説明

ゲーム装置

【課題】操作に熟練を要する多節棍(ヌンチャク等)を扱う体験ゲームであっても、入力装置の操作は容易で、かつ臨場感を損なわずに疑似体験ができるゲーム装置を提供すること。
【解決手段】複数の棍棒が連設して繋着された形状の操作入力部20は、プレーヤの操作により変化する操作入力部20の複数部位の加速度の検出をし、検出をした加速度を数値化した入力データとして本体10に送信する。そして、本体10は、受信した入力データに基づいて、仮想ゲーム空間のキャラクタに入力データと予め関連付けた動作をさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレーヤからの入力に応じてキャラクタを動作させるゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プレーヤが擬似的な体験をするゲーム装置は多数存在し、入力装置は、より臨場感が得られるように、実在のものに似せて作られるようになっている。例えば特許文献1には、入力操作部材の回転量を検出することにより、釣竿、剣、バット、ゴルフクラブ等に似た動作に基づいてゲームを進行させることができるゲーム機の入力操作装置が開示されている。
【特許文献1】特開2000−176150号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1等の従来の方法によれば、入力装置の動きをそのままゲーム内での動きに置き換えており、操作の難しい入力装置の場合には、熟練に時間がかかり、ゲームの楽しみを損なう可能性がある。更に、ゲーム装置の設置スペースや設置場所の制約により、プレーヤがゲームを行う際に周囲への気遣いから、入力装置を激しく動かすことを躊躇してしまうことも考えられる。
【0004】
このような状況の中で、ゲームの入力装置の動きは単純なものに限定され、例えばヌンチャクのように複雑な動きが可能な入力装置は用いられていない。ヌンチャクのような複雑かつ扱いの難しい道具を入力装置として利用できれば、操作バリエーションが増え、ゲームの面白さを向上させられる可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、操作に熟練を要する多節棍(ヌンチャク等)を扱う体験ゲームであっても、入力装置の操作は容易で、かつ臨場感を損なわずに疑似体験ができるゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
具体的には、以下のようなものを提供する。
【0007】
(1) プレーヤが把持する操作入力部により動作の入力を受け付けて、仮想ゲーム空間においてキャラクタの動作として表示し、ゲームを進行するゲーム装置であって、
前記ゲームの進行を制御する制御部と、
前記ゲームの進行に要するデータを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記ゲームの画像データを表示する表示部と、を備え、
前記操作入力部は、複数の棍棒が連設して繋着された形状であり、前記プレーヤの操作により変化する前記操作入力部の複数部位における加速度の検出をする検出部と、前記検出をした加速度を数値化した入力データとして前記制御部に送信する送信部と、を備え、
前記制御部は、受信した前記入力データに基づいて、前記キャラクタに前記入力データと予め関連付けた動作をさせる、ゲーム装置。
【0008】
(1)の発明によれば、前記操作入力部は、複数の棍棒が連設して繋着された形状であり、前記プレーヤの操作により変化する前記操作入力部の複数部位における加速度の検出をし、前記検出をした加速度を数値化した入力データとして前記制御部に送信する。そして、前記制御部は、受信した前記入力データに基づいて、前記キャラクタに前記入力データと予め関連付けた動作をさせる。
【0009】
このことにより、ヌンチャク等の多節棍を操作し、当該多節棍の複数部位の動きを検出できるゲーム装置を提供する。したがって、前記仮想ゲーム空間におけるキャラクタにも同じく多節棍を使用させ、例えばコンピュータの操作する敵キャラクタと闘わせること等が可能になる。
【0010】
また、当該多節棍の複数部位の動きを検出できるため、当該多節棍の詳細な動き(例えば、当該多節棍を構成する棍棒それぞれの動きや、それらの相対的な動き)を検出することができる。したがって、当該ゲーム装置は、キャラクタの動作バリエーションを増やしたり、複雑な動作をさせたりすることができるので、プレーヤの臨場感を高め、疑似体験として、あるいはゲームとしての楽しみを大きくできる可能性がある。
【0011】
更にまた、前記制御部は、プレーヤが操作する前記操作入力部の動きを表す入力データ(加速度データ)に基づいて、前記キャラクタに前記入力データと予め関連付けた動作をさせるので、プレーヤは自らの動きと同様の、あるいは似た激しい動作を当該キャラクタにさせることができるため、当該動作を疑似体験することができる。
【0012】
このとき、前記制御部は、前記操作入力部の動き(加速度の推移)から特徴的な部分を抽出して当該キャラクタを動かせばよく、こうすることで、例えば小さな動きや少ない動き、あるいはプレーヤが操作に失敗をした場合においても、当該キャラクタには、正しく、大きな、あるいは激しい動作をさせることができる。よって、実際の道具を扱うのに比べて操作に熟練を必要とせず、プレーヤは気軽にゲームを楽しめる可能性がある。
【0013】
そして、前記仮想ゲーム空間のキャラクタを思い通りに動かすためには、前記操作入力部を必ずしも激しく動かす必要がないため、プレーヤは周囲を過度に気にすることなく安全にゲームを楽しめる可能性がある。
【0014】
(2) 前記記憶部は、前記キャラクタの動作データと関連付けて、前記操作入力部の加速度の推移を表す推移パターンデータを予め記憶し、
前記制御部は、前記入力データの推移実績と前記推移パターンデータとの類似度に基づいて、前記キャラクタに動作させるための前記動作データを決定する、(1)に記載のゲーム装置。
【0015】
(2)の発明によれば、前記記憶部は、前記キャラクタの動作データと関連付けて、前記操作入力部の加速度の推移を表す推移パターンデータを予め記憶する。前記制御部は、前記入力データの推移実績と前記推移パターンデータとの類似度に基づいて、前記キャラクタに動作させるための前記動作データを決定する。
【0016】
このことにより、当該ゲーム装置は、前記操作入力部の動き(加速度)の推移を、予め記憶した推移パターンデータと比較することで、その特徴(パターン)を判別し、前記キャラクタに当該特徴に対応した動作をさせることができる。更に、予め記憶した推移パターンデータとの類似度により当該特徴を判別するので、プレーヤは必ずしも正確な操作をしなくても、前記キャラクタを操作することができる可能性がある。
【0017】
そして、記憶する前記推移パターンデータを適宜変更、追加することにより、前記キャラクタの動作バリエーションが増え、あるいはプレーヤによる操作性を改良することができ、ゲームの楽しみを増加させられる可能性がある。
【0018】
(3) 前記検出部が、前記複数の棍棒の間の相対動作を検出することを特徴とする(1)または(2)に記載のゲーム装置。
【0019】
(3)の発明によれば、前記検出部が、前記複数の棍棒の間の相対動作を検出する。このことにより、当該ゲーム装置は、多節棍型の前記操作入力部の複雑な動きを検出することができ、より細かい動作を前記キャラクタにさせることができる。よって熟練したプレーヤにとっても、当該キャラクタに複雑な動作をさせることができ、ゲームが上達することによる喜びを得られる可能性がある。
【0020】
(4) 前記プレーヤが装着する補助入力部を更に備え、前記補助入力部は前記操作入力部との接触の有無を検出することを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載のゲーム装置。
【0021】
(4)の発明によれば、当該ゲーム装置は、前記プレーヤが装着する補助入力部と前記操作入力部との接触の有無を検出する。
【0022】
このことにより、当該ゲーム装置は、前記操作入力部とプレーヤとの位置関係を得ることができるため、プレーヤが前記操作入力部を手から放したのか、手と一緒に動かしているのかといった判別も可能になり、前記キャラクタに、例えば投げる、振り回す等の、より現実に即した複雑な動作をさせることができる。よって、プレーヤはゲームの中に、より深い現実感を得られる可能性があり、ゲームとしての楽しみも増す可能性がある。
【0023】
(5) 前記操作入力部により打突されたことを検出する打突部を更に備え、
前記打突部が検出をしたデータに応じて、前記キャラクタの動作を変化させることを特徴とする(1)から(4)のいずれかに記載のゲーム装置。
【0024】
(5)の発明によれば、当該ゲーム装置は、前記打突部が前記操作入力部により打突されたことを検出し、そのことに応じて前記キャラクタの動作を変化させる。
【0025】
このことにより、当該ゲーム装置は、プレーヤが前記操作入力部を用いて前記打突部を叩くことにより、前記キャラクタに新たな動作のバリエーションを与えることができる。よってプレーヤの実際の動きに応じて、例えば「振る」と「叩く」を明確に区別させることもでき、プレーヤは前記キャラクタとの一体感を更に感じられる可能性がある。
【0026】
(6) 前記プレーヤが発する音声を検出する音声入力部を更に備え、
前記音声入力部が検出した音声データに基づき、前記キャラクタの動作を変化させることを特徴とする(1)から(5)のいずれかに記載のゲーム装置。
【0027】
(6)の発明によれば、当該ゲーム装置は、前記プレーヤが発する音声の検出をし、前記検出をした音声データに基づき、前記キャラクタの動作を変化させる。
【0028】
このことにより、当該ゲーム装置は、音声によっても前記キャラクタの動作を制御できるため、例えば当該キャラクタ特有の雄叫び等を検出し、ゲームを有利にさせる等の制御をすることができる。よって、プレーヤは前記操作入力部の操作だけでなく、声も出すことによって、例えば映画の主人公等のキャラクタになりきり、よりゲームの世界に入り込み、熱中できる可能性がある。
【0029】
(7) 前記記憶部は、映像コンテンツに登場するキャラクタおよび背景の画像データを記憶し、
前記表示部は、当該画像データを組み合わせて表示をすることを特徴とする(1)から(6)のいずれかに記載のゲーム装置。
【0030】
(7)の発明によれば、当該ゲーム装置は、映像コンテンツに登場するキャラクタおよび背景の画像データを記憶し、当該画像データを組み合わせて表示をする。
【0031】
このことにより、プレーヤは、例えば映画に現れる場面において主人公として敵と闘う等、臨場感あふれる状況を楽しむことができる可能性がある。また、プレーヤは、実際の映画と自分の動きとの違いを感じることにより上達しようとしたり、同じ動きができたことに喜びを感じたりし、ゲームにより一層興味を持つ可能性がある。
【0032】
(8) (1)から(7)のいずれかに記載のゲーム装置が通信回線を介して複数接続され、
前記ゲーム装置それぞれのプレーヤが操作するキャラクタに関するデータを互いに送受信する手段と、
当該データに基づき、前記表示部に別のプレーヤが操作するキャラクタを表す画像を表示する手段と、
を備えるゲームシステム。
【0033】
(8)の発明によれば、複数の前記ゲーム装置が通信回線を介して接続されたゲームシステムが、前記ゲーム装置それぞれのプレーヤが操作するキャラクタに関するデータを互いに送受信し、当該データに基づき、前記表示部に別のプレーヤが操作するキャラクタを表す画像を表示する。
【0034】
このことにより、当該ゲームシステムは、例えば複数プレーヤによる対戦ゲームや、複数プレーヤが協力して戦うゲーム等を提供することができる。よって、プレーヤは、グループで協力したり、プレーヤ同士で技を競い合ったりする楽しみが得られる。更には、ゲームを通じてプレーヤ間のコミュニケーションの場を提供することにもなる。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、操作に熟練を要する多節棍(ヌンチャク等)を扱う体験ゲームにおいて、入力装置の操作は安全かつ容易で、臨場感を損なわずに疑似体験ができるゲーム装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明に係る好適な実施形態の一例について、図面に基づいて以下に説明する。
【0037】
[全体概観]
図1は、本発明の好適な実施形態の一例に係るゲーム装置1の概観図である。
【0038】
ゲーム装置1の本体10にはゲーム画面が表示され、プレーヤは多節棍(ヌンチャク等)型の操作入力部20を持ってゲームを行う。例えば格闘ゲームであれば、図1に示したように敵キャラクタが画面に表示され、プレーヤの実際の動きにあわせて、ゲーム内で自らが操作するキャラクタも多節棍(ヌンチャク等)を動かし、敵キャラクタを攻撃する。
【0039】
ここで、操作入力部20は、プレーヤが扱い易くするため、本体10と有線では繋がず、操作入力部20の動作に関するデータを無線で本体10に送信できるようにするのが好ましい。
【0040】
なお、ゲーム装置1が進行させるゲームの内容は、このような格闘ゲームには限られず、ゲーム装置1は、回したり動かしたりといった操作入力部20の動きの特徴を判別する(処理の詳細は後述する)ので、操作入力部20の動作に関するデータを本体10に送信することにより、このデータを様々な種類のゲームにおける各種処理の制御データとして用いることができる。
【0041】
[本体10の特徴]
図2は、本発明の好適な実施形態の一例に係るゲーム装置1における本体10に備えうる装置の例を示す図である。
【0042】
プレーヤがヌンチャク等を模した操作入力部20を使用して仮想ゲーム空間のキャラクタを操作する場合、その特性上、敵キャラクタ等を叩く(攻撃する)等の動作を認識できることが好ましい。そのため、本体10にはバッグ11を備え、操作入力部20にてバッグ11を打突し、ゲーム装置1がそのことを認識することにより、空間を振り抜くこととの違いを明確にすることができる。
【0043】
また、例えば映画の場面を再現するようなシミュレーションゲーム等では、より一層ゲーム内容に感情移入させるために、音声によるゲーム内容の制御を行うこととしてもよい。そのためには、例えば本体10にマイク12を設置し、映画主人公の雄叫びを真似る等、プレーヤの声の特徴や大きさを検知することにより、操作するキャラクタの強さを変える等ゲーム内容を変化させることができる。
【0044】
[操作入力部20の特徴]
図3は、本発明の好適な実施形態の一例に係るゲーム装置1の操作入力部20および補助入力部30の外観を示す図である。
【0045】
操作入力部20は、複数の棍棒が繋着索により連設して繋着された構造をしており、棍棒が2本であればヌンチャクとして操作することとなる。なお、棍棒の数はこれに限られず、3本以上の多節棍としてもよい。ゲームのプレーヤが操作入力部20を持って操作するが、このときの加速度を検出するため、操作入力部20に、複数の検出部210(加速度センサ)を設置する。
【0046】
ここで、検出部210は、複数の棍棒それぞれに設置するのが望ましく、また、棍棒それぞれに複数設置することとしてよい。こうすることにより、動きの自由度が多い多節棍型の操作入力部20において、棍棒それぞれの向きや、複数の棍棒間の位置関係あるいは相対的な動きを検出することができる。
【0047】
なお、加速度センサを用いることにより、速度、位置の算出も可能であるが、その精度を高めるため、速度センサや位置センサ(距離センサ)を備えることとしてもよい。このことにより、操作入力部20の動きをより詳細に正しく検出できる可能性がある。更に、例えば、操作入力部20における複数の棍棒の間に距離センサ等を設ければ、棍棒間の位置関係をより正しく検出できる可能性がある。
【0048】
ところで、操作入力部20は、プレーヤが把持して操作するものであり、前述の構造上、個々の棍棒がプレーヤの手から離れることもある。それを認識するためには、操作入力部20の動きを捉えるだけでは十分ではない。そのため、プレーヤの手に着ける手袋状の補助入力部30を用意し、プレーヤ自身の動きを検出できるようにしてもよい。
【0049】
補助入力部30は、補助検出部310を備え、操作入力部20との接触の有無を判別する。更に、操作入力部20と同様に加速度、速度、位置等を検出することとしてもよい。なお、補助検出部310は、操作入力部20に備えることとしてもよく、このような手段により、プレーヤが左右のどちらの手で、どの棍棒を握っているかの判別をする。そして、操作入力部20または補助入力部30が接触の有無に関するデータを本体10に送信することにより、ゲーム装置1はプレーヤの動き、姿勢を判別する。
【0050】
このような操作入力部20、補助入力部30を備えることにより、ゲーム装置1は、プレーヤが扱う多節棍の動作を適切に捉え、仮想ゲーム空間において、キャラクタに当該動作を再現、あるいは対応する動作(激しい動き、複雑な動き等)をさせることができる。
【0051】
[ゲーム装置1の構成]
図4は、本発明の好適な実施形態の一例に係るゲーム装置1の構成を示すブロック図である。
【0052】
本体10は、制御部110、記憶部120、表示部130、受信部140、通信制御部150を備えている。本体10と無線通信をする操作入力部20および補助入力部30は、それぞれ検出部210と送信部220、補助検出部310と補助送信部320を備える。なお、補助検出部310は操作入力部20内にあってもよく、その場合には、送信部220が補助送信部320の機能を兼ねることとしてよい。
【0053】
制御部110は、情報の演算、処理を行う情報演算処理装置(CPU)であり、本体10全体の制御を行う。制御部110は、記憶部120に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、上述のハードウエアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
【0054】
記憶部120は、制御部110と組み合わせてプログラムの実行に使用するローカルメモリ、大容量のバルクメモリ、および当該バルクメモリの検索を効率的に行うために使用するキャッシュメモリを含んでよい。記憶部120を実現するコンピュータ可読媒体としては、電気的、磁気的、光学的、電磁的に実現するものを含んでよい。より具体的には、半導体記憶装置、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リードオンリー・メモリ(ROM)、およびCD−ROMとCD−R/WとDVDとを含む光ディスクが含まれる。
【0055】
表示部130は、制御部110によるゲーム進行に係る画面を表示するものであり、ブラウン管表示装置(CRT)、液晶表示装置(LCD)等のディスプレイ装置を含む。プレーヤは表示部130に表示される画像を見ながら、操作入力部20および補助入力部30を操作し、ゲームを行う。
【0056】
受信部140は、操作入力部20および補助入力部30から送信される入力データを受信する。この入力データの送受信は、例えば赤外線等による無線通信で行う。
【0057】
通信制御部150は、ゲーム装置1を専用ネットワークまたは公共ネットワークを介して別のゲーム装置と接続できるようにするためのネットワーク・アダプタである。通信制御部150は、モデム、ケーブル・モデムおよびイーサネット(登録商標)・アダプタを含んでよい。
【0058】
このことにより、複数のゲーム装置を、ネットワークを介して接続することができ、ゲームに関するデータを互いに送受信することによって、それぞれのプレーヤが操作するキャラクタを互いに表示させることができる。そうすることで、対戦ゲーム等の複数プレーヤ参加型のゲームを提供することができる。
【0059】
操作入力部20において、検出部210は、操作入力部20の加速度を検出するセンサを含み、デジタル信号に変換して送信部220に送信する。そして送信部220が赤外線等により当該デジタル信号を本体10に向けて送信する。ここで、検出部210が検出する情報は加速度には限られず、前述のように速度や位置を検出することとしてもよい。
【0060】
補助入力部30において、補助検出部310は、補助入力部30と操作入力部20との接触を検出し、接触状態を示すデジタル信号を補助送信部320に送信する。そして補助送信部320が赤外線等により当該デジタル信号を本体10に向けて送信する。ここで、接触状態とは、操作入力部20と補助入力部30との接触の有無であってもよいし、例えば圧力を検知することにより、その強さの違い等から「触れる」と「握る」の違いを判別することとしてもよい。
【0061】
[メイン処理]
図5は、本発明の好適な実施形態の一例に係るゲーム装置1におけるメイン処理を示すフロー図である。
【0062】
ステップS105では、ゲーム装置1は、プレーヤがコインを投入する等のゲーム開始要求に応じて、入力データの初期化を行う。具体的には、操作入力部20および補助入力部30の所定の(基準の)位置での静止状態における入力データの取得等を含む。このことにより、入力データの誤差の補正や、速度・位置等を計算により求める際の基準値を得ることができる。
【0063】
ステップS110では、ゲーム装置1は、ゲームを開始する。これは、ステップS105が終了したことに続いて行ってもよいし、プレーヤからの要求(スタートボタンの押下等)を受け付けたことに応じて行ってもよい。
【0064】
ステップS115では、ゲーム装置1は、操作入力部20および補助入力部30から入力データを受信する。入力データには、前述のように、加速度、接触状態等に関するデータが含まれ、これにより後続のステップでプレーヤの動作を判別する。
【0065】
ステップS120では、ゲーム装置1は、ステップS115にて受信した入力データに基づき、操作入力部20および補助入力部30の動きを判別し、対応する仮想ゲーム空間内のキャラクタの動作を決定する。具体的には、例えば後述の動作決定処理A(図7)や、動作決定処理B(図8)により、入力データの特徴を判別することでキャラクタの動作を決定する。
【0066】
ステップS125では、ゲーム装置1は、表示部130に画面表示を行う。具体的には、ステップS120にて決定したキャラクタの動作を表す画像を表示し、ゲームを進行させる。例えば格闘ゲームであれば、プレーヤの動きにあわせて画面上のキャラクタがヌンチャクを振ることによって、敵キャラクタを攻撃する等の演出ができる。
【0067】
ステップS130では、ゲーム装置1は、ゲーム終了の判定を行う。具体的には、例えば対戦が終了する等して演出が不要になったことに応じて、表示部130に終了した旨の表示を行い、メイン処理を終了する。まだゲーム進行中の場合には、ゲーム装置1は、ステップS115に処理を戻し、入力データの受信をしつつ、ゲーム演出を継続する。
【0068】
[検出処理]
図6は、本発明の好適な実施形態の一例に係る操作入力部20における検出処理を示すフロー図である。
【0069】
ステップS205では、操作入力部20は、電源が投入されたことに応じて作動し、後続のステップを開始する。または、メイン処理(図5)が開始されたことを示すデータを本体10から受信することによって、検出処理を開始することとしてもよい。
【0070】
ステップS210では、操作入力部20は、検出部210における加速度を検出する。前述のように、検出する情報は加速度には限られず、速度や位置等も検出することとしてよい。そして、検出した加速度等の信号はデジタルデータに変換し、プレーヤからの入力データとして後続の処理にて使用する。
【0071】
ステップS215では、操作入力部20は、ステップS210にて検出した入力データを、送信部220から本体10に送信する。ここで、送信部220は、複数備えた検出部210のそれぞれに対応して同数を備えてもよいし、一つに集約して複数の入力データを一つの送信部220から送信することとしてもよい。
【0072】
ステップS220では、操作入力部20は、検出処理を終了するか否かの判定をする。例えば、操作入力部20に備えた電源スイッチを切ることによって終了することとしてもよいし、あるいは、メイン処理(図5)が終了したことを示すデータを本体10から受信したことに応じて終了することとしてもよい。なお、検出処理を継続する場合には、ステップS210に処理を戻す。
【0073】
以上のように、操作入力部20における検出処理を説明したが、補助入力部30においても同様であり、操作入力部20と補助入力部30との接触状態を検出し、デジタル信号に変換したデータを本体10に送信する。
【0074】
[動作決定処理A]
図7は、本発明の好適な実施形態の一例に係るキャラクタの動作決定処理を示すフロー図である。本処理は、メイン処理(図5)におけるステップS120に相当し、本体10の制御部110は、前述の入力データから、仮想ゲーム空間におけるキャラクタの動作を決定する。
【0075】
動作決定処理Aでは、制御部110は、入力データに含まれる検出部210および補助検出部310の各センサにおける値が、所定の値(閾値)を超えた場合に、対応する動作をキャラクタにさせる。
【0076】
閾値は、例えば図9に示す閾値テーブル40に予め記憶しておく。閾値テーブル40には、加速度等を検出するセンサ(センサa、センサb)毎の閾値と、当該閾値を超えた場合にキャラクタにさせる動作データを記憶している。
【0077】
閾値テーブル40に記憶する閾値の組は、例えば1行目が一番大きく、順に小さなものにしておけば、制御部110は、上から順に調べていくことで、最初に全てのセンサ値が閾値を超えたときの、対応する動作データを抽出すればよい。
【0078】
ステップS305では、制御部110は、閾値テーブル40から、まず1行目の閾値の組を取得する。その後ステップS320の処理に応じて、2行目、3行目と順に閾値の組を取得していく。
【0079】
ステップS310では、制御部110は、入力データに含まれる各センサの値が、ステップS305にて取得した閾値を越えているか否かを判別する。全てのセンサについて、その値が閾値を超えている場合には、ステップS315に処理を移す。超えていないセンサが存在すれば、ステップS320に処理を移す。
【0080】
ステップS315では、制御部110は、ゲームのキャラクタに行わせる動作データを抽出する。具体的には、例えば、ステップS310にて比較した閾値に対応する動作データを閾値テーブル40から抽出する。
【0081】
ステップS320では、制御部110は、全ての閾値を調べたか否かを判別する。具体的には、閾値テーブル40に含まれる全レコードを調べた場合には処理を終了し、キャラクタの動作は決定しない。まだ調べていないレコードが残っていれば、ステップS305に戻り、次のレコードの閾値を取得する。
【0082】
[動作決定処理B]
図8は、本発明の好適な実施形態の一例に係るキャラクタの動作決定処理を示すフロー図である。本処理は、動作決定処理A(図7)とは別の方法によりキャラクタの動作を決定する。
【0083】
動作決定処理Bでは、制御部110は、入力データに含まれる検出部210および補助検出部310の各センサにおける値の推移が、予め記憶したパターンと一致または類似する場合に、対応する動作をキャラクタにさせる。
【0084】
当該パターンは、例えば図10に示す推移パターンテーブル50に予め記憶しておく。推移パターンテーブル50には、加速度等を検出するセンサ(センサa、センサb)毎の値の推移と、当該推移をした場合にキャラクタにさせる動作データを記憶している。
【0085】
ステップS405では、制御部110は、入力データの推移実績を取得する。具体的には、例えば、操作入力部20および補助入力部30から送信される入力データを、所定の期間において記憶する。あるいは、所定のセンサの値が所定の閾値を超えている間について入力データを記憶することとしてもよい。この場合には、特徴的な動きがあった場合にのみ推移実績を記憶するので、後述のステップを無駄に行うことなく、効率よく処理できる可能性がある。
【0086】
ステップS410では、制御部110は、予め記憶したパターンデータを取得する。具体的には、例えば推移パターンテーブル50から、レコードを順に読み取り、各センサ値の推移データを取得する。
【0087】
ステップS415では、制御部110は、ステップS405にて記憶した推移実績と、ステップS410にて取得したパターンデータとの類似度を計算する。この類似度が高ければ、プレーヤが意図した動きである可能性が高い。
【0088】
ステップS420では、制御部110は、記憶した全てのパターンデータについて、入力データの推移実績との類似度を計算したか否かを判別する。具体的には、例えば推移パターンテーブル50の全てのレコードについて、当該類似度を計算した場合にはステップS425に処理を移し、未計算のレコードが残っていれば、ステップS410に処理を移し、順次当該類似度を計算していく。
【0089】
ステップS425では、制御部110は、ステップS415にて計算した類似度に基づいて、キャラクタの動作データを抽出する。具体的には、例えば、当該類似度が最も高いパターンデータについて、対応する動作データを推移パターンテーブル50から抽出する。このことにより、プレーヤが操作した動きにもっとも近いパターンデータを選択し、動作データを決定することができる。
【0090】
このように、ゲーム装置1は、プレーヤが操作入力部20および補助入力部30を操作することにより、その動きを検出し、予め記憶したデータと比較することで、その特徴を捉え、対応する動作を、ゲーム内のキャラクタに行わせることができる。
【0091】
ここまで、操作入力部20および補助入力部30からの入力データに基づきキャラクタの動作を決定する処理について説明したが、当該動作を決定する方法はこれらには限られない。
【0092】
例えば、動作決定処理Aまたは動作決定処理Bに、音声データによる調整のステップを加えることができる。具体的には、マイク12より受け付けた音声データに基づき、その大きさによって、キャラクタの動作の大きさ(激しさ)を変えることができる。すなわち、閾値テーブル40または推移パターンテーブル50の動作データにはそれぞれ複数種類のデータを収めておき、音声データの大きさにより段階的に動作データを選択する。
【0093】
あるいは、音声データの波形によりキャラクタの動作を変更することもできる。例えば映画主人公等の特殊音声データを予め記憶しておき、マイク12より受け付けた音声データを予め記憶した音声データと比較することにより、所定の類似度以上の場合には、予め記憶しておく特別な動作データを選択して用いるようにする。
【0094】
このようにして、仮想ゲーム空間におけるキャラクタを動作させることにより、プレーヤは臨場感を持ってヌンチャク等の体験をすることができる。更にゲームの興趣を高めるために、映画の登場人物や背景などをゲームの画像として使用してもよい。このことにより、プレーヤは、例えば映画の主人公を演じて、体験ゲームを楽しむこと等が可能となる。
【0095】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施例に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の好適な実施形態の一例に係るゲーム装置の概観図である。
【図2】本発明の好適な実施形態の一例に係るゲーム装置における本体に備えうる装置の例を示す図である。
【図3】本発明の好適な実施形態の一例に係るゲーム装置の操作入力部および補助入力部の外観を示す図である。
【図4】本発明の好適な実施形態の一例に係るゲーム装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の好適な実施形態の一例に係るゲーム装置におけるメイン処理を示すフロー図である。
【図6】本発明の好適な実施形態の一例に係る操作入力部における検出処理を示すフロー図である。
【図7】本発明の好適な実施形態の一例に係るキャラクタの動作決定処理を示すフロー図である。
【図8】本発明の好適な実施形態の一例に係るキャラクタの動作決定処理を示すフロー図である。
【図9】本発明の好適な実施形態の一例に係る閾値テーブルを示す図である。
【図10】本発明の好適な実施形態の一例に係る推移パターンテーブルを示す図である。
【符号の説明】
【0097】
1 ゲーム装置
10 本体
11 バッグ
12 マイク
20 操作入力部
30 補助入力部
40 閾値テーブル
50 推移パターンテーブル
110 制御部
120 記憶部
130 表示部
140 受信部
150 通信制御部
210 検出部
220 送信部
310 補助検出部
320 補助送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレーヤが把持する操作入力部により動作の入力を受け付けて、仮想ゲーム空間においてキャラクタの動作として表示し、ゲームを進行するゲーム装置であって、
前記ゲームの進行を制御する制御部と、
前記ゲームの進行に要するデータを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記ゲームの画像データを表示する表示部と、を備え、
前記操作入力部は、複数の棍棒が連設して繋着された形状であり、前記プレーヤの操作により変化する前記操作入力部の複数部位における加速度の検出をする検出部と、前記検出をした加速度を数値化した入力データとして前記制御部に送信する送信部と、を備え、
前記制御部は、受信した前記入力データに基づいて、前記キャラクタに前記入力データと予め関連付けた動作をさせる、ゲーム装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記キャラクタの動作データと関連付けて、前記操作入力部の加速度の推移を表す推移パターンデータを予め記憶し、
前記制御部は、前記入力データの推移実績と前記推移パターンデータとの類似度に基づいて、前記キャラクタに動作させるための前記動作データを決定する、請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記検出部が、前記複数の棍棒の間の相対動作を検出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記プレーヤが装着する補助入力部を更に備え、前記補助入力部は前記操作入力部との接触の有無を検出することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記操作入力部により打突されたことを検出する打突部を更に備え、
前記打突部が検出をしたデータに応じて、前記キャラクタの動作を変化させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記プレーヤが発する音声を検出する音声入力部を更に備え、
前記音声入力部が検出した音声データに基づき、前記キャラクタの動作を変化させることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記記憶部は、映像コンテンツに登場するキャラクタおよび背景の画像データを記憶し、
前記表示部は、当該画像データを組み合わせて表示することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載のゲーム装置が通信回線を介して複数接続され、
前記ゲーム装置それぞれのプレーヤが操作するキャラクタに関するデータを互いに送受信する手段と、
当該データに基づき、前記表示部に別のプレーヤが操作するキャラクタを表す画像を表示する手段と、
を備えるゲームシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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