説明

コンクリートブロック

【課題】
起伏、勾配、ひねり、カーブ等がある道路であっても、隣接したブロック同士が互いに嵌合して、安定して敷設することができる連結型ブロックを提供すること。
【解決手段】
側面を対向させて配置され、区画又は境界を構成するコンクリートブロック100において、
一方側面70に形成された先端が略半球凸状の凸部10と、前記一方側面70に対して反対側の他方側面80に形成された略半球凹状の凹部20と、を備えてなり、前記一方側面70と前記凸部10の最頂部との間の距離は、前記他方側面80と凹部20の最深部との間の距離より長いものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、側面同士を対向するように敷設して、区画又は境界を形成するコンクリートブロックに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者は、ブロック本体の長手方向端部に、両端部が円弧状に形成されてなるとともに、該両端の一方の端部に上側が側方に突出して形成されてなる上側突出部と、反対側の他方の端部に下側が側方に突出して形成されてなる下側突出部と、を備えてなり、隣接するコンクリートブロックと嵌合した際に、嵌合部を支点として回動自在となるように前記下側突出部の上面に円形凸状に形成された嵌合凸部と、上側突出部の下面に円形凹状に形成された嵌合凹部と、を備えてなる基礎構築用プレキャストコンクリートブロックについて提案している(特許文献1)。
【0003】
このような基礎構築用プレキャストコンクリートブロックは、道路の曲率に関係なく直線区間、曲線区間を問わず設置できて、区画又は境界を形成できる点で、有用である。
【0004】
しかし、道路は、常に平面ではなく、丘や谷にように道路の縦断方向に起伏、勾配を有する場合も多い。こうした起伏、勾配を有する道路に前述した基礎構築用プレキャストコンクリートブロックを敷設すると、上側突出部3aの下面4aと下側突出部3bの上面4bとが平行面にならないため、例えば、図15に示すように、上方突出部3aの先端が下方突出部3bの上面4bに干渉して嵌合凹部5aと嵌合凸部5bとが互いに浮いてしまうことがあったという課題があった。また、道路面にひねりがある場合も基礎構築用プレキャストコンクリートブロックをひねって配置されるために同様の課題が発生した。
【特許文献1】特開2005−179949号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、こうした課題を鑑みてなされたものであり、起伏、勾配、ひねり又はカーブ等がある道路であっても、安定して連結敷設することができるコンクリートブロックを提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の目的を達成するために、以下の手段を採った。
【0007】
本発明に係るコンクリートブロックは、
側面を対向させて配置され、区画又は境界を構成するコンクリートブロックにおいて、
一方側面に形成され、先端が略半球凸状の凸部と、
前記一方側面に対して反対側の他方側面に形成された略半球凹状の凹部と、
を備えてなり、
前記一方側面と前記凸部の最頂部との間の距離は、前記他方側面と凹部の最深部との間の距離より長いことを特徴とする。
【0008】
本発明に係るコンクリートブロックは、コンクリートブロックの一方側面に略半球状の凸部を設け、反対側の他方側面に略半球状の凹部を設けてある。従って、本発明に係るコンクリートブロックの凸部と他の本発明に係るコンクリートブロックの凹部を嵌め合わせて敷設することで、互いのコンクリートブロックの凹部と凸部とが干渉しあって互いの上下左右の移動を抑制し、コンクリートブロック相互の上下、左右の移動(ずれ)が防止される。また、凸部及び凹部は略半球形状に形成されており、かつ前記一方側面と前記凸部の最頂部との間の距離は、前記他方側面と凹部の最深部との間の距離より長く形成されているので、配置された際に対向する一方側面及び他方側面の間には、間隙が設けられることになる。従って、互いのコンクリートブロックは、略半球の凸部及び凹部を支点として、あらゆる方向に傾けて配置することができる。このように互いに傾けて配置できるので、起伏、勾配、ひねり又はカーブ等がある道路であっても、連結した状態で安定してコンクリートブロックを敷設することができる。こうして、複数のコンクリートブロックを連続して敷設することで、連続した区画又は境界を構成することができる。
【0009】
また、本発明に係るコンクリートブロックは、
並べて配置され、区画又は境界を構成するコンクリートブロックにおいて、
両側の側面に形成された略半球状の凸部を備えた第1コンクリートブロックと、
両側の側面に形成された略半球状の凹部を備えた第2コンクリートブロックと、
を備え、
前記第1コンクリートブロックの側面と前記凸部の最頂部との間の距離は、第2コンクリートブロックの側面と凹部の最深部との間の距離より長いことを特徴とするものを採用した。
【0010】
係るコンクリートブロックは、両側面に凸部を有する第1コンクリートブロックと、両側面に凹部を有するコンクリートブロックとを互い違いに配置するタイプのコンクリートブロックである。
第1コンクリートブロックの凸部と、第2コンクリートブロックの凹部を嵌め合って敷設することで、互いのコンクリートブロックの水平方向の移動(ずれ)が抑制される。また、凸部及び凹部は略半球形状に形成されており、前記第1コンクリートブロックの側面と前記凸部の最頂部との間の距離は、第2コンクリートブロックの側面と凹部の最深部との間の距離より長く形成されているので、対向する側面同士の間は、間隙が設けられることになる。よって、互いのブロックを種々の方向に傾けて配置することができる。従って、起伏、勾配、ひねり又はカーブ等がある道路であっても凸部及び凹部が連結した状態で安定してコンクリートブロックを敷設することができる。
【0011】
さらに、本発明に係るコンクリートブロックにおいて、前記側面は、曲面に形成してもよい。側面を曲面に形成することで、互いのブロック同士を傾けて配置できる範囲を調整することができる。例えば、側面を凸面に形成しておけば、コンクリートブロック同士を隣接配置した場合に傾斜角度を大きくとることができ、より広い可動範囲を確保することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るコンクリートブロックによれば、隣接配置されるコンクリートブロックとそれぞれ略半球形状の凹部と凸部とで嵌め合うように連結するので、互いのコンクリートブロッが水平方向及び上下方向にずれるのを防止することができる。また、対向する側面同士の間に間隙があるので、略半球状の凹部と凸部を中心に、互いにコンクリートブロックを傾けて設置することができる。このように傾けて配置することができることで、起伏、勾配、ひねり又はカーブがある道路であっても、連結した状態で安定してコンクリートブロックを敷設することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例1に係るコンクリートブロックを示す六面図である。
【図2】本発明の実施例1に係るコンクリートブロックの斜視図である。
【図3】本発明の実施例1に係るコンクリートブロックの他の形態を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施例1に係るコンクリートブロックのさらに他の形態を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施例1に係るコンクリートブロックのさらに他の形態を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施例1に係るコンクリートブロックを連結した状態を示す平面図である。
【図7】本発明の実施例1に係るコンクリートブロックを起伏のある道路に敷設した状態を示す正面図である。
【図8】本発明の実施例1に係るコンクリートブロックをカーブのある路面に敷設した状態を示す平面図である。
【図9】本発明の実施例2に係るコンクリートブロックを示す斜視図である。
【図10】本発明の実施例2に係るコンクリートブロックの連結状態を示す正面図である。
【図11】本発明の実施例3に係るコンクリートブロックを示す斜視図である。
【図12】本発明の実施例3に係るコンクリートブロックの連結状態を示す正面図である。
【図13】本発明の実施例4に係るコンクリートブロックを示す斜視図である。
【図14】本発明の実施例4に係るコンクリートブロックの連結状態を示す正面図である。
【図15】本発明の実施例5に係るコンクリートブロックを示す斜視図である。
【図16】本発明の実施例5に係るコンクリートブロックの連結状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態について、図面に沿って詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではない。なお、各図において対応する構成要素には同一又は類似の符号が付されている。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明の実施例1に係るコンクリートブロック100の構成の概略を示す六面図、図2は、斜視図である。実施例1に係るコンクリートブロック100は、上面の一部が傾斜面を有する略直方体に形成されている。一方側面70(実施例1においては、右側面)は、略中央に半球状の凸部10が形成されており、他方側面80(実施例1においては、左側面)は、略中央に略半球状の凹部20が形成されている。さらに、正面及び背面には、コンクリートブロック100を運搬しやすいように把持部30がそれぞれ形成されている。
【0016】
コンクリートブロック100は、両側面を備えていれば、特にその全体形状は限定するものではない。例えば、図3に示すように、側面形状が長方形である必要はないし、図4に示すように幅、長さ等も特に限定するものではない。すなわち、敷設した際に互いに対向しあう側面を有するコンクリートブロックであればよい。勿論、両側面は必ずしも同じ形状の側面である必要はなく、左側面と右側面が異なる形状の側面であってもよい。
【0017】
凸部10は、図2に示すように、一方側面70に先端が略半球状となるように突出形成されている。略半球状とは、必ずしも完全に半球である必要はなく、例えば、半球の中心が側面より奥に形成されるような半球の1部であってもよいし、楕円球であってもよいとの意味である。また、先端が略半球状とは、図5に示すように、凸部10の根元部分12から半球状である必要はなく、途中までは円柱状で先端のみが半球状であってもかまわないとの意味である。また、半球の大きさは特に限定するものではない。
【0018】
凹部20は、図2に示すように、他方側面80に略半球状となるように凹形成されている。略半球状との意味は、完全に半円球である必要はなく、半楕円球状であってもよいとの意味である。また、球の中心が他方側面80より外側となるような半球の一部であってもよい。
【0019】
凸部10と凹部20との関係は、凹部20の深さが凸部10の高さより低く形成されている。すなわち、実施例1に係るコンクリートブロック100は、図6に示すように、凸部と凹部を嵌め合わせて隣接配置されるのであるが、一方側面70と凸部10の最頂部11の距離Bは、他方側面80と凹部20の最深部21との距離Aより長く形成されている。従って、本実施例に係るコンクリートブロック100、100を隣接配置した場合には、一方側面70と他方側面80との間には間隙Cが形成される。また、凸部10と凹部20との曲率は、同じ曲率であって、半球面全体が面接触して、互いに摺動して傾きを変えられるようにすることが好ましいが、必ずしも同一曲率である必要はなく、凸部10が凹部20内に嵌り、上下左右のずれが防止でき、かつ角度をもって連設できるものであれば、互いの曲率が異なって一部が接触している状態であっても構わない。なお、これら凸部及び凹部は、後述するように凹部に凸部を嵌めて連設されるので、コンクリートブロック100側面の同じ高さの位置に形成することが好ましい。
【0020】
こうして構成された実施例1に係るコンクリートブロック100は、図7、8に示すように、凹部20に凸部10を嵌めて、連結して道路に敷設して使用される。こうして連結配置されたコンクリートブロック100は、凸部10と凹部20が嵌め合わされているので、互いのブロックが水平方向、高さ方向へずれることを防止することができる。
【0021】
また、起伏、勾配がある道路の場合には、図7に示すように、凹部20及び凸部10が球面形状で接しているので、一方側面70、他方側面80の端辺が干渉しない範囲で一方側面70と他方側面80との間の間隙Cを利用して角度を変えて連結することができ、高さ方向に屈曲させた状態で連設配置することができる。
【0022】
また、水平方向にカーブしている道路の場合、図8に示すように、凹部20及び凸部10が球面形状で接しているので、一方側面70と他方側面80との間の間隙Cを利用して、一方側面70、他方側面80の端辺が干渉しない範囲で角度を変えて連結することができ、水平方向に屈曲させた状態で連設配置することができる。
【0023】
また、ひねりがあるような道路の場合には、コンクリートブロック100同士は凹部20及び凸部10が球面形状で接しているので、一方側面70と他方側面80との間の間隙Cを端辺が干渉しない範囲で、高さ方向及び水平方向の両方に屈曲させて凹部20及び凸部10を中心として、ひねった状態で連設配置することができる。
【0024】
このように実施例1に係るコンクリートブロック100によれば、斜面、起伏面、ひねりのある路面、カーブしている路面等であっても、高さ方向、水平方向、ひねり方向等種々の方向へ自在に傾けて連結配置することができる。
【0025】
また、間隙Cを設けることによって、コンクリートブロック100を敷設した場合に、雨等の水を排水するための排水溝が一方側にしかない場合であっても、この間隙Cから反対側に雨水を逃がすことができる。
【実施例2】
【0026】
図9は、本発明の実施例2に係るコンクリートブロック101、102の構成の概略を示す斜視図である。コンクリートブロック101は、図9aに示すように、略直方体に形成され、側面71及び側面81の両側面の略中央に略半球状の凸部10がそれぞれ形成されている。さらに、正面及び背面には、コンクリートブロック101を運搬しやすいように把持部30がそれぞれ形成されている(視認性容易のため、正面の把持部は省略されている)。コンクリートブロック102は、図9bに示すように、略直方体に形成され、側面72及び側面82の両側面の略中央に略半球状の凹部20がそれぞれ形成されている。さらに、正面及び背面には、コンクリートブロック102を運搬しやすいように把持部30が形成されている(視認性容易のため、正面の把持部は省略されている)。
【0027】
凸部10と凹部20との関係は、前述したように、凸部10の高さが凹部20の深さより高く形成されている。すなわち、図10に示すように、コンクリートブロック101の側面71又は側面81と凸部10の最頂部11との距離Bは、コンクリートブロック102の側面72又は側面82と凹部20の最深部21との距離Aより長く形成されている。従って、本実施例2に係るコンクリートブロック101、102を隣接配置した場合には、一方側面70と他方側面80との間には間隙Cが形成される。
【0028】
実施例2におけるコンクリートブロック101、102は、図10に示した状態を繰り返して敷設される。つまり、両側に凸部10を有するコンクリートブロック101と両側に凹部20を有するコンクリートブロック102を交互に配置して敷設される。こうして、実施例1と同様に、連結配置されたコンクリートブロック100は、凸部10と凹部20とが嵌め合わされているので、互いのコンクリートブロックがずれることを防止することができる。また、斜面、起伏面、ひねりのある路面、カーブしている路面等であっても、コンクリートブロック101、102を連設した状態で、道路に敷設することができるという効果を有する点も同様である。
【実施例3】
【0029】
図11は、本発明に係る実施例3のコンクリートブロック103の構成の概略を示す斜視図である。実施例3に係るコンクリートブロック103は、実施例1とほぼ同様、上面の一部が傾斜面を有する略直方体に形成されていて、一方側面70(実施例3においては、右側面)は、略中央に半球状の凸部10が形成されており、他方側面80(実施例3においては、左側面)は、略中央に略半球状の凹部20が形成されている。さらに、正面及び背面には、コンクリートブロック103を運搬しやすいようにそれぞれ把持部30が形成されている。実施例1と異なるのは、側面70及び側面80が曲面を有している点が異なる。一方側面70及び他方側面80は、凸部10及び凹部20近傍の面が最も外側に配置され、4つの角が最も内側に配置されるように形成されている。すなわち、側面70の右側辺70a、下辺70b、左側辺70c及び上辺70dはいずれも曲線で形成され、側面80の右側辺80c、下辺80b、左側辺80a及び上辺80dもいずれも曲線で形成される。
【0030】
凸部10と凹部20との関係は、前述したように、凸部10の高さが凹部20の深さより低く形成されている。すなわち、図12に示すように、一方側面70と凸部10の最頂部11の距離Bは、他方側面80と凹部20の最深部21との距離Aより長く形成されている。従って、本実施例に係るコンクリートブロック103、103を隣接配置した場合には、一方側面70と他方側面80との間には間隙Cが形成される。
【0031】
実施例3のコンクリートブロック103においても、実施例1と同様に、連結配置されたコンクリートブロック103は、凸部10と凹部20が嵌め合わされているので、互いのコンクリートブロッ103がずれることを防止することができる。また、斜面、起伏面、ひねりのある路面、カーブしている路面等であっても、コンクリートブロック103、103を連設した状態で、道路に敷設することができるという効果を有する。特に、ひねり方向については、大きな隙間が空いているので、より大きく傾斜させて敷設することがきる。従って、大きくうねっているような道路に好適に使用できる。
【実施例4】
【0032】
図13は、本発明に係る実施例4のコンクリートブロック104の構成の概略を示す斜視図である。実施例4に係るコンクリートブロック104は、実施例1とほぼ同様、図13に示すように、上面の一部が傾斜面を有する略直方体に形成されていて、一方側面70(実施例4においては、右側面)は、略中央に半球状の凸部10が形成されており、他方側面80(実施例4においては、左側面)は、略中央に略半球状の凹部20が形成されている。さらに、正面及び背面には、コンクリートブロック104を運搬しやすいようにそれぞれ把持部30が形成されている。実施例1と異なるのは、一方側面70及び他方側面80が曲面を有している点が異なる。一方側面70は、凸部10近傍の面が最も外側に配置され、上辺70d及び下辺70bは直線であり、かつ最も内側へ配置されるような円柱曲面の一部をなしている。よって、曲線を描く辺は右側辺70a及び左側辺70cである。同様に、他方側面80は、上辺80d及び下辺80b最も内側へ配置されるような円柱曲面の一部をなしている。曲線を描く辺は右側辺80c及び左側辺80aである。凸部10と凹部20との関係は、実施例3と同様である。
【0033】
この実施例4のコンクリートブロック104は、実施例1と同様に、凸部10と凹部20が嵌め合わされて連設配置されているので、互いのコンクリートブロック104、104が水平方向、高さ方向にずれることを防止することができる。また、斜面、起伏面、ひねりのある路面、カーブしている路面等であっても、コンクリートブロック104、104を連設した状態で、道路に敷設することができるという効果を有する。特に、図14に示したように、上下方向に大きな隙間が空いているので、高さ方向に大きく傾斜させて敷設することがきる。よって、急斜面に変化するような道路に好適に使用できる。
【実施例5】
【0034】
図15は、本発明に係る実施例5のコンクリートブロック105の構成の概略を示す斜視図である。実施例5に係るコンクリートブロック105は、実施例1とほぼ同様、平面の一部が傾斜面を有する略直方体に形成されていて、一方側面70(実施例5においては、右側面)は、略中央に半球状の凸部10が形成されており、他方側面80(実施例5においては、左側面)は、略中央に略半球状の凹部20が形成されている。さらに、正面及び背面には、コンクリートブロック105を運搬しやすいように把持部30が形成されている。実施例1と異なるのは、一方側面70及び他方側面80が曲面を有している点が異なる。一方側面70は、凸部10近傍の面が最も外側に配置され、右側辺70a及び左側辺70cが最も内側へ配置されるような円柱曲面の一部をなしている。曲線を描く辺は上辺70d及び下辺70bである。同様に、他方側面80は、右側辺80c及び左側辺80aが最も内側へ配置されるような円柱曲面の一部をなしている。曲線を描く辺は上辺80d及び下辺80bである。凸部10と凹部20との関係は、前述したのと同様である。
【0035】
この実施例5のコンクリートブロック105は、実施例1と同様に、凸部10と凹部20が嵌め合わされているので、互いのコンクリートブロック105が水平方向、高さ方向にずれることを防止することができる。また、斜面、起伏面、ひねりのある路面、カーブしている路面等であっても、コンクリートブロック105、105を連設した状態で、道路に敷設することができるという効果を有する。特に、図16に示したように、左右方向に大きな隙間が空いているので、左右方向に大きく傾斜させて敷設することがきる。よって、きついカーブのある道路に好適に使用される。
【0036】
なお、本発明は上述した実施例1から5の構成に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施しうる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
上述した実施の形態で示すように、土木用のコンクリートブロック、特に境界を作製する際に敷設するコンクリートブロックとして使用することができる。
【符号の説明】
【0038】
10…凸部、11…最頂部、12…根元部分、20…凹部、21…最深部、30…把持部、70…一方側面、70a…右側辺、70b…下辺、70c…左側辺、70d…上辺、71…側面、72…側面、80…他方側面、80a…左側辺、80b…下辺、80c…右側辺、80d…上辺、
81…側面、100、101、102、103、104、105…コンクリートブロック。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
側面を対向させて配置され、区画又は境界を構成するコンクリートブロックにおいて、
一方側面に形成され、先端が略半球凸状の凸部と、
前記一方側面に対して反対側の他方側面に形成された略半球凹状の凹部と、
を備えてなり、
前記一方側面と前記凸部の最頂部との間の距離は、前記他方側面と凹部の最深部との間の距離より長いことを特徴とするコンクリートブロック。
【請求項2】
並べて配置され、区画又は境界を構成するコンクリートブロックにおいて、
両側の側面に形成され、先端が略半球状の凸部を備えた第1コンクリートブロックと、
両側の側面に形成された略半球状の凹部を備えた第2コンクリートブロックと、
を備え、
前記第1コンクリートブロックの側面と前記凸部の最頂部との間の距離は、第2コンクリートブロックの側面と凹部の最深部との間の距離より長いことを特徴とするコンクリートブロック。
【請求項3】
前記側面は、曲面に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンクリートブロック。
【請求項4】
前記側面は、凸面に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のコンクリートブロック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−117250(P2011−117250A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−278019(P2009−278019)
【出願日】平成21年12月7日(2009.12.7)
【出願人】(000246343)株式会社イビコン (31)
【Fターム(参考)】