説明

ゲーム要素積み上げゲームプログラム及びゲーム要素積み上げゲーム機

【課題】ゲーム要素の積み上げ方が新しいゲームのゲーム要素積み上げゲームプログラム及びゲーム要素積み上げゲーム機を提供する。
【解決手段】ゲームプログラムは、ゲーム機1を、積み上げられたキャラクタCを表示するモニタ3と、プレイヤPの操作に応じて、積み上げられたキャラクタC上での新たなキャラクタCの積み上げ位置を決定する操作部10と、操作部10の操作に応じて、決定された積み上げ位置に新たなキャラクタCを積み上げた場合に、傾きポイントP(n)を算出するずれ算出部51と、ずれ算出部51が算出した傾きポイントP(n)に応じて、決定された積み上げ位置に新たなキャラクタCを積み上げるか否かを判定する積み上げ判定部52と、して機能させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム要素を順次積み上げていくゲームのゲーム要素積み上げゲームプログラム及びゲーム要素積み上げゲーム機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、表示領域の上方に順次出現するブロックを落下させて、積み上げていくゲーム機があった(例えば特許文献1)。
しかし、従来のこの種のゲームは、ブロックの積み上げ方がありふれていた。
【特許文献1】特開平9−215862号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、ゲーム要素の積み上げ方が新しいゲームのゲーム要素積み上げゲームプログラム及びゲーム要素積み上げゲーム機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、以下のような解決手段により、課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【0005】
請求項1の発明は、ゲーム要素(C,C(n))を順次積み上げるゲーム要素積み上げゲームプログラム(41)において、コンピュータ(1)を、積み上げられた前記ゲーム要素を表示する表示手段(3)と、プレイヤ(P1,P2,P3)の操作に応じて、前記積み上げられた前記ゲーム要素上での新たな前記ゲーム要素の積み上げ位置を決定する操作手段(10,20,30)と、前記操作手段の操作に応じて、決定された前記積み上げ位置に前記新たなゲーム要素を積み上げた場合に、所定の基準(CL(0))と前記新たなゲーム要素を含むゲーム要素全体とのずれの度合い(P(n))を算出するずれ算出手段(51)と、前記ずれ算出手段が算出した前記ずれの度合いに応じて、決定された前記積み上げ位置に前記新たなゲーム要素を積み上げるか否かを判定する判定手段(52)と、して機能させることを特徴とするゲーム要素積み上げゲームプログラムである。
請求項2の発明は、請求項1に記載のゲーム要素積み上げゲームプログラムにおいて、前記ずれ算出手段(51)を、前記ゲーム要素(C,C(n))全体のうち下方の所定の位置に配置された前記ゲーム要素(C(0))を前記所定の基準(CL(0))として、前記ずれの度合い(P(n))を算出するように機能させること、を特徴とするゲーム要素積み上げゲームプログラムである。
請求項3の発明は、請求項2に記載のゲーム要素積み上げゲームプログラムにおいて、前記表示手段(3)を、積み上げられた前記ゲーム要素(C,C(n))全体が所定の数に達した場合に、最上部に配置された前記ゲーム要素(C(5))の位置が前記下方の所定の位置に配置された前記ゲーム要素(C(0))の位置になるまで画面をスクロールして表示するように機能させ、前記ずれ算出手段(51)を、新たに前記下方の所定の位置に配置された前記ゲーム要素を新たな前記所定の基準(CL(0))として、前記ずれの度合い(P(n))を算出するように機能させること、を特徴とするゲーム要素積み上げゲームプログラムである。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のゲーム要素積み上げゲームプログラムにおいて、前記コンピュータ(1)を、前記ずれ算出手段(51)が算出した前記ずれの度合い(P(n))に基づいて、前記ゲーム要素(C,C(n))全体を揺動する揺動制御手段(54)として機能させること、を特徴とするゲーム要素積み上げゲームプログラムである。
【0006】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のゲーム要素積み上げゲームプログラムを記憶する記憶手段(41)と、前記記憶手段に記憶された前記ゲーム要素積み上げゲームプログラムを実行する制御手段(50)と、を備えたゲーム要素積み上げゲーム機である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、新たなゲーム要素を積み上げた場合に、所定の基準と新たなゲーム要素を含むゲーム要素全体とのずれの度合いに応じて、新たなゲーム要素をゲーム要素全体に積み上げるか否かを判定するので、ゲーム要素全体の配置バランスに基づいて新たなゲーム要素を積み上げるか否かを判断するといった、ゲーム要素の積み上げ方が新しいゲームを提供することができる。
(2)本発明は、下方の所定の位置に配置されたゲーム要素を所定の基準としてずれの度合いを算出するので、下方の位置のゲーム要素を基準に順次ゲーム要素を積み上げるこことができる。
【0008】
(3)本発明は、画面をスクロールし、新たに下方に配置されたゲーム要素を新たな基準としてずれの度合いを算出するので、表示手段によって表示されているゲーム要素のみに基づいてずれの度合いを算出すればよく、ずれの度合いの算出を容易にすることができる。また、表示されているゲーム要素のみに基づいてずれの度合いが定まるので、プレイヤにずれの度合いをわかりやすく報知することができる。
(4)本発明は、ずれ算出手段が算出したずれの度合いに基づいて、ゲーム要素全体を揺動するので、新たなゲーム要素の配置を難しくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、ゲーム要素の積み上げ方が新しいゲームのゲーム要素積み上げゲームプログラム及びゲーム要素積み上げゲーム機を提供するという課題を、ゲームプログラムが、ゲーム機を、積み上げられたキャラクタを表示するモニタと、プレイヤの操作に応じて、積み上げられたキャラクタ上での新たなキャラクタの積み上げ位置を決定する操作部と、操作部の操作に応じて、決定された積み上げ位置に新たなキャラクタを積み上げた場合に、傾きポイントを算出するずれ算出部と、ずれ算出部が算出した傾きポイントに応じて、決定された積み上げ位置に新たなキャラクタを積み上げるか否かを判定する積み上げ判定部と、して機能させることによって実現した。
【0010】
(実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態のゲーム機1の斜視図である。
図2は、本実施形態のモニタ3のプレイ画面3a,3b,3cを示す図である。
図1に示すように、ゲーム機1は、左右方向Xの幅1m程度、奥行方向Yの長さ1m程度、鉛直方向Zの高さ2m程度の装置であり、主にゲームセンタ等の娯楽施設等に設置される。
【0011】
図2に示すように、ゲーム機1でのプレイは、プレイヤP1,P2,P3が、モニタ3(表示手段)の表示領域を3分割した各プレイ画面3a,3b,3cで、キャラクタC(ゲーム要素)を積み上げていき、その積み上げ数のノルマを達成できたか否かを競うものである。積み上げ数のノルマは、15個に設定されている。また、各プレイ画面3a,3b,3cは、背景画像が学校の校庭の画像となっており、キャラクタCが校庭で組み体操をしているように演出している。
なお、以下の説明において、主に、プレイヤP1に対応したプレイ画面3aに関する操作、構成について説明するが、プレイ画面3b,3cに関するものも同様である。
【0012】
プレイ画面3aには、残プレイ時間表示部3dと、スコア表示部3eと、積み上げられたキャラクタCと、これから積み上げられるキャラクタC(新たなキャラクタ)とが表示されている。
残プレイ時間表示部3dは、残りのプレイ時間を表示する表示領域である。残プレイ時間表示部3dは、プレイ画面3a内の上側H2に配置されている。
スコア表示部3eは、プレイヤP1のスコアを表示する表示領域である。スコア表示部3eは、プレイ画面3a内の最も上側H2に配置されている。スコア表示部3eには、ノルマ3f(=15個)に対する達成度が、「積み上げた個数3g/ノルマ3f」の分数で表示される。
クレーン3hは、キャラクタCを落下する位置を定めるために、左右方向Xに移動するように表示される。クレーン3hは、キャラクタCを落下すると、プレイ画面3a外に退避して、次に落下するキャラクタCを新たに運んでくるように表示される。
【0013】
図1に示すように、ゲーム機1は、ケース2と、モニタ3と、コイン投入口4と、操作部10,20,30と、スピーカ5とを備えている。
ケース2は、ゲーム機1の筐体である。ケース2には、コイン投入口4と、操作部10,20,30とが配置された操作パネル2aが設けられている。操作パネル2aは、プレイヤP1,P2,P3が操作しやすいように、ケース2の手前側Y1の表面に設けられている。
モニタ3は、プレイ画面3a,3b,3cを表示する、例えば液晶表示装置等の表示装置であり、ケース2に配置されている。モニタ3は、そのプレイ画面3a,3b,3cが、手前側Y1に位置するプレイヤP1,P2,P3に対向するように配置されている。
【0014】
コイン投入口4は、コインを投入するための投入口である。コイン投入口4の内部には、投入されたコインを検出する光学センサ(図示せず)等が設けられており、この光学センサ等がコインを検出すると、制御部50(後述する)に検出信号を出力し、制御部50がプレイ料金の受け付けの処理を行う。
スピーカ5は、操作パネル2a上に配置されており、プレイ中に効果音等を出力する。
【0015】
操作部10,20,30は、3人のプレイヤP1,P2,P3が独立して操作できる操作部である。操作部10,20,30は、左側X1から右側X2に向けて、この順番で配置されている。操作部10,20,30は、各プレイ画面3a,3b,3cに対応し、操作部10の操作画面がプレイ画面3aであり、操作部20の操作画面がプレイ画面3bであり、操作部30の操作画面がプレイ画面3cである。
【0016】
操作部10は、手前側Y1、奥側Y2、左側X1、右側X2にそれぞれ配置された下ボタン11、上ボタン12、左ボタン13、右ボタン14から構成され、左側X1に位置するプレイヤP1の操作を受け付けると、制御部50(後述する)にそれぞれ信号を入力する。
操作部10は、積み上げられたキャラクタC上での新たなキャラクタCの積み上げ位置を、プレイヤP1が決定するための操作部である。
操作部20,30は、操作部10と同様な構成である。操作部20は、各ボタン21〜24から構成され、中央に位置するプレイヤP2によって操作されるようになっている。操作部30は、各ボタン31〜34から構成され、右側X2に位置するプレイヤP3によって操作されるようになっている。
【0017】
図3は、本実施形態のゲーム機1のブロック図である。
図4は、本実施形態の揺動角度テーブル42aを示す図である。
ゲーム機1は、前述したハードウェアの他に、記憶部40と、制御部50とを備えている。なお、本発明では、コンピュータとは、記憶装置、制御部等を備えた情報処理装置をいい、ゲーム機1は、記憶部40、制御部50を備えた情報処理装置であり、本発明のコンピュータの概念に含まれる。
【0018】
記憶部40は、ゲーム機1の動作に必要な情報や、プログラム等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶装置である。記憶部40は、ゲームプログラム記憶部41と、揺動角度記憶部42とを備えている。
ゲームプログラム記憶部41は、このゲームのゲームプログラムを記憶する記憶領域である。ゲームプログラムは、制御部50がプレイを実行するためのプログラムであり、例えばプレイ画面に関する情報等が含まれている。
揺動角度記憶部42は、積み上げられたキャラクタCの全体の左右方向Xへの揺動角度を(図13参照)、図4に示す揺動角度テーブル42aの形態で記憶する記憶領域である。揺動角度テーブル42aは、後述する傾きポイントP(n)(列42c参照)の絶対値に対応させて揺動角度(列42b参照)を格納する。
【0019】
図3に示すように、制御部50は、ゲーム機1を統括的に制御するための制御部であり、例えば、CPU(中央処理装置)等から構成される。制御部50は、記憶部40に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、前述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
制御部50は、ずれ算出部51と、積み上げ判定部52と、背景スクロール部53と、揺動制御部54と、プレイ進行制御部55と、必要に応じてこれら各制御部の間で情報を伝達するバス(図示せず)とを備えている。
【0020】
ずれ算出部51は、操作部10,20,30の操作に応じて、新たなキャラクタCを積み上げた場合に、後述する傾きポイントP(n)(ずれの度合い)を算出する制御部である。
積み上げ判定部52は、ずれ算出部51が算出した傾きポイントP(n)に応じて、新たなキャラクタCを積み上げるか否かを判定する制御部である。
背景スクロール部53は、積み上げられたキャラクタCの数に応じて画面をスクロールする制御部である。
揺動制御部54は、ずれ算出部51が算出した傾きポイントP(n)に基づいて、積み上げられたキャラクタCを左右方向Xに揺動する制御部である。
プレイ進行制御部55は、このゲームのプレイ進行を統括的に制御する制御部である。プレイ進行制御部55は、ゲームプログラムに含まれるプレイ画面3a,3b,3cをモニタ3に表示したり、効果音をスピーカ5に出力したりする。
なお、各制御部の詳細な処理は、後述する。
【0021】
次に、ゲーム機1の処理について説明する。
図5は、本実施形態のゲーム機1の動作を示すフローチャートである。
図6は、本実施形態の新たなキャラクタCを積み上げない場面を説明する図である。
図7は、本実施形態の新たに4個のキャラクタCが順に積み上げられる過程での中心線CL(n)の移動を説明する図である。
図8は、本実施形態の傾きポイントP(n)の推移を説明する表である。
図9は、本実施形態の積み上げたキャラクタCが崩れる状態を説明する図である。
図10は、本実施形態のプレイ画面3aのスクロールを説明する図である。
図11は、本実施形態のプレイ画面3aのスクロールの例を説明する図である。
図12は、本実施形態の積み上げたキャラクタCの揺動を説明する図である。
【0022】
なお、以下の説明において、操作部10に応じたプレイ画面3aの処理を例に説明するが、操作部20,30に対応したプレイ画面3b,3cについても、同様な処理が行われる。
最初に、ステップS(以下単に「S」という)10において、コイン投入口4にコインが投入されると、プレイ進行制御部55がこのゲームの処理を開始する。
図2に示すように、プレイ進行制御部55は、これから落下するキャラクタCを、既に積み上げられているキャラクタCの全体よりも上側H2に表示する。これから落下するキャラクタCは、クレーン3hに吊り上げられて、運ばれてくるように表示される。
【0023】
図5に戻り、S20において、プレイ進行制御部55は、操作部10の出力に応じて、クレーン3hに吊り上げられたキャラクタCを落下させる。
プレイ進行制御部55は、左ボタン13が操作されるとクレーン3hを左側X1に移動し、一方右ボタン14が操作されるとクレーン3hを右側X2に移動して、新たなキャラクタCの積み上げ位置を選択する。そして、プレイ進行制御部55は、下ボタン11又は上ボタン12が操作されると、新たなキャラクタCの積み上げ位置を決定して、新たなキャラクタCを既に積み上げられているキャラクタCに向けて下側H1に落下させる。
【0024】
S30において、プレイ進行制御部55は、新たに積まれるキャラクタCの中心と、そのすぐ下のキャラクタCの中心との左右方向Xにおける距離D(図6に示す距離D1,D2参照)を算出する。なお、本実施形態では、左右方向Xの距離や位置を認識するために、左右方向Xに等間隔に座標が設けられている。
プレイ進行制御部55は、距離Dが10未満であると判定した場合には(S30:YES)、S40に進み、一方、距離Dが10未満ではないと判定した場合には(S30:NO)、S31に進む。
【0025】
S31おいて、プレイ進行制御部55は、落下してきたキャラクタCを、既に積み上げられていたキャラクタCに積み上げないように処理する。
例えば、図6(a−1)に示す場面は、落下してきたキャラクタCが左側X1に距離D1=10ずれているので(S30:NO)、プレイ進行制御部55は、図6(a−2)〜図6(a−4)に示すように、キャラクタCを積み上げずに左側X1に転がり落ちるように表示する(S31)。
同様に、図6(b−1)に示す場面は、落下してきたキャラクタCが右側X2に距離D2=10ずれているので(S30:NO)、プレイ進行制御部55は、図6(b−2)〜図6(b−4)に示すように、キャラクタCを右側X2に転がり落ちるように表示する(S31)。
【0026】
図5に戻り、S40において、プレイ進行制御部55は、落下してきたキャラクタCを、既に積み上げられていたキャラクタCに積み上げて表示する。
なお、これまでの処理は、既に積み上げられていたキャラクタCに新たなキャラクタCを、一時的に積み上げて表示するかを判定する処理であり、その新たなキャラクタCを積み上げた状態にしてプレイを進行するか否かの判定は、以下の処理によって行われる。
【0027】
S50において、ずれ算出部51は、新たなキャラクタCが積み上げられた場合のキャラクタCの中心線CL(n)が中心線CL(0)からどの程度ずれているかを示す度合いである傾きポイントP(n)(後述する)を算出する。
積み上げ判定部52は、傾きポイントP(n)を以下の処理によって求める。
【0028】
(1)ずれ算出部51は、新たに積み上げたキャラクタC(n)の中心と、既に積み上げられていたキャラクタC(0)〜C(n−1)の全体の中心線CL(n−1)との距離L(n)を算出する(図7参照)。
(2)ずれ算出部51は、傾きポイントP(n)を以下の数式により求める。
P(n)=P(n−1)+L(n) (但し、傾きポイントP(0)=0)
ここで、距離L(n)は、(n−1)個目のキャラクタCが積み上げられた場合の中心線CL(n−1)と、n個目に新たに積み上げられたキャラクタCの中心との左右方向Xにおける距離である。本実施形態では、距離L(n)は、中心線CL(n)よりも左側X1の距離を負の符号を付し、一方、中心線CL(n)よりも右側X2の距離を正の符号を付して示す。
また、中心線CL(n)は、n個目のキャラクタCが積み上げられた場合のキャラクタCの全体の中心線である。中心線CL(n)は、以下の数式によって左右方向Xにおける座標で示す。
CL(n):X=CL(n−1)+L(n)/2
但し、左右方向Xにおける基準(X=0)は、画面下側に表示される1個目(n=0)のキャラクタC(0)の中心線である。
【0029】
例えば、図7(a)〜図7(d)に示すようにプレイが進行した場合には、ずれ算出部51は、以下の順序で処理を行う(対応する演算については、図8の表8a参照)。
図7(a)は、1個目(n=1)に落下した新たなキャラクタC(1)が積み上げられる場面である。この場合、既に積み上げられているキャラクタCは、キャラクタC(0)のみである。従って、ずれ算出部51は、キャラクタCの基準線を、
CL(0):X=0
とする。
【0030】
そして、新たに積み上げられたキャラクタC(1)は、中心線CL(0)よりも距離L(1)=−2だけ左側X1側に落下している。従って、ずれ算出部51は、傾きポイントP(1)、中心線CL(1)を下記のとおり算出する。
P(1)=P(0)+L(1)=−2
CL(1):X=CL(0)+L(1)/2=−1
なお、ずれ算出部51は、中心線CL(1)をプレイ画面3aに表示しても、表示しなくてもよい。中心線CL(1)を表示した場合には、中心線CL(1)の位置をプレイヤPに分かりやすく報知できるので、プレイの難易度を低くできるし、一方、中心線CL(1)を表示しない場合には、中心線CL(1)の位置をプレイヤPにわかりにくくできるので、プレイの難易度を高くすることができる。
【0031】
図7(b)に示すように、2個目(n=2)に新たに積み上げられたキャラクタC(2)は、中心線CL(1)よりもL(2)=−3だけ左側X1側に落下している。従って、ずれ算出部51は、傾きポイントP(2)、中心線CL(2)を下記のとおり算出する。
P(2)=P(1)+L(2)=−5
CL(2):X=CL(1)+L(2)/2=−3(小数点切り上げ)
【0032】
図7(c)に示すように、3個目(n=3)に新たに積み上げられたキャラクタC(3)は、中心線CL(2)よりもL(3)=+2だけ右側X2側に落下しているので、ずれ算出部51は、傾きポイントP(3)、中心線CL(3)を下記のとおり算出する。
P(3)=P(2)+L(3)=−3
CL(3):X=CL(2)+L(3)/2=−2
【0033】
図7(d)に示すように、4個目(n=4)に新たに積み上げられたキャラクタC(4)は、中心線CL(3)よりもL(4)=−3だけ左側X1側に落下しているので、ずれ算出部51は、傾きポイントP(4)、中心線CL(4)を下記のとおり算出する。
P(4)=P(3)+L(4)=−6
CL(4):X=CL(3)+L(4)/2=−4(小数点切り上げ)
【0034】
図5に戻り、S60において、ずれ算出部51は、傾きポイントP(n)の絶対値が6未満か否かを判定する。ずれ算出部51は、傾きポイントP(n)の絶対値が6未満の場合には(S60:YES)、S70に進み、一方、傾きポイントP(n)が6未満ではない場合つまり6以上の場合には(S60:NO)、S61に進む。
【0035】
S61において、プレイ進行制御部55は、下側H1に配置された基準となるキャラクタC(0)よりも上側H2に積み上げられたキャラクタCを、崩れるように表示し、これらをプレイ画面3aから消滅させる。そして、プレイ進行制御部55は、消滅させたキャラクタCのうち新たに落下させたキャラクタCを除く消滅させたキャラクタCの数だけ積み上げ数を減算する。
例えば、図7(d)の例では、積み上げ数が「3」の状態で、新たなキャラクタC(4)が積み上げられることによって、「P(4)=−6」となり絶対値が6以上になった(S60:NO)場面である。この場合、プレイ進行制御部55は、図9(a)に示すように、4個のキャラクタC(1)〜C(4)が崩れるように表示して、その後、図9(b)に示すように、これらを担架3iに乗せて運ばれるように表示して、これらをプレイ画面3aから消滅させる。そして、プレイ進行制御部55は、もともとの積み上げ数「3」から、消滅させたキャラクタC(1)〜C(4)のうち新たに落下させたキャラクタC(4)を除く消滅させたキャラクタC(1)〜C(3)の数「3」を減算して、「0」とする。
【0036】
このように、ゲーム機1は、新たなキャラクタCを積み上げた場合に、このキャラクタCを含む全体の傾きポイントP(n)に応じて、新たなキャラクタCを積み上げるか否かを判定することができる。これにより、ゲーム機1は、キャラクタCの全体の配置バランスに基づいて新たなキャラクタCを積み上げるか否かを判断する新しいゲームを提供することができる。
また、ゲーム機1は、新たなキャラクタCを積み上げない場合には、既に積み上げられていたキャラクタCの一部を崩して積み上げ数を減算するので、プレイヤPにペナルティを与えることができる。
【0037】
S70において、プレイ進行制御部55は、積み上げ数を「1」増加させる。
S80において、背景スクロール部53は、キャラクタCが5個(n=5)以上積み上げられたか否かを判定する。背景スクロール部53は、キャラクタCが5個以上積み上げられたと判定した場合には(S80:YES)、S90に進み、一方、キャラクタCが5個以上積み上げられていないと判定した場合には(S80:NO)、S100に進む。
【0038】
S90において、図10(a)に示すように、背景スクロール部53は、最も上側H2に積み上げられたキャラクタC(5)が、画面下側の1個目に配置されたキャラクタC(0)の位置になるようにプレイ画面3aの表示を下側H1にスクロールする。背景スクロール部53は、クレーン3hがプレイ画面3aから退避するまでの間に、プレイ画面3aをスクロールする。
そして、図10(b)に示すように、新たなキャラクタCを吊り下げたクレーン3hがプレイ画面3aに現れるまでに、背景スクロール部53は、背景画像を学校の校庭の画像から学校を見下ろすような画面へと変更する。
背景スクロール部53は、図11に示すように、プレイ画面3aをスクロールする毎に、高い場所の背景画像へと変更して、キャラクタCが積み上げられて高くなっていく状態を演出する。
【0039】
そして、以降の処理において、制御部50は、プレイ画面3aをスクロールした後に下側H1に配置されたキャラクタCを基準として、距離L(n)、傾きポイントP(n)等の算出を行う。
このように、ゲーム機1は、積み上げられたキャラクタCが、5個以上に達した場合に画面をスクロールし、新たに下方に配置されたキャラクタCを新たな基準として傾きポイントP(n)を算出する。すなわち、制御部50は、最も上側H2のキャラクタC(5)をキャラクタC(0)に更新して傾きポイントP(n)等を算出する。
これによって、ゲーム機1は、プレイ画面3aに表示されているキャラクタCのみに基づいて傾きポイントP(n)を算出すればよく、ポイントP(n)の算出を容易にすることができる。また、モニタ3に表示されているキャラクタCのみに基づいて傾きポイントP(n)が定まるので、ゲーム機1は、プレイヤPに傾きポイントP(n)をわかりやすく報知することができる。
【0040】
図5に戻って、S100において、揺動制御部54は、傾きポイントP(n)に応じて、積み上げられたキャラクタCの全体を左右方向Xに揺動する。揺動制御部54は、傾きポイントP(n)の絶対値に応じて、揺動角度テーブル42a(図4参照)から揺動角度を読み出してキャラクタCの全体を揺動する。
例えば、図7(c)に示す場面では、傾きポイントP(3)の絶対値が3である。このため、揺動制御部54は、揺動角度テーブル42a(図4参照)に基づいて揺動角度を15°に設定する。
そして、図12に示すように、揺動制御部54は、キャラクタCの全体を左右方向Xに揺動する。
このように、ゲーム機1は、ずれ算出部51が算出した傾きポイントP(n)に基づいて、キャラクタCの全体を揺動するので、プレイヤPが新たなキャラクタCを所望の位置に配置することを難しくすることができる。
【0041】
図5に戻って、S110において、プレイ進行制御部55は、所定のプレイ時間が経過したか否かつまり残プレイ時間が0になったか否かを判定する。プレイ進行制御部55は、プレイ時間が終了したと判定した場合には(S110:YES)、S120に進み、一方、プレイ時間が終了していないと判定した場合には(S110:NO)、S20からの処理を繰り返す。
【0042】
S120において、プレイ進行制御部55は、プレイ結果をモニタ3に表示する。本実施形態では、15個のキャラクタCを積み上げることがノルマであるので、各プレイヤP1,P2,P3がノルマを達成できたか否か、3人のプレイヤP1,P2,P3の順位等を表示する。そして、プレイ進行制御部55は、S130に進んで、一連の処理を終了する。
【0043】
以上説明したように、ゲーム機1は、積み上げられたキャラクタCの全体の配置バランスに基づいて新たなキャラクタCを積み上げるか否かを判断する新しいゲームを提供することができる。
また、ゲーム機1は、プレイ画面3a,3b,3cをスクロールするので、傾きポイントP(n)の算出を容易にすることができる。さらに、ゲーム機1は、傾きポイントP(n)をわかりやすく報知することができる。
【0044】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0045】
(変形形態)
本実施形態において、ずれの度合いは、傾きポイントで表す例を説明したが、これに限定されない。例えば、プレイ画面の最も下側のキャラクタを基準として、この基準と積み上げられた各キャラクタとの距離を順次加算して、ずれの度合いを表してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本実施形態のゲーム機の斜視図である。
【図2】本実施形態のモニタのプレイ画面を示す図である。
【図3】本実施形態のゲーム機のブロック図である。
【図4】本実施形態の揺動角度テーブルを示す図である。
【図5】本実施形態のゲーム機の動作を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態の新たなキャラクタを積み上げない場面を説明する図である。
【図7】本実施形態の新たに4個のキャラクタが順に積み上げられる過程での中心線の移動を説明する図である。
【図8】本実施形態の傾きポイントの推移を説明する表である。
【図9】本実施形態の積み上げたキャラクタが崩れる状態を説明する図である。
【図10】本実施形態のプレイ画面のスクロールを説明する図である。
【図11】本実施形態のプレイ画面のスクロールの例を説明する図である。
【図12】本実施形態の積み上げたキャラクタの揺動を説明する図である。
【符号の説明】
【0047】
1 ゲーム機
3 モニタ
3a,3b,3c プレイ画面
10,20,30 操作部
41 ゲームプログラム記憶部
42 揺動角度記憶部
42a 揺動角度テーブル
50 制御部
51 ずれ算出部
52 積み上げ判定部
53 背景スクロール部
54 揺動制御部
55 プレイ進行制御部
C,C(n) キャラクタ
CL(n) 中心線
L(n) 距離
P1,P2,P3 プレイヤ
P(n) 傾きポイント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム要素を順次積み上げるゲーム要素積み上げゲームプログラムにおいて、
コンピュータを、
積み上げられた前記ゲーム要素を表示する表示手段と、
プレイヤの操作に応じて、前記積み上げられた前記ゲーム要素上での新たな前記ゲーム要素の積み上げ位置を決定する操作手段と、
前記操作手段の操作に応じて、決定された前記積み上げ位置に前記新たなゲーム要素を積み上げた場合に、所定の基準と前記新たなゲーム要素を含むゲーム要素全体とのずれの度合いを算出するずれ算出手段と、
前記ずれ算出手段が算出した前記ずれの度合いに応じて、決定された前記積み上げ位置に前記新たなゲーム要素を積み上げるか否かを判定する判定手段と、
して機能させることを特徴とするゲーム要素積み上げゲームプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム要素積み上げゲームプログラムにおいて、
前記ずれ算出手段を、前記ゲーム要素全体のうち下方の所定の位置に配置された前記ゲーム要素を前記所定の基準として、前記ずれの度合いを算出するように機能させること、
を特徴とするゲーム要素積み上げゲームプログラム。
【請求項3】
請求項2に記載のゲーム要素積み上げゲームプログラムにおいて、
前記表示手段を、積み上げられた前記ゲーム要素全体が所定の数に達した場合に、最上部に配置された前記ゲーム要素の位置が前記下方の所定の位置に配置された前記ゲーム要素の位置になるまで画面をスクロールして表示するように機能させ、
前記ずれ算出手段を、新たに前記下方の所定の位置に配置された前記ゲーム要素を新たな前記所定の基準として、前記ずれの度合いを算出するように機能させること、
を特徴とするゲーム要素積み上げゲームプログラム。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のゲーム要素積み上げゲームプログラムにおいて、
前記コンピュータを、前記ずれ算出手段が算出した前記ずれの度合いに基づいて、前記ゲーム要素全体を揺動する揺動制御手段として機能させること、
を特徴とするゲーム要素積み上げゲームプログラム。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のゲーム要素積み上げゲームプログラムを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記ゲーム要素積み上げゲームプログラムを実行する制御手段と、
を備えたゲーム要素積み上げゲーム機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−119521(P2010−119521A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−294854(P2008−294854)
【出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【出願人】(502289983)株式会社タイトー (3)
【Fターム(参考)】