説明

コロニーカウンタの測定値を基に行う食品加工工場の衛生管理システム

【課題】食品加工工場の製造ラインにおける衛生管理を徹底し、食中毒などの事故を防止できる食品加工工場の衛生管理システムを提供する。
【解決手段】コロニーカウンタ1によって得られる加工食品の細菌検査データを基に細菌数の増減から食品加工製造ラインの衛生状態の監視を行い、その検査結果をインターネットや電話回線3によって、遠隔地にある本社の品質管理部や経営者などのパソコン或いは携帯電話などに通報し、工場の製造ラインの衛生状態を管理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品加工工場で食品製造ラインの衛生管理を日常的に行うために、製造する食品の細菌検査を行うコロニーカウンタの測定値を利用して衛生管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の食品加工工場の食品製造ラインでは、食品の衛生管理を行う為に、検査員が食品製造ラインの一定時間で培養したシャーレ内の細菌数を目視で計数するか、デジタルカメラで一定時間培養したシャーレ内の細菌を撮影した画像を基に、培養された細菌数をパソコンで自動的に数えている。しかし、その細菌数の測定値や画像データは保存するのみで製造した食品が細菌に汚染されている度合いを検査するものでしかない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、食品加工製造ラインにおける衛生状態の管理は、食品製造ラインの要所から検体を採取して細菌検査を行いその結果によって衛生状態の監視を行っているが一般的には経費が掛かるため検体の採取は数日の期間をおいて行われる事が多く又、検査結果による判断が現場に任されて、経営者などへの報告が適切に行われないことが多いため、食中毒などの問題が発生すると食品製造ラインの衛生管理の不徹底が露見して企業の社会的責任が問われることになる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、日常的に行われる加工食品の細菌検査データを基に細菌数の増減から食品加工場製造ラインの衛生状態の監視を行い、その検査結果をインターネットや電話回線によって、予め定められた電子メールのメッセージ及び定められた音声メッセージを選択し、遠隔地にある本社の品質管理部や管理職のパソコン或いは携帯電話などに通報することで、工場の製造ラインの衛生状態を常時監視することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、食品加工場で日常的に出荷する製品に対して行う細菌検査データの細菌数の増減の結果を基に食品加工製造ラインの衛生状態を監視することで、製造する食品に対しておきる細菌の感染による食中毒などの事故を防止することが出来る。又、食品加工製造ラインの衛生状態が製造現場以外の管理監督部門でも速やかに把握することが出来るので容易に企業経営者はリスク管理を行う事ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明を実施するには、図1に示すとおりコロニーカウンタ(1)とパーソナルコンピュータ(2)を接続し、通信を行うためのLANまたは電話回線(3)を接続する。シャーレ(4)上に培養されたコロニーの画像を撮影するために、コロニーカウンタ(1)へシャーレ(4)を設置して画像を撮影する。撮影された画像は、コロニーカウンタ(1)からUSBケーブル(5)を伝わりパーソナルコンピュータ(2)へデータが送られる。送られた画像は、パーソナルコンピュータ(2)にインストールされた専用のソフトウェアにより、画像が解析されデータ化されて、そのデータを基に、コロニー数を計測出来、あらかじめ設定された値との比較が可能となる。
【0007】
よって、食品加工工場の日々の検査であるコロニーの画像を解析したデータを記憶し、時系列に蓄積されることにより、今後のデータの傾向予測が可能となる。
【0008】
さらにLANやインターネット、または、電話回線が接続されることにより、異常なデータが発生した時には、即時通報が可能となり、これまでに存在しない食品加工工場の衛生管理システムを構築でき、企業経営のリスク管理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】コロニーカウンタの測定値を基に行う食品加工工場の衛生管理システム図
【符号の簡単な説明】
【0010】
1 コロニーカウンタ
2 パーソナルコンピュータ
3 LANまたは電話回線
4 シャーレ
5 USBケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品加工工場において、製造する食品の細菌による汚染度を測定するために撮影されたコロニーの画像を元にパソコンで細菌数を数える検査装置であるコロニーカウンタとパーソナルコンピュータを接続させて、得られた日々の細菌数の測定値を基に、その時系列の測定値を記憶し、時系列の測定値から細菌数をパターン数値化し、そのパターン数値が予め定められた値を超えた場合に異常と判断して、可視及び可聴にて通報できる衛生管理システム
【請求項2】
[請求項1]に示す衛生管理システムにおいて、異常と判断した通報をLAN、インターネット等の情報伝達手段によってあらかじめ設定した相手に自動的に転送し、電子メールで通知することができる衛生管理システム
【請求項3】
[請求項1]に示す衛生管理システムにおいて、異常と判断した通報を有線電話、無線電話回線等の情報伝達手段によってあらかじめ設定した相手に自動的に転送し、音声で通知することができる衛生管理システム
【請求項4】
[請求項1]による細菌のパターン数値を基に、これまでの細菌のパターン数値を記憶、蓄積し、その変化から今後の細菌のパターン数値を予測することで、細菌数が衛生上危険な値まで到達する前に食品加工工場の製造ラインの衛生状態が悪化していることを警報と判断して、可視及び可聴にて通報できる衛生管理システム
【請求項5】
[請求項4]に示す衛生管理システムにおいて警報と判断した通報をLAN、インターネット等の情報伝達手段によってあらかじめ設定した相手に自動的に転送し、電子メールで通知すことができる衛生管理システム
【請求項6】
[請求項4]に示す衛生管理システムにおいて警報と判断した通報を有線電話、無線電話回線等の情報伝達手段によってあらかじめ設定した相手に自動的に転送し、音声で通知することができる衛生管理システム

【図1】
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