説明

ゲーム装置におけるデモ表示方式

【課題】機械稼働直後はゲーム内容を説明するための通常の内容を表示し、時間経過とともに当初公表したくない高度な技術やゲーム後半部分をデモンストレーションに含むデモ表示を行うことができるゲーム機におけるデモ表示方式を提供する。
【解決手段】ゲーム機を稼働させると、稼働時間カウンタ10bは稼働時間のカウントを開始する。デモデータ選択部10cは、稼働時間と切替設定時間とを比較し、稼働時間と切替設定時間の大小により、表示するデモデータ1〜3の1つを選択する。ゲーム制御部10aは選択されたデモデータ1〜3を画像処理部16を介して画像表示部6に待ち受け画面として表示する。稼働時間経過とともにゲーム後半部分を示す内容のデモデータを表示させることができる。また、稼働開始直後には公表できない情報も時間経過とともにデモデータとして表示できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デモループ中のプレイデモを、機械稼動からの時間により変化させて表示するゲーム機におけるデモ表示方式に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のテレビゲームにおけるデモ装置では複数のゲームのプレイデモンストレーションを連続しないように表示する提案がなされている(特許文献1)。
これは、デモの途中でゲームが開始され、ゲーム終了時にデモ途中の位置を判別して、その位置対応の異なるデモを表示するものである。そしてその中に季節デモを挿入するようにしてその季節にあったデモ表示も行っている。
【0003】
特許文献1は予め複数のデモ表示を用意しておき、デモ表示がどこまで進んでいるかを記憶し、このデモ表示の位置対応のデモ表示を行うものである。これは異なる多数のデモ表示をすることはできるが、デモ表示の位置の条件が満たされれば何回でも同じデモ表示を再現するものである。
したがって、デモ表示が何種類かに変わるため当初、プレイヤはそのゲーム機のデモ表示に飽きることは少ないが、繰り返しゲームを行えば、過去に表示されたデモ内容が再現され、新しさを失うことは避けることができない。
【特許文献1】特開平10−263203号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来のテレビゲーム機では複数のデモ表示は用意できても、これを繰り返し表示するものであるので、機械稼動直後に公表したくない高度な技術や、ゲーム後半部分をデモンストレーションに含むことができないという欠点があった。
本発明の目的は、上記欠点を解決するもので、機械稼働直後はゲーム内容を説明するための通常の内容を表示し、時間経過とともに当初公表したくない高度な技術やゲーム後半部分をデモンストレーションに含むデモ表示を行うことができるゲーム機におけるデモ表示方式を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために本発明の請求項1は、ゲーム待機中、ゲームに関するデモ表示を行うゲーム装置において、ゲーム装置の機械稼働開始からの経過時間Tをカウントするカウント手段と、機械稼働開始からの経過時間Tが所定時間t1 内である場合にデモ表示すべき第1デモデータと、前記所定時間t1 より大きく所定時間t2 より小さい場合にデモ表示すべき第2デモデータおよび所定時間t(n-1) より大きく所定時間tn より小さい場合にデモ表示すべき第nデモデータ(n=3,4・・・)を格納する記憶手段と、前記所定時間t1 〜tn と、前記カウント手段でカウントされた経過時間Tの大小を比較することにより、前記複数のデモデータ1〜nの1つを選択するデモデータ選択手段と、前記デモデータ判定手段で選択したデモデータを表示するデモデータ表示制御手段とを備え、前記デモデータは機械稼働開始から経過時間が少ない場合はゲーム装置のゲーム開始付近で表示されるステップ部分を含むデモデータが表示され、機械稼働開始から経過時間が大きくなるにしたがってゲーム装置のゲーム中盤付近またはゲーム後半付近で表示されるステップ内容を含むデモデータが表示されることを特徴とする。
本発明の請求項2は請求項1記載の発明において前記機械稼働開始から経過時間が少ない場合はゲーム装置のゲーム開始付近で表示されるステップ部分を含むデモデータは、バトルゲームの相手に小さいダメージを与える技を表示し、
前記機械稼働開始から経過時間が大きくなるにしたがってゲーム装置のゲーム後部で表示されるステップ内容を含むデモデータは、バトルゲームの相手に大きいダメージを与える技を表示することを特徴とする請求項1記載のゲーム装置におけるデモ表示方式。
【発明の効果】
【0006】
上記構成によれば、機械稼動直後に公表したくない情報を、時間の経過と共に公表することが可能となる。また、オンラインアップデート等を行わず、別のデモループを見せることができる。稼動時とは別のデモループを見せることで、顧客に新鮮さを主張することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。
図1は、本発明によるゲーム装置におけるデモ表示方式の回路の実施の形態を示すブロック図である。
コイン投入部4からのコイン入力を検知するコイン関連装置(コインカウンタ,コインボックスなど)13が入出力制御装置14を介してバス15に接続されている。バックアップメモリ21は、コイン数の設定値が記憶されるものである。操作部2は入出力制御装置14に接続されている。
サウンド処理部17はCPU10からの指示に基づき音声やBGMなどを処理し、スピーカ18はそれらサウンドを出力する。
画像処理部16はCPU10から送られる画像信号を所定の形式に変換し画像表示部6に出力する。ROM19にはゲームソフトのプログラム,ゲームデータおよびデモデータ1,2および3が格納されている。
【0008】
デモデータ1は機械稼働開始からの経過時間Tが所定時間t1 内である場合にデモ表示するものであり、デモデータ2は所定時間t1 より大きく所定時間t2 より小さい場合にデモ表示するものであり、第nデモデータ(n=3,4・・・)は所定時間t(n-1) より大きく所定時間tn より小さい場合にデモ表示するものである。
【0009】
RAM20はCPU10がゲームプログラムの演算処理などに用いる記憶部である。CPU10はゲーム全体の制御を司るゲーム制御部10aの他、稼働時間カウンタ10b,デモデータ選択部10cの各機能を有する。
稼働時間カウンタ10bはゲーム機が稼働を開始してからその稼働時間Tを刻むものである。デモデータ選択部10cは、後述するROM19のデモデータ領域19aの切替設定時間である所定時間t1 〜tn と、稼働時間カンウンタ10bの経過時間Tの大小を比較し、経過時間Tより所定時間t1 が小さい場合はデモデータ1を選択し、経過時間Tがt1 〜t2 の間ではデモデータ2を選択し、同様に経過時間Tがt(n-1) 〜tn の間ではデモデータnを選択するものである。
【0010】
ゲーム制御部10aは稼働時間の経過とともに画像表示部6に待ち受け画面であるデモデータ1〜nを表示しており、コイン投入部4からコイン投入の信号が入出力制御装置14より入力されると、ROM19からゲームソフトを読み込みゲーム開始のための画面を表示する。プレイヤはこの表示を見ながら操作部2を操作してゲーム開始に必要な選択や決定を行うことによりゲームを開始することができる。ゲーム制御部10aは操作信号を受けてゲームを進行させる。
【0011】
図2は、デモデータ表示の流れを説明するためのフローチャートである。
ゲーム機に電源が投入されると、各回路部の稼働を開始し、稼働時間カウンタ10bは図示しないクロック発振器信号を分周した信号を受信することにより稼働時間Tのカウントを開始する(ステップ(以下「S」という)001)。デモデータ選択部10cは、ROM19より切替設定時間t1 〜tn を読み出し、稼働時間Tとを比較し(S002)、当初はt1 >Tであるので、ROM19よりデモデータ1を読み出す。ゲーム制御部10aは読み出されたデモデータ1を受け取り、画像処理部16を介して、画像表示部6にデモデータ1の画面(動画)を表示する(S003)。
【0012】
デモデータ選択部10cは繰り返し、S003の比較を行うがt1 に達するまでは、デモデータ1を表示し続ける。デモデータ1は図3に示すように例えばゲーム前半付近を構成するステップ1〜5までの内容を含むデモ表示である。図4(a)にデモデータ1の1カット例が示されている。
デモデータ選択部10cはS002の比較において、稼働時間T≧t1 になった場合、つぎにt2 >Tであるか否か判定し(S004)、t2 >TであるならばROM19よりデモデータ2を読み出す。ゲーム制御部10aは読み出されたデモデータ2を受け取り、画像処理部16を介して、画像表示部6にデモデータ2の画面(動画)を表示する(S005)。デモデータ2は図3に示すように例えばゲーム中盤付近を構成するステップ6〜25までの内容を含むデモ表示である。図4(b)にデモデータ2の1カット例が示されている。
【0013】
引き続きデモデータ選択部10cはS004の比較において、稼働時間T≧t1 になった場合、つぎにt2 >Tであるか否か判定し(S004)、t2 ≦TになればつぎはROM19よりデモデータ3を読み出す。ゲーム制御部10aは読み出されたデモデータ3を受け取り、画像処理部16を介して、画像表示部6にデモデータ3の画面(動画)を表示する(S006)。デモデータ3は図3に示すように例えばゲーム後半付近を構成するステップ26〜50までの内容を含むデモ表示である。図4(c)にデモデータ3の1カット例が示されている。
この後、稼働時間Tが増加してもデモデータ選択部10cはデモデータ3を表示し続けることとなる。
なお、ゲーム進行中であってゲーム画面が表示されているときに、デモデータを切替なければならない設定時間t1 ,t2 になった場合にはゲームが完了した後に表示される待ち受け画面よりつぎのデモデータが表示されることとなる。
【0014】
以上の実施の形態は、ゲーム機稼働時間が相当経過した後にゲーム後半付近を構成するステップ内容を含むデモデータを表示する例を説明したが、ゲーム機稼働直後に公表できない情報を時間の経過とともにデモ表示することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0015】
デモループ中のプレイデモを、機械稼動からの時間により変化させて表示するゲーム機である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明によるゲーム装置におけるデモ表示方式の回路の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】デモデータ表示の流れを説明するためのフローチャートである。
【図3】各デモデータを表示するタイミングを説明するための図である。
【図4】機械稼働から時間経過とともに表示される各デモ表示の例を示す図である。
【符号の説明】
【0017】
2 操作部
3 カード挿入部
4 コイン投入部
10 CPU
12 カード読取制御部
13 コイン関連装置
14 入出力制御装置
15 バス
16 画像処理部
17 サウンド処理部
18 スピーカ
19 ROM
20 RAM
21 バックアップメモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム待機中、ゲームに関するデモ表示を行うゲーム装置において、
ゲーム装置の機械稼働開始からの経過時間Tをカウントするカウント手段と、
機械稼働開始からの経過時間Tが所定時間t1 内である場合にデモ表示すべき第1デモデータと、前記所定時間t1 より大きく所定時間t2 より小さい場合にデモ表示すべき第2デモデータおよび所定時間t(n-1) より大きく所定時間tn より小さい場合にデモ表示すべき第nデモデータ(n=3,4・・・)を格納する記憶手段と、
前記所定時間t1 〜tn と、前記カウント手段でカウントされた経過時間Tの大小を比較することにより、前記複数のデモデータ1〜nの1つを選択するデモデータ選択手段と、
前記デモデータ判定手段で選択したデモデータを表示するデモデータ表示制御手段とを備え、
前記デモデータは機械稼働開始から経過時間が少ない場合はゲーム装置のゲーム開始付近で表示されるステップ部分を含むデモデータが表示され、機械稼働開始から経過時間が大きくなるにしたがってゲーム装置のゲーム中盤付近またはゲーム後半付近で表示されるステップ内容を含むデモデータが表示されることを特徴とするゲーム装置におけるデモ表示方式。
【請求項2】
前記機械稼働開始から経過時間が少ない場合はゲーム装置のゲーム開始付近で表示されるステップ部分を含むデモデータは、バトルゲームの相手に小さいダメージを与える技を表示し、
前記機械稼働開始から経過時間が大きくなるにしたがってゲーム装置のゲーム後部で表示されるステップ内容を含むデモデータは、バトルゲームの相手に大きいダメージを与える技を表示することを特徴とする請求項1記載のゲーム装置におけるデモ表示方式。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−136702(P2008−136702A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−326582(P2006−326582)
【出願日】平成18年12月4日(2006.12.4)
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)
【Fターム(参考)】