ゲーム装置、ゲーム制御プログラム、及びゲーム制御方法
【課題】タッチパネル式の表示部を備える携帯端末のユーザーインターフェイスを活かして、ゲーム空間内を移動する移動体オブジェクトに仮想的に作用を与えることができるゲームを実現する。
【解決手段】接触点認識部21は、操作表示部10から出力された座標データからプレーヤが入力した接触点を認識する。照準カーソル生成部22は、イベント期間内に、接触点認識部21により認識された接触点に基づいて、照準カーソルK1を生成する。カーソル移動部23は、操作表示部10に入力されたプレーヤからの操作指示を基に、照準カーソルK1を表示画面上に移動表示させる。タイミング取得部24は、打撃指示がプレーヤにより入力されたとき、操作表示部10から出力されるタイミング信号を取得する。作用付与部25は、タイミング取得部24がタイミング信号を取得したときに、打撃判定処理を実行する。
【解決手段】接触点認識部21は、操作表示部10から出力された座標データからプレーヤが入力した接触点を認識する。照準カーソル生成部22は、イベント期間内に、接触点認識部21により認識された接触点に基づいて、照準カーソルK1を生成する。カーソル移動部23は、操作表示部10に入力されたプレーヤからの操作指示を基に、照準カーソルK1を表示画面上に移動表示させる。タイミング取得部24は、打撃指示がプレーヤにより入力されたとき、操作表示部10から出力されるタイミング信号を取得する。作用付与部25は、タイミング取得部24がタイミング信号を取得したときに、打撃判定処理を実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム空間内で移動する移動体オブジェクトに対して仮想的に作用を与えるゲームを実行するゲームプログラム、ゲーム装置、及びゲーム方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲーム空間内を移動するボールオブジェクトの到達位置にミートカーソルの中心部分を合わせ、コントローラの押下ボタンを押下操作することで、ボールオブジェクトを打撃する野球ゲームが知られている(例えば、特許文献1)。このような野球ゲームにおいて、プレーヤはコントローラの例えば十字キーを操作することでミートカーソルを移動させる。
【0003】
ところで、近年、タッチパネル式の表示手段を備え、ゲームを実行することが可能な携帯電話機(例えばi−phone(登録商標))が普及している。
【0004】
このような携帯電話機では、ユーザは、全ての操作をタッチパネルにタッチすることで行うことができる。そのため、テンキー等の物理的なボタンを携帯電話機に設ける必要がなく、シンプルな外観が実現されている。また、この携帯電話機では、タッチパネル上を指でなぞったり、指で軽くタッチしたりという操作が基本となる。つまり、押す操作に加えてなぞるという操作が新たに加わっているため、押す操作が基本であった従来の携帯電話機に比べて、斬新なユーザーインターフェイスが実現されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3892889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のゲームは、十字キーや押下ボタン等を備えるコントローラの使用が前提とされているため、指の操作を基本とするタッチパネル式の表示部を備える携帯電話機のユーザーインターフェイスの特徴を充分に活かすことはできない。よって、特許文献1の手法では、この種の携帯電話機の特徴的な操作であるなぞるという操作が全く活かされていない。
【0007】
本発明の目的は、タッチパネル式の表示部を備える携帯端末のユーザーインターフェイスを活かして、ゲーム空間内を移動する移動体オブジェクトに仮想的に作用を与えることができるゲームを実現するゲーム装置等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明の一局面によるゲーム装置は、ゲーム空間内で移動する移動体オブジェクトに対して仮想的な作用を与えるゲームの進行を制御するゲーム装置であって、タッチパネル式の表示部を備える操作手段と、前記表示部の表示画面上において、1又は同時に複数の接触点を入力するために指をタッチさせるプレーヤからの操作指示に基づいて、プレーヤが実際に入力した1点又は複数の接触点の座標情報を取得することで、1又は複数の接触点を認識する接触点認識手段と、所定時間内に、前記接触点認識手段により1又は同時に複数の接触点が認識された場合、認識された1又は複数の接触点に基づいて、照準カーソルを生成する照準カーソル生成手段と、前記照準カーソルの生成後、且つ前記所定時間に残存時間がある場合に、前記操作手段に入力されたプレーヤからの操作指示を基に、前記照準カーソルを前記表示部に移動表示させる移動手段と、前記移動体オブジェクトに対して仮想的な作用を与えるタイミングを決定するための操作指示が入力されたときに、前記操作手段から出力されるタイミング信号を取得するタイミング取得手段と、前記タイミング取得手段が前記タイミング信号を取得したときに、前記移動体オブジェクトと前記照準カーソルとの少なくとも一部が重なった場合、前記移動体オブジェクトに対して前記仮想的な作用を与える作用付与手段とを備えている。
【0009】
また、本発明の別の一局面によるゲーム制御プログラムは、ゲーム空間内で移動する移動体オブジェクトに対して仮想的な作用を与えるゲームの進行を制御するゲーム装置としてコンピュータを機能させるゲーム制御プログラムであって、タッチパネル式の表示部を備える操作手段と、前記表示部の表示画面上において、1又は同時に複数の接触点を入力するために指をタッチさせるプレーヤからの操作指示に基づいて、プレーヤが実際に入力した1又は複数の接触点の座標情報を取得することで、1又は複数の接触点を認識する接触点認識手段と、所定時間内に、前記接触点認識手段により1又は同時に複数の接触点が認識された場合、認識された1又は複数の接触点に基づいて、照準カーソルを生成する照準カーソル生成手段と、前記照準カーソルの生成後、且つ前記所定時間に残存時間がある場合に、前記操作手段に入力されたプレーヤからの操作指示を基に、前記照準カーソルを前記表示部に移動表示させる移動手段と、前記移動体オブジェクトに対して仮想的な作用を与えるタイミングを決定するための操作指示が入力されたときに、前記操作手段から出力されるタイミング信号を取得するタイミング取得手段と、前記タイミング取得手段が前記タイミング信号を取得したときに、前記移動体オブジェクトと前記照準カーソルとの少なくとも一部が重なった場合、前記移動体オブジェクトに対して前記仮想的な作用を与える作用付与手段としてコンピュータを機能させている。
【0010】
また、本発明の更に別の一局面によるゲーム制御方法は、ゲーム空間内で移動する移動体オブジェクトに対して仮想的に作用を与えるゲームの進行をゲーム装置が制御するゲーム制御方法であって、前記ゲーム装置は、タッチパネル式の表示部を含む操作手段を備え、前記表示部の表示画面上において、1又は同時に複数の接触点を入力するために指をタッチさせるプレーヤからの操作指示に基づいて、プレーヤが実際に入力した1又は複数の接触点の座標情報を取得することで、1又は複数の接触点を認識する接触点認識ステップと、所定時間内に、前記接触点認識ステップにより1又は同時に複数の接触点が認識された場合、認識された1又は複数の接触点に基づいて、照準カーソルを生成する照準カーソル生成ステップと、前記照準カーソルの生成後、且つ前記所定時間に残存時間がある場合に、前記操作手段に入力されたプレーヤからの操作指示を基に、前記照準カーソルを前記表示部に移動表示させる移動ステップと、前記移動体オブジェクトに対して仮想的な作用を与えるタイミングを決定するための操作指示が入力されたときに、前記操作手段から出力されるタイミング信号を取得するタイミング取得ステップと、前記タイミング取得ステップが前記タイミング信号を取得したときに、前記移動体オブジェクトと前記照準カーソルとの少なくとも一部が重なった場合、前記移動体オブジェクトに対して前記仮想的な作用を与える作用付与ステップとを備えている。
【0011】
これらの構成によれば、表示部の表示画面上において、1又は同時に複数の接触点を入力するために指をタッチさせる操作指示がプレーヤにより行われると、この操作指示に基づいて、プレーヤが実際に入力した1又は複数の接触点が認識され、認識された1又は複数の接触点に基づいて、照準カーソルが生成される。
【0012】
そして、プレーヤは操作手段を操作することで、この照準カーソルをゲーム空間内で移動させる。そして、移動体オブジェクトに作用を与えるタイミングを決定するための操作指示がプレーヤにより入力されると、操作手段からタイミング信号が出力され、タイミング取得手段により取得される。そして、このタイミング信号が取得されたときに、移動体オブジェクトと照準カーソルとが重なった場合、移動体オブジェクトに仮想的な作用が与えられる。
【0013】
つまり、プレーヤは、表示画面上に照準カーソルを表示させるために、表示画面上に1又は同時に複数の指をタッチさせ、その後、生成された照準カーソルを移動体オブジェクトに作用させるべく移動させるという、従来にはない全く新規な操作を行うことになる。
【0014】
しかも、照準カーソルの生成とその後の照準カーソルの移動とは、限られた時間内に行なう必要があるので、その時間配分をどのようにするかという戦略性もプレーヤに求められることになり、タッチパネル式の表示部を備えるゲーム装置の特徴を十分に活かすことができると同時に、従来にはない興趣性を有するゲームを実現することができる。
【0015】
具体的なゲームとしては、例えば野球ゲームの形態をとることができる。この場合、投手キャラクタから投げられたボールオブジェクトがホームベース上を通過するまでの限られた時間内において、プレーヤ(打者キャラクタ)は、1または同時に複数の指を画面にタッチすることで、これに対応する照準カーソル(従来の野球ゲームを示す特許文献1で開示の「ミートカーソル」に該当)を迅速に生成することができる。次いで、その照準カーソルを飛んでくるボールキャラクタの軌道を予想して移動させ、ホームベース上で打撃を行う、というようなゲーム構成にすることができる。この場合、ボールキャラクタがホームベースを通過するまでに間に、照準カーソルを生成し、且つそれを移動させる必要があるが、もし、照準カーソルの生成のタイミングが遅いと(画面へのタッチのタイミングが遅いと)、ボールキャラクタの軌道に合わせて照準カーソルの移動させるための時間的余裕がなくなり、結果的にプレーヤ(打者キャラクタ)はボールキャラクタにバットを合わせることができず、見送りとなってしまう。
【0016】
従って、プレーヤはボールキャラクタが投手キャラクタからリリースされるとすぐに、適切な照準カーソルの形状を決定する判断力が求められ、且つ生成した照準カーソルをボールキャラクタの軌道に合わせて適切に移動させる操作性が求められるため、緊張感のある遊戯性に満ちた野球ゲームを実現できる。
【0017】
(2)前記照準カーソル生成手段は、前記接触点認識手段により1つの接触点が認識された場合、当該接触点を基準として円状の照準カーソルを生成し、前記接触点認識手段により同時に2つの接触点が認識された場合、当該2つの接触点を繋ぐことで短冊状の照準カーソルを生成し、前記接触点認識手段により同時に3つ以上の接触点が認識された場合、当該3つ以上の接触点を繋ぐことで多角形状の照準カーソルを生成することが好ましい。
【0018】
この構成によれば、プレーヤは、表示画面上に1本の指をタッチさせる操作指示を行うことで円状の照準カーソルを生成させることができ、表示画面上に同時に2本の指をタッチさせる操作指示を行うことで短冊状の照準カーソルを生成させることができ、表示画面上に同時に3本以上の指をタッチさせる操作指示を行うことで多角形状の照準カーソルを生成させることができる。
【0019】
したがって、プレーヤは、好みの操作指示を用いて照準カーソルを生成させたり、好みの形状の照準カーソルを生成させたりすることを容易に行うことができ、照準カーソルを生成する上でプレーヤに種々の選択の余地を与えてゲームの興趣性を高めることができる。
【0020】
(3)前記照準カーソルは、円状、短冊状、多角形状の順で面積が大きくなり、前記移動手段は、前記照準カーソルの面積が増大するにつれて前記照準カーソルの移動速度を低く設定することが好ましい。
【0021】
この構成によれば、面積が大きいほど、動きが鈍いという仮想的な動作傾向を設定することが可能となる。例えば、この構成を野球ゲームに適用した場合、投手から投げられたボールオブジェクトに対して、打撃範囲となる照準カーソル(従来ゲームのミートカーソル)を大きく設定すれば、ボールオブジェクトと照準カーソルとが重なる領域は広くなる反面、照準カーソルの位置を調整するための移動速度が遅くなるので、例えば変化球に合わせて照準カーソルを迅速に移動させることが困難となる。逆に、照準カーソルを小さく設定すれば、打撃範囲は小さくなるものの、移動速度が速くなるので、変化球に対しても迅速に照準カーソルを移動させることができる。
【0022】
従って、プレーヤは、照準カーソルの面積と移動速度との兼ね合いから、表示画面上にタッチする指の本数を変えることで、円状、短冊状、又は多角形状の照準カーソルの中から好みのサイズの照準カーソルを生成することが可能になり、操作および戦略のバリエーションを増加させることができ、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0023】
(4)前記照準カーソル生成手段は、前記照準カーソルの生成後、且つ前記所定時間に残存時間がある場合において、前記接触点認識手段により1又は同時に複数の接触点が更に認識された場合、更に認識された接触点が照準カーソルの外縁の一部に含まれるように照準カーソルの形状を修正することが好ましい。
【0024】
この構成によれば、一旦、照準カーソルを生成させたものの、生成した照準カーソルの形状に納得がいかない場合、あるいは自分の意図とは違う照準カーソルを誤って生成してしまった場合、所定時間内であれば(例えば、野球ゲームの場合であれば、投手キャラクタからリリースされたボールオブジェクトがホームベース上を通過するまでの間)、プレーヤは、再度、表示画面上に指をタッチさせて接触点を追加して、照準カーソルの形状を修正することができる。そのため、プレーヤは、納得がいく形状の照準カーソルでゲームを進行させることができ、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0025】
但し、その修正を行なう場合には、修正に時間を要する分、修正した照準カーソルをボールキャラクタの予想軌道に合わせにいくための移動時間が限られてしまうので、修正後の照準カーソルの移動には、迅速且つ的確な操作が求められることになる。従って、プレーヤはその時間配分も考えて、修正後の照準カーソルの移動時間が短くなっても、あえて修正を図ったほうがよいのか、あるいは、修正せずに一旦生成した照準カーソルのまま、ゲームを進めたほうがよいのかの選択を瞬時に判断することが求められる。このように、様々な選択肢を設けているので、プレーヤは種々の戦略をとることができ、ゲームの興趣性を深いものとすることができる。
【0026】
(5)前記照準カーソル生成手段は、短冊状又は多角形状の照準カーソルの生成後、且つ前記所定時間に残存時間がある場合において、生成済の照準カーソルを生成する際に入力された接触点に対応するいずれかの特徴点がプレーヤにより再度、タッチされた場合、タッチされた特徴点を消去して、残りの特徴点に基づいて、前記生成済の照準カーソルを修正することが好ましい。
【0027】
この構成によれば、一旦、照準カーソルを生成させたものの、生成した照準カーソルの移動速度が低い又は形状に納得がいかないような場合、あるいは自分の意図とは違う照準カーソルを誤って生成してしまった場合、所定時間内であれば、プレーヤは、生成済の照準カーソルの所定の特徴点をタッチすることでその特徴点を除去して、照準カーソルの形状を修正することができる。これにより、プレーヤは、納得する形状を有する照準カーソルを生成させてゲームを進行させることができ、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0028】
但し、本構成も前述の(4)項の構成と同様、一旦生成した照準カーソルの修正を行なう場合には、修正に時間を要する分、修正した照準カーソルをボールオブジェクトの予想軌道に合わせにいくための移動時間が限られてしまうので、修正後の照準カーソルの移動には、迅速且つ的確な操作が求められることになる。従って、プレーヤはその時間配分も考えて、修正後の照準カーソルの移動時間が短くなっても、あえて修正を図ったほうがよいのか、あるいは、修正せずに一旦生成した照準カーソルのまま、ゲームを進めたほうがよいのかの選択を瞬時に判断することが求められる。このように、様々な選択肢を設けているので、プレーヤは種々の戦略をとることができ、ゲームの興趣性を深いものとすることができる。
【0029】
(6)前記照準カーソル生成手段は、前記表示部の表示画面上において、プレーヤが接触点を入力し得る所定の最大領域から、前記接触点認識手段により認識された接触点のうち少なくとも1つの接触点がはみ出る場合、前記照準カーソルを生成しないことが好ましい。
【0030】
この構成によれば、プレーヤは、表示画面上の所定の最大領域内で接触点を入力しなければならないという制約が課され、プレーヤに対して緊張感を与えることができるので、ゲームの興趣性を高めることができる。また、照準カーソルの面積が過度に大きくなって、ゲームの難易度が低下することを防止することができる。
【0031】
(7)前記移動体オブジェクトに対して仮想的な作用を与える複数のキャラクタに関する情報を記憶するキャラクタデータ記憶手段を更に備え、前記キャラクタに関する情報は、各キャラクタのそれぞれに対して予め個別に設定された前記最大領域の大きさを含み、前記接触点認識手段は、接触点を入力するためのプレーヤからの操作指示が行われる前の表示画面上に、前記最大領域を表示することが好ましい。
【0032】
この構成によれば、1又は複数の接触点を入力し得る最大領域が表示されるので、闇雲に大きな照準カーソルが生成されるといった事態を回避できる。例えばプレーヤによっては、生成後の照準カーソルを移動することを考慮せず、とにかく大きな照準カーソルを生成させて、ボールオブジェクトに当てることだけを考えるといった可能性も考えられるが、この場合、本来のゲームの特徴が生かされない上、例えば、プレーヤ同士が対戦結果を比較する場合等に、ゲーム条件が大きく変わってしまい不公平感も生じてしまう。そこで、上記構成とすることで、照準カーソルを生成し、それを移動させて、ボールオブジェクトに当てるという基本的なゲーム性を確保することができる。
【0033】
また、キャラクタ(例えば打者キャラクタ)ごとに、接触点を入力し得る最大領域が異なるので、プレーヤはキャラクタの打撃能力(ボールを打ち返し得る範囲)を事前に把握でき、ゲームに対する興味も向上する。
【0034】
(8)前記最大領域は、半透明で表示され、且つ前記プレーヤの前記表示画面への指の接触時に消去されることが好ましい。
【0035】
この構成によれば、照準カーソルを生成するために入力し得る接触点の最大領域をゲームの構成画面から容易に識別でき、またゲーム画面自体の邪魔になることもない。また、プレーヤが照準カーソルを入力するために指をタッチさせた瞬間に消去されるので、それを目印にして複数の指をたどるようにしてタッチさせれば最大の照準カーソルが生成されるといった安易なプレーヤの操作も排除できる。
【0036】
(9)前記ゲームは、野球ゲームであり、前記所定時間は、ボールオブジェクトの投球開始時刻を基準として設定されるイベント開始時刻から、前記ボールオブジェクトがホームベース上を通過するイベント終了時刻までのイベント期間であり、前記イベント期間は、前記ボールオブジェクトに対して打撃を与えようとする打者キャラクタの1打席が終了するまで1又は複数回設定され、前記照準カーソル生成手段は、2回目以降のイベント期間において、前回のイベント期間で生成した照準カーソルを援用することが好ましい。
【0037】
この構成によれば、打者キャラクタの1打席が終了するまで1又は複数回のイベント期間が設定される。そして、1打席において複数回のイベント期間が設定された場合、1回目のイベント期間で生成された照準カーソルが2回目以降のイベント期間において援用される。そのため、プレーヤは、移動体オブジェクトが移動する毎に、照準カーソルを生成する操作指示を行う手間が省かれ、生成済の照準カーソルを移動体オブジェクトに位置合わせする操作に集中することができる。
【0038】
(10)前記タイミング取得手段は、前記照準カーソルの生成後、且つ前記イベント期間に残存時間がある場合に、前記タイミング信号を取得することが好ましい。
【0039】
この構成によれば、プレーヤは、イベント期間内に、表示画面上で指をタッチさせる操作と、照準カーソルを移動させて移動体オブジェクトに重ねる操作とが課される。
【0040】
具体的には、この構成を例えば野球ゲームに適用した場合であれば、投手が振りかぶってから(イベント開始)、投球されたボールがホームベース上を通過するまで(イベント終了)の間の時間が、照準カーソルを生成するために許容される時間(イベント時間)となる。
【0041】
よって、プレーヤが、移動体オブジェクトに当たる領域を広くしようとして大きな照準カーソルを生成しようとすると、3本の指を大きく広げてこれらの指を不自然な状態にして表示画面をタッチしなければならず、接触点を入力するための操作に費やす時間が増大してしまい、この結果、イベント期間の残り時間が減少するため、照準オブジェクトの移動(飛んでくるボールに合わせるための位置調整)に費やすことができる時間が減少してしまう。
【0042】
そのため、プレーヤは、イベント期間の残り時間を考慮しながら、照準カーソルを生成するための接触点を入力することになり、従来にはない興趣性を有するゲームを実現することが可能となる。
【0043】
(11)前記操作手段は、ジャイロセンサを含み、前記移動手段は、前記ジャイロセンサから出力される角速度信号を基に、前記操作手段の傾斜角度を検出し、検出した傾斜角度に応じて前記照準カーソルの移動速度を設定することが好ましい。
【0044】
この構成によれば、操作手段はジャイロセンサを含んでおり、操作手段を傾けることで照準カーソルを移動させることができる。そのため、プレーヤは、照準カーソルに指を接触させることなく移動させることができる。
【0045】
即ち、照準カーソルは最終的に移動体オブジェクトに当てる必要があるので、徐々に接近してくる移動体オブジェクトとの位置関係を明確に把握する必要があるが、もし照準カーソルをプレーヤの指で移動させようとすると、その指自体が邪魔になり、両者の位置関係が見え難くなることが想定される。そのため、この手法を採用すれば、指自体が邪魔になることがなくなり、プレーヤの操作性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0046】
本発明によれば、タッチパネル式の表示部を備えるゲーム装置の特徴を十分に活かすことができると同時に、従来にはない興趣性を有するゲームを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施の形態によるゲーム装置のブロック図を示している。
【図2】図1に示すゲーム装置の機能ブロック図を示している。
【図3】操作表示部の表示画面に表示される野球ゲームの画像の一例を示した図である。
【図4】円状の照準カーソルの一例を示した図である。
【図5】短冊状の照準カーソルの一例を示した図である。
【図6】三角形状の照準カーソルの一例を示した図である。
【図7】照準カーソルの修正処理の説明図であり、(A)は円状の照準カーソルが短冊状の照準カーソルに修正される場合を示し、(B)は円状の照準カーソルが三角形状の照準カーソルに修正される場合を示し、(C)は短冊状の照準カーソルが三角形状の照準カーソルに修正される場合を示している。
【図8】照準カーソルの修正処理の説明図であり、(A)は三角形状の照準カーソルが短冊状の照準カーソルに修正される場合を示し、(B)は三角形状の照準カーソルが円状の照準カーソルに修正される場合を示し、(C)は短冊状の照準カーソルが円状の照準カーソルに修正される場合を示している。
【図9】照準カーソルのゲーム空間内での配置位置を示した図である。
【図10】ゲーム装置の姿勢と照準カーソルの移動速度との関係を示す模式図である。
【図11】照準カーソルの面積と照準カーソルの移動速度との関係を説明するための図であり、(A)は照準カーソルの面積が大きい場合を示し、(B)は照準カーソルの面積が小さい場合を示している。
【図12】作用付与部が実行する打撃判定処理の説明図である。
【図13】打撃されたボールオブジェクトの初速度の向きの算出処理を示した図であり、(A)は照準カーソルを示し、(B)は打撃直後のボールオブジェクトをx方向に向けて見た状態を示し、(C)は打撃直後のボールオブジェクトをz方向から見た状態を示している。
【図14】本発明の実施の形態によるゲーム装置の動作を示すフローチャートである。
【図15】ボールオブジェクトがバットオブジェクトにより打撃されたことを明示するための画像である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、本発明の一実施の形態によるゲーム装置について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施の形態によるゲーム装置のブロック図を示している。本実施の形態では、ゲーム装置として、例えば、タッチパネル式の表示部を備える携帯電話機を採用する。但し、これは一例であり、PDA(Personal Data Assistance)等のタッチパネル式の表示部を備える携帯端末を採用してもよいし、タッチパネル式の表示部を備える携帯型のゲーム装置を採用してもよい。
【0049】
また、本実施の形態では、ゲームとしてゲーム空間内で移動するボールオブジェクトBL1(移動体オブジェクトの一例)を照準カーソル(従来ゲームのミートカーソルに対応、以下、照準カーソルで説明する)で位置決めして、仮想的に打ち返す野球ゲームを採用する。
【0050】
図1に示すゲーム装置は、ジャイロセンサ1、CPU(Central Processing Unit)2、通信制御回路3、RAM(Random Access Memory)4、ROM(Read-Only Memory)5、サウンド処理回路6、画像処理回路7、モニタ8、スピーカ61、及びマイク62を備えている。図1に示すジャイロセンサ1〜画像処理回路7等の各ブロックは、バスラインBSを介して相互に接続されている。
【0051】
ジャイロセンサ1は、例えばゲーム装置のロール方向の姿勢とピッチ方向に対する姿勢とが検出可能なジャイロセンサにより構成され、ロール方向及びピッチ方向のそれぞれの角速度を検出して角速度信号を出力する。
【0052】
CPU2は、ROM5に記憶されたゲーム制御プログラムからの命令を解釈し、各種のデータ処理や制御を行う。通信制御回路3は、CPU2により生成された送信対象のデータを、例えばCDMA(Code Division Multiple Access)等により拡散処理した後、QAM(Quadrature Amplitude phase Modulation)、PSK(Phase Shift Keying)、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)等により変調して送信する処理や、受信したデータを復調した後、逆拡散処理し、得られたデータをCPU2に出力する処理を行う。
【0053】
RAM4は、CPU2に対する作業領域を確保する。ROM5は、ゲーム装置の基本的な制御(たとえば起動制御)に必要なプログラム等を格納する。
【0054】
サウンド処理回路6は、CPU2からの発音指示に応じたアナログ音声信号を生成してスピーカ61に出力する。画像処理回路7は、CPU11からの描画指示に応じてモニタ8を制御して、モニタ8に所定の画像を表示する。マイク62は、プレーヤによる音声を電気信号に変換する。
【0055】
画像処理回路7は、タッチ入力検出回路9を含み、モニタ8に種々の画像を表示する。タッチ入力検出回路9は、例えばタッチペンやプレーヤの指等の指示手段がモニタ8に直接的に接触されると、接触位置の座標データをCPU2に出力し、接触位置をCPU2に認識させる。
【0056】
また、タッチ入力検出回路9は、モニタ8に表示された対象物の位置において、指示手段が直接的に接触されると、対象物の座標データをCPU2に出力し、対象物がタッチされたことをCPU2に認識させる。
【0057】
モニタ8は、例えば、液晶パネルと液晶パネルの表示面上に貼り付けられたタッチパッドとにより構成されている。タッチパッドとしては、例えば静電容量方式のものや抵抗膜方式のものが採用され、複数の圧電素子が表示画面上にマトリックス状に配列されている。ここで、タッチパッドを構成する圧電素子の配列ピッチとしては、プレーヤが表示画面をタッチしたとき、指先と表示画面とが接触する領域のサイズよりも大幅に小さい値が採用されている。
【0058】
液晶パネルとしては、例えば、TFT(Thin Film Transistor)やSTN(Super Twisted Nematic)等の液晶パネルが用いられ、例えば4096色のカラー表示が可能である。なお、液晶パネルに代えて、有機EL(Electro Luminescence)パネル等を採用してもよい。
【0059】
図2は、図1に示すゲーム装置の機能ブロック図を示している。図2に示すようにゲーム装置は、操作表示部10、プログラム実行部20、及び記憶部30を備えている。
【0060】
操作表示部10は、図1に示すジャイロセンサ1、タッチ入力検出回路9、及びモニタ8等から構成され、プレーヤにより入力される種々の操作指示を受け付けると共に、種々のゲーム画像を表示する。
【0061】
具体的には、操作表示部10は、照準カーソルを生成するために、プレーヤが操作表示部10の表示画面上で1又は同時に複数の接触点を入力するために指をタッチさせる操作指示を受け付ける。
【0062】
したがって、操作表示部10は、プレーヤがタッチした表示画面上の位置を示す2次元データである座標データ(座標情報)を出力する。本実施の形態では、プレーヤの指先と表示画面とが接触している領域が複数の圧電素子により検出されるため、操作表示部10は、これら複数の圧電素子のうち最大の圧力を検出した圧電素子の位置をプレーヤがタッチした位置と判定し、当該位置の座標データを接触点認識部21に出力する。
【0063】
また、操作表示部10は、プレーヤが指を表示画面上にタッチさせている場合、一定の時間間隔で座標データを接触点認識部21に出力する。したがって、操作表示部10は、プレーヤが操作画面上の同一位置をタッチしている場合、同一の座標データを繰り返し出力する。一方、操作表示部10は、プレーヤが指を表示画面上から離した場合、座標データの出力を停止する。
【0064】
また、操作表示部10は、ゲーム空間内を移動するボールオブジェクトの打撃タイミングを決定するために、プレーヤにより入力される打撃指示を受け付ける。具体的には、操作表示部10は、プログラム実行部20による指示の下、打撃指示ボタンを表示し(図略)、プレーヤにこの打撃指示ボタンをタッチさせることで、打撃指示を受け付ける。そして、操作表示部10は、プレーヤからの打撃指示を受け付けると、タイミング信号を出力する。
【0065】
また、操作表示部10は、照準カーソルを表示画面上で移動させるために、プレーヤにより入力される移動指示を受け付ける。ここで、プレーヤは、照準カーソルに接触することなく、ゲーム装置自体を傾斜させることで、移動指示を入力する。したがって、操作表示部10は、ゲーム装置が傾斜されているか否かをジャイロセンサ1に検出させることで、プレーヤからの移動指示を受け付ける。
【0066】
なお、照準カーソルの移動指示を上記のように非接触で行う理由は以下の通りである。
即ち、照準カーソルは最終的にボールオブジェクトに当てる必要があるので、徐々に接近してくるボールオブジェクトとの位置関係を明確に把握する必要があるが、もし、照準カーソルをプレーヤの指で移動させようとすると、その指自体が邪魔になり、両者の位置関係が見え難くなることが想定されるからである。
【0067】
図3は、操作表示部10の表示画面に表示される野球ゲームの画像の一例を示した図である。図3に示すように、この野球ゲームは、投手キャラクタCL2がボールオブジェクトBL1を投げ、打者キャラクタCL1がボールオブジェクトBL1をバットオブジェクトBTにより打ち返す野球ゲームであり、プレーヤは打者キャラクタCL1を操作する。
【0068】
ここで、プレーヤは、操作表示部10の表示画面上で、1又は同時に複数の指先をタッチさせることで、1又は複数の接触点を入力し、照準カーソルK1を生成させる。そして、プレーヤは、操作表示部10を傾斜させることで、照準カーソルK1を移動させ、ボールオブジェクトBL1がホームベース付近に到達したときに、ボールオブジェクトBL1に照準カーソルK1を位置決めさせ、打撃指示を入力する。そうすると、バットオブジェクトBTがスイング表示されて、ボールオブジェクトBL1が打ち返される。なお、図3においては、同時に3つの接触点TP1〜TP3が入力されているため、これら3つの接触点TP1〜TP3が線分で繋がれ、3角形状の照準カーソルK1が生成されている。
【0069】
図2に戻り、プログラム実行部20は、主にCPU2により構成され、接触点認識部21、照準カーソル生成部22、カーソル移動部23、タイミング取得部24、作用付与部25、及びレベル設定部26の機能を備えている。これらの機能は、CPU2がゲーム制御プログラムを実行することで実現される。
【0070】
接触点認識部21は、操作表示部10から出力された座標データを取得することで、プレーヤが入力した接触点を認識する。ここで、接触点認識部21は、操作表示部10からある座標の座標データの出力が開始されてから、出力が停止されるまでの期間が一定期間以下であれば、プレーヤが接触点を入力したと判定する。
【0071】
具体的には、接触点認識部21は、一定期間内において、最初に出力された座標データとは異なる座標の座標データが出力された場合であっても、この座標データが、最初に出力された座標データに対して所定の許容範囲内に位置する座標データである場合は、プレーヤが接触点を入力したと判定する。この場合、接触点認識部21は、一定期間の最後に出力された座標データをプレーヤが入力した接触点と判定すればよい。ここで、一定時間として、例えば1秒程度を採用することができる。
【0072】
また、接触点認識部21は、プレーヤによりある接触点が入力されたと判定した時点と同時又はその時点から一定の許容期間内に、プレーヤにより別の1又は複数の接触点が入力されたと判定した場合、プレーヤが同時に複数の接触点を入力したと判定する。これにより、プレーヤが同時に入力した複数の接触点の入力時点に多少のずれがあったとしても、これらの接触点は同時に入力されたとして取り扱われるため、ゲームの難易度が著しく高くなることを防止することができる。
【0073】
ここで、許容期間としては、例えば、0.1〜0.2秒程度の値を採用すればよい。なお、本実施の形態では、接触点認識部21は、同時に最大3つの接触点を認識するものとする。したがって、接触点認識部21は、プレーヤが表示画面に4つ又は5つの接触点を同時に入力したと判定した場合において、これらの接触点の入力時点にずれがある場合は、これら4つ又は5つの接触点のうち、入力された時点が最新の接触点から過去に向けて3つの接触点、又は入力された時点が最古の接触点から現在に向けて3つの接触点をプレーヤに入力された3つの接触点として判定すればよい。もちろん、最大の接触点を例えば5つにすることも可能であるが、この場合、最大では片手の指のすべてを接触させることになり、操作性の点で難があるので、ここでは最大の接触点を3つとしている。
【0074】
また、接触点認識部21は、プレーヤが表示画面に4つ又は5つの接触点が同時に入力されたと判定した場合において、これらの接触点の入力時点にずれがない場合又はずれがある場合であっても、同時に入力されたと判定した4つ又は5つの接触点のうち、ランダムに3つの接触点を抽出し、抽出した3つの接触点をプレーヤに入力された3つの接触点として判定すればよい。
【0075】
また、接触点認識部21は、プレーヤが指をタッチさせる前に、操作表示部10の略中央部には、プレーヤが接触点を入力し得る、半透明且つ円状の最大領域MDを表示画面上に表示する(図3参照)。
【0076】
ここで、最大領域MDの大きさは打者キャラクタCL1の打撃能力に応じて、個別に設定されている。即ち、打者キャラクタCL1の打撃能力が高いほど、最大領域MDは大きく表示される。
【0077】
但し、最大領域MDは、例えばストライクゾーンを4分割した範囲を越えないことが望ましい。これは最大領域MDが大き過ぎると、安易にその大きな範囲を目処に照準カーソルK1が表示され、三振を回避するために単にボールオブジェクトBL1にバットオブジェクトBTを当てにいくというような簡易なゲーム性になってしまうことを回避するためである。
【0078】
これにより、プレーヤは事前に表示された最大領域MDを視認した後に、接触点を入力することになるが、同時に複数の接触点を入力した場合において、少なくとも1つの接触点が最大領域MDからはみ出た場合には、照準カーソルK1は生成されない。この場合、打者キャラクタCL1は、ボールオブジェクトBL1がストライクであるか否かに関わらず、見送りすることになる。従って、プレーヤはこの最大領域MDを上限として、照準カーソルK1を生成するよう要請される。
【0079】
なお、表示された最大領域MDはプレーヤが指を表示画面に接触させた時に消去される。これは、最大領域MDの外周上に例えば3本の指をタッチさせれば面積が最大の三角形状の照準カーソルK1を生成することができるといった安易なプレーヤの操作を排除するためである。
【0080】
また、図3では、説明の便宜上、照準カーソルK1と最大領域MDとが同時に表示されているが、実際には、最大領域MDはプレーヤが表示画面上に指をタッチさせたときに消去されるため、同時に表示されることはない。
【0081】
照準カーソル生成部22は、所定時間内に、接触点認識部21により1又は同時に複数の接触点が認識された場合、認識された1又は複数の接触点に基づいて、照準カーソルK1を生成する。ここで、所定時間としては、ボールオブジェクトBL1の移動開始時刻を基準として設定されるイベント開始時刻から、ボールオブジェクトBL1がホームベース上を通過するイベント終了時刻までのイベント期間を採用することができる。
【0082】
また、イベント開始時刻としては、例えば投手キャラクタCL2がボールオブジェクトBL1を投じるために振りかぶる動作を行った時刻、つまり、ボールオブジェクトBL1の移動開始時刻よりも少し前の時刻を採用することができる。但し、これは一例であり、ボールオブジェクトBL1の移動開始時刻をイベント開始時刻として採用してもよい。また、イベント終了時刻をボールオブジェクトBL1がホームベース上を通過するタイミングとしているのは、それ以降については打撃が生じることはあり得ないためである。
【0083】
本実施の形態では、照準カーソル生成部22は、接触点認識部21により1つの接触点が認識された場合、当該接触点を基準として円状の照準カーソルK1を生成し、接触点認識部21により同時に2つの接触点が認識された場合、2つの接触点を繋ぐことで短冊状の照準カーソルK1を生成し、接触点認識部21により同時に3つの接触点が認識された場合、各接触点を繋ぐことで三角形状の照準カーソルK1を生成する。
【0084】
図4は、円状の照準カーソルK1の一例を示した図である。また、図5は、短冊状の照準カーソルK1の一例を示した図である。また、図6は、三角形状の照準カーソルK1の一例を示した図である。
【0085】
図4に示すように、照準カーソル生成部22は、接触点認識部21により1つの接触点TPが認識された場合、接触点TPを中心として、所定の半径rを有する円状の照準カーソルK1を生成する。本実施の形態では、照準カーソルK1は、円状よりも短冊状の照準カーソルK1の方が面積が大きく、短冊状よりも三角形状の照準カーソルK1の方が面積が大きい。すなわち、円状よりも短冊状の照準カーソルK1の方がボールオブジェクトBL1に位置決めし易くなり、短冊状よりも三角形状の照準カーソルK1の方がボールオブジェクトBL1に位置決めし易くされている。
【0086】
したがって、半径rとしては、円の面積が接触点TPを多少大きくした程度、例えばボールオブジェクトBL1と同一、又はそれよりも多少大きい若しくは多少小さい程度のサイズを採用すればよい。
【0087】
図5に示すように、照準カーソル生成部22は、接触点認識部21により同時に2つの接触点TP1,TP2が認識された場合、接触点TP1及び接触点TP2間の距離L1を長手方向の長さとし、接触点TP1,TP2を幅方向の中心とする幅方向の長さが距離L2の短冊状の照準カーソルK1を生成する。
【0088】
ここで、短冊状としては、接触点TP1及び接触点TP2間を結ぶ線分に多少の幅を付与した程度の大きさを想定している。そのため、距離L2としては、例えばボールオブジェクトBL1と同一、又はそれよりも多少大きい若しくは多少小さい程度のサイズを採用すればよい。
【0089】
図6に示すように、照準カーソル生成部22は、接触点認識部21により同時に3つの接触点TP1〜TP3が認識された場合、接触点TP1,TP2,TP3を線分で繋ぐことにより、三角形状の照準カーソルK1を生成する。なお、本実施の形態では、接触点認識部21は、最大3つの接触点を同時に認識するものとする。
【0090】
したがって、照準カーソル生成部22は、多角形状の照準カーソルK1として三角形の照準カーソルK1を生成するものとする。但し、これは、一例であり、接触点認識部21は、最大4つ又は5つの接触点を同時に認識してもよく、この場合、照準カーソル生成部22は、四角形状又は5角形状の照準カーソルK1を生成する。
【0091】
なお、照準カーソル生成部22は、プレーヤの操作指示に従ってレベル設定部26により予め設定されたプレーヤのレベルが高くなるにつれて、円状の照準カーソルK1の半径rが小さくなるように、又は短冊状の照準カーソルK1の幅方向の辺の長さ(距離L2)が小さくなるように変更してもよい。
【0092】
図2に戻り、照準カーソル生成部22は、照準カーソルK1の生成後、且つイベント期間に残存時間がある場合において、接触点認識部21により1又は同時に複数の接触点が更に認識された場合、更に認識された接触点が照準カーソルの外縁の一部に含まれるように照準カーソルK1の形状を修正する。
【0093】
図7は、照準カーソルK1の修正処理の説明図であり、(A)は円状の照準カーソルK1が短冊状の照準カーソルK1’に修正される場合を示し、(B)は円状の照準カーソルK1が三角形状の照準カーソルK1’に修正される場合を示し、(C)は短冊状の照準カーソルK1が三角形状の照準カーソルK1’に修正される場合を示している。
【0094】
図7(A)においては、円状の照準カーソルK1が生成済の状態において、プレーヤにより更に1つの接触点TP’が入力されている。そのため、照準カーソル生成部22は、生成済の照準カーソルK1の特徴点である中心の特徴点TPと、新たに入力された接触点TP’とを繋ぐことで、円状の照準カーソルK1を短冊状の照準カーソルK1’に修正する。
【0095】
図7(B)においては、円状の照準カーソルK1が生成済の状態において、プレーヤにより更に2つの接触点TP1’,TP2’が同時に入力されている。したがって、照準カーソル生成部22は、生成済の照準カーソルK1の特徴点である中心の点TPと、新たに入力された点TP1’,TP2’とを線分で繋ぐことで、円状の照準カーソルK1を三角形状の照準カーソルK1’に修正する。なお、特徴点とは、照準カーソルK1を生成する際に入力された接触点に対応する点を指す。
【0096】
図7(C)においては、短冊状の照準カーソルK1が生成済の状態において、プレーヤにより更に1つの接触点TP’が入力されている。したがって、照準カーソル生成部22は、生成済の照準カーソルK1の特徴点である、幅方向の2辺の中点である特徴点TP1,TP2と、新たに入力された接触点TP’とを線分で繋ぐことで、短冊状の照準カーソルK1を三角形状の照準カーソルK1’に修正する。
【0097】
なお、本実施の形態においては、生成済の照準カーソルK1が三角形状の場合、新たにプレーヤにより接触点が入力されたとしても、照準カーソルK1は修正されないものとする。
【0098】
図2に戻り、照準カーソル生成部22は、短冊状又は三角形状の照準カーソルK1の生成後、且つイベント期間に残存時間がある場合において、生成済の照準カーソルK1を生成する際に入力された接触点に対応する特徴点がプレーヤにより再度、タッチされた場合、タッチされた特徴点を消去して、残りの特徴点に基づいて、生成済の照準カーソルK1を修正する。
【0099】
図8は、照準カーソルK1の修正処理の説明図であり、(A)は三角形状の照準カーソルK1が短冊状の照準カーソルK1’に修正される場合を示し、(B)は三角形状の照準カーソルK1が円状の照準カーソルK1’に修正される場合を示し、(C)短冊状の照準カーソルK1が円状の照準カーソルK1’に修正される場合を示している。
【0100】
図8(A)においては、三角形状の照準カーソルK1が生成済の状態において、この照準カーソルK1の特徴点(三角形の頂点)の1つである特徴点TP1がプレーヤによりタッチされると、照準カーソル生成部22は、特徴点TP1を消去し、残りの特徴点TP2,TP3を繋ぐことで、生成済の照準カーソルK1を短冊状の照準カーソルK1’に修正する。
【0101】
図8(B)においては、三角形状の照準カーソルK1が生成済の状態において、この照準カーソルK1の特徴点TP1,TP2とがプレーヤにより同時にタッチされると、照準カーソル生成部22は、特徴点TP1,TP2を消去し、残りの特徴点TP3を基準として、生成済の照準カーソルK1を円状の照準カーソルK1’に修正する。
【0102】
図8(C)においては、短冊状の照準カーソルK1が生成済の状態において、この照準カーソルK1の特徴点である幅方向の2辺の中点である特徴点TP1,TP2のうち特徴点TP1がプレーヤによりタッチされると、照準カーソル生成部22は、残りの特徴点TP2を基準として、生成済の照準カーソルK1を円状の照準カーソルK1’に修正する。
【0103】
なお、本実施の形態においては、生成済の照準カーソルK1が円状の場合、照準カーソルK1の特徴点である円の中心をプレーヤがタッチしたとしても、照準カーソルK1は修正されない。
【0104】
また、本実施の形態において、照準カーソル生成部22は、生成済の照準カーソルK1の特徴点の座標と同一の座標をプレーヤがタッチしなくても、特徴点から一定の許容範囲内にある領域をプレーヤがタッチした場合、当該特徴点がタッチされたとして判定してもよい。
【0105】
図2に戻り、照準カーソル生成部22は、プレーヤにより入力された接触点のうち、少なくとも1つの接触点が最大領域MDからはみ出る場合、照準カーソルK1を生成しない。
【0106】
これにより、プレーヤは、最大領域MD内に接触点を入力させなければならないという制約が課され、ゲームの興趣性を高めることができる。また、照準カーソルK1の面積が過度に大きくなって、ボールオブジェクトBL1が当たりやすくなる結果、ゲームの難易度が極端に低下することを防止することができる。
【0107】
また、照準カーソル生成部22は、ある打者キャラクタCL1の1打席が終了するまでに、複数のイベント期間が設定された場合、つまり、投手キャラクタCL2によりボールオブジェクトBL1が複数回を投じられた場合、2回目以降のイベント期間において、1前回のイベント期間で生成した照準カーソルを援用する。この場合、援用される照準カーソルの位置は最大領域MDの略中央部に配置される。
【0108】
これにより、プレーヤは、ボールオブジェクトBL1が投じられる毎に、照準カーソルK1を生成する操作指示を行う手間が省かれ、生成済の照準カーソルK1をボールオブジェクトBL1に位置合わせする操作に集中することができる。
【0109】
図2に戻り、カーソル移動部23は、照準カーソルK1の生成後、且つイベント期間に残存時間がある場合に、操作表示部10に入力されたプレーヤからの操作指示を基に、照準カーソルK1をゲーム空間内で移動させると共に、表示画面上に移動表示させる。
【0110】
図9は、照準カーソルK1のゲーム空間内での配置位置を示した図である。本実施の形態ではゲーム空間として、x軸、y軸、z軸の相互に直交する3軸によって規定される仮想3次元空間が採用されている。
【0111】
なお、図9に示すy軸は仮想3次元空間内におけるピッチャーマウンドの中心O2とホームベースHBの中心O3とを結ぶ直線L3と平行な方向に設定され、z軸は鉛直方向に設定され、xは鉛直方向と直線L3と直交する方向に設定されている。
【0112】
本実施の形態では、照準カーソルK1は、例えば、ホームベースHBの中心O3を通り、且つx−z平面と平行な平面SF1上を動くものとしている。
【0113】
図10は、ゲーム装置の姿勢と照準カーソルK1の移動速度との関係を示す模式図である。本実施の形態では、ゲーム装置のピッチ軸の傾斜角度θpが仮想3次元空間のz方向における照準カーソルK1の移動速度Vzに対応付けられ、ロール軸の傾斜角度θrが仮想3次元空間のx方向における照準カーソルK1の移動速度Vxに対応づけられている。なお、本実施の形態ではゲーム装置の表示画面が水平面と平行である場合、θp=0,θr=0とする。
【0114】
具体的には、傾斜角度θrは、ロール軸をプレーヤの手前から奥側に見たとき、時計回りの方向がプラス、反時計回りの方向がマイナスの値で算出される。
【0115】
したがって、傾斜角度θrがプラスの場合は、移動速度Vxはプラスの値を有し、照準カーソルK1は表示画面上、右側に移動する。また、傾斜角度θrがマイナスの場合は、移動速度Vxはマイナスの値を有し、照準カーソルK1は表示画面上、左側に移動する。
【0116】
また、傾斜角度θpは、ピッチ軸を左から右側に見たとき、反時計回りの方向がプラス、時計回りの方向がマイナスの値で算出される。
【0117】
したがって、傾斜角度θpがプラスの場合は、移動速度Vzはプラスの値を有し、照準カーソルK1は奥側に移動する。また、傾斜角度θpがマイナスの場合は、移動速度Vzはマイナスの値を有し、照準カーソルK1は手前側に移動する。
【0118】
そして、カーソル移動部23は、移動速度Vzと移動速度Vxとの合成ベクトルを求め、合成ベクトルの向きを照準カーソルK1の移動方向とし、合成ベクトルの大きさを照準カーソルK1の移動速度Vkの大きさとして、照準カーソルK1を図9に示す平面SF1上で移動させる。これにより、図10に示すように照準カーソルK1は表示画面上において、移動速度Vkの向きを示す矢印の方向に移動表示される。
【0119】
なお、傾斜角度θpと移動速度Vzとは、傾斜角度θpの絶対値が増大するにつれて、移動速度Vzの絶対値が増大する関係を有している。また、傾斜角度θrと移動速度Vxとは、傾斜角度θrの絶対値が増大するにつれて、移動速度Vxの絶対値が増大する関係を有している。
【0120】
したがって、傾斜角度θp及びθrの絶対値が増大する、すなわち、ゲーム装置のピッチ軸及びロール軸に対する傾斜角度が増大するにつれて、照準カーソルK1の移動速度は増大する。
【0121】
ここで、カーソル移動部23は、操作表示部10から一定の時間間隔で出力される角速度信号を積分することで、操作表示部10の角度の変化量を算出し、算出した角度の変化量を積算することで、傾斜角度θp,θrを算出すればよい。
【0122】
なお、照準カーソルK1の初期位置は、図9において、例えば、中心O3を通るz軸と平行な直線L4上であってストライクゾーンの中心位置の点P1を採用することができる。したがって、カーソル移動部23は、照準カーソルK1が生成されたとき、照準カーソルK1の重心が点P1に位置するように、照準カーソルK1を仮想3次元空間内に配置すればよい。
【0123】
また、カーソル移動部23が照準カーソルK1の移動速度Vzを算出する一定の時間間隔としては、例えば3フレーム分の時間、すなわち3/60秒(0.5秒)程度の値を採用することが可能であるが、これに限定されず、0.5秒より短くしてもよいし長くしてもよい。
【0124】
図2に戻り、カーソル移動部23は、照準カーソルK1の面積が増大するにつれて、照準カーソルK1の移動速度を低下させる。この場合、カーソル移動部23は、照準カーソルK1の面積が増大するにつれて移動速度Vkを低下させる補正係数αを求め、この補正係数αを移動速度Vkに乗じることで(α・Vk)、移動速度Vkの大きさを補正すればよい。ここで、カーソル移動部23は、照準カーソルK1の面積を入力とし、補正係数αを出力とし、照準カーソルK1の面積が増大するにつれて補正係数αが減少する予め定められた関数を用いて、補正係数αを算出すればよい。
【0125】
図11は、照準カーソルK1の面積と照準カーソルK1の移動速度との関係を説明するための図であり、(A)は照準カーソルK1の面積が大きい場合を示し、(B)は照準カーソルK1の面積が小さい場合を示している。
【0126】
図11(B)に示す照準カーソルK1は、図11(A)に示す照準カーソルK1よりも面積が小さい。そのため、図11(B)における補正係数αは、図11(A)における補正係数αよりも大きな値を有している。したがって、図11(A)に示す照準カーソルK1は、図11(B)に示す照準カーソルK1に比べてゆっくりと移動することになる。
【0127】
図2に戻り、タイミング取得部24は、ボールオブジェクトBL1の打撃タイミングを決定するための打撃指示がプレーヤにより入力されたとき、操作表示部10から出力されるタイミング信号を取得する。なお、タイミング信号は、例えば、操作表示部10の表示画面上の所定の位置に表示された打撃ボタンがプレーヤにタッチされたときに出力される。ここで、タイミング取得部24は、照準カーソルK1の生成後であって、且つイベント期間に残存時間がある場合に、タイミング信号を取得すればよい。
【0128】
作用付与部25は、タイミング取得部24がタイミング信号を取得したときに、ボールオブジェクトBL1と照準カーソルK1との少なくとも一部が重なった場合、ボールオブジェクトBL1が打撃されたと判定する打撃判定処理を実行する。
【0129】
図12は、作用付与部25が実行する打撃判定処理の説明図である。なお、図12は、図9に示す仮想3次元空間をx軸方向に向けて見た状態を表している。
【0130】
具体的には、作用付与部25は、タイミング取得部24がタイミング信号を取得したときに、図12に示すように、ボールオブジェクトBL1が平面SF1上の照準カーソルK1と交わる又は接している場合、ボールオブジェクトBL1が打撃されたと判定する。
【0131】
しかしながら、これでは、ゲームの難易度が高くなってしまい、面白みに欠けてしまう虞がある。そこで、本実施の形態では、例えばタイミング取得部24がタイミング信号を取得したときに、ボールオブジェクトBL1のy成分が、平面SF1に対して−y方向に距離d1離れた位置と、平面SF1に対して+y方向に距離d2離れた位置との間に存在し、且つそのときのボールオブジェクトBL1の延長線が平面SF1上の照準カーソルK1と交差した場合、ボールオブジェクトBL1が打撃されたと判定すればよい。
【0132】
ここで、ボールオブジェクトBL1の延長線としては、例えばタイミング取得部24がタイミング信号を取得したときのボールオブジェクトBL1の速度の方向にボールオブジェクトBL1の重心に位置する質点G1を起点として伸ばした直線を採用することができる。
【0133】
或いは、タイミング取得部24がタイミング信号を取得したときに、ボールオブジェクトBL1のy成分が、平面SF1に対して距離d1離れた位置と、平面SF1に対して距離d2離れた位置との間に存在する場合、ボールオブジェクトBL1の質点G1を通り平面SF1に平行な平面SF1´を設定し、設定した平面SF1´上に平面SF1上の照準カーソルK1を投影し、投影した照準カーソルK1の領域内にボールオブジェクトBL1が存在する場合、ボールオブジェクトBL1が打撃されたと判定すればよい。
【0134】
なお、d1,d2としては、平面SF1からのストライクゾーンのy成分の長さと同じ距離又は、多少のマージンを加える若しくは差し引いた距離を採用すればよい。
【0135】
図2に戻り、作用付与部25は、照準カーソル生成部22により生成された照準カーソルK1の面積が小さくなるにつれて、打撃パワーを大きく設定する。
【0136】
ここで、打撃パワーとしては、例えば打撃されたボールオブジェクトBL1の初速度V0の大きさと向きとが採用される。
【0137】
本実施の形態では、作用付与部25は、予め定められた方向と大きさとを有する基準初速度Vrefの向きと大きさとを変更することで、初速度V0の向きと大きさとを算出する。
【0138】
したがって、作用付与部25は、照準カーソルK1の面積を求め、照準カーソルK1の面積が小さくなるにつれて、基準初速度Vrefの大きさを大きくするための補正係数β1を求め、この補正係数β1を基準初速度Vrefに乗じることで(β1・Vref)、基準初速度Vrefの大きさを補正し、補正後の基準初速度Vrefの大きさを初速度V0の大きさとして設定すればよい。
【0139】
なお、作用付与部25は、補正係数β1を出力とし、照準カーソルK1の面積を入力とし、照準カーソルK1の面積が小さくなるにつれて補正係数β1が増大する予め定められた関数を用いて補正係数β1を算出すればよい。
【0140】
また、作用付与部25は、タイミング取得部24がタイミング信号を取得したときにおける、ボールオブジェクトBL1の重心の照準カーソルK1に対する通過位置が照準カーソルK1の重心に近いほど、打撃パワーを大きく設定する。
【0141】
図13は、打撃されたボールオブジェクトBL1の初速度の向きの算出処理を示した図であり、(A)は照準カーソルK1を示し、(B)は打撃直後のボールオブジェクトBL1をx方向に向けて見た状態を示し、(C)は打撃直後のボールオブジェクトBL1をz方向から見た状態を示している。
【0142】
図13(A)に示すように、ボールオブジェクトBL1の重心が打撃領域内の点P4(u,v)を通過したとする。但し、uは照準カーソルK1の中心O1を通り、且つx軸に平行な座標軸であり、vは中心O1を通り、且つz軸に平行な座標軸である。
【0143】
この場合、作用付与部25は、点P4と中心O1との距離dsを求め、距離dsが増大するにつれて、基準初速度Vrefを小さく設定するための補正係数β2を求め、この補正係数β2を基準初速度Vrefに乗じることで(β2・Vref)、基準初速度Vrefの大きさを補正し、補正後の基準初速度Vrefの大きさを初速度V0の大きさとして設定すればよい。
【0144】
なお、作用付与部25は、補正係数β2を出力とし、距離dsを入力とし、距離dsが小さくなるにつれて補正係数β2が増大する予め定められた関数を用いて補正係数β2を算出すればよい。
【0145】
次に、図13(A)〜(C)を用いて、ボールオブジェクトBL1の初速度V0の向きの算出手法について説明する。図13(A)に示すように、点P4のvが負であれば、バットオブジェクトBTによる打点がバットオブジェクトBTのスイートスポットよりも下側に位置すると判定し、図13(B)に示すように、基準初速度Vrefのピッチ角θ1をvの値に応じて増大させて、増大後の基準初速度Vrefのピッチ角θ1を初速度V0のピッチ角として設定する。
【0146】
一方、点P4のvが正であれば、バットオブジェクトBTによる打点がスイートスポットよりも上側に位置すると判定し、基準初速度Vrefのピッチ角θ1をvの値に応じて減少させて、減少後の基準初速度Vrefのピッチ角θ1を初速度V0のピッチ角として設定する。
【0147】
また、点P4のuが正であれば、右打者の場合、バットオブジェクトBTによる打点は、スイートスポットよりもグリップエンドとは反対の先端側に位置すると判定し、図13(C)に示すように基準初速度Vrefのヨー角θ2をuの値に応じて+θ2側に変更させて、変更後の基準初速度Vrefのヨー角θ2を初速度V0のヨー角として設定する。
【0148】
一方、点P4のuが負であれば、右打者の場合、バットオブジェクトBTによる打点はスイートスポットよりもグリップエンド側に位置するため、基準初速度Vrefのヨー角θ2をuの値に応じて−θ2側に変更させて、変更後の基準初速度Vrefのヨー角θ2を初速度V0のヨー角として設定する。
【0149】
更に、図12に示すように、ボールオブジェクトBL1が平面SF1よりも−y側に位置するときに、タイミング取得部24によりタイミング信号が取得された場合、すなわち、ボールオブジェクトBL1の打撃タイミングが速かった場合、図13(C)に示すように、右打者の場合は基準初速度Vrefのヨー角θ2をdの値に応じて−θ2側に増大させて、増大後の基準初速度Vrefのヨー角θ2を初速度V0のヨー角として設定する。
【0150】
一方、ボールオブジェクトBL1が平面SF1よりも+y側に位置するときに、タイミング取得部24によりタイミング信号が取得された場合、すなわち、ボールオブジェクトBL1の打撃タイミングが遅かった場合、図13(C)に示すように、右打者の場合は基準初速度Vrefのヨー角θ2をdの値に応じて+θ2側に増大させ、増大後の基準初速度Vrefのヨー角θ2を初速度V0のヨー角として設定する。
【0151】
図2に戻り、レベル設定部26は、プレーヤの操作指示に基づいて、プレーヤのレベルを設定する。ここで、レベル設定部26は、ゲームの開始に先立って、プレーヤにレベルを設定させるための操作画像を操作表示部10に表示させ、この操作画像を操作することにより、操作表示部10により受け付けられたプレーヤの操作指令に基づいて、プレーヤのレベルを設定すればよい。
【0152】
記憶部30は、ゲーム制御プログラム記憶部31、画像データ記憶部32及びキャラクタデータ記憶部を備えている。ゲーム制御プログラム記憶部31は、図1に示すゲーム装置に上述の野球ゲームを実行させるためのゲーム制御プログラムを記憶している。
【0153】
画像データ記憶部32は、打者キャラクタCL1、バットオブジェクトBT、野球場の背景画像、投手キャラクタCL2、及び野手キャラクタ等の野球ゲームを行ううえで必要な種々の画像データを記憶する。ここで、野球場の背景画像の画像データとしては、例えば仮想3次元空間内において予め作成された仮想3次元モデルを所定の視点から仮想スクリーン上にレンダリングすることにより予め作成された画像データを採用することができる。
【0154】
キャラクタデータ記憶部33は、打者キャラクタCL1の打撃能力(特にボールを打ち返し得る範囲)等に関する情報を記憶する。前述の通り、プレーヤが操作表示部10に指をタッチさせる前に、操作表示部10の略中央部には、最大領域MDが、事前に半透明且つ円状に表示されるが、この最大領域MDの大きさは打者キャラクタCL1の打撃能力に応じて、個々に設定される。この設定の際に、キャラクタデータ記憶部33の情報が使用される。
【0155】
次に、本実施の形態によるゲーム装置の動作について説明する。図14は、本発明の実施の形態によるゲーム装置の動作を示すフローチャートである。
【0156】
まず、ステップS1において、プログラム実行部20は、操作表示部10に、打者キャラクタCL1、バットオブジェクトBT、野球場の背景画像、投手キャラクタCL2、及び野手キャラクタ等の画像データを画像データ記憶部32から読み出して表示させ、初期設定を行う。この場合、操作表示部10には、例えば図3に示すような画像が表示される。
【0157】
次に、プログラム実行部20は、投手キャラクタCL2に振りかぶる動作を行わせ、イベント期間を開始する(ステップS2)。ここで、プログラム実行部20は、初期設定が終了した後、所定時間が経過したときにイベント期間を開始してもよいし、プレーヤからの操作指示に従って、イベント期間を開始してもよい。
【0158】
また、プログラム実行部20によりイベント期間が開始されると、接触点認識部21は、プレーヤにより入力される接触点を認識する処理を開始する。
【0159】
また、プログラム実行部20は、イベント期間が開始されてから所定時間が経過したときに、ボールオブジェクトBL1の移動を開始させる。このとき、プログラム実行部20は、投手キャラクタCL2がボールオブジェクトBL1を投じるように投手キャラクタCL2の表示態様を変更させる。
【0160】
また、プログラム実行部20は、ボールオブジェクトBL1の初速度を設定し、ボールオブジェクトBL1の重心を質点と見なし、設定した初速度と、仮想3次元空間内において予め鉛直方向下向きに付与された重力加速度と、揚力等の種々の外力と、ボールオブジェクトBL1の質量とを用いて、質点の運動方程式を解く。そして、プログラム実行部20は、運動方程式の解を繰り返し求めることで、仮想3次元空間におけるボールオブジェクトBL1の位置を繰り返し算出して、ボールオブジェクトBL1の軌道を算出する。そして、プログラム実行部20は、算出した軌道に沿うようにボールオブジェクトBL1を移動させ、移動するボールオブジェクトBL1の軌道を仮想3次元空間内の所定の位置に設定された仮想スクリーン上に投影し、仮想スクリーン上に投影されたボールオブジェクトのBL1の軌道を操作表示部10に表示させ、ボールオブジェクトBL1を操作表示部10で移動表示させる。
【0161】
この場合、プログラム実行部20は、球種及びコース毎に予め定められた確率にしたがって、球種及びコースをランダムに決定し、決定した球種及びコースに応じた軌道を描いてボールオブジェクトBL1が移動するように、予め定められた外力をボールオブジェクトBL1に付与する。なお、球種及びコース毎に予め定められた確率としては、ゲームの局面や、投手キャラクタCL2に応じて予め定められたものを採用すればよい。
【0162】
また、初速度の大きさとしては、ゲームの局面や、投手キャラクタCL2に応じて予め定められた値を採用すればよい。これにより、図3に示すように、ボールオブジェクトBL1は、プレーヤにより指定された球種やコースにしたがった軌道を描くように投手キャラクタCL2からホームベースに向かって移動表示される。
【0163】
次に、照準カーソル生成部22は、ステップS2で開始されたイベント期間が打者キャラクタCL1のある1つの打席の1回目のイベント期間に該当する場合(ステップS3でYES)、処理をステップS5に進める。一方、照準カーソル生成部22は、ステップS2で開始されたイベント期間が打者キャラクタCL1のある1つの打席の2回目以降のイベント期間に該当する場合(ステップS3でNO)、前回のイベント期間において生成した照準カーソルK1を援用し(ステップS4)、ステップS5〜S7の処理をスルーして、処理をステップS8に進める。
【0164】
具体的には、2回目のイベント期間においては、1回目のイベント期間で最終的に使用された照準カーソルK1が援用され、3回目のイベント期間においては、2回目のイベント期間で最終的に使用された照準カーソルK1が援用されるというように、1つ前のイベント期間で最終的に使用された照準カーソルK1が援用される。
【0165】
次に、接触点認識部21は、プレーヤが表示画面上をタッチすることで入力した接触点を認識する(ステップS5)。ここで、接触点認識部21は、プレーヤにより操作画面上に1本の指がタッチされた場合は(ステップS5でYES)、1つの接触点を認識し、プレーヤにより操作画面上に同時に2本又は3本の指が同時にタッチされた場合は(ステップS5でYES)、2つ又は3つの接触点を認識する。
【0166】
一方、プレーヤにより操作画面上に指がタッチされない場合(ステップS5でNO)、接触点認識部21は、接触点を認識することなく、処理をステップS13に進める。
【0167】
次に、照準カーソル生成部22は、ステップS5で認識された全ての接触点が、最大領域MD内に位置するか否かを判定する(ステップS6)。そして、照準カーソル生成部22は、ステップS5で認識された接触点が最大領域MD内に位置すると判定した場合(ステップS6でYES)、照準カーソルK1を生成する。この場合、照準カーソル生成部22は、上述したように、1つの接触点が認識された場合は円状の照準カーソルK1を生成し、2つの接触点が認識された場合は短冊状の照準カーソルK1を生成し、3つの接触点が認識された場合は三角形状の照準カーソルK1を生成する(ステップS7)。
【0168】
一方、照準カーソル生成部22は、1つの接触点が認識された場合は当該接触点が最大領域MD内に位置せず、2つ又は3つの接触点が認識された場合はこれらの接触点のうち少なくとも1つの接触点が最大領域MD内に位置しない場合、ステップS6でNOと判定し、照準カーソルK1を生成することなく、処理をステップS13に進める。
【0169】
この場合、イベント期間が経過していなければ、ステップS13でNOと判断され、処理がステップS5に戻されるため、プレーヤは、照準カーソルK1を生成するために、再度、接触点を入力することができる。
【0170】
次に、照準カーソル生成部22は、プレーヤが照準カーソルK1を修正するための操作指示を入力した場合(ステップS8でYES)、照準カーソルK1を修正する(ステップS9)。一方、照準カーソル生成部22は、プレーヤが照準カーソルK1を修正するための操作指示を入力しなかった場合(ステップS8でNO)、照準カーソルK1を修正することなく、つまり、ステップS9をスルーして、処理をステップS10に進める。
【0171】
ここで、修正指示としては、上述したように、新たに接触点を入力する操作指示と、生成済の照準カーソルK1の特徴点を消去するための操作指示とが含まれる。新たに接触点を入力した場合、円形の照準カーソルK1は、短冊状又は三角形状の照準カーソルK1に修正され、短冊状の照準カーソルK1は、三角形状の照準カーソルK1に修正される。
【0172】
また、生成済の照準カーソルK1の特徴点を消去するための操作指示が入力された場合、三角形状の照準カーソルK1は、短冊状又は円形の照準カーソルK1に修正され、短冊状の照準カーソルK1は、円形の照準カーソルK1に修正される。
【0173】
なお、イベント期間が経過していなければ、ステップS13でNOと判断され、処理がステップS5に戻されるため、プレーヤは、照準カーソルK1を修正するための操作指示を、再度、入力することができる。これにより、プレーヤは、最初、三角形状の照準カーソルK1を生成したが、ゲームの局面から長打を打ちたくなった場合、打撃パワーの低い三角形状の照準カーソルK1から、打撃パワーのより高い短冊状又は円形の照準カーソルK1に変更することができる。
【0174】
また、プレーヤは、三角形状又は短冊状の照準カーソルK1を生成したものの、三角形の底辺が斜め方向を向いている、或いは、短冊の長手方向が斜め方向を向いているというような理由から、照準カーソルK1の向きが気に入らないことも生じ得る。この場合、プレーヤは、生成済の照準カーソルK1の特徴点を消去した後、再度、接触点を入力することで、所望の向きの照準カーソルK1を得ることが可能となる。これにより、プレーヤは、イベント期間が許す限り、納得がいくまで、照準カーソルK1を修正することが可能となり、操作のバリエーションが広がり、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0175】
また、2回目以降のイベント期間であるために照準カーソルK1が援用された場合、プレーヤは、この照準カーソルK1を修正したいと考える場合もある。例えば、1回目のイベント期間において、投手キャラクタCL2が投じたボールオブジェクトBL1の軌道から投手キャラクタCL2が軟投派であることが判明した場合、プレーヤは打撃パワーのより大きな面積の小さな照準カーソルK1に、援用した照準カーソルK1を変更したいと考えることも生じ得る。
【0176】
この場合、プレーヤは、三角形状から短冊状若しくは円状、又は短冊状から円状というようにより打撃パワーのより強い照準カーソルK1に、援用した照準カーソルK1を修正することができる。つまり、プレーヤは、2回目以降のイベント期間においては、0から照準カーソルK1を生成する操作指示を行うことなく、修正指示を入力することで所望する形状の照準カーソルK1を得ることができる。
【0177】
次に、カーソル移動部23は、ゲーム装置の本体を傾斜させることによるプレーヤから照準カーソルK1の移動指示が操作表示部10により受け付けられると(ステップS10でYES)、傾斜角度に応じた移動速度で、照準カーソルK1を表示画面上で移動表示させる(ステップS11)。
【0178】
一方、カーソル移動部23は、ゲーム装置の主面が水平面と平行にされることにより、照準カーソルK1の移動を停止する指示が操作表示部10により受け付けられると(ステップS10でNO)、照準カーソルK1の移動を停止した後、その位置で照準カーソルK1を表示させ、処理をステップS12に進める。
【0179】
次に、タイミング取得部24は、プレーヤにより打撃ボタンがタッチされ、操作表示部10から出力されるタイミング信号を受け付けた場合(ステップS12でYES)、処理をステップS14に進める。
【0180】
一方、タイミング取得部24は、プレーヤにより打撃ボタンがタッチされず、操作表示部10から出力されるタイミング信号を受け付けなかった場合(ステップS12でNO)、処理をステップS13に進める。
【0181】
ステップS13において、タイミング取得部24は、イベント期間が終了したか否かを判定し、イベント期間が終了した場合(ステップS13でYES)、処理をステップS16に進め、イベント期間が終了していない場合(ステップS13でNO)、処理をステップS5に戻す。
【0182】
すなわち、イベント期間が終了するまでステップS5からS13までの処理が繰り返され、プレーヤによる照準カーソルK1を生成するための操作指示と、プレーヤによる照準カーソルK1を移動させる移動指示と、プレーヤによる照準カーソルK1を修正させる修正指示と、プレーヤによる打撃指示とが受け付けられる。
【0183】
そして、タイミング取得部24が、イベント期間が終了するまでにタイミング信号を取得することができた場合(ステップS12でYES)、作用付与部25は、プレーヤが打撃指示を行ったとして、処理をステップS14に進める。
【0184】
一方、タイミング取得部24が、イベント期間が終了するまでにタイミング信号を取得することができなかった場合(ステップS12でNO、且つステップS13でYES)、作用付与部25は、プレーヤが見送りしたと判定し、処理をステップS16に進める。
【0185】
また、イベント期間が終了するまでの間に、接触点を入力することができなかった場合(ステップS5でNO、且つステップS13でYES)、又は、プレーヤが接触点を入力したがそれが最大領域MD内に収まっていなかった場合(ステップS6でNO、且つステップS13でYES)、作用付与部25は、プレーヤが見送りしたと判定し、処理をステップS16に進める。
【0186】
ステップS14において、作用付与部25は、打撃判定処理を行い、プレーヤがボールオブジェクトBL1を打撃することができたか否かを判定する。そして、作用付与部25は、プレーヤがボールオブジェクトBL1を打撃することができたと判定した場合(ステップS14でYES)、打撃パワーを設定する処理を行い(ステップS15)、ボールオブジェクトBL1の初速度V0の向き及び大きさを算出し、打撃処理を実行する(ステップS17)。
【0187】
この場合、作用付与部25は、図15に示すように、ボールオブジェクトBL1がバットオブジェクトBTにより打撃されたことを明示する画像を操作表示部10に表示させる。
【0188】
また、作用付与部25は、打撃されたボールオブジェクトBL1の軌道を計算し、計算した軌道を仮想スクリーン上に投影することで、操作表示部10にボールオブジェクトBL1を移動表示させる。この場合、作用付与部25は、ボールオブジェクトBL1の重心を質点と見なし、ステップS15で算出されたボールオブジェクトBL1の初速度V0を用いて質点の運動方程式を解くことにより、ボールオブジェクトBL1の位置を繰り返し算出して、ボールオブジェクトBL1の軌道を算出すればよい。
【0189】
一方、作用付与部25は、プレーヤがボールオブジェクトBL1を打撃することができなかったと判定した場合(ステップS14でNO)、すなわち、プレーヤがボールオブジェクトBL1を空振りした場合、投手キャラクタCL2がバットオブジェクトBTを空振りする画像を操作表示部10に表示した後、ボールオブジェクトBL1を捕手キャラクタが捕球する画像を操作表示部10に表示させる等の空振り処理を実行する(ステップS18)。
【0190】
ステップS16おいて、作用付与部25は、例えば捕手キャラクタがボールオブジェクトを捕球する画像を操作表示部10に表示させる等の見送り処理を実行する。
【0191】
このように、本実施の形態によるゲーム装置によれば、プレーヤは、表示画面上に照準カーソルK1を表示させるために、表示画面上に1又は同時に複数の指をタッチさせ、その後、生成された照準カーソルK1をボールオブジェクトBL1に作用させるべく移動させるという、従来にはない全く新規な操作を行うことになる。しかも、照準カーソルK1の生成とその後の照準カーソルK1の移動とは、ボールオブジェクトBL1が投手キャラクタCL2の手からリリースされてから、ホームベース上を通過するまでの、限られた時間内に行なう必要があるので、その時間配分をどのようにするかという戦略性もプレーヤに求められることになり、タッチパネル式の操作表示部10を備えるゲーム装置の特徴を十分に活かすことができると同時に、従来にはない興趣性を有するゲームを実現することができる。
【0192】
なお、上記実施の形態では、照準カーソルK1は、操作表示部10を傾斜させることで移動されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、操作表示部10を任意の方向にスライドさせることで、照準カーソルK1を移動表示させてもよい。
【0193】
この場合、操作表示部10に加速度センサを設け、この加速度センサから出力される加速度信号を2回積分する例えば、特許第3947549号公報に開示の手法を用いることで、照準カーソルK1の表示画面上での移動量を算出し、算出した移動量にしたがって、照準カーソルK1を移動表示させればよい。
【0194】
また、操作表示部10に例えば上下左右の4方向を指定することができる十字キーの操作画像を表示させ、プレーヤにこの十字キーをタッチさせることで、照準カーソルK1を移動させるようにしてもよい。
【0195】
更に、別の方法として、例えば照準カーソルK1の外縁又は外縁から所定距離以内の領域に指を接触させ、接触させた指を表示画面上で接触移動させることで照準カーソルK1を移動させるようにしてもよい。この方法であれば、移動体オブジェクトの接近方向とは反対側に指を接触させれば、プレーヤは、概ね、両者の位置関係を把握しながら、照準カーソルK1を任意の位置に移動させることが可能となる。
【0196】
なお、上記説明では、本ゲーム装置が野球ゲームを実行する場合を例示したが、これに限定されず、野球ゲーム以外、例えばテニス、卓球、スカッシュ等のラケットによりボールを打ち返す球技のゲームを実行させてもよい。
【0197】
また、本ゲーム装置にクレー射撃ゲームを実行させてもよい。この場合、照準カーソルK1をライフルの照準とし、射撃対象物である飛行体を移動体オブジェクトとすればよい。
【符号の説明】
【0198】
10 操作表示部
20 プログラム実行部
21 接触点認識部
22 照準カーソル生成部
23 カーソル移動部
24 タイミング取得部
25 作用付与部
26 レベル設定部
30 記憶部
31 ゲーム制御プログラム記憶部
32 画像データ記憶部
33 キャラクタデータ記憶部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム空間内で移動する移動体オブジェクトに対して仮想的に作用を与えるゲームを実行するゲームプログラム、ゲーム装置、及びゲーム方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲーム空間内を移動するボールオブジェクトの到達位置にミートカーソルの中心部分を合わせ、コントローラの押下ボタンを押下操作することで、ボールオブジェクトを打撃する野球ゲームが知られている(例えば、特許文献1)。このような野球ゲームにおいて、プレーヤはコントローラの例えば十字キーを操作することでミートカーソルを移動させる。
【0003】
ところで、近年、タッチパネル式の表示手段を備え、ゲームを実行することが可能な携帯電話機(例えばi−phone(登録商標))が普及している。
【0004】
このような携帯電話機では、ユーザは、全ての操作をタッチパネルにタッチすることで行うことができる。そのため、テンキー等の物理的なボタンを携帯電話機に設ける必要がなく、シンプルな外観が実現されている。また、この携帯電話機では、タッチパネル上を指でなぞったり、指で軽くタッチしたりという操作が基本となる。つまり、押す操作に加えてなぞるという操作が新たに加わっているため、押す操作が基本であった従来の携帯電話機に比べて、斬新なユーザーインターフェイスが実現されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3892889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のゲームは、十字キーや押下ボタン等を備えるコントローラの使用が前提とされているため、指の操作を基本とするタッチパネル式の表示部を備える携帯電話機のユーザーインターフェイスの特徴を充分に活かすことはできない。よって、特許文献1の手法では、この種の携帯電話機の特徴的な操作であるなぞるという操作が全く活かされていない。
【0007】
本発明の目的は、タッチパネル式の表示部を備える携帯端末のユーザーインターフェイスを活かして、ゲーム空間内を移動する移動体オブジェクトに仮想的に作用を与えることができるゲームを実現するゲーム装置等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明の一局面によるゲーム装置は、ゲーム空間内で移動する移動体オブジェクトに対して仮想的な作用を与えるゲームの進行を制御するゲーム装置であって、タッチパネル式の表示部を備える操作手段と、前記表示部の表示画面上において、1又は同時に複数の接触点を入力するために指をタッチさせるプレーヤからの操作指示に基づいて、プレーヤが実際に入力した1点又は複数の接触点の座標情報を取得することで、1又は複数の接触点を認識する接触点認識手段と、所定時間内に、前記接触点認識手段により1又は同時に複数の接触点が認識された場合、認識された1又は複数の接触点に基づいて、照準カーソルを生成する照準カーソル生成手段と、前記照準カーソルの生成後、且つ前記所定時間に残存時間がある場合に、前記操作手段に入力されたプレーヤからの操作指示を基に、前記照準カーソルを前記表示部に移動表示させる移動手段と、前記移動体オブジェクトに対して仮想的な作用を与えるタイミングを決定するための操作指示が入力されたときに、前記操作手段から出力されるタイミング信号を取得するタイミング取得手段と、前記タイミング取得手段が前記タイミング信号を取得したときに、前記移動体オブジェクトと前記照準カーソルとの少なくとも一部が重なった場合、前記移動体オブジェクトに対して前記仮想的な作用を与える作用付与手段とを備えている。
【0009】
また、本発明の別の一局面によるゲーム制御プログラムは、ゲーム空間内で移動する移動体オブジェクトに対して仮想的な作用を与えるゲームの進行を制御するゲーム装置としてコンピュータを機能させるゲーム制御プログラムであって、タッチパネル式の表示部を備える操作手段と、前記表示部の表示画面上において、1又は同時に複数の接触点を入力するために指をタッチさせるプレーヤからの操作指示に基づいて、プレーヤが実際に入力した1又は複数の接触点の座標情報を取得することで、1又は複数の接触点を認識する接触点認識手段と、所定時間内に、前記接触点認識手段により1又は同時に複数の接触点が認識された場合、認識された1又は複数の接触点に基づいて、照準カーソルを生成する照準カーソル生成手段と、前記照準カーソルの生成後、且つ前記所定時間に残存時間がある場合に、前記操作手段に入力されたプレーヤからの操作指示を基に、前記照準カーソルを前記表示部に移動表示させる移動手段と、前記移動体オブジェクトに対して仮想的な作用を与えるタイミングを決定するための操作指示が入力されたときに、前記操作手段から出力されるタイミング信号を取得するタイミング取得手段と、前記タイミング取得手段が前記タイミング信号を取得したときに、前記移動体オブジェクトと前記照準カーソルとの少なくとも一部が重なった場合、前記移動体オブジェクトに対して前記仮想的な作用を与える作用付与手段としてコンピュータを機能させている。
【0010】
また、本発明の更に別の一局面によるゲーム制御方法は、ゲーム空間内で移動する移動体オブジェクトに対して仮想的に作用を与えるゲームの進行をゲーム装置が制御するゲーム制御方法であって、前記ゲーム装置は、タッチパネル式の表示部を含む操作手段を備え、前記表示部の表示画面上において、1又は同時に複数の接触点を入力するために指をタッチさせるプレーヤからの操作指示に基づいて、プレーヤが実際に入力した1又は複数の接触点の座標情報を取得することで、1又は複数の接触点を認識する接触点認識ステップと、所定時間内に、前記接触点認識ステップにより1又は同時に複数の接触点が認識された場合、認識された1又は複数の接触点に基づいて、照準カーソルを生成する照準カーソル生成ステップと、前記照準カーソルの生成後、且つ前記所定時間に残存時間がある場合に、前記操作手段に入力されたプレーヤからの操作指示を基に、前記照準カーソルを前記表示部に移動表示させる移動ステップと、前記移動体オブジェクトに対して仮想的な作用を与えるタイミングを決定するための操作指示が入力されたときに、前記操作手段から出力されるタイミング信号を取得するタイミング取得ステップと、前記タイミング取得ステップが前記タイミング信号を取得したときに、前記移動体オブジェクトと前記照準カーソルとの少なくとも一部が重なった場合、前記移動体オブジェクトに対して前記仮想的な作用を与える作用付与ステップとを備えている。
【0011】
これらの構成によれば、表示部の表示画面上において、1又は同時に複数の接触点を入力するために指をタッチさせる操作指示がプレーヤにより行われると、この操作指示に基づいて、プレーヤが実際に入力した1又は複数の接触点が認識され、認識された1又は複数の接触点に基づいて、照準カーソルが生成される。
【0012】
そして、プレーヤは操作手段を操作することで、この照準カーソルをゲーム空間内で移動させる。そして、移動体オブジェクトに作用を与えるタイミングを決定するための操作指示がプレーヤにより入力されると、操作手段からタイミング信号が出力され、タイミング取得手段により取得される。そして、このタイミング信号が取得されたときに、移動体オブジェクトと照準カーソルとが重なった場合、移動体オブジェクトに仮想的な作用が与えられる。
【0013】
つまり、プレーヤは、表示画面上に照準カーソルを表示させるために、表示画面上に1又は同時に複数の指をタッチさせ、その後、生成された照準カーソルを移動体オブジェクトに作用させるべく移動させるという、従来にはない全く新規な操作を行うことになる。
【0014】
しかも、照準カーソルの生成とその後の照準カーソルの移動とは、限られた時間内に行なう必要があるので、その時間配分をどのようにするかという戦略性もプレーヤに求められることになり、タッチパネル式の表示部を備えるゲーム装置の特徴を十分に活かすことができると同時に、従来にはない興趣性を有するゲームを実現することができる。
【0015】
具体的なゲームとしては、例えば野球ゲームの形態をとることができる。この場合、投手キャラクタから投げられたボールオブジェクトがホームベース上を通過するまでの限られた時間内において、プレーヤ(打者キャラクタ)は、1または同時に複数の指を画面にタッチすることで、これに対応する照準カーソル(従来の野球ゲームを示す特許文献1で開示の「ミートカーソル」に該当)を迅速に生成することができる。次いで、その照準カーソルを飛んでくるボールキャラクタの軌道を予想して移動させ、ホームベース上で打撃を行う、というようなゲーム構成にすることができる。この場合、ボールキャラクタがホームベースを通過するまでに間に、照準カーソルを生成し、且つそれを移動させる必要があるが、もし、照準カーソルの生成のタイミングが遅いと(画面へのタッチのタイミングが遅いと)、ボールキャラクタの軌道に合わせて照準カーソルの移動させるための時間的余裕がなくなり、結果的にプレーヤ(打者キャラクタ)はボールキャラクタにバットを合わせることができず、見送りとなってしまう。
【0016】
従って、プレーヤはボールキャラクタが投手キャラクタからリリースされるとすぐに、適切な照準カーソルの形状を決定する判断力が求められ、且つ生成した照準カーソルをボールキャラクタの軌道に合わせて適切に移動させる操作性が求められるため、緊張感のある遊戯性に満ちた野球ゲームを実現できる。
【0017】
(2)前記照準カーソル生成手段は、前記接触点認識手段により1つの接触点が認識された場合、当該接触点を基準として円状の照準カーソルを生成し、前記接触点認識手段により同時に2つの接触点が認識された場合、当該2つの接触点を繋ぐことで短冊状の照準カーソルを生成し、前記接触点認識手段により同時に3つ以上の接触点が認識された場合、当該3つ以上の接触点を繋ぐことで多角形状の照準カーソルを生成することが好ましい。
【0018】
この構成によれば、プレーヤは、表示画面上に1本の指をタッチさせる操作指示を行うことで円状の照準カーソルを生成させることができ、表示画面上に同時に2本の指をタッチさせる操作指示を行うことで短冊状の照準カーソルを生成させることができ、表示画面上に同時に3本以上の指をタッチさせる操作指示を行うことで多角形状の照準カーソルを生成させることができる。
【0019】
したがって、プレーヤは、好みの操作指示を用いて照準カーソルを生成させたり、好みの形状の照準カーソルを生成させたりすることを容易に行うことができ、照準カーソルを生成する上でプレーヤに種々の選択の余地を与えてゲームの興趣性を高めることができる。
【0020】
(3)前記照準カーソルは、円状、短冊状、多角形状の順で面積が大きくなり、前記移動手段は、前記照準カーソルの面積が増大するにつれて前記照準カーソルの移動速度を低く設定することが好ましい。
【0021】
この構成によれば、面積が大きいほど、動きが鈍いという仮想的な動作傾向を設定することが可能となる。例えば、この構成を野球ゲームに適用した場合、投手から投げられたボールオブジェクトに対して、打撃範囲となる照準カーソル(従来ゲームのミートカーソル)を大きく設定すれば、ボールオブジェクトと照準カーソルとが重なる領域は広くなる反面、照準カーソルの位置を調整するための移動速度が遅くなるので、例えば変化球に合わせて照準カーソルを迅速に移動させることが困難となる。逆に、照準カーソルを小さく設定すれば、打撃範囲は小さくなるものの、移動速度が速くなるので、変化球に対しても迅速に照準カーソルを移動させることができる。
【0022】
従って、プレーヤは、照準カーソルの面積と移動速度との兼ね合いから、表示画面上にタッチする指の本数を変えることで、円状、短冊状、又は多角形状の照準カーソルの中から好みのサイズの照準カーソルを生成することが可能になり、操作および戦略のバリエーションを増加させることができ、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0023】
(4)前記照準カーソル生成手段は、前記照準カーソルの生成後、且つ前記所定時間に残存時間がある場合において、前記接触点認識手段により1又は同時に複数の接触点が更に認識された場合、更に認識された接触点が照準カーソルの外縁の一部に含まれるように照準カーソルの形状を修正することが好ましい。
【0024】
この構成によれば、一旦、照準カーソルを生成させたものの、生成した照準カーソルの形状に納得がいかない場合、あるいは自分の意図とは違う照準カーソルを誤って生成してしまった場合、所定時間内であれば(例えば、野球ゲームの場合であれば、投手キャラクタからリリースされたボールオブジェクトがホームベース上を通過するまでの間)、プレーヤは、再度、表示画面上に指をタッチさせて接触点を追加して、照準カーソルの形状を修正することができる。そのため、プレーヤは、納得がいく形状の照準カーソルでゲームを進行させることができ、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0025】
但し、その修正を行なう場合には、修正に時間を要する分、修正した照準カーソルをボールキャラクタの予想軌道に合わせにいくための移動時間が限られてしまうので、修正後の照準カーソルの移動には、迅速且つ的確な操作が求められることになる。従って、プレーヤはその時間配分も考えて、修正後の照準カーソルの移動時間が短くなっても、あえて修正を図ったほうがよいのか、あるいは、修正せずに一旦生成した照準カーソルのまま、ゲームを進めたほうがよいのかの選択を瞬時に判断することが求められる。このように、様々な選択肢を設けているので、プレーヤは種々の戦略をとることができ、ゲームの興趣性を深いものとすることができる。
【0026】
(5)前記照準カーソル生成手段は、短冊状又は多角形状の照準カーソルの生成後、且つ前記所定時間に残存時間がある場合において、生成済の照準カーソルを生成する際に入力された接触点に対応するいずれかの特徴点がプレーヤにより再度、タッチされた場合、タッチされた特徴点を消去して、残りの特徴点に基づいて、前記生成済の照準カーソルを修正することが好ましい。
【0027】
この構成によれば、一旦、照準カーソルを生成させたものの、生成した照準カーソルの移動速度が低い又は形状に納得がいかないような場合、あるいは自分の意図とは違う照準カーソルを誤って生成してしまった場合、所定時間内であれば、プレーヤは、生成済の照準カーソルの所定の特徴点をタッチすることでその特徴点を除去して、照準カーソルの形状を修正することができる。これにより、プレーヤは、納得する形状を有する照準カーソルを生成させてゲームを進行させることができ、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0028】
但し、本構成も前述の(4)項の構成と同様、一旦生成した照準カーソルの修正を行なう場合には、修正に時間を要する分、修正した照準カーソルをボールオブジェクトの予想軌道に合わせにいくための移動時間が限られてしまうので、修正後の照準カーソルの移動には、迅速且つ的確な操作が求められることになる。従って、プレーヤはその時間配分も考えて、修正後の照準カーソルの移動時間が短くなっても、あえて修正を図ったほうがよいのか、あるいは、修正せずに一旦生成した照準カーソルのまま、ゲームを進めたほうがよいのかの選択を瞬時に判断することが求められる。このように、様々な選択肢を設けているので、プレーヤは種々の戦略をとることができ、ゲームの興趣性を深いものとすることができる。
【0029】
(6)前記照準カーソル生成手段は、前記表示部の表示画面上において、プレーヤが接触点を入力し得る所定の最大領域から、前記接触点認識手段により認識された接触点のうち少なくとも1つの接触点がはみ出る場合、前記照準カーソルを生成しないことが好ましい。
【0030】
この構成によれば、プレーヤは、表示画面上の所定の最大領域内で接触点を入力しなければならないという制約が課され、プレーヤに対して緊張感を与えることができるので、ゲームの興趣性を高めることができる。また、照準カーソルの面積が過度に大きくなって、ゲームの難易度が低下することを防止することができる。
【0031】
(7)前記移動体オブジェクトに対して仮想的な作用を与える複数のキャラクタに関する情報を記憶するキャラクタデータ記憶手段を更に備え、前記キャラクタに関する情報は、各キャラクタのそれぞれに対して予め個別に設定された前記最大領域の大きさを含み、前記接触点認識手段は、接触点を入力するためのプレーヤからの操作指示が行われる前の表示画面上に、前記最大領域を表示することが好ましい。
【0032】
この構成によれば、1又は複数の接触点を入力し得る最大領域が表示されるので、闇雲に大きな照準カーソルが生成されるといった事態を回避できる。例えばプレーヤによっては、生成後の照準カーソルを移動することを考慮せず、とにかく大きな照準カーソルを生成させて、ボールオブジェクトに当てることだけを考えるといった可能性も考えられるが、この場合、本来のゲームの特徴が生かされない上、例えば、プレーヤ同士が対戦結果を比較する場合等に、ゲーム条件が大きく変わってしまい不公平感も生じてしまう。そこで、上記構成とすることで、照準カーソルを生成し、それを移動させて、ボールオブジェクトに当てるという基本的なゲーム性を確保することができる。
【0033】
また、キャラクタ(例えば打者キャラクタ)ごとに、接触点を入力し得る最大領域が異なるので、プレーヤはキャラクタの打撃能力(ボールを打ち返し得る範囲)を事前に把握でき、ゲームに対する興味も向上する。
【0034】
(8)前記最大領域は、半透明で表示され、且つ前記プレーヤの前記表示画面への指の接触時に消去されることが好ましい。
【0035】
この構成によれば、照準カーソルを生成するために入力し得る接触点の最大領域をゲームの構成画面から容易に識別でき、またゲーム画面自体の邪魔になることもない。また、プレーヤが照準カーソルを入力するために指をタッチさせた瞬間に消去されるので、それを目印にして複数の指をたどるようにしてタッチさせれば最大の照準カーソルが生成されるといった安易なプレーヤの操作も排除できる。
【0036】
(9)前記ゲームは、野球ゲームであり、前記所定時間は、ボールオブジェクトの投球開始時刻を基準として設定されるイベント開始時刻から、前記ボールオブジェクトがホームベース上を通過するイベント終了時刻までのイベント期間であり、前記イベント期間は、前記ボールオブジェクトに対して打撃を与えようとする打者キャラクタの1打席が終了するまで1又は複数回設定され、前記照準カーソル生成手段は、2回目以降のイベント期間において、前回のイベント期間で生成した照準カーソルを援用することが好ましい。
【0037】
この構成によれば、打者キャラクタの1打席が終了するまで1又は複数回のイベント期間が設定される。そして、1打席において複数回のイベント期間が設定された場合、1回目のイベント期間で生成された照準カーソルが2回目以降のイベント期間において援用される。そのため、プレーヤは、移動体オブジェクトが移動する毎に、照準カーソルを生成する操作指示を行う手間が省かれ、生成済の照準カーソルを移動体オブジェクトに位置合わせする操作に集中することができる。
【0038】
(10)前記タイミング取得手段は、前記照準カーソルの生成後、且つ前記イベント期間に残存時間がある場合に、前記タイミング信号を取得することが好ましい。
【0039】
この構成によれば、プレーヤは、イベント期間内に、表示画面上で指をタッチさせる操作と、照準カーソルを移動させて移動体オブジェクトに重ねる操作とが課される。
【0040】
具体的には、この構成を例えば野球ゲームに適用した場合であれば、投手が振りかぶってから(イベント開始)、投球されたボールがホームベース上を通過するまで(イベント終了)の間の時間が、照準カーソルを生成するために許容される時間(イベント時間)となる。
【0041】
よって、プレーヤが、移動体オブジェクトに当たる領域を広くしようとして大きな照準カーソルを生成しようとすると、3本の指を大きく広げてこれらの指を不自然な状態にして表示画面をタッチしなければならず、接触点を入力するための操作に費やす時間が増大してしまい、この結果、イベント期間の残り時間が減少するため、照準オブジェクトの移動(飛んでくるボールに合わせるための位置調整)に費やすことができる時間が減少してしまう。
【0042】
そのため、プレーヤは、イベント期間の残り時間を考慮しながら、照準カーソルを生成するための接触点を入力することになり、従来にはない興趣性を有するゲームを実現することが可能となる。
【0043】
(11)前記操作手段は、ジャイロセンサを含み、前記移動手段は、前記ジャイロセンサから出力される角速度信号を基に、前記操作手段の傾斜角度を検出し、検出した傾斜角度に応じて前記照準カーソルの移動速度を設定することが好ましい。
【0044】
この構成によれば、操作手段はジャイロセンサを含んでおり、操作手段を傾けることで照準カーソルを移動させることができる。そのため、プレーヤは、照準カーソルに指を接触させることなく移動させることができる。
【0045】
即ち、照準カーソルは最終的に移動体オブジェクトに当てる必要があるので、徐々に接近してくる移動体オブジェクトとの位置関係を明確に把握する必要があるが、もし照準カーソルをプレーヤの指で移動させようとすると、その指自体が邪魔になり、両者の位置関係が見え難くなることが想定される。そのため、この手法を採用すれば、指自体が邪魔になることがなくなり、プレーヤの操作性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0046】
本発明によれば、タッチパネル式の表示部を備えるゲーム装置の特徴を十分に活かすことができると同時に、従来にはない興趣性を有するゲームを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施の形態によるゲーム装置のブロック図を示している。
【図2】図1に示すゲーム装置の機能ブロック図を示している。
【図3】操作表示部の表示画面に表示される野球ゲームの画像の一例を示した図である。
【図4】円状の照準カーソルの一例を示した図である。
【図5】短冊状の照準カーソルの一例を示した図である。
【図6】三角形状の照準カーソルの一例を示した図である。
【図7】照準カーソルの修正処理の説明図であり、(A)は円状の照準カーソルが短冊状の照準カーソルに修正される場合を示し、(B)は円状の照準カーソルが三角形状の照準カーソルに修正される場合を示し、(C)は短冊状の照準カーソルが三角形状の照準カーソルに修正される場合を示している。
【図8】照準カーソルの修正処理の説明図であり、(A)は三角形状の照準カーソルが短冊状の照準カーソルに修正される場合を示し、(B)は三角形状の照準カーソルが円状の照準カーソルに修正される場合を示し、(C)は短冊状の照準カーソルが円状の照準カーソルに修正される場合を示している。
【図9】照準カーソルのゲーム空間内での配置位置を示した図である。
【図10】ゲーム装置の姿勢と照準カーソルの移動速度との関係を示す模式図である。
【図11】照準カーソルの面積と照準カーソルの移動速度との関係を説明するための図であり、(A)は照準カーソルの面積が大きい場合を示し、(B)は照準カーソルの面積が小さい場合を示している。
【図12】作用付与部が実行する打撃判定処理の説明図である。
【図13】打撃されたボールオブジェクトの初速度の向きの算出処理を示した図であり、(A)は照準カーソルを示し、(B)は打撃直後のボールオブジェクトをx方向に向けて見た状態を示し、(C)は打撃直後のボールオブジェクトをz方向から見た状態を示している。
【図14】本発明の実施の形態によるゲーム装置の動作を示すフローチャートである。
【図15】ボールオブジェクトがバットオブジェクトにより打撃されたことを明示するための画像である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、本発明の一実施の形態によるゲーム装置について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施の形態によるゲーム装置のブロック図を示している。本実施の形態では、ゲーム装置として、例えば、タッチパネル式の表示部を備える携帯電話機を採用する。但し、これは一例であり、PDA(Personal Data Assistance)等のタッチパネル式の表示部を備える携帯端末を採用してもよいし、タッチパネル式の表示部を備える携帯型のゲーム装置を採用してもよい。
【0049】
また、本実施の形態では、ゲームとしてゲーム空間内で移動するボールオブジェクトBL1(移動体オブジェクトの一例)を照準カーソル(従来ゲームのミートカーソルに対応、以下、照準カーソルで説明する)で位置決めして、仮想的に打ち返す野球ゲームを採用する。
【0050】
図1に示すゲーム装置は、ジャイロセンサ1、CPU(Central Processing Unit)2、通信制御回路3、RAM(Random Access Memory)4、ROM(Read-Only Memory)5、サウンド処理回路6、画像処理回路7、モニタ8、スピーカ61、及びマイク62を備えている。図1に示すジャイロセンサ1〜画像処理回路7等の各ブロックは、バスラインBSを介して相互に接続されている。
【0051】
ジャイロセンサ1は、例えばゲーム装置のロール方向の姿勢とピッチ方向に対する姿勢とが検出可能なジャイロセンサにより構成され、ロール方向及びピッチ方向のそれぞれの角速度を検出して角速度信号を出力する。
【0052】
CPU2は、ROM5に記憶されたゲーム制御プログラムからの命令を解釈し、各種のデータ処理や制御を行う。通信制御回路3は、CPU2により生成された送信対象のデータを、例えばCDMA(Code Division Multiple Access)等により拡散処理した後、QAM(Quadrature Amplitude phase Modulation)、PSK(Phase Shift Keying)、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)等により変調して送信する処理や、受信したデータを復調した後、逆拡散処理し、得られたデータをCPU2に出力する処理を行う。
【0053】
RAM4は、CPU2に対する作業領域を確保する。ROM5は、ゲーム装置の基本的な制御(たとえば起動制御)に必要なプログラム等を格納する。
【0054】
サウンド処理回路6は、CPU2からの発音指示に応じたアナログ音声信号を生成してスピーカ61に出力する。画像処理回路7は、CPU11からの描画指示に応じてモニタ8を制御して、モニタ8に所定の画像を表示する。マイク62は、プレーヤによる音声を電気信号に変換する。
【0055】
画像処理回路7は、タッチ入力検出回路9を含み、モニタ8に種々の画像を表示する。タッチ入力検出回路9は、例えばタッチペンやプレーヤの指等の指示手段がモニタ8に直接的に接触されると、接触位置の座標データをCPU2に出力し、接触位置をCPU2に認識させる。
【0056】
また、タッチ入力検出回路9は、モニタ8に表示された対象物の位置において、指示手段が直接的に接触されると、対象物の座標データをCPU2に出力し、対象物がタッチされたことをCPU2に認識させる。
【0057】
モニタ8は、例えば、液晶パネルと液晶パネルの表示面上に貼り付けられたタッチパッドとにより構成されている。タッチパッドとしては、例えば静電容量方式のものや抵抗膜方式のものが採用され、複数の圧電素子が表示画面上にマトリックス状に配列されている。ここで、タッチパッドを構成する圧電素子の配列ピッチとしては、プレーヤが表示画面をタッチしたとき、指先と表示画面とが接触する領域のサイズよりも大幅に小さい値が採用されている。
【0058】
液晶パネルとしては、例えば、TFT(Thin Film Transistor)やSTN(Super Twisted Nematic)等の液晶パネルが用いられ、例えば4096色のカラー表示が可能である。なお、液晶パネルに代えて、有機EL(Electro Luminescence)パネル等を採用してもよい。
【0059】
図2は、図1に示すゲーム装置の機能ブロック図を示している。図2に示すようにゲーム装置は、操作表示部10、プログラム実行部20、及び記憶部30を備えている。
【0060】
操作表示部10は、図1に示すジャイロセンサ1、タッチ入力検出回路9、及びモニタ8等から構成され、プレーヤにより入力される種々の操作指示を受け付けると共に、種々のゲーム画像を表示する。
【0061】
具体的には、操作表示部10は、照準カーソルを生成するために、プレーヤが操作表示部10の表示画面上で1又は同時に複数の接触点を入力するために指をタッチさせる操作指示を受け付ける。
【0062】
したがって、操作表示部10は、プレーヤがタッチした表示画面上の位置を示す2次元データである座標データ(座標情報)を出力する。本実施の形態では、プレーヤの指先と表示画面とが接触している領域が複数の圧電素子により検出されるため、操作表示部10は、これら複数の圧電素子のうち最大の圧力を検出した圧電素子の位置をプレーヤがタッチした位置と判定し、当該位置の座標データを接触点認識部21に出力する。
【0063】
また、操作表示部10は、プレーヤが指を表示画面上にタッチさせている場合、一定の時間間隔で座標データを接触点認識部21に出力する。したがって、操作表示部10は、プレーヤが操作画面上の同一位置をタッチしている場合、同一の座標データを繰り返し出力する。一方、操作表示部10は、プレーヤが指を表示画面上から離した場合、座標データの出力を停止する。
【0064】
また、操作表示部10は、ゲーム空間内を移動するボールオブジェクトの打撃タイミングを決定するために、プレーヤにより入力される打撃指示を受け付ける。具体的には、操作表示部10は、プログラム実行部20による指示の下、打撃指示ボタンを表示し(図略)、プレーヤにこの打撃指示ボタンをタッチさせることで、打撃指示を受け付ける。そして、操作表示部10は、プレーヤからの打撃指示を受け付けると、タイミング信号を出力する。
【0065】
また、操作表示部10は、照準カーソルを表示画面上で移動させるために、プレーヤにより入力される移動指示を受け付ける。ここで、プレーヤは、照準カーソルに接触することなく、ゲーム装置自体を傾斜させることで、移動指示を入力する。したがって、操作表示部10は、ゲーム装置が傾斜されているか否かをジャイロセンサ1に検出させることで、プレーヤからの移動指示を受け付ける。
【0066】
なお、照準カーソルの移動指示を上記のように非接触で行う理由は以下の通りである。
即ち、照準カーソルは最終的にボールオブジェクトに当てる必要があるので、徐々に接近してくるボールオブジェクトとの位置関係を明確に把握する必要があるが、もし、照準カーソルをプレーヤの指で移動させようとすると、その指自体が邪魔になり、両者の位置関係が見え難くなることが想定されるからである。
【0067】
図3は、操作表示部10の表示画面に表示される野球ゲームの画像の一例を示した図である。図3に示すように、この野球ゲームは、投手キャラクタCL2がボールオブジェクトBL1を投げ、打者キャラクタCL1がボールオブジェクトBL1をバットオブジェクトBTにより打ち返す野球ゲームであり、プレーヤは打者キャラクタCL1を操作する。
【0068】
ここで、プレーヤは、操作表示部10の表示画面上で、1又は同時に複数の指先をタッチさせることで、1又は複数の接触点を入力し、照準カーソルK1を生成させる。そして、プレーヤは、操作表示部10を傾斜させることで、照準カーソルK1を移動させ、ボールオブジェクトBL1がホームベース付近に到達したときに、ボールオブジェクトBL1に照準カーソルK1を位置決めさせ、打撃指示を入力する。そうすると、バットオブジェクトBTがスイング表示されて、ボールオブジェクトBL1が打ち返される。なお、図3においては、同時に3つの接触点TP1〜TP3が入力されているため、これら3つの接触点TP1〜TP3が線分で繋がれ、3角形状の照準カーソルK1が生成されている。
【0069】
図2に戻り、プログラム実行部20は、主にCPU2により構成され、接触点認識部21、照準カーソル生成部22、カーソル移動部23、タイミング取得部24、作用付与部25、及びレベル設定部26の機能を備えている。これらの機能は、CPU2がゲーム制御プログラムを実行することで実現される。
【0070】
接触点認識部21は、操作表示部10から出力された座標データを取得することで、プレーヤが入力した接触点を認識する。ここで、接触点認識部21は、操作表示部10からある座標の座標データの出力が開始されてから、出力が停止されるまでの期間が一定期間以下であれば、プレーヤが接触点を入力したと判定する。
【0071】
具体的には、接触点認識部21は、一定期間内において、最初に出力された座標データとは異なる座標の座標データが出力された場合であっても、この座標データが、最初に出力された座標データに対して所定の許容範囲内に位置する座標データである場合は、プレーヤが接触点を入力したと判定する。この場合、接触点認識部21は、一定期間の最後に出力された座標データをプレーヤが入力した接触点と判定すればよい。ここで、一定時間として、例えば1秒程度を採用することができる。
【0072】
また、接触点認識部21は、プレーヤによりある接触点が入力されたと判定した時点と同時又はその時点から一定の許容期間内に、プレーヤにより別の1又は複数の接触点が入力されたと判定した場合、プレーヤが同時に複数の接触点を入力したと判定する。これにより、プレーヤが同時に入力した複数の接触点の入力時点に多少のずれがあったとしても、これらの接触点は同時に入力されたとして取り扱われるため、ゲームの難易度が著しく高くなることを防止することができる。
【0073】
ここで、許容期間としては、例えば、0.1〜0.2秒程度の値を採用すればよい。なお、本実施の形態では、接触点認識部21は、同時に最大3つの接触点を認識するものとする。したがって、接触点認識部21は、プレーヤが表示画面に4つ又は5つの接触点を同時に入力したと判定した場合において、これらの接触点の入力時点にずれがある場合は、これら4つ又は5つの接触点のうち、入力された時点が最新の接触点から過去に向けて3つの接触点、又は入力された時点が最古の接触点から現在に向けて3つの接触点をプレーヤに入力された3つの接触点として判定すればよい。もちろん、最大の接触点を例えば5つにすることも可能であるが、この場合、最大では片手の指のすべてを接触させることになり、操作性の点で難があるので、ここでは最大の接触点を3つとしている。
【0074】
また、接触点認識部21は、プレーヤが表示画面に4つ又は5つの接触点が同時に入力されたと判定した場合において、これらの接触点の入力時点にずれがない場合又はずれがある場合であっても、同時に入力されたと判定した4つ又は5つの接触点のうち、ランダムに3つの接触点を抽出し、抽出した3つの接触点をプレーヤに入力された3つの接触点として判定すればよい。
【0075】
また、接触点認識部21は、プレーヤが指をタッチさせる前に、操作表示部10の略中央部には、プレーヤが接触点を入力し得る、半透明且つ円状の最大領域MDを表示画面上に表示する(図3参照)。
【0076】
ここで、最大領域MDの大きさは打者キャラクタCL1の打撃能力に応じて、個別に設定されている。即ち、打者キャラクタCL1の打撃能力が高いほど、最大領域MDは大きく表示される。
【0077】
但し、最大領域MDは、例えばストライクゾーンを4分割した範囲を越えないことが望ましい。これは最大領域MDが大き過ぎると、安易にその大きな範囲を目処に照準カーソルK1が表示され、三振を回避するために単にボールオブジェクトBL1にバットオブジェクトBTを当てにいくというような簡易なゲーム性になってしまうことを回避するためである。
【0078】
これにより、プレーヤは事前に表示された最大領域MDを視認した後に、接触点を入力することになるが、同時に複数の接触点を入力した場合において、少なくとも1つの接触点が最大領域MDからはみ出た場合には、照準カーソルK1は生成されない。この場合、打者キャラクタCL1は、ボールオブジェクトBL1がストライクであるか否かに関わらず、見送りすることになる。従って、プレーヤはこの最大領域MDを上限として、照準カーソルK1を生成するよう要請される。
【0079】
なお、表示された最大領域MDはプレーヤが指を表示画面に接触させた時に消去される。これは、最大領域MDの外周上に例えば3本の指をタッチさせれば面積が最大の三角形状の照準カーソルK1を生成することができるといった安易なプレーヤの操作を排除するためである。
【0080】
また、図3では、説明の便宜上、照準カーソルK1と最大領域MDとが同時に表示されているが、実際には、最大領域MDはプレーヤが表示画面上に指をタッチさせたときに消去されるため、同時に表示されることはない。
【0081】
照準カーソル生成部22は、所定時間内に、接触点認識部21により1又は同時に複数の接触点が認識された場合、認識された1又は複数の接触点に基づいて、照準カーソルK1を生成する。ここで、所定時間としては、ボールオブジェクトBL1の移動開始時刻を基準として設定されるイベント開始時刻から、ボールオブジェクトBL1がホームベース上を通過するイベント終了時刻までのイベント期間を採用することができる。
【0082】
また、イベント開始時刻としては、例えば投手キャラクタCL2がボールオブジェクトBL1を投じるために振りかぶる動作を行った時刻、つまり、ボールオブジェクトBL1の移動開始時刻よりも少し前の時刻を採用することができる。但し、これは一例であり、ボールオブジェクトBL1の移動開始時刻をイベント開始時刻として採用してもよい。また、イベント終了時刻をボールオブジェクトBL1がホームベース上を通過するタイミングとしているのは、それ以降については打撃が生じることはあり得ないためである。
【0083】
本実施の形態では、照準カーソル生成部22は、接触点認識部21により1つの接触点が認識された場合、当該接触点を基準として円状の照準カーソルK1を生成し、接触点認識部21により同時に2つの接触点が認識された場合、2つの接触点を繋ぐことで短冊状の照準カーソルK1を生成し、接触点認識部21により同時に3つの接触点が認識された場合、各接触点を繋ぐことで三角形状の照準カーソルK1を生成する。
【0084】
図4は、円状の照準カーソルK1の一例を示した図である。また、図5は、短冊状の照準カーソルK1の一例を示した図である。また、図6は、三角形状の照準カーソルK1の一例を示した図である。
【0085】
図4に示すように、照準カーソル生成部22は、接触点認識部21により1つの接触点TPが認識された場合、接触点TPを中心として、所定の半径rを有する円状の照準カーソルK1を生成する。本実施の形態では、照準カーソルK1は、円状よりも短冊状の照準カーソルK1の方が面積が大きく、短冊状よりも三角形状の照準カーソルK1の方が面積が大きい。すなわち、円状よりも短冊状の照準カーソルK1の方がボールオブジェクトBL1に位置決めし易くなり、短冊状よりも三角形状の照準カーソルK1の方がボールオブジェクトBL1に位置決めし易くされている。
【0086】
したがって、半径rとしては、円の面積が接触点TPを多少大きくした程度、例えばボールオブジェクトBL1と同一、又はそれよりも多少大きい若しくは多少小さい程度のサイズを採用すればよい。
【0087】
図5に示すように、照準カーソル生成部22は、接触点認識部21により同時に2つの接触点TP1,TP2が認識された場合、接触点TP1及び接触点TP2間の距離L1を長手方向の長さとし、接触点TP1,TP2を幅方向の中心とする幅方向の長さが距離L2の短冊状の照準カーソルK1を生成する。
【0088】
ここで、短冊状としては、接触点TP1及び接触点TP2間を結ぶ線分に多少の幅を付与した程度の大きさを想定している。そのため、距離L2としては、例えばボールオブジェクトBL1と同一、又はそれよりも多少大きい若しくは多少小さい程度のサイズを採用すればよい。
【0089】
図6に示すように、照準カーソル生成部22は、接触点認識部21により同時に3つの接触点TP1〜TP3が認識された場合、接触点TP1,TP2,TP3を線分で繋ぐことにより、三角形状の照準カーソルK1を生成する。なお、本実施の形態では、接触点認識部21は、最大3つの接触点を同時に認識するものとする。
【0090】
したがって、照準カーソル生成部22は、多角形状の照準カーソルK1として三角形の照準カーソルK1を生成するものとする。但し、これは、一例であり、接触点認識部21は、最大4つ又は5つの接触点を同時に認識してもよく、この場合、照準カーソル生成部22は、四角形状又は5角形状の照準カーソルK1を生成する。
【0091】
なお、照準カーソル生成部22は、プレーヤの操作指示に従ってレベル設定部26により予め設定されたプレーヤのレベルが高くなるにつれて、円状の照準カーソルK1の半径rが小さくなるように、又は短冊状の照準カーソルK1の幅方向の辺の長さ(距離L2)が小さくなるように変更してもよい。
【0092】
図2に戻り、照準カーソル生成部22は、照準カーソルK1の生成後、且つイベント期間に残存時間がある場合において、接触点認識部21により1又は同時に複数の接触点が更に認識された場合、更に認識された接触点が照準カーソルの外縁の一部に含まれるように照準カーソルK1の形状を修正する。
【0093】
図7は、照準カーソルK1の修正処理の説明図であり、(A)は円状の照準カーソルK1が短冊状の照準カーソルK1’に修正される場合を示し、(B)は円状の照準カーソルK1が三角形状の照準カーソルK1’に修正される場合を示し、(C)は短冊状の照準カーソルK1が三角形状の照準カーソルK1’に修正される場合を示している。
【0094】
図7(A)においては、円状の照準カーソルK1が生成済の状態において、プレーヤにより更に1つの接触点TP’が入力されている。そのため、照準カーソル生成部22は、生成済の照準カーソルK1の特徴点である中心の特徴点TPと、新たに入力された接触点TP’とを繋ぐことで、円状の照準カーソルK1を短冊状の照準カーソルK1’に修正する。
【0095】
図7(B)においては、円状の照準カーソルK1が生成済の状態において、プレーヤにより更に2つの接触点TP1’,TP2’が同時に入力されている。したがって、照準カーソル生成部22は、生成済の照準カーソルK1の特徴点である中心の点TPと、新たに入力された点TP1’,TP2’とを線分で繋ぐことで、円状の照準カーソルK1を三角形状の照準カーソルK1’に修正する。なお、特徴点とは、照準カーソルK1を生成する際に入力された接触点に対応する点を指す。
【0096】
図7(C)においては、短冊状の照準カーソルK1が生成済の状態において、プレーヤにより更に1つの接触点TP’が入力されている。したがって、照準カーソル生成部22は、生成済の照準カーソルK1の特徴点である、幅方向の2辺の中点である特徴点TP1,TP2と、新たに入力された接触点TP’とを線分で繋ぐことで、短冊状の照準カーソルK1を三角形状の照準カーソルK1’に修正する。
【0097】
なお、本実施の形態においては、生成済の照準カーソルK1が三角形状の場合、新たにプレーヤにより接触点が入力されたとしても、照準カーソルK1は修正されないものとする。
【0098】
図2に戻り、照準カーソル生成部22は、短冊状又は三角形状の照準カーソルK1の生成後、且つイベント期間に残存時間がある場合において、生成済の照準カーソルK1を生成する際に入力された接触点に対応する特徴点がプレーヤにより再度、タッチされた場合、タッチされた特徴点を消去して、残りの特徴点に基づいて、生成済の照準カーソルK1を修正する。
【0099】
図8は、照準カーソルK1の修正処理の説明図であり、(A)は三角形状の照準カーソルK1が短冊状の照準カーソルK1’に修正される場合を示し、(B)は三角形状の照準カーソルK1が円状の照準カーソルK1’に修正される場合を示し、(C)短冊状の照準カーソルK1が円状の照準カーソルK1’に修正される場合を示している。
【0100】
図8(A)においては、三角形状の照準カーソルK1が生成済の状態において、この照準カーソルK1の特徴点(三角形の頂点)の1つである特徴点TP1がプレーヤによりタッチされると、照準カーソル生成部22は、特徴点TP1を消去し、残りの特徴点TP2,TP3を繋ぐことで、生成済の照準カーソルK1を短冊状の照準カーソルK1’に修正する。
【0101】
図8(B)においては、三角形状の照準カーソルK1が生成済の状態において、この照準カーソルK1の特徴点TP1,TP2とがプレーヤにより同時にタッチされると、照準カーソル生成部22は、特徴点TP1,TP2を消去し、残りの特徴点TP3を基準として、生成済の照準カーソルK1を円状の照準カーソルK1’に修正する。
【0102】
図8(C)においては、短冊状の照準カーソルK1が生成済の状態において、この照準カーソルK1の特徴点である幅方向の2辺の中点である特徴点TP1,TP2のうち特徴点TP1がプレーヤによりタッチされると、照準カーソル生成部22は、残りの特徴点TP2を基準として、生成済の照準カーソルK1を円状の照準カーソルK1’に修正する。
【0103】
なお、本実施の形態においては、生成済の照準カーソルK1が円状の場合、照準カーソルK1の特徴点である円の中心をプレーヤがタッチしたとしても、照準カーソルK1は修正されない。
【0104】
また、本実施の形態において、照準カーソル生成部22は、生成済の照準カーソルK1の特徴点の座標と同一の座標をプレーヤがタッチしなくても、特徴点から一定の許容範囲内にある領域をプレーヤがタッチした場合、当該特徴点がタッチされたとして判定してもよい。
【0105】
図2に戻り、照準カーソル生成部22は、プレーヤにより入力された接触点のうち、少なくとも1つの接触点が最大領域MDからはみ出る場合、照準カーソルK1を生成しない。
【0106】
これにより、プレーヤは、最大領域MD内に接触点を入力させなければならないという制約が課され、ゲームの興趣性を高めることができる。また、照準カーソルK1の面積が過度に大きくなって、ボールオブジェクトBL1が当たりやすくなる結果、ゲームの難易度が極端に低下することを防止することができる。
【0107】
また、照準カーソル生成部22は、ある打者キャラクタCL1の1打席が終了するまでに、複数のイベント期間が設定された場合、つまり、投手キャラクタCL2によりボールオブジェクトBL1が複数回を投じられた場合、2回目以降のイベント期間において、1前回のイベント期間で生成した照準カーソルを援用する。この場合、援用される照準カーソルの位置は最大領域MDの略中央部に配置される。
【0108】
これにより、プレーヤは、ボールオブジェクトBL1が投じられる毎に、照準カーソルK1を生成する操作指示を行う手間が省かれ、生成済の照準カーソルK1をボールオブジェクトBL1に位置合わせする操作に集中することができる。
【0109】
図2に戻り、カーソル移動部23は、照準カーソルK1の生成後、且つイベント期間に残存時間がある場合に、操作表示部10に入力されたプレーヤからの操作指示を基に、照準カーソルK1をゲーム空間内で移動させると共に、表示画面上に移動表示させる。
【0110】
図9は、照準カーソルK1のゲーム空間内での配置位置を示した図である。本実施の形態ではゲーム空間として、x軸、y軸、z軸の相互に直交する3軸によって規定される仮想3次元空間が採用されている。
【0111】
なお、図9に示すy軸は仮想3次元空間内におけるピッチャーマウンドの中心O2とホームベースHBの中心O3とを結ぶ直線L3と平行な方向に設定され、z軸は鉛直方向に設定され、xは鉛直方向と直線L3と直交する方向に設定されている。
【0112】
本実施の形態では、照準カーソルK1は、例えば、ホームベースHBの中心O3を通り、且つx−z平面と平行な平面SF1上を動くものとしている。
【0113】
図10は、ゲーム装置の姿勢と照準カーソルK1の移動速度との関係を示す模式図である。本実施の形態では、ゲーム装置のピッチ軸の傾斜角度θpが仮想3次元空間のz方向における照準カーソルK1の移動速度Vzに対応付けられ、ロール軸の傾斜角度θrが仮想3次元空間のx方向における照準カーソルK1の移動速度Vxに対応づけられている。なお、本実施の形態ではゲーム装置の表示画面が水平面と平行である場合、θp=0,θr=0とする。
【0114】
具体的には、傾斜角度θrは、ロール軸をプレーヤの手前から奥側に見たとき、時計回りの方向がプラス、反時計回りの方向がマイナスの値で算出される。
【0115】
したがって、傾斜角度θrがプラスの場合は、移動速度Vxはプラスの値を有し、照準カーソルK1は表示画面上、右側に移動する。また、傾斜角度θrがマイナスの場合は、移動速度Vxはマイナスの値を有し、照準カーソルK1は表示画面上、左側に移動する。
【0116】
また、傾斜角度θpは、ピッチ軸を左から右側に見たとき、反時計回りの方向がプラス、時計回りの方向がマイナスの値で算出される。
【0117】
したがって、傾斜角度θpがプラスの場合は、移動速度Vzはプラスの値を有し、照準カーソルK1は奥側に移動する。また、傾斜角度θpがマイナスの場合は、移動速度Vzはマイナスの値を有し、照準カーソルK1は手前側に移動する。
【0118】
そして、カーソル移動部23は、移動速度Vzと移動速度Vxとの合成ベクトルを求め、合成ベクトルの向きを照準カーソルK1の移動方向とし、合成ベクトルの大きさを照準カーソルK1の移動速度Vkの大きさとして、照準カーソルK1を図9に示す平面SF1上で移動させる。これにより、図10に示すように照準カーソルK1は表示画面上において、移動速度Vkの向きを示す矢印の方向に移動表示される。
【0119】
なお、傾斜角度θpと移動速度Vzとは、傾斜角度θpの絶対値が増大するにつれて、移動速度Vzの絶対値が増大する関係を有している。また、傾斜角度θrと移動速度Vxとは、傾斜角度θrの絶対値が増大するにつれて、移動速度Vxの絶対値が増大する関係を有している。
【0120】
したがって、傾斜角度θp及びθrの絶対値が増大する、すなわち、ゲーム装置のピッチ軸及びロール軸に対する傾斜角度が増大するにつれて、照準カーソルK1の移動速度は増大する。
【0121】
ここで、カーソル移動部23は、操作表示部10から一定の時間間隔で出力される角速度信号を積分することで、操作表示部10の角度の変化量を算出し、算出した角度の変化量を積算することで、傾斜角度θp,θrを算出すればよい。
【0122】
なお、照準カーソルK1の初期位置は、図9において、例えば、中心O3を通るz軸と平行な直線L4上であってストライクゾーンの中心位置の点P1を採用することができる。したがって、カーソル移動部23は、照準カーソルK1が生成されたとき、照準カーソルK1の重心が点P1に位置するように、照準カーソルK1を仮想3次元空間内に配置すればよい。
【0123】
また、カーソル移動部23が照準カーソルK1の移動速度Vzを算出する一定の時間間隔としては、例えば3フレーム分の時間、すなわち3/60秒(0.5秒)程度の値を採用することが可能であるが、これに限定されず、0.5秒より短くしてもよいし長くしてもよい。
【0124】
図2に戻り、カーソル移動部23は、照準カーソルK1の面積が増大するにつれて、照準カーソルK1の移動速度を低下させる。この場合、カーソル移動部23は、照準カーソルK1の面積が増大するにつれて移動速度Vkを低下させる補正係数αを求め、この補正係数αを移動速度Vkに乗じることで(α・Vk)、移動速度Vkの大きさを補正すればよい。ここで、カーソル移動部23は、照準カーソルK1の面積を入力とし、補正係数αを出力とし、照準カーソルK1の面積が増大するにつれて補正係数αが減少する予め定められた関数を用いて、補正係数αを算出すればよい。
【0125】
図11は、照準カーソルK1の面積と照準カーソルK1の移動速度との関係を説明するための図であり、(A)は照準カーソルK1の面積が大きい場合を示し、(B)は照準カーソルK1の面積が小さい場合を示している。
【0126】
図11(B)に示す照準カーソルK1は、図11(A)に示す照準カーソルK1よりも面積が小さい。そのため、図11(B)における補正係数αは、図11(A)における補正係数αよりも大きな値を有している。したがって、図11(A)に示す照準カーソルK1は、図11(B)に示す照準カーソルK1に比べてゆっくりと移動することになる。
【0127】
図2に戻り、タイミング取得部24は、ボールオブジェクトBL1の打撃タイミングを決定するための打撃指示がプレーヤにより入力されたとき、操作表示部10から出力されるタイミング信号を取得する。なお、タイミング信号は、例えば、操作表示部10の表示画面上の所定の位置に表示された打撃ボタンがプレーヤにタッチされたときに出力される。ここで、タイミング取得部24は、照準カーソルK1の生成後であって、且つイベント期間に残存時間がある場合に、タイミング信号を取得すればよい。
【0128】
作用付与部25は、タイミング取得部24がタイミング信号を取得したときに、ボールオブジェクトBL1と照準カーソルK1との少なくとも一部が重なった場合、ボールオブジェクトBL1が打撃されたと判定する打撃判定処理を実行する。
【0129】
図12は、作用付与部25が実行する打撃判定処理の説明図である。なお、図12は、図9に示す仮想3次元空間をx軸方向に向けて見た状態を表している。
【0130】
具体的には、作用付与部25は、タイミング取得部24がタイミング信号を取得したときに、図12に示すように、ボールオブジェクトBL1が平面SF1上の照準カーソルK1と交わる又は接している場合、ボールオブジェクトBL1が打撃されたと判定する。
【0131】
しかしながら、これでは、ゲームの難易度が高くなってしまい、面白みに欠けてしまう虞がある。そこで、本実施の形態では、例えばタイミング取得部24がタイミング信号を取得したときに、ボールオブジェクトBL1のy成分が、平面SF1に対して−y方向に距離d1離れた位置と、平面SF1に対して+y方向に距離d2離れた位置との間に存在し、且つそのときのボールオブジェクトBL1の延長線が平面SF1上の照準カーソルK1と交差した場合、ボールオブジェクトBL1が打撃されたと判定すればよい。
【0132】
ここで、ボールオブジェクトBL1の延長線としては、例えばタイミング取得部24がタイミング信号を取得したときのボールオブジェクトBL1の速度の方向にボールオブジェクトBL1の重心に位置する質点G1を起点として伸ばした直線を採用することができる。
【0133】
或いは、タイミング取得部24がタイミング信号を取得したときに、ボールオブジェクトBL1のy成分が、平面SF1に対して距離d1離れた位置と、平面SF1に対して距離d2離れた位置との間に存在する場合、ボールオブジェクトBL1の質点G1を通り平面SF1に平行な平面SF1´を設定し、設定した平面SF1´上に平面SF1上の照準カーソルK1を投影し、投影した照準カーソルK1の領域内にボールオブジェクトBL1が存在する場合、ボールオブジェクトBL1が打撃されたと判定すればよい。
【0134】
なお、d1,d2としては、平面SF1からのストライクゾーンのy成分の長さと同じ距離又は、多少のマージンを加える若しくは差し引いた距離を採用すればよい。
【0135】
図2に戻り、作用付与部25は、照準カーソル生成部22により生成された照準カーソルK1の面積が小さくなるにつれて、打撃パワーを大きく設定する。
【0136】
ここで、打撃パワーとしては、例えば打撃されたボールオブジェクトBL1の初速度V0の大きさと向きとが採用される。
【0137】
本実施の形態では、作用付与部25は、予め定められた方向と大きさとを有する基準初速度Vrefの向きと大きさとを変更することで、初速度V0の向きと大きさとを算出する。
【0138】
したがって、作用付与部25は、照準カーソルK1の面積を求め、照準カーソルK1の面積が小さくなるにつれて、基準初速度Vrefの大きさを大きくするための補正係数β1を求め、この補正係数β1を基準初速度Vrefに乗じることで(β1・Vref)、基準初速度Vrefの大きさを補正し、補正後の基準初速度Vrefの大きさを初速度V0の大きさとして設定すればよい。
【0139】
なお、作用付与部25は、補正係数β1を出力とし、照準カーソルK1の面積を入力とし、照準カーソルK1の面積が小さくなるにつれて補正係数β1が増大する予め定められた関数を用いて補正係数β1を算出すればよい。
【0140】
また、作用付与部25は、タイミング取得部24がタイミング信号を取得したときにおける、ボールオブジェクトBL1の重心の照準カーソルK1に対する通過位置が照準カーソルK1の重心に近いほど、打撃パワーを大きく設定する。
【0141】
図13は、打撃されたボールオブジェクトBL1の初速度の向きの算出処理を示した図であり、(A)は照準カーソルK1を示し、(B)は打撃直後のボールオブジェクトBL1をx方向に向けて見た状態を示し、(C)は打撃直後のボールオブジェクトBL1をz方向から見た状態を示している。
【0142】
図13(A)に示すように、ボールオブジェクトBL1の重心が打撃領域内の点P4(u,v)を通過したとする。但し、uは照準カーソルK1の中心O1を通り、且つx軸に平行な座標軸であり、vは中心O1を通り、且つz軸に平行な座標軸である。
【0143】
この場合、作用付与部25は、点P4と中心O1との距離dsを求め、距離dsが増大するにつれて、基準初速度Vrefを小さく設定するための補正係数β2を求め、この補正係数β2を基準初速度Vrefに乗じることで(β2・Vref)、基準初速度Vrefの大きさを補正し、補正後の基準初速度Vrefの大きさを初速度V0の大きさとして設定すればよい。
【0144】
なお、作用付与部25は、補正係数β2を出力とし、距離dsを入力とし、距離dsが小さくなるにつれて補正係数β2が増大する予め定められた関数を用いて補正係数β2を算出すればよい。
【0145】
次に、図13(A)〜(C)を用いて、ボールオブジェクトBL1の初速度V0の向きの算出手法について説明する。図13(A)に示すように、点P4のvが負であれば、バットオブジェクトBTによる打点がバットオブジェクトBTのスイートスポットよりも下側に位置すると判定し、図13(B)に示すように、基準初速度Vrefのピッチ角θ1をvの値に応じて増大させて、増大後の基準初速度Vrefのピッチ角θ1を初速度V0のピッチ角として設定する。
【0146】
一方、点P4のvが正であれば、バットオブジェクトBTによる打点がスイートスポットよりも上側に位置すると判定し、基準初速度Vrefのピッチ角θ1をvの値に応じて減少させて、減少後の基準初速度Vrefのピッチ角θ1を初速度V0のピッチ角として設定する。
【0147】
また、点P4のuが正であれば、右打者の場合、バットオブジェクトBTによる打点は、スイートスポットよりもグリップエンドとは反対の先端側に位置すると判定し、図13(C)に示すように基準初速度Vrefのヨー角θ2をuの値に応じて+θ2側に変更させて、変更後の基準初速度Vrefのヨー角θ2を初速度V0のヨー角として設定する。
【0148】
一方、点P4のuが負であれば、右打者の場合、バットオブジェクトBTによる打点はスイートスポットよりもグリップエンド側に位置するため、基準初速度Vrefのヨー角θ2をuの値に応じて−θ2側に変更させて、変更後の基準初速度Vrefのヨー角θ2を初速度V0のヨー角として設定する。
【0149】
更に、図12に示すように、ボールオブジェクトBL1が平面SF1よりも−y側に位置するときに、タイミング取得部24によりタイミング信号が取得された場合、すなわち、ボールオブジェクトBL1の打撃タイミングが速かった場合、図13(C)に示すように、右打者の場合は基準初速度Vrefのヨー角θ2をdの値に応じて−θ2側に増大させて、増大後の基準初速度Vrefのヨー角θ2を初速度V0のヨー角として設定する。
【0150】
一方、ボールオブジェクトBL1が平面SF1よりも+y側に位置するときに、タイミング取得部24によりタイミング信号が取得された場合、すなわち、ボールオブジェクトBL1の打撃タイミングが遅かった場合、図13(C)に示すように、右打者の場合は基準初速度Vrefのヨー角θ2をdの値に応じて+θ2側に増大させ、増大後の基準初速度Vrefのヨー角θ2を初速度V0のヨー角として設定する。
【0151】
図2に戻り、レベル設定部26は、プレーヤの操作指示に基づいて、プレーヤのレベルを設定する。ここで、レベル設定部26は、ゲームの開始に先立って、プレーヤにレベルを設定させるための操作画像を操作表示部10に表示させ、この操作画像を操作することにより、操作表示部10により受け付けられたプレーヤの操作指令に基づいて、プレーヤのレベルを設定すればよい。
【0152】
記憶部30は、ゲーム制御プログラム記憶部31、画像データ記憶部32及びキャラクタデータ記憶部を備えている。ゲーム制御プログラム記憶部31は、図1に示すゲーム装置に上述の野球ゲームを実行させるためのゲーム制御プログラムを記憶している。
【0153】
画像データ記憶部32は、打者キャラクタCL1、バットオブジェクトBT、野球場の背景画像、投手キャラクタCL2、及び野手キャラクタ等の野球ゲームを行ううえで必要な種々の画像データを記憶する。ここで、野球場の背景画像の画像データとしては、例えば仮想3次元空間内において予め作成された仮想3次元モデルを所定の視点から仮想スクリーン上にレンダリングすることにより予め作成された画像データを採用することができる。
【0154】
キャラクタデータ記憶部33は、打者キャラクタCL1の打撃能力(特にボールを打ち返し得る範囲)等に関する情報を記憶する。前述の通り、プレーヤが操作表示部10に指をタッチさせる前に、操作表示部10の略中央部には、最大領域MDが、事前に半透明且つ円状に表示されるが、この最大領域MDの大きさは打者キャラクタCL1の打撃能力に応じて、個々に設定される。この設定の際に、キャラクタデータ記憶部33の情報が使用される。
【0155】
次に、本実施の形態によるゲーム装置の動作について説明する。図14は、本発明の実施の形態によるゲーム装置の動作を示すフローチャートである。
【0156】
まず、ステップS1において、プログラム実行部20は、操作表示部10に、打者キャラクタCL1、バットオブジェクトBT、野球場の背景画像、投手キャラクタCL2、及び野手キャラクタ等の画像データを画像データ記憶部32から読み出して表示させ、初期設定を行う。この場合、操作表示部10には、例えば図3に示すような画像が表示される。
【0157】
次に、プログラム実行部20は、投手キャラクタCL2に振りかぶる動作を行わせ、イベント期間を開始する(ステップS2)。ここで、プログラム実行部20は、初期設定が終了した後、所定時間が経過したときにイベント期間を開始してもよいし、プレーヤからの操作指示に従って、イベント期間を開始してもよい。
【0158】
また、プログラム実行部20によりイベント期間が開始されると、接触点認識部21は、プレーヤにより入力される接触点を認識する処理を開始する。
【0159】
また、プログラム実行部20は、イベント期間が開始されてから所定時間が経過したときに、ボールオブジェクトBL1の移動を開始させる。このとき、プログラム実行部20は、投手キャラクタCL2がボールオブジェクトBL1を投じるように投手キャラクタCL2の表示態様を変更させる。
【0160】
また、プログラム実行部20は、ボールオブジェクトBL1の初速度を設定し、ボールオブジェクトBL1の重心を質点と見なし、設定した初速度と、仮想3次元空間内において予め鉛直方向下向きに付与された重力加速度と、揚力等の種々の外力と、ボールオブジェクトBL1の質量とを用いて、質点の運動方程式を解く。そして、プログラム実行部20は、運動方程式の解を繰り返し求めることで、仮想3次元空間におけるボールオブジェクトBL1の位置を繰り返し算出して、ボールオブジェクトBL1の軌道を算出する。そして、プログラム実行部20は、算出した軌道に沿うようにボールオブジェクトBL1を移動させ、移動するボールオブジェクトBL1の軌道を仮想3次元空間内の所定の位置に設定された仮想スクリーン上に投影し、仮想スクリーン上に投影されたボールオブジェクトのBL1の軌道を操作表示部10に表示させ、ボールオブジェクトBL1を操作表示部10で移動表示させる。
【0161】
この場合、プログラム実行部20は、球種及びコース毎に予め定められた確率にしたがって、球種及びコースをランダムに決定し、決定した球種及びコースに応じた軌道を描いてボールオブジェクトBL1が移動するように、予め定められた外力をボールオブジェクトBL1に付与する。なお、球種及びコース毎に予め定められた確率としては、ゲームの局面や、投手キャラクタCL2に応じて予め定められたものを採用すればよい。
【0162】
また、初速度の大きさとしては、ゲームの局面や、投手キャラクタCL2に応じて予め定められた値を採用すればよい。これにより、図3に示すように、ボールオブジェクトBL1は、プレーヤにより指定された球種やコースにしたがった軌道を描くように投手キャラクタCL2からホームベースに向かって移動表示される。
【0163】
次に、照準カーソル生成部22は、ステップS2で開始されたイベント期間が打者キャラクタCL1のある1つの打席の1回目のイベント期間に該当する場合(ステップS3でYES)、処理をステップS5に進める。一方、照準カーソル生成部22は、ステップS2で開始されたイベント期間が打者キャラクタCL1のある1つの打席の2回目以降のイベント期間に該当する場合(ステップS3でNO)、前回のイベント期間において生成した照準カーソルK1を援用し(ステップS4)、ステップS5〜S7の処理をスルーして、処理をステップS8に進める。
【0164】
具体的には、2回目のイベント期間においては、1回目のイベント期間で最終的に使用された照準カーソルK1が援用され、3回目のイベント期間においては、2回目のイベント期間で最終的に使用された照準カーソルK1が援用されるというように、1つ前のイベント期間で最終的に使用された照準カーソルK1が援用される。
【0165】
次に、接触点認識部21は、プレーヤが表示画面上をタッチすることで入力した接触点を認識する(ステップS5)。ここで、接触点認識部21は、プレーヤにより操作画面上に1本の指がタッチされた場合は(ステップS5でYES)、1つの接触点を認識し、プレーヤにより操作画面上に同時に2本又は3本の指が同時にタッチされた場合は(ステップS5でYES)、2つ又は3つの接触点を認識する。
【0166】
一方、プレーヤにより操作画面上に指がタッチされない場合(ステップS5でNO)、接触点認識部21は、接触点を認識することなく、処理をステップS13に進める。
【0167】
次に、照準カーソル生成部22は、ステップS5で認識された全ての接触点が、最大領域MD内に位置するか否かを判定する(ステップS6)。そして、照準カーソル生成部22は、ステップS5で認識された接触点が最大領域MD内に位置すると判定した場合(ステップS6でYES)、照準カーソルK1を生成する。この場合、照準カーソル生成部22は、上述したように、1つの接触点が認識された場合は円状の照準カーソルK1を生成し、2つの接触点が認識された場合は短冊状の照準カーソルK1を生成し、3つの接触点が認識された場合は三角形状の照準カーソルK1を生成する(ステップS7)。
【0168】
一方、照準カーソル生成部22は、1つの接触点が認識された場合は当該接触点が最大領域MD内に位置せず、2つ又は3つの接触点が認識された場合はこれらの接触点のうち少なくとも1つの接触点が最大領域MD内に位置しない場合、ステップS6でNOと判定し、照準カーソルK1を生成することなく、処理をステップS13に進める。
【0169】
この場合、イベント期間が経過していなければ、ステップS13でNOと判断され、処理がステップS5に戻されるため、プレーヤは、照準カーソルK1を生成するために、再度、接触点を入力することができる。
【0170】
次に、照準カーソル生成部22は、プレーヤが照準カーソルK1を修正するための操作指示を入力した場合(ステップS8でYES)、照準カーソルK1を修正する(ステップS9)。一方、照準カーソル生成部22は、プレーヤが照準カーソルK1を修正するための操作指示を入力しなかった場合(ステップS8でNO)、照準カーソルK1を修正することなく、つまり、ステップS9をスルーして、処理をステップS10に進める。
【0171】
ここで、修正指示としては、上述したように、新たに接触点を入力する操作指示と、生成済の照準カーソルK1の特徴点を消去するための操作指示とが含まれる。新たに接触点を入力した場合、円形の照準カーソルK1は、短冊状又は三角形状の照準カーソルK1に修正され、短冊状の照準カーソルK1は、三角形状の照準カーソルK1に修正される。
【0172】
また、生成済の照準カーソルK1の特徴点を消去するための操作指示が入力された場合、三角形状の照準カーソルK1は、短冊状又は円形の照準カーソルK1に修正され、短冊状の照準カーソルK1は、円形の照準カーソルK1に修正される。
【0173】
なお、イベント期間が経過していなければ、ステップS13でNOと判断され、処理がステップS5に戻されるため、プレーヤは、照準カーソルK1を修正するための操作指示を、再度、入力することができる。これにより、プレーヤは、最初、三角形状の照準カーソルK1を生成したが、ゲームの局面から長打を打ちたくなった場合、打撃パワーの低い三角形状の照準カーソルK1から、打撃パワーのより高い短冊状又は円形の照準カーソルK1に変更することができる。
【0174】
また、プレーヤは、三角形状又は短冊状の照準カーソルK1を生成したものの、三角形の底辺が斜め方向を向いている、或いは、短冊の長手方向が斜め方向を向いているというような理由から、照準カーソルK1の向きが気に入らないことも生じ得る。この場合、プレーヤは、生成済の照準カーソルK1の特徴点を消去した後、再度、接触点を入力することで、所望の向きの照準カーソルK1を得ることが可能となる。これにより、プレーヤは、イベント期間が許す限り、納得がいくまで、照準カーソルK1を修正することが可能となり、操作のバリエーションが広がり、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0175】
また、2回目以降のイベント期間であるために照準カーソルK1が援用された場合、プレーヤは、この照準カーソルK1を修正したいと考える場合もある。例えば、1回目のイベント期間において、投手キャラクタCL2が投じたボールオブジェクトBL1の軌道から投手キャラクタCL2が軟投派であることが判明した場合、プレーヤは打撃パワーのより大きな面積の小さな照準カーソルK1に、援用した照準カーソルK1を変更したいと考えることも生じ得る。
【0176】
この場合、プレーヤは、三角形状から短冊状若しくは円状、又は短冊状から円状というようにより打撃パワーのより強い照準カーソルK1に、援用した照準カーソルK1を修正することができる。つまり、プレーヤは、2回目以降のイベント期間においては、0から照準カーソルK1を生成する操作指示を行うことなく、修正指示を入力することで所望する形状の照準カーソルK1を得ることができる。
【0177】
次に、カーソル移動部23は、ゲーム装置の本体を傾斜させることによるプレーヤから照準カーソルK1の移動指示が操作表示部10により受け付けられると(ステップS10でYES)、傾斜角度に応じた移動速度で、照準カーソルK1を表示画面上で移動表示させる(ステップS11)。
【0178】
一方、カーソル移動部23は、ゲーム装置の主面が水平面と平行にされることにより、照準カーソルK1の移動を停止する指示が操作表示部10により受け付けられると(ステップS10でNO)、照準カーソルK1の移動を停止した後、その位置で照準カーソルK1を表示させ、処理をステップS12に進める。
【0179】
次に、タイミング取得部24は、プレーヤにより打撃ボタンがタッチされ、操作表示部10から出力されるタイミング信号を受け付けた場合(ステップS12でYES)、処理をステップS14に進める。
【0180】
一方、タイミング取得部24は、プレーヤにより打撃ボタンがタッチされず、操作表示部10から出力されるタイミング信号を受け付けなかった場合(ステップS12でNO)、処理をステップS13に進める。
【0181】
ステップS13において、タイミング取得部24は、イベント期間が終了したか否かを判定し、イベント期間が終了した場合(ステップS13でYES)、処理をステップS16に進め、イベント期間が終了していない場合(ステップS13でNO)、処理をステップS5に戻す。
【0182】
すなわち、イベント期間が終了するまでステップS5からS13までの処理が繰り返され、プレーヤによる照準カーソルK1を生成するための操作指示と、プレーヤによる照準カーソルK1を移動させる移動指示と、プレーヤによる照準カーソルK1を修正させる修正指示と、プレーヤによる打撃指示とが受け付けられる。
【0183】
そして、タイミング取得部24が、イベント期間が終了するまでにタイミング信号を取得することができた場合(ステップS12でYES)、作用付与部25は、プレーヤが打撃指示を行ったとして、処理をステップS14に進める。
【0184】
一方、タイミング取得部24が、イベント期間が終了するまでにタイミング信号を取得することができなかった場合(ステップS12でNO、且つステップS13でYES)、作用付与部25は、プレーヤが見送りしたと判定し、処理をステップS16に進める。
【0185】
また、イベント期間が終了するまでの間に、接触点を入力することができなかった場合(ステップS5でNO、且つステップS13でYES)、又は、プレーヤが接触点を入力したがそれが最大領域MD内に収まっていなかった場合(ステップS6でNO、且つステップS13でYES)、作用付与部25は、プレーヤが見送りしたと判定し、処理をステップS16に進める。
【0186】
ステップS14において、作用付与部25は、打撃判定処理を行い、プレーヤがボールオブジェクトBL1を打撃することができたか否かを判定する。そして、作用付与部25は、プレーヤがボールオブジェクトBL1を打撃することができたと判定した場合(ステップS14でYES)、打撃パワーを設定する処理を行い(ステップS15)、ボールオブジェクトBL1の初速度V0の向き及び大きさを算出し、打撃処理を実行する(ステップS17)。
【0187】
この場合、作用付与部25は、図15に示すように、ボールオブジェクトBL1がバットオブジェクトBTにより打撃されたことを明示する画像を操作表示部10に表示させる。
【0188】
また、作用付与部25は、打撃されたボールオブジェクトBL1の軌道を計算し、計算した軌道を仮想スクリーン上に投影することで、操作表示部10にボールオブジェクトBL1を移動表示させる。この場合、作用付与部25は、ボールオブジェクトBL1の重心を質点と見なし、ステップS15で算出されたボールオブジェクトBL1の初速度V0を用いて質点の運動方程式を解くことにより、ボールオブジェクトBL1の位置を繰り返し算出して、ボールオブジェクトBL1の軌道を算出すればよい。
【0189】
一方、作用付与部25は、プレーヤがボールオブジェクトBL1を打撃することができなかったと判定した場合(ステップS14でNO)、すなわち、プレーヤがボールオブジェクトBL1を空振りした場合、投手キャラクタCL2がバットオブジェクトBTを空振りする画像を操作表示部10に表示した後、ボールオブジェクトBL1を捕手キャラクタが捕球する画像を操作表示部10に表示させる等の空振り処理を実行する(ステップS18)。
【0190】
ステップS16おいて、作用付与部25は、例えば捕手キャラクタがボールオブジェクトを捕球する画像を操作表示部10に表示させる等の見送り処理を実行する。
【0191】
このように、本実施の形態によるゲーム装置によれば、プレーヤは、表示画面上に照準カーソルK1を表示させるために、表示画面上に1又は同時に複数の指をタッチさせ、その後、生成された照準カーソルK1をボールオブジェクトBL1に作用させるべく移動させるという、従来にはない全く新規な操作を行うことになる。しかも、照準カーソルK1の生成とその後の照準カーソルK1の移動とは、ボールオブジェクトBL1が投手キャラクタCL2の手からリリースされてから、ホームベース上を通過するまでの、限られた時間内に行なう必要があるので、その時間配分をどのようにするかという戦略性もプレーヤに求められることになり、タッチパネル式の操作表示部10を備えるゲーム装置の特徴を十分に活かすことができると同時に、従来にはない興趣性を有するゲームを実現することができる。
【0192】
なお、上記実施の形態では、照準カーソルK1は、操作表示部10を傾斜させることで移動されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、操作表示部10を任意の方向にスライドさせることで、照準カーソルK1を移動表示させてもよい。
【0193】
この場合、操作表示部10に加速度センサを設け、この加速度センサから出力される加速度信号を2回積分する例えば、特許第3947549号公報に開示の手法を用いることで、照準カーソルK1の表示画面上での移動量を算出し、算出した移動量にしたがって、照準カーソルK1を移動表示させればよい。
【0194】
また、操作表示部10に例えば上下左右の4方向を指定することができる十字キーの操作画像を表示させ、プレーヤにこの十字キーをタッチさせることで、照準カーソルK1を移動させるようにしてもよい。
【0195】
更に、別の方法として、例えば照準カーソルK1の外縁又は外縁から所定距離以内の領域に指を接触させ、接触させた指を表示画面上で接触移動させることで照準カーソルK1を移動させるようにしてもよい。この方法であれば、移動体オブジェクトの接近方向とは反対側に指を接触させれば、プレーヤは、概ね、両者の位置関係を把握しながら、照準カーソルK1を任意の位置に移動させることが可能となる。
【0196】
なお、上記説明では、本ゲーム装置が野球ゲームを実行する場合を例示したが、これに限定されず、野球ゲーム以外、例えばテニス、卓球、スカッシュ等のラケットによりボールを打ち返す球技のゲームを実行させてもよい。
【0197】
また、本ゲーム装置にクレー射撃ゲームを実行させてもよい。この場合、照準カーソルK1をライフルの照準とし、射撃対象物である飛行体を移動体オブジェクトとすればよい。
【符号の説明】
【0198】
10 操作表示部
20 プログラム実行部
21 接触点認識部
22 照準カーソル生成部
23 カーソル移動部
24 タイミング取得部
25 作用付与部
26 レベル設定部
30 記憶部
31 ゲーム制御プログラム記憶部
32 画像データ記憶部
33 キャラクタデータ記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム空間内で移動する移動体オブジェクトに対して仮想的な作用を与えるゲームの進行を制御するゲーム装置であって、
タッチパネル式の表示部を備える操作手段と、
前記表示部の表示画面上において、1又は同時に複数の接触点を入力するために指をタッチさせるプレーヤからの操作指示に基づいて、プレーヤが実際に入力した1又は複数の接触点の座標情報を取得することで、1又は複数の接触点を認識する接触点認識手段と、
所定時間内に、前記接触点認識手段により1又は同時に複数の接触点が認識された場合、認識された1又は複数の接触点に基づいて、照準カーソルを生成する照準カーソル生成手段と、
前記照準カーソルの生成後、且つ前記所定時間に残存時間がある場合に、前記操作手段に入力されたプレーヤからの操作指示を基に、前記照準カーソルを前記表示部に移動表示させる移動手段と、
前記移動体オブジェクトに対して仮想的な作用を与えるタイミングを決定するための操作指示が入力されたときに、前記操作手段から出力されるタイミング信号を取得するタイミング取得手段と、
前記タイミング取得手段が前記タイミング信号を取得したときに、前記移動体オブジェクトと前記照準カーソルとの少なくとも一部が重なった場合、前記移動体オブジェクトに対して前記仮想的な作用を与える作用付与手段とを備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記照準カーソル生成手段は、前記接触点認識手段により1つの接触点が認識された場合、当該接触点を基準として円状の照準カーソルを生成し、前記接触点認識手段により同時に2つの接触点が認識された場合、当該2つの接触点を繋ぐことで短冊状の照準カーソルを生成し、前記接触点認識手段により同時に3つ以上の接触点が認識された場合、当該3つ以上の接触点を繋ぐことで多角形状の照準カーソルを生成することを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記照準カーソルは、円状、短冊状、多角形状の順で面積が大きくなり、
前記移動手段は、前記照準カーソルの面積が増大するにつれて前記照準カーソルの移動速度を低く設定することを特徴とする請求項1又は2記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記照準カーソル生成手段は、前記照準カーソルの生成後、且つ前記所定時間に残存時間がある場合において、前記接触点認識手段により1又は同時に複数の接触点が更に認識された場合、更に認識された接触点が照準カーソルの外縁の一部に含まれるように照準カーソルの形状を修正することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記照準カーソル生成手段は、短冊状又は多角形状の照準カーソルの生成後、且つ前記所定時間に残存時間がある場合において、生成済の照準カーソルを生成する際に入力された接触点に対応するいずれかの特徴点がプレーヤにより再度、タッチされた場合、タッチされた特徴点を消去して、残りの特徴点に基づいて、前記生成済の照準カーソルを修正することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記照準カーソル生成手段は、前記表示部の表示画面上において、プレーヤが接触点を入力し得る所定の最大領域から、前記接触点認識手段により認識された接触点のうち少なくとも1つの接触点がはみ出る場合、前記照準カーソルを生成しないことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記移動体オブジェクトに対して仮想的な作用を与える複数のキャラクタに関する情報を記憶するキャラクタデータ記憶手段を更に備え、
前記キャラクタに関する情報は、各キャラクタのそれぞれに対して予め個別に設定された前記最大領域の大きさを含み、
前記接触点認識手段は、接触点を入力するためのプレーヤからの操作指示が行われる前の表示画面上に、前記最大領域を表示することを特徴とする請求項6記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記最大領域は、半透明で表示され、且つ前記プレーヤの前記表示画面への指の接触時に消去されることを特徴とする請求項7記載のゲーム装置。
【請求項9】
前記ゲームは、野球ゲームであり、
前記所定時間は、ボールオブジェクトの投球開始時刻を基準として設定されるイベント開始時刻から、前記ボールオブジェクトがホームベース上を通過するイベント終了時刻までのイベント期間であり、
前記イベント期間は、前記ボールオブジェクトに対して打撃を与えようとする打者キャラクタの1打席が終了するまで1又は複数回設定され、
前記照準カーソル生成手段は、2回目以降のイベント期間において、前回のイベント期間で生成した照準カーソルを援用することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項10】
前記タイミング取得手段は、前記照準カーソルの生成後、且つ前記イベント期間に残存時間がある場合に、前記タイミング信号を取得することを特徴とする請求項9記載のゲーム装置。
【請求項11】
前記操作手段は、ジャイロセンサを含み、
前記移動手段は、前記ジャイロセンサから出力される角速度信号を基に、前記操作手段の傾斜角度を検出し、検出した傾斜角度に応じて前記照準カーソルの移動速度を設定することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項12】
ゲーム空間内で移動する移動体オブジェクトに対して仮想的な作用を与えるゲームの進行を制御するゲーム装置としてコンピュータを機能させるゲーム制御プログラムであって、
タッチパネル式の表示部を備える操作手段と、
前記表示部の表示画面上において、1又は同時に複数の接触点を入力するために指をタッチさせるプレーヤからの操作指示に基づいて、プレーヤが実際に入力した1又は複数の接触点の座標情報を取得することで、1又は複数の接触点を認識する接触点認識手段と、
所定時間内に、前記接触点認識手段により1又は同時に複数の接触点が認識された場合、認識された1又は複数の接触点に基づいて、照準カーソルを生成する照準カーソル生成手段と、
前記照準カーソルの生成後、且つ前記所定時間に残存時間がある場合に、前記操作手段に入力されたプレーヤからの操作指示を基に、前記照準カーソルを前記表示部に移動表示させる移動手段と、
前記移動体オブジェクトに対して仮想的な作用を与えるタイミングを決定するための操作指示が入力されたときに、前記操作手段から出力されるタイミング信号を取得するタイミング取得手段と、
前記タイミング取得手段が前記タイミング信号を取得したときに、前記移動体オブジェクトと前記照準カーソルとの少なくとも一部が重なった場合、前記移動体オブジェクトに対して前記仮想的な作用を与える作用付与手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするゲーム制御プログラム。
【請求項13】
ゲーム空間内で移動する移動体オブジェクトに対して仮想的な作用を与えるゲームの進行をゲーム装置が制御するゲーム制御方法であって、
前記ゲーム装置は、タッチパネル式の表示部を含む操作手段を備え、
前記表示部の表示画面上において、1又は同時に複数の接触点を入力するために指をタッチさせるプレーヤからの操作指示に基づいて、プレーヤが実際に入力した1又は複数の点の座標情報を取得することで、1又は複数の接触点を認識する接触点認識ステップと、
所定時間内に、前記接触点認識ステップにより1又は同時に複数の接触点が認識された場合、認識された1又は複数の接触点に基づいて、照準カーソルを生成する照準カーソル生成ステップと、
前記照準カーソルの生成後、且つ前記所定時間に残存時間がある場合に、前記操作手段に入力されたプレーヤからの操作指示を基に、前記照準カーソルを前記表示部に移動表示させる移動ステップと、
前記移動体オブジェクトに対して仮想的な作用を与えるタイミングを決定するための操作指示が入力されたときに、前記操作手段から出力されるタイミング信号を取得するタイミング取得ステップと、
前記タイミング取得ステップが前記タイミング信号を取得したときに、前記移動体オブジェクトと前記照準カーソルとの少なくとも一部が重なった場合、前記移動体オブジェクトに対して前記仮想的な作用を与える作用付与ステップとを備えることを特徴とするゲーム制御方法。
【請求項1】
ゲーム空間内で移動する移動体オブジェクトに対して仮想的な作用を与えるゲームの進行を制御するゲーム装置であって、
タッチパネル式の表示部を備える操作手段と、
前記表示部の表示画面上において、1又は同時に複数の接触点を入力するために指をタッチさせるプレーヤからの操作指示に基づいて、プレーヤが実際に入力した1又は複数の接触点の座標情報を取得することで、1又は複数の接触点を認識する接触点認識手段と、
所定時間内に、前記接触点認識手段により1又は同時に複数の接触点が認識された場合、認識された1又は複数の接触点に基づいて、照準カーソルを生成する照準カーソル生成手段と、
前記照準カーソルの生成後、且つ前記所定時間に残存時間がある場合に、前記操作手段に入力されたプレーヤからの操作指示を基に、前記照準カーソルを前記表示部に移動表示させる移動手段と、
前記移動体オブジェクトに対して仮想的な作用を与えるタイミングを決定するための操作指示が入力されたときに、前記操作手段から出力されるタイミング信号を取得するタイミング取得手段と、
前記タイミング取得手段が前記タイミング信号を取得したときに、前記移動体オブジェクトと前記照準カーソルとの少なくとも一部が重なった場合、前記移動体オブジェクトに対して前記仮想的な作用を与える作用付与手段とを備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記照準カーソル生成手段は、前記接触点認識手段により1つの接触点が認識された場合、当該接触点を基準として円状の照準カーソルを生成し、前記接触点認識手段により同時に2つの接触点が認識された場合、当該2つの接触点を繋ぐことで短冊状の照準カーソルを生成し、前記接触点認識手段により同時に3つ以上の接触点が認識された場合、当該3つ以上の接触点を繋ぐことで多角形状の照準カーソルを生成することを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記照準カーソルは、円状、短冊状、多角形状の順で面積が大きくなり、
前記移動手段は、前記照準カーソルの面積が増大するにつれて前記照準カーソルの移動速度を低く設定することを特徴とする請求項1又は2記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記照準カーソル生成手段は、前記照準カーソルの生成後、且つ前記所定時間に残存時間がある場合において、前記接触点認識手段により1又は同時に複数の接触点が更に認識された場合、更に認識された接触点が照準カーソルの外縁の一部に含まれるように照準カーソルの形状を修正することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記照準カーソル生成手段は、短冊状又は多角形状の照準カーソルの生成後、且つ前記所定時間に残存時間がある場合において、生成済の照準カーソルを生成する際に入力された接触点に対応するいずれかの特徴点がプレーヤにより再度、タッチされた場合、タッチされた特徴点を消去して、残りの特徴点に基づいて、前記生成済の照準カーソルを修正することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記照準カーソル生成手段は、前記表示部の表示画面上において、プレーヤが接触点を入力し得る所定の最大領域から、前記接触点認識手段により認識された接触点のうち少なくとも1つの接触点がはみ出る場合、前記照準カーソルを生成しないことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記移動体オブジェクトに対して仮想的な作用を与える複数のキャラクタに関する情報を記憶するキャラクタデータ記憶手段を更に備え、
前記キャラクタに関する情報は、各キャラクタのそれぞれに対して予め個別に設定された前記最大領域の大きさを含み、
前記接触点認識手段は、接触点を入力するためのプレーヤからの操作指示が行われる前の表示画面上に、前記最大領域を表示することを特徴とする請求項6記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記最大領域は、半透明で表示され、且つ前記プレーヤの前記表示画面への指の接触時に消去されることを特徴とする請求項7記載のゲーム装置。
【請求項9】
前記ゲームは、野球ゲームであり、
前記所定時間は、ボールオブジェクトの投球開始時刻を基準として設定されるイベント開始時刻から、前記ボールオブジェクトがホームベース上を通過するイベント終了時刻までのイベント期間であり、
前記イベント期間は、前記ボールオブジェクトに対して打撃を与えようとする打者キャラクタの1打席が終了するまで1又は複数回設定され、
前記照準カーソル生成手段は、2回目以降のイベント期間において、前回のイベント期間で生成した照準カーソルを援用することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項10】
前記タイミング取得手段は、前記照準カーソルの生成後、且つ前記イベント期間に残存時間がある場合に、前記タイミング信号を取得することを特徴とする請求項9記載のゲーム装置。
【請求項11】
前記操作手段は、ジャイロセンサを含み、
前記移動手段は、前記ジャイロセンサから出力される角速度信号を基に、前記操作手段の傾斜角度を検出し、検出した傾斜角度に応じて前記照準カーソルの移動速度を設定することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項12】
ゲーム空間内で移動する移動体オブジェクトに対して仮想的な作用を与えるゲームの進行を制御するゲーム装置としてコンピュータを機能させるゲーム制御プログラムであって、
タッチパネル式の表示部を備える操作手段と、
前記表示部の表示画面上において、1又は同時に複数の接触点を入力するために指をタッチさせるプレーヤからの操作指示に基づいて、プレーヤが実際に入力した1又は複数の接触点の座標情報を取得することで、1又は複数の接触点を認識する接触点認識手段と、
所定時間内に、前記接触点認識手段により1又は同時に複数の接触点が認識された場合、認識された1又は複数の接触点に基づいて、照準カーソルを生成する照準カーソル生成手段と、
前記照準カーソルの生成後、且つ前記所定時間に残存時間がある場合に、前記操作手段に入力されたプレーヤからの操作指示を基に、前記照準カーソルを前記表示部に移動表示させる移動手段と、
前記移動体オブジェクトに対して仮想的な作用を与えるタイミングを決定するための操作指示が入力されたときに、前記操作手段から出力されるタイミング信号を取得するタイミング取得手段と、
前記タイミング取得手段が前記タイミング信号を取得したときに、前記移動体オブジェクトと前記照準カーソルとの少なくとも一部が重なった場合、前記移動体オブジェクトに対して前記仮想的な作用を与える作用付与手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするゲーム制御プログラム。
【請求項13】
ゲーム空間内で移動する移動体オブジェクトに対して仮想的な作用を与えるゲームの進行をゲーム装置が制御するゲーム制御方法であって、
前記ゲーム装置は、タッチパネル式の表示部を含む操作手段を備え、
前記表示部の表示画面上において、1又は同時に複数の接触点を入力するために指をタッチさせるプレーヤからの操作指示に基づいて、プレーヤが実際に入力した1又は複数の点の座標情報を取得することで、1又は複数の接触点を認識する接触点認識ステップと、
所定時間内に、前記接触点認識ステップにより1又は同時に複数の接触点が認識された場合、認識された1又は複数の接触点に基づいて、照準カーソルを生成する照準カーソル生成ステップと、
前記照準カーソルの生成後、且つ前記所定時間に残存時間がある場合に、前記操作手段に入力されたプレーヤからの操作指示を基に、前記照準カーソルを前記表示部に移動表示させる移動ステップと、
前記移動体オブジェクトに対して仮想的な作用を与えるタイミングを決定するための操作指示が入力されたときに、前記操作手段から出力されるタイミング信号を取得するタイミング取得ステップと、
前記タイミング取得ステップが前記タイミング信号を取得したときに、前記移動体オブジェクトと前記照準カーソルとの少なくとも一部が重なった場合、前記移動体オブジェクトに対して前記仮想的な作用を与える作用付与ステップとを備えることを特徴とするゲーム制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−36588(P2011−36588A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−189063(P2009−189063)
【出願日】平成21年8月18日(2009.8.18)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月18日(2009.8.18)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】
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