説明

コイン判別装置におけるコイン画像取得装置、コイン画像取得装置を備えたコイン選別装置、及びゲーム機のコイン投入装置におけるコイン選別装置

【課題】小型で消費エネルギが少なく、さらにはコインジャムを生じにくく安価なコイン判別装置におけるコイン画像取得装置を提供すること。
【解決手段】投入口から投入したコインがコイン通路を移動する途上においてラインセンサによって当該コインの一面の画像を取得し、当該画像を基準画像と比較することにより真偽判別するコイン判別装置において、前記コイン通路にコインの加速装置110を配置し、前記加速装置の上流側のコイン通路に相対して配置したコイン検知装置の検知に基づいて前記加速装置を作動させ、当該加速装置の下流に前記ラインセンサの出力に基づいて真正コインと偽コインに振り分けるキャンセル装置を配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コインの真偽を撮像した画像により判別するコイン判別装置におけるコイン画像取得装置に関する。
また、当該画像取得装置を使用したコイン選別装置に関する。
さらには、当該画像取得装置を使用したゲーム機にコインを投入するコイン投入装置におけるコイン選別装置に関する。
本明細書において、「コイン」は通貨であるコイン、ゲーム用のメダル・トークン等の総称である。
【背景技術】
【0002】
第1の従来技術として、硬貨を一方向へ所定速度で移動する搬送ベルトによってガラス板上をスライドさせる過程において、当該ガラス板の裏面側に配置した発光素子から当該硬貨のスライド面に対し投光すると共に、ラインセンサによって受光し、ラインセンサによって取得した画像情報に基づいて真偽判別する硬貨判別装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
第2の従来技術として、投入されたメダルが自重で通路を進行する際に、メダルの減速手段を設け、この減速手段の下流にメダルの画像を取得するためのラインセンサを配置し、このラインセンタにより得られた複数の一次元撮像データに基づいて真偽判別するメダル選別機が知られている(例えば、特許文献2)。
【0004】
【特許文献1】特許弟3609285豪(図1―3、第2―5頁)
【特許文献2】特会2008−262956(図1―17、段落番号0005〜01116)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
第1の従来技術の硬貨判別装置においては、硬貨は搬送装置により一定の速度で移動される最中に撮像されるので安定した画像を取得できる利点があるが、搬送装置に受け渡す前に硬貨を一枚ずつ整列する装置が必要であり、装置が大型化する問題がある。
また、搬送装置に一枚ずつ投入される硬貨を対象にする場合であっても、搬送装置は常時稼働されるため、消費エネルギが大きい問題がある。
これを解決するため、投入硬貨を検知し、この検知信号に基づいて搬送装置を駆動することが考えられる。
この場合であっても、硬貨の投入速度と搬送装置の搬送速度との関係は何ら開示されておらず、硬貨ジャムの恐れがある。
【0006】
第2の従来技術のメダル選別機においては、一枚ずつ投入されたメダルは、減速手段によって減速された後、転動する過程でラインセンサに到達し、メダルの画像が取得される。
換言すれば、投入されたメダルは自重で進行し、例えば自由落下して減速手段により減速される。
メダルが連続的に投入された場合、減速手段によって減速されることにより後続のメダルが被減速メダルに追いつき、メダルジャムを生じる恐れがある。
また、メダルが転動するので画像がゆがんでしまい、判別可能な画像を取得することが困難である問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の目的は、小型かつ消費エネルギが少ないコイン判別装置におけるコイン画像取得装置を提供することである。
本発明の第2の目的は、小型かつ消費エネルギが少なく、さらにコインジャムを生じることがないコイン画像取得装置を備えたコイン選別装置を提供することである。
本発明の第3の目的は、小型かつ消費エネルギが少なく、さらに安価なコイン判別装置におけるコイン画像取得装置を提供することである。
【0008】
この目的を達成するため、請求項1の発明は以下のように構成される。
投入口から投入したコインがコイン通路を移動する途上においてラインセンサによって当該コインの一面の画像を取得し、当該画像を基準画像と比較することにより真偽判別するコイン判別装置において、前記コイン通路にコインの加速装置を配置し、前記加速装置の上流側のコイン通路に相対してコイン検知装置を配置し、かつ、当該加速装置によって搬送されるコインに対し前記ラインセンサを配置し、前記コイン検知装置の検知に基づいて前記加速装置を作動させ、当該加速装置による搬送過程において前記ラインセンサが撮像することを特徴とするコイン判別装置におけるコイン画像取得装置である。
【0009】
また本発明は、前記加速装置はコインの進行方向に進行し、かつ、平行する2本のベルトよりなり、前記ベルトの間にコインの直径部が位置するよう配置されていることを特徴とするコイン判別装置におけるコイン画像取得装置であることが好ましい。
【0010】
さらに、投入口から投入したコインがコイン通路を移動する途上においてラインセンサによって画像を取得し、当該画像を基準画像と比較することにより真偽判別するコイン判別装置において、前記投入口から投入したコインが転動するコイン通路と、前記コイン通路上を転動するコインの加速装置と、前記加速装置の上流のコイン通路に面して配置したコイン検知装置と、前記コイン検知装置の検知に基づいて前記加速装置を作動させる加速装置の駆動装置と、前記加速装置により搬送されるコインを撮像するラインセンサと、を備えるコイン判別装置におけるコイン画像取得装置であることが好ましい。
【0011】
さらにまた、投入口から投入したコインがコイン通路を移動する途上においてラインセンサによって画像を取得し、当該画像を基準画像と比較することにより真偽判別し、真偽コインを選別するコイン選別装置において、前記コイン通路にコインの加速装置を配置し、前記加速装置の上流側のコイン通路に相対してコイン検知装置を配置し、かつ、当該加速装置によって搬送されるコインの面を撮像する位置に前記ラインセンサを配置し、前記コイン検知装置の検知に基づいて前記加速装置を作動させ、当該加速装置の下流に前記ラインセンサの出力に基づいて真正コインと偽コインに振り分けるキャンセル装置を配置したことを特徴とするコイン選別装置であることが好ましい。
【0012】
さらには、投入口から投入したコインを前下がりのコイン通路を転動させてゲーム機の所定の位置に落下させると共に前記コイン通路の途中にコインの選別装置を配置したゲーム機のコイン投入装置において、前記選別装置は少なくともコインの加速装置、前記加速装置の上流側の前記コイン通路に相対してコイン検知装置を配置し、かつ、当該加速装置によって搬送されるコイン面を撮像する位置に前記ラインセンサを配置し、前記コイン検知装置の検知に基づいて前記加速装置を作動させ、前記加速装置により積極的に搬送されるコインの一面を撮像するラインセンサ、前記ラインセンサからの撮像データに基づいて真偽判別する判別装置、及び、前記コイン通路を転動するコインを前記コイン通路から外すキャンセル装置を前記加速装置の下流に配置したことを特徴とするゲーム機のコイン投入装置におけるコイン選別装置であることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
この構成において、投入口から投入されたコインは、コイン通路を進行し、この進行過程においてコイン検知装置によって検知される。
コイン検知装置による検知に基づいて加速装置は起動される。
投入コインは加速装置に到達し、加速装置によって加速され、コイン通路移動速度よりも高速度で加速装置によって送り出される。
この加速装置によって積極的に搬送される過程において、コインの一面の画像がラインセンサによって取得される。
ラインセンサによって取得された画像が基準画像と比較され、真偽判別される。
加速装置はコインを拘束することから、コインが回転することはなく、さらに一定速度で進行するから安定した画像を取得することができる。
これらにより、コインは一つずつ投入口に投入されるのでコインの整列装置が不要であり、小型できる利点がある。
また、コインは加速装置によって加速されるので、後続投入コインが先行コインに追いつくことがないのでコインジャムを防止できる利点がある。
さらに、加速装置はコイン通路を進行するコインがコイン検知装置による検知に基づいて起動される。
換言すれば、コインが撮像されるときのみ加速装置が駆動されるので、省エネルギ化できると共に耐久性が向上する利点がある。
さらにまた、ラインセンサを用いるので、CCDカメラに比し安価に構成できる利点がある。
【0014】
加速装置が二本のベルトよりなり、それらベルトの間にコインの直径部が位置するよう配置されているため、撮像されるコインの直径部の背景は実質的に無背景にすることができる。
ベルトが撮像コインの直径部の背後に近接して存在する場合、長期の使用によってベルト表面にコイン粉が付着し、撮像コインと同様の光反射となって取得画像において撮像コインのエッジの判別が困難となる問題がある。
しかし、ベルトを二本に分離し、それらの間に撮像コインの直径部が位置するよう配置することにより、実施的に無背景にできるから直径部の反射がコインと同様になることが無いのでエッジの判別が容易であり、結果として精度良い判別をすることができる利点がある。
【0015】
また、本発明においてコインがコイン通路を転動することが好ましい。
この構成において、コイン通路を転動するコインがコイン検知装置によって検知される。
コイン検知装置の検知に基づいて加速装置が作動される。
前記転動コインは、作動を開始した加速装置に達し、強制的に転動速度よりも高速に加速されつつ搬送された後、送り出される。
加速装置での強制搬送途上において、前記コインはラインセンサによって一面の画像が取得される。
取得画像は基準画像と比較して真偽判別され、偽コインは排除され、真性コインのみが次の行程へ送られる。
これにより、コイン通路上を転動するコインが加速装置によりコイン通路に沿って加速されるので、コインのラインセンサに相対する位置が決定されるので、コインの撮像位置が安定し、確実に画像取得できる利点がある。
また、コインは加速装置によって加速されるので、後続投入コインが先行コインに追いつくことがないのでコインジャムを防止できる利点がある。
さらに、コイン通路を進行するコインがコイン検知装置によって検知され、この検知に基づいて加速装置が起動される。
換言すれば、コインが撮像されるときにのみ加速装置が駆動されるので、省エネルギ化することができると共に耐久性が向上する。
さらに、ラインセンサを用いるので、CCDカメラに比し安価に構成できる利点がある。
さらにまた、コイン表面の模様によって真偽判別できるので、同一材質、直径、及び厚みであっても模様が異なれば真偽判別でき、さらにキャンセル装置によって選別できる利点がある。
【0016】
さらに本発明は、前記真偽コイン選別装置であることが好ましい。
この発明において、投入口に投入されたコインはコイン通路を移動する途上において加速装置によって加速される。
コインはコイン通路に配置されたコイン検知装置によって検知され、コインセンタの検知に基づいて加速装置が所定期間作動される。
コインは加速装置による加速及び搬送過程において、ラインセンサによって画像情報が取得される。
この取得画像情報が基準画像と比較されて真偽判別される。
この真偽判別に基づいて、キャンセル装置が作動され、偽コインと真正コインとに選別される。
コインは加速装置によって加速されるので、後続投入コインが先行コインに追いつくことがないのでコインジャムを防止できる利点がある。
さらに、加速装置はコイン通路を進行するコインがコイン検知装置による検知に基づいて起動される。
換言すれば、コインが撮像されるときにのみ駆動されるので、省エネルギ化することができると共に耐久性が向上する。
また、ラインセンサを用いるので、CCDカメラに比し安価に構成できる利点がある。
さらにまた、コイン表面の模様によって真偽判別し、キャンセル装置によって振り分けできるので、同一材質、直径、及び厚みであっても模様が異なれば真偽判別でき、キャンセル装置によって選別できる利点がある。
【0017】
さらには、本発明はコイン投入装置におけるコイン選別装置であることが好ましい。
本発明のコイン投入装置におけるコイン選別装置において、投入口から投入されたコインは前下がりのコイン通路を転動してゲーム機における所定の位置に落下させられる。
コイン投入装置のコイン通路を転動するコインは、加速装置によって搬送される過程においてラインセンサによって撮像される。
判別装置は、この撮像情報と基準画像とを比較し、投入コインの正偽判別をする。
キャンセル装置は判別装置からの偽コイン信号に基づいてコイン通路を転動する偽コインを落下させてキャンセルする。
したがって、偽コインがゲーム機のゲームに使用されることがない利点を有する。
特に、本発明はコイン表面に現れる模様を画像として取得し、基準画像と比較することにより真偽判別するので、材質、直径及び厚みをそっくり真似した偽コインを排除することができる利点がある。
また、コインは加速装置によって加速されるので、後続投入コインが先行コインに追いつくことがないのでコインジャムを防止できる利点がある。
さらに、加速装置はコイン通路を進行するコインのコイン検知装置による検知に基づいて起動される。
換言すれば、コインが撮像されるときにのみ駆動されるので、省エネルギ化することができると共に耐久性が向上する。
さらに、ラインセンサを用いるので、CCDカメラに比し安価に構成できる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
投入口から投入したコインを前下がりのコイン通路を転動させてゲーム機の所定の位置に落下させると共に前記コイン通路の途中にコインの選別装置を配置したゲーム機のコイン投入装置において、前記選別装置は少なくともコインの加速装置、前記加速装置の上流側のコイン通路に相対してコイン検知装置を配置し、かつ、当該加速装置によって搬送されるコインの面を撮像する位置に前記ラインセンサを配置し、前記コイン検知装置の検知に基づいて前記加速装置を作動させ、前記加速装置により積極的に搬送されるコインを前記ラインセンサによって撮像し、前記ラインセンサの撮像情報に基づいて真偽判別する判別装置、及び、前記コイン通路を転動するコインを前記コイン通路から外すキャンセル装置を前記加速装置の下流に配置したことを特徴とするコイン選別装置である。
【実施例】
【0019】
本実施例は、ゲーム機のコイン投入装置100におけるコイン選別装置101の例である。
ゲーム機のコイン投入装置100は、投入口102に投入されたゲーム用のコイン104をコイン通路装置106を転動させて投出口108から落下させると共に、コイン通路装置106の転動途上で不正コインをキャンセルする機能を有する。
コイン投入装置100は、概略、コイン通路装置106、コイン通路装置106のピボット軸受109、コインの投入口102、加速装置110、画像取得装置111、コインのキャンセル装置112及び投出口108を含んでいる。
コイン選別装置101は画像取得装置111及びキャンセル装置112を含み、加増取得装置111で取得した画像情報に基づいてコインの真偽を判別し、キャンセル装置112により真正コインと偽コインに選別する機能を有する。
【0020】
まず、コイン通路装置106を説明する。
コイン通路装置106は、投入口102から投入されたコイン104を転動させつつ投出口108にガイドする機能を有している。
コイン通路装置106は、投入されるコイン104の厚みよりも僅かに広い厚みを有し、かつ、細長であって上面が転動面114である直状のガイドレール116と、このガイドレール116の両側に固定された平板状の第1ガイド板118A及び第2ガイド板118Bを含み、これらで囲われた断面矩形の細長前下がりの平板状空間が転動通路122である。
第1ガイド板118A及び第2ガイド板118Bの投入口102近傍と投出口108とは金属板、例えばステンレス板で構成されている。
【0021】
第1ガイド板118A及び第2ガイド板118Bの中間は、第1本体124Aと第2本体124Bにより構成され、それらは例えば樹脂で射出成形されている。
第1本体124Aはほぼ矩形であって、ガイドレール116にその下端部が固定されている。
第1本体124Aの投入口102側の上下に一体的にピボット軸126A、126Bが突出構成され、軸受体128に回動自在に装着される。
ピボット軸126A、126Bの軸線L1は垂立し、第1本体124Aは水平線に対して前下がりに約10度の角度で傾斜している。
換言すれば、コイン通路装置106はピボット軸126A、126Bの軸線L1に対して約100度の角度をなしている。
軸受体128は、ゲーム機(図示せず)の筐体に固定される。
この構成により、コイン投入装置100はゲーム機に対しピボット軸126A、126B回りに小角度揺動可能である。
第1本体124Aの下端部には横向きの軸受132A、132Bが所定の間隔でされている。
【0022】
第1本体124Aの転動通路122の一側面を画定する第1ガイド面136Aは垂立する平面である。
第1ガイド面136Aの上端部には最大径コインの直径よりも僅かに転動面114から離れた上方に上ガイドレール138がガイドレール116と平行に固定されている。
換言すれば、上ガイドレール138はガイドレール116に対し平行に最大径コインの直径よりも僅かに離れて位置し、その厚みはガイドレール116の厚みと同一である。
【0023】
第2本体124Bは、第1本体124Aとほぼ同一サイズで矩形に形成され、第1支軸134A、第2支軸134Bがガイドレール116と平行に形成されている。
第1支軸134A、第2支軸134Bは軸受132A、132Bにそれぞれピボット運動可能に支持されている。
第2本体124Bの転動通路122に面する第2ガイド面136Bは、通常は垂立する平面である。
しかし、支軸134A、第2支軸134Bを支点に回動された場合、図11に示すように第2本体124Bは第1本体124Aに対し大凡90の角度に開くことが出来る。
この開いた状態において、搬送ベルト152A、152B及びコイン検知装置204等のメンテナンス及び後述の操作部392の設定作用を行うことが出来る。
また、転動通路122おいてジャムしたコイン104を除去することができる。
第2本体124Bは、第1本体124Aに一端を回動自在に取り付けられた第1固定具142A、第2固定具142Bによってガイドレール116及び上ガイドレール138に圧接された状態で固定される。
上ガイドレール138とガイドレール116の厚みによって第1本体124Aと第2本体124B、換言すれば第1ガイド面136Aと第2ガイド面136Bの間隔は規制される。
この構成により、コイン104の転動通路122は、転動面114、第1本体124Aの第1ガイド面136A、上ガイドレール138及び第2本体124Bの第2ガイド面136Bに囲まれた横長前下がりに傾斜する扁平空間である。
【0024】
コイン通路装置106は、第1ピボット軸126A、第2ピボット軸126Bに対し所定の角度で前下がりに傾斜している。
前下がりとは、投入口102よりも投出口108が下っている状態である。
したがってコイン104は、ガイドレール116の転動面114、第1ガイド板118A、第2ガイド板118B及び上ガイドレール138で囲まれた細長であり、かつ、狭幅の転動通路122を転動する。
【0025】
次に第1ピボット軸126A、第2ピボット軸126Bを説明する。
第1ピボット軸126A、第2ピボット軸126Bは、コイン通路装置106を所定の角度で保持すると共に、小角度の範囲で垂立第1軸線L1周りにピボット運動可能に保持する。
第1ピボット軸126A、第2ピボット軸126Bは、ほぼ垂直方向に延び、上下に配置した第1ステー144A、第2ステー144Bにそれぞれ小角度の範囲でピボット運動可能に支持される。
第1ステー144A及び第2ステー144Bは軸受体128に固定される。
【0026】
コイン通路装置106は、その中間が軸線L1と交差するよう第1ピボット軸126A、第2ピボット軸126Bに固定されている。
したがってコイン通路装置106は、1ピボット軸126A、第2ピボット軸126B周りに前記所定の小角度の範囲で左右にピボット運動可能である。
なお、この小角度のピボット運動は、顧客がコイン投入装置100からコイン104が落下するタイミングをコントロールするために利用される。
【0027】
換言すれば、コイン通路装置106を小刻みに左右にピボット運動させることにより、転動面114上を転動するコイン104を第1ガイド板118A及び第2ガイド板118Bに接触させることにより制動力を付与し、もってコイン104の転動速度を調整することにより投出口108からのコイン104の落下タイミングをコントロールすることができる。
【0028】
次に投入口102を説明する。
投入口102は、顧客が投入するコイン104をコイン通路装置106のコイン通路120たる転動通路122に案内する機能を有する。
投入口102は、使用可能コイン104の最大直径及び最大厚みよりも僅かに大きいサイズであって、樹脂にて成形されたカバ144の端部に形成された上向きの矩形の開口である。
投入口102は所定値以上の大径不正コイン及び厚い不正コインの投入防止機能を有する。
カバ144は、コイン通路装置106のゲーム機の外に位置する端部に固定されている。
【0029】
次に投出口108を説明する。
投出口108は、コイン通路装置106のゲーム機内に位置する端部であって、コイン104のコイン通路120、したがって転動通路122の出口であり、ゲーム機内の所定位置に相対している。
コイン通路120は、垂下通路でもよく、必ずしも四方を囲われていることを要しない。
要すれば、コイン通路120は投入口102に投入されたコイン104が通過する通路をいう。
【0030】
次に加速装置110を説明する。
加速装置110は、投入口102から投入され、コイン通路120を移動するコイン104を投出口108に向かって加速する機能を有する。
加速装置110は、コイン104が加速装置110に到達する前のコイン通路120を進行するときのコイン104の速度よりも、加速装置110から出て行くときのコイン104の速度が大きい場合、加速装置といえる。
したがって、同様の機能を有する他の装置に変更することができるが、本実施例の構成とすることが種々の点で好ましい。
本実施例における加速装置110は、搬送装置146、駆動装置148及び圧接装置150を含み第1本体124Aに取り付けられている。
【0031】
まず搬送装置146を図6を参照して説明する。
搬送装置146は、ガイドレール116上を転動するコイン104を投出口108に向かって所定速度で移送する機能を有する。
したがって、同様の機能を有する他の装置に変更できるが、本実施例の構成とすることが機能等の面で好ましい。
搬送装置146は、第1搬送ベルト152A、第2搬送ベルト152B、第1歯付駆動プーリ154A、第2歯付駆動プーリ154B、第1従動プーリ156A、第2従動プーリ156Bを含む搬送ユニット158及び搬送フレーム160を含んでいる。
【0032】
搬送ユニット158の構成を説明する。
第1歯付駆動プーリ154A及び第2歯付駆動プーリ154Bは、転動通路122に対し正面視直角をなす駆動軸162に所定間隔をおいて固定されている。
第1従動プーリ156A及び第2従動プーリ156Bは、駆動軸162と平行に配置された従動軸164に第1歯付駆動プーリ154A及び第2歯付駆動プーリ154Bと同一間隔で固定されている。
第1搬送ベルト152Aは第1歯付駆動プーリ154Aと第1従動プーリ156Aとに巻掛けて張設されている。
第2搬送ベルト152Bは第2歯付駆動プーリ154Bと第2従動プーリ156Bとに巻掛けて張設されている。
したがって、第1搬送ベルト152A及び第2搬送ベルト152Bは、所定の間隔Dをもって平行に同一速度で移動される。
第1搬送ベルト152A及び第2搬送ベルト152Bは、第1本体124Aにガイドレール116と平行に並列形成された横長矩形の第1開口166A、第2開口166Bから転動通路122に進退可能である。
【0033】
次に搬送フレーム160を説明する。
搬送フレーム160は搬送ユニット158を支持する。
搬送フレーム160は、第1ステー168、第2ステー172、第1ブラケット174A、第2ブラケット174B及びブッシュ176を含み、第1ステー168、第2ステー172、及びブッシュ176が横木になった横向き梯子状に構成されている。
駆動軸162及び従動軸164は、第1ブラケット174A及び第2ブラケット174Bに上下端部を回転自在かつスラスト方向にスライド不能に所定間隔で平行に配置されている。
第1ステー168及び第2ステー172は第1ブラケット174A及び第2ブラケット174Bの上流側端部及び下流側端部に固定され、円筒形ブッシュ176は第2ステー172に近接した位置において固定されている。
第1ブラケット174A及び第2ブラケット174Bは、ブッシュ176を貫通する回転軸178に対し回転自在に取付られている。
回転軸178は、第1ブラケット174A及び第2ブラケット174Bの外側において、第1本体124Aに固定された第1軸受180A及び第2軸受180Bによって回転自在かつスラスト方向にスライド不能に取り付けられている。
【0034】
ガイドレール116の転動面114を転動するコイン104は、その直径部が間隔Dに位置するように設定される。
換言すれば、使用されるコイン104の直径に対応してガイドレール116の位置が後述の位置調整装置182によって第1搬送ベルト152A及び第2搬送ベルト152Bに対する位置(間隔)が調整可能になっている。
【0035】
なお、第1歯付駆動プーリ154A及び第2歯付駆動プーリ154Bは歯付きであるので、当然に第1搬送ベルト152A、第2搬送ベルト152B、第1従動プーリ156A及び第2従動プーリ156Bは歯付きである。
しかし、第1搬送ベルト152A及び第2搬送ベルト152Bは、平ベルトにすることができる。
この場合、当然に第1駆動プーリ154A、第2駆動プーリ154B及び第1従動プーリ156A及び156Bは歯付きはでない。
しかし、歯付きにすることにより、第1搬送ベルト152A及び第2搬送ベルト152Bの張力を平ベルトよりも低下できるので、コイン104の第2ガイド面136Bに対する押力を低下でき、結果として装置の耐久性を高めることができる利点がある。
【0036】
次に位置調整装置182を説明する。
位置調整装置182は、ガイドレール116の搬送装置146に対する距離を変更する機能を有する。
位置調整装置182は、ガイドレール116に形成した転動面114に対し傾斜する直線上に配置した複数の位置決め孔183と第1本体124Aに形成され、位置決め孔183に挿入可能な位置決めピン(図示せず)とからなる。
位置決めピンを適宜選択したガイドレール116の位置決め孔183に挿入してガイドレール116を第1本体124Aに固定することにより、ガイドレール116を平行移動させ、搬送装置146との距離を段階的に調整可能としている。
【0037】
次に駆動装置148を説明する。
駆動装置148は、搬送装置146を駆動する機能を有する。
換言すれば、駆動装置148は第1搬送ベルト152A及び第2搬送ベルト152Bの転動通路122に位置する部分を所定の速度で投出口108側へ移動させる機能を有する。
駆動装置148は、電気モータ184及び歯車列186を含んでいる。
歯車列186は、第1平歯車188、第2平歯車190、第3平歯車192、第4平歯車194及び第5平歯車196を含んでいる。
【0038】
電気モータ184は第2軸受180Bに固定され、その出力軸198は回転軸178と平行に配置されている。
出力軸198の下端には第1平歯車188が固定され、第2平歯車190に噛み合っている。
第2平歯車190は、第2軸受178Bから下向きに突出する固定軸202に回転自在に取り付けられ、第3平歯車192に噛み合っている。
第3平歯車192は回転軸178の下端部に固定されている。
【0039】
回転軸178の上端部には第4平歯車194が固定され、第5平歯車196と噛み合っている。
第5平歯車196は、駆動軸162の上端部に固定されている。
この構成により、第1搬送ベルト152A及び第2搬送ベルト152Bは電気モータ184の正回転によってコイン104を投出口108に搬送する方向に、コイン104がガイドレール116上を転動する速度よりも高速度で循環移動される。
ガイドレール116上を転動してきたコイン104は、第1搬送ベルト152A、第2搬送ベルト152Bの第2ガイド面136Bと相対する挟持部202と第2ガイド面136Bとの間に挟み込まれるまでそれまでの転動速度よりも減速されるが、第2ガイド面136Bと挟持部202との間に挟まれた場合、第1搬送ベルト152A及び第2搬送ベルト152Bの移動独度で投出口108に向かって搬送されるので加速される。
換言すれば、コイン104の周縁が第1駆動プーリ154A、第2駆動プーリ154Bの直径部と第2ガイド面136Bとの間に挟み込まれるまでコイン104の速度は減速されるが、それらの間に挟まれた後は第1搬送ベルト152A及び第2搬送ベルト152Bの移動速度でコイン104は第2ガイド面136Bに対しスライド移動されるため、転動速度よりも加速される。
【0040】
また、コイン104はその直径部の上下において第1搬送ベルト152A及び第2搬送ベルト152Bによって押しつけられつつ搬送される。
したがって、コイン104はその中心から実質的に同一距離において同一大きさの逆向きのモーメントを受けるので、コイン104自体の回転力は発生しない。
換言すれば、コイン104が第1搬送ベルト152A及び第2搬送ベルト152Bによって第2ガイド面136Bに押しつけられている場合、コイン104は回転することなく搬送される。
すなわち、コイン104は平行移動している状態において後述のラインセンサ226によって撮像される。
電気モータ184の出力軸198と駆動軸162とを平歯車からなる歯車列186にした場合、軸間距離の僅かな変動があっても駆動に影響を与えず、また、部品交換等の面で有利である。
【0041】
次に圧接装置150を説明する。
圧接装置150は、搬送装置146たる第1搬送ベルト152A、第2搬送ベルト152Bをコイン104に所定の圧力で押しつける機能を有する。
したがって、同様の機能を有する他の装置を使用できるが、本実施例の構造を用いることにより、コスト等において有利である。
【0042】
圧接装置150は、ブッシュ176に一端を係止すると共に巻き付けた第1スプリング206A及び第2スプリング206Bの各端部を第1ブラケット174A、第2ブラケット174Bにそれぞれ係止することにより搬送フレーム160を図8において時計方向に付勢している。
換言すれば、第1搬送ベルト152A、第2搬送ベルト152Bが転動通路122に進行するよう弾性的に付勢されている。
第2ステー168は第1本体124Aの外表面のストッパ208に当接し、搬送ユニット158を待機位置SPにおいて静止させる。
待機位置SPにおいて、第1搬送ベルト152A、第2搬送ベルト152Bの挟持部202と第2ガイド面136Bとの間隔dが使用が想定されるコイン104の最薄厚みよりも小になるよう設定されている。
【0043】
この構造により、転動通路122を転動してきたコイン104が第1駆動プーリ154A及び第2駆動プーリ154B部において第2ガイド面136Bとの間に挟持された場合、搬送フレーム160は図8の位置から僅かに反時計方向に回動され、第1搬送ベルト152A、第2搬送ベルト152Bの挟持部202と第2ガイド面1136Bとの間に挟持される。
本実施例において、駆動装置148は、コイン検知装置212によるコイン104の検知に基づいて所定時間起動される。
【0044】
次にコイン検知装置212を説明する。
コイン検知装置212は、コイン104が転動通路122における加速装置110の上流の所定位置に達したことを検知し、検知信号DSを出力する機能を有する。
したがって、同様の機能を有する他の装置に変更することができる。
本実施例のコイン検知装置212は、投光部214、受光部216及びU字形の導光体218よりなる透過型光電センサ222である。
透過型光電センサ222は、転動通路122における加速装置110の上流に配置されている。
投光部214及び受光部216は第2本体124Bに固定され、導光体218は第1本体124Aに固定されている。
投光部214からの投射光は、転動通路122を横断して導光体218に入光して案内されて再び転動通路122を横断し、受光部216に入光する。
転動通路122を転動するコイン104が投光部214の前方を通過する場合、投光部214からの投射光はコイン104によって遮断され、受光部216は受光しない。
受光部216が受光をしなくなったことを検知して検知信号DSを演算装置224、例えばコンピュータに出力する。
検知信号DSに基づいて電気モータ184が所定時間駆動される。
コイン検知装置212は、検知信号DSが出力された後、転動するコイン104が第1搬送ベルト152A及び第2搬送ベルト152Bに到達する直前にそれらベルトの速度がコイン104の転動速度よりも高速になる位置に配置される。
【0045】
次にコインの画像取得装置111を説明する。
画像取得装置111はラインセンサ226によりコイン104の面を一次元的に撮像する機能を有する。
詳細には、画像取得装置111は、転動通路122を移動するコイン104の真偽判別のための画像情報を得る機能を有する。
本発明においては、安価にするため、敢えてラインセンサ226を使用している。
画像取得装置111は、ラインセンサ226及び投光装置228を含んでいる。
【0046】
ラインセンサ226を説明する。
ラインセンサ226は、一般的に市販されているものであって、受光素子230を密接して一直線上に整列したものであって、各受光素子230が受光量に応じた電気信号を出力する。
本実施例のラインセンサ226は、装着具232によって第2本体124Bに固定される。
受光素子230の前方には集光レンズ234を配置することが好ましい。
受光素子230及び集光レンズ234は、装着具232の装着孔235に直列に装着され、熱可塑性樹脂等により固定されている。
受光素子230は、第2本体124Bの第2ガイド面136Bに形成されたスリット236に面して配置される。
スリット236は、ガイドレール116に対し直角をなす直線L3上に形成される。
受光素子230は、転動通路122におけるコイン104の転動方向Dに対し直角をなす方向に一列に配列される。
換言すれば、ラインセンサ226はガイドレール116に対し直角方向に配置される。
装着具232は、後述の収納ボックス238に固定されている。
【0047】
次に投光装置228を説明する。
投光装置228は、ラインセンサ226において撮像する際の撮影光照射のために用いられる。
換言すれば、投光装置228はフラッシュライトとしての機能を有する。
したがって同様の機能を有する他の装置に交換することができるが、陰なくコイン104の面を撮像し、小型かつ安価にするには、本実施例の構造が好ましい。
投光装置228は、箱形の収納ボックス238、発光素子242、第1プリズムレンズ244、第2プリズムレンズ246を含んでいる。
【0048】
まず収納ボックス238を説明する。
収納ボックス238は上面が全面開口248に形成され、かつ下面の一部が開口252を形成された薄い箱形であって、第2本体124Bに固定される。
収納ボックス238が配置される転動通路122を構成する第2本体124Bは、コイン104が搬送装置146によって所定の圧力でスライドされるので、搬送装置146に相対する部位の第2ガイド面136Bは、耐摩耗性向上のため金属板254、例えばステンレス板により形成することが好ましい。
したがって、スリット236は金属板254に形成される。
スリット236は、第1駆動プーリ154A、第2駆動プーリ154Bの直径部よりも下流の第1搬送ベルト152A、第2搬送ベルト152Bに相対して形成される。
換言すれば、スリット236は第1搬送ベルト152A、第2搬送ベルト152Bに対し直角をなす。
【0049】
次に第1プリズムレンズ244を説明する。
第1プリズムレンズ244は、少なくとも一つの発光素子242からの投射光を所定の幅に拡散させる機能を有する。
本実施例において第1プリズムレンズ244は、一つの発光素子242からの投射光を直角に偏向し、かつ、所定の幅に拡散させる機能を有する。
第1プリズムレンズ244は、平板状であり、一端部に45度に形成された第1反射面254が形成され、第1反射面254が対面する端面は第1凹面256に形成される。
第1プリズムレンズ244は、収納ボックス238の細溝258内にはめ込まれ、収納ボックス238の一部をなし、弾性変形可能な第1係止フック260A及び第2係止フック260Bにより固定される。
第1凹面256は、第1プリズムレンズ244の中心を通る中心線L3上の所定位置を中心とする円弧の一部であり、収納ボックス238の空間276に面している。
【0050】
次に発光素子242を説明する。
発光素子242は、例えば発光ダイオードであり、本実施例では市販されている一の発光ダイオードを使用している。
発光素子242は、収納ボックス238に固定され、空間276を覆う板状の蓋243に固定される。
発光素子242は、その光軸が第1反射面254に対し45度の角度をなすよう配置される。
発光素子242からの投射光は、第1反射面254によって直角の横方向に反射され、第1凹面256に指向される。
指向された投射光は第1凹面256によって所定角度に拡散される。
【0051】
次に第2プリズムレンズ246を説明する。
第2プリズムレンズ246は、図9に示すように断面形状が約30度ベンドしている第1部分264及び第2部分266を含み、第1部分264の端面に第2凹面268が形成され、第2部分266に第2反射面272及び他端面に投射面274が形成される。
第2プリズムレンズ246は第1プリズムレンズ244の第1凹面256から横方向に所定距離離れて収納ボックス238内の他端部に配置されている。
換言すれば、第1プリズムレンズ244と第1部分264は転動通路122と平行する同一面内に配置されている。
第2プリズムレンズ246の第2凹面268は第1凹面256と対面し、空間276に配置されている。
第2凹面268は直線L3上の所定位置を中心とする円弧の一部である。
第2凹面268の曲率は第1凹面256の曲率よりも大きい。
これにより、第1凹面256によって所定角度に拡散された投射光が第2凹面268によって直線L3に沿った平行光線に偏向される。
【0052】
第2反射面272は、第1凹面256からの入射を約30度の角度で投射面274に向かって反射する。
【0053】
投射面274は矩形であって、スリット236に密に嵌め込まれ、金属板254の表面から僅かにスリット236内に引っ込んだ状態で配置される。
第2凹面268の全幅で受光した発光素子242からの投射光は、第2凹面268によって直線L3と平行に偏向され、第2反射面272によって投射面274に向かって鈍角で反射される。
第2反射面272によって反射された光は、転動通路122に対し約60度の角度で進行する。
換言すれば、投射面274からの投射光の軸線L4はコイン104の面に対し約60の角度で進行する。
【0054】
この投射光はコイン104の面によってその軸線L5は約60の角度で反射され、再び投射面274に入光する。
さらに換言すれば、投射面274から投射光とコイン面からの反射光は投射面274よりも転動通路122側において焦点FPを結ぶよう設定される。
すなわち、軸線L4と軸線L5は焦点FPにおいて交差する。
この焦点FPは、金属板254に面接しつ移動するコイン104の表面に設定することが好ましい。
なぜなら、通常コイン104の周縁部にはリング状に盛り上がった周縁リブが形成されるため、表面は周縁リブよりも奥まったところに位置するからである。
コイン104はその一面が搬送装置146によって金属板254に押しつけられつつ移動するため、その一面は金属板254と圧接している周縁リブ表面よりも僅か転動通路122側に位置しているので、この設定が最もクリアな画像を取得することができる。
【0055】
本実施例のように、第1凹部246と第2凹部254とを所定距離間隔を置いて対面配置することにより、一つの光源でコイン104の大凡直径に相当する範囲に投射できるので、装置を安価に構成できる利点がある。
また、プリズムとレンズとを一体化しているので、装置を小型化することができる。
【0056】
ラインセンサ226は、第2反射面272に対し密接して取り付けられる。
換言すれば、前記コイン面による反射光の軸線L5上に配置される。
軸線L5は第2反射面272に対し直角をなすよう設定される。
コイン104の表面によって反射された光は、投射面274から第2プリズムレンズ246及び第2反射面272を透過してラインセンサ226に入光される。
したがって、投射面274から投射された反射光を同一の投射面274から受光するので、コイン104の面に対する投射角が直角に近くなるので、僅かな凹凸によって発生する陰部は非常に小さい。
よって、実質的に陰のない画像を取得できるので、正確な画像処理、換言すればコイン104の精度高い真偽判別をすることができる。
ラインセンサ226で取得した一次元の画像情報は、後述のエンコーダ376からの位置情報信号PSを用いて演算装置224において時系列に整列され、二次元の画像情報に処理される。
ついで、この二次元画像情報を所定の処理をして基準情報と比較することによりコイン104の真偽判別をする。
演算装置224は、正貨TCと判別した場合、正貨信号TSを出力し、偽貨FCと判別した場合、偽貨信号FSを出力する。
【0057】
次にキャンセル装置112を説明する。
キャンセル装置112は、演算装置224からの偽コイン信号FSに基づいて、転動通路122から偽コインFCを排除して投出口108から落下させない機能を有する。
換言すれば、キャンセル装置112は画像取得装置111から得られたコイン104の画像情報に基づいて後述の演算装置224が「偽コインFC」と判別し、偽コイン信号FSを出力した場合、その偽コインFCをキャンセルする機能を有する。
さらに換言すれば、キャンセル装置112はコイン104を転動通路122から排除する機能を有する。
さらに詳しくは、キャンセル装置112はコイン104をガイドレール116上から落下させる機能を有する。
【0058】
キャンセル装置112は、タイミングセンサ290、キャンセル部固定ガイド292、可動ガイド294、キャンセラ296、キャンセラ駆動装置298及びストッパ300を含んでいる。
タイミングセンサ290は、キャンセラ296の駆動装置298の作動開始タイミング信号CTS(図19)を出力する機能を有する。
本実施例においてタイミングセンサ290は透過式光電センサ302を使用しているが、同様の機能を有する他の装置に交換することができる。
【0059】
光電センサ302は、画像取得装置111の直ぐ下流に配置され、弟2本体124に投光部304及び受光部306を固定し、第1本体124Aに第2導光体308を固定して構成される。
投光部304の光軸は、ガイドレール116の近くに配置され、選別対象のコイン104が連続して転動する場合、コイン104の周面間に形成される三角形空間310(図7)に位置するよう設定されている。
なお、タイミングセンサ290に代えて画像取得装置111によって取得されるコイン104の後端情報を用いることができるが、キャンセラ296との距離が長くなるので、実施例のタイミングセンサ290を用いることが好ましい。
【0060】
次にキャンセル部固定ガイド292を説明する。
キャンセル部固定ガイド292は、画像取得装置111の下流に配置され、転動通路122の一側面を画定する機能を有する。
本実施例においてキャンセル部固定ガイド292は、第2本体124Bと一体に形成され、第2ガイド面136Bと同一平面内に位置する垂立する平面状の第3ガイド面312である。
キャンセル部固定ガイド292は、第2本体124Bと別体に設けることができるが、第2ガイド面136Bに連続して面一に形成しなければならない。
【0061】
次に可動ガイド294を説明する。
可動ガイド294は、転動通路122を転動するコイン104の第3ガイド面312の反対側の上端部側面を案内する機能を有する。
キャンセル部固定ガイド292に相対し、かつ、転動通路122を挟んだ反対側に可動ガイド294が配置されている。
可動ガイド294は、上方に延びる第1支持レバ312A、第2支持レバ312Bの上端の横向き軸が第1本体124Aの第1軸受314A、第2軸受314Bに回動自在に支持されると共に、第1軸受314A、第2軸受314B回りに配置した付勢手段である第1スプリング316A、第2スプリング316Bにより第3ガイド面312側に弾性的に付勢され、ストッパ318によってガイド位置GPに静止される。
ストッパ318は、第1本体124Aの外面の一部である。
ガイド位置GPにおいて、可動ガイド294の可動ガイド面320は、第1本体124Aの第1ガイド面136Aと同一平面内に位置するよう調整される。
【0062】
換言すれば、可動ガイド294は、タイミングセンサ290の直ぐ下流に配置され、第1スプリング316A、第2スプリング316Bによってキャンセル部固定ガイド292に向かうよう付勢されている。
第1本体124Aの矩形のキャンセル開口322の下縁324は、転動面114に対し面一若しくはその下方に位置し、上縁326は上ガイドレール318と同一若しくはその上方に位置し、転動面114に対し平行に配置されている。
【0063】
可動ガイド294は、ガイドレール116に対しほぼ並行にのびる細長矩形の平板であり、第3ガイド面312に対面する可動ガイド面320は、通常状態である案内位置GPにある場合、転動通路122を画定する。
【0064】
第1軸受314A、第2軸受314Bは可動ガイド294の可動ガイド面320の延長線上に位置し、かつ、可及的に転動通路122から遠い位置に配置されている。
これにより図16において可動ガイド294が時計方向にピボット運動した場合、転動通路122の側方に形成される開口を大きくしない。
したがって、転動通路122を転動するコイン104を可及的に案内できる効果がある。
【0065】
第1スプリング234A、第2スプリング234Bは、コイン104がキャンセラ296によって転動面114から落下されて後述のストッパ300に衝突した際、接触している落下途上のコイン104の上端部の急激な複雑な動きを緩衝するようスプリング力を設定することが好ましい。
すなわち、この緩衝によってコイン104をほぼ真下に落下させるためである。
ほぼ真下に落下したコイン104は、その場所に堆積させ、または、その落下位置に形成した開口を経由して返却口に戻される。
【0066】
次にキャンセラ296を図6を参照して説明する。
キャンセラ296は、キャンセル装置112の転動通路122を転動するコイン104を転動通路122から逸らす機能を有する。
換言すれば、キャンセラ296は転動面114を転動するコイン104を転動面114から落下させる機能を有する。
【0067】
本実施例において、キャンセラ296は、転動面114の側方において転動面114に対し垂直方向に延びるピボット軸340にピボット運動可能に支持されたL形のキャンセルレバ342である。
ピボット軸340は、キャンセル部固定ガイド292の背面に設けられた軸受(図示せず)に回転自在に支持されている。
【0068】
キャンセルレバ342は、キャンセル部固定ガイド292の転動面114の直近上方に形成され、転動面114と平行に延びる矩形の透孔346において転動面114に対し平行に移動可能に設けられている。
キャンセルレバ342のガイド面348は、転動通路122の上流側から下流側へ向かい、かつ、転動面114と平行に延びている。
したがって、キャンセルレバ342は、転動通路122に対し直交方向に進退可能である。
換言すれば、ガイド面348は、待機位置SPにある場合、キャンセル部固定ガイド292の第3ガイド面312に対し面一もしくは僅かに透孔346内に引っ込んだ位置に設定される。
【0069】
キャンセルレバ342がキャンセル位置CPにある場合、ガイド面348は転動通路122に対し斜めに交差する。
したがって、転動通路122を転動してきたコイン104は、このガイド面348によって転動面114に対し横方向に案内されるので、転動通路122から逸らされて、ガイドレール116上から落下される。
キャンセラ296は、キャンセルレバ342に対し直角方向に延びる被動レバ250を有し、被動レバ250には長孔(図示せず)が形成されている。
【0070】
次にキャンセラ駆動装置298を説明する。
キャンセラ駆動装置298は、キャンセラ296をキャンセル位置CPに移動させ、キャンセル位置CPにあるキャンセラ296を待機位置SPに移動させる機能を有する。
キャンセラ駆動装置298は、キャンセル部固定ガイド292の背面、換言すれば第2本体124Bの背面にブラケット352によって固定されている。
キャンセラ駆動装置298は、アクチュエータ354を含み、アクチュエータ354の出力軸356先端のピン358は被動レバ350の長孔(図示せず)にスライド可能に挿入されている。
【0071】
したがって、ピン358が図15において左方に移動した場合、キャンセルレバ342は反時計方向にピボット運動されてガイド面348が転動通路122に突出し、キャンセル位置CPに移動する。
ピン358がキャンセル位置から右方へ移動した場合、キャンセルレバ342のガイド面348は第3ガイド面312と面一になる。
アクチュエータ354は、本実施例では電磁ソレノイド360であり、出力軸356は鉄心362である。
【0072】
したがって、ソレノイド360が励磁された場合、鉄心362が引かれて図15において左方へ移動され、キャンセルレバ342を反時計方向にピボット運動させてキャンセル位置CPへ移動させる。
ソレノイド360が消磁された場合、鉄心362に作用する復帰スプリング364によって鉄心362は右方へ移動され、キャンセルレバ342を待機位置SPへ移動させる。
【0073】
次にストッパ300を説明する。
ストッパ300は、転動通路122から逸らされたコイン104が衝突し、その落下位置を所定の位置に規制する機能を有する。
ストッパ300は、縦長の断面アングル形の棒体であって、キャンセル開口322の下流であて、かつ、転動通路122の側方に配置され、第1本体124Aにその一面がガイドレール116と直角をなすよう固定されている。
ストッパ300は、コイン104の跳ね返りが少ないよう、衝撃を緩和するため硬質ゴム等の緩衝体を介在して第1本体124Aに固定することが好ましい。
【0074】
次に通過センサ366が図7を参照して説明される。
通過センサ366は、第2本体124Bに固定した投光部368、受光部372及び第1本体124Aに固定した光導体(ストッパ300の陰部に配置され図示されない)を含んでいる。
投光部368からの投射光は、転動通路122を横断した後、光導体によって案内されて受光部372に入光する。
投射光の横断位置は、転動面114に近い位置であって、キャンセル開口312を通過した全てのコイン104によって遮断される位置に配置されている。
投光部368がコイン104によって遮断され、受光部372が投射光を受光しない場合、通過センサ366はコイン通過信号CSを出力する。
ゲーム機は、インターフェース部394を介して送信されるコイン通過信号CSに基づいて所定の処理を行う。
【0075】
次にエンコーダ376を説明する。
エンコーダ376は電気モータ184の出力軸198の上端に固定した、周縁に等間隔に所定数のスリット378を形成したディスク382と当該スリット378を検知する透過型光電センサ384を含んでいる。
光電センサ384は、スリット378の検知毎に位置情報信号PSを出力する。
この位置情報信号PSは、演算装置224においてラインセンサ226からの画像情報の処理に用いられる。
具体的には、ラインセンサ226により取得した一次元画像情報をエンコーダ376からの位置情報信号PSに関連して記憶することにより、当該一次元画像情報を時系列に配列し、二次元の画像情報として利用可能とする。
【0076】
次に演算装置224を説明する。
演算装置224は、例えばマイクロコンピュータによって構成され、コイン検知装置212、ラインセンサ226、エンコーダ376、タイミングセンサ290及び通過センサ366から信号を受け、記憶装置386に記憶されたプログラムに基づいて所定の演算処理をして電気モータ184、投光装置228、アクチュエータ354、表示388に所定の作用をさせる。
演算装置224はコイン104の正偽をも判別するので判別装置でもある。
操作部392は各種制御条件の設定をすることができ、例えば第2本体142Aの転動通路122に面して配置される。
不要な設定変更の防止等のためである。
インターフェース部394は、本コイン投入装置100が装着されるゲーム機の制御部とのインターフェース機能を有する。
【0077】
演算装置224は、ラインセンサ226からの画像情報GD及びエンコーダ376からの位置情報信号PSにより判別対象のコイン104の画像を特定し、記憶装置386に記憶されている基準情報SDと比較して判別対象コイン104の真偽判定を行い、偽コインFCの場合アクチュエータ354のソレノイド360を所定時間励磁する。
この励磁時間は、転動通路122にコイン104が連続して転動して来た場合にもキャンセル出来るよう短時間行う。
しかし、連続して偽コインFCが転動する場合、継続して励磁することができる。
なお、基準情報SDは、所定数のコインの画像(表裏異なる場合は表裏毎)を取得して所定の処理により予め作成し、記憶装置386に記憶しておく。
この基準情報SDの作成は、本コイン投入装置100に付設された基準情報設定装置400を用いて作成することができる。
基準情報設定装置400は、例えばプログラムであり、記憶装置286に記憶され、演算装置224において実行される。
【0078】
次に、コインの真偽判別の基準情報設定装置400を説明する。
本実施例において、基準情報設定装置400はソフトウエアにより構成されているが、説明の便のため図18のブロック図を参照して説明する。
基準情報設定装置400は、選別基準値取得モード設定手段であるモード設定スイッチ402(操作部392に配置される)、記憶手段であるサンプリングデータ記憶装置404、平均演算装置406、最大最小演算装置408、基準情報演算装置410及び基準情報設定装置412を含んでいる。
【0079】
モード設定スイッチ402は、基準情報設定モードと選別モードの切り替えのためのスイッチであり、操作部392に配置される。
選別モードの場合、ラインセンサ226からの画像情報GD及びエンコーダ376からの位置情報信号PSに基づいて投入コイン104の真偽が判別され、偽コインFCの場合、当該偽コインFCはキャンセラ296によってキャンセル開口322から落下され、キャンセルされる。
基準情報設定モードの場合、所定数のコイン104の各ラインセンサ226及びエンコーダ376からの位置情報信号PSに基づいて画像情報をサンプリングして所定の処理により作成した画像情報をサンプリングデータ記憶装置404に記憶しておき、所定数のコイン104が投入された場合、それら画像情報の平均値及び最大最小値に基づいて所定の基準情報を演算した後、基準情報設定装置412によって記憶装置386に記憶する。
【0080】
サンプリングデータ記憶装置404は、基準情報設定モードにおいてコイン104の投入毎にラインセンサ226によって取得した画像情報GDをエンコーダ376からの位置情報信号PSに関連づけてサンプリングデータとして記憶する。
平均演算装置406は、所定枚数のコイン104が投入された場合、サンプリングデータ記憶装置404に記憶されたサンプリングデータに基づいて所定の処理を行い、判別に用いられる情報の平均値を演算する機能を有する。
【0081】
最大最小演算装置408は、平均演算装置406と同一の所定枚数のコイン104が投入された場合、記憶装置404に記憶されたサンプリングデータに基づいて、判別に用いられる画像情報のそれぞれの最大値及び最小値を演算する機能を有する。
基準情報演算装置410は、平均演算装置406及び最大最小演算装置408の演算結果に基づいて所定の処理をし、基準情報を演算する機能を有する。
基準情報演算装置410によって演算された基準情報は、基準情報設定装置412によって記憶装置386に新たに記憶される。
【0082】
新たな基準情報を作成した後、モード設定スイッチ402を選別モードに切り替え、ゲーム機をゲーム可能にする。
本実施例のように、平均値と最大最小値とより基準情報を設定した場合、平均値から外れた正コインが最大値と最小値と所定の関係を有していればキャンセルされることなく受入られる。
すなわち、平均値のみの場合、平均値から外れた真正コインTCはキャンセルされ、円滑なゲームを行うことができないが、最大値と最小値を加味して基準情報を設定した場合、平均値を外れた場合であっても所定の関係を有する場合、正貨と判別されゲーム機を顧客の違和感なく行うことができる利点がある。
【0083】
次に本実施例の作用を説明する。
最初に偽コインが投入されたケースを説明する。
コイン104は転動面114上を転動し、画像取得装置111を通過した後、キャンセル装置112に達する。
画像取得装置111に達する直前にコイン検知装置212はコイン104によって投光部214からの投射光が遮られるので検知信号DSを出力する。
画像取得装置111の電気モータ184は、検知信号DSに基づいて所定時間起動される。
この所定時間は、コイン104が搬送装置146を通過するに十分な時間である。
これにより、第1搬送ベルト152A及び第2搬送ベルト152Bの挟持部202はコイン104の転動通路122における転動速度よりも大きな速度で転動方向Dに移動される。
【0084】
コイン検知装置212を通過したコイン104は、第2ガイド面136Bと第1搬送ベルト152A及び第2搬送ベルト152Bに達する。
コイン104は搬送方向Dに移動する第1搬送ベルト152A及び第2搬送ベルト152Bと第2ガイド面136Bとの間に引き入れられる。
引き入れられたコイン104によって搬送フレーム160は図8において僅かに反時計方向に回動される。
これによって、引き入れられたコイン104は第2ガイド面136B(金属板254に所定の力で押しつけられつつ、換言すれば面接触した状態で搬送方向Dに転動速度よりも高速でガイドレール116に沿って移送される。
この状況を詳述すれば、コイン104は、第1搬送ベルト152A及び第2搬送ベルト152Bと第2ガイド面136Bとの間に引き入れられるまでは、転動速度よりも減速されるが、それらの間に挟まれた後は転動速度よりも高速で搬送され、送り出される。
したがって、搬送装置146はコイン104の加速装置である。
【0085】
また、コイン104は実質的に第1搬送ベルト152A及び第2搬送ベルト152Bとスリップしていない状態において、スリット236の前方を通過する。
換言すれば、コイン104が転動速度よりも高速で移動している状態においてラインセンサ226の前方を通過する。
さらに、コイン104は直径部を挟んで第1ベルト152A、第2ベルト152Bによって第2ガイド面136Bに押しつけられるから、コイン104の中心に対搬送方向Dと同方向の搬送力を受ける。
これによりコイン104は、回転力を受けないので、コイン104はスリット236、投射面274、したがってラインセンタ226に対して平行移動される。
【0086】
演算装置224は、コイン検知信号DSから所定時間t1経過後から電気モータ184を起動させ、発光素子242から発光させ、かつ、エンコーダ376の位置情報信号PSに関連づけてラインセンサ226からの画像情報GDを記憶する。
所定時間t1はコイン104の全体画像情報を取得するためコイン104がラインセンサ226に到達する前に設定される。
【0087】
画像取得装置111において、前記エンコーダ376からの位置情報信号PS取得と同期して発光装置242が発光される。
発光装置242からの投射光は第1反射面254によって反射された後、第1凹面256から空間276に所定の角度で拡散された後、第2凹面268によって平行光にされ、第2反射面266によって反射した後、投射面274からコイン104の一面に向かって斜めに投射される。
コイン104からの第2反射面272に対しほぼ直角をなす反射光は、投射面274から第2プリズムレンズ246を介して集光レンズ234を通ってラインセンサ236の受光素子230に入光する。
【0088】
演算装置224はラインセンサ236からの一次元の画像情報GD及びエンコーダ376からの位置情報信号PSに基づいてコイン104の二次元画像情報を得た後、所定の方法で判別情報を演算し、基準画像情報と比較して真偽判別する。
本ケースは偽コインFCであるので、演算装置224はタイミングセンサ290からのタイミング信号TSから所定時間の間キャンセル信号CSを出力する。
このキャンセル信号CSによって、電磁ソレノイド360が励磁されるので、キャンセルレバ342はキャンセル位置CPに移動される。
転動通路122を転動してきたコイン104はガイド面348によって横方向に逸らされる。
【0089】
結果として、偽コインFCは転動通路122から逸らされ、ガイドレール116から落下される。
落下した偽コインFCは、慣性力によって斜めに落下し、ストッパ300に衝突する。
この時、偽コイン104の上部は転動通路122に位置している。
換言すれば、偽コインFCの上部は可動ガイド294の可動ガイド面320とキャンセル部固定ガイド292の第3ガイド面312とによってガイドされている。
【0090】
この状態において、偽コインFCがストッパ300に衝突した反動によって複雑な運動をした場合であっても、可動ガイド294のスプリング316A、316Bによる押さえ力によって緩衝され、複雑な運動は抑制され、ほぼ真下に落下する。
また、偽コインFCに連続して真正コインTCが転動し、かつ、キャンセルレバ342の待機位置SPへの復帰動が遅れた場合、真正コインTCの上端部が可動ガイド294によって案内されているので、落下し難い。
したがって、誤って真正コインFCを落下させない利点がある。
【0091】
落下された偽コインFCは、そのほぼ真下に堆積するか、または、通路を通って返却口に戻される。
真正コインTCがキャンセル装置112を通過する場合、ソレノイド360は励磁されないので、転動通路122を転動して投出口108から落下する。
【0092】
使用コインを変更した場合、前述のようにモード設定スイッチ402を基準情報設定モードにして所定枚数の新コインを投入することにより、自動的に新たな基準値が作成され、記憶装置386に記憶される。
なお、演算装置224における所定時間T1は、コイン信号DSの立ち上がり信号から計時を開始することができる。
また、所定時間T1はコインサイズに応じて自動的に記憶テーブルから選択されて設定されることができる。
【0093】
本実施例は、コイン通路を傾斜配置し、コインがガイドレール上を転動する例であるが、コイン通路を鉛直に配置し、重力で落下するコインを加速して下方に送り出す過程で真正コインと偽コインに選別することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】図1は、本発明の実施例の選別装置を装着したゲーム機のコイン投入装置の正面図である。
【図2】図2は、本発明の実施例の選別装置を装着したゲーム機のコイン投入装置の要部の斜視図である。
【図3】図3は、本発明の実施例のゲーム機におけるコイン投入装置の要部の正面図である。
【図4】図4は、本発明の実施例のゲーム機におけるコイン投入装置の要部の背面図である。
【図5】図5は、本発明の実施例のゲーム機におけるコイン投入装置の縦断面図である。
【図6】図6は、図3におけるB部の拡大正面図である。
【図7】図7は、本発明の実施例のゲーム機におけるコイン投入装置の転動通路の縦断面図である。
【図8】図8は、図3におけるA−A線断面図である。
【図9】図9は、図8における画像取得装置部の拡大図である。
【図10】図10は、図4におけるC−C線断面図である。
【図11】図11は、図3におけるF−F線断面図である。
【図12】図12は、実施例の画像取得装置の平面図である。
【図13】図13は、実施例の画像取得装置の収納ボックス平面図である。
【図14】図14は、図3におけるD−D線断面図である。
【図15】図15は、実施例のキャンセラの斜視図である。
【図16】図16は、図3におけるE−E線断面図である。
【図17】図17は、本発明の実施例のゲーム機におけるコイン投入装置の制御ブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入口(102)から投入したコイン(104)がコイン通路(120)を移動する途上においてラインセンサ(226)によって当該コインの一面の画像を取得し、当該画像を基準画像と比較することにより真偽判別するコイン判別装置において、
前記コイン通路にコインの加速装置(110)を配置し、前記加速装置の上流側の前記コイン通路に相対してコイン検知装置(212)を配置し、かつ、当該加速装置によって搬送されるコインに対し前記ラインセンサを配置し、前記コイン検知装置の検知に基づいて前記加速装置を作動させ、当該加速装置による搬送過程において前記ラインセンサが撮像することを特徴とするコイン判別装置におけるコイン画像取得装置。
【請求項2】
請求項1のコイン判別装置におけるコイン画像取得装置において、前記加速装置はコインの進行方向に進行し、かつ、平行する2本のベルトよりなり、前記ベルトの間にコインの直径部が位置するよう配置されることを特徴とする。
【請求項3】
投入口から投入したコインがコイン通路を移動する途上においてラインセンサによって画像を取得し、当該画像を基準画像と比較することにより真偽判別するコイン判別装置において、
前記投入口から投入したコインが転動するコイン通路と、
前記コイン通路上を転動するコインの加速装置と、
前記加速装置の上流の前記コイン通路に面して配置したコイン検知装置と、
前記コイン検知装置の検知に基づいて前記加速装置を作動させる加速装置の駆動装置(148)と、
前記加速装置により搬送されるコインを撮像するラインセンサと、
を備えるコイン判別装置におけるコイン画像取得装置。
【請求項4】
投入口から投入したコインがコイン通路を移動する途上においてラインセンサによって画像を取得し、当該画像を基準画像と比較することにより真偽判別し、真偽コインを選別するコイン選別装置(101)において、
前記コイン通路にコインの加速装置を配置し、前記加速装置の上流側のコイン通路に相対してコイン検知装置を配置し、かつ、当該加速装置によって搬送されるコインの面を撮像する位置に前記ラインセンサを配置し、前記コイン検知装置の検知に基づいて前記加速装置を作動させ、当該加速装置の下流に前記ラインセンサの出力に基づいて正コインと偽コインに振り分けるキャンセル装置(112)を配置したことを特徴とする画像取得装置を備えたコイン選別装置。
【請求項5】
投入口から投入したコインを前下がりのコイン通路を転動させてゲーム機の所定の位置に落下させると共に前記コイン通路の途中にコインの選別装置を配置したゲーム機のコイン投入装置において、前記選別装置は少なくともコインの加速装置、前記加速装置の上流側のコイン通路に相対してコイン検知装置を配置し、かつ、当該加速装置によって搬送されるコインの面を撮像する位置に前記ラインセンサを配置し、前記コイン検知装置の検知に基づいて前記加速装置を作動させ、前記加速装置により積極的に搬送されるコインを撮像するラインセンサ、前記ラインセンサからの撮像データに基づいて真偽判別する判別装置、及び、前記コイン通路上を転動するコインを前記コイン通路から外すキャンセル装置を前記加速装置の下流に配置したことを特徴とするゲーム機のコイン投入装置におけるコイン選別装置。

【図17】図17は、本発明の実施例のゲーム機におけるコイン投入装置の基準情報設定装置のブロック図である。
【図17】図17は、本発明の実施例のゲーム機におけるコイン投入装置の作用説明図である。
【符号の説明】
【0095】
101 コイン選別装置
102 投入口
104 コイン
110 加速装置
112 キャンセル装置
120 コイン通路
148 駆動装置
212 コイン検知装置
226 ラインセンサ


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−72859(P2010−72859A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−238436(P2008−238436)
【出願日】平成20年9月17日(2008.9.17)
【出願人】(000116987)旭精工株式会社 (210)
【Fターム(参考)】