説明

ゲーム装置、ゲーム処理方法、ならびに、プログラム

【課題】継続的にゲームに参加するようにプレイヤーを導く。
【解決手段】複数のプレイヤーが組み合わされるゲームを実行するゲーム装置200において、履歴記憶部201には、各プレイヤーのゲーム履歴を表す履歴情報251が記憶される。計算部202は、履歴情報251に基づいて、各プレイヤーの優良度パラメータを計算する。決定部203は、ゲームに参加するプレイヤーのうち、計算された優良度パラメータが大きいプレイヤーと、小さいプレイヤーとを、優先的に組み合わせる。履歴更新部204は、組み合わせ結果に基づいて履歴情報251を更新し、また、ゲーム結果に基づいて履歴情報251を更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、継続的にゲームに参加するようにプレイヤーを導くために好適なゲーム装置、ゲーム処理方法、ならびに、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のプレイヤーが対戦するゲームや、複数のプレイヤーがパーティーを組んで各プレイヤーが役割を演じるゲームが知られている。このようなゲームでは、あるプレイヤーがゲームにエントリーすると、対戦相手のプレイヤーやパーティー仲間のプレイヤーが決定される。プレイヤーの組み合わせによってはゲームバランスが大きく崩れてしまう可能性があるため、どのプレイヤー同士を組み合わせるかということは、とても重要なファクターであり、様々な工夫がなされている。例えば特許文献1には、プレイヤーの不正履歴情報を保存し、不正履歴のあるプレイヤー同士を組み合わせるゲームシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−296769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、複数のプレイヤーを組み合わせるゲームでは、例えば1人のプレイヤーがゲームを勝手に放棄したり他人に迷惑をかけるプレイをしたりすると、対戦相手やパーティーの仲間に迷惑をかけることになる。迷惑プレイによって被害を被ったプレイヤーは、ゲームへの意欲や興味を無くしてしまう恐れがある。更には、被害を被ったプレイヤーがゲームへの参加をやめてしまい、続けてゲームをしてくれるプレイヤーが増えない、あるいはゲームへの参加者が減ってしまうことがある。特にゲームを始めたばかりの初心者が迷惑プレイに遭遇すると、つまらないゲームであると誤解させてしまい、続けてゲームをプレイしてくれないことが多い。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するものであり、継続的にゲームに参加するようにプレイヤーを導くために好適なゲーム装置、ゲーム処理方法、ならびに、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の目的を達成するため、本発明の原理にしたがって、下記の発明を開示する。
【0007】
本発明の第1の観点に係るゲーム装置は、履歴記憶部、計算部、決定部、履歴更新部を備える。
履歴記憶部は、ゲームをプレイする複数のプレイヤーのそれぞれのゲーム履歴を記憶する。
計算部は、履歴記憶部に記憶されるゲーム履歴に基づいて、複数のプレイヤーのそれぞれのゲームに対する優良度を表すパラメータを計算する。
決定部は、計算部により計算されたパラメータに基づいて、ゲームをプレイしようとするプレイヤー同士の組み合わせを決定する。
履歴更新部は、決定部により決定されたプレイヤー同士を組み合わせた結果を、履歴記憶部に記憶されるゲーム履歴に追加する。
そして、決定部は、ゲームをプレイしようとするプレイヤーのうち、計算されたパラメータが上位のプレイヤーと、計算されたパラメータが下位のプレイヤーとを、優先して組み合わせる。
【0008】
本発明のゲーム装置にて実行されるゲームには複数のプレイヤーが参加し、複数のプレイヤーが同じゲームをする。例えば、ゲームは、仮想空間において2人のプレイヤーが対戦する格闘ゲームや野球ゲームなどである。また、麻雀ゲームのように3人以上のプレイヤーが対戦できるゲームでもよい。更には、対戦ゲームに限らず、複数のプレイヤーがチームやパーティーを組んで一緒に敵と戦ったり役割を演じたりするロールプレイングゲームなどでもよい。
【0009】
ゲーム装置は、複数のプレイヤーからゲームに参加する要求を受け付け、受け付けたプレイヤー同士を組み合わせ、ゲームを進行させる。例えば2人で対戦する格闘ゲームの場合、ゲーム装置は、受け付けたプレイヤーの中から2人を抽出し、対戦させる。
【0010】
ゲームに参加するプレイヤーには、過去に何度か参加したことのある経験者のほか、初めて参加する初心者も含まれる。また、過去に参加したことのある経験者の中にも、他人に迷惑をかけるプレイ(迷惑プレイ)をしたことのない優良なプレイヤーもいれば、過去に迷惑プレイをしたことのあるプレイヤー、迷惑プレイをされたことのあるプレイヤーもいる。
【0011】
本発明では、プレイヤーの組み合わせは、プレイヤーの過去のゲーム履歴に基づいて計算される優良度パラメータを用いて決定される。優良度とは、ゲームに対する愛着、こだわり、慣れなどの度合いを推定する目安である。初めてゲームをするプレイヤーの優良度パラメータの初期値は、例えばゼロに設定される。優良度パラメータは、例えばプレイヤーがゲームに参加した回数、迷惑プレイをした回数、迷惑プレイをされた回数などに応じて変化する。優良度パラメータの値が大きいほど、ゲームに対する愛着、こだわり、慣れなどの度合いが高い“ベテラン”であり、迷惑プレイをすることは少ないと推測される。一方、優良度パラメータがゼロに近いプレイヤーは、初心者であると推測される。
【0012】
ゲーム装置は、ゲームに参加する要求を受け付けると、受け付けたプレイヤーのうち優良度パラメータが上位のグループに属するプレイヤーと下位のグループに属するプレイヤーとを優先的に組み合わせる。優良度パラメータが上位のグループには、ゲームに対する愛着、こだわり、慣れなどの度合いが高いベテランが多く含まれる。優良度パラメータが下位のグループには、初心者が多く含まれる。従って、初心者は、優良な経験者が多いと推測されるベテランと組み合わされやすくなる。初心者は、ゲームの進め方やコマンドの使い方などを理解できていないことが多い。しかし、優良なプレイヤーと一緒にゲームをしたり優良なプレイヤーのプレイを見たりすることにより、初心者はゲーム内容を正しく理解しゲームへの意欲が増すようになる。本発明によれば、継続的にゲームに参加するようにプレイヤーを導くことができるようになる。
【0013】
決定部は、優先して組み合わせるプレイヤー数の、ゲームをプレイしようとするプレイヤー数に対する割合を、ほぼ一定としてもよい。
【0014】
すなわち、ゲーム装置は、参加を受け付けたすべてのプレイヤーを優良度パラメータに基づいて組み合わせることもできるが、参加を受け付けたすべてのプレイヤーのうち所定の割合のプレイヤーを優良度パラメータに基づいて組み合わせ、残りのプレイヤーは他の手法により組み合わせてもよい。例えば、優良度パラメータが下位のプレイヤーには、上述のように初心者が多く含まれることが予想される。一方で、全参加者に対する初心者の割合は、あまり大きく変動しないことも予想される。そこで、全参加者に対する、優先して組み合わせるプレイヤーの割合を、予め決めておくのである。本発明によれば、組み合わせパターンを多様化しつつ、初心者が優良な経験者が多いと推測されるベテランと組み合わされやすくなる。ゲーム装置は、特に初心者を継続的にゲームに参加するように導くことができるようになる。
【0015】
ゲーム履歴には、当該プレイヤーのゲーム回数が含まれてもよい。
そして、計算部は、当該ゲーム回数が多いほど当該パラメータが大きくなるように計算してもよい。
【0016】
つまり、優良度パラメータは、ゲーム回数が多いほど大きくなる。優良度パラメータが下位の初心者は、優良度パラメータが上位のベテランと組み合わされやすくなる。もし、初心者同士を組み合わせると、コマンドの出し方などをあまり理解できていない者同士が組み合わされることになり、ゲームの進行に支障が生じたりゲームの面白さに欠けたりする可能性が高くなる。しかし、本発明によれば、初心者は、ベテランと一緒にゲームをしたりベテランのプレイを見たりすることにより、ゲーム内容を正しく理解しゲームへの意欲が増すようになる。ゲーム装置は、特に初心者を継続的にゲームに参加するように導くことができるようになる。
【0017】
ゲーム履歴には、当該プレイヤーが行うゲームが、当該プレイヤーと組み合わされた他のプレイヤーによって不正に終了された被害回数と、当該プレイヤーが行うゲームが、当該プレイヤーによって不正に終了した加害回数と、が含まれていてもよい。
そして、計算部は、当該被害回数が多いほどパラメータが大きくなり、当該加害回数が多いほどパラメータが小さくなるように計算してもよい。
【0018】
つまり、優良度パラメータは、被害回数が多いほど大きくなり、加害回数が多いほど小さくなる。優良度パラメータが上位のプレイヤーには、加害回数が少なく優良なプレイヤーや、被害回数が多く迷惑プレイに対する許容度が大きいベテランプレイヤーが多く含まれる。もし、初心者同士を組み合わせると、コマンドの出し方などをあまり理解できていない者同士が組み合わされることになり、ゲームの進行に支障が生じたりゲームの面白さに欠けたりする可能性が高くなる。しかし、本発明によれば、初心者は、ベテランと一緒にゲームをしたりベテランのプレイを見たりすることにより、ゲーム内容を正しく理解しゲームへの意欲が増すようになる。ゲーム装置は、特に初心者を継続的にゲームに参加するように導くことができるようになる。
【0019】
本発明のその他の観点に係るゲーム処理方法は、履歴記憶部、計算部、決定部、履歴更新部を有するゲーム装置にて実行されるゲーム処理方法であって、計算ステップ、決定ステップ、履歴更新ステップを備える。
履歴記憶部には、ゲームをプレイする複数のプレイヤーのそれぞれのゲーム履歴が記憶される。
計算ステップでは、計算部が、履歴記憶部に記憶されるゲーム履歴に基づいて、複数のプレイヤーのそれぞれのゲームに対する優良度を表すパラメータを計算する。
決定ステップでは、決定部が、計算ステップで計算されたパラメータに基づいて、ゲームをプレイしようとするプレイヤー同士の組み合わせを決定する。
履歴更新ステップでは、履歴更新部が、決定ステップで決定されたプレイヤー同士を組み合わせた結果を、履歴記憶部に記憶されるゲーム履歴に追加する。
そして、決定ステップでは、決定部が、ゲームをプレイしようとするプレイヤーのうち、計算されたパラメータが上位のプレイヤーと、計算されたパラメータが下位のプレイヤーとを、優先して組み合わせる。
【0020】
本発明によれば、継続的にゲームに参加するようにプレイヤーを導くことができるようになる。
【0021】
本発明のその他の観点に係るプログラムは、コンピュータを、履歴記憶部、計算部、決定部、履歴更新部として機能させる。
履歴記憶部は、ゲームをプレイする複数のプレイヤーのそれぞれのゲーム履歴を記憶する。
計算部は、履歴記憶部に記憶されるゲーム履歴に基づいて、複数のプレイヤーのそれぞれのゲームに対する優良度を表すパラメータを計算する。
決定部は、計算部により計算されたパラメータに基づいて、ゲームをプレイしようとするプレイヤー同士の組み合わせを決定する。
履歴更新部は、決定部により決定されたプレイヤー同士を組み合わせた結果を、履歴記憶部に記憶されるゲーム履歴に追加する。
そして、決定部は、ゲームをプレイしようとするプレイヤーのうち、計算されたパラメータが上位のプレイヤーと、計算されたパラメータが下位のプレイヤーとを、優先して組み合わせる。
【0022】
本発明によれば、コンピュータを上述のように動作するゲーム装置として機能させることができ、継続的にゲームに参加するようにプレイヤーを導くことができるようになる。
また、本発明のプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記憶媒体に記録することができる。
上記プログラムは、プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記憶媒体は、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、継続的にゲームに参加するようにプレイヤーを導くために好適なゲーム装置、ゲーム処理方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明のゲーム装置が実現される典型的な情報処理装置の概要構成を示す図である。
【図2】ゲーム装置の機能的な構成を説明するための図である。
【図3】履歴情報の構成例を示す情報である。
【図4】(a)〜(c)は、プレイヤーの組み合わせを決定する処理を説明するための図である。
【図5】プレイヤーの組み合わせを決定する処理を説明するための図である。
【図6】組み合わせ決定処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】実施形態2において、ゲーム装置を含むゲームシステムの構成を説明するための図である。
【図8】実施形態2において、組み合わせ決定処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(実施形態1)
本発明の実施形態を説明する。以下では、理解を容易にするため、ゲーム用の情報処理装置を利用して本発明が実現される実施形態を説明するが、以下の実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0026】
図1は、プログラムを実行することにより、本発明のゲーム装置の機能を果たす典型的な情報処理装置100の概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照して説明する。
【0027】
情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、インターフェース104と、コントローラ105と、外部メモリ106と、DVD−ROM(Digital Versatile Disk - Read Only Memory)ドライブ107と、画像処理部108と、音声処理部109と、NIC(Network Interface Card)110と、を備える。
【0028】
ゲーム用のプログラムおよびデータを記憶したDVD−ROMをDVD−ROMドライブ107に装着して、情報処理装置100の電源を投入することにより、当該プログラムが実行され、本実施形態のゲーム装置が実現される。
【0029】
CPU 101は、情報処理装置100全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。また、CPU 101は、レジスタ(図示せず)という高速アクセスが可能な記憶域に対してALU(Arithmetic Logic Unit)(図示せず)を用いて加減乗除等の算術演算や、論理和、論理積、論理否定等の論理演算、ビット和、ビット積、ビット反転、ビットシフト、ビット回転等のビット演算などを行うことができる。さらに、マルチメディア処理対応のための加減乗除等の飽和演算や、三角関数等、ベクトル演算などを高速に行えるように、CPU 101自身が構成されているものや、コプロセッサを備えて実現するものがある。
【0030】
ROM 102には、電源投入直後に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記録され、これが実行されることにより、DVD−ROMに記録されたプログラムをRAM 103に読み出してCPU 101による実行が開始される。また、ROM 102には、情報処理装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムや各種のデータが記録される。
【0031】
RAM 103は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、DVD−ROMから読み出したプログラムやデータ、その他ゲームの進行やチャット通信に必要なデータが保持される。また、CPU 101は、RAM 103に変数領域を設け、当該変数に格納された値に対して直接ALUを作用させて演算を行ったり、RAM 103に格納された値を一旦レジスタに格納してからレジスタに対して演算を行い、演算結果をメモリに書き戻す、などの処理を行う。
【0032】
インターフェース104を介して接続されたコントローラ105は、プレイヤーがダンスゲームやサッカーゲームなどのゲームの実行の際に行う操作入力を受け付ける。インターフェース104には、複数のコントローラ105が接続されていてもよい。
【0033】
インターフェース104を介して着脱自在に接続された外部メモリ106には、ゲームのプレイ状況(過去の成績等)を示すデータ、ゲームの進行状態を示すデータ、ネットワークを用いたゲームのチャット通信のログ(記録)のデータなどが書き換え可能に記憶される。プレイヤーは、コントローラ105を介して操作入力を行うことにより、これらのデータを適宜外部メモリ106に記録することができる。
【0034】
DVD−ROMドライブ107に装着されるDVD−ROMには、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データが記録される。CPU 101の制御によって、DVD−ROMドライブ107は、これに装着されたDVD−ROMに対する読み出し処理を行って、必要なプログラムやデータを読み出し、これらはRAM 103等に一時的に記憶される。
【0035】
画像処理部108は、DVD−ROMから読み出されたデータをCPU 101や画像処理部108が備える画像演算プロセッサ(図示せず)によって加工処理した後、これを画像処理部108が備えるフレームメモリ(図示せず)に記録する。フレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され画像処理部108に接続されるモニター(図示せず)へ出力される。これにより、各種の画像表示が可能となる。
【0036】
画像演算プロセッサは、2次元の画像の重ね合わせ演算やαブレンディング等の透過演算、各種の飽和演算を高速に実行できる。
【0037】
また、仮想3次元空間に配置され、各種のテクスチャ情報が付加されたポリゴン情報を、Zバッファ法によりレンダリングして、所定の視点位置から仮想3次元空間に配置されたポリゴンを所定の視線の方向へ俯瞰したレンダリング画像を得る演算の高速実行も可能である。
【0038】
さらに、CPU 101と画像演算プロセッサが協調動作することにより、文字の形状を定義するフォント情報にしたがって、文字列を2次元画像としてフレームメモリへ描画したり、各ポリゴン表面へ描画することが可能である。
【0039】
また、ゲームの画像などの情報をDVD−ROMに用意しておき、これをフレームメモリに展開することによって、ゲームの様子などを画面に表示することができるようになる。
【0040】
音声処理部109は、DVD−ROMから読み出した音声データをアナログ音声信号に変換し、これに接続されたスピーカー(図示せず)から出力させる。また、CPU 101の制御の下、ゲームの進行の中で発生させるべき効果音や楽曲データを生成し、これに対応した音声をスピーカーから出力させる。
【0041】
音声処理部109では、DVD−ROMに記録された音声データがMIDIデータである場合には、これが有する音源データを参照して、MIDIデータをPCMデータに変換する。また、ADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)形式やOgg Vorbis形式等の圧縮済音声データである場合には、これを展開してPCMデータに変換する。PCMデータは、そのサンプリング周波数に応じたタイミングでD/A(Digital/Analog)変換を行って、スピーカーに出力することにより、音声出力が可能となる。
【0042】
NIC 110は、情報処理装置100をインターネット等のコンピュータ通信網(図示せず)に接続するためのものであり、LAN(Local Area Network)を構成する際に用いられる10BASE−T/100BASE−T規格にしたがうものや、電話回線を用いてインターネットに接続するためのアナログモデム、ISDN(Integrated Services Digital Network)モデム、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネットに接続するためのケーブルモデム等と、これらとCPU 101との仲立ちを行うインターフェース(図示せず)により構成される。
【0043】
このほか、情報処理装置100は、ハードディスク等の大容量外部記憶装置を用いて、ROM 102、RAM 103、外部メモリ106、DVD−ROMドライブ107に装着されるDVD−ROM等と同じ機能を果たすように構成してもよい。
【0044】
次に、本実施形態のゲーム装置200が行う処理について説明する。本発明のゲーム装置200において実行されるゲームは、例えば対戦格闘ゲーム、対戦野球ゲーム、複数のプレイヤーキャラクターがチームを組んで敵と戦うロールプレイングゲームなどのように、同じゲームに複数のプレイヤーが参加できる、仮想空間内におけるゲームである。以下の説明では、本実施形態のゲーム装置200は、2人のプレイヤーが対戦するゲームを実行するものとする。
【0045】
図2は、本実施形態のゲーム装置200の機能的な構成を説明するための図である。ゲーム装置200は、履歴記憶部201、計算部202、決定部203、履歴更新部204を備える。
【0046】
履歴記憶部201は、ゲームをプレイする複数のプレイヤーのそれぞれのゲーム履歴を示す履歴情報251を記憶する。履歴情報251は外部メモリ106に記憶される。CPU 101と外部メモリ106が協働して履歴記憶部201として機能する。
【0047】
図3は、履歴情報251の構成例を示す図である。履歴情報251は、ゲーム装置200にて実行されるゲームに予め登録しているプレイヤーのゲーム履歴が格納される。履歴情報251には、例えば、プレイヤーの対戦回数(ゲームをプレイした回数)と、他のプレイヤーによる迷惑行為を受けた回数(以下「被害回数」という。)と、プレイヤー自身が迷惑行為をした回数(以下「加害回数」という。)とが記憶される。
【0048】
プレイヤーの対戦回数は、プレイヤーが過去にゲームをプレイした回数である。CPU 101は、プレイヤーからゲームへのエントリーを受け付けると、後述する組み合わせ決定処理により対戦相手を決定し、ゲームを進行させる。そして、CPU 101は、エントリーを受け付け、対戦相手が決まったプレイヤーの対戦回数をインクリメントする。
【0049】
例えば、被害回数は、ゲーム開始後、対戦相手によってゲームが不正終了した回数である。また、加害回数は、ゲーム開始後、プレイヤー自身によってゲームが不正終了した回数である。不正終了とは、複数のプレイヤーのうちのいずれかのプレイヤーが、ゲーム終了の正式な手続きを経ないままゲームを終わらせることである。例えば、プレイヤーP1とプレイヤーP2とが対戦するネットワークゲームを開始した後、プレイヤーP1がネットワークを切断することによりゲームが不正終了すると、CPU 101は、プレイヤーP1が加害者、プレイヤーP2が被害者とみなし、プレイヤーP1に対応する加害回数をインクリメントし、プレイヤーP2に対応する被害回数をインクリメントする。なお、CPU 101は、ネットワーク切断が故意か過失かに関わらず不正終了とみなす。
【0050】
ゲームの不正終了は、ゲーム進行中におけるネットワーク切断だけに限られない。例えば、プレイヤーP1から所定時間以上コマンド入力がない場合、CPU 101は、タイムアウトと判断し、プレイヤーP1による不正終了とみなすことができる。
【0051】
また、被害回数は、対戦相手によってゲームが不正終了した回数に限られない。更に、加害回数は、プレイヤー自身によってゲームが不正終了した回数に限られない。すなわち、CPU 101は、ゲームを進行する上で、あるプレイヤーが対戦相手に迷惑をかけるプレイをしたと判別すると、迷惑プレイをした側に対応する加害回数をインクリメントし、迷惑プレイをされた側に対応する被害回数をインクリメントしてもよい。例えば、対戦野球ゲームにおいて、プレイヤーが故意にデッドボールを繰り返してゲーム進行に支障をきたしたり、何度も牽制球を投げてゲーム進行を遅延させたりする行為は、迷惑プレイの典型例である。
【0052】
次に、計算部202は、履歴記憶部201に記憶される履歴情報251に基づいて、各プレイヤーのゲームに対する優良度を表すパラメータ(以下「優良度パラメータ」という。)を計算する。CPU 101が計算部202として機能する。
【0053】
優良度パラメータが大きいプレイヤーほど、ゲームに対する好感度が高く、“ベテラン”プレイヤーに近づくと推定される。ベテランプレイヤーとは、例えば、ゲームに対する愛着、こだわり、慣れなどの度合いが他のプレイヤーより相対的に高いプレイヤーであり、あるいは、何度もゲームをプレイしていて操作の仕方やゲームの進め方などを十分に習得しているプレイヤーのことである。また、ゲームのプレイ回数が所定値以上であるプレイヤーをベテランプレイヤーとみなしてもよい。プレイヤーは、ベテランの度合いが高いほど、他人に迷惑行為をしない傾向にあると言える。
【0054】
CPU 101は、具体的には、対戦回数が多いほど大きくなるように優良度パラメータを計算する。例えば、図3において、プレイヤーP2の被害回数と加害回数は、プレイヤーP3の被害回数と加害回数と同じであるが、プレイヤーP3の対戦回数はプレイヤーP2の対戦回数よりも多い。したがって、プレイヤーP3の優良度パラメータは、プレイヤーP2の優良度パラメータよりも大きくなる。
【0055】
対戦回数が少ないプレイヤーは、いわゆる“初心者”プレイヤーである。初心者プレイヤーは、将来優良なプレイヤーになるのか悪質なプレイヤーになるのか、不明である。一方、対戦回数が多いプレイヤーは、このゲームへのこだわり、思い入れ、愛着の度合い(好感度)が比較的大きいと推測され、より“ベテラン”の度合いが大きいプレイヤーである。
【0056】
また、CPU 101は、加害回数が多いほど小さくなるように優良度パラメータを計算する。例えば、図3において、プレイヤーP4の対戦回数と被害回数は、プレイヤーP5の対戦回数と被害回数と同じであるが、プレイヤーP5の加害回数はプレイヤーP4の加害回数よりも多い。したがって、プレイヤーP5の優良度パラメータは、プレイヤーP4の優良度パラメータよりも小さくなる。
【0057】
加害回数が少ないプレイヤーほど、より模範的でありゲームに相応しいプレイヤーである。一方、加害回数が多いプレイヤーほど、より悪質でありゲームに相応しくないプレイヤーである。対戦回数が多く且つ加害回数が少ないプレイヤーは優良プレイヤーである。
【0058】
また、CPU 101は、被害回数が多いほど大きくなるように優良度パラメータを計算する。例えば、図3において、プレイヤーP6の対戦回数と加害回数は、プレイヤーP7の対戦回数と加害回数と同じであるが、プレイヤーP7の被害回数はプレイヤーP6の被害回数よりも多い。したがって、プレイヤーP7の優良度パラメータは、プレイヤーP6の優良度パラメータよりも大きくなる。
【0059】
対戦回数が増えるほど迷惑プレイに遭遇する回数も増えると予想される。被害回数が多いプレイヤーは相対的に悪意の度合いが低いプレイヤーである。対戦回数が多く且つ被害回数が多いプレイヤーは、迷惑に対する許容度が比較的大きく打たれ強いと推測され、“ベテラン”の度合いが大きいプレイヤーである。
【0060】
優良度パラメータは、ゼロ以上の値をとるものとし、対戦回数がゼロのプレイヤー(初めてゲームをするプレイヤー)の優良度パラメータはゼロであるものとする。
【0061】
本実施形態では、優良度パラメータは、対戦回数xと被害回数yと加害回数zを変数とする関数f(x,y,z)で定義される。
【0062】
ただし、優良度パラメータは、少なくとも対戦回数xと被害回数yと加害回数zのいずれか1つ以上を変数とする任意の関数で定義されてもよい。
【0063】
CPU 101は、計算した優良度パラメータの値をプレイヤーと対応付けて外部メモリ106等に記憶させてもよい。CPU 101は、対戦回数と被害回数と加害回数と優良度パラメータとを対応付けて履歴情報251に記憶させてもよい。
【0064】
本発明で言う優良度とは、実際にプレイヤーがゲームをプレイした結果に基づいて計算されるものである。例えば、“このゲームプロデューサーが作るゲームはどんなゲームでも好感がもてる”、“前作が面白かったから次作も面白いはずだ”などといった、ゲームを一度もやらない状態でのプレイヤーの先入観は、優良度パラメータに影響しない。
【0065】
次に、決定部203は、計算部202により計算される優良度パラメータに基づいて、ゲームをプレイしようとするプレイヤー同士の組み合わせを決定する。CPU 101が決定部203として機能する。
【0066】
具体的には、CPU 101は、ゲームをプレイしようとするプレイヤー(ゲームにエントリーしているプレイヤー)のうち、計算された優良度パラメータが上位のプレイヤーと、計算された優良度パラメータが下位のプレイヤーとを優先して、組み合わせる。
【0067】
もし、初心者同士を組み合わせると、コマンドの出し方などをあまり理解できていない者同士が組み合わされることになり、ゲームの進行に支障が生じたりゲームの面白さに欠けたりする可能性が高くなる。そこで、優良度パラメータが下位の初心者と、優良度パラメータが上位の経験者とを組み合わせる。
【0068】
CPU 101は、例えば図4(a)に示すように、優良度パラメータが大きい順にプレイヤーを並び替える。そして、CPU 101は、ゲームにエントリーしてきたプレイヤーであって優良度パラメータが上位のプレイヤーと、ゲームにエントリーしてきたプレイヤーであって優良度パラメータが下位のプレイヤーとを優先して、組み合わせる。
【0069】
例えば図4(a)において、プレイヤーP1,P3,P4,P7がエントリーしてきた場合、CPU 101は、優良度パラメータが最も小さいプレイヤーP1と、優良度パラメータが最も大きいプレイヤーP7とを組み合わせる。また、CPU 101は、優良度パラメータが2番目に小さいプレイヤーP4と、優良度パラメータが2番目に大きいプレイヤーP3とを組み合わせる。
【0070】
ただし、CPU 101は、図4(b)に示すように、プレイヤー同士を組み合わせたときの優良度パラメータの順位差のばらつきが最小となるように、プレイヤーを組み合わせてもよい。例えば図4(b)では、最も順位が高いプレイヤーP7と、組み合わされるプレイヤーP4と、の順位差は4である。同様に、最も順位が低いプレイヤーP1と、組み合わされるプレイヤーP3と、の順位差も4である。順位差のばらつきはゼロである。
【0071】
また、CPU 101は、図4(c)に示すように、優良度パラメータが近いプレイヤー同士を組み合わせてもよい。
【0072】
CPU 101は、ゲームにエントリーしているすべてのプレイヤーを、優良度パラメータに基づいて組み合わせることができる。しかし、ゲームにエントリーしたすべてのプレイヤーを優良度パラメータに基づいて組み合わせることとすると、組み合わせ決定処理に時間がかかってしまう可能性がある。そこで、CPU 101は、ゲームにエントリーしているすべてのプレイヤーの数のうち所定の割合のプレイヤーを、優良度パラメータに基づいて組み合わせてもよい。すなわち、CPU 101は、優良度パラメータを用いて優先して組み合わせるプレイヤー数の、ゲームにエントリーしたプレイヤーの数に対する割合がほぼ一定となるように、プレイヤーを組み合わせてもよい。
【0073】
図5は、N人(Nは2以上の整数)のプレイヤーがゲームにエントリーしているとき、優良度パラメータに基づいてプレイヤー同士を組み合わせる処理を説明するための図である。CPU 101は、ゲームにエントリーしているすべてのプレイヤーを、優良度パラメータが大きい順に並び替える。
【0074】
CPU 101は、N人のプレイヤーのうちのX%に相当する[2×M]人のプレイヤーを、優良度パラメータに基づいて優先的に組み合わせる。Xは0より大きく100以下である。CPU 101は、N人のプレイヤーを、優良度パラメータが上位のM人のプレイヤーから構成される上位グループ510と、優良度パラメータが下位のM人のプレイヤーから構成される下位グループ520と、その他のプレイヤーから構成されるグループ(その他のグループ)530とに分ける。そして、CPU 101は、上位グループ510に属するM人のプレイヤーと下位グループ520に属するM人のプレイヤーとを優先的に組み合わせる。
【0075】
あるいは、CPU 101は、N人のプレイヤーのうちのX%に相当する[2×M]人を、優先的に組み合わせるプレイヤー数の上限値としてもよい。すなわち、CPU 101は、上位グループ510に属するM人のプレイヤーのうちのL人(LはM以下の自然数)と、下位グループ520に属するL人のプレイヤーとを優先的に組み合わせてもよい。
【0076】
あるいは、CPU 101は、ゲームにエントリーしているすべてのプレイヤーのうち所定数のプレイヤーを、優良度パラメータに基づいて組み合わせてもよい。
【0077】
例えば、CPU 101は、上位グループ510と下位グループ520からそれぞれランダムに1人ずつプレイヤーを抽出し、抽出したプレイヤー同士を組み合わせる。この結果、M組の組み合わせが決定される。
【0078】
例えば、CPU 101は、上位グループ510に属するプレイヤーのうち優良度パラメータが最大のプレイヤーと、下位グループ520に属するプレイヤーのうち優良度パラメータが最小のプレイヤーとを抽出し、抽出したプレイヤー同士を組み合わせる。また、上位グループ510に属するプレイヤーのうち優良度パラメータが2番目に大きいプレイヤーと、下位グループ520に属するプレイヤーのうち優良度パラメータが2番目に小さいプレイヤーとを抽出し、抽出したプレイヤー同士を組み合わせる。同様にして他の組み合わせを決定し、結果的にM組の組み合わせが決定される。
【0079】
なお、CPU 101は、その他のグループ530に属する[N−2×M]人のプレイヤー同士を、ランダムに組み合わせる。
【0080】
次に、履歴更新部204は、決定部203により決定されたプレイヤー同士を組み合わせた結果を履歴情報251に追加する。また、履歴更新部204は、ゲーム結果に基づいて履歴情報251を更新する。CPU 101と外部メモリ106が協働して履歴更新部204として機能する。
【0081】
つまり、CPU 101は、プレイヤー同士の組み合わせを決定すると、それぞれのプレイヤーの対戦回数をインクリメントする。また、CPU 101は、ゲーム開始後、いずれかのプレイヤーが迷惑プレイをしたと判別すると、迷惑プレイをしたプレイヤーの加害回数をインクリメントし、迷惑プレイをされたプレイヤーの被害回数をインクリメントする。
【0082】
例えば2人のプレイヤーが対戦する格闘ゲームにおいて、どちらかのプレイヤーが迷惑プレイをすると、迷惑プレイをしたプレイヤーの加害回数と、迷惑プレイをされたプレイヤーの被害回数とがそれぞれ1ずつ増加する。2人のプレイヤーが組み合わされるゲームにおいては、加害回数の全プレイヤーの全増加量と被害回数の全プレイヤーの全増加量は同じである。
【0083】
例えば3人のプレイヤーがパーティを組んで敵と戦うロールプレイングゲームにおいて、いずれか1人のプレイヤーが迷惑プレイをすると、迷惑プレイをしたプレイヤーの加害回数と、迷惑プレイをされた残り2人のプレイヤーの被害回数とがそれぞれ1ずつ増加する。3人以上のプレイヤーが組み合わされるゲームにおいては、全プレイヤーの加害回数の全増加量と、全プレイヤーの被害回数の全増加量は、必ずしも同じではない。
【0084】
次に、本実施形態の各部が実行する組み合わせ決定処理について、図6のフローチャートを用いて説明する。
【0085】
まず、CPU 101は、プレイヤーからゲームへの参加を受け付ける(ステップS601)。
【0086】
CPU 101は、履歴情報251に基づいて、参加を受け付けた各プレイヤーの優良度パラメータを計算する(ステップS602)。
【0087】
例えばCPU 101は、参加を受け付けた各プレイヤーの対戦回数xと被害回数yと加害回数zを読み出し、評価関数f(x,y,z)を用いて各プレイヤーの優良度パラメータを計算する。
【0088】
CPU 101は、計算された優良度パラメータが大きい順にプレイヤーを並び替える。そして、CPU 101は、参加を受け付けたプレイヤーを、優良度パラメータが上位のM人のプレイヤーから構成される上位グループ510と、優良度パラメータが下位のM人のプレイヤーから構成される下位グループ520と、その他のグループ530とに分ける。
【0089】
優良度パラメータが小さいプレイヤーは、典型的には、対戦回数が少ない初心者プレイヤーである。一方、優良度パラメータが大きいプレイヤーは、典型的には、対戦回数が多いベテランプレイヤー、あるいは、迷惑プレイによる被害に遭った割合が比較的高いベテランプレイヤーである。従って、上位グループ510にはベテランプレイヤーが多く含まれ、下位グループ520には初心者プレイヤーが多く含まれることになる。
【0090】
Mの値は、例えば、参加を受け付けたプレイヤーの総数に対する所定の割合(例えばエントリーした全プレイヤーの10%など)に対応する可変値である。あるいは、Mの値は、固定値でもよい。
【0091】
CPU 101は、上位グループ510に属するM人のプレイヤーと下位グループ520に属するM人のプレイヤーとを優先的に組み合わせる(ステップS603)。つまり、初心者プレイヤーは、優先的にベテランプレイヤーと組み合わされやすくなる。
【0092】
CPU 101は、組み合わされた各プレイヤーの対戦回数をインクリメントし(ステップS604)、履歴情報251を更新する。
【0093】
そして、CPU 101は、決定した組み合わせでプレイヤー同士を対戦させ、ゲームを開始する。
【0094】
なお、CPU 101は、ゲームを開始後、迷惑プレイが発生したと判別すると、迷惑プレイをしたプレイヤーに対応付けられる加害回数をインクリメントし、迷惑プレイをされたプレイヤーの被害回数をインクリメントし、履歴情報251を更新する。
【0095】
本実施形態によれば、初心者プレイヤーは、迷惑プレイをする可能性の低いベテランプレイヤーと組み合わされやすくなるので、ゲームを始めて早々に迷惑プレイに遭遇する可能性が低くなる。そして、継続的にゲームに参加するようにプレイヤーを導くことができるようになる。
【0096】
例えば、初心者プレイヤーは、ゲームの進め方を良く理解できていない場合がある。しかし、ベテランプレイヤーと組み合わされた初心者プレイヤーは、ベテランプレイヤーの操作を見ることにより、理解が容易になる。ゲーム装置200は、初心者プレイヤーにとって良い模範となるベテランプレイヤーを紹介することができる。
【0097】
ゲーム提供者にとって、ゲームに参加した回数が少ない初心者プレイヤーは、今後継続的にゲームに参加してくれるかどうか不明なプレイヤーである。ゲーム提供者は、通常、より多くのプレイヤーに参加してもらいたいと考えており、より多くの初心者プレイヤーの参加を望んでいるものである。ベテランプレイヤーは、何度もゲームをプレイしているという経験から、迷惑プレイに対する耐性(許容度)が比較的大きいと推測される。しかし、特に初心者プレイヤーは、ゲームを継続してプレイするかどうか決めかねていることが多い。初心者プレイヤーは、ゲームに参加して早々に迷惑プレイに遭遇すると、ゲームへの興味を大いに損ねてしまい、二度とゲームに参加しないということになりかねず、ゲーム提供者にとって望ましくない。しかし、本発明によれば、初心者プレイヤーには良い模範となるベテランプレイヤーが組み合わされやすくなるので、継続的にゲームをしやすくなる。
【0098】
(実施形態2)
次に、本発明のその他の実施形態について説明する。本実施形態のゲーム装置200にて実行されるゲームは、インターネットなどのネットワークを介して複数のプレイヤーが参加できるネットワークゲームである。プレイヤーは、他のプレイヤーと3人のパーティーを組んで仲間となり、ネットワークゲームをプレイする。
【0099】
図7は、ゲームシステムの構成を説明するための図である。ゲームシステムには、ゲーム装置200と、各プレイヤーが操作する端末700(本図中では700−1,700−2,700−3,700−Nと記載)が含まれる。本実施形態では、ゲーム装置200は、いわゆるゲームサーバの機能を持つ。
【0100】
端末700のハードウェア構成は、上述した図2に示すゲーム装置200のハードウェア構成と同じである。端末700は、ネットワーク750を介してゲーム装置200に接続し、端末700の指示によりネットワークゲームにエントリーする。
【0101】
ゲーム装置200は、ネットワークゲームの進行を管理する。ゲーム装置200は、端末700からゲームへの参加を受け付けると、プレイヤーの組み合わせを決定し、組み合わせ結果を端末700に通知する。端末700を操作するプレイヤーは、通知された仲間とパーティーを組んでゲームをプレイする。
【0102】
図8は、本実施形態の組み合わせ決定処理を説明するためのフローチャートである。
【0103】
まず、各端末700は、プレイヤーからゲームへ参加する指示を受け付ける。指示入力を受け付けた端末700は、ゲームへの参加をゲーム装置200に要求する(ステップS801)。端末700は、ゲームへ参加する指示を入力したプレイヤーのプレイヤーIDを含む要求メッセージをゲーム装置200に送信する。
【0104】
ゲーム装置200のCPU 101は、端末700から要求メッセージを受信し、ゲームへの参加の要求を受け付ける(ステップS802)。
【0105】
ゲーム装置200のCPU 101は、履歴情報251に基づいて、参加を受け付けた各プレイヤーの優良度パラメータを計算する(ステップS803)。
【0106】
例えばCPU 101は、参加を受け付けた各プレイヤーの対戦回数xと被害回数yと加害回数zを履歴情報251から読み出し、評価関数f(x,y,z)を用いて各プレイヤーの優良度パラメータを計算する。そして、CPU 101は、計算された優良度パラメータが大きい順にプレイヤーを並び替える。更に、CPU 101は、参加を受け付けたプレイヤーを、優良度パラメータが上位のM人のプレイヤーから構成される上位グループ510と、優良度パラメータが下位のM人のプレイヤーから構成される下位グループ520と、その他のグループ530とに分ける。
【0107】
ゲーム装置200のCPU 101は、上位グループ510に属するM人のプレイヤーと下位グループ520に属するM人のプレイヤーとを優先的に組み合わせる(ステップS804)。つまり、初心者プレイヤーは、優先的にベテランプレイヤーと組み合わされやすくなる。
【0108】
なお、CPU 101は、パーティーを組む3人目のプレイヤーとして、その他のグループ530の中からプレイヤーを選択する。
【0109】
参加を受け付けたプレイヤーの数が3の倍数でない場合、CPU 101は、余った1人又は2人のプレイヤーを、次回の組み合わせ決定処理において優先的に組み合わせることが望ましい。
【0110】
ゲーム装置200のCPU 101は、決定した組み合わせを示す情報を端末700に送信する(ステップS805)。
【0111】
端末700は、ゲーム装置200から決定した組み合わせを示す情報を受信し(ステップS806)、プレイヤーに通知する(ステップS807)。
【0112】
ゲーム装置200のCPU 101は、組み合わされた各プレイヤーの対戦回数をインクリメントし(ステップS808)、履歴情報251を更新する。
【0113】
そして、CPU 101は、ステップS804で決定した組み合わせに従ってプレイヤー同士を組み合わせ、ゲームを開始させ、進行させる。
【0114】
なお、CPU 101は、ゲームを開始後、迷惑プレイが発生したと判別すると、迷惑プレイをしたプレイヤーに対応付けられる加害回数をインクリメントし、迷惑プレイをされたプレイヤーの被害回数をインクリメントし、履歴情報251を更新する。
【0115】
本発明によれば、初心者プレイヤーは、迷惑プレイをする可能性の低いベテランプレイヤーと組み合わされやすくなるので、ゲームを始めて早々に迷惑プレイに遭遇する可能性が低くなる。そして、継続的にゲームに参加するようにプレイヤーを導くことができるようになる。
【0116】
本発明は、上述した実施形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。また、上述した実施形態の各構成要素を自由に組み合わせることも可能である。
【0117】
ゲーム装置200の全部又は一部としてコンピュータを動作させるためのプログラムを、メモリカード、CD−ROM、DVD、MO(Magneto Optical disk)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、これを別のコンピュータにインストールし、上述の手段として動作させ、あるいは、上述の工程を実行させてもよい。
【0118】
さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するものとしてもよい。
【0119】
以上説明したように、本発明によれば、継続的にゲームに参加するようにプレイヤーを導くために好適なゲーム装置、ゲーム処理方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0120】
100 情報処理装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 インターフェース
105 コントローラ
106 外部メモリ
107 DVD−ROMドライブ
108 画像処理部
109 音声処理部
110 NIC
200 ゲーム装置
201 履歴記憶部
202 計算部
203 決定部
204 履歴更新部
251 履歴情報
510 上位グループ
520 下位グループ
530 その他のグループ
700(700−1,700−2,700−3,700−N) 端末
750 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームをプレイする複数のプレイヤーのそれぞれのゲーム履歴を記憶する履歴記憶部と、
前記記憶されるゲーム履歴に基づいて、前記複数のプレイヤーのそれぞれの前記ゲームに対する優良度を表すパラメータを計算する計算部と、
前記計算されたパラメータに基づいて、前記ゲームをプレイしようとするプレイヤー同士の組み合わせを決定する決定部と、
前記決定されたプレイヤー同士を組み合わせた結果を、前記履歴記憶部に記憶されるゲーム履歴に追加する履歴更新部と、
を備え、
前記決定部は、前記ゲームをプレイしようとするプレイヤーのうち、前記計算されたパラメータが上位のプレイヤーと、前記計算されたパラメータが下位のプレイヤーとを、優先して組み合わせる、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置であって、
前記決定部は、前記優先して組み合わせるプレイヤー数の、前記ゲームをプレイしようとするプレイヤー数に対する割合を、ほぼ一定とする、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のゲーム装置であって、
前記ゲーム履歴には、当該プレイヤーのゲーム回数が含まれ、
前記計算部は、当該ゲーム回数が多いほど当該パラメータが大きくなるように計算する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のゲーム装置であって、
前記ゲーム履歴には、当該プレイヤーがプレイするゲームが、当該プレイヤーと組み合わされた他のプレイヤーによって不正に終了された被害回数と、当該プレイヤーがプレイするゲームが、当該プレイヤーによって不正に終了した加害回数と、が含まれ、
前記計算部は、当該被害回数が多いほどパラメータが大きくなり、当該加害回数が多いほどパラメータが小さくなるように計算する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
履歴記憶部、計算部、決定部、履歴更新部を有するゲーム装置にて実行されるゲーム処理方法であって、
前記履歴記憶部には、ゲームをプレイする複数のプレイヤーのそれぞれのゲーム履歴が記憶され、
前記計算部が、前記記憶されるゲーム履歴に基づいて、前記複数のプレイヤーのそれぞれの前記ゲームに対する優良度を表すパラメータを計算する計算ステップと、
前記決定部が、前記計算されたパラメータに基づいて、前記ゲームをプレイしようとするプレイヤー同士の組み合わせを決定する決定ステップと、
前記履歴更新部が、前記決定されたプレイヤー同士を組み合わせた結果を、前記履歴記憶部に記憶されるゲーム履歴に追加する履歴更新ステップと、
を備え、
前記決定ステップでは、前記決定部が、前記ゲームをプレイしようとするプレイヤーのうち、前記計算されたパラメータが上位のプレイヤーと、前記計算されたパラメータが下位のプレイヤーとを、優先して組み合わせる、
ことを特徴とするゲーム処理方法。
【請求項6】
コンピュータを、
ゲームをプレイする複数のプレイヤーのそれぞれのゲーム履歴を記憶する履歴記憶部、
前記記憶されるゲーム履歴に基づいて、前記複数のプレイヤーのそれぞれの前記ゲームに対する優良度を表すパラメータを計算する計算部、
前記計算されたパラメータに基づいて、前記ゲームをプレイしようとするプレイヤー同士の組み合わせを決定する決定部、
前記決定されたプレイヤー同士を組み合わせた結果を、前記履歴記憶部に記憶されるゲーム履歴に追加する履歴更新部、
として機能させ、
前記決定部は、前記ゲームをプレイしようとするプレイヤーのうち、前記計算されたパラメータが上位のプレイヤーと、前記計算されたパラメータが下位のプレイヤーとを、優先して組み合わせる、
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−167169(P2010−167169A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−13863(P2009−13863)
【出願日】平成21年1月26日(2009.1.26)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】