説明

ゲーム装置、ゲーム制御方法、ゲーム制御プログラム、および、ゲーム制御プログラム記録媒体

【課題】複数の技が使用可能で、それぞれの技にダメージ等の能力値が設定されるタイプのゲームにおいて、同じ技を何度も使用した場合にその技による能力値を減少させることで同じ技の使用を抑制しつつ、対戦上の平等性が失われること等のないゲーム装置、ゲーム制御方法、ゲーム制御プログラム、および、ゲーム制御プログラム記録媒体を提供する。
【解決手段】複数の技が使用可能で、それぞれの技に能力値が設定されるゲーム装置であって、プレーヤーからの技の入力を判断する技入力判断手段と、入力された技のヒットを判断する技ヒット判断手段と、前記技ヒット判断手段により技のヒットがあったと判断された場合に、当該技に対応する能力値を減少させる能力値減少手段と、前記能力値減少手段により減少させた能力値を他の技の能力値に補填する能力値補填手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置、ゲーム制御方法、ゲーム制御プログラム、および、ゲーム制御プログラム記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
対戦格闘ゲームには多彩な技が実装されているにも関わらず、プレーヤー(ゲーム操作を直接に行う者)は、対戦に勝つことを優先してしまうために、特に有効と思われる技や入力が得意な一部の技を集中して使用することが多く、プレーヤーによらず同じようなゲーム展開になる傾向がある。そのため、プレーヤーは実装されている多彩な技をマスターすることもなく、ゲーム攻略の奥深さを実感することもないまま飽きていくことが多い。また、ギャラリー(ゲーム展開を観戦する者)にとっても面白味を削ぎ、自分もプレーしてみようという気も起きにくい。
【0003】
このようなことから、同じ技を何度も使用した場合にその技によるダメージを減少させることで、他の技を使用することへの動機付けを与えるようにしたゲーム装置が存在する(例えば、本出願人の提供する業務用ゲーム装置「ファイティングバイパーズ2」。)。また、特許文献1には、選択度の低いキャラクター等の選択対象につきダメージ量を変更する等の優遇措置を施すことで、その選択対象を選択させる動機付けを与え、選択率を高めるようにしたゲームシステムが開示されている。
【特許文献1】特開平11−333137号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、同じ技や同じ選択対象を使用しにくくする対策がなされてきているが、次のような問題点が存在する。
(1)同じ技を何度も使用した場合にその技によるダメージを減少させる場合、プレーヤーキャラクター(プレーヤーが選択しているゲーム上の仮想的な選手)の総合力が低下することとなり、対戦相手(別のプレーヤーである場合とコンピュータである場合とを含む)のプレーヤーキャラクターとの間で対戦上の平等性が失われる。
(2)ダメージの減少等が累積していくと、プレーヤーキャラクター毎に設定された標準状態からの乖離が大きくなり過ぎ、プレーヤーが記憶している技の能力から想定を超えた変化となり、プレーヤーが混乱して有効な戦略がとれず、平等な対戦が行えなくなる。また、新たなプレーヤーが対戦相手になった時にも、相手がどのような能力になっているかが把握できないため、平等な対戦ができなくなる可能性がある。
【0005】
なお、これらの問題点は、対戦格闘ゲームに限らず、複数の技(格闘における技に限られない)が使用可能で、それぞれの技にダメージ等の能力値が設定されるタイプのゲーム一般について言えることである。
【0006】
本発明は上記の従来の問題点に鑑み提案されたものであり、その目的とするところは、複数の技が使用可能で、それぞれの技にダメージ等の能力値が設定されるタイプのゲームにおいて、同じ技を何度も使用した場合にその技による能力値を減少させることで同じ技の使用を抑制しつつ、対戦上の平等性が失われること等のないゲーム装置、ゲーム制御方法、ゲーム制御プログラム、および、ゲーム制御プログラム記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明にあっては、請求項1に記載されるように、複数の技が使用可能で、それぞれの技に能力値が設定されるゲーム装置であって、プレーヤーからの技の入力を判断する技入力判断手段と、入力された技のヒットを判断する技ヒット判断手段と、前記技ヒット判断手段により技のヒットがあったと判断された場合に、当該技に対応する能力値を減少させる能力値減少手段と、前記能力値減少手段により減少させた能力値を他の技の能力値に補填する能力値補填手段とを備えるゲーム装置を要旨としている。
【0008】
また、請求項2に記載されるように、請求項1に記載のゲーム装置において、前記能力値補填手段は、能力値を減少させた技以外のすべての技に均等に能力値を分配して補填を行うようにすることができる。
【0009】
また、請求項3に記載されるように、請求項1に記載のゲーム装置において、前記能力値補填手段は、能力値を減少させた技が属する分類以外の分類に属するすべての技に均等に能力値を分配して補填を行うようにすることができる。
【0010】
また、請求項4に記載されるように、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のゲーム装置において、能力値を減少させた技の能力値を所定のタイミングで基本能力値にリセットする能力値リセット手段を備えるようにすることができる。
【0011】
また、請求項5に記載されるように、請求項4に記載のゲーム装置において、前記能力値リセット手段は、能力値を減少させたすべての技の能力値を同時期に基本能力値にリセットするようにすることができる。
【0012】
また、請求項6に記載されるように、請求項5に記載のゲーム装置において、前記所定のタイミングは、ゲーム終了時、ラウンド終了時、ラウンド敗北時のいずれかまたはこれらの組み合わせを含むものとすることができる。
【0013】
また、請求項7に記載されるように、請求項4に記載のゲーム装置において、前記能力値リセット手段は、能力値を減少させた個々の技の能力値を基本能力値にリセットするようにすることができる。
【0014】
また、請求項8に記載されるように、請求項7に記載のゲーム装置において、前記所定のタイミングは、前記能力値減少手段による能力値の減少から所定時間経過時、能力値を減少させた技以外の技の所定回数以上の使用時、能力値を減少させた技を使用せずに当該技以外の技の所定回数以上の使用時のいずれかまたはこれらの組み合わせを含むものとすることができる。
【0015】
また、請求項9に記載されるように、複数の技が使用可能で、それぞれの技に能力値が設定されるゲーム装置の制御方法であって、プレーヤーからの技の入力を判断する技入力判断工程と、入力された技のヒットを判断する技ヒット判断工程と、前記技ヒット判断工程により技のヒットがあったと判断された場合に、当該技に対応する能力値を減少させる能力値減少工程と、前記能力値減少工程により減少させた能力値を他の技の能力値に補填する能力値補填工程とを備えるゲーム制御方法として構成することができる。
【0016】
また、請求項10に記載されるように、複数の技が使用可能で、それぞれの技に能力値が設定されるゲーム装置を制御するプログラムであって、コンピュータを、プレーヤーからの技の入力を判断する技入力判断手段、入力された技のヒットを判断する技ヒット判断手段、前記技ヒット判断手段により技のヒットがあったと判断された場合に、当該技に対応する能力値を減少させる能力値減少手段、前記能力値減少手段により減少させた能力値を他の技の能力値に補填する能力値補填手段、として機能させるゲーム制御プログラムとして構成することができる。
【0017】
また、請求項11に記載されるように、複数の技が使用可能で、それぞれの技に能力値が設定されるゲーム装置を制御するプログラムを記録する媒体であって、コンピュータを、プレーヤーからの技の入力を判断する技入力判断手段、入力された技のヒットを判断する技ヒット判断手段、前記技ヒット判断手段により技のヒットがあったと判断された場合に、当該技に対応する能力値を減少させる能力値減少手段、前記能力値減少手段により減少させた能力値を他の技の能力値に補填する能力値補填手段、として機能させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なゲーム制御プログラム記録媒体として構成することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のゲーム装置、ゲーム制御方法、ゲーム制御プログラム、および、ゲーム制御プログラム記録媒体にあっては、同じ技を何度も使用した場合にその技による能力値を減少させることで同じ技の使用を抑制しつつ、減少させた能力値を他の技の能力値に補填することで、対戦上の平等性が失われること等の不都合を解消することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の好適な実施形態につき説明する。なお、対戦格闘ゲームに適用した場合について説明するが、他のタイプのゲームにも適用することができる。
【0020】
<システム構成>
図1は本発明の一実施形態にかかるゲーム装置の構成例を示す図である。
【0021】
図1において、ゲーム装置100は、システムバス101を介して相互に接続されるCPU(Central Processing Unit)102、ROM(Read Only Memory)103、RAM(Random Access Memory)104、DMA(Direct Memory Access unit)108、情報記憶媒体109、画像処理部110、音声処理部117および操作入力部119から構成される。
【0022】
ここで、CPU102は、ゲーム装置100の制御動作の中枢となり、システムバス101を介して他の構成要素部分と制御信号やデータ信号等の受け渡しを行って全体を統括的に制御する中央演算処理装置であり、RAM104に格納されるゲーム制御プログラム105や操作入力部119からの信号に従ってゲーム制御を行う。すなわち、仮想空間に設定されたワールド座標系にオブジェクトおよび視点を設定するための画像処理情報を導出するとともに、音声処理情報を導出するものである。画像処理情報には、ワールド座標系内に配置される各オブジェクトの配置座標や姿勢を指定するデータ、視点の配置座標や視点方向を指定するデータ等が含まれる。
【0023】
ROM103は、装置の起動時に使用する起動用プログラムや装置を動かすための基本的なシステムプログラム等を格納する不揮発性メモリである。
【0024】
RAM104は、情報記憶媒体109から読み出したゲーム制御プログラム105を展開し、作業中のデータを一時記録するなどのための領域をCPU102に提供する揮発性メモリである。RAM104には、プレーヤーにより選択されたプレーヤーキャラクターの能力値を保持する能力値管理テーブル106やゲーム内における現在時刻を保持するゲーム内時刻保持部107も設けられている。
【0025】
DMA108は、システムバス101に接続されている周辺機器を対象として割り込み制御やダイレクトメモリアクセス転送制御を行うものであり、CPU102を介さずに各種周辺機器とRAM104との間でシステムバス101を介して直接データのやりとりを実行し、これにより、CPU102のオーバーヘッドを伴わずに、高速・大容量のデータ転送を実現している。
【0026】
情報記憶媒体109は、ゲーム制御プログラム105を記録する媒体である。ゲーム制御プログラム105には、ゲーム進行のアルゴリズムや仮想3次元空間に配置されるオブジェクトを定義するデータ、各オブジェクトにマッピングされるテクスチャデータ等が含まれる。情報記憶媒体109は、ハードディスク、光ディスク(CD−ROM、DVD−ROM)、光磁気ディスク、磁気ディスク、磁気テープ等により構成することができる。
【0027】
画像処理部110は、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶ディスプレイなどの表示部116で表示する画像を生成するものであって、本実施形態では、画像デコーダ111、GPU(Graphic Processing Unit)112、ディスプレイコントローラ115等の半導体デバイスを備えている。ここで、画像デコーダ111は、情報記憶媒体109から読み出され、RAM104の所定領域に一時記憶されたJPEGあるいはMPEG方式等で圧縮符号化された静止画あるいは動画等のデータを復号する処理を行う。
【0028】
GPU112は、CPU102からのコマンドに応じて、3次元コンピュータグラフィクス(3DCG)の画面データを生成するための画像生成アルゴリズムを実行し、ジオメトリ処理やテクスチャマッピング等を行って生成した画像をその画像記録領域に描画記録する処理を行う。GPU112の画像記録領域としては、表示部116において表示される画像データを記録するフレームバッファ113や、その他の画像データを記録する補助画像記憶領域114等の複数の領域に区画されている。
【0029】
ディスプレイコントローラ115は、フレームバッファ113に描画された画像データをフレーム時間毎に読み出して、画像データに対応した輝度信号と色信号を含む映像信号を生成して表示部116に出力する。
【0030】
音声処理部117は、スピーカ118で出力する効果音やBGM等の音声を生成する半導体デバイスであって、具体的には、図示省略のサウンドバッファおよびSPU等を備え、SPUがサウンドバッファから読み出した音データを合成してスピーカ118に出力する。なお、業務用ゲーム装置の場合は表示部116およびスピーカ118は筐体内に設けられるが、家庭用ゲーム装置の場合は外部のテレビ受像機等のものが使用される。
【0031】
操作入力部119は、ゲーム進行に対する各種の操作をプレーヤーから受け付け、操作信号の入力を行うものである。例えば、仮想空間内のオブジェクトに対する攻撃においては、操作入力部119から攻撃を行う技やタイミングなどを指定するための操作信号が入力され、操作入力部119に入力された信号はシステムバス101を介してCPU102に送信される。操作入力部119は、ボタン、レバー、ジョイスティック、キーボード、マウス等により構成される。
【0032】
図2は能力値管理テーブル106およびゲーム内時刻保持部107のデータ構造例を示す図である。
【0033】
図2(a)は能力値管理テーブル106の1プレーヤーキャラクターについてのデータ構造例を示しており、ゲーム進行により変化しないパラメータである「技の名称」「技の分類」「基本ダメージ値」「基本スピード値(フレーム数)」「基本当たり判定値」のフィールドと、ゲーム進行により変化するパラメータである「現在ダメージ値」「現在スピード値(フレーム数)」「現在当たり判定値」「能力値減少残り回数」「能力値減少残り時間」のフィールドを含んでいる。「基本ダメージ値」「基本スピード値(フレーム数)」「基本当たり判定値」は基本能力値であり、「現在ダメージ値」「現在スピード値(フレーム数)」「現在当たり判定値」は現在能力値である。
【0034】
ここで、「技の名称」は、「強力パンチ」「高速パンチ」「回転パンチ」「下パンチ」「強力キック」「高速キック」「回転キック」「脚払い」「強力投げ」「高速投げ」等の技の名前である。なお、この「技の名称」に代え、あるいはこれとは別に、内部的な識別コードを付与してもよい。
【0035】
「技の分類」は、「上段攻撃」「中段攻撃」「下段攻撃」「投げ」等の技の特徴に基づいた区分である。
【0036】
「基本ダメージ値」は、技がヒットした場合に相手側に与えるダメージ量の基本値として割り当てられた値である。「基本ダメージ値」はプレーヤーキャラクターの個性に応じて値が設定される。
【0037】
「基本スピード値(フレーム数)」は、技の出るスピード(画像のフレーム数で表現)の基本値として割り当てられた値である。「基本スピード値(フレーム数)」はプレーヤーキャラクターの個性に応じて値が設定される。
【0038】
「基本当たり判定値」は、技がヒットしたと判定するエリアの大きさの基本値として割り当てられた値である。「基本当たり判定値」はプレーヤーキャラクターの個性に応じて値が設定される。
【0039】
「現在ダメージ値」は、技がヒットした場合に相手側に与えるダメージ量の現在の値である。
【0040】
「現在スピード値(フレーム数)」は、技の出るスピード(画像のフレーム数で表現)の現在の値である。
【0041】
「現在当たり判定値」は、技がヒットしたと判定するエリアの大きさの現在の値である。
【0042】
「能力値減少残り回数」は、対応する技の能力値の減少の後に他の技(対応する技以外の技)が所定回数以上使用された場合(その間に対応する技の使用を許す場合と許さない場合とがある)に能力値をリセットする場合に用いられるものであり、初期値は「0」であり、対応する技が使用されて能力値が減少された時点(対応する技の使用を許す場合は能力値がリセットされるまでは再設定はされない)で所定値(能力値減少技回数)がセットされ、他の技が使用される毎にデクリメント(1減算)されるものである。
【0043】
「能力値減少残り時間」は、対応する技の能力値の減少から所定時間が経過した場合に能力値をリセットする場合に用いられるものであり、初期値は「0」であり、対応する技が使用されて能力値が減少された時点で所定値(能力値減少時間)がセットされ、ゲーム内時刻が更新される毎にデクリメント(1減算)されるものである。
【0044】
<動作>
図3は実施形態の全体的な処理例を示すフローチャートである。(a)はゲーム装置100の電源投入等によるゲーム起動から始まる主たる処理の流れを示し、(b)はゲーム開始後に並行して行われる処理を示している。
【0045】
図3における処理を大まかに区分すると、次のようになる。
(1)ゲーム/ラウンドの開始処理
(2)技の入力/ヒットの判断処理
(3)ダメージ処理
(4)能力値減少処理
(5)能力値補填処理
(6)能力値リセット処理
以下、個々の処理に分けて説明する。
【0046】
(1)ゲーム/ラウンドの開始
ゲームもしくはラウンドを開始する処理である。ゲームは複数のラウンドから構成され、全ラウンドが終了してゲームの勝敗が決着すると次のゲームに移行することが可能になる。
【0047】
図3(a)において、ゲーム装置100の電源投入等によりゲームが起動されると(ステップS101)、モードの選択(1プレーヤーモード、2プレーヤーモード)、ゲーム料金の支払(コインの投入、ゲームカードの挿入、電子マネーによる決済等)、難易度の選択等を含むゲーム開始処理を行い(ステップS102)、ラウンド開始を行う(ステップS104)。
【0048】
ラウンドにおいて技のヒットがあった場合、後述の種々の処理の後、ラウンド勝敗の決着が付いたか否か判断し(ステップS112)、決着が付いていない場合(ステップS112のNo)はラウンドを継続する。ラウンド勝敗の決着が付いた場合(ステップS112のYes)はゲーム勝敗の決着が付いたか否か判断し(ステップS113)、決着が付いていない場合(ステップS113のNo)は後述する所定の処理の後、次のラウンドの開始を行う(ステップS104)。ゲーム勝敗の決着が付いた場合(ステップS113のYes)、次のゲームの開始処理を行う(ステップS102)。
【0049】
(2)技の入力/ヒットの判断
プレーヤーによる技の入力および技がヒットしたか否かを判断する処理である。
【0050】
図3(a)において、ラウンドが開始されると(ステップS104)、技の入力を監視する(ステップS106)。そして、技の入力があると(ステップS106のYes)、技がヒットしたか否か判断し(ステップS108)、ヒットしなかった場合(ステップS108のNo)は技の入力の監視(ステップS106)に戻る。技がヒットした場合(ステップS108のYes)は後述するダメージ処理等の処理を行う。なお、技の出るスピードは技を入力した側のプレーヤーキャラクターの入力した技に対応する現在スピード値(図2(a)の「現在スピード値(フレーム数)」)によって制御され、技がヒットしたか否かの判断は技を入力した側のプレーヤーキャラクターのヒットした技に対応する現在当たり判定値(図2(a)の「現在当たり判定値」)に基づいて行われる。
【0051】
(3)ダメージ処理
技がヒットした場合に相手方のプレーヤーキャラクターにダメージを与える処理である。
【0052】
図3(a)において、技がヒットした場合(ステップS108のYes)、ダメージ処理を行う(ステップS109)。ダメージ処理は、技をヒットさせた側のプレーヤーキャラクターのヒットした技に対応する現在ダメージ値(図2(a)の「現在ダメージ値」)を相手側のプレーヤーキャラクターの総ダメージ値(図示せず)に加算するか、現在ダメージ値をヘルス値(図示せず)から減算することにより行われる。ここで、総ダメージ値は、「0」から開始して所定の値になった場合に敗北となるルールのゲームに使用される値である。ヘルス値は、所定の値から開始して「0」もしくは「0」に近い所定の値になった場合に敗北となるルールのゲームに使用される値である。
【0053】
(4)能力値減少処理
同じ技を何度も使用することを抑制するため、技がヒットする都度に能力値を所定割合減少させる処理である。
【0054】
図3(a)において、ダメージ処理(ステップS109)の後、能力値減少処理を行う(ステップS110)。能力値減少処理の詳細については後述するが、能力が減少する量を表す「能力減少度関数f()」を用意しておき、ヒットさせた技に対応する現在能力値(現在ダメージ値、現在スピード値、現在当たり判定値)に能力減少度関数f()を適用して各能力値毎の減少量を求め、各能力値からこの減少量を減算した値を現在能力値とすることにより能力値減少を行う。能力減少度関数としては、例えば、f(x)=0.5xといったものが考えられ、この関数の場合、能力値は同一技をヒットさせる度に半分になる。
【0055】
ダメージ処理(ステップ109)の後にヒットした技の能力値を減少させるので、その後、技がヒットした時に、過去にヒットした技と同一か否かを判定しなくても、同じ技を使用すればするほど、その技の能力値は減少していく。
【0056】
(5)能力値補填処理
能力値減少によりプレーヤーキャラクターの総合力が低下して対戦相手のプレーヤーキャラクターとの間で対戦上の平等性が失われることを防止するため、減少させた能力値を同プレーヤーキャラクターの他の技の能力値に補填する処理である。すなわち、ヒットした技(=能力値減少をした技)で能力値が減少した量と合計が同じ量になるように、他の技の能力値を増加させることで、能力減少量と能力増加量を一致させ、プレーヤーキャラクターの全ての技の総合力の減少を防ぐものである。
【0057】
図3(a)において、能力値減少処理(ステップS110)に続いて能力値補填処理を行なう(ステップS111)。能力値補填処理の詳細については後述するが、
(A)他の全ての技に均等に分配する方法
(B)技の分類に従い、能力値を減少した技の所属する分類以外の全ての技に分配する方法
の2通りがある。(A)の均等に分配する方法は、例えば補填を受ける技の「基本能力値」に応じた加重平均で分配することで、能力値減少した技以外の能力バランスを維持することができる利点がある。(B)の分類して分配する方法は、似た技ではなく違った傾向の技が強化される度合いを強めることができるという利点がある。
【0058】
(A)の他の全ての技に均等に分配する方法では、ヒットした技(=能力値減少をした技)以外の全ての技について、「現在能力値」を次のように更新する。すなわち、C:現在能力値、D:能力値減少量、B:基本能力値、SumO:ヒットした技以外の全ての技の基本能力値の合計として、
C = C + D × B ÷ SumO
とする。これは、基本能力値による加重平均で分配していることになる。
【0059】
また、(B)の技の分類に従い、能力値を減少した技の所属する分類以外の全ての技に分配する方法では、ヒットした技(=能力値減少をした技)の所属する分類以外の全ての技について現在能力値を次のように更新する。すなわち、C:現在能力値、D:能力値減少量、B:基本能力値、SumOG:ヒットした技の所属する分類以外の全ての技の基本能力値の合計として、
C = C + D × B ÷ SumOG
とする。
【0060】
(6)能力値リセット処理
能力値の減少が累積していくことでプレーヤーキャラクター毎に設定された標準状態からの乖離が大きくなり過ぎ、プレーヤーが混乱して正常な対戦が行えなくなることを防止するため、所定のタイミングで現在能力値を基本能力値にリセットする処理である。
【0061】
能力値リセット処理としては、次のタイミングの中から一つもしくは複数を採用することができる。ただし、(A)〜(C)については、条件を満たした場合に全ての技の「現在能力値」を「基本能力値」に再設定することで能力値リセットを行なう。(D)〜(F)については、技毎に条件を満たした場合に能力値リセットを行う。
(A)1ゲーム終了時(ゲーム開始時)
(B)ラウンド終了時(ラウンド開始時)
(C)ラウンド敗北時
(D)所定時間経過時
(E)他の技を所定回数以上使用した時
(F)能力値減少している技を使わずに他の技を一定回数以上使用した時
ここで、(A)の1ゲーム終了時を考慮に入れているのは、1ゲーム終了により対戦相手が変わる可能性があるため、その場合のプレーヤーの混乱を防止するためである。(B)のラウンド終了時を考慮に入れているのは、同じ技を何度も使用することを抑制する効果がラウンド単位で十分である場合に、ラウンドを単位にプレーヤーの混乱を防止するためである。(C)のラウンド敗北時を考慮に入れているのは、同じ技を何度も使うことのペナルティをラウンド敗北という形ですでに十分に受けたと考えられるためである。(B)との違いは、ラウンド勝利した方も同じ技を使用する傾向があったがラウンドは勝利していたという場合に、勝者にとっては、まだペナルティとして機能していないと考えて継続するためである。そのため、ラウンド勝利時はリセットしない。
【0062】
また、(D)の所定時間経過時を考慮に入れているのは、同じ技を何度も使用することを抑制する効果が所定時間で十分である場合に対応するためである。(E)の他の技を所定回数以上使用した時を考慮に入れているのは、同じ技を何度も使用することを抑制する効果が他の技を所定回数以上使用したことで確認できた場合に対応するためである。この場合、他の技を所定回数以上使用するまでの間に能力値を減少した技を使用することは許容される。(F)の能力値減少している技を使わずに他の技を一定回数以上使用した時を考慮に入れているのは、(E)では同じ技を何度も使用することを抑制する効果が弱いと考えられる場合に対応するためである。
【0063】
(A)の1ゲーム終了時(ゲーム開始時)に対応するのが、図3(a)において、ゲーム開始処理(ステップS102)の直後に行われる能力値リセット処理(ステップS103)である。ブロックを破線で示しているのは、オプションであることを示すためである。
【0064】
(B)のラウンド終了時(ラウンド開始時)に対応するのが、図3(a)において、ラウンド開始処理(ステップS104)の直後に行われる能力値リセット処理(ステップS105)である。
【0065】
(C)のラウンド敗北時に対応するのが、図3(a)において、ゲーム勝敗の決着が付いていない場合(ステップS113のNo)でラウンド敗北(ステップS114のYes)の場合に行われる能力値リセット処理(ステップS115)である。
【0066】
(D)の所定時間経過時に対応するのが、図3(b)において、ゲーム内時刻更新(ステップS121)の都度に行われる一定時間経過による能力値リセット処理(ステップS122)である。
【0067】
(E)の他の技を所定回数以上使用した時もしくは(F)の能力値減少している技を使わずに他の技を一定回数以上使用した時に対応するのが、図3(a)において、技の入力があった場合(ステップS106のYes)の直後に行われる同一技不使用による能力値リセット処理(ステップS107)である。
【0068】
<個々の処理の詳細>
図4は図3の能力値減少処理(ステップS110)の詳細な処理例を示すフローチャートである。
【0069】
図4において、能力値減少処理を開始すると(ステップS131)、ヒットした技につき、現在ダメージ値に能力減少度関数f()を適用し、現在ダメージ値減少量を求める(ステップS132)。そして、現在ダメージ値から現在ダメージ値減少量を減算した値を現在ダメージ値に設定する(ステップS133)。
【0070】
次いで、ヒットした技につき、現在スピード値に能力減少度関数f()を適用し、現在スピード値減少量を求める(ステップS134)。そして、現在スピード値から現在スピード値減少量を減算した値を現在スピード値に設定する(ステップS135)。
【0071】
次いで、ヒットした技につき、現在当たり判定値に能力減少度関数f()を適用し、現在当たり判定値減少量を求める(ステップS136)。そして、現在当たり判定値から現在当たり判定値減少量を減算した値を現在当たり判定値に設定する(ステップS137)。
【0072】
次いで、所定時間経過時に技毎に能力値リセットを行う場合に対応して、所定の値を持つ能力値減少時間をヒットした技の能力値減少残り時間に設定する(ステップS138)。また、他の技を所定回数以上使用した時もしくは能力値減少している技を使わずに他の技を一定回数以上使用した時に技毎に能力値リセットを行う場合に対応して、所定の値を持つ能力値減少技回数をヒットした技の能力値減少残り回数に設定する(ステップS139)。そして、処理を終了する(ステップS140)。
【0073】
図5は図3の能力値補填処理(ステップS111)の詳細な処理例を示すフローチャートである。
【0074】
図5において、能力値補填処理を開始すると(ステップS141)、計算用の一時的な変数である合計ダメージ値、合計スピード値、合計当たり判定値を「0」に初期化する(ステップS142)。
【0075】
次いで、全ての技について以下の処理を繰り返す(ステップS143〜S148)。
【0076】
先ず、能力値補填をする技であるか否か判断する(ステップS144)。すなわち、他の全ての技に均等に分配する方法を採用する場合には、ヒットした技でないか否か判断し、技の分類に従い能力値を減少した技の所属する分類以外の全ての技に分配する方法を採用する場合には、ヒットした技の属する分類に属する技でないか否か判断する。
【0077】
そして、能力値補填をする技でない場合(ステップS144のNo)は次の技の処理(ステップS143)に移行する。
【0078】
能力値補填をする技である場合(ステップS144のYes)、その技の基本ダメージ値を合計ダメージ値に加算し(ステップS145)、その技の基本スピード値を合計スピード値に加算し(ステップS146)、その技の基本当たり判定値を合計当たり判定値に加算する(ステップS147)。
【0079】
全ての技について処理が終わった場合(ステップS148のYes)、この時点で合計ダメージ値、合計スピード値、合計当たり判定値が確定する。
【0080】
次いで、全ての技について以下の処理を繰り返す(ステップS149〜S154)。
【0081】
先ず、能力値補填をする技であるか否か判断し(ステップS150)、能力値補填をする技でない場合(ステップS150のNo)は次の技の処理(ステップS149)に移行する。
【0082】
能力値補填をする技である場合(ステップS150のYes)、
現在ダメージ値+ダメージ値減少量×基本ダメージ値÷合計ダメージ値
を計算して現在ダメージ値に設定し(ステップS151)、
現在スピード値+スピード値減少量×基本スピード値÷合計スピード値
を計算して現在スピード値に設定し(ステップS152)、
現在当たり判定値+当たり判定値減少量×基本当たり判定値÷合計当たり判定値
を計算して現在当たり判定値に設定する(ステップS153)。
【0083】
そして、全ての技について処理が終わった場合(ステップS154のYes)、処理を終了する(ステップS155)。
【0084】
図6は図3の能力値リセット処理(ステップS103、S105、S115)の詳細な処理例を示すフローチャートである。
【0085】
図6において、能力値リセット処理を開始すると(ステップS161)、全ての技について以下の処理を繰り返す(ステップS162〜S166)。
【0086】
先ず、基本ダメージ値を現在ダメージ値に設定し(ステップS163)、基本スピード値を現在スピード値に設定し(ステップS164)、基本当たり判定値を現在当たり判定値に設定する(ステップS165)。
【0087】
そして、全ての技について処理が終わった場合(ステップS166のYes)、処理を終了する(ステップS167)。
【0088】
図7は図3の一定時間経過による能力値リセット処理(ステップS122)の詳細な処理例を示すフローチャートである。
【0089】
図7において、一定時間経過による能力値リセット処理を開始すると(ステップS171)、全ての技について以下の処理を繰り返す(ステップS172〜S177)。
【0090】
先ず、その技の能力値減少残り時間が「0」より大きいか否か判断し(ステップS173)、「0」より大きくない場合(ステップS173のNo)、すなわち「0」である場合は次の技の処理(ステップS172)に移行する。
【0091】
その技の能力値減少残り時間が「0」より大きい場合(ステップS173のYes)は能力値減少残り時間から「1」を減算し(ステップS174)、能力値減少残り時間が「0」であるか否か判断する(ステップS175)。
【0092】
そして、能力値減少残り時間が「0」である場合(ステップS175のYes)、技一つだけの能力値リセット処理を行う(ステップS176)。技一つだけの能力値リセット処理の詳細については後述する。
【0093】
能力値減少残り時間が「0」でない場合(ステップS175のNo)もしくは技一つだけの能力値リセット処理(ステップS176)の後、全ての技について処理が終わった場合(ステップS177のYes)、処理を終了する(ステップS178)。
【0094】
図8は図3の同一技不使用による能力値リセット処理(ステップS107)の詳細な処理例を示すフローチャートである。
【0095】
図8において、同一技不使用による能力値リセット処理を開始すると(ステップS181)、全ての技について以下の処理を繰り返す(ステップS182〜S189)。
【0096】
先ず、その技が今回使用された技であるか否か判断する(ステップS183)。ここで、他の技を所定回数以上使用した時(他の技を所定回数以上使用するまでの間に能力値を減少した技の使用は許容)を条件とする場合には、その技が今回使用された技である場合(ステップS183のYes)、次の技の処理(ステップS182)にそのまま移行する。また、能力値減少している技を使わずに他の技を一定回数以上使用した時を条件とする場合には、その技の能力値減少残り回数を能力値減少技回数に再設定し(ステップS184)、その後に次の技の処理(ステップS182)に移行する。
【0097】
次いで、その技の能力値減少残り回数が「0」より大きいか否か判断し(ステップS185)、「0」より大きくない場合(ステップS185のNo)、すなわち「0」である場合は次の技の処理(ステップS182)に移行する。
【0098】
その技の能力値減少残り回数が「0」より大きい場合(ステップS185のYes)は能力値減少残り回数から「1」を減算し(ステップS186)、能力値減少残り回数が「0」であるか否か判断する(ステップS187)。
【0099】
そして、能力値減少残り回数が「0」である場合(ステップS187のYes)、技一つだけの能力値リセット処理を行う(ステップS188)。技一つだけの能力値リセット処理の詳細については後述する。
【0100】
能力値減少残り回数が「0」でない場合(ステップS187のNo)もしくは技一つだけの能力値リセット処理(ステップS188)の後、全ての技について処理が終わった場合(ステップS189のYes)、処理を終了する(ステップS190)。
【0101】
図9は図7もしくは図8の技一つだけの能力値リセット処理(ステップS176、S188)の詳細な処理例を示すフローチャートである。
【0102】
技一つだけの能力値リセットは、次のように処理する。
【0103】
先ず、能力値リセットを行なう技について、
能力復活量=基本能力値−現在能力値
現在能力値=現在能力値+能力復活量(=基本能力値)
を求め、補正効果リセットを行なう技以外の技について、
現在能力値=現在能力値−能力復活量×基本能力値÷基本能力値合計
とする。なお、基本能力値合計は能力値リセットを行なう技以外の全ての技の基本能力値の合計である。この処理は、「能力値復活量」を加重平均で元に戻していることに相当する。
【0104】
図9において、技一つだけの能力値リセット処理を開始すると(ステップS191)、計算用の一時的な変数である合計ダメージ値、合計スピード値、合計当たり判定値を「0」に初期化する(ステップS192)。
【0105】
次いで、全ての技について以下の処理を繰り返す(ステップS193〜S198)。
【0106】
先ず、能力値リセットをする技であるか否か判断する(ステップS194)。
【0107】
そして、能力値リセットをする技である場合(ステップS194のYes)、その技の基本ダメージ値から現在ダメージ値を減算した値をダメージ値復活量とし、その技の基本スピード値から現在スピード値を減算した値をスピード値復活量とし、その技の基本当たり判定値から現在当たり判定値を減算した値を当たり判定値復活量とする(ステップS195)。次いで、その技の基本ダメージ値を現在ダメージ値に設定し、その技の基本スピード値を現在スピード値に設定し、その技の基本当たり判定値を現在当たり判定値に設定し(ステップS196)、次の技の処理(ステップS193)に移行する。
【0108】
能力値リセットをする技でない場合(ステップS194のNo)、その技の基本ダメージ値を合計ダメージ値に加算し、その技の基本スピード値を合計スピード値に加算し、その技の基本当たり判定値を合計当たり判定値に加算する(ステップS197)。
【0109】
全ての技について処理が終わった場合(ステップS198のYes)、この時点で合計ダメージ値、合計スピード値、合計当たり判定値が確定する。
【0110】
次いで、全ての技について以下の処理を繰り返す(ステップS199〜S202)。
【0111】
先ず、能力値リセットをする技であるか否か判断し(ステップS200)、能力値リセットをする技である場合(ステップS200のYes)は次の技の処理(ステップS199)に移行する。
【0112】
能力値リセットをする技でない場合(ステップS200のNo)、
現在ダメージ値−ダメージ値復活量×基本ダメージ値÷合計ダメージ値
を計算して現在ダメージ値に設定し、
現在スピード値−スピード値復活量×基本スピード値÷合計スピード値
を計算して現在スピード値に設定し、
現在当たり判定値−当たり判定値復活量×基本当たり判定値÷合計当たり判定値
を計算して現在当たり判定値に設定する(ステップS201)。これは、「能力値復活量」を加重平均で元に戻していることに相当する。
【0113】
そして、全ての技について処理が終わった場合(ステップS202のYes)、処理を終了する(ステップS203)。
【0114】
<総括>
以上説明したように、本発明の実施形態によれば次のような利点がある。
(1)対戦格闘ゲーム等において、技をヒットさせた度に、その技が次回以降に使用された時の能力を減少させるため、同一の技をヒットさせればさせるほど能力が減少していき、プレーヤーがより有利な状況を作り出すためには同じ技を繰り返し使用することを抑制する必要が生じる。これにより、プレーヤーにより多くの種類の技を出そうとするモチベーションが生まれ、攻防が多彩になりプレーヤーとギャラリーの楽しみが増す。また、マスターすべき技の数が増えてゲーム攻略の奥行きが増す。
(2)技の能力を減少させる時に、その減少分を他の技の能力を増加させることによって補填するため、単にプレーヤーキャラクターが弱体化していくということが避けられ、技をヒットさせたことによってプレーヤーキャラクターの総合力が下がってしまうことを防止することができ、対戦の平等性を確保することができる。
(3)能力値の減少は、対戦相手の変更やラウンド終了等の特定の条件を満たしたときにリセットされるため、能力値の標準状態からの補正量が大きくなりすぎた場合や対戦相手が変更になった時にプレーヤーの混乱を防ぐことができる。
【0115】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明の一実施形態にかかるゲーム装置の構成例を示す図である。
【図2】能力値管理テーブルおよびゲーム内時刻保持部のデータ構造例を示す図である。
【図3】実施形態の全体的な処理例を示すフローチャートである。
【図4】能力値減少処理の詳細な処理例を示すフローチャートである。
【図5】能力値補填処理の詳細な処理例を示すフローチャートである。
【図6】能力値リセット処理の詳細な処理例を示すフローチャートである。
【図7】一定時間経過による能力値リセット処理の詳細な処理例を示すフローチャートである。
【図8】同一技不使用による能力値リセット処理の詳細な処理例を示すフローチャートである。
【図9】技一つだけの能力値リセット処理の詳細な処理例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0117】
100 ゲーム装置
101 システムバス
102 CPU
103 ROM
104 RAM
105 ゲーム制御プログラム
106 能力値管理テーブル
107 ゲーム内時刻保持部
108 DMA
109 情報記憶媒体
110 画像処理部
111 画像デコーダ
112 GPU
113 フレームバッファ
114 補助画像記憶領域
115 ディスプレイコントローラ
116 表示部
117 音声処理部
118 スピーカ
119 操作入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の技が使用可能で、それぞれの技に能力値が設定されるゲーム装置であって、
プレーヤーからの技の入力を判断する技入力判断手段と、
入力された技のヒットを判断する技ヒット判断手段と、
前記技ヒット判断手段により技のヒットがあったと判断された場合に、当該技に対応する能力値を減少させる能力値減少手段と、
前記能力値減少手段により減少させた能力値を他の技の能力値に補填する能力値補填手段とを備えたことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置において、
前記能力値補填手段は、能力値を減少させた技以外のすべての技に均等に能力値を分配して補填を行うことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1に記載のゲーム装置において、
前記能力値補填手段は、能力値を減少させた技が属する分類以外の分類に属するすべての技に均等に能力値を分配して補填を行うことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のゲーム装置において、
能力値を減少させた技の能力値を所定のタイミングで基本能力値にリセットする能力値リセット手段を備えたことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項4に記載のゲーム装置において、
前記能力値リセット手段は、能力値を減少させたすべての技の能力値を同時期に基本能力値にリセットすることを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
請求項5に記載のゲーム装置において、
前記所定のタイミングは、ゲーム終了時、ラウンド終了時、ラウンド敗北時のいずれかまたはこれらの組み合わせを含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項7】
請求項4に記載のゲーム装置において、
前記能力値リセット手段は、能力値を減少させた個々の技の能力値を基本能力値にリセットすることを特徴とするゲーム装置。
【請求項8】
請求項7に記載のゲーム装置において、
前記所定のタイミングは、前記能力値減少手段による能力値の減少から所定時間経過時、能力値を減少させた技以外の技の所定回数以上の使用時、能力値を減少させた技を使用せずに当該技以外の技の所定回数以上の使用時のいずれかまたはこれらの組み合わせを含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項9】
複数の技が使用可能で、それぞれの技に能力値が設定されるゲーム装置の制御方法であって、
プレーヤーからの技の入力を判断する技入力判断工程と、
入力された技のヒットを判断する技ヒット判断工程と、
前記技ヒット判断工程により技のヒットがあったと判断された場合に、当該技に対応する能力値を減少させる能力値減少工程と、
前記能力値減少工程により減少させた能力値を他の技の能力値に補填する能力値補填工程とを備えたことを特徴とするゲーム制御方法。
【請求項10】
複数の技が使用可能で、それぞれの技に能力値が設定されるゲーム装置を制御するプログラムであって、
コンピュータを、
プレーヤーからの技の入力を判断する技入力判断手段、
入力された技のヒットを判断する技ヒット判断手段、
前記技ヒット判断手段により技のヒットがあったと判断された場合に、当該技に対応する能力値を減少させる能力値減少手段、
前記能力値減少手段により減少させた能力値を他の技の能力値に補填する能力値補填手段、
として機能させることを特徴とするゲーム制御プログラム。
【請求項11】
複数の技が使用可能で、それぞれの技に能力値が設定されるゲーム装置を制御するプログラムを記録する媒体であって、
コンピュータを、
プレーヤーからの技の入力を判断する技入力判断手段、
入力された技のヒットを判断する技ヒット判断手段、
前記技ヒット判断手段により技のヒットがあったと判断された場合に、当該技に対応する能力値を減少させる能力値減少手段、
前記能力値減少手段により減少させた能力値を他の技の能力値に補填する能力値補填手段、
として機能させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なゲーム制御プログラム記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−289738(P2008−289738A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−139718(P2007−139718)
【出願日】平成19年5月25日(2007.5.25)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】