コンクリート製の貯液槽の補強構造
【課題】施工を容易に行うことができるとともに、耐震強度を向上することができるコンクリート製の貯液槽の補強構造を提供する。
【解決手段】貯水槽11の底壁12、第1側壁13及び天井壁17に第1連結金具ユニット22A〜22Eの基板31を、底壁12、第1側壁13及び天井壁17に埋設固定されたアンカーボルト34によって、底壁12、第1側壁13及び天井壁17に取り付ける。第1連結金具ユニット22Aと第5連結金具ユニット22Eに縦補強枠23を架橋連結する。前記縦補強枠23に取り付けた第1及び第2連結板24A,24Bと前記第2〜第4連結金具ユニット22B〜22Dとに、第1〜第4傾斜補強枠25A〜25D及び第1〜第3水平補強枠26A〜26Cを架橋連結する。
【解決手段】貯水槽11の底壁12、第1側壁13及び天井壁17に第1連結金具ユニット22A〜22Eの基板31を、底壁12、第1側壁13及び天井壁17に埋設固定されたアンカーボルト34によって、底壁12、第1側壁13及び天井壁17に取り付ける。第1連結金具ユニット22Aと第5連結金具ユニット22Eに縦補強枠23を架橋連結する。前記縦補強枠23に取り付けた第1及び第2連結板24A,24Bと前記第2〜第4連結金具ユニット22B〜22Dとに、第1〜第4傾斜補強枠25A〜25D及び第1〜第3水平補強枠26A〜26Cを架橋連結する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート製の貯液槽の補強構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄筋コンクリート製の貯水槽は、長年月が経過すると、コンクリートが劣化して、耐震強度が低下する。又、貯水槽の耐震強度の基準が厳しい基準に変更されると、貯水槽の耐震強度が基準を満たさないことになる。これらに対処するために、貯水槽の側壁の内面に鉄筋コンクリートを増設する構造のものがあった。この補強構造は、コンクリートの養生期間が必要となるので、貯水槽の停止期間が長くなり、このため、給水を他の手段に頼ることになり、給水費用が嵩むという問題があった。又、貯水容積が減少するという問題もあった。
【0003】
上記の問題を解消するため、貯水槽の内壁面にステンレス製のパネルを張り付ける構造も提案されている。又、炭素繊維を貯水槽の内面に接着する構造も提案されている。特許文献1にはコンクリートの貯水槽の内面にパネルを内張りした構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−180796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、貯水槽の内壁面の全域にステンレス製の多数枚のパネルを張り付ける構造は、面積が広いので、パネルの施工作業が面倒で、これも短期間に補強することができないという問題があった。又、貯水槽の側壁の厚さがそれほど増えないので、耐震強度をそれほど向上することができないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記従来の技術に存する問題点を解消して、施工期間を短縮することができるとともに、耐震強度を向上することができるコンクリート製の貯液槽の補強構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、貯水槽の側壁の内面に挿入穴を複数箇所に形成し、各挿入穴にアンカーを挿入固定し、各アンカーに補強枠を架橋連結したことを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記アンカーには基板が連結され、該基板には連結板が取り付けられ、該連結板には前記補強枠が架橋連結されていることを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2において、前記基板及び連結板は、底壁の上面及び天井壁の下面にそれぞれ取り付けられ、前記各連結板に前記補強枠が架橋連結されていることを要旨とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3において、前記底壁の上面及び天井壁の下面にそれぞれ取り付けられた前記両連結板には、縦補強枠が架橋連結され、該縦補強枠と、前記側壁に設けられた複数の連結板との間には、複数本の水平補強枠が架橋連結され、前記縦補強枠と前記側壁に設けられた複数の連結板との間には、傾斜補強枠が架橋連結され、全体としてトラス構造に構成されていることを要旨とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4において、前記貯水槽の側壁に取り付けられた複数の連結板は、アングル材よりなる縦補強枠によって補強されていることを要旨とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1において、前記アンカーにはアングル材よりなる一対の金具が連結され、両金具にはチャンネル鋼よりなる縦補強枠が溶接によって連結され、該縦補強枠に連結板が連結されていることを要旨とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項において、前記アンカーはケミカルアンカーであることを要旨とする。
請求項8に記載の発明は、請求項2〜5のいずれか一項において、前記アンカーの雄ネジ部に螺合され、かつ側壁の内面に基板を固定するためのナットは、基板に取り付けられたキャンプによって遮蔽されていることを要旨とする。
(作用)
この発明は、貯水槽の側壁の内面に複数の挿入穴が形成され、各挿入穴にアンカーが挿入固定され、該アンカーに補強枠が架橋連結されている。このため、側壁に対するアンカー及び補強枠の連結を容易に行うことができ、施工作業を容易に行うことができる。又、複数のアンカーに架橋連結された補強枠によって、側壁の厚さ寸法を実質的に厚くすることができ、側壁の剛性を向上して、耐震強度を向上することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、施工期間を短縮することができるとともに、耐震強度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明のコンクリート製の貯水槽の補強構造を具体化した一実施形態を示す縦断面図。
【図2】要部の平断面図。
【図3】貯水槽の平断面図。
【図4】第2連結金具ユニットの拡大縦断面図。
【図5】この発明の別の実施形態を示す貯水槽の縦断面図。
【図6】この発明の別の実施形態を示す貯水槽の縦断面図。
【図7】この発明の別の実施形態を示す貯水槽の縦断面図。
【図8】図7に示す貯水槽の補強構造の平断面図。
【図9】図7に示す貯水槽の補強構造の第2連結金具ユニットの正面図。
【図10】この発明の別の実施形態を示す貯水槽の縦断面図。
【図11】図10に示す貯水槽の補強構造の平断面図。
【図12】図10に示す貯水槽の補強構造の第2連結金具ユニットの正面図。
【図13】この発明の別の実施形態を示す貯水槽の下部の縦断面図。
【図14】この発明の別の実施形態を示す貯水槽の上部の縦断面図。
【図15】この発明の別の実施形態を示す部分縦断面図。
【図16】図15の基板、キャップ金具、連結板及び第1水平補強枠の斜視図。
【図17】この発明の別の実施形態を示す部分縦断面図。
【図18】(a)(b)は、この発明の別の実施形態を示す縦補強枠の別の構成を示す平断面図。
【図19】この発明の別の実施形態を示すナットのシール構造を示す平断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図4に従って説明する。
地下に埋設された鉄筋コンクリート製の既設の貯水槽11は、図1に示すように水平に打設された底壁12と、該底壁12に一体に構築された図3に示す四角筒状の第1〜第4側壁13〜16と、第1〜第4側壁13〜16の上端部に図1に示すように水平に、かつ一体に構築された天井壁17とにより構成されている。前記天井壁17には、図示しないが貯水槽11の内部に作業者が入るための開口が設けられている。なお、貯水槽11のコンクリート壁には、鉄筋は図示されていない。
【0017】
前記底壁12、第1〜第4側壁13〜16及び天井壁17には、第1〜第6補強枠組体21A〜21Fが構築されている。これらの補強枠組体21A〜21Fは全て同様に構成されているので、第1補強枠組体21Aについて以下に説明する。
【0018】
図1に示すように、第1補強枠組体21Aは、前記底壁12の上面に設けられた第1連結金具ユニット22Aと、前記第1側壁13の内壁面に上下方向に所定の間隔をおいて設けられた第2〜第4連結金具ユニット22B,22C,22Dと、前記天井壁17の下面に設けられた第5連結金具ユニット22Eとを備えている。前記第1連結金具ユニット22Aと第5連結金具ユニット22Eとには、互いに平行な2本の縦補強枠23が架橋連結されている。両縦補強枠23に前記第2及び第4連結金具ユニット22B,22Dと対応して第1連結板24A及び第2連結板24Bが溶接されている。
【0019】
前記第1連結金具ユニット22Aと第2連結金具ユニット22Bとの間には、第1傾斜補強枠25Aが架橋されている。前記第2連結金具ユニット22Bと、前記第1連結板24Aとの間には、第1水平補強枠26Aが架橋されている。前記第1連結板24Aと前記第3連結金具ユニット22Cとの間には、第2傾斜補強枠25Bが架橋されている。前記第3連結金具ユニット22Cと、縦補強枠23との間には、第2水平補強枠26Bが架橋されている。前記第3連結金具ユニット22Cと、前記第2連結板24Bとの間には、第3傾斜補強枠25Cが架橋されている。さらに、前記第4連結金具ユニット22Dと、第2連結板24Bとの間には、第3水平補強枠26Cが架橋されている。さらに、前記第4連結金具ユニット22Dと第5連結金具ユニット22Eとの間には第4傾斜補強枠25Dが架橋されている。
【0020】
前記第1〜第5連結金具ユニット22A〜22Eは、全て同様に構成されているので、第2連結金具ユニット22Bについて、図4を中心に説明する。
前記第2連結金具ユニット22Bは、四角形状をなす基板31と、該基板31の片面に直交するように溶接された連結板32とを備え、前記基板31には、複数(例えば6)箇所にボルトの貫通用の孔31aが形成されている。前記第1側壁13には前記各孔31aと対応するように挿入穴33が複数(6)個所に形成され、各挿入穴33には前記孔31aに貫通されたアンカーボルト34が接着剤35によって接着固定されている。このアンカーボルト34は、ケミカルアンカーによって挿入穴33の内部に接着されたものである。前記第1側壁13の内壁面と、基板31の裏面とは、接着剤36によって接着されている。前記基板31の外周縁と第1側壁13の表面との隙間には、前記接着剤36と同じか異なる封止剤36Aが肉盛接触されている。
【0021】
前記アンカーボルト34の外端部には、雄ネジ部34aが形成され、該雄ネジ部34aにナット37が螺合されている。前記基板31の表面には、前記ナット37を遮蔽するためのキャップ38が取り付けられている。
【0022】
前記連結板32には、第1傾斜補強枠25A及び第1水平補強枠26Aの端部が溶接によって連結されている。
次に、前記のように構成された貯水槽11の作用について説明する。
【0023】
図1に示すように、前記貯水槽11の底壁12、第1〜第4側壁13〜16及び天井壁17にトラス構造の第1〜第6補強枠組体21A〜21Fが装設されているので、該各補強枠組体21A〜21Fと対応する第1〜第4側壁13〜16の剛性が大きくなり、地震の発生時に外部衝撃が第1〜第4側壁13〜16に作用しても、各側壁13〜16の破損が防止される。
【0024】
図3に示すように、第1側壁13は、それぞれ二箇所に装設された第1,第2補強枠組体21A,21Bによって補強されている。このため、第1側壁13の厚さ寸法は実質的に厚くなり、地震発生時の外部衝撃がP矢印方向に作用しても、第1側壁13の破損が防止される。なお、前記第3側壁15の厚さ寸法も前記第4及び第5補強枠組体21D,21Eによって実質的に厚くなり、地震発生時の外部衝撃がQ矢印方向に作用しても、第3側壁15の破損が防止される。
【0025】
又、第2側壁14には、補強枠組体21Cが設けられているので、第2側壁14の厚さ寸法は実質的に厚くなって、第2側壁14の剛性が大きくなり、地震発生時の外部衝撃がR矢印方向に作用しても、該衝撃による破損を未然に防止することができる。なお、第4側壁16についても第2側壁14と同様に、第6補強枠組体21Fによって、第4側壁16の暑さ寸法が実質的に厚くなって、第4側壁16の剛性が大きくなり、地震発生時の外部衝撃がS矢印方向に作用しても、該衝撃による第4側壁16の破損を未然に防止することができる。
【0026】
上記実施形態の第1〜第6補強枠組体21A〜21Fによれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、貯水槽11の底壁12、第1側壁13、天井壁17に第1〜第6補強枠組体21A〜21Fが構築されているので、第1〜第4側壁13〜16の厚さ寸法を実質的に大きくして、剛性を向上することができ、耐震強度を向上することができる。
【0027】
(2)上記実施形態では、第1〜第6補強枠組体21A〜21Fを、第1〜第5連結金具ユニット22A〜22Eと、縦補強枠23と、第1〜第4傾斜補強枠25A〜25D及び第1〜第3水平補強枠26A〜26Cとによりトラス構造とした。このため、前記第1〜第4側壁13〜16の剛性を効果的に向上することができる。
【0028】
(3)上記実施形態では、底壁12、第1〜第4側壁13〜16、天井壁17に挿入穴33を形成し、該挿入穴33にアンカーボルト34を挿入固定し、該アンカーボルト34を基板31の孔31aに貫通し、アンカーボルト34の雄ネジ部34aにナット37を螺合した。このため、施工作業を短期間で容易に行うことができ、貯水槽11の利用再開を早めることができる。
【0029】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・図5に示すように、前記第1〜第4側壁13〜16の内側面に前記補強枠組体21を全体として水平方向に装設するようにしてもよい。
【0030】
・図6に示すように、前記第1〜第5連結金具ユニット22A〜22Eの基板31を全て互いに連結するようにしてもよい。この場合には、さらに、第1側壁13の剛性を高めることができる。
【0031】
・図7〜図10に示す実施形態は、前記第1〜第6連結金具ユニット22A〜22F及び第1〜第4連結板24A〜24Dを用いて、第1〜第5傾斜補強枠25A〜25E及び第1〜第4水平補強枠26A〜26Dが連結されている。前記第2〜第5連結金具ユニット22B〜22Eの各連結板32の2つの側面には、図8に示すように水平方向からアングル材よりなる一対の補強枠41,41が溶接によって連結されている。前記縦補強枠23は前記第1連結板24Aの2つの側面を挟むように2箇所に設けられている。この実施形態においては前記補強枠41によって前記連結板32の剛性が高くなるとともに、縦補強枠23を二本用いたので、縦補強枠23の曲げ剛性を向上することができる。又、図8及び図9に示すように、前記基板31の外周縁にシリコンシーラント等のシール部材42を接着するとともに、前記キャップ38の内部にシール部材43を充填した。このため、貯水槽内の水がアンカーボルト34及びナット37等に触れて、劣化するのを防止することができる。
【0032】
・図10〜図12に示す実施形態は、前記基板31に代えて、図11に示すようにアングル材よりなる一対の金具45を水平方向に所定の間隔をおいて、前記アンカーボルト34及びナット37によって第1側壁13の側面に取り付ける。その後、前記一対の金具45の間にチャンネル鋼よりなる縦補強枠46を進入させて、金具45と縦補強枠46を溶接によって連結する。前記縦補強枠46に連結板32を溶接によって連結する。前記縦補強枠23をチャンネル鋼によって構成する。
【0033】
上記実施形態においては、第2連結金具ユニット22B〜第5連結金具ユニット22Eの剛性を向上することができるので、耐震強度を高めることができる。
・図13に示すように、前記底壁12及び第1,第3側壁13,15の下部に前述した補強枠組体21を構築するようにしてもよい。この実施形態においては、前記縦補強枠23が水平補強枠23´として機能する。又、第1〜第3水平補強枠26A〜26Cが第1〜第3縦補強枠26A´〜26C´として機能する。
【0034】
・図14に示すように、前記天井壁17及び第1、第3側壁13,15の下部に前述した補強枠組体21を構築するようにしてもよい。この実施形態においても、前記縦補強枠23が水平補強枠23´として機能する。又、第1〜第3水平補強枠26A〜26Cが第1〜第3縦補強枠26A´〜26C´として機能する。
【0035】
・図15に示すように、内側面に内張りパネル51を装着した貯水槽11において、前記内張りパネル51に前記アンカーボルト34の貫通孔51aを設け、前記基板31を内張りパネル51の表面に接触し、内張りパネル51と基板31を溶接部52によって連結する。基板31の表面に前記ナット37を覆うチャンネル状のキャップ金具53を接触し、溶接部54によって連結する。該キャップ金具53の両端部開口に図16に示すように封止板55を溶接することによって、ナット37を遮蔽する。このキャップ金具53の表面に前記連結板32を溶接し、該連結板32に第1水平補強枠26Aを連結するようにしてもよい。前記アンカーボルト34は一枚の基板31に一本又は複数本貫通させてもよい。
【0036】
この実施形態においては、内側面に内張りパネル51がほぼ全体にわたって接合されている貯水槽11の補強用に用いることができる。又、各ナット37を遮蔽するキャップ38を省略することができる。
【0037】
・図17に示すように、図15に示す内張りパネル51がない貯水槽11に、基板31及びキャップ金具53をアンカーボルト34によって取り付けるようにしてもよい。この実施形態では、アンカーボルト34の埋設位置が第1側壁13に埋設された鉄筋(図示略)の位置によって正規の位置からズレた場合に、基板31及びキャップ金具53をアンカーボルト34とともに変位させて、連結板32及び第1水平補強枠26Aを正規の位置に保持することができる。
【0038】
・図18(a)に示すように、前記縦補強枠23を角パイプにより形成してもよい。同図(b)に示すように、縦補強枠23を一対の平行なH形鋼により形成してもよい。
・図19に示すように、前記キャップ38に代えて、ナット37を被覆するように封止剤36Aを塗布してもよい。
【0039】
・図1に示す補強枠組体21と、図13に示す補強枠組体21とを組み合わせるようにしてもよい。図1に示す補強枠組体21と、図13に示す補強枠組体21組み合わせるようにしてもよい。図1に示す補強枠組体21と、図13及び図14に示す補強枠組体21とを組み合わせるようにしてもよい。図13に示す補強枠組体21と、図14に示す補強枠組体21とを組み合わせるようにしてもよい。
【0040】
・図示しないが、天井壁17が省略された貯水槽11に補強構造を適用してもよい。
・図示しないが、貯水槽11以外に、各種の液体を貯留するコンクリート製の貯液槽に具体化してもよい。
【符号の説明】
【0041】
11…貯水槽、12…底壁、13〜16…側壁、17…天井壁、23,46…縦補強枠、31…基板、32…連結板、33…挿入穴、34a…雄ネジ部、37…ナット、41…補強枠、45…金具。
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート製の貯液槽の補強構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄筋コンクリート製の貯水槽は、長年月が経過すると、コンクリートが劣化して、耐震強度が低下する。又、貯水槽の耐震強度の基準が厳しい基準に変更されると、貯水槽の耐震強度が基準を満たさないことになる。これらに対処するために、貯水槽の側壁の内面に鉄筋コンクリートを増設する構造のものがあった。この補強構造は、コンクリートの養生期間が必要となるので、貯水槽の停止期間が長くなり、このため、給水を他の手段に頼ることになり、給水費用が嵩むという問題があった。又、貯水容積が減少するという問題もあった。
【0003】
上記の問題を解消するため、貯水槽の内壁面にステンレス製のパネルを張り付ける構造も提案されている。又、炭素繊維を貯水槽の内面に接着する構造も提案されている。特許文献1にはコンクリートの貯水槽の内面にパネルを内張りした構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−180796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、貯水槽の内壁面の全域にステンレス製の多数枚のパネルを張り付ける構造は、面積が広いので、パネルの施工作業が面倒で、これも短期間に補強することができないという問題があった。又、貯水槽の側壁の厚さがそれほど増えないので、耐震強度をそれほど向上することができないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記従来の技術に存する問題点を解消して、施工期間を短縮することができるとともに、耐震強度を向上することができるコンクリート製の貯液槽の補強構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、貯水槽の側壁の内面に挿入穴を複数箇所に形成し、各挿入穴にアンカーを挿入固定し、各アンカーに補強枠を架橋連結したことを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記アンカーには基板が連結され、該基板には連結板が取り付けられ、該連結板には前記補強枠が架橋連結されていることを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2において、前記基板及び連結板は、底壁の上面及び天井壁の下面にそれぞれ取り付けられ、前記各連結板に前記補強枠が架橋連結されていることを要旨とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3において、前記底壁の上面及び天井壁の下面にそれぞれ取り付けられた前記両連結板には、縦補強枠が架橋連結され、該縦補強枠と、前記側壁に設けられた複数の連結板との間には、複数本の水平補強枠が架橋連結され、前記縦補強枠と前記側壁に設けられた複数の連結板との間には、傾斜補強枠が架橋連結され、全体としてトラス構造に構成されていることを要旨とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4において、前記貯水槽の側壁に取り付けられた複数の連結板は、アングル材よりなる縦補強枠によって補強されていることを要旨とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1において、前記アンカーにはアングル材よりなる一対の金具が連結され、両金具にはチャンネル鋼よりなる縦補強枠が溶接によって連結され、該縦補強枠に連結板が連結されていることを要旨とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項において、前記アンカーはケミカルアンカーであることを要旨とする。
請求項8に記載の発明は、請求項2〜5のいずれか一項において、前記アンカーの雄ネジ部に螺合され、かつ側壁の内面に基板を固定するためのナットは、基板に取り付けられたキャンプによって遮蔽されていることを要旨とする。
(作用)
この発明は、貯水槽の側壁の内面に複数の挿入穴が形成され、各挿入穴にアンカーが挿入固定され、該アンカーに補強枠が架橋連結されている。このため、側壁に対するアンカー及び補強枠の連結を容易に行うことができ、施工作業を容易に行うことができる。又、複数のアンカーに架橋連結された補強枠によって、側壁の厚さ寸法を実質的に厚くすることができ、側壁の剛性を向上して、耐震強度を向上することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、施工期間を短縮することができるとともに、耐震強度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明のコンクリート製の貯水槽の補強構造を具体化した一実施形態を示す縦断面図。
【図2】要部の平断面図。
【図3】貯水槽の平断面図。
【図4】第2連結金具ユニットの拡大縦断面図。
【図5】この発明の別の実施形態を示す貯水槽の縦断面図。
【図6】この発明の別の実施形態を示す貯水槽の縦断面図。
【図7】この発明の別の実施形態を示す貯水槽の縦断面図。
【図8】図7に示す貯水槽の補強構造の平断面図。
【図9】図7に示す貯水槽の補強構造の第2連結金具ユニットの正面図。
【図10】この発明の別の実施形態を示す貯水槽の縦断面図。
【図11】図10に示す貯水槽の補強構造の平断面図。
【図12】図10に示す貯水槽の補強構造の第2連結金具ユニットの正面図。
【図13】この発明の別の実施形態を示す貯水槽の下部の縦断面図。
【図14】この発明の別の実施形態を示す貯水槽の上部の縦断面図。
【図15】この発明の別の実施形態を示す部分縦断面図。
【図16】図15の基板、キャップ金具、連結板及び第1水平補強枠の斜視図。
【図17】この発明の別の実施形態を示す部分縦断面図。
【図18】(a)(b)は、この発明の別の実施形態を示す縦補強枠の別の構成を示す平断面図。
【図19】この発明の別の実施形態を示すナットのシール構造を示す平断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図4に従って説明する。
地下に埋設された鉄筋コンクリート製の既設の貯水槽11は、図1に示すように水平に打設された底壁12と、該底壁12に一体に構築された図3に示す四角筒状の第1〜第4側壁13〜16と、第1〜第4側壁13〜16の上端部に図1に示すように水平に、かつ一体に構築された天井壁17とにより構成されている。前記天井壁17には、図示しないが貯水槽11の内部に作業者が入るための開口が設けられている。なお、貯水槽11のコンクリート壁には、鉄筋は図示されていない。
【0017】
前記底壁12、第1〜第4側壁13〜16及び天井壁17には、第1〜第6補強枠組体21A〜21Fが構築されている。これらの補強枠組体21A〜21Fは全て同様に構成されているので、第1補強枠組体21Aについて以下に説明する。
【0018】
図1に示すように、第1補強枠組体21Aは、前記底壁12の上面に設けられた第1連結金具ユニット22Aと、前記第1側壁13の内壁面に上下方向に所定の間隔をおいて設けられた第2〜第4連結金具ユニット22B,22C,22Dと、前記天井壁17の下面に設けられた第5連結金具ユニット22Eとを備えている。前記第1連結金具ユニット22Aと第5連結金具ユニット22Eとには、互いに平行な2本の縦補強枠23が架橋連結されている。両縦補強枠23に前記第2及び第4連結金具ユニット22B,22Dと対応して第1連結板24A及び第2連結板24Bが溶接されている。
【0019】
前記第1連結金具ユニット22Aと第2連結金具ユニット22Bとの間には、第1傾斜補強枠25Aが架橋されている。前記第2連結金具ユニット22Bと、前記第1連結板24Aとの間には、第1水平補強枠26Aが架橋されている。前記第1連結板24Aと前記第3連結金具ユニット22Cとの間には、第2傾斜補強枠25Bが架橋されている。前記第3連結金具ユニット22Cと、縦補強枠23との間には、第2水平補強枠26Bが架橋されている。前記第3連結金具ユニット22Cと、前記第2連結板24Bとの間には、第3傾斜補強枠25Cが架橋されている。さらに、前記第4連結金具ユニット22Dと、第2連結板24Bとの間には、第3水平補強枠26Cが架橋されている。さらに、前記第4連結金具ユニット22Dと第5連結金具ユニット22Eとの間には第4傾斜補強枠25Dが架橋されている。
【0020】
前記第1〜第5連結金具ユニット22A〜22Eは、全て同様に構成されているので、第2連結金具ユニット22Bについて、図4を中心に説明する。
前記第2連結金具ユニット22Bは、四角形状をなす基板31と、該基板31の片面に直交するように溶接された連結板32とを備え、前記基板31には、複数(例えば6)箇所にボルトの貫通用の孔31aが形成されている。前記第1側壁13には前記各孔31aと対応するように挿入穴33が複数(6)個所に形成され、各挿入穴33には前記孔31aに貫通されたアンカーボルト34が接着剤35によって接着固定されている。このアンカーボルト34は、ケミカルアンカーによって挿入穴33の内部に接着されたものである。前記第1側壁13の内壁面と、基板31の裏面とは、接着剤36によって接着されている。前記基板31の外周縁と第1側壁13の表面との隙間には、前記接着剤36と同じか異なる封止剤36Aが肉盛接触されている。
【0021】
前記アンカーボルト34の外端部には、雄ネジ部34aが形成され、該雄ネジ部34aにナット37が螺合されている。前記基板31の表面には、前記ナット37を遮蔽するためのキャップ38が取り付けられている。
【0022】
前記連結板32には、第1傾斜補強枠25A及び第1水平補強枠26Aの端部が溶接によって連結されている。
次に、前記のように構成された貯水槽11の作用について説明する。
【0023】
図1に示すように、前記貯水槽11の底壁12、第1〜第4側壁13〜16及び天井壁17にトラス構造の第1〜第6補強枠組体21A〜21Fが装設されているので、該各補強枠組体21A〜21Fと対応する第1〜第4側壁13〜16の剛性が大きくなり、地震の発生時に外部衝撃が第1〜第4側壁13〜16に作用しても、各側壁13〜16の破損が防止される。
【0024】
図3に示すように、第1側壁13は、それぞれ二箇所に装設された第1,第2補強枠組体21A,21Bによって補強されている。このため、第1側壁13の厚さ寸法は実質的に厚くなり、地震発生時の外部衝撃がP矢印方向に作用しても、第1側壁13の破損が防止される。なお、前記第3側壁15の厚さ寸法も前記第4及び第5補強枠組体21D,21Eによって実質的に厚くなり、地震発生時の外部衝撃がQ矢印方向に作用しても、第3側壁15の破損が防止される。
【0025】
又、第2側壁14には、補強枠組体21Cが設けられているので、第2側壁14の厚さ寸法は実質的に厚くなって、第2側壁14の剛性が大きくなり、地震発生時の外部衝撃がR矢印方向に作用しても、該衝撃による破損を未然に防止することができる。なお、第4側壁16についても第2側壁14と同様に、第6補強枠組体21Fによって、第4側壁16の暑さ寸法が実質的に厚くなって、第4側壁16の剛性が大きくなり、地震発生時の外部衝撃がS矢印方向に作用しても、該衝撃による第4側壁16の破損を未然に防止することができる。
【0026】
上記実施形態の第1〜第6補強枠組体21A〜21Fによれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、貯水槽11の底壁12、第1側壁13、天井壁17に第1〜第6補強枠組体21A〜21Fが構築されているので、第1〜第4側壁13〜16の厚さ寸法を実質的に大きくして、剛性を向上することができ、耐震強度を向上することができる。
【0027】
(2)上記実施形態では、第1〜第6補強枠組体21A〜21Fを、第1〜第5連結金具ユニット22A〜22Eと、縦補強枠23と、第1〜第4傾斜補強枠25A〜25D及び第1〜第3水平補強枠26A〜26Cとによりトラス構造とした。このため、前記第1〜第4側壁13〜16の剛性を効果的に向上することができる。
【0028】
(3)上記実施形態では、底壁12、第1〜第4側壁13〜16、天井壁17に挿入穴33を形成し、該挿入穴33にアンカーボルト34を挿入固定し、該アンカーボルト34を基板31の孔31aに貫通し、アンカーボルト34の雄ネジ部34aにナット37を螺合した。このため、施工作業を短期間で容易に行うことができ、貯水槽11の利用再開を早めることができる。
【0029】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・図5に示すように、前記第1〜第4側壁13〜16の内側面に前記補強枠組体21を全体として水平方向に装設するようにしてもよい。
【0030】
・図6に示すように、前記第1〜第5連結金具ユニット22A〜22Eの基板31を全て互いに連結するようにしてもよい。この場合には、さらに、第1側壁13の剛性を高めることができる。
【0031】
・図7〜図10に示す実施形態は、前記第1〜第6連結金具ユニット22A〜22F及び第1〜第4連結板24A〜24Dを用いて、第1〜第5傾斜補強枠25A〜25E及び第1〜第4水平補強枠26A〜26Dが連結されている。前記第2〜第5連結金具ユニット22B〜22Eの各連結板32の2つの側面には、図8に示すように水平方向からアングル材よりなる一対の補強枠41,41が溶接によって連結されている。前記縦補強枠23は前記第1連結板24Aの2つの側面を挟むように2箇所に設けられている。この実施形態においては前記補強枠41によって前記連結板32の剛性が高くなるとともに、縦補強枠23を二本用いたので、縦補強枠23の曲げ剛性を向上することができる。又、図8及び図9に示すように、前記基板31の外周縁にシリコンシーラント等のシール部材42を接着するとともに、前記キャップ38の内部にシール部材43を充填した。このため、貯水槽内の水がアンカーボルト34及びナット37等に触れて、劣化するのを防止することができる。
【0032】
・図10〜図12に示す実施形態は、前記基板31に代えて、図11に示すようにアングル材よりなる一対の金具45を水平方向に所定の間隔をおいて、前記アンカーボルト34及びナット37によって第1側壁13の側面に取り付ける。その後、前記一対の金具45の間にチャンネル鋼よりなる縦補強枠46を進入させて、金具45と縦補強枠46を溶接によって連結する。前記縦補強枠46に連結板32を溶接によって連結する。前記縦補強枠23をチャンネル鋼によって構成する。
【0033】
上記実施形態においては、第2連結金具ユニット22B〜第5連結金具ユニット22Eの剛性を向上することができるので、耐震強度を高めることができる。
・図13に示すように、前記底壁12及び第1,第3側壁13,15の下部に前述した補強枠組体21を構築するようにしてもよい。この実施形態においては、前記縦補強枠23が水平補強枠23´として機能する。又、第1〜第3水平補強枠26A〜26Cが第1〜第3縦補強枠26A´〜26C´として機能する。
【0034】
・図14に示すように、前記天井壁17及び第1、第3側壁13,15の下部に前述した補強枠組体21を構築するようにしてもよい。この実施形態においても、前記縦補強枠23が水平補強枠23´として機能する。又、第1〜第3水平補強枠26A〜26Cが第1〜第3縦補強枠26A´〜26C´として機能する。
【0035】
・図15に示すように、内側面に内張りパネル51を装着した貯水槽11において、前記内張りパネル51に前記アンカーボルト34の貫通孔51aを設け、前記基板31を内張りパネル51の表面に接触し、内張りパネル51と基板31を溶接部52によって連結する。基板31の表面に前記ナット37を覆うチャンネル状のキャップ金具53を接触し、溶接部54によって連結する。該キャップ金具53の両端部開口に図16に示すように封止板55を溶接することによって、ナット37を遮蔽する。このキャップ金具53の表面に前記連結板32を溶接し、該連結板32に第1水平補強枠26Aを連結するようにしてもよい。前記アンカーボルト34は一枚の基板31に一本又は複数本貫通させてもよい。
【0036】
この実施形態においては、内側面に内張りパネル51がほぼ全体にわたって接合されている貯水槽11の補強用に用いることができる。又、各ナット37を遮蔽するキャップ38を省略することができる。
【0037】
・図17に示すように、図15に示す内張りパネル51がない貯水槽11に、基板31及びキャップ金具53をアンカーボルト34によって取り付けるようにしてもよい。この実施形態では、アンカーボルト34の埋設位置が第1側壁13に埋設された鉄筋(図示略)の位置によって正規の位置からズレた場合に、基板31及びキャップ金具53をアンカーボルト34とともに変位させて、連結板32及び第1水平補強枠26Aを正規の位置に保持することができる。
【0038】
・図18(a)に示すように、前記縦補強枠23を角パイプにより形成してもよい。同図(b)に示すように、縦補強枠23を一対の平行なH形鋼により形成してもよい。
・図19に示すように、前記キャップ38に代えて、ナット37を被覆するように封止剤36Aを塗布してもよい。
【0039】
・図1に示す補強枠組体21と、図13に示す補強枠組体21とを組み合わせるようにしてもよい。図1に示す補強枠組体21と、図13に示す補強枠組体21組み合わせるようにしてもよい。図1に示す補強枠組体21と、図13及び図14に示す補強枠組体21とを組み合わせるようにしてもよい。図13に示す補強枠組体21と、図14に示す補強枠組体21とを組み合わせるようにしてもよい。
【0040】
・図示しないが、天井壁17が省略された貯水槽11に補強構造を適用してもよい。
・図示しないが、貯水槽11以外に、各種の液体を貯留するコンクリート製の貯液槽に具体化してもよい。
【符号の説明】
【0041】
11…貯水槽、12…底壁、13〜16…側壁、17…天井壁、23,46…縦補強枠、31…基板、32…連結板、33…挿入穴、34a…雄ネジ部、37…ナット、41…補強枠、45…金具。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯水槽の側壁の内面に挿入穴を複数箇所に形成し、各挿入穴にアンカーを挿入固定し、各アンカーに補強枠を架橋連結したことを特徴とするコンクリート製の貯液槽の補強構造。
【請求項2】
請求項1において、前記アンカーには基板が連結され、該基板には連結板が取り付けられ、該連結板には前記補強枠が架橋連結されていることを特徴とするコンクリート製の貯液槽の補強構造。
【請求項3】
請求項2において、前記基板及び連結板は、底壁の上面及び天井壁の下面にそれぞれ取り付けられ、前記各連結板に前記補強枠が架橋連結されていることを特徴とするコンクリート製の貯液槽の補強構造。
【請求項4】
請求項3において、前記底壁の上面及び天井壁の下面にそれぞれ取り付けられた前記両連結板には、縦補強枠が架橋連結され、該縦補強枠と、前記側壁に設けられた複数の連結板との間には、複数本の水平補強枠が架橋連結され、前記縦補強枠と前記側壁に設けられた複数の連結板との間には、傾斜補強枠が架橋連結され、全体としてトラス構造に構成されていることを特徴とするコンクリート製の貯液槽の補強構造。
【請求項5】
請求項3又は4において、前記貯水槽の側壁に取り付けられた複数の連結板は、アングル材よりなる縦補強枠によって補強されていることを特徴とするコンクリート製の貯液槽の補強構造。
【請求項6】
請求項1において、前記アンカーにはアングル材よりなる一対の金具が連結され、両金具にはチャンネル鋼よりなる縦補強枠が溶接によって連結され、該縦補強枠に連結板が連結されていることを特徴とするコンクリート製の貯液槽の補強構造。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項において、前記アンカーはケミカルアンカーであることを特徴とするコンクリート製の貯液槽の補強構造。
【請求項8】
請求項2〜5のいずれか一項において、前記アンカーの雄ネジ部に螺合され、かつ側壁の内面に基板を固定するためのナットは、基板に取り付けられたキャンプによって遮蔽されていることを特徴とするコンクリート製の貯液槽の補強構造。
【請求項1】
貯水槽の側壁の内面に挿入穴を複数箇所に形成し、各挿入穴にアンカーを挿入固定し、各アンカーに補強枠を架橋連結したことを特徴とするコンクリート製の貯液槽の補強構造。
【請求項2】
請求項1において、前記アンカーには基板が連結され、該基板には連結板が取り付けられ、該連結板には前記補強枠が架橋連結されていることを特徴とするコンクリート製の貯液槽の補強構造。
【請求項3】
請求項2において、前記基板及び連結板は、底壁の上面及び天井壁の下面にそれぞれ取り付けられ、前記各連結板に前記補強枠が架橋連結されていることを特徴とするコンクリート製の貯液槽の補強構造。
【請求項4】
請求項3において、前記底壁の上面及び天井壁の下面にそれぞれ取り付けられた前記両連結板には、縦補強枠が架橋連結され、該縦補強枠と、前記側壁に設けられた複数の連結板との間には、複数本の水平補強枠が架橋連結され、前記縦補強枠と前記側壁に設けられた複数の連結板との間には、傾斜補強枠が架橋連結され、全体としてトラス構造に構成されていることを特徴とするコンクリート製の貯液槽の補強構造。
【請求項5】
請求項3又は4において、前記貯水槽の側壁に取り付けられた複数の連結板は、アングル材よりなる縦補強枠によって補強されていることを特徴とするコンクリート製の貯液槽の補強構造。
【請求項6】
請求項1において、前記アンカーにはアングル材よりなる一対の金具が連結され、両金具にはチャンネル鋼よりなる縦補強枠が溶接によって連結され、該縦補強枠に連結板が連結されていることを特徴とするコンクリート製の貯液槽の補強構造。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項において、前記アンカーはケミカルアンカーであることを特徴とするコンクリート製の貯液槽の補強構造。
【請求項8】
請求項2〜5のいずれか一項において、前記アンカーの雄ネジ部に螺合され、かつ側壁の内面に基板を固定するためのナットは、基板に取り付けられたキャンプによって遮蔽されていることを特徴とするコンクリート製の貯液槽の補強構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
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【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−12065(P2012−12065A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−149523(P2010−149523)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(396003434)株式会社森松総合研究所 (11)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(396003434)株式会社森松総合研究所 (11)
【Fターム(参考)】
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