説明

ゲーム装置

【課題】サーバとステーションとの間に障害が発生し又はサーバが過負荷状態になった場合であっても、ゲーム装置自体の稼動停止を防止し、ゲームの進行を維持すること。
【解決手段】ゲームの進行を制御するサーバ100と、前記サーバ100に信号線L1等を介して接続されたプレイヤがゲームを実行する端末でありサーバ100からの指令に基づいて動作するステーション101A及びサブステーション101Bとを備えたゲーム装置10である。サーバ100とステーション101Aとの間に複数の通信コネクションch1、ch2を確立し、一方の通信コネクションch1で障害が発生した場合、他方の通信コネクションch2を用いてゲームを進行させるためのデータを通信する。また、信号線L1に障害が発生した場合、迂回経路を構築してデータ通信を維持するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバとステーション又はサブステーションとの間で通信回線を確立してゲーム進行のためのデータを通信するゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、テーブルゲーム装置では、ゲームの進行を制御するサーバとプレイヤが遊技する複数のステーションとがイーサネット(登録商標)等の通信媒体を介して接続されている(例えば、特許文献1参照)。サーバとステーションとの間の接続形態はいわゆるスター構成となっていて、サーバと一のステーションとのやり取りが終了すると、サーバは他のステーションとの間にコネクションを確立してデータのやり取りを実行し、以下同様にデータのやり取りが完了するたびに順次ステーションを切り替えていく通信方式が採られている。
【0003】
このように、サーバは一つのステーションとの間で必要なデータの通信が完了するまで、他のステーションとの通信へ移行しないように制御することで、サーバに過度な負荷が掛からないようにしていた。
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0084506号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記ゲーム装置では、サーバと1つのステーションとの間の通信トラブルで通信が正常に完了しない場合は、サーバが他のステーションとの通信に移行できなくなり、ゲームの進行に障害が発生するといった問題がある。
【0005】
本発明は、サーバとステーションとの間に障害が発生し又はサーバが過負荷状態になった場合であっても、ゲーム装置自体の稼動停止を防止でき、ゲームの進行を維持することのできるゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係るゲーム装置は、ゲームの進行を制御するサーバと、前記サーバに信号線を介して接続され、プレイヤがゲームを実行するため操作を行う操作部及び該操作部でプレイヤに実行されるゲームの内容を表示する表示部を有し、前記サーバからの指令に基づいて動作する少なくとも一台のステーションとを備え、前記サーバと前記ステーションとの間に複数の通信コネクションを確立し、一方の通信コネクションで障害が発生した場合、他方の通信コネクションを用いてゲームを進行させるためのデータを通信することを特徴とする。
【0007】
このゲーム装置によれば、サーバとステーションとの間に複数の通信コネクションを確立し、一方の通信コネクションで障害が発生した場合、他方の通信コネクションを用いてゲームを進行させるためのデータを通信するので、サーバとステーションとの間に障害が発生した場合であっても、ゲームの進行を維持することができる。
【0008】
上記ゲーム装置において、前記サーバと前記ステーションとの間に確立した一方の通信コネクションでデータ通信の途中に、前記サーバで過負荷が発生した場合、当該ステーションから前記サーバへのデータ送信を一時的に回避して前記サーバの負荷が通常状態に戻るまで待機することを特徴とする。
【0009】
このゲーム装置によれば、サーバで過負荷が発生した場合、ステーションからサーバへのデータ送信を一時的に回避してサーバの負荷が通常状態に戻るまで待機するので、サーバの負荷が軽減されて早期に通常状態に戻すことができる。
【0010】
また上記ゲーム装置において、前記ステーションが複数備えられ、前記各ステーションは各信号線を介して前記サーバに独立に接続される一方、前記複数のステーションのうち一のステーションは他のステーションに信号線を介して接続され、前記サーバと前記一のステーションとの間に確立した通信コネクションで障害が発生した場合、前記一のステーションから前記他のステーションを迂回して前記サーバへデータを送信することを特徴とする。
【0011】
このゲーム装置によれば、サーバとステーションとの間に確立した通信コネクションで障害が発生した場合、このステーションから他のステーションを迂回してサーバへデータを送信するので、サーバとステーションとの間に障害が発生した場合であっても、ゲームの進行を維持することができる。
【0012】
また上記ゲーム装置において、前記ステーションが複数備えられ、前記各ステーションは各信号線を介して前記サーバに独立に接続される一方、前記複数のステーションのうち一のステーションは他のステーションに信号線を介して接続され、前記サーバと前記一のステーションとの間に確立した一方の通信コネクションにてデータ通信の途中に、前記サーバで過負荷が発生した場合、前記サーバへ送信すべきデータを、当該一のステーションから前記他のステーションへ転送して一時的にスタックすることを特徴とする。
【0013】
このゲーム装置によれば、サーバで過負荷が発生した場合、サーバへ送信すべきデータを、当該ステーションから他のステーションへ転送して一時的にスタックするので、過負荷状態になっているサーバの負荷軽減を図ることができ、ゲーム装置自体の稼動停止を防止できる。
【0014】
また上記ゲーム装置において、前記サーバに複数のサブステーションが信号線を介してそれぞれ接続され、前記各ステーションは対応した前記サブステーションに信号線を介して接続され、前記サーバと前記一のステーションとの間に確立した通信コネクションで障害が発生した場合、前記一のステーションから信号線経由で接続された前記サブステーションを迂回経路にして前記サーバへデータを送信することを特徴とする。
【0015】
このゲーム装置によれば、前記サーバと前記一のステーションとの間に確立した通信コネクションで障害が発生した場合、前記一のステーションから信号線経由で接続された前記サブステーションを迂回経路にして前記サーバへデータを送信するので、サーバとステーションとの間に確立した通信コネクションの障害に影響されること無く、サーバとステーションとの間の通信を維持してゲームを進行することができる。
【0016】
また上記ゲーム装置において、前記サーバに複数のサブステーションが信号線を介してそれぞれ接続され、前記各ステーションは対応した前記サブステーションに信号線を介して接続され、前記サーバと前記一のステーションとの間に確立した一方の通信コネクションにてデータ通信の途中に、前記サーバで過負荷が発生した場合、前記サーバへ送信すべきデータを、当該一のステーションから信号線経由で接続された前記サブステーションへ転送して一時的にスタックすることを特徴とする。
【0017】
このゲーム装置によれば、サーバで過負荷が発生した場合、前記サーバへ送信すべきデータを、当該一のステーションから信号線経由で接続された前記サブステーションへ転送して一時的にスタックするので、サーバの負荷が軽減されて早期に通常状態に戻すことができる。
【0018】
また、上記ゲーム装置において、前記サーバと前記ステーションとの間は冗長化のための複数の信号線で接続されたことを特徴とする。
【0019】
このゲーム装置によれば、サーバとステーションとの間を接続する信号線が切断され又は他の故障が発生した場合、冗長化された他の信号線に切り替えてデータ通信することができ、ゲームの進行を維持することができる。
【0020】
また、上記ゲーム装置において、前記サーバと前記サブステーションとの間は冗長化のための複数の信号線で接続されたことを特徴とする。
【0021】
このゲーム装置によれば、サーバとサブステーションとの間を接続する信号線が切断され又は他の故障が発生した場合、冗長化された他の信号線に切り替えてデータ通信することができ、ゲームの進行を維持することができる。
【0022】
また、上記ゲーム装置において、前記サーバは、前記ステーションで遊技しているプレイヤの遊技結果に対して遊技価値を掛けるサブゲームを前記サブステーションに対して提供することを特徴とする。
【0023】
このゲーム装置によれば、ステーションで遊技しているプレイヤの遊技結果に対して遊技価値を掛けるサブゲームをサブステーションに対して提供する際に上記通信障害が発生した場合であってもサーバとサブステーションとの間のデータ通信を維持してゲームの進行を維持することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明のゲーム装置によれば、サーバとステーションとの間に障害が発生し又はサーバが過負荷状態になった場合であっても、ゲーム装置自体の稼動停止を防止でき、ゲームの進行を維持することのできるゲーム装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明に係るゲーム装置について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は本発明のゲーム装置に含まれるサーバ100、複数のステーション101A、複数のサブステーション101Bといった構成要素で形成されるネットワーク構成を示す図である。サーバ100は、ゲームの進行を制御するコンピュータ等で構成される。複数のステーションS1、S2,S3が図示されているが、適切な数、例えば5台のステーション101Aを備えることができる。各ステーション101Aは、プレイヤがゲームを実行するため操作を行う操作部及び該操作部でプレイヤに実行されるゲームの内容を表示する表示部を有し、サーバ100に対して各信号線L1〜L3を介して接続される。各ステーション101Aは、少なくとも1つの他のステーション101Aに信号線L4、L5を介して接続されている。1つのステーション101Aは、複数の他のステーション101Aに信号線を介して並列に接続されていても良い。
【0026】
また、複数のサブステーションSS1、SS2、SS3、SS4が図示されているが、適切な数、例えば10台のサブステーション101Bを備えることができる。各サブステーション101Bは、サーバ100に対して各信号線L6〜L9を介して接続されている。サブステーション101Bでは、プレイヤがサブゲームを実行するため操作を行う操作部及び該操作部でプレイヤに実行されるサブゲームの内容を表示する表示部を有し、ステーション101Aで遊技しているプレイヤの遊技結果に対して遊技価値を掛けるサブゲームを行うことができる。各サブステーション101Bは、少なくとも1つの他のサブステーション101Bに信号線を介して接続されている。1つのサブステーション101Bは、複数の他のサブステーション101Bに信号線を介して並列に接続されていても良い。
【0027】
上記のネットワーク構成において、サーバ100とステーション101Aとの間に複数の通信コネクションch1、ch2が確立される。一方の通信コネクションch1で障害が発生した場合、他方の通信コネクションch2を用いてゲームを進行させるためのデータを通信することができる。
【0028】
また、サーバ100とステーション(S1)との間の信号線L1に障害が発生したことが検出された場合、ステーション(S1)と他のステーション(S2)とサーバ100とで迂回経路を構築する。サーバ100とステーション(S1)とが上記迂回経路にしたがって他のステーション(S2)を経由してゲームを進行するためのデータを通信する。
【0029】
以上のように迂回経路を構築することにより、サーバ100−ステーション101A間の信号線L1に障害が発生した場合であっても、サーバ100とステーション(S1)との間で通信すべきゲームの進行に必要なデータが確実に迂回経路を通って受け渡される。
【0030】
図2はサーバ100とステーション(S1)との間の信号線L1に障害が発生したことが検出された場合、サブステーション101Bを含むように迂回経路を構築した例を示す図である。ステーション(S1)はサブステーション(SS1)、(SS2)にそれぞれ信号線L10、L11を介して接続されている。したがって、ステーション(S1)から信号線L10を通ってサブステーション(SS1)に接続し、さらに信号線L6を通ってサーバ100に接続する迂回経路が構築できる。また、ステーション(S1)から信号線L11を通ってサブステーション(SS2)に接続し、さらに信号線L7を通ってサーバ100に接続する別の迂回経路を構築できる。すなわち、他のステーション(S1)を経由しない迂回経路を構築することができる。
【0031】
図3はサーバ100とサブステーション(SS2)との間の信号線L7に障害が発生したことが検出された場合、ステーション101Aを含むように迂回経路を構築した例を示す図である。サブステーション(SS2)はステーション(S1)、(S2)に信号線L11,L12で接続されている。図3に示す例では、サブステーション(SS2)から信号線L12を通ってステーション(S2)に接続し、さらに信号線L2を通ってサーバ100に接続する迂回経路を構築している。また、サブステーション(SS2)から信号線L16を通って他のサブステーション(SS3)に接続し、さらに信号線L8を通ってサーバ100に接続する別の迂回経路を構築できる。すなわち、ステーション(S2)を経由しない迂回経路を構築することができる。
【0032】
このような迂回経路を構築することにより、サーバ100−サブステーション101B間の信号線L7に障害が発生した場合であっても、サーバ100とサブステーション(SS2)との間で通信すべきゲームの進行に必要なデータが確実に迂回経路を通って受け渡される。
【0033】
図4はサーバ100が過負荷状態の場合の負荷軽減対策を示す図である。信号線L1を介してステーションS1からサーバ100へゲームの進行に必要なデータ送信中に、サーバ100が過負荷状態に陥ったものとする。この場合、ステーションS1は信号線L4を介して接続された他のステーション(S2)又は信号線L10を介して接続されたサブステーション(SS1)へゲームの進行に必要なデータをスタックさせる。たとえば、ステーションS1がサーバ100からのレスポンス時間を監視してサーバ100の負荷状態を検出し、過負荷が検出された際に予め決めたスタック先にデータを転送する。これにより、サーバ100ではステーションS1からのデータ受信に伴う処理を一時的に回避できると共に、ステーションS1では現在の処理を終了させることができ、サーバ100とステーションS1の双方の処理が停止する不具合を回避できる。
【0034】
図5はサーバ100がサブステーション101Bとの通信中に過負荷状態となった場合の負荷軽減対策を示す図である。信号線L7を介してサブステーションSS2からサーバ100へサブゲームの進行に必要なデータ送信中に、サーバ100が過負荷状態に陥ったものとする。この場合、サブステーションSS2は信号線L12を介して接続されたステーション(S2)又は信号線L17を介して接続された他のサブステーション(SS1)へサブゲームの進行に必要なデータをスタックさせる。サブステーションSS2におけるサーバ100の負荷状態検出は上記同様である。これにより、サーバ100ではサブステーションSS2からのデータ受信に伴う処理を一時的に回避できると共に、サブステーションSS2では現在の処理を終了させることができ、サーバ100とサブステーションSS2の双方の処理が停止する不具合を回避できる。
【0035】
図6は、サーバ100、ステーション101A、サブステーション101Bを結ぶ信号線を2重化したネットワーク構成を示す図である。例えば、サーバ100とステーションS1との間を2本の信号線L1A、L1Bで並列に接続する。また、一のステーションS1と他のステーションS2との間を2本の信号線L4A、L4Bで並列に接続する。さらにステーションS1とサブステーションSS1との間を2本の信号線L10A、L10Bで並列に接続する。また、一のサブステーションSS2と他のサブステーションSS3との間を2本の信号線L16A、L16Bで並列に接続する。また、サーバ100とサブステーションSS3との間を2本の信号線L8A、L8Bで並列に接続する。その他の信号線も二重化する。なお、全ての信号線を二重化しなくても良く、高い信頼性が要求される経路だけを二重化するようにしても良い。
【0036】
このように、サーバ100、ステーション101A、サブステーション101Bを結ぶ信号線を2重化することにより、一方の信号線が切断された場合であっても、データ通信に使用する信号線をもう一方の信号線に切り替えることにより、通信が完全に不能になるといった事態を回避することができる。
【0037】
次に、以上のようなネットワーク構成を実現したゲーム装置における各部の構成について詳細に説明する。
【0038】
図7は、本発明の一実施の形態に係るゲーム装置の外観図である。図7に示すように、ゲーム装置10は、メインゲーム装置100Aと、メインゲーム装置100Aと通信可能に接続された2つのサブゲーム装置100Bとを有している。
【0039】
メインゲーム装置100Aは、ゲームの進行を制御するサーバ100と、略扇状に5つ配置されたサテライトと呼ばれるステーション101Aと、ステーション101Aの操作者(遊技者)から見てステーション101Aの前方側に載置されたパネル部103とを有している。左右のサブゲーム装置100Bには、それぞれ5つのサブステーション101Bが組み込まれている。
【0040】
なお、以下においては、ステーション101Aの操作者である遊技者をメインプレイヤ、サブステーション101Bの操作者である遊技者をサブプレイヤと呼ぶものとする。本実施の形態において、メインプレイヤは、メインゲーム装置100Aが提供するメインゲーム(例えば、ブラックジャック、バカラ、ポーカーなどのカードゲーム、ルーレットなどのテーブルゲームなど、いわゆるカジノやゲーム上において行われるすべてのゲームを含む)を遊技し、サブプレイヤは、メインプレイヤがメインゲームを遊技した結果について遊技価値を賭けるゲームであるサブゲームを遊技する。
【0041】
パネル部103は、液晶ディスプレイ装置のような表示装置である正面ディスプレイ104、スピーカ105、ランプ106及びLED107を有している。正面ディスプレイ104は、メインプレイヤ、および/又はサブプレイヤが参加したゲーム全般に関する情報を、各プレイヤに共通に通知する。例えば、ベット受付時間の開始又は終了の通知やゲームの勝敗の通知などをディーラー108のアニメーションによって表示するようになっている。スピーカ105、ランプ106及びLED107は、正面ディスプレイ104の画像表示に合せて、或いは正面ディスプレイ104の画像表示とは別個独立して、遊技に関する演出を行う。例えば、BGM、効果音などの出力、点灯/消灯の実行などによる演出を行う。
【0042】
図8は、ステーション101Aの外観を示す部分拡大図である。ステーション101Aは、プレイヤにゲームに関する情報を提供するための液晶ディスプレイ201を上面に有している。液晶ディスプレイ201は、透明タッチパネル202でカバーされている。液晶ディスプレイ201の手前側には、PAYOUTボタンやBETボタンなど、プレイヤがゲームにおいて使用する複数のボタンであるボタン群203が配置されている。ボタン群203の右側には、プレイヤがコイン、メダル又はチップなどの遊技価値媒体(以下、単に「コイン」という)を投入するためのコイン投入部204が設けられている。コイン投入部204には、投入されたコインを検出するコインセンサ(図略)が設けられている。コイン投入部204の下側には、プレイヤが紙幣を投入するための紙幣投入部205が設けられている。紙幣投入部205には、投入された紙幣を検出する紙幣センサ(図略)が設けられている。
【0043】
ステーション101Aの正面下部には、コイン払出口206が設けられている。ステーション101Aにおいては、プレイヤによるボタン群203に含まれるPAYOUTボタンの押下動作に応じて、ステーション101Aに記憶されているプレイヤの所持クレジット値の全部又は一部に対応した枚数のコインがコイン払出口206から排出されるように構成されている。
【0044】
液晶ディスプレイ201の前方(パネル部103側)には、透明アクリルパネル207がコの字型に設けられており、透明アクリルパネル207によって囲われた領域には、立体模型チップ提示部208が設けられている。立体模型チップ提示部208は、立体模型チップ209と、立体模型チップ209がプレイヤ端末101内部から外部へ突出し、或いは突出した立体模型チップ209をプレイヤ端末101内部に収納するための開口210が設けられた提示部プレート211と、立体模型チップ209を昇降させるための昇降機構(図略)で構成される。
【0045】
立体模型チップ209は、チップの山の模型であって、樹脂などを成形して製造される。立体模型チップ提示部208は、異なる単位の立体模型チップ209を複数有している。例えば、一枚当たり1クレジット分のチップの山、一枚当たり10クレジットチップの山、並びに、一枚当たり100クレジットチップの山を模した立体模型チップが用意されている。全てのプレイヤは、この立体模型チップ209が提示部プレート211から突出している高さを見ることにより、そのプレイヤの所持クレジット値を迅速且つ直感的に把握することができると共に、あたかも実際のチップの増減が目の前で行われているような臨場感を奏することができる。
【0046】
なお、サブステーション101Bは、上述のように、遊技価値を賭ける対象がステーション101Aと異なるものの、その外観及び構成についてはステーション101Aと同様であるため、その詳細な説明は省略するものとする。
【0047】
図9は、本実施の形態に係るゲーム装置100の内部構造の概略ブロック図である。同図に示すように、メインゲーム装置100Aには、主制御部301を主な構成要素とするサーバ100が設けられている。主制御部301は、ゲームプログラムを実行する情報処理装置及び周辺装置などで構成され、ステーション101A及びサブステーション101Bのそれぞれと双方向通信可能に接続されている。主制御部301は、各ステーション101A及びサブステーション101Bからベット枚数、ベット対象等の通知を受け、所定の条件が満たされた場合にゲームの実行を開始する。そして、メインゲーム及びサブゲームの勝敗を決定し、その結果を各ステーション101A及びサブステーション101Bに通知する。また、正面ディスプレイ104に表示させる画像信号の出力制御、ランプ106及びLED107の駆動制御、並びに、スピーカ105の駆動制御を行う。
【0048】
各ステーション101Aは、主制御部301からの通知に従って、当該メインプレイヤの所持クレジット値の増減を行う。例えば、メインプレイヤがメインゲームに勝利した場合、各ステーション101Aは、主制御部301からの通知に従って、所持クレジット値に獲得枚数分のクレジット値を加算して記憶し直す。一方、メインプレイヤがメインゲームに負けた場合、各ステーション101Aは、主制御部301からの通知に従って、所持クレジット値からベット枚数分のクレジット値を減算して記憶し直す。
【0049】
各サブステーション101Bも、サブゲームに関して上記のステーション101Aと同様に動作する。すなわち、各サブステーション101Bは、主制御部301からの通知に従って、当該サブプレイヤの所持クレジット値の増減を行う。例えば、サブプレイヤがサブゲームに勝利した場合、そのサブプレイヤのサブステーション101Bは、主制御部301からの通知に従って、所持クレジット値に獲得枚数分のクレジット値を加算して記憶し直す。一方、サブプレイヤがサブゲームに負けた場合、各サブステーション101Bは、主制御部301からの通知に従って、所持クレジット値からベット枚数分のクレジット値を減算して記憶し直す。上記したようにメインゲーム及びサブゲーム進行の各局面でサーバ100とステーション101Aとの間、並びにサーバ100とサブステーション101Bとの間でやり取りされるデータが、ゲームの進行に必要なデータを構成する。
【0050】
ステーション101Aは、情報処理装置及び周辺装置で構成される端末制御部304Aと、この端末制御部304Aに接続された昇降機構302A、光源部303Aとを有している。昇降機構302Aは、立体模型チップ209Aを昇降させるための手段であって、本実施形態では、昇降用動力としてステッピングモータを備えている。なお、昇降用動力としては、これに限定されるものではなく、位置制御機構と組み合わせた通常モータなどを備えるようにしても良い。光源部303Aは、複数のLEDなどの発光源を有する回路で構成され、異なる色(例えば、赤、青、緑、白など)及び輝度を変更できる光源として機能する。光源部303Aから射出された光は、アクリルパネル207Aにより導光され、ゲーム装置100の外部、とりわけプレイヤに視認される方向に射出される。
【0051】
サブステーション101Bは、情報処理装置及び周辺装置で構成される端末制御部304Bと、この端末制御部304Bに接続された昇降機構302B、光源部303Bとを有している。この昇降機構302Bによって立体模型チップ209Bが操作され、光源部303Bによってアクリルパネル207Bの発光制御が行われる。昇降機構302B、光源部303B、アクリルパネル207B及び立体模型チップ209Bについては、ステーション101Aと同様であるので、これらの詳細な説明は省略する。
【0052】
次に、サーバ100の構成例について、図10を参照しながら説明する。図10は、サーバ100における主制御部301を中心としたブロック図である。
【0053】
主制御部301は、基本的に、CPU401、RAM402、ROM403及びこれら相互間のデータ転送を行うためのバス404で構成されるマイクロコンピュータ405を核として構成されている。CPU401には、ROM403及びRAM402がバス404を介して接続されている。ROM403は、ゲーム装置100の制御上必要な処理をおこなうための各種のプログラム、データテーブル等が格納されている。また、RAM402は、CPU401で演算された各種データを一時的に記憶しておくメモリである。
【0054】
マイクロコンピュータ405(より詳しくは、CPU401)は、I/Oインターフェイス406を介して画像処理回路407に接続されている。画像処理回路407は、正面ディスプレイ104に接続され正面ディスプレイの駆動を制御する。
【0055】
画像処理回路407は、プログラムROM、画像ROM、画像制御CPU、ワークRAM、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)及びビデオRAMなどで構成される。プログラムROMには、正面ディスプレイ104での表示に関する画像制御用プログラムや各種選択テーブルが格納されている。画像ROMには、例えば、正面ディスプレイ104で画像を形成するためのドットデータなど、が格納されている。画像制御CPUは、CPU401で設定されたパラメータに基づき、プログラムROM内に予め記憶された画像制御プログラムに従い、画像ROM内に予め記憶されたドットデータの中から正面ディスプレイ104に表示する画像の決定を行う。ワークRAMは、画像制御プログラムを画像制御CPUで実行するときの一時記憶手段として構成される。VDPは、画像制御CPUで決定された表示内容に応じた画像データを生成し、正面ディスプレイ104に出力する。尚、ビデオRAMは、VDPで画像を形成するときの一時記憶手段として構成される。
【0056】
また、マイクロコンピュータ405(より詳しくは、CPU401)は、音声回路408を介してスピーカ105に接続されている。スピーカ105は、音声回路408からの出力信号に基づいて各種演出を行う際に各種の効果音、BGMなどを発生するものである。
【0057】
また、マイクロコンピュータ405(より詳しくは、CPU401)は、ランプ駆動回路409を介して、ランプ106及びLED107が接続されている。ランプ106及びLED107は、ゲーム装置100の前面にて多数配設されて各種の演出を行う際に、CPU401からの駆動信号に基づいたランプ駆動回路409により点灯制御されるものである。
【0058】
また、マイクロコンピュータ405(より詳しくは、CPU401)は、通信インターフェイス410を介して各プレイヤ端末(ステーション101A及びサブステーション101B)が接続されており、CPU401とプレイヤ端末との間で双方向通信を行うことができるようになっている。特に、本発明は同時に2つの通信チャネルを確立して通信チャネル毎に独立したデータ通信を実現する。しかも、ゲームの進行に必要なデータ通信に使用していた通信チャネルが異常の場合には、他方の通信チャネルを用いたデータ通信により、障害発生中の通信チャネルを復旧するためのデータをやり取りする。本明細書において、他方の通信チャネルで通信されるゲームの進行に必要なデータというときは、障害発生中の通信チャネルを復旧するためのデータまで含むものとする。すなわち、他方の通信チャネルは、障害発生中の通信チャネルを復旧するためのデータのようにゲームの進行に間接的に係わるデータと、ベット枚数、ベット対象、クレジット値の増減等のようにゲームの進行に直接係わるデータのいずれのデータをやり取りしても良い。
【0059】
CPU401は、通信インターフェイス410により、各ステーション101Aとの間で命令の送受信、要求の送受信等を行うことができ、主制御部301とステーション101Aとが共同してメインゲームの進行制御を行う。同様に、マイクロコンピュータ405(より詳しくは、CPU401)は,通信インターフェイス410を介して各サブステーション101Bとの間で命令の送受信、要求の送受信等を行うことができ、主制御部301とサブステーション101Bとが共同してサブゲームの進行制御を行う。特に、本発明はプレイヤ端末(ステーション101A及びサブステーション101B)との間に複数の通信チャネル(ch1、ch2)を確立して上記したゲームの進行に必要なデータを通信するようにしている。
【0060】
次に、ステーション101Aの制御系の構成例について、図11を参照しながら説明する。図11は、ステーション101Aの制御系の一例を示す機能ブロック図である。なお、サブステーション101Bの制御系の構成は、ステーション101Aと同様の構成を採るため、図11に示す機能ブロック図にこれを付記するものとし、その詳細な説明は省略する。
【0061】
ステーション101A(サブステーション101B)の中核は、端末制御部304A(端末制御部304B)であって、端末制御部304A(端末制御部304B)は、基本的に、CPU501、RAM502、ROM503及びこれら相互間のデータ転送を行うためのバス504で構成されるマイクロコンピュータ505を核として構成されている。CPU501には、ROM503及びRAM502がバス504を介して接続されている。ROM503は、プレイヤ端末の制御上必要な処理、例えば、昇降機構302Aの動作制御、光源部303Aの点灯・消灯制御などを行うための各種のプログラム、データテーブル等が格納されている。また、RAM502は、CPU501で演算された各種データを一時的に記憶しておくメモリである。
【0062】
マイクロコンピュータ505(より詳しくは、CPU501)は、I/Oインターフェイス506を介して液晶パネル駆動回路507に接続されている。液晶パネル駆動回路507は、液晶ディスプレイ201に接続され、液晶ディスプレイ201の駆動を制御する。
【0063】
また、マイクロコンピュータ505(より詳しくは、CPU501)は、I/Oインターフェイス506を介してタッチパネル駆動回路508に接続されている。タッチパネル駆動回路508は、タッチパネル202上の接触位置の座標データを出力する。
【0064】
また、マイクロコンピュータ505(より詳しくは、CPU501)には、ホッパー駆動回路509を介してホッパー514が接続されている。CPU501から駆動信号がホッパー駆動回路509に出力されると、ホッパー514は、所定枚数のコインをコイン払出口206から払い出す。また、CPU501には、払出完了信号回路510を介してコイン検出部515が接続されている。コイン検出部515は、コイン払出口206の内部に配置されている。コイン払出口206から所定枚数のコインが払い出されたことを検出すると、コイン検出部515からコイン払出検出信号が払出完了信号回路510に出力され、これに基づき払出完了信号回路510は、CPU501に対して払出完了信号を出力する。
【0065】
また、マイクロコンピュータ505(より詳しくは、CPU501)は、昇降機構302を駆動させるためのステッピングモータを回転駆動させるモータ駆動回路511に接続されている。CPU501からモータ駆動信号がモータ駆動回路511に出力されると、ステッピングモータは、モータ駆動回路511により回転駆動される。これにより昇降機構302が動作し、立体模型チップ209の昇降動作が行われる。
【0066】
また、マイクロコンピュータ505(より詳しくは、CPU501)は、光源部303を駆動させるためのLED駆動制御回路512に接続されている。本実施形態においては、光源部303は、複数のLEDで構成されており、LED駆動制御回路512は、CPU501からのLED駆動命令に応じて、全LEDのうち駆動命令の対象となったLEDに対して駆動電力を供給する。これにより、CPU501の制御下において所望の態様でLEDの点灯・消灯制御を行うことができる。
【0067】
また、マイクロコンピュータ505(より詳しくは、CPU501)は、通信インターフェイス513を介して主制御部301に接続されており、CPU501とサーバ100の主制御部301との間で複数の通信コネクション(ch1、ch2)を確立して各チャネルで双方向通信が行うことができるようになっている。CPU501が、主制御部301との間で命令、要求、データなどの送受信等を行うことにより、主制御部301とステーション101A(サブステーション101B)とが共同してメインゲーム(サブゲーム)の進行制御が可能となっている。
【0068】
以上のように構成された本実施の形態では、サーバ100と複数のステーション101A又は複数のサブステーション101Bとの間でゲームを進行するために必要なデータの通信が順番に行われる。例えば、サーバ100の主制御部301は、ステーションS1の端末制御部304Aとの間に複数の通信チャネル(ch、ch2)を確立し、ベット枚数、ベット対象等のゲームの進行に必要なデータを要求する。ステーションS1の端末制御部304Aは、タッチパネル202に対するプレイヤの操作内容をタッチパネル駆動回路508で検出してベット枚数、ベット対象等のゲームの進行に必要なデータを取得する。これらのデータをサーバ100との間で確立している通信チャネルを使って送信する。サーバ100の主制御部301は、ステーションS1から必要なデータを取得すると、ステーションS1との間に確立していた通信チャネルを閉じて、隣接するステーションS2との間に通信チャネルを確立して上記同様にしてゲームの進行に必要なデータを取得する。複数のサブステーション101Bに対しても同様に通信チャネルを順次確立してゲームの進行に必要なデータを取得する。
【0069】
図1に示すように、ステーションS1からサーバ100に対してゲームの進行に必要なデータを送信している通信チャネルch1で異常が発生したものとする。例えば、ステーションS1からのデータ送信がいつまでも完了しない送信異常が発生した場合、ステーションS1の端末制御部304A又はサーバ100の主制御部301において当該通信異常を検知する。端末制御部304A又は主制御部301において所定時間経過してもデータ送信が継続している状態を、通信異常として検知することができる。その他の方法で通信異常を検知することも可能である。
【0070】
通信異常が検知された場合、発生している障害(通信異常)を回避してゲーム進行を停止させないために、別の通信チャネルch2を使って回避策を講じる。別の通信チャネルch2を使って現在の通信チャネルch1のデータ通信を一度中断する旨のデータを交換することができる。データ通信の中断及びリトライのコマンドは端末制御部304A又は主制御部301のいずれから発行しても良い。ステーションS1の端末制御部304Aは、データ通信の中断コマンドを送信又は受信すると、データ送信を停止し、データ送信を最初からやり直すように最初から通信チャネルch1の確立から開始する。
【0071】
一方、信号線L1が切断される障害が発生した場合、データ通信自体が不可能な状態に陥る。本実施の形態では、ステーション101Aとサーバ100との間でのデータ通信が不可能となった場合に、図1、2,3に示すような迂回経路を構築して、当該迂回経路を通してゲームの進行に必要なデータをステーション101Aからサーバ100へ通知する。迂回経路の構築には種々の手法が適用可能である。例えば、各ステーション101A毎に予め迂回経路を決めて、迂回経路上のステーション101A又はサブステーション101Bに経路設定しておく。例えば、図1に示す例では、信号線L1に障害が発生した場合は、ステーションS1から信号線L4、ステーションS2、信号線L2を経由してサーバ100に接続する迂回経路が予め設定されている。信号線L1に障害が発生した場合、ステーションS1はステーションS2へデータを送信し、ステーションS2がステーションS1のデータであることを示す情報と共にサーバ100へ転送する。サーバ100からステーションS1へ送信するデータに関しても、ステーションS1へ送信するデータであることを示す情報と共にステーションS2へデータを送信し、ステーションS2がサーバ100のデータであることを示す情報と共にステーションS1へ転送する。また、迂回経路の構築にはスパニングツリー手法を採用することもできる。スパニングツリー手法は経路の障害も検知できるので迂回経路の構築に適した手法である。
【0072】
スパニングツリー手法では、サーバ100、ステーション101A、サブステーション101Bをそれぞれ独立したセグメントに属するものとし、サーバ100の通信インターフェイス410、ステーション101A及びサブステーション101Bの通信インターフェイス513にセグメント間の信号線を接続するスイッチ又はブリッジを配置する。ブロードキャストフレームは各セグメントを1つのブロードキャストドメインとする。ブロードキャストフレームを受け取ったスイッチは自分と繋がっている全てのポートに向けてブロードキャストフレームを送信するが、ループ上の特定のポートをブロックすることによりループの形成を防いでいる。さらに、スパニングツリー手法はループの形成を防止する機能の他に障害が発生した際に自動的に経路を切り替えるネットワークの冗長性確保の手段として用いることができる。具体的には、各セグメントのスイッチは相互にBPDU(Bridge Protocol Data Unit)をやり取りし、スパニングツリーの中心となる1台のスイッチをルートブリッジに決定する(手順1)。各スイッチはBPDUのやり取りによりブロードキャストドメイン内のネットワークトポロジを把握する(手順2)。BPDUにはブリッジIDとパスコストが含まれていて、全てのスイッチのブリッジIDを比較してブリッジIDが一番小さいスイッチがルートブリッジに選ばれる。次に各スイッチのどのポートを空け、どのポートを閉じるかを決定する(手順3)。ルートブリッジを中心に各ポートの役割を決定する。各セグメントからルートブリッジに一番近いポートを指定ポートとし、各スイッチからルートブリッジに一番近いポートをルートポートとし、通信が遮断されるポートをブロッキングポートとする。次に、現在構成されているネットワークトポロジに問題が発生していないかを監視する(手順4)。スパニングツリー手法によって決定された経路では通常は数秒ごとBPDUを交換しているので、この決められた時間内にBPDUが相手スイッチから帰ってこなければ何らかの障害が発生していると判断することができる。経路の障害を検知したスイッチはスパニングツリーを構成している全てのスイッチ宛にTCN BPDU(Topology Change Notification BPDU)を送信し、今までの経路を破棄する。監視中のネットワークトポロジに問題があれば上記手順1にもどり、経路を構成し直す(手順5)。
【0073】
また、サーバ100において過負荷状態が発生した場合、図4、図5に示すようにサーバ100とゲームの進行に必要なデータを通信しているステーション101A又はサブステーション101Bは、サーバ100の負荷を軽減させるために、送信データを一時的に他のステーション101A又はサブステーション101Bへスタックする処理を実行する。例えば、図4に示すようにステーションS1がサーバ100との間でゲームの進行に必要なデータを通信しているときにサーバ100が過負荷状態であることが判明したものとする。サーバ100における負荷状態は、サーバ100からのレスポンス速度を監視することで検知することができる。ステーションS1は、サーバ100が過負荷であると判断すると、他のステーションS2又は最も近いサブステーションSS1等との間で通信チャネルを確立し、データスタック要請を発行する。他のステーションS2又はサブステーションSS1からOKレスポンスを受けると、サーバ100へ送信すべきデータを他のステーションS2又はサブステーションSS1へ送信してスタックさせる。データスタック要求を受けた他のステーションS2又はサブステーションSS1では、スタック要求元のステーションS1からスタックデータを受信すると、I/Oインターフェイス506からマイクロコンピュータ505内に取り込み、RAM502に格納する。
【0074】
これにより、サーバ100との通信が完了していなかったステーションS1は、形式的にはサーバ100へゲームの進行に必要なデータを通信する処理を完了して次の処理へ移行できる。サーバ100では、ステーションS1からのデータ受信がなくなるので、負荷が軽減される。
【0075】
なお、他のステーションS2又はサブステーションSS1のRAM502にスタックされたデータは、所定時間経過後に他のステーションS2又はサブステーションSS1からステーションS1へ戻し、ステーションS1から正常状態に回復したサーバ100に対して送信することができる。又は、データスタックした他のステーションS2又はサブステーションSS1がその後に正常状態に回復したサーバ100と通信する際に、ステーションS1に代わりデータを送信するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、ゲームの進行を制御するサーバとプレイヤが遊技する複数のステーション及び又はサブステーションとが通信媒体を介して接続されるゲーム装置に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の一実施の形態に係るゲーム装置を構成するサーバ、複数のステーション及び複数のサブステーションからなるネットワークにおいて通信チャネル数及び迂回経路を説明するためのネットワーク構成図である。
【図2】本発明の一実施の形態においてサブステーションを経由した迂回経路を構築する場合を説明するためのネットワーク構成図である。
【図3】本発明の一実施の形態においてサブステーションからステーションを経由した迂回経路を構築する場合を説明するためのネットワーク構成図である。
【図4】本発明の一実施の形態においてステーションから他のステーション又はサブステーションへスタックする場合を説明するためのネットワーク構成図である。
【図5】本発明の一実施の形態においてサブステーションから他のサブステーション又はステーションへスタックする場合を説明するためのネットワーク構成図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係るゲーム装置を構成するサーバ、複数のステーション及び複数のサブステーションからなるネットワークにおいて信号線を二重化した構成を示すネットワーク構成図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係るゲーム装置の外観図である。
【図8】上記ゲーム装置を構成する端末部の部分拡大図である。
【図9】上記ゲーム装置の内部構造の概略ブロック図である。
【図10】上記ゲーム装置のサーバを中心としたブロック図である。
【図11】上記ゲーム装置のステーション又はサブステーションを中心としたブロック図である。
【符号の説明】
【0078】
10 ゲーム装置
100 サーバ
100A メインゲーム装置
100B サブゲーム装置
101A、S1〜S3 ステーション
101B、SS1〜SS4 サブステーション
103 パネル部
104 正面ディスプレイ
105 スピーカ
106 ランプ
107 LED
108 ディーラー
201 液晶ディスプレイ
202 透明タッチパネル
301 主制御部
304A,304B 端末制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームの進行を制御するサーバと、前記サーバに信号線を介して接続され、プレイヤがゲームを実行するため操作を行う操作部及び該操作部でプレイヤに実行されるゲームの内容を表示する表示部を有し、前記サーバからの指令に基づいて動作する少なくとも一台のステーションとを備え、前記サーバと前記ステーションとの間に複数の通信コネクションを確立し、一方の通信コネクションで障害が発生した場合、他方の通信コネクションを用いてゲームを進行させるためのデータを通信することを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1記載のゲーム装置において、
前記サーバと前記ステーションとの間に確立した一方の通信コネクションでデータ通信の途中に、前記サーバで過負荷が発生した場合、当該ステーションから前記サーバへのデータ送信を一時的に回避して前記サーバの負荷が通常状態に戻るまで待機することを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1記載のゲーム装置において、
前記ステーションが複数備えられ、前記各ステーションは各信号線を介して前記サーバに独立に接続される一方、前記複数のステーションのうち一のステーションは他のステーションに信号線を介して接続され、
前記サーバと前記一のステーションとの間に確立した通信コネクションで障害が発生した場合、前記一のステーションから前記他のステーションを迂回経路にして前記サーバへデータを送信することを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1記載のゲーム装置において、
前記ステーションが複数備えられ、前記各ステーションは各信号線を介して前記サーバに独立に接続される一方、前記複数のステーションのうち一のステーションは他のステーションに信号線を介して接続され、
前記サーバと前記一のステーションとの間に確立した一方の通信コネクションにてデータ通信の途中に、前記サーバで過負荷が発生した場合、前記サーバへ送信すべきデータを、当該一のステーションから前記他のステーションへ転送して一時的にスタックすることを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項1記載のゲーム装置において、
前記サーバに複数のサブステーションが信号線を介してそれぞれ接続され、前記各ステーションは対応した前記サブステーションに信号線を介して接続され、前記サーバと前記一のステーションとの間に確立した通信コネクションで障害が発生した場合、前記一のステーションから信号線経由で接続された前記サブステーションを迂回経路にして前記サーバへデータを送信することを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
請求項1記載のゲーム装置において、
前記サーバに複数のサブステーションが信号線を介してそれぞれ接続され、前記各ステーションは対応した前記サブステーションに信号線を介して接続され、前記サーバと前記一のステーションとの間に確立した一方の通信コネクションにてデータ通信の途中に、前記サーバで過負荷が発生した場合、前記サーバへ送信すべきデータを、当該一のステーションから信号線経由で接続された前記サブステーションへ転送して一時的にスタックすることを特徴とするゲーム装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記サーバと前記ステーションとの間は冗長化のための複数の信号線で接続されたことを特徴とするゲーム装置。
【請求項8】
請求項5から請求項7のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記サーバと前記サブステーションとの間は冗長化のための複数の信号線で接続されたことを特徴とするゲーム装置。
【請求項9】
請求項5から請求項8のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記サーバは、前記ステーションで遊技しているプレイヤの遊技結果に対して遊技価値を掛けるサブゲームを前記サブステーションに対して提供することを特徴とするゲーム装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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