説明

コンセントタップおよび壁埋込型コンセント

【課題】コンセントタップに電気機器等の電源ケーブルの余長を巻きつけることを可能にする。
【解決手段】プラグ7の端子刃8を差込むコンセント差込口3を含む部分が,回転可能にタップ本体4に取付けられ,この回転可能部分3を折畳むことができるようにし,また,電源コード9を巻きつけることができるようタップ本体4の側面に凹部を設けたことを特徴とするコンセントタップ1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,コンセント(タップ)に電気機器等の電源ケーブルの余長を巻き付けることを可能にするものである。
【背景技術】
【0002】
これまで,電気機器の電源ケーブルについては,電気機器の内部に電源ケーブルを巻き取る機構があるものについては,その機構を利用して余長を収納していた。しかし,そのような機構を有する機器は限定されており,一般には余長を束ねて結わえておくことで処置している。
【0003】
このような処置では,束ねることにより熱の放散性が悪くなり,極端な場合には,結わえた部分が加熱し火災に至る事例も報告されている。
【0004】
また,束ねて結わえておく処置は,見栄えもよくなく,無駄な場所を取るなどの問題も生じていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そのため,コンセント(タップ)に電源ケーブルを巻きつけるようにできれば,見栄えもよく,無駄な場所も取らず,また,火災の心配もなくなる。本発明は、かかる課題を解決するものであり、既存のコンセントに取付けるコンセントタップおよび壁埋込型コンセントの構造を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
つまり,請求項1に係る発明は,電気機器の電源コードのプラグの端子刃を差込むコンセント差込口を含む部分を,回転可能なようにタップ本体に取付け,この回転可能部分を折り畳むことができるようにし,また,前記電気機器の電源コードを巻き付けることができるようタップ本体の側面の全周又は一部に凹部(窪み)を設けたことを特徴とするコンセントタップである。
【0007】
請求項2に係る発明は,請求項1のコンセントタップで,前記タップ本体の端子刃を含む部分を回転可能にしたことを特徴とするものである。
【0008】
更に,請求項3に係る発明は,壁への埋込型のコンセントであり,他のプラグの端子刃を差込むコンセント差込口を含む部分を回転可能にコンセント本体に取付け,折り畳み可能とし,コンセント本体の壁から表側に突き出た部分の側面の全周又は一部に凹部を設け,電源コードを巻きつけることをできるようにしたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施により,コンセント(タップ)に電源ケーブルを巻きつけるようにでき,見栄えもよく,無駄な場所も取らず,また,過熱による火災の心配もなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
(実施例1)
【0011】
図1に示すように,コンセントタップ1には,他のプラグ7(例えば,電気機器の電源コードのプラグ)の端子刃8を差込むコンセント差込口3を含む回転可能部分2が取付けられている。回転可能部分2は,図1に示すように折畳んでタップ本体4と接するようにでき(実線の場合),また,引起こして他のプラグ7の端子刃8をコンセント差込口3に差込み易くすることもできる(点線の場合)。タップ本体4の回転可能部分2の反対側には,自己の端子刃5を取付ける。ここから電力を取り込み,タップ本体4および回転可能部分2の内部に通した電線を介して,コンセント差込口3まで電力を通電することができる。タップ本体4の側面部分には,他の電源コード9を巻付ける凹部6a,6bを設ける。この凹部6は,側面部分の全周に設けてもよいし,図1に示すように両端にのみ設けてもよい。全周に凹部6を設けた場合は,電源コード9を凹部6に巻き付け収めるという状態になるが,両端にのみに凹部6を設けた場合は,電源コード9を凹部6に引っ掛けて巻き付けるという状態になる。タップ本体4は,図1に示すように,電源コード9を巻付けるため,縦長に構成するのが有利である。
【0012】
図2は,回転可能部分2がタップ本体4に接するように折畳まれた状態で,電源コード9をタップ本体4に巻取る方法を説明するものである。他のプラグ7の端子刃8をコンセント差込口3に差込み,電源コード9をタップ本体4の縁に設けた窪み10でタップ本体4の側面に設けた凹部6(図2には図示しない)に案内し,凹部6に巻き付ける。
【0013】
この端子刃5の向きは,図3(a)に示す配置でもよいし,図3(b)に示すように図3(a)を90度ずらした配置のものでもよい。また,図4に示すように,端子刃5を含む部分11を90度回転可能に構成することで,端子刃の配置を,図3(a)又は(b)のどちらでも実現できる。
【0014】
また,壁埋込型コンセントは,図6(a)に示すように,プラグの端子刃の差込口が上下2段になっている場合が多いが,この上下段の間隔が狭く,本願発明に係るコンセントタップ1を取付けた場合,巻き取る電源コードが上下段で相互に接触し,巻き取り切れないおそれがある。それを回避するため,図5(a)のようにタップ本体4の底面のほぼ中央に端子刃5を取付けることをせずに,図5(b)のようにタップ本体4の底面の隅に取付けることにする。すると,図6(b)に示すように,上下段の差込口に取付けたコンセントタップ1の垂直間隔は広がり,電源コードの巻き取り時に接触することがなくなる。
(実施例2)
【0015】
図7に示すコンセント13は,壁14に埋込まれたコンセントである。基本的な構成は,実施例1と同様である。つまり,回転可能部分2,タップ本体4と凹部6a,6bなどからなり,壁の内部に敷設される電源線15からキャップタイ16を介して電力を供給する。電源コード9をコンセント13に巻き取るには,他のプラグ7が差込まれた回転可能部分2をタップ本体4に接するように折り畳み,電源コード9を窪み10で凹部6に案内し,凹部6に巻き付けるものである。なお,図7はコンセント13を縦置きとしているが,横置きでもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】コンセントタップの側面図。
【図2】コンセントタップの平面図(折り畳んだ状態)。
【図3】コンセントタップの端子刃の配置。
【図4】90度回転可能なコンセントタップの端子刃を含む部分。
【図5】コンセントタップの端子刃の偏心配置の説明図。
【図6】従来からの上下2段式壁埋込型コンセントおよびそれへのコンセントタップの取付図。
【図7】壁埋込型コンセントの側面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他のプラグの端子刃を差込むコンセント差込口を含む部分を回転可能にタップ本体に取付け,前記タップ本体の側面の全周又は一部に凹部を設けたことを特徴とするコンセントタップ。
【請求項2】
前記タップ本体の端子刃を含む部分を回転可能にしたことを特徴とする請求項1のコンセントタップ。
【請求項3】
他のプラグの端子刃を差込むコンセント差込口を含む部分を回転可能にコンセント本体に取付け,コンセント本体の壁から表側に突き出た部分の側面の全周又は一部に凹部を設けたことを特徴とする壁埋込型コンセント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−170147(P2009−170147A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−4345(P2008−4345)
【出願日】平成20年1月11日(2008.1.11)
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【Fターム(参考)】