コンセント
【課題】プラグを接続していない状態でトラッキング検出用電極を外部から目視できない位置に配置したコンセントを提供する。
【解決手段】コンセントAは、栓刃が挿抜される栓刃挿入口4aを閉塞する閉位置と開放する開位置との間で移動自在に配置され、扉付勢ばね10によって閉方向に付勢され、栓刃で押されることにより扉付勢ばね10のばね力に抗して開方向へ移動する扉部材9と、扉部材9の開閉動作に応じて駆動され、プラグ接続時に検出電極用挿通孔5から外側に突出してプラグと当接する突出位置と非接続時に検出電極用挿通孔5の内側に後退する退避位置との間で進退自在に配置された検出電極11と、栓刃挿入口4aに挿入される栓刃と検出電極11との間に流れる電流からトラッキングを検出するトラッキング検出手段と、トラッキング検出手段がトラッキングを検出すると刃受部材と電源との間を電気的に遮断する遮断手段とを備える。
【解決手段】コンセントAは、栓刃が挿抜される栓刃挿入口4aを閉塞する閉位置と開放する開位置との間で移動自在に配置され、扉付勢ばね10によって閉方向に付勢され、栓刃で押されることにより扉付勢ばね10のばね力に抗して開方向へ移動する扉部材9と、扉部材9の開閉動作に応じて駆動され、プラグ接続時に検出電極用挿通孔5から外側に突出してプラグと当接する突出位置と非接続時に検出電極用挿通孔5の内側に後退する退避位置との間で進退自在に配置された検出電極11と、栓刃挿入口4aに挿入される栓刃と検出電極11との間に流れる電流からトラッキングを検出するトラッキング検出手段と、トラッキング検出手段がトラッキングを検出すると刃受部材と電源との間を電気的に遮断する遮断手段とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラッキング現象の発生を検知する機能を備えたコンセントに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のコンセントとしては、一対の栓刃挿入口の間に接地極を配置しておき、トラッキング現象によりプラグの栓刃の間に炭化部分が発生した場合には、この炭化部分に接地極を接触させることで漏電現象を発生させ、漏電ブレーカを作動させて、トラッキング現象を感知するようにしたものが従来提案されていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、他のコンセントとして、一対の栓刃挿入口の間にトラッキング検出用電極を設け、トラッキング現象により栓刃挿入口に挿入された栓刃とトラッキング検出用電極との間に流れる電流を検出することでトラッキング現象を検知し、通電を遮断するようにしたものも従来提案されていた(例えば特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平9−213425号公報(段落[0006]、及び、第1図、第12図)
【特許文献2】特許第3513847号公報(段落[0015]−[0018]、及び、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1、2に示されるコンセントでは、プラグを接続していない場合に、接地極やトラッキング検出用電極が器具本体の前面に露出しているため、人体や物が接触する可能性がある。接地極やトラッキング検出用電極は接地してあれば感電の虞はないのであるが、接地極や検出用電極が視認可能な場所に配置されるため、使用者に不安を与える可能性があり、また接地極やトラッキング検出用電極が破損したり、汚れが付着する可能性もあった。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、プラグを接続していない状態でトラッキング検出用電極を外部から目視できない位置に配置したコンセントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、プラグの栓刃がそれぞれ挿入される2個で1組の栓刃挿入口が前面に開口する器具本体と、器具本体の内部にそれぞれ収納され、各栓刃挿入口を通して挿入される栓刃に電気的に接続されるとともに電源に接続される複数の刃受部材と、各栓刃挿入口を閉塞する閉位置と開放する開位置との間で移動自在に配置され、扉付勢ばねによって閉方向に付勢されるとともに、栓刃で押されることにより扉付勢ばねのばね力に抗して開方向へ移動する扉部材と、器具本体の前面において組をなす2個の栓刃挿入口の間に開口する検出電極用挿通孔と、扉部材の開閉動作に応じて駆動され、プラグの接続時において検出電極用挿通孔から外側に突出してプラグと当接する突出位置と非接続時において検出電極用挿通孔の内側に後退する退避位置との間で進退自在に配置された検出電極と、栓刃挿入口に挿入される栓刃と検出電極との間に流れる電流からトラッキングを検出するトラッキング検出手段と、トラッキング検出手段がトラッキングを検出すると刃受部材と電源との間を電気的に遮断する遮断手段とを備えて成ることを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、一端側が器具本体の底部側に固定されるとともに、他端側に検出電極が接続されたコイルばねを備え、扉部材が閉位置に移動した状態では扉部材に検出電極が押圧されてコイルばねが湾曲するように撓むことで検出電極が内側に後退するとともに、扉部材が開位置に移動した状態ではコイルばねが湾曲状態から直線状に戻ることで検出電極が外側に突出することを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、器具本体の底部にコイルばねの一端側が圧入固定される柱状の圧入突起を設けるとともに、圧入突起の周面に圧入代となる突出部を設け、当該突出部の圧入方向手前側にコイルばねの挿入を案内するための傾斜面を設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、一端側が扉部材に固定されるとともに、他端側に検出電極が接続されたコイルばねを備え、扉部材が閉位置に移動した状態では検出電極用挿通孔の孔縁に検出電極が当接してコイルばねが湾曲するように撓むことで検出電極が内側に後退するとともに、扉部材が開位置に移動した状態ではコイルばねが湾曲状態から直線状に戻ることで検出電極が外側に突出することを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、扉部材に、コイルばねの一端側が圧入固定される柱状の圧入突起を設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項6の発明は、請求項4又は5の発明において、扉部材が閉位置に移動した状態で、検出電極用挿通孔の孔縁に当接して倒された検出電極を逃がす逃がし溝を扉部材に設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項7の発明は、請求項4乃至6の何れか1つの発明において、扉部材の閉方向への移動に伴って接近してきた検出電極と当接して、検出電極を倒すための傾斜面を検出電極用挿通孔の孔縁に設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項8の発明は、請求項1乃至7の何れか1つの発明において、器具本体は前面側のカバーと後面側のボディとで構成され、カバーの内側面に、扉付勢ばねの一端側を受けるばね受け部と、扉部材と当接して扉部材の閉方向への移動を規制する扉固定部とを設けたことを特徴とする。
【0014】
請求項9の発明は、請求項1乃至8の何れか1つの発明において、器具本体の内側面において検出電極挿通孔の孔縁に、検出電極が進退する方向と交差する方向において検出電極が倒れるのを防止するガイド壁を設けたこと特徴とする。
【0015】
請求項10の発明は、請求項1乃至9の何れか1つの発明において、閉位置にある扉部材が一方の栓刃挿入口から挿入された栓刃で押圧され、他方の栓刃挿入口に臨む扉部材の部位が器具本体の前壁裏側に接近するように傾斜した状態で、器具本体の前壁裏側に接近した扉部材の部位と係止して扉部材の開方向への移動を規制する移動規制突起を器具本体の前壁裏側に設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、プラグの非接続時に扉部材が閉位置に移動している状態では、扉部材によって検出電極が検出電極用挿通孔の内側に後退する位置に移動させられるので、検出電極に人体が接触することはなく、使用者に安心感を与えることができ、また検出電極が汚れたり破損するのを防止できるという効果がある。さらに、プラグの接続時に扉部材が開位置に移動すると、検出電極が検出電極用挿通孔から外側に突出する位置に移動するので、検出電極をプラグに当接させることで、トラッキング検出手段によりトラッキング現象を確実に検出して、遮断手段により刃受部材への給電を確実に遮断させることができるという効果がある。
【0017】
請求項2の発明によれば、一端側が器具本体の底部側に固定されるとともに、他端側に検出電極が固定されたコイルばねを扉部材の閉方向への移動に応じて湾曲させることで、検出電極を検出電極用挿通孔の内側に後退させるとともに、扉部材の開方向への移動に応じてコイルばねを湾曲状態から直線状に戻すことで検出電極を検出電極用挿通孔から外側に突出させているので、検出電極を前後方向において進退させる場合に比べて、器具本体の前後方向の寸法を小さくできるという効果がある。
【0018】
請求項3の発明によれば、圧入突起の周面に設けた突出部には圧入方向の手前側に傾斜面を設けており、コイルばねを圧入する際にコイルばねが傾斜面によって案内されるので、圧入作業を容易に行うことができ、圧入完了時には突出部が圧入代となるので、コイルばねを圧入突起に強固に固定できるという効果がある。
【0019】
請求項4の発明によれば、コイルばねの一端側を扉部材に固定するとともに、他端側に検出電極を固定しているので、扉部材の開閉移動に応じて、扉部材に固定されたコイルばねの一端側と検出電極用挿通孔との相対的な位置関係を変化させることができる。したがって、扉部材の閉方向への移動に応じてコイルばねを湾曲させることで検出電極を検出電極用挿通孔の内側に後退させるとともに、扉部材の開方向への移動に応じてコイルばねを湾曲状態から直線状に戻すことで検出電極を検出電極用挿通孔から外側に突出させることができ、検出電極を前後方向において進退させる場合に比べて、器具本体の前後方向の寸法を小さくできるという効果がある。
【0020】
請求項5の発明によれば、コイルばねの一端側を圧入突起に圧入することで扉部材に固定しているので、コイルばねを扉部材に固定する作業を簡単に行うことができる。
【0021】
請求項6の発明によれば、コイルばねの湾曲に応じて倒された検出電極が逃がし溝に入り込むことで、検出電極が扉部材と干渉するのを防止できるという効果がある。
【0022】
請求項7の発明によれば、検出電極用挿通孔の孔縁に設けた傾斜面に検出電極を当接させることで、検出電極をスムーズに倒すことができるという効果がある。
【0023】
請求項8の発明によれば、ばね受け部と扉固定部との間に扉付勢ばねを介して扉部材を配置すると、扉付勢ばねの付勢力によって扉部材を扉固定部に押し付けることで、扉部材と扉付勢ばねとをカバーに仮固定することができ、器具本体の組立作業性を向上させることができるという効果がある。
【0024】
請求項9の発明によれば、検出電極が検出電極用挿通孔の内側に後退した状態でも、検出電極がガイド壁に当接することで、検出電極が検出電極用挿通孔から外れるのを防止することができ、検出電極の進退動作が安定するという効果がある。
【0025】
請求項10の発明によれば、組をなす2個の栓刃挿入口の両方に栓刃が挿入されず、片側のみに挿入された場合は、扉部材が傾いて移動規制突起と係止することで、扉部材が開方向に移動するのを防止することができるから、いたずらなどで扉部材が開けられるの防止できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0027】
(実施形態1)
本発明の実施形態1を図1〜図11に基づいて説明する。尚、以下の説明では特に断りがないかぎり、図3中の矢印a,bを上下の方向、矢印c,dを左右の方向、矢印e,fを前後の方向と規定して説明を行う。
【0028】
コンセントAの器具本体1は、図1(a)及び図3に示すように、前面が開口した略箱状の後面側のボディ2と、後面が開口した略箱状の前面側のカバー3とを従来周知の結合手段を用いて結合することにより構成される。なお器具本体1は、埋込型配線器具を造営面に取り付けるための規格化された取付枠(図示せず)に取着可能な形状および大きさに形成されるとともに、取付枠に取着するための従来周知の器具取付手段(図示せず)が設けられており、本実施形態では例えば単位寸法(1連の取付枠に3個まで取着可能な大きさ)の埋込型配線器具を短幅方向(上下方向)に3個並べた大きさ(3個モジュール寸法)に形成されている。
【0029】
カバー3の前面には、図3に示すようにプラグの電圧極の平行栓刃(図示せず)がそれぞれ挿入される2個1組の栓刃挿入口4a,4aが上下方向の略中央に左右に並べて開口しており、栓刃挿入口4a,4aの下側には接地極の丸ピン(図示せず)が挿入される挿入口4bが開口している。またカバー3の前面には、栓刃挿入口4a,4aの中間位置に、上下方向に延びるスリット状の検出電極用挿通孔5が開口している。
【0030】
ボディ2の内部は、図6に示すように仕切り壁6によって複数の収納室に仕切られており、図6及び図7に示すように栓刃挿入口4a,4aに対応する位置には電圧極の栓刃に電気的に接続される刃受部材7a,7aをそれぞれ収納する2つの収納室8a,8aが設けられ、栓刃挿入口4bに対応する位置には接地極の栓刃に電気的に接続される刃受部材7bを収納する収納室8bが設けられている。
【0031】
ところで、図11はコンセントAの内部回路図を示しており、コンセントAは電源線がそれぞれ接続される接続端子Ta,Tbと、接地線が接続される接続端子Tcとを備え、刃受部材7a,7aが接続端子Ta,Tbに接続される電源線を介して外部の電源ACに接続されるとともに、刃受部材7bが接続端子Tcに接続される接地線を介して接地されている。またコンセントAは、栓刃挿入口4aに挿入される栓刃と後述する検出電極11との間に流れる電流を検出することによりトラッキングを検出する漏洩検出部12(トラッキング検出手段)と、接続端子Ta,Tbと刃受部材7a,7aとの間の電路にそれぞれ設けられ、漏洩検出部12がトラッキングを検出すると、漏洩検出部12により強制的に開極させられる接点13,13(遮断手段)と、刃受部材7a,7aから電源が供給されて内部回路の動作電源を生成する電源回路14とを備えている。
【0032】
ここで、ボディ2の背面には電源線および接地線をそれぞれ挿入するための電線挿入口(図示せず)が開口するとともに、ボディ2内には電線挿入口を通して挿入される電源線および接地線にそれぞれ電気的に接続される速結端子構造の接続端子(図示せず)が収納され、これらの接続端子から上述の接続端子Ta,Tb,Tcが構成されている。
【0033】
また、器具本体1の内部には、2個の栓刃挿入口4a,4aを閉塞する閉位置と開放する開位置との間で移動自在に配置される扉部材9が収納されている。扉部材9は図8(a)に示すように左右に張り出す翼片9a,9aと、翼片9a,9aの上部間を連結する連結部9bとを備えたもので、ボディ2の仕切り壁6上にスライド自在に載置される。左右の翼片9a,9aの下側面(図8(a)の左側面)には、それぞれ、コイルばねからなる扉付勢ばね10の一端側が圧入固定される突起9c,9cが突設されている。ここで、図9(a)に示すようにカバー3の前壁裏面には、扉付勢ばね10の他端側の前側部を受けるばね受け台3aが突設されるとともに、扉部材9の上端部と当接して扉部材9の閉方向への移動を規制する扉固定片(扉固定部)3b,3bが突設されている。
【0034】
而して、図9(c)に示すようにカバー3内に、扉付勢ばね10,10の他端側をばね受け台3a,3aに当接させるとともに、扉部材9の上側部を扉固定片3b,3bに当接するようにして、扉部材9および扉付勢ばね10,10を配置すると、扉部材9が扉付勢ばね10,10のばね力によって扉固定片3b,3bに押し付けられるので、扉部材9及び扉付勢ばね10,10をカバー3に仮保持させることができる。また図1、図2及び図4に示すように、ボディ2の仕切り壁6の上面には扉付勢ばね10,10の他端側の後側部を受けるばね受け台6a,6aが形成されており、組立完了状態においてはばね受け台3a,6aの間に扉付勢ばね10の他端側が保持され、扉付勢ばね10,10によって扉部材9が閉方向に弾性付勢されている。また各翼片9aは閉位置において栓刃挿入口4aに臨む部位に傾斜面9dが形成されており、図4(b)(c)に示すように栓刃挿入口4aに挿入されたプラグ100の栓刃101が傾斜面9dを押すことによって、栓刃101の挿入方向と直交する方向に扉部材9をスライドさせる力が発生し、扉付勢ばね10のばね力に抗して扉部材9が開方向にスライド移動するようになっている。この扉部材9は、2個1組の栓刃挿入口4a,4aを同時に開閉するので、各栓刃挿入口4a毎に1個ずつ扉部材を設ける場合に比べて部品点数を少なくできるという利点がある。
【0035】
なお本実施形態のコンセントAは接地極付きのため、器具本体1の左右方向中央部に接地極用の刃受部材7bを収納するスペースを確保する必要があり、扉部材9の左右両側に扉付勢ばね10,10を配置することで、扉付勢ばね10,10のばね力をバランス良く扉部材9に印加しているが、接地極のないコンセントの場合には中央部のスペースが空くので、図8(b)に示すように扉部材9の左右方向中央部に突起9cを設けて、この突起9cに扉付勢ばね10の一端側を保持させることで、1つの扉付勢ばね10のみで扉部材9を付勢するようにしても良い。
【0036】
また器具本体1の内部には、検出電極用挿通孔5から外側に突出する位置と内側に後退する位置との間で進退自在に配置された検出電極11が収納されている。検出電極11は導電材料により細長の矩形板状に形成され、長手方向の一端側にコイルばね15の一端側が圧入固定されている。ボディ2の底壁には検出電極用挿通孔5の後方位置に柱状の圧入突起16が突設されており、この圧入突起16にコイルばね15の他端を圧入固定することで、検出電極11がコイルばね15を介してボディ2に取着されている。ここで、図5(a)に示すように検出電極11の一端側は幅方向の両側縁にテーパ11a,11aを形成することで楔状にしてあり、先端が先細りとなっているので、コイルばね15の圧入作業を容易に行うことができる。また検出電極11の幅方向両側縁には、テーパ11aよりも前面側(図5中の上側)の部位に切欠11b,11bが形成されているので、図5(b)に示すように検出電極11をコイルばね15に圧入した際にコイルばね15の線材が切欠11bに嵌り込むことで、検出電極11の抜けを防止することができる。また、図6(b)に示すように圧入突起16の周面には、軸方向に沿って延びる突出部16aが突設されており、突出部16aの上端部(コイルばね15の挿入方向手前側)には案内用の傾斜面16bが形成されている。而して、コイルばね15の他端側を圧入突起16に圧入する際には突出部16aが圧入代となって、コイルばね15と圧入突起16との結合を強固にでき、しかも突出部16aの上端部には傾斜面16bが設けてあるので、コイルばね15の圧入を容易に行うことができる。尚、検出電極11は図示しないリード線や導電板を介してトラッキングの検出手段(漏洩検出部12など)に電気的に接続されている。
【0037】
ここで、検出電極11は扉部材9の開閉動作に応じて検出電極用挿通孔5から進退するようになっており、図2(b)に示すように扉部材9が閉位置に移動した状態では、傾斜面9d,9dによって栓刃挿入口4a,4aが閉塞されるとともに、連結部9bが栓刃挿入口4a,4aの間に開口する検出電極用挿通孔5よりも上側(図2(b)の右側)まで移動するので、連結部9bによって検出電極11が上側に押圧される。検出電極11を支持するコイルばね15のばね荷重は、2本の扉付勢ばね10,10のばね荷重よりも小さくなるようにばね定数が設定されており、扉部材9が閉位置に移動した状態では連結部9bが検出電極11を押圧する力でコイルばね15が湾曲させられて、検出電極11が倒れることにより、図2(a)に示すように検出電極11が検出電極用挿通孔5の内側に後退する。而して、プラグ100を接続していない状態では検出電極11が検出電極用挿通孔5の内側に後退しているので、検出電極11に人体等が接触することはなく、使用者に安心感を与えることができ、また検出電極11が汚れたり破損するのを防止できる。また、カバー3の前壁裏側には、検出電極用挿通孔5の左右両側縁にカバー3の前面と略直交する方向に突出する矩形板状のガイド壁17,17が突設されているので、検出電極11が検出電極用挿通孔5の内側に退避した状態では、ガイド壁17,17の間に検出電極11が配置されることによって、検出電極11が進退方向と交差する方向に倒れて、検出電極用挿通孔5から外れるのを防止でき、検出電極11の進退動作を安定させることができる。
【0038】
一方、プラグ100の栓刃101が栓刃挿入口4aに挿入され、栓刃101が扉部材9の傾斜面9dを押圧することによって、扉部材9が閉位置から開位置へスライド移動させられると、図1(a)に示すように連結部9bが検出電極用挿通孔5よりも下側に移動し、栓刃挿入口4aを完全に開放させるとともに、連結部9bが検出電極11を押圧する力が無くなり、コイルばね15のばね復帰力によって検出電極11が直線状に起立した状態となる。この時、検出電極11が検出電極用挿通孔5の外側に突出し、コイルばね15のばね力によってプラグ100の先端面において一対の栓刃101の間の部位に弾接する。而して、プラグ100を接続した状態でプラグ100の先端面に付着した埃などによってトラッキング現象が発生し、栓刃101と検出電極11との間に電流が流れると、漏洩検出部12がこの時に流れる電流を検出して、接点13を開極させることで、刃受部材7a,7aへの給電を停止させることができ、トラッキング現象を確実に検出することで安全性を向上させることができる。
【0039】
その後、コンセントAからプラグ100を抜き取ると、栓刃101が扉部材9の傾斜面9dを押圧する力が無くなり、扉部材9が扉付勢ばね10のばね力を受けて開位置から閉位置へスライド移動するので、扉部材9によって栓刃挿入口4aが閉塞される。この時、扉部材9により検出電極11が押圧されて、コイルばね15が湾曲することにより、検出電極11が検出電極用挿通孔5の内側に退避した状態となる。このように本実施形態では、扉部材9の開閉動作に応じてコイルばね15を湾曲又は直立させることで、検出電極11を検出電極用挿通孔5の内部に退避させる状態と、検出電極用挿通孔5の外側に突出させる状態とを切り換えることができ、検出電極11を前後方向において進退させる場合に比べて、器具本体1の前後方向の寸法を小さくすることができる。
【0040】
ところで、図9および図10に示すようにカバー3の前壁裏側には、閉位置にある扉部材9が一方の栓刃挿入口4aから挿入された栓刃101で押圧され、他方の栓刃挿入口4aに臨む扉部材9の部位がカバー3の前壁裏側に接近するように傾斜した状態で、カバー3の前壁裏側に接近した扉部材9の部位と係止して扉部材9の開方向への移動を規制する移動規制突起3cが、閉位置にある扉部材9に対して開方向寄りに突設されている。したがって、図10(b)に示すようにいたずら等で片方(図中左側)の栓刃挿入口4aのみに挿入された物体によって扉部材9が押圧された場合には、扉部材9が傾斜して、押圧された側と反対側(図中右側)の翼片9aが移動規制突起3cに係止することで、扉部材9が開方向に移動するのを規制でき、いたずら等によって扉部材9が開けられるのを防止して、安全性を向上させることができる。
【0041】
尚、本実施形態では漏電遮断機能を有するコンセントを例に説明を行ったが、漏電遮断機能を持たない一般的なコンセントに適用しても良い。
【0042】
(実施形態2)
本発明の実施形態2を図12〜図19に基づいて説明する。上述した実施形態1では検出電極11をコイルばね15を介してボディ2に取り付けているのに対して、本実施形態では検出電極11をコイルばね15を介して扉部材9に取り付けてある。尚、検出電極11および扉部材9以外の構成は実施形態1と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0043】
扉部材9は、図14および図16に示すように、側面視L字状の脚片9eと、脚片9eの前側縁から左右両側に張り出す翼片9a,9aとを備え、ボディ2の中央部に設けた収納凹部18内に、上下方向においてスライド自在に収納されている。左右の翼片9a,9aには、それぞれ、コイルばねからなる扉付勢ばね10の一端側が圧入固定される突起9c,9cが突設されている。また各翼片9aには、閉位置において栓刃挿入口4aに臨む部位に傾斜面9dが形成されており、左右の翼片9a,9aの間には検出電極11を逃がすための逃がし溝19が形成されている。
【0044】
また、脚片9eの横棒部分にはコイルばね15の一端側が圧入固定される円柱状の圧入突起20が突設され、圧入突起20の周面には軸方向に沿って伸びる突出部20aが突設されている。而して、コイルばね15の他端側を圧入突起20に圧入する際には、突出部20aが圧入代となって、コイルばね15と圧入突起20との結合を強固に行うことができる。
【0045】
上述のように本実施形態では扉部材9の脚片9eに設けた圧入突起20にコイルばね15の一端側を取着するとともに、コイルばね15の他端側に検出電極11を圧入固定してあり、検出電極11がコイルばね15を介して扉部材9に取り付けられている。尚、検出電極11は、図16(c)に示すようにリード線102や導電板を介してトラッキングの検出手段(漏洩検出部12など)に電気的に接続されている。
【0046】
一方、ボディ2には扉部材9に取着された扉付勢ばね10,10の他端側を受けるばね受け台24,24が形成されており、扉付勢ばね10,10が取着された扉部材9を収納凹部18内に挿入すると、扉付勢ばね10,10のばね力によって扉部材9が収納凹部18の端面に押し付けられることで、扉部材9および扉付勢ばね10,10をボディ2に仮保持させることができる。
【0047】
ここで、検出電極11は扉部材9の開閉動作に応じて検出電極用挿通孔5から進退するようになっており、図13(a)(b)に示すように扉部材9が閉位置に移動した状態では、翼片9aの傾斜面9dによって栓刃挿入口4aが閉塞されるとともに、脚片9eに固定されたコイルばね15の一端側と検出電極用挿通孔5との相対的な位置関係が変化し、検出電極11が検出電極用挿通孔5の孔縁に押圧される。検出電極11を支持するコイルばね15のばね荷重は、2本の扉付勢ばね10,10のばね荷重よりも小さくなるようにばね定数が設定されており、扉部材9が閉位置に移動した状態では検出電極用挿通孔5の孔縁が検出電極11を押圧する力でコイルばね15が湾曲させられて、検出電極11が倒れることにより、検出電極11が検出電極用挿通孔5の内側に退避した状態となる。而して、プラグ100を接続していない状態では検出電極11が検出電極用挿通孔5の内側に後退しているので、検出電極11に人体等が接触することはなく、使用者に安心感を与えることができ、また検出電極11が汚れたり破損するのを防止できる。
【0048】
なお、扉部材9には両翼片9a,9aの間に逃がし溝19を形成してあり、検出電極用挿通孔5の孔縁に押圧されて倒された検出電極11が逃がし溝19内に入り込むことで、扉部材9との干渉を防止し、検出電極11の進退動作をスムーズに行わせることができる。また、検出電極用挿通孔5の孔縁には、図13(b)および図17に示すように検出電極用挿通孔5に近付くほど、カバー3の前壁裏側からの突出量が小さくなるように傾斜する傾斜面22が形成されているので、扉部材9の閉方向への移動に伴って接近してきた検出電極11が傾斜面22に当接して、検出電極11が倒れやすくなり、検出電極11の進退動作をスムーズに行わせることができる。また、カバー3の前壁裏側には、検出電極用挿通孔5の左右両側縁にカバー3の前面と略直交する方向に突出する矩形板状のガイド壁23,23が突設されているので、検出電極11が検出電極用挿通孔5の内側に退避した状態では、ガイド壁23,23の間に検出電極11が配置されることによって、検出電極11が進退方向と交差する方向に倒れて、検出電極用挿通孔5から外れるのを防止でき、検出電極11の進退動作を安定させることができる。
【0049】
一方、プラグ100の栓刃101が栓刃挿入口4aに挿入され、栓刃101が扉部材9の傾斜面9dを押圧することによって、扉部材9が閉位置から開位置へスライド移動させられると、図12(a)(b)に示すように脚片9eに設けた圧入突起20が検出電極用挿通孔5に臨む位置(図12(b)中の下側位置)に移動するので、検出電極11が検出電極用挿通孔5の孔縁から離れ、コイルばね15のばね復帰力によって検出電極11が起立した状態となる。この時、検出電極11が検出電極用挿通孔5の外側に突出し、コイルばね15のばね力によってプラグ100の栓刃101,101間の部位に弾接する。而して、プラグ100を接続した状態でプラグ100の先端面に付着した埃などによってトラッキング現象が発生し、栓刃101と検出電極11との間に電流が流れると、漏洩検出部12がこの時に流れる電流を検出して、接点13を開極させることで、刃受部材7a,7aへの給電を停止させることができ、トラッキング現象を確実に検出することで安全性を向上させることができる。
【0050】
その後、コンセントAからプラグ100を抜き取ると、栓刃101が扉部材9の傾斜面9dを押圧する力が無くなり、扉部材9が扉付勢ばね10のばね力を受けて開位置から閉位置へスライド移動するので、扉部材9によって栓刃挿入口4aが閉塞される。この時、扉部材9のスライド移動に伴って検出電極11が検出電極用挿通孔5の孔縁に押圧され、コイルばね15が湾曲することにより、検出電極11が検出電極用挿通孔5の内側に退避した状態となる。このように本実施形態では、扉部材9の開閉動作に応じてコイルばね15を湾曲又は直立させることで、検出電極11を検出電極用挿通孔5の内部に退避させる状態と、検出電極用挿通孔5の外側に突出させる状態とを切り換えることができ、検出電極11を前後方向において進退させる場合に比べて、器具本体1の前後方向の寸法を小さくすることができる。
【0051】
ところで本実施形態では、ボディ2の収納凹部18の底面には、扉部材9のスライド方向(上下方向)に沿って突条18aが形成されており、突条18aに脚片9eの底面が当接することによって、扉部材9と収納凹部18の底面との接触面積を少なくして、扉部材9のスライド移動をスムーズに行えるようにしている。また、図19(a)(b)に示すように扉部材9の各翼片9aに、ボディ2の隔壁上に載置されて隔壁上をスライド移動するためのスライド突起25を設けても良く、両翼片9aのスライド突起25がボディ2の隔壁に当接してスライド移動することで、扉部材9を傾斜することなくスライド移動させることができる。
【0052】
また脚片9eの底面には、左右方向の中央部が両側部よりも後方に突出するように傾斜する傾斜面9f,9fが形成されているので、扉部材9が脚片9eの後側端を揺動中心として容易に傾斜するようになっている。ここで、図19(c)に示すように、片側(図中左側)の栓刃挿入口4aのみに栓刃101が挿入された場合、栓刃101で押された側と反対側の翼片9aがカバー3の前壁裏側に接近するように扉部材9が傾斜するので、反対側の翼片9aがカバー3の前壁裏側に設けた移動規制突起3cに係止することで、扉部材9の開方向への移動を規制することができ、いたずら等によって扉部材9が開けられるのを防止して、安全性を向上させることができる。
【0053】
また扉部材9の翼片9a,9aは、傾斜面9d,9dの一端側で脚片9eと連結されており、図18(a)に示すようにプラグ100の栓刃101により押圧される位置が、脚片9eの横棒部分が突出する側と反対側に偏っているため、栓刃101から荷重を加えると、図18(b)に示すように扉部材9が図中左側に倒れ、栓刃101の挿入方向に対する傾斜面9dの傾斜角度が浅くなって、扉部材9をスライド移動させる力が発生しにくくなる。そこで、本実施形態では、側面視L字形の脚片9eの曲がり部から翼片9aと同じ方向に突出する補助脚21を一体に設けてあり、補助脚21が扉部材9の倒れを防止することで、扉部材9のスライド移動をスムーズにすることができる。
【0054】
なお、本発明の精神と範囲に反することなしに、広範に異なる実施形態を構成することができることは明白なので、この発明は、特定の実施形態に制約されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】実施形態1のコンセントにプラグを接続した状態を示し、(a)は外観斜視図、(b)はカバーを外した状態の要部斜視図である。
【図2】同上にプラグが接続されていない状態を示し、(a)は外観斜視図、(b)はカバーを外した状態の要部斜視図である。
【図3】同上の分解斜視図である。
【図4】(a)〜(c)は同上に用いる扉部材の開閉動作を示す要部断面図である。
【図5】(a)は同上に用いる検出電極の説明図、(b)は検出電極にコイルばねを装着した状態の説明図である。
【図6】(a)は同上に用いるボディの説明図、(b)はC部拡大図である。
【図7】同上に用いるボディに検出電極を組み込んだ状態の説明図である。
【図8】(a)(b)は同上に用いる扉部材の説明図である。
【図9】(a)は同上に用いるカバーの斜視図、(b)はD部拡大図、(c)はカバーに扉部材および扉付勢ばねを仮保持させた状態の説明図である。
【図10】(a)(b)は同上に用いる扉部材の開閉動作を示す要部断面図である。
【図11】同上の内部回路図である。
【図12】(a)(b)は実施形態2のコンセントにプラグを接続した状態の要部断面図である。
【図13】(a)(b)は同上にプラグが接続されていない状態の要部断面図である。
【図14】同上の分解斜視図である。
【図15】(a)は同上に用いるボディの斜視図、(b)はボディに扉部材および検出電極を組み込んだ状態の斜視図である。
【図16】(a)(b)は同上に用いる扉部材の説明図、(c)は扉部材に検出電極を取り付けた状態の説明図である。
【図17】(a)は同上に用いるカバーを後方から見た斜視図、(b)はE部拡大図である。
【図18】(a)〜(c)は同上に用いる扉部材の説明図である。
【図19】(a)(b)は同上に用いる扉部材の開閉動作を示す説明図である。
【符号の説明】
【0056】
1 器具本体
2 ボディ
3 カバー
4a 栓刃挿入口
5 検出電極用挿通孔
7a 刃受部材
9 扉部材
10 扉付勢ばね
11 検出電極
12 漏電検出部(トラッキング検出手段)
13 接点(遮断手段)
15 コイルばね
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラッキング現象の発生を検知する機能を備えたコンセントに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のコンセントとしては、一対の栓刃挿入口の間に接地極を配置しておき、トラッキング現象によりプラグの栓刃の間に炭化部分が発生した場合には、この炭化部分に接地極を接触させることで漏電現象を発生させ、漏電ブレーカを作動させて、トラッキング現象を感知するようにしたものが従来提案されていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、他のコンセントとして、一対の栓刃挿入口の間にトラッキング検出用電極を設け、トラッキング現象により栓刃挿入口に挿入された栓刃とトラッキング検出用電極との間に流れる電流を検出することでトラッキング現象を検知し、通電を遮断するようにしたものも従来提案されていた(例えば特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平9−213425号公報(段落[0006]、及び、第1図、第12図)
【特許文献2】特許第3513847号公報(段落[0015]−[0018]、及び、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1、2に示されるコンセントでは、プラグを接続していない場合に、接地極やトラッキング検出用電極が器具本体の前面に露出しているため、人体や物が接触する可能性がある。接地極やトラッキング検出用電極は接地してあれば感電の虞はないのであるが、接地極や検出用電極が視認可能な場所に配置されるため、使用者に不安を与える可能性があり、また接地極やトラッキング検出用電極が破損したり、汚れが付着する可能性もあった。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、プラグを接続していない状態でトラッキング検出用電極を外部から目視できない位置に配置したコンセントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、プラグの栓刃がそれぞれ挿入される2個で1組の栓刃挿入口が前面に開口する器具本体と、器具本体の内部にそれぞれ収納され、各栓刃挿入口を通して挿入される栓刃に電気的に接続されるとともに電源に接続される複数の刃受部材と、各栓刃挿入口を閉塞する閉位置と開放する開位置との間で移動自在に配置され、扉付勢ばねによって閉方向に付勢されるとともに、栓刃で押されることにより扉付勢ばねのばね力に抗して開方向へ移動する扉部材と、器具本体の前面において組をなす2個の栓刃挿入口の間に開口する検出電極用挿通孔と、扉部材の開閉動作に応じて駆動され、プラグの接続時において検出電極用挿通孔から外側に突出してプラグと当接する突出位置と非接続時において検出電極用挿通孔の内側に後退する退避位置との間で進退自在に配置された検出電極と、栓刃挿入口に挿入される栓刃と検出電極との間に流れる電流からトラッキングを検出するトラッキング検出手段と、トラッキング検出手段がトラッキングを検出すると刃受部材と電源との間を電気的に遮断する遮断手段とを備えて成ることを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、一端側が器具本体の底部側に固定されるとともに、他端側に検出電極が接続されたコイルばねを備え、扉部材が閉位置に移動した状態では扉部材に検出電極が押圧されてコイルばねが湾曲するように撓むことで検出電極が内側に後退するとともに、扉部材が開位置に移動した状態ではコイルばねが湾曲状態から直線状に戻ることで検出電極が外側に突出することを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、器具本体の底部にコイルばねの一端側が圧入固定される柱状の圧入突起を設けるとともに、圧入突起の周面に圧入代となる突出部を設け、当該突出部の圧入方向手前側にコイルばねの挿入を案内するための傾斜面を設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、一端側が扉部材に固定されるとともに、他端側に検出電極が接続されたコイルばねを備え、扉部材が閉位置に移動した状態では検出電極用挿通孔の孔縁に検出電極が当接してコイルばねが湾曲するように撓むことで検出電極が内側に後退するとともに、扉部材が開位置に移動した状態ではコイルばねが湾曲状態から直線状に戻ることで検出電極が外側に突出することを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、扉部材に、コイルばねの一端側が圧入固定される柱状の圧入突起を設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項6の発明は、請求項4又は5の発明において、扉部材が閉位置に移動した状態で、検出電極用挿通孔の孔縁に当接して倒された検出電極を逃がす逃がし溝を扉部材に設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項7の発明は、請求項4乃至6の何れか1つの発明において、扉部材の閉方向への移動に伴って接近してきた検出電極と当接して、検出電極を倒すための傾斜面を検出電極用挿通孔の孔縁に設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項8の発明は、請求項1乃至7の何れか1つの発明において、器具本体は前面側のカバーと後面側のボディとで構成され、カバーの内側面に、扉付勢ばねの一端側を受けるばね受け部と、扉部材と当接して扉部材の閉方向への移動を規制する扉固定部とを設けたことを特徴とする。
【0014】
請求項9の発明は、請求項1乃至8の何れか1つの発明において、器具本体の内側面において検出電極挿通孔の孔縁に、検出電極が進退する方向と交差する方向において検出電極が倒れるのを防止するガイド壁を設けたこと特徴とする。
【0015】
請求項10の発明は、請求項1乃至9の何れか1つの発明において、閉位置にある扉部材が一方の栓刃挿入口から挿入された栓刃で押圧され、他方の栓刃挿入口に臨む扉部材の部位が器具本体の前壁裏側に接近するように傾斜した状態で、器具本体の前壁裏側に接近した扉部材の部位と係止して扉部材の開方向への移動を規制する移動規制突起を器具本体の前壁裏側に設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、プラグの非接続時に扉部材が閉位置に移動している状態では、扉部材によって検出電極が検出電極用挿通孔の内側に後退する位置に移動させられるので、検出電極に人体が接触することはなく、使用者に安心感を与えることができ、また検出電極が汚れたり破損するのを防止できるという効果がある。さらに、プラグの接続時に扉部材が開位置に移動すると、検出電極が検出電極用挿通孔から外側に突出する位置に移動するので、検出電極をプラグに当接させることで、トラッキング検出手段によりトラッキング現象を確実に検出して、遮断手段により刃受部材への給電を確実に遮断させることができるという効果がある。
【0017】
請求項2の発明によれば、一端側が器具本体の底部側に固定されるとともに、他端側に検出電極が固定されたコイルばねを扉部材の閉方向への移動に応じて湾曲させることで、検出電極を検出電極用挿通孔の内側に後退させるとともに、扉部材の開方向への移動に応じてコイルばねを湾曲状態から直線状に戻すことで検出電極を検出電極用挿通孔から外側に突出させているので、検出電極を前後方向において進退させる場合に比べて、器具本体の前後方向の寸法を小さくできるという効果がある。
【0018】
請求項3の発明によれば、圧入突起の周面に設けた突出部には圧入方向の手前側に傾斜面を設けており、コイルばねを圧入する際にコイルばねが傾斜面によって案内されるので、圧入作業を容易に行うことができ、圧入完了時には突出部が圧入代となるので、コイルばねを圧入突起に強固に固定できるという効果がある。
【0019】
請求項4の発明によれば、コイルばねの一端側を扉部材に固定するとともに、他端側に検出電極を固定しているので、扉部材の開閉移動に応じて、扉部材に固定されたコイルばねの一端側と検出電極用挿通孔との相対的な位置関係を変化させることができる。したがって、扉部材の閉方向への移動に応じてコイルばねを湾曲させることで検出電極を検出電極用挿通孔の内側に後退させるとともに、扉部材の開方向への移動に応じてコイルばねを湾曲状態から直線状に戻すことで検出電極を検出電極用挿通孔から外側に突出させることができ、検出電極を前後方向において進退させる場合に比べて、器具本体の前後方向の寸法を小さくできるという効果がある。
【0020】
請求項5の発明によれば、コイルばねの一端側を圧入突起に圧入することで扉部材に固定しているので、コイルばねを扉部材に固定する作業を簡単に行うことができる。
【0021】
請求項6の発明によれば、コイルばねの湾曲に応じて倒された検出電極が逃がし溝に入り込むことで、検出電極が扉部材と干渉するのを防止できるという効果がある。
【0022】
請求項7の発明によれば、検出電極用挿通孔の孔縁に設けた傾斜面に検出電極を当接させることで、検出電極をスムーズに倒すことができるという効果がある。
【0023】
請求項8の発明によれば、ばね受け部と扉固定部との間に扉付勢ばねを介して扉部材を配置すると、扉付勢ばねの付勢力によって扉部材を扉固定部に押し付けることで、扉部材と扉付勢ばねとをカバーに仮固定することができ、器具本体の組立作業性を向上させることができるという効果がある。
【0024】
請求項9の発明によれば、検出電極が検出電極用挿通孔の内側に後退した状態でも、検出電極がガイド壁に当接することで、検出電極が検出電極用挿通孔から外れるのを防止することができ、検出電極の進退動作が安定するという効果がある。
【0025】
請求項10の発明によれば、組をなす2個の栓刃挿入口の両方に栓刃が挿入されず、片側のみに挿入された場合は、扉部材が傾いて移動規制突起と係止することで、扉部材が開方向に移動するのを防止することができるから、いたずらなどで扉部材が開けられるの防止できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0027】
(実施形態1)
本発明の実施形態1を図1〜図11に基づいて説明する。尚、以下の説明では特に断りがないかぎり、図3中の矢印a,bを上下の方向、矢印c,dを左右の方向、矢印e,fを前後の方向と規定して説明を行う。
【0028】
コンセントAの器具本体1は、図1(a)及び図3に示すように、前面が開口した略箱状の後面側のボディ2と、後面が開口した略箱状の前面側のカバー3とを従来周知の結合手段を用いて結合することにより構成される。なお器具本体1は、埋込型配線器具を造営面に取り付けるための規格化された取付枠(図示せず)に取着可能な形状および大きさに形成されるとともに、取付枠に取着するための従来周知の器具取付手段(図示せず)が設けられており、本実施形態では例えば単位寸法(1連の取付枠に3個まで取着可能な大きさ)の埋込型配線器具を短幅方向(上下方向)に3個並べた大きさ(3個モジュール寸法)に形成されている。
【0029】
カバー3の前面には、図3に示すようにプラグの電圧極の平行栓刃(図示せず)がそれぞれ挿入される2個1組の栓刃挿入口4a,4aが上下方向の略中央に左右に並べて開口しており、栓刃挿入口4a,4aの下側には接地極の丸ピン(図示せず)が挿入される挿入口4bが開口している。またカバー3の前面には、栓刃挿入口4a,4aの中間位置に、上下方向に延びるスリット状の検出電極用挿通孔5が開口している。
【0030】
ボディ2の内部は、図6に示すように仕切り壁6によって複数の収納室に仕切られており、図6及び図7に示すように栓刃挿入口4a,4aに対応する位置には電圧極の栓刃に電気的に接続される刃受部材7a,7aをそれぞれ収納する2つの収納室8a,8aが設けられ、栓刃挿入口4bに対応する位置には接地極の栓刃に電気的に接続される刃受部材7bを収納する収納室8bが設けられている。
【0031】
ところで、図11はコンセントAの内部回路図を示しており、コンセントAは電源線がそれぞれ接続される接続端子Ta,Tbと、接地線が接続される接続端子Tcとを備え、刃受部材7a,7aが接続端子Ta,Tbに接続される電源線を介して外部の電源ACに接続されるとともに、刃受部材7bが接続端子Tcに接続される接地線を介して接地されている。またコンセントAは、栓刃挿入口4aに挿入される栓刃と後述する検出電極11との間に流れる電流を検出することによりトラッキングを検出する漏洩検出部12(トラッキング検出手段)と、接続端子Ta,Tbと刃受部材7a,7aとの間の電路にそれぞれ設けられ、漏洩検出部12がトラッキングを検出すると、漏洩検出部12により強制的に開極させられる接点13,13(遮断手段)と、刃受部材7a,7aから電源が供給されて内部回路の動作電源を生成する電源回路14とを備えている。
【0032】
ここで、ボディ2の背面には電源線および接地線をそれぞれ挿入するための電線挿入口(図示せず)が開口するとともに、ボディ2内には電線挿入口を通して挿入される電源線および接地線にそれぞれ電気的に接続される速結端子構造の接続端子(図示せず)が収納され、これらの接続端子から上述の接続端子Ta,Tb,Tcが構成されている。
【0033】
また、器具本体1の内部には、2個の栓刃挿入口4a,4aを閉塞する閉位置と開放する開位置との間で移動自在に配置される扉部材9が収納されている。扉部材9は図8(a)に示すように左右に張り出す翼片9a,9aと、翼片9a,9aの上部間を連結する連結部9bとを備えたもので、ボディ2の仕切り壁6上にスライド自在に載置される。左右の翼片9a,9aの下側面(図8(a)の左側面)には、それぞれ、コイルばねからなる扉付勢ばね10の一端側が圧入固定される突起9c,9cが突設されている。ここで、図9(a)に示すようにカバー3の前壁裏面には、扉付勢ばね10の他端側の前側部を受けるばね受け台3aが突設されるとともに、扉部材9の上端部と当接して扉部材9の閉方向への移動を規制する扉固定片(扉固定部)3b,3bが突設されている。
【0034】
而して、図9(c)に示すようにカバー3内に、扉付勢ばね10,10の他端側をばね受け台3a,3aに当接させるとともに、扉部材9の上側部を扉固定片3b,3bに当接するようにして、扉部材9および扉付勢ばね10,10を配置すると、扉部材9が扉付勢ばね10,10のばね力によって扉固定片3b,3bに押し付けられるので、扉部材9及び扉付勢ばね10,10をカバー3に仮保持させることができる。また図1、図2及び図4に示すように、ボディ2の仕切り壁6の上面には扉付勢ばね10,10の他端側の後側部を受けるばね受け台6a,6aが形成されており、組立完了状態においてはばね受け台3a,6aの間に扉付勢ばね10の他端側が保持され、扉付勢ばね10,10によって扉部材9が閉方向に弾性付勢されている。また各翼片9aは閉位置において栓刃挿入口4aに臨む部位に傾斜面9dが形成されており、図4(b)(c)に示すように栓刃挿入口4aに挿入されたプラグ100の栓刃101が傾斜面9dを押すことによって、栓刃101の挿入方向と直交する方向に扉部材9をスライドさせる力が発生し、扉付勢ばね10のばね力に抗して扉部材9が開方向にスライド移動するようになっている。この扉部材9は、2個1組の栓刃挿入口4a,4aを同時に開閉するので、各栓刃挿入口4a毎に1個ずつ扉部材を設ける場合に比べて部品点数を少なくできるという利点がある。
【0035】
なお本実施形態のコンセントAは接地極付きのため、器具本体1の左右方向中央部に接地極用の刃受部材7bを収納するスペースを確保する必要があり、扉部材9の左右両側に扉付勢ばね10,10を配置することで、扉付勢ばね10,10のばね力をバランス良く扉部材9に印加しているが、接地極のないコンセントの場合には中央部のスペースが空くので、図8(b)に示すように扉部材9の左右方向中央部に突起9cを設けて、この突起9cに扉付勢ばね10の一端側を保持させることで、1つの扉付勢ばね10のみで扉部材9を付勢するようにしても良い。
【0036】
また器具本体1の内部には、検出電極用挿通孔5から外側に突出する位置と内側に後退する位置との間で進退自在に配置された検出電極11が収納されている。検出電極11は導電材料により細長の矩形板状に形成され、長手方向の一端側にコイルばね15の一端側が圧入固定されている。ボディ2の底壁には検出電極用挿通孔5の後方位置に柱状の圧入突起16が突設されており、この圧入突起16にコイルばね15の他端を圧入固定することで、検出電極11がコイルばね15を介してボディ2に取着されている。ここで、図5(a)に示すように検出電極11の一端側は幅方向の両側縁にテーパ11a,11aを形成することで楔状にしてあり、先端が先細りとなっているので、コイルばね15の圧入作業を容易に行うことができる。また検出電極11の幅方向両側縁には、テーパ11aよりも前面側(図5中の上側)の部位に切欠11b,11bが形成されているので、図5(b)に示すように検出電極11をコイルばね15に圧入した際にコイルばね15の線材が切欠11bに嵌り込むことで、検出電極11の抜けを防止することができる。また、図6(b)に示すように圧入突起16の周面には、軸方向に沿って延びる突出部16aが突設されており、突出部16aの上端部(コイルばね15の挿入方向手前側)には案内用の傾斜面16bが形成されている。而して、コイルばね15の他端側を圧入突起16に圧入する際には突出部16aが圧入代となって、コイルばね15と圧入突起16との結合を強固にでき、しかも突出部16aの上端部には傾斜面16bが設けてあるので、コイルばね15の圧入を容易に行うことができる。尚、検出電極11は図示しないリード線や導電板を介してトラッキングの検出手段(漏洩検出部12など)に電気的に接続されている。
【0037】
ここで、検出電極11は扉部材9の開閉動作に応じて検出電極用挿通孔5から進退するようになっており、図2(b)に示すように扉部材9が閉位置に移動した状態では、傾斜面9d,9dによって栓刃挿入口4a,4aが閉塞されるとともに、連結部9bが栓刃挿入口4a,4aの間に開口する検出電極用挿通孔5よりも上側(図2(b)の右側)まで移動するので、連結部9bによって検出電極11が上側に押圧される。検出電極11を支持するコイルばね15のばね荷重は、2本の扉付勢ばね10,10のばね荷重よりも小さくなるようにばね定数が設定されており、扉部材9が閉位置に移動した状態では連結部9bが検出電極11を押圧する力でコイルばね15が湾曲させられて、検出電極11が倒れることにより、図2(a)に示すように検出電極11が検出電極用挿通孔5の内側に後退する。而して、プラグ100を接続していない状態では検出電極11が検出電極用挿通孔5の内側に後退しているので、検出電極11に人体等が接触することはなく、使用者に安心感を与えることができ、また検出電極11が汚れたり破損するのを防止できる。また、カバー3の前壁裏側には、検出電極用挿通孔5の左右両側縁にカバー3の前面と略直交する方向に突出する矩形板状のガイド壁17,17が突設されているので、検出電極11が検出電極用挿通孔5の内側に退避した状態では、ガイド壁17,17の間に検出電極11が配置されることによって、検出電極11が進退方向と交差する方向に倒れて、検出電極用挿通孔5から外れるのを防止でき、検出電極11の進退動作を安定させることができる。
【0038】
一方、プラグ100の栓刃101が栓刃挿入口4aに挿入され、栓刃101が扉部材9の傾斜面9dを押圧することによって、扉部材9が閉位置から開位置へスライド移動させられると、図1(a)に示すように連結部9bが検出電極用挿通孔5よりも下側に移動し、栓刃挿入口4aを完全に開放させるとともに、連結部9bが検出電極11を押圧する力が無くなり、コイルばね15のばね復帰力によって検出電極11が直線状に起立した状態となる。この時、検出電極11が検出電極用挿通孔5の外側に突出し、コイルばね15のばね力によってプラグ100の先端面において一対の栓刃101の間の部位に弾接する。而して、プラグ100を接続した状態でプラグ100の先端面に付着した埃などによってトラッキング現象が発生し、栓刃101と検出電極11との間に電流が流れると、漏洩検出部12がこの時に流れる電流を検出して、接点13を開極させることで、刃受部材7a,7aへの給電を停止させることができ、トラッキング現象を確実に検出することで安全性を向上させることができる。
【0039】
その後、コンセントAからプラグ100を抜き取ると、栓刃101が扉部材9の傾斜面9dを押圧する力が無くなり、扉部材9が扉付勢ばね10のばね力を受けて開位置から閉位置へスライド移動するので、扉部材9によって栓刃挿入口4aが閉塞される。この時、扉部材9により検出電極11が押圧されて、コイルばね15が湾曲することにより、検出電極11が検出電極用挿通孔5の内側に退避した状態となる。このように本実施形態では、扉部材9の開閉動作に応じてコイルばね15を湾曲又は直立させることで、検出電極11を検出電極用挿通孔5の内部に退避させる状態と、検出電極用挿通孔5の外側に突出させる状態とを切り換えることができ、検出電極11を前後方向において進退させる場合に比べて、器具本体1の前後方向の寸法を小さくすることができる。
【0040】
ところで、図9および図10に示すようにカバー3の前壁裏側には、閉位置にある扉部材9が一方の栓刃挿入口4aから挿入された栓刃101で押圧され、他方の栓刃挿入口4aに臨む扉部材9の部位がカバー3の前壁裏側に接近するように傾斜した状態で、カバー3の前壁裏側に接近した扉部材9の部位と係止して扉部材9の開方向への移動を規制する移動規制突起3cが、閉位置にある扉部材9に対して開方向寄りに突設されている。したがって、図10(b)に示すようにいたずら等で片方(図中左側)の栓刃挿入口4aのみに挿入された物体によって扉部材9が押圧された場合には、扉部材9が傾斜して、押圧された側と反対側(図中右側)の翼片9aが移動規制突起3cに係止することで、扉部材9が開方向に移動するのを規制でき、いたずら等によって扉部材9が開けられるのを防止して、安全性を向上させることができる。
【0041】
尚、本実施形態では漏電遮断機能を有するコンセントを例に説明を行ったが、漏電遮断機能を持たない一般的なコンセントに適用しても良い。
【0042】
(実施形態2)
本発明の実施形態2を図12〜図19に基づいて説明する。上述した実施形態1では検出電極11をコイルばね15を介してボディ2に取り付けているのに対して、本実施形態では検出電極11をコイルばね15を介して扉部材9に取り付けてある。尚、検出電極11および扉部材9以外の構成は実施形態1と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0043】
扉部材9は、図14および図16に示すように、側面視L字状の脚片9eと、脚片9eの前側縁から左右両側に張り出す翼片9a,9aとを備え、ボディ2の中央部に設けた収納凹部18内に、上下方向においてスライド自在に収納されている。左右の翼片9a,9aには、それぞれ、コイルばねからなる扉付勢ばね10の一端側が圧入固定される突起9c,9cが突設されている。また各翼片9aには、閉位置において栓刃挿入口4aに臨む部位に傾斜面9dが形成されており、左右の翼片9a,9aの間には検出電極11を逃がすための逃がし溝19が形成されている。
【0044】
また、脚片9eの横棒部分にはコイルばね15の一端側が圧入固定される円柱状の圧入突起20が突設され、圧入突起20の周面には軸方向に沿って伸びる突出部20aが突設されている。而して、コイルばね15の他端側を圧入突起20に圧入する際には、突出部20aが圧入代となって、コイルばね15と圧入突起20との結合を強固に行うことができる。
【0045】
上述のように本実施形態では扉部材9の脚片9eに設けた圧入突起20にコイルばね15の一端側を取着するとともに、コイルばね15の他端側に検出電極11を圧入固定してあり、検出電極11がコイルばね15を介して扉部材9に取り付けられている。尚、検出電極11は、図16(c)に示すようにリード線102や導電板を介してトラッキングの検出手段(漏洩検出部12など)に電気的に接続されている。
【0046】
一方、ボディ2には扉部材9に取着された扉付勢ばね10,10の他端側を受けるばね受け台24,24が形成されており、扉付勢ばね10,10が取着された扉部材9を収納凹部18内に挿入すると、扉付勢ばね10,10のばね力によって扉部材9が収納凹部18の端面に押し付けられることで、扉部材9および扉付勢ばね10,10をボディ2に仮保持させることができる。
【0047】
ここで、検出電極11は扉部材9の開閉動作に応じて検出電極用挿通孔5から進退するようになっており、図13(a)(b)に示すように扉部材9が閉位置に移動した状態では、翼片9aの傾斜面9dによって栓刃挿入口4aが閉塞されるとともに、脚片9eに固定されたコイルばね15の一端側と検出電極用挿通孔5との相対的な位置関係が変化し、検出電極11が検出電極用挿通孔5の孔縁に押圧される。検出電極11を支持するコイルばね15のばね荷重は、2本の扉付勢ばね10,10のばね荷重よりも小さくなるようにばね定数が設定されており、扉部材9が閉位置に移動した状態では検出電極用挿通孔5の孔縁が検出電極11を押圧する力でコイルばね15が湾曲させられて、検出電極11が倒れることにより、検出電極11が検出電極用挿通孔5の内側に退避した状態となる。而して、プラグ100を接続していない状態では検出電極11が検出電極用挿通孔5の内側に後退しているので、検出電極11に人体等が接触することはなく、使用者に安心感を与えることができ、また検出電極11が汚れたり破損するのを防止できる。
【0048】
なお、扉部材9には両翼片9a,9aの間に逃がし溝19を形成してあり、検出電極用挿通孔5の孔縁に押圧されて倒された検出電極11が逃がし溝19内に入り込むことで、扉部材9との干渉を防止し、検出電極11の進退動作をスムーズに行わせることができる。また、検出電極用挿通孔5の孔縁には、図13(b)および図17に示すように検出電極用挿通孔5に近付くほど、カバー3の前壁裏側からの突出量が小さくなるように傾斜する傾斜面22が形成されているので、扉部材9の閉方向への移動に伴って接近してきた検出電極11が傾斜面22に当接して、検出電極11が倒れやすくなり、検出電極11の進退動作をスムーズに行わせることができる。また、カバー3の前壁裏側には、検出電極用挿通孔5の左右両側縁にカバー3の前面と略直交する方向に突出する矩形板状のガイド壁23,23が突設されているので、検出電極11が検出電極用挿通孔5の内側に退避した状態では、ガイド壁23,23の間に検出電極11が配置されることによって、検出電極11が進退方向と交差する方向に倒れて、検出電極用挿通孔5から外れるのを防止でき、検出電極11の進退動作を安定させることができる。
【0049】
一方、プラグ100の栓刃101が栓刃挿入口4aに挿入され、栓刃101が扉部材9の傾斜面9dを押圧することによって、扉部材9が閉位置から開位置へスライド移動させられると、図12(a)(b)に示すように脚片9eに設けた圧入突起20が検出電極用挿通孔5に臨む位置(図12(b)中の下側位置)に移動するので、検出電極11が検出電極用挿通孔5の孔縁から離れ、コイルばね15のばね復帰力によって検出電極11が起立した状態となる。この時、検出電極11が検出電極用挿通孔5の外側に突出し、コイルばね15のばね力によってプラグ100の栓刃101,101間の部位に弾接する。而して、プラグ100を接続した状態でプラグ100の先端面に付着した埃などによってトラッキング現象が発生し、栓刃101と検出電極11との間に電流が流れると、漏洩検出部12がこの時に流れる電流を検出して、接点13を開極させることで、刃受部材7a,7aへの給電を停止させることができ、トラッキング現象を確実に検出することで安全性を向上させることができる。
【0050】
その後、コンセントAからプラグ100を抜き取ると、栓刃101が扉部材9の傾斜面9dを押圧する力が無くなり、扉部材9が扉付勢ばね10のばね力を受けて開位置から閉位置へスライド移動するので、扉部材9によって栓刃挿入口4aが閉塞される。この時、扉部材9のスライド移動に伴って検出電極11が検出電極用挿通孔5の孔縁に押圧され、コイルばね15が湾曲することにより、検出電極11が検出電極用挿通孔5の内側に退避した状態となる。このように本実施形態では、扉部材9の開閉動作に応じてコイルばね15を湾曲又は直立させることで、検出電極11を検出電極用挿通孔5の内部に退避させる状態と、検出電極用挿通孔5の外側に突出させる状態とを切り換えることができ、検出電極11を前後方向において進退させる場合に比べて、器具本体1の前後方向の寸法を小さくすることができる。
【0051】
ところで本実施形態では、ボディ2の収納凹部18の底面には、扉部材9のスライド方向(上下方向)に沿って突条18aが形成されており、突条18aに脚片9eの底面が当接することによって、扉部材9と収納凹部18の底面との接触面積を少なくして、扉部材9のスライド移動をスムーズに行えるようにしている。また、図19(a)(b)に示すように扉部材9の各翼片9aに、ボディ2の隔壁上に載置されて隔壁上をスライド移動するためのスライド突起25を設けても良く、両翼片9aのスライド突起25がボディ2の隔壁に当接してスライド移動することで、扉部材9を傾斜することなくスライド移動させることができる。
【0052】
また脚片9eの底面には、左右方向の中央部が両側部よりも後方に突出するように傾斜する傾斜面9f,9fが形成されているので、扉部材9が脚片9eの後側端を揺動中心として容易に傾斜するようになっている。ここで、図19(c)に示すように、片側(図中左側)の栓刃挿入口4aのみに栓刃101が挿入された場合、栓刃101で押された側と反対側の翼片9aがカバー3の前壁裏側に接近するように扉部材9が傾斜するので、反対側の翼片9aがカバー3の前壁裏側に設けた移動規制突起3cに係止することで、扉部材9の開方向への移動を規制することができ、いたずら等によって扉部材9が開けられるのを防止して、安全性を向上させることができる。
【0053】
また扉部材9の翼片9a,9aは、傾斜面9d,9dの一端側で脚片9eと連結されており、図18(a)に示すようにプラグ100の栓刃101により押圧される位置が、脚片9eの横棒部分が突出する側と反対側に偏っているため、栓刃101から荷重を加えると、図18(b)に示すように扉部材9が図中左側に倒れ、栓刃101の挿入方向に対する傾斜面9dの傾斜角度が浅くなって、扉部材9をスライド移動させる力が発生しにくくなる。そこで、本実施形態では、側面視L字形の脚片9eの曲がり部から翼片9aと同じ方向に突出する補助脚21を一体に設けてあり、補助脚21が扉部材9の倒れを防止することで、扉部材9のスライド移動をスムーズにすることができる。
【0054】
なお、本発明の精神と範囲に反することなしに、広範に異なる実施形態を構成することができることは明白なので、この発明は、特定の実施形態に制約されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】実施形態1のコンセントにプラグを接続した状態を示し、(a)は外観斜視図、(b)はカバーを外した状態の要部斜視図である。
【図2】同上にプラグが接続されていない状態を示し、(a)は外観斜視図、(b)はカバーを外した状態の要部斜視図である。
【図3】同上の分解斜視図である。
【図4】(a)〜(c)は同上に用いる扉部材の開閉動作を示す要部断面図である。
【図5】(a)は同上に用いる検出電極の説明図、(b)は検出電極にコイルばねを装着した状態の説明図である。
【図6】(a)は同上に用いるボディの説明図、(b)はC部拡大図である。
【図7】同上に用いるボディに検出電極を組み込んだ状態の説明図である。
【図8】(a)(b)は同上に用いる扉部材の説明図である。
【図9】(a)は同上に用いるカバーの斜視図、(b)はD部拡大図、(c)はカバーに扉部材および扉付勢ばねを仮保持させた状態の説明図である。
【図10】(a)(b)は同上に用いる扉部材の開閉動作を示す要部断面図である。
【図11】同上の内部回路図である。
【図12】(a)(b)は実施形態2のコンセントにプラグを接続した状態の要部断面図である。
【図13】(a)(b)は同上にプラグが接続されていない状態の要部断面図である。
【図14】同上の分解斜視図である。
【図15】(a)は同上に用いるボディの斜視図、(b)はボディに扉部材および検出電極を組み込んだ状態の斜視図である。
【図16】(a)(b)は同上に用いる扉部材の説明図、(c)は扉部材に検出電極を取り付けた状態の説明図である。
【図17】(a)は同上に用いるカバーを後方から見た斜視図、(b)はE部拡大図である。
【図18】(a)〜(c)は同上に用いる扉部材の説明図である。
【図19】(a)(b)は同上に用いる扉部材の開閉動作を示す説明図である。
【符号の説明】
【0056】
1 器具本体
2 ボディ
3 カバー
4a 栓刃挿入口
5 検出電極用挿通孔
7a 刃受部材
9 扉部材
10 扉付勢ばね
11 検出電極
12 漏電検出部(トラッキング検出手段)
13 接点(遮断手段)
15 コイルばね
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラグの栓刃がそれぞれ挿入される2個で1組の栓刃挿入口が前面に開口する器具本体と、器具本体の内部にそれぞれ収納され、各栓刃挿入口を通して挿入される栓刃に電気的に接続されるとともに電源に接続される複数の刃受部材と、各栓刃挿入口を閉塞する閉位置と開放する開位置との間で移動自在に配置され、扉付勢ばねによって閉方向に付勢されるとともに、栓刃で押されることにより扉付勢ばねのばね力に抗して開方向へ移動する扉部材と、器具本体の前面において組をなす2個の栓刃挿入口の間に開口する検出電極用挿通孔と、扉部材の開閉動作に応じて駆動され、プラグの接続時において検出電極用挿通孔から外側に突出してプラグと当接する突出位置と非接続時において検出電極用挿通孔の内側に後退する退避位置との間で進退自在に配置された検出電極と、栓刃挿入口に挿入される栓刃と検出電極との間に流れる電流からトラッキングを検出するトラッキング検出手段と、トラッキング検出手段がトラッキングを検出すると刃受部材と電源との間を電気的に遮断する遮断手段とを備えて成ることを特徴とするコンセント。
【請求項2】
一端側が器具本体の底部側に固定されるとともに、他端側に検出電極が接続されたコイルばねを備え、扉部材が閉位置に移動した状態では扉部材に検出電極が押圧されてコイルばねが湾曲するように撓むことで検出電極が内側に後退するとともに、扉部材が開位置に移動した状態ではコイルばねが湾曲状態から直線状に戻ることで検出電極が外側に突出することを特徴とする請求項1記載のコンセント。
【請求項3】
器具本体の底部にコイルばねの一端側が圧入固定される柱状の圧入突起を設けるとともに、圧入突起の周面に圧入代となる突出部を設け、当該突出部の圧入方向手前側にコイルばねの挿入を案内するための傾斜面を設けたことを特徴とする請求項2記載のコンセント。
【請求項4】
一端側が扉部材に固定されるとともに、他端側に検出電極が接続されたコイルばねを備え、扉部材が閉位置に移動した状態では検出電極用挿通孔の孔縁に検出電極が当接してコイルばねが湾曲するように撓むことで検出電極が内側に後退するとともに、扉部材が開位置に移動した状態ではコイルばねが湾曲状態から直線状に戻ることで検出電極が外側に突出することを特徴とする請求項1記載のコンセント。
【請求項5】
扉部材に、コイルばねの一端側が圧入固定される柱状の圧入突起を設けたことを特徴とする請求項4記載のコンセント。
【請求項6】
扉部材が閉位置に移動した状態で、検出電極用挿通孔の孔縁に当接して倒された検出電極を逃がす逃がし溝を扉部材に設けたことを特徴とする請求項4又は5記載のコンセント。
【請求項7】
扉部材の閉方向への移動に伴って接近してきた検出電極と当接して、検出電極を倒すための傾斜面を検出電極用挿通孔の孔縁に設けたことを特徴とする請求項4乃至6の何れか1項に記載のコンセント。
【請求項8】
器具本体は前面側のカバーと後面側のボディとで構成され、カバーの内側面に、扉付勢ばねの一端側を受けるばね受け部と、扉部材と当接して扉部材の閉方向への移動を規制する扉固定部とを設けたことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載のコンセント。
【請求項9】
器具本体の内側面において検出電極挿通孔の孔縁に、検出電極が進退する方向と交差する方向において検出電極が倒れるのを防止するガイド壁を設けたこと特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載のコンセント。
【請求項10】
閉位置にある扉部材が一方の栓刃挿入口から挿入された栓刃で押圧され、他方の栓刃挿入口に臨む扉部材の部位が器具本体の前壁裏側に接近するように傾斜した状態で、器具本体の前壁裏側に接近した扉部材の部位と係止して扉部材の開方向への移動を規制する移動規制突起を器具本体の前壁裏側に設けたことを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載のコンセント。
【請求項1】
プラグの栓刃がそれぞれ挿入される2個で1組の栓刃挿入口が前面に開口する器具本体と、器具本体の内部にそれぞれ収納され、各栓刃挿入口を通して挿入される栓刃に電気的に接続されるとともに電源に接続される複数の刃受部材と、各栓刃挿入口を閉塞する閉位置と開放する開位置との間で移動自在に配置され、扉付勢ばねによって閉方向に付勢されるとともに、栓刃で押されることにより扉付勢ばねのばね力に抗して開方向へ移動する扉部材と、器具本体の前面において組をなす2個の栓刃挿入口の間に開口する検出電極用挿通孔と、扉部材の開閉動作に応じて駆動され、プラグの接続時において検出電極用挿通孔から外側に突出してプラグと当接する突出位置と非接続時において検出電極用挿通孔の内側に後退する退避位置との間で進退自在に配置された検出電極と、栓刃挿入口に挿入される栓刃と検出電極との間に流れる電流からトラッキングを検出するトラッキング検出手段と、トラッキング検出手段がトラッキングを検出すると刃受部材と電源との間を電気的に遮断する遮断手段とを備えて成ることを特徴とするコンセント。
【請求項2】
一端側が器具本体の底部側に固定されるとともに、他端側に検出電極が接続されたコイルばねを備え、扉部材が閉位置に移動した状態では扉部材に検出電極が押圧されてコイルばねが湾曲するように撓むことで検出電極が内側に後退するとともに、扉部材が開位置に移動した状態ではコイルばねが湾曲状態から直線状に戻ることで検出電極が外側に突出することを特徴とする請求項1記載のコンセント。
【請求項3】
器具本体の底部にコイルばねの一端側が圧入固定される柱状の圧入突起を設けるとともに、圧入突起の周面に圧入代となる突出部を設け、当該突出部の圧入方向手前側にコイルばねの挿入を案内するための傾斜面を設けたことを特徴とする請求項2記載のコンセント。
【請求項4】
一端側が扉部材に固定されるとともに、他端側に検出電極が接続されたコイルばねを備え、扉部材が閉位置に移動した状態では検出電極用挿通孔の孔縁に検出電極が当接してコイルばねが湾曲するように撓むことで検出電極が内側に後退するとともに、扉部材が開位置に移動した状態ではコイルばねが湾曲状態から直線状に戻ることで検出電極が外側に突出することを特徴とする請求項1記載のコンセント。
【請求項5】
扉部材に、コイルばねの一端側が圧入固定される柱状の圧入突起を設けたことを特徴とする請求項4記載のコンセント。
【請求項6】
扉部材が閉位置に移動した状態で、検出電極用挿通孔の孔縁に当接して倒された検出電極を逃がす逃がし溝を扉部材に設けたことを特徴とする請求項4又は5記載のコンセント。
【請求項7】
扉部材の閉方向への移動に伴って接近してきた検出電極と当接して、検出電極を倒すための傾斜面を検出電極用挿通孔の孔縁に設けたことを特徴とする請求項4乃至6の何れか1項に記載のコンセント。
【請求項8】
器具本体は前面側のカバーと後面側のボディとで構成され、カバーの内側面に、扉付勢ばねの一端側を受けるばね受け部と、扉部材と当接して扉部材の閉方向への移動を規制する扉固定部とを設けたことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載のコンセント。
【請求項9】
器具本体の内側面において検出電極挿通孔の孔縁に、検出電極が進退する方向と交差する方向において検出電極が倒れるのを防止するガイド壁を設けたこと特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載のコンセント。
【請求項10】
閉位置にある扉部材が一方の栓刃挿入口から挿入された栓刃で押圧され、他方の栓刃挿入口に臨む扉部材の部位が器具本体の前壁裏側に接近するように傾斜した状態で、器具本体の前壁裏側に接近した扉部材の部位と係止して扉部材の開方向への移動を規制する移動規制突起を器具本体の前壁裏側に設けたことを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載のコンセント。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2008−159478(P2008−159478A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−348560(P2006−348560)
【出願日】平成18年12月25日(2006.12.25)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月25日(2006.12.25)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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