コンクリート壁における線状クラック発生部の補修方法およびコンクリート壁の接合部における目地封止方法
【課題】 コンクリート構造物におけるクラック発生部を強固な方法で補修したり、あるいはコンクリート構造物における目地形成部を耐久性の強い方法で封止する。
【解決手段】 コンクリート壁1における線状クラック2発生部に、入口側にあって所定の幅A有し且つ所定の深さBを有する幅狭削溝部3Aと、該幅狭削溝部3Aの幅より広い幅Cを有する幅広削溝部3Bとを奥行き方向に連続させてなる線状削溝3を形成したあと、該線状削溝3にモルタルあるいは樹脂等の封止材11を充填して補修するか、あるいはコンクリート構造物20の目地形成部21に、入口側にあって所定の幅A有し且つ所定の深さBを有する幅狭削溝部23Aと、該幅狭削溝部23Aの幅より広い幅Cを有する幅広削溝部23Bとを奥行き方向に連続させてなる線状削溝23を形成したあと、該線状削溝23にモルタルあるいは樹脂等の封止材41を充填して封止する。
【解決手段】 コンクリート壁1における線状クラック2発生部に、入口側にあって所定の幅A有し且つ所定の深さBを有する幅狭削溝部3Aと、該幅狭削溝部3Aの幅より広い幅Cを有する幅広削溝部3Bとを奥行き方向に連続させてなる線状削溝3を形成したあと、該線状削溝3にモルタルあるいは樹脂等の封止材11を充填して補修するか、あるいはコンクリート構造物20の目地形成部21に、入口側にあって所定の幅A有し且つ所定の深さBを有する幅狭削溝部23Aと、該幅狭削溝部23Aの幅より広い幅Cを有する幅広削溝部23Bとを奥行き方向に連続させてなる線状削溝23を形成したあと、該線状削溝23にモルタルあるいは樹脂等の封止材41を充填して封止する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、コンクリート製の水路の壁面やコンクリート構造物の壁面(以下、総合して「コンクリート壁」という)における線状クラック発生部の補修方法およびコンクリート製の壁体を多数接合して水路や建築物等の各種コンクリート構造物を構築する場合のコンクリート壁接合部(いわゆる「目地部」)における目地部分の封止方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図13には、コンクリート製水路の壁体101の一部に不定形状の線状クラック102が発生した状態が示されているが、このような場合、従来は図14(イ)に示すように、回転工具130の回転軸131の先端に装着した先細円錐形のドリル132で線状クラック102に沿って図14(ロ)に示すような横断面二等辺三角形状の線状削溝103を形成し、そのあと、その線状削溝103に図14(ハ)に示すようにモルタルあるいは樹脂等の充填物111を充填してクラック発生部を補修していた。ところが、このような従来方式の補修方法では図14(ハ)において符号111′で示すように、クラック発生部に充填した封止材が剥落することが多かった。
【0003】
なお、コンクリート壁における線状クラック発生部の他の補修方法例としては、図15に例示するように、クラック発生部102に入口103A側が広く、奥壁103D側が狭い横断面台形状の線状削溝103を形成してそこにモルタルや樹脂等の封止材111を充填する方法や、図16に例示するように、クラック発生部102に内方が横断面半円形状となっている線状削溝103を形成してそこにモルタルあるいは樹脂等の封止材111を充填する方法等も行われているが、それらのいずれの方法においても形成した線状削溝103の入口側が内方部側よりも外部に向かって広く開口しているため、図14に示す補修方法例の場合と同様、充填した封止材が剥落することが多いというのが実情である。
【0004】
本願発明者は、上記のような事情に鑑み、コンクリート構造物における線状クラック発生部の補修方法について過去の特許文献等の文献類を調査したが、特に参考になるようなものは発見できなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明は、コンクリート構造物におけるクラック発生部について新規の補修方法を提案することを第1の目的とする一方、その新規に開発したクラック発生部の補修方法を複数のコンクリート壁の接合部(目地部分)の封止方法にも応用してコンクリート構造物における目地形成部の耐久性を向上させることを第2の目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明は、コンクリート壁における線状クラック発生部の補修方法(第1発明)と、この第1発明の方法をコンクリート壁接合部(目地形成部)の封止方法に応用したコンクリート壁の目地封止方法(第2発明)とからなっているが、以下それらの各発明について説明する。
【0007】
本願第1発明
本願第1発明は、請求項1に示すように、コンクリート壁1における線状クラック2発生部に、入口側にあって所定の幅Aを有し且つ所定の深さBを有する幅狭削溝部3Aと、該幅狭削溝部3Aの幅より広い幅Cを有する幅広削溝部3Bとを奥行き方向に連続させてなる線状削溝3を形成したあと、該線状削溝3にモルタルあるいは樹脂等の封止材11を充填することを特徴としている。
【0008】
上記のように構成したことにより、線状削溝3に充填された封止材11が、幅広削溝部3Bに対応する幅広部11Bを有することとなり、該幅広部11Bが幅広削溝部3Bに対してしっかり嵌合せしめられることとなる。従って、従来工法において頻発していた封止材11の剥落を確実に防止することができる。
【0009】
本願第2発明
本願第2発明は、請求項2に示すように、コンクリート構造物20の目地形成部21に、入口側にあって所定の幅Aを有し且つ所定の深さBを有する幅狭削溝部23Aと、該幅狭削溝部23Aの幅より広い幅Cを有する幅広削溝部23Bとを奥行き方向に連続させてなる線状削溝23を形成したあと、該線状削溝23にモルタルあるいは樹脂等の封止材41を充填することを特徴としている。
【0010】
上記のように構成したことにより、線状削溝23に充填された封止材41が、幅広削溝部23Bに対応する幅広部41Bを有することとなり、該幅広部41Bが幅広削溝部23Bに対してしっかり嵌合せしめられることとなる。従って、従来工法において頻発していた封止材41の剥落を確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0011】
本願第1発明によれば、コンクリート壁1における線状クラック2発生部に、入口側にあって所定の幅Aを有し且つ所定の深さBを有する幅狭削溝部3Aと、該幅狭削溝部3Aの幅より広い幅Cを有する幅広削溝部3Bとを奥行き方向に連続させてなる線状削溝3を形成したあと、該線状削溝3にモルタルあるいは樹脂等の封止材11を充填するようにして、線状削溝3に充填された封止材11が、幅広削溝部3Bに対応する幅広部11Bを有するようにしたので、該幅広部11Bが幅広削溝部3Bに対してしっかり嵌合せしめられることとなり、従来工法において頻発していた封止材11の剥落を確実に防止することができるという効果がある。
【0012】
本願第2発明によれば、コンクリート構造物20の目地形成部21に、入口側にあって所定の幅Aを有し且つ所定の深さBを有する幅狭削溝部23Aと、該幅狭削溝部23Aの幅より広い幅Cを有する幅広削溝部23Bとを奥行き方向に連続させてなる線状削溝23を形成したあと、該線状削溝23にモルタルあるいは樹脂等の封止材41を充填するようにして、線状削溝23に充填された封止材41が、幅広削溝部23Bに対応する幅広部41Bを有するようにしたので、該幅広部41Bが幅広削溝部23Bに対してしっかり嵌合せしめられることとなり、従来工法において頻発していた封止材41の剥落を確実に防止することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本願第1発明のコンクリート壁における線状クラック発生部の補修方法の補修対象となる線状クラック発生部の説明図である。
【図2】図1に示されている線状クラック発生部分の補修方法を説明する説明図であり、(イ)は線状クラック発生部に線状削溝を形成するための形成過程を示す説明図、(ロ)は線状クラック発生部に形成された線状削溝の形状を示す説明図、(ハ)は線状削溝に封止材を充填した状態の説明図である。
【図3】本願第1発明のコンクリート壁における線状クラック発生部の補修方法の実施の形態において線状クラック発生部に形成される線状削溝の変形例1を示す説明図である。
【図4】本願第1発明のコンクリート壁における線状クラック発生部の補修方法の実施の形態において線状クラック発生部に形成される線状削溝の変形例2を示す説明図である。
【図5】本願第1発明のコンクリート壁における線状クラック発生部の補修方法の実施の形態において線状クラック発生部に形成される線状削溝の変形例3を示す説明図である。
【図6】本願第1発明のコンクリート壁における線状クラック発生部の補修方法の実施の形態において線状クラック発生部に形成される線状削溝の変形例4を示す説明図である。
【図7】本願第2発明のコンクリート壁の接合部における目地封止方法の対象となるコンクリート壁を示す斜視図である。
【図8】本願第2発明のコンクリート壁の接合部における目地封止方法を説明する説明図であり、(イ)は接合部に線状削溝を形成するための形成過程を示す説明図、(ロ)は接合部に形成された線状削溝の形状を示す説明図、(ハ)は線状削溝に封止材を充填した状態の説明図である。
【図9】本願第2発明のコンクリート壁における目地封止方法の実施の形態において接合部に形成される線状削溝の変形例1を示す説明図である。
【図10】本願第2発明のコンクリート壁における目地封止方法の実施の形態において接合部に形成される線状削溝の変形例2を示す説明図である。
【図11】本願第2発明のコンクリート壁における目地封止方法の実施の形態において接合部に形成される線状削溝の変形例3を示す説明図である。
【図12】本願第2発明のコンクリート壁における目地封止方法の実施の形態において接合部に形成される線状削溝の変形例4を示す説明図である。
【図13】従来のコンクリート構造物における線状クラックの発生状況説明図である。
【図14】従来の方法による線状クラック発生部の補修方法説明図であり、(イ)は線状クラック発生部に線状削溝を形成するための形成過程を示す説明図、(ロ)は線状クラック発生部に形成された線状削溝の形状を示す説明図、(ハ)は線状削溝に封止材を充填した状態の説明図である。
【図15】他の従来の方法によって線状クラック発生部を補修した場合の状況説明図である。
【図16】さらに他の従来方法によって線状クラック発生部を補修した場合の状況説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図1ないし図12を参照しつつ、本願第1発明の実施例にかかるコンクリート壁線状クラックの補修方法(第1実施例および変形例1〜4)と、本願第2発明の実施例にかかるコンクリート壁の接合部における目地封止方法(第2実施例および変形例1〜4)を説明する。
【0015】
第1実施例
図1には水路を構成するコンクリート壁1に発生した不定形状の線状クラック2が示されている。
【0016】
図2にはこの実施例において線状クラック2発生部に線状削溝3を形成する方法が示されている。
【0017】
すなわち、この実施例の場合は、図2(イ)に示すように、回転軸31の先端にドリル32を装着した回転工具30を使用し、そのドリル32によってコンクリート壁1における線状クラック2に沿って図2(ロ)に示すように、入口側にあって所定の幅Aを有し且つ所定の深さBを有する四角形形状の横断面をもつ幅狭削溝部3Aと、該幅狭削溝部3Aの幅より広い幅Cを有する逆円錐台形状の横断面をもつ幅広削溝部3Bとを奥行き方向に連続させてなる線状削溝3を形成する。従って、前記ドリル32の形状も、前記線状削溝3と同様な形状とされる。つまり、前記ドリル32は、前記幅狭削溝部3Aに対応する四角形形状の横断面をもつ幅狭部32Aと、前記幅広削溝部3Bに対応する逆円錐台形状の横断面をもつ幅広部32Bとによって構成されているのである。
【0018】
そして、前記線状削溝3が形成されたあとは、その線状削溝3内に図2(ハ)に示すようにモルタルあるいは樹脂等(たとえば、アクリル、ウレタン等)からなる封止材11を充填して固化させる。
【0019】
上記線状削溝3においては、A:B:C=2:1:4とするのが、補修後の封止材11における幅広部11Bと線状削溝3における幅広削溝部3Bとの嵌合強度を確保する上で望ましいが、この寸法比に限定されるものではない。
【0020】
上記のようにして線状削溝3に充填された封止材11は、その固化後は、逆円錐台形状の横断面をもつ幅広削溝部3Bに対応する逆円錐台形状の横断面をもつ幅広部11Bを有することとなり、該幅広部11Bが幅広削溝部3Bに対してしっかり嵌合せしめられることとなる。従って、従来工法において頻発していた封止材11の剥落を確実に防止することができる。その結果、封止材11は、長期間に亘って線状クラック2発生部を封止することができることとなる。図2において符号11Aは、幅狭削溝部3Aに対応する幅狭部である。
【0021】
ところで、前記線状削溝3の形状としては、図3ないし図6に示す変形例1〜4を採用することもできる。
【0022】
すなわち、図3に示す線状削溝3は、入口側にあって所定の幅Aを有し且つ所定の深さBを有する四角形形状の横断面をもつ幅狭削溝部3Aと、該幅狭削溝部3Aの幅より広い幅Cを有する円錐形状の横断面をもつ幅広削溝部3Bとを奥行き方向に連続させた形状とされている。
【0023】
図4に示す線状削溝3Aは、入口側にあって所定の幅Aを有し且つ所定の深さBを有する四角形形状の横断面をもつ幅狭削溝部3Aと、該幅狭削溝部3Aの幅より広い幅Cを有する四角形形状の横断面をもつ幅広削溝部3Bとを奥行き方向に連続させた形状とされている。
【0024】
上記図3および図4の場合の線状削溝3においては、A:B:C=2:1:4とするのが望ましいが、この寸法比に限定されるものではない。
【0025】
図5に示す線状削溝3は、入口側にあって所定の幅Aを有し且つ所定の深さBを有する四角形形状の横断面をもつ幅狭削溝部3Aと、該幅狭削溝部3Aの幅より広い幅Cを有する三角形形状の横断面をもつ幅広削溝部3Bとを奥行き方向に連続させた形状とされている。
【0026】
図6に示す線状削溝3は、入口側にあって所定の幅Aを有し且つ所定の深さBを有する四角形形状の横断面をもつ幅狭削溝部3Aと、該幅狭削溝部3Aの幅より広い幅Cを有する四角形形状の横断面をもつ幅広削溝部3Bとを奥行き方向に連続させた形状とされている。
【0027】
上記図5および図6の場合の線状削溝3においては、A:B:C=2:1:3とするのが望ましいが、この寸法比に限定されるものではない。
【0028】
第2実施例
図7には複数のコンクリート壁1,1,1を接合して1つのコンクリート構造物(たとえば建物の塀)20を構築する場合の施工例を示している。このような壁体接合構造のコンクリート構造物を構築する場合は、隣接する2枚のコンクリート壁1,1間の接合部(目地部分)21にピッチ等からなる封止材を充填するのが通例である。
【0029】
図8(イ),(ロ),(ハ)には、上記目地部分21に、本願第2発明の方法によってモルタルあるいは樹脂等の封止材を充填する場合の施工例が示されているので、以下これを説明する。
【0030】
図7に示すような隣接する一対のコンクリート壁1,1の間の目地部分21に対しては、通常の場合、図8(イ)において符号22で示す目地充填材(たとえば、ピッチ等)が充填される。
【0031】
そして、この第2実施例の施工方法では、図8(イ)に示すように、回転軸31の先端にドリル32を装着した回転工具30を使用し、そのドリル32によってコンクリート壁1における目地充填材22に沿って図8(ロ)に示すように、入口側にあって所定の幅Aを有し且つ所定の深さBを有する四角形形状の横断面をもつ幅狭削溝部23Aと、該幅狭削溝部23Aの幅より広い幅Cを有する逆円錐台形状の横断面をもつ幅広削溝部23Bとを奥行き方向に連続させてなる線状削溝23を形成する。従って、前記ドリル32の形状も、前記線状削溝23と同様な形状とされる。つまり、前記ドリル32は、前記幅狭削溝部23Aに対応する四角形形状の横断面をもつ幅狭部32Aと、前記幅広削溝部23Bに対応する逆円錐台形状の横断面をもつ幅広部32Bとによって構成されているのである。
【0032】
そして、前記線状削溝23が形成されたあとは、その線状削溝23内に図8(ハ)に示すようにモルタルあるいは樹脂等(たとえば、アクリル、ウレタン等)からなる封止材41を充填して固化させる。
【0033】
上記線状削溝23においては、A:B:C=2:1:4とするのが、補修後の封止材41における幅広部41Bと線状削溝23における幅広削溝部23Bとの嵌合強度を確保する上で望ましいが、この寸法比に限定されるものではない。
【0034】
上記のようにして線状削溝23に充填された封止材41は、その固化後は、逆円錐台形状の横断面をもつ幅広削溝部23Bに対応する逆円錐台形状の横断面をもつ幅広部41Bを有することとなり、該幅広部41Bが幅広削溝部23Bに対してしっかり嵌合せしめられることとなる。従って、従来工法において頻発していた封止材41の剥落を確実に防止することができる。その結果、封止材41は、長期間に亘って目地形成部を封止することができることとなる。図8において符号41Aは、幅狭削溝部23Aに対応する幅狭部である。
【0035】
ところで、前記線状削溝23の形状としては、図9ないし図12に示す変形例1〜4を採用することもできる。
【0036】
すなわち、図9に示す線状削溝23は、入口側にあって所定の幅Aを有し且つ所定の深さBを有する四角形形状の横断面をもつ幅狭削溝部23Aと、該幅狭削溝部23Aの幅より広い幅Cを有する円錐形状の横断面をもつ幅広削溝部23Bとを奥行き方向に連続させた形状とされている。
【0037】
図10に示す線状削溝3Aは、入口側にあって所定の幅Aを有し且つ所定の深さBを有する四角形形状の横断面をもつ幅狭削溝部23Aと、該幅狭削溝部23Aの幅より広い幅Cを有する四角形形状の横断面をもつ幅広削溝部23Bとを奥行き方向に連続させた形状とされている。
【0038】
上記図9および図10の場合の線状削溝23においては、A:B:C=2:1:4とするのが望ましいが、この寸法比に限定されるものではない。
【0039】
図11に示す線状削溝3は、入口側にあって所定の幅Aを有し且つ所定の深さBを有する四角形形状の横断面をもつ幅狭削溝部23Aと、該幅狭削溝部23Aの幅より広い幅Cを有する三角形形状の横断面をもつ幅広削溝部23Bとを奥行き方向に連続させた形状とされている。
【0040】
図12に示す線状削溝23は、入口側にあって所定の幅Aを有し且つ所定の深さBを有する四角形形状の横断面をもつ幅狭削溝部23Aと、該幅狭削溝部23Aの幅より広い幅Cを有する四角形形状の横断面をもつ幅広削溝部23Bとを奥行き方向に連続させた形状とされている。
【0041】
上記図11および図12の場合の線状削溝23においては、A:B:C=2:1:3とするのが望ましいが、この寸法比に限定されるものではない。
【0042】
本願発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜設計変更可能なことは勿論である。
【符号の説明】
【0043】
1はコンクリート壁、2は線状クラック、3は線状削溝、3Aは幅狭削溝部、3Bは幅広削溝部、11は封止材、11Aは幅狭部、11Bは幅広部、20はコンクリート構造物、21は目地部分、23は線状削溝、23Aは幅狭削溝部、23Bは幅広削溝部、41は封止材、41Aは幅狭部、41Bは幅広部、Aは幅狭削溝部の幅、Bは幅狭削溝部の深さ、Cは幅広削溝部の幅である。
【技術分野】
【0001】
本願発明は、コンクリート製の水路の壁面やコンクリート構造物の壁面(以下、総合して「コンクリート壁」という)における線状クラック発生部の補修方法およびコンクリート製の壁体を多数接合して水路や建築物等の各種コンクリート構造物を構築する場合のコンクリート壁接合部(いわゆる「目地部」)における目地部分の封止方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図13には、コンクリート製水路の壁体101の一部に不定形状の線状クラック102が発生した状態が示されているが、このような場合、従来は図14(イ)に示すように、回転工具130の回転軸131の先端に装着した先細円錐形のドリル132で線状クラック102に沿って図14(ロ)に示すような横断面二等辺三角形状の線状削溝103を形成し、そのあと、その線状削溝103に図14(ハ)に示すようにモルタルあるいは樹脂等の充填物111を充填してクラック発生部を補修していた。ところが、このような従来方式の補修方法では図14(ハ)において符号111′で示すように、クラック発生部に充填した封止材が剥落することが多かった。
【0003】
なお、コンクリート壁における線状クラック発生部の他の補修方法例としては、図15に例示するように、クラック発生部102に入口103A側が広く、奥壁103D側が狭い横断面台形状の線状削溝103を形成してそこにモルタルや樹脂等の封止材111を充填する方法や、図16に例示するように、クラック発生部102に内方が横断面半円形状となっている線状削溝103を形成してそこにモルタルあるいは樹脂等の封止材111を充填する方法等も行われているが、それらのいずれの方法においても形成した線状削溝103の入口側が内方部側よりも外部に向かって広く開口しているため、図14に示す補修方法例の場合と同様、充填した封止材が剥落することが多いというのが実情である。
【0004】
本願発明者は、上記のような事情に鑑み、コンクリート構造物における線状クラック発生部の補修方法について過去の特許文献等の文献類を調査したが、特に参考になるようなものは発見できなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明は、コンクリート構造物におけるクラック発生部について新規の補修方法を提案することを第1の目的とする一方、その新規に開発したクラック発生部の補修方法を複数のコンクリート壁の接合部(目地部分)の封止方法にも応用してコンクリート構造物における目地形成部の耐久性を向上させることを第2の目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明は、コンクリート壁における線状クラック発生部の補修方法(第1発明)と、この第1発明の方法をコンクリート壁接合部(目地形成部)の封止方法に応用したコンクリート壁の目地封止方法(第2発明)とからなっているが、以下それらの各発明について説明する。
【0007】
本願第1発明
本願第1発明は、請求項1に示すように、コンクリート壁1における線状クラック2発生部に、入口側にあって所定の幅Aを有し且つ所定の深さBを有する幅狭削溝部3Aと、該幅狭削溝部3Aの幅より広い幅Cを有する幅広削溝部3Bとを奥行き方向に連続させてなる線状削溝3を形成したあと、該線状削溝3にモルタルあるいは樹脂等の封止材11を充填することを特徴としている。
【0008】
上記のように構成したことにより、線状削溝3に充填された封止材11が、幅広削溝部3Bに対応する幅広部11Bを有することとなり、該幅広部11Bが幅広削溝部3Bに対してしっかり嵌合せしめられることとなる。従って、従来工法において頻発していた封止材11の剥落を確実に防止することができる。
【0009】
本願第2発明
本願第2発明は、請求項2に示すように、コンクリート構造物20の目地形成部21に、入口側にあって所定の幅Aを有し且つ所定の深さBを有する幅狭削溝部23Aと、該幅狭削溝部23Aの幅より広い幅Cを有する幅広削溝部23Bとを奥行き方向に連続させてなる線状削溝23を形成したあと、該線状削溝23にモルタルあるいは樹脂等の封止材41を充填することを特徴としている。
【0010】
上記のように構成したことにより、線状削溝23に充填された封止材41が、幅広削溝部23Bに対応する幅広部41Bを有することとなり、該幅広部41Bが幅広削溝部23Bに対してしっかり嵌合せしめられることとなる。従って、従来工法において頻発していた封止材41の剥落を確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0011】
本願第1発明によれば、コンクリート壁1における線状クラック2発生部に、入口側にあって所定の幅Aを有し且つ所定の深さBを有する幅狭削溝部3Aと、該幅狭削溝部3Aの幅より広い幅Cを有する幅広削溝部3Bとを奥行き方向に連続させてなる線状削溝3を形成したあと、該線状削溝3にモルタルあるいは樹脂等の封止材11を充填するようにして、線状削溝3に充填された封止材11が、幅広削溝部3Bに対応する幅広部11Bを有するようにしたので、該幅広部11Bが幅広削溝部3Bに対してしっかり嵌合せしめられることとなり、従来工法において頻発していた封止材11の剥落を確実に防止することができるという効果がある。
【0012】
本願第2発明によれば、コンクリート構造物20の目地形成部21に、入口側にあって所定の幅Aを有し且つ所定の深さBを有する幅狭削溝部23Aと、該幅狭削溝部23Aの幅より広い幅Cを有する幅広削溝部23Bとを奥行き方向に連続させてなる線状削溝23を形成したあと、該線状削溝23にモルタルあるいは樹脂等の封止材41を充填するようにして、線状削溝23に充填された封止材41が、幅広削溝部23Bに対応する幅広部41Bを有するようにしたので、該幅広部41Bが幅広削溝部23Bに対してしっかり嵌合せしめられることとなり、従来工法において頻発していた封止材41の剥落を確実に防止することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本願第1発明のコンクリート壁における線状クラック発生部の補修方法の補修対象となる線状クラック発生部の説明図である。
【図2】図1に示されている線状クラック発生部分の補修方法を説明する説明図であり、(イ)は線状クラック発生部に線状削溝を形成するための形成過程を示す説明図、(ロ)は線状クラック発生部に形成された線状削溝の形状を示す説明図、(ハ)は線状削溝に封止材を充填した状態の説明図である。
【図3】本願第1発明のコンクリート壁における線状クラック発生部の補修方法の実施の形態において線状クラック発生部に形成される線状削溝の変形例1を示す説明図である。
【図4】本願第1発明のコンクリート壁における線状クラック発生部の補修方法の実施の形態において線状クラック発生部に形成される線状削溝の変形例2を示す説明図である。
【図5】本願第1発明のコンクリート壁における線状クラック発生部の補修方法の実施の形態において線状クラック発生部に形成される線状削溝の変形例3を示す説明図である。
【図6】本願第1発明のコンクリート壁における線状クラック発生部の補修方法の実施の形態において線状クラック発生部に形成される線状削溝の変形例4を示す説明図である。
【図7】本願第2発明のコンクリート壁の接合部における目地封止方法の対象となるコンクリート壁を示す斜視図である。
【図8】本願第2発明のコンクリート壁の接合部における目地封止方法を説明する説明図であり、(イ)は接合部に線状削溝を形成するための形成過程を示す説明図、(ロ)は接合部に形成された線状削溝の形状を示す説明図、(ハ)は線状削溝に封止材を充填した状態の説明図である。
【図9】本願第2発明のコンクリート壁における目地封止方法の実施の形態において接合部に形成される線状削溝の変形例1を示す説明図である。
【図10】本願第2発明のコンクリート壁における目地封止方法の実施の形態において接合部に形成される線状削溝の変形例2を示す説明図である。
【図11】本願第2発明のコンクリート壁における目地封止方法の実施の形態において接合部に形成される線状削溝の変形例3を示す説明図である。
【図12】本願第2発明のコンクリート壁における目地封止方法の実施の形態において接合部に形成される線状削溝の変形例4を示す説明図である。
【図13】従来のコンクリート構造物における線状クラックの発生状況説明図である。
【図14】従来の方法による線状クラック発生部の補修方法説明図であり、(イ)は線状クラック発生部に線状削溝を形成するための形成過程を示す説明図、(ロ)は線状クラック発生部に形成された線状削溝の形状を示す説明図、(ハ)は線状削溝に封止材を充填した状態の説明図である。
【図15】他の従来の方法によって線状クラック発生部を補修した場合の状況説明図である。
【図16】さらに他の従来方法によって線状クラック発生部を補修した場合の状況説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図1ないし図12を参照しつつ、本願第1発明の実施例にかかるコンクリート壁線状クラックの補修方法(第1実施例および変形例1〜4)と、本願第2発明の実施例にかかるコンクリート壁の接合部における目地封止方法(第2実施例および変形例1〜4)を説明する。
【0015】
第1実施例
図1には水路を構成するコンクリート壁1に発生した不定形状の線状クラック2が示されている。
【0016】
図2にはこの実施例において線状クラック2発生部に線状削溝3を形成する方法が示されている。
【0017】
すなわち、この実施例の場合は、図2(イ)に示すように、回転軸31の先端にドリル32を装着した回転工具30を使用し、そのドリル32によってコンクリート壁1における線状クラック2に沿って図2(ロ)に示すように、入口側にあって所定の幅Aを有し且つ所定の深さBを有する四角形形状の横断面をもつ幅狭削溝部3Aと、該幅狭削溝部3Aの幅より広い幅Cを有する逆円錐台形状の横断面をもつ幅広削溝部3Bとを奥行き方向に連続させてなる線状削溝3を形成する。従って、前記ドリル32の形状も、前記線状削溝3と同様な形状とされる。つまり、前記ドリル32は、前記幅狭削溝部3Aに対応する四角形形状の横断面をもつ幅狭部32Aと、前記幅広削溝部3Bに対応する逆円錐台形状の横断面をもつ幅広部32Bとによって構成されているのである。
【0018】
そして、前記線状削溝3が形成されたあとは、その線状削溝3内に図2(ハ)に示すようにモルタルあるいは樹脂等(たとえば、アクリル、ウレタン等)からなる封止材11を充填して固化させる。
【0019】
上記線状削溝3においては、A:B:C=2:1:4とするのが、補修後の封止材11における幅広部11Bと線状削溝3における幅広削溝部3Bとの嵌合強度を確保する上で望ましいが、この寸法比に限定されるものではない。
【0020】
上記のようにして線状削溝3に充填された封止材11は、その固化後は、逆円錐台形状の横断面をもつ幅広削溝部3Bに対応する逆円錐台形状の横断面をもつ幅広部11Bを有することとなり、該幅広部11Bが幅広削溝部3Bに対してしっかり嵌合せしめられることとなる。従って、従来工法において頻発していた封止材11の剥落を確実に防止することができる。その結果、封止材11は、長期間に亘って線状クラック2発生部を封止することができることとなる。図2において符号11Aは、幅狭削溝部3Aに対応する幅狭部である。
【0021】
ところで、前記線状削溝3の形状としては、図3ないし図6に示す変形例1〜4を採用することもできる。
【0022】
すなわち、図3に示す線状削溝3は、入口側にあって所定の幅Aを有し且つ所定の深さBを有する四角形形状の横断面をもつ幅狭削溝部3Aと、該幅狭削溝部3Aの幅より広い幅Cを有する円錐形状の横断面をもつ幅広削溝部3Bとを奥行き方向に連続させた形状とされている。
【0023】
図4に示す線状削溝3Aは、入口側にあって所定の幅Aを有し且つ所定の深さBを有する四角形形状の横断面をもつ幅狭削溝部3Aと、該幅狭削溝部3Aの幅より広い幅Cを有する四角形形状の横断面をもつ幅広削溝部3Bとを奥行き方向に連続させた形状とされている。
【0024】
上記図3および図4の場合の線状削溝3においては、A:B:C=2:1:4とするのが望ましいが、この寸法比に限定されるものではない。
【0025】
図5に示す線状削溝3は、入口側にあって所定の幅Aを有し且つ所定の深さBを有する四角形形状の横断面をもつ幅狭削溝部3Aと、該幅狭削溝部3Aの幅より広い幅Cを有する三角形形状の横断面をもつ幅広削溝部3Bとを奥行き方向に連続させた形状とされている。
【0026】
図6に示す線状削溝3は、入口側にあって所定の幅Aを有し且つ所定の深さBを有する四角形形状の横断面をもつ幅狭削溝部3Aと、該幅狭削溝部3Aの幅より広い幅Cを有する四角形形状の横断面をもつ幅広削溝部3Bとを奥行き方向に連続させた形状とされている。
【0027】
上記図5および図6の場合の線状削溝3においては、A:B:C=2:1:3とするのが望ましいが、この寸法比に限定されるものではない。
【0028】
第2実施例
図7には複数のコンクリート壁1,1,1を接合して1つのコンクリート構造物(たとえば建物の塀)20を構築する場合の施工例を示している。このような壁体接合構造のコンクリート構造物を構築する場合は、隣接する2枚のコンクリート壁1,1間の接合部(目地部分)21にピッチ等からなる封止材を充填するのが通例である。
【0029】
図8(イ),(ロ),(ハ)には、上記目地部分21に、本願第2発明の方法によってモルタルあるいは樹脂等の封止材を充填する場合の施工例が示されているので、以下これを説明する。
【0030】
図7に示すような隣接する一対のコンクリート壁1,1の間の目地部分21に対しては、通常の場合、図8(イ)において符号22で示す目地充填材(たとえば、ピッチ等)が充填される。
【0031】
そして、この第2実施例の施工方法では、図8(イ)に示すように、回転軸31の先端にドリル32を装着した回転工具30を使用し、そのドリル32によってコンクリート壁1における目地充填材22に沿って図8(ロ)に示すように、入口側にあって所定の幅Aを有し且つ所定の深さBを有する四角形形状の横断面をもつ幅狭削溝部23Aと、該幅狭削溝部23Aの幅より広い幅Cを有する逆円錐台形状の横断面をもつ幅広削溝部23Bとを奥行き方向に連続させてなる線状削溝23を形成する。従って、前記ドリル32の形状も、前記線状削溝23と同様な形状とされる。つまり、前記ドリル32は、前記幅狭削溝部23Aに対応する四角形形状の横断面をもつ幅狭部32Aと、前記幅広削溝部23Bに対応する逆円錐台形状の横断面をもつ幅広部32Bとによって構成されているのである。
【0032】
そして、前記線状削溝23が形成されたあとは、その線状削溝23内に図8(ハ)に示すようにモルタルあるいは樹脂等(たとえば、アクリル、ウレタン等)からなる封止材41を充填して固化させる。
【0033】
上記線状削溝23においては、A:B:C=2:1:4とするのが、補修後の封止材41における幅広部41Bと線状削溝23における幅広削溝部23Bとの嵌合強度を確保する上で望ましいが、この寸法比に限定されるものではない。
【0034】
上記のようにして線状削溝23に充填された封止材41は、その固化後は、逆円錐台形状の横断面をもつ幅広削溝部23Bに対応する逆円錐台形状の横断面をもつ幅広部41Bを有することとなり、該幅広部41Bが幅広削溝部23Bに対してしっかり嵌合せしめられることとなる。従って、従来工法において頻発していた封止材41の剥落を確実に防止することができる。その結果、封止材41は、長期間に亘って目地形成部を封止することができることとなる。図8において符号41Aは、幅狭削溝部23Aに対応する幅狭部である。
【0035】
ところで、前記線状削溝23の形状としては、図9ないし図12に示す変形例1〜4を採用することもできる。
【0036】
すなわち、図9に示す線状削溝23は、入口側にあって所定の幅Aを有し且つ所定の深さBを有する四角形形状の横断面をもつ幅狭削溝部23Aと、該幅狭削溝部23Aの幅より広い幅Cを有する円錐形状の横断面をもつ幅広削溝部23Bとを奥行き方向に連続させた形状とされている。
【0037】
図10に示す線状削溝3Aは、入口側にあって所定の幅Aを有し且つ所定の深さBを有する四角形形状の横断面をもつ幅狭削溝部23Aと、該幅狭削溝部23Aの幅より広い幅Cを有する四角形形状の横断面をもつ幅広削溝部23Bとを奥行き方向に連続させた形状とされている。
【0038】
上記図9および図10の場合の線状削溝23においては、A:B:C=2:1:4とするのが望ましいが、この寸法比に限定されるものではない。
【0039】
図11に示す線状削溝3は、入口側にあって所定の幅Aを有し且つ所定の深さBを有する四角形形状の横断面をもつ幅狭削溝部23Aと、該幅狭削溝部23Aの幅より広い幅Cを有する三角形形状の横断面をもつ幅広削溝部23Bとを奥行き方向に連続させた形状とされている。
【0040】
図12に示す線状削溝23は、入口側にあって所定の幅Aを有し且つ所定の深さBを有する四角形形状の横断面をもつ幅狭削溝部23Aと、該幅狭削溝部23Aの幅より広い幅Cを有する四角形形状の横断面をもつ幅広削溝部23Bとを奥行き方向に連続させた形状とされている。
【0041】
上記図11および図12の場合の線状削溝23においては、A:B:C=2:1:3とするのが望ましいが、この寸法比に限定されるものではない。
【0042】
本願発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜設計変更可能なことは勿論である。
【符号の説明】
【0043】
1はコンクリート壁、2は線状クラック、3は線状削溝、3Aは幅狭削溝部、3Bは幅広削溝部、11は封止材、11Aは幅狭部、11Bは幅広部、20はコンクリート構造物、21は目地部分、23は線状削溝、23Aは幅狭削溝部、23Bは幅広削溝部、41は封止材、41Aは幅狭部、41Bは幅広部、Aは幅狭削溝部の幅、Bは幅狭削溝部の深さ、Cは幅広削溝部の幅である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート壁(1)における線状クラック(2)発生部に、入口側にあって所定の幅(A)有し且つ所定の深さ(B)を有する幅狭削溝部(3A)と、該幅狭削溝部(3A)の幅より広い幅(C)を有する幅広削溝部(3B)とを奥行き方向に連続させてなる線状削溝(3)を形成したあと、該線状削溝(3)にモルタルあるいは樹脂等の封止材(11)を充填することを特徴とするコンクリート壁における線状クラック発生部の補修方法。
【請求項2】
コンクリート構造物(20)の目地形成部(21)に、入口側にあって所定の幅(A)有し且つ所定の深さ(B)を有する幅狭削溝部(23A)と、該幅狭削溝部(23A)の幅より広い幅(C)を有する幅広削溝部(23B)とを奥行き方向に連続させてなる線状削溝(23)を形成したあと、該線状削溝(23)にモルタルあるいは樹脂等の封止材(41)を充填することを特徴とするコンクリート壁の接合部における目地封止方法。
【請求項1】
コンクリート壁(1)における線状クラック(2)発生部に、入口側にあって所定の幅(A)有し且つ所定の深さ(B)を有する幅狭削溝部(3A)と、該幅狭削溝部(3A)の幅より広い幅(C)を有する幅広削溝部(3B)とを奥行き方向に連続させてなる線状削溝(3)を形成したあと、該線状削溝(3)にモルタルあるいは樹脂等の封止材(11)を充填することを特徴とするコンクリート壁における線状クラック発生部の補修方法。
【請求項2】
コンクリート構造物(20)の目地形成部(21)に、入口側にあって所定の幅(A)有し且つ所定の深さ(B)を有する幅狭削溝部(23A)と、該幅狭削溝部(23A)の幅より広い幅(C)を有する幅広削溝部(23B)とを奥行き方向に連続させてなる線状削溝(23)を形成したあと、該線状削溝(23)にモルタルあるいは樹脂等の封止材(41)を充填することを特徴とするコンクリート壁の接合部における目地封止方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−80307(P2011−80307A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−234868(P2009−234868)
【出願日】平成21年10月9日(2009.10.9)
【出願人】(503038786)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月9日(2009.10.9)
【出願人】(503038786)
【Fターム(参考)】
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