説明

コアスパン糸を用いて編まれた段階的圧迫靴下

広義にはその遠位端と開放近位端との間に連続的に伸展するストッキング区分を含む治療的および審美的特定を有する段階的圧迫靴下を提供する。ストッキング区分は、管状の足部分と管状の脚部分とを含む。ストッキング区分は、弾性芯および撚り繊維鞘を有するコアスパン糸で、少なくとも実質的に編まれていて、そして伸縮糸編物に一体化されている弾性糸を含む。更にストッキング区分は遠位端に隣接する遠位位置から近位端に隣接する近位位置へ伸展する段階的領域を呈し、靴下の特性は段階的領域に沿って漸進的に変化し、靴下を着用したときに遠位位置から近位位置へ漸進的に減少する圧迫を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は2009年7月8日提出の、米国仮特許出願第61/079,039号「コアスパン糸を用いて編まれた段階的圧迫靴下(GRADIENT COMPRESSION HOSIERY KNITTED USINGCORESPUN YARNS)」の利益を主張するものであり、当該仮出願全体を引用として本明細書に含める。
【0002】
(技術分野)
【0003】
本発明は一般に編まれた衣類に関する。更に詳細には、本発明の実施態様は治療的および審美的利益を提供する一方、快適で着用が容易な、編まれた段階的圧迫靴下に関する。
【0004】
(先行技術)
【0005】
段階的圧迫靴下は、着用者の脚に沿って足首から近位方向に徐々に減少する可変圧迫圧力を提供するために用いられる。そのような靴下は脚における血液停滞や、ある種の静脈およびリンパの疾患、疲労、および悪環境条件に関連するその他の症状を軽減することで知られている。
【0006】
先行技術の段階的圧迫靴下は、上述の症状の治療的軽減をもたらす一方、特定の未解決の欠陥を有している。従来の強くフィットする段階的圧迫靴下は、着用者が脚の上に靴下を伸ばして引っ張る際に強い力を必要とし、そのため靴下が着用者にとって装着が難しいものになっているということが知られている。さらに先行技術の段階的圧迫靴下は、着用の際に着用者の脚に効果的に適合できないことも知られている。
【発明の概要】
【0007】
本発明の実施態様は、上述したような先行技術の靴下が持つ問題や制限のない段階的圧迫靴下を提供する。
【0008】
本発明の1つの態様は、着用者の下肢の上に受け入れられ、下肢に対して下肢の長さに従って変化する圧迫を提供するようになされた段階的圧迫靴下に関する。段階的圧迫靴下は広義にはその遠位端と開放近位端との間に連続的に伸展するストッキング区分を含む。ストッキング区分は遠位端から伸展する管状の足部分と開放近位端から伸展する管状の脚部分とを備え、靴下を着用した時に足部分は着用者の足を受け入れる寸法であり、脚部分は着用者の脚の1部分以上を受け入れる寸法である。ストッキング区分は少なくとも実質的に伸縮糸の編物であり、伸縮糸の編物に一体化した弾性糸を含み、足部分および脚部分は着用者の足および脚よりも小さいサイズに構成される。ストッキング区分は遠位端に隣接する遠位位置から近位端に隣接する近位位置まで伸展する段階的領域を呈し、靴下の特性は段階的領域に沿って漸進的に変化して、靴下着用時に遠位位置から近位位置に漸進的に減少する圧迫を提供する。伸縮糸は弾性芯と撚り繊維鞘とを含むコアスパン糸を含む。
【0009】
本発明のその他の態様および利点は、以下の好適実施態様の詳細な説明および添付図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
以下に本発明の好適実施態様を、次の添付図面を参照して詳細に記載する。
【0011】
【図1】図1は、本発明の第1の好適実施態様に従って構成された、編まれた段階的圧迫膝丈ソックスの左側面図であり、着用者の下肢の足首から近位方向に圧迫が減少していることを示す。
【図2】図2は、本発明の第2の好適実施態様に従って構成された、編まれた段階的圧迫パンティストッキングの右側面図であり、足首から腿の上部へ近位方向に、圧迫が減少していることを示す。
【図3】図3は、細長い状態で示したコアスパン伸縮糸を大きく拡大した図であり、弾性芯と芯の回りに巻き付けられた撚り繊維鞘の部分的断面を含む。
【図4】図4は、弾性芯の回りに撚り繊維鞘を紡ぐための機械の概略図である。
【0012】
なお、これらの図面は本発明を本書に記載し説明した特定の実施態様に限定するものではない。これらの図面は必ずしも縮尺を示すものではなく、むしろ好適実施態様の原理を明らかに示すことに重きを置いている。
(好適実施態様の詳細な説明)
【0013】
まず図1を参照すると、トラウザーソックス形状の編まれた段階的圧迫靴下10は、近位開放端12および遠位閉鎖つま先端14を備え、そして着用者の膝Kの下の下肢Lの上に受け入れられ、着用および装着が快適でありながら、様々な症状に関して治療的サポートを提供する。図2に示す代替実施態様において示されるように、ソックス10は、靴下の近位端を膝から上方向に各種の位置に配置できるように、様々な異なる長さで構成することもまた可能であり、またパンティストッキングとして構成することも可能である。
【0014】
図1および図3を参照すると、ソックス10はつま先端14に隣接するつま区分16、足区分18、踵区分20、および下肢区分22を含む。これらについては後で詳しく記載する。ソックス10は、複数のコース24(これらのいくつかを概略的に図示してある)に編み込まれる横編みの受容部(レセプタクル)を含み、コース24はコアスパン糸26を含むことが好ましい。また図に示すソックス10はコース24の中に織込まれている織込み弾性糸(図示せず)を含むことが好ましい。弾性糸は、後で更に記載するように、二重被覆されたLycra スパンデックスを含み、プレテンションを加えてコース24の中に一体化されていることが好ましい。しかし、一重被覆されたスパンデックスなどの他の弾性糸がソックス10に用いられている場合も本発明の範囲内である。更に弾性糸はコース24の中に代替の形で一体化されていてもよく、例えばコース24中にコアスパン糸26と同時に編み込まれていてもよい。後で記載するように、弾性糸は近位方向に徐々に減少するプレテンションを用いて一体化される。
【0015】
図3を参照すると、コアスパン糸26は細長い状態で示され、パンデックス芯28および非弾性鞘30を含む。図示された鞘30はZ撚りの撚り糸32を含むが、後で詳しく記載するように、好ましいソックス10はS撚りおよびZ撚りの糸鞘の交互の糸を有する複数のコアスパン糸を含む。芯28は、その弾性特性を理由としてスパンデックス材料を含むことが好ましい。芯28は、Lycraスパンデックス材料を含むことが更に好ましい。本発明のいくつかの態様に関しては、本発明の範囲から逸脱することなく、芯28は別の弾性繊維を含む。
【0016】
鞘30の撚り糸32はZ撚りを用いて芯28の回りに巻き付けられている。しかしソックス10はZ撚りおよびS撚りのコアスパン糸26の同数の端部を用いて編まれている。このように、Z撚り糸とS撚り糸の相対するねじれバイアスが打ち消しあって、ソックス10のよじれを制限している。糸32は非弾性モイスチャーウィッキング(吸湿性)ポリエステルまたはポリエステル配合物を含むことが好ましい。糸32はCoolMax(R)ポリエステル材料を含むことが最も好ましい。しかし糸32が他の撚り繊維鞘、例えばウール配合糸、スパンナイロン糸、または他のポリエステル糸(後で記載するX−STATIC(R) ポリエステル配合糸等)を含む場合も本発明の範囲内である。例えば参照としてその全体を本書に組込まれる2000年12月12日発行の米国特許第6,158,253号「シームレス、フォームフィッティングフットソックス(SEAMLESS、FORM FITTING FOOT SOCK)」に横編みの製品に編み込まれた別のコアスパン糸の特徴が開示されている。
【0017】
図4を参照すると、コアスパン糸26は芯紡績機36を用いて製造される。紡績機は芯部分38および鞘部分40を備えることが好ましい。芯部分38はスパンデックスロール42および案内ロール44を備え、これらによってスパンデックスドラフトゾーン46が提供され、そこでスパンデックス芯28を供給し、スパンデックス芯28にドラフト(すなわちプレテンション)をかける。鞘部分40は、移動形状の繊維鞘スプール48および案内ローラー50、52を備え、これらによって鞘ドラフトゾーン54が提供され、そこで鞘糸56を供給し、鞘糸56にドラフトをかける。スパンデックス芯28および鞘糸56は、双方とも案内ローラー50を介して供給され、撚り糸機スピンドル(図示せず)に供給される。また他の紡績機を用いてコアスパン糸26を生成することも本発明の範囲内である。後で記載するようにソックス10は環状の靴下編機(図示せず)上で、コアスパン糸26および織込み弾性糸を用いて編むことが好ましいが、本発明の範囲を逸脱することなく、他の機械(フラットベッド編機など)上で編むこともできる。
【0018】
図1を再び参照すると、ソックス10は踵部分の上の(そして着用者の足首Aに隣接する)遠位位置60から近位開放端12に隣接する近位位置62へ、下肢区分22に沿って近位方向に伸展する段階的圧迫領域58を呈する。段階的圧迫領域58は遠位位置60から近位位置62へ漸進的に減少する圧迫を下肢Lに対して提供することが好ましい。
【0019】
ソックス10はソックスの指定周囲範囲において測定する測定ストッキング圧迫値を有し、その測定ストッキング圧迫値は、遠位位置60から近位位置62へ漸進的に減少することが好ましい。このような測定は、一般に、Instron社またはBolam社製造の圧迫測定装置によって実施する。ストッキングの圧迫は約10mmHg〜約40mmHgの範囲であることが好ましい。ストッキング圧迫は循環および血管の症状や、足の疲労、痛み、腫れ、疼痛を治療するために、軽度(10〜15mmHg)、弱程度(15〜20mmHg)、中程度(20〜30mmHg)、および強度の圧迫(30〜40mmHg)の各カテゴリに分類されることがより好ましい。一般的ではないが、本発明の原理はソックス10が40mmHgより上の圧迫を示す場合にも適用可能である。軽度圧迫靴下は一般に、足の疲れ、痛み、または倦怠感(例えば、長時間の立位または座位による)に好適である。中程度圧迫靴下は一般に静脈瘤または静脈炎などの慢性症状を持つ患者に好適である。強度圧迫靴下は一般に、凝固、軽度から重度のリンパ水腫、ポスト静脈炎シンドローム、重大な静脈機能不全、静脈うっ滞、重度の静脈血栓症、または肺塞栓症などの症状に処方される。
【0020】
圧迫は、段階的圧迫領域58において、特性を組合わせることによって提供することが好ましく、またそれらの特性の中にはソックス10の長さに沿って通常は変化しないものもある。例えば後で詳細に示すように、弾性織込み糸の糸デニールを選択することにより所望の圧迫範囲(上述したように、そして下の表2に示すように)の圧迫を提供するように調整することができる。また別のデニールのスパンデックス芯28を選択することによって所望の圧迫を提供することも本発明の範囲内である。
【0021】
更に領域58に沿ってソックス10の特性を漸進的に変化させることによって、領域58における段階的圧迫を、ソックス10の長さに沿って選択的に変化させることができる(例えば、遠位位置60から近位位置62に漸進的に減少する圧迫を提供することができる)。特に段階的圧迫はソックス10に沿って変化しうる特性の組合せによって提供されることが好ましい。例えば伸縮糸編物(すなわち、編まれたコアスパン糸)の編目サイズを遠位位置60から近位位置62に漸進的に増加させることによって段階的圧迫が提供されることが好ましい。また段階的圧迫は一体化された弾性糸のプレテンションを調整することによって提供されることが好ましい。特に糸のプレテンションは糸が領域58に一体化されるに従って、遠位位置60から近位位置62へ漸進的に減少する。領域58に沿って漸進的に変化する可変特性のこの組合せは好ましいが、これらの特性の1つだけしか変化させないで段階的圧迫を提供すること(例えばソックス10に沿って編目サイズが一定である場合など)も本発明の範囲内である。
【0022】
コアスパン糸26と織込み弾性糸との組合せは、従来のナイロンや非コアスパンの段階的圧迫靴下に比べると、上述した圧迫の範囲においてより大きな伸縮を提供するように構成可能であることが見出されている。Jones社の幅方向伸縮機(Jones Cross Stretch Machine)および長さ方向伸縮機を用いて、従来のマイクロ繊維ナイロンソックスと、好ましい構成のコアスパン圧迫ソックス10とに関する抵抗および最大伸縮測定値を収集した(表1参照)。
【0023】
特に、好ましいコアスパンソックス10の脚区分および足区分は、Lycraスパンデックス芯28およびCoolMaxポリエステル鞘30を用いたコアスパン糸を含む。上述したように、鞘30はX−STATICポリエステル配合糸のような他の撚り繊維を含むこともできる。ソックス10はZ撚りコアスパン糸の1コース24と隣接するS撚りコアスパン糸のコース24を用いてジャージーニットパターンに編まれ、各糸が他の糸のねじれバイアスを打ち消すように機能している。
【表1】

ソックス10の各圧迫カテゴリに関して、芯28は約40デニールを有し、鞘30は約266デニールを有することが好ましい。しかしソックス10の1または複数の圧迫カテゴリが異なるデニールの芯28および/または鞘30を用いて作成される場合も本発明の範囲内である。
【0024】
またコアスパンソックス10は、隣接するZ撚りおよびS撚りのコアスパン糸の各コース24の間に、2x2パターン(すなわち、2本の針がスパンデックスを捕捉し、2本の針が下がったままの状態)の織込み二重被覆Lycraスパンデックス(ナイロン被覆)の1つの糸を含むことが好ましい。しかし本発明の範囲を逸脱することなく、二重被覆スパンデックスが他のブランドのスパンデックスおよび/または他の繊維被覆を含むこともできうる。表2に示すように、圧迫カテゴリに従った圧迫を提供するようにスパンデックスの好ましいデニールおよびスパンデックスの回りのナイロン被覆の好ましいデニールを決定するが、他のデニールのスパンデックスおよびナイロンを用いることも本発明の範囲内である。好ましいソックス10のその他の構成の詳細を下の表2に示す。ソックス10が、別のニットパターン(例えば1x1パターン)のような別の構成を有する場合も本発明の範囲内である。また、同様の構成およびデニールのコアスパン糸および織込みスパンデックスを用いているが、CoolMaxコアスパン糸の代わりにポリエステルX−STATIC糸が用いられている別の圧迫ソックスも開発されている。
【0025】
表1に提示された伸縮比較において用いられた従来のナイロンソックスは、編まれたマイクロ繊維糸を含む。15〜20mmHgの圧迫ナイロンソックスは210デニールのナイロンを使用し、そして20〜30mmHgおよび30〜40mmHgは280デニールのナイロンを使用する。
【表2】

【0026】
表1のデータから足区分18の足首部分が約300%〜約360%の範囲の最大幅方向伸縮伸長率を有し、下肢区分22のふくらはぎ区分が約220%〜約330%の範囲の最大幅方向伸縮伸長率を有するということを判断することができる。また脚区分22は約120%〜約200%の範囲の最大長さ方向伸縮伸長率を有し、そして足区分18は、約200%〜約350%の範囲の最大長さ方向伸縮伸長率を有する。表1のデータから判断したナイロンと比較したコアスパン糸の伸縮における平均増分を表3に示す。驚くべきことにこのようにコアスパン糸を用いるソックス10は従来のナイロンの段階的圧迫ソックスに比較して実質的に同じ圧迫を維持しながら有意に大きい伸縮伸長を提供し、また着用者の調査からナイロンソックスに比較して着用が容易であることが見出されている。更に、予想されなかったことであるが、従来のナイロンソックスに比較して、コアスパン糸はよりゆったりとした快適性の高い編みソックスを提供し、また脚の可動部分の周囲(例えば、足首の正面)により良くフィットする。特に、織込みスパンデックス(または等価物)の糸は、一般に着用中の幅方向伸縮に対する圧迫と抵抗の主要な源であるとして理解されている(すなわち、編まれたコアスパン糸は、幅方向伸縮に対して比較的少量の圧迫および抵抗を提供するであろうということ)ので、基準糸を伸長性の高い糸(コアスパン糸など)に変更することによって衣類の伸縮を改善することは予想可能ではないであろう。しかしながら、コアスパン糸によって可能になる最大伸長および抵抗下の伸長は、従来の段階的圧迫靴下と比較して、たとえ織込みスパンデックスによって提供された治療的圧迫レベルが同じに留まったとしても、多くの着用者にとっての装着容易性を高めるであろうことを我々は見出した。
【0027】
更に、広範な編物技術の中では、靴下製品は一般に細ゲージ環状ニット製品であると考えられ、一般により細いデニール糸で製造され、そして、一般に靴下編機または細ゲージのソックス編機によって製造される。反対に、比較的高いデニールのコアスパン糸を用いて製造された衣類は、一般に粗いゲージの装置(フラットベッドの編物機など)上で製造される。またコアスパン糸は一般に従来のソックス糸よりも原価率が高く、コアスパン糸は従来のナイロンやスパンデックスのように一般的ではなく、そしてコアスパン糸を入手可能な製造元が他の糸に比べて非常に少ないという理由からコアスパン糸を用いて段階的圧迫ソックスを編むということは予測可能ではない。従ってコアスパン糸を従来の段階的圧迫靴下に組込むことの明らかな利点は認知されていなかった。上述の理由のために、コアスパン糸を用いて段階的圧迫靴下を編むことによって、ここに記載した、有利でかつ予期しない結果を提供するということは予測可能ではないであろう。
【0028】
図2を見ると、編まれた段階的圧迫靴下はパンティストッキングまたはフルレングス、タイハイ(腿丈)、またはニーハイ(膝丈)の靴下(トラウザーソックスなど)の各種のサイズに構成することができる。ソックス10および他の長さの靴下は、下肢にそって下肢Lの各位置を測定することによって、すなわち足首の上の最も細い部分、ふくらはぎの最も太い部分、腿の最も太い部分(必要に応じて)、脚の付根すぐ下の腿(必要に応じて)、およびウエスト(必要に応じて)を測定することによって、特定の患者に合わせたサイズにすることができる。
【表3】

【0029】
図2を再び参照すると、代替の編まれた段階的圧迫靴下100が本発明の第2の好適実施態様に従って構成される。簡潔にするため残りの説明は主にこれらの代替の実施態様が上述の好適実施態様と異なる部分に焦点をあてる。代替の靴下100は一体構造のパンティストッキングを含み、並べて配置される1対の実質的に同一の代替のストッキング102(ストッキング102の1つだけ図示してある)と、縫い目106に沿って、両方のストッキング102に付着した下胴体区分104とを含んでパンティストッキングを形成している。下胴体区分104は一体構造であり、上方近位開口108および下方遠位開口110を呈することが好ましい。ストッキング102は代替の近位開放端112および、着用者のつま先が露出する代替の遠位開放つま先端114を呈する。つま先端114は第1の実施態様に示すように閉じることもできる。またストッキング102は代替の足区分118と、踵区分120と、代替の下肢区分122と、上方の脚区分124とを含む。ストッキング102は、近位開放端112を対応する下方遠位開口110に隣接して配置させ、そしてストッキング102および胴体区分104を各縫い目106に沿って付着させることによって、下胴体区分104に付着させる。
【0030】
ソックス10と同様に、靴下100はコアスパン糸のコース126を有する横編みであり、また一体化された弾性糸を含む。また靴下100は、踵区分120に隣接する(そして着用者の足首Aの上の)遠位位置130から、近位開放端112に隣接する近位位置132まで脚区分122、124に沿って近位方向に伸展する段階的圧迫領域128を呈する。また段階的圧迫領域128は、遠位位置130から近位位置132へ漸進的に減少する圧迫を下肢Lに提供する。
【0031】
上述した本発明の好適形態は図示するためだけに用いられ、本発明の範囲を解釈する際に限定する意味で用いられるべきではない。当業者であれば本発明の精神から逸脱することなく本書中に例示した実施態様の明らかな変形を容易に作成することができるであろう。
【0032】
なお、以下の請求項に記載される本発明の範囲に実質的に逸脱していないが文言上範囲の外となる全ての装置に関して、本発明の合理的な公正な範囲を決定し評価するために均討論に依拠するという発明者等の意図を、本発明者等はここに宣言する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の下肢の上に受け入れられ、そして前記下肢に対して前記下肢の長さに従って変化する圧迫を提供するように構成可能な段階的圧迫靴下であって、その遠位端と開放近位端との間に連続的に伸展するストッキング区分を備え、
前記ストッキング区分は前記遠位端から伸展する管状の足部分と前記開放近位端から伸展する管状の脚部分とを備え、前記靴下を着用した時に、前記足部分は前記着用者の前記足を受け入れる寸法であり、そして前記脚部分は前記着用者の脚の1部分以上を受け入れる寸法であり、
前記ストッキング区分は、少なくとも実質的に伸縮糸の編物であり、前記伸縮糸の編物に一体化された弾性糸を含み、前記足部分および脚部分は、前記着用者の足および脚よりも小さいサイズに構成され、
前記ストッキング区分は、前記遠位端に隣接する遠位位置から前記近位端に隣接する近位位置まで伸展する段階的領域を呈し、前記靴下の特性は、前記靴下の着用時に前記遠位位置から前記近位位置に漸進的に減少する圧迫を提供するように、前記段階的領域に沿って漸進的に変化し、
前記伸縮糸は、弾性芯および撚り繊維鞘を含む、コアスパン糸を含む、
段階的圧迫靴下。
【請求項2】
前記靴下特性は、前記遠位位置から前記近位位置へ漸進的に増加する前記伸縮糸編物の編目サイズを含む、請求項1に記載の段階的圧迫靴下。
【請求項3】
前記靴下特性は、前記芯を前記鞘で覆いながら前記弾性芯に加えられたドラフト率に少なくとも部分的に基づく、請求項1に記載の段階的圧迫靴下。
【請求項4】
前記靴下特性は、前記遠位位置から前記近位位置へ漸進的に変化して漸進的に減少する圧迫圧力を提供する前記弾性糸の糸特性を含む、請求項1に記載の段階的圧迫靴下。
【請求項5】
前記糸特性は、前記遠位位置から前記近位位置に徐々に減少する前記弾性糸のプレテンションを含む、請求項4に記載の段階的圧迫靴下。
【請求項6】
前記靴下は、前記遠位位置から前記近位位置へ漸進的に増加する前記伸縮糸編物の編目サイズを含む別の特性を含む、請求項5に記載の段階的圧迫靴下。
【請求項7】
前記糸特性は、少なくとも部分的に糸デニールに基づく、請求項4に記載の段階的圧迫靴下。
【請求項8】
前記靴下特性は、前記ストッキング区分の測定ストッキング圧迫値を含み、前記測定ストッキング圧迫値は、前記ストッキング区分の指定周囲に関して決定される、請求項1に記載の段階的圧迫靴下。
【請求項9】
前記測定ストッキング圧迫値は、約10mmHg〜約40mmHgの範囲である、請求項8に記載の段階的圧迫靴下。
【請求項10】
前記段階的領域は、前記足部分の上および近位方向に伸展する、請求項1に記載の段階的圧迫靴下。
【請求項11】
前記脚部分は、前記着用者の腿の最も太い部分に隣接して位置するように構成される最大周囲を呈し、
前記段階的領域の前記近位位置は、前記最大周囲の上および近位方向に伸展する、請求項10に記載の段階的圧迫靴下。
【請求項12】
前記弾性芯はスパンデックス繊維を含む、請求項1に記載の段階的圧迫靴下。
【請求項13】
前記鞘は、前記弾性芯の回りに巻き付られた非弾性繊維を含む、請求項12に記載の段階的圧迫靴下。
【請求項14】
前記非弾性繊維は、合成ポリエステル糸を含む、請求項13に記載の段階的圧迫靴下。
【請求項15】
前記伸縮糸は、同数のS撚りおよびZ撚りの撚り糸を含む複数の撚り糸を含む、請求項1に記載の段階的圧迫靴下。
【請求項16】
前記ストッキング区分は足首部分を含み、該足首部分の最大幅方向伸縮伸長率は約300%〜約360%の範囲である、請求項1に記載の段階的圧迫靴下。
【請求項17】
前記ストッキング区分は前記脚部分のふくらはぎ区分を含み、該ふくらはぎ区分の最大幅方向伸縮伸長率は約220%〜約330%の範囲である、請求項1に記載の段階的圧迫靴下。
【請求項18】
前記脚部分の最大長さ方向伸縮伸長率は約120%〜約200%の範囲である、請求項1に記載の段階的圧迫靴下。
【請求項19】
前記足部分の最大長さ方向伸縮伸長率は、約200%〜約350%の範囲である、請求項1に記載の段階的圧迫靴下。
【請求項20】
請求項1に記載の段階的圧迫靴下;および
前記ストッキング区分に編み付けられ、最初に記載したストッキング区分と実質的に同一の別のストッキング区分とでパンティストッキングを形成する下胴体区分。
【請求項21】
前記遠位端は開放つま先端を含む、請求項1に記載の段階的圧迫靴下。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−527610(P2011−527610A)
【公表日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−517567(P2011−517567)
【出願日】平成21年7月8日(2009.7.8)
【国際出願番号】PCT/US2009/049939
【国際公開番号】WO2010/006051
【国際公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(511007923)
【Fターム(参考)】