説明

ゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、及びプログラム

【課題】処理負荷を軽減しつつ、ゲームキャラクタの動作制御の高度化を図ること。
【解決手段】支配領域設定手段(104)は、複数のゲームキャラクタ(52,54)の各々に関し、当該ゲームキャラクタ(52,54)の位置を含む第1支配領域(62,64)と、当該ゲームキャラクタ(52,54)の位置及び代表方向に基づいて定まる位置を含む第2支配領域(66,68)と、当該ゲームキャラクタ(52,54)の位置及び移動方向に基づいて定まる位置を含む第3支配領域(70,72)と、の少なくとも二つをゲーム空間(40)に設定し、動作制御手段(106)は、複数のゲームキャラクタ(52,54)の少なくとも一つの動作を、当該ゲームキャラクタ(52,54)に関連する位置と、上記支配領域の少なくとも二つと、の位置関係に基づいて制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲーム空間内を複数のゲームキャラクタが移動するゲームを実行するゲーム装置が知られている。このようなゲーム装置では、例えば、所定のアルゴリズムに従ってゲームキャラクタの動作が制御される。特許文献1には、ゲーム空間内に設定される複数の領域の各々にゲームキャラクタが到達するまでの到達時間を算出し、当該到達時間に基づいてゲームキャラクタの移動先の位置を決定することによって、ゲームキャラクタの動作を制御する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−321598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術においてゲームキャラクタの動作制御を高度化しようとすると、ゲーム空間をより細かく分割する必要がある。即ち、ゲームキャラクタの移動先の候補となる領域をより多く設定する必要があるため、到達時間を算出すべき領域の数が増えることになり、ゲーム装置の処理負荷が増加する問題があった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、処理負荷を軽減しつつ、ゲームキャラクタの動作制御の高度化を図ることが可能なゲーム装置、ゲーム装置の制御方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係るゲーム装置は、ゲーム空間内を複数のゲームキャラクタが移動するゲームを実行するゲーム装置であって、前記複数のゲームキャラクタの各々に関し、当該ゲームキャラクタの位置を含む第1支配領域と、当該ゲームキャラクタの位置及び代表方向に基づいて定まる位置を含む第2支配領域と、当該ゲームキャラクタの位置及び移動方向に基づいて定まる位置を含む第3支配領域と、の少なくとも二つを前記ゲーム空間に設定する支配領域設定手段と、前記複数のゲームキャラクタの少なくとも一つの動作を、当該ゲームキャラクタに関連する位置と、他の前記ゲームキャラクタの前記第1支配領域と前記第2支配領域と前記第3支配領域との少なくとも二つと、の位置関係に基づいて制御する動作制御手段と、を含むことを特徴とする。
【0007】
本発明に係るゲーム装置の制御方法は、ゲーム空間内を複数のゲームキャラクタが移動するゲームを実行するゲーム装置の制御方法であって、前記複数のゲームキャラクタの各々に関し、当該ゲームキャラクタの位置を含む第1支配領域と、当該ゲームキャラクタの位置及び代表方向に基づいて定まる位置を含む第2支配領域と、当該ゲームキャラクタの位置及び移動方向に基づいて定まる位置を含む第3支配領域と、の少なくとも二つを前記ゲーム空間に設定する支配領域設定ステップと、前記複数のゲームキャラクタの少なくとも一つの動作を、当該ゲームキャラクタに関連する位置と、他の前記ゲームキャラクタの前記第1支配領域と前記第2支配領域と前記第3支配領域との少なくとも二つと、の位置関係に基づいて制御する動作制御ステップと、を含むことを特徴とする。
【0008】
本発明に係るプログラムは、ゲーム空間内を複数のゲームキャラクタが移動するゲームを実行するゲーム装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記複数のゲームキャラクタの各々に関し、当該ゲームキャラクタの位置を含む第1支配領域と、当該ゲームキャラクタの位置及び代表方向に基づいて定まる位置を含む第2支配領域と、当該ゲームキャラクタの位置及び移動方向に基づいて定まる位置を含む第3支配領域と、の少なくとも二つを前記ゲーム空間に設定する支配領域設定手段、前記複数のゲームキャラクタの少なくとも一つの動作を、当該ゲームキャラクタに関連する位置と、他の前記ゲームキャラクタの前記第1支配領域と前記第2支配領域と前記第3支配領域との少なくとも二つと、の位置関係に基づいて制御する動作制御手段、を含むことを特徴とするゲーム装置として前記コンピュータを機能させる。
【0009】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0010】
本発明によれば、処理負荷を軽減しつつ、ゲームキャラクタの動作制御の高度化を図ることが可能になる。
【0011】
また、本発明の一態様では、前記動作制御手段は、前記複数のゲームキャラクタの少なくとも一つの動作を、当該ゲームキャラクタの位置と、他の前記ゲームキャラクタの前記第1支配領域と前記第2支配領域と前記第3支配領域との少なくとも二つと、の位置関係に基づいて制御する、ことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の一態様では、前記ゲームは、移動物体を用いたスポーツのゲームであって、前記ゲーム装置は、前記複数のゲームキャラクタの位置と前記移動物体の位置との位置関係に基づいて、前記複数のゲームキャラクタの何れかと前記移動物体とを関連付ける手段、を更に含み、前記動作制御手段は、前記移動物体に関連付けられたゲームキャラクタの動作を、当該ゲームキャラクタの位置又は前記移動物体の位置と、他の前記ゲームキャラクタの前記第1支配領域と前記第2支配領域と前記第3支配領域との少なくとも二つと、の位置関係に基づいて制御する、ことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の一態様では、前記支配領域設定手段は、前記ゲームキャラクタを操作するユーザ又はコンピュータの強さに関する情報を記憶する手段から当該情報を取得する手段と、前記ゲームキャラクタの前記第1支配領域と前記第2支配領域と前記第3支配領域との少なくとも二つの大きさを、前記ユーザ又は前記コンピュータの強さに関する情報に基づいて変更する手段と、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の一態様では、前記ゲームは、移動物体を用いたスポーツのゲームであって、前記ゲーム装置は、前記複数のゲームキャラクタの位置と前記移動物体の位置との位置関係に基づいて、前記複数のゲームキャラクタの何れかと前記移動物体とを関連付ける手段、を更に含み、前記支配領域設定手段は、前記複数のゲームキャラクタの何れかと前記移動物体とが関連付けられてからの経過時間に基づいて、前記ゲームキャラクタの前記第1の支配領域と前記第2支配領域と前記第3支配領域との少なくとも二つの広さを段階的に変化させる手段、を含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の一態様では、前記ゲームは、第1チームと第2チームとが対戦する、移動物体を用いたスポーツのゲームであって、前記ゲーム装置は、前記複数のゲームキャラクタの位置と前記移動物体の位置との位置関係に基づいて、前記複数のゲームキャラクタの何れかと前記移動物体とを関連付ける手段、を更に含み、前記支配領域設定手段は、前記第1チームに所属する前記ゲームキャラクタが前記移動物体と関連付けられている場合、前記第2チームに所属する前記ゲームキャラクタが前記移動物体と関連付けられている場合よりも、前記ゲームキャラクタの前記第1の支配領域と前記第2支配領域と前記第3支配領域との少なくとも二つを広く又は狭くする手段、を含むことを特徴とする。
【0016】
また、本発明の一態様では、前記ゲームは、移動物体を用いたスポーツのゲームであって、前記ゲーム装置は、前記複数のゲームキャラクタの位置と前記移動物体の位置との位置関係に基づいて、前記複数のゲームキャラクタの何れかと前記移動物体とを関連付ける手段、を更に含み、前記支配領域設定手段は、ユーザの操作対象が前記移動物体と関連付けられている場合、前記ユーザの操作対象以外の前記ゲームキャラクタが前記移動物体と関連付けられている場合よりも、前記ゲームキャラクタの前記第1の支配領域と前記第2支配領域と前記第3支配領域との少なくとも二つの広さを広く又は狭くする手段、を含むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明の一態様では、前記支配領域設定手段は、前記ゲームキャラクタの動作の種別に基づいて、当該ゲームキャラクタの前記第1支配領域と前記第2支配領域と前記第3支配領域との少なくとも二つの位置を変更する手段、を含むことを特徴とする。
【0018】
また、本発明の一態様では、前記ゲーム装置は、ユーザによる方向指示操作を検出する手段と、前記ユーザによる方向指示操作が示す方向を、前記ユーザの操作対象に関連する位置と、他の前記ゲームキャラクタの前記第1支配領域と前記第2支配領域と前記第3支配領域との少なくとも二つと、の位置関係に基づいて評価し、当該評価結果を前記ユーザに案内する手段、を更に含むことを特徴とする。
【0019】
また、本発明の一態様では、前記ゲーム装置は、ユーザによる方向指示操作を検出する手段と、前記ユーザの方向指示操作により指示されるべき方向又は指示されるべきでない方向を、前記ユーザの操作対象に関連する位置と、他の前記ゲームキャラクタの前記第1支配領域と前記第2支配領域と前記第3支配領域との少なくとも二つと、の位置関係に基づいて判断し、前記指示されるべき方向又は前記指示されるべきでない方向を前記ユーザに案内する手段、を更に含むことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係るゲーム装置のハードウェア構成を示す図である。
【図2】ゲーム空間の一例を示す図である。
【図3】表示部に表示されるゲーム画面の一例を示す図である。
【図4】ゲーム空間をピッチの上から(Yw軸方向から)見た図である。
【図5】ゲーム装置で実現される機能のうち、本発明に関連する機能を示す機能ブロック図である。
【図6】周辺領域、意識領域、及び予約領域の設定方法を示す図である。
【図7】評価対象方向を示す図である。
【図8】評価対象方向の評価方法を示す図である。
【図9】評価結果データのデータ格納例を示す図である。
【図10】ゲーム装置が所定時間毎に実行する処理を示すフロー図である。
【図11】ゲーム装置が所定時間毎に実行する処理を示すフロー図である。
【図12】ユーザ又はコンピュータの強さに関する情報と、周辺領域、意識領域、及び予約領域の広さを示す情報と、の関連付けを示す図である。
【図13】選手キャラクタがボールを保持してからの経過時間と、周辺領域、意識領域、及び予約領域の広さを示す情報と、の関連付けを示す図である。
【図14】ボールを保持している選手キャラクタが所属するチームと、周辺領域、意識領域、及び予約領域の広さの変更方法と、の関連付けを示す図である。
【図15】ボールを保持する選手キャラクタと、周辺領域、意識領域、及び予約領域の広さの変更方法と、の関連付けを示す図である。
【図16】選手キャラクタの動作の種別と、周辺領域、意識領域、及び予約領域の位置に関する情報と、の関連付けを示す図である。
【図17】ユーザによる方向指示操作が示す方向の評価結果が案内される様子を示す図である。
【図18】評価対象方向の評価結果が案内される様子を示す図である。
【図19】選手キャラクタの動作の種別と、評価対象方向を評価する際に参照すべき周辺領域、意識領域、及び予約領域に関する情報と、の関連付けを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[1.実施形態]
以下、本発明の実施形態の一例について図面に基づき詳細に説明する。本発明の実施形態に係るゲーム装置は、例えば、家庭用ゲーム機(据置型ゲーム機)、携帯ゲーム機、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)又はパーソナルコンピュータ等によって実現される。ここでは、実施形態に係るゲーム装置を家庭用ゲーム機によって実現する場合について説明する。
【0022】
[1−1.ゲーム装置のハードウェア構成]
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置のハードウェア構成を示す図である。図1に示すゲーム装置10は、家庭用ゲーム機11、表示部32、音声出力部34、及び光ディスク36(情報記憶媒体)を含む。
【0023】
表示部32及び音声出力部34は、家庭用ゲーム機11に接続される。表示部32は、例えば、家庭用テレビ受像機又は液晶ディスプレイなどである。音声出力部34は、例えば、家庭用テレビ受像機に内蔵されたスピーカ又はヘッドホンなどである。
【0024】
家庭用ゲーム機11は、公知のコンピュータゲームシステムである。家庭用ゲーム機11は、バス12、制御部14、主記憶16、画像処理部18、入出力処理部20、音声処理部22、光ディスク再生部24、ハードディスク26、通信インタフェース28、及びコントローラ30を含む。
【0025】
制御部14は、一又は複数の制御部(例えば、CPU等)を含む。制御部14は、図示しないROMに格納されるオペレーティングシステムや、光ディスク36から読み出されるプログラムに基づいて、家庭用ゲーム機11の各部を制御する処理や情報処理を実行する。
【0026】
主記憶16は、例えば、RAMを含む。光ディスク36から読み出されたプログラム及びデータは、主記憶16に書き込まれる。主記憶16は、制御部14の作業用メモリとしても用いられる。バス12は、アドレス及びデータを家庭用ゲーム機11の各部でやり取りするためのものである。
【0027】
画像処理部18は、VRAMを含む。画像処理部18は、制御部14から供給される画像データに基づいてVRAM上にゲーム画面を描画する。VRAM上に描画されたゲーム画面は、ビデオ信号に変換されて所定のタイミングで表示部32に出力される。
【0028】
入出力処理部20は、制御部14が、音声処理部22、光ディスク再生部24、ハードディスク26、通信インタフェース28、及びコントローラ30にアクセスするためのインタフェースである。
【0029】
音声処理部22は、サウンドバッファを含む。音声処理部22は、光ディスク36からサウンドバッファに読み出された音声データを、音声出力部34から出力する。
【0030】
通信インタフェース28は、インターネットなどの通信ネットワークに、家庭用ゲーム機11を有線又は無線接続するためのインタフェースである。
【0031】
光ディスク再生部24は、光ディスク36に記録されたプログラムやデータを読み取る。本実施形態においては、プログラムやデータを家庭用ゲーム機11に供給するために、光ディスク36が用られる場合を説明するが、メモリカード等の他の情報記憶媒体が用いられて、プログラムやデータが家庭用ゲーム機11に対して供給されるようにしてもよい。他にも例えば、通信ネットワークを介して遠隔地からプログラムやデータが家庭用ゲーム機11に供給されるようにしてもよい。
【0032】
ハードディスク26は、一般的なハードディスク装置(補助記憶装置)である。なお、本実施形態において光ディスク36に記憶されるものとして説明するプログラムやデータは、ハードディスク26に記憶されていてもよい。
【0033】
コントローラ30は、ユーザがゲーム操作を行うための操作部である。例えば、コントローラ30は、ユーザによる方向指示操作を検出する。家庭用ゲーム機11には、一又は複数のコントローラ30が、有線又は無線接続される。入出力処理部20は、一定周期毎(例えば、1/60秒毎)に、コントローラ30の各操作部材の状態をスキャンする。このスキャン結果を表す操作信号は、バス12を介して制御部14に供給される。制御部14は、この操作信号に基づいてユーザのゲーム操作を判定する。例えば、制御部14は、コントローラ30が検出した方向指示操作を、コントローラ30からの操作信号に基づいて判定する。
【0034】
[1−2.ゲーム装置において実行されるゲーム]
ゲーム装置10は、光ディスク36から読み出したゲームプログラムを実行することによって、ゲーム空間内を複数のゲームキャラクタが移動するゲームを実行する。例えば、第1チームと第2チームとが対戦する、移動物体を用いたスポーツのゲームが実行される。
【0035】
本実施形態においては、サッカーの試合会場を模したゲーム空間を、複数のゲームキャラクタが移動してサッカーの試合を行うサッカーゲームが実行される場合について説明する。このサッカーゲームにおいては、ユーザが操作するチーム(以降、「ユーザチーム」という。)と、対戦相手(コンピュータ又は他のユーザ)が操作するチーム(以降、「対戦相手チーム」という。)と、の間でサッカーの試合が行われる。サッカーゲームが開始されると、例えば、図2に示すゲーム空間40が、主記憶16に構築される。
【0036】
図2は、ゲーム空間40の一例を示す図である。図2に示すゲーム空間40は、互いに直交する三つの座標軸(Xw軸、Yw軸、及びZw軸)が設定された仮想的な3次元空間になっている。図2に示すように、ゲーム空間40には、サッカーフィールドを表すオブジェクトであるフィールド42が配置される。
【0037】
フィールド42上には、2本のゴールライン44a,44b、2本のタッチライン46a,46b、及びセンターライン47が表されている。2本のゴールライン44a,44b及び2本のタッチライン46a,46bによって囲まれたピッチ48及びピッチ48の周囲において、試合が行われる。
【0038】
フィールド42上には、サッカーのゴールを表すオブジェクトであるゴール50と、ユーザチームに所属するサッカー選手を表すオブジェクト(ゲームキャラクタ)である選手キャラクタ52と、対戦相手チームに所属するサッカー選手を表すオブジェクトである選手キャラクタ54と、サッカーボールを表すオブジェクトであるボール56と、が配置される。各オブジェクトの位置は、例えば、ワールド座標系(Xw−Yw−Zw座標系)の3次元座標で特定される。
【0039】
選手キャラクタ52(54)とボール56とが近づくと、所定条件の下、その選手キャラクタ52(54)とボール56とが関連づけられる。この場合、選手キャラクタ52(54)の移動動作は、ドリブル動作になる。以下では、選手キャラクタ52(54)にボール56が関連づけられた状態のことを「選手キャラクタ52(54)がボール56を保持している」というように記載する。
【0040】
例えば、ユーザは、ユーザチームに所属する選手キャラクタ52の何れかを操作することができる。また、ゲーム空間40に配置される各選手キャラクタ52(54)のうちでユーザの操作対象とならないものは、所定の行動アルゴリズムに従って自律的に行動する。
【0041】
なお、図2では省略されているが、フィールド42上には、ユーザチームに所属する11体の選手キャラクタ52と、対戦相手チームに所属する11体の選手キャラクタ54と、が配置される。
【0042】
また、ゲーム空間40には、仮想カメラ58(視点)が設定される。ゲーム空間40を仮想カメラ58から見た様子を表すゲーム画面が、表示部32に表示される。
【0043】
図3は、表示部32に表示されるゲーム画面60の一例を示す図である。図3に示すゲーム画面60には、ユーザチームに所属する3体の選手キャラクタ52a,52b,52cと、対戦相手チームに所属する3体の選手キャラクタ54a,54b,54cと、ボール56と、が含まれる。
【0044】
このゲーム画面60は、ゲーム空間40に配置された各オブジェクトの頂点座標が、所定の座標変換演算を用いてワールド座標系からスクリーン座標系に座標変換されることによって生成される。スクリーン座標系は、例えば、図3に示すように、ゲーム画面60の左上を原点Oとし、右方向をXs軸正方向とし、下方向をYs軸正方向とする2次元の座標系である。
【0045】
本実施形態においては、例えば、図3に示すように、ユーザチームに所属する選手キャラクタ52aがボール56を保持している場合、当該選手キャラクタ52aの位置と、対戦相手チームに所属する選手キャラクタ54に設定される複数の支配領域と、の位置関係に基づいて、選手キャラクタ52aが行動する。
【0046】
図4は、ゲーム空間40をピッチ48の上から(Yw軸方向から)見た図である。図4においては、選手キャラクタ52aがボール56を保持している場合に設定される、選手キャラクタ54の支配領域を示す。図4においては、説明の簡略化のため、図3のゲーム画面60に含まれる選手キャラクタ54a,54b,54cの支配領域のみが示されている。
【0047】
本実施形態においては、ユーザチームに所属する選手キャラクタ52がボール56を保持する場合、対戦相手チームに所属する選手キャラクタ54には、それぞれ3つの支配領域が設定される。一方、対戦相手チームに所属する選手キャラクタ54がボール56を保持する場合、ユーザチームに所属する選手キャラクタ52には、同様に、それぞれ3つの支配領域が設定される。以降、選手キャラクタ52(54)に設定される3つの支配領域を、それぞれ、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)という。
【0048】
図4に示すように、周辺領域64は、選手キャラクタ54a,54b,54cが現在から所定時間以内(例えば、1秒以内)に移動可能な範囲を示す。意識領域68は、例えば、選手キャラクタ54a,54b,54cが特に意識している領域を示す。予約領域72は、選手キャラクタ54a,54b,54cの移動先として予約されている領域を示す。
【0049】
例えば、ボール56を保持する選手キャラクタ52aは、ゲーム空間40のうち選手キャラクタ54a,54b,54cの周辺領域64、意識領域68、及び予約領域72に重ならない方向に向かってドリブルをしたりボール56をパスしたりするように制御される。
【0050】
例えば、図4に示す例では、選手キャラクタ52aと選手キャラクタ52cとを結ぶ直線は意識領域68cに交差するため、選手キャラクタ52aから選手キャラクタ52cへのパスは選手キャラクタ54cにカットされる可能性が高い。一方、選手キャラクタ52aと選手キャラクタ52bとを結ぶ直線は何れの支配領域にも交差しないため、選手キャラクタ52aから選手キャラクタ52bへのパスはカットされる可能性が低い。そこで、例えば、選手キャラクタ52aは、選手キャラクタ52bにボールをパスするように制御される。
【0051】
上記のように、本実施形態においては、ボール56を保持する選手キャラクタ52の動作が、当該選手キャラクタ52とは異なるチームに所属する選手キャラクタ54の周辺領域64、意識領域68、及び予約領域72に基づいて制御されることによって、ゲーム装置10の処理負荷の軽減を図りつつ、選手キャラクタ52の制御の高度化を実現する構成になっている。以下、本技術について、詳細に説明する。
【0052】
[1−3.ゲーム装置において実現される機能]
図5は、ゲーム装置10で実現される機能のうち、本発明に関連する機能を示す機能ブロック図である。図5に示すように、ゲーム装置10は、ゲームデータ記憶部100、ゲーム実行部102、支配領域設定部104、及び動作制御部106を含む。
【0053】
[1−3−1.ゲームデータ記憶部]
ゲームデータ記憶部100は、例えば、主記憶16及び光ディスク36等を主として実現される。ゲームデータ記憶部100は、例えば、サッカーゲームを実現するために必要なデータを記憶する。例えば、サッカーゲームの現在の状況を示すゲーム状況データが、ゲームデータ記憶部100に記憶される。
【0054】
例えば、下記に示すようなデータが、ゲーム状況データに含まれる。
(1)各選手キャラクタ52(54)の現在の状態(位置、視線方向、顔の正面方向、体の正面方向、移動方向、及び移動速度等)を示すデータ
(2)ボール56の現在の状態(位置、移動方向及び移動速度等)を示すデータ
(3)ボール56を保持している選手キャラクタ52(54)を示すデータ
(4)その他、仮想カメラ58の現在の状態(位置及び視線方向等)や試合の状況(例えば、両チームの得点や経過時間)を示すデータ
【0055】
また、本実施形態では、ゲームデータ記憶部100は、ゲーム空間40に設定された周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)の位置を識別する情報を記憶する。例えば、ゲームデータ記憶部100は、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)に含まれる3次元座標や、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)の境界の3次元座標を記憶する。
【0056】
なお、ゲームデータ記憶部100に記憶されるデータは、上記の例に限られない。他にも例えば、選手キャラクタ52(54)の能力を示すパラメータや、対戦相手がコンピュータの場合の当該コンピュータの強さを示すデータが記憶されていてもよいし、後述する評価結果データが記憶されるようにしてもよい。
【0057】
[1−3−2.ゲーム実行部]
ゲーム実行部102は、制御部14を主として実現される。ゲーム実行部102は、ゲームプログラムに基づいてゲームを実行する。例えば、ゲーム実行部102は、ゲームデータ記憶部100の記憶内容を、ゲームプログラムに基づいて更新することによって、ゲームを実行する。
【0058】
例えば、ゲーム実行部102は、ゲームデータ記憶部100に記憶されたデータを取得する手段として機能する。また、ゲーム実行部102は、ゲームデータ記憶部100に記憶されたデータを更新する手段として機能する。更に、ゲーム実行部102は、ゲーム画面60を表示部32に表示させる手段として機能する。
【0059】
また例えば、ゲーム実行部102は、複数のゲームキャラクタ(例えば、選手キャラクタ52(54))の位置と移動物体(例えば、ボール56)の位置との位置関係に基づいて、複数のゲームキャラクタの何れかと移動物体とを関連付ける手段として機能する。例えば、ゲーム実行部102は、選手キャラクタ52(54)とボール56との距離が所定距離以内になった場合、当該選手キャラクタ52(54)とボール56とを関連付ける。
【0060】
[1−3−3.支配領域設定部]
支配領域設定部104は、例えば、制御部14を主として実現される。支配領域設定部104は、複数のゲームキャラクタ(例えば、選手キャラクタ52(54))の各々に関し、当該ゲームキャラクタの位置を含む第1支配領域(例えば、周辺領域62(64))と、当該ゲームキャラクタの位置及び代表方向に基づいて定まる位置を含む第2支配領域(例えば、意識領域66(68))と、当該ゲームキャラクタの位置及び移動方向に基づいて定まる位置を含む第3支配領域(例えば、予約領域70(72))と、の少なくとも二つをゲーム空間40に設定する。
【0061】
図6は、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)の設定方法を示す図である。図6に示すように、例えば、選手キャラクタ52(54)の現在位置を中心とした所定半径rの円内の領域が、当該選手キャラクタ52(54)の周辺領域62(64)として設定される。
【0062】
周辺領域62(64)は、選手キャラクタ52(54)の動作を決定するために用いられる。例えば、ボール56を保持する選手キャラクタ52が、対戦相手チームに所属する選手キャラクタ54の周辺領域64内に入った場合、この選手キャラクタ54は、ボール56を保持する選手キャラクタ52に近づいてボールを奪いに行く動作を行う。また例えば、ボール56を保持する選手キャラクタ52がパスを行い、ボール56の位置から移動方向に伸びる直線が、対戦相手チームに所属する選手キャラクタ54の周辺領域64内に入った場合、この選手キャラクタ54は、ボール56に近づいてパスをカットする動作を行う。
【0063】
また例えば、選手キャラクタ52(54)の現在位置から、当該選手キャラクタ52(54)の代表方向74(76)に所定距離Dだけ離れた位置Pを中心とした所定半径rの円内の領域が、当該選手キャラクタ52(54)の意識領域66(68)として設定される。選手キャラクタ52(54)の代表方向74(76)は、選手キャラクタ52(54)の視線方向、顔の正面方向又は体の正面方向である。代表方向74(76)を示す情報は、ゲーム状況データに格納され、ゲームプログラムにより適宜方向が変化する。
【0064】
また例えば、選手キャラクタ52(54)の位置から、当該選手キャラクタ52(54)の移動方向78(80)に所定距離Dだけ離れた位置Pを中心とした所定半径rの円が、当該選手キャラクタ52(54)の予約領域70(72)として決定される。移動方向78(80)は、ゲーム状況データに格納され、ゲームプログラムにより適宜方向が変化する。
【0065】
意識領域66(68)及び予約領域70(72)は、周辺領域62(64)と同様に、選手キャラクタ52(54)の動作を決定するために用いられる。即ち、意識領域66(68)内や予約領域70(72)内に、ボール56を保持した選手キャラクタ52(54)が入ったり、ボール56の位置から移動方向に伸びる直線が入ったりした場合には、選手キャラクタ52(54)に、ボール56を奪いに行く動作をさせたり、パスカットの動作をさせる。
【0066】
なお、本実施形態においては、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)が三つともゲーム空間40に設定される場合を説明するが、これらの二つ又は三つが設定されるようにすればよい。
【0067】
また、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)の設定方法は、図6に示す例に限られない。周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)は、それぞれ、選手キャラクタ52(54)の位置、選手キャラクタ52(54)の位置及び代表方向74(76)、選手キャラクタ52(54)の位置及び移動方向78(80)に基づいて決定されるようにすればよい。例えば、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)の広さは、選手キャラクタ52(54)毎に異なっていてもよいし、同じであってもよい。
【0068】
他にも、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)は、ボール56の位置又は移動方向に基づいて設定されるようにしてもよい。例えば、選手キャラクタ52(54)の位置からボール56の位置に向けた方向に、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)が広がるように設定される。この場合、選手キャラクタ52(54)にボール56の方向を意識した動作をさせることができる。
【0069】
また例えば、選手キャラクタ52(54)の位置とボール56の位置との距離が長くなるほど、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)が広くなるように設定される。ボール56から離れた位置にいる選手キャラクタ52(54)ほど、ボール56が近くにくるまでに時間がかかるため、上記の場合、選手キャラクタ52(54)が移動できる範囲をこれら領域の広さに反映させることができる。
【0070】
また例えば、ボール56の移動方向に、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)が広がるように設定される。この場合、選手キャラクタ52(54)にボール56の移動方向を意識した動作をさせることができる。
【0071】
[1−3−4.動作制御部]
動作制御部106は、例えば、制御部14を主として実現される。動作制御部106は、複数のゲームキャラクタ(例えば、選手キャラクタ52(54))のうちの少なくとも一つの動作を、当該ゲームキャラクタに関連する位置と、他のゲームキャラクタの第1支配領域(例えば、周辺領域62(64))と第2支配領域(例えば、意識領域66(68))と第3支配領域(例えば、予約領域70(72))との少なくとも二つと、の位置関係に基づいて制御する。
【0072】
選手キャラクタ52(54)に関連する位置とは、選手キャラクタ52(54)がボール56を保持していない場合は、選手キャラクタ52(54)の位置であり、選手キャラクタ52(54)がボール56を保持している場合は、当該選手キャラクタ52(54)の位置又はボール56の位置である。ここでは、選手キャラクタ52(54)に関連する位置が、選手キャラクタ52(54)の位置である場合を説明する。以降、動作制御部106が動作を制御する選手キャラクタ52(54)について、「選手キャラクタ52(54)の位置」の記載は、「ボール56の位置」と読み替えてもよい。
【0073】
本実施形態においては、動作制御部106が、移動物体(例えば、ボール56)に関連付けられたゲームキャラクタ(例えば、選手キャラクタ52(54))の動作を、当該ゲームキャラクタの位置又は移動物体の位置と、他のゲームキャラクタの第1支配領域(例えば、周辺領域62(64))と第2支配領域(例えば、意識領域66(68))と第3支配領域(例えば、予約領域70(72))との少なくとも二つと、の位置関係に基づいて制御する場合を説明する。例えば、ボール56を保持している選手キャラクタ52aの動作が、対戦相手チームに所属する選手キャラクタ54の周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)に基づいて制御される。
【0074】
例えば、ボール56を保持している選手キャラクタ52aには、当該選手キャラクタ52aの動作を決定するための評価対象方向が設定される。評価対象方向は、例えば、選手キャラクタ52aの移動方向又はボール56の移動方向を決定するために設定される方向であり、例えば、選手キャラクタ52aが移動するXw−Zw平面に設定される。
【0075】
図7は、評価対象方向を示す図である。図7に示すように、本実施形態においては、評価対象方向が、選手キャラクタ52aに関連する位置からk方向(kは自然数。ここではk=8とする。)に伸びる場合について説明する。例えば、当該8方向の評価対象方向の何れかに選手キャラクタ52a又はボール56が移動する。即ち、例えば、当該8方向の評価対象方向の何れかに選手キャラクタ52aが、ボール56をドリブルしたりパスをしたりする。
【0076】
例えば、当該選手キャラクタ52aの位置から評価対象方向V〜Vに伸びる直線が、選手キャラクタ54に対応する周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)の少なくとも一つに含まれるか否かが判定されることによって、評価対象方向V〜Vが評価される。
【0077】
図8は、評価対象方向V〜Vの評価方法を示す図である。図8においては、説明の簡略化のため、評価対象方向V〜Vのうち評価対象方向Vと評価対象方向Vの評価方法のみを示している。
【0078】
まず、評価対象方向Vを評価するために、例えば、評価対象方向Vと周辺領域64aとの最短の距離A、評価対象方向Vと意識領域68aとの最短の距離B、及び評価対象方向Vと予約領域72aとの最短の距離Cが算出される。
【0079】
例えば、距離Aが距離r以下であるか否か、距離Bが距離r以下であるか否か、又は、距離Cが距離r以下であるか否かが判定されることによって、評価対象方向Vが評価される。例えば、距離Aが距離rよりも大きい場合、距離Bが距離rよりも大きい場合、又は、距離Cが距離rよりも大きい場合、当該評価対象方向Vには所与の評価ポイント(例えば、10点)が与えられる。
【0080】
次に、評価対象方向Vを評価するために、例えば、評価対象方向Vと周辺領域64aとの最短の距離A、評価対象方向Vと意識領域68aとの最短の距離B、及び評価対象方向Vと予約領域72aとの最短の距離Cが算出される。
【0081】
例えば、距離Aが距離r以下であるか否か、距離Bが距離r以下であるか否か、又は、距離Cが距離r以下であるか否かが判定されることによって、評価対象方向Vが評価される。例えば、距離Aが距離rよりも大きい場合、距離Bが距離rよりも大きい場合、又は、距離Cが距離rよりも大きい場合、当該評価対象方向Vには所与の評価ポイント(例えば、10点)が与えられる。
【0082】
上記のような評価が、選手キャラクタ54a以外の選手キャラクタ54の周辺領域64、意識領域68、及び予約領域72についても行われる。また、図8においては、評価対象方向V,Vについて説明したが、他の評価対象方向V〜Vについても同様の評価が行われる。
【0083】
また、本実施形態においては、上記のように行われる評価対象方向V〜Vの評価結果を示す評価結果データが、ゲームデータ記憶部100に記憶される場合を説明する。
【0084】
図9は、評価結果データのデータ格納例を示す図である。図9に示すように、例えば、選手キャラクタ52(54)と、評価対象方向V〜Vと、当該評価対象方向V〜Vの評価結果と、が関連付けられて記憶される。ここでは、評価結果データとして、各評価対象方向V〜Vに与えられた評価ポイントが格納される場合を説明する。例えば、評価対象方向V〜Vの評価ポイントが示す数値が高いほど、当該評価対象方向V〜Vに別の選手キャラクタ52(54)がいないことになる。
【0085】
なお、本実施形態においては、ボール56を保持する選手キャラクタ52(54)に設定される評価対象方向V〜Vが評価されるので、評価結果データには、当該選手キャラクタ52(54)に関連付けられた評価結果のみが格納される。
【0086】
動作制御部106は、例えば、評価対象方向V〜Vのうち、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)と交差していない方向に基づいて、ボール56を保持する選手キャラクタ52(54)の動作を制御する。即ち、評価対象方向V〜Vのうち、評価ポイントが最も高い方向に基づいて、選手キャラクタ52(54)の動作が制御される。動作制御部106は、例えば、評価対象方向V〜Vの評価結果に基づいて、評価対象方向V〜Vの何れかに選手キャラクタ52(54)又はボール56を移動させる。
【0087】
[1−4.ゲーム装置において実行される処理]
次に、ゲーム装置10で実行される処理について説明する。図10及び図11は、ゲーム装置10が所定時間毎に実行する処理を示すフロー図である。制御部14が、光ディスク36に記憶されたプログラムに従って、図10及び図11に示す処理を実行する。
【0088】
まず、図10に示すように、制御部14は、ユーザの操作対象に設定されていない選手キャラクタ52(54)がボール56を保持しているか否かを判定する(S1)。
【0089】
ユーザの操作対象に設定されていない選手キャラクタ52(54)がボール56を保持していると判定されない場合(S1;N)、本処理は終了する。即ち、ユーザの操作対象に設定されている選手キャラクタ52(54)がボール56を保持している場合、又は、どの選手キャラクタ52(54)もボール56を保持していない場合、本処理は終了する。この場合、コンピュータの制御下に置かれる選手キャラクタ52(54)は、公知のアルゴリズムに基づいて制御されるようにしてもよい。
【0090】
一方、ユーザの操作対象に設定されていない選手キャラクタ52(54)がボール56を保持していると判定された場合(S1;Y)、制御部14は、ユーザの操作内容を取得し、ユーザの操作対象の動作を決定する(S2)。制御部14は、ユーザの操作対象及びボール56を保持している選手キャラクタ52(54)以外の選手キャラクタ52(54)の動作を、所与のアルゴリズムに基づいて決定する(S3)。
【0091】
S3における動作の決定方法は、公知のアルゴリズムに基づいて決定される方法であってもよい。例えば、選手キャラクタ52(54)とボール56との位置関係に基づいて、当該選手キャラクタ52(54)の動作が制御されるようにしてもよい。なお、S2及びS3において動作が決定された選手キャラクタ52(54)の動作内容を示す情報(例えば、移動先を示す情報)は、主記憶16に一時的に記憶される。
【0092】
制御部14は、ボール56を保持している選手キャラクタ52(54)とは異なるチームに所属する選手キャラクタ52(54)に関し、ゲーム状況データに格納された選手キャラクタ52(54)の位置に基づいて、ゲーム空間40に周辺領域62(64)を設定する(S4)。
【0093】
制御部14は、ボール56を保持している選手キャラクタ52(54)とは異なるチームに所属する選手キャラクタ52(54)に関し、ゲーム状況データに格納された選手キャラクタ52(54)の位置及び代表方向74(76)に基づいて、ゲーム空間40に意識領域66(68)を設定する(S5)。
【0094】
制御部14は、ボール56を保持している選手キャラクタ52(54)とは異なるチームに所属する選手キャラクタ52(54)に関し、ゲーム状況データに格納された選手キャラクタ52(54)の位置及び移動方向78(80)に基づいて、ゲーム空間40に予約領域70(72)を設定する(S6)。なお、S6においては、S2及びS3で決定された移動先の位置が含まれるように予約領域70(72)が設定されるようにしてもよい。
【0095】
図11に移り、制御部14は、カウンタ変数Nに1を代入する(S7)。制御部14は、ボール56を保持する選手キャラクタ52(54)の評価対象方向Vと、異なるチームに所属する選手キャラクタ52(54)の周辺領域62(64)との距離Aを算出する(S8)。
【0096】
制御部14は、選手キャラクタ52(54)の評価対象方向Vと、異なるチームに所属する選手キャラクタ52(54)の意識領域66(68)との距離Bを算出する(S9)。
【0097】
制御部14は、選手キャラクタ52(54)の評価対象方向Vと、異なるチームに所属する選手キャラクタ52(54)の予約領域70(72)との距離Cを算出する(S10)。
【0098】
なお、S8〜S10においては、ボール56を保持する選手キャラクタ52(54)とは異なるチームに所属する11体の選手キャラクタ52(54)について、それぞれ距離A〜Cが算出されるようにしてもよいし、ボール56を保持する選手キャラクタ52(54)との距離が所定距離以内である選手キャラクタ52(54)について、距離A〜Cが算出されるようにしてもよい。
【0099】
制御部14は、S8〜S10で算出された距離A,B,Cに基づいて、評価対象方向Vを評価する(S11)。S11においては、例えば、距離A,B,C基づいて、ボール56を保持する選手キャラクタ52(54)の位置から評価対象方向Vに伸びる直線が、異なるチームに所属する選手キャラクタ52(54)の周辺領域62(64)、意識領域66(68)、予約領域70(72)に含まれるか否かが判定されることによって、評価対象方向Vが評価される。S11においては、評価対象方向Vに対応する評価ポイントが算出されて評価データに格納される。
【0100】
制御部14は、カウンタ変数Nが8であるか否かを判定する(S12)。即ち、ボール56を保持する選手キャラクタ52(54)に設定された評価対象方向Vの全てが評価されたか否かが判定される。
【0101】
カウンタ変数Nが8であると判定されない場合(S12;N)、制御部14は、Nをインクリメントし(S13)、処理は、S8に戻る。
【0102】
カウンタ変数Nが8であると判定された場合(S12;Y)、制御部14は、ボール56を保持する選手キャラクタ52(54)の動作を、評価結果データに基づいて決定する(S14)。例えば、ボール56を保持する選手キャラクタ52(54)は、評価ポイントが最も高い評価対象方向Vに向かってドリブルをしたりパスをしたりするように制御される。
【0103】
制御部14は、S2、S3、及びS14において決定された動作に基づいて、ゲーム状況データを更新する(S15)。制御部14は、更新されたゲーム状況データに基づいてゲーム画面60の表示を更新し(S16)、処理は終了する。
【0104】
以上説明したゲーム装置10によれば、ボール56を保持する選手キャラクタ52(54)の動作を、異なるチームに所属する選手キャラクタ52(54)に設定される周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)に基づいて制御することができる。即ち、従来技術に比べて比較的簡易な処理でゲーム装置10の処理負荷を軽減しつつ、選手キャラクタ52(54)の動作制御を高度化することができる。
【0105】
なお、本発明は、以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。
【0106】
(1)例えば、実施形態においては、ボール56を保持する選手キャラクタ52の動作が、当該選手キャラクタ52が所属するユーザチームとは異なる対戦相手チームに所属する選手キャラクタ54の周辺領域64、意識領域68、及び予約領域72に基づいて決定される場合を説明したが、選手キャラクタ52の動作の制御方法は実施形態の例に限られない。
【0107】
他にも例えば、ボール56を保持する選手キャラクタ52aに関連する位置と、当該選手キャラクタ52aと同じユーザチームに所属する選手キャラクタ52の周辺領域62、意識領域66、及び予約領域70と、の位置関係に基づいて、ボール56を保持する選手キャラクタ52の動作が決定されるようにしてもよい。
【0108】
例えば、ボール56を保持する選手キャラクタ52aから評価対象方向Vに伸びる直線が、選手キャラクタ52aと同じユーザチームに所属する選手キャラクタ52(例えば、選手キャラクタ52b,52c)の周辺領域62、意識領域66、及び予約領域70と交差する場合に、当該評価対象方向Vの評価ポイントが増加するようにしてもよい。
【0109】
このように、ボール56を保持する選手キャラクタ52aと同じチームに所属する選手キャラクタ52の周辺領域62、意識領域66、及び予約領域70に基づいて動作制御が行われることによって、ボール56を保持する選手キャラクタ52aが、味方の選手キャラクタ52がいる方向、味方の選手キャラクタ52が意識している方向、又は味方の選手キャラクタ52が走りこむ方向にドリブルをしたりパスをしたりすることができる。
【0110】
(2)また例えば、実施形態においては、ボール56を保持する選手キャラクタ52(54)の動作が、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)に基づいて制御される場合を説明したが、ボール56を保持しない選手キャラクタ52(54)の動作が、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)に基づいて制御されるようにしてもよい。即ち、動作制御部106は、ボール56を保持しているか否かに係らず、ユーザの操作対象以外の選手キャラクタ52(54)を制御するようにしてもよい。
【0111】
例えば、選手キャラクタ52aがボール56を保持する場合、対戦相手チームの選手キャラクタ54の動作が、選手キャラクタ52aの周辺領域62、意識領域66、及び予約領域70に基づいて制御されるようにしてもよい。例えば、選手キャラクタ54に設定される評価対象方向Vが、ボール56を保持する選手キャラクタ52aの周辺領域62、意識領域66、及び予約領域70と交差する場合、当該評価対象方向Vの評価ポイントが高くなる。この場合、選手キャラクタ54は、ボール56を保持する選手キャラクタ52aに向かって移動する。
【0112】
また例えば、選手キャラクタ52aがボール56を保持する場合、ユーザチームに所属する他の選手キャラクタ52(ボール56を保持しない選手キャラクタ52)の動作が、選手キャラクタ52a及び選手キャラクタ54の周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)に基づいて制御されるようにしてもよい。例えば、選手キャラクタ52に設定される評価対象方向Vが、選手キャラクタ52a及び選手キャラクタ54の周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)と交差する場合、当該評価対象方向Vの評価ポイントが低くなる。この場合、選手キャラクタ52は、空きスペースに向かって移動する。
【0113】
(3)また例えば、実施形態においては、評価対象方向Vが、選手キャラクタ52(54)に関連する位置から見て8方向に設定される場合を説明したが、評価対象方向Vはこれに限られない。例えば、評価対象方向Vは、任意の数の方向であってもよい。他にも例えば、選手キャラクタ52(54)と同じチームに所属する選手キャラクタ52(54)に関連する位置から、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、又は予約領域70(72)に向けた方向が、評価対象方向Vとして設定されるようにしてもよい。
【0114】
また、選手キャラクタ52(54)の能力(パラメータ)に応じて評価対象方向Vの数を変化させるようにしてもよい。この場合、選手キャラクタ52(54)の能力に関する条件(例えば、パラメータの範囲)と、評価対象方向Vの数と、を関連付けたデータが予めゲームデータ記憶部100に記憶される。そして、選手キャラクタ52(54)の能力に関連付けられた数の評価対象方向Vが評価されることになる。例えば、能力が比較的高くドリブルの上手い選手キャラクタ52(54)については、評価対象方向Vを8方向ではなく16方向としてもよい。このようにすることで、能力が比較的高い選手キャラクタ52(54)については、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、又は予約領域70(72)の隙間がわずかであっても、ドリブル突破をすることが可能になる。
【0115】
(4)また例えば、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)の広さ(面積)が、ユーザやコンピュータのレベルに応じて変化するようにしてもよい。別の言い方をすれば、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)の広さ(面積)を変化させることによって、ゲームの難易度を調整するようにしてもよい。
【0116】
本変形例の支配領域設定部104は、ゲームキャラクタ(例えば、選手キャラクタ52(54))を操作するユーザ又はコンピュータの強さに関する情報を記憶する手段から当該情報を取得する手段を含む。ユーザ又はコンピュータの強さに関する情報は、例えば、ユーザ又はコンピュータのレベルを示す情報、又は、ゲームの難易度を示す情報である。当該情報は、ゲームデータ記憶部100に記憶され、ユーザの操作により指定されたり、ユーザのプレイ結果に応じて内容が変化したりするようにしてもよい。
【0117】
また、支配領域設定部104は、ゲームキャラクタ(例えば、選手キャラクタ52(54))の第1支配領域(例えば、周辺領域62(64))と第2支配領域(例えば、意識領域66(68))と第3支配領域(例えば、予約領域70(72))との少なくとも二つの大きさを、ユーザ又はコンピュータの強さに関する情報に基づいて変更する手段を含む。
【0118】
図12は、ユーザ又はコンピュータの強さに関する情報と、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)の広さを示す情報と、の関連付けを示す図である。当該関連付けを示すデータは、ゲームデータ記憶部100等に予め記憶されるようにしてもよい。支配領域設定部104は、ゲームデータ記憶部100からユーザ又はコンピュータの強さに関する情報を読み出し、当該情報に関連付けられた広さに基づいて、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)を変更(設定)する。
【0119】
例えば、ユーザが強いほど(ユーザのレベルが高いほど、又は、ゲームの難易度が高いほど)、ユーザチームに所属する選手キャラクタ52の周辺領域62、意識領域66、及び予約領域70が広くなる。また例えば、コンピュータが強いほど(コンピュータのレベルが高いほど、又は、ゲームの難易度が高いほど)、コンピュータが操作する対戦相手チームに所属する選手キャラクタ54の周辺領域64、意識領域68、及び予約領域72が狭くなる。
【0120】
例えば、ユーザが比較的弱い場合、ユーザチームに所属する選手キャラクタ52の周辺領域62、意識領域66、及び予約領域70が比較的狭く(面積が小さく)なる。領域が狭くなると、これら領域と対戦相手チームに所属する選手キャラクタ54の評価対象方向Vとが交わりにくくなるため、対戦相手チームに所属する選手キャラクタ54が、ボールを保持する選手キャラクタ52に近寄ってこなくなり、ボール56が奪われにくくなる。一方、例えば、ユーザが比較的強い場合、ユーザチームに所属する選手キャラクタ52の周辺領域62、意識領域66、及び予約領域70が比較的広く(面積が大きく)なる。領域が広くなると、これら領域と対戦相手チームに所属する選手キャラクタ54の評価対象方向Vとが交わりやすくなるため、選手キャラクタ54が、ボールを保持する選手キャラクタ52に近寄ってきやすくなり、ボール56が奪われやすくなる。
【0121】
また例えば、コンピュータが比較的弱い場合、このコンピュータが制御する対戦相手チームに所属する選手キャラクタ54の周辺領域64、意識領域68、及び予約領域72が比較的広く(面積が大きく)なる。領域が広くなると、これら領域とユーザチームに所属する選手キャラクタ52の評価対象方向Vとが交わりやすくなるため、選手キャラクタ52が、ボールを保持する選手キャラクタ54に近寄っていきやすくなり、ボール56を奪いやすくなる。一方、例えば、コンピュータが比較的強い場合、対戦相手チームに所属する選手キャラクタ54の周辺領域64、意識領域68、及び予約領域72が比較的狭く(面積が小さく)なる。領域が狭くなると、これら領域とユーザチームに所属する選手キャラクタ52の評価対象方向Vとが交わりにくくなるため、選手キャラクタ52が、ボールを保持する選手キャラクタ54に近寄っていきにくくなり、ボール56を奪いにくくなる。
【0122】
変形例(4)によれば、ユーザ又はコンピュータの強さに応じて周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)の広さ(面積)を変更することによって、例えば、ボール56を奪いにくくなったり奪われやすくなったりするので、ゲームの難易度を調整することができる。
【0123】
(5)また例えば、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)の広さを、選手キャラクタ52(54)がボール56を保持してからの経過時間に応じて除々に変化させるようにしてもよい。例えば、選手キャラクタ52(54)がボール56を保持した時点から現時点までの期間に応じて、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)の広さ(例えば、半径r,r,rの距離)が段階的に広くなるようにしてもよい。
【0124】
本変形例の支配領域設定部104は、複数のゲームキャラクタ(例えば、選手キャラクタ52(54))の何れかと移動物体(例えば、ボール56)とが関連付けられてからの経過時間に基づいて、ゲームキャラクタの第1の支配領域(例えば、周辺領域62(64))と第2支配領域(例えば、意識領域66(68))と第3支配領域(例えば、予約領域70(72))との少なくとも二つの広さを段階的に変化させる手段を含む。
【0125】
図13は、選手キャラクタ52(54)がボール56を保持してからの経過時間と、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)の広さを示す情報と、の関連付けを示す図である。当該関連付けを示すデータは、ゲームデータ記憶部100等に予め記憶されるようにしてもよい。なお、図13に示す「基準の広さ」とは、予め定められた広さであり、例えば、半径r,r,rの円の広さである。
【0126】
支配領域設定部104は、選手キャラクタ52(54)がボール56を保持してからの経過時間を算出する。別の言い方をすれば、選手キャラクタ52(54)がボール56を保持すると、支配領域設定部104は計時を開始し、主記憶16等に記憶された経過時間を示す情報を更新することによって経過時間をカウントアップする。支配領域設定部104は、例えば、当該経過時間に関連付けられた広さに基づいて、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)を設定する。
【0127】
例えば、図13に示すデータ格納例の場合、選手キャラクタ52(54)がボール56を保持した瞬間は、他の選手キャラクタ52(54)に周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)が設定されていないので、どの方向にもドリブルをしたりパスをしたりすることができるようにしてもよい。
【0128】
選手キャラクタ52(54)がボール56を保持してから時間が経過すると、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)が除々に広がる。その結果、ボール56を保持する選手キャラクタ52(54)の評価対象方向Vと、他の選手キャラクタ52(54)の周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)と、が交差しやすくなるため、ボール56を保持する選手キャラクタ52(54)は、ドリブルをしたりパスをしたりしにくくなる。
【0129】
なお、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)の広がる速さが、ユーザ又はコンピュータの強さに関する情報に応じて異なるようにしてもよい。この場合、ユーザ又はコンピュータの強さに関する情報と、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)の広がる速さを示す情報と、を関連付けてゲームデータ記憶部100に記憶しておけばよい。この場合、支配領域設定部104は、コンピュータの強さに関連付けられた速さに基づいて、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)を段階的に広げる。
【0130】
(6)また例えば、ユーザチームに所属する選手キャラクタ52がボール56を保持する場合と、対戦相手チームに所属する選手キャラクタ54がボール56を保持する場合と、で周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)の広さを異ならしめるようにしてもよい。
【0131】
本変形例の支配領域設定部104は、第1チーム(例えば、ユーザチーム)に所属するゲームキャラクタ(例えば、選手キャラクタ52)が移動物体(例えば、ボール56)と関連付けられている場合、第2チーム(例えば、対戦相手チーム)に所属するゲームキャラクタ(例えば、選手キャラクタ54)が移動物体と関連付けられている場合よりも、ゲームキャラクタの第1の支配領域(例えば、周辺領域62(64))と第2支配領域(例えば、意識領域66(68))と第3支配領域(例えば、予約領域70(72))との少なくとも二つを広く又は狭くする手段を含む。
【0132】
図14は、ボール56を保持している選手キャラクタ52(54)が所属するチームと、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)の広さの変更方法と、の関連付けを示す図である。当該関連付けを示すデータは、ゲームデータ記憶部100等に予め記憶されるようにしてもよい。
【0133】
支配領域設定部104は、例えば、ボール56を保持している選手キャラクタ52(54)が所属するチームに関連付けられた変更方法に基づいて、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)の広さを決定する。周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)の広さの変更方法を示す情報としては、例えば、それぞれの領域の広さを示す情報や、基準の広さからの変化量を示す情報が格納される。
【0134】
例えば、ユーザチームに所属する選手キャラクタ52がボール56を保持している場合、対戦相手チームに所属する選手キャラクタ54がボール56を保持している場合よりも、ユーザチームに所属する選手キャラクタ52の周辺領域62、意識領域66、及び予約領域70を広くすると、対戦相手チームに所属する選手キャラクタ54の評価対象方向V〜Vに交差しやすくなる。その結果、ボール56を保持する選手キャラクタ52に、対戦相手チームに所属する選手キャラクタ54が近づいてきやすくなるので、ボール56が奪われやすくなる。
【0135】
一方、上記の場合、ユーザチームに所属する選手キャラクタ52の周辺領域62、意識領域66、及び予約領域70を狭くすると、対戦相手チームに所属する選手キャラクタ54の評価対象方向V〜Vと交差しにくくなる。その結果、ボール56を保持する選手キャラクタ52に、対戦相手チームに所属する選手キャラクタ54が近づいてきにくくなるので、ボール56が奪われにくくなる。
【0136】
また例えば、ユーザチームに所属する選手キャラクタ52がボール56を保持している場合、対戦相手チームに所属する選手キャラクタ54がボール56を保持している場合よりも、対戦相手チームに所属する選手キャラクタ54の周辺領域64、意識領域68、及び予約領域72を広くすると、ボール56を保持している選手キャラクタ52の評価対象方向V〜Vと交差しやすくなる。評価対象方向V〜Vが周辺領域64、意識領域68、及び予約領域72と交差すると、対戦相手チームに所属する選手キャラクタ54がボール56を奪いにきたり、パスカットをしにきたりするので、上記の場合、ボール56を保持する選手キャラクタ52は、ドリブル又はパスをしにくくなる。
【0137】
一方、上記の場合、対戦相手チームに所属する選手キャラクタ54の周辺領域64、意識領域68、及び予約領域72を狭くすると、ボール56を保持している選手キャラクタ52の評価対象方向V〜Vと交差しにくくなる。評価対象方向V〜Vが周辺領域64、意識領域68、及び予約領域72と交差しなければ、対戦相手チームに所属する選手キャラクタ54がボールを奪いにこなかったり、パスカットをしにこなかったりするので、上記の場合、ボール56を保持する選手キャラクタ52は、ドリブル又はパスをしやすくなる。
【0138】
(7)また例えば、ユーザの操作対象がボール56を保持している場合と、ユーザの操作対象がボール56を保持していない場合と、で周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)の広さを異ならしめるようにしてもよい。
【0139】
本変形例の支配領域設定部104は、ユーザの操作対象が移動物体(例えば、ボール56)と関連付けられている場合、ユーザの操作対象以外のゲームキャラクタが移動物体と関連付けられている場合よりも、ゲームキャラクタの第1の支配領域(例えば、周辺領域62(64))と第2支配領域(例えば、意識領域66(68))と第3支配領域(例えば、予約領域70(72))との少なくとも二つの広さを広く又は狭くする手段を含む。
【0140】
図15は、ボール56を保持する選手キャラクタ52(54)と、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)の広さの変更方法と、の関連付けを示す図である。当該関連付けを示すデータは、ゲームデータ記憶部100等に予め記憶されるようにしてもよい。
【0141】
支配領域設定部104は、ゲーム状況データを参照してボール56を保持する選手キャラクタ52(54)を特定し、当該特定された選手キャラクタ52(54)に関連付けられた変更方法に基づいて、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)の広さを変更する。
【0142】
例えば、ユーザの操作対象がボール56を保持している場合、ユーザの操作対象以外がボール56を保持している場合よりも、選手キャラクタ52の周辺領域62、意識領域66、及び予約領域70を広くすると、これら領域が対戦相手チームに所属する選手キャラクタ54の評価対象方向V〜Vと交差しやすくなるので、選手キャラクタ54はボール56を奪いに来やすくなる。
【0143】
また例えば、ユーザの操作対象がボール56を保持している場合、ユーザの操作対象以外がボール56を保持している場合よりも、選手キャラクタ52の周辺領域62、意識領域66、及び予約領域70を狭くすると、これら領域が対戦相手チームに所属する選手キャラクタ54の評価対象方向V〜Vと交差しにくくなるので、選手キャラクタ54はボール56を奪いに来にくくなる。
【0144】
また例えば、ユーザの操作対象がボール56を保持している場合、ユーザの操作対象以外がボール56を保持している場合よりも、選手キャラクタ54の周辺領域64、意識領域68、及び予約領域72を狭くすると、これら領域が選手キャラクタ52の評価対象方向V〜Vと交差しにくくなるので、選手キャラクタ52は空きスペースを見つけやすくなる。
【0145】
また例えば、ユーザの操作対象がボール56を保持している場合、ユーザの操作対象以外がボール56を保持している場合よりも、選手キャラクタ54の周辺領域64、意識領域68、及び予約領域72を広くすると、これら領域が選手キャラクタ52の評価対象方向V〜Vと交差しやすくなるので、選手キャラクタ52は空きスペースを見つけにくくなる。
【0146】
(8)また例えば、選手キャラクタ52(54)の動作の種別に応じて、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)の位置を異ならしめるようにしてもよい。例えば、選手キャラクタ52(54)がダッシュをしている場合には、選手キャラクタ52(54)が歩いている場合よりも、移動方向側に周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)をずらすようにしてもよい。
【0147】
図16は、選手キャラクタ52(54)の動作の種別と、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)の位置に関する情報と、の関連付けを示す図である。図16に示すデータは、ゲームデータ記憶部100に予め記憶されるようにしてもよい。動作の種別としては、選手キャラクタ52(54)の現在又は過去(直近)の動作の種類を示す情報が格納される。例えば、選手キャラクタ52(54)は、予め定められた複数の類型の動作のうちの何れかの類型の動作を行う。これら複数の類型の動作を示すデータは、予めゲームデータ記憶部100に記憶されるようにしてもよい。
【0148】
支配領域設定部104は、まず、ゲーム状況データを参照し、予め定められた類型の動作と比較することによって、選手キャラクタ52(54)の動作の種別を取得する。当該動作の種別に関連付けられた周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)の位置に関する情報に基づいて、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)を設定することによって、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)の位置を異ならしめるようにしてもよい。
【0149】
例えば、選手キャラクタ52(54)の現在の行動の類型が「ダッシュ」を示しているのであれば、当該選手キャラクタ52(54)の移動方向78(80)に、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)をずらすようにしてもよい。
【0150】
本変形例によれば、選手キャラクタ52(54)の動作に応じた最適な位置に周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)を設定することができるので、選手キャラクタ52(54)の動作制御を更に高度化させることができる。
【0151】
(9)また例えば、ユーザがコントローラ30を介して入力した方向指示操作が示す評価対象方向Vを評価して、評価結果をゲーム画面60に表示させるようにしてもよい。即ち、例えば、ユーザがコントローラ30を介して、ボール56を保持する選手キャラクタ52がX軸方向に進むことを指示した場合、当該方向に、対戦相手チームに所属する選手キャラクタ54の周辺領域64、意識領域68、及び予約領域72があるか否かをゲーム画面60に表示させるようにしてもよい。なお、ここでは、ユーザが、コントローラ30を介して、評価対象方向Vの何れかを指示することができるものとして説明する。
【0152】
本変形例のゲーム実行部102は、ユーザによる方向指示操作が示す方向を、ユーザの操作対象(例えば、選手キャラクタ52(54))に関連する位置と、他のゲームキャラクタの第1支配領域(例えば、周辺領域62(64))と第2支配領域(例えば、意識領域66(68))と第3支配領域(例えば、予約領域70(72))との少なくとも二つと、の位置関係に基づいて評価し、当該評価結果をユーザに案内する。
【0153】
評価結果は、ゲーム画面60に表示されることによって案内(通知)されるようにしてもよいし、音声出力部34から音声が出力されることによって案内されるようにしてもよい。他にも例えば、コントローラ30にバイブレータを備えておき、当該バイブレータを振動させることによって、案内されるようにしてもよい。
【0154】
ユーザによる方向指示操作が示す評価対象方向Vの評価方法は、実施形態と同様である。即ち、ユーザの操作対象に関連する位置から方向指示操作が示す方向に伸びる直線が、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)と交差するか否かに基づいて、評価対象方向Vが評価される。
【0155】
図17は、ユーザによる方向指示操作が示す方向の評価結果が案内される様子を示す図である。図17に示す場合では、選手キャラクタ52aがユーザの操作対象に設定されており、当該選手キャラクタ52aが評価対象方向Vにドリブルするように、方向指示操作が行われている場合を説明する。例えば、評価対象方向Vを評価して得られる評価ポイントに基づいて、評価結果画像82が表示される。
【0156】
本変形例によれば、ユーザにより行われた方向指示操作の評価結果をユーザに案内することができ、ユーザは、操作対象にドリブルさせたりパスさせたりする場合に、これらの方向に他の選手キャラクタ52(54)がいるか否かを把握することができる。
【0157】
(10)また例えば、評価対象方向Vの評価結果をゲーム画面60に表示させ、ユーザに、ボール56が奪われる可能性の高い方向や、ボール56が奪われる可能性が比較的低い方向を案内するようにしてもよい。
【0158】
本変形例のゲーム実行部102は、ユーザの方向指示操作により指示されるべき方向又は指示されるべきでない方向を、ユーザの操作対象に関連する位置と、他のゲームキャラクタ(例えば、選手キャラクタ52(54))の第1支配領域(例えば、周辺領域62(64))と第2支配領域(例えば、意識領域66(68))と第3支配領域(例えば、予約領域70(72))との少なくとも二つと、の位置関係に基づいて判断し、指示されるべき方向又は指示されるべきでない方向をユーザに案内する。
【0159】
図18は、評価対象方向Vの評価結果が案内される様子を示す図である。図18に示す場合では、選手キャラクタ52aがユーザの操作対象に設定されている。例えば、評価結果データが参照されることによって、評価結果がユーザに案内される。当該選手キャラクタ52aに設定される評価対象方向Vの評価ポイントに基づいて、評価内容案内画像84の表示形態が異なるようになっている。
【0160】
例えば、ユーザの操作対象の評価対象方向Vの評価結果を示す情報と、評価結果をユーザに案内する方法を示す情報(例えば、表示すべき画像を示す情報)と、が関連付けられてゲームデータ記憶部100に記憶されるようにしてもよい。例えば、評価結果データが参照されることによって、評価対象方向Vの評価結果が取得され、当該取得された評価結果に関連付けられた案内方法に基づいて、評価対象方向Vの評価結果が案内される。
【0161】
本変形例によれば、ユーザの操作対象が進むべき方向やパスすべき方向を、比較的簡易な処理によって、ユーザに案内することができる。
【0162】
(11)また例えば、選手キャラクタ52(54)が行う動作の種別に応じて、評価対象方向Vを評価する際に参照される周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)が異なるようにしてもよい。
【0163】
図19は、選手キャラクタ52(54)の動作の種別と、評価対象方向Vを評価する際に参照すべき周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)に関する情報と、の関連付けを示す図である。図19に示すデータは、ゲームデータ記憶部100に予め記憶されるようにしてもよい。
【0164】
例えば、支配領域設定部104は、ゲーム状況データを参照し、選手キャラクタ52(54)の現在の動作の種別を取得する。当該動作の種別に関連付けられた周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)と、選手キャラクタ52(54)に関連する位置と、の位置関係に基づいて、選手キャラクタ52(54)の動作が制御される。即ち、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)のうち、現在の動作に関連付けられたもののみが、選手キャラクタ52(54)に関連する位置との比較対象となる。
【0165】
例えば、選手キャラクタ52(54)が通常のパスを行う場合には、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)の全てを、当該選手キャラクタ52(54)の位置との比較対象とする。一方、例えば、選手キャラクタ52(54)がシュートをする場合には、周辺領域62(64)のみが、当該選手キャラクタ52(54)の位置との比較対象となる。
【0166】
本変形例によれば、選手キャラクタ52(54)の動作に応じて、当該選手キャラクタ52(54)の位置との比較対象となる周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)を変更して、評価対象方向Vを評価することができる。
【0167】
(12)また例えば、上記実施形態においては、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)が円状の領域である場合を説明したが、周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)の形状はこれに限られない。周辺領域62(64)、意識領域66(68)、及び予約領域70(72)は、予め定められた形状をとればよく、例えば、球等の立体形状であってもよい。
【0168】
(13)また例えば、ゲーム空間40を、図2に示すような3次元空間として説明したが、本発明に係るゲーム空間は、選手キャラクタ52(54)やボール56の位置等が、2つの座標要素で管理されるような2次元ゲーム空間であってもよい。
【0169】
(14)また例えば、本発明は、サッカーゲーム以外のスポーツゲームを実行するゲーム装置にも適用することができる。つまり、本発明は、ゲーム空間をゲームキャラクタが移動するゲームに適用できる。例えば、バスケットボールゲーム、アイスホッケーゲーム、又は、アメリカンフットボールゲームなどを実行するゲーム装置にも、本発明を適用することができる。
【0170】
他にも例えば、本発明は、スポーツゲーム以外のゲームを実行するゲーム装置10にも適用することができる。例えば、FPS(First Person Shooting)ゲームやロールプレイングゲーム等を実行するゲーム装置にも適用することができる。
【0171】
例えば、戦場を模したゲーム空間を複数のゲームキャラクタが移動しながら戦うようなFPSゲーム又はロールプレイングゲームに本発明を適用した場合、上記実施形態や変形例と同様にして、このゲーム空間に複数の支配領域が設定される。
【0172】
本発明をFPSゲームやロールプレイングゲームに適用すれば、例えば、敵の陣形が手薄になっている場所をゲーム装置が把握して、敵の攻撃を受けないように避難するようなゲームキャラクタの動作制御が実現可能となるので、戦略性を高めたゲームの実現が可能となる。
【符号の説明】
【0173】
10 ゲーム装置、11 家庭用ゲーム機、12 バス、14 制御部、16 主記憶、18 画像処理部、20 入出力処理部、22 音声処理部、24 光ディスク再生部、26 ハードディスク、28 通信インタフェース、30 コントローラ、32 表示部、34 音声出力部、36 光ディスク、40 ゲーム空間、42 フィールド、44a,44b ゴールライン、46a,46b タッチライン、47 センターライン、48 ピッチ、50 ゴール、52,52a,52b,52c,54,54a,54b,54c 選手キャラクタ、56 ボール、58 仮想カメラ、60 ゲーム画面、62,64 周辺領域、66,68 意識領域、70,72 予約領域、74,76 代表方向、78,80 移動方向、82 評価結果画像、84 評価内容案内画像、100 ゲームデータ記憶部、102 ゲーム実行部、104 支配領域設定部、106 動作制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム空間内を複数のゲームキャラクタが移動するゲームを実行するゲーム装置であって、
前記複数のゲームキャラクタの各々に関し、当該ゲームキャラクタの位置を含む第1支配領域と、当該ゲームキャラクタの位置及び代表方向に基づいて定まる位置を含む第2支配領域と、当該ゲームキャラクタの位置及び移動方向に基づいて定まる位置を含む第3支配領域と、の少なくとも二つを前記ゲーム空間に設定する支配領域設定手段と、
前記複数のゲームキャラクタの少なくとも一つの動作を、当該ゲームキャラクタに関連する位置と、他の前記ゲームキャラクタの前記第1支配領域と前記第2支配領域と前記第3支配領域との少なくとも二つと、の位置関係に基づいて制御する動作制御手段と、
を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記動作制御手段は、前記複数のゲームキャラクタの少なくとも一つの動作を、当該ゲームキャラクタの位置と、他の前記ゲームキャラクタの前記第1支配領域と前記第2支配領域と前記第3支配領域との少なくとも二つと、の位置関係に基づいて制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記ゲームは、移動物体を用いたスポーツのゲームであって、
前記ゲーム装置は、
前記複数のゲームキャラクタの位置と前記移動物体の位置との位置関係に基づいて、前記複数のゲームキャラクタの何れかと前記移動物体とを関連付ける手段、
を更に含み、
前記動作制御手段は、前記移動物体に関連付けられたゲームキャラクタの動作を、当該ゲームキャラクタの位置又は前記移動物体の位置と、他の前記ゲームキャラクタの前記第1支配領域と前記第2支配領域と前記第3支配領域との少なくとも二つと、の位置関係に基づいて制御する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記支配領域設定手段は、
前記ゲームキャラクタを操作するユーザ又はコンピュータの強さに関する情報を記憶する手段から当該情報を取得する手段と、
前記ゲームキャラクタの前記第1支配領域と前記第2支配領域と前記第3支配領域との少なくとも二つの大きさを、前記ユーザ又は前記コンピュータの強さに関する情報に基づいて変更する手段と、
を含むことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記ゲームは、移動物体を用いたスポーツのゲームであって、
前記ゲーム装置は、
前記複数のゲームキャラクタの位置と前記移動物体の位置との位置関係に基づいて、前記複数のゲームキャラクタの何れかと前記移動物体とを関連付ける手段、
を更に含み、
前記支配領域設定手段は、
前記複数のゲームキャラクタの何れかと前記移動物体とが関連付けられてからの経過時間に基づいて、前記ゲームキャラクタの前記第1の支配領域と前記第2支配領域と前記第3支配領域との少なくとも二つの広さを段階的に変化させる手段、
を含むことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記ゲームは、第1チームと第2チームとが対戦する、移動物体を用いたスポーツのゲームであって、
前記ゲーム装置は、
前記複数のゲームキャラクタの位置と前記移動物体の位置との位置関係に基づいて、前記複数のゲームキャラクタの何れかと前記移動物体とを関連付ける手段、
を更に含み、
前記支配領域設定手段は、
前記第1チームに所属する前記ゲームキャラクタが前記移動物体と関連付けられている場合、前記第2チームに所属する前記ゲームキャラクタが前記移動物体と関連付けられている場合よりも、前記ゲームキャラクタの前記第1の支配領域と前記第2支配領域と前記第3支配領域との少なくとも二つを広く又は狭くする手段、
を含むことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記ゲームは、移動物体を用いたスポーツのゲームであって、
前記ゲーム装置は、
前記複数のゲームキャラクタの位置と前記移動物体の位置との位置関係に基づいて、前記複数のゲームキャラクタの何れかと前記移動物体とを関連付ける手段、
を更に含み、
前記支配領域設定手段は、
ユーザの操作対象が前記移動物体と関連付けられている場合、前記ユーザの操作対象以外の前記ゲームキャラクタが前記移動物体と関連付けられている場合よりも、前記ゲームキャラクタの前記第1の支配領域と前記第2支配領域と前記第3支配領域との少なくとも二つの広さを広く又は狭くする手段、
を含むことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記支配領域設定手段は、
前記ゲームキャラクタの動作の種別に基づいて、当該ゲームキャラクタの前記第1支配領域と前記第2支配領域と前記第3支配領域との少なくとも二つの位置を変更する手段、
を含むことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載のゲーム装置。
【請求項9】
前記ゲーム装置は、
ユーザによる方向指示操作を検出する手段と、
前記ユーザによる方向指示操作が示す方向を、前記ユーザの操作対象に関連する位置と、他の前記ゲームキャラクタの前記第1支配領域と前記第2支配領域と前記第3支配領域との少なくとも二つと、の位置関係に基づいて評価し、当該評価結果を前記ユーザに案内する手段、
を更に含むことを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載のゲーム装置。
【請求項10】
前記ゲーム装置は、
ユーザによる方向指示操作を検出する手段と、
前記ユーザの方向指示操作により指示されるべき方向又は指示されるべきでない方向を、前記ユーザの操作対象に関連する位置と、他の前記ゲームキャラクタの前記第1支配領域と前記第2支配領域と前記第3支配領域との少なくとも二つと、の位置関係に基づいて判断し、前記指示されるべき方向又は前記指示されるべきでない方向を前記ユーザに案内する手段、
を更に含むことを特徴とする請求項1〜9に記載のゲーム装置。
【請求項11】
ゲーム空間内を複数のゲームキャラクタが移動するゲームを実行するゲーム装置の制御方法であって、
前記複数のゲームキャラクタの各々に関し、当該ゲームキャラクタの位置を含む第1支配領域と、当該ゲームキャラクタの位置及び代表方向に基づいて定まる位置を含む第2支配領域と、当該ゲームキャラクタの位置及び移動方向に基づいて定まる位置を含む第3支配領域と、の少なくとも二つを前記ゲーム空間に設定する支配領域設定ステップと、
前記複数のゲームキャラクタの少なくとも一つの動作を、当該ゲームキャラクタに関連する位置と、他の前記ゲームキャラクタの前記第1支配領域と前記第2支配領域と前記第3支配領域との少なくとも二つと、の位置関係に基づいて制御する動作制御ステップと、
を含むことを特徴とするゲーム装置の制御方法。
【請求項12】
ゲーム空間内を複数のゲームキャラクタが移動するゲームを実行するゲーム装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記複数のゲームキャラクタの各々に関し、当該ゲームキャラクタの位置を含む第1支配領域と、当該ゲームキャラクタの位置及び代表方向に基づいて定まる位置を含む第2支配領域と、当該ゲームキャラクタの位置及び移動方向に基づいて定まる位置を含む第3支配領域と、の少なくとも二つを前記ゲーム空間に設定する支配領域設定手段、
前記複数のゲームキャラクタの少なくとも一つの動作を、当該ゲームキャラクタに関連する位置と、他の前記ゲームキャラクタの前記第1支配領域と前記第2支配領域と前記第3支配領域との少なくとも二つと、の位置関係に基づいて制御する動作制御手段、
を含むことを特徴とするゲーム装置として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−70725(P2013−70725A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210183(P2011−210183)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】