有利な特徴である。
【0088】
また、本実施形態では、各々が一年分のレースについてどの種類のレースをどの順序で実行するかを指定するA〜Dのレース組の順序を決定することによって当日のレースの順序が決定されるから、一年分のレースの順序と当該一年分のレースの各々の種別とを固定とすることができる。したがって、各レース組の指定内容を月日の経過に沿うように定めておくだけで、月日の経過をプレイヤーに感じさせるレース進行が可能となる。
【0089】
なお、本実施形態を変形し、レース組の数を2、3又は5以上の自然数としてもよいし、各レース組が順序や種類を指定するレースの数を、50以外の自然数としてもよいし、レース組間で相違させてもよい。もちろん、当日のレースの順序と当日のレースの各々の種別とを、レース組を用いずに、擬似乱数に基づいて直接的に決定するようにしてもよい。この場合の第1の規則としては、与えられた変数を120で割ったときの剰余を求める演算式を例示可能である。
【0090】
また、本実施形態において、決定される着順および予想の対象となる着順は、共に、上位2着までの着順であるが、これに限るものではない。例えば、予想の対象となる着順が上位3着までの着順の場合に、上位3着までの着順を決定するようにしてもよいし、総ての出走馬の着順を決定するようにしてもよい。つまり、決定される着順が予想の対象となる着順を含んでいれば足りる。
【0091】
また、本実施形態を変形し、レース態様決定部が、当日のレースの各々について、着順のみを決定するようにしてもよいし、着順および出走馬のみを決定するようにしてもよいし、着順および配当倍率のみを決定するようにしてもよい。レース態様決定部が、着順のみを決定する場合には出走馬および配当倍率を、着順および出走馬のみを決定する場合には配当倍率を、着順および配当倍率のみを決定する場合には出走馬をレースの種別毎に固定とするのが好ましい。
【0092】
もちろん、同様な時期に行われる同一の種別のレースについて、予想の対象となる着順が同一であれば、予想の対象とならない着順、出走馬および配当倍率のうち一部または全部が相違していても、そのレースについてプレイヤー同士が予想や感想などの意見を交換することは可能である。
【0093】
また、本実施形態では、ゲーム端末機111及び表示端末機112において通信を必要としうるのは同期部と取得部のみであり、これらによる通信におけるデータ量(通信量)は、当日のレースの数に依存しない。したがって、本実施形態には、当日のレースの数を増やしても通信量は増えないという利点がある。なお、ゲーム端末機111及び表示端末機112の取得部がシードを取得する頻度は原則として1日に1回であるから、取得部による通信量は極めて少ない。
【0094】
また、本実施形態によれば、総てのゲーム端末機111及び表示端末機112が直接または間接に同一のセンターサーバー装置130からシードを取得するから、これらの装置内で用いられるシードを確実に同一とすることができる。このように、本実施形態では、総てのゲーム端末機111及び表示端末機112の各々の取得部が外部から通信によってシードを取得するが、これを変形し、外部から通信以外の手段でシードを取得するようにしてもよい。
また、総てのゲーム端末機111及び表示端末機112の各々の計時部の時間が外部の基準時間に同期されることを利用し、これらの端末機の各々の取得部が当該端末機の計時部に計時された日付を数値情報として取得するようにしてもよい。この場合、センターサーバー装置130は不要となる。
【0095】
また、本実施形態によれば、店舗システム110において、店舗サーバー装置113が、同一店舗システム110内のゲーム端末機111及び表示端末機112に対するシード通知サービス及び基準時刻通知サービスを代行可能であるから、店舗サーバー装置113、時間サーバー装置120及びネットワーク140の負荷を低減することができる。
【0096】
なお、本実施形態を変形し、店舗サーバー装置113が上記の代行を行わないようにしてもよいし、店舗サーバー装置113に代えてプロキシーサーバーとして機能しない中継装置(例えばルーター)を採用してもよい。また、センターサーバー装置130が時間サーバー装置120を兼ねるようにしてもよい。この場合、センターサーバー装置130の計時部に計時される時間が基準時間となるから、センターサーバー装置130の同期部は不要となる。
【0097】
また、本実施形態を変形し、店舗システム110を単独で運用可能としてもよい。この場合には、店舗サーバー装置113が、時間サーバー装置120及びセンターサーバー装置130を兼ねる。したがって、この場合の店舗サーバー装置113は、前述の代行を行わず、同期部を備えなくてもよく、プロキシーサーバーとして機能しなくてもよく、中継装置ですらなくてもよい。
【0098】
なお、本実施形態では、ゲーム端末機111及び表示端末機112において、計時部の時間に基づいてレースが進行するが、これを変形し、店舗サーバー装置113に、当日のレースのタイムスケジュールを決定する機能と、決定したタイムスケジュールに従って、当日のレースの各々のレース期間の開始時刻において特定の信号を同一店舗システム110内の総てのゲーム端末機111及び表示端末機112に同報送信する機能とを持たせ、これらのゲーム端末機111及び表示端末機112の各々において、特定の信号の受信を契機として該当するレースに係るレース処理を開始するようにしてもよい。
【0099】
この構成の店舗システム110によれば、店舗システム110内の総てのゲーム端末機111及び表示端末機112において、店舗システム110内の一つの計時部(具体的には店舗サーバー装置113の計時部)に基づいてレース処理が開始されるから、店舗システム110内の総てのゲーム端末機111及び表示端末機112において、同時期に行われる同一の種別のレースの開始時刻がずれる虞がない。換言すれば、一つの計時部と複数のプレイヤーとが対応しているから、これらのプレイヤー間で、同時期に行われる同一の種別のレースの開始時刻がずれる虞がない。
【0100】
さらに、店舗サーバー装置113が、ベット期間の開始時刻においても特定の信号を同報送信するようにしてもよい。また、店舗サーバー装置113に、表示端末機112と同様の機能を持たせ、レースの状況や結果などの動画像をネットワーク140経由で任意のクライアントにストリーミング配信するサーバーとして機能させてもよい。また、店舗システム110を一つのコンピューターで構成してもよいし、店舗システム110が、馬の模型が走行するフィールドを備えるようにしてもよい。
【0101】
以上の説明から明らかなように、店舗システム110のハードウェア構成は適宜に変更可能である。つまり、他と通信可能であり、複数のプレイヤーが各々ゲームを進行させる複数の操作部と、複数の出走馬が着順を競う仮想のレースにおいて、これらのプレイヤーがこれらの出走馬の着順を予想するゲームを進行させるゲーム実行部と、時間を計時する計時部と、計時部の時間を外部の基準時間に同期させる同期部と、シードを取得する取得部と、シードを初期値とした擬似乱数を順次生成する擬似乱数生成部と、実行可能なレースの種別と、各レースに割り当てられたレース時間とを対応付けて記憶した記憶部と、変数が与えられると、その変数に基づいて当日のレースの順序と各々の種別を決定する第1の規則を実行し、擬似乱数生成部に生成された擬似乱数を第1の規則に変数として与え、記憶部を参照して、決定された当日のレースの各々の種別に対応するレース時間を読み出し、読み出したレース時間と当日のレースの順序に基づいて、当日のレースの各々が開始する時刻を決定する進行管理部と、当日のレースの各々において、変数が与えられると、その変数に基づいて当該レースに参加する複数の出走馬の着順を決定する第2の規則を実行し、擬似乱数生成部において生成した擬似乱数値を第2の規則に変数として与えるレース態様決定部とを備える任意のシステムを店舗システム110として採用可能である。
ただし、ゲーム実行部は、進行管理部で決定された時刻に従って当日のレースの各々を開始させ、当日のレースの各々がレース態様決定部で決定された着順となるようにゲームを制御するものでなければならず、当日のレースの順序と各々の種別とを決定するために用いる擬似乱数、及び出走馬の着順を決定するために当日のレースの各々について用いる擬似乱数は、擬似乱数生成部において、シードを初期値として与えてから何番目に生成されるものであるかが予め定められていなければならない。
【0102】
ところで、本実施形態では、進行管理部が当日のレースの各々の開始時刻を示すタイムスケジュールを生成し、このタイムスケジュールに従ってゲーム実行部が当日のレースの各々を開始させている。つまり、本実施形態では、当日のレースの各々の開始時刻が一括して決定される。これを変形し、当日のレースの各々の開始時刻が順次決定されるようにしてもよい。例えば、まず当日の1番目のレースの開始時刻を決定し、1番目のレースの実行中に2番目のレースの開始時刻を決定し、2番目のレースの実行中に3番目のレースの開始時刻を決定する。
【0103】
また、本実施形態では、レースが終了してから次のレースが開始されるまでの期間(T1+T3)の一部(T1)がベット期間としているが、これを変形し、レースが終了してから次のレースが開始されるまでの期間の全部(T1+T3)をベット期間としてもよい。この場合、着順予想が的中したプレイヤーに対する配当の付与は、例えばレース期間において行われる。
【0104】
また、本実施形態では、メダルを用いて賭けや配当の付与が行われるが、これを変形し、メダル以外の物体を用いた賭けや配当の付与を可能としてもよいし、ポイントなどの非物体を用いた賭けや配当の付与を可能としてもよい。非物体を用いた賭けや配当の付与を可能とするゲームシステムとしては、プレイヤーの個人情報と、当該プレイヤーに所持される記録媒体のIDとを対応付けて記憶する個人情報サーバー装置を備えるゲームシステムを例示可能である。プレイヤーの個人情報とは、例えば、当該プレイヤーの名前と、当該プレイヤーが所有するポイントの数(当該プレイヤーのポイント数)を含む情報である。このゲームシステムでは、個人情報サーバー装置と通信可能なゲーム端末機が記録媒体からIDを読み取ることにより、当該ゲーム端末機の使用者に対して、当該記録媒体を所持するプレイヤーのポイント数を上限としてポイントを賭けることが許可され、この賭けにより、当該プレイヤーのポイント数が賭けたポイントの数だけ減り、配当の付与では、当該プレイヤーのポイント数が配当に相当する数だけ増えるように、当該プレイヤーの個人情報が更新される。
【0105】
このゲームシステムにおいて、プレイヤーのランキングを閲覧可能としてもよい。例えば、個人情報サーバー装置をHTTPサーバーとして機能させ、個人情報サーバー装置が、周期的または非周期的に、総てのプレイヤーの個人情報を参照し、プレイヤーの名前およびポイント数をポイント数の多い順に並べたランキング表を作成してインターネットに公開するようにする。
【0106】
また、本実施形態では、馬が着順を競う競馬を模した着順予想ゲームが実行されるが、これを変形し、他の着順予想ゲームを実行するようにしてもよい。他の着順予想ゲームとしては、競艇を模したものや、競輪を模したもの、オートレースを模したもの、各種の競技を模したものを例示可能である。
【0107】
ところで、本実施形態では、センターサーバー装置130とネットワーク140を介して接続される全てのゲーム端末機111は、センターサーバー装置130で生成される当日のシードを取得することで、全てのゲーム端末機111で同一のレースを同じ時刻に行うことができるようにしていた。つまり、センターサーバー装置130にて保持される当日のシードの最大数を1としていた。
これを変形し、センターサーバー装置130にて保持される当日のシードを、例えば、シードAとシードBというように、2種類保持するようにしてもよい。この場合、センターサーバー装置130が、シード通知要求の送信元のゲーム端末機111をユニークな識別番号(ゲーム端末機ID)などにより特定し、特定の識別番号に対応したゲーム端末機111に対してはシードBを返信し、その他のゲーム端末機111に対してはシードAを返信するようにすることで、前者のゲーム端末機111と後者のゲーム端末機111との間でレース進行を異ならせることができる。例えば、地域によってシードAとシードBを異ならせてもよい。あるいは、特定の系列の複数の店舗のゲーム端末機111にはシードBを返信し、その他の店舗のゲーム端末機111にはシードAを返信するようにしてもよい。この場合、特定の系列の複数の店舗のゲーム端末機111だけに、これらの店舗専用のレース進行を行わせることが可能となる。
【0108】
また、本実施形態を変形し、ネットワーク140の不具合などの事故により、店舗サーバー装置113がセンターサーバー装置130からシードを取得できなくなったり、時間サーバー装置120から基準時刻を取得できなかったりしてネットワークモードによる着順予想ゲームを実行できない場合でも、ネットワークを介せずに着順予想ゲームを実行できるようにしてもよい。例えば、店舗サーバー装置113に、ネットワーク140経由の通信の可能/不可能を検出する検出部を設け、ネットワーク140経由の通信が不可能な期間においてセルフモードで動作する機能を持たせる。セルフモードの店舗サーバー装置113は、同期部の動作を停止し、前述のシード通知サービスを提供し、自己の計時部の日時に基づいて前述のシード生成処理を実行する。この場合、少なくとも、店舗サーバー装置113とLANで接続されたゲーム端末機111どうし、すなわち同一店舗システム110内のゲーム端末機111どうしでは、同一のレースを同じ時刻に行うことができる。
【0109】
また、着順予想ゲームをネットワークモードとセルフモードとで選択的に実行できるようにしてもよい。例えば、店舗サーバー装置113が、毎日、15時から所定の期間にわたってネットワーク140を用いるネットワークモードで動作し、この所定の期間以外の期間においてはセルフモードで動作するようにしてもよい。所定の期間としては、50レース分の期間を例示可能である。この場合には、当日のレースの各々が開始する時刻を決定する進行管理部は、センターサーバー装置130で生成されたシードに基づいて15時からの50レースのタイムスケジュールを生成する一方、店舗サーバー装置113で生成されたシードに基づいて当日の残りのレースのタイムスケジュールを生成する。したがって、ゲーム端末機111では、毎日、15時からの所定の期間において、すべてのゲーム端末機111において同一のレースを同じ時刻に行う全ゲーム端末機一斉レースとして50レースが行われ、残りの期間において、同一の店舗システム110内のすべてのゲーム端末機111において同一のレースを同じ時刻に行う店舗内ゲーム端末機一斉レースとして残りのレースが行われる。
【符号の説明】
【0110】
100……ゲームシステム、110……店舗システム、111……ゲーム端末機、112……表示端末機、113……店舗サーバー装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
他と通信可能なゲーム装置であって、
複数の競争対象が着順を競う仮想のレースにおいて、プレイヤーが前記複数の競争対象の着順を予想するゲームを進行させるゲーム実行部と、
時間を計時する計時部と、
前記計時部の前記時間を外部の基準時間に同期させる同期部と、
数値情報を取得する取得部と、
前記数値情報を初期値とした擬似乱数値を順次生成する擬似乱数生成部と、
実行可能なレースの種別と、各レースに割り当てられたレース時間とを対応付けて記憶した記憶部と、
変数が与えられると、その変数に基づいて複数のレースについてそれらの順序と各々の種別を決定する第1の規則を実行し、前記擬似乱数生成部において生成した擬似乱数値を前記第1の規則に変数として与え、前記記憶部を参照して、決定された前記複数のレースの各々の種別に対応するレース時間を読み出し、読み出したレース時間と前記複数のレースの順序に基づいて、前記複数のレースの各々が開始する時刻を決定する進行管理部と、
前記複数のレースの各々において、変数が与えられると、その変数に基づいて当該レースに参加する複数の競争対象の着順を決定する第2の規則を実行し、前記擬似乱数生成部において生成した擬似乱数値を前記第2の規則に変数として与えるレース態様決定部と、を備え、
前記ゲーム実行部は、前記進行管理部で決定された時刻に従って前記複数のレースの各々を開始させ、前記複数のレースの各々が前記レース態様決定部で決定された着順となるようにゲームを制御し、
前記複数のレースの順序と各々の種別を決定するために用いる前記擬似乱数値、及び前記競争対象の着順を決定するために前記複数のレースの各々で用いる前記擬似乱数値は、前記擬似乱数生成部において、前記数値情報を初期値として与えてから何番目に生成されるものであるかが予め定められている、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記記憶部は、複数のレース組を示すレース進行データを記憶し、前記複数のレース組の各々は、所定数のレースについてどの種別のレースをどの順番で実行するかを指定し、
前記進行管理部は、前記擬似乱数値に応じて、前記記憶部に記憶された前記レース進行データを参照し、前記複数のレース組のうち、どの組をどの順番で用いるかを決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記記憶部は、レースに参加可能な競争対象を示す競争対象データを記憶し、
前記レース態様決定部は、前記複数のレースの各々において、変数が与えられると、その変数に基づいて前記競争対象データを参照して、レースに参加可能な競争対象の中から、当該レースに参加する複数の競争対象を決定する第3の規則を実行し、前記擬似乱数生成部において生成した擬似乱数値を前記第3の規則に変数として与え、
複数の競争対象を決定するために用いられる当該擬似乱数値は、前記擬似乱数生成部において、前記数値情報を初期値として与えてから何番目に生成されるものであるかが予め定められている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記ゲーム実行部は、プレイヤーの着順の予想に対応した賭けを受け付けるベット部を備え、
前記レース態様決定部は、変数が与えられると、その変数に基づいてレースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率を決定する第4の規則を実行し、前記擬似乱数生成部において生成した擬似乱数値を前記第4の規則に変数として与え、
配当の倍率を決定するために用いられる当該擬似乱数値は、前記擬似乱数生成部において、前記数値情報を初期値として与えてから何番目に生成されるものであるかが予め定められている、
ことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記取得部は、外部から前記数値情報を取得するか、又は、前記計時部で計時された日付を前記数値情報として取得する、請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項6】
複数のゲーム装置と、
前記数値情報を生成するサーバー装置とを備え、
前記複数のゲーム装置の各々は、請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載のゲーム装置であって、前記取得部は、前記サーバー装置から前記数値情報を取得する、
ことを特徴とするゲームシステム。
【請求項7】
他と通信可能な店舗システムであって、
複数のプレイヤーが各々ゲームを進行させる複数の操作部と、
複数の競争対象が着順を競う仮想のレースにおいて、前記複数のプレイヤーが前記複数の競争対象の着順を予想するゲームを進行させるゲーム実行部と、
時間を計時する計時部と、
前記計時部の前記時間を外部の基準時間に同期させる同期部と、
数値情報を取得する取得部と、
前記数値情報を初期値とした擬似乱数値を順次生成する擬似乱数生成部と、
実行可能なレースの種別と、各レースに割り当てられたレース時間とを対応付けて記憶した記憶部と、
変数が与えられると、その変数に基づいて複数のレースの順序と各々の種別を決定する第1の規則を実行し、前記擬似乱数生成部において生成した擬似乱数値を前記第1の規則に変数として与え、前記記憶部を参照して、決定された前記複数のレースの各々の種別に対応するレース時間を読み出し、読み出したレース時間と前記複数のレースの順序に基づいて、前記複数のレースの各々が開始する時刻を決定する進行管理部と、
前記複数のレースの各々において、変数が与えられると、その変数に基づいて当該レースに参加する複数の競争対象の着順を決定する第2の規則を実行し、前記擬似乱数生成部において生成した擬似乱数値を前記第2の規則に変数として与えるレース態様決定部と、を備え、
前記ゲーム実行部は、前記進行管理部で決定された時刻に従って前記複数のレースの各々を開始させ、前記複数のレースの各々が前記レース態様決定部で決定された着順となるようにゲームを制御し、
前記複数のレースの種別と順番を決定するために用いる前記擬似乱数値、及び前記競争対象の着順を決定するために前記複数のレースの各々で用いる前記擬似乱数値は、前記擬似乱数生成部において、前記数値情報を初期値として与えてから何番目に生成されるものであるかが予め定められている、
ことを特徴とする店舗システム。
【請求項8】
前記複数の操作部は、プレイヤーの着順の予想に対応した賭けを受け付けることが可能であり、
前記進行管理部は、前記複数のレースの各々について、前のレースが終了してから次のレースが開始されまでの期間の一部又は全部において、前記複数の操作部における賭けの受け付けを可能とする、
ことを特徴とする請求項7に記載の店舗システム。
【請求項9】
前記ゲーム実行部は、表示装置を備え、前記表示装置に前記進行管理部で決定された時刻に従って前記複数のレースの各々を開始させ、前記複数のレースの各々が前記レース態様決定部で決定された着順となる画像を表示させる
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の店舗システム。
【請求項10】
複数の店舗システムと、
前記数値情報を生成するサーバー装置とを備え、
前記複数の店舗システムの各々は、請求項7乃至9のうちいずれか1項に記載の店舗システムであって、前記取得部は、前記サーバー装置から前記数値情報を取得する、
ことを特徴とするゲームシステム。
【請求項11】
複数のゲーム装置又は店舗システムと通信可能なサーバー装置であって、
日時を管理する日時管理部と、
所定の規則に従って数値情報を生成する生成部と、
前記生成部で生成した数値情報のうち日の数値情報として決定されたことのある数値情報の履歴の全部又は最新から所定範囲の一部を記憶する履歴記憶部と、
前記生成部で生成した現在の数値情報が、前記履歴記憶部に記憶された数値情報のいずれとも一致しないかを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果が否定を示す場合、前記判定部の判定結果が肯定となるまで、前記生成部に数値情報を再度生成させ、前記判定部の判定結果が肯定を示す場合、前記現在の数値情報を日時に応じた日の数値情報として決定する決定部と、
当日において、前記ゲーム装置又は前記店舗システムからの要求に対して、前記決定部で決定した数値情報を通知する通知部と、
を備えるサーバー装置。
【請求項12】
時間を計時する計時部と、前記計時部の前記時間を外部の基準時間に同期させる同期部と、数値情報を取得する取得部と、実行可能なレースの種別と、各レースに割り当てられたレース時間とを対応付けて記憶した記憶部とを備え、複数の競争対象が着順を競う仮想のレースにおいて、プレイヤーが前記複数の競争対象の着順を予想するゲームを進行させ、他と通信可能なゲーム装置のプログラムであって、
前記数値情報を初期値とした擬似乱数値を順次生成し、
変数が与えられると、その変数に基づいて複数のレースの順序と各々の種別を決定する第1の規則を実行し、前記擬似乱数値を前記第1の規則に変数として与え、前記記憶部を参照して、決定された前記複数のレースの各々の種別に対応するレース時間を読み出し、読み出したレース時間と前記複数のレースの順序に基づいて、前記複数のレースの各々が開始する時刻を決定し、
前記複数のレースの各々において、変数が与えられると、その変数に基づいて当該レースに参加する複数の競争対象の着順を決定する第2の規則を実行し、前記擬似乱数値を前記第2の規則に変数として与え、
決定された時刻に従って前記複数のレースの各々を開始させ、前記複数のレースの各々について決定された着順となるようにゲームを制御し、
前記複数のレースの種別と順番を決定するために用いる前記擬似乱数値、及び前記競争対象の着順を決定するために前記複数のレースの各々で用いる前記擬似乱数値は、前記数値情報を初期値として与えてから何番目に生成されるものであるかが予め定められている、
ことを特徴とするゲーム装置のプログラム。
【請求項1】
他と通信可能なゲーム装置であって、
複数の競争対象が着順を競う仮想のレースにおいて、プレイヤーが前記複数の競争対象の着順を予想するゲームを進行させるゲーム実行部と、
時間を計時する計時部と、
前記計時部の前記時間を外部の基準時間に同期させる同期部と、
数値情報を取得する取得部と、
前記数値情報を初期値とした擬似乱数値を順次生成する擬似乱数生成部と、
実行可能なレースの種別と、各レースに割り当てられたレース時間とを対応付けて記憶した記憶部と、
変数が与えられると、その変数に基づいて複数のレースについてそれらの順序と各々の種別を決定する第1の規則を実行し、前記擬似乱数生成部において生成した擬似乱数値を前記第1の規則に変数として与え、前記記憶部を参照して、決定された前記複数のレースの各々の種別に対応するレース時間を読み出し、読み出したレース時間と前記複数のレースの順序に基づいて、前記複数のレースの各々が開始する時刻を決定する進行管理部と、
前記複数のレースの各々において、変数が与えられると、その変数に基づいて当該レースに参加する複数の競争対象の着順を決定する第2の規則を実行し、前記擬似乱数生成部において生成した擬似乱数値を前記第2の規則に変数として与えるレース態様決定部と、を備え、
前記ゲーム実行部は、前記進行管理部で決定された時刻に従って前記複数のレースの各々を開始させ、前記複数のレースの各々が前記レース態様決定部で決定された着順となるようにゲームを制御し、
前記複数のレースの順序と各々の種別を決定するために用いる前記擬似乱数値、及び前記競争対象の着順を決定するために前記複数のレースの各々で用いる前記擬似乱数値は、前記擬似乱数生成部において、前記数値情報を初期値として与えてから何番目に生成されるものであるかが予め定められている、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記記憶部は、複数のレース組を示すレース進行データを記憶し、前記複数のレース組の各々は、所定数のレースについてどの種別のレースをどの順番で実行するかを指定し、
前記進行管理部は、前記擬似乱数値に応じて、前記記憶部に記憶された前記レース進行データを参照し、前記複数のレース組のうち、どの組をどの順番で用いるかを決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記記憶部は、レースに参加可能な競争対象を示す競争対象データを記憶し、
前記レース態様決定部は、前記複数のレースの各々において、変数が与えられると、その変数に基づいて前記競争対象データを参照して、レースに参加可能な競争対象の中から、当該レースに参加する複数の競争対象を決定する第3の規則を実行し、前記擬似乱数生成部において生成した擬似乱数値を前記第3の規則に変数として与え、
複数の競争対象を決定するために用いられる当該擬似乱数値は、前記擬似乱数生成部において、前記数値情報を初期値として与えてから何番目に生成されるものであるかが予め定められている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記ゲーム実行部は、プレイヤーの着順の予想に対応した賭けを受け付けるベット部を備え、
前記レース態様決定部は、変数が与えられると、その変数に基づいてレースに参加する複数の競争対象の着順の予想に対応した配当の倍率を決定する第4の規則を実行し、前記擬似乱数生成部において生成した擬似乱数値を前記第4の規則に変数として与え、
配当の倍率を決定するために用いられる当該擬似乱数値は、前記擬似乱数生成部において、前記数値情報を初期値として与えてから何番目に生成されるものであるかが予め定められている、
ことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記取得部は、外部から前記数値情報を取得するか、又は、前記計時部で計時された日付を前記数値情報として取得する、請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項6】
複数のゲーム装置と、
前記数値情報を生成するサーバー装置とを備え、
前記複数のゲーム装置の各々は、請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載のゲーム装置であって、前記取得部は、前記サーバー装置から前記数値情報を取得する、
ことを特徴とするゲームシステム。
【請求項7】
他と通信可能な店舗システムであって、
複数のプレイヤーが各々ゲームを進行させる複数の操作部と、
複数の競争対象が着順を競う仮想のレースにおいて、前記複数のプレイヤーが前記複数の競争対象の着順を予想するゲームを進行させるゲーム実行部と、
時間を計時する計時部と、
前記計時部の前記時間を外部の基準時間に同期させる同期部と、
数値情報を取得する取得部と、
前記数値情報を初期値とした擬似乱数値を順次生成する擬似乱数生成部と、
実行可能なレースの種別と、各レースに割り当てられたレース時間とを対応付けて記憶した記憶部と、
変数が与えられると、その変数に基づいて複数のレースの順序と各々の種別を決定する第1の規則を実行し、前記擬似乱数生成部において生成した擬似乱数値を前記第1の規則に変数として与え、前記記憶部を参照して、決定された前記複数のレースの各々の種別に対応するレース時間を読み出し、読み出したレース時間と前記複数のレースの順序に基づいて、前記複数のレースの各々が開始する時刻を決定する進行管理部と、
前記複数のレースの各々において、変数が与えられると、その変数に基づいて当該レースに参加する複数の競争対象の着順を決定する第2の規則を実行し、前記擬似乱数生成部において生成した擬似乱数値を前記第2の規則に変数として与えるレース態様決定部と、を備え、
前記ゲーム実行部は、前記進行管理部で決定された時刻に従って前記複数のレースの各々を開始させ、前記複数のレースの各々が前記レース態様決定部で決定された着順となるようにゲームを制御し、
前記複数のレースの種別と順番を決定するために用いる前記擬似乱数値、及び前記競争対象の着順を決定するために前記複数のレースの各々で用いる前記擬似乱数値は、前記擬似乱数生成部において、前記数値情報を初期値として与えてから何番目に生成されるものであるかが予め定められている、
ことを特徴とする店舗システム。
【請求項8】
前記複数の操作部は、プレイヤーの着順の予想に対応した賭けを受け付けることが可能であり、
前記進行管理部は、前記複数のレースの各々について、前のレースが終了してから次のレースが開始されまでの期間の一部又は全部において、前記複数の操作部における賭けの受け付けを可能とする、
ことを特徴とする請求項7に記載の店舗システム。
【請求項9】
前記ゲーム実行部は、表示装置を備え、前記表示装置に前記進行管理部で決定された時刻に従って前記複数のレースの各々を開始させ、前記複数のレースの各々が前記レース態様決定部で決定された着順となる画像を表示させる
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の店舗システム。
【請求項10】
複数の店舗システムと、
前記数値情報を生成するサーバー装置とを備え、
前記複数の店舗システムの各々は、請求項7乃至9のうちいずれか1項に記載の店舗システムであって、前記取得部は、前記サーバー装置から前記数値情報を取得する、
ことを特徴とするゲームシステム。
【請求項11】
複数のゲーム装置又は店舗システムと通信可能なサーバー装置であって、
日時を管理する日時管理部と、
所定の規則に従って数値情報を生成する生成部と、
前記生成部で生成した数値情報のうち日の数値情報として決定されたことのある数値情報の履歴の全部又は最新から所定範囲の一部を記憶する履歴記憶部と、
前記生成部で生成した現在の数値情報が、前記履歴記憶部に記憶された数値情報のいずれとも一致しないかを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果が否定を示す場合、前記判定部の判定結果が肯定となるまで、前記生成部に数値情報を再度生成させ、前記判定部の判定結果が肯定を示す場合、前記現在の数値情報を日時に応じた日の数値情報として決定する決定部と、
当日において、前記ゲーム装置又は前記店舗システムからの要求に対して、前記決定部で決定した数値情報を通知する通知部と、
を備えるサーバー装置。
【請求項12】
時間を計時する計時部と、前記計時部の前記時間を外部の基準時間に同期させる同期部と、数値情報を取得する取得部と、実行可能なレースの種別と、各レースに割り当てられたレース時間とを対応付けて記憶した記憶部とを備え、複数の競争対象が着順を競う仮想のレースにおいて、プレイヤーが前記複数の競争対象の着順を予想するゲームを進行させ、他と通信可能なゲーム装置のプログラムであって、
前記数値情報を初期値とした擬似乱数値を順次生成し、
変数が与えられると、その変数に基づいて複数のレースの順序と各々の種別を決定する第1の規則を実行し、前記擬似乱数値を前記第1の規則に変数として与え、前記記憶部を参照して、決定された前記複数のレースの各々の種別に対応するレース時間を読み出し、読み出したレース時間と前記複数のレースの順序に基づいて、前記複数のレースの各々が開始する時刻を決定し、
前記複数のレースの各々において、変数が与えられると、その変数に基づいて当該レースに参加する複数の競争対象の着順を決定する第2の規則を実行し、前記擬似乱数値を前記第2の規則に変数として与え、
決定された時刻に従って前記複数のレースの各々を開始させ、前記複数のレースの各々について決定された着順となるようにゲームを制御し、
前記複数のレースの種別と順番を決定するために用いる前記擬似乱数値、及び前記競争対象の着順を決定するために前記複数のレースの各々で用いる前記擬似乱数値は、前記数値情報を初期値として与えてから何番目に生成されるものであるかが予め定められている、
ことを特徴とするゲーム装置のプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−24607(P2011−24607A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−170080(P2009−170080)
【出願日】平成21年7月21日(2009.7.21)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月21日(2009.7.21)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】
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