ゲーム装置及びゲーム装置の制御方法
【課題】ボールゲームとして合理的かつ自然に制御することができるゲーム装置及びゲーム装置の制御方法を提供する。
【解決手段】操作部の操作に基づいて、フィールド上で複数のキャラクタがボールを使って行うボールゲームを制御するゲーム装置である。制御部が、操作部の操作に基づいて、一のキャラクタにボールをパスさせる制御を行い、制御部が、パスされたボールが移動する予定の移動予定軌跡を演算し、制御部が、移動予定軌跡を構成する複数の軌跡点を抽出し、制御部が、複数の軌跡点について、各軌跡点の位置と仮想空間内の所定位置との距離に基づき第1の評価ポイントを演算し、制御部が、複数の軌跡点ごとの第1の評価ポイントをそれぞれ比較して、他のキャラクタがボールを受ける位置を決定する。
【解決手段】操作部の操作に基づいて、フィールド上で複数のキャラクタがボールを使って行うボールゲームを制御するゲーム装置である。制御部が、操作部の操作に基づいて、一のキャラクタにボールをパスさせる制御を行い、制御部が、パスされたボールが移動する予定の移動予定軌跡を演算し、制御部が、移動予定軌跡を構成する複数の軌跡点を抽出し、制御部が、複数の軌跡点について、各軌跡点の位置と仮想空間内の所定位置との距離に基づき第1の評価ポイントを演算し、制御部が、複数の軌跡点ごとの第1の評価ポイントをそれぞれ比較して、他のキャラクタがボールを受ける位置を決定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲーム装置及びゲーム装置の制御方法に関し、特に、フィールド上で複数のキャラクタがボールを使って行うボールゲームを行うゲーム装置及びゲーム装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
球技の試合をシミュレートしたボールゲームが知られている。例えば、野球をシミュレートした野球ゲームや、サッカーをシミュレートしたサッカーゲーム等がよく知られている。
【特許文献1】特開2005−131310号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このようなボールゲームにおいては、プレイヤーの操作の負担を軽減するために一定の処理についてはプレイヤーの操作を介さずに自動的に決定して処理するようにしている。
【0004】
本発明の目的は、ボールゲームとして合理的かつ自然に制御することができるゲーム装置及びゲーム装置の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によるゲーム装置は、操作部と、表示部と、制御部とを有し、前記制御部が、前記操作部の操作に基づいて、仮想空間内のフィールド上で複数のキャラクタがボールを使って行うボールゲームを制御し、前記表示部が、前記ボールゲームを表示するゲーム装置であって、前記制御部は、前記操作部の操作に基づいて、一のキャラクタにボールをパスさせる制御を行う第1の手段と、前記パスされたボールが移動する予定の移動予定軌跡を演算する第2の手段と、前記移動予定軌跡を構成する複数の軌跡点を抽出する第3の手段と、前記複数の軌跡点について、各軌跡点の位置と仮想空間内の所定位置との距離に基づき第1の評価ポイントを演算する第4の手段と、前記複数の軌跡点ごとの前記第1の評価ポイントをそれぞれ比較して、他のキャラクタがボールを受ける位置を決定する第5の手段とを有することを特徴とする。
【0006】
上述したゲーム装置において、前記制御部は、前記フィールドを複数に分割した各ゾーンについて、そのゾーンの位置と他のキャラクタの位置との距離に基づき第2の評価ポイントを演算する第6の手段を更に有し、前記制御部の前記第5の手段は、前記複数の軌跡点の位置が属するゾーンの前記第2の評価ポイントをそれぞれ比較して、他のキャラクタがボールを受ける位置を決定するようにしてもよい。
【0007】
上述したゲーム装置において、前記制御部は、前記ボールの移動予定軌跡の各軌跡点のうち、前記他のキャラクタが到達する時刻よりも前記ボールが到達する時刻の方が早い軌跡点を抽出する第7の手段と、前記ボールの移動予定軌跡の各軌跡点のうち、前記他のキャラクタが到達する時刻よりも前記他のキャラクタの相手側のいずれかのキャラクタが到達する時刻の方が早い軌跡点を抽出する第8の手段と、前記第7の手段又は前記第8の手段により抽出された軌跡点を、前記第3の手段により抽出された軌跡点から除外する第9の手段を更に有するようにしてもよい。
【0008】
上述したゲーム装置において、前記操作部は、前記表示部の画面上の位置を指示する指示手段を有し、前記制御部の前記第1の手段は、前記一のキャラクタが保持するボールを、前記指示手段により指示された位置に向かって移動させることにより、前記一のキャラクタにボールをパスさせる制御を行うようにしてもよい。
【0009】
上述したゲーム装置において、前記操作部の指示手段は、前記表示部の画面上に設けられ、遊戯者が接触することにより画面上の位置を指示するタッチパネルであってもよい。
【0010】
本発明の一態様によるゲーム装置の制御方法は、操作部と、表示部と、制御部とを有するゲーム装置であって、前記制御部が、前記操作部の操作に基づいて、フィールド上で複数のキャラクタがボールを使って行うボールゲームを制御し、前記表示部が、前記ボールゲームを表示するゲーム装置の制御方法であって、前記制御部が、前記操作部の操作に基づいて、一のキャラクタにボールをパスさせる制御を行う第1のステップと、前記制御部が、前記パスされたボールが移動する予定の移動予定軌跡を演算する第2のステップと、前記制御部が、前記移動予定軌跡を構成する複数の軌跡点を抽出する第3のステップと、前記制御部が、前記複数の軌跡点について、各軌跡点の位置と仮想空間内の所定位置との距離に基づき第1の評価ポイントを演算する第4のステップと、前記制御部が、前記複数の軌跡点ごとの前記第1の評価ポイントをそれぞれ比較して、他のキャラクタがボールを受ける位置を決定する第5のステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、制御部が、操作部の操作に基づいて、一のキャラクタにボールをパスさせる制御を行い、制御部が、パスされたボールが移動する予定の移動予定軌跡を演算し、制御部が、移動予定軌跡を構成する複数の軌跡点を抽出し、制御部が、複数の軌跡点について、各軌跡点の位置と仮想空間内の所定位置との距離に基づき第1の評価ポイントを演算し、制御部が、複数の軌跡点ごとの第1の評価ポイントをそれぞれ比較して、他のキャラクタがボールを受ける位置を決定するようにしたので、ボールゲームとして合理的かつ自然に制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
[一実施形態]
本発明の一実施形態によるゲームシステムについて図面を用いて説明する。
【0013】
本実施形態のゲーム装置は、例えば、アミューズメント施設内に設置されている。これらゲーム装置は、例えば、インターネットに接続されている。地域的に離れたプレイヤー(遊戯者)同士であっても、サッカーゲーム等の対戦ゲームを行うことができるように構成されている。
【0014】
なお、本実施形態においてはサッカーゲームを例として説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の球技ゲーム、例えば、フットサルゲーム、アメリカンフットボールゲーム、ホッケーゲーム、ハンドボールゲーム、バスケットボールゲーム等にも適用することができる。
【0015】
(ゲーム装置の概要)
本実施形態によるゲームシステムを図1及び図2を用いて説明する。図1は、本実施形態によるゲームシステムにおけるゲーム装置の外観を示す斜視図である。図2は、本実施形態によるゲームシステムを示すブロック図である。
【0016】
アミューズメント施設10は、例えば各地域に所在している。各アミューズメント施設10には、ゲームを行うために複数台のゲーム装置12が設けられている。アミューズメント施設10には、ゲーム装置12の他に、図2に示すように、ゲーム内容の表示やゲームの宣伝等を行う、図示しないディスプレイモニタ(表示手段)を備えた処理装置14を設けるようにしてもよい。アミューズメント施設10に処理装置14が設けられている場合には、処理装置14に設けられたディスプレイモニタに進行中の試合、又は、過去に行った試合のリプレイを表示することにより、観戦者がゲームを観戦することができる。
【0017】
プレイヤー(遊戯者)は、ゲーム装置12に設けられたコイン投入部36にコインを投入してサッカーゲームを開始する。ゲーム装置12には、ICカードであるメンバーズカード16を読み取るためのICカードI/F(インターフェース)18が設けられている。メンバーズカード16には固有のID番号が記録されている。
【0018】
各ゲーム装置12はアミューズメント施設10内のLAN20に接続されている。ゲーム装置12は、アミューズメント施設10内の他のゲーム装置12と相互に通信可能である。また、アミューズメント施設10のLAN20はインターネット22に接続されている。ゲーム装置12は、他のアミューズメント施設10内のゲーム装置12とも相互に通信可能である。従って、設置場所が離れていても、任意のゲーム装置により共通のサッカーゲームを行うことができるように構成されている。
【0019】
アミューズメント施設10を訪れたプレイヤーは、ゲーム装置12に着席し、コインを投入し、タッチパネル24等の操作を行うことにより、他のプレイヤーとサッカーゲームを行う。
【0020】
サーバー30は、インターネット22に接続されている。サーバー30は制御手段(図示せず)と記憶手段(図示せず)とを有している。サーバー30は、制御手段により、ゲーム装置12を制御する。サーバー30は、記憶手段により、ゲーム装置12により実行されたサッカーゲーム等のゲームのプレイデータを、インターネット22を介して収集し、そのプレイデータを蓄積し、管理する。
【0021】
サーバー30の記憶手段には、各プレイヤーのゲームのレベルやゲームの履歴が記憶されている。ゲームのレベルは、対戦結果に応じて付与される。
【0022】
なお、複数のゲーム装置12のうちの一台を、サーバーとして機能させてもよい。サーバーとしてのゲーム装置12は、複数のゲーム装置12を制御すると共に、各ゲーム装置12により実行されたサッカーゲーム等のゲームのプレイデータを、LAN20を介して収集し、そのプレイデータを蓄積し、管理する。
【0023】
(ゲーム装置の構成)
本実施形態によるゲームシステムにおけるゲーム装置の構成について図面を用いて説明する。図3は、本実施形態によるゲーム装置のブロック図である。
【0024】
図1に示すように、ゲーム装置12の筐体32には、ゲーム内容を表示するディスプレイモニタ34が設けられている。ディスプレイモニタ34上には、プレイヤーがゲームの操作を行うためのタッチパネル24が設けられている。また、ゲーム装置12の筐体32には、コインを投入するためのコイン投入部36と、メンバーズカード16を読み取るためのICカードI/F18とが設けられている。ディスプレイモニタ34には、サッカーゲームの画面が表示される。
【0025】
図3に示すように、ゲーム装置12には、ゲームプログラムの実行やシステム全体の制御や画像表示のための座標計算等を行い制御手段として機能するCPU40と、CPU40が処理を行うのに必要なプログラムやデータを格納するバッファメモリとして利用される記憶手段としてのシステムメモリ(RAM)42とがバスラインにより共通接続され、バスアービタ44に接続されている。バスアービタ44は、ゲーム装置12の各ブロックや外部に接続される機器とのプログラムやデータの流れを制御する。
【0026】
ゲームプログラムやデータ(映像データや音楽データも含む)が格納されたプログラムデータ記憶装置又は記憶媒体(ゲーム用記録媒体であるCD−ROM等を駆動する光ディスクや光ディスクドライブ等も含む)46と、ゲーム装置を起動するためのプログラムやデータが格納されているBOOTROM48とがバスラインを介してバスアービタ44に接続されている。
【0027】
バスアービタ44には、バスラインを介してレンダリングプロセッサ50が接続されている。レンダリングプロセッサ50は、バスアービタ44を介して、プログラムデータ記憶装置又は記憶媒体46から読み出した映像(MOVIE)データを再生したり、プレイヤーの操作やゲーム進行に応じて画像表示のための画像を生成したりする。
【0028】
レンダリングプロセッサ50には、レンダリングプロセッサ50が画像生成を行うために必要なグラフィックデータ等を格納しておくグラフィックメモリ52が接続されている。
【0029】
レンダリングプロセッサ50から出力される画像信号は、ビデオDAC(図示せず)によりデジタル信号からアナログ信号に変換され、ディスプレイモニタ34に表示される。
【0030】
バスアービタ44には、バスラインを介してサウンドプロセッサ56が接続されている。サウンドプロセッサ56は、バスアービタ44を介して、プログラムデータ記憶装置又は記憶媒体46から読み出した音楽データを再生したり、プレイヤーによる操作やゲーム進行に応じて効果音や音声を生成したりする。
【0031】
サウンドプロセッサ56には、サウンドプロセッサ56により効果音や音声を生成するために必要なサウンドデータ等を格納しておくサウンドメモリ58が接続されている。サウンドプロセッサ56から出力される音声信号は、オーディオDAC(図示せず)によりデジタル信号からアナログ信号に変換され、スピーカ60から出力される。
【0032】
バスアービタ44には、バスラインを介して通信インターフェース62が接続されている。通信インターフェース62はLANアダプタ64を介して電話回線等の外部ネットワークに接続される。ゲーム装置12はLANアダプタ64により電話回線を介してインターネットに接続され、他のゲーム装置12やネットワークサーバー30等との通信が可能となる。なお、通信インターフェース62及びLANアダプタ64は電話回線を使用するものであるが、電話回線を使用するターミナルアダプタ(TA)やルータ、ケーブルテレビ回線を使用するケーブルモデム、携帯電話やPHSを利用して無線通信手段、光ファイバを用いた光ファイバ通信手段等の他の通信方法を利用してもよい。
【0033】
バスアービタ44には、ペリフェラルI/F68を介して、タッチパネル24が接続されている。タッチパネル24は、プレイヤーが各種操作を入力するためのものである。プレイヤーは、タッチペン等を用いてタッチパネル24に触れることにより、各種操作を入力することができる。ペリフェラルI/F68は、プレイヤーによる操作にしたがって、ゲーム装置12や外部に接続された機器を制御するための信号を出力する。タッチパネル24は、タッチペン等が接触した位置の座標値を取得して位置座標情報を生成する位置座標取得手段として機能する。
【0034】
バスアービタ44には、メンバーズカード16を読み取るためのICカードI/F18が接続されている。
【0035】
バスアービタ44にはバックアップメモリ(図示せず)が接続され、これにゲームの成績などの記録を行う。バックアップメモリは、システムメモリ(RAM)で代用してもよい。
【0036】
なお、ゲーム装置12は、アミューズメント施設やゲームカフェ等の店舗に設置されるゲーム装置に限定されるものではなく、家庭用のゲーム装置やパーソナルコンピュータ、携帯型電子ゲーム機、携帯電話やPDA等の電子装置、ゲーム情報処理装置でもよい。
【0037】
(サッカーゲーム処理の詳細)
本実施形態におけるサッカーゲームでは、複数のキャラクタを統一的に制御する必要があるとともに、個々のキャラクタをプレイヤーの要望に応じて制御する必要がある。このため、本実施形態によるゲームシステムでは、ゲーム装置12のCPU40はキャラクタ全体を統一的に制御するとともに(全体制御)、プレイヤーが指定したキャラクタの動作をも迅速に制御することとしている(個別制御)。
【0038】
ゲーム装置12のCPU40は、ゲームプログラムに基づいて全体制御及び個別制御を行う。全体制御は、各々のキャラクタの位置等を考慮して行われる。個別制御は、プレイヤーによるタッチパネル24からの操作入力に基づいて行われる。
【0039】
サッカーゲームにおいては、ゲーム装置12のCPU40は、仮想の3次元空間に各々のキャラクタを配置するとともに、各々のキャラクタの配置やボールの位置等を適宜変更させる。
【0040】
(タッチパネルによる操作入力)
次に、本実施形態によるゲームシステムにおけるタッチパネルによる操作入力について図面を用いて説明する。
【0041】
本実施形態によるゲームシステムにおいては、プレイヤーは、タッチパネル24により各種操作を入力する。
【0042】
プレイヤーがタッチパネル24にタッチする際に用いられる操作入力手段としては、例えばタッチペンを用いることができる。
【0043】
なお、ここでは、操作入力手段としてタッチペンを用いる場合を例に説明するが、操作入力手段はタッチペンに限定されるものではない。例えば、操作入力手段がプレイヤーの指であってもよい。プレイヤーの指でタッチパネルをタッチすることにより、操作入力を行うようにしてもよい。
【0044】
タッチパネル24は、タッチペンによりタッチされた位置の座標データを取得して、タッチ位置座標データを生成する。タッチパネル24により生成されたタッチ位置座標データは、ペリフェラルI/F68及びバスアービタ44を介してCPU40に出力される。
【0045】
CPU40は、タッチパネル24から出力されたタッチ位置座標データを、タッチペンによりタッチされた時刻のデータ(タッチ時刻データ)とともに、システムメモリ42のタッチデータメモリに順次記憶させる。システムメモリ42のタッチデータメモリに記憶されるタッチ位置座標データ及びタッチ時刻データは、適宜更新される。
【0046】
タッチパネル24への操作入力の種類は、ドラッグ操作入力とタッチ操作入力とに大別される。
【0047】
ドラッグ操作とは、タッチパネル24へのタッチ後、タッチパネル24に接触させた状態を保ってタッチ位置を移動する操作である。
【0048】
タッチ操作とは、タッチパネル24への接触であり、タッチする位置の移動を伴わない操作である。タッチ操作には、タッチの回数、タッチの時間間隔等の態様がある。CPU40は、タッチ操作の態様の相違を判断し、タッチ操作の態様に応じてキャラクタの動作を制御する。
【0049】
なお、本実施形態ではタッチパネル24を用いて画面上の位置を指示したが、これに限定されるものではなく、ペンタブレットやマウス等の位置座標を指定できるポインティングデバイス(指示手段)を用いてもよい。このようなポインティングデバイスにおいて、タッチ操作とは位置座標を指定する操作に相当し、ドラッグ操作とは位置座標を指定した状態を保持してポインティングデバイスを移動させる操作に相当する。
【0050】
(シングルタッチ・ダブルタッチ)
タッチ操作にはシングルタッチとダブルタッチがある。シングルタッチは、タッチパネル24に1回タッチする操作である。ダブルタッチは、タッチパネル24に2回連続してタッチする操作である。
【0051】
シングルタッチ入力かダブルタッチ入力かは次のようにして判断する。
【0052】
プレイヤーがタッチすると、CPU40は、前回のタッチから今回のタッチまでの時間が所定時間T1以内であるか否かを判断する。所定時間T1は、例えば0.5秒とする。
【0053】
前回のタッチから今回のタッチまでの時間が所定時間T1より長い場合には、CPU40は、今回のタッチはシングルタッチ入力であると判断する。
【0054】
前回のタッチから今回のタッチまでの時間が所定時間T1以下である場合には、前回タッチした箇所から今回タッチした箇所までの距離が所定距離L1以下であるか否かが判断される。所定距離L1は、例えば、ゲーム装置12のディスプレイモニタ34の表示画面の100ピクセルに相当する距離とする。
【0055】
前回タッチした箇所から今回タッチした箇所までの距離が所定距離L1より大きい場合には、CPU40は、今回のタッチはシングルタッチ入力であると判断する。
【0056】
前回タッチした箇所から今回タッチした箇所までの距離が所定距離L1以下である場合には、CPU40は、ダブルタッチ入力であると判断する。
【0057】
(連打対策)
プレイヤーはゲームに熱中してくると、ダブルタッチを意図しながら、タッチパネル24を連続してタッチする場合がある。そこで、本実施形態では、プレイヤーがタッチパネル24を連打した場合においても、プレイヤーが意図していない動作をキャラクタが行うことがないようにしている。
【0058】
前述したシングルタッチかダブルタッチかの判断により、ダブルタッチ入力であると判断された後に、プレイヤーがタッチパネル24にタッチしたとしても、前回のタッチから今回のタッチまでの時間が所定時間T1以内であり、かつ、前回タッチした箇所から今回タッチした箇所までの距離が所定距離L1以下である場合には、連続してタッチした連打であると判断し、そのようなタッチは無効なタッチとして処理する。
【0059】
(タッチパネルへの操作入力による動作指示の態様)
本実施形態によるサッカーゲームでは、タッチパネル24への操作入力により、オフェンス時におけるボールのパス、オフェンス時におけるシュート、オフェンス時及びディフェンス時における選手(キャラクタ)の移動、ディフェンス時におけるボール奪取等の動作を指示する。これらの動作の概略について図4及び図5を用いて説明する。
【0060】
(ボールのパス)
オフェンス時、即ち、自己チームが攻撃態勢になっている際に、プレイヤーがタッチパネル24にダブルタッチした場合には、図4(a)に示すように、ボールを保持している自己チームのキャラクタは、ダブルタッチされた箇所にボールが達するようにボールのパスを行う。
【0061】
(シュート)
オフェンス時、即ち、自己チームが攻撃態勢になっている際に、プレイヤーが相手ゴール内をダブルタッチした場合には、図4(b)に示すように、ボールを保持している自己チームのキャラクタが、ダブルタッチされた箇所に向かってシュートを行う。
【0062】
(キャラクタの移動)
オフェンス時やディフェンス時に、プレイヤーが自己チームのキャラクタを指定してドラッグ操作を行った場合には、指定された自己チームのキャラクタはドラッグ操作の終点に向かって移動する。プレイヤーが、タッチパネル24における選手がいる位置へのタッチ後、タッチパネル24に接触させた状態を保ってタッチ位置を移動すると、図5(a)に示すように、タッチ位置に移動に応じてタッチパネル24に表示された選手が移動する。
【0063】
(ボール奪取)
自己チームのキャラクタのアクションサークル内に相手チームのキャラクタが位置している際に、自己チームのキャラクタが表示されている箇所においてプレイヤーがダブルタッチ入力を行った場合には、ダブルタッチにより指定された自己チームのキャラクタは、最適な行動をとる。
【0064】
ディフェンス時に、自己チームのキャラクタのアクションサークル内にボールを保持している相手チームのキャラクタが位置している際に、自己チームのキャラクタが表示されている箇所においてプレイヤーがダブルタッチ入力を行った場合には、図5(b)に示すように、ダブルタッチにより指定された自己チームのキャラクタは、ボールを保持している相手チームのキャラクタからボールを奪うことを試みる。
【0065】
(パス操作処理)
本実施形態によるサッカーゲームにおけるパス操作処理について説明する。
【0066】
プレイヤーが、オフェンス時、タッチパネル24にダブルタッチした場合には、図4(a)に示すように、ボールを保持している自己チームのキャラクタは、ダブルタッチされた箇所にボールが達するようにボールのパスを行う。パスされたボールは、自己チームのキャラクタが受ける。その際、自己チームのどの選手がどこでパスを受けるかを決定しなくてはならない。
【0067】
パス操作処理は、自己チームのどの選手(キャラクタ)がどの位置でパスを受けるかを決定するための処理である。
【0068】
(パス操作処理(その1))
本実施形態におけるパス操作処理の第1の具体例について図6を用いて説明する。
【0069】
自己チームのキャラクタC1がボールBを保持している状態で、プレイヤーがタッチパネル24の位置P0をダブルタッチすると、キャラクタC1によりボールBが位置P0に向かって蹴られる。このとき、自己チームのキャラクタのうち最も位置P0の近くにいるキャラクタC2を受け手として設定し、キャラクタC2が位置P0に向かって移動し、位置P0において、パスされたボールBを受ける。
【0070】
この具体例では、プレイヤーがタッチパネル24をダブルタッチした位置P0に、パスされたボールBとキャラクタC2とを移動させればいいので、CPU40への負荷が少ないパス操作処理を実現できる。
【0071】
(パス操作処理(その2))
本実施形態におけるパス操作処理の第2の具体例について図面を用いて説明する。
【0072】
上述したパス操作処理の第1の具体例のように、プレイヤーがダブルタッチした位置P0でパスされたボールを自己チームのキャラクタC2が受けるようなパス操作処理を常に行うようにすると、自己チームのキャラクタC2の位置によっては、キャラクタC2の動きが不自然になることがある。
【0073】
そこで、第2の具体例では、キャラクタにより蹴られたボールの移動軌跡を演算し、その移動軌跡に基づいて、自己チームのどのキャラクタがどの位置でパスを受けるのが適切かを演算により決定する。その際、相手ゴールの位置も考慮する。これにより、実際のサッカーゲームにおけるような自然なパス操作処理が実現できる。
【0074】
(パス操作処理(その2)の概要)
次に、第2の具体例によるパス操作処理の概要について図7を用いて説明する。
【0075】
キャラクタC1により位置P0に向かって蹴られたボールBのパスの移動軌跡を演算する。ボールBの移動軌跡Lはダブルタッチした位置P0を越えて演算する。
【0076】
パスをしたキャラクタC1以外の自己チームの全てのキャラクタCnをパスの受け手として想定し、ボールBの移動軌跡Lの全ての軌跡点について、キャラクタCnがパスを受ける受け位置としての評価(適切度)を表す受け位置点数を算出する。
【0077】
そして、キャラクタC1以外の全てのキャラクタCnの全ての軌跡点についての受け位置点数のうち、最も高得点の受け位置点数のキャラクタCnが、その受け位置でボールBを受けるようにする。
【0078】
受け位置点数としては、基準地点、例えば、相手ゴールGに近いほど高得点となるように点数を定める。また、ピッチを一定の大きさで分割してゾーン化し、各ゾーンについて自己チームのキャラクタの現在位置と相手チームのキャラクタの現在位置によりゾーンポイントとして点数化し、各軌跡点のゾーンポイントを点数に加味する。
【0079】
なお、基準地点としては、上述した相手ゴールGに限らない。例えば、守備のために相手ゴールの反対側にパス(バックパス)をする場面がサッカーゲームでは生じるが、そのような場面では相手ゴールではなく味方ゴールが基準地点となる。受け位置点数は、基準地点である味方ゴールに近いほど得点が高くなる。
【0080】
また、基準地点としては、ゴールのようにフィールドに固定された位置ではなく、ゴールキーパーのようにゲーム中にフィールド内を移動し得る位置としてもよい。
【0081】
更に、ラグビーゲームやアメリカンフットボールゲームのような他の球技ゲームによっては、ゴールの代わりにゴールラインを基準地点としてもよい。
【0082】
なお、必ずしも、ボールBの移動軌跡Lの全ての軌跡点について受け位置点数を算出する必要はなく、その軌跡点にボールよりも早く受け手が到達すること、その軌跡点に相手選手(キャラクタ)よりも早く受け手が到達すること等の諸条件を満たした軌跡点についてのみ受け位置点数を算出するようにしてもよい。
【0083】
(パス操作処理(その2)の詳細)
次に、第2の具体例によるパス操作処理の詳細について図8乃至図10を用いて説明する。図8は第2の具体例によるパス操作処理のフローチャートであり、図9は第2の具体例によるパス操作処理におけるボールの軌跡点の説明図であり、図10は第2の具体例によるパス操作処理におけるボールの軌跡データテーブルを示す図である。
【0084】
本具体例によるパス操作処理では、まず、パスの軌跡点を算出する(ステップP01)。
【0085】
プレイヤーが、オフェンス時、タッチパネル24の位置P0にダブルタッチすると、図9(a)に示すように、キャラクタC1により位置P0に向かってボールBが蹴られる。このとき、キャラクタC1の蹴る強さ、キャラクタC1と位置P0との距離等の所定の条件に基づいて、ボールBが辿るはずの軌跡Lを演算する。
【0086】
軌跡Lにおける各軌跡点Pmのデータは、図9(b)の軌跡データテーブル200に示すように、ボールBが通過する時刻(時:分:秒)と、その時刻でのボールBの3次元の座標値(X、Y、Z)との組から構成される。例えば、画面表示の1フレーム(1/60秒)毎の軌跡点のデータを算出して軌跡データとする。この軌跡データテーブル200はシステムメモリ42に記憶されている。
【0087】
例えば、図9(b)に示すように、キャラクタC1がボールBを蹴った時刻(00:00:00)から1フレーム(1/60秒)経過毎の軌跡点が、「00:00:00.00000」と「(X0,Y0,Z0)」、「00:00:00.01666」と「(X1,Y1,Z1)」、「00:00:00.03332」と「(X2,Y2,Z2)」、…と、時刻(時:分:秒)と3次元の座標値(X、Y、Z)との組として軌跡データを構成する。
【0088】
次に、味方の各選手(キャラクタ)を順次抽出するため、選手番号に相当する選手カウンタnを初期値の「1」に設定する(ステップP02)。
【0089】
次に、選手カウンタnの選手(キャラクタ)Cnを抽出する(ステップP03)。
【0090】
次に、抽出された選手(キャラクタ)Cnについて全軌跡点について、受け位置点数を算出する受け位置得点化処理を行う(ステップP04)。キャラクタCnをパスの受け手として想定し、ボールBの移動軌跡Lの全ての軌跡点について、キャラクタCnがパスを受ける受け位置としての評価(適切度)を表す受け位置点数を算出する。なお、ボールBを蹴った選手(キャラクタ)については受け位置点数を計算しない。
【0091】
この受け位置得点化処理の詳細については後述する。
【0092】
ステップP04において算出された、キャラクタCnについて各軌跡点についての受け位置点数Xmは、図10の受け位置点数テーブル210に格納される。この受け位置点数テーブル210はシステムメモリ42に記憶されている。
【0093】
次に、全選手について演算が終了したかを判断するため、選手カウンタnが11になったかを判定する(ステップP05)。
【0094】
ステップP05において選手カウンタnが11に達していないと判定されれば、選手カウンタnに「1」を加算し(ステップP06)、ステップP03に戻る。
【0095】
次に、次の選手カウンタnの選手(キャラクタ)を抽出し(ステップP03)、続いて、その選手について全軌跡点の受け位置点数を算出する受け位置得点化処理を行う(ステップP04)。
【0096】
ステップP05において選手カウンタnが11に達していると判定されると、全選手について演算が終了したことになり、図10の受け位置点数テーブル210が完成する。
【0097】
図10に示すように、受け位置点数テーブル210には、ボールBを蹴ったキャラクタC1以外の全選手C2〜C11について、全軌跡点P000〜Pmの受け位置点数が演算されて格納されている。
【0098】
次に、受け位置点数テーブル210を参照して、全味方選手C1〜Cnの全軌跡点P000〜Pmにおける全受け位置点数を比較する(ステップP06)。
【0099】
次に、全味方選手C1〜Cnの全軌跡点P000〜Pmにおける全受け位置点数のうち最高得点を獲得した選手Cnを抽出し(ステップP08)、パスの受け手に設定する(ステップP09)。
【0100】
次に、抽出されたパスの受け手の選手について最高得点である軌跡点をパスの受け位置として設定し、その受け手の選手にパスを受け取る動作を行わせる(ステップP10)。
【0101】
なお、全味方選手C1〜Cnの全軌跡点P000〜Pmにおける全受け位置点数が全て得点0である場合には、本具体例のパス操作処理では、受け手としてのキャラクタも受け位置も設定できない。
【0102】
その場合には、例えば、前述したパス操作処理の第1の具体例によりパスの受け手としてのキャラクタと受け位置を設定する。すなわち、自己チームのキャラクタのうち最も位置P0の近くにいるキャラクタC2を受け手として設定し、受け位置を位置P0とする。キャラクタC2が位置P0に向かって移動し、位置P0において、パスされたボールBを受けるようにする。
【0103】
これにより第2の具体例によるパス操作処理を終了する。
【0104】
(受け位置得点化処理の詳細)
次に、第2の具体例によるパス操作処理における受け位置得点化処理(ステップP04)の詳細について図11を用いて説明する。図11は第2の具体例によるパス操作処理における受け位置得点化処理のフローチャートである。
【0105】
ステップP04の受け位置得点化処理では、受け手としてのキャラクタCnが既に抽出されており、そのキャラクタCnについてボールBの移動軌跡Lの全ての軌跡点について受け位置点数を算出する。
【0106】
まず、キャラクタCnについてボールBの移動軌跡Lの全ての軌跡点のうち受け位置点数を算出する必要がない軌跡点を抽出する。
【0107】
ボールよりも早く受け手(キャラクタCn)が到達することができない軌跡点や、相手選手(キャラクタ)よりも早く受け手(キャラクタCn)が到達することができない軌跡点については、その受け手(キャラクタCn)のボールの受け位置とはなり得ないので、そのような軌跡点を抽出して、その後の受け位置点数の演算を行わないようにする。
【0108】
軌跡Lにおける各軌跡点Pmのデータは、図9(b)の軌跡データテーブル200に示すように、ボールBが通過する時刻(時:分:秒)と、その時刻でのボールBの3次元の座標値(X、Y、Z)との組から構成され、システムメモリ42に記憶されている。
【0109】
まず、軌跡点Pmを順次抽出するため、軌跡点カウンタmを初期値の「0」に設定する(ステップQ01)。
【0110】
次に、軌跡点カウンタmの軌跡点Pmを抽出する(ステップQ02)。
【0111】
次に、抽出された軌跡点Pmについて、受け手(キャラクタCn)の到達可能時間Tmを演算により求める(ステップQ03)。受け手(キャラクタCn)が現在位置Pnと軌跡点Pmまでの距離をLとして、到達可能時間Tmを、次式
Tm=L/(受け手の最高速度×係数)
により求める。係数としては、例えば、0.8とする。
【0112】
受け手の最高速度に係数(例えば、0.8)の係数を掛けたのは、受け手の直前の移動方向を考慮して余裕を持たせて判定するためである。例えば、受け手が直前に反対方向に移動している場合には方向転換に時間がかかるため、その分到達するのが遅れるからである。受け手の直前の移動方向まで考慮して到達可能時間を計算する代わりに一律に1以下の係数をかけて受け手の平均移動速度としている。
【0113】
なお、到達可能時間を上述した式により演算する代わりに、選手毎に移動距離に対する到達可能時間を予めデータテーブルとして記憶しておき、そのデータテーブルを参照して到達可能時間を求めるようにしてもよい。その際、単位移動距離(例えば1m)毎の到達可能時間を予めデータテーブルとして記憶しておき、単位移動距離(例えば1m)間の距離に対しては平均値で補完するようにしてもよい。
【0114】
次に、受け手(キャラクタCn)の到達可能時間Tmに基づいて、受け手(キャラクタCn)が軌跡点Pmに到達する時刻tmを求め、その時刻tmが、軌跡データテーブル200における軌跡点Pmの通過時刻よりも前であるか否か判断する(ステップQ04)。
【0115】
受け手(キャラクタCn)が軌跡点Pmに到達する時刻tmが、軌跡点PmのボールBの通過時刻よりも後であれば、その軌跡点Pmについて受け位置点数を算出する必要がないと判断し、受け位置点数を「0」として、受け位置点数データテーブル210に格納する(ステップQ05)。
【0116】
受け手(キャラクタCn)が軌跡点Pmに到達する時刻tmが、軌跡点PmのボールBの通過時刻よりも前である判断されると、次に、相手チームの選手(キャラクタ)の到達可能時間Teを演算により求める(ステップQ06)。
【0117】
相手チームの選手(キャラクタ)のうち軌跡点Pmに最も近い相手選手について、その現在位置Peと軌跡点Pmまでの距離をLとして、到達可能時間Teを、次式
Te=L/(相手選手の最高速度×係数)
により求める。係数としては、例えば、0.8とする。
【0118】
次に、相手選手の到達可能時間Teに基づいて、相手選手が軌跡点Pmに到達する時刻teを求め、その時刻teが、受け手が軌跡点Pmに到達する時刻tmよりも前であるか否か判断する(ステップQ07)。
【0119】
受け手が軌跡点Pmに到達する時刻tmが、相手選手が軌跡点Pmに到達する時刻teよりも後であれば、その軌跡点Pmについて受け位置点数を算出する必要がない無効な軌跡点であると判断し、受け位置点数を「0」として、受け位置点数データテーブル210に格納する(ステップQ05)。
【0120】
受け手が軌跡点Pmに到達する時刻tmが、相手選手が軌跡点Pmに到達する時刻teよりも前であると判断されると、受け位置点数データテーブル210の受け位置点数には何も格納しない(ステップQ08)。
【0121】
なお、受け位置点数を算出するべき有効な軌跡点であることを示すために、受け位置点数として、例えば「9999」を受け位置点数データテーブル210に格納してもよい。
【0122】
次に、全ての軌跡点について有効又は無効の判断が終了したか否かを判定する(ステップQ09)。
【0123】
ステップQ09において全ての軌跡点について有効又は無効の判断が終了していないと判定されれば、軌跡点カウンタmに「1」を加算し(ステップQ10)、ステップQ02に戻る。
【0124】
次に、次の軌跡点カウンタmの軌跡点Pmを抽出し(ステップQ02)、ステップQ03〜ステップQ08を実行する。全ての軌跡点についての判断が終了するまで、これらの処理を繰り返す。
【0125】
ステップQ09において全ての軌跡点について有効又は無効の判断が終了している判定されれば、次のステップQ11の処理に移る。
【0126】
次のステップQ11以降では、有効な軌跡点について受け位置点数を演算する。
【0127】
まず、軌跡点Pmを順次抽出するため、軌跡点カウンタmを初期値の「0」に設定する(ステップQ11)。
【0128】
次に、軌跡点カウンタmの軌跡点Pmを抽出する(ステップQ12)。
【0129】
次に、軌跡点Pmが有効か無効かを判断する(ステップQ13)。すなわち、軌跡点Pmの受け位置点数が「0」であるか否かを判断する。
【0130】
ステップQ13において軌跡点Pmの受け位置点数が「0」であり、無効であると判断されると、受け位置点数の演算を行わずに、ステップQ17に移動する。
【0131】
ステップQ13において軌跡点Pmの受け位置点数が「0」でなく、有効であると判断されると、受け位置点数の演算を行う。
【0132】
まず、軌跡点Pmと相手ゴールGとの距離Mに基づいたゴールポイントYmを演算する(ステップQ14)。軌跡点Pmが相手ゴールGに近いほどゴールポイントYmは多くなるように定める。例えば、距離Mの単位をメートル(m)として、次式
Xm=50.00−M
により求める。
【0133】
また、次式
Xm=(50/M)×100
により求めてもよい。
【0134】
次に、軌跡点Pmが位置するピッチ上のブロックのゾーンポイントZmを抽出する(ステップQ15)。
【0135】
ゾーンポイントZmは、自分のチームから見た空間としての価値を得点化したものである。ピッチ上を5m×5m単位でブロック化し、各ブロックに対して、単位処理毎(例えば1フレーム毎)にゾーンポイントZmを付与する。味方選手との関係、相手選手との関係、ゴールライン位置との関係等から定められる。ゾーンポイントの詳細については後述する。
【0136】
次に、ステップQ14で算出したゴールポイントYmと、ステップQ15で算出したゾーンポイントZmとを加算し、受け位置点数Xm(=Ym+Zm)として、受け位置点数データテーブル210に格納する(ステップQ16)。
【0137】
次に、全ての軌跡点について受け位置点数Xmの演算が終了したか否かを判定する(ステップQ17)。
【0138】
ステップQ17において全ての軌跡点について受け位置点数Xmの演算が終了していないと判定されれば、軌跡点カウンタmに「1」を加算し(ステップQ18)、ステップQ12に戻る。
【0139】
次に、次の軌跡点カウンタmの軌跡点Pmを抽出し(ステップQ12)、ステップQ13〜ステップQ18を実行する。全ての軌跡点についての判断が終了するまで、これらの処理を繰り返す。
【0140】
ステップQ17において全ての軌跡点について受け位置点数Xmの演算が終了している判定されれば、この受け位置得点化処理を終了して、図10のフローチャートに戻る。
【0141】
(ゾーンポイント)
ゾーンポイントの詳細について図12及び図13を用いて説明する。
【0142】
ゾーンポイントは、自分のチームから見た空間としての価値を得点化したものである。サッカーフィールドを5m×5m単位でブロック化し、各ブロックに対して、単位処理毎にゾーンポイントZmを付与する。
【0143】
図12に示すように、サッカーフィールドFが、5m×5m単位でブロック化され、各ブロックBmに対して、単位処理毎にゾーンポイントZmを付与されている。図12では、その時点での、味方選手Cnと相手選手Dnの位置も図示されている。ゾーンポイントZmは、味方選手Cnとの関係、相手選手Dnとの関係、ゴールラインLの位置との関係等から定められている。
【0144】
各ブロックに付与されたゾーンポイントは、図13に示すゾーンポイントテーブル220に格納される。ゾーンポイントテーブル220は、例えば、長さ100m、幅50mのサッカーフィールドであれば、図13に示すように、横20×縦10のマトリクス状のテーブルとなる。
【0145】
ゾーンポイントは、味方選手との関係に基づく得点1と、相手選手との関係に基づく得点2と、ゴールライン位置との関係に基づく得点3から構成される。
【0146】
味方選手との関係に基づく得点1は次のようにして算出する。
【0147】
まず、得点1の基本ポイントを10点とする。そして、調査するゾーンの中心座標から15m以内に味方の選手がいた場合は、その距離をLmとし、次式
(15−Lm)×0.3
を減点ポイントとして、得点1から減算する。ただし、得点1はマイナス点にはならないようにする。減点ポイントが大きい場合でも、得点1は0以上となるよう補正する。
【0148】
相手選手との関係に基づく得点2は次のようにして算出する。
【0149】
まず、得点2の基本ポイントを10点とする。そして、調査するゾーンの中心座標から15m以内に相手の選手がいた場合は、その距離をLeとし、次式
(15−Le)×0.6
を減点ポイントとして、得点2から減算する。ただし、得点2はマイナス点にはならないようにする。減点ポイントが大きい場合でも、得点2は0以上となるよう補正する。
【0150】
ライン位置の関係に基づく得点3は次のようにして算出する。
【0151】
調査するゾーンの中心座標と自チームのゴールラインとのライン距離をLxとする。なお、ライン距離とは、ゾーンの中心座標Zpから、自チームのゴールラインへ下した垂線の距離である。得点3を次式
Lx/10
により求める。
【0152】
ゾーンポイントは、次式
ゾーンポイント=得点1+得点2+得点3
に示す通り、これら得点1と得点2と得点3の総和である。
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
【0153】
例えば、上記実施形態では、表示部の画面上の位置を指示する指示手段としてタッチパネルを用いたが、他の指示手段を用いてよい。例えば、マウスコントローラ、トラックボール、ペンタブレット等のポインティングデバイスを用いてもよい。また、ゲーム態様によっては、上下左右の方向指示を行う十字キーを指示手段として用いてもよい。
【0154】
また、上記実施形態では、ボールゲームとしてサッカーゲームに適用したが、ボールを使って行うゲームであれば、他のボールゲーム、例えば、ラグビーゲーム、クリケットゲーム、野球ゲーム、テニスゲーム、卓球ゲーム、バドミントンゲーム等のゲームに適用してもよい。
【0155】
また、上記実施形態では、アミューズメント施設内に設けられたゲーム装置を例として説明したが、本発明の原理は、ゲーム装置の代わりに、家庭用ゲーム装置や、携帯ゲーム機、パーソナルコンピュータ、或いは、携帯電話、PHS、PDA等の携帯電話機等を用いてもよい。
【0156】
また、上記実施形態では、ゲーム代金を支払う際にコインを投入する場合を例に説明したが、ゲーム代金はコインに限定されるものではなく、メダル、プリペイドカード、クレジットカード、電子マネー等を用いてゲーム代金を支払うことも可能である。
【0157】
また、上記実施形態では、プレイヤーの識別のためにICカードを用いたが、磁気カード、携帯電話等を用いてもよい。更に、プレイヤーを識別するものであれば、指紋や虹彩等の個人を識別する手段を用いてもよい。
【0158】
また 、上記実施形態では味方選手のパスの受け手とパスの受け位置を決定する処理を行なったが、味方か相手かに関わらず全てのキャラクタを抽出して受け位置得点化処理を行なうようにしても良い。味方か相手かに関わらず全選手キャラクタの受け位置の得点を比較することで、その結果最高得点の選手が味方選手である場合にはパスが成功となり、最も得点の高い軌跡点を受け位置としてパスの受け取り処理を行なう。最高得点の選手が相手選手である場合にはパスが失敗(パスカット)となり、最も得点の高い軌跡点を受け位置として相手選手がパスカットをする処理を行なう態様としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0159】
【図1】本発明の一実施形態によるゲームシステムにおけるゲーム装置の外観を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態によるゲームシステムを示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態によるゲーム装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態におけるタッチパネルへの操作入力による動作指示の態様を示す図(その1)である。
【図5】本発明の一実施形態におけるタッチパネルへの操作入力による動作指示の態様を示す図(その2)である。
【図6】本発明の一実施形態におけるパス操作処理の第1の具体例を説明するための図である。
【図7】本発明の一実施形態におけるパス操作処理の第2の具体例を説明するための図である。
【図8】本発明の一実施形態におけるパス操作処理の第2の具体例のフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態におけるパス操作処理の第2の具体例におけるボールの軌跡点の説明図である。
【図10】本発明の一実施形態におけるパス操作処理の第2の具体例におけるボールの軌跡データテーブルを示す図である。
【図11】本発明の一実施形態におけるパス操作処理の第2の具体例における受け位置得点化処理のフローチャートである。
【図12】本発明の一実施形態におけるパス操作処理の第2の具体例におけるゾーンポイントの説明図である。
【図13】本発明の一実施形態におけるパス操作処理の第2の具体例におけるゾーンポイントテーブルを示す図である。
【符号の説明】
【0160】
10…アミューズメント施設
12…ゲーム装置
14…処理装置
16…メンバーズカード
18…ICカードI/F
20…LAN
22…インターネット
24…タッチパネル
30…サーバー
32…筐体
34…ディスプレイモニタ
36…コイン投入部
40…CPU
42…システムメモリ
44…バスアービタ
46…プログラムデータ記憶装置又は記憶媒体
48…BOOTROM
50…レンダリングプロセッサ
52…グラフィックメモリ
56…サウンドプロセッサ
58…サウンドメモリ
60…スピーカ
62…通信インターフェース
64…LANアダプタ
68…ペリフェラルI/F
【技術分野】
【0001】
本発明はゲーム装置及びゲーム装置の制御方法に関し、特に、フィールド上で複数のキャラクタがボールを使って行うボールゲームを行うゲーム装置及びゲーム装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
球技の試合をシミュレートしたボールゲームが知られている。例えば、野球をシミュレートした野球ゲームや、サッカーをシミュレートしたサッカーゲーム等がよく知られている。
【特許文献1】特開2005−131310号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このようなボールゲームにおいては、プレイヤーの操作の負担を軽減するために一定の処理についてはプレイヤーの操作を介さずに自動的に決定して処理するようにしている。
【0004】
本発明の目的は、ボールゲームとして合理的かつ自然に制御することができるゲーム装置及びゲーム装置の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によるゲーム装置は、操作部と、表示部と、制御部とを有し、前記制御部が、前記操作部の操作に基づいて、仮想空間内のフィールド上で複数のキャラクタがボールを使って行うボールゲームを制御し、前記表示部が、前記ボールゲームを表示するゲーム装置であって、前記制御部は、前記操作部の操作に基づいて、一のキャラクタにボールをパスさせる制御を行う第1の手段と、前記パスされたボールが移動する予定の移動予定軌跡を演算する第2の手段と、前記移動予定軌跡を構成する複数の軌跡点を抽出する第3の手段と、前記複数の軌跡点について、各軌跡点の位置と仮想空間内の所定位置との距離に基づき第1の評価ポイントを演算する第4の手段と、前記複数の軌跡点ごとの前記第1の評価ポイントをそれぞれ比較して、他のキャラクタがボールを受ける位置を決定する第5の手段とを有することを特徴とする。
【0006】
上述したゲーム装置において、前記制御部は、前記フィールドを複数に分割した各ゾーンについて、そのゾーンの位置と他のキャラクタの位置との距離に基づき第2の評価ポイントを演算する第6の手段を更に有し、前記制御部の前記第5の手段は、前記複数の軌跡点の位置が属するゾーンの前記第2の評価ポイントをそれぞれ比較して、他のキャラクタがボールを受ける位置を決定するようにしてもよい。
【0007】
上述したゲーム装置において、前記制御部は、前記ボールの移動予定軌跡の各軌跡点のうち、前記他のキャラクタが到達する時刻よりも前記ボールが到達する時刻の方が早い軌跡点を抽出する第7の手段と、前記ボールの移動予定軌跡の各軌跡点のうち、前記他のキャラクタが到達する時刻よりも前記他のキャラクタの相手側のいずれかのキャラクタが到達する時刻の方が早い軌跡点を抽出する第8の手段と、前記第7の手段又は前記第8の手段により抽出された軌跡点を、前記第3の手段により抽出された軌跡点から除外する第9の手段を更に有するようにしてもよい。
【0008】
上述したゲーム装置において、前記操作部は、前記表示部の画面上の位置を指示する指示手段を有し、前記制御部の前記第1の手段は、前記一のキャラクタが保持するボールを、前記指示手段により指示された位置に向かって移動させることにより、前記一のキャラクタにボールをパスさせる制御を行うようにしてもよい。
【0009】
上述したゲーム装置において、前記操作部の指示手段は、前記表示部の画面上に設けられ、遊戯者が接触することにより画面上の位置を指示するタッチパネルであってもよい。
【0010】
本発明の一態様によるゲーム装置の制御方法は、操作部と、表示部と、制御部とを有するゲーム装置であって、前記制御部が、前記操作部の操作に基づいて、フィールド上で複数のキャラクタがボールを使って行うボールゲームを制御し、前記表示部が、前記ボールゲームを表示するゲーム装置の制御方法であって、前記制御部が、前記操作部の操作に基づいて、一のキャラクタにボールをパスさせる制御を行う第1のステップと、前記制御部が、前記パスされたボールが移動する予定の移動予定軌跡を演算する第2のステップと、前記制御部が、前記移動予定軌跡を構成する複数の軌跡点を抽出する第3のステップと、前記制御部が、前記複数の軌跡点について、各軌跡点の位置と仮想空間内の所定位置との距離に基づき第1の評価ポイントを演算する第4のステップと、前記制御部が、前記複数の軌跡点ごとの前記第1の評価ポイントをそれぞれ比較して、他のキャラクタがボールを受ける位置を決定する第5のステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、制御部が、操作部の操作に基づいて、一のキャラクタにボールをパスさせる制御を行い、制御部が、パスされたボールが移動する予定の移動予定軌跡を演算し、制御部が、移動予定軌跡を構成する複数の軌跡点を抽出し、制御部が、複数の軌跡点について、各軌跡点の位置と仮想空間内の所定位置との距離に基づき第1の評価ポイントを演算し、制御部が、複数の軌跡点ごとの第1の評価ポイントをそれぞれ比較して、他のキャラクタがボールを受ける位置を決定するようにしたので、ボールゲームとして合理的かつ自然に制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
[一実施形態]
本発明の一実施形態によるゲームシステムについて図面を用いて説明する。
【0013】
本実施形態のゲーム装置は、例えば、アミューズメント施設内に設置されている。これらゲーム装置は、例えば、インターネットに接続されている。地域的に離れたプレイヤー(遊戯者)同士であっても、サッカーゲーム等の対戦ゲームを行うことができるように構成されている。
【0014】
なお、本実施形態においてはサッカーゲームを例として説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の球技ゲーム、例えば、フットサルゲーム、アメリカンフットボールゲーム、ホッケーゲーム、ハンドボールゲーム、バスケットボールゲーム等にも適用することができる。
【0015】
(ゲーム装置の概要)
本実施形態によるゲームシステムを図1及び図2を用いて説明する。図1は、本実施形態によるゲームシステムにおけるゲーム装置の外観を示す斜視図である。図2は、本実施形態によるゲームシステムを示すブロック図である。
【0016】
アミューズメント施設10は、例えば各地域に所在している。各アミューズメント施設10には、ゲームを行うために複数台のゲーム装置12が設けられている。アミューズメント施設10には、ゲーム装置12の他に、図2に示すように、ゲーム内容の表示やゲームの宣伝等を行う、図示しないディスプレイモニタ(表示手段)を備えた処理装置14を設けるようにしてもよい。アミューズメント施設10に処理装置14が設けられている場合には、処理装置14に設けられたディスプレイモニタに進行中の試合、又は、過去に行った試合のリプレイを表示することにより、観戦者がゲームを観戦することができる。
【0017】
プレイヤー(遊戯者)は、ゲーム装置12に設けられたコイン投入部36にコインを投入してサッカーゲームを開始する。ゲーム装置12には、ICカードであるメンバーズカード16を読み取るためのICカードI/F(インターフェース)18が設けられている。メンバーズカード16には固有のID番号が記録されている。
【0018】
各ゲーム装置12はアミューズメント施設10内のLAN20に接続されている。ゲーム装置12は、アミューズメント施設10内の他のゲーム装置12と相互に通信可能である。また、アミューズメント施設10のLAN20はインターネット22に接続されている。ゲーム装置12は、他のアミューズメント施設10内のゲーム装置12とも相互に通信可能である。従って、設置場所が離れていても、任意のゲーム装置により共通のサッカーゲームを行うことができるように構成されている。
【0019】
アミューズメント施設10を訪れたプレイヤーは、ゲーム装置12に着席し、コインを投入し、タッチパネル24等の操作を行うことにより、他のプレイヤーとサッカーゲームを行う。
【0020】
サーバー30は、インターネット22に接続されている。サーバー30は制御手段(図示せず)と記憶手段(図示せず)とを有している。サーバー30は、制御手段により、ゲーム装置12を制御する。サーバー30は、記憶手段により、ゲーム装置12により実行されたサッカーゲーム等のゲームのプレイデータを、インターネット22を介して収集し、そのプレイデータを蓄積し、管理する。
【0021】
サーバー30の記憶手段には、各プレイヤーのゲームのレベルやゲームの履歴が記憶されている。ゲームのレベルは、対戦結果に応じて付与される。
【0022】
なお、複数のゲーム装置12のうちの一台を、サーバーとして機能させてもよい。サーバーとしてのゲーム装置12は、複数のゲーム装置12を制御すると共に、各ゲーム装置12により実行されたサッカーゲーム等のゲームのプレイデータを、LAN20を介して収集し、そのプレイデータを蓄積し、管理する。
【0023】
(ゲーム装置の構成)
本実施形態によるゲームシステムにおけるゲーム装置の構成について図面を用いて説明する。図3は、本実施形態によるゲーム装置のブロック図である。
【0024】
図1に示すように、ゲーム装置12の筐体32には、ゲーム内容を表示するディスプレイモニタ34が設けられている。ディスプレイモニタ34上には、プレイヤーがゲームの操作を行うためのタッチパネル24が設けられている。また、ゲーム装置12の筐体32には、コインを投入するためのコイン投入部36と、メンバーズカード16を読み取るためのICカードI/F18とが設けられている。ディスプレイモニタ34には、サッカーゲームの画面が表示される。
【0025】
図3に示すように、ゲーム装置12には、ゲームプログラムの実行やシステム全体の制御や画像表示のための座標計算等を行い制御手段として機能するCPU40と、CPU40が処理を行うのに必要なプログラムやデータを格納するバッファメモリとして利用される記憶手段としてのシステムメモリ(RAM)42とがバスラインにより共通接続され、バスアービタ44に接続されている。バスアービタ44は、ゲーム装置12の各ブロックや外部に接続される機器とのプログラムやデータの流れを制御する。
【0026】
ゲームプログラムやデータ(映像データや音楽データも含む)が格納されたプログラムデータ記憶装置又は記憶媒体(ゲーム用記録媒体であるCD−ROM等を駆動する光ディスクや光ディスクドライブ等も含む)46と、ゲーム装置を起動するためのプログラムやデータが格納されているBOOTROM48とがバスラインを介してバスアービタ44に接続されている。
【0027】
バスアービタ44には、バスラインを介してレンダリングプロセッサ50が接続されている。レンダリングプロセッサ50は、バスアービタ44を介して、プログラムデータ記憶装置又は記憶媒体46から読み出した映像(MOVIE)データを再生したり、プレイヤーの操作やゲーム進行に応じて画像表示のための画像を生成したりする。
【0028】
レンダリングプロセッサ50には、レンダリングプロセッサ50が画像生成を行うために必要なグラフィックデータ等を格納しておくグラフィックメモリ52が接続されている。
【0029】
レンダリングプロセッサ50から出力される画像信号は、ビデオDAC(図示せず)によりデジタル信号からアナログ信号に変換され、ディスプレイモニタ34に表示される。
【0030】
バスアービタ44には、バスラインを介してサウンドプロセッサ56が接続されている。サウンドプロセッサ56は、バスアービタ44を介して、プログラムデータ記憶装置又は記憶媒体46から読み出した音楽データを再生したり、プレイヤーによる操作やゲーム進行に応じて効果音や音声を生成したりする。
【0031】
サウンドプロセッサ56には、サウンドプロセッサ56により効果音や音声を生成するために必要なサウンドデータ等を格納しておくサウンドメモリ58が接続されている。サウンドプロセッサ56から出力される音声信号は、オーディオDAC(図示せず)によりデジタル信号からアナログ信号に変換され、スピーカ60から出力される。
【0032】
バスアービタ44には、バスラインを介して通信インターフェース62が接続されている。通信インターフェース62はLANアダプタ64を介して電話回線等の外部ネットワークに接続される。ゲーム装置12はLANアダプタ64により電話回線を介してインターネットに接続され、他のゲーム装置12やネットワークサーバー30等との通信が可能となる。なお、通信インターフェース62及びLANアダプタ64は電話回線を使用するものであるが、電話回線を使用するターミナルアダプタ(TA)やルータ、ケーブルテレビ回線を使用するケーブルモデム、携帯電話やPHSを利用して無線通信手段、光ファイバを用いた光ファイバ通信手段等の他の通信方法を利用してもよい。
【0033】
バスアービタ44には、ペリフェラルI/F68を介して、タッチパネル24が接続されている。タッチパネル24は、プレイヤーが各種操作を入力するためのものである。プレイヤーは、タッチペン等を用いてタッチパネル24に触れることにより、各種操作を入力することができる。ペリフェラルI/F68は、プレイヤーによる操作にしたがって、ゲーム装置12や外部に接続された機器を制御するための信号を出力する。タッチパネル24は、タッチペン等が接触した位置の座標値を取得して位置座標情報を生成する位置座標取得手段として機能する。
【0034】
バスアービタ44には、メンバーズカード16を読み取るためのICカードI/F18が接続されている。
【0035】
バスアービタ44にはバックアップメモリ(図示せず)が接続され、これにゲームの成績などの記録を行う。バックアップメモリは、システムメモリ(RAM)で代用してもよい。
【0036】
なお、ゲーム装置12は、アミューズメント施設やゲームカフェ等の店舗に設置されるゲーム装置に限定されるものではなく、家庭用のゲーム装置やパーソナルコンピュータ、携帯型電子ゲーム機、携帯電話やPDA等の電子装置、ゲーム情報処理装置でもよい。
【0037】
(サッカーゲーム処理の詳細)
本実施形態におけるサッカーゲームでは、複数のキャラクタを統一的に制御する必要があるとともに、個々のキャラクタをプレイヤーの要望に応じて制御する必要がある。このため、本実施形態によるゲームシステムでは、ゲーム装置12のCPU40はキャラクタ全体を統一的に制御するとともに(全体制御)、プレイヤーが指定したキャラクタの動作をも迅速に制御することとしている(個別制御)。
【0038】
ゲーム装置12のCPU40は、ゲームプログラムに基づいて全体制御及び個別制御を行う。全体制御は、各々のキャラクタの位置等を考慮して行われる。個別制御は、プレイヤーによるタッチパネル24からの操作入力に基づいて行われる。
【0039】
サッカーゲームにおいては、ゲーム装置12のCPU40は、仮想の3次元空間に各々のキャラクタを配置するとともに、各々のキャラクタの配置やボールの位置等を適宜変更させる。
【0040】
(タッチパネルによる操作入力)
次に、本実施形態によるゲームシステムにおけるタッチパネルによる操作入力について図面を用いて説明する。
【0041】
本実施形態によるゲームシステムにおいては、プレイヤーは、タッチパネル24により各種操作を入力する。
【0042】
プレイヤーがタッチパネル24にタッチする際に用いられる操作入力手段としては、例えばタッチペンを用いることができる。
【0043】
なお、ここでは、操作入力手段としてタッチペンを用いる場合を例に説明するが、操作入力手段はタッチペンに限定されるものではない。例えば、操作入力手段がプレイヤーの指であってもよい。プレイヤーの指でタッチパネルをタッチすることにより、操作入力を行うようにしてもよい。
【0044】
タッチパネル24は、タッチペンによりタッチされた位置の座標データを取得して、タッチ位置座標データを生成する。タッチパネル24により生成されたタッチ位置座標データは、ペリフェラルI/F68及びバスアービタ44を介してCPU40に出力される。
【0045】
CPU40は、タッチパネル24から出力されたタッチ位置座標データを、タッチペンによりタッチされた時刻のデータ(タッチ時刻データ)とともに、システムメモリ42のタッチデータメモリに順次記憶させる。システムメモリ42のタッチデータメモリに記憶されるタッチ位置座標データ及びタッチ時刻データは、適宜更新される。
【0046】
タッチパネル24への操作入力の種類は、ドラッグ操作入力とタッチ操作入力とに大別される。
【0047】
ドラッグ操作とは、タッチパネル24へのタッチ後、タッチパネル24に接触させた状態を保ってタッチ位置を移動する操作である。
【0048】
タッチ操作とは、タッチパネル24への接触であり、タッチする位置の移動を伴わない操作である。タッチ操作には、タッチの回数、タッチの時間間隔等の態様がある。CPU40は、タッチ操作の態様の相違を判断し、タッチ操作の態様に応じてキャラクタの動作を制御する。
【0049】
なお、本実施形態ではタッチパネル24を用いて画面上の位置を指示したが、これに限定されるものではなく、ペンタブレットやマウス等の位置座標を指定できるポインティングデバイス(指示手段)を用いてもよい。このようなポインティングデバイスにおいて、タッチ操作とは位置座標を指定する操作に相当し、ドラッグ操作とは位置座標を指定した状態を保持してポインティングデバイスを移動させる操作に相当する。
【0050】
(シングルタッチ・ダブルタッチ)
タッチ操作にはシングルタッチとダブルタッチがある。シングルタッチは、タッチパネル24に1回タッチする操作である。ダブルタッチは、タッチパネル24に2回連続してタッチする操作である。
【0051】
シングルタッチ入力かダブルタッチ入力かは次のようにして判断する。
【0052】
プレイヤーがタッチすると、CPU40は、前回のタッチから今回のタッチまでの時間が所定時間T1以内であるか否かを判断する。所定時間T1は、例えば0.5秒とする。
【0053】
前回のタッチから今回のタッチまでの時間が所定時間T1より長い場合には、CPU40は、今回のタッチはシングルタッチ入力であると判断する。
【0054】
前回のタッチから今回のタッチまでの時間が所定時間T1以下である場合には、前回タッチした箇所から今回タッチした箇所までの距離が所定距離L1以下であるか否かが判断される。所定距離L1は、例えば、ゲーム装置12のディスプレイモニタ34の表示画面の100ピクセルに相当する距離とする。
【0055】
前回タッチした箇所から今回タッチした箇所までの距離が所定距離L1より大きい場合には、CPU40は、今回のタッチはシングルタッチ入力であると判断する。
【0056】
前回タッチした箇所から今回タッチした箇所までの距離が所定距離L1以下である場合には、CPU40は、ダブルタッチ入力であると判断する。
【0057】
(連打対策)
プレイヤーはゲームに熱中してくると、ダブルタッチを意図しながら、タッチパネル24を連続してタッチする場合がある。そこで、本実施形態では、プレイヤーがタッチパネル24を連打した場合においても、プレイヤーが意図していない動作をキャラクタが行うことがないようにしている。
【0058】
前述したシングルタッチかダブルタッチかの判断により、ダブルタッチ入力であると判断された後に、プレイヤーがタッチパネル24にタッチしたとしても、前回のタッチから今回のタッチまでの時間が所定時間T1以内であり、かつ、前回タッチした箇所から今回タッチした箇所までの距離が所定距離L1以下である場合には、連続してタッチした連打であると判断し、そのようなタッチは無効なタッチとして処理する。
【0059】
(タッチパネルへの操作入力による動作指示の態様)
本実施形態によるサッカーゲームでは、タッチパネル24への操作入力により、オフェンス時におけるボールのパス、オフェンス時におけるシュート、オフェンス時及びディフェンス時における選手(キャラクタ)の移動、ディフェンス時におけるボール奪取等の動作を指示する。これらの動作の概略について図4及び図5を用いて説明する。
【0060】
(ボールのパス)
オフェンス時、即ち、自己チームが攻撃態勢になっている際に、プレイヤーがタッチパネル24にダブルタッチした場合には、図4(a)に示すように、ボールを保持している自己チームのキャラクタは、ダブルタッチされた箇所にボールが達するようにボールのパスを行う。
【0061】
(シュート)
オフェンス時、即ち、自己チームが攻撃態勢になっている際に、プレイヤーが相手ゴール内をダブルタッチした場合には、図4(b)に示すように、ボールを保持している自己チームのキャラクタが、ダブルタッチされた箇所に向かってシュートを行う。
【0062】
(キャラクタの移動)
オフェンス時やディフェンス時に、プレイヤーが自己チームのキャラクタを指定してドラッグ操作を行った場合には、指定された自己チームのキャラクタはドラッグ操作の終点に向かって移動する。プレイヤーが、タッチパネル24における選手がいる位置へのタッチ後、タッチパネル24に接触させた状態を保ってタッチ位置を移動すると、図5(a)に示すように、タッチ位置に移動に応じてタッチパネル24に表示された選手が移動する。
【0063】
(ボール奪取)
自己チームのキャラクタのアクションサークル内に相手チームのキャラクタが位置している際に、自己チームのキャラクタが表示されている箇所においてプレイヤーがダブルタッチ入力を行った場合には、ダブルタッチにより指定された自己チームのキャラクタは、最適な行動をとる。
【0064】
ディフェンス時に、自己チームのキャラクタのアクションサークル内にボールを保持している相手チームのキャラクタが位置している際に、自己チームのキャラクタが表示されている箇所においてプレイヤーがダブルタッチ入力を行った場合には、図5(b)に示すように、ダブルタッチにより指定された自己チームのキャラクタは、ボールを保持している相手チームのキャラクタからボールを奪うことを試みる。
【0065】
(パス操作処理)
本実施形態によるサッカーゲームにおけるパス操作処理について説明する。
【0066】
プレイヤーが、オフェンス時、タッチパネル24にダブルタッチした場合には、図4(a)に示すように、ボールを保持している自己チームのキャラクタは、ダブルタッチされた箇所にボールが達するようにボールのパスを行う。パスされたボールは、自己チームのキャラクタが受ける。その際、自己チームのどの選手がどこでパスを受けるかを決定しなくてはならない。
【0067】
パス操作処理は、自己チームのどの選手(キャラクタ)がどの位置でパスを受けるかを決定するための処理である。
【0068】
(パス操作処理(その1))
本実施形態におけるパス操作処理の第1の具体例について図6を用いて説明する。
【0069】
自己チームのキャラクタC1がボールBを保持している状態で、プレイヤーがタッチパネル24の位置P0をダブルタッチすると、キャラクタC1によりボールBが位置P0に向かって蹴られる。このとき、自己チームのキャラクタのうち最も位置P0の近くにいるキャラクタC2を受け手として設定し、キャラクタC2が位置P0に向かって移動し、位置P0において、パスされたボールBを受ける。
【0070】
この具体例では、プレイヤーがタッチパネル24をダブルタッチした位置P0に、パスされたボールBとキャラクタC2とを移動させればいいので、CPU40への負荷が少ないパス操作処理を実現できる。
【0071】
(パス操作処理(その2))
本実施形態におけるパス操作処理の第2の具体例について図面を用いて説明する。
【0072】
上述したパス操作処理の第1の具体例のように、プレイヤーがダブルタッチした位置P0でパスされたボールを自己チームのキャラクタC2が受けるようなパス操作処理を常に行うようにすると、自己チームのキャラクタC2の位置によっては、キャラクタC2の動きが不自然になることがある。
【0073】
そこで、第2の具体例では、キャラクタにより蹴られたボールの移動軌跡を演算し、その移動軌跡に基づいて、自己チームのどのキャラクタがどの位置でパスを受けるのが適切かを演算により決定する。その際、相手ゴールの位置も考慮する。これにより、実際のサッカーゲームにおけるような自然なパス操作処理が実現できる。
【0074】
(パス操作処理(その2)の概要)
次に、第2の具体例によるパス操作処理の概要について図7を用いて説明する。
【0075】
キャラクタC1により位置P0に向かって蹴られたボールBのパスの移動軌跡を演算する。ボールBの移動軌跡Lはダブルタッチした位置P0を越えて演算する。
【0076】
パスをしたキャラクタC1以外の自己チームの全てのキャラクタCnをパスの受け手として想定し、ボールBの移動軌跡Lの全ての軌跡点について、キャラクタCnがパスを受ける受け位置としての評価(適切度)を表す受け位置点数を算出する。
【0077】
そして、キャラクタC1以外の全てのキャラクタCnの全ての軌跡点についての受け位置点数のうち、最も高得点の受け位置点数のキャラクタCnが、その受け位置でボールBを受けるようにする。
【0078】
受け位置点数としては、基準地点、例えば、相手ゴールGに近いほど高得点となるように点数を定める。また、ピッチを一定の大きさで分割してゾーン化し、各ゾーンについて自己チームのキャラクタの現在位置と相手チームのキャラクタの現在位置によりゾーンポイントとして点数化し、各軌跡点のゾーンポイントを点数に加味する。
【0079】
なお、基準地点としては、上述した相手ゴールGに限らない。例えば、守備のために相手ゴールの反対側にパス(バックパス)をする場面がサッカーゲームでは生じるが、そのような場面では相手ゴールではなく味方ゴールが基準地点となる。受け位置点数は、基準地点である味方ゴールに近いほど得点が高くなる。
【0080】
また、基準地点としては、ゴールのようにフィールドに固定された位置ではなく、ゴールキーパーのようにゲーム中にフィールド内を移動し得る位置としてもよい。
【0081】
更に、ラグビーゲームやアメリカンフットボールゲームのような他の球技ゲームによっては、ゴールの代わりにゴールラインを基準地点としてもよい。
【0082】
なお、必ずしも、ボールBの移動軌跡Lの全ての軌跡点について受け位置点数を算出する必要はなく、その軌跡点にボールよりも早く受け手が到達すること、その軌跡点に相手選手(キャラクタ)よりも早く受け手が到達すること等の諸条件を満たした軌跡点についてのみ受け位置点数を算出するようにしてもよい。
【0083】
(パス操作処理(その2)の詳細)
次に、第2の具体例によるパス操作処理の詳細について図8乃至図10を用いて説明する。図8は第2の具体例によるパス操作処理のフローチャートであり、図9は第2の具体例によるパス操作処理におけるボールの軌跡点の説明図であり、図10は第2の具体例によるパス操作処理におけるボールの軌跡データテーブルを示す図である。
【0084】
本具体例によるパス操作処理では、まず、パスの軌跡点を算出する(ステップP01)。
【0085】
プレイヤーが、オフェンス時、タッチパネル24の位置P0にダブルタッチすると、図9(a)に示すように、キャラクタC1により位置P0に向かってボールBが蹴られる。このとき、キャラクタC1の蹴る強さ、キャラクタC1と位置P0との距離等の所定の条件に基づいて、ボールBが辿るはずの軌跡Lを演算する。
【0086】
軌跡Lにおける各軌跡点Pmのデータは、図9(b)の軌跡データテーブル200に示すように、ボールBが通過する時刻(時:分:秒)と、その時刻でのボールBの3次元の座標値(X、Y、Z)との組から構成される。例えば、画面表示の1フレーム(1/60秒)毎の軌跡点のデータを算出して軌跡データとする。この軌跡データテーブル200はシステムメモリ42に記憶されている。
【0087】
例えば、図9(b)に示すように、キャラクタC1がボールBを蹴った時刻(00:00:00)から1フレーム(1/60秒)経過毎の軌跡点が、「00:00:00.00000」と「(X0,Y0,Z0)」、「00:00:00.01666」と「(X1,Y1,Z1)」、「00:00:00.03332」と「(X2,Y2,Z2)」、…と、時刻(時:分:秒)と3次元の座標値(X、Y、Z)との組として軌跡データを構成する。
【0088】
次に、味方の各選手(キャラクタ)を順次抽出するため、選手番号に相当する選手カウンタnを初期値の「1」に設定する(ステップP02)。
【0089】
次に、選手カウンタnの選手(キャラクタ)Cnを抽出する(ステップP03)。
【0090】
次に、抽出された選手(キャラクタ)Cnについて全軌跡点について、受け位置点数を算出する受け位置得点化処理を行う(ステップP04)。キャラクタCnをパスの受け手として想定し、ボールBの移動軌跡Lの全ての軌跡点について、キャラクタCnがパスを受ける受け位置としての評価(適切度)を表す受け位置点数を算出する。なお、ボールBを蹴った選手(キャラクタ)については受け位置点数を計算しない。
【0091】
この受け位置得点化処理の詳細については後述する。
【0092】
ステップP04において算出された、キャラクタCnについて各軌跡点についての受け位置点数Xmは、図10の受け位置点数テーブル210に格納される。この受け位置点数テーブル210はシステムメモリ42に記憶されている。
【0093】
次に、全選手について演算が終了したかを判断するため、選手カウンタnが11になったかを判定する(ステップP05)。
【0094】
ステップP05において選手カウンタnが11に達していないと判定されれば、選手カウンタnに「1」を加算し(ステップP06)、ステップP03に戻る。
【0095】
次に、次の選手カウンタnの選手(キャラクタ)を抽出し(ステップP03)、続いて、その選手について全軌跡点の受け位置点数を算出する受け位置得点化処理を行う(ステップP04)。
【0096】
ステップP05において選手カウンタnが11に達していると判定されると、全選手について演算が終了したことになり、図10の受け位置点数テーブル210が完成する。
【0097】
図10に示すように、受け位置点数テーブル210には、ボールBを蹴ったキャラクタC1以外の全選手C2〜C11について、全軌跡点P000〜Pmの受け位置点数が演算されて格納されている。
【0098】
次に、受け位置点数テーブル210を参照して、全味方選手C1〜Cnの全軌跡点P000〜Pmにおける全受け位置点数を比較する(ステップP06)。
【0099】
次に、全味方選手C1〜Cnの全軌跡点P000〜Pmにおける全受け位置点数のうち最高得点を獲得した選手Cnを抽出し(ステップP08)、パスの受け手に設定する(ステップP09)。
【0100】
次に、抽出されたパスの受け手の選手について最高得点である軌跡点をパスの受け位置として設定し、その受け手の選手にパスを受け取る動作を行わせる(ステップP10)。
【0101】
なお、全味方選手C1〜Cnの全軌跡点P000〜Pmにおける全受け位置点数が全て得点0である場合には、本具体例のパス操作処理では、受け手としてのキャラクタも受け位置も設定できない。
【0102】
その場合には、例えば、前述したパス操作処理の第1の具体例によりパスの受け手としてのキャラクタと受け位置を設定する。すなわち、自己チームのキャラクタのうち最も位置P0の近くにいるキャラクタC2を受け手として設定し、受け位置を位置P0とする。キャラクタC2が位置P0に向かって移動し、位置P0において、パスされたボールBを受けるようにする。
【0103】
これにより第2の具体例によるパス操作処理を終了する。
【0104】
(受け位置得点化処理の詳細)
次に、第2の具体例によるパス操作処理における受け位置得点化処理(ステップP04)の詳細について図11を用いて説明する。図11は第2の具体例によるパス操作処理における受け位置得点化処理のフローチャートである。
【0105】
ステップP04の受け位置得点化処理では、受け手としてのキャラクタCnが既に抽出されており、そのキャラクタCnについてボールBの移動軌跡Lの全ての軌跡点について受け位置点数を算出する。
【0106】
まず、キャラクタCnについてボールBの移動軌跡Lの全ての軌跡点のうち受け位置点数を算出する必要がない軌跡点を抽出する。
【0107】
ボールよりも早く受け手(キャラクタCn)が到達することができない軌跡点や、相手選手(キャラクタ)よりも早く受け手(キャラクタCn)が到達することができない軌跡点については、その受け手(キャラクタCn)のボールの受け位置とはなり得ないので、そのような軌跡点を抽出して、その後の受け位置点数の演算を行わないようにする。
【0108】
軌跡Lにおける各軌跡点Pmのデータは、図9(b)の軌跡データテーブル200に示すように、ボールBが通過する時刻(時:分:秒)と、その時刻でのボールBの3次元の座標値(X、Y、Z)との組から構成され、システムメモリ42に記憶されている。
【0109】
まず、軌跡点Pmを順次抽出するため、軌跡点カウンタmを初期値の「0」に設定する(ステップQ01)。
【0110】
次に、軌跡点カウンタmの軌跡点Pmを抽出する(ステップQ02)。
【0111】
次に、抽出された軌跡点Pmについて、受け手(キャラクタCn)の到達可能時間Tmを演算により求める(ステップQ03)。受け手(キャラクタCn)が現在位置Pnと軌跡点Pmまでの距離をLとして、到達可能時間Tmを、次式
Tm=L/(受け手の最高速度×係数)
により求める。係数としては、例えば、0.8とする。
【0112】
受け手の最高速度に係数(例えば、0.8)の係数を掛けたのは、受け手の直前の移動方向を考慮して余裕を持たせて判定するためである。例えば、受け手が直前に反対方向に移動している場合には方向転換に時間がかかるため、その分到達するのが遅れるからである。受け手の直前の移動方向まで考慮して到達可能時間を計算する代わりに一律に1以下の係数をかけて受け手の平均移動速度としている。
【0113】
なお、到達可能時間を上述した式により演算する代わりに、選手毎に移動距離に対する到達可能時間を予めデータテーブルとして記憶しておき、そのデータテーブルを参照して到達可能時間を求めるようにしてもよい。その際、単位移動距離(例えば1m)毎の到達可能時間を予めデータテーブルとして記憶しておき、単位移動距離(例えば1m)間の距離に対しては平均値で補完するようにしてもよい。
【0114】
次に、受け手(キャラクタCn)の到達可能時間Tmに基づいて、受け手(キャラクタCn)が軌跡点Pmに到達する時刻tmを求め、その時刻tmが、軌跡データテーブル200における軌跡点Pmの通過時刻よりも前であるか否か判断する(ステップQ04)。
【0115】
受け手(キャラクタCn)が軌跡点Pmに到達する時刻tmが、軌跡点PmのボールBの通過時刻よりも後であれば、その軌跡点Pmについて受け位置点数を算出する必要がないと判断し、受け位置点数を「0」として、受け位置点数データテーブル210に格納する(ステップQ05)。
【0116】
受け手(キャラクタCn)が軌跡点Pmに到達する時刻tmが、軌跡点PmのボールBの通過時刻よりも前である判断されると、次に、相手チームの選手(キャラクタ)の到達可能時間Teを演算により求める(ステップQ06)。
【0117】
相手チームの選手(キャラクタ)のうち軌跡点Pmに最も近い相手選手について、その現在位置Peと軌跡点Pmまでの距離をLとして、到達可能時間Teを、次式
Te=L/(相手選手の最高速度×係数)
により求める。係数としては、例えば、0.8とする。
【0118】
次に、相手選手の到達可能時間Teに基づいて、相手選手が軌跡点Pmに到達する時刻teを求め、その時刻teが、受け手が軌跡点Pmに到達する時刻tmよりも前であるか否か判断する(ステップQ07)。
【0119】
受け手が軌跡点Pmに到達する時刻tmが、相手選手が軌跡点Pmに到達する時刻teよりも後であれば、その軌跡点Pmについて受け位置点数を算出する必要がない無効な軌跡点であると判断し、受け位置点数を「0」として、受け位置点数データテーブル210に格納する(ステップQ05)。
【0120】
受け手が軌跡点Pmに到達する時刻tmが、相手選手が軌跡点Pmに到達する時刻teよりも前であると判断されると、受け位置点数データテーブル210の受け位置点数には何も格納しない(ステップQ08)。
【0121】
なお、受け位置点数を算出するべき有効な軌跡点であることを示すために、受け位置点数として、例えば「9999」を受け位置点数データテーブル210に格納してもよい。
【0122】
次に、全ての軌跡点について有効又は無効の判断が終了したか否かを判定する(ステップQ09)。
【0123】
ステップQ09において全ての軌跡点について有効又は無効の判断が終了していないと判定されれば、軌跡点カウンタmに「1」を加算し(ステップQ10)、ステップQ02に戻る。
【0124】
次に、次の軌跡点カウンタmの軌跡点Pmを抽出し(ステップQ02)、ステップQ03〜ステップQ08を実行する。全ての軌跡点についての判断が終了するまで、これらの処理を繰り返す。
【0125】
ステップQ09において全ての軌跡点について有効又は無効の判断が終了している判定されれば、次のステップQ11の処理に移る。
【0126】
次のステップQ11以降では、有効な軌跡点について受け位置点数を演算する。
【0127】
まず、軌跡点Pmを順次抽出するため、軌跡点カウンタmを初期値の「0」に設定する(ステップQ11)。
【0128】
次に、軌跡点カウンタmの軌跡点Pmを抽出する(ステップQ12)。
【0129】
次に、軌跡点Pmが有効か無効かを判断する(ステップQ13)。すなわち、軌跡点Pmの受け位置点数が「0」であるか否かを判断する。
【0130】
ステップQ13において軌跡点Pmの受け位置点数が「0」であり、無効であると判断されると、受け位置点数の演算を行わずに、ステップQ17に移動する。
【0131】
ステップQ13において軌跡点Pmの受け位置点数が「0」でなく、有効であると判断されると、受け位置点数の演算を行う。
【0132】
まず、軌跡点Pmと相手ゴールGとの距離Mに基づいたゴールポイントYmを演算する(ステップQ14)。軌跡点Pmが相手ゴールGに近いほどゴールポイントYmは多くなるように定める。例えば、距離Mの単位をメートル(m)として、次式
Xm=50.00−M
により求める。
【0133】
また、次式
Xm=(50/M)×100
により求めてもよい。
【0134】
次に、軌跡点Pmが位置するピッチ上のブロックのゾーンポイントZmを抽出する(ステップQ15)。
【0135】
ゾーンポイントZmは、自分のチームから見た空間としての価値を得点化したものである。ピッチ上を5m×5m単位でブロック化し、各ブロックに対して、単位処理毎(例えば1フレーム毎)にゾーンポイントZmを付与する。味方選手との関係、相手選手との関係、ゴールライン位置との関係等から定められる。ゾーンポイントの詳細については後述する。
【0136】
次に、ステップQ14で算出したゴールポイントYmと、ステップQ15で算出したゾーンポイントZmとを加算し、受け位置点数Xm(=Ym+Zm)として、受け位置点数データテーブル210に格納する(ステップQ16)。
【0137】
次に、全ての軌跡点について受け位置点数Xmの演算が終了したか否かを判定する(ステップQ17)。
【0138】
ステップQ17において全ての軌跡点について受け位置点数Xmの演算が終了していないと判定されれば、軌跡点カウンタmに「1」を加算し(ステップQ18)、ステップQ12に戻る。
【0139】
次に、次の軌跡点カウンタmの軌跡点Pmを抽出し(ステップQ12)、ステップQ13〜ステップQ18を実行する。全ての軌跡点についての判断が終了するまで、これらの処理を繰り返す。
【0140】
ステップQ17において全ての軌跡点について受け位置点数Xmの演算が終了している判定されれば、この受け位置得点化処理を終了して、図10のフローチャートに戻る。
【0141】
(ゾーンポイント)
ゾーンポイントの詳細について図12及び図13を用いて説明する。
【0142】
ゾーンポイントは、自分のチームから見た空間としての価値を得点化したものである。サッカーフィールドを5m×5m単位でブロック化し、各ブロックに対して、単位処理毎にゾーンポイントZmを付与する。
【0143】
図12に示すように、サッカーフィールドFが、5m×5m単位でブロック化され、各ブロックBmに対して、単位処理毎にゾーンポイントZmを付与されている。図12では、その時点での、味方選手Cnと相手選手Dnの位置も図示されている。ゾーンポイントZmは、味方選手Cnとの関係、相手選手Dnとの関係、ゴールラインLの位置との関係等から定められている。
【0144】
各ブロックに付与されたゾーンポイントは、図13に示すゾーンポイントテーブル220に格納される。ゾーンポイントテーブル220は、例えば、長さ100m、幅50mのサッカーフィールドであれば、図13に示すように、横20×縦10のマトリクス状のテーブルとなる。
【0145】
ゾーンポイントは、味方選手との関係に基づく得点1と、相手選手との関係に基づく得点2と、ゴールライン位置との関係に基づく得点3から構成される。
【0146】
味方選手との関係に基づく得点1は次のようにして算出する。
【0147】
まず、得点1の基本ポイントを10点とする。そして、調査するゾーンの中心座標から15m以内に味方の選手がいた場合は、その距離をLmとし、次式
(15−Lm)×0.3
を減点ポイントとして、得点1から減算する。ただし、得点1はマイナス点にはならないようにする。減点ポイントが大きい場合でも、得点1は0以上となるよう補正する。
【0148】
相手選手との関係に基づく得点2は次のようにして算出する。
【0149】
まず、得点2の基本ポイントを10点とする。そして、調査するゾーンの中心座標から15m以内に相手の選手がいた場合は、その距離をLeとし、次式
(15−Le)×0.6
を減点ポイントとして、得点2から減算する。ただし、得点2はマイナス点にはならないようにする。減点ポイントが大きい場合でも、得点2は0以上となるよう補正する。
【0150】
ライン位置の関係に基づく得点3は次のようにして算出する。
【0151】
調査するゾーンの中心座標と自チームのゴールラインとのライン距離をLxとする。なお、ライン距離とは、ゾーンの中心座標Zpから、自チームのゴールラインへ下した垂線の距離である。得点3を次式
Lx/10
により求める。
【0152】
ゾーンポイントは、次式
ゾーンポイント=得点1+得点2+得点3
に示す通り、これら得点1と得点2と得点3の総和である。
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
【0153】
例えば、上記実施形態では、表示部の画面上の位置を指示する指示手段としてタッチパネルを用いたが、他の指示手段を用いてよい。例えば、マウスコントローラ、トラックボール、ペンタブレット等のポインティングデバイスを用いてもよい。また、ゲーム態様によっては、上下左右の方向指示を行う十字キーを指示手段として用いてもよい。
【0154】
また、上記実施形態では、ボールゲームとしてサッカーゲームに適用したが、ボールを使って行うゲームであれば、他のボールゲーム、例えば、ラグビーゲーム、クリケットゲーム、野球ゲーム、テニスゲーム、卓球ゲーム、バドミントンゲーム等のゲームに適用してもよい。
【0155】
また、上記実施形態では、アミューズメント施設内に設けられたゲーム装置を例として説明したが、本発明の原理は、ゲーム装置の代わりに、家庭用ゲーム装置や、携帯ゲーム機、パーソナルコンピュータ、或いは、携帯電話、PHS、PDA等の携帯電話機等を用いてもよい。
【0156】
また、上記実施形態では、ゲーム代金を支払う際にコインを投入する場合を例に説明したが、ゲーム代金はコインに限定されるものではなく、メダル、プリペイドカード、クレジットカード、電子マネー等を用いてゲーム代金を支払うことも可能である。
【0157】
また、上記実施形態では、プレイヤーの識別のためにICカードを用いたが、磁気カード、携帯電話等を用いてもよい。更に、プレイヤーを識別するものであれば、指紋や虹彩等の個人を識別する手段を用いてもよい。
【0158】
また 、上記実施形態では味方選手のパスの受け手とパスの受け位置を決定する処理を行なったが、味方か相手かに関わらず全てのキャラクタを抽出して受け位置得点化処理を行なうようにしても良い。味方か相手かに関わらず全選手キャラクタの受け位置の得点を比較することで、その結果最高得点の選手が味方選手である場合にはパスが成功となり、最も得点の高い軌跡点を受け位置としてパスの受け取り処理を行なう。最高得点の選手が相手選手である場合にはパスが失敗(パスカット)となり、最も得点の高い軌跡点を受け位置として相手選手がパスカットをする処理を行なう態様としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0159】
【図1】本発明の一実施形態によるゲームシステムにおけるゲーム装置の外観を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態によるゲームシステムを示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態によるゲーム装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態におけるタッチパネルへの操作入力による動作指示の態様を示す図(その1)である。
【図5】本発明の一実施形態におけるタッチパネルへの操作入力による動作指示の態様を示す図(その2)である。
【図6】本発明の一実施形態におけるパス操作処理の第1の具体例を説明するための図である。
【図7】本発明の一実施形態におけるパス操作処理の第2の具体例を説明するための図である。
【図8】本発明の一実施形態におけるパス操作処理の第2の具体例のフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態におけるパス操作処理の第2の具体例におけるボールの軌跡点の説明図である。
【図10】本発明の一実施形態におけるパス操作処理の第2の具体例におけるボールの軌跡データテーブルを示す図である。
【図11】本発明の一実施形態におけるパス操作処理の第2の具体例における受け位置得点化処理のフローチャートである。
【図12】本発明の一実施形態におけるパス操作処理の第2の具体例におけるゾーンポイントの説明図である。
【図13】本発明の一実施形態におけるパス操作処理の第2の具体例におけるゾーンポイントテーブルを示す図である。
【符号の説明】
【0160】
10…アミューズメント施設
12…ゲーム装置
14…処理装置
16…メンバーズカード
18…ICカードI/F
20…LAN
22…インターネット
24…タッチパネル
30…サーバー
32…筐体
34…ディスプレイモニタ
36…コイン投入部
40…CPU
42…システムメモリ
44…バスアービタ
46…プログラムデータ記憶装置又は記憶媒体
48…BOOTROM
50…レンダリングプロセッサ
52…グラフィックメモリ
56…サウンドプロセッサ
58…サウンドメモリ
60…スピーカ
62…通信インターフェース
64…LANアダプタ
68…ペリフェラルI/F
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部と、表示部と、制御部とを有し、前記制御部が、前記操作部の操作に基づいて、仮想空間内のフィールド上で複数のキャラクタがボールを使って行うボールゲームを制御し、前記表示部が、前記ボールゲームを表示するゲーム装置であって、
前記制御部は、
前記操作部の操作に基づいて、一のキャラクタにボールをパスさせる制御を行う第1の手段と、
前記パスされたボールが移動する予定の移動予定軌跡を演算する第2の手段と、
前記移動予定軌跡を構成する複数の軌跡点を抽出する第3の手段と、
前記複数の軌跡点について、各軌跡点の位置と仮想空間内の所定位置との距離に基づき第1の評価ポイントを演算する第4の手段と、
前記複数の軌跡点ごとの前記第1の評価ポイントをそれぞれ比較して、他のキャラクタがボールを受ける位置を決定する第5の手段と
を有することを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1記載のゲーム装置において、
前記制御部は、
前記フィールドを複数に分割した各ゾーンについて、そのゾーンの位置と他のキャラクタの位置との距離に基づき第2の評価ポイントを演算する第6の手段を更に有し、
前記制御部の前記第5の手段は、前記複数の軌跡点の位置が属するゾーンの前記第2の評価ポイントをそれぞれ比較して、他のキャラクタがボールを受ける位置を決定する
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載のゲーム装置において、
前記制御部は、
前記ボールの移動予定軌跡の各軌跡点のうち、前記他のキャラクタが到達する時刻よりも前記ボールが到達する時刻の方が早い軌跡点を抽出する第7の手段と、
前記ボールの移動予定軌跡の各軌跡点のうち、前記他のキャラクタが到達する時刻よりも前記他のキャラクタの相手側のいずれかのキャラクタが到達する時刻の方が早い軌跡点を抽出する第8の手段と、
前記第7の手段又は前記第8の手段により抽出された軌跡点を、前記第3の手段により抽出された軌跡点から除外する第9の手段を更に有する
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のゲーム装置において、
前記操作部は、前記表示部の画面上の位置を指示する指示手段を有し、
前記制御部の前記第1の手段は、前記一のキャラクタが保持するボールを、前記指示手段により指示された位置に向かって移動させることにより、前記一のキャラクタにボールをパスさせる制御を行う
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項4記載のゲーム装置において、
前記操作部の指示手段は、前記表示部の画面上に設けられ、遊戯者が接触することにより画面上の位置を指示するタッチパネルである
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
操作部と、表示部と、制御部とを有するゲーム装置であって、前記制御部が、前記操作部の操作に基づいて、フィールド上で複数のキャラクタがボールを使って行うボールゲームを制御し、前記表示部が、前記ボールゲームを表示するゲーム装置の制御方法であって、
前記制御部が、前記操作部の操作に基づいて、一のキャラクタにボールをパスさせる制御を行う第1のステップと、
前記制御部が、前記パスされたボールが移動する予定の移動予定軌跡を演算する第2のステップと、
前記制御部が、前記移動予定軌跡を構成する複数の軌跡点を抽出する第3のステップと、
前記制御部が、前記複数の軌跡点について、各軌跡点の位置と仮想空間内の所定位置との距離に基づき第1の評価ポイントを演算する第4のステップと、
前記制御部が、前記複数の軌跡点ごとの前記第1の評価ポイントをそれぞれ比較して、他のキャラクタがボールを受ける位置を決定する第5のステップと
を有することを特徴とするゲーム装置の制御方法。
【請求項7】
請求項6記載のゲーム装置の制御方法において、
前記制御部が、前記フィールドを複数に分割した各ゾーンについて、そのゾーンの位置と他のキャラクタの位置との距離に基づき第2の評価ポイントを演算する第6のステップを更に有し、
前記第5のステップでは、前記複数の軌跡点の位置が属するゾーンの前記第2の評価ポイントをそれぞれ比較して、他のキャラクタがボールを受ける位置を決定する
ことを特徴とするゲーム装置の制御方法。
【請求項8】
請求項6又は7記載のゲーム装置の制御方法において、
前記制御部が、前記ボールの移動予定軌跡の各軌跡点のうち、前記他のキャラクタが到達する時刻よりも前記ボールが到達する時刻の方が早い軌跡点を抽出する第7のステップと、
前記制御部が、前記ボールの移動予定軌跡の各軌跡点のうち、前記他のキャラクタが到達する時刻よりも前記他のキャラクタの相手側のいずれかのキャラクタが到達する時刻の方が早い軌跡点を抽出する第8のステップと、
前記第7のステップ又は前記第8のステップにより抽出された軌跡点を、前記第3の手段により抽出された軌跡点から除外する第9のステップを更に有する
ことを特徴とするゲーム装置の制御方法。
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれか1項に記載のゲーム装置の制御方法において、
前記操作部は、前記表示部の画面上の位置を指示する指示手段を有し、
前記第1のステップは、前記一のキャラクタが保持するボールを、前記指示手段により指示された位置に向かって移動させることにより、前記一のキャラクタにボールをパスさせる制御を行う
ことを特徴とするゲーム装置の制御方法。
【請求項10】
請求項9記載のゲーム装置の制御方法において、
前記操作部の指示手段は、前記表示部の画面上に設けられ、遊戯者が接触することにより画面上の位置を指示するタッチパネルである
ことを特徴とするゲーム装置の制御方法。
【請求項11】
操作部と、表示部と、制御部とを有するゲーム装置であって、前記制御部が、前記操作部の操作に基づいて、フィールド上で複数のキャラクタがボールを使って行うボールゲームを制御し、前記表示部が、前記ボールゲームを表示するゲーム装置のプログラムであって、
前記制御部に、
前記操作部の操作に基づいて、一のキャラクタにボールをパスさせる制御を行う第1のステップと、
前記パスされたボールが移動する予定の移動予定軌跡を演算する第2のステップと、
前記移動予定軌跡を構成する複数の軌跡点を抽出する第3のステップと、
前記複数の軌跡点について、各軌跡点の位置と仮想空間内の所定位置との距離に基づき第1の評価ポイントを演算する第4のステップと、
前記複数の軌跡点ごとの前記第1の評価ポイントをそれぞれ比較して、他のキャラクタがボールを受ける位置を決定する第5のステップと
を実行させるためのプログラム。
【請求項1】
操作部と、表示部と、制御部とを有し、前記制御部が、前記操作部の操作に基づいて、仮想空間内のフィールド上で複数のキャラクタがボールを使って行うボールゲームを制御し、前記表示部が、前記ボールゲームを表示するゲーム装置であって、
前記制御部は、
前記操作部の操作に基づいて、一のキャラクタにボールをパスさせる制御を行う第1の手段と、
前記パスされたボールが移動する予定の移動予定軌跡を演算する第2の手段と、
前記移動予定軌跡を構成する複数の軌跡点を抽出する第3の手段と、
前記複数の軌跡点について、各軌跡点の位置と仮想空間内の所定位置との距離に基づき第1の評価ポイントを演算する第4の手段と、
前記複数の軌跡点ごとの前記第1の評価ポイントをそれぞれ比較して、他のキャラクタがボールを受ける位置を決定する第5の手段と
を有することを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1記載のゲーム装置において、
前記制御部は、
前記フィールドを複数に分割した各ゾーンについて、そのゾーンの位置と他のキャラクタの位置との距離に基づき第2の評価ポイントを演算する第6の手段を更に有し、
前記制御部の前記第5の手段は、前記複数の軌跡点の位置が属するゾーンの前記第2の評価ポイントをそれぞれ比較して、他のキャラクタがボールを受ける位置を決定する
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載のゲーム装置において、
前記制御部は、
前記ボールの移動予定軌跡の各軌跡点のうち、前記他のキャラクタが到達する時刻よりも前記ボールが到達する時刻の方が早い軌跡点を抽出する第7の手段と、
前記ボールの移動予定軌跡の各軌跡点のうち、前記他のキャラクタが到達する時刻よりも前記他のキャラクタの相手側のいずれかのキャラクタが到達する時刻の方が早い軌跡点を抽出する第8の手段と、
前記第7の手段又は前記第8の手段により抽出された軌跡点を、前記第3の手段により抽出された軌跡点から除外する第9の手段を更に有する
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のゲーム装置において、
前記操作部は、前記表示部の画面上の位置を指示する指示手段を有し、
前記制御部の前記第1の手段は、前記一のキャラクタが保持するボールを、前記指示手段により指示された位置に向かって移動させることにより、前記一のキャラクタにボールをパスさせる制御を行う
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項4記載のゲーム装置において、
前記操作部の指示手段は、前記表示部の画面上に設けられ、遊戯者が接触することにより画面上の位置を指示するタッチパネルである
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
操作部と、表示部と、制御部とを有するゲーム装置であって、前記制御部が、前記操作部の操作に基づいて、フィールド上で複数のキャラクタがボールを使って行うボールゲームを制御し、前記表示部が、前記ボールゲームを表示するゲーム装置の制御方法であって、
前記制御部が、前記操作部の操作に基づいて、一のキャラクタにボールをパスさせる制御を行う第1のステップと、
前記制御部が、前記パスされたボールが移動する予定の移動予定軌跡を演算する第2のステップと、
前記制御部が、前記移動予定軌跡を構成する複数の軌跡点を抽出する第3のステップと、
前記制御部が、前記複数の軌跡点について、各軌跡点の位置と仮想空間内の所定位置との距離に基づき第1の評価ポイントを演算する第4のステップと、
前記制御部が、前記複数の軌跡点ごとの前記第1の評価ポイントをそれぞれ比較して、他のキャラクタがボールを受ける位置を決定する第5のステップと
を有することを特徴とするゲーム装置の制御方法。
【請求項7】
請求項6記載のゲーム装置の制御方法において、
前記制御部が、前記フィールドを複数に分割した各ゾーンについて、そのゾーンの位置と他のキャラクタの位置との距離に基づき第2の評価ポイントを演算する第6のステップを更に有し、
前記第5のステップでは、前記複数の軌跡点の位置が属するゾーンの前記第2の評価ポイントをそれぞれ比較して、他のキャラクタがボールを受ける位置を決定する
ことを特徴とするゲーム装置の制御方法。
【請求項8】
請求項6又は7記載のゲーム装置の制御方法において、
前記制御部が、前記ボールの移動予定軌跡の各軌跡点のうち、前記他のキャラクタが到達する時刻よりも前記ボールが到達する時刻の方が早い軌跡点を抽出する第7のステップと、
前記制御部が、前記ボールの移動予定軌跡の各軌跡点のうち、前記他のキャラクタが到達する時刻よりも前記他のキャラクタの相手側のいずれかのキャラクタが到達する時刻の方が早い軌跡点を抽出する第8のステップと、
前記第7のステップ又は前記第8のステップにより抽出された軌跡点を、前記第3の手段により抽出された軌跡点から除外する第9のステップを更に有する
ことを特徴とするゲーム装置の制御方法。
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれか1項に記載のゲーム装置の制御方法において、
前記操作部は、前記表示部の画面上の位置を指示する指示手段を有し、
前記第1のステップは、前記一のキャラクタが保持するボールを、前記指示手段により指示された位置に向かって移動させることにより、前記一のキャラクタにボールをパスさせる制御を行う
ことを特徴とするゲーム装置の制御方法。
【請求項10】
請求項9記載のゲーム装置の制御方法において、
前記操作部の指示手段は、前記表示部の画面上に設けられ、遊戯者が接触することにより画面上の位置を指示するタッチパネルである
ことを特徴とするゲーム装置の制御方法。
【請求項11】
操作部と、表示部と、制御部とを有するゲーム装置であって、前記制御部が、前記操作部の操作に基づいて、フィールド上で複数のキャラクタがボールを使って行うボールゲームを制御し、前記表示部が、前記ボールゲームを表示するゲーム装置のプログラムであって、
前記制御部に、
前記操作部の操作に基づいて、一のキャラクタにボールをパスさせる制御を行う第1のステップと、
前記パスされたボールが移動する予定の移動予定軌跡を演算する第2のステップと、
前記移動予定軌跡を構成する複数の軌跡点を抽出する第3のステップと、
前記複数の軌跡点について、各軌跡点の位置と仮想空間内の所定位置との距離に基づき第1の評価ポイントを演算する第4のステップと、
前記複数の軌跡点ごとの前記第1の評価ポイントをそれぞれ比較して、他のキャラクタがボールを受ける位置を決定する第5のステップと
を実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−57841(P2010−57841A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−229083(P2008−229083)
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】
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