説明

コイル部品

【課題】直流重畳特性が良く、磁気ギャップを形成する必要がない小型・薄型で高性能なコイル部品を提供する。
【解決手段】コイル部品10は、絶縁基板11と、絶縁基板11の一方の主面に形成された第1のスパイラル導体12と、絶縁基板11の他方の主面に形成された第2のスパイラル導体13と、第1のスパイラル導体12を覆う上部コア15と、第2のスパイラル導体13を覆う下部コア16と、一対の端子電極17a,17bとを備えている。上部コア15及び下部コア16は共に金属磁性粉含有樹脂からなり、絶縁基板11の中央部及び外側に配置されて連結部15a,15bによって、上部コア15と下部コア16とが物理的に繋がっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル部品に関し、特に、電源用インダクタンスとして好ましく用いられるコイル部品に関する。
【背景技術】
【0002】
表面実装型のコイル部品は、民生用又は産業用の電子機器に幅広く利用されている。中でも、小型携帯機器においては、機能の充実化に伴い、各種のデバイスを駆動させるために単一の電源から複数の電圧を得る必要が生じてきている。このような電源用途のコイル部品には、小型・薄型で電気的絶縁性や信頼性に優れ、しかも低コストで製造できることが求められている。
【0003】
上記要求を満たすコイル部品の構造として、プリント基板回路技術を応用した平面コイル構造が知られている。この種のコイル部品は、プリント基板の表面及び裏面に平面コイルパターンを形成し、このプリント基板を例えばEE型又はEI型の焼結フェライトコアで挟み込んだ構造を有しており、これにより平面コイルパターンの周囲には閉磁路が形成されている。
【0004】
電源用途のコイル部品には、ある程度大きな直流バイアス電流を加えたときでも磁気飽和によってインダクタンスが低下しないことが求められている。そのため、特許文献1に記載のコイル部品は、平面コイルパターンが形成された絶縁基板の上面を覆う第1磁性層と下面を覆う第2磁性層を備え、これら2つの樹脂層は、コイルパターンの外縁領域において厚み方向にギャップを有する構造を有している。そのため、磁気回路の磁気飽和を抑制することができ、インダクタンスを高くすることができる。
【0005】
また、特許文献2には、空芯コイルを外装樹脂に埋設して一体化したコイル部品が開示されている。このコイル部品は、金属磁性粉末を含有する樹脂を用いており、特に、2種以上の平均粒子径の異なる非晶質金属磁性粉末と絶縁結着剤が混ざり合った複合材を用いることにより、低加圧成形下でも高密度で高い透磁率と低コア損失が得られるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−310716号公報
【特許文献2】特開2010−034102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された従来のコイル部品は、インダクタンスを高くするためにギャップを設ける必要があるが、組み立て精度や加工精度上の理由からギャップの幅の調整が非常に難しいという問題がある。
【0008】
また、特許文献2に記載された従来のコイル部品は、コア材として金属磁性粉末を含有する樹脂を用いているものの、巻線を用いた空芯コイルを使用しているため非常に大型であり、しかもコイルの形状を一定に維持することが難しく、コイルの内径および空芯コイルの位置のバラツキが大きいという問題がある。
【0009】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、直流重畳特性が良く、磁気ギャップを形成する必要がない高性能なコイル部品を提供することにある。また、本発明の他の目的は、寸法加工精度が高く、小型且つ薄型なコイル部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明によるコイル部品は、少なくとも一つの絶縁基板と、前記絶縁基板の少なくとも一方の主面に形成されたスパイラル導体と、前記絶縁基板の前記一方の主面を覆う上部コアと、前記絶縁基板の他方の主面を覆う下部コアとを備え、前記上部コア及び前記下部コアの少なくとも一方は、金属磁性粉含有樹脂からなると共に、前記絶縁基板の中央部及び外側に配置されて前記上部コアと前記下部コアとを物理的に繋げる連結部を含むことを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、閉磁路の材料として金属磁性粉含有樹脂を用いているので、金属磁性粉の間に樹脂が存在し、微小なギャップが形成された状態となることによって飽和磁束密度を高めることができ、フェライトコアのようにギャップを形成する必要がない。したがって、精度の高い機械加工は必要なく、小型且つ薄型なコイル部品を提供することができる。
【0012】
本発明においては、前記上部コア及び前記下部コアの両方が前記金属磁性粉含有樹脂からなることが好ましい。この構成によれば、磁性コアの全体が金属磁性粉含有樹脂であることから、直流重畳特性が十分に高いコイル部品を提供することができる。
【0013】
本発明においては、前記上部コア及び前記下部コアの一方が前記金属磁性粉含有樹脂からなり、他方がフェライト基板からなることが好ましい。この構成によれば、フェライト基板を支持基板として用いて金属磁性粉含有樹脂ペーストを塗布することができるので、金属磁性粉含有樹脂を用いた磁性コアの形成が容易である。また、一方の磁性コアによって飽和磁束密度が十分に高められるので、たとえ他方がフェライト基板であったとしても、ギャップを形成することなく直流重畳特性が高いコイル部品を提供することができる。
【0014】
本発明において、前記上部コアと前記下部コアとを連結する前記連結部は、前記絶縁基板の四隅に配置されていることが好ましい。絶縁基板の四隅に閉磁路を形成した場合、スパイラル導体の形成領域を広げることができ、ループサイズを大きくすることができる。したがって、コイルの低抵抗化、高インダクタンス化、及び小型化が可能となる。さらに、スパイラル導体が形成されていない比較的広い余白領域を利用して連結部を形成することができ、閉磁路の断面積を大きくすることができる。
【0015】
前記上部コアと前記下部コアとを連結する前記連結部を前記絶縁基板の四隅に配置する場合において、前記四隅の連結部は、前記絶縁基板のコーナー部のエッジに接して設けられていてもよく、前記絶縁基板のコーナー部のエッジよりも内側に設けられていてもよい。四隅の連結部が絶縁基板のコーナー部のエッジに接する場合には、量産時に隣接する4つのチップに共通の連結部を形成した後、これを4分割することにより、個々のチップの連結部を形成することができ、加工が容易である。また、四隅の連結部が絶縁基板のコーナー部のエッジよりも内側である場合には、後述するめっき用導体パターンを容易に配置することができる。
【0016】
本発明によるコイル部品は、前記絶縁基板の前記一方の主面に形成されためっき用導体パターンをさらに備え、前記めっき用導体パターンの一端は前記スパイラル導体と電気的に接続され、前記めっき用導体パターンの他端は前記絶縁基板のエッジまで延びており、前記めっき用導体パターンは、前記同一基板上に複数のコイル部品を形成する量産時において、隣接するコイル部品のスパイラル導体同士を電気的に接続する短絡パターンの一部を構成することが好ましい。この構成によれば、隣接する複数のチップの導体パターンを一括してメッキ処理することができ、製造工程の効率化を図ることができる。
【0017】
本発明によるコイル部品は、前記絶縁基板、前記上部コア及び前記下部コアからなる積層体の外周面に設けられた一対の端子電極と、前記上部コア及び前記下部コアの表面を覆う絶縁被膜をさらに備え、前記一対の端子電極と前記上部コア及び前記下部コアとの間に前記絶縁被膜が介在していることが好ましい。この場合において、前記絶縁被膜は、リン酸鉄、リン酸亜鉛又はジルコニア分散溶液を用いて化成処理された絶縁層であることが好ましい。この構成によれば、一対の端子電極間の絶縁性を確保することができる。
【0018】
本発明において、前記絶縁被膜は、ニッケル系フェライト粉含有樹脂からなることもまた好ましい。この構成によれば、絶縁被膜を閉磁路の一部として機能させることができる。
【0019】
本発明によるコイル部品は、前記絶縁基板を複数備え、前記複数の絶縁基板は、前記金属磁性粉含有樹脂が実質的に介在することなく積層されており、各絶縁基板に形成された前記スパイラル導体同士が前記一対の端子電極を通じて並列又は直列に接続されていることが好ましい。絶縁基板上に形成可能なスパイラル導体の断面積には限界があるが、絶縁基板を複数枚重ねて、個々の絶縁基板上のスパイラル導体を並列接続することにより、実質的にはスパイラル導体の断面積を大きくしたことと等価な構成となる。また、個々の絶縁基板上のスパイラル導体を直列接続することにより、一枚の基板で必要とされるコイルのターン数が少なくなるので、スパイラル導体の線幅及び厚さを大きくすることが可能になるため、スパイラル導体の断面積を十分に大きくすることができる。したがって、コイル部品の直流抵抗を小さくすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、直流重畳特性が良く、磁気ギャップを形成する必要がない高性能なコイル部品を提供することができる。また、本発明によれば、寸法加工精度が高く、小型且つ薄型なコイル部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるコイル部品10の構造を示す略分解斜視図である。
【図2】図1に示すコイル部品10の略平面図である。
【図3】図2のコイル部品10の略側面断面図であって、(a)は図2のX−X線に沿った断面図、(b)は図2のY−Y線に沿った断面図である。
【図4】コイル部品10の製造工程を示す図であって、(a)は略平面図、(b)は略側面断面図である。
【図5】コイル部品10の製造工程を示す図であって、(a)は略平面図、(b)は略側面断面図である。
【図6】コイル部品10の製造工程を示す図であって、(a)は略平面図、(b)は略側面断面図である。
【図7】コイル部品10の製造工程を示す図であって、(a)は略平面図、(b)は略側面断面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態によるコイル部品20の構成を示す略側面断面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態によるコイル部品30の構成を示す略平面図である。
【図10】コイル部品30の製造工程を示す略平面図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態によるコイル部品40の構成を示す略平面図である。
【図12】本発明の第5の実施の形態によるコイル部品50の構成を示す略側面断面図である。
【図13】コイル部品50の製造工程を示す図であって、(a)は略平面図、(b)は略側面断面図である。
【図14】コイル部品50の製造工程を示す略側面断面図である。
【図15】本発明の第6の実施の形態によるコイル部品60の構成を示す略側面断面図である。
【図16】本発明の第7の実施の形態によるコイル部品70の構成を示す模式図であって、(a)は3端子構造、(b)は4端子構造をそれぞれ示している。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明の第1の実施の形態によるコイル部品10の構造を示す略分解斜視図である。また、図2は、図1に示すコイル部品10の略平面図であり、図3は、図2のX−X線及びY−Y線に沿ったコイル部品10の略側面断面図である。
【0024】
図1〜図3に示すように、第1の実施形態によるコイル部品10は、絶縁基板11と、絶縁基板11の一方の主面(上面11a)に形成された第1のスパイラル導体12と、絶縁基板11の他方の主面(裏面11b)に形成された第2のスパイラル導体13と、第1及び第2のスパイラル導体12,13をそれぞれ覆う絶縁樹脂層14a,14bと、絶縁基板11の上面11a側を覆う上部コア15と、絶縁基板11の裏面11b側を覆う下部コア16と、一対の端子電極17a,17bとを備えている。
【0025】
絶縁基板11は第1及び第2のスパイラル導体12,13を形成するための下地面となるものである。絶縁基板11は矩形状であり、その中央部には円形の開口11hを有している。絶縁基板11の材料は、ガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸させた一般的なプリント基板材料であることが好ましく、例えばBT基材、FR4基材、FR5基材等を用いることができる。プリント基板材料を用いた場合には、スパイラル導体をいわゆる薄膜工法におけるスパッタリングではなくめっきにより形成できるので、導体の厚さを十分に厚くすることができる。浮遊容量の増大を回避するため、絶縁基板11の誘電率は7以下(μ≦7)であることが好ましい。特に限定されるものではないが、絶縁基板11の寸法は例えば2.5×2.0×0.3mmとすることができる。
【0026】
第1及び第2のスパイラル導体12,13は円形スパイラルであり、絶縁基板11の開口11hを取り囲むように配置されている。第1及び第2のスパイラル導体12,13は平面視にて概略的に重なり合っているが、完全には一致していない。すなわち、絶縁基板11の上面11a側から見た第1のスパイラル導体12は外周端12bから内周端12aに向かって反時計回りのスパイラルを構成しており、絶縁基板11の上面11a側から見た第2のスパイラル導体13は内周端13aから外周端13bに向かって反時計回りのスパイラルを構成している。これにより、スパイラル導体12,13に電流が流れることによって生じる磁束の方向が一致し、スパイラル導体12,13で発生する磁束は重畳して強め合うので、大きなインダクタンスを得ることができる。
【0027】
絶縁基板11、上部コア15及び下部コア16からなる積層体の対向する2つの側面18a,18bには一対の端子電極17a,17bがそれぞれ設けられている。第1のスパイラル導体12の外周端12bは第1の側面18aまで引き出されて一方の端子電極17aに接続されている。また、第2のスパイラル導体13の外周端13bは第2の側面18bまで引き出されて他方の端子電極17bに接続されている。さらに、第1のスパイラル導体12の内周端12aと第2のスパイラル導体13の内周端13aは絶縁基板11を貫通するスルーホール導体11iを介して互いに接続されている。これにより、第1及び第2のスパイラル導体12,13は互いに直列接続された単一のコイルを構成している。
【0028】
第1及び第2のスパイラル導体12,13の材料としては導電率が高く加工も容易なCuを用いることが好ましい。特に限定されるものではないが、スパイラル導体12,13の幅は70μm、高さは120μm、ピッチは10μmとすることができる。このようなスパイラル導体12,13はめっきにより形成したものであることが好ましい。スパイラル導体12,13をめっきにより形成した場合には、そのアスペクト比を高くすることができ、断面積が比較的大きく直流抵抗が小さなコイルを形成することができる。
【0029】
上部コア15及び下部コア16は金属磁性粉含有樹脂からなる。本実施形態においては、上部コア15及び下部コア16は同一材料であり、一体的に成形されるため、両者の境界は外観上明確でなないが、ここでは上部コア15は平板部分とそれよりも下方に突起する柱状部分(連結部)を含むE型コアであるものとし、下部コア16は板状部分からなるI型コアであるものとする。
【0030】
上部コア15は、矩形状の平面領域の中央部に設けられた連結部15aと、対向する2つの側面18c,18dに沿ってそれぞれ設けられた2つの連結部15bを通じて下部コア16とつながっており、これにより完全な閉磁路が形成されている。すなわち、連結部15a,15bは、絶縁基板11及び絶縁樹脂層14a,14bを貫通しており、閉磁路内にギャップは存在しない。焼結フェライトコアを用いる場合、ある程度以上電流を流しても磁気飽和しないようにギャップを設けなければならないが、金属磁性粉含有樹脂を用いた場合には、金属磁性粉の間に樹脂が存在し、微小なギャップが形成された状態となることによって飽和磁束密度が高められるので、上部コア15と下部コア16との間にエアギャップを形成することなく磁気飽和を防止することができる。したがって、ギャップを形成するために磁性コアを高い精度で機械加工する必要はない。
【0031】
金属磁性粉含有樹脂とは、樹脂に金属磁性粉が混入されてなる磁性材料である。金属磁性粉としてはパーマアロイ系材料を用いることが好ましい。具体的には、第1の金属磁性粉として平均粒径が20〜50μmであるPb−Ni−Co合金を用い、第2の金属磁性粉として平均粒径が3〜10μmであるカルボニル鉄を用い、これらを所定の比率、例えば70:30〜80:20、好ましくは75:25の重量比で含む金属磁性粉を用いることが好ましい。金属磁性粉の含有率は90〜96重量%であることが好ましい。樹脂に対して金属磁性粉の量を少なくすれば飽和磁束密度は小さくなり、逆に金属磁性粉の量を多めにすれば飽和磁束密度は大きくなるので、金属磁性粉の量だけで飽和磁束密度を調整することができる。
【0032】
さらに、金属磁性粉としては平均粒径が5μmである第1の金属磁性粉と、平均粒径が50μmの混合である第2の金属磁性粉とを所定の比率、例えば75:25で混合したものであることが特に好ましい。このように、粒径が異なる2種類の金属磁性粉を用いた場合には、低加圧又は非加圧成形下において高密度な磁性コアを成形することができ、高透磁率且つ低損失な磁性コアを実現することができる。
【0033】
金属磁性粉含有樹脂に含まれる樹脂は絶縁結着材として機能する。樹脂の材料としては液状エポキシ樹脂又は粉体エポキシ樹脂を用いることが好ましい。また、樹脂の含有率は4〜10重量%であることが好ましい。
【0034】
上部コア15及び下部コア16の厚さは同一であることが好ましく、厚さの合計は0.3〜1.2mmであることが好ましい。上部コア15及び下部コア16の厚さの合計が0.3mmよりも薄いと部品の機械的強度のみならずコイルのインダクタンスが低下するからであり、1.2mmよりも厚いと部品が厚くなる割にインダクタンスは飽和してそれほど大きくならないからである。
【0035】
本実施形態において、上部コア15及び下部コア16の表面には絶縁被膜19が形成されていることが好ましい。絶縁被膜19は化成処理によって形成することができ、化成処理にはリン酸鉄、リン酸亜鉛又はジルコニアを用いることが好ましい。上記のように、閉磁路を構成するため材料として金属磁性粉含有樹脂を用いた場合には、金属磁性粉が導体であることから、端子電極17a,17b間の絶縁性が問題となる。しかし、本実施形態によれば、金属磁性粉含有樹脂の表面が絶縁被覆されているので、端子電極17a,17b間の絶縁性を十分に確保することができる。
【0036】
図4〜図7は、コイル部品10の製造工程を示す図であって、(a)は略平面図、(b)は略側面断面図である。
【0037】
図4(a)及び(b)に示すように、コイル部品10の製造では、一枚の大きな絶縁基板(集合基板)上に多数個(ここでは4個)のコイル部品を形成する、いわゆる量産プロセスが実施される。具体的には、まず大きな絶縁基板11の所定の位置にスリット11g、開口11h及びスルーホール11iを形成した後、絶縁基板11の上面11a及び裏面11bに第1及び第2のスパイラル導体12,13をそれぞれ形成する。本実施形態において、スパイラル導体12,13はめっきによって形成される。詳細には、絶縁基板11の略全面にCuの下地膜を無電解めっき法により形成する。このとき、スルーホール11iの内部にはCu膜が形成される。その後、フォトレジストを露光・現像することにより、スパイラル導体12,13と同一形状の開口パターン(ネガパターン)を形成する。
【0038】
次に、このレジストパターンをマスクとして電解めっきを施すことにより、Cuの下地膜上にCuの厚い膜を形成する。その後、レジストを除去し、下地膜をエッチングにより除去し、スパイラル導体のみを残す。以上により、スパイラル導体が形成された絶縁基板(以下、TFC(Thin Film Coil)基板21という)が完成する。
【0039】
次に、図5(a)及び(b)に示すように、TFC基板21の両面に絶縁樹脂層14a及び14bをそれぞれ形成した後、このTFC基板21の裏面をUVテープ22上に貼り付けて固定する。UVテープの代わりに熱剥離テープを用いてもよい。この固定により、TFC基板21の反りを抑制することができる。次に、UVテープ22が貼り付けられていないTFC基板21の表面側に金属磁性粉含有樹脂ペースト15pをスクリーン印刷する。特に限定されるものではないが、スクリーンシートの厚さは約0.27mmである。このスクリーン印刷後、脱泡し、80℃で30分間加熱して、樹脂ペーストを仮硬化させる。
【0040】
次に、図6(a)及び(b)に示すように、TFC基板21を上下反転させた後、UVテープ22を剥離し、TFC基板21の裏面側に金属磁性粉含有樹脂ペースト16pをスクリーン印刷する。このとき用いるスクリーンシートの厚さは同じく0.27mmである。その後、160℃で1時間加熱して樹脂ペースト15p,16pを本硬化させる。こうして、上部コア15及び下部コア16が完成する。
【0041】
次に、図7(a)及び(b)に示すように、切断ラインCx及びCyの位置でTFC基板21をダイシングすることによってコイル集合体を個片化する。その後、上部コア15及び下部コア16の表面に絶縁被膜19を形成し、個々のチップの側面に端子電極17a,17bを形成することにより、本実施形態によるコイル部品10が完成する。
【0042】
以上説明したように、本実施形態によるコイル部品10は、第1及び第2のスパイラル導体12,13を覆う磁性体が樹脂モールドであり、寸法加工精度が非常に高く、また基板面に集合体として形成することでコイルの位置精度が非常に高く、小型化、薄型化が可能である。磁性体には金属磁性材料を用いており、フェライトよりも直流重畳特性がよいので、磁気ギャップの形成を省略することができる。
【0043】
図8は、本発明の第2の実施の形態によるコイル部品20の構成を示す略側面断面図である。
【0044】
図8に示すように、第2の実施形態によるコイル部品20は、下部コア23がフェライト基板で構成されている点にある。上部コア15の材料は、第1の実施形態によるコイル部品10と同じく金属磁性粉含有樹脂である。このように、本実施形態においては上部コア15及び下部コア23の材料が別々であるため、第1の実施形態と異なり、両者の境界は明確であり、上部コア15はE型コア、下部コア23はI型コアをそれぞれ構成している。その他の構成は第1の実施形態によるコイル部品10と実質的に同一であるため、同一の構成要素に同一の符号を付して説明を省略する。
【0045】
コイル部品20の製造では、まず図4に示したTFC基板21を作製し、TFC基板21の両面に絶縁樹脂層14a及び14bをそれぞれ形成した後、TFC基板21と同等の大きさのフェライト基板上にこれを搭載し、フェライト基板上で金属磁性粉含有樹脂ペーストのスクリーン印刷を実施する。フェライト基板を用いているのでUVテープ22は不要である。このスクリーン印刷後、脱泡し、160℃で1時間加熱して樹脂ペーストを本硬化させることにより、本実施形態によるコイル部品20が完成する。
【0046】
このように、本実施形態によるコイル部品20は、上部コア15に金属磁性粉含有樹脂を用いているので、第1の実施形態によるコイル部品10と同様の作用効果を奏することができる。また、フェライト基板を樹脂ペースト形成時における支持基板として使用することができるので、UVテープ22を使用しなくても良く、その製造も容易である。
【0047】
図9は、本発明の第3の実施の形態によるコイル部品30の構成を示す略平面図である。
【0048】
図9に示すように、第3の実施形態によるコイル部品30は、上部コア15と下部コア16が絶縁基板11の外側の四隅に設けられた連結部15dを通じてつながっていることを特徴としている。すなわち、金属磁性粉含有樹脂による連結部15dは、積層体の各側面18a〜18dの幅方向全体にではなく、幅方向の端部にのみ形成されている。四隅の連結部15dは、絶縁基板11のコーナー部のエッジに接しており、平面的には四半円の形状を有している。その他の構成は第1の実施形態によるコイル部品10と実質的に同一であるため、同一の構成要素に同一の符号を付して説明を省略する。
【0049】
本実施形態において、四隅の連結部15dの材料が金属磁性粉含有樹脂であれば、下部コア16の材料は特に限定されない。したがって、下部コア16の材料は金属磁性粉含有樹脂であってもよく、フェライト基板であってもよい。いずれの場合でも、絶縁基板11の四隅において上部コア15と下部コア16とが完全に連結されるので、第1の実施形態と同様、ギャップのない閉磁路を形成することができる。さらに本実施形態においては、四隅に閉磁路を形成することでスパイラル導体12,13の形成領域を広げることができ、ループサイズを大きくすることができる。したがって、コイルの低抵抗化、高インダクタンス化、及び小型化が可能となる。
【0050】
図10は、コイル部品30の製造工程を示す略平面図である。
【0051】
コイル部品30の製造では、まずTFC基板21を作製する。TFC基板21の作製方法は第1の実施形態によるコイル部品10と同様であるが、図10に示すように、図4(a)におけるスリット11gの代わりに、切断後の絶縁基板の四隅に相当する位置に略円形の開口パターン11kを形成する。その後の工程はコイル部品10の製造工程と同じであり、TFC基板21の両面に金属磁性粉含有樹脂を形成すると共に、開口11h及び開口11k内にも金属磁性粉含有樹脂を埋め込む(図5、図6参照)。その後、開口11kの中心を交点とする切断ラインCx,Cyに沿ってTFC基板21を切断した後、端子電極17a,17bを形成することにより、コイル部品30が完成する。
【0052】
図11は、本発明の第4の実施の形態によるコイル部品の構成を示す略平面図である。
【0053】
図11に示すように、第4の実施形態によるコイル部品40は、第3の実施形態によるコイル部品30と同様、上部コア15と下部コア16が絶縁基板11の外側の四隅に設けられた連結部を通じてつながっているが、第3の実施形態によるコイル部品30と異なり、隣接する4つのコイル部品に共通の開口パターン11kではなく、個別の開口11mに基づいて連結部が形成されていることを特徴とするものである。
【0054】
また、コイル部品40は、量産工程中において隣接のチップの導体パターンどうしを短絡するためのめっき用導体パターン24が設けられている。この導体パターン24は、量産時の電気めっき中においてすべての導体パターンに対して同時に電圧を印加できるようにするために設けられている。例えば図9及び図10に示した第3の実施形態によるコイル部品30では、左右方向に隣接するチップのスパイラル導体が電気的に絶縁分離されているので、それらの電気めっきを一括して行うことはできない。しかし、四隅に個別の開口11kを形成し、この開口11kに基づく個別の連結部を形成した場合には、左右方向に延びる導体パターン24を容易にレイアウトことができるので、左右方向に隣接する複数のチップの導体パターンを一括してメッキ処理することができ、製造工程の効率化を図ることができる。
【0055】
個々のチップを分割した完成品の状態において、めっき用導体パターン24の一端はスパイラル導体12(又はスパイラル導体13)と電気的に接続され、他端は絶縁基板11のエッジまで延びて開放端となる。導体パターン24は、必ずしも絶縁基板11のエッジに形成する必要はなく、任意の位置に形成してかまわない。その場合には、例えば、第3の実施形態によるコイル部品30に導体パターン24を形成することも可能である。
【0056】
図12は、本発明の第5の実施の形態によるコイル部品の構成を示す略側面断面図である。
【0057】
図12に示すように、第5の実施形態によるコイル部品50は、上部コア15及び下部コア16を構成する金属磁性粉含有樹脂の表面(露出面)にNi系フェライト含有樹脂の絶縁被膜51が形成されている点にある。特に限定されるものではないが、絶縁被膜51の厚さは約50μmである。Ni系フェライト含有樹脂の絶縁被膜51は、絶縁被膜としてだけでなく、金属磁性粉含有樹脂と共に閉磁路の一部としても機能する。
【0058】
上記のように、閉磁路を構成するための磁性コアとして金属磁性粉含有樹脂を用いた場合には、金属磁性粉が導体であることから、端子電極17a,17b間の絶縁性が問題となる。しかし、本実施形態によれば、金属磁性粉含有樹脂の表面が絶縁被覆されているので、端子電極17a,17b間の絶縁性を十分に確保することができる。さらに、第1の実施形態によるコイル部品10では、上部コア15及び下部コア16の表面が化成処理によって絶縁被覆されていたが、この部分は閉磁路として機能するものではなかった。しかし、本実施形態によれば、絶縁性を確保しつつ、絶縁被膜を閉磁路の一部として機能させることができ、最終的にはインダクタンス特性の向上を図ることができる。
【0059】
コイル部品50の製造では、TFC基板21の両面に金属磁性粉含有樹脂を形成する(図6参照)。次に、図13(a)及び(b)に示すように、金属磁性粉含有樹脂が埋め込まれたスリット11gの幅方向中央部にスリット52を形成する。このスリット52を形成する際のブレード幅は例えば100μmとする。
【0060】
次に、図14に示すように、スリット52の内部を含む基板全面にNi系フェライト含有樹脂ペーストをスクリーン印刷し、これを本硬化させる。樹脂ペーストはスリット52内にも入り込むので、樹脂ペーストは上部コア15及び下部コア16が形成されたTFC基板21の上下面のみならず側面にも形成された状態となる。
【0061】
次いで、切断ラインCx及びCyの位置でTFC基板21をダイシングすることによって個片化する(図7参照)。このときのブレード幅は例えば50μmであり、スリット形成時のブレード幅よりも狭いので、Ni系フェライト含有樹脂を部分的に残すことができる。その後、個々のチップの側面に一対の端子電極17a,17bを形成することにより、磁性コアの上下面のみならず側面までもがNi系フェライト含有樹脂の絶縁被膜51で被覆されたコイル部品50が完成する。
【0062】
図15は、本発明の第6の実施の形態によるコイル部品60の構成を示す略側面断面図である。
【0063】
図15に示すように、第6の実施形態によるコイル部品60は、積層された2枚の絶縁基板11A,11Bを備えている点にある。なお、積層数は2枚に限定されず、3枚以上であってもよい。各絶縁基板11A,11Bの上下面には第1及び第2のスパイラル導体12,13がそれぞれ形成されており、それらの表面は絶縁樹脂層14a,14bでそれぞれ覆われており、金属磁性粉含有樹脂も介在していないので、絶縁基板11A,11Bを重ねたとしても上下の導体が接触して短絡することはない。その他の構成は第1の実施形態によるコイル部品10と実質的に同一であるため、同一の構成要素に同一の符号を付して説明を省略する。
【0064】
上記構造において、絶縁基板11A,11B間には、製造上の理由から意図しない金属磁性粉含有樹脂が微量に存在することがある。しかし、このような金属磁性粉含有樹脂が絶縁特性に影響を与えることはない。したがって、絶縁基板11A,11B間には金属磁性粉含有樹脂が実質的に介在していなければよい。
【0065】
絶縁基板11Aの上下面に形成された第1及び第2のスパイラル導体12,13は単一のコイルを構成しており、絶縁基板11Bの上下面に形成された第1及び第2のスパイラル導体12,13もまた単一のコイルを構成している。そして、一方の絶縁基板11A上の第1のスパイラル導体12の外周端12bと絶縁基板11B上の第1のスパイラル導体12の外周端12bとが第1の端子電極17aを介して互いに電気的に接続され、一方の絶縁基板11A上の第2のスパイラル導体13の外周端13bと他方の絶縁基板11B上の第2のスパイラル導体13の外周端13bとが第2の端子電極17bを介して互いに電気的に接続されていることにより、これら2つのコイルは並列接続された構成となっている。このように、同一構造のコイルを並列接続した場合にはコイル導体の断面積が2倍になったことと等しいため、コイルの抵抗を半分にすることができ、直流抵抗を小さくすることができる。
【0066】
図16(a)及び(b)は、本発明の第7の実施の形態によるコイル部品70の構成を示す模式図である。なお、図16ではコイル部品の積層構造及びスパイラル構造は省略し、コイルの電気的な構成のみを簡略的に示している。
【0067】
図16(a)及び(b)に示すように、第7の実施形態によるコイル部品70は、積層された2枚の絶縁基板11A,11Bを備えると共に、絶縁基板11Aに形成された第1及び第2のスパイラル導体12,13からなる単一のコイル(第1のコイル)71Aと、他方の絶縁基板11Bの上下面に形成された第1及び第2のスパイラル導体12,13からなる単一のコイル(第2のコイル)71Bとを備える点で第6の実施形態によるコイル部品60と類似しているが、それらのコイル71A,71Bが並列接続ではなく直列接続されている点が上記コイル部品70と異なっている。
【0068】
第1のコイル71Aと第2のコイル71Bとの直列接続は、外部の端子電極を介して行う必要があり、そのため一対の端子電極17a,17bとは別に直列接続用の端子電極17cが設けられている。このような端子電極17cは、図16(a)に示すように、一対の端子電極17a,17bがそれぞれ形成された2つの側面18a,18b(図2参照)とは異なる他の2つの側面18c,18dのいずれか一方に形成してもよく、あるいは図16(b)に示すように、同じ側面18a,18bに形成してもよい。側面18a,18bに形成する場合には、一対の端子電極17a,17bの幅を狭めて4端子電極構造とし、残りの一つをダミー電極17dとすればよい。
【0069】
このように、2枚の絶縁基板11A,11Bを用いると共に、各絶縁基板11A,11B上にそれぞれ形成される単一のコイル71A,71Bを直列接続した場合には、一枚の基板で必要とされるコイルのターン数が少なくなるので、スパイラル導体の線幅を広くすることができる。また、導体幅が広くなることでめっきを厚くすることが可能になるため、スパイラル導体の断面積を十分に大きくすることができ、直流抵抗を小さくすることができる。
【0070】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0071】
例えば、上記実施形態においては、第1のスパイラル導体12の内周端12aと第2のスパイラル導体13の内周端13aとがスルーホール導体11iを介して接続されているが、本発明はこの構成に限定されず、例えば、プリント基板の開口11hの内周面に形成された導体パターンを介して内周端同士が接続されていてもよい。
【符号の説明】
【0072】
10、20,30,40,50,60,70 コイル部品
11,11A,11B 絶縁基板
11a 絶縁基板の上面
11b 絶縁基板の裏面
11g スリット
11h 中央部の開口
11i スルーホール導体(スルーホール)
11k 四隅の開口(共通)
11m 四隅の開口(個別)
12 第1のスパイラル導体
12a 第1のスパイラル導体の外周端
12b 第1のスパイラル導体の内周端
13 第2のスパイラル導体
13a 第2のスパイラル導体の外周端
13b 第2のスパイラル導体の内周端
14a,14b 絶縁樹脂層
15 上部コア
15a 連結部(中央)
15b 連結部(外側)
15d 連結部(四隅)
15p 上部コア用樹脂ペースト
16 下部コア
16p 下部コア用樹脂ペースト
17a,17b 端子電極
17c 直列接続用端子電極
17d ダミー電極
18a 積層体の第1の側面
18b 積層体の第2の側面
18c 積層体の第3の側面
18d 積層体の第4の側面
19 絶縁被膜
21 TFC基板
22 UVテープ
23 下部コア(フェライト基板)
24 短絡パターン
51 Ni系フェライト含有樹脂の絶縁被膜
52 スリット
71A 絶縁基板11A上のコイル
71B 絶縁基板11B上のコイル
Cx,Cy 切断ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの絶縁基板と、
前記絶縁基板の少なくとも一方の主面に形成されたスパイラル導体と、
前記絶縁基板の前記一方の主面を覆う上部コアと、
前記絶縁基板の他方の主面を覆う下部コアとを備え、
前記上部コア及び前記下部コアの少なくとも一方は、金属磁性粉含有樹脂からなると共に、前記絶縁基板の中央部及び外側に配置されて前記上部コアと前記下部コアとを物理的に連結する連結部を含むことを特徴とするコイル部品。
【請求項2】
前記上部コア及び前記下部コアの両方が前記金属磁性粉含有樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載のコイル部品。
【請求項3】
前記上部コア及び前記下部コアの一方が前記金属磁性粉含有樹脂からなり、前記上部コア及び前記下部コアの他方がフェライト基板からなることを特徴とする請求項1に記載のコイル部品。
【請求項4】
前記上部コアと前記下部コアとを連結する前記連結部は、前記絶縁基板の中央部及び四隅に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項5】
前記四隅の連結部は、前記絶縁基板のコーナー部のエッジに接して設けられていることを特徴とする請求項4に記載のコイル部品。
【請求項6】
前記四隅の連結部は、前記絶縁基板のコーナー部のエッジよりも内側に設けられていることを特徴とする請求項4に記載のコイル部品。
【請求項7】
前記絶縁基板の前記一方の主面に形成されためっき用導体パターンをさらに備え、前記めっき用導体パターンの一端は前記スパイラル導体と電気的に接続され、前記めっき用導体パターンの他端は前記絶縁基板のエッジまで延びており、
前記めっき用導体パターンは、前記同一基板上に複数のコイル部品を形成する量産時において、隣接するコイル部品のスパイラル導体同士を電気的に接続する短絡パターンの一部を構成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項8】
前記絶縁基板、前記上部コア及び前記下部コアからなる積層体の外周面に設けられた一対の端子電極と、
前記上部コア及び前記下部コアの表面を覆う絶縁被膜をさらに備え、
前記一対の端子電極と前記上部コア及び前記下部コアとの間に前記絶縁被膜が介在していることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のコイル部品
【請求項9】
前記絶縁被膜は、リン酸鉄、リン酸亜鉛又はジルコニア分散溶液を用いて化成処理された絶縁層であることを特徴とする請求項8に記載のコイル部品。
【請求項10】
前記絶縁被膜は、ニッケル系フェライト粉含有樹脂からなることを特徴とする請求項9に記載のコイル部品。
【請求項11】
前記絶縁基板を複数備え、
前記複数の絶縁基板は、前記金属磁性粉含有樹脂が実質的に介在することなく積層されており、
各絶縁基板に形成された前記スパイラル導体同士が前記一対の端子電極を通じて並列又は直列に接続されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載のコイル部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−89765(P2012−89765A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−236855(P2010−236855)
【出願日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】