説明

コンテナ支持部材及び支持部材を備えたコンテナ

【課題】台座部と支柱の溶接による固定により台座部の上面に発生する歪みを抑制し、長期の使用によっても強度が低下しないコンテナ支持部材及びコンテナを提供することを目的とする。又、台座部の上面の水切れをよくし、洗浄が容易であること、及びコンテナ、特に台座部を常に衛生的に保つことを目的とする。
【解決手段】コンテナ本体10がコンテナ支持部材2に支持され、コンテナ支持部材2は平面視で四角形の枠状の台座部3と台座部3の四隅の上面37に溶接固定されて上方へ延び、先端部でコンテナ本体10と溶接固定されてコンテナ本体10を直接支持する4本の支柱4を備え、台座部3の上面37が凸状に形成されているコンテナ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナの支持部材及び支持部材を備えたコンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、粉体、粒体、液体等の保管、運搬に、コンテナが使用されている。そして、これらのコンテナには、上部に開閉自在な蓋で覆われた開口部が形成され、下部にはバルブや弁等を用いた排出部が形成されているコンテナ本体が支持部材に支持されて構成されているものもあり(例えば、特許文献1参照。)、このような構成のコンテナは、コンテナ本体は、支持部材と着脱自在に、又は支持部材に溶接等で固定されて支持部材によって支持されていた。
【0003】
そして、上記のようなコンテナの支持部材の一形態として、設置面に直接接する台座部と、台座部の上面から上方へ延びコンテナを直接支持する支柱、或いは更に支柱間に架設された補強梁を備えて構成されているものが使用され、台座部は中空状のパイプ又は中実の棒状体で、縦断面が四角形に形成されていたか、又は板状体で形成されて、上面が水平状態となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−211691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、台座部は、中空状のパイプを使用する場合であって、台座部と支柱を溶接して固定する場合には、溶接の熱により台座部の上面に歪みが生じることがあった。このような歪みが生じると、経年変化により歪みが増大すると同時に台座部が劣化しやすく、強度に問題が生じることとなる。
【0006】
更に、この歪みにより、或いはコンテナ本体及びコンテナ本体内に収納する投入物の重量による負荷により、台座部の上面に凹部が形成される場合があり、支持部材を備えたコンテナを洗浄した後にも、この凹部に汚れや洗浄水が残存して、洗浄効果が減衰し、不衛生なコンテナとなってしまうといった問題点や、完全に洗浄を行うために余分な作業と時間が費やされるといった問題点があった。又、台座部の上面が平面に形成されている場合にも、水切れが悪く、コンテナ洗浄後に台座部の上面に汚れや洗浄水が残存し易く、同様の問題点があった。
【0007】
そこで、本発明は、台座部と支柱の溶接による固定により台座部の上面に発生する歪みを抑制し、長期の使用によっても強度が低下しないコンテナの支持部材及びコンテナを提供することを目的とする。又、台座部の上面に凹状の歪みが発生することを防止する等して、台座部の上面の水切れをよくし、洗浄が容易であること、及びコンテナ、特に台座部を常に衛生的に保つことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上のような課題を解決するための手段としての本発明は、コンテナ本体を支持するコンテナ支持部材であって、台座部と該台座部の上面から上方へ延びコンテナ本体を支持する支柱を備え、前記台座部の上面が凸状に形成されていることを特徴とするコンテナ支持部材である。
【0009】
又、上記にコンテナ支持部材おいて、前記台座部の上面が、凸状の曲面状であることを特徴とするコンテナ支持部材である。
【0010】
更に、上記のコンテナ支持部材を備え、コンテナ本体を前記コンテナ支持部材で支持したことを特徴とするコンテナである。
【発明の効果】
【0011】
以上のような本発明によれば、台座部と支柱の溶接による固定の際に、台座部の上面に発生する歪みを抑制することが出来、長期の使用によっても強度が低下しないコンテナの支持部材及びコンテナを提供することが出来た。又、台座部の上面に凹状の歪みが発生することを防止することが出来、又、台座部の上面に汚れがたまりにくく、水切れをよくすることが出来たので、洗浄が容易となり、コンテナ、特に台座部を常に衛生的に保つことが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明一実施例斜視図
【図2】図1A部拡大図
【図3】台座部の実施例縦断面図
【図4】本発明他実施例側面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図を参照して説明する。図1に示すように、本発明のコンテナ1は、粉体、粒体、液体等の保管、運搬に用いられるもので、コンテナ本体10がコンテナ支持部材2に支持されて構成されている。コンテナ本体10の上部には、図示しない開閉自在な蓋や、攪拌器等が設置されて、使用時には密閉される上部開口部11が形成され、下部には図示しないバルブや弁等を用いた排出部とつながる下部開口部12が形成されている。コンテナ本体10は、上部が長方体で下部が四角錐を上下逆にしたテーパー状の形状のものを図示しているが、このような形状、形態に限定されず、角型、円筒型等公知の様々な形状、形態のものを使用することが出来る。
【0014】
コンテナ支持部材2は、コンテナ本体10を支持する部材であり、コンテナ1を設置する設置面に直接接する台座部3と、台座部3の上面37から上方へ延び、コンテナ本体10を直接支持する4本の支柱4を備えて形成されている。
【0015】
台座部3はコンテナ本体10の形状に対応させ、平面視四角形のコンテナ本体10に対して、4本の直線状の台座部材30を端部同士を溶接して平面視で四角形の枠状に形成している。台座部材30は中実の棒状体を使用してもよいが、台座部3の軽量化等のために中空状のパイプで形成することが好ましい。
【0016】
台座部材30は、図2に示すように、上面31と底面32と底面32の両端部から上方に延び、その上端で上面31の側端と接する側面33,33を有し、底面32及び側面33は、平面状に形成され、上面31の全面は上方に凸状に形成されて、台座部3の上面37の全面が上方に凸状に形成されている。尚、側面33は底面32に対し垂直でなくてもよい。
【0017】
このように台座部3の上面37が上方に凸状に形成されているので、上面37に水平の平面及び凹部が形成されない。従って、水切れがよく、又、台座部3の上面37に水や汚れが溜まることがない。又、台座部3と支柱4を溶接する際に、溶接の熱により台座部3の上面31に歪みが生じにくくすることが出来る。
【0018】
台座部材30の凸状の形状としては、これらに限定されないが、図3に示すように、台座部材30の長手方向に直交する縦断面形状で、凸状の曲面状としての円弧状(a)や楕円弧状(b)、二等辺の三角形状(c)、二辺の長さが異なる三角形状(d)、円弧と直線が結合した形状(e)等の形状とすることが出来る。
【0019】
又、台座部材30は、図3(f)に示すように、側面を有さず、底面32の両端から凸状の上面31が立ち上がる形状としてもよい。この場合の上面31の形状としても、台座部材30長手方向に直交する縦断面形状で、円弧状、楕円弧状、二等辺の三角形状、二辺の長さが異なる三角形状、円弧と直線が結合した形状等の形状とすることが出来る。
【0020】
更に、図示はしないが、台座部3は台座部材30間に補助棒を架設して、台座部3、支持部材2の強度を高めることとしてもよい。この場合、補助棒も台座部材30と同様に、上面を凸状に形成し、台座部3の上面37を凸状に形成する。又、台座部材30や補助棒は平面状の底面を備えることが安定性が向上するためには望ましいが、縦断面が円形の部材を用いてもよい。この場合の上面とは、平面視で見られる部分を意味する。
【0021】
支柱4は、図1及び図2によく示すように、台座部3の四隅に、夫々台座部材30の上面31に支柱4の下端を溶接等で固定して、台座部材30に対して垂直に設置している。支柱4は、中実の棒状体を使用してもよいが、軽量化等のために中空状のパイプで形成することが好ましい。又、横断面が円形の支柱を使用してもよいが、この形状に限定されず、横断面が四角形の柱やL字型の板体等の支柱を使用してもよい。
【0022】
支柱4の上端には、コンテナ本体10の形状に対応した受け板41が設けられ、4個の受け板41がコンテナ本体10の側面と溶接等により固定されて、支柱4でコンテナ本体10を支持している。
【0023】
又、コンテナ1及びコンテナ支持部材2の他の実施形態として、台座部3をコンテナ本体10の平面視形状と同形状とせず、平面視四角形のコンテナ本体に対し平面視円形の枠体とする等してもよい。更に、台座部3の形状は一体的な枠状に限定されず、分割させて構成してもよく、例えば、2本の台座部材30を接続せずに平行に配置し、夫々の両端部に支柱4を設置する構成や、3本の台座部材30をコの字型に連結する構成、4本の台座部材30を接続せずに配置し、夫々の台座部材30に支柱4を設置する構成等としてもよい。又、台座部3は、台座部材30の底面32に下方へ突出する脚部を形成してもよい。
【0024】
又、コンテナ1は、上述のようなコンテナ本体10がコンテナ支持部材2に動かないように固定された構成に限定されず、コンテナ本体10がコンテナ支持部材2から着脱自在な構成や、回動等支持部材2に対する相対的な移動が可能な構成も採用することが出来る。具体的には、受け板41とコンテナ本体10を固定せず、コンテナ本体10を受け板41上に載置して、コンテナ本体10をコンテナ支持部材2から着脱自在としてもよく、又、図示はしないが、コンテナは、上述のような台座部3に、台座部材30の同一辺の両端部に設置する支柱を互いの方向に傾斜させて、台座部3の上方で支柱の先端同士を固定して、対向する2対の三角形状の支持柱とし、夫々の頂点部に軸受を設け、タンク本体から突出させた軸を軸受に挿入して、コンテナ本体を回動自在に支持する構成とすることも出来る。
【0025】
更に、コンテナ支持部材2は、図4に示すように、支柱4間に補強梁5を架設して、支柱4、コンテナ支持部材2の強度を高めることとしてもよい。特に、コンテナ本体10を支柱4に溶接等で固定せずに、コンテナ本体10をコンテナ支持部材2から着脱自在とする構成の場合には、支柱4の外方向への変形を防止するために、補強梁5を設けることが好ましい。このような補強梁5の形状も、台座部材30の形状と同様に、上面を凸状に形成することが望ましい。尚、この補強梁5は縦断面が円形の部材を用いてもよい。
【符号の説明】
【0026】
1 コンテナ
10 コンテナ本体
2 コンテナ支持部材
3 台座部
30 台座部材
31 台座部材の上面
37 台座部の上面
4 支柱
41 受け板
5 補強梁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナ本体を支持するコンテナ支持部材であって、台座部と該台座部の上面から上方へ延びコンテナ本体を支持する支柱を備え、前記台座部の上面が凸状に形成されていることを特徴とするコンテナ支持部材。
【請求項2】
前記台座部の上面が、凸状の曲面状であることを特徴とする請求項1に記載のコンテナ支持部材。
【請求項3】
前記請求項1又は2に記載のコンテナ支持部材を備え、コンテナ本体を前記コンテナ支持部材で支持したことを特徴とするコンテナ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−153371(P2012−153371A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−11119(P2011−11119)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(592193535)タニコー株式会社 (46)
【Fターム(参考)】