説明

ゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、及びプログラム

【課題】確実に、ゲーム装置を所与の姿勢にした状態でユーザにゲームプレイを行わせること。
【解決手段】姿勢検出手段(72)は、ゲーム装置(10)の姿勢を検出する。ゲーム操作検出手段(74)は、ユーザのゲーム操作を検出する。ゲーム処理実行手段(76)は、ゲーム操作検出手段(74)により検出されるゲーム操作に対応するゲーム処理を実行する。姿勢判定手段(78)は、姿勢検出手段(72)により検出されたゲーム装置(10)の姿勢が、実行中のゲームの状況に関連付けられた基準姿勢であるか否かを判定する。ゲーム処理制限手段(80)は、姿勢判定手段(78)の判定結果に基づいて、ゲーム処理実行手段(76)により実行される、ゲーム操作検出手段(74)により検出されるゲーム操作に対応するゲーム処理の実行を制限する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザがゲーム装置の姿勢を変更させてゲームプレイを行うゲームが知られている。例えば、特許文献1には、所定のゲームイベントが発生する場合、ユーザがゲーム装置を所与の姿勢にさせるゲームが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−136107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術においては、ユーザは、ゲーム装置を所与の姿勢にさせなくても、ゲームプレイを継続することができるが、上記のようなゲームは、ユーザがゲーム装置の姿勢を変更させることを前提に制作されているため、ユーザがゲームプレイを楽しむためには、ゲーム装置を所与の姿勢にしつつゲームプレイを行うことが好ましい。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、確実に、ゲーム装置を所与の姿勢にした状態でユーザにゲームプレイを行わせることができるゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係るゲーム装置は、ゲーム装置の姿勢を検出する姿勢検出手段と、ユーザのゲーム操作を検出するゲーム操作検出手段と、前記ゲーム操作検出手段により検出される前記ゲーム操作に対応するゲーム処理を実行するゲーム処理実行手段と、ゲームの状況と、前記ゲーム装置の基準姿勢と、を関連付けた基準姿勢データを記憶する手段から前記基準姿勢データを取得する手段と、前記姿勢検出手段により検出された前記ゲーム装置の姿勢が、実行中の前記ゲームの状況に関連付けられた前記基準姿勢であるか否かを判定する姿勢判定手段と、前記姿勢判定手段の判定結果に基づいて、前記ゲーム処理実行手段により実行される、前記ゲーム操作検出手段により検出される前記ゲーム操作に対応する前記ゲーム処理の実行を制限するゲーム処理制限手段と、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るゲーム装置の制御方法は、ゲーム装置の制御方法であって、前記ゲーム装置の姿勢を検出する姿勢検出ステップと、ユーザのゲーム操作を検出するゲーム操作検出ステップと、前記ゲーム操作検出ステップにおいて検出される前記ゲーム操作に対応するゲーム処理を実行するゲーム処理実行ステップと、ゲームの状況と、前記ゲーム装置の基準姿勢と、を関連付けた基準姿勢データを記憶する手段から前記基準姿勢データを取得するステップと、前記姿勢検出ステップにおいて検出された前記ゲーム装置の姿勢が、実行中の前記ゲームの状況に関連付けられた前記基準姿勢であるか否かを判定する姿勢判定ステップと、前記姿勢判定ステップの判定結果に基づいて、前記ゲーム処理実行ステップにおいて実行される、前記ゲーム操作検出ステップにおいて検出される前記ゲーム操作に対応する前記ゲーム処理の実行を制限するゲーム処理制限ステップと、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るプログラムは、ゲーム装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記ゲーム装置の姿勢を検出する姿勢検出手段、ユーザのゲーム操作を検出するゲーム操作検出手段、前記ゲーム操作検出手段により検出される前記ゲーム操作に対応するゲーム処理を実行するゲーム処理実行手段、ゲームの状況と、前記ゲーム装置の基準姿勢と、を関連付けた基準姿勢データを記憶する手段から前記基準姿勢データを取得する手段、前記姿勢検出手段により検出された前記ゲーム装置の姿勢が、実行中の前記ゲームの状況に関連付けられた前記基準姿勢であるか否かを判定する姿勢判定手段、前記姿勢判定手段の判定結果に基づいて、前記ゲーム処理実行手段により実行される、前記ゲーム操作検出手段により検出される前記ゲーム操作に対応する前記ゲーム処理の実行を制限するゲーム処理制限手段、を含むことを特徴とするゲーム装置として前記コンピュータを機能させる。
【0009】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、上記プログラムを記憶した情報記憶媒体である。
【0010】
本発明によれば、確実に、ゲーム装置を所与の姿勢にした状態でユーザにゲームプレイを行わせることができるようになる。
【0011】
また、本発明の一態様では、前記基準姿勢データは、前記ゲームの基準状況と、前記ゲーム装置の基準姿勢と、を関連付けたデータであって、前記姿勢判定手段は、実行中の前記ゲームの状況が前記基準状況になった場合、前記姿勢検出手段により検出された前記ゲーム装置の姿勢が、前記基準状況に関連付けられた前記基準姿勢であるか否かを判定する、ことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の一態様では、前記ゲーム装置は、実行中の前記ゲームの状況が前記基準状況になる場合、前記ゲーム装置の姿勢を前記基準姿勢に変更するように前記ユーザに案内する手段、を更に含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の一態様では、前記基準姿勢データは、前記ゲームの状況と、前記ゲーム装置の前記基準姿勢と、前記ユーザのゲーム操作と、を関連付けたデータであって、前記ゲーム処理制限手段は、前記姿勢判定手段の判定結果に基づいて、前記ゲーム操作検出手段により検出される前記ゲーム操作のうち、実行中の前記ゲームの現在の状況及び前記基準姿勢に関連付けられた前記ゲーム操作に対応する前記ゲーム処理の実行を制限する、ことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の一態様では、前記ゲーム装置は、表示手段に表示されるゲーム画面の向きが、実行中の前記ゲームの現在の状況に関連付けられた前記基準姿勢に対応する向きになるように、前記ゲーム画面の表示制御を行う手段、を更に含むことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態に係るゲーム装置のハードウェア構成を示す図である。
【図2】ゲーム装置の表示部に表示されるゲーム画面の一例を示す図である。
【図3】ゲーム画面の向きが変化した場合の一例を示す図である。
【図4】ゲーム装置で実現される機能を示す機能ブロック図である。
【図5】一の楽曲に対応する楽曲データの一例を示す図である。
【図6】基準姿勢データのデータ格納例を示す図である。
【図7】基準操作データの一例を示す。
【図8】ゲーム画面の表示処理について説明するための図である。
【図9】ゲーム装置が実行する処理のうちの、本発明に関連する処理を主に示すフロー図である。
【図10】S104において実行されるゲーム操作の評価処理を示す図である。
【図11】変形例(1)における基準姿勢データを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[1.実施形態]
以下、本発明の実施形態の例について図面に基づき詳細に説明する。本発明の実施形態に係るゲーム装置は、例えば、携帯ゲーム機、業務用ゲーム機、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)、又はパーソナルコンピュータを用いて実現される。ここでは、本発明の実施形態に係るゲーム装置を、携帯ゲーム機を用いて実現する場合について説明する。
【0017】
[1−1.ゲーム装置のハードウェア構成]
図1は、本実施形態に係るゲーム装置のハードウェア構成を示す図である。図1に示すように、ゲーム装置10は、携帯ゲーム機11を含んでなる。携帯ゲーム機11は、制御部14、記憶部16、主記憶18、画像処理部20、表示部22、タッチパネル24、入出力処理部26、メモリカードスロット28、操作キー部32、音声処理部34、音声出力部36、音声入力部38、通信I/F(インタフェース)40、センサ部42等を含む。
【0018】
制御部14は、記憶部16に記憶されるオペレーティングシステムや、メモリカード30に格納されるプログラムや各種データに基づいてゲーム装置10の各部を制御する。
【0019】
記憶部16は、フラッシュメモリ等の不揮発性記憶媒体を含んで構成される。記憶部16には、オペレーティングシステム等が記憶される。
【0020】
主記憶18は、例えば、RAMを含んで構成される。記憶部16に記憶されたプログラム、メモリカードスロット28を介してメモリカード30から読み出されたプログラムは、必要に応じて主記憶18に書き込まれる。主記憶18は、制御部14の作業用メモリとしても用いられる。
【0021】
バス12は、アドレス及び各種データをゲーム装置10の各部でやり取りするために用いられる。制御部14、記憶部16、主記憶18、画像処理部20及び入出力処理部26は、バス12によって相互データ通信可能に接続される。
【0022】
画像処理部20は、VRAMを含む。画像処理部20は、制御部14からの指示に従って画像をVRAM上に描画する。VRAM上に描画された画像は、所定のタイミングで表示部22に表示される。表示部22は、例えば、一又は複数の公知の液晶表示パネルである。この液晶表示パネルは、例えば、所定のアスペクト比(例えば、16:9)を有する。例えば、表示部22に重畳するようにして、タッチパネル24が設けられる。
【0023】
タッチパネル24は、ユーザが操作を行うための入力手段として機能する。タッチパネル24は、ユーザ又はユーザが把持する物体(例えば、タッチペン)によって接触(押圧)された位置に応じた接触位置情報を、入出力処理部26を介して制御部14に供給する。
【0024】
入出力処理部26は、制御部14が、タッチパネル24、メモリカードスロット28、操作キー部32、音声処理部34、通信I/F40と、各種データを授受するためのインタフェースである。
【0025】
メモリカードスロット28は、メモリカード30に記憶されたゲームプログラムやゲームデータを制御部14からの指示に従って読み出す。メモリカード30は、例えば、セーブデータ等のゲームデータが記憶される不揮発性記憶媒体を含む。
【0026】
本実施形態においては、メモリカード30に記憶されたプログラムやデータが用いられてゲームが実行される場合を説明するが、他のあらゆる情報記憶媒体を用いるようにしてもよい。また、インターネット等のデータ通信網を介して、遠隔地からプログラムやデータをゲーム装置10に供給するようにしてもよい。
【0027】
操作キー部32は、ユーザが各種操作を行うための入力手段として機能する。操作キー部32は、十字ボタン、スライドパッド、各種ボタン等を含む。入出力処理部26は、一定周期毎(例えば、1/60秒毎)に、操作キー部32の各部の状態をスキャンする。このスキャン結果を表す操作信号は、バス12を介して制御部14に供給される。制御部14は、ユーザの操作内容を、操作信号に基づいて判断する。
【0028】
音声処理部34は、サウンドバッファを含む。音声処理部34は、サウンドバッファに格納された楽曲の出力用データや音声データに基づいて、楽曲や音声を音声出力部36から出力する。
【0029】
音声入力部38は、マイク等を含む。音声入力部38は、ユーザの音声等を検出し、検出信号を入出力処理部26を介して制御部14に入力する。通信I/F40は、ゲーム装置10を通信ネットワークに接続するためのインタフェースである。
【0030】
センサ部42は、角速度を検出するジャイロセンサ、加速度を検出する加速度センサ等を含んで構成される。センサ部42は、ゲーム装置10の姿勢を検出する。本実施形態においては、表示部22はゲーム装置10の筺体と一体になっている場合を説明する。即ち、ユーザがゲーム装置10の姿勢を変更させると、ゲーム装置10の姿勢も変更する。
【0031】
なお、ゲーム装置10の構成は、上記の例に限られない。ゲーム装置10は、他の構成を含んでいてもよい。他にも例えば、GPSセンサやCCDカメラ等が、ゲーム装置10に含まれていてもよい。
【0032】
[1−2.ゲーム装置において実行されるゲーム]
次に、ゲーム装置10において実行されるゲームについて説明する。ゲーム装置10においては、実行中のゲームの状況が所定の状況になった場合、ユーザにゲーム装置10の姿勢を変更させることを要求するゲームが実行される。
【0033】
本実施形態においては、ゲーム装置10において、ユーザが楽曲に合わせてゲーム操作を行うゲームが実行される場合を説明する。この楽曲の再生期間のうち所定の期間において、ユーザにゲーム装置10の姿勢を変更させることが要求される。以下では、ユーザが楽曲に合わせてタッチパネル24の所与の位置をタッチするゲームが実行される場合を例として説明する。
【0034】
ユーザは、ゲームを開始する際に、予め用意された複数の楽曲のうちの何れかを選択する。そして、当該選択された楽曲が再生される。ユーザにより選択可能な楽曲毎に、ゲーム装置10の姿勢を変化すべきゲームの状況(以降、単に「基準状況」という。)と、ゲーム操作がなされるべきタイミング(以降、単に「基準操作タイミング」という。)と、が定められている。ユーザは、基準状況においてゲーム装置10の姿勢を変化させる。また、ユーザは、基準操作タイミングと一致するタイミングで、ゲーム操作をすることを目指す。
【0035】
図2は、ゲーム装置10の表示部22に表示されるゲーム画面の一例を示す図である。ゲーム装置10は、ユーザにより把持される大きさである。図2に示すように、ゲーム画面50内のうち、ユーザから見て下側領域は、ボタン52A,52B,52C(以降、これらをまとめて単にボタン52ともいう。)が表示される。表示部22に重畳するようにタッチパネル24が備えられており、例えば、ユーザが、これらボタン52をタッチする行為が、「ゲーム操作」に相当する。
【0036】
ゲーム画面50においては、案内領域54が表示される。案内領域54は、ユーザがゲーム装置10の姿勢を変化させるべき基準状況、又は、ユーザがボタン52をタッチすべき基準操作タイミング、をユーザに案内するための領域である。
【0037】
案内領域54内の左側領域には、基準マーク56A,56B,56C(以降、これらをまとめて単に基準マーク56ともいう。)が、表示されている。また、基準マーク56の右側には、例えば、基準操作案内マーク58A,58B,58C(以降、これらをまとめて単に基準操作案内マーク58ともいう。)、又は、基準状況案内マーク60が、表示されている。基準操作案内マーク58及び基準状況案内マーク60は、時間経過に伴って右から左に向かって徐々に移動する。つまり、基準操作案内マーク58及び基準状況案内マーク60は、基準マーク56に接近する。
【0038】
基準マーク56は、案内領域54の下側領域に配置されるボタン52に対応する。ボタン52Aがタッチされるべきタイミング(基準操作タイミング)が訪れると、基準操作案内マーク58Aは、基準マーク56Aに到達し、基準マーク56Aに重なる。ボタン52Bがタッチされるべきタイミング(基準操作タイミング)が訪れると、基準操作案内マーク58Bは、基準マーク56Bに到達し、基準マーク56Bに重なる。ボタン52Cがタッチされるべきタイミング(基準操作タイミング)が訪れると、基準操作案内マーク58Cは、基準マーク56Cに到達し、基準マーク56Cに重なる。
【0039】
例えば、ユーザは、ボタン52A,52B,52Cに対応する基準操作タイミングが訪れた場合、ボタン52A,52B,52Cをタッチすることによって、高評価を得ることができる。なお、基準操作タイミングと完全に一致するタイミングでユーザがボタン52A,52B,52Cをタッチしなければ評価を得ることができないという訳ではなく、その一致度に応じて評価が与えられる。
【0040】
また、実行中のゲームの状況がゲーム装置10の姿勢を変化すべき基準状況になった場合、基準状況案内マーク60は、基準マーク56に到達し、基準マーク56に重なる。また例えば、基準状況案内マーク60には、ユーザがゲーム装置10の姿勢を変化させるべき方向(回転方向)が示されていてもよい。
【0041】
このように、ユーザは、基準マーク56に徐々に接近する基準操作案内マーク58及び基準状況案内マーク60を頼りに、ボタン52をタッチすべきタイミング、及び、ゲーム装置10の姿勢を変化すべき基準状況を把握できるようになっている。
【0042】
先述のように、実行中のゲームが所定の状況になった場合(基準状況になった場合)、ユーザは、ゲーム装置10の姿勢を変更させる。なお、本実施形態においては、図2に示すように、ユーザから見てゲーム装置10の表示部22が横長である姿勢を「横長姿勢」という。また例えば、図2に示すように、ゲーム装置10が横長姿勢である場合のゲーム画面50の向きを「横長状態」という。つまり、実行中のゲームが基準状況になった場合、ユーザは、ゲーム装置10を横長姿勢から他の姿勢に変更させる。
【0043】
例えば、再生中の楽曲が盛り上がりの期間(サビ)が近づいた場合、ユーザにゲーム装置10の姿勢を変更させる旨を案内する基準状況案内マーク60が表示される。例えば、基準状況案内マーク60が基準マーク56に到達すると、ゲーム画面50の向きが変化する。このゲーム画面50の向きの変化に応じて、ユーザはゲーム装置10の姿勢を変化させる。
【0044】
図3は、ゲーム画面50の向きが変化した場合の一例を示す図である。図3に示すように、例えば、ゲーム画面50の向きが回転する。そして、ユーザは、例えば、表示部22を左回りに回転させる。例えば、ユーザから見て下側(表示部22の短手側)にボタン52が配置されるように、ボタン52の表示位置が変更される。また例えば、ユーザから見て上側に、基準マーク56が配置されるように、基準マーク56の表示位置が変更される。
【0045】
また例えば、図2の状態において、ユーザから見て基準操作案内マーク58及び基準状況案内マーク60が左方向に移動していたものが、図3の状態においては、ユーザから見て基準操作案内マーク58及び基準状況案内マーク60が上方向に移動するようになる。即ち、基準マーク56の表示位置の変更に伴って、案内領域54内の表示内容が変更される。
【0046】
なお、本実施形態においては、図3に示すように、ユーザから見てゲーム装置10の表示部22が縦長になる姿勢を「縦長姿勢」という。また例えば、図3に示すように、ゲーム装置10が縦長姿勢である場合のゲーム画面50の向きを「縦長状態」という。
【0047】
上記のように、曲の盛り上がりの期間において、ユーザは、ゲーム装置10を横長姿勢から縦長姿勢に変更してゲームをプレイすることによって、曲の盛り上がりの期間と、当該期間以外の期間と、を区別しながらゲームをプレイする。例えば、図3のように、曲の盛り上がりの期間において、ユーザから見て上側に基準操作案内マーク58及び基準状況案内マーク60が移動するように表示制御するようにゲームが制作されている。この場合、曲の盛り上がりの期間において、ユーザはゲーム装置10を縦長姿勢にしつつゲームをプレイすることによって、ユーザの気分が上昇するような感覚を味わうことができる。
【0048】
本実施形態のゲーム装置10においては、実行中のゲームの状況が基準状況になった場合、ユーザが、ゲーム装置10の姿勢を基準姿勢に変更させないと、ボタン52をタッチしても反応しないような構成になっている。例えば、曲の盛り上がりの期間が訪れた場合に、ユーザは、ゲーム装置10を横長姿勢から縦長姿勢に変化させないと、ボタン52が反応しない構成になっている。以下、この技術について詳細に説明する。
【0049】
[1−3.ゲーム装置において実現される機能]
図4は、ゲーム装置10で実現される機能を示す機能ブロック図である。図4に示すように、ゲーム装置10は、ゲームデータ記憶部70、姿勢検出部72、ゲーム操作検出部74、ゲーム処理実行部76、姿勢判定部78、及びゲーム処理制限部80を含む。
【0050】
[1−3−1.ゲームデータ記憶部]
ゲームデータ記憶部70は、主記憶18及びメモリカード30を主として実現される。ゲームデータ記憶部70は、ゲームを実行するために必要なデータを記憶する。例えば、ゲームデータ記憶部70には、複数の楽曲データが記憶される。
【0051】
図5は、一の楽曲に対応する楽曲データの一例を示す図である。図5に示すように、楽曲データは、オリジナル楽曲データ、基準姿勢データ、及び基準操作データを含んでいる。オリジナル楽曲データは、例えば、一般のポピュラー音楽等を所定のデータ形式で保存したものである。
【0052】
基準姿勢データは、ゲームの状況と、前記ゲーム装置の基準姿勢と、を関連付けたデータである。本実施形態においては、基準姿勢データには、ゲームの基準状況と、ゲーム装置10の基準姿勢と、が関連付けられる。
【0053】
基準姿勢データに格納されるゲームの基準状況は、実行中のゲームが取りうる状況のうちの所定の状況であり、ゲーム装置10の姿勢を変化させるべき状況である。本実施形態においては、基準状況が、ゲーム装置10の姿勢を基準姿勢にさせるべき状況である場合を説明する。例えば、基準姿勢データには、実行中のゲームが取りうる状況のうちの所定の状況を示すパラメータが、基準状況を示す情報として格納される。
【0054】
本実施形態においては、ゲームの基準状況が、楽曲の再生が開始されてからの経過時間を示す場合を説明する。即ち、例えば、楽曲の再生が開始されてからの経過時間が所定期間内(例えば、曲が盛り上がるサビの期間内)である場合に、実行中のゲームが基準状況になったと判定される。
【0055】
基準姿勢データに格納される表示部22の基準姿勢は、姿勢検出部72で検出可能なゲーム装置10の姿勢のうち所定の姿勢であり、基準状況においてゲーム装置10がとるべき姿勢に関する姿勢である。本実施形態においては、基準姿勢が、基準状況においてユーザがさせるべきゲーム装置10の姿勢である場合を説明する。また、ゲーム装置10の基準姿勢として、ユーザから見て表示部22が縦長になる縦長姿勢(第1姿勢)と、ユーザから見て表示部22が横長になる横長姿勢と(第2姿勢)、が設定される場合を説明する。
【0056】
図6は、基準姿勢データのデータ格納例を示す図である。図6に示すt軸は、時間軸である。t軸は、楽曲の再生が開始されてからの時間経過を示している。例えば、基準姿勢データは、1/8小節の単位で、ゲーム装置10の姿勢を変化させるべき基準状況(タイミング)を示す。なお、図6では、説明を簡略化するために、1小節が8分割されたデータを示す。即ち、1/8小節の単位で、ゲーム装置10の姿勢を変化させるべき基準状況が、図6に示されている。
【0057】
図6に示すように、1/8小節の各時点において、ゲーム装置10の姿勢を変化させるべきか否かが指定されている。例えば、ゲーム装置10の姿勢を変化させるべき基準状況においては、ゲーム装置10が取るべき基準姿勢を識別する情報が格納されている。
【0058】
例えば、「縦長姿勢」を示す情報が格納されているタイミング(時間t)で、ユーザはゲーム装置10の姿勢を縦長姿勢に変更させる。即ち、この時間tのタイミングが訪れることが、ゲームが基準状況になったことを意味する。また例えば、「横長姿勢」を示す情報が格納されているタイミング(時間t)で、ユーザはゲーム装置10の姿勢を横長姿勢に変更させる。即ち、この時間tのタイミングが訪れることも、ゲームが基準状況になったことを意味する。
【0059】
ユーザは、例えば、時間tが訪れるまでは、ゲーム装置10を横長姿勢にして、ゲームをプレイする。一方、ユーザは、時間t〜時間tの期間(例えば、曲の盛り上がりのサビの期間)は、ゲーム装置10を縦長姿勢にして、ゲームをプレイする。ユーザは、時間t以降は、ゲーム装置10を横長姿勢にして、ゲームをプレイする。
【0060】
上記のように、ユーザは、ゲーム装置10の姿勢を変更しつつ、ゲーム操作を行う。ユーザが、いつ、何のゲーム操作を行うべきか、は基準操作データに定義されている。
【0061】
図7は、基準操作データの一例を示す。図7に示すt軸は、図6のt軸と同様である。即ち、基準操作データは、1/256小節の単位で、ボタン52A,54B,54Cがタッチされるべきタイミングを示しており、ここでは、説明を簡略化するために、1小節が8分割されたデータを示す。
【0062】
図7に示すように、1/8小節の各時点においてボタン52A,52B,52Cがタッチされるべきか否かは、例えば、3ビットのデータによって表される。図7において、「A」のビットは、ボタン52Aに対応する。「0」は、ボタン52Aをタッチすべきでないことを示している。一方、「1」は、ボタン52Aをタッチすべきことを示している。
【0063】
同様に、「B」、「C」のビットは、それぞれ、ボタン52B,52Cに対応する。即ち、この3ビットのデータのうち少なくとも一つが「1」になっているデータは、基準操作タイミングを示すデータといえる。
【0064】
本実施形態においては、上記説明した基準姿勢データと基準操作データとに基づいて、ゲーム画面50の表示内容が決定される。例えば、実行中のゲームの状況が基準状況になる場合、ゲーム装置10の姿勢を基準姿勢に変更するようにユーザに案内する処理が実行される。
【0065】
図8は、ゲーム画面50の表示処理について説明するための図である。つまり、図8は、基準姿勢データと基準状況案内マーク60との関係、及び、基準操作データと基準操作案内マーク58の表示位置との関係を示す図である。
【0066】
楽曲が再生されている間、現時点以降の所定期間(以降、「案内対象期間」と記載する。)のデータが、基準姿勢データ及び基準操作データから読み出される。ここでは、案内対象期間が、現時点から1小節分の期間である場合を説明する。例えば、現時点が時間tとすると、時間t〜tの間の基準姿勢データ及び基準操作データが読み出される。
【0067】
上記の読み出されたデータに基づいて、案内対象期間内の基準姿勢を案内するための基準状況案内マーク60、及び、基準操作タイミングを案内するための基準操作案内マーク58が、ゲーム画面50に表示される。
【0068】
例えば、基準姿勢データに基づいて、現時点以降の基準状況及び基準姿勢をユーザに案内する案内画像(例えば、基準状況案内マーク60)がゲーム画面50に表示される。例えば、ゲーム画面50の案内領域54内において、基準状況案内マーク60が、基準マーク56の表示位置(基準位置)に向けて徐々に移動する。
【0069】
基準状況案内マーク60の表示位置は、基準状況案内マーク60と基準マーク56との間の距離が、基準状況が到来するまでの時間に対応する距離になるように調整される。例えば、ユーザがゲーム装置10の姿勢を変化させるべき基準状況が到来するまでの時間が短くなるにつれて、基準状況案内マーク60から基準マーク56までの距離が短くなる。
【0070】
同様に、基準操作データに基づいて、現時点以降の基準操作タイミングをユーザに案内する案内画像(例えば、基準操作案内マーク58)がゲーム画面50に表示される。例えば、ゲーム画面50の案内領域54内において、基準操作案内マーク58が、基準マーク56の表示位置(基準位置)に向けて徐々に移動する。
【0071】
基準操作案内マーク58の表示位置は、基準操作案内マーク58と基準マーク56との間の距離が、基準操作タイミングが到来するまでの時間に対応する距離になるように調整される。例えば、ユーザがボタン52Aをタッチすべき基準操作タイミングが到来するまでの時間が短くなるにつれて、基準操作案内マーク58Aから基準マーク56までの距離が短くなる。
【0072】
また、本実施形態においては、表示部22に表示されるゲーム画面50の向きが、実行中のゲームの現在の状況に関連付けられた基準姿勢に対応する向きになるように、ゲーム画面50の表示制御が行われる。例えば、実行中のゲームが基準状況になった場合、ゲーム画面50の向きが、基準状況に関連付けられた基準姿勢に対応する向きになるように、ゲーム画面50の表示制御が行われる場合を説明する。
【0073】
基準姿勢に対応する向きとは、ゲーム装置10が基準姿勢になった場合のゲーム画面50の向きであり、基準姿勢とゲーム画面50の向きとは予め関連付けられている。例えば、基準状況が訪れた場合、ゲーム画面50の向きが図2の横長状態から図3の縦長状態に変化するように表示制御が行われる。
【0074】
図4に戻り、ゲームデータ記憶部70は、上記のデータの他にも、実行中のゲームの状況を示すゲーム状況データを記憶する。ゲーム状況データには、例えば、楽曲の再生が開始されてからの経過時間や、ユーザの得点を示す得点データが格納される。
【0075】
得点データは、ユーザの評価に基づいて値が変化する。例えば、ユーザが高い評価を得た場合には、得点データの値が増加する。一方、ユーザが低い評価を得た場合には、得点データの値が減少する。ゲームの開始時点においては、得点データには初期値が定められていてもよい。
【0076】
なお、制御部14は、ゲームデータ記憶部70に記憶される各種データを取得する手段として機能する。また、制御部14は、ゲームデータ記憶部70に記憶される各種データを変更(更新)する手段として機能する。また、ゲームデータ記憶部70に記憶されるデータは、上記の例に限られず、ゲーム装置10がゲームを実行するために必要なデータが記憶されていればよい。他にも例えば、横長状態用の画像データと縦長状態用の画像データとが記憶されていてもよい。
【0077】
[1−3−2.姿勢検出部]
姿勢検出部72は、制御部14及びセンサ部42を主として実現される。姿勢検出部72は、ゲーム装置10の姿勢を検出する。本実施形態においては、ゲーム装置10には、表示部22とゲーム操作検出部74(例えば、タッチパネル24)とが一体となっているので、ゲーム装置10の姿勢は、表示部22及びゲーム操作検出部74の姿勢と同意である。
【0078】
姿勢検出部72は、センサ部42の検出信号に基づいてゲーム装置10の姿勢を検出する。本実施形態においては、姿勢検出部72は、ゲーム装置10の縦長姿勢と、ゲーム装置10の横長姿勢と、を検出する。
【0079】
なお、ジャイロセンサや加速度センサ等の検出信号に基づいてゲーム装置10の姿勢を検出する方法は、公知の種々の手法を適用可能である。例えば、ゲーム装置10にCCDカメラが含まれる場合には、CCDカメラによって連続撮影される画像の変化に基づいてゲーム装置10の姿勢が取得されるようにしてもよい。
【0080】
[1−3−3.ゲーム操作検出部]
ゲーム操作検出部74は、制御部14及びタッチパネル24を主として実現される。ゲーム操作検出部74は、ユーザのゲーム操作を検出する。ゲーム操作検出部74は、ユーザによる操作手段からの操作内容に基づいてゲーム操作を検出する。本実施形態においては、例えば、ゲーム操作検出部74は、ユーザによってボタン52がタッチされたか否かを、タッチパネル24から供給される操作信号に基づいて判定することによって、ゲーム操作を検出する。
【0081】
[1−3−4.ゲーム処理実行部]
ゲーム処理実行部76は、制御部14を主として実現される。ゲーム処理実行部76は、ゲーム操作検出部74により検出されるゲーム操作に対応するゲーム処理を実行する。ゲーム処理とは、実行中のゲームに関する処理であり、例えば、ゲーム状況データを更新する処理、ユーザによるゲーム操作を評価する処理、又はエフェクト処理等である。
【0082】
ゲーム操作に対応するゲーム処理とは、ゲーム操作が検出されることによって実行されるゲーム処理である。本実施形態においては、ゲーム操作に対応するゲーム処理として、基準操作データとゲーム操作検出部74の検出結果とに基づいて、ユーザのゲーム操作を評価するゲーム処理が実行される場合を説明する。
【0083】
例えば、ゲーム処理実行部76は、基準操作データが示す基準操作タイミングと、ユーザが実際にゲーム操作を行ったタイミング(以下「操作タイミング」と記載する。)と、の間のずれに基づいて、そのゲーム操作を評価する。例えば、基準操作タイミングと操作タイミングとのずれ時間が小さいほど、ゲーム操作の評価は高くなる。この評価に応じて、得点データの値が増減する。
【0084】
[1−3−5.姿勢判定部]
姿勢判定部78は、制御部14を主として実現される。姿勢判定部78は、姿勢検出部72により検出されたゲーム装置10の姿勢が、実行中のゲームの状況に関連付けられた基準姿勢であるか否かを判定する。例えば、姿勢判定部78は、実行中のゲームが基準状況になった場合、姿勢検出部72により検出されたゲーム装置10の姿勢が、基準状況に関連付けられた基準姿勢であるか否かを判定する。
【0085】
姿勢判定部78は、ゲーム状況データが示す現在のゲームの状況と、基準データが示す基準状況と、を比較することによって、実行中のゲームが基準状況になったか否かを判定する。本実施形態においては、再生中の楽曲の経過時間が、基準状況が示す期間内になったか否かが判定されることによって、実行中のゲームが基準状況になったか否かが判定される。
【0086】
また、姿勢判定部78は、姿勢検出部72により検出されたゲーム装置10の姿勢と、基準データにより基準状況に関連付けられた基準姿勢と、を比較することによって、ゲーム装置10の姿勢が基準姿勢であるか否かを判定する。例えば、姿勢検出部72により検出されたゲーム装置10の姿勢と、基準姿勢と、のずれが所定範囲であるか否かが判定されることによって、ゲーム装置10の姿勢が基準姿勢であるか否かが判定される。
【0087】
[1−3−6.ゲーム処理制限部]
ゲーム処理制限部80は、制御部14を主として実現される。ゲーム処理制限部80は、姿勢判定部78の判定結果に基づいて、ゲーム処理実行部76により実行される、ゲーム操作検出部74により検出されるゲーム操作に対応するゲーム処理の実行を制限する。
【0088】
例えば、ゲーム処理制限部80は、姿勢判定部78により、現在のゲーム装置10の姿勢が基準姿勢であると判定されない場合、ゲーム処理実行部76によるゲーム処理の実行を制限する。例えば、この場合、ユーザがボタン52をタッチしても、当該タッチによる評価処理が実行されない。例えば、ボタン52が反応しないように制御されることによって、ゲーム処理の実行が制限される。
【0089】
なお、本実施形態においては、ゲーム処理制限部80がゲーム処理を制限する方法として、ユーザがボタン52をタッチしても反応しないようにする場合を説明するが、ゲーム処理制限部80による制限方法は、これに限られない。ゲーム処理制限部80は、ゲーム処理実行部76によるゲーム処理を制限すればよい。
【0090】
即ち、ゲーム処理制限部80は、ユーザがゲーム操作を行った場合に、通常のゲーム処理(即ち、表示部22が基準姿勢をとっている場合のゲーム処理)とは異なる処理をすることによって、ゲーム処理実行部76によるゲーム処理を制限するようにしてもよい。例えば、ユーザがボタン52をタッチした場合に、低い評価がされるようにしてもよいし、ゲーム装置10を基準姿勢にする旨をユーザに案内するメッセージが出力されるようにしてもよい。
【0091】
[1−4.ゲーム装置において実行される処理]
次に、ゲーム装置10が実行する処理について説明する。図9は、ゲーム装置10が実行する処理のうちの、本発明に関連する処理を主に示すフロー図である。制御部14は、メモリカード30に記憶されるプログラムに従って、図9に示す処理を実行する。
【0092】
図9に示すように、まず、制御部14は、楽曲の再生を開始する(S101)。制御部14は、案内対象期間内の基準姿勢データ及び基準操作データを読み出してゲーム画面50を表示させる(S102)。S102においては、現時点の楽曲の経過時間と、基準状況及び基準操作タイミングと、の時間差に基づいて基準状況案内マーク60及び基準操作案内マーク58の表示制御が実行される。
【0093】
制御部14は、現在のゲームの状況が基準状況であるか否かを判定する(S103)。S103においては、現時点の楽曲の経過時間が、基準姿勢データに格納された基準状況が示す期間内であるか否かが判定される。現在のゲームの状況が基準状況でないと判定された場合(S103;N)、制御部14は、ユーザによるゲーム操作の評価処理を実行する(S104)。
【0094】
図10は、S104において実行されるゲーム操作の評価処理を示す図である。図10に示すように、制御部14は、現時点が判定期間内であるか否かを判定する(S201)。判定期間とは、基準操作タイミングの所定期間前(第1期間前)から、基準操作タイミングの所定期間後(第2期間後)まで、の期間である。この第1期間と第2期間は同じであってもよいし異なっていてもよい。
【0095】
現時点が判定期間内でないと判定された場合(S201;N)、制御部14は、本処理を終了する。つまり、制御部14は、図9のS109の処理を実行する。
【0096】
一方、現時点が判定期間内であると判定された場合(S201;Y)、制御部14は、操作済みフラグが「0」であるか否かを判定する(S202)。操作済みフラグは、主記憶18等に記憶され、現在の判定期間においてボタン52がタッチされたか否かを示す情報である。操作済みフラグは、0又は1の値をとる。「0」は、ボタン52がタッチされていないことを示す。一方、「1」は、ボタン52がタッチされたことを示す。
【0097】
操作済みフラグが「0」でないと判定された場合(S202;N)、制御部14は、図10のS203〜S206の処理を実行せずに、後述のS207の処理を実行する。
【0098】
一方、操作済みフラグが「0」であると判定された場合(S202;Y)、制御部14は、基準操作タイミングに対応するボタン52がタッチされたか否かを判定する(S203)。基準操作タイミングに対応するボタン52とは、基準操作タイミングが訪れた場合にタッチすべきボタン52のことである。S203の判定は、タッチパネル24から供給される操作信号に基づいて行われる。
【0099】
ボタン52がタッチされていないと判定された場合(S203;N)、制御部14は、図10のS204〜S206の処理を実行せずに、後述のS207の処理を実行する。一方、ボタン52がタッチされたと判定された場合(S203;Y)、制御部14は操作済みフラグを「1」に更新する(S204)。
【0100】
さらに、制御部14は、基準操作タイミングと、ゲーム操作がなされた操作タイミングとのずれ時間を取得する(S205)。このずれ時間は、操作タイミングが基準操作タイミングよりも早い場合に負の値になる。一方、ずれ時間は、操作タイミングが基準操作タイミングよりも遅れている場合に正の値になる。
【0101】
制御部14は、S205で取得されたずれ時間に基づいて、ユーザのゲーム操作の評価(即ち、ゲーム処理)を行う(S206)。S206においては、例えば、S205で取得されたずれ時間が所定範囲内であるか否かによって、ゲーム操作の評価が行われる。また例えば、当該評価に基づいて主記憶18に記憶される得点データが示す得点が増減する。
【0102】
制御部14は、判定期間の終了タイミングが到来したか否かを判定する(S207)。判定期間の終了タイミングが到来していないと判定された場合(S207;N)、制御部14は、本処理を終了する。つまり、制御部14は、図9のS109の処理を実行する。
【0103】
一方、判定期間の終了タイミングが到来したと判定された場合(S207;Y)、制御部14は、操作済みフラグが「0」であるか否かを判定する(S208)。操作済みフラグが「0」である場合とは、判定期間内にボタン52がタッチされなかった場合である。
【0104】
操作済みフラグが「0」であると判定された場合(S208;Y)、制御部14は、評価を最も低いものに決定する(S209)。そして、制御部14は、本処理を終了する。つまり、制御部14は、図9のS109の処理を実行する。
【0105】
一方、操作済みフラグが「0」でないと判定された場合(S208;N)、制御部14は、操作済みフラグを「0」に更新する(S210)。そして、制御部14は、本処理を終了する。つまり、制御部14は、図9のS109の処理を実行する。
【0106】
図9に戻り、現在のゲームの状況が基準状況であると判定された場合(S103;Y)、制御部14は、基準データに格納された基準姿勢に基づいてゲーム画面50の表示制御を行う(S105)。例えば、ゲーム画面50が基準姿勢に対応する向きになるように、ゲーム画面50の表示制御が行われる。例えば、ゲーム装置10が、横長姿勢から縦長姿勢になった場合、ゲーム画面50が図2の横長状態から図3の縦長状態に変化する。一方、ゲーム装置10が、縦長姿勢から横長姿勢になった場合、ゲーム画面50が図3の縦長状態から図2の横長状態に変化する。
【0107】
制御部14は、センサ部42の検出信号に基づいてゲーム装置10の姿勢を取得する(S106)。制御部14は、S106で取得したゲーム装置10の姿勢と、基準データに格納された基準姿勢と、を比較することによって、ゲーム装置10の姿勢が基準姿勢であるか否かを判定する(S107)。
【0108】
ゲーム装置10の姿勢が基準姿勢であると判定された場合(S107;Y)、処理はS104に移行する。即ち、ゲーム装置10の姿勢が基準姿勢であるため、ユーザのゲーム操作の評価処理が制限されることなく実行される。
【0109】
ゲーム装置10の姿勢が基準姿勢でないと判定された場合(S107;N)、制御部14は、ユーザのゲーム操作の評価処理の実行を制限する(S108)。即ち、この場合、S104のゲーム操作の評価処理が実行されないように制限される。したがって、ユーザがボタン52をタッチしても、当該タッチによる評価処理が行われない。なお、ゲーム操作の評価処理の実行が制限されている間に、判定期間が終了し、かつ、操作済みフラグが「1」であった場合には、操作済みフラグが「0」に更新される。
【0110】
制御部14は、終了条件を満たすか否かを判定する(S109)。終了条件は、予め定められた条件であればよく、例えば、楽曲が終了したか否か、又は、得点データが示す得点が所定範囲になったか否か等である。
【0111】
終了条件を満たすと判定された場合(S109;Y)、制御部14は、本処理を終了する。終了条件を満たすと判定されない場合(S109;N)、処理はS102に戻る。
【0112】
以上説明したゲーム装置10によれば、実行中のゲームの状況が基準状況になった場合、ユーザは、ゲーム装置10を基準姿勢にしてゲームをプレイしなければ、ゲーム操作が評価されないように制限される。したがって、確実に、ゲーム装置10を所与の姿勢にした状態でユーザにゲームプレイを行わせることができる。
【0113】
また、実行中のゲームの状況が基準状況になった場合、ゲーム画面の向きを基準姿勢に対応する向きに変更することによって、ゲーム装置10が基準姿勢になった場合に最適なゲーム画面50を、ユーザに提供することができる。
【0114】
[2.変形例]
なお、本発明は、以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。
【0115】
(1)例えば、実施形態においては、ゲームの状況が基準状況になった場合に、ユーザがゲーム装置10を基準姿勢にさせなければ、全てのボタン52のタッチを無効にする場合を説明したが、一部のボタン52のタッチのみを無効にするようにしてもよい。例えば、制限すべきゲーム処理に対応するゲーム操作が、基準姿勢データに定義されていてもよい。
【0116】
この場合、基準姿勢データは、ゲームの状況と、ゲーム装置10の基準姿勢と、ユーザのゲーム操作と、を関連付けたデータとなる。
【0117】
図11は、変形例(1)における基準姿勢データを示す図である。図11に示すように、ゲーム処理制限部80が制限すべきゲーム処理に対応するゲーム操作が基準姿勢データに関連付けられる。例えば、時間tが訪れた場合にユーザが表示部22を縦長姿勢にしなかった場合、ボタン52Aをタッチすることによる評価処理が制限される。この場合、ボタン52B,52Cをタッチすることによる評価処理は制限されない。
【0118】
また例えば、時間tが訪れた場合にユーザが表示部22を横長姿勢にしなかった場合、ボタン52B,52Cをタッチすることによる評価処理が制限される。この場合、ボタン52Aをタッチすることによる評価処理は制限されない。
【0119】
変形例(1)のゲーム処理制限部80は、姿勢判定部78の判定結果に基づいて、ゲーム操作検出部74により検出されるゲーム操作のうち、実行中のゲームの状況及び基準姿勢に関連付けられたゲーム操作に対応するゲーム処理の実行を制限する。即ち、例えば、ゲーム操作検出部74により検出されるゲーム操作のうち、実行中のゲームの状況及び基準姿勢に関連付けられていないゲーム操作に対応するゲーム処理は実行される。したがって、ゲーム操作検出部74により検出されるゲーム操作のうち、実行中のゲームの状況及び基準姿勢に基づいて定まる一部のゲーム操作に対応するゲーム処理の実行が制限される。
【0120】
変形例(1)によれば、ゲーム処理制限部80が制限するゲーム処理を、実行中のゲームの状況及び基準姿勢に応じて異ならしめることができる。
【0121】
(2)また例えば、実施形態においては、基準状況が、楽曲の再生時間が所定の期間内になったか否かを示す場合を例に挙げて説明したが、基準状況は、ゲームの状況がとりうる状況であればよく、基準状況はこれに限られない。他にも例えば、基準状況は、得点データが示す得点が所定範囲になったか否かを示していてもよい。この場合、例えば、得点データが示す得点が基準値を超えた場合、ユーザは、ゲーム装置10を横長姿勢から縦長姿勢に変化させてゲームをプレイすることになる。
【0122】
(3)また例えば、実施形態においては、基準姿勢が、基準状況においてゲーム装置10がとるべき姿勢を示す場合を説明したが、基準姿勢が、基準状況においてゲーム装置10がとってはいけない姿勢を示していてもよい。例えば、曲の盛り上がりの期間においてゲーム装置10に縦長姿勢をとらせる場合、基準姿勢として、横長姿勢が定義されていてもよい。即ち、この場合、ゲーム処理制限部80は、姿勢判定部78により、現在のゲーム装置10の姿勢が基準姿勢であると判定された場合、ゲーム処理実行部76によるゲーム処理の実行を制限する。
【0123】
また、基準姿勢が横長姿勢と縦長姿勢である場合を例に挙げて説明したが、基準姿勢は、センサ部42で検出可能なゲーム装置10の姿勢であればよく、基準姿勢はこれに限られない。他にも例えば、基準姿勢は、図2に示す横長姿勢を180度回転させた姿勢(即ち、ユーザがゲーム装置10を反対向きに把持する姿勢)であってもよい。
【0124】
(4)また例えば、ユーザのゲーム操作がボタン52をタッチする操作である場合を説明したが、ゲーム操作はこれに限られない。他にも例えば、操作キー部32を押下することがゲーム操作であってもよいし、公知の種々の操作がゲーム操作として適用可能である。同様に、ゲーム操作に対応するゲーム処理も実施形態の例に限られない。ゲーム操作が行われる結果実行される処理が、ゲーム処理として適用可能である。
【0125】
(5)また例えば、ゲーム処理制限部80がゲーム処理を制限する方法として、検出されたゲーム操作に対応するゲーム処理を実行しないように、S104の処理をスキップする場合を説明したが、ゲーム処理制限部80がゲーム処理を制限する方法は、これに限られない。他にも例えば、ゲーム処理制限部80は、ゲーム操作検出部74によるゲーム操作の検出自体が行われないように制限することによって、ゲーム操作に対応するゲーム処理が実行されないように制限するようにしてもよい。この場合、例えば、タッチパネル24がオフにされるようにしてもよい。
【0126】
(6)また例えば、本発明は、音楽ゲーム以外のゲームにも適用することができる。本発明は、ユーザによるゲーム操作に対応するゲーム処理が実行されるゲームであって、ゲームの実行中にユーザがゲーム装置10の姿勢を変更するゲームに適用することができる。
【0127】
他にも例えば、ユーザがキャラクタとコミュニケーションをとるシミュレーションゲームに本発明を適用するようにしてもよい。この場合、基準状況は、例えば、所定のゲームイベントが発生する状況となる。基準状況になった場合、ユーザは、ゲーム装置10の姿勢を変更してキャラクタとコミュニケーションをとる。実施形態と同様に、ゲーム装置10を基準姿勢に変更しなければ、例えば、ユーザがキャラクタとコミュニケーションをとるためのゲーム操作に対応するゲーム処理の実行が制限される。
【0128】
また例えば、ユーザが操作対象を操作してプレイするシューティングゲームやロールプレイングゲームに本発明を適用するようにしてもよい。この場合、基準状況は、例えば、所定の敵が出現した場合の状況となる。基準状況になった場合、ユーザは、ゲーム装置10の姿勢を変更して敵と戦う。実施形態と同様に、ゲーム装置10を基準姿勢に変更しなければ、例えば、ユーザが敵を攻撃するためのゲーム操作に対応するゲーム処理の実行が制限される。
【符号の説明】
【0129】
10 ゲーム装置、11 携帯ゲーム機、12 バス、14 制御部、16 記憶部、18 主記憶、20 画像処理部、22 表示部、24 タッチパネル、26 入出力処理部、28 メモリカードスロット、30 メモリカード、32 操作キー部、34 音声処理部、36 音声出力部、38 音声入力部、40 通信I/F、42 センサ部、50 ゲーム画面、52 ボタン、54 案内領域、56 基準マーク、58 基準操作案内マーク、60 基準状況案内マーク、70 ゲームデータ記憶部、72 姿勢検出部、74 ゲーム操作検出部、76 ゲーム処理実行部、78 姿勢判定部、80 ゲーム処理制限部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム装置の姿勢を検出する姿勢検出手段と、
ユーザのゲーム操作を検出するゲーム操作検出手段と、
前記ゲーム操作検出手段により検出される前記ゲーム操作に対応するゲーム処理を実行するゲーム処理実行手段と、
ゲームの状況と、前記ゲーム装置の基準姿勢と、を関連付けた基準姿勢データを記憶する手段から前記基準姿勢データを取得する手段と、
前記姿勢検出手段により検出された前記ゲーム装置の姿勢が、実行中の前記ゲームの状況に関連付けられた前記基準姿勢であるか否かを判定する姿勢判定手段と、
前記姿勢判定手段の判定結果に基づいて、前記ゲーム処理実行手段により実行される、前記ゲーム操作検出手段により検出される前記ゲーム操作に対応する前記ゲーム処理の実行を制限するゲーム処理制限手段と、
を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記基準姿勢データは、前記ゲームの基準状況と、前記ゲーム装置の基準姿勢と、を関連付けたデータであって、
前記姿勢判定手段は、実行中の前記ゲームの状況が前記基準状況になった場合、前記姿勢検出手段により検出された前記ゲーム装置の姿勢が、前記基準状況に関連付けられた前記基準姿勢であるか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記ゲーム装置は、
実行中の前記ゲームの状況が前記基準状況になる場合、前記ゲーム装置の姿勢を前記基準姿勢に変更するように前記ユーザに案内する手段、
を更に含むことを特徴とする請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記基準姿勢データは、前記ゲームの状況と、前記ゲーム装置の前記基準姿勢と、前記ユーザのゲーム操作と、を関連付けたデータであって、
前記ゲーム処理制限手段は、
前記姿勢判定手段の判定結果に基づいて、前記ゲーム操作検出手段により検出される前記ゲーム操作のうち、実行中の前記ゲームの現在の状況及び前記基準姿勢に関連付けられた前記ゲーム操作に対応する前記ゲーム処理の実行を制限する、
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記ゲーム装置は、
表示手段に表示されるゲーム画面の向きが、実行中の前記ゲームの現在の状況に関連付けられた前記基準姿勢に対応する向きになるように、前記ゲーム画面の表示制御を行う手段、
を更に含むことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のゲーム装置。
【請求項6】
ゲーム装置の制御方法であって、
前記ゲーム装置の姿勢を検出する姿勢検出ステップと、
ユーザのゲーム操作を検出するゲーム操作検出ステップと、
前記ゲーム操作検出ステップにおいて検出される前記ゲーム操作に対応するゲーム処理を実行するゲーム処理実行ステップと、
ゲームの状況と、前記ゲーム装置の基準姿勢と、を関連付けた基準姿勢データを記憶する手段から前記基準姿勢データを取得するステップと、
前記姿勢検出ステップにおいて検出された前記ゲーム装置の姿勢が、実行中の前記ゲームの状況に関連付けられた前記基準姿勢であるか否かを判定する姿勢判定ステップと、
前記姿勢判定ステップの判定結果に基づいて、前記ゲーム処理実行ステップにおいて実行される、前記ゲーム操作検出ステップにおいて検出される前記ゲーム操作に対応する前記ゲーム処理の実行を制限するゲーム処理制限ステップと、
を含むことを特徴とするゲーム装置の制御方法。
【請求項7】
ゲーム装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記ゲーム装置の姿勢を検出する姿勢検出手段、
ユーザのゲーム操作を検出するゲーム操作検出手段、
前記ゲーム操作検出手段により検出される前記ゲーム操作に対応するゲーム処理を実行するゲーム処理実行手段、
ゲームの状況と、前記ゲーム装置の基準姿勢と、を関連付けた基準姿勢データを記憶する手段から前記基準姿勢データを取得する手段、
前記姿勢検出手段により検出された前記ゲーム装置の姿勢が、実行中の前記ゲームの状況に関連付けられた前記基準姿勢であるか否かを判定する姿勢判定手段、
前記姿勢判定手段の判定結果に基づいて、前記ゲーム処理実行手段により実行される、前記ゲーム操作検出手段により検出される前記ゲーム操作に対応する前記ゲーム処理の実行を制限するゲーム処理制限手段、
を含むことを特徴とするゲーム装置として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−210252(P2012−210252A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−76705(P2011−76705)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】