説明

コレステロール低下剤としてのラクトバチルス・プランタルム菌株

本発明は、ラクトバチルス・プランタルムCECT7527、ラクトバチルス・プランタルムCECT7528、及びラクトバチルス・プランタルムCECT7529からなる群から選択される菌株の少なくとも一つの有効量を含む組成物に関する。これらの新しい菌株は良好なプロバイオティクス機能を持ち、心血管疾患の予防及び/又は治療に有用である。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
本出願は2009年10月9日に出願された欧州特許出願第09172613.3号、及び2009年11月30日に出願された米国特許仮出願番号61/265,095の優先権を主張する。
(発明の分野)
本発明は、医学、微生物学、栄養学の分野に係り、特に、コレステロールの減少において使用するためのラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)の新規プロバイオティクス菌株に関する。
【背景技術】
【0002】
動脈のアテロームの進行を促進するため、異常に高いコレステロールレベル(高コレステロール血症)に心血管疾患に強く関連する。
【0003】
潜在的なコレステロールの医薬品及び食品が、血清コレステロールが異常に高いレベルを持つ人の血清コレステロールを制御するために絶え間なく開発されている。これらの医薬品は、胆汁酸塩の腸肝循環(EHC)の中断に基づき得る。胆汁酸塩の代謝、コレステロールの代謝は密接にリンクされている。胆汁酸塩は、コレステロールの水溶性排せつの最終生成物であり、消化管における脂肪の乳化のために不可欠である。それらは主に糖鎖抱合体又はタウロ抱合体として肝臓で合成される。胆汁酸塩は、日に数回(平均6回)十二指腸で分泌され、空腸を通って回腸へ通過する。腸管通過時には、胆汁酸塩のほとんどは再吸収され、門脈を介して肝臓に戻る。少ない割合が糞便内に失われ、この損失は、肝臓で内因性コレステロールから新たに合成されるべきでものである。糞便の中で失われた胆汁酸塩の量の増加は、結果としてコレステロールの新合成を増加させ、従って、内因性コレステロールプールを効果的に減少させる。樹脂という名の現在使用されているコレステロール低下薬の一群(コレスチラミン、コレスチポール、コレセベラム)は、この作用メカニズムを通じて活性である。
【0004】
EHCの中断によって血清コレステロール値を下げるための、医薬品又は外科的な試みはさておき、特定の細菌細胞の摂取もまた、コレステロール値に影響を与える可能性があることが示唆されている。腸内細菌は、細菌の細胞膜又は胆汁酸塩脱抱合を介して食事に由来する外因性コレステロールの吸収を介してコレステロール値に影響を与え得る。腸管通過時には、胆汁酸塩は、多くの変換を受け、そのうち最も重要なものの一つは、胆汁酸塩脱抱合である。胆汁酸塩を脱抱合(または加水分解)する能力は、いくつかの腸内乳酸菌(LAB)種だけでなく、他の属においても見られる。胆汁酸塩が脱抱合されると、グリシン又はタウリンが、分子のステロイド部分から解放され(脱抱合)、その結果、遊離の(脱抱合の)胆汁酸塩が形成される。遊離の胆汁酸塩は、低いpHでさらに容易に沈殿する。それらはまた抱合型のカウンターパートよりも効率悪く吸収される。よって、脱抱合胆汁塩は胆汁酸塩を抱合した糞便中により容易に排泄される。胆汁酸塩の脱抱合は胆汁酸塩の排泄を増加させることによってEHCに影響を及ぼし、外因性コレステロールの単なる保持よりも血中コレステロール値の減少においてはるかに効果的であると考えられている。
【0005】
胆汁酸塩加水分解酵素(BSH)はEHC中に胆汁酸塩の抱合を担う酵素であり、消化管に固有のいくつかのLAB種で検出された。Tanakaらは(「胆汁酸塩の加水分解酵素活性に対する乳酸菌のスクリーニング」Journal of Dairy Science 1999, vol. 82, p. 2530-35を参照)、ビフィズス菌及び乳酸菌属、及びラクトコッカスラクティス(Lactococcus lactis)、リゥコノストック‐メゼンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)、及びストレプトコッカス・サーモ(Streptococcus thermophilus)に由来する300菌株以上のLABをスクリーニングした。273菌株に関して得られた結果は、BSH活性が不均一に異なる種間で分布していることを示した。この調査によると、ほぼすべてのビフィズス菌株がBSH活性を有するが、この活性は乳酸菌の選択された菌株においてにのみ見つけることができる。
【0006】
ラクトバチルス・プランタルムは、多くの発酵食品並びに嫌気性植物などに一般的に見いだされるグラム陽性耐気性LABである。それはまた(それが最初に単離された)唾液中にも存在する。L.プランタルム株は、工業プロセス及び保全期間を通しての良好な生存率、並びにその高い酸性化プロファイル及び官能特性のおかげで発酵食品の工業的な調製に特に適している。L.プランタルムの幾つかの株はまた、プロバイオティクスとしても考慮されている。プロバイオティクスは、十分な量で投与した場合、宿主に健康上の利益を与える生きた微生物である。プロバイオティクスと称されるには、細菌は、毒性の欠如、下部消化管(GIT)到達における生存能力、及び腸管粘膜への接着に関連するいくつかの要求を満たす必要がある。ほとんどのプロバイオティクス細菌がLAB群に属しているが、それにも関わらず、一般的にプロバイオティクスの機能及び利点は、同一種のLABの間でさえも、極めて菌株依存性であることが知られている。
【0007】
市販のL.プランタルム299v株は、一般的にプロバイオティクスとみなされており、プロバイオティクス飲料の形で摂取すると血清中のフィブリノーゲン及びコレステロール値を減少させると記載されている(「コレステロールがわずかに上昇した被検体におけるラクトバチルス・プランタルムを含む食事を補充したときのフィブリノーゲン及びLDLコレステロール値の減少」Bukowskaら、Atherosclerosis 1998, 137巻, 頁437-38を参照)。しかしながら、LDLコレステロール低下は、これらの研究において非常にわずかであり、HDLコレステロールの同様の軽微な減少を伴っていた。L.プランタルム299vのBSHAに関するデータは公表されていない。
【0008】
したがって、コレステロール低下剤として使用されるべき新規な改良されたプロバイオティクス菌株を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、血中コレステロールの低減のため及び、その結果として、心血管疾患の予防及び治療のための新規な改良されたプロバイオティクス菌株を提供する。ヒトの糞便から単離された3つの新規プロバイオティクス・ラクトバチルス・プランタルム菌株が本発明者らにより提供される。その菌株は驚くほど高いBSH活性を有することが判明した。上述したように、細菌の高いBSH活性及びコレステロールの減少との間に存在する密接な関係が、この菌株をコレステロール低下剤として有用にしている。以下の実施例は、市販のプロバイオティクス混合_VSL#3に存在しているL.プランタルム299v又はL.プランタルム株などの、関連した市販のL.プランタルム株と比較して、これらの菌株は有意に高いBSH活性を有することを実証している。また、本発明の菌株は水溶性のコレステロールを含む培地から培養コレステロールの低減に有効であることも示されている。個々の新規菌株はそれ自身が既知の菌株に関して優位性を示すとしても、3つの株が一緒に使用される場合にはこれらの利点は拡大され、従って相乗的な挙動を示す。
【0010】
本発明の菌株のコレステロール低下活性は、インビボにおいても実証されている。以下の例は、本発明のプロバイオティクス菌株を含む製品は、高コレステロール血症の被検体に投与した場合におけるコレステロールの低減に特に効果的であることを示している。
【0011】
従って、本発明の第一の態様は、ラクトバチルス・プランタルムCECT7527、ラクトバチルス・プランタルムCECT7528、及びバチルスプランタラムCECT7529からなる群から選択される菌株の少なくとも一つの有効量を含む組成物に関するものであり、その変異株は、スターター材料として寄託株を使用して得られ、かつその変異株が、親株のコレステロール低下活性を保持する又は更に改善する。特定の実施態様において、本発明は、ラクトバチルス・プランタルムCECT7527、ラクトバチルス・プランタルムCECT7528、及びラクトバチルス・プランタルムCECT7529からなる群から選択される菌株の少なくとも一つの有効量を含む組成物に関する。
【0012】
本明細書にて使用される「有効量」なる用語は、所望の利点を供給するのに十分多く、しかし医学的判断の範囲内で重篤な副作用を避けるために十分に少ない活性剤の量を意味する。
【0013】
本発明の更に別の態様は、ラクトバチルス・プランタルムCECT7527、L.プランタルムCECT7528、及びL.プランタルムCECT7529又はその変異株の有効量を含む組成物に関し、その変異株は、スターター材料として寄託株を使用して得られ、その変異株は親株のコレステロール低下活性を保持するか、又は更にに改善する。特定の実施態様において、本発明の組成物は、ラクトバチルス・プランタルムCECT7527、L.プランタルムCECT7528、及びL.プランタルムCECT7529の有効量を含む。
【0014】
出発材料として寄託株を使用して、当業者が日常的に、従来の突然変異誘発又は再分離技術によって、本明細書中に記載の関連機能及び利点を保持する変異体又は誘導体を更に得ることができることは明らかである。従って、「変異体」なる用語は、出発材料として寄託株を用いて得られた変異株に関連し、その変異株は親株のコレステロール低下特性を保持しているか又は高めている。当業者は、その菌株のコレステロール低下活性を決定するために用いられる適切な方式を決定するであろう。この活性を測定する可能な方法の例は、以下の例に示される。
【0015】
本発明の菌株は、それらがプロバイオティクスとして特に有用であるという利点を持つ。上述したように、プロバイオティクス細菌は毒性の欠如、生存率、接着及び有益な効果に関するいくつかの要求を満たす必要がある。これらのプロバイオティクスの機能は、同じ種の細菌の間でさえも、菌株依存性である。従って、全てのプロバイオティクス要件において優れた性能を持つ菌株を見つけることが重要である。以下の実施例は、本菌株が優れたプロバイオティクスの機能を有することを示している。
【0016】
本発明の菌株は、哺乳類の胃腸の環境状態(酸性環境、高濃度のリゾチーム、胆汁酸塩及び酸素の過酸化物)に非常に耐性があり、よってGITを通過後も存続することができることを実証した。菌株はまた腸上皮への良好な接着性を持っており、それらが腸管内に留まり、そのプロバイオティクス効果を発揮することができるようにしている。他の市販の菌株と比較すると、本発明の菌株は、GITの状態に対する優れた耐性、及び高い接着力を示している。加えて、それらは毒性作用を持たず、LABの移行の増加をもたらさず、あるいは、宿主の哺乳動物の腸内細菌の移行を容易にしないので、安全であることが示されている。更に、本菌株は宿主内でいくつかの有益な効果を有する。それらのコレステロール低下活性に加えて、アンタゴニスト活性に起因する腸内細菌叢のバランスに利益を与える。「アンタゴニスト活性」なる用語はプロバイオティクス細菌の活動による消化管の非有益な細菌の増殖の阻害を言う。不十分な消化管の微生物バランスを持つ状態は腸内菌共生バランス失調(disbiosis)として知られており、ヒトの幸福に対して複数の負の影響を持っている。その菌株が、他の市販のL.プランタルム株に比べた場合、病原性菌株の増殖を阻害する高い能力を持っていることが以下に示される。
【0017】
本菌株はまた、短鎖脂肪酸(SCFA)を大量に生成する。非消化性繊維からSCFAの生産は興味深いプロバイオティクス機能である。生成されたSCFAは、宿主中でいくつかの有益な特性を示すため、この機能はプロバイオティクスにおいて望ましい(Wong J.ら、「結腸の健康:発酵及び短鎖脂肪酸」, J Clin Gastroenterol 2006, 40巻, 頁235-43を参照)。SCFAのうち、プロピオン酸及び酪酸の生成は、本発明の範囲について大きな関心である。最初は全身性炎症を軽減するために有用な抗炎症作用を有する。広範囲の炎症がアテロームにおいて発生し、それは最も重要な心血管リスク因子の一つである(Naruszewicz M.ら、「伝統的なポーランドの食事における潜在的な準医薬品(parapharmaceuticals)」、2005, Journal of Physiology and Pharmacology, 56巻, 付録1, 頁 69-78を参照)。酪酸は結腸細胞の主要エネルギー源であるため、一般に結腸上皮のために有益であることが知られている。
【0018】
ヒト宿主におけるいくつかの有益な効果を発揮することにおいて、これらのプロバイオティクス細菌は、治療薬又は予防薬として有用である。特に、本発明の菌株は血中コレステロール値を低下させるのに有効である。上記で説明したように、高コレステロール値は、それらが動脈におけるアテローム進行を促進するため、心血管疾患に強く関連付けられている。従って、本発明の菌株は、心血管疾患の予防又は治療に有用である。
【0019】
従って、本発明の別の態様は、予防及び/又は治療薬として使用するために、本発明の菌株又はそれらの変異株の少なくとも一つの有効量を含む組成物に関する。好ましい実施形態において、本発明の組成物は、ヒトを含む動物の心血管疾患の予防又は治療に使用するためのものである。その他の好ましい実施態様において、本発明は、心血管疾患の予防及び/又は心治療のための医薬の製造のために上記のような組成物の使用を提供する。これは、ヒトを含む動物における心血管疾患の予防及び/又は治療のための方法として代わりに処方され得、それを必要とする該動物に本発明の組成物の有効量を投与することを含む。
【0020】
その他の実施態様において、本発明の組成物はコレステロール低下剤として使用される。更なる実施態様において、本発明は、コレステロールの低下のための医薬の製造のため上記のような組成物の使用を提供する。これは、ヒトを含む動物におけるコレステロール低下ための方法として代わりに処方され得、それを必要とする該動物に本発明の組成物の有効量を投与することを含む。
【0021】
本発明の組成物は、健常者並びに冠動脈障害を形成して苦しむ患者に投与することができる。特定の実施態様において、本発明の組成物を受ける被検体は、高コレステロール血症に苦しんでいる。
【0022】
本発明のプロバイオティクス組成物は、植物ステロールによって示される副作用を欠いている更なる利点を持っており、その副作用はステロールを非常に吸収する被検体にスタチンとの併用は禁忌であると説明されている。最近の証拠によると、スタチン単剤療法に見られる残存冠動脈リスクのいくつかは、植物ステロールを含むステロールの過剰吸収者である患者において、冠動脈リスクを実際に増加させるスタチンがもたらした結果であることを示唆している。ステロールを過剰吸収する被検体は人口のおよそ25%にのぼり、その大半はアデノシン−5'−三リン酸(ATP)結合カセット(ABC)ハーフトランスポーターABCG8に多形性を含む(Goldstein Mら、「スタチン、植物ステロールの吸収、及び増加冠動脈リスク」 Journal of Clinical Lipidology, 2008, 2巻, 頁304-305を参照)。さらに、食事の植物ステロールの濃縮及びスタチン療法の効果は血液及び組織の植物ステロール濃度を上昇させるのに付加的であり、これはステロール過剰吸収者において特に顕著であることが示唆されている。本発明のプロバイオティクス組成物は、これらの欠点を持たず、任意の集団にスタチン又は他のコレステロール低下薬を併用して投与することができる。
【0023】
従って、特定の実施態様において、本発明の組成物はステロール過剰吸収者に投与される。別の特定の実施態様において、本発明の組成物はスタチンと併用して投与される。
【0024】
本発明の菌株はまた、腸粘膜から改善されたサイトカインパターンを誘導するため、宿主中で免疫調節効果を促進する。この免疫調節効果は、疾患抵抗性の改善及びアレルギーリスクの減少を達成するのを助けるため、宿主に対して有益である。GITに生息するグラム陰性細菌がそれらの細胞表面上に分子LPS(リポポリサッカライド)を提示し、腸粘膜細胞から炎症マーカーの産生を誘導することが知られている。プロバイオティクスの補給は、優れた生態学的適合、又はいくつかのグラム陰性微生物に対するアンタゴニスト特性を持つ、(乳酸菌群にグループ化された)GITにおけるグラム陽性菌の一つの大きな存在を支持するためにこの状況を変更することができ、従って腸粘膜におけるLPSの存在を減らすことができる。それにもかかわらず、幾つかのプロバイオティック微生物は、それ自体は体内における炎症性応答及び免疫応答を調節するメッセンジャー分子であるサイトカインの産生を調節する能力を示している。特に、幾つかのプロバイオティクス細菌は、腸粘膜の炎症促進性/抗炎症性シグナル伝達の間のより良いバランスのとれたパターンを誘導する(グラム陰性菌の数を削減せずに)。上述したように、この細菌刺激免疫調節はまた抗アテローム硬化性作用を持つ。
【0025】
以下に説明されるように、本発明の菌株は、それ自体、腸粘膜細胞により生成される、炎症性腫瘍壊死因子−α(TNF−α)レベルの減少及び抗炎症インターロイキン10(IL−10)レベルの増加を促進し、従って腸粘膜から改善されたサイトカインパターンを誘導することが見いだされた。この免疫調節効果は、GITにおいて病原性グラム陰性菌の存在を減少させ、腸粘膜においてLPSの量を減少させるその菌株のアンタゴニスト特性によって補完される。
【0026】
寄託株またはそれらの変異体の少なくともいずれかの有効量を含む本発明の組成物は、食用、医薬品又は獣医用の製品として処方することができ、該菌株は唯一の活性剤であるか、又は一つ以上の他の活性剤と混合されるか、及び/又は薬学的に又は獣医学的に許容される賦形剤(医薬品又は獣医学製品の場合)又は適切な添加剤(食品の場合)と混合される。本発明の特定の実施態様では、製品には、更に1つまたは複数のさらなる活性剤が含まれる。好ましくは、追加の活性剤又は薬剤は、他のプロバイオティクス細菌である。製剤に応じて、菌株は、精製された細菌として、細菌培養物として、細菌培養物の一部として、後処理された細菌培養物として、及び単独又は適当な担体又は成分とともに、添加され得る。プレバイオティクスを添加することもでき、共生組成物を生じさせる。特定の実施態様において、本発明の組成物は、更にフラクトオリゴ糖及びガラクトオリゴ糖からなる群から選択されるプレバイオティクスを含む。
【0027】
別の態様において、本発明は、一緒に、薬学的又は獣医学的に許容される賦形剤の十分な量と一緒に、寄託株又はその変異株の少なくとも一つを含む組成物の有効量を含有する医薬品及び/又は獣医製品を提供する。この点において、医薬品は錠剤、丸剤、カプセル剤、マイクロカプセル剤、顆粒剤、懸濁剤、シロップ剤、凍結乾燥粉末、液体製剤等の形態で調製され経口投与され得る。組成物の特定の目的の観点において、賦形剤及び製剤のための最も適切な方法の選択は、製薬技術の一般的当業者の範囲内にある。経口投与が好ましいが、他の形態、例えば直腸注射剤又は局所的注射剤は可能である。
【0028】
本明細書で使用される「薬学的に許容可能」なる用語は、化合物、材料、組成物、及び/又は剤形に関係し、それらは妥当な医学的判断の範囲内で、被験体(例えばヒト)の組織と接触する使用に適しており、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題や合併症が無く、合理的な「利益/リスク」の比率に見合ったものである。各担体、賦形剤等もまた製剤の他の成分との互換性という意味で「許容可能」でなければならない。適当な担体、賦形剤等が標準的な薬学の教科書に見いだされる。同様に、「獣医学的に許容可能」なる用語は非ヒト動物の組織との接触における使用に適したことを意味する。
【0029】
本発明の菌株はまた、様々な食品、例えば乳製品、ヨーグルト、豆腐、チーズ(例えばクォーク、クリーム、加工ソフトとハード)、発酵乳、粉ミルク、発酵製品がベースのミルク、アイスクリーム、発酵させた穀物ベースの製品、牛乳ベースの粉末、飲料、ドレッシング、ペットフードを含み得る。「食品」なる用語は、その最も広い意味で本明細書中で使用され、動物が摂取することができ、しかし医薬品及び動物用医薬品を除く、任意のプレゼンテーション形式における任意の製品のタイプを含む。他の食品の例としては、肉製品(例えば、レバーペースト、フランクフルト、及びサラミソーセージ又は肉スプレッド)、チョコレートスプレッド、詰め物(例えば、トリュフ、クリーム)及びフロスティング、チョコレート、菓子(例えば、キャラメル、フォンダンやタフィー)、焼き菓子(ケーキ、ペストリー)、ソース、及びスープ、フルーツジュース、コーヒー用クリームがある。特に興味深い食品は、食事サプリメント(dietary supplements)又は調整粉乳である。本発明の意味において、食事サプリメントは、ヒトの健康への薬効を持つ食品の抽出物であることが知られている栄養補助食品(nutraceuticals)も含まれる。動物性食品のための飼料もまた本発明の範囲に含まれる。本発明の組成物はまた、他の食品の成分として使用することができる。
【0030】
従って、本発明の別の態様では、食品は、食用成分の適量と一緒に本発明の組成物を含んで提供される。好ましくは、本発明の組成物は食事サプリメントである。
【0031】
組成物中の各菌株のコロニー形成単位(CFU)の有効量は、当業者によって決定され、最終調製物に依存するであろう。現在の法律によれば、例えば、食品では、株又は菌株は約10cfu/gから約1012cfu/gの量で、好ましくは約10cfu/gから約1012cfu/gの量で存在する。「コロニー形成単位」(”CFU”)なる用語は寒天プレート上での微生物のカウントによって明らかにされる細菌性細胞の数として定義される。
【0032】
食事サプリメントは、通常、10から1012cfu/gの範囲の量でプロバイオティクス菌株が含まれる。特定の実施態様において、本発明の組成物は10−1011cfu/gの間、好ましくはおよそ1011cfu/gの寄託株を含む食事サプリメントである。その他の実施態様において、食事サプリメントは10cfuの本発明による株又は菌株を含む。本発明の組成物の適切な投与レジメンは、当業者によって確立することができる。本発明の組成物は、1日1回、1週間に数日間、又は1日あたり数回投与することができる。別の実施態様では、毎日の投与量は、本発明の10CFUの菌又は菌株を含む。
【0033】
本発明の菌株は、適切な培地中で、適切な条件の下で細菌を培養して生産される。菌株は単独で純粋培養を形成するために培養するか、又は他の微生物と一緒に混合培養として培養するか、又は個別に異なる種類の細菌を培養し、その後、所望の比率でそれらを組み合わせることにより培養することができる。培養後、細胞懸濁液が回収され、それ自体が使用されるか、又は所望の方法で処置され、例えば、濃縮又は凍結乾燥することにより、更に医薬品又は食品の調製に更に用いられる。時には、プロバイオティクス製剤は、貯蔵寿命を向上させるために、固定化又はカプセル化処理が施される。細菌の固定化またはカプセル化のためのいくつかの技術は当技術分野で知られている(Kailasapathy ら、「プロバイオティクス細菌のマイクロカプセル化:技術と潜在用途」Technology and Potential Applications”, Curr Issues Intest Microbiol 2002, 3巻, 頁39-48を参照)。
【0034】
本発明に係る組成物が食事サプリメントとして使用される場合にはそのように投与することができ、水、ヨーグルト、牛乳又はフルーツジュースと混合することができ、又は固形食品もしくは液体食品と混合することができる。この文脈において食事サプリメントは、錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、懸濁剤、小袋、パステル、お菓子、バー、シロップの形態、及びそれに対応する投与形態の形式で、通常単位用量の形態である。好ましくは、本発明の組成物は、錠剤、カプセル剤、シロップ剤または錠剤の形態で投与され、医薬品を調製する従来のプロセスで製造される。
【0035】
以下の例に示すように、市販のL.プランタルム株、例えばL.プランタルム299v又はL.プランタルムVSL#3のと比較した場合、提供された菌株のそれぞれは改善された特性を有している。特に、3つの菌株は、驚くほど高いBSH活性により改善されたコレステロール低下効果を保有している。従って、菌株の各々は、それ自身で又は本発明の他の菌株との組み合わせのいずれかで本発明の組成物に使用することができる。例えば、本発明の組成物は、L.プランタルム株CECT7527の有効量を単独又は薬学的に許容される賦形剤、又は食用成分、保存剤などと一緒に含むことができる。また、本発明の組成物はL.プランタルム株CECT7527の有効量をL.plantarum株CECT7528及び/又はL.プランタルム株CECT7529と組合わせて、薬学的に許容される賦形剤、又は食用成分、保存剤などと一緒に含むことができる。
【0036】
本発明の更なる態様は、ラクトバチルス・プランタルムCECT7527、ラクトバチルス・プランタルムCECT7528及びラクトバチルス・プランタルムCECT7529、又はその変異株からなる群から選択されるラクトバチルス・プランタルムの菌株を提供し、その変異株は、スターター材料として寄託株を使用しており、その変異株は親株のコレステロール低下活性を保持するか又は更に向上させている。特定の実施態様では、菌株は寄託株の一つから選択される。
【0037】
以下のセクションでは、本発明の菌株のコレステロール低下機能、並びにそれらの分類学上の特徴評価及びその特定のプロバイオティクスの機能を免疫系への影響を包含して記述する。これらの例は、本発明を限定するものではない。得られた結果は、市販のL.プランタラム299v株と比較した場合、本発明の菌株がプロバイオティクスの機能を改善していることを示している。更に、本発明の菌株を含む組成物は、既知の植物ステロールを含有する製剤よりもインビボでのコレステロール低下活性が優れていることが示されている。
【0038】
特に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する通常の当業者により一般的に理解されるのと同じ意味を持つ。本明細書に記載のものと類似か又は同等の方法及び材料は本発明の実施において使用することができる。
【0039】
本記述及び特許請求の範囲を通して、「含む(comprise)」なる単語及びそのバリエーションは、他の技術的特徴、添加物、成分、又は工程を除外するものではない。本発明の追加の目的、利点及び特徴は、当業者によって記述の検証時に明らかになるか、又は本発明の実施によって知ることができる。以下の実施例及び図面は、例示として与えられており、それらは本発明を限定するものではない。更に、本発明は、本明細書に記載の特定の及び好ましい実施態様の全ての可能な組み合わせを網羅している。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】パルスフィールド電気泳動パターン;(A)Sma-Iで制限されたゲノムDNA 及び(B)Sfi-Iで制限されたゲノムDNA:1、ラクトバチルス・プランタルム299v;2、F2099;3、F3147;4、ラクトバチルス・プランタルムVSL#3;5、F3276。
【0041】
実施例
1.新規な菌株のインビトロでのコレステロール低下活性
本発明の菌株は乳児の糞便から分離され、下記の方法により、胆汁酸塩加水分解酵素(BSH)活性のスクリーニングにおける高いパフォーマンスで他の500菌株の中で選ばれた。選択された菌株は、明確なグラム+染色、並びに桿菌形態を示し、非芽胞形成性であった。菌株はブダペスト条約のもとColeccion Espanola de Cultivos Tipo(CECT、バレンシア大学、Edificio de investigacion, Campus de Burjassot, 46100 Burjassot、バレンシア)に寄託された。対応する生存能力の証明書が発行され、菌株は以下のアクセッション番号を受け取った:ラクトバチルス・プランタルムCECT7527(この説明ではF2099とも命名)、ラクトバチルス・プランタルムCECT7528(この説明ではF3147とも命名)、及びラクトバチルス・プランタルムCECT7529(この説明ではF3276も命名)。CECTのエントリの日付は菌株F3276とF2099の対して2009年5月7日、菌株F3147に対して2009年7月15日であった。
【0042】
菌株のコレステロール低下活性はインビトロで更に調査され、市販のコントロール菌株、L.プランタルム299v株(今後はLp 299v)、及び市販のVSL#3培養液に含まれるL.プランタルム株(今後はLp VSL#3)と比較された。上記のように、乳酸菌によって引き起こされるコレステロール値の低下について、2つのメカニズム、すなわち胆汁酸の脱抱合によって引き起こされるコレステロールの新合成、及び食事からの外因性コレステロールの吸収を介するものが記載されている。従って、全ての菌株がBSH活性アッセイ及び培養のコレステロール低下試験に供された。更に、新しい菌株の異なる組合せを含む混合培養物がアッセイされ、相乗効果がBSH及び培地コレステロール低下活性に関して菌株間に存在するかどうかを確認した。実験手順はHyeong-Jun Limらにより記載されたものをわずかに修正して実施された(「プロバイオティクス使用のためにヒトの腸から単離されたコレステロールを低下する乳酸菌」, J Vet Sci 2004, 5巻, 頁391-5を参照)。
【0043】
1.1胆汁酸塩加水分解酵素活性
菌株は5%CO2を含む空気中で30℃でMRS培地(pH6.4)で一晩培養した。インキュベーション後、培養液は10cfu/mlに標準化され、次の混合培養液が調製された:F2099+F3147、F2099+F3276、F3147+F3276、F2099+F3147+F3276。混合培養液は、構成菌株のそれぞれが同量、及び単一菌株培養液と同じ総細菌濃度が含まれた。単一菌株培養液及び混合培養液の両方がBSH活性についてアッセイされた。培養液は4%(w/v)のタウロデオキシコール酸(TDCA、Sigma、米国)のナトリウム塩、及び0.37g/lのCaClを添加したMRS寒天培地プレート上の滅菌紙ディスクの周りに含浸させた。プレートは嫌気的に72時間37℃でインキュベートし、ディスク周りの沈殿帯の直径が測定された。BSH活性は、阻害ゾーンの直径(IZD)からディスク径(DD)を減算し、式GI=(IZD−DD)/2に従って2者のこの差分を割ることによって算出した(表1参照)。
【0044】

【0045】
これらの結果は、本発明の菌株が高い胆汁酸塩脱抱合活性を有することを示している。さらに、単一の菌株F2099、F3147及びF3276のそれぞれのBSH活性は、菌株F3276に対応する最高活性である、市販の菌株Lp299v及びLpVSL#3よりも高い。また、菌株が混合培養で組み合わされた場合、混合培養液のBSA活性は、同じ総細菌濃度の単一菌株培養液のそれと比べて高い。3つの菌株が組み合わされたときにBSH活性が特に増加し、Lp299vを大きく倍増したBSH活性をもたらす。従って、BSH活性に関して本発明の菌株の間に相乗効果があるように見える。
【0046】
1.2.培地コレステロール低下能力
コレステロール低下試験は、水溶性コレステロールMRSブロスを用いて行った。上記で説明したように、単一菌株培養液及び混合培養液を調製した。水溶性コレステロール(ポリオキシエタニルコレステロールセバシン酸塩、Sigma、米国)は、0.45μmのミリポアを通じて濾過し、オートクレーブした0.05%L−システイン含有MRSブロスへ補充され最終濃度を300mg/mlとした。接種量は1mlのコレステロールMRSブロスあたり上記で得られた(10cfu/ml)細菌の培養液15μlであり、嫌気的に24時間、37℃でインキュベートされた。未接種MRSブロスも同じ条件でインキュベートされた。インキュベーション後、細菌細胞は遠心分離により除去され、L.プランタルムの培養上清及び未接種のコントロールはその後、自動分析装置(Olympus AU400)により、残りのコレステロール含量がアッセイされた。同じ実験が1%w/vの胆汁塩を含有するMRSブロス(SIGMA C4951由来の胆汁酸塩)中で実施されたが、この最後の組み合わせがより密接に腸内環境に似ているためである。これらのアッセイの結果を表2に見ることができ、未接種のコントロールに関するコレステロール低下の%として表されている。
【0047】

【0048】
再び、結果は、本発明の菌株は、よく知られた市販のLp299v及び菌株LpVSL#3と比較して優れたコレステロール低下作用を有することを示している。更に、混合培養液中において本発明の3つの菌株を組み合わせた場合に、コレステロール値を下げる効果が優れていることが示されている。
【0049】
2.菌株の分類学的特性評価
分類学上の特性評価のために、本発明の菌株は、5%COを含む大気中で30℃でMRS培地(pH6.4)で一晩増殖させた。細菌は更に回収されて洗浄し、プレリシスバッファー(480μlのEDTA、50mM pH8.0、120μlのリゾチーム10mg/ml)に再懸濁され、更に60分間37℃でインキュベートした。DNAは、ウィザードのゲノムDNA精製キット(Promega)を用いて抽出した。前処理した細菌を2分間14000gで遠心分離して上清を除去した後は、プロメガのプロトコルに従った。簡単に言えば、細菌はNuclei Lysis Solutionに再懸濁され、5分間、80℃でインキュベートし、次いで室温まで冷却した。細胞溶解物を60分間37℃でのRNase溶液中でインキュベートし、タンパク質は、タンパク質沈殿溶液を添加して高速でボルテックスすることにより沈殿させた。試料は、冷却され、3分間15000gで遠心分離した。DNAを含む上清は清潔な1.5mlマイクロチューブへ移され、反転することでイソプロパノール600μlと混合した。DNAは15000gで2分間遠心分離によって収集し、注意深く上清を捨てた。DNAサンプルは70%エタノール600μlでチューブを数回穏やかに反転させることで洗浄した。エタノールは15000gで2分間遠心した後、吸引により除去した。最後に、DNAペレットを1時間、65℃でインキュベートすることにより、再水和液の100μl中に再懸濁した。サンプルは2〜8℃で保存された。
【0050】
2.1.属及び種の遺伝的同定
16S rRNAは、ユニバーサルプライマーEub27f及びEub1492rを用いてPCRにより増幅し、16S(1000以上のヌクレオチド)のほぼ完全なシーケンスの断片を生成する(表3)。その後、上述のように得られたDNAは、キットQuiaquick(Quiagene)を使用して洗浄した。
【0051】
4つの連続したシークエンス反応は、表3に示すプライマーを用いて、BigDyeキットV.3.1を用いたGenetic Analyzer3130(アプライドバイオシステムズ社)で、各サンプルに対して実施された。データ収集及びクロマトグラムは、DNA配列解析のv.5.2ソフトウェア(アプライドバイオシステムズ社)を用いて構築され、Chromas(Technelysium Pty Ltd)及びBioEdit(Ibis Biosciences)により視覚的な分析によって確認された。
【0052】
属の同定は、リボソームデータベースプロジェクトのツールを使用して行った(Q. Wangら、「新しい細菌分類へのrRNA配列の迅速な割り当てのための単純ベイズ分類器」、 Appl. Environ. Microbiol. 2007, 73巻, 頁5261-7を参照)。種の同定は、BLASTNを用いてRefSeqデータベース(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/RefSeq/) によって、及びリボソームデータベースプロジェクト(http://rdp.cme.msu.edu/, J.R. Coleら、「リボソームデータベースプロジェクト(RDP−II):myRDPスペース及び品質管理された公共データの導入」Nucl. Acids Res. 2007, 35巻, 頁169-72)によって、得られた配列を既知の生物の16S配列と比較することにより行われた。RDPツールは、ラクトバチルス・プランタルムの種に属するものとして3つの株F2099、F3147及びF3276を同定した。
【0053】

【0054】
2.2.菌株の遺伝子型決定
特性評価は、ゲノム消化及びパルスフィールド・ゲル電気泳動によって行った。F2099、F3147及びF3276菌株は、前述のプロトコルに供した (A.M. Rodasら、「ワインのラクトバチルス株の多相性研究:分類学的意味」Int J Syst Evol Microbiol 2005, 55巻, 頁197-207)。LP VSL#3及びLp299vは、コントロール株としてアッセイにも含まれた。全ての株はMRS寒天プレート上で成長させ、18時間、5%CO、37℃でインキュベートされた。細胞は回収され8mlのPET(10mMトリス、pH7.6、1MのNaCl)中で3回洗浄され、その後、6000rpmで10分間遠心分離された。ペレットは700μlの溶解バッファー(6mMトリス、1MのNaCl、0.1MのEDTA、0.5%のSLS、0.2%デオキシコール酸、1mg/mlのリゾチーム、40U/mlのムタノリシン、20(g/mlのRNase)。1.6%の低融点アガロース(FMC BioProducts,Rockland,ME,米国)の等量が再懸濁した細胞に添加され、4℃で1時間で凝固された。インサートは、2mlの溶解バッファーII(0.5MのEDTA、pH9.2、1%のN−ラウリルサルコシン及び1mg/mlプロナーゼ)に移し、48時間50℃でインキュベートした。その後インサートはTEバッファー(10mMトリス、1mMのEDTA、pH8.0)で室温で洗浄した。全DNAの消化は、SFI−I及びSma−I制限酵素(ロシュ・ダイアグノスティックス社)により行った。
【0055】
パルスフィールド電気泳動はCHEF DRIII装置(バイオラッドラボラトリーズ)を用いて行った。インサートは、1%アガロースゲル(SeaKem MEアガロース、FMC BioProducts,ME,米国)にロードされた。表4は、個々の酵素の電気泳動条件を説明している。DNA MWマーカーはラムダラダーPFGマーカー及び低レンジPFGマーカー(New England Biolabs社)であった。電気泳動後、ゲルはGelDocシステム(BioRad)を用い、エチジウムブロマイド及びUVで染色した。
【0056】

【0057】
図1に示すように、パルスフィールド電気泳動のSfi−I及びSma−I制限パターンは、F2099、F3147及びF3276菌株において異なっており、従ってそれらは3つの異なる菌株に属していることを確認した。期待通り、そのパターンもLp299v及びLpVSL#3菌株のものと異なっていた。文献では、他のラクトバチルスとは異なり、L.プランタルム種は高い遺伝的異質性を提示することが記載されている(I. Sanchezら、「ランダム増幅多型DNAおよびパルスフィールド・ゲル電気泳動パターンの組み合わせた数値解析に基づく、’アルマグロ’ナスの自発的発酵に関連する乳酸菌の遺伝的多様性の多相性研究」 Journal of Applied Microbiology 2004, 97巻, 頁446-58)。PFGEにより示されるように、菌株F2099、F3147及びF3276は、遺伝的に非常に近接した関係に見えるため、同じクローンに由来する可能性がある(F.C. Tenoverら、「パルスフィールドゲル電気泳動によって生成された染色体DNAの制限酵素パターンの解釈:菌株型分類のための基準」 J Clin Microbiol 1995, 33巻, 頁2233-9)。
【0058】
3.消化管環境に対する耐性
GITを通過するF2099、F3147及びF3276菌株の耐性を評価するために、哺乳動物の消化管の環境を模倣した条件下でアッセイが行われた。従って、リゾチーム、酸素、過酸化水素、酸性環境及び胆汁酸塩による処理後の生存が定量化された。結果は、Lp 299vおよびLp VSL#3で得られたものと比較した。
【0059】
3.1.リゾチームに対する耐性:37℃でMRSで一晩増殖させた各菌株の培養液20μlのアリコートが96穴プレートに配され、100μg/ml、200μg/ml又は300μg/mlのリゾチーム(シグマ社製)を補充した200μlの培地が添加された。プレートは37℃、5%COでインキュベートされた。細菌の増殖は、0及び6時間インキュベーションの間にELISAリーダーにより620nmでの光学密度の増加を測定することにより定量した。結果は、コントロールに対する%で表され、これは、リゾチームの補充無しにMRSブロス中の菌株の各々の最大の増殖である(表5)。
【0060】
3.2.酸素の過酸化水素に対する耐性:37℃でMRSで一晩増殖させた各菌株の培養液20μlのアリコートが96穴プレートに配された。10μg/ml、20μg/ml及び30μg/mlのH2O2が補充された200μlのMRSがウェルに添加され、プレートは、0から6時間のインキュベーションの後、620nmで読み取られる前に、37℃で30分間インキュベートした(表6)。
【0061】
3.3.酸性環境への耐性:37℃でMRSで一晩増殖させた各菌株の培養液20μlのアリコートが96穴プレートに配され、次いでHClにより異なるpHに調整されたMRS培地の200μlが細菌を含むウエル上に配された。次いで、プレートは42℃に保たれ、光学密度の増加が0から6時間の間に620nmで分光光度計で読み取られた。結果は、コントロールに対する%で表され、これはpH7.2で、MRSブロスにおける菌株の各々の最大の増殖である。
【0062】
3.4胆汁酸塩に対する耐性:37℃でMRSで一晩増殖させた各菌株の培養液20μlのアリコートが96穴プレートに配された。0.3%、0.5%及び0.1%(w/v)の胆汁酸塩(SIGMA B8756−10G、096K1213)が補充された200μlがウェルに添加され、pHが3に調整された。サンプルはまた、pH調整せずに0.3%(w/v)の胆汁塩MRSの200μlでアッセイした。プレートは5%CO、37℃に維持され、0時間及び6時間において分光光度計で620nmで読み取られた(表8)。
【0063】

【0064】

【0065】

【0066】

【0067】
これらの結果は消化管環境を模倣する条件にさらされた場合、本発明の菌株が良好な生存能力の性能を有することを示している。表5及び表6は、菌株が口中に存在する高濃度の殺菌剤(リゾチーム及び酸素過酸化水素)に耐性であることを示している。菌株の生存能力は生理的条件以上の濃度(30μg/mlのリゾチーム及び10μg/mlのH)においても非常に良好である。胃の酸性条件に関して、菌株の生存能力はまた申し分ないものである。更に、胃を空になる場合に通常そうであるが、本発明の菌株は、酸性pHとの組み合わせにおいても、胆汁酸塩に対して顕著に耐性である(表8を参照)。つまるところ、その結果は、本発明の菌株がGITを通過した後に生存能力があることを示している。さらにこの結果は、本発明の菌株がアッセイされた条件下で、市販の菌株Lp 799v及びLp VSL#3よりも優れた能力を有することを示している。
【0068】
4.腸管への付着
4.1粘液への付着
F2099、F3147及びF3276株の付着能力を市販の菌株のLP 299vのそれと比較した。
【0069】
粘液は、ゼラチン0.01%及びプロテアーゼ阻害剤(Complete(登録商標)、シグマ)を含むpH7.4のPBSで腸を洗浄することによって得られた。粘膜は廃棄され、10mMのHEPES−ハンクス塩、pH7.4のバッファー及び同じ阻害剤とともにレシピエントに預けた。粘液は、同じ緩衝液で10分間13000rpmで遠心分離により洗浄した。上清を回収し、粘液の内容物はブラッドフォードプロトコルにより評価された。
【0070】
トリチウムで標識した培養液は、以下のように調製した。微生物の各々の無菌培養液の150μlをトリチウム標識チミジンを添加したMRS培地に入れ(MRSの3ml中に5μl)、30℃及び5%COで一晩インキュベートした。調製物は遠心分離され、ペレットはPBS緩衝液に再懸濁されて、10CFU/mlの濃度とした。微生物に組み込まれるトリチウムのシグナルは、初期のトリチウムシグナル(培地に添加されたトリチウム標識チミンのμl)、及び上清のシグナルから計算される。この数値(バイオマスに取り込まれたシグナル)と培養液中の微生物の総数及び比率が結果としてDPM/CFU(シグナル/細菌)となる。
【0071】
接着アッセイの前の24時間、0.5mg/mlの粘液溶液を1mlをELISAプレートのウェル中でインキュベートした。洗浄後、1×10cfu/mlのトリチウム標識した微生物調製物がウェルに添加され37℃で60分間インキュベートした。各ウェルの上清が除去され、ウェルはMEMアルファ培地(Gibco)で洗浄して破棄され、ウェルから粘液微生物を解放した。菌株の付着は、ウェル内の粘液微生物調製物のシンチレーションリーダー(Wallac1410)におけるトリチウムのシグナルをカウントし、上記で得られたDPM/CFUにより割って計算される。結果は、粘液面積の単位当たりの付着細菌数である。菌株F2099、F3147及びF3276の6.80×105cfu、6.58×10cfu及び7.31×10cfuは、それぞれ、腸の粘液の2cmに結合できる。Lp 299vの市販の菌株と比較して、本発明の菌株は、はるかに優れた付着能力を持っている。
【0072】
4.2.Caco−2細胞への付着
Caco−2 ECACC番号:86010202の細胞は、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)から入手した。Caco−2細胞領域の単位面積当たりの付着細菌数を得るための実験手順は、上述のように粘液への付着に対するものと本質的に同じである。結果は、菌株F2099、F3147及びF3276の3.12×10cfu、2.11×10cfu及び5.19×10cfuはそれぞれ、2cmのcaco−2細胞に結合可能であることを示し得る。再び、市販の菌株Lp 299vに比べて、本発明の菌株は優れた付着能力を持っている。
【0073】
5.毒性アッセイ
F2099、F3147及びF3276菌株の事前に固定した混合培養液(この混合培養はこれからAB−LIFEと呼ばれる)が、6匹の9週齢Wistarラット(オス及びメス)にPBS中5x1010cfu/kgで連続する2日間、総投与量1011cfu/kg投与された。動物には飼料(Teklacd2014)及び水を自由に与えた。投与は満腹以上食べた後であり、経口胃チューブにより補助された。同じ摂食レジメンはPBS単独を受けた6匹のコントロールラットに適用された。二日おきに、動物の幸福は体重、行動及び刺激への応答などのパラメータに値を割り当てることによって決定した。総得点は各パラメータにおいて得られた値の合計による:体重+動作+刺激に対する応答。まったく、動物の健康に対する悪影響は試験中に認められなかった。
【0074】
動物は、7日目にCO吸入によって屠殺した。肉眼的な臓器障害を見つけるために完全なる剖検が行われた。腸間膜リンパ節及び肝臓のサンプルは、細菌の移行に対するアッセイのため採取された。各サンプルの約5mgを0.01%ゼラチンPBSの1ml中でホモジナイズした。このホモジネートから100μlをMcConkeyプレート又はMRSプレートのいずれかに蒔かれた。コロニーは48時間37℃でインキュベートした後、カウントした。結果は表9および表10に表示される。コントロール及びAB−LIFE飼育動物に由来のMRSプレートにおいて観察され、LABの正常な基底移行に対応するいくつかのLABのコロニーがあった(J.S. Zhouら、「乳酸菌の潜在的なプロバイオティクス菌株における急性経口毒性及び細菌移行の研究」Food Chem Toxicol 2000, 38巻, 頁153-61)。
【0075】
結論としては、結果は、AB−LIFE培養液の経口投与は、それがLABの移行の増加につながらないか、又は腸内細菌の移行を容易にしないため、安全であることを示している。全ての動物は研究に沿って同じような体重の進化を示した。飼料と水の消費量で有意差は観察されなかった。動物の健康の臨床症状又は変化も検知されなかった。臓器及び体腔内における肉眼的損傷は、病理組織学的検査時に検出されなかった。
【0076】

【0077】

【0078】
6.アンタゴニスト特性
菌株F2099、F3147及びF3276がアンタゴニスト活性を提示するかどうかを評価するために、キャンベルプロトコルがオキソイド培地中の細菌性病原体を接種した寒天プレートを用いて実施された。本研究で用いた病原体はヒトの消化管で一般的に存在するものの中から選ばれた(表11を参照)。プレートは均一に拭き取られ、5%COインキュベータ中、適切な温度でコンフルエンスまで増殖された。次いで、均一に播種されたシリンダ部、コンフルエントなF2099、F3147又はF3276寒天プレートは、病原体板の上にLoan-to-loanに置かれ、37℃で一晩インキュベートされた。
【0079】
翌日、平らな定規の上に寒天プレートを配置することによって阻害ゾーンが測定された。次いで、増殖阻害活性は、阻害ゾーンの直径(IZD)からシリンダーの直径(CD)を減算し、この2つの違いを式GI=(IZD−CD)/2に従って割ることにより計算した。本発明の菌株の阻害する能力は市販の菌株Lp 299v及びLp VSL#3のそれと比較された。
【0080】

【0081】
F2099、F3147及びF3276菌株は表11に示すように、病原性株のほとんどの増殖を抑制した。従って、それらは病原性株の増殖を阻害する能力に起因する腸内細菌叢のバランスの利点がある。市販のコントロール株と比較した場合、本発明の菌株は一般的に優れたアンタゴニスト特性を持っていた。
【0082】
7.腸粘膜モデルにおけるサイトカイン産生の免疫調節能力のインビトロ評価
選択された粘膜のモデルは、(炎症反応の誘導原として)LPSのように菌体成分に感受性のため、及び抗炎症性サイトカインパターンの生産の誘導に適した培地中に分子が存在する場合、そのサイトカイン産生を調節するその感受性のため、単球細胞株THP−1である。
【0083】
ATCCから得られたTHP−1細胞は、24穴のELISAプレート中のDMEM培地でおよそ10単球/ウェルの最終濃度まで増殖させた。細胞は、細菌の菌株を追加する前の2.5時間の間に10ng/mlのLPSで刺激した。F2099、F3147、F3276及びLp299v株は、以前に5%CO大気中37℃で、MRS培地中で一晩増殖させた。インキュベーション後、微生物濃度は、Neubauer計数チャンバーを用いて算出され、適切に希釈され、THP−1細胞によりELISAウエル中500μlのDMEM中に最終比率25:1(2.5×10)cfu/単球を得た。各希釈液は、ゲンタマイシン(50μg/ml)、アンピシリン(10μg/ml)及びクロラムフェニコール(12μg/ml)を添加したDMEM培地で生成される。
【0084】
L.プランタルム株とTHP−1細胞との共インキュベーションは、24時間であり、更なる分析のため6時間の時点及び実験終了時にアリコートが採取された。アリコートは遠心分離され、上清は、製造元の指示に従って、市販のキットのヒト可溶性タンパク質マスターバッファー(BD Cytometric Bead Array)を用いてフローサイトメトリーによりTNF−α及びIL−10について測定された。
【0085】
得られた結果の解釈については、6時間及び24時間で得られた値の間の勾配が得られ、正規化された。正規化されたスロープは、製造元から提供された次の式で計算される。
NS=((1−ILの値 24時間/ILの値 6時間)/24)×100;
ここで、NSは、正規化された勾配であり、IL(又はTNF−α)の値は6時間又は24時間の時点でのIL−10又はTNF−αの濃度である。結果は、pg/mlで表される。
【0086】
この方法を選択した理由は、サイトカイン濃度の進化は、その絶対値(pg/ml)をより興味深いため、実験間の横断比較を可能にする標準値を得ることである(表12)。6時間で得られた値では、THP−1細胞はまだLPSの誘導下であり、その後、TNF−αの濃度が上昇し、かつIL−10が減少する。24時間の時点で、サイトカイン産生プロファイル(TNF−αの減少及びIL−10の増加)の逆転を観察することが可能である。
【0087】

【0088】
表12に示されるように、LPS−誘導THP−1細胞は、L.プランタルム菌の存在下でIL−10の産生を誘導し、IL−10誘導はF3276株の存在下で特に高い。さらに、F2099、F3147及びF3276は、市販のLp 299vに比べた場合、炎症性のTNF−α産生により高い阻害活性を有する。
【0089】
8.短鎖脂肪酸の産生
プロピオン酸及び酪酸の産生をアッセイするため、本発明の菌株及びコントロールの菌株は、以下の繊維の各々の1%(w/v)を補充した基礎培地上で生育させた:イヌリン(SIGMA I2255)、ペクチン(SIGMA76282)とフラクトオリゴ糖(FOS)(SIGMA F8052)、これらは、毎日の食事において一般的に存在する繊維である。基礎培地の組成物は表13において見ることができる。培地は、嫌気性大気中にて12時間プレインキュベートされた。Lp株の各々を播種した後、培地は嫌気的条件下、37℃で一晩インキュベートした。一晩培養液は、その後遠心分離され、上清はその後のTracer Extrasil ODS2(3μm、15x0.4cm)逆相カラムを用いたAgilent 1100クロマトグラフによるHPLC分析のため素早く液体窒素で凍結された。試料中のプロピオン酸及び酪酸濃度に対する結果は表14に見ることができる。
【0090】

【0091】

【0092】
以上の結果から、本発明の菌株はプロピオン酸及び酪酸を大量に生成し、依って宿主生物に有益な効果を及ぼすと結論付けることができる。
【0093】
9.インビボでのコレステロール低下作用
高コレステロール血症被検体における本発明のプロバイオティクス組成物のコレステロール低下作用は、無作為化試験、二重盲検試験、プラセボ対照試験、並行した臨床試験で検討された。研究では、加えて、更なる心血管に関連するパラメーター、並びにプロバイオティクス組成物の耐用性 及びその官能特性を熟考した。
【0094】
18歳から65歳の60人の高コレステロール血症被験体が研究に参加した。参加者の体格指数(BMI)は19Kg/mから30Kg/mであり、血清総コレステロール(トータルC)は200から300mg/dlであり、低密度コレステロール(LDLコレステロール)については、2つ以上の心血管リスク因子を呈し、LDLコレステロールが100から190mg/dlの間で含まれる被検体を除いて、130から190の間であった。参加者の何れも、研究に先立つ4週間の間に如何なる種類のコレステロール低下治療を受けていなかった。350mg/dlより高い高トリグリセリド血症、又は研究の開始前6ヶ月以内に心血管虚血症状発現を被った被験体は除外された。妊娠しているか授乳中の女性及び組成物の任意の成分に対するアレルギーの被験体もまた除外された。男性と女性の参加者間の違いは20%以上ではなかった。全ての参加者が参加するために文書のインフォームドコンセントを提供し、研究プロトコールは、独立した倫理委員会によって審査され承認された。
【0095】
12週間の間に参加者はコントロール組成物(プラセボ)、又は本発明の3つの菌株、F2099、F3147及びF3276を等しい割合で含む混合培養液を1.2*10cfuを含むプロバイオティクス組成物(AB−LIFE 2)を毎日1回経口投与を受けた。プラセボ組成物及びAB−LIFE組成物の調製は表15に見ることができる。両方の組成物は、植物ゼラチンカプセルの形態で投与された。被検体のLDLコレステロール、血清総コレステロール、LDL/HDL、酸化型コレステロール、中性脂肪、動脈圧、基礎血糖、体重、ウエスト/ヒップインデックス、体脂肪及び健康は、研究を通してモニターされた。更に、組成物の官能特性及び耐容性が評価された。AB−Life 2のプロバイオティクス群及びプラセボ群の両方の測定値は、SPSSプログラムを用いて統計的に分析された。
【0096】

【0097】
臨床試験の結果は、表16及び表17に示した。プラセボ群及びプロバイオティクス群の両方について、治療前と後の血清総コレステロール、LDLコレステロール及び酸化型コレステロールについての平均値及び標準偏差は表16に認められる。減少の割合及びグループ内統計分析が示される。従ってAB−LIFE2が有効なコレステロール低下剤であると結論される。更に、植物ステロールのように、類似表示の製品と比較すると、AB−LIFE 2の消費によりもたらされる血清総コレステロールの減少はより高い(Plana N.ら、「植物ステロール濃縮発酵乳は、高コレステロール血症の被験体においてLDLコレステロールの目標の達成を高める」 Eur J Nutr., 2008, 47巻, 頁32-39)。
【0098】

【0099】

【0100】
本出願で引用される参考文献
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)CECT7527、ラクトバチルス・プランタルムCECT7528、及びラクトバチルス・プランタルムCECT7529からなる群から選択される菌株の少なくとも一つの有効量を含む組成物。
【請求項2】
ラクトバチルス・プランタルムCECT7527、ラクトバチルス・プランタルムCECT7528、及びラクトバチルス・プランタルムCECT7529の有効量を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
プロバイオティクスとして使用するための、請求項1−2の何れかに記載の組成物。
【請求項4】
予防及び/又は治療薬として使用するための、請求項1−2の何れかに記載の組成物。
【請求項5】
心血管疾患の予防及び/又は治療に使用するための、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
コレステロール低下剤として使用するための、請求項3−5の何れかに記載の組成物。
【請求項7】
スタチンと組み合わせた使用のための、請求項3−6の何れかに記載の組成物。
【請求項8】
ステロール過剰吸収性被験体において使用のための、請求項3−7の何れかに記載の組成物。
【請求項9】
薬学的又は獣医学的に許容される賦形剤の適切な量と一緒に、請求項1−2の何れかに記載の組成物の有効量を含む薬学的及び/又は獣医学的製品。
【請求項10】
他の食用成分の適量と一緒に、請求項1−2の何れかに記載の組成物の有効量を含む食品。
【請求項11】
食事サプリメント(dietary supplement)である、請求項10に記載の食品。
【請求項12】
栄養補助食品(nutraceutical)である、請求項11に記載の食品。
【請求項13】
錠剤、カプセル剤、シロップ又は丸剤の形態である、請求項11−12の何れかに記載の食品。
【請求項14】
乳製品又は肉製品である、請求項10に記載の食品。
【請求項15】
ラクトバチルス・プランタルムCECT7527、ラクトバチルス・プランタルムCECT7528及びラクトバチルス・プランタルムCECT7529からなる群から選択されるラクトバチルス・プランタルムの菌株。

【図1】
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【公表番号】特表2013−507332(P2013−507332A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−532535(P2012−532535)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【国際出願番号】PCT/EP2010/064304
【国際公開番号】WO2011/042333
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(511083949)エービー−バイオティクス,エセ.ア. (2)
【Fターム(参考)】