説明

ゲーム装置、ゲームプログラム、およびゲーム装置の命令実行方法

【課題】選択項目の移動操作や、階層化されたメニューの呼び出し、ページ移動操作などを簡易で時間のかからない操作で行うことが可能なゲーム装置を提供する。
【解決手段】表示画面上の位置をポインタにより指示することが可能な操作入力装置20と、操作者が操作入力装置20を移動することにより形成される、ポインタの軌跡を検出する操作検出部101と、軌跡に基づいて、実行する命令を選択する命令選択部102と、選択された命令を実行する命令実行部103とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置、ゲームプログラム、およびゲーム装置の命令実行方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーム機といわれる分野のエンターテイメント装置は、任意のソフトウェアプログラムを提供して実行させることができるように構成されている。このようなソフトウェアプログラムの例としては、現実の遊技機(以下「実機」という。)などの動作を忠実にシミュレーションするシミュレーションプログラムなどがある。
【0003】
従来のゲーム装置の例として、特許文献1には、リールの回転を停止するための停止ボタンを備えたスロットマシン、いわゆるパチスロと称される遊技機の動作を実行するゲーム装置が開示されている。特許文献1に記載されたゲーム装置では、操作入力装置(操作手段4)に設けられた各操作ボタンを操作することにより、ゲーム実行中の種々の操作を行う。例えば、選択項目の移動操作を行うときにも、上,下,左,右方向(移動)ボタン等を用いる(段落0051)。
【特許文献1】特開2000−334172号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のように、操作入力装置上の操作ボタンを用いて、選択項目の移動操作や、階層化されたメニューの呼び出し、ページ移動操作などを行うと、階層の深いメニューを呼び出したり、目的の項目やページへたどり着くまでの操作が面倒で時間がかかったりする場合があった。
【0005】
そこで、本発明は、選択項目の移動操作や、階層化されたメニューの呼び出し、ページ移動操作などを簡易で時間のかからない操作で行うことが可能なゲーム装置、ゲームプログラム、およびゲーム装置の命令実行方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るゲーム装置は、表示画面上の位置をポインタにより指示することが可能な操作入力装置と、前記操作入力装置が移動することにより形成される、前記ポインタの軌跡を検出する操作検出部と、前記軌跡に基づいて、実行する命令を選択する命令選択部と、前記選択された命令を実行する命令実行部と、を備えたものである。
【0007】
本発明によれば、操作者は、ポインタが所定の軌跡を描くように操作入力装置を操作することによって実行する命令を指定できるので、選択項目の移動操作や、階層化されたメニューの呼び出し、ページ移動操作などでも、簡易で時間のかからない操作で行うことが可能となる。特に、操作ボタンの数が少ない操作入力装置の場合でも、多くのショートカットキーを作ることができるので、操作性が向上する。
ここで「軌跡」とは、ポインタの移動方向と移動距離で決まる特定の動きを表しており、例えば、「右方向への移動」といったものも軌跡に含まれる。
【0008】
前記操作検出部は、前記操作入力装置に対して所定の操作が加えられている間に形成された軌跡のみを検出し、前記命令選択部は、前記所定の操作が終了された時に、実行する命令を選択することが望ましい。
これにより、操作者が意図的に操作したポインタの移動を確実に把握することができる。
【0009】
前記所定の操作は、例えば、所定のボタンの押下とすることができる。これにより、操作者は、簡易な操作でポインタ移動による命令の指示を行うことが可能となる。
【0010】
また、前記操作検出部は、前記所定の操作が一定時間以上継続している場合には、前記ポインタの軌跡を検出しないことが望ましい。
これにより、操作者が意図しない操作によって、誤った命令が実行されることを防止することができる。
【0011】
また、前記軌跡を表示する軌跡表示部を備えることが望ましい。
これにより、操作者はポインタの移動方向を確認しながら操作を行うことができ、誤操作を防止することができる。
【0012】
前記操作検出部は、前記ポインタが1つの方向へ一定距離以上移動した場合に、その方向への移動を検出することが望ましい。
さらに、前記操作検出部は、前記ポインタが1つの方向へ一定以上の速度で移動した場合に、その方向への移動を検出するようにしてもよい。
これにより、これにより、操作者が意図しない操作入力装置20の移動によって、誤った命令が選択されることを防止することができる。
【0013】
なお、本発明は、スロットマシンやぱちんこ機(第一種ぱちんこ機、第二種ぱちんこ機を含む)等の各種の遊技機の動作をシミュレーションするゲーム装置に適用することができる。
【0014】
本発明に係るプログラムは、コンピュータに、表示画面上の位置をポインタにより指示することが可能な操作入力装置が移動することにより形成される、前記ポインタの軌跡を検出する機能と、前記軌跡に基づいて、実行する命令を選択する機能と、前記選択された命令を実行する機能と、を実行させるものである。
【0015】
本発明によれば、操作者は、ポインタが所定の軌跡を描くように操作入力装置を操作することによって実行する命令を指定できるので、選択項目の移動操作や、階層化されたメニューの呼び出し、ページ移動操作などでも、簡易で時間のかからない操作で行うことが可能となる。特に、操作ボタンの数が少ない操作入力装置の場合でも、多くのショートカットキーを作ることができるので、操作性が向上する。
【0016】
また本発明のプログラムは、記憶媒体に格納されて流通されるものである。このような記憶媒体としては、コンピュータに読み取り可能な媒体であり、各種ROM、フラッシュメモリを備えたUSBメモリ、SDメモリ、メモリスティック、メモリカードや、FD、CD−ROM、DVD−ROM等の物理的な記憶媒体を含む。また広義の記録媒体として、プログラムを伝送可能なインターネット等の伝送媒体をも含むものとする。伝送媒体を通して伝送(ダウンロード)されたプログラムは、そのままメモリに記憶されて、コンピュータに実行されるものだからである。
【0017】
本発明に係るゲーム装置の命令実行方法は、表示画面上の位置をポインタにより指示することが可能な操作入力装置が移動することにより形成される、前記ポインタの軌跡を検出する操作検出工程と、前記軌跡に基づいて、実行する命令を選択する命令選択工程と、前記選択された命令を実行する命令実行工程とを備えたものである。
本発明によれば、操作者は、ポインタが所定の軌跡を描くように操作入力装置を操作することによって実行する命令を指定できるので、選択項目の移動操作や、階層化されたメニューの呼び出し、ページ移動操作などでも、簡易で時間のかからない操作で行うことが可能となる。特に、操作ボタンの数が少ない操作入力装置の場合でも、多くのショートカットキーを作ることができるので、操作性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の好適な実施形態として、民生用のエンターテイメント装置に記録媒体から、本発明に係るプログラムを読み込むことにより、遊技場等に設置される遊技機の動作をシミュレーションするゲーム装置を例示する。ここでは、遊技機として遊技ごとに行われる抽選に応じて図柄を変動する変動表示部(以下、リール)を備え、各リールの回転及び停止によって表示される図柄の組合せにより、入賞の成否を判定する遊技機(スロットマシン)を例にとる。ただし、以下の実施形態は本発明の適応例に過ぎず、本発明は実施形態に限定されず種々に変更して適用することが可能である。
【0019】
(エンターテイメント装置の構成)
図1は、民生用エンターテイメント装置1の外観概略構成を示す図である。
図1に示すように、このエンターテイメント装置1は、大きく分けて、装置本体10、操作入力装置20、表示装置30から構成される。
【0020】
装置本体10は、本発明に係るシミュレーションプログラムを記録したDVD−ROMなどの第1の外部記録媒体44aの読み込み状況を表示するインジケータ11、この第1の外部記録媒体44aを後述の第1の外部記録媒体ドライブ44がデータ読み取り可能な位置にセットするためのディスクホルダー部12、プログラムの経過情報(セーブデータ)を記録するメモリーカードやSDカードなどの第2の外部記録媒体45aを後述の第2の外部記録媒体ドライブ45がデータ読み取り/書き込み可能な位置にセットするための差込口13、電源のオン/オフを操作するための電源スイッチ14をフロントパネルに備え、外部入力のためのUSB端子、センサーバー端子等を図示しない背面に備えている。
【0021】
装置本体10は、第1の外部記録媒体44aに記憶されたシミュレーションプログラムをメインメモリ43に転送して実行可能に構成されている。以下、エンターテイメント装置1がシミュレーションプログラムを実行することにより機能する装置をシミュレーション装置(ゲーム装置)と称する。
【0022】
操作入力装置20は、本発明に係るものであり、操作者が各種ゲーム操作を行うためのAボタン21a、Bボタン21b、方向キー22、+(プラス)ボタン23a、−(マイナス)ボタン23b、ホームボタン23c、「1」ボタン24a、「2」ボタン24b、電源スイッチ25を備え、前面端部にはポインタ26を備えている。
【0023】
Aボタン21aおよびBボタン21bは、ゲームやシミュレーション中に何らかの動作が割り付けられている操作ボタンであり、Aボタン21aは、フロントパネル側に設けられているのに対し、Bボタン21bは、背面側に設けられている。
【0024】
当該操作入力装置20は、特にポインタ26がセンサーバー15におけるマーカ15Lおよび15Rからの赤外線を検出して、表示装置30の表示画面31に対するポインタの座標・捻り・距離を検出可能になっている。また、操作入力装置20は、内部に図示しないモーションセンサを備え、X軸、Y軸、Z軸周りの加速度や重力を検出可能になっている。検出された動き情報は、操作者によるボタン類の操作入力情報とともに、装置本体10に送信されるようになっている。動き情報には、ポインタ26が検出するポインタ変位情報およびモーションセンサが検出するG情報が含まれている。操作入力装置20の検出機能の詳細については、後述する。
【0025】
操作入力装置20は、所定の短距離無線により、操作入力情報や動き情報を装置本体10に通信可能に構成されている。この無線通信の規格は、特に限定はないが、短距離無線通信規格であるBluetooth規格が好適である。Bluetoothは、免許なしで自由に使うことのできる2.45GHz帯の電波を利用する短距離無線通信規格であり、1Mbpsの速度で通信可能であるため、操作入力装置20の動きをリアルタイムに伝達するために十分な速度を備えている。
【0026】
表示装置(モニタ装置、TV装置)30は、装置本体10で生成された画像を表示するためのブラウン管型や液晶型等の表示画面31、および装置本体10で生成された演出音声を外部に出力するための左右のスピーカ32a,32bを備えている。表示画面31の辺部には、センサーバー15が配置され、装置本体10に接続されている。センサーバー15は、赤外線を発するマーカ15Lおよび15Rを予め定められた距離離間させて保持する。マーカ15Lおよび15Rは赤外線発光手段であり、操作入力装置20のポインタ26に検出可能なような赤外線を発生するようになっている。
【0027】
図2は、図1に示したエンターテイメント装置1の内部のハードウェア構成図である。
図2に示すように、装置本体10は、CPU41、ROM42、メインメモリ(RAM)43を含む制御系CNTL、第1、第2の外部記録媒体ドライブ44、45、画像処理部46、音声処理部47、操作入力処理部48、およびマーカ出力部49から構成される。
【0028】
CPU41は、エンターテイメント装置の制御動作の中枢となり、システムバスSBを介してI/Oアドレスを出力して特定の構成要素を選択し、データの入出力を行って装置全体を統括的に制御する。特にCPU41は、第1の外部記録媒体ドライブ44を介して第1の外部記録媒体44aのシミュレーションプログラムをメインメモリ43のゲームプログラム記録領域43aに転送し、そのシミュレーションプログラムを実行することにより、エンターテイメント装置が本発明のシミュレーション装置として機能するように動作する。またCPU41は、フレーム期間毎に画像の描画に必要な画像データやコマンドを生成し、これを画像処理部46に送信する。
【0029】
ROM42は、エンターテイメント装置の起動時に使用する起動用プログラムや装置を動かすための基本的なシステムプログラム等を格納する不揮発性メモリである。電源投入直後は、CPU41はこのROM42の起動用プログラムを実行し、第1の外部記録媒体44aがディスクホルダー部12に装着されていることを確認したらその外部記録媒体44aのデータをメインメモリ43に転送するように動作する。
【0030】
RAM43は、メインメモリであり、第1の外部記録媒体44aから転送されたシミュレーションプログラムや各種データ(演出画像情報、演出音声情報、テキスト情報等)の一部若しくは全部をゲームプログラム記録領域43aに一時記録保持するとともに、第2の外部記録媒体45aから読み出したセーブデータ或いはゲーム進行中の作業データをゲーム進行データ記録領域43bに一時記録保持する。
【0031】
なお、図中鎖線で示される制御系CNTLには、図示省略のDMACが含まれており、このDMACが、システムバスSBに接続されている周辺機器を対象として割り込み制御やダイレクトメモリアクセス(DMA)転送制御を行うことにより、CPU41を介さずに各種周辺機器とRAM43間でシステムバスSBを介して直接データのやりとりを行うことができ、これにより、CPU41のオーバーヘッドを伴わずに、高速・大容量のデータ転送を実現している。
【0032】
第1の外部記録媒体ドライブ44は、DVD−ROMなどの第1の外部記録媒体44aに記録されたシミュレーションプログラムや各種データを読み取る。第2の外部記録媒体ドライブ45は、メモリカードやSDカードなどの第2の外部記録媒体45aに対するセーブデータの読み取りおよび書き込みを行う。
【0033】
画像処理部46は、表示画面31に表示するシミュレーション画像を構成する立体画像を生成処理するものであって、本実施形態では、3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)のシミュレーション画像を生成するために、画像デコーダ46a、フレームバッファ(VRAM)46cを有するGPU46b、ディスプレイコントローラ46d等の半導体デバイスを備えている。
【0034】
ここで、画像デコーダ46aは、第1の外部記録媒体44aから読み出され、RAM4
3に格納された画像データがJPEG或いはMPEG方式等で圧縮符号化された画像データである場合に、その圧縮画像データを復号してフレームバッファ46cに記憶する処理を行う。
【0035】
GPU46bは、CPU41からのコマンドに応じて、3DCG画像データを生成するための所定の画像生成アルゴリズムを実行し、ジオメトリ処理やレンダリング処理等を行って生成した1フレーム分のビデオ画像を例えばビットマップ形式でフレームバッファ46cに描画する。
【0036】
ディスプレイコントローラ46dは、各フレーム時間にフレームバッファ46cに描画された画像データを、それぞれ次のフレーム時間に読み出し、読み出した画像データに対応した輝度信号(明るさの情報)と色信号(色の情報)を含むコンポジット映像信号(またはRGB信号)を生成して表示装置30に出力する。
【0037】
音声処理部47は、表示装置30の左右のスピーカ32a,32bで出力する効果音やBGM等のゲーム音声を生成処理する半導体デバイスであって、具体的には、図示省略のサウンドバッファおよびSPU等を備え、SPUがサウンドバッファから読み出した音データを合成して音声信号を生成して表示装置30に出力する。
【0038】
操作入力処理部48は、無線受信アンテナ48aを備え、操作入力装置20から送信される操作入力情報および動き情報を受信し、システムバスSBを介してCPU41に送信可能に構成されている。受信した情報は、バイト毎に所定のI/Oアドレスで特定されるポートにラッチされる。
【0039】
マーカ出力部49は、操作入力装置20のポインタ26による動き検出のための赤外線を出力するセンサーバー15のマーカ15L・15Rに対し、赤外線を出力するための電気信号を出力するようになっている。特定の赤外線であることを判別するために、電気信号に所定の変調を加えるようにしてもよい。
【0040】
図3は、シミュレーション装置の表示画面31に表示されるトップ画面50の画像表示例である。
図3に示すトップ画面50は、本発明に係るシミュレーションプログラムを実行することにより最初に表示される初期画面である。初期画面は、当該シミュレーションプログラムが格納された第1の外部記録媒体44aがディスクホルダー部12に挿入され、第1の外部記録媒体44aのプログラムが装置本体10に取り込まれ、プログラムが実行された場合に最初に表示される。初期画面50では、シミュレーションゲームの開始を指示するための「ゲームスタート」アイコン51、および、メインメニュー画面を表示させるための「メニュー表示」アイコン52が表示される。メインメニュー画面では、エンターテイメント装置1に内蔵されているシミュレーションプログラム等を選択することができる。「ゲームスタート」アイコン51を操作入力装置20の方向キー22やポインタ26で選択し、Aボタン21a等を操作することで、シミュレーション動作が開始される。
【0041】
図4は、実機のスロットマシンにおける各パーツを三次元オブジェクトで構成し、仮想三次元空間に配置して所定の視点から見たときの透視投影画像として座標変換し、レンダリングすることにより生成されたシミュレーション画面60の表示例である。シミュレーション画面60はフレーム時間毎に更新される。
【0042】
図4に示すように、シミュレーション画面60には、実機のスロットマシンに対応する遊技機オブジェクトSMが表示されており、実機のスロットマシンの各パーツに対応させて、複数の図柄が配列されたリールオブジェクト61a〜61c、液晶ディスプレイオブジェクト62、停止ボタンオブジェクトSP1〜SP3等が表示されている。停止ボタンオブジェクトSP1〜SP3は実機の停止ボタンと同様の位置に表示されている。なお、従来のシミュレーション装置には、この実機と対応した位置に表示された停止ボタンオブジェクトSP1〜SP3を操作入力装置のポインタで指示してボタン押下操作などを行うことによって、実機の停止ボタン押下操作を代用しているものもある。
【0043】
このスロットマシンのシミュレーションゲームの一般的なプレイの流れとしては、コイン投入に割り当てられた操作により、シミュレーション装置がシミュレーション画面60上に表示している遊技機オブジェクトSMのメダル投入をMAXに設定する。すなわち、操作者がメダル3枚を1度にBETしたことになる。その後、リールの回転開始に割り当てられた操作がなされると、シミュレーション装置が各リールオブジェクト61a〜61c上の図柄を変動させる回転動作を実行する。その後、それぞれのリールオブジェクト61a〜61cの回転停止に割り当てられた操作がなされると、シミュレーション装置がそれぞれ対応するリールオブジェクト61a〜61cの図柄の変動を停止させる。このようにして、ベット→リール回転→各リール停止という一連の操作により1プレイの遊技が行われ、全てのリールオブジェクト61a〜61cが停止したときにリールオブジェクト61a〜61cとして表示されている図柄(停止図柄)により遊技結果(入賞役の成立、不成立)の告知がなされる。
すなわち、操作者がタイミング良く、リールオブジェクト61a〜61cの回転を停止して、所望の図柄(「ベル」や「カバン」等の小役図柄や、「BAR」などのRB図柄や、「7」などのBB図柄等)を揃えるスロットゲームを行うことができる。
【0044】
図5に、CPU41が第1の外部記録媒体44aに記憶されたシミュレーションプログラムをメインメモリ43に転送して実行することにより実現される機能ブロックを示す。
【0045】
図5に示すように、本実施形態のシミュレーション装置は、操作入力装置20、操作検出部101、命令選択部102、命令実行部103、軌跡表示部106、命令記憶部105、シミュレーション実行部104、画像処理部46、およびメモリ107を備えて構成されている。これらのうち、操作検出部101、命令選択部102、命令実行部103、軌跡表示部106、シミュレーション実行部104は、CPU41がメインメモリ43に転送されたプログラムを実行することで実現される。命令記憶部105は、ゲームプログラム記録領域43aに相当する。画像処理部46は、CPU41の制御に基づいて画像デコーダ46a、CPU41の制御に基づきGPU46bおよびディスプレイコントローラ46dが動作することにより実現される。メモリ107は画像処理部46内部のフレームバッファ46cが相当している。
【0046】
(操作入力装置20)
操作入力装置20は、上記したように、通常のゲーム装置の操作入力装置と同様の各種操作ボタン21〜25の他、操作入力装置20の動きを検出可能な機能を有している。
【0047】
操作入力装置20は、動き検出のためのポインタ26やモーションセンサの検出値を定期的に出力し、操作検出部101はその検出値に基づいて、以下のように操作入力装置20のポインタ26の示す座標やX/Y/Z軸周りの回転量を演算・検出するようになっている。
【0048】
便宜上、図1のXYZ軸方向表示のように、操作入力装置20における座標軸方向を設定する。ポインタ26は、図1において操作入力装置20の上部端面方向(Y軸方向)を指示する。また、操作入力装置20を水平に保持した場合、重力方向がZ軸方向となる。操作入力装置20における一方の動き検出機能はポインタ26に関するものであり、もう一方はモーションセンサに関するものである。
【0049】
ポインタ26は、所定の視野角内で入射する赤外線を受光する検出窓DWを備えている。具体的には、ポインタ26は、表示装置30に配置されるセンサーバー15の両端に設けられたマーカ15Lおよび15Rからの赤外線を検出して、表示装置30の表示画面31に対するポインタの座標・捻り・距離を検出可能になっている。センサーバー15は、赤外線を発するマーカ15Lおよび15Rを予め定められた距離離間させて保持するものである。
【0050】
図7に、ポインタ26で検出されるマーカの様子を示す。
センサーバー15は、表示装置30の表示画面31の枠に配置されるようになっている。例えば、センサーバー15を表示装置30の上部に配置した場合、ポインタ26により認識される検出窓DWに対して認識されるマーカ15L・15Rの位置および表示装置30の位置は、図7に示すようなものとなる。マーカ15L・15Rの位置が検出されれば、その位置を基準として表示画面31の位置が相対的に認識されるのである。
【0051】
図8に、ポインタ26の検出窓DW内に認識されるマーカ15L・15Rの各位置を示す。図8は、ポインタ26が光を検出する検出窓DWにマーカ15L・15Rの光がどのように検出されるかに応じて、どのようにポインタの方向が判定されるかを説明するものである。
【0052】
操作入力装置20は、マーカ15L・15Rの光を検出し、ポインタ26の検出窓DW中心からのセンサーバー15の中間点(マーカ15L・15Rの中間地点)のズレ量をX軸・Z軸それぞれについて相対値として出力する。Y座標は、表示画面31と操作入力装置20が一定距離にある場合を基準とした相対値で示すようになっている。
【0053】
例えば、操作検出部101は、DW0のように検出窓DW中心にセンサーバー15中心が一致している場合をY軸方向に垂直なX座標・Z座標がゼロであるものとし、センサーバー15の中心が検出窓DWの中心からのずれ量に応じてセンサーバー15の座標・捻り・距離を測定・出力する。
【0054】
操作入力装置20を左右上下に動かすことによって、ポインタ26の指すXZ座標平面での位置が変更される。例えば、DW1のように、マーカ15L・15Rからの光が検出窓DWの下方に移動した場合には、ポインタ26はセンサーバー15の上方を相対的に指示しており、逆にDW2のように、マーカ15L・15Rからの光が検出窓DWの上方に移動した場合には、ポインタ26はセンサーバー15の下方を相対的に指示していることを意味する。これらはX座標が変化する場合である。また、DW3のように、マーカ15L・15Rからの光が検出窓DWの左方に移動した場合には、ポインタ26はセンサーバー15の右側を相対的に指示しており、逆にDW4のように、マーカ15L・15Rからの光が検出窓DWの右方に移動した場合には、ポインタ26はセンサーバー15の左側を相対的に指示していることを意味する。これらはZ座標が変化する場合である。
【0055】
また操作入力装置20と表示装置30との距離(Y座標)や操作入力装置20の回転も検出可能になっている。図9(a)は、操作入力措置20をセンサーバー15から遠ざけた場合の検出窓DW10に対するマーカの位置変化を示している。図9(b)は、逆に操作入力装置20をセンサーバー15に近づけた場合の検出窓DW11に対するマーカの位置変化を示している。マーカ15L・15Rの間隙は固定値なので、マーカ15Lと15Rとの距離に応じて、センサーバー15、すなわち表示画面31と操作入力装置20との距離(Y座標)を測定することが可能である。
【0056】
図9(c)は、ポインタ26のX座標・Z座標を変更しないまま、操作入力装置20を回転させた場合の検出窓DW12に対するマーカの位置変化を示している。マーカ15L・15Rの回転はそのままポインタ26のY軸周りの回転に対応しているので、操作検出部101は、Y軸周りの回転角を演算することが可能である。
【0057】
以上、センサーバー15と表示装置30の表示画面31の相対位置がある程度正しく設定されていれば、マーカ15Lおよび15Rの検出位置によって、ポインタ26が指し示している表示画面31の位置をほぼ正しく演算可能である。センサーバー15に対する表示画面31の相対位置(すなわち、センサーバー15が表示画面31の上方に配置されているのか下方に配置されているのか等)の設定は、管理メニュー等で設定可能になっている。
【0058】
操作入力装置20のもう一つの動き検出機能は、モーションセンサに関するものである。操作入力装置20は、内部に図示しないモーションセンサを備え、X軸、Y軸、Z軸周りの加速度や重力を検出可能になっている。それぞれの軸に対応して設けられたモーションセンサは、その軸における重力加速度(G)の相対値を出力するようになっている。操作検出部101は、これら3軸の重力加速度の相対値に基づいて操作入力装置20の姿勢や遊技者が操作入力装置20に加えた加速度を演算・検出することが可能になっている。操作入力装置20を遊技者が把持していると、手ぶれが生じるため、好適にはリングバッファリングをして加速度の平均を演算・検出する。
【0059】
例えば、操作入力装置20を水平に保持した場合には、重力のみが作用しているので、X軸モーションセンサ・Y軸モーションセンサで検出される重力加速度はゼロであるのに対し、Z軸モーションセンサで検出される重力加速度は1Gとなる。同様に操作入力装置20を上方に向けて保持した場合には、Y軸モーションセンサで検出される重力加速度が−1Gに、右に90度傾けて保持した場合には、X軸モーションセンサで検出される重力加速度が1Gになる。ポインタ26により座標が検出できない場合でも、これら3軸のモーションセンサの検出する重力加速度の変化に基づいて、操作検出部101は、操作入力装置20の向きや回転を検出可能である。精度のよい動き検出のためには、比較的精度のよいポインタ26による座標等の検出とモーションセンサによる動き検出とを合わせて、操作入力装置20の動きを判定することが好ましい。
【0060】
なお、操作入力装置20自体は、演算能力が無く、短距離無線通信により各センサの検出する相対値を含む動き情報を定期的に出力する。ポインタ26が検出した指示位置に関する相対値を出力する場合には、それがポインタ26に関する値であることを示す情報とともに、X軸座標、Y軸座標、Z軸座標等の定められた順番で定期的に、または、変化を生じた場合にそれら相対値を出力する。また、操作入力装置20は、モーションセンサが検出した加速度に関する相対値を出力する場合には、それがどのモーションセンサの値であるかを示す情報とともに、その相対値を出力するか、またはX軸周り、Y軸周り、Z軸周りのそれぞれの相対値を定められた順序で出力する。
【0061】
(操作検出部101)
操作検出部101は、操作入力装置20から送信された動き情報に含まれるポインタに関する相対値に基づいてポインタ26の指示するX座標・Y座標・Z座標を演算する。X座標、Y座標、Z座標は、表示画面31の解像度に合わせた座標値で演算するようになっている。また、動き情報に含まれるモーションセンサに関する相対値に基づいて、X座標、Y座標、Z座標周りの回転量または加速度を検出するようになっている。
【0062】
操作入力装置20はポインタ26を表示画面31に向けてマーカ15L・15Rが検出窓DWに検出可能である限りその座標の相対値を出力し続ける。ポインタ26が指示している位置をシミュレーション画面60に示すために、後に説明する画像処理部46は、操作検出部101が検出した指示位置をカーソルで遊技機オブジェクトSM上に表示することが好ましい。遊技者が位置指定のためにポインタの指示位置を認識可能とするためである。
【0063】
また、本実施形態では、操作検出部101は、Bボタン21bが押下されている間のポインタ26の指示する座標の一連の変化を、ポインタ26の軌跡として検出する。
【0064】
(命令選択部102)
命令選択部102は、命令記憶部105を参照し、操作検出部101が検出したポインタ26の軌跡に基づいて実行すべき命令を選択する。
(命令実行部103)
命令実行部103は、命令選択部102で選択された命令を実行する。
【0065】
(軌跡表示部106)
軌跡表示部106は、操作検出部101で検出されたポインタ26の軌跡を、画像処理部46を介して表示装置30に表示する。図13は、軌跡表示部106による軌跡表示の例を示す図である。図13の例では、操作者の操作によって、ポインタ26がまず下方向に動かされ、続いて右方向、上方向と移動した場合の軌跡を示している。
【0066】
(命令記憶部105)
命令記憶部105には、ポインタ26の軌跡に対応する命令が記憶されている。図14は、命令記憶部105に記憶されている情報の例を示す図である。図に示すように、命令記憶部105には、操作検出部101で検出された、ポインタ26が描く軌跡に対応する命令が記憶されている。ポインタの軌跡は、ポインタの移動方向の組み合わせによって判定される。
【0067】
(シミュレーション実行部104)
シミュレーション実行部104は、CPU41の制御のもと、外部記録媒体44aに記録されている本発明によるシミュレーションプログラムに基づいてシミュレーションゲームを実行する機能ブロックである。
図6に、シミュレーション実行部104のさらに詳しい機能ブロックを示す。
【0068】
図6において、シミュレーション実行部104は、操作入力装置20から受信する各種の操作信号に応答して、シミュレーションゲームを実行するものであり、コイン処理部71、遊技情報記録部72、フラグ記録部73、抽選実行部74、抽選テーブル75、演出処理部76、停止位置決定部77aを有するリール画像処理部77、図柄列記録部78、遊技結果判定部79、特別遊技処理実行部80を備えている。
【0069】
シミュレーション実行部104が操作入力装置20から「コイン投入」に割り当てられた操作信号(例えば、方向キー22の上下方向の操作でメダルを1枚投入。)を受信すると、その信号はコイン処理部71に送信され、コイン処理部71は、遊技情報記録部72に記録される獲得コイン数を投入されたコイン数だけ減算して更新するとともに、投入されたコイン数が所定の値(例えば3枚)に達している場合には、フラグ記録部73におけるスタートフラグをオンにセットする。
【0070】
抽選実行部74は、上記スタートフラグがオンにセットされている状態で、操作入力装置20から「リールの回転開始」に割り当てられた操作信号(回転信号。例えば、Bボタン21bを2度連続して押下。)をシミュレーション実行部104が受信したことを条件に所定範囲(例えば0〜65535)の乱数を発生させ、抽選テーブル75に規定される乱数の数値と入賞役との対応関係に従って抽選結果(当選の有無及び当選の場合の入賞役の種類)を決定するものである。本実施形態では、成立によりそれぞれ異なる態様の遊技効果(獲得メダル数の増加など)を生じさせる複数種類の入賞役が設定されている。
【0071】
そして、抽選実行部74により決定された抽選結果がいずれかの入賞役の当選である場合には、フラグ記録部73において当選した入賞役に対応する入賞役フラグがオンにセットされ、当選した入賞役に応じた演出画像やリールの停止操作順序についてのインストラクションなどをシミュレーション画面60の液晶ディスプレイ画像63において表示させるために、所定の信号が演出処理部76に送信される。
【0072】
リール画像処理部77は、図柄列記録部78に記録されるデータに基づいて、リールオブジェクト61a〜61cを画像処理部46に描画させるためのデータを生成する。具体的には、リール画像処理部77は、複数のポリゴンにより形成される3つの3次元円筒(リール)の各々の外周表面上に図柄列記録部78から読み込んだ複数種類の図柄のテクスチャ(図柄画像)を貼り付け、所定の仮想視点から仮想的に撮影した画像としてリールオブジェクト61a〜61cを表示するためのデータを生成する。
【0073】
図柄列記録部78には、リールオブジェクト61a〜61cに表示される複数種類(「赤セブン」、「白セブン」、「BAR」、「チェリー」、「カバン」、「ベル」、「リプレイ」等)の図柄のテクスチャデータと、リールオブジェクト61a〜61cへの各テクスチャの貼り付け順序を規定するデータが記録されており、生成されるリールオブジェクト61a〜61cの表面上には、図4に示すように図柄列が表示される。
【0074】
シミュレーション実行部104が操作入力装置20から回転信号を受信した場合には、リール画像処理部77は、リールオブジェクト61a〜61cの回転動作を実行し、その後リールオブジェクトの回転停止に割り当てられた操作信号(停止信号)に応答してリールオブジェクト61a〜61cの停止動作を実行する。
【0075】
回転信号を受信したリール画像処理部77は、リールオブジェクト61a〜61cを所定方向に所定速度で回転させて図柄列を移動させることで回転動作を実行し、他方、停止信号を受信したリール画像処理部77は、停止位置決定部77aにおいて決定される停止図柄が表示されるようにリールオブジェクト61a〜61cの回転を停止させることで停止動作を実行する。上記回転動作及び停止動作において導出されるフレーム時間毎の表示図柄を特定するデータは画像処理部46に送信され、画像処理部46は受信したデータに基づいてシミュレーション画面60上のリールオブジェクト61a〜61cを描画する処理を実行する。
【0076】
本実施形態に係るエンターテイメント装置1では、全てのリールオブジェクト61a〜61cについて停止動作が実行されると、シミュレーション画面60上のリールオブジェクト61a〜61cのそれぞれに3つの図柄が停止図柄として表示され、合計9つの停止図柄の組み合わせにより遊技結果が告知されるようになっている。具体的には、停止図柄として「赤セブン」、「白セブン」、「BAR」、「カバン」、「チェリー」、「リプレイ」などの図柄が所定の有効ライン上に並んだ場合には、それぞれに対応する入賞役が成立したという遊技結果が告知され、それ以外の場合には、はずれという遊技結果が告知される。
【0077】
例えば、図10は、停止動作が実行されたリールオブジェクト61a〜61cの例を示す図であり、同図中の5本の仮想線611a〜611eは有効ラインを示しており、図示の例では、中段の有効ライン611b上に「白セブン」の図柄が3つ並んでおり、操作者は特定の入賞役が成立したことを知ることができる。
【0078】
遊技結果判定部79は、リールオブジェクト61a〜61cについての停止動作が完了したことを条件に動作し、停止表示された9つの停止図柄の配列に基づいていずれかの入賞役が成立したか否かを判断し、成立している場合には、遊技情報記録部72に記録される獲得コイン数を成立した入賞役に応じたコイン数だけ増分して更新する処理を行うとともに、成立した入賞役に応じた演出を液晶ディスプレイオブジェクト62などを用いて実行するために、所定の信号を演出処理部76に送信するものである。成立した入賞役が「BB」(有効ライン上に「赤セブン」又は「白セブン」が並んだときに成立する入賞役)や「RB」(有効ライン上に「BAR」が並んだときに成立する入賞役)などの特別役である場合には、次回以降の所定回数の遊技処理において入賞役の種類や当選確率或いは入賞役の成立時に増分される獲得コイン数が変更された特別遊技処理を実行するために、所定の信号が特別遊技処理実行部80に送信される。
【0079】
リール画像処理部77、演出処理部76において処理された情報は画像処理部46に送信され、画像処理部46はこれらの情報を統合的に処理することにより、図4に示すようなシミュレーション画面60の生成及びその表示装置30上における表示を実行する。
【0080】
(動作の説明)
次に、図11、12のフローチャートを用いて、本実施形態によるゲーム装置の動作を説明する。
【0081】
図11は、シミュレーション装置において操作入力装置20が操作された場合のスイッチ取込ルーチンを示している。
操作入力装置20は、定期的に操作ボタンの操作状態をスキャンしており、いずれかが押下されると、その操作された操作ボタンを所定のスイッチコードとして取り込み、短距離無線で装置本体10の操作入力処理部48に送信する。また、操作入力装置20のポインタ26または何れかのモーションセンサにおける検出値に変化を生ずると、それぞれのセンサに対応する相対値を、操作ボタンと同様に操作入力処理部48に送信する。
【0082】
操作入力処理部48は、操作入力装置20から何からの有効な情報が送信されて来ると、それを所定の入力ポートにラッチして、CPU41に対して割り込み要求を掛ける。割り込み要求が出力されると、図11の送信情報取り込みルーチンが呼ばれる。
【0083】
図11のステップS131において、CPU41は、操作入力処理部48の入力ポートにラッチしている受信情報を内部バッファに取り込む。次いでステップS132に移行し、CPU41はその受信情報が動き情報であるか否かを判定する。操作入力装置20と装置本体10との通信コマンドが複数バイト形式になっている場合には、冒頭のバイトに、データの種類が操作ボタン情報であるか動き情報であるか、また動き情報がポインタの座標に係る相対値情報かモーションセンサの重力加速度に係る相対値情報かを示す判別バイトを含めることができる。
【0084】
ステップS132の判定の結果、動き情報であると判定された場合(YES)、ステップS133においてCPU41は、受信情報を動き情報のためのバッファに格納する。またステップS132の判定の結果、動き情報でないと判定された場合(NO)、操作ボタンに関する情報であると判定し、ステップS134においてCPU41は受信情報を操作入力バッファに格納する。以上の処理で、元の処理に復帰する。
【0085】
なお、操作入力バッファも動きバッファもリングバッファとして構成されており、CPU41は入力された順番に受信情報を書き込み、書き込まれた順番で受信情報を読み出していくことが可能になっている。
【0086】
図12は、本発明によるゲーム装置が実行する、ポインタ26の軌跡を利用した命令実行処理の処理手順を示すフローチャートである。
まず、操作検出部101は、操作入力バッファを参照し、Bボタン21bが押下されたか否かを判定する(ステップS21)。
【0087】
操作検出部101は、ステップS21で、Bボタン21bが押下中と判定された場合(YES)には、動きバッファに記憶されているポインタの相対値情報に基づいて、ポインタの指示する表示画面31に対応した二次元表示空間における座標を検出し、ポインタ26の指示する座標の一連の変化を、ポインタ26の軌跡として検出する。(ステップS22)。
上述したように、操作入力装置20から送信される相対値は、X軸・Z軸については、ポインタ26の示すY軸方向(検出窓DW中心点)と検出窓DWに検出されるセンサーバー15の中間点からのズレ量である。よって、ポインタの示す表示画面31の位置を、当該相対値から二次元表示空間の座標値に変換する。例えば、表示画面31の左上を基準点(0,0)とし、表示画面31の任意位置のx座標およびy座標(x,y)を画面右方向および画面下方向のピクセル数で示すのであれば、位置検出部101は相対値からこのx−y座標値をポインタ位置として算出する。
【0088】
また、軌跡表示部106は、操作検出部101で検出されたポインタ26の軌跡を、画像処理部46を介して表示装置30に表示する。例えば、ポインタ26が下方向、右方向、上方向の順に移動した場合には、図13に示すような、ポインタ26の軌跡を示す矢印が、表示される。軌跡の表示のタイミングは、ポインタ26が1つの方向へ移動したことが判断される度に、その方向への移動を示す軌跡を表示する。例えば、図13の例では、操作検出部101において下方向への移動が判断されたら、図15(a)に示すように下方向の矢印が表示され、続いて右方向への移動が確認されたら、図15(b)に示すように、右方向の軌跡が追加され、さらに上方向への移動が確認されたら、頭15(c)に示すように、上方向の軌跡が描かれる。
【0089】
次に、命令選択部102は、命令記憶部105を参照し、操作検出部101が検出したポインタ26の軌跡に基づいて実行すべき命令を選択する(ステップS23)。例えば、ポインタ26が下方向、右方向、上方向の順に移動した場合には、「メニュー画面へ戻る」という命令が選択される。
【0090】
次に、命令実行部103は、命令選択部102で選択された命令を実行する(ステップS24)。例えば、「メニュー画面へ戻る」という命令が選択された場合には、図3に示すメニュー画面が表示される。命令が実行されると、処理は再びステップS21に戻る。
【0091】
以上のように、本発明によれば、操作者は、ポインタ26が所定の軌跡を描くように操作入力装置20を操作することによって実行する命令を指定できるので、選択項目の移動操作や、階層化されたメニューの呼び出し、ページ移動操作などでも、簡易で時間のかからない操作で行うことが可能となる。特に、操作ボタンの数が少ない操作入力装置20の場合でも、多くのショートカットキーを作ることができるので、操作性が向上する。
【0092】
また、軌跡表示部106によって、ポインタ26の軌跡が表示画面上に表示されるようにしたので、操作者はポインタ26の移動方向を確認しながら操作を行うことができ、誤操作を防止することができる。
【0093】
なお、操作検出部101がポインタ26の移動方向を検出する際に、ポインタ26が1つの方向へ一定距離以上移動した場合に、その方向へ移動したと判断するようにしてもよい。さらに、ポインタ26が1つの方向へ一定以上の速度で移動した場合に、その方向へ移動したと判断するようにしてもよい。これにより、操作者が意図しない操作入力装置20の移動によって、誤った命令が選択されることを防止することができる。
【0094】
また、本実施形態では、操作検出部101は、Bボタン21bが押下されている間のポインタ26の移動を検出するようにしたが、Bボタン21bの押下が一定時間以上継続している場合には、ポインタ26の軌跡の検出を無効にするようにしてもよい。これにより、操作者が意図しない操作によって、誤った命令が選択されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明に係るエンターテイメント装置(シミュレーション装置)の構成図
【図2】本発明に係るシミュレーション装置の電気的ブロック図
【図3】本発明に係るシミュレーション装置のトップ画面表示例
【図4】本発明に係るシミュレーション装置のシミュレーション画面の例
【図5】本発明に係るシミュレーション装置の機能ブロック図
【図6】シミュレーション実行部の詳細な機能ブロック図
【図7】ポインタの操作窓DWとマーカ15L・15Rとの関係図
【図8】ポインタの操作窓DWに対するマーカ位置の各種態様の説明図
【図9】(a)は操作入力装置が遠ざかる場合のマーカ位置の説明図、(b)は操作入力装置が近づく場合のマーカ位置の説明図、(c)は操作入力装置を捻る場合のマーカ位置の説明図
【図10】停止動作が実行されたリールオブジェクトの例を示す図
【図11】送信情報取り込み処理を示すフローチャート
【図12】本発明に係るゲーム装置の、ポインタの軌跡を利用した命令実行処理の処理手順を示すフローチャート
【図13】軌跡表示部による軌跡表示の例を示す図
【図14】命令記憶部に記憶されている情報の例を示す図。
【図15】軌跡表示部による軌跡表示の方法を説明する図
【符号の説明】
【0096】
SM 遊技機オブジェクト、SP1〜SP3 停止ボタンオブジェクト、1 エンターテイメント装置(シミュレーション装置)、10 装置本体、15L,15R マーカ、20 操作入力装置、30 表示装置、41 CPU、42 ROM、43 RAM、43a ゲームプログラム記録領域、43b ゲーム進行データ記録領域、44 第1の外部記録媒体ドライブ、44a 第1の外部記録媒体(DVD−ROM等)、45 第2の外部記録媒体ドライブ、45a 第2の外部記録媒体、46 画像処理部、46a 画像デコーダ、46b GPU、46c フレームバッファ、46d ディスプレイコントローラ、47 音声処理部、48 操作入力処理部、48a 無線受信アンテナ、60 シミュレーション画面、61a〜61c リールオブジェクト、62 液晶ディスプレイオブジェクト、71 コイン処理部、72 遊技情報記録部、73 フラグ記録部、74 抽選実行部、75 抽選テーブル、76 演出処理部、77 リール画像処理部、77a 停止位置決定部、78 図柄列記録部、79 遊技結果判定部、80 特別遊技処理実行部、101 操作検出部、102 命令選択部、103 命令実行部、104 シミュレーション実行部、105 命令記憶部、106 軌跡表示部、107 メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面上の位置をポインタにより指示することが可能な操作入力装置と、
前記操作入力装置が移動することにより形成される、前記ポインタの軌跡を検出する操作検出部と、
前記軌跡に基づいて、実行する命令を選択する命令選択部と、
前記選択された命令を実行する命令実行部と、を備えたゲーム装置。
【請求項2】
前記操作検出部は、前記操作入力装置に対して所定の操作が加えられている間に形成された軌跡のみを検出し、
前記命令選択部は、前記所定の操作が終了された時に、実行する命令を選択することを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記所定の操作は、所定のボタンの押下であることを特徴とする請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記操作検出部は、前記所定の操作が一定時間以上継続している場合には、前記ポインタの軌跡を検出しないことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記軌跡を表示する軌跡表示部を備えたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記操作検出部は、前記ポインタが1つの方向へ一定距離以上移動した場合に、その方向への移動を検出することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記操作検出部は、前記ポインタが1つの方向へ一定以上の速度で移動した場合に、その方向への移動を検出することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項8】
コンピュータに、
表示画面上の位置をポインタにより指示することが可能な操作入力装置が移動することにより形成される、前記ポインタの軌跡を検出する機能と、
前記軌跡に基づいて、実行する命令を選択する機能と、
前記選択された命令を実行する機能と、を実行させるゲームプログラム。
【請求項9】
表示画面上の位置をポインタにより指示することが可能な操作入力装置が移動することにより形成される、前記ポインタの軌跡を検出する操作検出工程と、
前記軌跡に基づいて、実行する命令を選択する命令選択工程と、
前記選択された命令を実行する命令実行工程とを備えたゲーム装置の命令実行方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−245829(P2008−245829A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−89595(P2007−89595)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】