説明

コネクタ

【課題】コンタクトの配置ピッチを小さくしても、接触信頼性を保つことができるコネクタを提供する。
【解決手段】ハウジングのレセプタクルコネクタに対する嵌合方向と直交するコンタクト配置方向Aに沿ってハウジングに交互に第1コンタクトと第2コンタクトとを配置する。第1コンタクトの第1接触部51をハウジングのコンタクト配置部31の上面に配置し、第1コンタクトの第1折曲げ部をコンタクト配置部31の前部に配置する。第1コンタクトの第1接続部をコンタクト配置部31の後部に配置する。第1接続部に同軸ケーブルを接続する。第1折曲げ部と第1接続部とを連結する連結部54をコンタクト配置部31の下方の面に配置する。第2コンタクトの第2接続部に連なる第2接触部61をコンタクト配置部31の下面に配置する。コンタクト配置部31の前部に配置される第2折曲げ部を第2接触部61に連ねる。連結部54のコンタクト配置方向Aの幅を第1、第2接触部51,61のコンタクト配置方向Aの幅よりも小さくした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ハウジングと複数の信号コンタクトとを備えるプラグ側コネクタが知られている(下記特許文献1参照)。
【0003】
ハウジングは、複数の信号コンタクトの後述する第1、第2接触部が配置される平板状の突出部を有する。
【0004】
複数の信号コンタクトは、ハウジングの相手側コネクタに対する嵌合方向と直交するコンタクト配置方向に沿って所定のピッチでハウジングに保持されている。各信号コンタクトは第1接触部と第2接触部とを有する。第1接触部はハウジングの突出部の上面に配置される。第2接触部は第1接触部に連なり、ハウジングの突出部の円弧状の先端面に沿うようにU字形に折り曲げられて突出部の下面に達する。
【0005】
このプラグ側コネクタの相手側コネクタであるレセプタクル側コネクタは、ハウジングと複数の信号コンタクトとを有する。
【0006】
レセプタクル側コネクタのハウジングはプラグ側コネクタのハウジングの突出部を受け容れる。
【0007】
レセプタクル側コネクタの信号コンタクトは二股状であり、第1接触部と第2接触部とを有する。第1接触部と第2接触部とは嵌合方向でずれている。
【0008】
プラグ側コネクタとレセプタクル側コネクタとが嵌合したとき、プラグ側コネクタの信号コンタクトの第1、第2接触部はそれぞれレセプタクル側コネクタのソケットコンタクトの第1、第2接触部に接触する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−293916号公報(段落0027〜0029、0032、0033、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述のプラグ側コネクタ及びレセプタクル側コネクタの信号コンタクトの配置ピッチを小さくするには、プラグ側コネクタ及びレセプタクル側コネクタの第1、第2接触部のコンタクト配置方向の幅を小さくすればよい。
【0011】
しかし、第1、第2接触部のコンタクト配置方向の幅を小さくし、それらの配置ピッチを小さくすると、ガタ等により、レセプタクル側コネクタの信号コンタクトの第1、第2接触部とプラグ側コネクタの信号コンタクトの第1、第2接触部との接触面積が小さくなり、接触不良を起こすおそれがある。
【0012】
この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その課題はコンタクトの配置ピッチを小さくしても、接触信頼性を保つことができるコネクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述の課題を解決するため請求項1記載の発明は、板状のコンタクト配置部を有するハウジングと、このハウジングの相手側コネクタに対する嵌合方向と直交するコンタクト配置方向に沿って前記ハウジングに交互に配置された第1、第2コンタクトとを備え、前記第1コンタクトは、前記コンタクト配置部の一方の面に配置される第1接触部と、前記第1接触部に連なり、前記コンタクト配置部の前部に配置される第1折曲げ部と、前記コンタクト配置部の後部に配置され、接続対象物に接続される第1接続部と、前記コンタクト配置部の他方の面に配置され、前記第1折曲げ部と前記第1接続部とを連結する連結部とを有し、前記第2コンタクトは、前記接続対象物に接続される第2接続部と、前記第2接続部に連なり、前記コンタクト配置部の他方の面に配置される第2接触部と、前記第2接触部に連なり、前記コンタクト配置部の前部に配置される第2折曲げ部とを有し、前記連結部の前記コンタクト配置方向の幅は、前記第1、第2接触部の前記コンタクト配置方向の幅よりも小さいことを特徴とする。
【0014】
上述のように、第1接触部をコンタクト配置部の一方の面に配置し、第2接触部及び連結部をコンタクト配置部の他方の面に配置し、連結部のコンタクト配置方向の幅を第1、第2接触部のコンタクト配置方向の幅よりも小さくしたので、第1、第2接触部のコンタクト配置方向の幅を小さくせずに、第1、第2接触部の配置ピッチを小さくすることができる。
【0015】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のコネクタにおいて、前記第2コンタクトは、前記第2折曲げ部に連なり、前記コンタクト配置部の一方の面に配置される延長部を有し、前記延長部の前記コンタクト配置方向の幅は、前記第1、第2接触部の前記コンタクト配置方向の幅よりも小さいことを特徴とする。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のコネクタにおいて、前記第1接触部の前記コンタクト配置方向の幅と前記第2接触部の前記コンタクト配置方向の幅とは等しいことを特徴とする。
【0017】
請求項4記載の発明は、請求項2記載のコネクタにおいて、前記第1接触部の前記コンタクト配置方向の幅と前記第2接触部の前記コンタクト配置方向の幅とは等しく、前記連結部の前記コンタクト配置方向の幅と前記延長部の前記コンタクト配置方向の幅とは等しいことを特徴とする。
【0018】
請求項5記載の発明は、請求項2〜4のいずれか1項記載のコネクタにおいて、前記第1折曲げ部の前記コンタクト配置方向の幅は前記第1接触部から前記連結部へ向かって次第に小さくなり、前記第1折曲げ部の一端部の前記コンタクト配置方向の幅は前記第1接触部に等しく、前記第1折曲げ部の他端部の前記コンタクト配置方向の幅は前記連結部の幅に等しく、前記第2折曲げ部の前記コンタクト配置方向の幅は前記第2接触部から前記延長部へ向かって次第に小さくなり、前記第2折曲げ部の一端部の前記コンタクト配置方向の幅は前記第2接触部に等しく、前記第2折曲げ部の他端部の前記コンタクト配置方向の幅は前記延長部の幅に等しいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、コンタクトの配置ピッチを小さくしても、接触信頼性を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1はこの発明の一実施形態のプラグコネクタの平面図である。
【図2】図2は図1に示すプラグコネクタの斜視図である。
【図3】図3は図1に示すプラグコネクタの底面図である。
【図4】図4は図2に示すプラグコネクタを裏返した状態を示す斜視図である。
【図5】図5は図1の部分拡大図である。
【図6】図6は図3の部分拡大図である。
【図7】図7は図1に示すプラグコネクタからカバーシェル及びケーブルを外した状態を示す斜視図である。
【図8】図8は図7に示すプラグコネクタを裏返した状態を示す斜視図である。
【図9】図9はプラグコネクタの第1、第2コンタクトを斜め上方から見た斜視図である。
【図10】図10は図8に示す状態のプラグコネクタの第1、第2コンタクトを斜め上方から見た斜視図である。
【図11】図11は図1に示すプラグコネクタの相手側コネクタであるレセプタクルコネクタの斜視図である。
【図12】図12は図11に示すレセプタクルコネクタのハウジングから第1、第2コンタクトをそれぞれ1つ外した状態を示す斜視図である。
【図13】図13は図12に示すレセプタクルコネクタの第1コンタクトの側面図である。
【図14】図14は図12に示すレセプタクルコネクタの第2コンタクトの側面図である。
【図15】図15は図1に示すプラグコネクタの部分拡大正面図である。
【図16】図16は図1に示すプラグコネクタと図11に示すレセプタクルコネクタとが嵌合した状態を示す平面図である。
【図17】図17は図1に示すプラグコネクタの背面図である。
【図18】図18は図16のXVII−XVII線に沿う断面図である。
【図19】図19は図16のXVIII−XVIII線に沿う断面図である。
【図20】図20は図16に示すプラグコネクタの第1、第2コンタクトとレセプタクルコネクタの第1、第2コンタクトとの接触状態を示す概念図である。
【図21】図21は第1コンタクトと第2コンタクトの変形例とを斜め上方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
この発明の一実施形態のプラグコネクタを図1〜図20に基づいて説明する。
【0022】
図1〜図4に示すように、プラグコネクタ(コネクタ)100はハウジング30と複数の第1コンタクト50と複数の第2コンタクト60とカバーシェル70とベースシェル80とを備える。
【0023】
図1、図4に示すように、第1コンタクト50と第2コンタクト60とはコンタクト配置方向Aに沿って交互にハウジング30に配置されている。
【0024】
ハウジング30は絶縁材料で一体成形されている。図7、図8に示すように、ハウジング30の前部にはコンタクト配置部31が位置し、ハウジング30の後部にはケーブル保持部32が位置する。この実施形態では、ハウジング30の前部は図7、図8に向かって下側の部分であり、ハウジング30の後部は図7、図8に向かって上側の部分である。また、図7にはハウジング30の上面が示されており、図8にはハウジング30の下面が示されている。
【0025】
コンタクト配置部31はほぼ板状である。コンタクト配置部31はハウジング30の嵌合方向Fと直交するコンタクト配置方向Aへ延びている。コンタクト配置部31の上面にはコンタクト配置方向Aに沿って後述する第1コンタクト50の第1接触部51と第2コンタクト60の延長部64とが所定の間隔に交互に配置されている(図5参照)。コンタクト配置部31の下面にはコンタクト配置方向Aに沿って後述する第1コンタクト50の連結部54と第2コンタクト60の第2接触部61とが所定の間隔に交互に配置されている(図6参照)。
【0026】
図7に示すように、ケーブル保持部32はコンタクト配置部31に連なり、コンタクト配置方向Aに延びている。ケーブル保持部32には複数のケーブル保持溝32aがコンタクト配置方向Aに沿って所定の間隔に形成されている。
【0027】
図9、図10に示すように、第1コンタクト50は第1接触部51と第1折曲げ部52と第1接続部53と連結部54とを有する。第1コンタクト50は後述する第2コンタクト60及びベースシェル80とともに、1つの金属板を打抜き加工及び曲げ加工することにより形成される。
【0028】
第1接触部51はほぼ平板状であり、コンタクト配置部31の上面に配置され、嵌合方向Fへ延びている。第1折曲げ部52は第1接触部51に連なる。第1折曲げ部52はコンタクト配置部31のほぼ円弧状の前部に沿うようにほぼ円弧状に折り曲げられている。第1接続部53はコンタクト配置部31の後方に位置する。ケーブル保持部32上に配置されている(図7参照)。連結部54はほぼ平板状であり、コンタクト配置部31の下面に配置され、嵌合方向Fへ延びている。連結部54は第1折曲げ部52と第1接続部53とを連結する。
【0029】
図9、図10に示すように、第2コンタクト60は第2接触部61と第2折曲げ部62と第2接続部63と延長部64とを有する。
【0030】
第2接触部61はほぼ板状であり、コンタクト配置部31の下面に配置され、嵌合方向Fへ延びている。第2折曲げ部62は第2接触部61に連なる。第2折曲げ部62はコンタクト配置部31のほぼ円弧状の前部に沿うようにほぼ円弧状に折り曲げられている。第2接続部63は第2接触部61に連なり、コンタクト配置部31の後方に位置し、ケーブル保持部32上に配置されている(図7参照)。延長部64はほぼ平板状であり、コンタクト配置部31の上面に配置され、嵌合方向Fへ延びている。延長部64は第2折曲げ部62に連なる。
【0031】
第2コンタクト60の第2接触部61のコンタクト配置方向Aの幅と第1コンタクト50の第1接触部51のコンタクト配置方向Aの幅とは等しい。
【0032】
第2コンタクト60の延長部64のコンタクト配置方向Aの幅と第1コンタクト50の連結部54の幅とは等しい。
【0033】
連結部54及び延長部64のコンタクト配置方向Aの幅は第1接触部51のコンタクト配置方向Aの幅よりも小さい。
【0034】
図9、図10、図15に示すように、第1コンタクト50の第1折曲げ部52の一端(第1接触部51側)のコンタクト配置方向Aの幅は第1接触部51のコンタクト配置方向Aの幅に等しく、第1コンタクト50の第1折曲げ部52の他端(連結部54側)のコンタクト配置方向Aの幅は連結部54のコンタクト配置方向Aの幅に等しい。また、第1折曲げ部52のコンタクト配置方向Aの幅はその一端から他端に向かって次第に小さくなる。
【0035】
図9、図10、図15に示すように、第2コンタクト60の第2折曲げ部62の一端(第2接触部61側)のコンタクト配置方向Aの幅は第2接触部61のコンタクト配置方向Aの幅に等しく、第2コンタクト60の第2折曲げ部62の他端(延長部64側)のコンタクト配置方向Aの幅は延長部64のコンタクト配置方向Aの幅に等しい。また、第2折曲げ部62のコンタクト配置方向Aの幅はその一端から他端に向かって次第に小さくなる。
【0036】
図1、図2に示すカバーシェル70は金属板に打抜き加工及び曲げ加工を施すことによって形成されている。カバーシェル70はハウジング30の後部を覆う。
【0037】
図3、図4に示すベースシェル80は金属板に打抜き加工及び曲げ加工を施すことによって形成されている。ベースシェル80はハウジング30の後部に配置されている。
【0038】
次に、プラグコネクタ100の製造方法について簡単に説明する。まず、1枚の金属板(図示せず)に打抜き加工及び曲げ加工を施すことによって複数の第1コンタクト50と複数の第2コンタクト60とベースシェル80とを形成する。このとき、すべての第1、第2コンタクト50,60及びベースシェル80はキャリア(図示せず)に繋がれた状態になる。また、金属板(図示せず)に打抜き加工及び曲げ加工を施すことによってカバーシェル70を形成する。
【0039】
次に、キャリアによって一つに纏められた複数の第1、第2コンタクト50,60及びベースシェル80を金型(図示せず)内に配置し、金型内に溶融した樹脂を充填する。このように、いわゆるモールドイン成型法(インモールド成型法)によって複数の第1、第2コンタクト50,60とベースシェル80とが一部埋め込まれたハウジング30が形成される。
【0040】
最後に、カバーシェル70をハウジング30に装着する。以上の工程を経てプラグコネクタ100の製造が完了する。
【0041】
図18、図19に示すように、プラグコネクタ100には複数の同軸ケーブル110が接続される。同軸ケーブル110をプラグコネクタ100に接続するには、まず、同軸ケーブル110の絶縁体112を切除して中心導体111を露出させるとともに、被覆114を切除して外部導体113を露出させる。
【0042】
次に、複数の同軸ケーブル110の外部導体113を2つのグランドバー90で挟み、外部導体113をグランドバー90に半田付けする。
【0043】
その後、外部導体113が半田付けされたグランドバー90を、カバーシェル70を外したプラグコネクタ100のハウジング30の後部に配置する。
【0044】
次に、複数の同軸ケーブル110の中心導体111を第1コンタクト50の第1接続部53又は第2コンタクト60の第2接続部63に半田付けする。
【0045】
最後に、カバーシェル70をハウジング30に装着する。以上の工程を経て同軸ケーブル110がプラグコネクタ100に接続される。
【0046】
次に、プラグコネクタ100の相手側コネクタであるレセプタクルコネクタ200について説明する。
【0047】
図11、図12に示すように、レセプタクルコネクタ200はハウジング230と第1コンタクト250と第2コンタクト260とベースシェル280とを有する。
【0048】
ハウジング230は箱状であり、プラグコネクタ100のハウジング30のコンタクト配置部31を受け入れる。
【0049】
図13に示すように、第1コンタクト250は第1接触部251と第1接続部253と第1圧入部255とを有する。第1コンタクト250はL字形のばね部251aとばね部251aの先端部に形成された接点251bとを有する。第1接続部253はばね部251aの後端部に連なる。第1圧入部255はばね部251aの後端部に連なる。
【0050】
図14に示すように、第2コンタクト260は第2接触部261と第2接続部263と第2圧入部265とを有する。第2接触部261は直線的に延びたばね部261aとばね部261aの先端部に形成された接点261bとを有する。第2接続部263は第2圧入部265の後端部に連なる。第2圧入部265は第2接触部261の後端部に連なる。
【0051】
図11、図12に示すように、ベースシェル280の一部はいわゆるモールドイン成型法(インモールド成型法)によってハウジング230に埋設されている。
【0052】
レセプタクルコネクタ200の第1コンタクト250の第1接続部253及び第2コンタクト260の第2接続部263は図示しないプリント基板のパッドに半田付けされる。
【0053】
プラグコネクタ100をレセプタクルコネクタ200に接続するには、図18、図19に示すように、プラグコネクタ100のハウジング30のコンタクト配置部31をレセプタクルコネクタ200のハウジング230に挿入すればよい。
【0054】
図18、図19、図20に示すように、プラグコネクタ100とレセプタクルコネクタ200とが嵌合されているとき、プラグコネクタ100の第1コンタクト50の第1接触部51はレセプタクルコネクタ200の第1コンタクト250の第1接触部251に接触し、プラグコネクタ100の第2コンタクト60の第2接触部61はレセプタクルコネクタ200の第2コンタクト260の第2接触部261に接触する。
【0055】
この実施形態では、上述のように第1、第2コンタクト50,60の第1、第2接続部53,63から延びている部分は全てコンタクト配置部31の下面側から上面側に向けて配置されており、また、第1接触部51及び延長部64をコンタクト配置部31の上面に配置し、第2接触部61及び連結部54をコンタクト配置部31の下面に配置し、連結部54及び延長部64のコンタクト配置方向Aの幅を第1、第2接触部51,61のコンタクト配置方向Aの幅よりも小さくしたので、第1、第2接触部51,61のコンタクト配置方向Aの幅を小さくせずに、第1、第2接触部51,61の配置ピッチを小さくすることができる。したがって、プラグコネクタ100をレセプタクルコネクタ200に嵌合したとき、プラグコネクタ100の第1、第2接触部51,61の中心がレセプタクルコネクタ200の第1、第2接触部251,261の中心に対してコンタクト配置方向Aへずれても、第1、第2接触部51,61と第1、第2接触部251,261との接触面積は変化しないので、安定した接触状態が確保される。
【0056】
この実施形態によれば、プラグコネクタ100の第1、第2接触部51,61とレセプタクルコネクタ200の第1、第2接触部251,261との接触信頼性を低下させずに、プラグコネクタ100の第1、第2接触部51,61の狭ピッチ化を図ることができる。
【0057】
また、狭ピッチ化しても第1コンタクト50と第2コンタクト60のコンタクト配置方向Aの幅が小さくならないので、接触が安定する。更に、第1コンタクト50と第2コンタクト60との間隔を保つことができ、金型を用いてハウジング30を成形する際に、第1、第2接触部51,61と連結部54、延長部61を金型で保持することができ、コンタクトがコンタクト配置方向Aとこれに直交する(厚さ方向)の両方向への倒れこみ等が小さくなり、コンタクトの姿勢が安定し、コンタクト間のピッチ精度が良くなる。
【0058】
また、相手側コネクタを嵌合する際、第1、第2折曲げ部52,62の構成により、相手側コンタクトの端部が第1、第2折曲げ部52,62に最初に当接するので、ハウジングが削れる等の虞がなくなる。更に、第2コンタクト60に延長部64を設けたので、第2接触部61がコンタクト配置部31から外れるのをより確実に防止することができる。
【0059】
なお、上述の実施形態では、第2コンタクト60に延長部64が設けられているが、図21に示すように、第2コンタクト60の変形例である第2コンタクト60´は延長部64が設けられていない。
【0060】
また、第1接触部51のコンタクト配置方向Aの幅と第2接触部61のコンタクト配置方向Aの幅とを等しくしたが、等しくしなくてもよい。
【0061】
なお、連結部54のコンタクト配置方向Aの幅と延長部64のコンタクト配置方向Aの幅とを等しくしたが、等しくしなくてもよい。
【0062】
また、第1折曲げ部52のコンタクト配置方向Aの幅を第1接触部51から連結部54に向かって次第に小さくし、第1折曲げ部52の一端のコンタクト配置方向Aの幅を第1接触部51に等しくし、第1折曲げ部52の他端のコンタクト配置方向Aの幅を連結部54に等しくし、第2折曲げ部62のコンタクト配置方向Aの幅を第2接触部61から延長部64に向かって次第に小さくし、第2折曲げ部62の一端のコンタクト配置方向Aの幅を第2接触部61に等しくし、第2折曲げ部62の他端のコンタクト配置方向Aの幅を延長部64に等しくしたが、必ずしもこのようにする必要はない。
【符号の説明】
【0063】
100 プラグコネクタ(コネクタ)
30 ハウジング
31 コンタクト配置部
50 第1コンタクト
51 第1接触部
52 第1折曲げ部
53 第1接続部
54 連結部
60 第2コンタクト
61 第2接触部
62 第2折曲げ部
63 第2接続部
64 延長部
110 同軸ケーブル(接続対象物)
200 レセプタクルコネクタ(相手側コネクタ)
F 嵌合方向
A コンタクト配置方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状のコンタクト配置部を有するハウジングと、
このハウジングの相手側コネクタに対する嵌合方向と直交するコンタクト配置方向に沿って前記ハウジングに交互に配置された第1、第2コンタクトとを備え、
前記第1コンタクトは、前記コンタクト配置部の一方の面に配置される第1接触部と、前記第1接触部に連なり、前記コンタクト配置部の前部に配置される第1折曲げ部と、前記コンタクト配置部の後部に配置され、接続対象物に接続される第1接続部と、前記コンタクト配置部の他方の面に配置され、前記第1折曲げ部と前記第1接続部とを連結する連結部とを有し、
前記第2コンタクトは、前記接続対象物に接続される第2接続部と、前記第2接続部に連なり、前記コンタクト配置部の他方の面に配置される第2接触部と、前記第2接触部に連なり、前記コンタクト配置部の前部に配置される第2折曲げ部とを有し、
前記連結部の前記コンタクト配置方向の幅は、前記第1、第2接触部の前記コンタクト配置方向の幅よりも小さい
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記第2コンタクトは、前記第2折曲げ部に連なり、前記コンタクト配置部の一方の面に配置される延長部を有し、
前記延長部の前記コンタクト配置方向の幅は、前記第1、第2接触部の前記コンタクト配置方向の幅よりも小さい
ことを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【請求項3】
前記第1接触部の前記コンタクト配置方向の幅と前記第2接触部の前記コンタクト配置方向の幅とは等しい
ことを特徴とする請求項1又は2記載のコネクタ。
【請求項4】
前記第1接触部の前記コンタクト配置方向の幅と前記第2接触部の前記コンタクト配置方向の幅とは等しく、
前記連結部の前記コンタクト配置方向の幅と前記延長部の前記コンタクト配置方向の幅とは等しい
ことを特徴とする請求項2記載のコネクタ。
【請求項5】
前記第1折曲げ部の前記コンタクト配置方向の幅は前記第1接触部から前記連結部へ向かって次第に小さくなり、前記第1折曲げ部の一端部の前記コンタクト配置方向の幅は前記第1接触部に等しく、前記第1折曲げ部の他端部の前記コンタクト配置方向の幅は前記連結部の幅に等しく、
前記第2折曲げ部の前記コンタクト配置方向の幅は前記第2接触部から前記延長部へ向かって次第に小さくなり、前記第2折曲げ部の一端部の前記コンタクト配置方向の幅は前記第2接触部に等しく、前記第2折曲げ部の他端部の前記コンタクト配置方向の幅は前記延長部の幅に等しい
ことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項記載のコネクタ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2011−82068(P2011−82068A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−234447(P2009−234447)
【出願日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(000231073)日本航空電子工業株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】