説明

ゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、及びゲーム装置の制御プログラム

【課題】プレイ時間を短縮するカードゲーム装置を提供する。
【解決手段】遊戯媒体に付されたカードIDに従ったゲームキャラクタのデッキを用いて対戦を行うゲーム装置を用いる。このゲーム装置は、それぞれの攻撃側のゲームキャラクタがどの防御側のゲームキャラクタを攻撃するかについてのプレイヤの指示を検知する検知部を備える。また、制御部は、攻撃側のゲームキャラクタは、攻撃を行うことで前記防御側のゲームキャラクタの属性に係る合体値を取得する。その後、制御部は、攻撃側のゲームキャラクタのデッキに係る合体値の絶対値を増加させる。そして、攻撃側のゲームキャラクタのデッキに係る合体値の絶対値が所定値以上になった場合に、攻撃側のゲームキャラクタの属性を基に合体したゲームキャラクタに変化させるよう制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、及びゲーム装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、業務用ビデオゲーム機においては、コンシューマー向けのビデオゲーム機では提供不可能な専用インタフェイスを用いた業務用ビデオゲーム装置が普及している。
【0003】
このような業務用ビデオゲーム装置として、トレーディングカードに印刷されたバーコードを読み取るカードリーダーを備えており、このバーコードの内容によりプレイ内容を変化させる業務用ビデオゲーム機器が存在している(以下、カードゲーム装置とする。)
このようなカードゲーム装置においては、業務用ビデオゲーム装置でゲームを行うために用いるためのカードを集める楽しみ、そのカードを用いたビデオゲームのインタラクティブな遊戯を同時に楽しむことができる。
【0004】
このような従来のカードゲーム装置としては、特許文献1を参照すると、プレイヤが敵ゲームキャラクタに対するプレイヤのゲームキャラクタの攻撃手法を選択するゲームにおいて、その選択の際の決断力の良否が後のゲームの進行に影響を及ぼすことでゲーム性を向上させるとともに、ゲームの順番を待つ者がいる場合に無駄な待ち時間を与えずに済むことのできるゲーム装置が記載されている(以下、従来技術1とする。)。
【0005】
従来技術1のカードゲーム装置は、選択時間値積算手段により積算された選択時間値が所定の値を越えていることを条件として、前記敵ゲームキャラクタの所定のパラメータの低下量が他の攻撃手法における低下量よりも多くなる「特別攻撃」をプレイヤのゲームキャラクタの攻撃手法として選択可能にする特別攻撃選択手段を備えている。
これにより、ゲームの進行の無駄な待ち時間を減らすことができ、カードゲーム装置のプレイのスピードを上げて、稼働率を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−142352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来技術1のカードゲーム装置は、無駄な待ち時間を一定段階で減らすことができるものの、ゲームの進行において、その待ち時間を減らす単位が一定であるという問題があった。このため、プレイのスピードを上げて、ゲーム装置の稼働率を向上させるのに限界があった。
また、従来技術1のカードゲーム装置は、その選択の際の決断力の良否のみを評価基準としているため、ゲームにおける戦略性等の遊戯性が低下するという問題もあった。
【0008】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、上述の課題を解消することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のゲーム装置は、遊戯媒体に付されたカードIDに従ったゲームキャラクタを用いて対戦を行うゲーム装置であって、それぞれの攻撃側のゲームキャラクタがどの防御側のゲームキャラクタを攻撃するかについてのプレイヤの指示を検知する検知部と、前記攻撃側のゲームキャラクタは、攻撃を行うことで前記防御側のゲームキャラクタの属性に係る合体値を取得して、前記攻撃側のゲームキャラクタのデッキに係る合体値の絶対値を増加させ、前記攻撃側のゲームキャラクタのデッキに係る合体値の絶対値が所定値以上になった場合に、前記攻撃側のゲームキャラクタの属性を基に合体したゲームキャラクタに変化させるよう制御する制御部とを備えることを特徴とするゲーム装置。
本発明のゲーム装置は、前記制御部は、ミニゲームのタイミング又はタッチ座標により、取得する前記合体値が変化するように制御することを特徴とする。
本発明のゲーム装置は、前記制御部は、前記合体したゲームキャラクタを、合体する前のゲームキャラクタの数よりも少なくなるように制御することを特徴とする。
本発明のゲーム装置は、前記制御部は、合体していないゲームキャラクタと、前記合体したゲームキャラクタとの戦闘において、攻撃の成功率や回避率、攻撃値、防御値のいずれかを変化させるように制御することを特徴とする。
本発明のゲーム装置は、前記制御部は、前記対戦において、攻撃により減ずるパラメータの初期値を、攻撃側のデッキと防御側のデッキにてほぼ同一の所定値になるように制御することを特徴とする。
本発明のゲーム装置は、前記制御部は、カードIDの取得順により、前記合体したゲームキャラクタを変化させるように制御することを特徴とする。
本発明のゲーム装置は、前記制御部は、カードIDの取得順により、前記合体したゲームキャラクタの構成に係る属性値を変化させるように制御することを特徴とする。
本発明のゲーム装置は、遊戯者に所有される遊戯媒体に付された識別情報と対応したゲームキャラクタを用いて対戦ゲームを実行するゲーム装置であって、前記ゲーム装置の制御部は、攻撃側ゲームキャラクタの攻撃対象に関するプレイヤの指示である指示情報を検知する手段と、前記指示情報に基づき、前記攻撃対象への攻撃処理を実行して、該攻撃処理により前記攻撃対象に予め設定されている第1の値から所定値を取得し、該所定値を前記攻撃側ゲームキャラクタに係る第1の値へ加算する手段と、前記第1の値が所定値以上になった場合に、前記攻撃側ゲームキャラクタに基づく第2のゲームキャラクタを生成する手段とを含んでなることを特徴とするゲーム装置。
本発明のゲーム装置の制御方法は、遊戯媒体に付されたカードIDに従ったゲームキャラクタのデッキを用いて対戦を行うゲーム装置の制御方法であって、それぞれの攻撃側のゲームキャラクタがどの防御側のゲームキャラクタを攻撃するかについてのプレイヤの指示を検知し、攻撃側のゲームキャラクタは、攻撃を行うことで前記防御側のゲームキャラクタの属性に係る合体値を取得し、前記攻撃側のゲームキャラクタのデッキに係る合体値の絶対値を増加させ、前記攻撃側のゲームキャラクタのデッキに係る合体値の絶対値が所定値以上になった場合に、前記攻撃側のゲームキャラクタの属性を基に合体したゲームキャラクタに変化させるよう制御することを特徴とする。
本発明のゲーム装置の制御プログラムは、それぞれの攻撃側のゲームキャラクタがどの防御側のゲームキャラクタを攻撃するかについてのプレイヤの指示を検知し、攻撃側のゲームキャラクタは、攻撃を行うことで前記防御側のゲームキャラクタの属性に係る合体値を取得し、前記攻撃側のゲームキャラクタのデッキに係る合体値の絶対値を増加させ、前記攻撃側のゲームキャラクタのデッキに係る合体値の絶対値が所定値以上になった場合に、前記攻撃側のゲームキャラクタの属性を基に合体したゲームキャラクタに変化させるよう制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、合体するゲームキャラクタを用いることにより、プレイヤにゲーム進行のためのプレイ時間短縮への動機付けを行い、ゲーム装置の稼働率を向上させるゲーム装置を提供することができる。また、ゲーム装置のゲームにおける戦略性を向上させ、遊戯性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態に係るゲーム装置10の外観を示す概念図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るゲーム装置10の制御構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るゲーム装置10のゲームキャラクタのデータを示す概念図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るグループのデータを示す概念図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るゲーム装置10のプレイ処理のフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態に係るゲーム装置10の対CPU戦ゲーム処理のフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態に係るカード読み込みの概念図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る攻撃指示の概念図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るエンカウント処理のフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態に係る通常ミニゲーム処理のフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態に係る攻撃/防御ミニゲームの概念図である。
【図12】本発明の実施の形態に係るGE増加の概念図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る敵合体時の攻撃の概念図である。
【図14】本発明の実施の形態に係る味方合体時の攻撃の概念図である。
【図15】本発明の実施の形態に係る敵を倒した際の概念図である。
【図16】本発明の実施の形態に係るゲーム装置10のカード購入処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施の形態>
以下で、本発明の実施の形態に係るゲーム装置10及びそのゲーム装置10で実行されるゲームについて図面を用いて説明する。
【0013】
〔ゲーム装置10外観〕
まず、図1を参照して、本発明の実施の形態に係るゲーム装置10の外観について説明する。
ゲーム装置10は、ゲームセンターやショッピング店舗やスポーツ施設等の遊戯施設に備えられている業務用のビデオゲーム機器である。
ゲーム装置10は、第1振動部210、第2振動部215、識別情報読取部220(バーコードリーダ)、カード出力装置230、コイン投入部250、第1表示装置270(第1表示部)、第2表示装置275(第2表示部)、出音装置280(音声出力部)、第1タッチパネル300(第1接触検出部)、第2タッチパネル305(第2接触検出部)等を備えている。
【0014】
第1表示装置270と第2表示装置275とは、液晶ディスプレイ、PDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル)、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ディスプレイ、LCOS(Liquid crystal on silicon)ディスプレイ、透過型高温ポリシリコンLCDや、レーザー等を用いた光学プロジェクタの表示手段(表示部)である。第1表示装置270と第2表示装置275とには、カードの配置に関連した具体的なゲーム上の展開やスコア等に加え、設定画面等についても表示することができる。
LCDに代わり、例えば、EL(Electro Luminescence:電界発光)を利用した表示装置や、PDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル)、FED(電界放出ディスプレイ)等、任意の表示装置を利用することができる。さらに、任意の解像度のものを利用することができる。
【0015】
図1の例では、第1表示装置270と第2表示装置275は、例えばLCD(Liquid Crystal Display:液晶表示装置)を用いて、上下に設けられている。本発明の実施の形態に係るゲーム装置10においては、ここにカード80(遊技媒体、図7参照)のデータに従った味方(プレイヤ)のゲームキャラクタ(プレイヤによって操作されるキャラクタのオブジェクト)や、敵(対戦相手のプレイヤや、CPU100が実行するプログラム)のゲームキャラクタ(ゲームキャラクタのオブジェクト)が描画されて、ゲームを進行させる。
なお、第1表示装置270及び第2表示装置275は左右方向に設けられていてもよく、後述するようにLCD以外の表示装置を用いてもよい。
【0016】
第1タッチパネル300と第2タッチパネル305は、接触された点を検知する検知機能を備える接触検出手段である。
上述の、第1表示装置270と第2表示装置275には、入力装置(入力部)として、第1表示装置270の表面に第1タッチパネル300が設けられ、第2表示装置275の表面に第2タッチパネル305が備えられている。
第1タッチパネル300と第2タッチパネル305は、例えば、抵抗膜方式や光学式(赤外線方式)や静電容量結合式など、任意の方式のものを利用することができる。この第1タッチパネル300や第2タッチパネル305は、その表面を指や入力用器具(例:スタイラスペン等)などで触れると、その接触位置に対応する座標データを出力する機能を備えている。
本発明の実施の形態に係るゲーム装置10では、第1タッチパネル300や第2タッチパネル305として、第1表示装置270や第2表示装置275の解像度と同じ解像度(検出精度)のものを利用する。
なお、第1タッチパネル300や第2タッチパネル305の解像度と、第1表示装置270や第2表示装置275の解像度が互いに一致していなくてもよい。また、第1タッチパネル300、第2タッチパネル305ともに多点検出可能なタッチパネルで構成することもできる。以下の本実施例において、第1タッチパネル300と第2タッチパネル305は、静電容量式タッチパネルのスイッチを用いた場合を説明する。
また、ゲーム装置10については、操作を簡単にするために、他のスイッチ等を極力備えないようにして、第1タッチパネル300、第2タッチパネル305のみで操作可能なように構成すると好適である。
【0017】
第1振動部210と第2振動部215とは、エキサイタや振動モータやピエゾ素子や弱電流発生装置のような、プレイヤの触感に対応するフォースフィードバック手段(フォースフィードバック部)である。
第1表示装置270には、第1振動部210が設けられ、ゲーム進行に応じて、第1タッチパネル300にタッチしているプレイヤに振動を与える。第2表示装置275には、同様に、第2振動部215が設けられ、ゲーム進行に応じて、第2タッチパネル305にタッチしているプレイヤに振動を与える。
このようなフォースフィードバックの処理により、ゲームのプレイの臨場感を高めることができる。
【0018】
出音装置280はスピーカやヘッドフォン等であり、ゲーム進行に応じて、後述するオーディオプロセッサから出力された音声信号(音声情報)を、デジタルアンプ等で増幅して、スピーカやヘッドフォン等により音を出力する。
また、出音装置280とは別に、音声入力を行うためのマイクのような入音装置(図示せず)を備えていてもよい。
なお、本実施形態のゲーム装置10では、出音装置280がゲーム装置10の上部に設けられているが、これに限定されず、任意の箇所に設けることができる。
【0019】
識別情報読取部220は、例えば、光学式のバーコードリーダや2次元/3次元コードのリーダ、ICリーダ等である。
この識別情報読取部220は、後述する遊戯に用いるカード80(図7参照)に印刷されたバーコードや、カード80に内蔵されたROM/フラッシュメモリ等の記憶媒体の記憶内容を取得し、カード80の種類であるカードID(Identification、識別情報)等を読み取る。
なお、図1によると、本実施形態のゲーム装置10では、識別情報読取部220がゲーム装置10の手前側略中央に設けられているが、これに限定されず、任意の箇所に備えることができる。
【0020】
コイン投入部250は、コインを投入するための装置である。本実施形態においては、プレイヤによりゲーム装置10の下部に設けられたコイン投入部250から投入されたコインはコイン検出部(図示せず)により検出される。
【0021】
カード出力装置230は、次回からカード80として用いることができるカードを払い出す(出力する)部位である。
カード出力装置230は、例えば、ゲーム実行後にカード出力口235から、カード80を排出する。カード出力装置230が出力するカード80は複数の種類が存在し、ゲーム装置10の管理者がコイン投入部250と同様に鍵付きの筐体内にランダムに並べて補充しておくことができる。その上で、ゲーム終了時に、CPU100の指示により、カードをカード出力装置230から払い出す。
なお、カード出力装置230は、例えば昇華式のフォトプリンタ等のプリンタやフラッシュメモリリーダを備え、カードを印刷して出力することも可能である。これにより、新しい種類のカードを、すぐに出力することもでき、カードの在庫をもつ必要がないという効果が得られる。カード80に、不正防止のために、カードの出力時に暗号化された発行日、発行場所、カードID(Identification)等を印刷したり記憶したりして出力することができる。
【0022】
コイン投入部250は、カードゲームをプレイするために、ユーザが投入するコインやプリペイドカードを検知し、所定のコインや金額を検知した場合、この信号を送信することができる部位(決済情報検出部)である。このコインとしては、実際の貨幣や遊戯施設で用いられるメダル等の経済的価値媒体を使用することができる。
また、コイン投入部250は、コイン等を保存しておくボックス等も備えている。ゲーム装置10の管理者は、図示しない鍵を用いて筐体を開けることで、このボックスにアクセスすることができる。
【0023】
〔ゲーム装置10の制御構成〕
次に、図2を参照して、ゲーム装置10のハードウェアの制御構成について説明する。
ゲーム装置10における制御装置(電子回路)の構成としては、CPU100(制御部、ゲーム実行部)と、記憶部110と、ブートROM130と、ペリフェラルI/F140(周辺機器接続インタフェイス手段)と、バスアービタ150と、GPU160(描画手段)と、グラフィックメモリ170と、オーディオプロセッサ180と、オーディオメモリ190と、通信I/F200と、識別情報読取部220と、カード出力装置230と、と、コイン投入部250と、第1表示装置270(表示部)と、第2表示装置275(表示部)と、出音装置280と、第1タッチパネル300(第1検出部、第1接触検出部)、第2タッチパネル305(第2検出部、第2接触検出部)とを含んで構成される。
【0024】
CPU100は、CISC(Complex Instruction Set Computer、複合命令セットコンピュータ)方式やRISC(Reduced Instruction Set Computer、縮小命令セットコンピュータ)方式のCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Siganl Processor)、ASIC(Application Specific Processor、特定用途向けプロセッサ)等である演算・制御能力を備えた制御手段である。
また、CPU100に、後述する記憶部110やGPU160やオーディオプロセッサ180等の機能を備えることも可能である。
さらに、CPU100は、プログラム111を用いて、第1タッチパネル300や第2タッチパネル305のタッチされている位置等を取得することもできる。
【0025】
記憶部110は、RAM(Random Access Memory)等の主記憶用に使われる高速な記憶手段と、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、SRAM(Static Random Access Memory)、磁気テープ装置、光ディスク装置等の補助記憶手段を含んで構成される。
記憶部110には、プログラム111と、データ112とが備えられている。また、記憶部110には、ゲーム装置10をコンピュータとして機能させるためのOS(Operating System、図示せず)が備えられており、プログラム111等は、OSの各種API(Application Programming Interface)により、ゲーム装置10の各機能にアクセス可能である。
プログラム111は、ゲーム装置10を、CPU100が実行するためのゲームプログラムである。なお、プログラム111自体を、サーバ(図示せず)からダウンロードしてアップデートしたり、ゲーム開始時にダウンロードしたりするような構成にすることも可能である。
データ112は、このカードゲームのプログラム111用の各種データであり、各ゲームキャラクタの表示用ポリゴンデータ、音楽データ等のゲーム実行に必要なデータを備えている。また難易度の設定等の情報も記憶することができる。
【0026】
ブートROM130は、ROM(Read Only Memory)やNOR型フラッシュメモリや擬似SRAM (PRAM:Pseudo SRAM)等の不揮発性記憶媒体である。ブートROM130は、ゲーム装置10が起動する際に、CPU100のマイクロコードの設定を行ったり、各部の初期化を行ったり、記憶部110からOS等を起動し、プログラム111が実行されるような指示を行う。
また、通信I/F200のIPアドレス等を設定したり、各部の動作テストをしたり、コインやカードの枚数等をカウントするためのプログラムやデータを備えている。
【0027】
ペリフェラルI/F140は、各種周辺機器(ペリフェラル)に接続するための、USB、IEEE1394、シリアル、パラレル、赤外線、無線等のインタフェイスを提供する部位である。ペリフェラルI/F140には、ゲーム装置10で使用する各種周辺機器が接続される。
ペリフェラルI/F140には、本実施形態のゲーム装置10においては、第1振動部210、第2振動部215、識別情報読取部220、カード出力装置230、コイン投入部250、第1タッチパネル300、第2タッチパネル305等を接続して用いることができる。
ペリフェラルI/F140には、更に、スティック型コントローラーや加速度検出器や振動装置等のフォースフィードバック装置、足踏み/手押し式のスイッチ、ディスプレイモニタの画面上の位置を検出する位置検出器、キーボード、マウスやトラックボール等のポインティングデバイス等を接続して用いることができる。
また、ペリフェラルI/F140は、電子スイッチ等を制御することもでき、各種周辺機器の電源を「オン」又は「オフ」にして消費電力を抑えたりすることもできる。さらに、ゲーム装置10が内蔵する、図示しない照明灯のコントロールも可能である。
【0028】
バスアービタ150は、いわゆる「チップセット」等の、各部を接続するためのバスインタフェイスを提供する集積回路であり、CPU100等からのバスの使用要求に応じて、バスの使用権につき調停を行う部位(集積回路)である。
このバスアービタ150で接続される各部のバスのスピードは異なっていてもよく、上り/下りで非対称であってもよい。また、例えば、CPU100と、記憶部110と、バスアービタ150の間はFSBやHTといった高速なバスで接続され、GPU160とバスアービタ150の間も広帯域なバスで接続されるのが好適である。さらに、CPU100にDDR2/3 SDRAMやXDR DRAM等のバスインタフェイスが内蔵されて、記憶部110を直接読み書きするように構成されていてもよい。
【0029】
GPU160は、3次元CGを描画する機能をもつグラフィックプロセッサ(画像生成手段、画像生成部)である。GPU160は、ポリゴンのジオメトリ(座標)の計算を行うジオメトリ部162と、ジオメトリ計算が行われたポリゴンをラスタライズ/レンダリング(描画)するレンダリング部164とを含んで構成される。また、GPU160は、描画された画像を第1表示装置270や第2表示装置275に出力するため、RAMDAC(RAM D/Aコンバーター)やHDMIインタフェイス等を備えている。
【0030】
ジオメトリ部162は、ポリゴンの3次元空間での座標(ワールド座標)について、行列の回転や拡大等を行って、アフィン変換等を行い、ポリゴンの2次元空間での座標を求めるジオメトリプロセッサ等の機能を備える部位である。また、ジオメトリ部162は、ポリゴンの分割やスプライン補完等のテッセレーションを行う、「ジオメトリシェーダ」(又はバーテックスシェーダ)を備えることもできる。
レンダリング部164は、座標計算されたポリゴンについて、テクスチャと呼ばれる画像データを貼り付け、各種効果を加えてグラフィックメモリ170に描画するレンダリングプロセッサ等の機能を備える部位である。この各種効果としては、プログラマブル・シェーダ等を用いて、光点・影(シェーディング)計算、明暗の表現、半透明、ぶれ、霧、ぼかし、HDR(ハイダイナミックレンジ合成)等の計算を行うことができる。また、レンダリング部164が描画するポリゴンの種類としては、点ポリゴン(ポイント)、線ポリゴン(ラインリスト)、三角形や四角形といった面ポリゴン、面ポリゴンの集合体等がある。加えて、レンダリング部164がレイ・トレーシング等を用いて描画を行う際には、円、楕円、球、メタボール等の領域で定義される物体を描画することも可能である。
なお、ジオメトリ部162を、CPU100にて処理するように構成することも可能である。この場合は記憶部110に記憶するプログラムをCPU100が実行して作成したポリゴンの座標を、グラフィックメモリ170に転送等を行う。レンダリング部164は、このポリゴンの座標に従って、ポリゴンを描画する。
【0031】
グラフィックメモリ170は、GPU160(グラフィック・プロセッサ)が描画するために高速に読み書きができる記憶媒体である。
たとえば、このグラフィックメモリとして、GDDR(Graphics Double Data Rate(グラフィックス・ダブル・データレート))等の広帯域なメモリを高レベルのメモリインターリーブ等を用いて接続することができる。
また、システムLSIのようにグラフィックメモリをGPU160に内蔵する構成も可能である。
また、GPU160が描画している間に、第1表示装置270及び/又は第2表示装置275に表示するためのデュアルポート構成をとることも可能である。
【0032】
オーディオプロセッサ180は、音楽や音声や効果音を出力するためのPCM(Wave)音源等を備えたDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)等である。オーディオプロセッサ180は、物理演算音源、FM音源等の計算を行い、残響や反射等の各種音声効果を計算することもできる。オーディオプロセッサ180の出力は、D/A(デジタル・アナログ)変換され、デジタルアンプ等に接続されて、出音装置280(例:スピーカなど)で音楽や音声や効果音として再生される。また、オーディオプロセッサ180は、マイクから入力した音声の音声認識等にも対応することができる。
オーディオメモリ190は、音楽や音声や効果音のためのデジタル変換されたデータを記憶している記憶媒体である。オーディオプロセッサ180とオーディオメモリ190とを一体的に構成することも当然可能である。
【0033】
通信I/F200は、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)、WAN(ワイド・エリア・ネットワーク)等のネットワークに接続するためのインタフェイスである。通信I/F200は、例えば、WiMax(登録商標)、c.Link(登録商標)、HDMI(登録商標)、有線/無線LAN、電話線、携帯電話網、PHS網、電灯線ネットワーク、IEEE1394等を用いることができる。
通信I/F200を介して、ゲーム装置10は、他のゲーム装置(図示せず)やサーバ(図示せず)と通信することができる。これにより、例えば、通信可能に接続されている他のゲーム装置のプレイヤとの対戦ゲーム(対戦などの競争を行うゲーム)や、共同ゲーム(協力して課題を解決するゲーム)をすることができる。また、複数のゲーム装置が通信可能に接続されることで、サーバを介して、ゲームスコア(点数、得点等)の集計や、他の遊戯施設に配置されたゲーム装置との間で対戦ゲームを行ったり、ランキングを集計したりすることが可能である。
【0034】
なお、上記のようなゲーム装置10のハードウェア構成は単なる一例に過ぎず、本発明は、表示装置を備える任意のコンピュータシステムに適用することができる。
また、本発明のゲームプログラムは、メモリカード等の外部記憶媒体を通じてコンピュータシステムに供給されるだけでなく、有線または無線の通信回線を通じてコンピュータシステムに供給されてもよいし、さらにはコンピュータシステム内部の不揮発性記憶装置に予め記録されていてもよい。
【0035】
〔ゲーム装置10のデータ112の構成〕
次に、図3を参照して、データ112における各ゲームキャラクタの属性の構成例について説明する。本発明の実施の形態に係るゲーム装置10のカードゲームにおいては、それぞれのゲームキャラクタについて、カードバトル時に計算するための基本値設定されている。
カードIDD101は、上述のカードを識別情報読取部220で読み取る、各ゲームキャラクタの種類を示すためのIDである。このカードIDは、数値や表示処理時に使用する文字列等にて、各ゲームキャラクタを識別可能なように記憶することができる。
攻撃値D102は、バトル時に相手のゲームキャラクタに与えることができるダメージの値を記憶している。このダメージにより、相手のグループのHPが減少する。
防御値D103は、相手からダメージを受けた際にダメージを減らすための値を記憶している。
すばやさD104は、対戦相手のゲームキャラクタへの攻撃の成功率(攻撃率)や、対戦相手のゲームキャラクタからの防御の成功率(回避率)等を計算する際に用いる値を記憶している。
初期GE値D105(合体値)は、そのゲームキャラクタが所有するGE(合体エネルギー)値を示している。戦闘時に攻撃が成功したとCPU100が判断した場合には、攻撃された相手側のゲームキャラクタの初期GE値D105をダメージの値に対応して減らし、攻撃した側のグループGED203(図4)の値を増加させる。
所属属性D106は、攻撃や防御の「相性」として対応するゲームキャラクタ同士の戦闘に用いたり、攻撃の種類を変化させたり、合体時の攻撃に関係したりする属性を記憶している。
特殊技D107は、そのゲームキャラクタのもつ特殊攻撃のIDである。CPU100は、ゲームの進行やプレイヤの指示応じて所定の割合にてこの特殊攻撃を行う。この特殊攻撃によって、通常のダメージ以上のダメージを相手に与えたり、HPの回復や召還といったゲームの戦略上に特殊な効果を得ることができる。
合体時技D108は、グループのGEの値が所定値以上になり合体した場合に行う特殊攻撃の構成を記憶している。この合体時の特殊攻撃としては、このゲームキャラクタがどのようなポジションにいるかにより選べる技を選択することができる。たとえば、合体時に「頭」になった場合には、ドリルのように回転して相手のゲームキャラクタを切り裂くような技が使えるといった特殊攻撃を用いることができる。
【0036】
次に、図4を参照して、それぞれのグループのデータの属性の構成例について説明する。
グループD201は、操作するためのゲームキャラクタのグループを指定するためのフラグの値を記憶している。ここでは、プレイヤPのグループと、CPU100がプログラム111にて操作するグループを用いる例について説明する。
HPD202は、グループのHPの値を記憶している。本発明の実施の形態に係るゲーム装置10のカードバトルにおいては、上述したように開始時には、敵グループ、味方グループとも一定の例えば100(%)といった所定の値を設定する。これにより、プレイヤPが公平感を持ってカードバトルを行うことができ、特にプレイヤPの対象年齢が低い場合には分かりやすくゲームの戦略性を実感しやすくなるという効果が得られる。
グループGED203(デッキ合体値)は、グループの合計GEの値を記憶している。HPとは異なり、GEの値は、各ゲームキャラクタの初期GE値D105の合計を基にCPU100が計算する。このため、HPを敵味方で同じ値としても、バリエーションのあるカードバトルを展開することが可能になる。
合体フラグD204は、合体しているか否かについての値を記憶している。この合体フラグD204の値は、ゲームの進行に従い、例えば0の場合には合体しておらず、例えば1の場合には合体していることを示すことができる。なお、合体フラグD204の値は0又は1に限られず、この値を変化させることで、複数のレベルの合体のレベルを定義することも可能である。たとえば、グループGED203の値が増えると、合体フラグD204の値を増やし、より強力な合体時のゲームキャラクタに変化するといった処理が可能である。
合体IDD205は、合体時のゲームキャラクタを示す値を記憶している。合体時のゲームキャラクタは、ゲームキャラクタの組み合わせにより、カード80に係る通常のゲームキャラクタよりも攻撃値D102等の属性値を大きくすることができる。しかしながら、ゲームキャラクタの組み合わせにより合体する前のゲームキャラクタの属性値の合計より低くする、「ハズレ」の組み合わせになることもある。これにより、プレイヤPに合体の組み合わせを試行錯誤するためのモチベーションを与え、ゲーム性を高めることができる。
読み込み順D206は、カード80から読み取ったカードIDの値を記憶している。このカードIDの順番により、合体時に頭、胸、腹といったどの部分がどのゲームキャラクタの属性を備えるのかと、合体時のゲームキャラクタの種類そのものを変化させることができる。これにより、ゲーム性を高めることができる。
なお、上述のグループにおいては、プレイヤPが味方グループ、CPU100がプログラム111にて操作するグループが敵グループとして説明したが、これに限られない。複数のグループ間で対戦することも可能である。
以下で、図7のフローチャートを参照して、ゲーム処理についてより詳しく説明する。
【0037】
〔ゲーム装置10のプレイ処理〕
ここで、図5のフローチャートを参照して、図2のゲーム装置10のユーザであるプレイヤPがゲーム装置10を用いて、具体的にゲーム装置10にてカードバトルのゲームをプレイする際の流れについて説明する。
このプレイ処理においては、主にCPU100のような制御手段が、記憶部110に記憶されたプログラム111やデータ112のようなハードウェア資源を用いて、具体的な処理を実行する。
【0038】
(ステップS101)
まず、CPU100は、プレイ開始処理を行う。
具体的にゲームを行う場合、プレイヤPは、コイン投入部250にコインをする決済、又は、プリペイドカード等による決済を行う。
ここでは、最初にCPU100は、ペリフェラルI/F140を介して、コイン投入部250を用いたコイン投入により、又はプリペイドカードにより決済が行われたことを検知する。
CPU100は、決済が行われたことを検知すると、処理をステップS102に進める。
それ以外の場合は、CPU100は、コインやプリペイドカードの投入について指示する画面を第1表示装置270と第2表示装置275に表示したり、オーディオプロセッサ180から出音装置280に音声を出力したりする。
決済が行われていない状態では、CPU100は、デモンストレーション画面を第1表示装置270と第2表示装置275に表示して、プレイする者の興味を惹くようにすることができる。
この際には、CPU100は、音声を出力しないことで、ゲーム装置10がプレイされていないことをプレイヤPに分からせることもできる。
【0039】
(ステップS102)
ここで、CPU100は、ユーザの指示に従ってゲームモードの選択を行う。
本発明の実施の形態に係るゲーム装置10においては、例えば、対CPU戦モード、チュートリアルモード、対人戦モード、カード購入モードといったゲームモードを選択可能である。これらのモードは、それぞれ、CPU100との対戦、実際にCPU100と簡単な対戦をさせながらゲームの仕方を学ばせる、他のプレイヤとの対戦、カード購入のみ行うといったゲームモードに対応している。
これらのゲームモードについては、CPU100がGPU160を用いて、第1表示装置270や第2表示装置275に描画した画面を基に、プレイヤPに選択を促す指示をする。この際に、それぞれのモードと対応した「ひとりであそぶ」「はじめてあそぶ」「ともだちとあそぶ」「カードをかう」といった分かりやすい文字とアイコンのアニメーション等を表示して、子供でも迷わずにゲームモードを選択させることが可能である。
プレイヤPの第1タッチパネル300又は第2タッチパネル305によるタッチを検知して、ゲームモードを選択すると、CPU100は、それぞれの処理を行う。
【0040】
〔対CPU戦ゲーム処理〕
(ステップS103)
ここで、本発明の実施の形態に係る詳細なゲーム処理について、ゲームモードが対CPU戦である場合の例について説明する。
【0041】
このゲーム処理の例においては、CPU100が、記憶部110のプログラム111の具体的にゲーム上の処理を行う部位を実行する。以下で、本発明の実施の形態に係るゲーム装置10にて、「カードバトル」を行うゲームを実行する。
このカードバトルは、プレイヤPが操作する、本実施の形態では3枚のカード80に対応するゲームキャラクタを味方のグループとして、例えば同数の敵ゲームキャラクタのグループとの間で模擬的な「戦闘(バトル)」を行う。
ここでは、味方又は敵グループへの攻撃、防御、特殊攻撃(特殊技)等の指示に従った処理を1つの「ターン」として繰り返し、この処理における結果を基にゲームを進行させる。
より具体的には、味方と敵のそれぞれのグループに設定された、HP(ヒット・ポイント)と呼ばれる値を、各ターンにおいて減少又は増加させ、先に相手のHPを所定値(例えば、"0"以下)にしたグループが「勝ち」になる。
【0042】
本発明の実施の形態に係るカードバトルにおいては、敵、味方とも、各ゲームキャラクタにはGEと称する値が設定されており、各ターンの処理の結果により、敵、味方に設定されたGEの合計を増加又は減少させることができるという特徴を備えている。
そして、敵、味方いずれかのGEが所定値を超えると、各ゲームキャラクタが合体し、特別な攻撃を指示することができる。
各グループのゲームキャラクタが合体した状態では、攻撃により敵ゲームキャラクタに与えるダメージを大きくすることができる。これにより、ゲームの進行を早め、ゲーム装置10の稼働率を高めることができる。
また、合体処理により、「合体」するというゲームの進行上の目標ができ、単調なカードの選択による攻撃よりも戦略性を高めることが可能である。これにより、ゲームの臨場感やゲームの面白さを向上させることができる。
【0043】
カードバトルのゲームの進行においては、プレイヤPは、各ターンにおいて、各味方ゲームキャラクタが攻撃する敵を、例えば、第1タッチパネル300や第2タッチパネル305にて指示する。
これに対して、敵ゲームキャラクタが攻撃する味方キャラについては、ゲームモードが対CPU戦モードとチュートリアルモードの場合は、CPU100がAI(人工知能)を用いて指示を与える。また、対人対戦モードの場合は、対戦相手がネットワーク経由で指示を与える。
【0044】
CPU100は、この指示に基づいて、敵ゲームキャラクタと味方ゲームキャラクタが「エンカウント」(遭遇)し、具体的な戦闘(バトル)を行うような表示等を行う処理をする。この際に、プレイヤPのタッチのタイミングを基に、攻撃のヒットの成功及び/又は不成功やHPやGEの値の増減量が変化する、「ミニゲーム」と呼ばれる処理を行う。
【0045】
これらの敵、味方への指示と具体的な戦闘の様子は、CPU100が、所定時間単位(例えば1/60秒)毎に計算を行い、リアルタイムにゲームの進行に反映させる。
さらに、CPU100は、この変化を、GPU160を用いて第1表示装置270や第2表示装置275上に描画する。
また、CPU100は、オーディオプロセッサ180を用いて、出音装置280から効果音やBGM(バックグラウンドミュージック)を出力させる。
また、攻撃のヒット時や敵の選択時に、第1振動部210や第2振動部215を用いてプレイヤPにフォースフィードバックを行う。
ゲームの終了条件が満たされると、CPU100は、ゲーム処理を終了する。
【0046】
なお、ゲーム装置10は、いわゆるマルチプラットフォームであり、ゲーム装置10は、複数の種類のゲームを選択してプレイすることができる。この際に、プレイヤPの選択に従って、プログラム111自体をサーバからダウンロードして実行するような構成も可能である。
また、プレイヤPがゲームをプレイしている際には、サーバを介して、図示しない大型表示装置にプレイ内容を表示して、より迫力あるプレイを楽しむこともできる。
以下で、図6のフローチャートを参照して、ステップS103における、具体的な対CPU戦ゲーム処理について説明する。
【0047】
(ステップS201)
まず、CPU100は、カード払い出し処理を行う。
本発明の実施の形態に係るカードゲームにおいては、決済が行われた後で、CPU100が、カード出力装置230を用いて、例えば1枚のカード80を、カード出力口235(図1)より出力する。これにより、プレイヤPにゲームをプレイするモチベーションを与え、カードをコレクションする楽しみを与え、ゲームの攻撃等のバリエーションを増やして飽きさせないようにすることができる。
上述したように、カード80は、ゲームでプレイヤPが操作するためのゲームキャラクタ等が描かれており、上述のカードIDが記憶されている。
また、カード80は、複数のゲームのゲームキャラクタに対応した種類があり、ゲームキャラクタの名称や画像や属性といった情報が描かれている。また、カード80には、バーコード等によりゲーム装置10にてカードID等を取得可能な情報も印刷してあるか、又はIC等の記憶媒体に記憶されている。
このカード80に記載するゲームキャラクタとしては、例えば、現実の昆虫のようなゲームキャラクタの他にも、機械的な形状のゲームキャラクタや、透明であったりファンタジー的な形状のゲームキャラクタ、想像の地球外生物的な形状のゲームキャラクタ等を用いることができる。
また、カード80にICチップ等の記憶媒体を備えている場合には、ゲームに係るデータを暗号化して保存することもできる。このゲームに係るデータとしては、カード80の各ゲームキャラクタのレベル、所有するアイテム、ランキング等のデータを保存することができる。
なお、カード80のような遊戯媒体には、カード状の遊戯媒体の他に、フィギュア等の3次元形状の物体についても用いることができる。この場合は、フィギュア等の3次元形状の物体の接地面に、例えば2次元コードのような、光学式のコードが印刷されたようなオブジェクトを用いることも可能である。
また、カード出力装置230に予備のカードが装備されていなかった場合には、サイレンや第1の表示装置及び/または第2の表示装置等で遊戯施設の店員(スタッフ)に、カードを補充する旨の情報を出力し、カードを補充するように促すことができる。その場合に、投入した決済金額を返金する処理を実行させることも可能である。
【0048】
(ステップS202)
次に、CPU100は、カードスキャン処理を行う。
図7を参照すると、CPU100は、ペリフェラルI/F140を介して、識別情報読取部220を用いて、カード80のデータを読み込む。
より具体的に説明すると、このカード読み取り処理においては、プレイヤPはカード80を1枚ずつ、識別情報読取部220に挿入する。本発明の実施の形態に係るゲームにおいては所定の枚数として、3枚の同じ種類又は異なる種類のカード80を、使用カードの一組である「デッキ」として読み込ませるものとして以下で説明する。
CPU100は、ペリフェラルI/F140を介して、識別情報読取部220を用い、カード80が挿入されているかどうかについて検知する。なお、識別情報読取部220にカード80が挿入されているかどうかについて検知するためのセンサ(図示せず)を設けることもできる。
そして、CPU100は、識別情報読取部220にて読み取ったカード80のカードIDに係るゲームキャラクタを、GPU160を用いて、味方キャラ1400として、例えば第2表示装置275に順次表示する。CPU100は、このカード80の読み取りの順番を記憶部110のデータ112における、プレイヤP用の読み込み順D206に記憶し、後述する「合体」の処理時に読み出して処理を変化させることができる。
そして、所定の枚数のカード80の読み取りが終了した時点で、CPU100は、第1表示装置270に「よみとり しゅうりょう」等の表示を行う。
【0049】
(ステップS203)
次に、CPU100は、カードバトル初期化処理を行う。
具体的には、まず、CPU100は、味方グループにおけるそれぞれのカード80に対応するゲームキャラクタのデータを記憶部110のデータ112から読み出して、変数値として記憶する。この際に、各ゲームキャラクタの所有するGEの値である所有GE値は、各ゲームキャラクタの初期GE値D105を用いて初期化する。
また、味方グループの各HPD202を初期値に設定し、グループGED203を、各ゲームキャラクタの所有GE値から求める。
【0050】
次に、ゲームモードが対CPU戦のため、CPU100は、プログラム111のAI(Artificial Intelligence)により、味方グループのゲームキャラクタに対応する敵グループのゲームキャラクタを選択する。
この選択としては、CPU100は、例えば、カードバトル時に、属性(後述)において優位に立てるようなゲームキャラクタを、所定のゲームキャラクタの種類から選択することができる。この際に、単純に組み合わせで選択するのではなく、ランダム値により所定の組み合わせから外したゲームキャラクタを選択することができる。
そして、CPU100は、選択されたゲームキャラクタのデータをデータ112から読み出し、味方グループと同様に、敵グループの初期値の設定や所有GE値の設定を行う。
なお、CPU100は、ゲームモードが対人戦モードの場合、すなわち対戦相手のプレイヤとカードバトルを行う場合には、対戦相手のプレイヤが敵グループとして選択したゲームキャラクタをデータ112から読み出す。
このデータ読み出しを終了すると、CPU100は、各ターンに係る具体的なカードバトルの進行の処理を開始する。
【0051】
なお、カード80から、記憶されているデータの読み出しに失敗したり、不正なデータが記憶されていたことを検知した場合には、CPU100は次のステップS204に処理を進めず、プレイ処理を終了することができる。
この際には、CPU100は、オーディオプロセッサ180から出音装置280へサイレン等を鳴らすように指示したり、第1の表示装置270及び/または第2の表示装置275にカードを補充する旨の情報を出力したりすることで、遊戯施設の店員を呼ぶように促すことができる。また、CPU100は、コイン投入部250から決済した金額を払い戻すこともできる。
【0052】
(ステップS204)
ここで、CPU100は、攻撃指示処理を行う。
図8を参照すると、CPU100は、例えば、第2表示装置275に、味方のグループのゲームキャラクタである味方キャラ1400と、敵のグループのゲームキャラクタである敵キャラ1500を表示する。この上で、味方グループの各ゲームキャラクタが、どの敵グループのゲームキャラクタを攻撃するのかを指示(攻撃指示)させる。具体的には、プレイヤPが1つの味方キャラ1400のゲームキャラクタを第2タッチパネル305にて選択し、その後、敵キャラ1500の攻撃するゲームキャラクタを第2タッチパネル305にて選択することで、攻撃指示を行わせる。ここで、複数の味方グループのゲームキャラクタが、1つの敵ゲームキャラクタを攻撃するように指示させることも可能である。
また、プレイヤPは、GEの値により表示される召還マーク1700を押す「召喚指示」を行うことができる。CPU100は、この「召喚指示」を検知すると、後述する図9の召喚処理を行うことができる。
CPU100は、第2タッチパネル305からのプレイヤPの攻撃指示を検知すると、記憶部110に記憶し、処理をステップS205に処理を進める。
【0053】
(ステップS205)
次に、CPU100は、敵思考処理を行う。
ここで、本発明の実施の形態に係るカードゲーム装置10におけるカードバトルにおいては、敵グループ、味方グループとも、攻撃する相手のゲームキャラクタを選択するという簡単な指示のみで、カードバトルを行うことができる。
よって、敵処理においても、CPU100はプログラム111のAIを用いて、カードバトルにおいて、それぞれの敵グループのゲームキャラクタが、どの見方グループのゲームキャラクタを攻撃するかを選択する。ここでは、上述のプレイヤPの攻撃指示と同様に、複数の敵グループのゲームキャラクタが、1つの味方グループのゲームキャラクタを攻撃するように指示することが可能である。
また、この選択に関しては、min−max法、αβ枝狩り法、モンテカルロ法による選択等を用いて、各ゲームキャラクタがどのゲームキャラクタを選択すると、勝利する確率が高いかについて計算を行う。この計算においては、「合体する方が攻撃力が高くなる」といった条件についても考慮することが可能である。また、カードバトルの時間を短くすることに関しても評価関数に加えることが可能である。
【0054】
(ステップS206)
次に、CPU100は、エンカウント処理を行う。
このエンカウント処理は、各ゲームキャラクタによる具体的なカードバトルを行う処理である。
CPU100は、対戦させる敵グループと味方グループのゲームキャラクタの組を選択し、その組によるミニゲームによりHPやGEを変化させ、各種ゲームに係る出力を行う。
なお、1ターンあたり、敵グループ及び味方グループにおける各ゲームキャラクタは、それぞれ1回づつ、相手のグループのゲームキャラクタを攻撃する。すなわち、攻撃される側と防御する側の組についてそれぞれ1回ずつエンカウントし、カードバトルを行う。
以下で、図9のフローチャートを参照して、このエンカウント処理の具体的な処理について詳しく説明する。
【0055】
(ステップS301)
まず、CPU100は、ゲームキャラクタ組選択処理を行う。
このゲームキャラクタ組選択処理においては、CPU100は、エンカウントを行わせる敵グループのゲームキャラクタと味方グループのゲームキャラクタの組を選択する。
この際に、すばやさD104の値の値が高いゲームキャラクタを優先にし、更にランダムな値を用いて、どのゲームキャラクタの組を選択するか決定する。
なお、複数のゲームキャラクタが1体のゲームキャラクタと戦う場合には、それぞれの組について別々にゲームキャラクタ組選択処理を行う。
【0056】
(ステップS302)
次に、CPU100は、プレイヤPが召喚指示をしているかについて判定する。この召喚指示は、上述のステップS204の攻撃指示処理においてプレイヤPが選択したものである。
Yes、すなわち召喚指示が行われている場合、CPU100は、処理をステップS303に進める。
No、すなわち召喚指示が行われていない場合、CPU100は、処理をステップS304に進める。
【0057】
(ステップS303)
ここで、プレイヤPにより召喚指示が行われている場合には、CPU100は、召喚処理を行う。
この召喚処理は、プレイヤPのグループGED203の値を消費する代わりに、味方グループのゲームキャラクタに対応するゲームキャラクタを出現(召喚)させて、その召喚されたゲームキャラクタの特殊技D107等を用いることができる。また、この召喚処理専用のゲームキャラクタを用意することもできる。
この召喚処理専用のゲームキャラクタの特殊技D107としては、「会心の一撃」のように、敵ゲームキャラクタに大幅なダメージを与えたり、敵グループのゲームキャラクタ全てにダメージを与えるといった攻撃を行える。これに加えて、味方グループのHPD202の値を大幅/完全に回復したり、味方グループを一瞬だけ合体させたり、敵の合体状態を解除させたりといった、通常の特殊技D107にて行えないような特殊技を用いることができる。
なお、この召喚処理のときは、アニメーションムービーを表示して、ミニゲームのような処理をしないでプレイヤPを休ませるようにすることができる。
その後、CPU100は、処理をステップS309に進める。
【0058】
(ステップS304)
プレイヤPの召還指示がなかった場合、CPU100は、敵のグループのGEが閾値を超えているか判定する。
具体的には、CPU100は、敵のグループGED203の値が、合体する閾値を超えているかを判定する。この合体する閾値は、合体ミニゲーム処理を行うか否かを判定するためのもので、敵グループ、味方グループ共に所定の値とすることができる。
Yes、即ち、敵のグループGED203の値が合体の閾値を超えている場合には、CPU100は処理をステップS305に進める。
No、即ち、敵のグループGED203の値が合体の閾値を超えていない場合には、CPU100は処理をステップS306に進める。
なお、この合体する閾値は、カードバトル時の所定回のターンが経過した際に取得されるGEの平均値のような値を基に設定することができ、記憶部110に記憶されるゲームの難易度の値により変化させることができる。
【0059】
(ステップS305)
敵のグループGED203の値が、合体する閾値を超えている場合、CPU100は、敵合体ミニゲーム処理を行う。
具体的には、まず、CPU100はプログラム111により、敵グループのゲームキャラクタの種類と順番を基に、敵グループの合体IDD205を選択する。
そして、CPU100は、敵グループの合体IDD205を基に、敵グループの各ゲームキャラクタを、この合体IDD205のゲームキャラクタに変化するようなアニメーション処理を、GPU160を用いて行う。これにより、合体したより強力な合体IDD205のゲームキャラクタである合体時敵キャラ1550(図13参照)による攻撃が可能になる。
この上で、後述するステップS308の通常ミニゲーム処理と同様のミニゲーム処理を行う。その際に、合体時専用のアニメーション、BGM(バック・グラウンド・ミュージック)、効果音を用いる等の派手な演出を行い、カードバトルを盛り上げることができる。この演出の具体例については、後述する。
その後、CPU100は、処理をステップS306に進める。
【0060】
(ステップS306)
次に、CPU100は、味方のグループのGEが閾値を超えているか判定する。
具体的には、CPU100は、味方のグループGED203の値が、合体する閾値を超えているかを判定する。この閾値は、上述したように、敵のグループの閾値と同様の所定値を用いることができる。
Yesの場合、CPU100は処理をステップS307に進める。
Noの場合、CPU100は処理をステップS308に進める。
【0061】
(ステップS307)
味方のグループGED203の値が合体の閾値を超えている場合には、CPU100は、味方合体処理を行う。
ここでも、上述の敵合体ミニゲーム処理と同様に、CPU100は、味方グループの各ゲームキャラクタを合体IDD205のゲームキャラクタに変化するようなアニメーション処理を、GPU160を用いて行う。
この味方合体処理では、CPU100は、上述のように、読み込み順D206の読み込んだカードIDの読み込み順(取得順)により、例えば、最初に読み込んだカードIDのゲームキャラクタが頭、次に読み込んだカードIDのゲームキャラクタが胸、最後に読み込んだカードIDのゲームキャラクタが腹の部分に相当するようなゲームキャラクタに変化させる。
この際に、CPU100は、例えば、頭の部分に相当するゲームキャラクタの属性が、所属属性D106や攻撃方法に関係するように変化させる。また、CPU100は、例えば、胸の部分のゲームキャラクタの属性が防御方法に関係するように変化させる。さらに、CPU100は、例えば、腹の部分のゲームキャラクタが特殊技の発動等に関係するように変化させる。このように、CPU100は、合体したゲームキャラクタの構成に係る属性値を変化させることができる。よって、元々のゲームキャラクタの属性に合わせつつ、ゲームキャラクタを変化させることが可能である。
また、CPU100は、読み込み順D206により、変化するゲームキャラクタの種類自体を変化させることも可能である。すなわち、CPU100が読み取り順D206に対応して変化するゲームキャラクタの種類に対応したデータテーブル(図示せず)を参照して、ゲームキャラクタ自体を変化させることができる。また、このデータテーブルの中には、各属性値が非常に高まる場合と、逆に合体した方が属性値が低くなり弱くなるような組み合わせを備えることができる。
これらの合体時のゲームキャラクタの組み合わせによるゲームキャラクタの各種パラメータの変化により、ゲーム性を著しく高めることができる。
この上で、CPU100は、敵合体ミニゲーム処理と同様に、ステップS308の通常ミニゲーム処理と同様のミニゲーム処理を、派手な演出とともに行う。
その後、CPU100は、処理をステップS309に進める。
【0062】
(ステップS308)
味方のグループGED203の値が合体の閾値を超えていない場合には、次に、CPU100は、通常ミニゲーム処理を行う
この処理においては、CPU100は、GPU160を用いて、各ゲームキャラクタを3次元空間にポリゴン等を用いて表示する。また、各ゲームキャラクタの組の戦闘を含む通常の攻撃や特殊攻撃や防御の行動を、画像(および画像エフェクト)を伴って実行する。この際に、プレイヤPの第1タッチパネル300や第2タッチパネル305のタッチのタイミングを検知して対応する処理を行うことで、単なるカードバトルの表示だけでないインタラクション(相互作用、プレイヤとゲーム内の動作における相互の働きかけ)が生じ、カードバトルの臨場感を高めることができる。
以下で、図10のフローチャートと図11、図12の画面例を参照して、通常ミニゲーム処理についてさらに詳しく説明する。
【0063】
(ステップS401)
まず、CPU100は、エンカウントしたゲームキャラクタの組において、味方グループのゲームキャラクタが攻撃側であるかについて判定する。
Yes、すなわち、味方グループのゲームキャラクタが、敵グループのゲームキャラクタを攻撃する攻撃側である場合、CPU100は、処理をステップS402に進める。
No、すなわち、味方グループのゲームキャラクタが防御する側、つまり敵グループのゲームキャラクタから攻撃される防御側である場合、CPU100は、処理をステップS403に進める。
【0064】
(ステップS402)
ここで、味方グループのゲームキャラクタが攻撃する側である場合、CPU100は、攻撃ミニゲーム処理を行う。
図11を参照すると、例えば、CPU100は、GPU160を用いて、第1表示装置270に味方グループのゲームキャラクタが攻撃をする対象となる敵グループのゲームキャラクタを表示する。また、CPU100は、味方グループのゲームキャラクタを例えば第2表示装置275に表示して、攻撃するモーションのアニメーションを表示する。
この上で、CPU100は、第1表示装置270の敵グループのゲームキャラクタ上にターゲットマーク1600を表示して、プレイヤPに攻撃する箇所へのタッチを促すことができる。
そして、第1タッチパネル300上で、プレイヤPがターゲットマーク1600をタッチしたことを検知した場合、CPU100は、このタッチのタイミングとタッチされた座標を記憶部110に記憶する。
また、プレイヤPのタッチを検知できず、所定時間が経過した場合、CPU100はタイミングオーバーとして、記憶部110に記憶する。
この上で、CPU100は、GPU160を用いて、具体的な攻撃のアニメーションを第1表示装置270や第2表示装置275に表示し、オーディオプロセッサ180を用いて出音装置280から効果音を出力する。この際に、上述のタッチのタイミングによって、アニメーション等を変更することができる。
その後、CPU100は、処理をステップS404に進める。
【0065】
(ステップS403)
味方グループのゲームキャラクタが防御する(攻撃される)側である場合、CPU100は、防御ミニゲーム処理を行う。
図11を参照すると、この防御ミニゲーム処理においては、例えば、CPU100は、第2表示装置275に味方グループのゲームキャラクタを表示する。また、CPU100は、攻撃をしてくる敵グループのゲームキャラクタを第1表示装置270に表示して、攻撃するモーション(動作)のアニメーションを表示する。
この上で、CPU100は、第2表示装置275の味方グループのゲームキャラクタ上にターゲットマーク1600を表示して、プレイヤPに防御に係る箇所へのタッチを促すことができる。
そして、CPU100は、第2タッチパネル305上のタッチのタイミングとタッチされた座標を記憶部110に記憶する。また、所定時間が経過した場合、CPU100はタイミングオーバーとして、記憶部110に記憶する。
この上で、CPU100は、GPU160を用いて、攻撃ミニゲーム処理と同様に、防御のアニメーションを第1表示装置270や第2表示装置275に表示させる。同様に、タッチのタイミングにて、アニメーションや画像等を変更することができる。
その後、CPU100は、処理をステップS404に進める。
【0066】
(ステップS404)
ここで、CPU100は、攻撃する側又は攻撃される側のゲームキャラクタが特殊技を発動する場合には、特殊技発動処理を行う。
具体的には、CPU100は、上述のタッチのタイミングやタッチされた座標等と、タッチのタイミング、乱数等を基に、攻撃する側及び/又は攻撃される側のゲームキャラクタの特殊技D107を実行(発動)するかを決定する。
この特殊技D107としては、通常の攻撃又は防御よりも威力のある攻撃又は防御を行うだけではなく、特殊技D107に係るプログラム111の処理を基に、通常の攻撃又は防御とは異なる効果の処理を行う。たとえば、複数の敵のゲームキャラクタを攻撃したり、味方グループのHPD202を回復させたり、敵ゲームキャラクタの攻撃値D102や防御値D103を下げたり、味方ゲームキャラクタの攻撃値D102や防御値D103を上げたり、1ターン何もできない代わりに1〜5倍のダメージを敵キャラに与えるといった特別な効果を得ることができる。
CPU100は、特殊技を発動する場合は、GPU160を用いて第1表示装置270や第2表示装置275に表示を行い、オーディオプロセッサ180を用いて出音装置280から効果音を出力する。
【0067】
(ステップS405)
次に、CPU100は、ミニゲーム結果計算処理を行う。
具体的には、CPU100は、ミニゲームの結果として、攻撃のヒットの成功及び/又は不成功や、味方グループと敵グループのHPやGEの値の増減量について計算を行う。
【0068】
まず、CPU100は、攻撃ミニゲーム又は防御ミニゲームの後、記憶部110に記憶されている上述のタッチのタイミングやタッチの座標、タイミングオーバーの結果から、ミニゲームの結果係数を示す値を計算する。
このミニゲームの結果係数は、例えば100%〜50%のような範囲で、所定の条件を基に計算することができる。
【0069】
この上で、CPU100は、エンカウント攻撃値と呼ばれる値を、以下の式(1)にて計算する。

エンカウント攻撃値 =
(攻撃側のゲームキャラクタの攻撃値D102±ゲームキャラクタの相性±属性D106の相性) × ミニゲームの結果係数 …… 式(1)

ここで、ゲームキャラクタの相性とは、各ゲームキャラクタのカードIDD101毎に、他の各ゲームキャラクタについて強いか弱いかといった値の表としてデータ112に記憶しておき、これを用いることができる。たとえば、カードIDが1のゲームキャラクタと、カードIDが2のゲームキャラクタがエンカウントした場合は、計算上で「−10」するといったことが可能である。これにより、ゲームキャラクタ同士のカードバトル時の「相性」を表現可能である。
同様に、属性D106の相性についても、計算上の相性を表現可能である。たとえば、炎と水の所属属性D106のゲームキャラクタは水の所属属性D106のゲームキャラクタの方が強いといった設定を行うことができる。
【0070】
また、同様に、CPU100は、エンカウント防御値と呼ばれる値を、以下の式(2)にて計算する。

エンカウント防御値 =
(攻撃側のゲームキャラクタの攻撃値±ゲームキャラクタの相性)
× 属性D106の相性 × 攻撃ミニゲームと防御ミニゲーム相関結果係数
…… 式(2)

ここで、攻撃ミニゲームと防御ミニゲーム相関結果係数は、同じゲームキャラクタの組についての攻撃ミニゲームと防御ミニゲームのタイミングや座標等の関係による計算を行う。
まだエンカウント時に攻撃ミニゲーム又は防御ミニゲームが行われていない場合には、その値は計算には入れないようにすることが可能である。
【0071】
エンカウント攻撃値とエンカウント防御値を計算した後、CPU100は、最終的に、攻撃側されるグループのHPD202から引くための「ダメージ値」とよばれる値を、以下の式(3)にて計算する。これにより、相手側に与える最終的なダメージを算出する。

ダメージ値 =
攻撃するゲームキャラクタのエンカウント攻撃値 −
(攻撃されるゲームキャラクタのエンカウント防御値×ダメージ決定係数) …… 式(3)

ここで、ダメージ決定係数は、エンカウントしたゲームキャラクタの組の関係性により決定される値である。
たとえば、CPU100は、お互いに双方に攻撃指示を出している場合には相対しているために、ダメージ決定係数を100%と決定することができる。すなわち、エンカウント攻撃値から、相手のエンカウント防御値をそのままマイナスした値をダメージ値とすることができる。
逆に、攻撃側が攻撃側が一方的に攻撃している場合、すなわち防御側のゲームキャラクタが、別の攻撃側のゲームキャラクタに攻撃指示を出している場合、CPU100は、ダメージ決定係数を85%と決定することができる。このために、相手のエンカウント防御値を減らし、ダメージ値を大きくすることができる。
さらに、攻撃側のゲームキャラクタが通常の状態のゲームキャラクタで、防御側が合体時のゲームキャラクタの場合は、的が大きいことを示すため、ダメージ決定係数を30%といった低い値にすることができる。これにより、合体時のゲームキャラクタには、大きくダメージを与えることができる。
また、逆に、攻撃側が合体時のゲームキャラクタで、通常の状態のゲームキャラクタが防御側の場合には、動きが鈍くなることを示すため、ダメージ決定係数を200%といった高い値にすることができる。
さらに、攻撃側、防御側双方とも、合体時のゲームキャラクタであった場合には、ダメージ決定係数を100%と決定することができる。
【0072】
(ステップS406)
次に、CPU100は、上述のダメージ値に基づいて、エンカウントしたゲームキャラクタの組と、敵と味方のグループについて、GE値計算処理を行う。
具体的には、各ゲームキャラクタについて、以下の式(4)にて、新たな所有GE値を計算する。

新たな所有GE値 = 所有GE値+(ダメージ値×GE係数) …… 式(4)

ここで、GE計数は、攻撃側及び/又は防御側のゲームキャラクタの状態により決定される値である。
なお、上述の敵合体ミニゲームや味方合体ミニゲームのように、合体したゲームキャラクタ同士がカードバトルを行う場合には、このGE係数を、合体しているか否かにより変化させられる。たとえば、合体していないゲームキャラクタが、合体時のゲームキャラクタを攻撃する際には、GE係数を高くすることができる。
【0073】
また、CPU100は、ミニゲーム時にステップS402の攻撃ミニゲーム処理を行った場合には、以下の式(5)により、攻撃側となる味方グループのグループGED203に加算する値を計算する。

攻撃側のグループGED203の加算値 =
攻撃側のグループGED203の値 + (ダメージ値×GE係数)
+ ミニゲームボーナス値 + デッキによるボーナス値 …… 式(5)

ここで、ミニゲームボーナス値は、上述の攻撃ミニゲーム処理又は防御ミニゲーム処理における、タッチのタイミングや座標に係る付加点である。すなわち、タッチのタイミングがよく、座標がターゲットマーク1600の中心により近い場合には、高い値のミニゲームボーナス値を設定することができる。
また、デッキによるボーナス値は、攻撃側グループのゲームキャラクタの一組の組み合わせにより決定される値である。このデッキによるボーナス値は、所定の値に加えて、所属属性D106が同種である場合等に、ボーナスの値を設定することができる。
【0074】
さらに、ミニゲーム時にステップS403の防御ミニゲーム処理を行った場合には、以下の式(6)により、防御側となる味方グループのグループGED203から減算する値を計算する。

防御側のグループGED203の減算値 =
防御側のグループGED203の値 − (ダメージ値 × GE係数)
…… 式(6)

このように、減算される値は、式(5)からミニゲームボーナス値とデッキによるボーナス値を除いた値となる。
【0075】
なお、各ゲームキャラクタの所有GE値や、グループGED203の値は、0以下になった場合には、それ以下にすることはできないように設定することができる。
これにより、相手側のGEがなくなった場合には、そのゲームキャラクタを攻撃しないようにするなどの戦略を用いることができ、ゲーム性を高めることができる。
【0076】
(ステップS407)
次にCPU100は、ミニゲーム結果表示処理を行う。
図12を参照すると、CPU100はGPU160を用いて、攻撃や防御のアニメーションを第1表示装置270と第2表示装置275に表示した後、GEバー1300に、増加した又は減少した味方グループのグループGED203の値を描画する。これにより、プレイヤPはGEがどれくらい溜まっているのかを知ることができる。
また、図12の描画を行った後、CPU100は、敵グループ及び味方グループのHPバー1200に、それぞれのHPD202の値を描画することもできる(図14を参照)。図14においては、敵グループ側は「2P HP」と記載されたのHPバー1200に描画し、味方グループ側は「1P HP」と記載されたHPバー1200に描画する。
以上により通常ミニゲーム処理を終了する。
なお、敵又は味方のHPD202の値が0になったときには、CPU100は、ミニゲーム処理、エンカウント処理を中断し、すぐに図6のステップS207へ処理を進めることができる。
【0077】
(ステップS309)
ここで再び、図9を参照して、エンカウント処理の説明を続ける。
ステップS309において、CPU100は、すべてのゲームキャラクタがエンカウントをしたかについて判定する。すなわち、味方グループ及び敵グループのゲームキャラクタが少なくとも1回は攻撃をしたかについて判定する。
Yes、すなわち、すべてのゲームキャラクタがエンカウントした場合には、CPU100は処理をステップS310に進める。
No、すなわち、まだエンカウントしていないゲームキャラクタがある場合には、CPU100は処理をステップS301のゲームキャラクタ組選択処理に戻す。
【0078】
(ステップS310)
次に、CPU100は、ターン終了処理を行う。
具体的にはCPU100はGPU160を用いて、すべてのカード80を用いた攻撃が終了した旨を、第1表示装置270と第2表示装置275に表示し、次のターンの攻撃指示に入る旨を表示する。
この際に、CPU100は、味方のグループのダメージ値が敵のグループのダメージ値よりも大きいか小さいかにより、その状態に従ったBGM等をオーディオプロセッサ180を用いて、出音装置280から出力し、「がんばれ!」「こうげき ゆうせい!」といったメッセージを表示する。
以上により、エンカウント処理を終了する。
【0079】
〔カードバトルの実施例〕
ここで、図13〜図15を参照して、上述のエンカウント処理において、プレイヤPがどのような戦略により合体時のカードバトルを行うのかについて、具体的な例を基に説明する。
【0080】
図13を参照すると、敵GEが閾値に達して、合体時敵キャラ1550が出現した場合の画面例を示している。ここでは、ステップS305(図9)の敵合体ミニゲーム処理を行うことになる。
この合体時敵キャラ1550は、ゲームキャラクタの種類により異なるものの、通常、攻撃値D102や防御値D103は大きいものの、すばやさD104の値が小さいという特徴がある。また、上述したように、攻撃の成功率や回避率、エンカウント攻撃値、エンカウント防御値、ダメージ値等も異なっている。
すなわち、合体による巨大化により、攻撃力は強力で派手な演出を伴った攻撃を行うものの、合体したゲームキャラクタの攻撃は、合体していないゲームキャラクタにはなかなか「当たらない」ように調整されている。
逆に、合体していない味方グループのゲームキャラクタは合体時敵キャラク1550を攻撃しやすく、GE値を取得しやすいために、プレイヤPが合体するための動機付けができる。
さらに、合体時敵キャラ1550からの攻撃が当たりにくいことを利用して、合体しないで攻撃するといった戦略上の選択肢も得られる。
【0081】
図14を参照すると、GE値が閾値に達して、味方のゲームキャラクタが合体して合体時味方キャラ1450が出現した場合の画面例を示している。この際には、ステップS307(図9)の味方合体ミニゲーム処理を行うことになる。
これにより、合体時敵キャラ1550を、合体時味方キャラ1450にて攻撃するために、お互いに派手な演出とともに攻撃を繰り広げる。
また、的が大きい合体時のゲームキャラクタ同士は攻撃が当たりやすいために、CPU100は、攻撃がヒットしたグループのHPD202の値を、大きく減少させることができる。
これにより、カードバトルの進行にメリハリがつき、終了までの時間を短縮することができる。また、派手な演出により、プレイヤPの爽快感を高められるため、ゲーム性を高めることが可能になる。
【0082】
図15を参照すると、合体時味方キャラ1450が合体時敵キャラ1550を倒した場合を示す画面例である。このように、合体したゲームキャラクタ同士が攻撃を行うことにより、1体づつのゲームキャラクタを攻撃するよりも、すぐに敵グループのゲームキャラクタを倒すことが可能になる。これにより、ゲームが進行することで、更にプレイ時間を短縮することができる。
なお、対CPU戦モード、チュートリアルモード、対人戦モードに関しても、同様な処理を行うことで、カードバトルの進行にメリハリをつけ、プレイ終了までの時間を短縮できる。
また、このようなカードバトルの経過を、第1表示装置270と第2表示装置275に表示するだけでなく、図示しない大型モニタ等に表示することで、周囲で観戦しているユーザにゲーム装置10をプレイしようという動機付けを行うことができる。
【0083】
(ステップS207)
ここで、再び図6を参照して、対CPU戦ゲーム処理についての説明を続ける。
エンカウント処理の後、CPU100は、味方又は敵のHPが所定値以下(例えば、"0"以下)になったか判定する。すなわち、敵又は味方のグループのHPD202の値が所定値以下になっているかを判定する。
Yes、すなわち、味方又は敵のHPが所定値以下になったとき、CPU100は、処理をステップS208に進める。
No、すなわち、まだ味方又は敵のHPが所定値よりも大きいとき、CPU100は、処理をステップS204に戻し、次のターンの処理を行う。
【0084】
(ステップS208)
味方又は敵のHPが所定値以下になった場合、CPU100は、勝利であるかを判定する。すなわち、敵グループのHPD202の値が所定値以下になっている場合には、勝利であると判定し、それ以外の場合にはゲームオーバーと判定する。
Yes、すなわち味方グループの勝利である場合、すなわちCPU100は、処理をステップS209に進める。
No、すなわちゲームオーバー(ゲーム終了)の場合は、CPU100は、処理をステップS210に進める。
【0085】
(ステップS209)
プレイヤPの味方グループが勝利である場合は、CPU100は、スコア・称号表示処理を行う。
具体的には、まず、CPU100は、相手に与えたダメージの量、ターンの回数、味方又は敵グループのデッキの構成、合体したか否かといったカードバトル時の条件、敵グループに勝利した回数、等により、スコア(得点)を計算する。
また、CPU100は、このスコアの大きさにより例えば、「ムシおう」「ムシたいしょう」「ムシたいい」「ムシそうちょう」「ムシぐんそう」「へいたいムシ」といった称号を与えるかどうかについて計算する。
そして、CPU100は、第1表示装置270と第2表示装置275とに、それらのスコアと称号を表示する。
CPU100は、高いスコアの場合には、特別なアニメーションを表示し、ファンファーレといったBGMを演奏する(プレイヤを賞賛する音楽を出音装置280から出力する)といった演出も行う。
その後、CPU100は、処理をステップS203に戻して、別の敵グループのデッキを用いたカードバトルを行わせる。この際に、味方グループの苦手な敵ゲームキャラクタが選択するように、難易度を高めてもよい。
なお、1つのコイン投入部250による決済において、所定回数(例えば、3回)、カードバトルを行わせるように構成してもよい。その場合は、「1回戦」「決勝戦」「ボーナス戦」として、回数毎に称号を大きくするような演出も可能である。また、「ボーナス戦」で勝利した場合に、勝利を称えるエンディングのアニメーション等を表示することも可能である。
【0086】
(ステップS210)
ここで、ゲームオーバーとなった(ゲーム終了と判断された)場合は、CPU100は、ゲームオーバー処理を行う。具体的には、CPU100は、「ゲーム終了」の旨の表示を、GPU160を用いて第1表示装置270と第2表示装置275に表示する。また、CPU100は、オーディオプロセッサ180を用いて、「ゲーム終了」の際のBGMを出音装置280から出力することもできる。この際に、プレイヤPがコイン投入部250にて決済を行うこと(いわゆる「コンティニュー」)により、同じ敵のグループのデッキに対して、カードバトルを行うこともできる。
なお、CPU100は、称号に応じて、追加のカード払い出し処理を行ってもよい。この場合は、CPU100は、カード出力装置230を用いて、カード80をゲーム装置10の下部等に備えられたカード出力口235からカード80を出力する。このカード80の選択は、上述したように、ランダムに選択してもよいし、得点や称号によって出力する枚数やカードの種類を変更してもよい。たとえば、スコアや称号が高ければ、あまり流通させない「レアカード」を出力することもできる。
また、上述のスコア・称号表示処理と同様に敗北の場合でも、スコアや称号を計算して、表示することも可能である。この場合は、スコアは勝利の場合よりも、少なく計算する。
ゲームが終了すると、CPU100は、ゲームの成績を含むデータをサーバに送信することもできる。
以上により、対CPU戦ゲーム処理を終了する。
【0087】
〔チュートリアルゲーム処理〕
(ステップS104)
ここで、再び図5を参照してプレイ処理の説明を続ける。
ゲームモードがチュートリアルモードであった場合は、CPU100は、ステップS104において、チュートリアルゲーム処理を行う。
具体的に、このゲームモードにおいては、CPU100は、対CPU戦ゲーム処理と同様な処理を行いつつ、ゲーム装置10の初心者のプレイヤに具体的なカードバトルの遊び方を説明する。このため、攻撃指示処理やエンカウント処理の各ミニゲーム時に文章やアニメーション等を表示して、どのようにタッチを行うのか、やゲームキャラクタの選択方法等について説明する。
また、チュートリアルゲーム処理においては、敵のグループで選択されるデッキを、味方のグループのデッキよりも弱い、すなわち相性が悪いものにすることもできる。これにより、難易度を下げることが可能である。また、敵のグループが攻撃指示でランダム等、戦略性なく選択することもできる。
さらに、チュートリアルゲーム処理においては、一度勝利しても、そのままゲームオーバー処理を行い、「つぎは、ひとりであそぶか、おともだちとたいせんしてね!」といったメッセージを表示して、プレイ処理を終了する。
【0088】
〔対人戦ゲーム処理〕
(ステップS105)
ゲームモードが対人戦ゲーム処理であった場合は、CPU100は、対人戦ゲーム処理を行う。
この対人戦ゲーム処理においては、CPU100は、図示しないサーバや他のゲーム装置10で操作を行っている対戦相手のプレイヤの指示に従って、敵グループの攻撃指示処理を行う。この上で、各ミニゲームや攻撃の結果等を、そのサーバや他のゲーム装置10と同期させる。
この対人戦ゲーム処理においても、一度勝利しても、そのままゲームオーバーの処理を行う。また、プレイヤPか対戦相手のプレイヤがコンティニューを行った場合には、それぞれのデッキを変更してカードバトルを続行可能である。
【0089】
〔カード購入処理〕
(ステップS106)
ここで、図16を参照すると、プレイヤPはカードバトルのゲームを行わずに、ゲーム装置10にて、カード80の購入のみを行うことが可能である。
このように、カード80の購入のみを行うカード購入処理について、図16を参照して以下で説明する。
【0090】
(ステップS501)
まず、CPU100は、カード購入払い出し処理を行う。
ここでは、ステップS201のカード払い出し処理(図6参照)と同様に、CPU100が、カード出力装置230を用いて、カード80をカード出力口235(図1)より出力する。
この際に、プレイヤPがゲームを行わないので、同じ決済された金額でも、より多くのカードを出力できる等の処理を行うことができる。
【0091】
(ステップS502)
ここで、CPU100は、ユーザが続けてカード80を購入するか判定する。この判定は、CPU100が例えば第2表示装置275に「もっと かいますか? はい/いいえ」という表示を行い、これに対する第2タッチパネル305のタッチされた座標を検知して判定することができる。
Yes、すなわちユーザが「はい」の箇所をタッチした場合は、CPU100は処理をステップS503に進める。
No、すなわちユーザが「いいえ」の箇所をタッチした場合には、CPU100は、カード購入処理を終了する。
【0092】
(ステップS503)
ユーザが続けてカード80を購入する場合には、CPU100は決済処理を行う。
この決済処理は、ステップS101のプレイ開始処理と同様に、コイン投入部250を用いた決済を行う。
また、ユーザがコイン投入部250に手持ちのカードを挿入すると、同様の決済処理を行うこともできる。この際に、例えば、複数枚のカードでカード購入の1枚分の決済を行うようにすることもできる。
これにより、ユーザは、ゲーム装置10のみを用いて、いらないカードを有用なカードに交換することが可能になる。また、この交換したカード80のデータを収集することで、ゲーム装置10の提供者は、人気のないカードについての情報を得ることができ、カード出力装置230に格納すべきカード80の種類を選択しやすくなる。さらに、将来のゲームの企画のヒントとなる情報を得ることができる。
決済が終了すると、CPU100は、処理をステップS501に戻す。
以上により、カード購入処理を終了する。
【0093】
なお、ゲーム装置10のユーザであるプレイヤPがゲーム装置10を用いてゲームを始める場合には、カード購入処理によらず、複数枚のカード80を図示しない販売機等を用いて購入することも可能である。
以上により、ゲーム装置10のプレイ処理を終了する。
【0094】
以上のように構成することで、以下のような効果を得ることができる。
まず、従来技術1のゲーム装置では、選択時間値積算手段により、単純に攻撃までの時間が短いゲームキャラクタが攻撃力を高めた攻撃を行うことしかできなかった。このため、プレイのスピードを上げて、ゲーム装置の稼働率を向上させるのに限界があった
これに対して、本発明の実施の形態に係るゲーム装置10においては、ゲームの進行に伴って合体を行うことにより、プレイヤPにゲームの進行を早くしようという、カードバトル時の動機付けを行うことができる。このため、従来技術1の単純に短い時間で攻撃力が上がるというような構成よりも、プレイヤPのゲームに対する意思を介在させて、ゲーム装置のプレイ時間を短くすることができ、ゲーム装置の稼働率を向上させることができる。
また、本発明の実施の形態に係るゲーム装置10においては、合体時の通常は攻撃力が高いゲームキャラクタ同士で対戦を行うことができる。
このため、合体する状態になることで、単純に単体のゲームキャラクタ同士でカードバトルを行うよりも、ゲーム時間を短くすることができる。
【0095】
また、従来技術1のゲーム装置では、単に、攻撃指示の時間が短いゲームキャラクタが攻撃力を高めた攻撃を行うだけの構成であった。すなわち、選択の際の決断力の良否のみを評価基準としていた。このために、戦略性が低く、プレイヤを飽きさせてしまうという問題点があった。すなわち、ゲームにおける戦略性等の遊戯性が低下するという問題があった。
これに対して、本発明の実施の形態に係るゲーム装置10においては、GEのような相手側ゲームキャラクタとやり取りできる値を溜めることで、大きな攻撃力をもつ合体のような状態を体現する。このため、単純に時間が経過すると攻撃力が高い攻撃ができるといった処理よりも、プレイヤに攻撃のバリエーションを与え、戦略性を高めることができる。
よって、ゲーム性を高めて、プレイヤを飽きさせないゲーム装置を提供することができる。
【0096】
また、従来技術1のゲーム装置では、単純に短い時間にて攻撃を指示したゲームキャラクタが攻撃力を高めた攻撃を行うだけで、攻撃の指示自体のゲーム性が乏しかった。
これに対して、本発明の実施の形態に係るゲーム装置10においては、ミニゲームのタイミング又はタッチ座標により、取得するGEの値が変化する。
これにより、合体させるためにミニゲームを上手く行おうというプレイヤのモチベーションを高めることができ、ゲーム性を高めることができる。
【0097】
また、本発明の実施の形態に係るゲーム装置10においては、合体した状態のゲームキャラクタと合体しない状態のゲームキャラクタで、攻撃の成功率や回避率といったパラメータを変化させることができる。
これにより、合体するかしないかといった選択肢をプレイヤに与え、カードバトルの戦略性を高めることができる。よって、ゲーム性を高めることができる。
【0098】
また、従来技術1のゲーム装置では、攻撃を指示したゲームキャラクタが攻撃力を高めた攻撃を行う際のタイミングは、ゲームの進行を通して一定であった。
しかしながら、本発明の実施の形態に係るゲーム装置10においては、合体することにより、ゲームの進行に従って、攻撃指示の対象となるゲームキャラクタを減少させることができる。すなわち、本発明の実施の形態に係るゲーム装置10においては、合体した状態のゲームキャラクタに対する攻撃指示は、ゲームキャラクタ数が少なくなる分、簡単になる。
つまり、ゲームが進行して合体が行われると、迅速に攻撃指示を行うことができる。すなわち、ゲームが進行してくると攻撃指示を簡単にできる。
これにより、スピーディーにゲームを進行させることができるようになり、プレイヤの気分を盛り上げることができるという心理的な効果が得られる。
よって、臨場感を高め、プレイヤPのカードゲームのプレイへの意欲を高めることができる。
【0099】
なお、本発明の実施の形態に係るゲーム装置10においては、合体する際に、デッキのゲームキャラクタすべてが合体しないという構成も可能である。
たとえば、デッキのゲームキャラクタが3体である場合、2体分が合体して、残りのゲームキャラクタは単独で攻撃指示できるといった構成も可能である。
【0100】
また、本発明の実施の形態に係るゲーム装置10においては、合体したゲームキャラクタから、「子供」のように特別なゲームキャラクタを分離して、それに攻撃指示することが可能である。たとえば、合体時の巨大カマキリのゲームキャラクタから、子供のカマキリが多数出現するような構成が可能である。
さらに、単独のゲームキャラクタが分裂して、その分裂したゲームキャラクタ同士が合体するといった構成も可能である。
【0101】
また、本発明の実施の形態に係るゲーム装置10は、表示部270や表示部275を用いずに、例えば、物理的なフィールド内で小型のロボットの虫等が対戦するような対戦ゲームとして実装することもできる。この際に、遊戯媒体80ではなく、ロボット自体を遊戯用に用いて、ロボット同士が合体するように構成することも可能である。
【0102】
以上のように、本発明の実施の形態に係るゲーム装置10においては、攻撃を行うことで、防御側のゲームキャラクタのGEの値を取得して、攻撃側のゲームキャラクタのグループGED203の絶対値を増加させる。そして、攻撃側のゲームキャラクタのグループGED203の絶対値が所定値以上になった場合に、攻撃側のゲームキャラクタの属性を基に合体時のゲームキャラクタに変化させるよう制御するという特徴を備えている。
【0103】
また、本発明の実施の形態に係るゲーム装置10においては、ミニゲームのタイミングやタッチ座標により、取得するGEの値を異なるものとすることができる。これにより、ミニゲームの面白さと、合体の動機付けを上げることができ、ゲーム性を高めることができる。
また、通常ミニゲーム処理、味方合体ミニゲーム処理により、敵合体ミニゲーム処理において、合体した敵と、合体していない敵とにおいて、攻撃の成功率や防御の成功率や取得するGEの量といった値を変更することができるため、合体へのモチベーションを高めることができる。
これらにより、ゲームの操作性や臨場感を著しく高めることができる。
【0104】
なお、上記実施の形態の構成及び動作は例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実行することができることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明のゲーム装置は、対戦ゲームにおいて、相手側から取得した合体値を基に合体するゲームキャラクタを用いるよう制御することで、ユーザへの訴求力が高いゲーム装置を製造販売することが可能である。
【符号の説明】
【0106】
10 ゲーム装置
80 カード
100 CPU
110 記憶部
111 プログラム
112 データ
130 ブートROM
140 ペリフェラルI/F
150 バスアービタ
160 GPU
162 ジオメトリ部
164 レンダリング部
170 グラフィックメモリ
180 オーディオプロセッサ
190 オーディオメモリ
200 通信I/F
210 第1振動部
215 第2振動部
220 識別情報読取部
230 カード出力装置
235 カード出力口
250 コイン投入部
270 第1表示装置
275 第2表示装置
280 出音装置
300 第1タッチパネル
305 第2タッチパネル
1100 攻撃選択アイコン
1200 HPバー
1300 GEバー
1400 味方キャラ
1450 合体時味方キャラ
1500 敵キャラ
1550 合体時敵キャラ
1600 ターゲットマーク
1700 召喚マーク
P プレイヤ







【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊戯媒体に付されたカードIDに従ったゲームキャラクタを用いて対戦を行うゲーム装置であって、
それぞれの攻撃側のゲームキャラクタがどの防御側のゲームキャラクタを攻撃するかについてのプレイヤの指示を検知する検知部と、
前記攻撃側のゲームキャラクタは、攻撃を行うことで前記防御側のゲームキャラクタの属性に係る合体値を取得して、前記攻撃側のゲームキャラクタのデッキに係る合体値の絶対値を増加させ、
前記攻撃側のゲームキャラクタのデッキに係る合体値の絶対値が所定値以上になった場合に、前記攻撃側のゲームキャラクタの属性を基に合体したゲームキャラクタに変化させるよう制御する制御部とを備える
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記制御部は、
ミニゲームのタイミング又はタッチ座標により、取得する前記合体値が変化するように制御する
ことを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記合体したゲームキャラクタを、合体する前のゲームキャラクタの数よりも少なくなるように制御する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記制御部は、
合体していないゲームキャラクタと、前記合体したゲームキャラクタとの戦闘において、攻撃の成功率や回避率、攻撃値、防御値のいずれかを変化させるように制御する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記対戦において、攻撃により減ずるパラメータの初期値を、攻撃側のデッキと防御側のデッキにてほぼ同一の所定値になるように制御する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記制御部は、
カードIDの取得順により、前記合体したゲームキャラクタを変化させるように制御する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記制御部は、
カードIDの取得順により、前記合体したゲームキャラクタの構成に係る属性値を変化させるように制御する
ことを特徴とする請求項6に記載のゲーム装置。
【請求項8】
遊戯者に所有される遊戯媒体に付された識別情報と対応したゲームキャラクタを用いて対戦ゲームを実行するゲーム装置であって、
前記ゲーム装置の制御部は、
攻撃側ゲームキャラクタの攻撃対象に関するプレイヤの指示である指示情報を検知する手段と、
前記指示情報に基づき、前記攻撃対象への攻撃処理を実行して、該攻撃処理により前記攻撃対象に予め設定されている第1の値から所定値を取得し、該所定値を前記攻撃側ゲームキャラクタに係る第1の値へ加算する手段と、
前記第1の値が所定値以上になった場合に、前記攻撃側ゲームキャラクタに基づく第2のゲームキャラクタを生成する手段と
を含んでなることを特徴とするゲーム装置。
【請求項9】
遊戯媒体に付されたカードIDに従ったゲームキャラクタのデッキを用いて対戦を行うゲーム装置の制御方法であって、
それぞれの攻撃側のゲームキャラクタがどの防御側のゲームキャラクタを攻撃するかについてのプレイヤの指示を検知し、
攻撃側のゲームキャラクタは、攻撃を行うことで前記防御側のゲームキャラクタの属性に係る合体値を取得し、
前記攻撃側のゲームキャラクタのデッキに係る合体値の絶対値を増加させ、
前記攻撃側のゲームキャラクタのデッキに係る合体値の絶対値が所定値以上になった場合に、前記攻撃側のゲームキャラクタの属性を基に合体したゲームキャラクタに変化させるよう制御する
ことを特徴とするゲーム装置の制御方法。
【請求項10】
それぞれの攻撃側のゲームキャラクタがどの防御側のゲームキャラクタを攻撃するかについてのプレイヤの指示を検知し、
攻撃側のゲームキャラクタは、攻撃を行うことで前記防御側のゲームキャラクタの属性に係る合体値を取得し、
前記攻撃側のゲームキャラクタのデッキに係る合体値の絶対値を増加させ、
前記攻撃側のゲームキャラクタのデッキに係る合体値の絶対値が所定値以上になった場合に、前記攻撃側のゲームキャラクタの属性を基に合体したゲームキャラクタに変化させるよう制御する
ことを特徴とするゲーム装置の制御プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate