説明

コネクタ

嵌合方向と該嵌合方向に直交する方向との双方のコネクタハウジング同士のがたつきを規制でき、雄・雌両端子の摩耗等を確実に防止することができ、また、安定した耐振動性能を発揮することができるコネクタを提供する。
雄型コネクタハウジング13が防水パッキン32で雌形コネクタハウジング36に向かって付勢されかつ傾斜面30aを有するがた規制突部30が複数設けられたインナハウジング25を備えている。雌型コネクタハウジング36の周壁39の内面にコネクタハウジング13,36の完全嵌合時に傾斜面30aに当接する傾斜面41を設ける。防水パッキン32は、コネクタハウジング13,36の完全嵌合状態でインナハウジング25の周壁28の外面と雌型コネクタハウジング36の周壁39の内面との間に密着状態で挟まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両走行時などの振動によるがたつきを規制し、両コネクタハウジング内の雄・雌両端子の接続信頼性に優れるコネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車などは、種々の電子機器に電力や振動を供給するために、ワイヤハーネスを配索している。ワイヤハーネスは、種々のコネクタを備えている。これらのコネクタとして、例えば、図7及び図8に示されたコネクタ61(特許文献1参照)が用いられている。
【0003】
この図7及び図8に例示されたコネクタ61は、雌端子62を収容する一方のコネクタハウジング63と、雄端子70を収容する他方のコネクタハウジング65を備えている。一方のコネクタハウジング63は、雄型のインナハウジング64とその外側に設けられた矩形筒状のフード部66とを備えている。インナハウジング64は、雌端子62を収容しているとともに、フード部66内に収容されている。雌端子62は、インナハウジング64などに取り付けられる合成樹脂製のフロントホルダ69で二重係止されている。インナハウジング64の基部には防水パッキン71が装着されている。
【0004】
他方のコネクタハウジング65は、筒状に形成され、雄端子70を収容している。コネクタハウジング63,65同士が互いに嵌合すると、他方のコネクタハウジング65がインナハウジング64と、フード部66との間に侵入する。
【0005】
前述したコネクタ61は、フード部66の内面又は他方のコネクタハウジング65の外面とのうち一方にガタ規制突部67を一体に形成している(図示例では、ガタ規制突部67をフード部66の内面に設け、該ガタ規制突部67は勿論フード部66の内面から凸に形成されている)。
【0006】
コネクタ61は、コネクタハウジング63,65同士が互いに嵌合した際に、ガタ規制突部67がフード部66の内面又は他方のコネクタハウジング65の外面とのうち他方から押圧されることで、コネクタハウジング63,65同士の嵌合方向に直交する向きに、コネクタハウジング63,65同士が相対的に振動することを防止している。コネクタ61は、コネクタハウジング63,65同士が相対的に振動することを防止することで、雄・雌端子62,70同士が相対的に移動して、これらの端子62,70同士の接触点に所謂フレッチング摩耗などが生じることを防止している。こうして、コネクタ61は、雄・雌端子62,70同士の電気的な接続の信頼性を向上させている。
【特許文献1】特開2002−198127号公報(第3−4頁、図4,6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前述したコネクタ61は、コネクタハウジング63,65同士の嵌合方向に直交する向きのコネクタハウジング63,65同士の振動を抑制できるが、フード部66の内面又は他方のコネクタハウジング65の外面とのうち一方にガタ規制突部67を一体に形成しているため、コネクタハウジング63,65同士の嵌合方向に沿ったコネクタハウジング63,65同士の振動を抑制することが困難である。なお、嵌合方向とは、コネクタハウジング63,65同士が嵌合する際に、これらのコネクタハウジング63,65が互いに近づく方向を示している。
【0008】
このため、前述したコネクタ61は、コネクタハウジング63,65同士が前述した嵌合方向に沿って相対的に振動して、雄・雌端子62,70同士も、前述した嵌合方向に沿って相対的に移動してしまう。このため、前述したコネクタ61は、雄・雌端子62,70同士の接触点に所謂フレッチング摩耗などが生じて、雄・雌端子62,70同士の電気的な接続の信頼性が低下する傾向であった。
【0009】
また、コネクタハウジング63,65同士の前述した嵌合方向の振動を防止するために、両コネクタハウジング63,65間にリング状のがたつき規制部材を介在させて、嵌合方向と嵌合方向に直交する方向との双方のがたつきを規制することも考えられる。しかしながら、別部品であるがたつき規制部材を設けると、両コネクタハウジング63,65間のがたつきが直接的には規制されず耐振動性能が不十分となるという問題や、がたつき規制部材の寸法精度のばらつきによって耐振動性能が安定しないという問題や、がたつき規制部材と両コネクタハウジング63,65の摺動抵抗によって、コネクタハウジング63,65同士が嵌合する際に必要とされる力(嵌合荷重)が増加するという問題があった。
【0010】
本発明は、上記した点に鑑み、嵌合方向と該嵌合方向に直交する方向との双方のコネクタハウジング同士のがたつきを規制でき、これにより、雄・雌両端子の摩耗等を確実に防止することができ、また、安定した耐振動性能を発揮することができるコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1記載の本発明のコネクタは、互いに嵌合する一対のコネクタハウジングの双方に、これら一対のコネクタハウジングの嵌合方向に対し傾斜した傾斜面が備えられ、前記一対のコネクタハウジングが互いに嵌合すると、前記傾斜面同士が互いに重なり合うことを特徴としている。
【0012】
上記構成によれば、一対のコネクタハウジングの双方に設けられた傾斜面同士が重なり合うことで、コネクタハウジング同士の嵌合方向と嵌合方向に直交する方向との双方のがたつきが規制される。
【0013】
また、嵌合方向に傾斜しているので、コネクタハウジングの外面又は内面から突出した突起より、傾斜面は、つぶれにくく摩耗しにくい。
【0014】
請求項2記載の本発明のコネクタは、請求項1記載のコネクタにおいて、前記傾斜面は、前記一対のコネクタハウジングそれぞれに一体に形成されていることを特徴としている。
【0015】
上記構成によれば、傾斜面がコネクタハウジングに一体に設けられているので、部品点数が増加することを防止できる。
【0016】
また、傾斜面がコネクタハウジングに一体に設けられているので、傾斜面と各コネクタハウジング及び傾斜面同士の相対的な位置を一定に保つことができる。
【0017】
請求項3記載の本発明のコネクタは、互いに嵌合する一対のコネクタハウジングのうちの一方のコネクタハウジングに、これら一対のコネクタハウジングの嵌合方向に対し傾斜した傾斜面が備えられ、前記一対のコネクタハウジングが互いに嵌合すると、前記傾斜面に他方のコネクタハウジングが当接することを特徴としている。
【0018】
上記構成によれば、一方のコネクタハウジングに設けられた傾斜面に、他方のコネクタハウジングが当接することで、コネクタハウジング同士の嵌合方向と嵌合方向に直交する方向との双方のがたつきが規制される。
【0019】
また、嵌合方向に傾斜しているので、コネクタハウジングの外面又は内面から突出した突起より、傾斜面は、つぶれにくく摩耗しにくい。
【0020】
請求項4記載の本発明のコネクタは、請求項3記載のコネクタにおいて、前記傾斜面は、前記一方のコネクタハウジングに一体に形成されていることを特徴としている。
【0021】
上記構成によれば、傾斜面がコネクタハウジングに一体に設けられているので、部品点数が増加することを防止できる。
【0022】
また、傾斜面が一方のコネクタハウジングに一体に設けられているので、傾斜面と一方のコネクタハウジングとの相対的な位置と、傾斜面と他方のコネクタハウジングとの相対的な位置と、を一定に保つことができる。
【0023】
請求項5記載の本発明のコネクタは、請求項3又は4記載のコネクタにおいて、前記他方のコネクタハウジングに、がた規制突部を有するインナハウジングが備えられ、前記一対のコネクタハウジングが互いに嵌合すると、前記一方のコネクタハウジングに設けられた傾斜面に前記がた規制突部が当接することを特徴としている。
【0024】
上記構成によれば、両コネクタハウジングの完全嵌合時にがた規制突部と傾斜面とが当接することで、両コネクタハウジングの嵌合方向と嵌合方向に直交する方向との双方のがたつきが規制される。がた規制突部は、傾斜面が斜めに乗り上げて当接できるものであればよく、例えばリブ状、段状など種々の形状に形成することが可能である。また、がた規制突部を周方向に複数設けることもできる。
【0025】
また、請求項6記載の本発明のコネクタは、請求項5記載のコネクタにおいて、前記がた規制突部に、前記一方のコネクタハウジングに設けられた傾斜面に面接触する傾斜面が設けられたことを特徴としている。
【0026】
上記構成によれば、両コネクタハウジングが相互に強く拘束され、両コネクタハウジングの嵌合方向と嵌合方向に直交する方向との双方のがたつきが規制される。
【0027】
また、請求項7記載の本発明のコネクタは、請求項5又は6記載のコネクタにおいて、前記インナハウジングが、前記嵌合方向に移動自在に設けられ、かつ、弾性部材で前記一方のコネクタハウジングに向かって付勢されることを特徴としている。
【0028】
上記構成によれば、両コネクタハウジングの嵌合に伴ってインナハウジングが傾斜面から押されて一方のコネクタハウジングから離れる方向に移動し、弾性部材に当たって弾性的に支持される。これにより、両コネクタハウジング間の寸法誤差等が吸収され、がた規制突部(傾斜面)と傾斜面とが隙間無く確実に当接する。また、外部振動が弾性部材により吸収され、端子に振動が伝わり難くなる。
【0029】
また、インナハウジングが移動するので、コネクタハウジング同士が嵌合する際に、コネクタハウジング同士を近づける力(嵌合荷重)を弱くすることができる。
【0030】
また、請求項8記載の本発明のコネクタは、請求項7記載のコネクタにおいて、前記弾性部材が、前記他方のコネクタハウジングに装着される防水パッキンであり、該防水パッキンが、両コネクタハウジングの完全嵌合状態で前記インナハウジングの周壁の外面と前記一方のコネクタハウジングの周壁の内面との間に密着状態で挟まれたことを特徴としている。
【0031】
上記構成によれば、防水パッキンが軸方向(長手方向)に圧縮されることで両コネクタハウジングのがたが規制され、防水パッキンがインナハウジングと一方のコネクタハウジングとの間で半径方向(厚み方向)に圧縮されることで、インナハウジングと一方のコネクタハウジングの隙間が塞がれてコネクタ内に外部から水が進入することが防止される。
【発明の効果】
【0032】
以上の如く、請求項1記載の発明によれば、傾斜面同士が重なり合うことで、コネクタハウジング同士の嵌合方向と嵌合方向に直交する方向との双方のがたつきが防止されるから、両コネクタハウジング内の雄・雌端子の摩耗が確実に防止され、電気的な接続の信頼性が向上する。
【0033】
また、傾斜面がつぶれにくく摩耗しにくいので、経年変化によっても、コネクタハウジング同士を安定して相対的に振動することを防止でき、安定した耐振動性能を発揮することができる。
【0034】
請求項2記載の発明によれば、傾斜面がコネクタハウジングに一体に設けられているので、部品点数が増加することを防止できる。
【0035】
また、傾斜面と各コネクタハウジング及び傾斜面同士の相対的な位置を一定に保つことができるので、傾斜面と他方のコネクタハウジングとを常に一定の条件で当接させることができる。したがって、コネクタハウジング同士を常に安定して相対的に振動することを防止でき、常に安定した耐振動性能を発揮することができる。
【0036】
請求項3記載の発明によれば、傾斜面に他方のコネクタハウジングが当接することで、コネクタハウジング同士の嵌合方向と嵌合方向に直交する方向との双方のがたつきが規制されるから、両コネクタハウジング内の雄・雌端子の摩耗が確実に防止され、電気的な接続の信頼性が向上する。
【0037】
また、傾斜面がつぶれにくく摩耗しにくいので、経年変化によっても、コネクタハウジング同士を安定して相対的に振動することを防止でき、安定した耐振動性能を発揮することができる。
【0038】
請求項4記載の発明によれば、傾斜面がコネクタハウジングに一体に設けられているので、部品点数が増加することを防止できる。
【0039】
また、傾斜面と一方のコネクタハウジングとの相対的な位置と、傾斜面と他方のコネクタハウジングとの相対的な位置と、を一定に保つことができるので、傾斜面と他方のコネクタハウジングとを常に一定の条件で当接させることができる。したがって、コネクタハウジング同士を常に安定して相対的に振動することを防止でき、常に安定した耐振動性能を発揮することができる。
【0040】
請求項5記載の発明によれば、がた規制突部と傾斜面との当接で振動時の嵌合方向と嵌合方向に直交する方向との双方のがたつきが防止されるから、両コネクタハウジング内の雄・雌端子の摩耗が確実に防止され、電気的な接続の信頼性が向上する。また、リング状の弾性部材を介在させて両コネクタハウジングを嵌合させた場合に比べて、低嵌合荷重で両コネクタハウジングを嵌合させることもできる。
【0041】
また、請求項6記載の発明によれば、両コネクタハウジングの完全嵌合時に傾斜面同士が面接触することで、両コネクタハウジングが相互に強く拘束され、耐振動性能が向上し、請求項1記載の発明の効果が助長される。
【0042】
また、請求項7記載の発明によれば、両コネクタハウジングの嵌合時にインナハウジングが弾性部材に当たって弾性的に支持され、傾斜面と傾斜面とが隙間無く確実に当接するから、安定した耐振動性能を発揮し、両コネクタハウジングのがたつきとそれに起因する端子の摩耗が一層確実に防止される。また、弾性部材により端子に振動が伝わり難くなり、これによってもコネクタの耐振動性能が向上する。
【0043】
さらに、コネクタハウジング同士が嵌合する際の嵌合荷重を弱くすることができるので、コネクタハウジング同士を容易に嵌合させることができ、組み立てやすくなるという効果を奏でる。
【0044】
また、請求項8記載の発明によれば、防水パッキンによりがたつきの規制と防水とが両方同時に行われることで、防水とがたつきの規制を行う部品を各々設けた場合より、部品点数が削減され、コネクタの肥大化やコストアップが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係るコネクタの一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1に示すコネクタの嵌合前の状態を示す断面図である。
【図3】図2に示すコネクタの斜視図である。
【図4】コネクタを構成する部品を分解した状態を示す斜視図である。
【図5】図1に示されたコネクタの変形例を示す断面図である。
【図6】図1に示されたコネクタの他の変形例を示す断面図である。
【図7】従来のコネクタの一例を示す嵌合状態の断面図である。
【図8】図7に示すコネクタの嵌合直前の状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0046】
10 耐振コネクタ(コネクタ)
13 雄型コネクタハウジング(他方のコネクタハウジング)
25 インナハウジング
28 周壁
30 がた規制突部
30a 傾斜面
32 防水パッキン(弾性部材)
36 雌型コネクタハウジング(一方のコネクタハウジング)
39 周壁
41 傾斜面
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下に本発明の実施の形態の具体例を図面を用いて詳細に説明する。図1〜図4は、本発明に係るコネクタの一実施形態を示すものである。
【0048】
耐振コネクタ(コネクタ)10は、例えば自動車などの車両や電気器具などの振動を生じる部分に適用される電気接続部品であり、車両走行時の車体振動やエンジンからの強制振動や電気器具の自励振動などに起因するコネクタハウジングのがたつきを規制し、両コネクタハウジング内の雄・雌両端子の接続信頼性を向上させるものである。
【0049】
本発明に係る耐振コネクタ10は、少ない部品点数でコネクタハウジング13,36同士の嵌合方向K及び嵌合方向Kに直交する方向との双方のがたを規制でき、雄・雌両端子48,50の摩耗等を確実に防止することができ、また、安定した耐振動性能を発揮することができるものであり、雄型コネクタハウジング(他方のコネクタハウジング)13に、弾性部材としての防水パッキン32で嵌合方向Kに弾性支持され、傾斜面30aを有するがた規制突部30が複数設けられたインナハウジング25が備えられ、雌型コネクタハウジング(一方のコネクタハウジング)36の周壁39の内面に、両コネクタハウジング13,36の完全嵌合時にがた規制突部30の傾斜面30aに当接するテーパ状の傾斜面41が設けられたことを特徴とし、防水パッキン32が、両コネクタハウジング13,36の完全嵌合状態でインナハウジング25の周壁28の外面と雌型コネクタハウジング36の周壁39の内面との間に密着状態で挟まれるものである。
【0050】
以下に、耐振コネクタ10の主要構成部分及びその作用について詳細に説明する。図1に示されるように、耐振コネクタ10は、雄型コネクタハウジング13に雌端子48が収容された雄型コネクタ12と、雌型コネクタハウジング36に雄端子50が保持された雌型コネクタ35とを備えている。
【0051】
ここで、本明細書の説明の都合上、上下、左右、前後の定義を以下のように定めることとする。上下方向とは、複数の雌端子48が並ぶ方向と定め、上をロックアーム17の位置する側とする。左右方向とは、タブ状をなす雄端子50の板厚方向と定める。前後方向は、図1中の矢印Kで示す嵌合方向と定め、前を両コネクタハウジング13,36の嵌合先端側とする。なお、嵌合方向Kとは、前記コネクタハウジング13,36同士が嵌合する(近づく)際に、これらのコネクタハウジング13,36が移動する方向を示している。
【0052】
雄型コネクタ12は、雄型コネクタハウジング13と、防水パッキン(弾性部材に相当する)32と、端子本係止用のフロントホルダ45(図3に示す)と、電線46付きの雌端子48とを備えている。
【0053】
雄型コネクタハウジング13は、アウタハウジングであるフード部20と、端子収容部であるインナハウジング25とを備えている。フード部20は、合成樹脂材料を構成材料とし、射出成形されたものである。フード部20は、一つの前壁14と、複数の周壁16を備えて、箱状に形成されている。前壁14は、前述した壁14,16のうち最も雌型コネクタ35寄りに位置している。前壁14には、開口部が形成されている。該開口部には、インナハウジング25が嵌入されるようになっている。
【0054】
また、複数の周壁16は、それぞれ、前壁14に連なっている。複数の周壁16のうち図1中最も上方に位置する周壁(以下、天壁と呼ぶ)16a(図2)には、可撓性を有するロックアーム17が形成されている。ロックアーム17は、シーソ状をなし、前端側に下向きの係止部17aと、後端側にロック解除用の押圧操作部17cと、長手方向中間部に天壁16に連結された支持部17dとを有している。係止部17aには、垂直な係止面17bが形成されており、雌型コネクタハウジング36の周壁39に形成された係止突起42の垂直係止面42b(図2)が係止面17bに当接することで、両コネクタハウジング13,36がロックされるようになっている。
【0055】
また、天壁16aには、前壁14の延長部分からなるコ字状の保護壁18が立設している。保護壁18は、ロックアーム17を互いの間に位置付けている。ロックアーム17は、保護壁18間に位置しているため、外部干渉などから保護され、不用意に押されて、コネクタハウジング13,36のロックが解除されることが防止されている。
【0056】
さらに、周壁16の内面には、雌型コネクタハウジング36の周壁39に条設された図示しないガイドリブに対する複数のガイド溝19(図4)と、インナハウジング25に対するハウジング装着部22が設けられている。本実施形態では、ガイド溝19が互いに直交する周壁16に形成され、雌型コネクタハウジング36が上下方向と左右方向とに位置決めされ、両コネクタハウジング13,36の嵌合動作がスムーズに行われるようになっている。
【0057】
また、ハウジング装着部22は、雄型コネクタハウジング13の内部空間の奥側に設けられている。ハウジング装着部22では、周壁16の内面には、インナハウジング25の周壁28に突設された係合突部31に対する係止突部21(図4)が形成されている。
【0058】
複数の周壁16即ちフード部20は、インナハウジング25を外側から囲むフードとして機能し、インナハウジング25との間に形成された環状の隙間に、雌型コネクタハウジング36の周壁39が嵌入されるようになっている。
【0059】
インナハウジング25は、合成樹脂材料を構成材料とし、射出成形されたものであり、断面略矩形状に形成されている。インナハウジング25は、筒状に形成され、内側に仕切壁で区画された2極の端子収容室26と、フロントホルダ45に対する挿入孔27(図4)とが形成されている。
【0060】
端子収容室26は、雌端子48を収容する。端子収容室26には、図示しない端子係止ランスが形成されていて、端子係止ランスの突起が雌端子48の電気接触部48aの後端部に当接することにより、雌端子48が仮係止されるようになっている。挿入孔27は、端子収容室26及び端子係止ランスの撓み空間に連通している。挿入孔27は、フロントホルダ45が挿入されることで、端子係止ランスの撓みが阻止されて、雌端子48が二重係止されるようになっている。即ち、挿入孔27は、フロントホルダ45が挿入されることで、端子収容室26内から雌端子48が抜け出ることを防止する。
【0061】
また、インナハウジング25には、周壁28の外面から凸の係合突部31が設けられている。係合突部31は、周壁28の外面のうち後端側即ち雌型コネクタハウジング36から離れた側の端部に設けられている。係合突部31は、係止突部21に係合する。前述した構成のインナハウジング25は、ハウジング装着部22の奥側に押し込まれて、フード部20に取り付けられる。インナハウジング25は、前述した嵌合方向Kに沿って移動自在に、フード部20に支持される。このため、インナハウジング25は、前述した嵌合方向Kに沿って移動自在に設けられている。また、インナハウジング25は、係止突部21に係合突部31が係合することで、フード部20から嵌合方向Kに沿って前抜け(雌型コネクタハウジング36に向かって移動すること)が防止されている。
【0062】
さらに、インナハウジング25には、周壁28の外面から凸でかつ傾斜面30aを有するがた規制突部30が複数設けられている。複数のがた規制突部30は、周壁28の外面のうち前端側即ち雌型コネクタハウジング36寄りの端部に設けられている。複数のがた規制突部30は、インナハウジング25の周壁28の周方向に沿って、互いに間隔をあけて設けられている。
【0063】
がた規制突部30は、断面直角三角形状をなし、前側即ち雌型コネクタハウジング36寄りに傾斜面30a、後側即ち雌型コネクタハウジング36から離れた側に傾斜面30aに連なる垂直面30bを有している。即ち、傾斜面30aは、インナハウジング25に一体に形成されている。インナハウジング25に一体に形成されていることで、傾斜面30aは、雄型コネクタハウジング13に一体に形成されている。傾斜面30aは、雌型コネクタハウジング36と相対するとともに、前述した嵌合方向Kに対し交差する方向に沿って平坦に形成されている。即ち、傾斜面30aは、前述した嵌合方向Kに対し傾斜している。
【0064】
傾斜面30aには、両コネクタハウジング13,36の完全嵌合時に雌型コネクタハウジング36の周壁39の内面に形成された傾斜面41が当接するようになっている。このとき、傾斜面30a,41は、互いに重なり合うとともに、互いに密に接触する。なお、傾斜面30aが傾斜面41に当接することで、がた規制突部30は、傾斜面41に当接する。即ち、傾斜面30aが傾斜面41に当接することで、傾斜面41に雄型コネクタハウジング13が当接する。
【0065】
垂直面30bは、ハウジング装着部22の前端面22a(図4)に対向する面である。インナハウジング25の取り付け後において、垂直面30bと前端面22aとの間には防水パッキン32が軸方向に圧縮された状態で挟まれるようになっている。すなわち、防水パッキン32の後端面がハウジング装着部22の前端面22aに当接し、防水パッキン32の前端面ががた規制突部30の垂直面30bに当接するようになっている。がた規制突部30の突出高さは、防水パッキン32の厚みと同程度の寸法に形成されている。このため、防水パッキン32は、がた規制突部30を乗り越えて前側に抜け出ないようになっている。
【0066】
インナハウジング25の後側には、端子収容室26に連通して後方に延出する電線引き出し部29が筒状に形成されている。電線引き出し部29には、引き出される電線46に被せられた防水用のゴム栓47(図2)が挿入され、電線46の表面に付着した水が端子収容室26に進入しないように防水されている。
【0067】
インナハウジング25は、フード部20に嵌合方向Kに沿って移動自在に設けられ、防水パッキン32により後述するように雌型コネクタハウジング36に向かって付勢されている(弾性支持されている)から、両コネクタハウジング13,36の成形後の収縮に伴う寸法誤差が吸収されるとともに、両コネクタハウジング13,36の嵌合時の組付誤差が矯正されて、常に、両コネクタハウジング13,36の両傾斜面30a,41が密着して当接するようになっている。これにより、両コネクタハウジング13,36は、嵌合方向Kと嵌合方向Kに直交する方向との双方の方向でがたつきが防止され、安定した耐振動性能が発揮されるようになっている。
【0068】
なお、前述した雄型コネクタハウジング13は、本明細書に記した他方のコネクタハウジングをなしている。
【0069】
防水パッキン32は、合成ゴムやエラストマ樹脂などを構成材料として成形されたものであり、矩形筒状を成している。防水パッキン32は、ハウジング装着部22の前端面22aとがた規制突部30の垂直面30bとの間に挟まれることで、前後方向に抜け出すことなく装着される。防水パッキン32の前端面にがた規制突部30の垂直面30bが当接することで、インナハウジング25は、防水パッキン32により、雌型コネクタハウジング36に向かって付勢されている(弾性支持されている)。
【0070】
防水パッキン32の外面には、雌型コネクタハウジング36の周壁39の内面に密着する二つのリップ32a,32aが形成されている。リップ32aは、雌型コネクタハウジング36の周壁39の内面に向かって凸に形成されている。リップ32aは、雌型コネクタハウジング36の周壁39の内面からインナハウジング25に没する方向に押されることで、インナハウジング25と雌型コネクタハウジング36の隙間を埋めて、防水を図られるようにしている。
【0071】
フロントホルダ45(図4)は、水平な壁部45aと垂直な壁部45bとを一体に備えている。垂直な壁部45bは、端子係止ランスの撓み空間内に進入する部分であり、端子係止ランスの撓みを阻止することで、雌端子48を本係止して該雌端子48の抜けを防止するようになっている。水平な壁部45aには、図示しない係止孔が形成されている。水平な壁部45aに設けられた係止孔が挿入孔27の内壁面に突設された図示しない突起に係合することで、フロントホルダ45は、雄型コネクタハウジング13からの抜け出し(脱落)が防止されている。
【0072】
雌端子48は、導電性板材から打ち抜かれた展開状態の基板を折り曲げることによって形成されたものであり、一方に電気接触部48aが形成され、他方に電線圧着部48bが形成されている。電気接触部48aは、箱状をなしており、雄端子50の電気接触部である雄タブ50aが挿入されることで電気的接続が行われるようになっている。電線圧着部48bは、前後に各一対の圧着片を有しており、圧着片をかしめることにより、芯線部及び被覆部が圧着されるようになっている。
【0073】
雌型コネクタ35は、機器直付け式のものであり、雌型コネクタハウジング36と、雄端子50とを備えている。雌型コネクタハウジング36は、モータなどの機器に固定されるフランジ部37と、雄端子50とともに一体成形された端子固定部38と、端子固定部38に続く略環状の環状部43と、を備えている。
【0074】
端子固定部38は、方体状に形成され、雄端子50を埋設している。フランジ部37は、端子固定部38の外面から凸に形成されている。環状部43は、複数の周壁39を備えている。それぞれの周壁39が、端子固定部38の外縁から雄型コネクタハウジング13に向かって立設している。
【0075】
周壁39の内側には、インナハウジング25が嵌入されるコネクタ嵌合室40が設けられている。コネクタ嵌合室40には、雄端子50の雄タブ50aが突出している。コネクタ嵌合室40内では、両コネクタハウジング13,36の嵌合時に、雄・雌両端子48,50の端子接続が行われるようになっている。
【0076】
また、コネクタ嵌合室40の外縁部と周壁39の内面とに亘って、テーパ状の傾斜面41が形成されている。即ち、傾斜面41は、雌型コネクタハウジング36と一体に形成されている。傾斜面41は、がた規制突部30の傾斜面30aに当接する当接面である。傾斜面41は、嵌合方向Kに対して傾斜面30aと同一の傾斜角度で、表面が平坦に形成されている。
【0077】
傾斜面41は、雄型コネクタハウジング13と相対するとともに、前述した嵌合方向Kに対し交差する方向に沿って平坦に形成されている。即ち、傾斜面41は、前述した嵌合方向Kに対し傾斜している。傾斜面30a,41は、コネクタハウジング13,36同士が完全嵌合した時に、(互いに密に重なり合う)当接する。即ち、傾斜面30a,41は、互いに所謂面接触する。傾斜面30a,41は、コネクタハウジング13,36同士が完全嵌合した時に、(互いに密に重なり合う)当接することで、嵌合方向Kだけでなく、嵌合方向Kに直交する方向のインナハウジング25と雌型コネクタハウジング36とのがたつきも防止するようになっている。
【0078】
さらに、複数の周壁39の内の図1中最も上方に位置する周壁39には、ロックアーム17の係止部17aに係合する係止突起42が形成されている。係止突起42は、周壁39の外面から凸に形成されている。係止突起42は、雄型コネクタハウジング13に相対する傾斜面42aと、傾斜面42aに続く垂直係止面42bを有している。垂直係止面42bが、係止部17aの係止面17bに当接することで、係止突起42とロックアーム17とが互いに係合して、両コネクタハウジング13,36が係止(嵌合)するようになっている。
【0079】
なお、前述した雌型コネクタハウジング36は、本明細書に記した一方のコネクタハウジングをなしている。
【0080】
雄端子50は、導電性の金属からなり、棒状に形成されている。雄端子50は、電気接触部である雄タブ50aが前述したコネクタ嵌合室40内に位置するように、一端部が端子固定部38に埋設されている。
【0081】
次に、耐振コネクタ10の組み立て及び嵌合方法について説明する。まず、雄型コネクタ12は次のようにして組み立てられる。インナハウジング25の後側から防水パッキン32を嵌め込み、インナハウジング25を雄型コネクタハウジング13のハウジング装着部22に嵌入させ、防水パッキン32をハウジング装着部22の前端面22aとがた規制突部30の垂直面30b(図4)との間で圧縮した状態に挟む。そして、防水パッキン32の弾性力に抗しつつインナハウジング25を奥側へ深く押し込み、インナハウジング25の係合突部31をハウジング装着部22の係止突部21に係合させる。そして、インナハウジング25の端子収容室26に後側から雌端子48を挿入し、インナハウジング25の挿入孔27に前側からフロントホルダ45を挿入して、雄型コネクタ12の組み立てを終了する。
【0082】
続いて、耐振コネクタ10は、次のようにして嵌合される。雌型コネクタハウジング36に雄型コネクタハウジング13を嵌入させると、インナハウジング25が、雌型コネクタハウジング36のコネクタ嵌合室40に嵌入し、雌型コネクタハウジング36の周壁39が雄型コネクタハウジング13の環状空間に嵌入する。そして、両コネクタハウジング13,36を深く嵌入させると、コネクタ嵌合室40の奥側の傾斜面41が、インナハウジング25のがた規制突部30の傾斜面30aに当接し、インナハウジング25が防水パッキン32を弾性力に抗しつつ圧縮し、雌型コネクタハウジング36の係止突起42がロックアーム17の係止部17aに係合して、両コネクタハウジング13,36の嵌合が終了する。
【0083】
両コネクタハウジング13,36の完全嵌合状態において、防水パッキン32の反発弾性力(弾性復元力)により、インナハウジング25が前方に(雌型コネクタハウジング36に向かって)付勢され、がた規制突部30の傾斜面30aに雌型コネクタハウジング36の傾斜面41が密着した状態で当接する。また、インナハウジング25の周壁28の内面と雌型コネクタハウジング36の周壁39の外面とが防水パッキン32に密着する。このように、防水パッキン32は、両コネクタハウジング13,36の完全嵌合状態において、インナハウジング25の周壁28の外面と雌型コネクタハウジング36の周壁39の内面との間に密着状態で挟まれる。
【0084】
このように本実施形態によれば、振動時の嵌合方向Kと、嵌合方向Kに直交する方向との双方方向のがたつきが防止され、両コネクタハウジング13,36の雄・雌端子48,50の摩耗(フレッチング摩耗など)が確実に防止される。嵌合方向Kに沿って移動自在に支持されかつ雌型コネクタハウジング36に向かって付勢された(弾性支持された)インナハウジング25の傾斜面30aと、雌型コネクタハウジング36の傾斜面41とが隙間無く当接し、安定した耐振動性能が発揮され、両コネクタハウジング13,36のがたつきとそれに起因する端子48,50の摩耗が一層確実に防止される。
【0085】
また、傾斜面30a,41は、嵌合方向Kに対し傾斜しているので、コネクタハウジング13,36の内面又は外面から突出した突起などより、つぶれにくく摩耗しにくい。このため、経年変化などによっても、傾斜面30a,41同士が確実に密に接触し続けて、コネクタハウジング13,36同士を常に安定して接触させることができ、コネクタハウジング13,36同士が相対的に振動することを防止でき、安定した耐振動性能を発揮することができる。
【0086】
さらに、傾斜面30a,41をコネクタハウジング13,36に一体に形成しているので、コネクタ3の部品点数が増加することを防止できる。さらに、傾斜面30a,41とコネクタハウジング13,36との相対的な位置及び傾斜面30a,41同士の相対的な位置、即ち、傾斜面30a,41と雄型コネクタハウジング13との相対的な位置及び傾斜面30a,41と雌型コネクタハウジング36との相対的な位置を一定に保つことができる。
【0087】
このため、傾斜面30a,41同士を常に一定の条件で当接させることができる。即ち、傾斜面30aと雌型コネクタハウジング36とを常に一定の条件で当接させることができるとともに、傾斜面41と雄型コネクタハウジング13とを常に一定の条件で当接させることができる。したがって、コネクタハウジング13,36同士を常に安定して接触させることができ、これらのコネクタハウジング13,36同士が相対的に振動することを防止でき、常に安定した耐振動性能を発揮することができる。
【0088】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の骨子を逸脱しない範囲で以下のように変形して実施することができる。
【0089】
(1)インナハウジング25の周壁28に複数のがた規制突部30を設ける代わりに、環状に連続形成されたがた規制突部を設ける。がた規制突部は、リブ状、段状等の種々の形状に形成することができる。このように構成すると、がた規制突部の傾斜面が環状に連続形成され、両コネクタハウジング13,36の両傾斜面の接触面積が増加して、耐振コネクタ10の耐振動性能が向上する。また、互いに環状をなす両傾斜面の調心作用により、雄・雌両端子48,50の中心ずれ(軸ずれ)が吸収され、両端子48,50の接続がスムーズに行われ、端子接続の信頼性が向上する。
【0090】
(2)他方のコネクタ35を、機器直付けコネクタから通常のワイヤハーネスのコネクタにしても良い。このように構成すると、耐振コネクタ10の適用範囲を広げることができる。
【0091】
(3)防水パッキン32とインナハウジング25とを別体とする代わりに、防水パッキン32とインナハウジング25を一体に形成する。このように構成すると、構成部品数の減少により、寸法誤差の累積を防止でき、耐振動性能を向上することができる。
【0092】
(4)ハウジング装着部22の前端面22aとがた規制突部30の垂直面30bとの間の隙間を大きく形成し、前端面22aと垂直面30bとの間で、防水パッキン32が圧縮された状態で挟まれないように雄型コネクタ12を組み立て、両コネクタハウジング13,36の完全嵌合時に、インナハウジング25が奥へ押し込まれることにより、前端面22aと垂直面30bとの間で、防水パッキン32が圧縮された状態で挟まれるようにして、防水パッキン32の反発弾性力により、インナハウジング25が前方に付勢されるように構成することもできる。このように構成すると、がた規制突部30の傾斜面30aに雌型コネクタハウジング36の傾斜面41を密着した状態で当接させることができることに加えて、雄型コネクタハウジング13に対するインナハウジング25の装着を容易に行うことができ、雄型コネクタ12の組立作業性を向上することができる。
【0093】
(5)図5に示すように、雌型コネクタハウジング36に傾斜面41を設け、雄型コネクタハウジング13に傾斜面30aを設けずに、傾斜面41を雄型コネクタハウジング13に当接させても良い。
【0094】
(6)図6に示すように、雄型コネクタハウジング13に傾斜面30aを設け、雌型コネクタハウジング36に傾斜面41を設けずに、傾斜面30aを雌型コネクタハウジング36に当接させても良い。このように、図5及び図6に示すようにしても、コネクタハウジング13,36同士の相対的な振動を規制して、端子48,50間の摩耗を抑制できる。なお、図5及び図6において、前述した実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0095】
(7)傾斜面30a,41をコネクタハウジング13,36と別体の部材に設けても良い。即ち、傾斜面30a,41をコネクタハウジング13,36と別体にしても良い。
【0096】
(8)インナハウジング25とフード部20とを一体に形成しても良い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに嵌合する一対のコネクタハウジングの双方に、これら一対のコネクタハウジングの嵌合方向に対し傾斜した傾斜面が備えられ、
前記一対のコネクタハウジングが互いに嵌合すると、前記傾斜面同士が互いに重なり合うことを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記傾斜面は、前記一対のコネクタハウジングそれぞれに一体に形成されていることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【請求項3】
互いに嵌合する一対のコネクタハウジングのうちの一方のコネクタハウジングに、これら一対のコネクタハウジングの嵌合方向に対し傾斜した傾斜面が備えられ、
前記一対のコネクタハウジングが互いに嵌合すると、前記傾斜面に他方のコネクタハウジングが当接することを特徴とするコネクタ。
【請求項4】
前記傾斜面は、前記一方のコネクタハウジングに一体に形成されていることを特徴とする請求項3記載のコネクタ。
【請求項5】
前記他方のコネクタハウジングに、がた規制突部を有するインナハウジングが備えられ、
前記一対のコネクタハウジングが互いに嵌合すると、前記一方のコネクタハウジングに設けられた傾斜面に前記がた規制突部が当接することを特徴とする請求項3又は請求項4記載のコネクタ。
【請求項6】
前記がた規制突部に、前記一方のコネクタハウジングに設けられた傾斜面に面接触する傾斜面が設けられたことを特徴とする請求項5記載のコネクタ。
【請求項7】
前記インナハウジングが、前記嵌合方向に移動自在に設けられ、かつ、弾性部材で前記一方のコネクタハウジングに向かって付勢されることを特徴とする請求項5又は6記載のコネクタ。
【請求項8】
前記弾性部材が、前記他方のコネクタハウジングに装着される防水パッキンであり、該防水パッキンが、両コネクタハウジングの完全嵌合状態で前記インナハウジングの周壁の外面と前記一方のコネクタハウジングの周壁の内面との間に密着状態で挟まれたことを特徴とする請求項7記載のコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【国際公開番号】WO2005/064754
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【発行日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−516643(P2005−516643)
【国際出願番号】PCT/JP2004/019350
【国際出願日】平成16年12月24日(2004.12.24)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】