説明

コラーゲン曝露を伴う炎症状態の処置のための方法と治療剤

患者における脆弱性プラークおよび他の炎症状態の処置および画像化のための組成物および方法は、脈管および他の体腔におけるコラーゲンが曝露された領域に転換電子放射源および他の放射性核種を送達することに依拠する。この転換電子放射源または他の放射性核種は、コラーゲン結合物質に結合しその脈管または他の体腔に送達されて画像化および/または治療の目的のために結合を可能にする。体腔における炎症状態の画像化および/または処置のための方法であって、本方法は、放射性核種に結合した、I型コラーゲンコラーゲンおよび/またはIII型コラーゲンに結合する物質の一定量を、該体腔に導入する工程;を包含する、方法であって、ここで、結合する物質は、該炎症状態の結果として該体腔内で曝露されるI型コラーゲンおよび/またはIII型コラーゲンに特異的に結合し、そして該放射性核種は、画像化および/または治療を提供する、方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.発明の分野 本発明は、一般的には、医学的方法および組成物に関するものである。さらに具体的には、本発明は、体腔における炎症領域、例えば、脈管中の脆弱性プラークの処置および画像化をおこなうための方法および組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
冠状動脈におけるアテローム性動脈硬化プラークの蓄積から生じる冠状動脈疾患はアメリカおよび世界中で主要な死因である。そのプラークの蓄積は、心筋(心筋組織)への血流を減少させる動脈の狭窄を引き起こし、この狭窄は病変であると言及される。動脈における病変部が血管を突発的な閉塞し、心筋の一部への血流の完全停止を起こすとき、心臓発作としてよく知られている心筋梗塞が起こり得る。突発的な閉塞が生じないにしても、血流は減少し得、その減少によって、やがてはかなりの組織損傷を引き起こしうる慢性的な血流不足を生じ得る。
【0003】
冠状動脈疾患をするために様々な介入が提唱されてきた。散在性の疾患に対して、最も効果的な処置は、通常、外部移植片を冠状動脈の問題の病巣へ移植するという冠状動脈バイパス移植である。さほど重篤でない疾患の場合、しばしば、薬物治療で十分である。最終的には、限局性疾患は、しばしば、バルーン式血管形成術のような様々なカテーテルに基づくアプローチ、粥腫切除術、放射線治療、ステント挿入術、およびそれらのアプローチの組み合わせを用いた血管内治療がなされる。
【0004】
利用可能である様々な治療技術があっても、心臓専門医は患者個人に対して最も適切な具体的な治療を選定するという難題に直面する。多くの診断補助器具が開発される一方、どの手段も処置を選定するために必要とされる情報の全てを提供していない。血管造影法は、冠状動脈の病巣の位置づけをするときに非常に効果的であるが、病巣の性質に関する情報は殆ど提供しない。病巣の特徴づけにおける改善を提供するために、様々な画像化技術が様々な病巣部のより詳細な画像を提供するために開発されており、このような技術としては、血管内超音波(IVUS)、血管内視鏡、レーザー分光学法、コンピュータ連動断層撮影(CT)、磁気共鳴画像法(MRI)などが挙げられる。しかし、それらの技術のいずれも、病巣の正確な性質を確定するのに完全に成功していない。特に、そのような技術はプラークが安定性であるかまたは不安定性であるかについての情報を殆ど提供していない。
【0005】
冠状動脈および他の脈管に形成するプラークは、炎症性細胞、平滑筋細胞、コレステロールおよび脂肪物質を含み、そして、それらの物質は、通常、脈管の内皮とその下にある平滑筋細胞との間に留まっている。その沈着した物質の厚み、組成および大きさを含む様々な因子に依存して、そのプラークは、安定性または不安定性として特徴づけられる。通常、そのプラークは内皮層により覆われている。内皮層が崩壊するとき、その破裂したプラークは、凝固因子カスケードを活性化し、そして、急性で重大な冠状血栓症を誘引することのある血液凝固性成分物質を非常に多く放出する。このような不安定性プラークの破裂やその結果生じる血栓形成は、不安定性アンギナ胸部痛、急性心筋梗塞(心臓発作)、冠状動脈突然死、発作を引き起こし得る。プラーク蓄積の程度ではなく、プラークの不安定性が、治療選択のための主要な決定因子であるということが近年提唱されている。
【0006】
患者のプラークが安定であるか、または不安定性、つまり「脆弱性」であるかを区別する様々なアプローチが、提案されてきた。そのような提案されたもののうちのいくつかは、炎症の結果生じる不安定性プラーク中でのわずかな温度上昇を検出する必須名モノとして備える。他の技術は、赤外線にプラークを曝露することを含んでいるのもある。異なる方法で安定性プラークおよび不安定性プラークに結合し、オートラジオグラフィにより示される放射性同位元素標識物質を導入することもまた提案されている。しかし、放射性同位元素標識の外部検出は、それらの技術の感度を制限し、罹患部の正確な位置決定を難しくする。したがって、脆弱性プラークや他の炎症性の管腔の状態を検出するための放射性標識、組成物およびプロトコルの改善を提供することがたいへん有益である。
【0007】
いったん不安定性プラークつまり脆弱性プラークが検出されると、破裂や急性閉塞の危険性を下げるためにそのプラーク処置のための方法を提供することは有益である。血管形成術、粥腫切除術、ステント挿入術のような狭窄した病巣に対する従来の脈管内治療は、脆弱性プラーク治療において限られた有用性しかもたず、ある場合では、脆弱性プラーク部位で急性血栓症を予想に反して引き起こす場合もある。したがって、破裂や急性閉塞の危険性を低減するために脆弱性プラークを治療する方法や組成物を提供することが所望である。
【0008】
2.背景技術の説明 米国特許第6,197,278号;同第6,171,577号および同第5,968,477号は放射性標識アネキシンの調製と脈管内での血栓を画像化する利用法を記載する。US2003/0152513A1は、脆弱性プラークを管腔内カテーテル画像化に向けた転換電子送達法について示唆している。Stratton et al.(1995)Circulation 92:3113−3121は動脈内の血栓検出のための放射性標識アネキシンVの使用について考察している。この医学論文においてアテローム性動脈硬化症病巣の検出に放射性標識物質を使用することを記載する。例えば、Elmaleh et al.(1998)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95:691−695、Vallabhajosula and Fuster (1997)J.Nucl.Med. 38:1788−1796)、Demos et al.(1997)J.Pharm.Sci. 86:167−171、Narula et al.(1995)Circulation 92:474−484、および Lees et al.(1998) Arteriosclerosis 8:461−470を参照のこと。米国特許第4,660,563号は、患者に放射性標識リポタンパク質を注入し、そのリポタンパク質がアテローム性動脈硬化症病巣部位に摂取され、外部シンチレーションカウンターを使用したその病巣の早期検出を可能にすることを記載する。米国特許第5,811,814号は脈管内放射能検出カテーテルを記載する。その使用されるカテーテルは、例えば、動脈瘤において、蓄積し得る標識された赤血球細胞の位置づけをする。米国特許第5,429,133号は固形体組織隆起部に蓄積する放射能を検出するための腹腔鏡プローブを記載する。医療用途を意図した小型そして軟性放射能検出器はIntra−Medical LLC, Santa Monica, California (www.intra−medical.com)により製造される。また、米国特許第4,647,445号;同第4,877,599号;同第4,937,067号;同第5,510,466号;同第5,711,931号:同第5,726,153号およびWO 89/10760も参照のこと。
上記のように参考文献として引用された幾つかは以下の刊行物にもまた関係がある。
【0009】
【数1−1】

【0010】
【数1−2】

【0011】
【数1−3】

【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0012】
(本発明の簡潔な要旨)
本発明は、患者の血管またはその他の体腔にある不安定性プラークすなわち「脆弱性」プラークおよび炎症状態部位の治療および/または画像化を行うための組成物、装置、方法を提供する。本発明は、患者の脈管系、具体的には、冠状動脈系、末梢動脈系、大脳動脈系を含む動脈系における、脆弱性プラークを治療するのを目的としつつ、少なくとも本発明の特定の態様は、脆弱性プラークの他に別の炎症状態を、脈管系の他に体腔や他の標的部位を治療するのにも有用であるということが理解される。
【0013】
脆弱性プラークの薄いキャップの破裂はI型コラーゲンおよびIII型コラーゲンを脈管に曝露するということが最近報告された。そのようなコラーゲンの曝露は、炎症カスケードの初期またはほぼ初期に、脆弱性プラークの破裂の初期過程で起こるということが考えられている。本発明は、脆弱性プラーク部位またはその付近に診断用または治療用の薬剤または物質を特異的に結合するためのマーカーまたは標的として、曝露したコラーゲン利用する。本発明の方法および組成物は、特に、脆弱性プラークを治療するために適切であり、他方、それらはまた、I型コラーゲンおよびIII型コラーゲンの曝露の結果生じる状態における炎症や過形成を受けやすい他の脈管状態や体腔を治療することにもまた有用である。したがって、動脈系の脆弱性プラークを治療するのに加え、本発明は、動静脈瘻(一般的に、透析アクセス(access)として使用される)、疾患性微小血管動脈、疾患性細動脈および疾患性細静脈(例えば斑状の脈管や髄膜脊髄脈管)などの炎症や閉塞を含む血管の他の状態を治療するために使用され得る。本発明の方法や組成物はまた尿管、尿道、膣管、頸管骨(cervical os)、食道、気管、細気管支、気管支、胃腸管、オストミー(ostomy)、胆汁管および膵管などを含む他の体腔の他の状態を治療するためにも有用でもある。
【0014】
本発明によると、放射性核種に結合した、一定量のI型コラーゲンおよび/またIII型コラーゲン結合物質を血管系または他の体腔に導入することによって、脆弱性プラークや他の炎症状態は処置され、そして/または、画像化される。このような放射性核種は、代表的には、以下に詳細に規定されるような転換電子放射源(conversion electron emitting source;CEES)である。しかし、他の場合では、放射性核種はCEES以外のものであり得る。脆弱性プラーク部位と他の炎症部位を画像化することを特に意図する例示的な放射性核種としては、表Iで説明される核種が挙げられる。
【0015】
【表1】

【0016】
脆弱性プラーク状態や他の炎症状態の処置に適する例示的な放射性核種としては、表IIに挙げられる。
【0017】
【表2】

【0018】
脆弱性プラーク状態や他の炎症状態は、好ましくは、転換電子放射源(CEES)を患者に投与することにより画像化され、そして/または処置される。そのCEESは、好ましくは、スズ−117mであるが、ホルミウム−166、タリウム−201およびテクネチウム(technitium)−99mなどもあり得る。治療目的のために、そのCEESは、脆弱性プラークの破裂を阻止するのに十分な用量で投与され、好ましくは、総量として0.05ミリキュリーから20キュリーの範囲の静脈内投与量で投与されることで、病巣にて0.05マイクロキュリーから2ミリキュリーの濃度を与え、より好ましくは、その病巣で0.1マイクロキュリー(μCi)から10マイクロキュリー(μCi)の範囲の濃度を与えるように投与されて、ここでは、総用量のうち0.01%〜0.1%を病巣への取込量の範囲としてみなす。病巣へのCEESの取込量が総用量のその想定したほぼ0.01%から0.1%の範囲であれば、上述した数値は、その取込の効率に基づいて変更され得る。画像化については、そのCEES(その放射におけるガンマ成分から成る)は、脆弱性プラーク部位や他の炎症反応部位の位置を特定できる条件下で送達され、画像化はCEESから放射されるガンマ放射線の外部検出法または他の検出法に基づかれ得る。
【0019】
CEESまたは他の放射性核種は、炎症状態の結果として、例えば脆弱性プラークの薄いキャップが破裂過程の初期段階(または、より進行した段階)に入るとき、体腔中で曝露されるI型コラーゲンおよび/またはIII型コラーゲンに特異的に結合できる結合物質と結合される。そのような特異的結合物質は、代表的に、抗体、または機能的抗体結合フラグメント(Fab)または一本鎖フラグメント(svFv)などのような結合フラグメントあり得る。ポリクローナル抗体やモノクローナル抗体は、表IIIで示されるような市販元から得られ、そして、必要な場合に機能的結合フラグメントに変換され得る。
【0020】
【表3−1】

【0021】
【表3−2】

以上に列挙される市販元に加え、適切なモノクローナル抗体が、科学文献において詳細に記載されているように調製され得る。
【0022】
放射性核種は、従来の結合プロトコルや結合手法を使用して特異的結合物質と結合される。放射性核種が、投与の間および結合工程の間、インビボで安定のままであるために、
所望する画像化および/または治療を提供するのに十分な時間、好ましくは、放射性核種の半減期の少なくとも1倍と同等の時間、さらに好ましくは、放射性核種の半減期の数倍と同等の時間に亘って、その放射性核種が標的組織でまたは標的組織で固定されたままであり得るように、この抗体または他の特異的結合物質と緊密に結合したままでなければならない。このような安定性は、抗体やその他の結合物質に対して先に共有結合された二官能性キレート剤と結合することによって、キレート結合体を形成することによって、達成される。次いで、キレート化工程により、キレート結合体は、放射性核種と結合される。金属−キレート複合体は、インビボで金属交換または他のリガンドとのトランスキレーションを受けてはならない。
【0023】
特に有用な二官能性のキレート剤の例は、表IVに説明されるような試薬である。
【0024】
(表IV)
----------------------------------------------------------------------------
ポリアミノカルボン酸、例えば、ジエチレントリアミン五酢酸二無水物(DTPADA)、シクロヘキシルポリアミノカルボキシレート4−ICE;(4−イソチオナトシクロヘキシルEDTA、すなわち4−イソチオナト−トランス−1,2−二アミノシクロヘキサン−N,N’,N’’,N’’’−四酢酸)など
----------------------------------------------------------------------------
C8N4マクロサイクルDOTA−NHS(1,4,7,10,テトラアザシクロテトラデカンN,N’,N’’,N’’’四酢酸のモノ−NHSエステル)のようなマクロサイクル誘導体など
----------------------------------------------------------------------------
C10N4マクロサイクルTETA−NHS(1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカンN,N’,N’’,N’’’四酢酸のモノ−NHSエステル)のようなマクロサイクル誘導体など
----------------------------------------------------------------------------
上記表IVに列挙されたリガンドは、Sn−117mおよび上記表Iおよび表IIに列挙される大部分の他の放射性金属に結合するのに適している。Hgなどのような多くの重金属イオンは、複数の配位部位(6より多い)を必要とし得、4−ICEおよび/またはDOTA/TETA−NHSが中程度の成功を収めるであろうが、それらの構造において、高い配位数(denticity)(配位部位)と強固さ(rigidity)とを兼ね備える、より効果的なキレート剤(例えばbis−CDTA)が必要とされる。そのうえ、Cu−67、Tc−99mおよびIn−111のような特定の金属に対して最近開発された多くの他のキレート剤がある。それらの多くもまた、Sn−117mを用いた場合と同様に、作用することが期待される。
【0025】
本発明による組成物は、コラーゲン結合物質および放射性核種を含み得る。この放射性核種は、代表的には、転換電子放射源、好ましくは、スズ−117mまたは上記のように列挙した他のCEESの一つであり得る。このコラーゲン結合物質は、上掲した表IIIおよび表IVに列挙されたそれらの物質のいずれかであり得る。好ましい組成物は、1グラム当たり0.5キュリーと10,000キュリーとの間の範囲で、好ましくは、1グラム当たり約1000キュリーの比放射能を代表的には有し得るスズ−117m金属または他のCEESを用いて調製され得る。それら組成物は、上記の方法に従う脆弱性プラークの処置や画像化の両方に適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
(発明の詳細な説明)
本発明は、治療や診断の目的のために、患者へ転換電子放射源(CEES)および他の核種を投与することを提供する。このCEESは、脆弱性プラーク領域および他の炎症性領域において局在性を高めるため、I型コラーゲン結合物質またはIII型コラーゲン結合物質と結合され得る。本発明による薬学的治療用組成物は、ヒトおよび動物を含む任意の患者に対して、その脈管部位または他の部位へと、非経口注入により、全身性注入によりまたは局部注入により投与され得る。ここで、他の部位としては、硬膜外区画、クモ膜下区画、硬組織、肺器官系、細網内皮系および潜在的な窩腔などが挙げられる。その組成物および方法は、脆弱性プラークに対する処置が特に効果的であり得るものの、硬性(hard)プラークとして、そして軟性(soft)または脆弱性プラークとして称されるアテローム性動脈硬化症性粥腫を画像化するのにも適し得る。
【0027】
画像化は、CEESや他の放射性核種から放射されるガンマ光量子の検出法に依拠する。その画像化は、例えば、通常、患者の皮膚に載るようにまたはその皮膚の上に、または標的とする身体器官の上に設置された、単純撮影型(planar)ガンマカメラまたはSPECTガンマカメラまたは別の適切な検出器などを使用する、外的なものであるが、ある部位では、例えば、カテーテルや他の脈管内プローブ、管腔内プローブまたは組織穿通型プローブを使用する局所的ものであってもよい。
【0028】
そのCEESは、医学的に適合性である放射性核種のいずれであってもよいが、好ましくは、主に転換電子およびガンマ光量子成分を放射するスズ−177mである。しかしながら、これは、異なる範囲の転換電子放射や異なった効果的な転換電子放射をもつGa−67、I−123、ホルミウム−166、タリウム−201またはテクネチウム−99mであり得る。そのスズ−177mは、好ましくは、金属形態であり、直線加速器やサイクロトロンなどの加速装置で、例えば、中程度から高エネルギーによる陽子入射反応より既知のキャリアを与えない(No−Carrier−Added)スズ−177mへとアンチモンを核変換することによって調製され得る。あるいは、スズ−116またはスズ−177の熱中性子衝撃または加速した中性子衝撃が、スズ−177mを生成するために反応器で行われ得る。スズ−177mの生成法は当該分野で周知であり、本発明の一部分を構成しない。
【0029】
本発明の組成物には、スズ−177mまたは他のCEESは、診断または治療の目的のために脆弱性プラーク領域または他の炎症部位で脈管に曝露されるI型コラーゲンまたはIII型コラーゲンに優先的にまたは特異的に結合する物質と会合され、結合されまたは他の状態に結合される。適当な好ましい結合物質は、上記表Vに説明される。
【0030】
本発明の組成物におけるCEESの貯蔵時間は、スズ117m/mgの比放射能を増大させるか、または放射性崩壊を許容するために、組成物におけるスズ117mの濃度を増大させるかのいずれかによって、増大され得る。月単位での組成物の調製およびその月に亘る心臓血管用途に係るセンター(例えば、病院または地方配送センター)に配送が可能である。組成物バッチの各々が、差次的(定量)CEES投与量を用いた3から5日間の使用ウインドウを有し、これによって、十分な使用有効性が達成されて1ヶ月から2週間ベースで輸送が実施され得る。例えば、最初のバッチがその心臓血管用途に係るセンターへの送達時間からその組成物がヒト冠状動脈に入れられなければならない時間までの5日間の有用性ウインドウを有する場合、この組成物は、暦日にして1から5日間に亘って、例えば、3月1日から3月5日までの有効日(usability day)に間にわたって、その組成物に規定のmCi/mmおよびmCi/mgレベルの比放射能を有する。3月初日に送達され、その月の6日から10日において使用される、第2バッチのために、プレーティングまたは積層される放射能レベルは、第1バッチの放射能レベルに5日間の平均崩壊量を足したものであり、その結果、3月6日において、そのバッチは、3月の初日における第1のバッチと同じ放射能を有する。3月1日において、3月10日から3月15日における使用のためのバッチもまた送達され、第1のバッチと10日間の崩壊量を補償するのに十分なスズ117mを足し合わせたものの放射能としてスズ117mの放射能を有し、その第3のバッチは、3月の第1日において第1のバッチが有したものと同じ放射能を3月の第10日において有する。第4から第6のバッチは、それらにおいて比例して増えて、スズ117mのその初めに示した認定した日に使用するための第1のバッチの放射能と等しくなる。この例において、総じて6つのバッチが、各月の最初の部分として送達され、そのバッチの各々は、その月の間で連続して5日間に亘って移植可能である。
【0031】
上述したものは、本発明における好ましい実施形態の完全な記載ではあるものの、種々の代替形態、改変形態、および均等物が使用され得る。したがって、上述の記載は、添付の特許請求の範囲により規定される発明の範囲を限定するものとして捉えられるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体腔における炎症状態の画像化および/または処置のための方法であって、該方法は、
放射性核種に結合した、I型コラーゲンコラーゲンおよび/またはIII型コラーゲンに結合する物質の一定量を、該体腔に導入する工程;
を包含する、方法であって、
ここで、該結合する物質は、該炎症状態の結果として該体腔内で曝露されるI型コラーゲンおよび/またはIII型コラーゲンに特異的に結合し、そして
該放射性核種は、画像化および/または治療を提供する、方法。
【請求項2】
前記コラーゲンに結合する物質が、抗体またはその結合フラグメントを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記抗体が、ポリクローナル抗体である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記抗体が、モノクローナル抗体またはそのフラグメントである、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記モノクローナル抗体が、表IIIまたは表IVに列挙されたモノクローナル抗体からなる群より選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記放射性核種が、転換電子放射源(CEES)である、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記CEESが、ガリウム67、ヨウ素123、テクネチウム−99m、スズ117m、ホルミウム−166およびタリウム201からなる群より選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
患者に投与されるための用量を調製するために使用された前記核種は、0.5キュリー/グラムから10,000キュリー/グラムの比放射能を有する、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記放射性核種は、0.1μCiから10mCiの範囲の総放射能濃度を有する治療投薬形態である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
γ放射線を検出して炎症の領域を位置づける工程を包含する、請求項6〜9のいずれか1項に記載される方法。
【請求項11】
前記炎症状態が、患者の脈管構造における脆弱性プラークの領域である、請求項1〜10のいずれの1項に記載される方法。
【請求項12】
前記コラーゲンに結合する物質および前記放射線核種が直接結合している、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記コラーゲンに結合する物質および前記放射性核種が、結合剤により結合される、請求項1〜11のいずれか1項に記載される方法。
【請求項14】
前記結合剤が、二官能性キレート剤を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記に官能性キレート剤が、表Vの薬剤、および他のものからなる群より選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
診断または治療用の組成物であって、
I型コラーゲンおよび/またはIII型コラーゲンに結合する物質;および
該結合する物質に結合した放射性核種
を含み、該物質および放射性核種は、一緒になって結合して該物質および放射性核種は、体腔における炎症領域で曝露された、I型コラーゲンまたはIII型コラーゲンに結合し得る、組成物。
【請求項17】
前記コラーゲンに結合する物質が、抗体またはその結合フラグメントを含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記抗体が、ポリクローナル抗体である、請求項17に記載される組成物。
【請求項19】
前記抗体が、モノクローナル抗体である、請求項17に記載の組成物。
【請求項20】
前記モノクローナル抗体が、表IIIまたは表IVに列挙されたモノクローナル抗体からなる群より選択される、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
前記放射性核種が、転換電子放射源(CEES)である、請求項16〜20のいずれか1項に記載される組成物。
【請求項22】
前記CEESが、ガリウム67、テクネチウム−99m、ヨウ素123、スズ117m、ホルミウム−166およびタリウム201からなる群より選択される、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
患者に投与されるための用量を調製するために使用された前記核種は、0.5キュリー/グラムから10,000キュリー/グラムの比放射能を有する、請求項21または22に記載の組成物。
【請求項24】
前記放射性核種は、0.1μCiから10mCiの範囲の総放射能濃度を有する治療投薬形態である、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
前記コラーゲン結合物質および前記放射線核種が直接結合している、請求項16〜24のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項26】
前記コラーゲン結合物質および前記放射性核種が、結合剤により結合される、請求項16〜24のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項27】
前記結合剤が、二官能性キレート剤を含む、請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
前記に官能性キレート剤が、表Vの薬剤、および他のものからなる群より選択される、請求項27に記載の組成物。

【公表番号】特表2009−513568(P2009−513568A)
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−532507(P2008−532507)
【出願日】平成18年9月26日(2006.9.26)
【国際出願番号】PCT/US2006/037764
【国際公開番号】WO2007/038641
【国際公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願人】(508090826)クリア バスキュラー, インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】