説明

コネクタ部材

【課題】良好な高周波特性を有するコネクタ部材を提供すること。
【解決手段】 隣接する第2信号接触部135を有する2つの信号コンタクト130は、1つのコンタクト対140を構成している。コネクタ部材の後端側から見た場合に、偶数番目のコンタクト対140の第2信号接触部135は、第1列142に属し、奇数番目のコンタクト対140の第2信号接触部135は、第2列144に属している。偶数番目のコンタクト対140の第2信号接触部135と奇数番目のコンタクト対140の第2信号接触部135との間には、グランド部材150の干渉防止部151が設けられており、それにより、偶数番目のコンタクト対140と奇数番目のコンタクト対140との干渉が防止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のコンタクト(ピン)を有するコネクタ部材に関し、特に、入力ピン配置と出力ピン配置に関して当該コネクタ部材内部においてピッチ変換及び配列変換をしてなるコネクタ部材に関する。
【背景技術】
【0002】
上述したようなコネクタ部材としては、例えば、特許文献1や特許文献2に開示されているものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−120345号公報
【特許文献2】特開2007−080782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述した従来のコネクタ部材と比較して、更に良好な高周波特性を有するコネクタ部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、第1のコネクタ部材として、2つの信号コンタクトからなるコンタクト対を複数対備えると共にグランド部材を備えるコネクタ部材であって、
当該コネクタ部材の後端側から見た場合に、横方向において奇数番目となるコンタクト対の後端と前記横方向において偶数番目となるコンタクト対の後端とが前記横方向と直交する高さ方向において互いに離れて位置するように、前記コンタクト対は配置されており、
前記グランド部材は、少なくとも干渉防止部を備えており、
前記干渉防止部は、当該コネクタ部材の後端側から見た場合に、前記奇数番目となるコンタクト対の後端と前記偶数番目となるコンタクト対の後端との間のすべてに位置している
コネクタ部材が得られる。
【0006】
本発明によれば、第2のコネクタ部材として、第1のコネクタ部材において、
各信号コンタクトは、中間部と、該中間部から前方に延びる第1信号接触部と、前記中間部から後方に延びる第2信号接触部とを備えており、
前記第1信号接触部は、前記横方向に一列に並べられており、
前記第2信号接触部は、第1列及び第2列にグループ化されており、
前記第1列と前記第2列とは、前記高さ方向において間を開けるように、且つ、前記第1信号接触部の列と前記高さ方向において異なる位置に位置するように、設けられている
コネクタ部材が得られる。
【0007】
本発明によれば、第3のコネクタ部材として、第2のコネクタ部材において、
前記グランド部材は、前記干渉防止部から前方に延びる第1グランド接触部と、前記干渉防止部から後方に延びる第2グランド接触部とを更に備えており、
前記第1グランド接触部は、前記横方向において、前記奇数番目のコンタクト対の前記第1信号接触部と前記偶数番目のコンタクト対の前記第1信号接触部との間に位置しており、
前記第2グランド接触部は、前記奇数番目のコンタクト対のうちの一の前記コンタクト対の前記第2信号接触部と前記一のコンタクト対に最も近い前記奇数番目のコンタクト対の前記第2信号接触部との間、及び、前記偶数番目のコンタクト対のうちの一の前記コンタクト対の前記第2信号接触部と前記一のコンタクト対に最も近い前記偶数番目のコンタクト対の前記第2信号接触部との間に位置している
コネクタ部材が得られる。
【0008】
本発明によれば、第4のコネクタ部材として、第2又は第3のコネクタ部材において、
前記中間部は、前後方向に沿って見た場合、略クランク形状を有している
コネクタ部材が得られる。
【0009】
本発明によれば、第5のコネクタ部材として、第1乃至第4のコネクタ部材のいずれかにおいて、
前記コンタクト対を構成する前記2つの信号コンタクトは、前記横方向において当該2つの信号コンタクト間に位置し且つ前記横方向と直交する面を特定の面であると仮定した場合、当該特定の面に対して鏡像関係にあるように配置されている
コネクタ部材が得られる。
【0010】
本発明によれば、第6のコネクタ部材として、第5のコネクタ部材において、
前記横方向において隣り合う2対の前記コンタクト対は、前記前方に延びる仮想的な軸を回転対象軸とした場合において前記2対のコンタクト対のうちの一方のコンタクト対を前記回転対象軸のまわりに180度回転させた際に他方のコンタクト対に一致するように、配置されている
コネクタ部材が得られる。
【0011】
本発明によれば、第7のコネクタ部材として、第1乃至第6のコネクタ部材のいずれかにおいて、
前記奇数番目となるコンタクト対の後端と前記偶数番目となるコンタクト対の後端との間のすべてに位置している前記干渉防止部は、互いに一体形成されている
コネクタ部材が得られる。
【0012】
本発明によれば、第8のコネクタ部材として、第1乃至第6のコネクタ部材のいずれかにおいて、
前記干渉防止部は、前記奇数番目となるコンタクト対の後端と前記偶数番目となるコンタクト対の後端との間ごとに、設けられている
コネクタ部材が得られる。
【0013】
本発明によれば、第9のコネクタ部材として、2つの信号コンタクトからなるコンタクト対を複数対備えると共にグランド部材を備えるコネクタ部材であって、
前記コネクタ部材の後端側から見た場合に、横方向において奇数番目となるコンタクト対の後端と前記横方向において偶数番目となるコンタクト対の後端とが前記横方向と直交する高さ方向において互いに離れて位置するように、前記コンタクト対は配置されており、
前記グランド部材は、少なくとも干渉防止部を備えており、
前記コネクタ部材の後端側から見た場合に、前記干渉防止部は、前記奇数番目となるコンタクト対の後端と前記偶数番目となるコンタクト対の後端との間ごとに設けられており、且つ、略クランク形状を有する前記干渉防止部と略J字形状を有する前記干渉防止部とから構成されている
コネクタ部材が得られる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、コネクタ部材の後端側から見た場合に、奇数番目のコンタクト対の後端と偶数番目のコンタクト対の後端との間にグランド部材の有する干渉防止部が設けられていることから、両コンタクト対間の信号干渉を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態によるプラグコネクタ及びレセプタクルコネクタからなるコネクタ組立体を上面側から見た斜視図である。ここで、図示されたプラグコネクタとレセプタクルコネクタは非嵌合状態にある。
【図2】図1のコネクタ組立体を底面側から見た斜視図である。
【図3】図1のプラグコネクタを底面側から見た斜視図である。ここで、プラグコネクタを構成する前側コネクタ部材と後側コネクタ部材とは、分離されている。
【図4】図3の前側コネクタ部材を上面側から見た斜視図である。
【図5】図4の前側コネクタ部材を示す背面図である。
【図6】図4の前側コネクタ部材を底面側から見た分解斜視図である。
【図7】図6の前側コネクタ部材に含まれるハウジングの一部を背面側から見た斜視図である。
【図8】図6の前側コネクタ部材に含まれる信号コンタクト及びグランド部材を示す斜視図である。
【図9】図8の信号コンタクト及びグランド部材を分離して示す斜視図である。
【図10】図8の信号コンタクト及びグランド部材を示す背面図である。
【図11】図3の後側コネクタ部材を上面側から見た斜視図である。
【図12】変形例によるグランド部材と信号コンタクトを分離して示す斜視図である。
【図13】図12のグランド部材と信号コンタクトを示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1及び図2に示されるように、本発明の実施の形態によるコネクタ組立体1は、プラグコネクタ2とレセプタクルコネクタ3とからなる。プラグコネクタ2には、ケーブル4が接続されており、レセプタクルコネクタ3は基板5に搭載されている。プラグコネクタ2とレセプタクルコネクタ3とは、X方向(前後方向)において互いに嵌合・脱離可能となるように構成されている。
【0017】
図3に示されるように、本実施の形態によるプラグコネクタ2は、前側コネクタ部材(本実施の形態における「コネクタ部材」)10と後側コネクタ部材20との2つの部材からなる。ここで、後側コネクタ部材20は、ケーブル4の先端を収容するものであり、前側コネクタ部材10は、レセプタクルコネクタ3に嵌合されるものである。
【0018】
図4乃至図6に示されるように、前側コネクタ部材10は、ハウジング110と、ハウジング110に保持された信号コンタクト130及びグランド部材150と、プラグコネクタ2とレセプタクルコネクタ3の嵌合状態をロックするためのロック部材170と、ハウジング110の底面を覆うシェル190とを備えている。ここで、本実施の形態における信号コンタクト130、グランド部材150、ロック部材170及びシェル190は、いずれも金属製であるが、本発明はそれに制限されない。例えば、ロック部材170は、同種の機能(後述)を有するものであれば本実施の形態によるものと異なる形状であっても良く、樹脂等のインシュレータで構成されていても良い。
【0019】
図6に示されるように、ハウジング110は、Y方向(横方向)に延びる主部111と、主部111のY方向両端からX方向に沿って延びる側部112とを備えている。主部111と側部112とは、Z方向(高さ方向)に沿って見た場合に、略コの字形状を構成している。
【0020】
図6及び図7を参照すると、主部111は、略板状の前部113と、XZ平面において略コの字状の断面を有する後部114とを備えている。図7に示されるように、前部113の上面上には、X方向に沿って延びるコンタクト保持部115が形成されている。本実施の形態において、コンタクト保持部115は、凸状の断面を有する溝である。後部114は、Y方向に延びる上部116と、Z方向において上部116と対向する下部117と、上部116と下部117とをそれらの前端で接続する前壁部118とを備えており、これら上部116、下部117及び前壁部118によって、後部114内には、スペースが規定されている。本実施の形態において、前壁部118はYZ平面に平行に延びており、コンタクト保持部115は、この前壁部118をX方向において貫通している。上部116と下部117の互いに対向する面上には、コンタクト保持部120及び121が形成されている。ここでコンタクト保持部120及び121は、凸状の断面を有する溝である。また、Z方向において、コンタクト保持部115は、コンタクト保持部120とコンタクト保持部121との間に位置している。更に、下部117と上部116には、グランド部材150の位置決め・固定用の凹部122と固定孔123とがそれぞれ形成されている。図6及び図7から理解されるように、本実施の形態において、凹部122と固定孔123とは、後部114のY方向両端部とY方向中央部の3カ所にそれぞれに形成されている。
【0021】
図6及び図7を参照すると、側部112には、それぞれロック部材170を収容するための収容部124が形成されている。また、側部112の前端には、レセプタクルコネクタ3にプラグコネクタ2を嵌合する際(例えば、図2参照)にガイドとなるガイドポスト125が形成されている。更に、ハウジング110の下面には、複数の圧入孔126が設けられている。この圧入孔126は、シェル190をハウジング110の下面に取り付ける際に利用される。
【0022】
図6、図8〜図10を参照すると、信号コンタクト130は、中間部131と、中間部131から前方に向かって(即ち、X方向において前側コネクタ部材10の前端部10aに向かって:例えば、図3参照)延びる第1信号接触部133と、中間部131から後方に向かって(即ち、X方向において前側コネクタ部材10の後端部10bに向かって:例えば、図3参照)延びる第2信号接触部135とを備えている。即ち、第1信号接触部133は信号コンタクト130の前端を構成し、第2信号接触部135は信号コンタクト130の後端を構成している。図9に最も良く示されるように、本実施の形態における中間部131は、主としてYZ平面に平行となるように設けられており、X方向に沿って見た場合に、略クランク形状を有している。第1信号接触部133は、コンタクト保持部115に保持される部位であり、第2信号接触部135は、コンタクト保持部120又はコンタクト保持部121に保持される部位である。
【0023】
本実施の形態によるグランド部材150は、Y方向に延びる干渉防止部151と、干渉防止部151から前方に向かって延びる複数の第1グランド接触部153と、干渉防止部151から後方に向かって延びる複数の第2グランド接触部155と、U字状のシェル接続部157と、干渉防止部151の上端から前方に延びる被固定部159とを備えている。詳しくは、シェル接続部157は、干渉防止部151の下端から後方へ延びた後、前方に向かうように折り返されてなるものである。従って、シェル接続部157の端部は前方を向いている。
【0024】
図8及び図9に最も良く示されているように、第1信号接触部133及び第1グランド接触部153は、Y方向に一列に並べられている。より具体的には、2つの信号コンタクト130をコンタクト対140とした場合に、直近の2つのコンタクト対140(奇数番目のコンタクト対140と偶数番目のコンタクト対140:図10参照)の第1信号接触部133の間に第1グランド接触部153が配置されている。即ち、第1グランド接触部153、第1信号接触部133、第1信号接触部133、第1グランド接触部153、第1信号接触部133、第1信号接触部133、第1グランド接触部153、・・・といったように配置されている(図8参照)。
【0025】
一方、図10に示されているように、第2信号接触部135及び第2グランド接触部155は、第1列142と第2列144の2列に分けられている。第1列142を構成する第2信号接触部135及び第2グランド接触部155と第2列144を構成する第2信号接触部135及び第2グランド接触部155とは、Z方向において互いに間を開けるように配置されている。また、図8及び図10から理解されるように、第1信号接触部133及び第1グランド接触部153で構成される接触部列は、Z方向において、第1列142と第2列144の間に位置している。即ち、第1列142と第2列144の双方とも、第1信号接触部133及び第1グランド接触部153で構成される接触部列とはZ方向において異なる位置に位置している。
【0026】
更に詳しくは、図8及び図10から理解されるように、本実施の形態においては、偶数番目のコンタクト対140(140)の第2信号接触部135は第1列142に属し、奇数番目のコンタクト対140(140)の第2信号接触部135は第2列144に属しており、各第2グランド接触部155は、第1列142及び第2列144の各列において、最も近い2つのコンタクト対140の間に介在している。即ち、第1列142においては、第2グランド接触部155、偶数番目のコンタクト対140に属する2つの第2信号接触部135、第2グランド接触部155、偶数番目のコンタクト対140に属する2つの第2信号接触部135、・・・の順番に配列されており、同様に、第2列144においては、奇数番目のコンタクト対140に属する2つの第2信号接触部135、第2グランド接触部155、奇数番目のコンタクト対140に属する2つの第2信号接触部135、第2グランド接触部155、・・・の順番に配列されている。
【0027】
個々のコンタクト対140に着目すると、各コンタクト対140を構成する2つの信号コンタクト130は、Y方向において当該2つの信号コンタクト130間に位置する面であってXZ平面と平行な面(Y方向と直交する面)を特定の面であると仮定した場合、当該特定の面に対して鏡像関係にあるように配置されている。加えて、上述したように各コンタクト130の中間部131は、X方向に沿って見た場合、略クランク形状を有している。従って、各コンタクト対140を構成する2つの信号コンタクト130において、第2信号接触部135間の距離は第1信号接触部133間の距離よりも大きくなっている。即ち、信号コンタクト130の前側と後側では、ピッチ変換がされている。
【0028】
また、Y方向において隣り合う2対のコンタクト対140(即ち、Y方向において最も近い奇数番目のコンタクト対140と偶数番目のコンタクト対140)に着目すると、これら2つのコンタクト対140は、X方向に沿って延びる仮想的な軸を回転対象軸とした場合において、一方のコンタクト対140(例えば、奇数番目のコンタクト対140)を回転対象軸のまわりに180度回転させた際に他方のコンタクト対140(例えば、偶数番目のコンタクト対140)に一致するように、配置されている。これにより、第1信号接触部133は一列に並べられているのに対して、第2信号接触部135は二列に並べられている。即ち、信号コンタクト130の前側と後側では、配列変換がされている。
【0029】
信号コンタクト130及びグランド部材150は、上記の配列条件を満たすようにして、ハウジング110に組み込まれる。詳しくは、まず、ハウジング110の後方から、第1信号接触部133をコンタクト保持部115に圧入し、且つ、上述した要件を満たすようにして第2信号接触部135をコンタクト保持部120又はコンタクト保持部121に圧入する。この際、一つのコンタクト対140の第1信号接触部133と、それと隣り合うコンタクト対140の第1信号接触部133との間には、第1信号接触部133の挿入されていないコンタクト保持部115が残るようにする。次いで、第1信号接触部133の挿入されていないコンタクト保持部115に対して第1グランド接触部153を圧入し、且つ、第2グランド接触部155をコンタクト保持部120又はコンタクト保持部121に圧入する。この際、被固定部159がハウジング110の固定孔123に圧入されると共に、シェル接続部157が凹部122に嵌め合わされる。
【0030】
図5及び図10から理解されるように、ハウジング110に対して信号コンタクト130及びグランド部材150を組み込んだ状態において、前側コネクタ部材10の後端側から見た場合に、グランド部材150の中間部に設けられた干渉防止部151は、奇数番目となるコンタクト対140の第2信号接触部135と、これと隣り合う偶数番目となるコンタクト対140の第2信号接触部135との間のすべてに位置している。このように、干渉防止部151が介在していることから、隣り合うコンタクト対140の第2信号接触部135間の相互干渉が防止されている。
【0031】
図6に示されるように、ロック部材170は、鈎状のロック部172と、ロック部172の移動に用いられる操作部174とを備えている。ロック部材170は、ロック部172をY方向外側に向かってガイドポスト125から突出させるように、且つ、操作部174をY方向内側に向かうように押圧された際に当該押圧操作によってロック部172がガイドポスト125内に引っ込むように、ハウジング110の収容部124に収容されている。
【0032】
図3及び図6から理解されるように、シェル190は、XY平面に平行な主部192を備えている。この主部192には、Y方向に長手を有する窓部193が形成されている。窓部193は、前側コネクタ部材10と後側コネクタ部材20との接続状態を確認するためのものであり、シェル190がハウジング110に取り付けられた際に主部111の後端(縁:エッジ)が窓部193を通して見えるように設けられている。更に、シェル190は、レセプタクルコネクタ3のシェル(図示せず)と接続される接続部194と、主部192と接続部194とを連結する連結部196とを備えている。接続部194は、概略Y方向に長細く延びる板状の部位である。主部192や接続部194には、複数の被圧入部197が形成されており、それらがハウジング110の圧入孔126に圧入されることにより、シェル190がハウジング110に取り付けられる。シェル190がハウジング110に取り付けられた状態において、主部192は、ハウジング110の側部112と後部114の下面を覆うと共に側部112の下部間を覆っており、一方、接続部194は、ハウジング110の前部113の下面上に位置している。なお、このシェル190のハウジング110への取り付けにより、グランド部材150のシェル接続部157とシェル190との接続も図られる。
【0033】
図6に示されるように、本実施の形態におけるシェル190の主部192には、後側コネクタ部材20を前側コネクタ部材10に嵌合した状態で固定するための被圧入部198が更に設けられている。
【0034】
図3及び図11に示されるように、本実施の形態による後側コネクタ部材20は、ハウジング210と、ハウジング210に保持されるケーブルコンタクト220とを備えている。
【0035】
図11に示されるように、ハウジング210には、ケーブルコンタクト220を保持するための保持孔212と、前側コネクタ部材10のシェル190の被圧入部198が圧入される圧入孔214とが形成されている。保持孔212は、X方向において、前端210aから後端210bまで貫通する孔であり、ケーブルコンタクト220の前端部をハウジング210の前端210aから突出させないように、ケーブルコンタクト220を保持している。
【0036】
図11に示されるように、ケーブルコンタクト220には、ケーブル4が接続・保持されている。また、ケーブルコンタクト220の前端部は、ハウジング210に保持された状態で、ハウジング210の前端210aから信号コンタクト130の第2信号接触部135を受入可能な形状を有している。
【0037】
本実施の形態においては、プラグコネクタ2を前側コネクタ部材10と後側コネクタ部材20とに分けたことから、前側コネクタ部材10において信号コンタクト130のピッチ変換及び配列変換を行うことができ、且つ、後側コネクタ部材20を介して前側コネクタ部材10の信号コンタクト130とケーブル4との接続を容易に行うことができる。
【0038】
以上、実施の形態を掲げて具体的に説明してきたが、本発明はこれに制限されるものではない。例えば、上述した実施の形態において、グランド部材150は一つの部材からなるものであったが、本発明はこれに限定されず、グランド部材として複数の部材を備えていても良い。
【0039】
図12及び図13には、複数のグランド部材150a,150bと複数の信号コンタクト130との組み合わせが示されている。グランド部材150aは、略クランク形状の干渉防止部151aと、干渉防止部151aから前方に延びる第1グランド接触部153aと、干渉防止部151aから後方に延びる第2グランド接触部155aとを備えている。また、グランド部材150bは、略J字形状の干渉防止部151bと、干渉防止部151bから前方に延びる第1グランド接触部153bと、干渉防止部151bから後方に延び得る第2グランド接触部155bとを備えている。グランド部材150aとグランド部材150bとは、Y方向において概略交互に並んでいる。このようなグランド部材150a,150bの形状及び配置により、信号コンタクト130の第1信号接触部133とグランド部材150a,150bの第1グランド接触部153a,153bとは一列に並んでいる一方で、信号コンタクト130の第2信号接触部135とグランド部材150a,150bの第2グランド接触部155a,155bとは第1列146及び第2列148の二列にグループ化されている(特に、図13を参照)。
【0040】
かかる変形例においても、図13から明らかなように、前側コネクタ部材10の後端側から見た場合、干渉防止部151a及び干渉防止部151bは、奇数番目となるコンタクト対140の第2信号接触部135と、これと隣り合う偶数番目となるコンタクト対140の第2信号接触部135との間のすべてに位置している。このように、干渉防止部151a及び干渉防止部151bが介在していることから、隣り合うコンタクト対140の第2信号接触部135間の相互干渉が防止されている。
【符号の説明】
【0041】
1 コネクタ組立体
2 プラグコネクタ
3 レセプタクルコネクタ
4 ケーブル
5 基板
10 前側コネクタ部材(コネクタ部材)
20 後側コネクタ部材
110 ハウジング
111 主部
112 側部
113 前部
114 後部
115 コンタクト保持部
116 上部
117 下部
118 前壁部
119 スペース
120 コンタクト保持部
121 コンタクト保持部
122 凹部
123 固定孔
124 収容部
125 ガイドポスト
126 圧入孔
130 信号コンタクト
131 中間部
133 第1信号接触部
135 第2信号接触部
140 コンタクト対
142,146 第1列
144,148 第2列
150,150a,150b グランド部材
151,151a,151b 干渉防止部
153,153a,153b 第1グランド接触部
155,155a,155b 第2グランド接触部
157 シェル接続部
159 被固定部
170 ロック部材
172 ロック部
174 操作部
190 シェル
192 主部
193 窓部
194 接続部
196 連結部
197 被圧入部
198 被圧入部
210 ハウジング
210a 前端
210b 後端
212 保持孔
214 圧入孔
220 ケーブルコンタクト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの信号コンタクトからなるコンタクト対を複数対備えると共にグランド部材を備えるコネクタ部材であって、
前記コネクタ部材の後端側から見た場合に、横方向において奇数番目となるコンタクト対の後端と前記横方向において偶数番目となるコンタクト対の後端とが前記横方向と直交する高さ方向において互いに離れて位置するように、前記コンタクト対は配置されており、
前記グランド部材は、少なくとも干渉防止部を備えており、
前記コネクタ部材の後端側から見た場合に、前記干渉防止部は、前記奇数番目となるコンタクト対の後端と前記偶数番目となるコンタクト対の後端との間ごとに設けられており、且つ、略クランク形状を有する前記干渉防止部と略J字形状を有する前記干渉防止部とから構成されている
コネクタ部材。
【請求項2】
請求項1記載のコネクタ部材において、
各信号コンタクトは、中間部と、前記中間部から前方に延びる第1信号接触部と、前記中間部から後方に延びる第2信号接触部とを備えており、
前記第1信号接触部は、前記横方向に一列に並べられており、
前記第2信号接触部は、第1列及び第2列にグループ化されており、
前記第1列と前記第2列とは、前記高さ方向において間を開けるように、且つ、前記第1信号接触部の列と前記高さ方向において異なる位置に位置するように、設けられている
コネクタ部材。
【請求項3】
請求項2記載のコネクタ部材において、
前記グランド部材は、前記干渉防止部から前方に延びる第1グランド接触部と、前記干渉防止部から後方に延びる第2グランド接触部とを更に備えており、
前記第1グランド接触部は、前記横方向において、前記奇数番目のコンタクト対の前記第1信号接触部と前記偶数番目のコンタクト対の前記第1信号接触部との間に位置しており、
前記第2グランド接触部は、前記奇数番目のコンタクト対のうちの一の前記コンタクト対の前記第2信号接触部と前記一のコンタクト対に最も近い前記奇数番目のコンタクト対の前記第2信号接触部との間、及び、前記偶数番目のコンタクト対のうちの一の前記コンタクト対の前記第2信号接触部と前記一のコンタクト対に最も近い前記偶数番目のコンタクト対の前記第2信号接触部との間に位置している
コネクタ部材。
【請求項4】
請求項2又は請求項3記載のコネクタ部材において、
前記中間部は、前後方向に沿って見た場合、略クランク形状を有している
コネクタ部材。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のコネクタ部材において、
前記コンタクト対を構成する前記2つの信号コンタクトは、前記横方向において前記2つの信号コンタクト間に位置し且つ前記横方向と直交する面を特定の面であると仮定した場合、前記特定の面に対して鏡像関係にあるように配置されている
コネクタ部材。
【請求項6】
請求項5記載のコネクタ部材において、
前記横方向において隣り合う2対の前記コンタクト対は、前記前方に延びる仮想的な軸を回転対象軸とした場合において前記2対のコンタクト対のうちの一方のコンタクト対を前記回転対象軸のまわりに180度回転させた際に他方のコンタクト対に一致するように、配置されている
コネクタ部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−134729(P2011−134729A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−82456(P2011−82456)
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【分割の表示】特願2009−82825(P2009−82825)の分割
【原出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000231073)日本航空電子工業株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】