説明

コンクリートポンプ車の残こん処理装置

【課題】 コンクリート打設現場で、作業終了後にコンクリートポンプ車に残留する残こん、その洗浄によるコンクリート汚水を掻き出し、下で受搬送具に受け、この受搬送具を昇降機で吊り上げて残こん及びコンクリート汚水がコンクリートミキサー車のポッパへ注入され、コンクリートミキサー車のプラントへ運ばれ、再利用処理がされる。
【解決手段】 受搬送具が、円形チューブの空気フェンスと、該空気フェンスの底面に緊張される底面シートと、場合によっては、この底面シートの外周へ放射状に延展する残こん及びコンクリート汚水の飛散を受け止める延展シートとで構成され、底面シートの中央には、排出ノズルを備え、且つ底面シートの下側面には、少なくとも2本の吊り紐が排出ノズルを囲むように交差させて強固に貼着配設されているコンクリートポンプ車の残こん処理装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリートポンプ車によってコンクリート打設がされた、その作業終了後には、このコンクリートポンプ車に生コンクリートの残こんが残留するので、この残こんを処理するために用いる残こん処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンクリート打設に用いられるコンクリートポンプ車には、ピストン式と、スライズ式とのポンプ搭載の車両があるが、最近の建築の高層化に伴って、これに対応できるものとしてピストン式コンクリートポンプ車が普及されている。
【0003】
このピストン式コンクリートポンプ車においては、コンクリート打設されたその作業終了後には、必ず生コンクリートの残こんがかなり残留される。
そこで、ピストン式コンクリートポンプ車では、コンクリート打設作業終了後、ピストン、ホッパ底部等に残留する生コンクリートの残こんが油圧装置で開閉するホッパ底部の底蓋を開いて掻き出され、そして、高圧洗浄される。
【0004】
しかしながら、この生コンクリートの残こんの処理には、規制があって、コンクリート打設現場にて、そのまま廃棄放置してしまうわけにはいかないので、残こん処理場まで持参することが余儀なくされている。
また、コンクリート打設作業終了後に、コンクリートポンプ車の残こんを掻き出すことができたとしても、その掻き出した後を洗浄する洗浄場所が必ずしもコンクリート打設作業現場内に設けられているわけでないので、遠方のプラントまでコンクリートポンプ車を移動させて処理していた。
しかし、立地条件を満たす遠方のプラントは、そこへ至るためには時間を要し、時間的ロス、人的ロス等が大きかった。
【0005】
そこで、時間的ロス、人的ロス等を少しでも軽減するこのコンクリートポンプ車の残こんの処理のために、掻き出された残こんが受搬送具の袋に受けられて、この袋をホイストで吊り上げてコンクリートミキサー車に回収し、残こん処理場へ運ぶようにするコンクリートポンプ車の残こん処理装置がある。(特許文献1)
【0006】
また、コンクリートミキサー車への回収が困難であったので、中央に排出口を設けた四角のシートでなるモッコで残こんを受け、このモッコの四隅の吊フックがクレーンで吊り上げられ、残こんをこの排出口よりコンクリートミキサー車のホッパへ注入するコンクリートポンプ車の残こん処理装置がある。(特許文献2)
【0007】
【特許文献1】 実開平1−148455号
【特許文献2】 実用新案登録第3097352号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
コンクリート打設作業終了後に、コンクリートポンプ車に残留する残こんを、一応用意された袋またはシートのモッコの受搬送具へ掻き出し受けて、これがクレーン車等の昇降機をもって吊り上げられて、コンクリートミキサー車に回収させるものの、コンクリートポンプ車の残こん処理には、残存する生コンクリートの残こんが掻き出され、高圧洗浄されると、これを受ける受搬送具が、袋やシートのモッコのようなものであると貯留能力が低く、この洗浄に基ずくコンクリート汚水の量が半端でないので、流れ出してしまうことになる。
そして、この残こん及びコンクリート汚水の処理が、コンクリート打設現場で行えず、任意場所へ移動して行なわれたとしても、袋やシートのモッコから流れ出すことにはかわりなく、周囲を汚染してしまう。ましてや、処理する場所が傾斜している地面では流れ出しが甚だしく、処置なしである。
【0009】
だからといって、袋やシートのモッコを貯留能力の高いものにするために囲いなどで囲むとしても、それには、作業が手際よくできない時間的ロスと作業的ロスが生じ、不都合であった。
【0010】
また、周囲を汚染しないために、コンクリート打設作業終了後、コンクリートポンプ車が、残こん処理できる任意場所へ移動されて残こんを処理することにしても、このときは、コンクリートポンプ車が、コンクリート打設作業のため張出して位置固定させているアウトリガーを引込め、もとにもどされなければ移動できず、固まらないうちに残こんの処理を一刻も早くすることが望まれているのに、この作業をするための時間的ロスと作業的ロス等が重なり、不都合である。
【0011】
そこで、本発明は、以上のような不都合が解決されるべく、コンクリートポンプ車によってのコンクリート打設作業終了後の残こん、及び洗浄したコンクリート汚水を流れ出させない、そして取り扱い易い受搬送具による残こん処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のコンクリートポンプ車の残こん処理装置は、コンクリート打設作業終了後に、コンクリートポンプ車に残留する残こん、及びその洗浄によるコンクリート汚水を掻き出し、下で受搬送具に受け、この受搬送具をクレーン等の昇降機で吊り上げて、コンクリートミキサー車のポッパへ注入され、残こん及びコンクリート汚水がコンクリートミキサー車でプラントへ運ばれ、砂、砂利等の再利用できる処理がされるにあたって、受搬送具が円形チューブの空気フェンスと、該空気フェンスの底面に緊張される底面シートとで構成され、底面シートの中央には排出ノズルを備え、且つ底面シートには少なくとも2本の吊り紐が排出ノズルを囲むように交差させて貼着配設されているものである。
【0013】
コンクリートポンプ車の残こん処理装置は、受搬送具が、円形チューブの空気フェンスと、該空気フェンスの底面に緊張される底面シートと、この底面シートの外周へ放射状に延展する、残こん及びコンクリート汚水の飛散を受け止める延展シートとで構成され、底面シートの中央には排出ノズルを備え、且つ底面シートと延展シートとの下側面には少なくとも2本の吊り紐が排出ノズルを囲むように交差させて、強固に貼着配置されているものである。
【0014】
コンクリートポンプ車の残こん処理装置は、受搬送具の空気フェンスが少なくとも2個の円形チューブを嵩高に積重ねられ、その相互の空気が流通可能とし、且つ空気注入口を頂部に、空気抜き口を底部に形成するものである。
【0015】
コンクリートポンプ車の残こん処理装置は、受搬送具が少なくとも空気フェンスの内側面及び底面シートの上側面にはゴムをラミネートするか、又はこれら部分をゴム製とするものである。
【0016】
コンクリートポンプ車の残こん処理装置は、受搬送具が排出ノズルを底面シート下側面の中央に垂下し、排出ノズルを開閉する信玄袋の口のような締め括る紐が備えられているものである。
【0017】
コンクリートポンプ車の残こん処理装置は、受搬送具の排出ノズルが、底面シート下側面の中央に垂下し、その自由端口部には硬質のリンクが装着され、底面シートに吊り紐から排出ノズル基部へ配設された補強紐の排出ノズル側端に少なくとも2組の安全バックルとベルトでなる括り締め止め具が備えられ、排出ノズルを捩り、排出ノズル内へ挿入盛込む状態で自由端口部のリングが括り締め止め具をもって、安全締着されるものである。
【0018】
コンクリートポンプ車の残こん処理装置は、受搬送具の吊り紐が断面扁平形の無端紐であって、ループ状各端が底面シート又は延展シートの端縁より突出するように形成し、少なくとも底面シート下側面には強固に貼着又は縫着させるものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明のコンクリートポンプ車の残こん処理装置は、コンクリート打設作業終了後に、コンクリートポンプ車を移動させることなく、その作業現場でホッパ底蓋部を開いて、生コンクリートの残こん及びその洗浄によるコンクリート汚水を、その周囲が汚染されることなく受搬送具で受けて、コンクリートミキサー車へ全部回収でき、回収したコンクリートの残こん及びその洗浄によるコンクリート汚水が固まらないように攪拌作動させた該コンクリートミキサー車をプラントへ移動させて処理され、砂、砂利などが再利用できるようになるので、この過程においての人的ロス、及び作業員の時間的ロスをなくし、そして、資材などを多大に軽減することができる。
【0020】
そして、本発明の受搬送具が、高い貯留能力と、迅速且つ良好な設置作業性とを有するものであるので、掻き出された残こん及びその洗浄によるコンクリート汚水を即時に全部受入れることができ、道路などへ溢れ出して周囲を汚染させるようなことなくできる。またコンクリートミキサー車へ回収することができるので、残こんを掻き出し、洗浄のために任意箇所へコンクリートポンプ車を移動させる必要がなく、コンクリート打設の際に、コンクリートポンプ車を位置固定するために張出させたアウトリガーが移動で引込められる必要なく、作業がコンクリート打設現場のその場で簡単かつ容易にでき、作業員の負担を軽減できる。
【0021】
また、この受搬送具が、円形チューブを嵩高に積み重ねて空気フェンスに形勢したものであるので、空気フェンスの空気を抜けばシート状にして折畳み、コンパクトにでき、安易にコンクリートポンプ車に搭載所持することができ、利便性があり、誰でも手順に従えば、迅速に、且つ容易にコンクリートポンプ車の残こん掻き出し、及び洗浄作業をすることができる。
【0022】
そして、受搬送具は、空気フェンスで構成されていることによって、受搬送具を吊り上げるために、空気抜き口を開いて空気フェンスの空気を抜くと、空気が抜かれても、コンクリート残こん及び洗浄によるコンクリート汚水が入っている部分位置までは潰れずに突張っており、入っていない部分は空気が抜けてへたった状態となる。
そこで、吊り紐で吊り上げられることにより、空気フェンスの径が絞められても、空気フェンスは突張られた状態で残こん及びコンクリート汚水を盛り上げ、盛り上がっても、空気の抜けた空気フェンスの部分で囲むことになって、残こん及びコンクリート汚水を流し出したり、零すことがないようにできる。
【0023】
また、空気フェンス及び底面シートは、ゴム製またはゴムのラミネートが施されたものであると、生コンクリートの残こん及び洗浄によるコンクリート汚水の脱離がよく、流れ落ち易く、よって、付着していないので耐久性を増すことができ、持久性に優れたものになる。
【0024】
受搬送具の排出ノズルは、信玄袋の口のような締め括り紐での結び、解きで開閉できるので、作業操作が簡単且つ容易にできる。
【0025】
受搬送具の排出ノズルは、その自由端口部に硬質リングが装着され、排出ノズルを捩り、この捩られることによって、該排出ノズルを迫り上げて、捩れ部分が裏返しされながら排出ノズル内へ挿入盛込む状態となり、自由端口部の硬質リングも排出ノズル基部へ上げられ、該排出ノズル基部に配設された少なくとも2組の安全バックルとベルトでなる括り締め止め具で括り締め止められるので、排出ノズルの開閉が、簡単且つ容易に、そして確実にできる。よって、このような排出ノズルを備えた受搬送具の現場での設置が迅速且つ容易に出来る。
そして、コンクリートミキサー車へ運んでいった折には、単に、いとも簡単に括り締め止め具が解除できるので作業が容易にできる。
【0026】
この受搬送具が用いられることによって、コンクリート打設の作業終了後、その作業現場で直ちに残こんの掻き出し、及び洗浄ができ、これが速やかにコンクリートミキサー車へ回収されて、直ちにプラントへ運ばれ、時間を経ずして砂、砂利が分離され、再利用できる処理ができるので材料に無駄なく、よって、経済的であるとともに、産業廃棄物としてのコンクリートガラを生じることがないので、その周囲の環境汚染の原因となることを解消できる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
コンクリート打設現場で、作業終了後にコンクリートポンプ車に残留する残こん、及びその洗浄によるコンクリート汚水を掻き出し、下で受搬送具に受け、この受搬送具をクレーン等の昇降機で吊り上げて、掻き出し受けた残こん及びコンクリート汚水がコンクリートミキサー車のホッパへ注入され、コンクリートミキサー車でプラントへ運ばれる。このように再利用できる処理がされるコンクリートポンプ車残こん処理装置であって、この受搬送具Aは、図1、図2で示す如く、円形チューブの空気フェンス1と、該空気フェンスの底面に緊張される底面シート2と、この底面シート2の外周へ放射状に延展する残こん及びコンクリート汚水の飛散を受け止める延展シート3とで構成され、底面シート2の中央には、排出ノズル4を備え、且つ底面シート2と延展シート3との下側面には少なくとも2本の吊り紐5が排出ノズル4を囲むように交差させて強固に貼着配設されている。
【0028】
空気フェンス1は少なくとも2個の円形チューブ11を嵩高に積重ねられ、この相互の円形チューブ11には空気が流通可能に連通孔を形成されている。
そして、この空気フェンス1の頂部には空気注入口12が、また、底部には空気抜き口13が形成され、空気注入口12は比較的小さく、空気抜き口13は比較的大きい孔である。
【0029】
受搬送具Aの実寸は、コンクリートポンプ車の車幅が約2400mmに対し、直径100mmの円形チューブ11の3段重ねによる高さ300mmの空気フェンス1であって、その直径を1700mmとし、また、延展シート3の外径を3500mmとし、底面シート2と延展シート3との下側面に貼着配設される吊り紐5の幅を50mmとする。
そして、受搬送具Aは、少なくとも空気フェンス1の内側面及び底面シート2の上側面にはゴムをラミネートするか、又はこれら部分をゴム製としてもよい。
なお、底面シート2の空気フェンス1位置下側面には、補強のため、吊り紐5と同じの50mm幅の帯が粘着されていてもよい。
【0030】
本発明の受搬送具Aの排出ノズル4は、図3で示す如く、底面シート2下側面中央に垂下させ、ノズル口41を信玄袋の口のように締め括る括り紐42で開閉する。
排水ノズル4は、400mm径の800mm長さのものとし、括り紐42は、直径20mmの紐であって、信玄袋の口のように排出ノズル4の周囲を2重巻きに通されて、両側より突出した2本のループ状紐端を引張ることによって(図3(b))、ノズル口41を閉じることのできるものである。
そして、ノズル口41を完全に閉じるには、排出ノズル4を折り込むことによって達成できる(図3(c))。
【0031】
現状のコンクリート打設現場では、コンクリートポンプ車を設置する場所にはコンクリート残こん及びコンクリート汚水の飛散を受け止めるためのグリーンシートが往々に敷設されている。
このようにグリーンシートの敷設された場所では、コンクリートポンプ車の残こん及びその洗浄によるコンクリート汚水を掻き出し、受け止める受搬送具A1には、残こん及びコンクリート汚水の飛散を受け止める延展シートが不要のことである。
図4、図5は、この延展シートのない受搬送具A1を開示するものであって、円形チューブの空気フェンス1aと、該空気フェンスの底面に緊張される底面シート2aと、該底面シートの中央に下方へ延びる排出ノズル4aと、該排出ノズルを囲むように底面シート2aの下側面に貼着される少なくとも2本の吊り紐5aとで構成される。
図中、10aは、吊り紐5aと、排出ノズル4aと間の底面シート2a下側面に補強のため貼着された補強紐である。
【0032】
空気フェンス1aは、少なくとも2個の円形チューブ11aを積み重ね、この相互の円形チューブ11aには空気が流通されるよう連通孔を形成する。
そして、この空気フェンス1aの頂部には、空気注入口12aが、また、底部には空気抜き口13aが形成されている。
【0033】
この受搬送具A1の実寸は、直径200mm円形チューブ11aの2段重ねによる直径1620mmの空気フェンス1aであって、該空気フェンス底面に緊張される底面シート2aの中央には直径400mm、長さ600mmの排出ノズル4aが備えられ、且つ底面シート2aには吊り紐5aを貼着させる。
吊り紐5aは、900mm間隔で並行した幅100mmの吊り紐5aの2組が排出ノズル4aを囲むように交差させられている。
そして、該吊り紐5aと排出ノズル4aの基部との間には、補強紐10aが貼着されている。
【0034】
本発明の受搬送具A1の排出ノズル4aは、図6で示す如く、底面シート2a下側面中央に垂下させ、その自由端口部41aには、硬質のリング42aが装着され、底面シート2aに吊り紐5aから排出ノズル基部へ配設された補強紐10aの排出ノズル側端に少なくとも2組の安全バックル43aとベルト44aとでなる括り締め止め具45が備えられ、この括り締め止め具45にて、排出ノズル4aの開閉をする。
排出ノズル4aは、先ず、図6(b)の如く、排出ノズル4aを捩り、図6(c)の如く、捩ることによって、該排出ノズルを迫り上げて捩れ部分が裏返しされながら排出ノズル4a内へ挿入盛込む状態で、自由端口部の硬質リング42aが括り締め止め具45をもって安全締着されて排出ノズル4aが閉じられる(図6(d))。
そして、括り締め止め具45をその締着の解除がされることによって、排出ノズル4aの捩りが解けて伸び、開かれることになる(図6(a))。
【0035】
なお、これら受搬送具A,A1の底面シート2,2aには、その受搬送具の移動を容易にできるようにするために、キャスターが取付けられていてもよいことは云うまでもない。
【0036】
ところで、ピストン式コンクリートポンプ車Bによってコンクリート打設されたその作業終了後のこのコンクリートポンプ車には、生コンクリートの残こんが、シリンダ、ホッパ底部などに残留しているので、次回のコンクリート打設作業の準備保全のために残こんを排出し、洗浄しておかなければならない。しかし、この残こん及び洗浄によるコンクリート汚水を作業現場に排出放置するわけにはゆかず、だからといって、残こんをコンクリートポンプ車Bに残したままで処理装置を備えたプラントまで運ぶには、該プラントが遠方にあり、時間を要するので残こんが固まってしまって不都合である。
そこで、この点を解決するためには、コンクリートポンプ車の残こんを作業終了後、直ちに排出し、再度の使用のため洗浄したコンクリート汚水(かなりの量の水を使用)をもプラントでないコンクリート打設現場で処理できるようにすることにある。
図7に示す如く、コンクリートポンプ車Bは、コンクリート打設の為にアウトリガー6を張り出させ、足場固めしたその状態で、コンクリートポンプ車に搭載保持していた受搬送具A、A1をコンクリートポンプ車Bのホッパ底蓋部71の下方に敷き、コンクリートポンプ車が備えている高圧装置(高圧洗浄などに使用するため備えている)8によって、空気注入口12、12aより空気を入れて空気フェンス1、1aを膨らませて起立させ、セットされる。
コンクリートポンプ車Bのホッパ7の底蓋部71にある油圧装置で開閉する蓋部72を開き、残こんを受搬送具A、A1に掻き出し入れ、高圧装置8で高圧洗浄する。この洗浄によるコンクリート汚水は同様に受搬送具A、A1に受入れられる。
そこで、空気フェンス1、1aによって残こん及びコンクリート汚水が溢れ出すことなく、そして、受搬送具Aの空気フェンス1の外周には、コンクリート残こん及びコンクリート汚水の飛散を受け止める延展シート3が延展され、また、受搬送具A1の空気フェンス1aの外周には延展シートの延展がないが、受搬送具下に、グリーンシートが敷設されているので飛散する残こん及びコンクリート汚水をそれで受け止め、周囲を全く汚染することなくできる。
図中、73は、コンクリートポンプ車Bのホッパ7の網である。
【0037】
残こん及びコンクリート汚水は、図8に示す如く、受搬送具A、A1が吊り紐5、5aを底面シート2、2a及び延展シート3に貼着され、また、底面シート2、2aには、吊り紐5,5aの貼着が強固にさせるために縫着しているので、この吊り紐5、5aによってクレーン等の昇降機Cで吊り上げられ、コンクリートミキサー車Dのホッパ9に運び注入することができる。
注入するに当たって、受搬送具Aの場合は、その排出ノズル4の括り紐42が緩められると注出され、受搬送具A1の場合は、排出ノズル4aの括り締め止め具45の締着を解除すれば注出されるようになる。
【0038】
そして、受搬送具A、A1は、残こん及びコンクリート汚水の触れる空気フェンス1、1a及び底面シート2、2aの内側面にゴムのラミネート、又はゴム製とすることで、付着せずに流れ落ち、空になった受搬送具A、A1は空気フェンス1、1aの空気がその底部にある空気抜き口13、13aを開いて抜かれることによってコンパクトに折り畳むことができ、コンクリートポンプ車Bに搭載保持できることになる。
【0039】
コンクリートミキサー車Dに回収された残こん及びコンクリート汚水はプラントへ運ばれ、残こん処理装置により砂、砂利が再利用できるように処理される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】 コンクリートポンプ車の残こん処理装置である受搬送具の平面図である
【図2】 受搬送具の側面図である。
【図3】 (a)受搬送具の排出ノズルの側面図である。(b)受搬送具の排出ノズルの括り紐を締め括った状態図である。(c)受搬送具の排出ノズルのノズル口を完全に閉じた状態図である。
【図4】 コンクリートポンプ車の残こん処理装置である他の実施例の受搬送具の平面図である。
【図5】 他の実施例の受搬送具の側面断面図である。
【図6】 (a)他の実施例の受搬送具の排出ノズルの側面図である。(b)他の実施例の受搬送具の排出ノズルの捩り状態図である。(c)他の実施例の受搬送具の排出ノズルの括り締め止め具による締着状態図である。(d)括り締め止め具による締着状態平面図である。
【図7】 コンクリートポンプ車の後部図である。
【図8】 受搬送具が吊り上げられた状態図である。
【符号の説明】
【0041】
A、A1 受搬送具
B コンクリートポンプ車
C 昇降機
D コンクリートミキサー車
1、1a 空気フェンス
11、11a 空気チューブ
12、12a 空気注入口
13、13a 空気抜き口
2、2a 底面シート
3 延展シート
4、4a 排出ノズル
41 ノズル口
42 括り紐
42a リング
43a 安全バックル
44a ベルト
45 括り締め止め具
5、5a 吊り紐
6 アウトリガー
7 ホッパ
71 ホッパ底蓋部
72 蓋部
73 網
8 高圧装置
9 コンクリートミキサー車のホッパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート打設現場で、作業終了後に、コンクリートポンプ車に残留する残こん、その洗浄によるコンクリート汚水を掻き出し、下で受搬送具に受け、この受搬送具をクレーン等の昇降機で吊り上げて、残こん、及びコンクリート汚水がコンクリートミキサー車のホッパへ注入され、コンクリートミキサー車でプラントへ運ばれ、再利用できる処理がされるにあたって、受搬送具が、円形チューブの空気フェンスと、該空気フェンスの底面に緊張される底面シートとで構成され、底面シートの中央には排出ノズルを備え、且つ底面シートの下側面には少なくとも2本の吊り紐が、排出ノズルを囲むように交差させて、強固に貼着配設されていることを特徴とするコンクリートポンプ車の残こん処理装置。
【請求項2】
受搬送具が、円形チューブの空気フェンスと、該空気フェンスの底面に緊張される底面シートと、この底面シートの外周へ放射状に延展する、残こん及びコンクリート汚水の飛散を受け止める延展シートとで構成され、底面シートの中央には排出ノズルを備え、且つ底面シートと延展シートとの下側面には少なくとも2本の吊り紐が、排出ノズルを囲むように交差させて、強固に貼着配設されていることを特徴とする請求項1記載のコンクリートポンプ車の残こん処理装置。
【請求項3】
受搬送具の空気フェンスは、少なくとも2個の円形チューブを嵩高に積み重ねられ、その相互の空気が流通可能とし、且つ、空気注入口を頂部に、空気抜き口を底部に形成することを特徴とする請求項1乃至2のいずれか1項に記載のコンクリートポンプ車の残こん処理装置。
【請求項4】
受搬送具が、少なくとも空気フェンスの内側面、及び底面シートの上側面には、ゴムをラミネートするか、又はこれら部分をゴム製とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のコンクリートポンプ車の残こん処理装置。
【請求項5】
受搬送具の排出ノズルは、底面シート下側面の中央に垂下し、排出ノズルを開閉する信玄袋の口のような締め括り紐が備えられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のコンクリートポンプ車の残こん処理装置。
【請求項6】
受搬送具の排出ノズルは、底面シート下側面の中央に垂下し、その自由端口部には、硬質のリングが装着され、底面シートに吊り紐から排出ノズル基部へ配設された補強紐の排出ノズル側端に少なくとも2組の安全バックルとベルトでなる括り締め止め具が備えられ、排出ノズルを捩り、排出ノズル内へ挿入盛込む状態で、自由端口部のリングが括り締め止め具をもって安全締着されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のコンクリートポンプ車の残こん処理装置。
【請求項7】
受搬送具の吊り紐は、断面扁平形の無端紐であって、ループ状に折り曲げられた各端が底面シート又は延展シートの端縁より突出するように形成し、少なくとも底面シート下側面には強固に貼着又は縫着させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のコンクリートポンプ車の残こん処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2008−75442(P2008−75442A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−212461(P2007−212461)
【出願日】平成19年7月23日(2007.7.23)
【出願人】(506312526)
【Fターム(参考)】