説明

コネクタ装置

【課題】コネクタ装置のプラグ又は雄のコネクタをその軸心に対して直交する方向又は傾いた方向に引っ張った場合に、その引っ張り力が保持力を越えれば、コネクタ装置に損傷を生じさせることなく、ジャック又は雌のコネクタから容易に抜けるようにすること。
【解決手段】四角形のプラグ挿入孔11を開口したソケット本体12と、プラグ挿入孔11の四側内面に配したプラグ保持バネ13a、13c、13dと、プラグ挿入孔11の底面15に配列した3個の端子14とで構成したソケット1、及び四角形の嵌合部21と、これを先端に突出させたプラグ本体24と、嵌合時に、プラグ保持バネ13a、13c、13dが係止する嵌合部21の四側外面の係止凹部211、212と、嵌合部21の中空部の底面に、嵌合時に、端子14に接触すべく配列した接片バネ23とで構成したプラグ2からなるコネクタ装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々の電気信号の伝達用又は電力の供給用のケーブル類を電気的に接続し、その電気信号又は電力の授受のために使用するコネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のコネクタ装置には、例えば、特許文献1に示すようなDCコネクタ(プラグ)とDCジャックからなるコネクタ装置の例がある。特許文献1は、その発明の名称が携帯型電子機器となっているが、その実体は、コネクタ装置に関するものであり、対応しないサイズのDCコネクタが、誤って、或いはその他の何らかの理由で、機器に配設されているDCジャックに挿入された場合に、該DCジャック内の中央に配されている端子ピンが無理矢理その背後方向に押し込まれて機器内部に脱落するといったことのないように改良を加えたものである。
【0003】
このDCジャック及び対応するDCコネクタは、基本的には、従来のこの種の装置の構造に変更が加えられたものではない。そのDCジャックは、円筒状の中空部を備え、その後部壁中央から該円筒状の中空部の軸心に沿って端子ピンが突設してあり、かつ該中空部の内壁後部には二つの端子片が周方向180度の角度間隔で配してあるものである。他方、DCコネクタ(プラグ)は、その円柱状部の中央に軸心に沿ってピン挿通穴が配してあり、かつ該円柱状部の先端周囲に筒型端子が配してあるものである。
【0004】
そのため相互の電気的接続は、DCコネクタの円柱状部を、DCジャックの中空部に挿入し、前者のピン挿通穴に後者の端子ピンを挿通させ、かつ前者の筒型端子を後者の二つの端子片に接触させて行うものであり、嵌合長の長いものとなっている。
【0005】
DCジャックに嵌合状態のこのDCコネクタをこれに繋がっているケーブルで引っ張ると、それらの軸方向には容易に抜けるが、該軸方向に対して傾いた方向又は直交する方向に引っ張った場合には容易に抜けない。DCコネクタの円柱状部は、前記DCジャックの中空部に比較的長い嵌合長で嵌合し、かつ前者のピン挿通穴には後者の端子ピンが挿入状態となる構成であるため、そのような結果になると容易に推測できる。それにも拘わらず、何らかの事情で前記ケーブルを無理に引っ張ってしまうこともあり、そうすると、これを接続している機器がノートパソコンその他の携帯機器であった場合等には、それらが引き摺られて、例えば、机上から落ちて破損してしまうような危険を生じることがある。或いは、コネクタ自体が壊れてしまうこともある。
【0006】
特許文献2は、ACアダプタを使用した電気機器に関するものであり、両者を電気的に接続する従来のコネクタ装置として、特許文献1に示されたDCコネクタとDCジャックとほぼ同様の構成のそれを示し、そのような構成のコネクタ装置では、そのケーブルを引っ張れば両者は比較的容易に抜けてしまい、このような引き抜きが予期せずに起きた場合には、突然に機器の電源が落ちてしまう問題があると指摘し、これを解消する手段を提案している。
【0007】
この特許文献2では、特許文献1のそれと同様のDCコネクタとDCジャックを示して、DCコネクタに接続しているケーブルを引っ張った場合の動作に関して、先の説明と逆の結果が生じるように説明しているが、これは、ケーブルを、DCコネクタ及びDCジャックの軸方向に一致する方向に引いた場合に、相互が容易に抜けるということを云っているのであって、それと異なる方向に引いた場合に抜けにくいと云うことを否定しているものではないと考える。
【0008】
特許文献3は、検査用コネクタに関するもので、プリント配線板に実装されたベースコネクタと、該ベースコネクタの空所部に挿抜自在に嵌合接続する検査用ソケットコネクタとからなり、
前記ベースコネクタには、そのベースハウジングの空所部に後壁から相互に平行に延びる複数の接触ピン部を配設し、
前記ソケットコネクタには、そのソケットハウジング内に前記接触ピン部と嵌合接触する接触部を備えた複数のソケットコンタクトを個別に離隔して収容し、かつ該ソケットハウジングの前端部に前記ベースハウジングの後部壁に当接する一以上のストッパ部片を突設し、
前記ソケットハウジングを前記ベースハウジングの前記空所部に嵌合した際に、前記ストッパ部片が前記空所部内の後壁に当接して、前記ソケットハウジングの前記ベースハウジングに対する嵌合長を短く規制することができるようにしたものである。
【0009】
従ってこの検査用ソケットコネクタによれば、以上のように、検査用ソケットコネクタをベースコネクタに接続した際に、相互の嵌合長が短いため、該検査用ソケットコネクタを前記接触ピン及びソケットコンタクトの軸方向に対して斜め方向に引いた場合でも、こじり力が軽減され、ベースハウジング等に破損が生じるのを回避することができると思われる。
【0010】
しかし、この特許文献3の検査用ソケットコネクタは、前記のように、単にソケットハウジングの先端に一以上のストッパ部片を突設して、ソケットコネクタをベースコネクタに嵌合した際にその嵌合深さを浅くなるようにしたに過ぎない。そのため必要な保持力等を有するものではない。
【0011】
従って、このようなコネクタの構成をノートパソコンその他の携帯機器に於ける種々の電気信号の伝達用又は電力の供給用ケーブル類の接続のためのコネクタとして適用した場合は、何らかの事情でそのケーブル類をコネクタの軸心に沿って引っ張った場合、若しくは該軸心に対して斜め方向又は直交する方向に引っ張った場合のいずれの場合であれ、それが小さな力であっても容易に抜けてしまうことになる。そのため、該ノートパソコンその他の携帯機器を引き摺ってテーブルから落としてしまうとか、コネクタ自体を壊してしまうような問題の生じる虞はない。しかし、保持力が弱くなり過ぎ、僅かな力でコネクタの接続が解消されてしまうため、意図せずして、該コネクタを通じて接続していた信号源との接続が切れたり、電源との接続が切れてしまうような新たな問題を生じる虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2004−171848号公報
【特許文献2】特開2005−151629号公報
【特許文献3】特開2007−265922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、以上の従来技術の問題点を解消し、プラグとジャック又は雄のコネクタと雌のコネクタとの接続における嵌合長を短くし、接続状態のコネクタ装置のプラグ又は雄のコネクタをその軸心に対して傾いた方向または直交する方向に引っ張ってジャック又は雌のコネクタから抜こうとした場合に、その引っ張り力が保持力を越えた場合には、該コネクタ装置に損傷を生じさせることなく、容易に抜けるようにすることが可能であり、このコネクタ装置を、軽量の携帯機器に使用していた場合であっても、それを引き摺ってテーブルや机上から落としてしまう等の問題を生じさせる虞がなく、しかも以上のように相互の嵌合長を短く構成しながらも適切な保持力を維持することができるコネクタ装置を提供することを解決の課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の1は、正面視で横長長方形のプラグ挿入孔を正面に開口した絶縁性のソケット本体と、該プラグ挿入孔の四側内面に各々内側に突出させて配したプラグ保持バネと、該プラグ挿入孔の最奥部に該プラグ挿入孔の深さ方向に直交する向きに配列した複数の端子と、で構成したソケット、及び正面に開口する中空部を有する正面視で横長長方形の嵌合部であって、前記ソケット本体のプラグ挿入孔に挿入可能な絶縁性の嵌合部と、該嵌合部を先端に突出させた絶縁性のプラグ本体と、該嵌合部の四側外面に各々形成した係止凹部であって、前記ソケット本体のプラグ挿入孔に該嵌合部を挿入した際に、前記プラグ保持バネが係止する係止凹部と、該嵌合部の中空部の最奥部に、前記ソケット本体のプラグ挿入孔に該嵌合部を挿入した際に、前記端子の各々に接触すべく配列した接片バネと、で構成したプラグからなるコネクタ装置である。
【0015】
本発明の2は、本発明の1のコネクタ装置に於いて、前記端子の、対応する嵌合部の接片バネとの接触面を、前記嵌合部の、前記ソケット本体のプラグ挿入孔への挿入方向に直交する方向に対して傾斜させた構成としたものである。
【0016】
本発明の3は、本発明の1又は2のコネクタ装置に於いて、前記複数の端子を、前記プラグ挿入孔の最奥部の中心を通る、長辺に直交する線を対称中心線として、左右対称状態に配列し、前記嵌合部の接片バネを嵌合部の中空部の最奥部に、該嵌合部の前記プラグ挿入孔への嵌合状態で、該複数の端子の各々に接触すべく配したものである
【0017】
本発明の4は、本発明の1又は2のコネクタ装置に於いて、前記嵌合部の四側外面に形成した係止凹部にアース端子を兼用をする補強用金属カバーを配したものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の1のコネクタ装置によれば、前記ソケットの複数の端子は、そのプラグ挿入孔の最奥部に該プラグ挿入孔の深さ方向に直交する向きに配列するものであり、一方、前記プラグの接片バネは、前記嵌合部の中空部の最奥部に、該嵌合部のプラグ挿入孔への嵌合時に、該複数の端子の各々に接触すべく配列してあるものである。即ち、前記複数の端子及び接片バネは、それぞれソケット又はプラグの長さ方向に直交する向きに配列されるものであり、それ故、該ソケット及びプラグはその長さを短く構成することが可能となる。
【0019】
一方、前記プラグの嵌合部は、前記ソケットのプラグ挿入孔に挿入した場合に、該プラグ挿入孔の四側内面から各々突出するプラグ保持バネが、該嵌合部の四側外面に各々形成した係止凹部に係止することによって、プラグ挿入孔中に保持されるようになっており、この保持力は、プラグ保持バネのバネ荷重を適切に調整しかつ係止凹部の形状等を適切に構成することにより適切に設定することができる。該保持力は、例えば、僅かな力で該プラグがその軸方向に引かれても簡単には該ソケットから抜けないが、このコネクタ装置をセットした携帯機器が引きずられる程、若しくは、このコネクタ装置に損傷を生じる程の力で引かれた場合には抜ける程度に設定することができる。
【0020】
また前記のように、前記プラグ及び前記ソケットを軸方向に短く構成することが可能であり、実際にそのように構成した場合には、該プラグを、これに接続しているケーブル類を該プラグの軸方向に対して傾いた方向又は直交する方向から引くことにより引いた場合にも、それがこのコネクタ装置をセットした携帯機器が引きずられる程又はこのコネクタ装置に損傷を生じる虞がある程の力で引くものであった場合には、即ち、前記保持力を越えるような力で引かれた場合には、ソケットから容易に抜け、該携帯機器を引きずり、場合によっては机上から落としてしまうような問題を生じさせない。コネクタ装置自体に損傷を生じさせることもない。
【0021】
本発明の1のコネクタ装置によれば、コネクタ装置としての本来の機能である電気的接続機能は、当然、一般のそれと同様以上のものであり、充分な機能を発揮することができる。例えば、DC電源の授受に用いるDCコネクタとして適用可能であり、オーディオ信号やビデオ信号その他の電気信号の授受に用いるコネクタとしても適用可能である。
【0022】
本発明の2のコネクタ装置によれば、プラグの嵌合部をソケットのプラグ挿入孔に挿入すると、その挿入に伴って、嵌合部の接片バネが、それぞれソケットの端子の傾斜する接触面に当接した後、滑りながらより強い接触状態である最終接触状態に移行することになる。また以上のように、端子と接片バネとの接触は、単なる嵌合部の挿入方向に直交する面相互の接触ではなく、挿入方向の面相互の接触の成分を含むため、嵌合部が若干挿入方向に動いても、その接触による電気的接続が容易に失われてしまうようなことはない。
【0023】
本発明の3のコネクタ装置によれば、複数の端子中の対称となる端子相互、及び複数の接片バネ中の対称となる接片バネ相互を、同一極性の電気の授受のため、または同一信号の授受のために使用することとすることにより、ソケットのプラグ挿入孔と嵌合部との挿入方向(各々の上下又は左右)を定めずに、多極のコネクタを構成することができる。使用者は、プラグの嵌合部を、その上下(又は左右)を気にすることなく、プラグ挿入孔に挿入して、適正な電気的接続を得ることができる。
【0024】
本発明の4のコネクタ装置によれば、絶縁性の合成樹脂等で成形された嵌合部を適切に補強できるため、嵌合部のプラグ挿入孔への抜き差しの際に係止凹部に損傷を生じさせるような虞を低下させ、同時にアースを取ることを可能ならしめるものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】(a)は実施の形態のプラグとソケットの嵌合状態の平面図、(b)は右側面図。
【図2】(a)は図1(a)のA−A線断面、(b)は図1(b)のB−B線断面図。
【図3】(a)は実施の形態のプラグの右側面図、(b)は平面図、(c)は正面図。
【図4】(a)は図3(c)のC−C線断面図、(b)はD−D線断面図。
【図5】(a)は実施の形態のソケットの平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図。
【図6】(a)は図5(b)のE−E線断面図、(b)は図5(b)のF−F線断面図。
【図7】(a)は実施の形態のプラグの斜視図、(b)はソケットの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
この発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0027】
この実施の形態のコネクタ装置は、基本的に、図1(a)、(b)、図2(a)、(b)及び図7(a)、(b)に示すように、ソケット1及びそのプラグ挿入孔11に挿入嵌合する嵌合部21を備えたプラグ2からなる嵌合長の短いDCコネクタに適用したものである。
【0028】
前記ソケット1は、図5(b)に示すように、正面視で横長長方形のプラグ挿入孔11を正面に開口した絶縁性のソケット本体12と、該プラグ挿入孔11の四側内面に各々内方に突出させて配したプラグ保持バネ13a、13b、13c、13dと、該プラグ挿入孔11の最奥部である底面15に配列した3個の端子14、14、14とで構成したものである。
【0029】
前記ソケット1のソケット本体12は、この実施の形態では、図5(a)〜(c)に示すように、直方体状であり、絶縁性のプラスチックを用いて成形したものである。また前記プラグ挿入孔11は、先に述べ、図5(b)及び図6(a)、(b)に示すように、正面視で、横長長方形の空間に構成してあり、その最奥部に位置する底面15は、該プラグ挿入孔11の深さ方向に直交する面となっている。該底面15は、云うまでもなく、正面視で、該プラグ挿入孔11の形状に対応する横長長方形となっており、その幅方向中央には、該底面15の長さ方向に沿って長い端子座16が突設してある。この端子座16は、特に図6(a)、(b)に示すように、その先端面が該底面15の長さ方向に長い長方形をなしており、かつその一方の長辺から他方の長辺に向かって底面側に下降する傾斜面に構成してある。
【0030】
前記3個の端子14、14、14は、図5(b)及び図6(a)、(b)に示すように、前記底面15に突設してある端子座16を利用して、該底面15の幅方向中央に、該底面15の長辺方向に沿って配列したものである。中央の端子14を底面15の中央に、その両側の端子14、14を該中央の端子14の中心を通る縦線であって、底面15の長辺方向に直交する線を対称中心線とする対称の関係となる位置に配置する。
【0031】
各々の端子14は、図6(a)に示すように、帯状の導電性金属片141をその先端部付近で、該端子座16の傾斜角度に合致するように、その長さ方向に傾斜を付けた折曲線に沿って折曲し、その先端側の小片部をそれとして利用すべく構成したものである。該導電性金属片141の小片部である端子14は、その裏面側を該端子座16の上面の高さ位置及び傾斜角度に合致させ、かつ図5(b)に示すように、前記底面15に形成したスリット151に該帯状の導電性金属片141の両側縁部を挿入し、かつ該端子14、14、14の周縁部を端子座16上に載せることで位置決めしている。端子座16は、各々の端子14、14、14の下方に当たる部位がソケット本体12の裏面側まで切り欠かかれた空洞部161になっている。なお、個々の端子14の導電性金属片141の下端部はソケット本体12の裏面側に突出し、ケーブル類に接続できるようになっている。
【0032】
前記プラグ挿入孔11の四側内面は、図5(b)及び図6(a)、(b)に示すように、それぞれ前記プラグ保持バネ13a、13b、13c、13dを突出させる開口部11a、11a、11b、11bを有し、該開口部11a、11a、11b、11bは、基本的に、ソケット本体12の裏面側に連通する連通孔11a1、11a1、11b1、11b1を有し、かつ開口部11a、11aには、その両側に上面及び裏面に開口する係止スリット11a2、11a2を有している。また開口部11b、11bには、その両側にソケット本体12の裏面側に開口する係止スリット11b2、11b2を有している。
【0033】
前記プラグ保持バネ13a、13b、13c、13dの各々は、先に述べ、図5(b)及び図6(a)、(b)に示すように、前記プラグ挿入孔11の四側内面に構成した前記開口部11a、11a、11b、11bを利用してこれらから内方に突出状態に構成してある。該プラグ保持バネ13a、13b、13c、13dの構成は、この実施の形態では、全て異なった構成となっているが、それらの各々に相互に同一の保持力を持たせるようにする観点からは全てが同一の構成であるのが好都合である。この実施の形態では、適用可能な種々の例の内の四種のプラグ保持バネ13a、13b、13c、13dを一度に示す都合上、便宜的に全て異なった構成のそれを示してある。なお、云うまでもなく、これら以外の構成も適用可能である。
【0034】
一の構成のプラグ保持バネ13aは、図6(a)に示すように、帯状の導電性弾性金属片13a2を適切に切り出し更に屈曲して構成したものである。同図に示すように、該導電性弾性金属片13a2をその先端部近傍で僅かに、即ち、同図中で逆「く」の字に屈曲し、更にその先端近傍で同一方向に折返し状態に屈曲してその屈曲外面を最外端とし、更にその先端側を内側に巻き込むように屈曲してその屈曲部をプラグ挿入孔11内方への突出部13a1とする。
【0035】
該プラグ保持バネ13aは、同図に示すように、突出部13a1がプラグ挿入孔11の内方に突出状態になるように、向きを定めて、それより下方側を対応するプラグ挿入孔11の側面の開口部11a及び連通孔11a1に挿入し、その両側に拡張している縁部を係止スリット11a2に挿入係止する(図5(b)参照)。こうして前記突出部13a1が、図6(a)に示すように、プラグ挿入孔11内に、概ねその深さ方向の中間部より若干下方の付近で、突出状態となるように、該プラグ保持バネ13aを該開口部11a及び連通孔11a1に位置決めする。なお、該プラグ保持バネ13aを構成する導電性弾性金属片13a2の下端は連通孔11a1を貫通し、ソケット本体12の裏面側に突出状態となる。
【0036】
二の構成のプラグ保持バネ13bは、図6(a)に示すように、二本の帯状の導電性弾性金属片13b2、13b3をそれぞれ適切に切り出し、かつ適切に屈曲して構成したものである。
【0037】
一つは主片Aであり、帯状の導電性弾性金属片13b2をほぼ中央でU字形に屈曲し、U字に立ち上がるその一方側の先端近傍をU字の外側に向くように屈曲し、更にその先端側途中を折返し状態に、即ち、U字の内側に戻るように屈曲し、その屈曲部外面をプラグ挿入孔11内方への突出部13b1とする。U字に立ち上がる他方側の片の中央部にU字形に切り込みを入れ、その切り込みの内側の舌片状部分13b4をU字の前記一方側の片に向けて屈曲するとともに、その先端下部を前記U字の一方側の片に圧接状態としたものである。
【0038】
もう一つは副片Bであり、直線状に延びた帯状の導電性弾性金属片13b3の途中の部位にU字形に切り込みを入れ、その内部の舌片状部分13b5を、その基部側で屈曲して外側に出し、このプラグ保持バネ13bのソケット本体12へのセット状態で、主片AにおけるU字状切り込みのU字の底部の部分13b6に係止させるようにしたものである。
【0039】
前記主片Aは、図6(a)に示すように、その突出部13b1がプラグ挿入孔11の内方に向くように、向きを定めて、かつその高さが、該プラグ挿入孔11の深さ方向の中間部より若干下方の付近で、突出状態となるように、位置決めしながら、該プラグ挿入孔11の側面の開口部11a及び連通孔11a1に挿入する。この挿入はそのU字形屈曲部側から行う。図6(a)に示すように、U字に立ち上がる内側の片は、この時、連通孔11a1のソケット本体12の中央側への拡張部X1に配置し、外側の片は、外側への拡張部X2の直前に配置する。副片Bは、同図に示すように、連通孔11a1の外側への拡張部X2であるスリット状の空間に挿入し、その舌片状部分13b5を主片AにおけるU字状切り込みのU字の底部の部分13b6に係止させる。なお、該プラグ保持バネ13bを構成する副片Bの導電性弾性金属片13b3の下端は連通孔11a1の裏面側開口から突出状態となる。
【0040】
三の構成のプラグ保持バネ13cは、図5(b)及び図6(b)に示すように、帯状の導電性弾性金属片13c2を適切に切り出し更に屈曲して構成したものである。同図に示すように、該導電性弾性金属片13c2をその先端部近傍で一方に屈曲し、その先端側で折返状態に屈曲し、その屈曲部外面をプラグ挿入孔11内への突出部13c1とし、更にその先端側を折返し状に屈曲して構成したものである。
【0041】
該プラグ保持バネ13cは、その上部側、即ち、突出部13c1を構成した側から、前記ソケット本体12の裏面側に開口する連通孔11b1の下端開口部より挿入する。そのまま押し上げ、図5(b)及び図6(b)に示すように、その突出部13c1が、該プラグ挿入孔11の深さ方向の中間部より若干下方の位置で、該プラグ挿入孔11の内側面の開口部11bからその内方に突出状態になるように位置決めする。このとき、プラグ保持バネ13cを構成する導電性弾性金属片13c2の両側に拡張している図示しない縁部が、該連通孔11b1の下方両側に構成してある係止スリット11b2に挿入係止状態となる。なお、該プラグ保持バネ13cを構成する導電性弾性金属片13c2の下端は連通孔11b1の下端側開口から突出状態となる。
【0042】
四の構成のプラグ保持バネ13dは、図5(b)及び図6(b)に示すように、帯状の導電性弾性金属片13d2を適切に切り出し更に屈曲して構成したものである。同図に示すように、該導電性弾性金属片13d2をその先端部近傍で僅かに、即ち、同図中で「ヘ」の字状に屈曲し、更にその先端近傍で同一方向に折返し状態に屈曲してその屈曲外面を最外端とし、更にその先端側を内側に巻き込むように屈曲してその屈曲部外面をプラグ挿入孔11内方への突出部13d1とする。
【0043】
該プラグ保持バネ13dは、その上部側、即ち、突出部13d1を構成した側から、前記ソケット本体12の裏面側に開口する連通孔11b1の下端開口部より挿入する。そのまま押し上げ、図5(b)及び図6(b)に示すように、その突出部13d1が、該プラグ挿入孔11の深さ方向の中間部より若干下方の位置で、該プラグ挿入孔11の内側面の開口部11bからその内方に突出状態になるように位置決めする。このとき、プラグ保持バネ13dを構成する導電性弾性金属片13d2の両側に拡張している図示しない縁部が、該連通孔11b1の下部両側に構成してある係止スリット11b2に挿入係止状態となる。
【0044】
前記プラグ2は、図3(a)、(b)、(c)及び図4(a)、(b)に示すように、正面視で横長の長方形であり、前記ソケット1のプラグ挿入孔11に挿入嵌合する絶縁性の嵌合部21と、該嵌合部21の先端に開口する中空部22と、該中空部22の底面に配列した3個の接片バネ23、23、23と、該嵌合部21を突出させた絶縁性のプラグ本体24とで構成したものである。
【0045】
以上の接片バネ23、23、23は、プラグ2の嵌合部21をソケット1のプラグ挿入孔11に挿入嵌合した際に、該ソケット1の端子14、14、14に確実に接触するように対応する位置関係に配置する。先ず中央の接片バネ23は、図3(c)に示すように、前記中空部22の底面の中央(嵌合部21の先端面の中央でもある)部に配置し、その両側の接片バネ23、23は、該底面の長辺方向の中央に該長辺方向に直交する仮装線を想定し、該仮装線を対称中心として、その両側に対称状態に配置する。当然、両側の接片バネ23、23の間隔は、前記両側の端子14、14間の間隔と一致させる。
【0046】
前記嵌合部21は、図4(a)、(b)に示すように、その四側外面に係止凹部211、211、212、212を有し、その先端の中空部22の底面に開口する3個のバネ設置空間213、213、213を備えている。
【0047】
この実施の形態では、正面視で短辺となる側の係止凹部211、211は、図4(b)に示すように、嵌合部21自体には、その側面に基部側から先端側に延びる直線状の溝状凹部215を形成し、これに凹部形成用バネ214を配して構成してある(嵌合部21自体に係止凹部を形成し、その外面に配される金属バネは、該係止凹部をカバーするのみの構成としても良い。この凹部形成用バネ214は、係止凹部211を形成する趣旨と、嵌合部21の該当部位をカバーする趣旨とを兼ねる)。該凹部形成用バネ214は、特に図4(b)に示すように、基本的に導電性の帯状弾性金属片で構成したものであり、該溝状凹部215に配した状態で、その先端側を該溝状凹部215から離れる方向に膨出すべく屈曲したものである。形成された膨出部2141の先端側の該溝状凹部215側に戻った部分は、該溝状凹部215の先端に形成した、該凹部形成用バネ214の板厚に相当する深さの凹部に係止したものである。該膨出部2141より下方側が係止用凹部211、211となる。
【0048】
正面視で長辺となる側の係止凹部212、212は、図3(b)及び図4(a)に示すように、前記嵌合部21それ自体の対応する部位を凹ませて形成したものである。この係止凹部212、212には、金属カバーを施してないが、この部位を強化する趣旨で金属カバーを配しても良いのは云うまでもない。
【0049】
前記嵌合部21の先端の中空部22は、正面視で横長長方形に形成した空間であるが、前記ソケット1のプラグ挿入孔11の底面15に突出状態に配した端子14、14、14を突入させうるサイズに構成したものである。
【0050】
前記バネ設置空間213、213、213は、図4(a)、(b)に示すように、そのように3個並んで構成されるものであり、各々は、直方体状の大空間である基部空間2131と、該基部空間2131に連続し、前記中空部22の底面に開口する、直方体状の小空間である開口空間2132とで構成されるものである。
【0051】
前記接片バネ23、23、23は、導電性の帯状弾性金属片で構成し、各々上記バネ設置空間213、213、213に設置されるものである。個々の接片バネ23は、詳細には、図4(a)に示すように、直線状の基部231と、その上端から90度に屈曲し、その先端で半円弧状に屈曲して折返してなるバネ性確保部232と、その先端で90度に起こすべく屈曲し、その上端で半円弧状に屈曲して折り返してなる接片部233と、折返し部の下端を外方に90度に屈曲してなる係止部234とで構成したものである。
【0052】
前記バネ性確保部232の長さは、前記基部空間の2131の幅にほぼ一致させ、前記接片部233の幅は、前記開口空間2132の幅より僅かに狭い程度のそれとする。
【0053】
前記プラグ本体24は、図4(a)、(b)に示すように、前記嵌合部21を、その基部側を抱えた状態で、その先端から突出させるものである。詳細には、同図に示すように、該嵌合部21に形成したバネ設置空間213、213、213の基部空間2131の中間部まで進入する3個のバネ抑え突片241、241、241を基部から前方に突出させ、両側基部に前記凹部形成用バネ214、214の途中を貫通させる貫通孔を開口するとともに、基部両側から該凹部形成用バネ214、214の途中の外面側を抑える抑え片242、242を前方に突出させた補助部材243を備えており、この補助部材243を前記嵌合部21の基部側に取り付けた状態で、取付空間244に、該嵌合部21の基部側を挿入嵌合させることで該嵌合部21をプラグ本体24から突出させた状態にする構成である。
【0054】
前記補助部材243は、以上のような構成であるから、前記接片バネ23、23、23を、嵌合部21のバネ設置空間213、213、213に、下方から挿入し、図4(a)、(b)に示すように、接片部233、233、233を該バネ設置空間213、213、213の開口空間2132、2132、2132に挿入配置し、係止部234を前記基部空間2131、2131、2131と該開口空間2132、2132、2132との段差部に係止させ、該接片バネ23、23、23のバネ性確保部232、232、232を基部空間2131、2131、2131に配置した状態で、該嵌合部21の基部に配する。
【0055】
該補助部材243は、先に述べ、図4(a)、(b)に示したように、該嵌合部21には、そのバネ抑え突片241、241、241が、基部空間2131の中間部まで進入状態になり、抑え片242、242が前記凹部形成用バネ214、214の外面側を抑えた状態になるように、該嵌合部21の基部に配する。なお、この時、前記接片バネ23、23、23は、前記のように、その係止部234が前記基部空間2131、2131、2131と該開口空間2132、2132、2132との段差部に係止する状態となり、接片部233、233、233が開口空間2132、2132、2132から僅かに突出し、バネ性確保部232、232、232が基部空間2131、2131、2131に適切に配置され、良好にバネ作用を発揮できる状態になる。
【0056】
前記プラグ本体24は、このように、嵌合部21の基部側に補助部材243を配した上で、先に述べ、図4(a)、(b)に示すように、その基部側を取付空間244に挿入嵌合させることで該嵌合部21をプラグ本体24から突出させた状態にするものである。
【0057】
以上のように、この実施の形態のコネクタ装置では、前記ソケット1に配した3個の端子14、14、14は、プラグ挿入孔11の軸方向に直交するその底面15に配列してあり、それ故、該ソケット1のプラグ挿入孔11は浅く構成することが可能であり、既述のように、実際にそのように浅く構成してある。またプラグ2も、前記ソケットの3個の端子14、14、14に接触して電気的に結合する接片バネ23、23、23を、上記の端子14、14、14との関係から、嵌合部21の軸方向に直交する、中空部22の底面に配列してあり、ソケット1のプラグ挿入孔11に対応させて同様にその嵌合深さが浅くなるように構成してある。
【0058】
また、前記プラグ2の嵌合部21は、前記ソケット1のプラグ挿入孔11に挿入した場合に、該プラグ挿入孔11に四側内面から各々突出するプラグ保持バネ13a、13b、13c、13dが、該嵌合部21の四側外面に各々形成した係止凹部211、211、212、212に係止することによって、プラグ挿入孔11中に保持されるようになっており、この保持力は、以上のプラグ保持バネ13a、13b、13c、13dのバネ荷重を適切に調整し、この実施の形態では、僅かな力で該プラグ2がその軸方向に引かれても簡単には該ソケット1のプラグ挿入孔11から抜けないが、このコネクタ装置をセットした携帯機器が引きずられる程、若しくは、このコネクタ装置自体に損傷を生じる程の力で引かれた場合には抜ける程度に設定した。
【0059】
従ってこの実施の形態のコネクタ装置によれば、携帯電話などの種々の携帯機器に組み込んで使用した場合に、何らかの事情で、該コネクタ装置のプラグ2に接続するケーブルを引いてしまったとしても、それが、組み込んだ携帯機器を引きずるほどの強い力でない場合には、容易にプラグ2の嵌合部21はソケット1のプラグ挿入孔11から抜けることはない。それが携帯機器を引きずるほどの強い力の場合には、その引く方向が、ソケット1のプラグ挿入孔11及びプラグ2の嵌合部21の軸方向、該軸方向に直交する方向、或いは該軸方向に対して斜め方向の何れであっても、該嵌合部21はプラグ挿入孔11から抜けて、該コネクタ装置自体及びこれを組み込んだ携帯機器の一方又は双方の損傷が生じるのを回避することができる。
【0060】
プラグ2が、プラグ挿入孔11及び嵌合部21の軸方向に引かれた場合で、それが、前記のように、携帯機器を引きずるほどの力である場合には、嵌合部21がプラグ挿入孔11から抜けるように、前記プラグ保持バネ13a、13b、13c、13dのバネ荷重を調整して置くことは困難であるとまでは云えない。しかし、プラグ2が、プラグ挿入孔11及び嵌合部21の軸方向と直交する方向に引かれた場合には、該プラグ挿入孔11と嵌合部21の嵌合長が長い場合には、該プラグ挿入孔11から嵌合部21が抜けるように構成することは極めて困難となる。プラグ2が、プラグ挿入孔11及び嵌合部21の軸方向に対して斜め方向であっても、軸方向に引くのに近い角度の場合を除いては、やはりかなり困難である。
【0061】
この実施の形態では、ソケット1の側の端子14、14、14及びプラグ2側の接片バネ23、23、23を、何れも、ソケット1のプラグ挿入孔11及びプラグ2の嵌合部21の軸方向に直交する向きに配列し、プラグ挿入孔11と嵌合部21との嵌合長を短く構成したため、それらの軸方向に直交する方向又は該軸方向に対して斜め方向にプラグ2が強く引かれるようなことになった場合であって、その力が、このコネクタ装置を組み込んだ携帯機器が引きずられる程であった場合には、該嵌合部21がプラグ挿入孔11から抜けることにより、該携帯機器を無用に引きずって、例えば、机から落として、該携帯機器に損傷を生じさせるとか、若しくはコネクタ装置自体に損傷を加えてしまうような問題を生じさせないようにしたものである。
【0062】
またこの実施の形態のコネクタ装置は、以上のように、ソケット1のプラグ挿入孔11とプラグ2の嵌合部21との嵌合長を短く構成し、そのように短くするために、前者の端子14、14、14及び後者の接片バネ23、23、23を嵌合方向に直交する方向に並べて構成したものであり、通常の構成では、プラグ挿入孔11に嵌合部21を挿入した場合に、後者が前者に最も深く嵌合した時点でのみ、該端子14、14、14に接片バネ23、23、23が接触することとなる、という具合で、相互の電気的接続の確実性に不安が生じがちである。
【0063】
これに対して、この実施の形態では、前記のように、端子14、14、14の先端面をを傾斜状に構成し、他方、接片バネ23、23、23を、前記のように、バネ性確保部232を構成し、ここで弾力性を充分発揮させるようにしたことにより、該接片バネ23、23、23の接片部233、233、233がそれらを配した嵌合部21のプラグ挿入孔11への挿入に伴って該端子14、14、14の傾斜面に沿って移動し、電気的接続の確実性を確保しているものである。即ち、端子14、14、14と接片バネ23、23、23との接触は、単なる嵌合部21の挿入方向に直交する面相互の接触ではなく、挿入方向の面相互の接触の成分を含むため、該嵌合部21が若干挿入方向に動いても、その接触による電気的接続が容易に失われてしまうようなことはない。
【0064】
またこの実施の形態では、ソケット1のプラグ挿入孔11の開口形状は横長の長方形とし、プラグ2の嵌合部21の外形形状も対応する横長の長方形としたものであり、更に相互に対応する位置関係で構成した3個の端子14、14、14及び接片バネ23、23、23は、各々の中央部のそれをプラグ挿入孔11の長方形の底面15の中央又は嵌合部21の中空部22の長方形の底面の中央に配置し、両側の端子14、14又は接片バネ23、23を、前者の長方形の底面15又は後者の長方形の底面に、それぞれの長方形の長さ方向中央にその長さ方向に直交する向きに引いた仮装線を対称中心として対称の位置関係になるように配置したものであるため、対称の位置関係にある端子14、14を同一の極性、例えば、「−」にし、中央の端子14を「+」に設置し、接片バネ23、23、23も同様に設定すれば、プラグ2をソケット1に接続する際に、前者の嵌合部21の上下はなくなり、接続可能な何れの向きで該嵌合部21をプラグ挿入孔11に挿入しても正しい端子14、14、14と接片バネ23、23、23との接続ができることになる。
【0065】
この実施の形態では、コネクタ装置をDCコネクタとして構成したため、以上のような極性の設定の仕方になるが、オーディオ信号やビデオ信号その他の電気信号類の接続用であればそれに見合った設定となる。また信号の数が多い場合は、横方向に配列する端子14の数を増加させ、対応する接片バネ23の数も対応する数に増加させればよい。なお、この実施の形態では、端子14の数及び接片バネ23の数が奇数である例を示したが、偶数でも対称に配列すれば同様に用いることができることは云うまでもない。
【0066】
またこの実施の形態では、前記嵌合部21の四側外面に係止凹部211、211、212、212を構成し、その一方の係止凹部211、211には、それぞれ凹部形成用バネ214を配した構成としてある。該係止凹部211、211は、これにより、絶縁性のプラスチックで成形された嵌合部21の該当部位を適切に補強し、該嵌合部21のプラグ挿入孔11への抜き差しの際にその部位に損傷を生じる虞を回避することができる。他方の係止凹部212、212も凹部形成用バネ214のような金属カバーをその上に配するものとすれば、その強化が図れ、一層好都合である。また該係止凹部211を構成する凹部形成用バネ214,214及びこれに類する前記金属カバーは、アースを取るための手段を兼ねることも可能である。
【0067】
以上のように、この実施の形態のコネクタ装置は優れた作用効果を有するが、コネクタとしての一般的な作用及び効果の面でも、当然、一般のそれと同等以上の性能を有するものである。
【符号の説明】
【0068】
1 ソケット
11 プラグ挿入孔
11a、11b プラグ挿入孔の四側内面の開口部
11a1、11b1 連通孔
11a2 プラグ挿入孔の底面に開口する係止スリット
11b2 ソケット本体の裏面側に開口する係止スリット
12 ソケット本体
13a、13b、13c、13d プラグ保持バネ
13a1 突出部
13a2 導電性弾性金属片
13b1 突出部
13b2、13b3 導電性弾性金属片
13b4 舌片状部分
13b5 舌片状部分
13b6 U字の底部の部分
13c1 突出部
13c2 導電性弾性金属片
13d1 突出部
13d2 導電性弾性金属片
14 端子
141 導電性金属片
15 プラグ挿入孔の底面
151 スリット
16 端子座
161 端子座内の空洞部
2 プラグ
21 嵌合部
211、212 係止凹部
213 バネ設置空間
2131 基部空間
2132 開口空間
214 凹部形成用バネ
2141 膨出部
215 溝状凹部
22 嵌合部の中空部
23 接片バネ
231 接片バネの基部
232 接片バネのバネ性確保部
233 接片バネの接片部
234 接片バネの係止部
24 プラグ本体
241 補助部材のバネ抑え突片
242 補助部材の抑え片
243 補助部材
244 プラグ本体の取付空間
A 主片
B 副片
X1 中央側への拡張部
X2 外側への拡張部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面視で横長長方形のプラグ挿入孔を正面に開口した絶縁性のソケット本体と、
該プラグ挿入孔の四側内面に各々内側に突出させて配したプラグ保持バネと、
該プラグ挿入孔の最奥部に該プラグ挿入孔の深さ方向に直交する向きに配列した複数の端子と、
で構成したソケット、
及び
正面に開口する中空部を有する正面視で横長長方形の嵌合部であって、前記ソケット本体のプラグ挿入孔に挿入可能な絶縁性の嵌合部と、
該嵌合部を先端に突出させた絶縁性のプラグ本体と、
該嵌合部の四側外面に各々形成した係止凹部であって、前記ソケット本体のプラグ挿入孔に該嵌合部を挿入した際に、前記プラグ保持バネが係止する係止凹部と、
該嵌合部の中空部の最奥部に、前記ソケット本体のプラグ挿入孔に該嵌合部を挿入した際に、前記端子の各々に接触すべく配列した接片バネと、
で構成したプラグ
からなるコネクタ装置。
【請求項2】
前記端子の、対応する嵌合部の接片バネとの接触面を、前記嵌合部の、前記ソケット本体のプラグ挿入孔への挿入方向に直交する方向に対して傾斜させた構成とした請求項1のコネクタ装置。
【請求項3】
前記複数の端子を、前記プラグ挿入孔の最奥部の中心を通る、長辺に直交する線を対称中心線として、左右対称状態に配列し、前記嵌合部の接片バネを嵌合部の中空部の最奥部に、該嵌合部の前記プラグ挿入孔への嵌合状態で、該複数の端子の各々に接触すべく配したものである請求項1又は2のコネクタ装置。
【請求項4】
前記嵌合部の四側外面に形成した係止凹部にアース端子を兼用をする補強用金属カバーを配したものである請求項1、2又は3のコネクタ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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