説明

ゲーム装置、動作方法、ならびに、プログラム

【課題】プレイヤがゲームのプレイに熱中し過ぎるのを防止するのに好適なゲーム装置、動作方法、ならびに、プログラムを提供する。
【解決手段】表示部202は、所定の大きさの図形を短い時間間隔で表示する。更新部204は、次の図形が表示されるまでに受付部203により受け付けられたプレイヤの操作指示が、表示された図形の示す方向に対応づけられる操作指示に一致すると、操作指示が成功したと判定し、記憶部201に記憶される統計情報の示す成功率を更新する。警告部206は、取得部205により取得された成功率の変化が大きく増加した場合、プレイヤが画面に近づき過ぎていると推定し、成功率の変化が大きく減少した場合、プレイヤが疲労していると推定する。警告部206は推定結果を警告する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
プレイヤがゲームのプレイに熱中し過ぎるのを防止するのに好適なゲーム装置、動作方法、ならびに、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プレイヤがゲームに熱中し過ぎて長時間プレイすることにより、健康状態などを害してしまうような状況を防止するための技術が提案されている。例えば、特許文献1に開示されるゲームでは、規定回数の遊技を行った遊技者に所定の長さの遊技抑制画像を見せることで、遊技者、つまりプレイヤ、の意識を遊技から切り離し、遊技をやめるようにプレイヤを導く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−282418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1は、プレイヤのプレイ回数によって、遊技抑制画像の表示の有無を決定しているに過ぎない。プレイヤがゲームに熱中するあまり、ゲーム画面に近づき過ぎていることや、疲労してきていることを警告する技術が望まれている。
【0005】
本発明は以上のような課題を解決するためのものであり、プレイヤがゲームのプレイに熱中し過ぎるのを防止するのに好適なゲーム装置、動作方法、ならびに、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るゲーム装置は、記憶部と、表示部と、受付部と、更新部と、取得部と、警告部と、を備える。
【0007】
まず、記憶部には、プレイヤの操作指示が成功したか否かを表す統計情報が記憶され、表示部は、複数の種類の図形のいずれかを画面内に所定時間長だけ表示し、受付部は、表示された図形に対するプレイヤの操作指示を受け付け、そして、更新部は、表示された図形の種類に対応付けられる操作指示と、当該図形に対して受け付けられた操作指示と、が一致したか否かにより、記憶部に記憶される統計情報を更新する。
【0008】
ここで、表示部の表示する複数の種類の図形は、例えば、視力検査に用いる所定の大きさのランドルト環を想定している。ランドルト環は、環の上下左右のいずれかの方向が開いており、開いている方向をランドルト環の示す向きとする。表示部は、例えば、異なる大きさのランドルト環を1つずつ、画面内のいずれかの場所に比較的短い所定時間長ずつ、順次向きを変えて表示する。プレイヤは、1つの図形が表示されてから、次の図形が表示されるまでの間に、表示されたランドルト環の向きを示す操作指示を入力する。受付部は、1つの図形が表示されてから、次の図形が表示されるまでの間に、プレイヤにより入力された最初の操作指示を受け付ける。
【0009】
なお、プレイヤが、図形の向きに対応付けられる操作指示を正しく入力した場合、操作指示は成功したものとして判定される。そうでなければ、失敗したものとして判定される。記憶部は、時間経過に対するプレイヤの操作指示が成功した割合(以下、成功率と呼ぶ)を示す統計情報を記憶し、この統計情報は、更新部によって、更新される。
【0010】
複数の種類の図形は、向きを示す図形以外にも、例えば、所定の大きさの異なるアイテムであってもよい。アイテムとは、例えば、コインや武器、果物などである。この場合についても同様に、プレイヤは、1つの図形が表示されてから、次の図形が表示されるまでの間に、表示されたアイテムに対応付けられる操作指示を入力する。そして、プレイヤの操作指示が、アイテムに対応付けられる操作指示と一致するか否かで、成功/失敗が判定される。
【0011】
また、取得部は、記憶される統計情報に基づいて、プレイヤの操作指示の成功率の変化を取得し、警告部は、取得された成功率の変化が所定の範囲に含まれない場合、プレイヤに警告する。
【0012】
即ち、取得部は、プレイヤによる操作指示の成功率が上がっているのか、下がっているのか、或いは変化していないのか、についての情報を取得する。成功率が著しく良くなった場合、即ち、所定の範囲の上限を超えた場合、プレイヤがゲーム装置の画面に近づき過ぎていると考えられる。また、著しく成功率が悪くなった場合、即ち、所定の範囲の下限を下回った場合、プレイヤが疲労していると考えられる。よって、成功率が所定の範囲外となった場合、警告部はプレイヤに警告する。
【0013】
なお、表示する図形が大き過ぎると、プレイヤが画面に近づいても、疲労しても、操作指示の成功率は高いまま変わらないと考えられる。一方、図形が小さ過ぎると、プレイヤが画面に近づいても、疲労しても、操作指示の成功率は低いまま変化しないと想定される。したがって、図形は、プレイヤが画面に近づいたり、疲労したりすることにより、操作指示の成功率に顕著な変化を示す大きさのものが好ましい。
【0014】
このように、本発明の第1の観点に係るゲーム装置によれば、プレイヤがゲームに熱中するあまり、疲労したことや、画面に近づき過ぎたことを統計情報の変化に基づいて推定・警告して、プレイヤがゲームのプレイに熱中し過ぎないようにすることが可能となる。
【0015】
また、複数の種類の図形は、異なる向きを表す図形、または、異なるアイテムを表す図形であってもよい。即ち、上述したように、複数の種類の図形は、プレイヤの識別能力を判定できる図形であれば、ランドルト環のように異なる向きを示す図形であっても、上述したように、異なるアイテムを示す図形であってもよい。本発明によれば、異なる図形の識別能力の向上、或いは、低下によって、プレイヤがゲームに熱中し過ぎていることを警告することができる。
【0016】
また、警告部は、成功率の変化が所定の範囲の上限を超えた場合、プレイヤが画面に近づき過ぎていると推定し、所定の範囲の下限を下回った場合、プレイヤが疲労していると推定して、当該推定結果に対応付けられる警告を提示する、ようにしてもよい。
【0017】
即ち、上述のように、プレイヤによる操作指示の成功率の変化が所定の範囲の上限を超えた場合、成功率が著しく上がったことを意味し、プレイヤがゲーム装置の画面に近づき過ぎていると推定される。また、成功率の変化が所定の範囲の下限を下回った場合、成功率が著しく下がったことを意味し、プレイヤがゲームをプレイし過ぎて疲労していると推定される。
【0018】
なお、ゲームのプレイヤの多くは、ゲームを始めると熱中して、次第に画面に近づき、姿勢が悪くなる。また、ゲームを長時間続けると、次第に疲労して、図形の判別力が低下してくる。ゲームを始めて以降、画面に近づくようになる時間帯と、目が疲労してくる時間帯とには、一般にはずれがある。したがって、成功率の大きな増加/低下によって、このように、プレイヤの状態を推定することが可能となる。
【0019】
警告部は、このように推定されたプレイヤの状態を回避する警告をプレイヤに提示する。例えば、プレイヤが画面に近づき過ぎていると推定された際には、画面から離れるように、そして、プレイヤが疲労していると推定された際には、休憩をとるように、文字や映像によって警告しても、或いは、音声によって警告してもよい。これにより、プレイヤがゲームのプレイに熱中し過ぎることを防ぐことが可能となる。
【0020】
また、記憶部には、図形が画面に表示された大きさごとに統計情報が記憶され、
更新部は、図形が画面に表示された大きさごとに統計情報を更新し、
取得部は、図形が画面に表示された大きさごとに成功率の変化を取得し、
警告部は、取得された成功率の変化の代表値が、所定の範囲の上限を超える場合、プレイヤが画面に近づき過ぎていると推定し、代表値が所定の範囲の下限を下回る場合、プレイヤが疲労していると推定して、当該推定結果に対応付けられる警告を提示する。
【0021】
即ち、例えば、上述の例では、1つの大きさの複数の図形、例えば、ランドルト環の場合、その示す方向を変えて、1つずつ表示し、アイテムの場合、異なるアイテムを1つずつ表示して、プレイヤのゲーム画面との距離、そして、プレイヤの疲労度について推定した。そうではなく、複数の大きさのランドルト環を、その示す向きを変えて、或いは、異なる大きさのアイテムを、1つずつ表示するようにしてもよい。
【0022】
この場合、各大きさの図形について、時間経過に対するプレイヤによる操作指示の成功率を表す統計情報を求める。そして、各大きさの図形の成功率が、全体として、どのように時間とともに変化したかによって、プレイヤのゲーム画面との距離、そして、プレイヤの疲労度について推定する。
【0023】
即ち、大きさの異なる図形の多くについて、成功率が所定の範囲を超える場合、プレイヤが画面に近づき過ぎていると推定する。一方、大きさの異なる図形の多くについて、成功率が、所定の範囲を下回る場合、プレイヤが疲労していると推定する。本発明によれば、このように、異なる大きさの図形を表示した場合についても、プレイヤのゲーム画面との距離、そして、プレイヤの疲労度について推定することが可能となる。
【0024】
また、表示部は、画面に図形以外の情報を表示し、
警告部は、情報が画面に表示される際の視認性を下げることにより、警告するようにしてもよい。
【0025】
即ち、表示部は、所定の図形をいくつか表示した後、当該図形とは別に、ゲーム画像を表示する、という動作を繰り返す。そして、図形を表示している際に受け付けられた操作指示の成功率が所定の範囲外であった場合、後続するゲーム画像に霧もやを掛けるなどしてゲーム画像を見え難くする。これにより、プレイヤは見え難いゲーム画像で後続のゲームをプレイすることになり、画面との距離を元に戻したり、休憩を取る契機となる。なお、後続して、プレイヤによる操作指示の成功率が所定の範囲内になれば、それ以降のゲーム画像の視認性を元に戻すようにすればよい。霧もやを掛ける以外にも、解像度を悪くしたり、画面を歪ませたりしてゲーム画像を表示してもよい。
【0026】
また、取得された成功率の変化が所定の範囲の上限を超えた場合、第1の色彩と情報に対応付けられる色彩とを当該超えた量に対応付けられる混合比で混合した色彩で情報を表示し、所定の範囲の下限を下回った場合、第2の色彩と情報に対応付けられる色彩とを当該下回った量に対応付けられる混合比で混合した色彩で情報を表示するようにしてもよい。
【0027】
即ち、上述の方法では、操作指示の成功率が所定の範囲外になった際、上限を超えた場合についても、操作指示の成功率が所定の範囲の下限を下回った場合についても、同じように視認性を下げた(悪くした)。そうではなく、例えば、上限を超えた場合は、予め決まった色彩とゲーム画像とを掛け合わせて、その色彩の霧もやを掛けるようにする。一方、下限を下回った場合は、別の色彩とゲーム画像とを掛け合わせて、異なる色彩の霧もやを掛けるようにする。これにより、プレイヤは霧もやの色彩を考慮して、画面との距離を離せばいいのか、或いは、休憩を取ればいいのかを判断することが可能となる。
【0028】
また、本発明の他の観点に係る動作方法は、
プレイヤの操作指示が成功したか否かを表す統計情報が記憶される記憶部と、表示部と、受付部と、更新部と、取得部と、警告部と、を備えるゲーム装置による動作方法であって、
表示部が、複数の種類の図形のいずれかを画面内に所定時間長だけ表示する工程、
受付部が、表示された図形に対するプレイヤの操作指示を受け付ける工程、
更新部が、表示された図形の種類に対応付けられる操作指示と、当該図形に対して受け付けられた操作指示と、が一致したか否かにより、記憶部に記憶される統計情報を更新する工程、
取得部が、記憶部に記憶される統計情報に基づいて、プレイヤの操作指示の成功率の経過時間に対する変化を取得する工程、
警告部が、取得された成功率の変化が所定の範囲に含まれない場合、プレイヤに警告する工程、
を備える。
【0029】
また、本発明の他の観点に係るプログラムは、コンピュータを、上記のゲーム装置として機能させるように構成する。
【0030】
また、本発明のプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記録媒体に記録することができる。上記プログラムは、当該プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記録媒体は、当該コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、プレイヤがゲームのプレイに熱中し過ぎるのを防止するのに好適なゲーム装置、動作方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本実施の形態に係るゲーム装置が実現される典型的な携帯型情報処理装置の概要構成を示す模式図である。
【図2】本実施の形態において図形として用いられるランドルト環の種類を説明する図である。
【図3】(A)から(C)は、時間の経過に従って、順次変化する検査画面の例を示す図である。
【図4】本実施の形態に係るゲーム装置の機能ブロック図である。
【図5】統計情報のデータ構成例を示す図である。
【図6】本実施の形態に係るゲーム装置の動作処理を示すフロー図である。
【図7】本実施の形態に係るゲーム装置の検査処理を示すフロー図である。
【図8】(A)は、正しい姿勢でプレイしているプレイヤ、(B)は、ゲームに熱中して画面に近づいているプレイヤ、(C)は、ゲームを継続してプレイしたことにより疲労しているプレイヤ、を示す図である。
【図9】(A)は、プレイヤが徐々に画面に近づいた場合における、典型的な操作指示の成功率の推移を示す図であり、(B)は、プレイヤが徐々に疲労した場合における、典型的な操作指示の成功率の推移を示す図である。
【図10】(A)は、プレイヤが画面に近づきすぎたと判定された場合に表示される警告、(B)は、プレイヤが疲労してきていると判定された場合に表示される警告、の例をそれぞれ示す図である。
【図11】(A)から(C)は、サイズの異なるアイテムが、時間の経過に従って順次変化して検査画面に表示される様子を示す図である。
【図12】(A)は、ゲーム画像中にプレイヤがゲームに熱中しすぎていないかを検査するアイテムを表示している様子を示し、(B)は、ゲーム画像に霧もやをかけて、ゲームに熱中しすぎていることをプレイヤに知らせる様子を示し、(C)は、(A)においてゲームに熱中しすぎていることをプレイヤに知らせる場合、アイテムに霧もやを掛けないことを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下では、理解を容易にするため、携帯型情報処理装置に本発明が適用される実施の形態を説明するが、各種のコンピュータ、PDA、携帯電話などにおいても同様に本発明を適用することができる。すなわち、以下に説明する実施の形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと等しいものに置換した実施の形態を採用することが可能であるが、これらの実施の形態も本発明の範囲に含まれる。
【0034】
図1は、本発明の実施の形態に係るゲーム装置が実現される典型的な携帯型情報処理装置1の概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照して説明する。
【0035】
携帯型情報処理装置1は、処理制御部10と、コネクタ11と、カートリッジ12と、無線通信部13と、通信コントローラ14と、サウンドアンプ15と、スピーカ16と、操作キー17と、第1の表示部18と、第2の表示部19と、タッチパネル20と、を備える。
【0036】
処理制御部10は、CPU(Central Processing Unit)コア10aと、画像処理部10bと、VRAM(Video Random Access Memory) 10cと、WRAM(Work RAM) 10dと、LCD(Liquid Crystal Display)コントローラ10eと、タッチパネルコントローラ10fと、を備える。
【0037】
CPUコア10aは、携帯型情報処理装置1全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。具体的には、カートリッジ12がコネクタ11に装着された状態で、カートリッジ12内のROM(Read Only Memory) 12aに記憶されたプログラムやデータを読み出して、所定の処理を実行する。
【0038】
画像処理部10bは、カートリッジ12内のROM 12aから読み出されたデータや、CPUコア10aにて処理されたデータを加工処理した後、これをVRAM 10cに格納する。
【0039】
VRAM 10cは、表示用の情報を記憶するフレームメモリであり、画像処理部10b等により加工された画像情報を記憶する。
WRAM 10dは、CPUコア10aがプログラムに従った各種処理を実行する際に必要となるワークデータ等を記憶する。
【0040】
LCDコントローラ10eは、第1の表示部18および、第2の表示部19を制御し、所定の表示用画像を表示させる。たとえば、LCDコントローラ10eは、VRAM 10cに記憶された画像情報を、所定の同期タイミングで表示信号に変換し、第1の表示部18に出力する。また、LCDコントローラ10eは、第2の表示部19に所定の指示アイコン等を表示する。
【0041】
タッチパネルコントローラ10fは、タッチペンやユーザの指によるタッチパネル20への接触(タッチ)を検出する。たとえば、第2の表示部19に所定の指示アイコン等が表示されている状態で、タッチパネル20上の接触およびその位置等を検出する。
【0042】
コネクタ11は、カートリッジ12と脱着自在に接続可能な端子であり、カートリッジ12が接続された際に、カートリッジ12との間で所定のデータを送受信する。
【0043】
カートリッジ12は、ROM(Read Only Memory) 12aと、RAM(Random Access Memory)12bと、を備える。
ROM 12aには、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データ等が記録される。
RAM 12bには、ゲームの進行状況等を示す種々のデータが記憶される。
【0044】
無線通信部13は、他の携帯型情報処理装置1の無線通信部13との間で、無線通信を行うユニットであり、図示せぬアンテナ(内蔵アンテナ等)を介して所定のデータを送受信する。
なお、無線通信部13は、所定のアクセスポイントとの間で、無線LAN通信を行うこともできる。また、無線通信部13には、固有のMAC(Media Access Control)アドレスが採番されている。
【0045】
通信コントローラ14は、無線通信部13を制御し、所定のプロトコルに沿って、処理制御部10と他の携帯型情報処理装置1の処理制御部10との間で行われる通信の仲立ちをする。
【0046】
サウンドアンプ15は、処理制御部10にて生成された音声信号を増幅し、スピーカ16に供給する。
スピーカ16は、例えば、ステレオスピーカ等からなり、サウンドアンプ15にて増幅された音声信号に従って、所定の楽曲音や効果音等を出力する。
【0047】
操作キー17は、携帯型情報処理装置1に適宜配置された複数のキースイッチ等からなり、ユーザの操作に従って、所定の指示入力を受け付ける。
【0048】
第1の表示部18および、第2の表示部19は、LCD等からなり、LCDコントローラ10eに制御され、ゲーム画像等を適宜表示する。
なお、第2の表示部19は、タッチパネル20の接触によりユーザに操作指示を入力させるための指示アイコン等を表示する。
【0049】
タッチパネル20は、第2の表示部19の前面に重畳して配置され、タッチペンやユーザの指の接触による入力を受け付ける。
タッチパネル20は、例えば、感圧式のタッチセンサパネル等からなり、ユーザの指等の圧力を検出し、接触状態および、接触状態から非接触状態への移行等を検出する。なお、タッチパネル20は、他に静電容量の変化等から、ユーザの指等の接触を検出してもよい。
【0050】
なお、本実施の形態に係るゲーム装置は、上述した典型的な携帯型情報処理装置1上に実現されるが、一般的なコンピュータやゲーム機上に実現することもできる。一般的なコンピュータやゲーム機は、上記携帯型情報処理装置1と同様に、CPUコアや、VRAM、WRAM、を備える。また、通信部として、例えば、LAN(Local Area Network)を構成する際に用いられる10BASE−T/100BASE−Tなどの規格に準拠するNIC(Network Interface Controller)、記憶装置としてハードディスクを有する他、DVD−ROMや、光磁気ディスク、等が利用できるようになっている。また、入力装置として、タッチパネルの代わりに、キーボードやマウスなどを利用する。そして、プログラムをインストールした後に、そのプログラムを実行させると、ゲーム装置として機能させることができる。
【0051】
以下では、注記しない限り、本実施の形態に係るゲーム装置は、図1に示した携帯型情報処理装置1により説明を加える。ゲーム装置は、必要に応じて適宜一般的なコンピュータや、ゲーム装置の要素に置換することができ、これらの実施の形態も本発明の範囲に含まれる。
【0052】
本実施の形態においては、ゲーム装置200は、プレイヤに所定のゲームを提供した後に、所定のタイミング、例えば、ステージをクリアした後など、にプレイヤがゲームに熱中しすぎていないかを判定するための検査画面を表示する。検査画面には、視力検査などに用いられる様々な大きさのランドルト環(図2、101a〜101d、102a〜102d、103a〜103d)のいずれかが、比較的短い所定時間長表示される。なお、図2には、3種類の大きさのランドルト環(101、102、103)のみ表示しているが、大きさの種類は、これに限らない。図3(A)から(C)に、検査画面において、時間とともに順次変化して表示されるランドルト環の例を示す。
【0053】
プレイヤは検査画面において表示されたランドルト環について、環が開いていると思われる方向、即ち、切れ目のある方向、に対応する操作指示を、次のランドルト環が表示されるまでの間に入力する。ゲーム装置200は、入力された操作指示に対応付けられる方向が、環の開いている方向と一致した場合に、操作指示が成功したものと判定する。例えば、ランドルト環の開いている方向が右の場合、プレイヤが右方向に対応する右矢印キーを押下すれば、操作指示が成功したと判定する。そして、この操作指示の成功の割合(即ち、成功率)に応じて、プレイヤがゲームに熱中するあまり、画面に近づき過ぎていたり、疲労していたりしていないかを推定する。ゲーム装置200は、検査画面を表示後、推定結果に応じて警告を表示する。
【0054】
このような機能を有するゲーム装置200の概要構成を図4に示す。図4に示すように、ゲーム装置200は、記憶部201と、表示部202と、受付部203と、更新部204と、取得部205と、警告部206と、を備える。
【0055】
まず、記憶部201には、表示されるランドルト環の大きさ毎に、プレイヤの操作指示が成功したか否かに基づいて算出される成功率を表す統計情報が記憶される。例えば、6つの異なる大きさのランドルト環が表示される場合は、図5に示すように、大きさ毎に1つの統計情報、即ち、合計6つの統計情報が記憶される。上述したように、プレイヤにより入力される操作指示は、検査画面に表示されるランドルト環の開いている方向に対応付けられる操作指示と一致した場合に、成功したと判定される。また、一致しない場合、失敗したと判定される。このとき、ある大きさのランドルト環がn(≧2)回目(或いは、n番目)に表示された際の操作指示の成功率は、以下の式に示す指数移動平均などにより算出される。
=α×Y+(1−α)×Sn−1 (数式1)
【0056】
ここで、Yは、n番目に表示された、ある大きさの図形に対するプレイヤによる操作指示の成功/失敗を示し、成功した場合に100%、失敗した場合に0%となる。また、αは重み付けであり、大きいほど古い値の重要度が低くなる。そして、Sn−1は、n番目に表示されたランドルト環の直前に表示された(即ち、n−1番目)、n番目と同じ大きさのランドルト環に対する操作指示の成功率である。これらの値に基づいて、今回(即ち、n番目)表示されたランドルト環に対する操作指示の成功率Sが求められる。なお、Sについては、Yとして計算すればよい。
【0057】
算出された操作指示の成功率は、統計情報に追加することで更新する。したがって、ある大きさのランドルト環に対する統計情報を、成功率が追加された順番に参照することにより、その大きさのランドルト環の時間経過に対する操作指示の成功率の推移を知ることができる。
【0058】
このほか、記憶部201には、表示部202により表示される、大きさや向きの異なるランドルト環や、カートリッジ12のROM 12aから読み出されたゲームプログラムやデータが一時的に記憶される。処理制御部10のWRAM 10d、カートリッジ12のROM 12a、および、RAM 12bが、記憶部201として機能する。
【0059】
表示部202は、ゲームプログラムにしたがって、ゲーム画面を表示する他、上述したように、検査画面を第1の表示部18および、第2の表示部19などに表示する。検査画面では、ランドルト環が、環の開いている方向を上下左右のいずれかにして、比較的短い時間長(例えば、1秒)表示される。画像処理部10b、VRAM 10c、第1の表示部18、および、第2の表示部19などが協働して、表示部202として機能する。
【0060】
受付部203は、次のランドルト環が表示部202により表示されるまでの間に、プレイヤにより入力された最初の操作指示を受け付ける。なお、プレイヤは、表示されているランドルト環の開いている方向に対応する操作指示(例えば、左が開いている場合は、左矢印キー、右が開いている場合、右矢印キーなど)を入力する。なお、入力は、上下左右に対応するタッチパネルに表示される画像を押下することによって行ってもよい。タッチパネルコントローラ10f、タッチパネル20、操作キー17などが協働して、受付部203として機能する。
【0061】
更新部204は、数式1に示すように、表示された図形に対してプレイヤによって入力された操作指示の成功か否かの結果と、当該表示された図形と同じ大きさの図形に対する過去の成功率と、に基づいて、その時点における成功率を算出して統計情報に追加・更新する。処理制御部10等が更新部204として機能する。
【0062】
取得部205は、記憶部201に記憶される統計情報に基づいて、操作指示の成功率の経過時間に対する変化を取得する。処理制御部10のCPUコア10aやWRAM 10dなどが更新部204として機能する。
【0063】
警告部206は、取得された成功率の変化に基づいて、ゲーム機200に近づき過ぎている、あるいは、疲れてきている、などの警告をプレイヤに行う。警告は、音声による警告であっても、画像による警告であってもよい。処理制御部10の画像処理部10bや、サウンドアンプ15、スピーカ16などが警告部206として機能する。
【0064】
(動作処理)
以上の構成を有するゲーム装置200の動作処理を、図6を参照して説明する。
ゲーム装置200の電源が投入されると、カートリッジ12のROM 12aに記憶されるゲームプログラムがWRAM 10dに読み出され、所定の初期化処理が行われることによりゲームが開始される(ステップS101)。
【0065】
処理制御部10によりゲームが進行された後(ステップS102)、表示部202は、ステージがクリアされた、などの所定のタイミングで、検査処理を開始する(ステップS103)。検査処理の詳細を、図7を参照して説明する。
【0066】
検査処理では、表示部202は、検査画面を表示する。即ち、表示部202は、ランダムに、記憶部201に記憶される、大きさと開いている方向とが異なるランドルト環のうちから1つを選択して(ステップS201)、比較的短い所定時間表示する(ステップS202)。プレイヤは、次のランドルト環が検査画面に表示されるまでに、表示されたランドルト環の開いている方向を示す操作キーを入力する。
【0067】
受付部203が、入力された最初の操作指示を受け付けると(ステップS203)、更新部204は、操作指示が成功したか否かを判定する(ステップ204)。即ち、表示されたランドルト環の開いている方向と、入力した操作指示に対応する方向が一致していれば、操作指示が成功したと判定する。判定結果と、選択されたランドルト環の大きさに対する過去の統計情報と、に基づいて、当該大きさのランドルト環に対する、今回の操作指示の成功率を、数式1に示す式を用いて求める。求められた結果は、表示された大きさのランドルト環に対応する統計情報に蓄積される(ステップS205)。
【0068】
次いで、現時点までに、検査画面において、全ての大きさの図形について所定の個数mのランドルト環が順次表示され、成功率についての情報が、所定の個数mだけ全ての大きさの図形について蓄積されていれば(ステップS206;Y)、処理はステップS207へと進む。そうでなければ(ステップS206;N)、ステップS201に戻る。ステップS207では、取得部205が、各大きさの図形について、時間経過に対する、プレイヤによる操作指示の成功率の変化を取得する。ここで、操作指示の成功率の変化とは、例えば、ある大きさの図形について、電源が投入されてから、m個目に蓄積された成功率と、最も直近に得られた成功率と、の差である。ここで、mは、例えば、少なくとも4とすることが好ましい。これは、ランドルト環が4方向のいずれかの方向に開いているため、プレイヤがランドルト環の開いている方向が全く分からなかったとしても、4分の1の確立で操作指示が成功するためである。当然ながら、この場合、判定するためには、検査画面において、全ての大きさの図形を少なくとも4回ずつ表示する必要がある。
【0069】
プレイヤの多くは、ゲームを開始した直後は、図8(A)に示すような正しい姿勢でプレイしていても、ゲームを始めると熱中して、図8(B)に示すように次第に画面に近づき、姿勢が悪くなる。また、プレイヤは、ゲームを長時間続けると、図8(C)に示すように、次第に疲労して、図形の判別力が低下してくる。
【0070】
プレイヤが時間とともにゲーム画面に徐々に近づいた場合の、操作指示の成功率の典型的な推移を図9(A)に、そして、プレイヤが時間とともに徐々に疲労した場合の、操作指示の成功率の典型的な推移を図9(B)に示す。なお、図9(A)および(B)の各線は、異なる大きさの図形について、成功率の推移を示すものである。
【0071】
まず、図9(A)において、線501は、大きな図形(例えば、図2におけるランドルト環101a〜101d)の成功率の推移を示すものであり、成功率は、高いままほぼ変わらない。また、線506は、小さな図形(例えば、図2におけるランドルト環103a〜103d)の成功率の推移を示すものであり、成功率は低いままほぼ変わらない。これは、プレイヤが画面に近づこうが動かなかろうが、大きな図形は見え易く、逆に、小さな図形は見え難いためである。一方、線502から505の示す、中間の大きさの図形(例えば、図2におけるランドルト環102のような、ランドルト環101および103の間に含まれる大きさの図形)の成功率の推移については、いずれも成功率の上昇を示す。即ち、画面に近づくことにより見え易くなる。
【0072】
続いて、図9(B)においては、図9(A)同様に、線501’および線506’に示されるように、大きな図形と、小さな図形については、操作指示の成功率は、それぞれ、高い、または、低いままであり、ほぼ変わらない。これは、プレイヤが疲労してもしなくても、大きな図形は見え易く、小さな図形は見え難いためである。一方、線502’から線505’に示されるように、中間の大きさの図形については、疲労するにつれて見え難くなり、いずれも成功率の低下が見られる。
【0073】
なお、典型的には、プレイヤが、ゲームを始めて以降、画面に近づくようになる時間帯と、目が疲労してくる時間帯とには、ずれがある。
【0074】
したがって、図9(A)から、検査開始後と比較して、多くの大きさの図形について、操作指示の成功率がある程度増加した場合に、プレイヤが画面に近づいていると考えられる。一方、図9(B)から、開始後と比較して、多くの大きさの図形について、検査操作指示の成功率がある程度減少した場合、プレイヤが疲労してきたものと考えられる。
【0075】
よって、警告部206は、ステップS207において、取得部205により取得された各大きさの図形についての、操作指示の成功率の変化のうち、例えば、最も大きく増加した上位3つに基づいて、代表値(例えば、平均値)を求める(ステップS208)。そして、求められた代表値と所定の範囲とを比較し(ステップS209)、所定の範囲の上限を超えた場合(ステップS209;範囲より大きい)、プレイヤが画面に近づき過ぎていると推定する(ステップS210)。一方、変化の代表値が所定の範囲の下限を下回った場合(ステップS209;範囲より小さい)、プレイヤが疲労してきていると推定する(ステップS211)。
【0076】
なお、所定の範囲は、次のように予め決めればよい。例えば、サンプルとなる複数のプレイヤのそれぞれについて、例えば、図8(A)に示すように、正しい姿勢でゲーム装置を把持している場合(背筋を伸ばして、肘をほぼ直角にしてゲーム装置200を把持している場合)と、図8(B)に示すように、目から所定の距離(例えば、10センチ)までゲーム装置200を近づけた場合の、操作指示の成功率の増加を求める。そして、増加量の代表値(例えば平均値)を、所定の範囲の上限とすればよい。また、サンプルとなる複数のプレイヤのそれぞれについて、所定の時間(例えば、30分)続けて操作指示を入力させた場合の成功率の低下を求め、その代表値を所定の範囲の下限とすればよい。ただし、所定の範囲の決め方は上記に限るものではない。
【0077】
次いで、警告部206は、推定結果に基づいて、警告を行う(ステップS212)。即ち、プレイヤが画面に近づき過ぎていると推定されたときは、例えば、図10(A)に示すように、「画面に近づき過ぎています、離れてください」などのメッセージを第1および第2の表示部18、19に表示する。一方、プレイヤが疲労してきていると推定されたときは、例えば、図10(B)に示すように、「疲れてきているようです、一休みしてください」などのメッセージを表示する。或いは、警告部206は、このようなメッセージをスピーカ16を介して音声により出力してもよい。
【0078】
警告が終了すると検査処理が終了し、処理はステップS104に進む。ステップS209において、成功率の変化の代表値が、所定の範囲に含まれると判定された場合についても、処理はステップS104に進む。ステップS104では、ゲームが終了したか否かを判定する。ゲームは、ゲームプログラムが終了した場合に終了する。あるいは、プレイヤが中断指示を入力した場合に、現在のゲームの状態をカートリッジ12などに記憶して、終了する。
【0079】
ゲームが終了されたと判定されると(ステップS104;Y)、ゲーム装置200の動作処理は終了する。なお、ゲーム装置200に再度電源が投入された場合は、ステップS101の初期化処理において、カートリッジ12に記憶されたゲームの状態が読み出され、その時点からゲームが再開される。一方、ゲームが終了していない場合(ステップS104;N)、ステップS102において進行されたゲーム場面の、後続する場面からゲームを再開する。そして表示部202によりゲーム画像の表示が再び開始される。
【0080】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されず、種々の変形および応用が可能である。また、上述した実施の形態の各構成要素を自由に組み合わせることも可能である。
【0081】
例えば、上記実施の形態では、検査画面に表示する図形をランドルト環としたが、これに限らない。例えば、検査画面には、アイテムを異なるサイズで所定時間ずつ表示するようにしてもよい。アイテムは、例えばコインなどとしてもよい。
【0082】
なお、この場合、例えば、図11(A)〜(C)に示すように、アイテムの上下左右のうち、いずれか1つの方向が光るようにする(光っている部分を600として図示する)。なお、光る大きさは、アイテムの大きさに応じて変化する。プレイヤにより、光った方向に対応するコントロールボタンが押下されると、操作指示が成功したと判定する。或いは、コントロールボタンではなく、光った方向に対応するタッチパネルの所定の位置を押下して入力してもよい。図11(A)〜(C)は、検査画面において、時間とともに順次変化して表示される、複数種類のアイテム(コイン)の例を示す。
【0083】
また、上記実施の形態においては、検査画面を表示して、プレイヤがゲームに熱中しすぎていないかを判定した。そうではなく、ステップS103においてゲームの進行を中断することなく、例えば、図12(A)に示すように、ゲーム画像中に複数の図形(例えば、コイン601)を表示するようにして、図7の検査処理を行うようにしてもよい。なお、この場合、例えば、どのコントロールボタンを入力しても、キャラクタがコインを取得できるようにしてもよい。ただし、光る方向に対応した操作指示を入力したときのみ、操作指示が成功したと判定すればよい。これにより、プレイヤがゲームに熱中して過ぎていないかを、ゲームのストーリーを中断することなく、ゲームの一部として判定することが可能となる。
【0084】
また、上記実施の形態においては、成功率の算出方法として指数移動平均を用いたが、算出方法はこれに限らない。直近のいくつかのデータを重視するような算出方法を用いればよい。
【0085】
また、上記実施の形態においては、プレイヤが画面に近づき過ぎている、あるいは、疲労していると推定された場合、警告部206が警告を行う。そうではなく、警告を行う代わりに、ゲームを再開し、ゲーム画像に霧もやを掛けるなどして、ゲーム画像の視認性を下げてもよい。即ち、警告部206は、図12(B)に示すように、ゲーム画像上に半透明な平面(図12(B)においては、斜線にて半透明性を表現)を重ねて表示するように表示部202を制御してもよい。このように見難くすることにより、プレイヤに、姿勢を正す必要があること、或いは、休息が必要であることを知らせる。なお、霧もやを掛ける以外にも、解像度を低くしたり、画面を歪ませたりしてゲーム画像を表示してもよい。
【0086】
あるいは、操作指示の成功率が所定の範囲の上限を超えた場合、警告部206は、ある色の霧もやを掛けるようにしてゲーム画像を表示するように、表示部202を制御してもよい。そして、プレイヤによる操作指示の成功率が所定の範囲の下限を下回った場合、別の色の霧もやを掛けるようにしてゲーム画像を表示するように制御してもよい。このように、異なる色を使い分けて表示することによって、ゲーム装置200に近づき過ぎているのか、あるいは、疲労しているのかをプレイヤに知らせることが可能となる。
【0087】
ここで、霧もやの濃度は、所定の範囲の上限/下限を、上回った/下回った度合いに応じて、決定してもよい。即ち、所定の範囲の上限/下限を、上回った/下回った度合いが大きいほど、霧もやを濃くしてゲーム画像を表示すればよい。
【0088】
なお、プレイヤがゲームに熱中しすぎていないかを判定するための図形(ランドルト環やコインなど)をゲーム画像中に表示する上記変形例においては、図12(C)に示すように、当該図形(ここでは、コイン601)を霧もやを表す平面の上に表示することが好ましい。
これにより、図形の上に霧もやが掛からなくなり、表示された図形を用いて、その時点におけるプレイヤのゲームの熱中度合いや疲労度合いを正しく判定することができる。
【0089】
また、上記実施の形態においては、プレイヤは操作指示を操作キー17の押下やタッチパネル20の押圧により入力した。そうではなく、音声や、ボディモーションにより操作指示を入力するようにしてもよい。この場合、受付部203は、音声認識処理や、ボディモーションの認識処理を行い、入力された操作指示を受け付けるようにすればよい。
【0090】
また上記実施の形態では、ステップS208において、成功率の変化の代表を取得する際に、最も変化が大きかったものから所定の個数を選択した。このとき、大きな図形は、識別が容易であるため、成功率は大きく変化せず、代表値の算出に用いられることは少ない。しかし、代表値の算出に用いられるような、多少見えづらい大きさの図形ばかりを表示すると、ゲームに熱中していないにも関わらず、プレイヤが画面に近づいてしまう可能性がある。これを防ぐため、上記実施の形態では、大きな図形も検査画面に表示する。
【0091】
しかし、検査画面において、全ての大きさの図形を所定の回数表示するにはある程度時間を要するため、ゲームの再開を待てないプレイヤが苛立ちを感じる場合もある。よって、ある1つの大きさの図形のみを所定の回数表示して、検査画面が表示されている時間を短くするようにしてもよい。例えば、1回目に表示する検査画面においては、複数の大きさの図形を表示して、プレイヤによる操作指示の、各大きさの図形に対する成功率を比較する。そして、成功率の中央値が得られた大きさの図形を、以降の検査画面に表示するようにすればよい。
【0092】
なお、各図形が検査画面に表示される時間間隔は、複数の大きさの図形を表示する場合よりも短くする(例えば、4つのランドルト環を2秒以内に表示する)。これにより、プレイヤがゲーム装置200との距離を調整する時間を与えないようにする。表示された所定の個数の図形について、ステップS205と同様に、数式1を用いて成功率を算出し、ステップS207と同様に成功率の変化を求める。そして、求められた成功率の変化に対して、ステップS209〜212の処理を行って、プレイヤが画面に近づき過ぎているか、或いは疲労しているかを推定・警告する。複数の大きさの図形の代表値を用いて推定する場合に比べ、典型的には精度が高くないが、検査処理に掛かる時間を短縮することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0093】
以上説明したように、本発明によれば、プレイヤがゲームのプレイに熱中し過ぎるのを防止するのに好適なゲーム装置、動作方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0094】
1 携帯型情報処理装置
10 処理制御部
10a CPUコア
10b 画像処理部
10c VRAM
10d WRAM
10e LCDコントローラ
10f タッチパネルコントローラ
11 コネクタ
12 カートリッジ
12a ROM
12b RAM
13 無線通信部
14 通信コントローラ
15 サウンドアンプ
16 スピーカ
17 操作キー
18 第1の表示部
19 第2の表示部
20 タッチパネル
200 ゲーム装置
201 記憶部
202 表示部
203 受付部
204 更新部
205 取得部
206 警告部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤの操作指示が成功したか否かを表す統計情報が記憶される記憶部、
複数の種類の図形のいずれかを画面内に所定時間長だけ表示する表示部、
前記表示された図形に対する前記プレイヤの操作指示を受け付ける受付部、
前記表示された図形の種類に対応付けられる操作指示と、当該図形に対して前記受け付けられた操作指示と、が一致したか否かにより、前記記憶部に記憶される統計情報を更新する更新部、
前記記憶部に記憶される統計情報に基づいて、前記プレイヤの操作指示の成功率の経過時間に対する変化を取得する取得部、
前記取得された成功率の変化が所定の範囲に含まれない場合、前記プレイヤに警告する警告部、
を備える、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置であって、
前記複数の種類の図形は、異なる向きを表す図形、または、異なるアイテムを表す図形である、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のゲーム装置であって、
前記警告部は、前記成功率の変化が前記所定の範囲の上限を超えた場合、前記プレイヤが前記画面に近づき過ぎていると推定し、前記所定の範囲の下限を下回った場合、前記プレイヤが疲労していると推定して、当該推定結果に対応付けられる警告を提示する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載のゲーム装置であって、
前記記憶部には、前記図形が前記画面に表示された大きさごとに前記統計情報が記憶され、
前記更新部は、前記図形が前記画面に表示された大きさごとに統計情報を更新し、
前記取得部は、前記図形が前記画面に表示された大きさごとに前記成功率の変化を取得し、
前記警告部は、前記取得された成功率の変化の代表値が、前記所定の範囲の上限を超える場合、前記プレイヤが前記画面に近づき過ぎていると推定し、当該代表値が前記所定の範囲の下限を下回る場合、前記プレイヤが疲労していると推定して、当該推定結果に対応付けられる警告を提示する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか1項に記載のゲーム装置であって、
前記表示部は、前記画面に前記図形以外の情報を表示し、
前記警告部は、前記情報が前記画面に表示される際の視認性を下げることにより警告する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
請求項5に記載のゲーム装置であって、
前記取得された成功率の変化が前記所定の範囲の上限を超えた場合、第1の色彩と前記情報に対応付けられる色彩とを当該超えた量に対応付けられる混合比で混合した色彩で前記情報を表示し、前記所定の範囲の下限を下回った場合、第2の色彩と前記情報に対応付けられる色彩とを当該下回った量に対応付けられる混合比で混合した色彩で前記情報を表示する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項7】
プレイヤの操作指示が成功したか否かを表す統計情報が記憶される記憶部と、表示部と、受付部と、更新部と、取得部と、警告部と、を備えるゲーム装置による動作方法であって、
前記表示部が、複数の種類の図形のいずれかを画面内に所定時間長だけ表示する工程、
前記受付部が、前記表示された図形に対する前記プレイヤの操作指示を受け付ける工程、
前記更新部が、前記表示された図形の種類に対応付けられる操作指示と、当該図形に対して前記受け付けられた操作指示と、が一致したか否かにより、前記記憶部に記憶される統計情報を更新する工程、
前記取得部が、前記記憶部に記憶される統計情報に基づいて、前記プレイヤの操作指示の成功率の経過時間に対する変化を取得する工程、
前記警告部が、前記取得された成功率の変化が所定の範囲に含まれない場合、前記プレイヤに警告する工程、
を備える、
ことを特徴とする動作方法。
【請求項8】
コンピュータを、
プレイヤの操作指示が成功したか否かを表す統計情報が記憶される記憶部、
複数の種類の図形のいずれかを画面内に所定時間長だけ表示する表示部、
前記表示された図形に対する前記プレイヤの操作指示を受け付ける受付部、
前記表示された図形の種類に対応付けられる操作指示と、当該図形に対して前記受け付けられた操作指示と、が一致したか否かにより、前記記憶部に記憶される統計情報を更新する更新部、
前記記憶部に記憶される統計情報に基づいて、前記プレイヤの操作指示の成功率の経過時間に対する変化を取得する取得部、
前記取得された成功率の変化が所定の範囲に含まれない場合、前記プレイヤに警告する警告部、
として機能させる、
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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