コネクタ
【課題】作業が煩雑となる半田付けを必要とせず、電気的接続に関して信頼性が高く、十分な小型化を図ることが可能であり、さらにガラス側に電気配線部材以外の要素を設けることが実質不要のコネクタを提供する。
【解決手段】コネクタ10は、ガラス50のエッジ部分52を挟持できるように、所定の間隔を空けて対向配置された上顎部12及び下顎部14と、上顎部12及び下顎部14を連結する連結部16とを有し、全体として側方視で略U字又はコの字形状を構成する。またコネクタ10は、第1部材14の内面に配置されガラス50の電極54に接触可能に構成された端子18と、端子18に電力供給するためのケーブル20とを有する。
【解決手段】コネクタ10は、ガラス50のエッジ部分52を挟持できるように、所定の間隔を空けて対向配置された上顎部12及び下顎部14と、上顎部12及び下顎部14を連結する連結部16とを有し、全体として側方視で略U字又はコの字形状を構成する。またコネクタ10は、第1部材14の内面に配置されガラス50の電極54に接触可能に構成された端子18と、端子18に電力供給するためのケーブル20とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガラス表面に形成された電極と導通接続するコネクタに関し、特には自動車のガラスの端部近傍の表面に印刷又は貼着された電極に導通接続するコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のリアガラスとして使用される加熱式窓ガラス等の給電可能なガラスには、その全面又は一部に電気配線部材がスクリーン印刷等により固着される。この電気配線部材に給電するためにはコネクタが必要である。例えば特許文献1には、自動車のガラスに形成された導体と電源とを接続するための構成が開示されている。この構成では、特許文献1の図1に示すように、突出端子片2とコネクタ6とは着脱自在であるが、取付ベース1は電極シート9に対して半田付けされる。
【0003】
一方特許文献2には、半田付けを不要とした熱戦コネクタの構造が開示されている。この構造では、特許文献2の図3及び図4に示すように、車体パネル22に取付けられたハウジング24a内に配置されたリターンスプリング24gによって接触球24hをウィンドウ10の熱戦接触部12に押し付けて、導通接続を図っている。
【0004】
また半田付けを不要とした他の例として、両面テープを使用したフィルムアンテナ用コネクタが特許文献3に開示されている。特許文献3の図3等に示すように、コンタクト11を保持したソケットハウジング12が両面テープ26によってフィルムアンテナ7に貼着される。コンタクト11は、ソケットハウジング12にプラグハウジング13を嵌合することによって、リード線4と導通したターミナル14に接続される。
【0005】
半田付けを不要としたさらなる他の例として、窓ガラスの端部を挟むU字状溝付本体を備えたコネクタが特許文献4に開示されている。特許文献4の図2及び図3等に示すように、2枚の板ガラス10と12との間に挟まれたラグ14と単一部材をなす雄コネクタ15が、U字状溝付本体19の基部内の雌コネクタ18に挿入されることにより、外力から保護された接続が可能である。
【0006】
【特許文献1】特開平9−293550号公報
【特許文献2】特開2002−343481号公報
【特許文献3】特開2004−82749号公報
【特許文献4】特開平6−295755号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の構成で使用されているような半田付けは、電気的及び機械強度的には高い信頼性を有するが、その作業は個々に手作業で行う必要があり、煩雑である。一方特許文献2では半田付けは不要であるが、電気的接続がリターンスプリングにより付勢された接触球に依存するので、自動車への適用においては振動等による悪影響が懸念される。
【0008】
特許文献3の構成では、コンタクトを保持したソケットハウジングを両面テープで貼着するため、電気的接続の信頼性は両面テープの接着強度に依存する。従ってある程度の接着面積は必要であり、全体として十分な小型化を図ることは難しい。
【0009】
特許文献4では、U字状溝付本体による電気的接続部の保護を主目的としているので、窓ガラスから突出するように設けられた雄コネクタが、U字状溝付本体内の雌コネクタ内に挿入される構成となっている。従って、雄コネクタやラグ等の電気配線部材以外の要素を、加工が必ずしも容易とは言えない窓ガラス側に設ける必要がある。
【0010】
そこで本発明は、作業が煩雑となる半田付けを必要とせず、電気的接続に関して信頼性が高く、十分な小型化を図ることが可能であり、さらにガラス側に電気配線部材以外の要素を設けることが実質不要のコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ガラスの表面に形成された電極と導通接続するコネクタであって、所定の間隔を空けて対向配置された上顎部及び下顎部と、前記上顎部と前記下顎部とを互いに連結する連結部と、前記上顎部及び前記下顎部の互いに対向する面の少なくとも一方に少なくとも部分的に延在するように設けられた端子と、を備えることを特徴とする、コネクタを提供する。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のコネクタにおいて、前記連結部は、前記上顎部及び前記下顎部が互いに対して不動となるように前記上顎部と前記下顎部とを連結する、コネクタを提供する。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のコネクタにおいて、前記連結部は、前記上顎部が前記下顎部に対して旋回可能となるように前記上顎部と前記下顎部とを連結する、コネクタを提供する。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のコネクタにおいて、前記上顎部及び前記下顎部の互いに対向する面の双方に端子を有する、コネクタを提供する。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のコネクタにおいて、前記上顎部及び前記下顎部の互いに対向する面の少なくとも一方に粘着剤層を有する、コネクタを提供する。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のコネクタにおいて、前記ガラスに対するコネクタ着脱方向以外の前記コネクタの移動を規制する移動規制手段をさらに有する、コネクタを提供する。
【0017】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載のコネクタにおいて、前記ガラスに対する前記コネクタの脱落を防止する脱落防止手段をさらに有する、コネクタを提供する。
【0018】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のコネクタにおいて、前記脱落防止手段は、前記コネクタの前記ガラスへの取付位置に対応するガラスホルダの部位に形成された、前記ガラスから張り出す前記コネクタの部分を受容する凹所を有し、該凹所のコネクタ着脱方向長さは、前記コネクタと前記ガラスとのコネクタ着脱方向への係合長さ以下に設定される、コネクタを提供する。
【0019】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載のコネクタにおいて、前記上顎部、前記下顎部及び前記連結部を囲繞して封止するシールカバーをさらに有する、コネクタを提供する。
【0020】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか1項に記載のコネクタにおいて、前記端子は、該端子に形成された少なくとも1つのスリットによって、互いに独立して変位可能な複数の部分に部分的に分割される、コネクタを提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係るコネクタは、電極が形成されたガラスに半田付けを必要とせず直接取り付けることが可能であり、全体として低コストを実現できる。
【0022】
上下顎部を互いに不動に固定することにより、ガラスとの接続時にはガラス表面の電極とコネクタの端子とが摺動接触するので、電極又は端子の表面の酸化膜や汚れが除去されて信頼性の高い導通接続が可能となる。
【0023】
一方端子とガラスとを摺動接触させる場合、電極又は端子の表面上の汚れ等を除去できる効果はあるが、ガラス表面を傷付けてしまう虞もある。上顎部が下顎部に対して旋回可能である構成により、コネクタ取り付け時に端子がガラス表面を傷付けることを防止できる。
【0024】
上下顎部の対向面の双方に端子を設け、さらにガラスの両面の端子に対応する位置に電極を形成することにより、コネクタの上下の方向性を気にせずに取り付けできるとともに、片側にのみ端子を有する同程度のコネクタに比べ通電可能な電流容量を大きくすることができる。
【0025】
上下顎部の対向面の少なくとも一方に粘着剤層を形成することにより、ガラスとコネクタとの機械的接続の信頼性を高めることができ、これは電気的接続の信頼性につながる。
【0026】
ガラスが所定幅の突出部を有している場合、あるいはガラスに所定形状の切り込みが形成されている場合は、コネクタには着脱方向以外、特にガラス面に平行で着脱方向に直交する方向へのコネクタの位置ずれを規制する移動規制手段を設けることができる。
【0027】
ガラスホルダに形成された所定形状の凹所等の脱落防止手段により、コネクタの脱落防止を確実に防止することができる。
【0028】
上顎部、下顎部及び連結部を囲繞して封止するシールカバーを設けることにより、コネクタ内への水分や塵埃等の進入を防止して、導通接続のより高い信頼性が維持される。
【0029】
端子を互いに独立して変位可能な複数の部分に部分的に分割することにより、ガラス面に凹凸がある場合でも各部分が電極に確実に接触できるので、端子と電極との間での意図した通りの接触面積が得られ、安定した導通接続が図られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る自動車用コネクタ10(以降、単にコネクタと称する)を示す外観斜視図であり、また図2は図1のII−II線に沿う断面図である。コネクタ10は、一部図示されたガラス50のエッジ部分52にスクリーン印刷等により形成又は貼着された電極54と電気的に接続するように構成される。詳細にはコネクタ10は、図2に示すように、ガラス50のエッジ部分52を挟持できる形状、すなわち所定の間隔(ガラス50の厚みとほぼ等しいか、又はやや大きい間隔)を空けて対向配置された上顎部すなわち第1部材12及び下顎部すなわち第2部材14と、上顎部12及び下顎部14を連結する連結部16とを有し、全体として側方視で(すなわちコネクタ挿入方向に略垂直かつガラス面に略平行な方向に見て)略U字又はコの字形状を構成する。なお連結部16は、第1部材及び第2部材の一方又は双方に一体的に形成されてもよいし、独立した部材であってもよい。またコネクタ10は、第1部材12の内面121に隣接配置されガラス50の電極54に接触可能に構成された端子18と、図示しない電源から端子18に電力供給するためのケーブル20とを有する。ケーブル20は、コネクタ内にて端子18と半田付け、圧着又は圧接等の方法にて接合される。またコネクタ10は、ケーブル20と端子18との接合部を保護するために、ハウジング12にラッチ(図示せず)等により係合可能なカバー22を有することができる。
【0031】
端子18は、第1部材12の内面121に沿って少なくとも部分的に延在するように構成される。具体的には、端子18は導電性の金属等から作製され、基部181及び凸状の接点部182を有し、接点部182の曲率の頂点付近が電極と接して電気的導通を図るようになっている。基部181は第1部材12の内面121又は連結部16に圧入等により固定され、これにより端子18は全体として片持ち梁を構成し、接点部182がガラス50の表面に略垂直な方向(ハウジング第2部部材14に対向する方向)に弾性変位可能となっている。ガラスと接続されていない状態での端子18の接点部182と第2部材14の内面141との距離は、ガラス50の厚さよりも小さく設定することができる。従って、ガラス50のエッジ52を第1部材12と第2部材14との間に挿入することにより、ガラスエッジ部分52に形成された電極54と端子18とが電気的に接触し、電極54への電力供給が可能となる。ガラスが挿入されたことによる端子18の弾性変形の反発力により、端子18と電極54との接触が保たれる。ここで挿入時に端子18が電極54の表面上を摺動するので、電極54の表面上の酸化膜や異物が除去されて電気的接続の信頼性が向上する。
【0032】
また当業者には明らかなように、端子18の材質や形状を適宜変更することにより、端子18の弾性力すなわちコネクタ10のガラス把持力を容易に調節することができる。一方端子18に対向する第2部材14の内面には、ゴム等の柔軟性部材24を貼着することが好ましい。但し柔軟性部材24の材質及び形状は、ガラス50に対するコネクタ10の装着を大きく妨げず、またガラス50を傷付けないものが選定される。第1の実施形態は、ガラスの片面にしか電極を形成できない場合に有効である。
【0033】
図3は、図2に類似する図であって、本発明の第2の実施形態に係るコネクタ110を示す図である。なおコネクタ110の構成要素のうち第1の実施形態と同様のものについては、第1の実施形態の各構成要素の参照符号に100を足したもので表記している。第2の実施形態が上述の第1の実施形態と異なる点は、第1部材112の内面に端子18と同様の第1端子118aを有し、かつ第2部材114の内面に貼着された柔軟性部材の代わりに第2端子118bを有することである。なお第2端子118bも、第1端子118aと同様に弾性変形可能に構成されることが好ましい。これに伴い、ガラス150に形成された電極154は、第1端子118aが接触する第1電極すなわち上側電極154aと、第2端子118bが接触する第2電極すなわち下側電極154b(図示せず)と、上側電極154a及び下側電極154bをガラス150のエッジ152にて互いに電気的に接続する電極接続部154cとを有する。
【0034】
第2の実施形態では、ガラスの両面において端子が電極に接触するので、第1の実施形態よりも接触面積を大きくできる。逆に言えば、同一接触面積で比較した場合に第2の実施形態の方がコネクタをコンパクトにできる。また複数の端子が電極と接触するので、電気的接続の信頼性が向上し、通電できる電流容量を増加できる。さらに第2の実施形態では、接続時にコネクタの上下の方向性を気にする必要がない。また第2の実施形態でも、端子118a及び118bの材質や形状を適宜変更することにより、コネクタのガラス把持力を容易に調節することができる。
【0035】
また第2の実施形態でも第1の実施形態と同様に、第1端子118a及び第2端子118bそれぞれの接点部間の距離はガラスの厚さよりも小さく設定でき、コネクタへのガラスエッジ挿入時に両端子が電極の表面上を摺動する。従って第1及び第2の実施形態は、コネクタをガラスに対して何回も挿抜することが想定される場合に特に有利である。
【0036】
次に図4は、本発明の第3の実施形態に係るコネクタ210を示す外観斜視図であり、また図5は図4のV−V線に沿う断面図である。第3の実施形態が第1及び第2の実施形態と異なる点は、第1部材212が第2部材214に枢着されることである。
【0037】
図4に示すように、コネクタ210の第1部材212は、連結部すなわち回転軸216を介して第2部材214に枢着される。従ってコネクタ210は、先ず図6に示すような第1部材212が開いた状態で図1と同様のガラス50のエッジ52を第1及び第2部材で挟むように配置され、次に第1部材212を回転軸216回りに旋回させて図4に示す接続状態に至る。ここで断面図5に示すように、第1部材及び第2部材の内面には粘着剤層228、230及び232を貼着することができる。これにより、ガラス50の表面や電極54の損傷を防止することができる。また粘着剤層の代わりに吸盤を使用することもできる。
【0038】
端子218はコネクタの第1部材212側又は第2部材214側のいずれに設けてもよい。第1部材212側に端子を設けた場合、第1部材を閉じるまで端子とガラスが接触しないため、より効果的にガラス表面の損傷を防止できる。ここでコネクタ取り付け後に第1部材がガラスから離れる方向に旋回しないように、上記の粘着剤層に加え、或いは上記の粘着剤層に代えて、図示しない係止部と係止片で第1部材を閉じた状態で第2部材に固定したり、図示しないねじりばねや板ばねを用いて第1部材を第2部材に向けて付勢したりしてもよい。第1部材が閉じた状態では、端子218の接点部2182と、第2部材214の端子と対向する面(内面)2141との間の距離は、ガラスの厚さよりも小さく設定することができる。これによって、端子が電極に弾性的に接触して、安定した電気性能を発揮できる。
【0039】
以降に説明する第4〜第6の実施形態は、図7に示すような突出部を備えたガラス350に適用可能である。ガラス350は、例えば幅dを有して突出する略矩形の突出部356をエッジ部分352に有し、突出部356上に電極354がスクリーン印刷等により形成されている。
【0040】
図8に示す第4の実施形態に係るコネクタ310は、ガラス350の突出部356が挿入可能な開口部334を有する。ここでも、図8のIX−IX線に沿う断面図9に示すように、第1端子318の接点部3182と第2部材314の内面3141との間の距離は、ガラスの厚さよりも小さく設定することができる。従って、突出部356の挿入時にコネクタ310の端子318と突出部356に形成された電極354との摺動が生じ、上述の第1の実施形態と同様の電気的接続の信頼性向上効果が得られる。また、コネクタ310の開口部334をガラス350の突出部356に合わせて挿入するだけで、端子318と電極354の位置合わせが自動的になされる。
【0041】
図8に示すように、コネクタ310の開口部334は、ガラス突出部356の幅dと略等しいか又は僅かに長い幅を有する。換言すればコネクタ310は、第1の実施形態に係るコネクタ10のように両側部がガラスエッジの形状に合わせた切り欠きを有さず(側方視でU字又はコの字形状でない)、ガラス突出部356に対してコネクタの幅方向への移動を規制する移動規制手段326a及び326bを有する。従って、コネクタ310は接続時においてガラス突出部356に対してその幅方向への移動が規制され、安定した接続状態が維持される。さらには端子の反力により第1部材312と第2部材314とが相互に離れる方向に変位するのをより効果的に防止できるので、長期間な電気的接触および把持力の低下を最小限にすることができる。
【0042】
なお図9に示すコネクタ310は、図2と同様にガラスの一方の面に接触する端子318とガラスの他方の面に当接する柔軟性部材324とを有するが、図4に示す第2の実施形態のように、端子を2つ備えてガラスの両面と接触を図る構造とすることも可能である。
【0043】
図10に示す第5の実施形態に係るコネクタ410は、図7に示したガラス350の突出部356との電気的接続を、図4に示した第3の実施形態と類似の構造によって図るものである。すなわち、コネクタ410の第1部材412は、回転軸416を介して第2部材414に枢着される。従ってコネクタ410は、第1部材412が開いた状態でガラス350の突出部356を第1及び第2部材で挟むように配置され、次に第1部材412を回転軸416回りに旋回させて接続状態に至る。ここで第3の実施形態と同様に、第1部材及び第2部材の内面には接続状態においてガラスに接着する粘着剤層を貼着することができる。
【0044】
ここで第2部材414は、ガラス突出部356の幅dと略等しいか又は僅かに長い幅を有する凹部4142を有し、図10に示すように接続前の第1及び第2部材が開いた状態でガラス突出部356が凹部4142内に収容されることが好ましい。これにより、上述の第4の実施形態と同様に、コネクタ410は接続時においてガラス突出部356に対してその幅方向への移動が規制され、安定した接続状態が維持される。コネクタ取り付け後に第1部材がガラスから離れる方向に旋回しないように、上記の粘着剤層に加え、或いは上記の粘着剤層に代えて、図示しない係止部と係止片で第1部材を閉じた状態で第2部材に固定したり、図示しないねじりばねや板ばねで第1部材を第2部材に向けて付勢したりしてもよい。第1部材412が閉じた状態では、第1部材の内面に取り付けられた端子の接点部と、第2部材414の内面との間の距離は、ガラスの厚さよりも小さく設定することができる。これによって、端子が電極に弾性的に接触して、安定した電気性能が発揮される。
【0045】
図11に示す第6の実施形態に係るコネクタ510は、第5の実施形態に係るコネクタ410の変形例であって、第1部材512と第2部材514とをラッチにより係止する実施形態の一例である。第1部材512はラッチ5122を有し、接続時にラッチ5122に対応する第2部材514の部分にラッチ5122に係合するラッチ係合部5143が設けられる。これにより、ハウジング内部に貼着された粘着剤層の粘着力が経年劣化等により低下した場合であっても、接触信頼性を維持することができる。
【0046】
なお図9〜図11を用いて説明した第4〜第6の実施形態はいずれも、突出部を有するガラスに適用することにより、接続状態での突出部の幅方向への移動を規制する手段を有するものである。しかしガラスに突出部の代わりに切り欠きを形成した場合にも、同様の効果を得ることができる。例えば図12に示すように、ガラス450のエッジ部分452に2つの切り欠き458a及び458bを形成し、両切り欠き間に電極454が形成されている場合に、第4の実施形態に係るコネクタ310を適用すれば、電極454が形成されたガラス部分をコネクタ310の開口部334内に挿入したときに両切り欠きとコネクタ310の移動規制手段326a及び326bとが係合し、幅方向へのコネクタ移動が規制される。
【0047】
上述の実施形態に係るコネクタは、端子の弾性力やハウジング内の粘着剤等によってガラスに固定されるわけであるが、自動車走行中の振動等によってコネクタの位置ずれさらには脱落が生じる虞もある。そこで、脱落防止手段を単独で、或いはガラスを固定するガラスホルダに備えることが有効である。
【0048】
図13に示すように、図1に示したようなガラス50を自動車のフレーム等に保持し固定するために、ガラスホルダ60がガラス外周部に少なくとも部分的に使用されることもある。なお図13では、ガラスホルダ60の一部のみを図示する。ここで、コネクタ(例えば上述のコネクタ10)の取付位置に対応するガラスホルダ60の部位に、ガラス50から張り出すコネクタ10の部分を受容する凹所62が形成される。凹所62のコネクタ着脱方向長さLは、コネクタ10をガラス50に取り付けるときの摺動長さ(すなわちコネクタとガラスとのコネクタ着脱方向の係合長さ)以下に設定される。従って、振動等によりコネクタがガラスに対して着脱方向にずれた場合であっても、コネクタの抜けを防止することができる。また凹所62の幅方向長さwをコネクタの幅方向長さと概ね等しくすることにより、コネクタの幅方向への移動も防止される。また図示するように、ガラスホルダ60は、コネクタ10のケーブル20に対応する部位に、ケーブル20の受容する溝64を有することができる。
【0049】
また図示はしていないが、図13のようにコネクタ全体を囲う構成の代わりに、ガラス側に設けられた脱落防止用の係止片と、コネクタに設けられた係止部とを係合させるような構成も可能である。ここで係止片の両側にコネクタ挿入方向と平行なスリットを入れる等の方法により係止片を独立して撓ませられるようにすれば、コネクタの取り外しも容易になる。
【0050】
図14及びそのXV−XV線沿う断面図15は、コネクタ内への水分や塵埃の進入を防止するシールカバー構造を示す図である。図示するように、シールカバー70は上シール部材72及び下シール部材74から構成され、両シール部材はコネクタ(例えばコネクタ110)の上顎部、下顎部及び連結部を上下すなわちガラスの両面側から挟み込んで囲繞するように構成される。上シール部材及び下シール部材は、それぞれガラス50の各面に接合するための接着剤又は粘着剤層76及び78を有し、上シール部材と下シール部材とは接着剤又は粘着剤層80によって互いに接合される。このような構造によれば、上顎部、下顎部及び連結部を外部から封止できるので、コネクタ内部への水分や塵埃の進入を防止できる。従ってコネクタの電気的・機械的接続の信頼性を高められるとともに、コネクタの抜け防止効果も得られる。逆にこのような機能を果たすことができれば、シールカバーはどのような材質でもよいし、またその構造も図示したような上下分割式でない他の分割形態や一体構造でもよい。
【0051】
図16は、コネクタの端子についての好適な変形例を示す図である。図示するように、変形例に係る端子1018が上述の端子18と異なる点は、ガラス50上の電極54と接触する接触部を複数有し(図示例では接触部1018a、1018b及び1018cの3つ)、それら接触部が1つの根元部1018dと一体的に構成されていることである。換言すれば、各接触部は2つのスリット1019a及び1019bによって互いに部分的に分割されている。通常、ガラス表面は平坦とは限らず、ある程度の曲率を持った曲面であったり、また局部的に凹凸を有したりする場合もある。そのような場合に上述の端子18を使用すると、電極に接触すべき端子の部位の一部が電極から離れて、意図した接触面積が得られなくなる場合がある。この場合、比較的大きな電流が接触面積の小さい接点に流れるため異常な発熱を生じ、電気的接続の信頼性の低下につながる虞がある。これに対し、図16に示すような構造であれば、各接触部が他の接触部とは独立に根元部1018dに対して変位できるので、ガラスが曲面又は凹凸を有する形状であっても各接触部がその形状に追従でき、全体として望ましい接触面積を得ることができる。なお図示例のように1つの端子を複数の部分に部分的に分割する代わりに、別個の端子を複数使用することも可能である。
【0052】
なお上述の実施形態ではいずれもケーブルは1本であるが、用途や電極の形状に応じてケーブルの本数や端子の個数を変更することができる。
【0053】
また本発明は、自動車のガラスに印刷又は貼着された電極を主な適用対象としているが、自動車用に限らずガラス上に印刷又は貼着等により形成された電極にも適用可能であることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るコネクタの外観斜視図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係るコネクタの外観斜視図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係るコネクタの外観斜視図である。
【図5】図1のV−V線に沿う断面図である。
【図6】図4のコネクタが開いた状態を示す図である。
【図7】突出部を備えたガラスを示す図である。
【図8】本発明の第4の実施形態に係るコネクタの外観斜視図である。
【図9】図8のIX−IX線に沿う断面図である。
【図10】本発明の第5の実施形態に係るコネクタの外観斜視図である。
【図11】本発明の第6の実施形態に係るコネクタの外観斜視図である。
【図12】第4の実施形態に係るコネクタを切り欠きを有するガラスに適用した状態を示す図である。
【図13】コネクタの脱落防止機能を備えたガラスホルダを示す図である。
【図14】コネクタのシールカバーを示す図である。
【図15】図14のXV−XV線に沿う断面図である。
【図16】コネクタの端子の好適な変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0055】
10 コネクタ
12 第1部材
14 第2部材
16 連結部
18 端子
20 ケーブル
22 カバー
24 柔軟性部材
50 ガラス
54 電極
60 ガラスホルダ
70 シールカバー
【技術分野】
【0001】
本発明はガラス表面に形成された電極と導通接続するコネクタに関し、特には自動車のガラスの端部近傍の表面に印刷又は貼着された電極に導通接続するコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のリアガラスとして使用される加熱式窓ガラス等の給電可能なガラスには、その全面又は一部に電気配線部材がスクリーン印刷等により固着される。この電気配線部材に給電するためにはコネクタが必要である。例えば特許文献1には、自動車のガラスに形成された導体と電源とを接続するための構成が開示されている。この構成では、特許文献1の図1に示すように、突出端子片2とコネクタ6とは着脱自在であるが、取付ベース1は電極シート9に対して半田付けされる。
【0003】
一方特許文献2には、半田付けを不要とした熱戦コネクタの構造が開示されている。この構造では、特許文献2の図3及び図4に示すように、車体パネル22に取付けられたハウジング24a内に配置されたリターンスプリング24gによって接触球24hをウィンドウ10の熱戦接触部12に押し付けて、導通接続を図っている。
【0004】
また半田付けを不要とした他の例として、両面テープを使用したフィルムアンテナ用コネクタが特許文献3に開示されている。特許文献3の図3等に示すように、コンタクト11を保持したソケットハウジング12が両面テープ26によってフィルムアンテナ7に貼着される。コンタクト11は、ソケットハウジング12にプラグハウジング13を嵌合することによって、リード線4と導通したターミナル14に接続される。
【0005】
半田付けを不要としたさらなる他の例として、窓ガラスの端部を挟むU字状溝付本体を備えたコネクタが特許文献4に開示されている。特許文献4の図2及び図3等に示すように、2枚の板ガラス10と12との間に挟まれたラグ14と単一部材をなす雄コネクタ15が、U字状溝付本体19の基部内の雌コネクタ18に挿入されることにより、外力から保護された接続が可能である。
【0006】
【特許文献1】特開平9−293550号公報
【特許文献2】特開2002−343481号公報
【特許文献3】特開2004−82749号公報
【特許文献4】特開平6−295755号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の構成で使用されているような半田付けは、電気的及び機械強度的には高い信頼性を有するが、その作業は個々に手作業で行う必要があり、煩雑である。一方特許文献2では半田付けは不要であるが、電気的接続がリターンスプリングにより付勢された接触球に依存するので、自動車への適用においては振動等による悪影響が懸念される。
【0008】
特許文献3の構成では、コンタクトを保持したソケットハウジングを両面テープで貼着するため、電気的接続の信頼性は両面テープの接着強度に依存する。従ってある程度の接着面積は必要であり、全体として十分な小型化を図ることは難しい。
【0009】
特許文献4では、U字状溝付本体による電気的接続部の保護を主目的としているので、窓ガラスから突出するように設けられた雄コネクタが、U字状溝付本体内の雌コネクタ内に挿入される構成となっている。従って、雄コネクタやラグ等の電気配線部材以外の要素を、加工が必ずしも容易とは言えない窓ガラス側に設ける必要がある。
【0010】
そこで本発明は、作業が煩雑となる半田付けを必要とせず、電気的接続に関して信頼性が高く、十分な小型化を図ることが可能であり、さらにガラス側に電気配線部材以外の要素を設けることが実質不要のコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ガラスの表面に形成された電極と導通接続するコネクタであって、所定の間隔を空けて対向配置された上顎部及び下顎部と、前記上顎部と前記下顎部とを互いに連結する連結部と、前記上顎部及び前記下顎部の互いに対向する面の少なくとも一方に少なくとも部分的に延在するように設けられた端子と、を備えることを特徴とする、コネクタを提供する。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のコネクタにおいて、前記連結部は、前記上顎部及び前記下顎部が互いに対して不動となるように前記上顎部と前記下顎部とを連結する、コネクタを提供する。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のコネクタにおいて、前記連結部は、前記上顎部が前記下顎部に対して旋回可能となるように前記上顎部と前記下顎部とを連結する、コネクタを提供する。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のコネクタにおいて、前記上顎部及び前記下顎部の互いに対向する面の双方に端子を有する、コネクタを提供する。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のコネクタにおいて、前記上顎部及び前記下顎部の互いに対向する面の少なくとも一方に粘着剤層を有する、コネクタを提供する。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のコネクタにおいて、前記ガラスに対するコネクタ着脱方向以外の前記コネクタの移動を規制する移動規制手段をさらに有する、コネクタを提供する。
【0017】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載のコネクタにおいて、前記ガラスに対する前記コネクタの脱落を防止する脱落防止手段をさらに有する、コネクタを提供する。
【0018】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のコネクタにおいて、前記脱落防止手段は、前記コネクタの前記ガラスへの取付位置に対応するガラスホルダの部位に形成された、前記ガラスから張り出す前記コネクタの部分を受容する凹所を有し、該凹所のコネクタ着脱方向長さは、前記コネクタと前記ガラスとのコネクタ着脱方向への係合長さ以下に設定される、コネクタを提供する。
【0019】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載のコネクタにおいて、前記上顎部、前記下顎部及び前記連結部を囲繞して封止するシールカバーをさらに有する、コネクタを提供する。
【0020】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか1項に記載のコネクタにおいて、前記端子は、該端子に形成された少なくとも1つのスリットによって、互いに独立して変位可能な複数の部分に部分的に分割される、コネクタを提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係るコネクタは、電極が形成されたガラスに半田付けを必要とせず直接取り付けることが可能であり、全体として低コストを実現できる。
【0022】
上下顎部を互いに不動に固定することにより、ガラスとの接続時にはガラス表面の電極とコネクタの端子とが摺動接触するので、電極又は端子の表面の酸化膜や汚れが除去されて信頼性の高い導通接続が可能となる。
【0023】
一方端子とガラスとを摺動接触させる場合、電極又は端子の表面上の汚れ等を除去できる効果はあるが、ガラス表面を傷付けてしまう虞もある。上顎部が下顎部に対して旋回可能である構成により、コネクタ取り付け時に端子がガラス表面を傷付けることを防止できる。
【0024】
上下顎部の対向面の双方に端子を設け、さらにガラスの両面の端子に対応する位置に電極を形成することにより、コネクタの上下の方向性を気にせずに取り付けできるとともに、片側にのみ端子を有する同程度のコネクタに比べ通電可能な電流容量を大きくすることができる。
【0025】
上下顎部の対向面の少なくとも一方に粘着剤層を形成することにより、ガラスとコネクタとの機械的接続の信頼性を高めることができ、これは電気的接続の信頼性につながる。
【0026】
ガラスが所定幅の突出部を有している場合、あるいはガラスに所定形状の切り込みが形成されている場合は、コネクタには着脱方向以外、特にガラス面に平行で着脱方向に直交する方向へのコネクタの位置ずれを規制する移動規制手段を設けることができる。
【0027】
ガラスホルダに形成された所定形状の凹所等の脱落防止手段により、コネクタの脱落防止を確実に防止することができる。
【0028】
上顎部、下顎部及び連結部を囲繞して封止するシールカバーを設けることにより、コネクタ内への水分や塵埃等の進入を防止して、導通接続のより高い信頼性が維持される。
【0029】
端子を互いに独立して変位可能な複数の部分に部分的に分割することにより、ガラス面に凹凸がある場合でも各部分が電極に確実に接触できるので、端子と電極との間での意図した通りの接触面積が得られ、安定した導通接続が図られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る自動車用コネクタ10(以降、単にコネクタと称する)を示す外観斜視図であり、また図2は図1のII−II線に沿う断面図である。コネクタ10は、一部図示されたガラス50のエッジ部分52にスクリーン印刷等により形成又は貼着された電極54と電気的に接続するように構成される。詳細にはコネクタ10は、図2に示すように、ガラス50のエッジ部分52を挟持できる形状、すなわち所定の間隔(ガラス50の厚みとほぼ等しいか、又はやや大きい間隔)を空けて対向配置された上顎部すなわち第1部材12及び下顎部すなわち第2部材14と、上顎部12及び下顎部14を連結する連結部16とを有し、全体として側方視で(すなわちコネクタ挿入方向に略垂直かつガラス面に略平行な方向に見て)略U字又はコの字形状を構成する。なお連結部16は、第1部材及び第2部材の一方又は双方に一体的に形成されてもよいし、独立した部材であってもよい。またコネクタ10は、第1部材12の内面121に隣接配置されガラス50の電極54に接触可能に構成された端子18と、図示しない電源から端子18に電力供給するためのケーブル20とを有する。ケーブル20は、コネクタ内にて端子18と半田付け、圧着又は圧接等の方法にて接合される。またコネクタ10は、ケーブル20と端子18との接合部を保護するために、ハウジング12にラッチ(図示せず)等により係合可能なカバー22を有することができる。
【0031】
端子18は、第1部材12の内面121に沿って少なくとも部分的に延在するように構成される。具体的には、端子18は導電性の金属等から作製され、基部181及び凸状の接点部182を有し、接点部182の曲率の頂点付近が電極と接して電気的導通を図るようになっている。基部181は第1部材12の内面121又は連結部16に圧入等により固定され、これにより端子18は全体として片持ち梁を構成し、接点部182がガラス50の表面に略垂直な方向(ハウジング第2部部材14に対向する方向)に弾性変位可能となっている。ガラスと接続されていない状態での端子18の接点部182と第2部材14の内面141との距離は、ガラス50の厚さよりも小さく設定することができる。従って、ガラス50のエッジ52を第1部材12と第2部材14との間に挿入することにより、ガラスエッジ部分52に形成された電極54と端子18とが電気的に接触し、電極54への電力供給が可能となる。ガラスが挿入されたことによる端子18の弾性変形の反発力により、端子18と電極54との接触が保たれる。ここで挿入時に端子18が電極54の表面上を摺動するので、電極54の表面上の酸化膜や異物が除去されて電気的接続の信頼性が向上する。
【0032】
また当業者には明らかなように、端子18の材質や形状を適宜変更することにより、端子18の弾性力すなわちコネクタ10のガラス把持力を容易に調節することができる。一方端子18に対向する第2部材14の内面には、ゴム等の柔軟性部材24を貼着することが好ましい。但し柔軟性部材24の材質及び形状は、ガラス50に対するコネクタ10の装着を大きく妨げず、またガラス50を傷付けないものが選定される。第1の実施形態は、ガラスの片面にしか電極を形成できない場合に有効である。
【0033】
図3は、図2に類似する図であって、本発明の第2の実施形態に係るコネクタ110を示す図である。なおコネクタ110の構成要素のうち第1の実施形態と同様のものについては、第1の実施形態の各構成要素の参照符号に100を足したもので表記している。第2の実施形態が上述の第1の実施形態と異なる点は、第1部材112の内面に端子18と同様の第1端子118aを有し、かつ第2部材114の内面に貼着された柔軟性部材の代わりに第2端子118bを有することである。なお第2端子118bも、第1端子118aと同様に弾性変形可能に構成されることが好ましい。これに伴い、ガラス150に形成された電極154は、第1端子118aが接触する第1電極すなわち上側電極154aと、第2端子118bが接触する第2電極すなわち下側電極154b(図示せず)と、上側電極154a及び下側電極154bをガラス150のエッジ152にて互いに電気的に接続する電極接続部154cとを有する。
【0034】
第2の実施形態では、ガラスの両面において端子が電極に接触するので、第1の実施形態よりも接触面積を大きくできる。逆に言えば、同一接触面積で比較した場合に第2の実施形態の方がコネクタをコンパクトにできる。また複数の端子が電極と接触するので、電気的接続の信頼性が向上し、通電できる電流容量を増加できる。さらに第2の実施形態では、接続時にコネクタの上下の方向性を気にする必要がない。また第2の実施形態でも、端子118a及び118bの材質や形状を適宜変更することにより、コネクタのガラス把持力を容易に調節することができる。
【0035】
また第2の実施形態でも第1の実施形態と同様に、第1端子118a及び第2端子118bそれぞれの接点部間の距離はガラスの厚さよりも小さく設定でき、コネクタへのガラスエッジ挿入時に両端子が電極の表面上を摺動する。従って第1及び第2の実施形態は、コネクタをガラスに対して何回も挿抜することが想定される場合に特に有利である。
【0036】
次に図4は、本発明の第3の実施形態に係るコネクタ210を示す外観斜視図であり、また図5は図4のV−V線に沿う断面図である。第3の実施形態が第1及び第2の実施形態と異なる点は、第1部材212が第2部材214に枢着されることである。
【0037】
図4に示すように、コネクタ210の第1部材212は、連結部すなわち回転軸216を介して第2部材214に枢着される。従ってコネクタ210は、先ず図6に示すような第1部材212が開いた状態で図1と同様のガラス50のエッジ52を第1及び第2部材で挟むように配置され、次に第1部材212を回転軸216回りに旋回させて図4に示す接続状態に至る。ここで断面図5に示すように、第1部材及び第2部材の内面には粘着剤層228、230及び232を貼着することができる。これにより、ガラス50の表面や電極54の損傷を防止することができる。また粘着剤層の代わりに吸盤を使用することもできる。
【0038】
端子218はコネクタの第1部材212側又は第2部材214側のいずれに設けてもよい。第1部材212側に端子を設けた場合、第1部材を閉じるまで端子とガラスが接触しないため、より効果的にガラス表面の損傷を防止できる。ここでコネクタ取り付け後に第1部材がガラスから離れる方向に旋回しないように、上記の粘着剤層に加え、或いは上記の粘着剤層に代えて、図示しない係止部と係止片で第1部材を閉じた状態で第2部材に固定したり、図示しないねじりばねや板ばねを用いて第1部材を第2部材に向けて付勢したりしてもよい。第1部材が閉じた状態では、端子218の接点部2182と、第2部材214の端子と対向する面(内面)2141との間の距離は、ガラスの厚さよりも小さく設定することができる。これによって、端子が電極に弾性的に接触して、安定した電気性能を発揮できる。
【0039】
以降に説明する第4〜第6の実施形態は、図7に示すような突出部を備えたガラス350に適用可能である。ガラス350は、例えば幅dを有して突出する略矩形の突出部356をエッジ部分352に有し、突出部356上に電極354がスクリーン印刷等により形成されている。
【0040】
図8に示す第4の実施形態に係るコネクタ310は、ガラス350の突出部356が挿入可能な開口部334を有する。ここでも、図8のIX−IX線に沿う断面図9に示すように、第1端子318の接点部3182と第2部材314の内面3141との間の距離は、ガラスの厚さよりも小さく設定することができる。従って、突出部356の挿入時にコネクタ310の端子318と突出部356に形成された電極354との摺動が生じ、上述の第1の実施形態と同様の電気的接続の信頼性向上効果が得られる。また、コネクタ310の開口部334をガラス350の突出部356に合わせて挿入するだけで、端子318と電極354の位置合わせが自動的になされる。
【0041】
図8に示すように、コネクタ310の開口部334は、ガラス突出部356の幅dと略等しいか又は僅かに長い幅を有する。換言すればコネクタ310は、第1の実施形態に係るコネクタ10のように両側部がガラスエッジの形状に合わせた切り欠きを有さず(側方視でU字又はコの字形状でない)、ガラス突出部356に対してコネクタの幅方向への移動を規制する移動規制手段326a及び326bを有する。従って、コネクタ310は接続時においてガラス突出部356に対してその幅方向への移動が規制され、安定した接続状態が維持される。さらには端子の反力により第1部材312と第2部材314とが相互に離れる方向に変位するのをより効果的に防止できるので、長期間な電気的接触および把持力の低下を最小限にすることができる。
【0042】
なお図9に示すコネクタ310は、図2と同様にガラスの一方の面に接触する端子318とガラスの他方の面に当接する柔軟性部材324とを有するが、図4に示す第2の実施形態のように、端子を2つ備えてガラスの両面と接触を図る構造とすることも可能である。
【0043】
図10に示す第5の実施形態に係るコネクタ410は、図7に示したガラス350の突出部356との電気的接続を、図4に示した第3の実施形態と類似の構造によって図るものである。すなわち、コネクタ410の第1部材412は、回転軸416を介して第2部材414に枢着される。従ってコネクタ410は、第1部材412が開いた状態でガラス350の突出部356を第1及び第2部材で挟むように配置され、次に第1部材412を回転軸416回りに旋回させて接続状態に至る。ここで第3の実施形態と同様に、第1部材及び第2部材の内面には接続状態においてガラスに接着する粘着剤層を貼着することができる。
【0044】
ここで第2部材414は、ガラス突出部356の幅dと略等しいか又は僅かに長い幅を有する凹部4142を有し、図10に示すように接続前の第1及び第2部材が開いた状態でガラス突出部356が凹部4142内に収容されることが好ましい。これにより、上述の第4の実施形態と同様に、コネクタ410は接続時においてガラス突出部356に対してその幅方向への移動が規制され、安定した接続状態が維持される。コネクタ取り付け後に第1部材がガラスから離れる方向に旋回しないように、上記の粘着剤層に加え、或いは上記の粘着剤層に代えて、図示しない係止部と係止片で第1部材を閉じた状態で第2部材に固定したり、図示しないねじりばねや板ばねで第1部材を第2部材に向けて付勢したりしてもよい。第1部材412が閉じた状態では、第1部材の内面に取り付けられた端子の接点部と、第2部材414の内面との間の距離は、ガラスの厚さよりも小さく設定することができる。これによって、端子が電極に弾性的に接触して、安定した電気性能が発揮される。
【0045】
図11に示す第6の実施形態に係るコネクタ510は、第5の実施形態に係るコネクタ410の変形例であって、第1部材512と第2部材514とをラッチにより係止する実施形態の一例である。第1部材512はラッチ5122を有し、接続時にラッチ5122に対応する第2部材514の部分にラッチ5122に係合するラッチ係合部5143が設けられる。これにより、ハウジング内部に貼着された粘着剤層の粘着力が経年劣化等により低下した場合であっても、接触信頼性を維持することができる。
【0046】
なお図9〜図11を用いて説明した第4〜第6の実施形態はいずれも、突出部を有するガラスに適用することにより、接続状態での突出部の幅方向への移動を規制する手段を有するものである。しかしガラスに突出部の代わりに切り欠きを形成した場合にも、同様の効果を得ることができる。例えば図12に示すように、ガラス450のエッジ部分452に2つの切り欠き458a及び458bを形成し、両切り欠き間に電極454が形成されている場合に、第4の実施形態に係るコネクタ310を適用すれば、電極454が形成されたガラス部分をコネクタ310の開口部334内に挿入したときに両切り欠きとコネクタ310の移動規制手段326a及び326bとが係合し、幅方向へのコネクタ移動が規制される。
【0047】
上述の実施形態に係るコネクタは、端子の弾性力やハウジング内の粘着剤等によってガラスに固定されるわけであるが、自動車走行中の振動等によってコネクタの位置ずれさらには脱落が生じる虞もある。そこで、脱落防止手段を単独で、或いはガラスを固定するガラスホルダに備えることが有効である。
【0048】
図13に示すように、図1に示したようなガラス50を自動車のフレーム等に保持し固定するために、ガラスホルダ60がガラス外周部に少なくとも部分的に使用されることもある。なお図13では、ガラスホルダ60の一部のみを図示する。ここで、コネクタ(例えば上述のコネクタ10)の取付位置に対応するガラスホルダ60の部位に、ガラス50から張り出すコネクタ10の部分を受容する凹所62が形成される。凹所62のコネクタ着脱方向長さLは、コネクタ10をガラス50に取り付けるときの摺動長さ(すなわちコネクタとガラスとのコネクタ着脱方向の係合長さ)以下に設定される。従って、振動等によりコネクタがガラスに対して着脱方向にずれた場合であっても、コネクタの抜けを防止することができる。また凹所62の幅方向長さwをコネクタの幅方向長さと概ね等しくすることにより、コネクタの幅方向への移動も防止される。また図示するように、ガラスホルダ60は、コネクタ10のケーブル20に対応する部位に、ケーブル20の受容する溝64を有することができる。
【0049】
また図示はしていないが、図13のようにコネクタ全体を囲う構成の代わりに、ガラス側に設けられた脱落防止用の係止片と、コネクタに設けられた係止部とを係合させるような構成も可能である。ここで係止片の両側にコネクタ挿入方向と平行なスリットを入れる等の方法により係止片を独立して撓ませられるようにすれば、コネクタの取り外しも容易になる。
【0050】
図14及びそのXV−XV線沿う断面図15は、コネクタ内への水分や塵埃の進入を防止するシールカバー構造を示す図である。図示するように、シールカバー70は上シール部材72及び下シール部材74から構成され、両シール部材はコネクタ(例えばコネクタ110)の上顎部、下顎部及び連結部を上下すなわちガラスの両面側から挟み込んで囲繞するように構成される。上シール部材及び下シール部材は、それぞれガラス50の各面に接合するための接着剤又は粘着剤層76及び78を有し、上シール部材と下シール部材とは接着剤又は粘着剤層80によって互いに接合される。このような構造によれば、上顎部、下顎部及び連結部を外部から封止できるので、コネクタ内部への水分や塵埃の進入を防止できる。従ってコネクタの電気的・機械的接続の信頼性を高められるとともに、コネクタの抜け防止効果も得られる。逆にこのような機能を果たすことができれば、シールカバーはどのような材質でもよいし、またその構造も図示したような上下分割式でない他の分割形態や一体構造でもよい。
【0051】
図16は、コネクタの端子についての好適な変形例を示す図である。図示するように、変形例に係る端子1018が上述の端子18と異なる点は、ガラス50上の電極54と接触する接触部を複数有し(図示例では接触部1018a、1018b及び1018cの3つ)、それら接触部が1つの根元部1018dと一体的に構成されていることである。換言すれば、各接触部は2つのスリット1019a及び1019bによって互いに部分的に分割されている。通常、ガラス表面は平坦とは限らず、ある程度の曲率を持った曲面であったり、また局部的に凹凸を有したりする場合もある。そのような場合に上述の端子18を使用すると、電極に接触すべき端子の部位の一部が電極から離れて、意図した接触面積が得られなくなる場合がある。この場合、比較的大きな電流が接触面積の小さい接点に流れるため異常な発熱を生じ、電気的接続の信頼性の低下につながる虞がある。これに対し、図16に示すような構造であれば、各接触部が他の接触部とは独立に根元部1018dに対して変位できるので、ガラスが曲面又は凹凸を有する形状であっても各接触部がその形状に追従でき、全体として望ましい接触面積を得ることができる。なお図示例のように1つの端子を複数の部分に部分的に分割する代わりに、別個の端子を複数使用することも可能である。
【0052】
なお上述の実施形態ではいずれもケーブルは1本であるが、用途や電極の形状に応じてケーブルの本数や端子の個数を変更することができる。
【0053】
また本発明は、自動車のガラスに印刷又は貼着された電極を主な適用対象としているが、自動車用に限らずガラス上に印刷又は貼着等により形成された電極にも適用可能であることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るコネクタの外観斜視図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係るコネクタの外観斜視図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係るコネクタの外観斜視図である。
【図5】図1のV−V線に沿う断面図である。
【図6】図4のコネクタが開いた状態を示す図である。
【図7】突出部を備えたガラスを示す図である。
【図8】本発明の第4の実施形態に係るコネクタの外観斜視図である。
【図9】図8のIX−IX線に沿う断面図である。
【図10】本発明の第5の実施形態に係るコネクタの外観斜視図である。
【図11】本発明の第6の実施形態に係るコネクタの外観斜視図である。
【図12】第4の実施形態に係るコネクタを切り欠きを有するガラスに適用した状態を示す図である。
【図13】コネクタの脱落防止機能を備えたガラスホルダを示す図である。
【図14】コネクタのシールカバーを示す図である。
【図15】図14のXV−XV線に沿う断面図である。
【図16】コネクタの端子の好適な変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0055】
10 コネクタ
12 第1部材
14 第2部材
16 連結部
18 端子
20 ケーブル
22 カバー
24 柔軟性部材
50 ガラス
54 電極
60 ガラスホルダ
70 シールカバー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスの表面に形成された電極と導通接続するコネクタであって、
所定の間隔を空けて対向配置された上顎部及び下顎部と、
前記上顎部と前記下顎部とを互いに連結する連結部と、
前記上顎部及び前記下顎部の互いに対向する面の少なくとも一方に少なくとも部分的に延在するように設けられた端子と、
を備えることを特徴とする、コネクタ。
【請求項2】
前記連結部は、前記上顎部及び前記下顎部が互いに対して不動となるように前記上顎部と前記下顎部とを連結する、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記連結部は、前記上顎部が前記下顎部に対して旋回可能となるように前記上顎部と前記下顎部とを連結する、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記上顎部及び前記下顎部の互いに対向する面の双方に端子を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記上顎部及び前記下顎部の互いに対向する面の少なくとも一方に粘着剤層を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記ガラスに対するコネクタ着脱方向以外の前記コネクタの移動を規制する移動規制手段をさらに有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記ガラスに対する前記コネクタの脱落を防止する脱落防止手段をさらに有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記脱落防止手段は、前記コネクタの前記ガラスへの取付位置に対応するガラスホルダの部位に形成された、前記ガラスから張り出す前記コネクタの部分を受容する凹所を有し、該凹所のコネクタ着脱方向長さは、前記コネクタと前記ガラスとのコネクタ着脱方向への係合長さ以下に設定される、請求項7に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記上顎部、前記下顎部及び前記連結部を囲繞して封止するシールカバーをさらに有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項10】
前記端子は、該端子に形成された少なくとも1つのスリットによって、互いに独立して変位可能な複数の部分に部分的に分割される、請求項1〜9のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項1】
ガラスの表面に形成された電極と導通接続するコネクタであって、
所定の間隔を空けて対向配置された上顎部及び下顎部と、
前記上顎部と前記下顎部とを互いに連結する連結部と、
前記上顎部及び前記下顎部の互いに対向する面の少なくとも一方に少なくとも部分的に延在するように設けられた端子と、
を備えることを特徴とする、コネクタ。
【請求項2】
前記連結部は、前記上顎部及び前記下顎部が互いに対して不動となるように前記上顎部と前記下顎部とを連結する、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記連結部は、前記上顎部が前記下顎部に対して旋回可能となるように前記上顎部と前記下顎部とを連結する、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記上顎部及び前記下顎部の互いに対向する面の双方に端子を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記上顎部及び前記下顎部の互いに対向する面の少なくとも一方に粘着剤層を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記ガラスに対するコネクタ着脱方向以外の前記コネクタの移動を規制する移動規制手段をさらに有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記ガラスに対する前記コネクタの脱落を防止する脱落防止手段をさらに有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記脱落防止手段は、前記コネクタの前記ガラスへの取付位置に対応するガラスホルダの部位に形成された、前記ガラスから張り出す前記コネクタの部分を受容する凹所を有し、該凹所のコネクタ着脱方向長さは、前記コネクタと前記ガラスとのコネクタ着脱方向への係合長さ以下に設定される、請求項7に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記上顎部、前記下顎部及び前記連結部を囲繞して封止するシールカバーをさらに有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項10】
前記端子は、該端子に形成された少なくとも1つのスリットによって、互いに独立して変位可能な複数の部分に部分的に分割される、請求項1〜9のいずれか1項に記載のコネクタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2008−226714(P2008−226714A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−65187(P2007−65187)
【出願日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】
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