説明

ゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラム

【課題】ゲームキャラクタ同士の関係(例えば連携度又は相性など)によってそれらのゲームキャラクタの連携動作が円滑に行われたり、行われなかったりすることをユーザが実感できるように図ることが可能になるゲーム装置を提供すること。
【解決手段】ゲームキャラクタの組合せに対応づけてパラメータを記憶してなるパラメータ記憶手段の記憶内容が取得される。行動指示受付手段(76)は第1のゲームキャラクタへの行動指示を受け付ける。行動制御手段(78)は、第1のゲームキャラクタへの行動指示が受け付けられた場合、該行動指示に対応する行動を第1のゲームキャラクタに実行させる。制限手段(80)は、第1のゲームキャラクタの行動の実行を、第1のゲームキャラクタと、基準ゲームキャラクタである第2のゲームキャラクタと、の組合せに対応づけて記憶されるパラメータに基づいて制限する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームキャラクタへの行動指示が受け付けられた場合に該行動指示に対応する行動をゲームキャラクタが実行するゲームが知られている。例えば、選手キャラクタへの行動指示が受け付けられた場合に該行動指示に対応する行動を選手キャラクタが実行するスポーツゲーム(例えばサッカーゲーム、バスケットボールゲーム、アイスホッケーゲーム、アメリカンフットボールゲーム、又は野球ゲームなど)が知られている。
【0003】
例えばスポーツゲームにおいて、第1の選手キャラクタ及び第2の選手キャラクタが連携して行動するように、第1の選手キャラクタ及び第2の選手キャラクタを操作することが可能である。例えばサッカーゲームにおいて、ユーザは、第1の選手キャラクタがボールを保持している状態で、ユーザは、第1の選手キャラクタの味方である第2の選手キャラクタに対してフリースペースに移動するように指示し、その後、第2の選手キャラクタがフリースペースに移動したタイミングを見計らって第2の選手キャラクタへのパスを第1の選手キャラクタに指示するといった具合に、第1の選手キャラクタ及び第2の選手キャラクタをこれらの選手キャラクタが連携して行動するように操作することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−175207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えば実際のスポーツの試合では、選手同士の連携動作(連携プレー)が円滑に行われるか否かはそれらの選手同士の関係(例えば連携度又は相性など)によって左右される。このため、上記のようなゲームにおいても、ゲームキャラクタ同士の関係(例えば連携度又は相性など)によってそれらのゲームキャラクタ間の連携動作が円滑に行われたり、行われなかったりすることをユーザが実感できるようになれば、ユーザの満足度をさらに向上させることができる。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、ゲームキャラクタ同士の関係(例えば連携度又は相性など)によってそれらのゲームキャラクタの連携動作が円滑に行われたり、行われなかったりすることをユーザに実感させることが可能なゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係るゲーム装置は、ゲームキャラクタの組合せに対応づけてパラメータを記憶してなるパラメータ記憶手段の記憶内容を取得する手段と、第1のゲームキャラクタへの行動指示を受け付ける行動指示受付手段と、前記第1のゲームキャラクタへの前記行動指示が受け付けられた場合、該行動指示に対応する行動を前記第1のゲームキャラクタに実行させる行動制御手段と、前記第1のゲームキャラクタの前記行動の実行を、前記第1のゲームキャラクタと、基準ゲームキャラクタである第2のゲームキャラクタと、の組合せに対応づけて記憶される前記パラメータに基づいて制限する制限手段と、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るゲーム装置の制御方法は、ゲームキャラクタの組合せに対応づけてパラメータを記憶してなるパラメータ記憶手段の記憶内容を取得するステップと、第1のゲームキャラクタへの行動指示を受け付ける行動指示受付ステップと、前記第1のゲームキャラクタへの前記行動指示が受け付けられた場合、該行動指示に対応する行動を前記第1のゲームキャラクタに実行させる行動制御ステップと、前記第1のゲームキャラクタの前記行動の実行を、前記第1のゲームキャラクタと、基準ゲームキャラクタである第2のゲームキャラクタと、の組合せに対応づけて記憶される前記パラメータに基づいて制限する制限ステップと、を含むことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るプログラムは、ゲームキャラクタの組合せに対応づけてパラメータを記憶してなるパラメータ記憶手段の記憶内容を取得する手段、第1のゲームキャラクタへの行動指示を受け付ける行動指示受付手段、前記第1のゲームキャラクタへの前記行動指示が受け付けられた場合、該行動指示に対応する行動を前記第1のゲームキャラクタに実行させる行動制御手段、及び、前記第1のゲームキャラクタの前記行動の実行を、前記第1のゲームキャラクタと、基準ゲームキャラクタである第2のゲームキャラクタと、の組合せに対応づけて記憶される前記パラメータに基づいて制限する制限手段、としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0010】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0011】
本発明によれば、ゲームキャラクタ同士の関係(例えば連携度又は相性など)によってそれらのゲームキャラクタの連携動作が円滑に行われたり、行われなかったりすることをユーザに実感させることが可能になる。
【0012】
また本発明の一態様では、前記制限手段は、前記第1のゲームキャラクタの前記行動の実行開始を、前記第1のゲームキャラクタと前記第2のゲームキャラクタとの組合せに対応づけて記憶される前記パラメータに基づいて待機させる待機手段を含むようにしてもよい。
【0013】
また本発明の一態様では、前記待機手段は、前記第1のゲームキャラクタの前記行動の実行開始の待機時間を、前記第1のゲームキャラクタと前記第2のゲームキャラクタとの組合せに対応づけて記憶される前記パラメータに基づいて制御する手段を含むようにしてもよい。
【0014】
また本発明の一態様では、前記制限手段は、前記第1のゲームキャラクタの前記行動の実行を、前記第1のゲームキャラクタと前記第2のゲームキャラクタとの組合せに対応づけて記憶される前記パラメータに基づいて抑止する手段を含むようにしてもよい。
【0015】
また本発明の一態様では、前記制限手段は、前記第1のゲームキャラクタの前記行動の実行を、前記第1のゲームキャラクタと前記第2のゲームキャラクタとの組合せに対応づけて記憶される前記パラメータと、前記第1のゲームキャラクタと前記第2のゲームキャラクタとの間の距離と、に基づいて制限するようにしてもよい。
【0016】
また本発明の一態様では、前記行動指示受付手段は、前記第1のゲームキャラクタの行動の目標位置又は目標方向に関する指示を受け付けるようにしてもよい。前記制限手段は、前記目標位置又は前記目標方向を評価する目標位置/方向評価手段を含み、前記第1のゲームキャラクタの前記行動の実行を、前記第1のゲームキャラクタと前記第2のゲームキャラクタとの組合せに対応づけて記憶される前記パラメータと、前記評価手段の評価結果と、に基づいて制限するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態に係るゲーム装置のハードウェア構成を示す図である。
【図2】操作入力部の一例を示す図である。
【図3】コントローラの一例を示す図である。
【図4】仮想3次元空間の一例を示す図である。
【図5】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図6】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図7】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図8】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図9】本実施形態の概要を説明するための図である。
【図10】本実施形態に係るゲーム装置の機能ブロック図である。
【図11】選手状態データの一例を示す図である。
【図12】連携度パラメータデータの一例を示す図である。
【図13】ゲーム装置で実行される処理の一例を示すフロー図である。
【図14】待機時間データの一例を示す図である。
【図15】第1変形例において実行される処理の一例を説明するためのフロー図である。
【図16】第1変形例における待機時間データの一例を示す図である。
【図17】第2変形例におけるゲーム装置の機能ブロック図である。
【図18】第2変形例において実行される処理の一例を説明するためのフロー図である。
【図19】第2変形例における基準値データの一例を示す図である。
【図20】第2変形例における待機時間データの一例を示すである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態の例について図面に基づき詳細に説明する。本発明の実施形態に係るゲーム装置は、例えば家庭用ゲーム機(据置型ゲーム機)、携帯ゲーム機、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)又はパーソナルコンピュータ等によって実現される。ここでは、本発明の実施形態に係るゲーム装置を家庭用ゲーム機によって実現する場合について説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置のハードウェア構成を示す。図1に示すゲーム装置10は、家庭用ゲーム機11、モニタ30、スピーカ31、光ディスク32及びメモリカード33を含んで構成される。モニタ30及びスピーカ31は家庭用ゲーム機11に接続される。モニタ30としては例えば家庭用テレビ受像機が用いられ、スピーカ31としては例えば家庭用テレビ受像機に内蔵されたスピーカが用いられる。光ディスク32及びメモリカード33は情報記憶媒体であり、家庭用ゲーム機11に装着される。
【0020】
家庭用ゲーム機11は公知のコンピュータゲームシステムである。家庭用ゲーム機11は、バス12、マイクロプロセッサ13、主記憶14、画像処理部15、音声処理部16、光ディスクドライブ17、メモリカードスロット18、通信インタフェース(I/F)19、コントローラインタフェース(I/F)20、及び操作入力部21を含んで構成される。
【0021】
バス12はアドレス及びデータを家庭用ゲーム機11の各部でやり取りするためのものである。マイクロプロセッサ13は、図示しないROMに格納されるオペレーティングシステムや、光ディスク32から読み出されるプログラムに基づいて、各部の制御処理や各種情報処理を実行する。主記憶14は例えばRAMを含み、光ディスク32又はメモリカード33から読み出されたプログラム及びデータが書き込まれる。主記憶14はマイクロプロセッサ13の作業用としても用いられる。
【0022】
画像処理部15はVRAMを含み、マイクロプロセッサ13から送られる画像データに基づいてVRAM上にゲーム画面を描画し、そのゲーム画面をビデオ信号に変換して所定のタイミングでモニタ30に出力する。音声処理部16はサウンドバッファを含み、光ディスク32からサウンドバッファに読み出された各種音声データ(ゲーム音楽、ゲーム効果音、メッセージ等)をスピーカ31から出力する。
【0023】
光ディスクドライブ17は光ディスク32に記録されたプログラムやデータを読み取る。ここではプログラムやデータを家庭用ゲーム機11に供給するために光ディスク32を用いることとするが、例えばメモリカード33などの他のあらゆる情報記憶媒体を用いるようにしてもよい。また、インターネットなどのデータ通信網を介して遠隔地からプログラムやデータを家庭用ゲーム機11に供給するようにしてもよい。
【0024】
メモリカードスロット18はメモリカード33を装着するためのインタフェースである。メモリカード33は不揮発性メモリ(例えばEEPROMなど)を含み、例えばセーブデータなどの各種ゲームデータを記憶する。通信インタフェース19は、インターネットなどのデータ通信網に通信接続するためのインタフェースである。
【0025】
コントローラインタフェース20は複数のコントローラ22を接続するためのインタフェースである。コントローラインタフェース20としては、例えばBluetoothインタフェース規格に則ったインタフェースを利用できる。
【0026】
操作入力部21はユーザが操作入力を行うためのものである。操作入力部21は、例えば特許3262677号公報に開示される技術を用いて実現されるものであり、モニタ30に表示されるゲーム画面上の位置をユーザが指し示すためのポインティングデバイスとしての機能を備える。操作入力部21は、一又は複数のコントローラ22と、発光部25とを含む。図2は操作入力部21の一例を示し、図3はコントローラ22の一例を示す。
【0027】
図2に示すように、発光部25は複数の光源を含み、モニタ30の上部に配置される。図2に示す例では、発光部25の両端部に光源34a,34bが設けられている。なお、発光部25はモニタ30の下部に配置されるようにしてもよい。
【0028】
図3に示すように、コントローラ22は方向ボタン36、ボタン37a,37b,37cを含む。方向ボタン36は十字形状を有し、一般的に方向指示操作に用いられる。ボタン37a,37b,37cは各種ゲーム操作に用いられる。また図1に示すように、コントローラ22は撮像部23と撮影画像解析部24とを含む。撮像部23は例えばCCDなどの撮像素子であり、コントローラ22の前端部22a(一の側面)に設けられる。撮影画像解析部24は例えばマイクロプロセッサであり、コントローラ22に内蔵される。
【0029】
ユーザがコントローラ22の前端部22aをモニタ30の方に向けると、撮像部23の撮影画像には光源34a,34bが写し出される。撮影画像解析部24は撮影画像に写し出された光源34a,34bの位置を解析し、その解析結果に基づいてコントローラ22の位置及び傾きを取得する。例えば、撮影画像解析部24は、所定の基準位置35に対するコントローラ22の相対位置と、光源34a及び光源34bを結ぶ直線に対するコントローラ22の傾き角度と、を算出する。ゲーム装置10は、基準位置35と、モニタ30に表示されるゲーム画面と、の位置関係に関する情報を記憶しており、この情報と、撮影画像解析部24によって取得されるコントローラ22の位置及び傾きと、に基づいて、コントローラ22の前端部22aが指し示す位置(P)のスクリーン座標値(スクリーン座標系の座標値)を取得する。なお以下では、コントローラ22の前端部22aが指し示す位置(P)のことを「コントローラ22の指示位置」と記載する。
【0030】
コントローラ22からマイクロプロセッサ13に対しては、一定周期ごと(例えば1/60秒ごと)にコントローラ22の操作状態を表す操作信号がコントローラインタフェース20を介して送信される。この操作信号には、例えば、コントローラ22を識別する識別情報と、コントローラ22の各ボタンの押下状態を示す情報と、コントローラ22の指示位置を特定するための情報(撮影画像解析部24によって取得されるコントローラ22の位置及び傾きを示す情報)と、が含まれる。マイクロプロセッサ13は、各コントローラ22から供給される操作信号に基づいて、そのコントローラ22の指示位置を特定したり、そのコントローラ22において方向ボタン36、ボタン37a,37b,37cが押下されたか否かを判定する。
【0031】
ゲーム装置10では、例えば、ユーザによって操作される操作対象チームと、対戦相手チームと、の間のサッカーの試合を模したサッカーゲームが実行される。このサッカーゲームは、光ディスク32から読み出されたプログラムが実行されることによって実現される。以下では、操作対象チームは一人のユーザによって操作され、対戦相手チームはコンピュータによって操作されることとして説明する。なお、対戦相手チームは他のユーザによって操作されるようにしてもよい。
【0032】
サッカーゲームを実現するために、仮想3次元空間(ゲーム空間)が主記憶14に構築される。図4は仮想3次元空間の一例を示す。図4に示すように、仮想3次元空間40には、サッカーのフィールドを表すオブジェクトであるフィールド42が配置される。フィールド42上には、サッカーのゴールを表すオブジェクトであるゴール44と、操作対象チームに所属するサッカー選手を表すオブジェクトである選手キャラクタ46と、対戦相手チームに所属するサッカー選手を表すオブジェクトである選手キャラクタ48と、サッカーボールを表すオブジェクトであるボール50と、が配置される。なお、図4では省略されているが、フィールド42上には、操作対象チームに所属する11体の選手キャラクタ46と、対戦相手チームに所属する11体の選手キャラクタ48と、が配置される。
【0033】
ゴール44の一方は操作対象チームに関連づけられ、他方は対戦相手チームに関連づけられる。一方のチームに関連づけられたゴール44内にボール50が移動すると、他方のチームの得点イベントが発生する。
【0034】
選手キャラクタ46,48とボール50とが近づくと、所定条件の下、その選手キャラクタ46,48とボール50とが関連づけられる。この場合、選手キャラクタ46,48の移動動作はドリブル動作になる。以下では、選手キャラクタ46,48とボール50とが関連づけられた状態のことを「選手キャラクタ46,48がボール50を保持している」というように記載する。
【0035】
また、仮想3次元空間40には仮想カメラ52(視点)が設定される。仮想3次元空間40を仮想カメラ52から見た様子を表すゲーム画面がモニタ30に表示される。例えば、ボール50が常にゲーム画面に表示されるように、仮想カメラ52は例えばボール50の移動に基づいて仮想3次元空間40内を移動する。
【0036】
図5はゲーム画面の一例を示す。図5に示すように、ゲーム画面60には、仮想3次元空間40を仮想カメラ52から見た様子を表す画像が表示される。またゲーム画面60には、ユーザのコントローラ22の指示位置を示すカーソル62が表示される。図5ではカーソル62の形状が円形状になっているが、円形以外の形状であってもよい。なお図5に示すゲーム画面60では、操作対象チームに所属する選手キャラクタ46a,46bと、対戦相手チームに所属する選手キャラクタ48aと、が表示されており、選手キャラクタ46bがボール50を保持している。
【0037】
11体の選手キャラクタ46及び11体の選手キャラクタ48は基本的にコンピュータによって制御され、自律的に行動する。ただし、ユーザは操作対象チームに所属する選手キャラクタ46に対して各種行動指示を与えることができる。ユーザは、例えば移動方向やキック方向などを指示を、操作対象チームに所属する選手キャラクタ46に与えることができる。
【0038】
例えば図5に示すような状態において、ユーザは、選手キャラクタ46aと、ボール50を保持している選手キャラクタ46bと、が連携して行動するように操作することができる。以下、このような操作の一例について説明する。ここでは具体的な例として、所望の位置(例えばフリースペース)への移動を選手キャラクタ46aに開始させた後、選手キャラクタ46aへのパスを選手キャラクタ46bに行わせる場合の操作について説明する。
【0039】
まず、ユーザは選手キャラクタ46aを選択する。つまり、ユーザは選手キャラクタ46aをコントローラ22の前端部22aで指し示し、選手キャラクタ46aまでカーソル62を移動させる。そして、ユーザは選択ボタン(例えばボタン37b)を押す。この場合のゲーム画面60の一例を図6に示す。
【0040】
その後、ユーザは移動目標位置設定ボタン(例えばボタン37c)を押しながらカーソル62を選手キャラクタ46aから所望の移動目標位置まで移動させる。この場合のゲーム画面60の一例を図7に示す。図7に示すように、この場合のゲーム画面60には、選手キャラクタ46aからカーソル62への矢印64が表示される。この状態でユーザが設定ボタンの押下を解除すると、その時点のカーソル62の位置(カーソル62の表示位置に対応する仮想3次元空間40内の位置)が選手キャラクタ46aの移動目標位置として設定される。移動目標位置が設定された選手キャラクタ46aは移動目標位置に向けて移動を開始する。
【0041】
その後、ユーザは選手キャラクタ46aが移動目標位置まで移動したタイミングを見計らって、選手キャラクタ46aへのパスを選手キャラクタ46bに指示する。具体的には、ユーザは選手キャラクタ46aをコントローラ22の前端部22aで指し示すことによって、選手キャラクタ46aまでカーソル62を移動させる。そしてユーザはパスボタン(例えばボタン37a)を押下すると、選手キャラクタ46bから選手キャラクタ46aに向かってボール50が移動を開始する。この場合のゲーム画面60の一例を図8に示す。
【0042】
以上のようにして、ユーザは選手キャラクタ46a,46bが連携して行動するように操作することができる。
【0043】
以下、ゲーム装置10において、選手キャラクタ46同士の関係(例えば連携度又は相性など)によってそれらの選手キャラクタ46の連携動作(連携プレー)が円滑に行われたり、行われなかったりすることをユーザに実感させるための技術について説明する。
【0044】
図9は上記技術の概要を説明するための図である。ここでは具体的な例として、選手キャラクタ46a,46bの関係(例えば連携度又は相性など)によって、図5〜図8を用いて説明した選手キャラクタ46a,46bの連携動作(連携プレー)が円滑に行われたり、行われなかったりすることをユーザが実感できるように図る場合について説明する。なお、図9におけるT軸は時間軸を示している。また図9において「選手キャラクタA」は選手キャラクタ46aに対応しており、「選手キャラクタB」は選手キャラクタ46bに対応している。
【0045】
図9に示すように、選手キャラクタAへの移動指示が行われた場合、待機時間(wt)が経過するまで、ユーザが指定した移動目標位置への移動を選手キャラクタAは開始しないようになっている。この場合、待機時間(wt)は選手キャラクタA,Bの関係(例えば連携度又は相性など)によって決定される。例えば、選手キャラクタA,Bの間の連携度が比較的低い場合には待機時間(wt)が比較的長く設定される。この場合、待機時間(wt)が長くなることによって、ユーザが指定した移動目標位置への移動を選手キャラクタAが開始するタイミングも遅れる。このように、選手キャラクタAの移動開始タイミングが遅れることによって、両選手キャラクタA,Bの連携動作(連携プレー)が円滑に行われていないことをユーザに実感させることが可能になる。
【0046】
なお、選手キャラクタA,Bの間の連携度が非常に低い場合には、ユーザが指定した移動目標位置への移動を選手キャラクタAは実行しなくなる。このように選手キャラクタAの移動を実行させないことによって、両選手キャラクタA,Bの連携が非常に悪いことをユーザに実感させることが可能になる。
【0047】
また、選手キャラクタA,Bの間の連携度が非常に高い場合には待機時間(wt)が非常に短い時間(例えば0)に設定される。この場合、ユーザが指定した移動目標位置への移動を選手キャラクタAは速やかに開始するようになり、両選手キャラクタA,Bの連携動作(連携プレー)が非常に円滑に行われていることをユーザに実感させることが可能になる。
【0048】
図10は、ゲーム装置10で実現される機能のうち、本発明に関連するものを主として示す機能ブロック図である。図10に示すように、ゲーム装置10はゲームデータ記憶部70、行動指示受付部76、行動制御部78、及び制限部80を含む。例えば、ゲームデータ記憶部70は主記憶14及び光ディスク32によって実現され、他の機能ブロックは、マイクロプロセッサ13がプログラムを実行することによって実現される。
【0049】
ゲームデータ記憶部70はサッカーゲームを実現するために必要なゲームデータを記憶する。ゲームデータ記憶部70はゲーム状況データ記憶部72及びパラメータ記憶部74を含む。
【0050】
ゲーム状況データ記憶部72はサッカーゲームの現在の状況を示すゲーム状況データを記憶する。例えば、下記に示すようなデータがゲーム状況データに含まれる。
(1)カーソル62の現在の位置を示すデータ
(2)各選手キャラクタ46,48の現在の状態を示すデータ
(3)ボール50の現在の状態(位置、移動方向及び移動速度など)を示すデータ
(4)仮想カメラ52の現在の状態(位置及び視線方向など)を示すデータ
(5)両チームの得点を示すデータ
(6)経過時間を示すデータ
【0051】
図11は選手キャラクタ46,48の現在の状態を示す選手状態データの一例を示す。図11に示す選手状態データは、「選手ID」、「位置」、「姿勢」、「移動方向」、及び「ボール保持フラグ」フィールドなどを含んでいる。
【0052】
「選手ID」フィールドは選手キャラクタ46,48を一意に識別する情報を示す。図11において、「P101」〜「P111」は操作対象チームに所属する選手キャラクタ46の選手IDであり、「P201」〜「P211」は対戦相手チームに所属する選手キャラクタ48の選手IDである。「位置」フィールドは選手キャラクタ46,48の現在の位置を示し、「姿勢」フィールドは選手キャラクタ46,48の現在の姿勢を示す。「移動方向」フィールドは、選手キャラクタ46,48の現在の移動方向を示す。「ボール保持フラグ」フィールドは、選手キャラクタ46,48がボール50を保持しているか否かを示し、0又は1の値をとる。値「0」は、現在、選手キャラクタ46,48がボール50を保持していないことを示し、値「1」は、現在、選手キャラクタ46,48がボール50を保持していることを示す。
【0053】
パラメータ記憶部74は選手キャラクタ46,48に関する各種パラメータを記憶する。特に、パラメータ記憶部74は、操作対象チームに所属する2体の選手キャラクタ46の組合せに対応づけて、それらの選手キャラクタ46の関係(例えば連携度又は相性等)に関するパラメータを記憶する。
【0054】
図12はパラメータ記憶部74に記憶される連携度パラメータデータの一例を示す。図12に示す連携度パラメータデータは「選手キャラクタの組合せ」及び「連携度パラメータ」フィールドを含む。「選手キャラクタの組合せ」フィールドは、操作対象チームに所属する2体の選手キャラクタ46の選手IDの組合せを示す。「連携度パラメータ」フィールドには連携度パラメータが記憶される。連携度パラメータは2体の選手キャラクタ46の連携度の高さを示す。具体的には、連携度パラメータは0〜100の数値をとり、連携度パラメータの値が高い程、2体の選手キャラクタ46の連携度が高いことを示す。
【0055】
行動指示受付部76は選手キャラクタ46への行動指示を受け付ける。例えば、移動指示(移動目標位置又は移動目標方向の指示)、パス指示(パス目標位置又はパス目標方向の指示)、又はシュート指示などが受け付けられる。
【0056】
行動制御部78は、操作対象チームに属する第1の選手キャラクタ46への行動指示が受け付けられた場合、該行動指示に対応する行動を該第1の選手キャラクタ46に実行させる。例えば、第1の選手キャラクタ46への移動指示が受け付けられた場合、該移動指示に従って該第1の選手キャラクタ46を移動させる。
【0057】
制限部80は、第1の選手キャラクタ46の行動の実行を、第1の選手キャラクタ46と、基準選手キャラクタである第2の選手キャラクタ46と、の組合せに対応づけてパラメータ記憶部74に記憶されるパラメータに基づいて制限する。「基準選手キャラクタ」とは、例えば、操作対象チームに所属する選手キャラクタ46のうちの、ボール50を保持している選手キャラクタ46である。この場合、「基準選手キャラクタ」は、操作対象チームに所属する選手キャラクタ46のうちで切り替わることになる。なお、「基準選手キャラクタ」とは、操作対象チームに所属する選手キャラクタ46のうちから予め選択された選手キャラクタ46であってもよい。
【0058】
例えば、制限部80は、ユーザが指示した行動を第1の選手キャラクタ46が実行することを、第1の選手キャラクタ46と第2の選手キャラクタ46との組合せに対応する連携度パラメータの値に基づいて抑止する。つまり、「行動の実行を制限する」とは「行動の実行を抑止する」ことが含まれる。例えば、第1の選手キャラクタ46と第2の選手キャラクタ46との組合せに対応する連携度パラメータの値が非常に低い場合には、ユーザが指示した行動を第1の選手キャラクタ46が実行することが抑止される。
【0059】
また例えば、制限部80は、ユーザが指示した行動を第1の選手キャラクタ46が実行開始することを、第1の選手キャラクタ46と第2の選手キャラクタ46との組合せに対応する連携度パラメータの値に基づいて待機させる。つまり、「行動の実行を制限する」とは「行動を直ちに開始させずに待機させる」ことが含まれる。
【0060】
制限部80は、ユーザが指示した行動を第1の選手キャラクタ46が実行開始することを、基準タイミングから待機時間が経過するまで待機させ、基準タイミングから待機時間が経過した場合に待機を解除する。「基準タイミング」とは、例えば、第1の選手キャラクタ46への行動指示が受け付けられたタイミングに基づくタイミングであり、具体的には、第1の選手キャラクタ46への行動指示が受け付けられたタイミング自体である。
【0061】
また制限部80は、第1の選手キャラクタ46と第2の選手キャラクタ46との組合せに対応する連携度パラメータの値に基づいて待機時間の長さを制御する。例えば、第1の選手キャラクタ46と第2の選手キャラクタ46との組合せに対応する連携度パラメータの値が比較的低い場合に待機時間が比較的長くなるように制御される。
【0062】
ここで、行動制御部78及び制限部80を実現するための処理について説明する。ここでは具体的な例として、例えば図5に示すように選手キャラクタ46bがボール50を保持している状態で、ユーザが選手キャラクタ46aの移動目標位置を指定した場合に実行される処理について説明する。図13は本処理を示すフロー図である。マイクロプロセッサ13は光ディスク32から読み出されたプログラムに従って、図13に示す処理を実行する。なお図13において、「選手キャラクタA」は、ユーザによって移動目標位置が指定された選手キャラクタ46aに対応し、「選手キャラクタB」は、ボール50を保持している選手キャラクタ46bに対応する。以下の説明においても、選手キャラクタ46aを「選手キャラクタA」と記載し、選手キャラクタ46bを「選手キャラクタB」と記載する。また、この場合、選手キャラクタAが上記の「第1の選手キャラクタ46」に対応し、選手キャラクタBが上記の「第2の選手キャラクタ46」に対応する。
【0063】
図13に示すように、まずマイクロプロセッサ13(制限部80)は選手キャラクタA,Bの組合せに対応する連携度パラメータ(p)を取得する(S101)。すなわち、選手キャラクタA,Bの組合せに対応する連携度パラメータ(p)が連携度パラメータデータ(図12参照)から読み出される。
【0064】
その後、マイクロプロセッサ13(制限部80)は、S101で取得した連携度パラメータ(p)の値が所定値(30)未満であるか否かを判定する(S102)。連携度パラメータ(p)の値が所定値未満である場合、本処理は終了する。この場合、ユーザが指定した移動目標位置への移動を選手キャラクタAは実行しない。このように、選手キャラクタA,Bの組合せに対応する連携度パラメータ(p)の値が非常に低い場合には、ユーザが指定した移動目標位置への移動を選手キャラクタAは実行しない。その結果、選手キャラクタA,Bの連携が非常に悪いことをユーザに実感させることが可能になる。
【0065】
一方、連携度パラメータ(p)の値が所定値以上である場合、マイクロプロセッサ13(制限部80)は連携度パラメータ(p)の値に対応する待機時間(wt)を取得する(S103)。
【0066】
このステップでは、連携度パラメータ(p)と待機時間(wt)とを対応づけてなる待機時間データが光ディスク32から読み出される。図14は待機時間データの一例を示す。図14に示す待機時間データはテーブル形式のデータとなっており、この待機時間データでは、連携度パラメータ(p)の値範囲「30≦p<60」に対応する待機時間(wt)として「T1」が設定されており、値範囲「60≦p<80」に対応する待機時間(wt)として「T2」が設定されている。また、「T1」,「T2」は「T1>T2」の関係を有している。すなわち、図14に示す待機時間データでは、連携度パラメータ(p)の値が比較的低い場合には連携度パラメータ(p)の値が比較的高い場合に比べて待機時間(wt)が長くなるように設定されている。さらに、図14に示す待機時間データでは、値範囲「80≦p」に対応する待機時間(wt)として「0」が対応づけられている。すなわち、図14に示す待機時間データでは、連携度パラメータ(p)の値が非常に高い場合に待機時間(wt)が0になるように設定されている。
【0067】
なお、待機時間データは数式形式のデータであってもよい。すなわち、待機時間データは、連携度パラメータ(p)の値を代入することによって待機時間(wt)が算出されるような数式形式のデータであってもよい。また、待機時間データはプログラムの一部として保持されるようにしてもよい。
【0068】
待機時間(wt)が取得された後、マイクロプロセッサ13(制限部80)は基準タイミングから待機時間(wt)が経過したか否かを監視する(S104)。そして、待機時間(wt)が経過した場合、マイクロプロセッサ13(行動制御部78)は、ユーザが指定した移動目標位置への移動を選手キャラクタAに開始させる(S105)。この場合、選手キャラクタAの「移動方向」フィールドが、選手キャラクタAの現在位置から移動目標位置への方向に更新される。以降、選手キャラクタAはユーザが指定した移動目標位置に向けて移動するようになる。
【0069】
上記のような処理が実行されることによって、選手キャラクタA,Bの組合せに対応する連携度パラメータ(p)の値が「30≦p<60」又は「60≦p<80」を満たす場合、連携度パラメータの値(p)の値が属する値範囲に応じて、ユーザが指定した移動目標位置への選手キャラクタAの移動が待機され、選手キャラクタAが移動目標位置への移動を開始するのが遅れる。その結果として、選手キャラクタA,Bの連携動作(連携プレー)が円滑に行われ難いことをユーザに実感させることが可能になる。
【0070】
また、選手キャラクタA,Bの組合せに対応する連携度パラメータ(p)の値が「80≦p」を満たす場合、すなわち、連携度パラメータ(p)の値が非常に高い場合には、待機時間(wt)が0に設定される。このため、ユーザが指定した移動目標位置への選手キャラクタAの移動が待機されず、選手キャラクタAが移動目標位置への移動を速やかに開始するようになる。その結果として、選手キャラクタA,Bの連携動作(連携プレー)が円滑に行われることをユーザに実感させることが可能になる。
【0071】
以上説明したように、ゲーム装置10によれば、選手キャラクタA,B同士の関係(例えば連携度又は相性など)によって選手キャラクタA,Bの連携動作(連携プレー)が円滑に行われたり、行われなかったりすることをユーザに実感させることが可能になる。
【0072】
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。
【0073】
[第1変形例]
第1変形例は、制限部80が、第1の選手キャラクタ46の行動の実行を、第1の選手キャラクタ46と第2の選手キャラクタ46との組合せに対応する連携度パラメータと、第1の選手キャラクタ46と第2の選手キャラクタ46との間の距離と、に基づいて制限する点に特徴がある。
【0074】
第1変形例では、例えば図15に示す処理が図13のS103の処理の代わりに実行される。すなわち、選手キャラクタA,Bの組合せに対応する連携度パラメータ(p)の値が所定値(30)以上である場合(S102:N)、マイクロプロセッサ13(制限部80)は選手キャラクタA,Bの間の距離(d)を取得する(S201)。そして、マイクロプロセッサ13は連携度パラメータ(p)の値と距離(d)との組合せに対応する待機時間(wt)を取得する(S202)。
【0075】
このステップでは、連携度パラメータ(p)と距離(d)との組合せに待機時間(wt)を対応づけてなる待機時間データが光ディスク32から読み出される。第1変形例における待機時間データの一例を図16に示す。図16に示す待機時間データでは、連携度パラメータ(p)が「30≦p<80」である場合において、距離(d)が比較的長い場合には距離(d)が比較的低い場合に比べて待機時間(wt)が長くなるように設定されている。
【0076】
待機時間(wt)が取得された後、基準タイミングから待機時間(wt)が経過したか否かが監視され(S104)、待機時間(wt)が経過した場合、ユーザが指定した移動目標位置への移動を選手キャラクタAが開始する(S105)。
【0077】
第1変形例によれば、選手キャラクタA,Bの間の距離(d)に基づいて待機時間(wt)が変化するようになる。例えば、距離(d)が比較的長いと待機時間(wt)も比較的長くなり、距離(d)が比較的短いと待機時間(wt)も比較的短くなる。第1変形例によれば、選手キャラクタA,Bの距離(d)によって選手キャラクタA,Bの間の意思疎通が円滑に行われたり、行われなかったりし、その結果として、選手キャラクタA,Bの連携動作(連携プレー)が円滑に行われたり、行われなかったりすることをユーザに実感させることが可能になる。例えば、選手キャラクタA,Bの距離(d)が比較的長い場合には選手キャラクタA,Bの間の意思疎通が円滑に行われ難くなり、その結果として、選手キャラクタA,Bの連携動作(連携プレー)が円滑に行われ難くなることをユーザに実感させることが可能になる。
【0078】
[第2変形例]
第2変形例は、制限部80が、第1の選手キャラクタ46の行動の実行を、第1の選手キャラクタ46と第2の選手キャラクタ46との組合せに対応する連携度パラメータと、第1の選手キャラクタ46に対して指示された行動の目標位置又は目標方向に関する評価と、に基づいて制限する点に特徴がある。
【0079】
図17は第2変形例における機能ブロックを示している。図17に示すように第2変形例における制限部80は目標位置/方向評価部82を含む。
【0080】
目標位置/方向評価部82は、ユーザが第1の選手キャラクタ46に指示した行動の目標位置又は目標方向を評価する。例えば、目標位置/方向評価部82は、ユーザが第1の選手キャラクタ46に指示した移動目標位置又は移動目標方向を評価する。例えば、移動目標位置が、ボール50を保持している第2の選手キャラクタ46からのパスを受けるのに好適な位置であるか否かが評価される。詳細については後述する(図18のS301参照)。
【0081】
第2変形例では、例えば図18に示す処理が図13のS102〜S104の処理の代わりに実行される。
【0082】
図18に示すように、選手キャラクタA,Bの組合せに対応する連携度パラメータ(p)の値が取得された後、マイクロプロセッサ13(目標位置/方向評価部82)はユーザが指定した移動目標位置を評価する(S301)。
【0083】
例えば、移動目標位置を評価するための複数の評価基準が光ディスク32から読み出され、ユーザが指定した移動目標位置がそれらの複数の評価基準を満足するか否かが判定される。複数の評価基準としては例えば下記のような基準がある。
(1)移動目標位置がいわゆるフリースペース内の位置であるか。
(2)移動目標位置が対戦相手チームのゴール44前の位置であるか。
【0084】
なお、ユーザが指定した移動目標位置からの距離が所定距離以内の範囲に選手キャラクタ46,48が存在しない場合、ユーザが指定した移動目標位置がフリースペース内の位置であると判定される。また、ユーザが指定した移動目標位置が、対戦相手チームのゴール44前の所定領域内である場合、ユーザが指定した移動目標位置が戦相手チームのゴール44前の位置であると判定される。
【0085】
そして、上記の判定結果に基づいて移動目標位置の評価結果が決定される。例えば、移動目標位置が満足した評価基準の数に基づいて移動目標位置の評価結果が決定される。具体的には、移動目標位置が2つの評価基準をすべて満足する場合、評価結果は最も高い評価「A」になる。移動目標位置が1つの評価基準を満足する場合、評価結果は2番目に高い評価「B」になる。移動目標位置がいずれの評価基準も満足しない場合、評価結果は最も低い評価「C」になる。
【0086】
ユーザが指定した移動目標位置の評価結果が取得された後、マイクロプロセッサ13(制限部80)は、ユーザが指定した移動目標位置の評価結果に対応する基準値(k)を取得する(S302)。このステップでは、移動目標位置の評価結果と基準値(k)とを対応づけてなる基準値データが光ディスク32から読み出される。図19は基準値データの一例を示す。図19に示す基準値データはテーブル形式のデータとなっており、この基準値データは、移動目標位置の評価結果が比較的高い場合には移動目標位置の評価結果が比較的低い場合に比べて基準値(k)が高くなるように設定されている。なお、基準値データは数式形式のデータであってもよいし、プログラムの一部として保持されるようにしてもよい。
【0087】
基準値(k)が取得された後、マイクロプロセッサ13(制限部80)は、選手キャラクタA,Bの組合せに対応する連携度パラメータ(p)の値が、S302で取得された基準値(k)未満であるか否かを判定する(S303)。なお、このステップでは、ユーザが指定した移動目標位置の評価結果に対応する基準値(k)を、選手キャラクタA,Bの組合せに対応する連携度パラメータ(p)の値が満足するか否かが判定される。このため、このステップでは、ユーザが指定した移動目標位置の評価結果に対応するパラメータ条件を、選手キャラクタA,Bの組合せに対応する連携度パラメータ(p)の値が満足するか否かが判定されているということができる。
【0088】
選手キャラクタA,Bの組合せに対応する連携度パラメータ(p)の値が基準値(k)未満である場合、本処理は終了する。この場合、ユーザが指定した移動目標位置への移動を選手キャラクタAは実行しない。上述のように、移動目標位置の評価結果が高い場合には移動目標位置の評価結果が低い場合に比べて基準値(k)が大きくなる(図19参照)。例えば、移動目標位置の評価結果が「C」である場合の基準値(k)は「30」となり、選手キャラクタA,Bの組合せに対応する連携度パラメータ(p)の値が「p<30」である場合には、ユーザが指定した移動目標位置への選手キャラクタAの移動が抑止される。これに対し、移動目標位置の評価結果が「A」である場合の基準値(k)は、「30」よりも大きい値である「50」となり、選手キャラクタA,Bの組合せに対応する連携度パラメータ(p)の値が「p<50」である場合に、ユーザが指定した移動目標位置への選手キャラクタAの移動が抑止される。このように、第2変形例では、移動目標位置の評価結果が高い程、選手キャラクタA,Bの組合せに対応する連携度パラメータ(p)の値として、より高い値が要求されるようになっている。すなわち、移動目標位置が操作対象チームにとって有利な位置(例えばフリースペース内の位置、対戦相手チームのゴール44前の位置)である場合には、選手キャラクタA,Bの連携度もある程度高くなければ、そのような移動目標位置に向けて選手キャラクタAが移動しないようになっている。
【0089】
一方、選手キャラクタA,Bの組合せに対応する連携度パラメータ(p)の値が基準値(k)以上である場合、マイクロプロセッサ13(制限部80)は連携度パラメータ(p)の値と、移動目標位置の評価結果と、の組合せに対応する待機時間(wt)を取得する(S304)。
【0090】
このステップでは、連携度パラメータ(p)と、移動目標位置の評価結果と、の組合せに待機時間(wt)を対応づけてなる待機時間データが光ディスク32から読み出される。第2変形例における待機時間データの一例を図20に示す。図20に示す待機時間データでは、移動目標位置の評価結果が比較的高い場合には評価結果が比較的低い場合に比べて待機時間(wt)が長くなるように設定されている。また、移動目標位置の評価結果が同じ場合には、連携度パラメータ(p)の値が比較的低い場合に連携度パラメータ(p)の値が比較的高い場合に比べて待機時間(wt)が長くなるように設定されている。
【0091】
待機時間(wt)が取得された後、基準タイミングから待機時間(wt)が経過したか否かが監視され(S104)、待機時間(wt)が経過した場合、ユーザが指定した移動目標位置への移動を選手キャラクタAが開始する(S105)。
【0092】
第2変形例によれば、選手キャラクタA,B同士の関係(例えば連携度又は相性など)と、選手キャラクタAの行動の目標位置(又は目標方向)の評価結果と、を考慮しつつ、選手キャラクタA,Bの連携動作(連携プレー)が円滑に行われたり、行われなかったりすることをユーザに実感させることが可能になる。
【0093】
[その他の変形例]
ゲーム装置10で実行されるゲームは、2つの座標要素によって構成される2次元ゲーム空間をゲーム画面に表示するゲームであってもよい。
【0094】
また、ゲーム装置10で実行されるゲームはサッカーゲーム以外のスポーツゲームであってもよい。例えば、ボール(移動物体)を用いて行われるバスケットボール、アメリカンフットボールのゲームや、パック(移動物体)を用いて行われるアイスホッケーのゲームにも本発明は適用することができる。また、本発明は野球ゲームにも適用することもできる。さらに、本発明はスポーツゲーム以外のゲーム(アクションゲームなど)にも適用することができる。
【符号の説明】
【0095】
10 ゲーム装置、11 家庭用ゲーム機、12 バス、13 マイクロプロセッサ、14 主記憶、15 画像処理部、16 音声処理部、17 光ディスクドライブ、18 メモリカードスロット、19 通信インタフェース、20 コントローラインタフェース、21 操作入力部、22 コントローラ、22a 前端部、23 撮像部、24 撮影画像解析部、25 発光部、30 モニタ、31 スピーカ、32 光ディスク、33 メモリカード、34a,34b 光源、35 基準位置、36 方向ボタン、37a,37b,37c ボタン、40 仮想3次元空間、42 フィールド、44 ゴール、46,46a,46b,48,48a 選手キャラクタ、50 ボール、52 仮想カメラ、60 ゲーム画面、62 カーソル、64 矢印、70 ゲームデータ記憶部、72 ゲーム状況データ記憶部、74 パラメータ記憶部、76 行動指示受付部、78 行動制御部、80 制限部、82 目標位置/方向評価部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームキャラクタの組合せに対応づけてパラメータを記憶してなるパラメータ記憶手段の記憶内容を取得する手段と、
第1のゲームキャラクタへの行動指示を受け付ける行動指示受付手段と、
前記第1のゲームキャラクタへの前記行動指示が受け付けられた場合、該行動指示に対応する行動を前記第1のゲームキャラクタに実行させる行動制御手段と、
前記第1のゲームキャラクタの前記行動の実行を、前記第1のゲームキャラクタと、基準ゲームキャラクタである第2のゲームキャラクタと、の組合せに対応づけて記憶される前記パラメータに基づいて制限する制限手段と、
を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置において、
前記制限手段は、前記第1のゲームキャラクタの前記行動の実行開始を、前記第1のゲームキャラクタと前記第2のゲームキャラクタとの組合せに対応づけて記憶される前記パラメータに基づいて待機させる待機手段を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項2に記載のゲーム装置において、
前記待機手段は、前記第1のゲームキャラクタの前記行動の実行開始の待機時間を、前記第1のゲームキャラクタと前記第2のゲームキャラクタとの組合せに対応づけて記憶される前記パラメータに基づいて制御する手段を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記制限手段は、前記第1のゲームキャラクタの前記行動の実行を、前記第1のゲームキャラクタと前記第2のゲームキャラクタとの組合せに対応づけて記憶される前記パラメータに基づいて抑止する手段を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記制限手段は、前記第1のゲームキャラクタの前記行動の実行を、前記第1のゲームキャラクタと前記第2のゲームキャラクタとの組合せに対応づけて記憶される前記パラメータと、前記第1のゲームキャラクタと前記第2のゲームキャラクタとの間の距離と、に基づいて制限することを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記行動指示受付手段は、前記第1のゲームキャラクタの行動の目標位置又は目標方向に関する指示を受け付け、
前記制限手段は、前記目標位置又は前記目標方向を評価する目標位置/方向評価手段を含み、前記第1のゲームキャラクタの前記行動の実行を、前記第1のゲームキャラクタと前記第2のゲームキャラクタとの組合せに対応づけて記憶される前記パラメータと、前記評価手段の評価結果と、に基づいて制限する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項7】
ゲームキャラクタの組合せに対応づけてパラメータを記憶してなるパラメータ記憶手段の記憶内容を取得するステップと、
第1のゲームキャラクタへの行動指示を受け付ける行動指示受付ステップと、
前記第1のゲームキャラクタへの前記行動指示が受け付けられた場合、該行動指示に対応する行動を前記第1のゲームキャラクタに実行させる行動制御ステップと、
前記第1のゲームキャラクタの前記行動の実行を、前記第1のゲームキャラクタと、基準ゲームキャラクタである第2のゲームキャラクタと、の組合せに対応づけて記憶される前記パラメータに基づいて制限する制限ステップと、
を含むことを特徴とするゲーム装置の制御方法。
【請求項8】
ゲームキャラクタの組合せに対応づけてパラメータを記憶してなるパラメータ記憶手段の記憶内容を取得する手段、
第1のゲームキャラクタへの行動指示を受け付ける行動指示受付手段、
前記第1のゲームキャラクタへの前記行動指示が受け付けられた場合、該行動指示に対応する行動を前記第1のゲームキャラクタに実行させる行動制御手段、及び、
前記第1のゲームキャラクタの前記行動の実行を、前記第1のゲームキャラクタと、基準ゲームキャラクタである第2のゲームキャラクタと、の組合せに対応づけて記憶される前記パラメータに基づいて制限する制限手段、
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−162115(P2010−162115A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−5727(P2009−5727)
【出願日】平成21年1月14日(2009.1.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】